JP2016022294A - 生体監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】被介護体の健康状態を監視する生体監視システムを提供する。【解決手段】生体監視システムは、圧電センサ1と、この圧電センサ1によって検出される被介護体の生体信号の合成波をそれぞれの生体信号に分離し、分離された生体信号を記憶部に記憶すると共に、上記分離された生体信号に基づいて生体信号データを生成し、上記生体信号データを予め定められた条件に基づいて定められた装飾を付与した上で介護人の要求に応じて又は自動的に出力部に出力する生体信号報知手段とを有することを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、生体監視システムに関する。
病院や老人ホームなどでは、患者又は入居者の健康状態を十分に監視する必要があり、患者又は入居者の状態を介護人が定期的に見回りを行っている。患者又は介護者を絶え間なく見回ることは介護人にとって大変な労力を要し、介護人の労力の軽減が求められている。
又、医療費の高騰の抑制のために在宅医療の促進も進められており、自宅において治療を受けている患者、特に、独り暮らしの老人の健康状態を如何に管理するかも問題の一つとなっている。
特許文献1には、健康管理委託者の自宅に設置された入力装置と、契約医療機関に設置されたサーバーを公衆回線、専用線、CATV回線等の通信回線を介して接続した在宅健康管理システムにおいて、委託者が感じる日々の体調有訴のデータを健康管理のチェックデータとして、入力・送信させ、医療機関の端末機において監視するとともに個別のデーターベースとして蓄積するようにした体調有訴のデータを対象とする在宅健康管理システムが提案されている。
しかしながら、上記在宅健康管理システムは、患者が自ら健康状態の入力をする必要があり、患者が健康状態の入力を怠った場合や、患者が健康状態の入力ミスをした場合には、患者の正確な健康状態を把握できないという問題点を有する。
本発明は、被介護体の生体信号を自動的に測定し、測定された生体信号を記憶部に記憶し且つ介護者の要求に応じて又は自動的に出力部に出力することによって介護人が容易に被介護体の健康状態を容易に把握することができ、被介護体の健康状態の変化に円滑に対応することができる生体監視システムを提供する。
本発明の生体監視システムは、圧電センサと、この圧電センサによって検出される被介護体の生体信号の合成波をそれぞれの生体信号に分離し、分離された生体信号を記憶部に記憶すると共に、上記分離された生体信号に基づいて生体信号データを生成し、上記生体信号データを予め定められた条件に基づいて定められた装飾を付与した上で介護人の要求に応じて又は自動的に出力部に出力する生体信号報知手段とを有することを特徴とする。
上記生体監視システムにおいて、温度センサを更に有しており、温度センサによって検出される温度を記憶部に記憶すると共に、上記検出された温度に基づいて生成された温度データ又は上記検出された温度を予め定められた条件に基づいて定められた装飾を付与した上で介護人の要求に応じて又は自動的に出力部に出力する温度報知手段を更に有する。
上記生体監視システムにおいて、周期的な生体信号が、脈波信号及び呼吸信号であることを特徴とする。
上記生体監視システムにおいて、記憶部に記憶された脈波信号を時系列的に集計単位時間ごとに集計して単位時間脈波数として記憶部に順次、記憶し、最新の単位時間脈波数が予め定められた基準範囲から外れている場合に、出力部に警告信号を発信する異常報知手段を更に有することを特徴とする。
上記生体監視システムにおいて、記憶部に記憶された呼吸信号を時系列的に集計単位時間ごとに集計して単位時間呼吸数として記憶部に順次、記憶し、最新の単位時間呼吸数が予め定められた基準範囲から外れている場合に、出力部に警告信号を発信する異常報知手段を更に有することを特徴とする。
上記生体監視システムにおいて、圧電センサは、ベッド上の被験者の周期的な生体信号を検出していることを特徴とする。
上記生体監視システムにおいて、記憶部に記憶された一又は複数の生体信号をそれぞれ時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つ最新の離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに出力部に離床信号を発信する離床報知手段を更に有することを特徴とする。
本発明の生体監視システムは、上述の如き構成を有していることから、被介護体の生体信号データに基づいて介護人は被介護体の健康状態を容易に把握することができ、介護人は被介護体の介護を適切に行うことができる。
上記生体監視システムにおいて、温度センサを更に有しており、温度センサによって検出される温度を記憶部に記憶すると共に、上記検出された温度に基づいて生成された温度データ又は上記検出された温度を予め定められた条件に基づいて定められた装飾を付与した上で介護人の要求に応じて又は自動的に出力部に出力する温度報知手段を更に有する場合には、介護人の体温又は離床判断も管理することができ、介護人の健康状態をより正確に把握することができる。
上記生体監視システムにおいて、周期的な生体信号が、脈波信号及び呼吸信号である場合には、被介護体から常に信号が発せられており、被介護体の健康状態を常時、監視することができる。
上記生体監視システムにおいて、記憶部に記憶された脈波信号を時系列的に集計単位時間ごとに集計して単位時間脈波数として記憶部に順次、記憶し、最新の単位時間脈波数が予め定められた基準範囲から外れている場合に、出力部に警告信号を発信し、又は、記憶部に記憶された呼吸信号を時系列的に集計単位時間ごとに集計して単位時間呼吸数として記憶部に順次、記憶し、最新の単位時間呼吸数が予め定められた基準範囲から外れている場合に、出力部に警告信号を発信する異常報知手段を有している場合には、被介護体の健康状態の異常を速やかに検知し、被介護体の介護を迅速に行うことができる。
上記生体監視システムにおいて、記憶部に記憶された一又は複数の生体信号をそれぞれ時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つ最新の離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに出力部に離床信号を発信する離床報知手段を更に有する場合には、ベッド上の介護人が離床したことを速やかに検知し、被介護体を迅速に保護し又は被介護体の介護を迅速に行うことができる。
本発明の生体監視システムAの一例を図面を参照しながら説明する。生体監視システムAは、圧電センサ1と、この圧電センサ1によって検出される被介護体の生体信号の合成波をそれぞれの生体信号に分離し、分離された生体信号を記憶部に記憶すると共に、上記分離された生体信号に基づいて生体信号データを生成し、この生体信号データを予め定められた条件に基づいて定められた装飾を付与した上で介護人の要求に応じて又は自動的に出力部に出力する生体信号報知手段とを少なくとも備えている。
生体監視システムAは、記憶部に記憶された脈波信号を時系列的に集計単位時間ごとに集計して単位時間脈波数として記憶部に順次、記憶し、最新の単位時間脈波数が予め定められた基準範囲から外れている場合に、出力部3に警告信号を発信し、又は、記憶部に記憶された呼吸信号を時系列的に集計単位時間ごとに集計して単位時間呼吸数として記憶部に順次、記憶し、最新の単位時間呼吸数が予め定められた基準範囲から外れている場合に、出力部3に警告信号を発信する異常報知手段を備えていることが好ましい。
生体監視システムAは、記憶部に記憶された一又は複数の生体信号をそれぞれ時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つ最新の離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに出力部に離床信号を発信する離床報知手段を更に有することが好ましい。
図1は、生体監視システムAを実現するためのハードウエア構成を示した図である。図1に示したように、CPU(Central Processing Unit)4に、記憶部に相当するSSD(Solid State Drive)及びHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置2と、出力部に相当するディスプレイ、スピーカ及びプリンタなどの出力装置3と、ROM(Read Only Memory)5と、RAM(Random Access Memory)6と、測定モジュール7とが電気的に接続されている。測定モジュール7には、圧電センサ1と、温度センサ8とが電気的に接続されている。なお、CPU4、記憶装置2、出力装置3、測定モジュール7、圧電センサ10及び温度センサ8の相互の電気的な接続は、有線であっても無線であってもよく、LANを介していてもよい。
測定モジュール7としては、圧電センサ1にて発生した電位を測定することができればよく、汎用の電位計を用いることができる。温度センサ8は、被介護体の体温を測定することができればよく、汎用の温度センサを用いることができる。
本発明において、「被介護体」には、高齢者の他に、新生児、保育児などの若年者なども含まれ、年齢を問わず、介護が必要な者が全て含まれ、更に、ペットも含まれる。
圧電センサ1は、公知のものを用いることができ、具体的には、圧電シートの一面にグランド電極が積層一体化され且つ圧電シートの他面にシグナル電極が積層一体化されてなる。グランド電極及びシグナル電極には導電線が電気的に接続され、これらの導電線が測定モジュール7に電気的に接続されており、圧電シート1にて発生した電位が測定モジュール7によって測定されるように構成されている。
圧電シートとは、外力が加えられることによって表面に電荷を発生させることができるシート(圧電現象を有するシート)であれば、特に限定されない。圧電シートとしては、感度が高く、厚み方向の変形で電荷を発生しやすいことから、合成樹脂シート(合成樹脂発泡シート又は合成樹脂非発泡シート)に分極を付与した圧電シートが好ましく、合成樹脂発泡シートに分極を付与した圧電シートがより好ましい。
合成樹脂シートを構成する合成樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリ乳酸、液晶樹脂などが挙げられ、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
合成樹脂シートに分極を付与する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)合成樹脂シートを一対の平板電極で挟持し、帯電させたい表面に接触させている平板電極を高圧直流電源に接続すると共に他方の平板電極をアースし、合成樹脂シートに直流又はパルス状の高電圧を印加して合成樹脂に電荷を注入して合成樹脂シートに分極を付与する方法、(2)電子線、X線などの電離性放射線や紫外線を合成樹脂シートの表面に照射して、合成樹脂シートの近傍部の空気分子をイオン化することによって合成樹脂シートに分極を付与する方法、(3)合成樹脂シートの第一の面に、アースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、合成樹脂シートの第二の面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極又はワイヤー電極を配設し、針状電極の先端又はワイヤー電極の表面近傍への電界集中によりコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極又はワイヤー電極の極性により発生した空気イオンを反発させて合成樹脂に分極を付与する方法などが挙げられる。
ROM5内には、CPU4にて実行される制御プログラムや各種データが格納されている。RAM6には、各種のプログラムに基づいて設定される設定値を一次的に記憶するためのメモリなどが格納されている。
具体的には、ROM5内には、生体信号報知手段としての生体信号報知プログラムが格納されている。生体信号報知手段は、CPU4やRAM6上に生体信号報知プログラムを読み込ませることにより、CPU4の制御のもとで、RAM6や記憶装置2におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
圧電センサ1は、被介護体が使用するベッド上又は椅子の座面上などに配設され、圧電センサ1上において被介護体が横臥、着座又は起立するなどしており、被介護体から発せられる脈及び呼吸などの周期的な振動又は被介護体の体動によって圧電センサ1の圧電シートが押圧されて圧縮変形し、この圧縮変形に伴って圧電シートにおいて電位が発生し、この電位は被介護体から発せられる振動に伴って変化する。被介護体から発せられる振動が脈及び呼吸などの周期的な振動である場合には、圧電シートにて発生する電位も周期的に変化する。生体信号報知プログラムは、図2に示したように、測定モジュール7を制御し、上述のようにして圧電センサ1で発生した、経時的な電位の変化を生体信号として取得する(ステップ1(S1))。測定モジュール7から得られた生体信号は、被介護体から発せられる脈、呼吸及び体動などの複数の振動によって生じたものであり、複数の生体信号の合成波となる。そこで、生体信号報知プログラムは、複数の生体信号の合成波を、フーリエ変換によって、周波数ごとに分離して分離信号を生成し、この分離信号を逆フーリエ変換によって、それぞれの生体信号(例えば、脈波信号、呼吸信号、体動信号など)に分離する(ステップ2(S2))。生体信号報知プログラムが生体信号の合成波からそれぞれの生体信号を分離させて得られた生体信号は、縦軸を電位とし、横軸を時間とすると、例えば、図4に示したようになる。脈波信号及び呼吸信号の場合には、図4に示したように、電位は経時的に周期的に変化する。人の脈は一分間当たり50〜90回であって周期としては0.6〜3Hzとなり、人の呼吸は一分間当たり16〜18回であって周期としては0.1〜1Hzとなり、人の体動は一般的に10Hz以上となるので、これらを目安にして生体信号報知プログラムは、上述の要領で、複数の生体信号の合成波をそれぞれの生体信号に分離する。
そして、生体信号報知プログラムは、生体信号の合成波から分離させて得られた生体信号を記憶部である記憶装置2に記憶すると共に、上記分離された生体信号に基づいて生体信号データを生成し、この生体信号データを予め定められた条件に基づいて定められた装飾を付与した上で介護人の要求に応じて又は自動的に出力部である出力装置3に出力するように設定されている(ステップ3(S3))。記憶装置2には、圧電センサ1にて発生した電位と、この電位が測定された時間とが一対となって生体信号として、生体信号ごとにそれぞれ独立して読み出し可能に記憶される。例えば、生体信号が脈波信号である場合には、図3に示したように、圧電センサ1で発生した電位とその測定時刻とが一対となって脈波テーブルに記憶される。又、生体信号が呼吸信号である場合には、脈波の場合と同様に、圧電センサ1で発生した電位とその測定時刻とが一対となって呼吸テーブルに記憶される。
更に、生体信号報知プログラムは、一又は複数の生体信号に基づいて生体信号データを生成する。生体信号データは、生体信号に基づいて算出されたものであれば、特に限定されない。生体信号データとしては、例えば、単位時間当たりの生体信号数、過去の生体信号数の平均値などが挙げられる。
生体信号データとして、例えば、単位時間当たりの脈波数(脈拍数)を生成する場合を説明する。生体信号報知プログラムは、記憶装置2に記憶された生体信号のうちの脈拍信号(脈波テーブル)にアクセスする。記憶装置2には、上述のように、圧電センサ1で発生した電位とその測定時刻とが一対となって脈拍テーブルに時系列的に記憶されている。
脈波信号は、上述したように、縦軸を電位とし、横軸を時間としたときに、周期的に変化している。生体信号報知プログラムは、脈波信号を縦軸を電位とし横軸を時間としたグラフとして認識し、脈波テーブルに時系列的に記憶されている脈波信号のうち、出力単位時間(例えば、1分、30秒など)分の最も新しい脈波信号を抽出する。そして、抽出した脈波信号に含まれている周期(電位が0から最大値をとった上で最小値をとった後に0に戻るまでを一周期とする)の数を数え、この周期の数を単位時間当たりの脈波数とする。この単位時間当たりの脈波数が生体信号データとなる。
更に、生体信号データとして、上記の最新の単位時間当たりの脈波数に加えて、過去の単位時間当たりの脈波数も含まれてもよい。このような生体信号データを生成する場合、生体信号報知プログラムは、脈波テーブルに時系列的に記憶されている脈波信号を新しい脈波信号から出力単位時間ごとに区画して出力区画を形成し、各出力区画に含まれている脈波信号中の周期の数を数え、それぞれの周期の数を単位時間当たりの脈波数とする。
なお、単位時間当たりの脈波数の他に、例えば、生体信号データとして単位時間当たりの呼吸数を生成する場合には、生体信号報知プログラムは、呼吸テーブルにアクセスし、上述と同様の要領で、生体信号データとして単位時間当たりの呼吸数を生成すればよい。
生体信号データとして、例えば、過去の脈波数(脈拍数)の平均値を生成する場合を説明する。生体信号報知プログラムは、記憶装置2に記憶された生体信号のうちの脈拍信号(脈波テーブル)にアクセスする。
生体信号報知プログラムは、脈波テーブルに時系列的に記憶されている脈波信号に基づき、脈波信号を測定した合計時間を算出すると共に、脈波信号を縦軸を電位とし横軸を時間としたグラフとして認識し、脈波テーブル中の全ての脈波信号に含まれている周期の数を数える。
生体信号報知プログラムは、脈波信号を測定した合計時間、及び、脈波テーブル中の全ての脈波信号に含まれている周期の数に基づいて、下記式1に基づいて過去の脈波数の平均値を算出する。この過去の脈波数の平均値が生体信号データとなる。
過去の脈波数の平均値
=(出力単位時間)×(脈波テーブル中の全ての脈波信号に含まれている周期の数)
/(脈波信号を測定した合計時間)
過去の脈波数の平均値
=(出力単位時間)×(脈波テーブル中の全ての脈波信号に含まれている周期の数)
/(脈波信号を測定した合計時間)
なお、過去の脈波数の平均値の他に、例えば、生体信号データとして過去の呼吸数の平均値を生成する場合には、生体信号報知プログラムは、呼吸テーブルにアクセスし、上述と同様の要領で、生体信号データとして過去の呼吸数の平均値を生成すればよい。
そして、生体信号プログラムは、生体信号に基づいて生成された生体信号データを介護人の要求により又は自動的に出力装置3に出力する。出力装置3への生体信号の出力形式は、特に限定されず、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷などが挙げられる。
出力装置3に生体信号データを出力する場合、出力装置3への表示方法は、生体信号データの種類に応じて適宜、変更されればよい。例えば、現在の単位時間当たりの脈波数を表示する場合には、図5に示したように、単位時間当たりの脈波数を円グラフの如く表示する表示方法、図6に示したように、単位時間当たりの脈波数を帯グラフの如く表示する表示方法、単位時間当たりの脈波数を数字として表示する表示方法などが挙げられる。過去から現在までの単位時間当たりの脈波数を表示する場合には、図7に示したように、横軸を時間とし、単位時間当たりの脈波数を時系列的に表示する表示方法などが挙げられる。
生体信号報知プログラムは生体信号データを出力装置3に出力するが、生体信号報知プログラムによる出力装置3への生体信号データの出力は、CPUに電気的に接続されたキーボード、液晶タッチパネルなどの入力装置(図1において図示せず)を通じた介護者からの要求があった場合に行われてもよいし、又は、介護者からの要求の有無にかかわらず、自動的に所定間隔毎(例えば、1秒、30秒、1分など)に行われてもよい。
介護者からの要求があった場合に生体信号報知プログラムが出力装置に生体信号データを出力するように設定されている場合、生体信号報知プログラムは、介護者からの要求があった時点で上記動作によって生体信号データを生成してもよいし、又は、介護者からの要求の有無にかかわらず、上記動作によって生体信号データを自動的に所定間隔毎に生成し、生成した生体信号データをRAM6又は記憶装置2に一時的に記憶させておき、介護者からの要求があった時に、一次的に記憶させている生体信号データを出力装置3に出力させるようにしてもよい。
生体信号報知プログラムは、生体信号データに装飾を付与した上で、出力装置3に生体信号データを出力する。生体信号データに付与される装飾は、予め定められた条件に基づいて生体信号データの値によって決定される。
生体信号データの値から被介護体の健康状態に異常が発生している可能性があると判断される場合には、生体信号データに、介護人が被介護体の健康状態に異常が発生していることが容易に認識可能な装飾が付与される。装飾としては、例えば、出力装置に表示される文字及び線を危険を認識させる赤系の色彩とする装飾、危険を認識させるキャラクター(例えば、泣き顔の医師のキャラクター)を生体信号データと共に表示する装飾などが挙げられる。
一方、生体信号データの値から被介護体の健康状態に異常が発生している可能性がないと判断される場合には、生体信号に、被介護体の健康状態に問題がないことが容易に認識可能な装飾が付与される。装飾としては、例えば、出力装置に表示される文字及び線を安全又は安心を認識させる青系又は緑系の色彩とする装飾、安全又は安心を認識させるキャラクター(例えば、笑顔の医師のキャラクター)を生体信号データと共に表示する装飾などが挙げられる。
例えば、生体信号データが単位時間(一分)当たりの脈波数であって、被介護体が成人である場合、一分間当たりの一般的な脈波(脈拍)数が50〜100回であることから、単位時間当たりの脈波数が50〜100回の範囲内にある場合には、出力装置3に生体信号データを出力するにあたって、単位時間当たりの脈波数を示す表示又は数字を青系若しくは緑系の色彩とし、又は、安全又は安心を認識させるキャラクターを出力する。一方、単位時間当たりの脈波数が49回未満又は101回以上である場合には、出力装置3に生体信号データを出力するにあたって、単位時間当たりの脈波数を示す表示又は数字を赤系の色彩とし、又は、危険を認識させるキャラクターを出力する。
生体監視システムAは、圧電センサ1に加えて温度センサ8を有していてもよい。温度センサ8は測定モジュール7に電気的に接続されている。ROM5内には、温度報知手段としての温度報知プログラムが格納されている。温度報知手段は、CPU4やRAM6上に温度報知プログラムを読み込ませることにより、CPU4の制御のもとで、RAM6や記憶装置2におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
温度センサ8は、被介護体が使用するベッド上又は椅子の座面上などに配設され、被介護体の体温を測定可能な位置に配設されている。温度報知プログラムは、図8に示したように、測定モジュール7を制御し、温度センサ8にて検出された温度を取得する(ステップ4(S4))。温度報知プログラムは、温度センサ8にて検出された温度を記憶部である記憶装置2に記憶すると共に、温度センサ8にて測定された温度又はこの温度に基づいて生成された温度データを出力部である出力装置3に出力するように設定されている(ステップ5(S5))。記憶装置2には、温度センサ8で測定された温度と、この温度が測定された時間とが対になった状態で読み出し可能に記憶される。例えば、図9に示したように、温度センサ8で測定された温度とその測定時刻とが一対となって温度テーブルに読み出し可能に記憶される。
温度報知プログラムは、必要に応じて、温度センサ8にて検出された温度に基づいて温度データを生成する。温度データは、温度センサ8にて検出された温度に基づいて算出されたものであれば、特に限定されない。温度データとしては、例えば、過去の温度の平均値などが挙げられる。
温度データとして、例えば、過去の温度の平均値を生成する場合を説明する。温度報知プログラムは、記憶装置2に記憶された温度(温度テーブル)にアクセスする。記憶装置2には、上述のように、温度センサ8にて検出した温度とその測定時刻とが一対となって温度テーブルに時系列的に記憶されている。
温度データとして、例えば、温度の平均値を生成する場合には、温度報知プログラムは、記憶装置2に記憶された温度(温度テーブル)にアクセスし、温度テーブルに時系列的に記憶されている温度の平均値を算出する。この温度の平均値が温度データとなる。
そして、温度プログラムは、温度センサ8にて検出された温度又は温度データを介護人の要求により又は自動的に出力装置3に出力する。出力装置3への温度又は温度データの出力形式は、特に限定されず、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷などが挙げられる。
出力装置3に温度又は温度データを出力する場合、出力装置3への表示方法は、適宜、変更されればよい。例えば、図5に示したように、円グラフの如く表示する表示方法、図6に示したように、帯グラフの如く表示する表示方法、温度又は温度データを数字として表示する表示方法、縦軸を温度とし、横軸を時間として、温度センサ8にて測定された温度を時系列的に表示する表示方法などが挙げられる。
温度報知プログラムは温度又は温度データを出力装置3に出力するが、温度報知プログラムによる出力装置3への温度又は温度データの出力は、CPUに電気的に接続されたキーボードなどの入力装置(図1において図示せず)を通じた介護者からの要求があった場合に行われてもよいし、又は、介護者からの要求の有無にかかわらず、自動的に所定間隔毎(例えば、1秒、30秒、1分など)に行われてもよい。
介護者からの要求があった場合に温度報知プログラムが出力装置に温度又は温度データを出力するように設定されている場合、温度報知プログラムは、介護者からの要求があった時点で上記動作によって温度データを生成してもよいし、又は、介護者からの要求の有無にかかわらず、上記動作によって温度データを自動的に所定間隔毎に生成し、生成した温度データをRAM6又は記憶装置2に一時的に記憶させておき、介護者からの要求があった時に、一次的に記憶させている温度データを出力装置3に出力させるようにしてもよい。
温度報知プログラムは、温度又は温度データに装飾を付与した上で、出力装置3に温度又は温度データを出力する。温度又は温度データに付与される装飾は、予め定められた条件に基づいて温度データの値によって決定される。
温度又は温度データの値から被介護体の健康状態に異常が発生している可能性があると判断される場合には、温度又は温度データに、介護人が被介護体の健康状態に異常が発生していることが容易に認識可能な装飾が付与される。装飾としては、例えば、出力装置に表示される文字及び線を危険を認識させる赤系の色彩とする装飾、危険を認識させるキャラクター(例えば、泣き顔の医師のキャラクター)を温度又は温度データと共に表示する装飾などが挙げられる。
一方、温度又は温度データの値から被介護体の健康状態に異常が発生している可能性がないと判断される場合には、生体信号に、被介護体の健康状態に問題がないことが容易に認識可能な装飾が付与される。装飾としては、例えば、出力装置に表示される文字及び線を安全又は安心を認識させる青系又は緑系の色彩とする装飾、安全又は安心を認識させるキャラクター(例えば、笑顔の医師のキャラクター)を温度又は温度データと共に表示する装飾などが挙げられる。
例えば、被介護体が成人である場合、一般的な体温が35.5〜37℃であることから、温度が35.5〜37℃の範囲(平常体温)内にある場合には、出力装置3に温度センサで検出された温度を出力するにあたって、温度を示す表示又は数字を青系若しくは緑系の色彩とし、又は、安全又は安心を認識させるキャラクターを出力する。37℃を超えて高い(高体温)場合には、出力装置3に温度を出力するにあたって、温度を示す表示又は数字を赤系の色彩とし、又は、高温に伴う危険を認識させるキャラクターを出力する。35.5℃未満(低体温)の場合には、後述する離床報知プログラムの行うステップ14〜17と同様の動作を行って被介護体が存在しているか否かを判断する。なお、ステップ17において、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となっている場合には、被介護体が存在していないと判断し、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合を超えた値となっている場合には、被介護体が存在していると判断する。35.5℃未満(低体温)であって被介護体が存在していると判断される場合には、被介護体が低体温症となっている可能性があり、出力装置3に温度を出力するにあたって、温度を示す表示又は数字を橙色の色彩とし、又は、低温に伴う危険を認識させるキャラクターを出力する。35.5℃未満(低体温)であって被介護体が存在していないと判断される場合には、温度センサで検出された温度は被介護体の不存在に起因するものであることから、出力装置3に温度を出力するにあたって、被介護体が不存在であることを示す文字、図形又はキャラクターを出力する。なお、上記した通常体温、高体温及び低体温の範囲は例示であって、被介護体に応じて適宜、変更されてもよい。
上述のように、生体監視システムAは、被介護体から発せられる生体信号及び体温を圧電センサ1及び温度センサ8にて常時、測定し、測定された生体信号及び体温を記憶装置2に記憶しており、被介護体の現在の健康状態を判断するにあたって過去の被介護体のデータに基づいて適切に判断することができる。
更に、生体監視システムAは、被介護体から発せられる生体信号及び体温を出力装置3に常時、出力しており、介護人は、被介護体の現在の健康状態を円滑に把握し、被介護体の健康状態を速やかに把握し、必要があれば、医師による被介護体の診断又は治療を遅滞なく行うことができる。
又、生体監視システムAは、記憶装置2に記憶された脈波信号を時系列的に集計単位時間ごとに集計して単位時間脈波数として記憶部に順次、記憶し、最新の単位時間脈波数が予め定められた基準範囲から外れている場合に、出力部に警告信号を発信し、又は、記憶部に記憶された呼吸信号を時系列的に集計単位時間ごとに集計して単位時間呼吸数として記憶部に順次、記憶し、最新の単位時間呼吸数が予め定められた基準範囲から外れている場合に、出力部に警告信号を発信する異常報知手段を有している。
ROM5内には、異常報知手段としての異常報知プログラムが格納されている。異常報知手段は、CPU4やRAM6上に異常報知プログラムを読み込ませることにより、CPU4の制御のもとで、RAM6や記憶装置2におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
異常報知プログラムは、図10に示したように、生体信号報知プログラムによって記憶装置2に記憶された生体信号のうち、周期的な生体信号の一つである脈波信号(脈波テーブル)にアクセスする(ステップ6(S6))。
脈波信号は、図4に示したように、縦軸を電位とし、横軸を時間としたときに、周期的に変化している。異常報知プログラムは、脈波信号を縦軸を電位とし横軸を時間として認識し、時系列的に記憶装置2に記憶されている脈波信号を時間的に古いものから順に、集計単位時間(例えば、1分、30秒など)ごとに区切り、各集計単位時間内にある脈波信号に含まれている周期(電位が0から最大値をとった上で最小値をとった後に0に戻るまでを一周期とする)の数を数え、この周期の数を単位時間脈波数として記憶装置2に時系列的に順次、記憶する(ステップ7(S7))。なお、集計単位時間内にある脈波信号に、一周期に満たない波形が含まれている場合、この波形は除外する。図11に示したように、記憶装置2内において、集計単位時間に古いものから番号(1、2、3・・・)を順次付与し、集計単位時間の番号と、この集計単位時間にて算出された単位時間脈波数とを一対として単位時間脈波数テーブルに記憶される。
異常報知プログラムは、上述の如く、時間的に古いものから脈波信号を集計単位時間ごとに区切り、集計単位時間ごとに単位時間脈波数を算出していく。そのため、時間的に新しい脈波信号については、その合計時間が集計単位時間に達していない場合がある。このような場合には、記憶装置2に記憶されている脈波信号は、生体信号報知プログラムによって時間の経過と共に増加し蓄積されていくので、時間的に新しい脈波信号の合計時間が集計単位時間に達しているか否かを判断する(ステップ8(S8))。時間的に新しい脈波信号の合計時間が集計単位時間に達した時点にて、この集計単位時間における単位時間脈波数を算出し、新しく算出した単位時間脈波数を追加、更新して記憶装置2に記憶する(ステップ10(S10))。
このように、異常報知プログラムは、脈波信号を時系列的に順次、集計単位時間ごとに区切り、この区切られた集計単位時間に含まれている単位時間脈波数を記憶装置2の単位時間脈波数テーブルに順次、追加して記憶する。
そして、異常報知プログラムは、記憶装置2に記憶されている全ての単位時間脈波数の平均値及び標準偏差σを算出する(ステップ9(S9))。上述のように、記憶装置2に記憶されている単位時間脈波数は経時的に増加するので、記憶装置2に新しい単位時間脈波数が記憶された時は、異常報知プログラムは、記憶装置2に記憶されている全ての単位時間脈波数の平均値及び標準偏差σを計算し直して更新する(ステップ10(S10)、ステップ9(S9))。なお、上記では、単位時間脈波数テーブルに記憶されている全ての単位時間脈波数を用いて平均値及び標準偏差σを算出したが、単位時間脈波数テーブルに記憶されている単位時間脈波数のうち、最新の単位時間脈波数から連続する予め定められた数の単位時間脈波数のみを対象として単位時間脈波数の平均値及び標準偏差σを算出してもよい。
更に、異常報知プログラムは、単位時間脈波数の平均値及び標準偏差σから(単位時間脈波数の平均値−3σ)及び(単位時間脈波数の平均値+3σ)を算出し、(単位時間脈波数の平均値−3σ)〜(単位時間脈波数の平均値+3σ)を基準範囲と設定する(ステップ11(S11))。なお、上述のように、単位時間脈波数の平均値及び標準偏差σが更新されると、基準範囲も計算し直されて更新される。
異常報知プログラムは、最新の集計単位時間に含まれている単位時間脈波数が上記基準範囲に含まれているか否かを判断し(ステップ12(S12))、単位時間脈波数が基準範囲から外れている場合には、出力装置3に警告信号を発信し(ステップ13(S13))、被介護体の健康状態に異常が発生している可能性があることを知らせる。これは、被介護体の単位時間脈波数の殆どは、統計学上、上記基準範囲に含まれるため、単位時間脈波数が基準範囲から外れている場合は、被介護体の健康状態に何らかの問題が生じている可能性が高いため、異常報知プログラムは、出力装置3に警告信号を発信し、介護人に注意を喚起する。なお、警告信号の出力装置3への出力方法は、特に限定されず、例えば、ディスプレイ上への警告画像及び/又は警告文字の表示、スピーカから警告音を発することなどが挙げられる。
このように、異常報知プログラムは、過去の被介護体の脈波データと、現在の被介護体の脈波データとを比較することによって、被介護体の健康状態に異常が発生している可能性があることを早期に発見することができ、被介護体に対する診察又は治療を遅滞なく行うことができる。
上記では、異常報知プログラムが脈波信号を対象にした動作を説明したが、異常報知プログラムは、呼吸信号を対象にして上記と同様の動作を行ってもよい。この場合、脈波信号は呼吸信号と、単位時間脈波数は単位時間呼吸数と読み替える。又、異常報知プログラムは、脈波信号及び呼吸信号の双方を対象にして上記と同様の動作を行ってもよい。
上記では、(単位時間脈波数の平均値−3σ)〜(単位時間脈波数の平均値+3σ)を基準範囲と設定した場合を説明したが、(単位時間脈波数の平均値−3σ)〜(単位時間脈波数の平均値+3σ)は基準範囲の一例として例示したものであって、上記と異なる基準範囲を定めてもよい。
又、生体監視システムAは、記憶部2に記憶された一又は複数の生体信号をそれぞれ時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つ最新の離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに出力部に離床信号を発信する離床報知手段を有する。
ROM5内には、離床報知手段としての離床報知プログラムが格納されている。離床報知手段は、CPU4やRAM6上に離床報知プログラムを読み込ませることにより、CPU4の制御のもとで、RAM6や記憶装置2におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
離床報知プログラムは、圧電センサ1が、被介護体が使用するベッド上に配設されている場合に実行される。離床報知プログラムは、CPU4に接続された入力装置(キーボード、液晶タッチパネルなど)(図示せず)からの介護人による実行命令の入力によって実行される。
離床報知プログラムは、図12に示したように、生体信号報知プログラムによって記憶装置2に記憶された、生体信号の合成波を分離させて得られた一又は複数の生体信号(例えば、脈波信号、呼吸信号、体動信号など)にアクセスする(ステップ14(S14))。
離床報知プログラムは、アクセスした生体信号について、縦軸を電位とし横軸を時間として認識する。そして、離床報知プログラムは、図13に示したように、アクセスした生体信号のそれぞれを時間的に新しいものから順に、区画単位時間(例えば、1分、30秒など)ごとに区切り、離床単位区画Tを形成する(ステップ15(S15))。なお、形成する離床単位区画の数は、後述する過去離床出力総和に用いられる離床単位区画の数に対応して設定される。
離床報知プログラムは、それぞれの生体信号について最新の離床単位区画T1内にあらわれた生体信号の出力の総和を算出して、各生体信号の出力の総和の合計を算出し、この合計を最新離床出力総和とする。更に、離床報知プログラムは、それぞれの生体信号について、最新の離床単位区画T1の次に新しい離床単位区画T2を含み且つ最新の離床単位区画T1に連続する一又は複数の離床単位区画T2、T3、T4・・・を含む離床単位区画内にあらわれた生体信号の出力の総和を算出して、各生体信号の出力の総和の合計を算出し、この合計を過去離床出力総和とする(ステップ16(S16))。過去離床出力総和を算出するにあたって対象とされる離床単位区画の数は、特に限定されないが、1〜100が好ましく、1〜50がより好ましい。
生体信号は、横軸を時間とし、縦軸を電位として表示したとき、電位0mVを中心として上下に変化している。「生体信号の出力の総和」とは、「生体信号の描く曲線Bと電位0mVを示す基準直線Cとで囲まれた部分の総面積」(図13における斜線部分の面積)を意味する。
離床報知プログラムは、最新離床出力総和と過去離床出力総和とを比較し、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となっているか否かを判断し(ステップ17(S17))、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となっている場合には、被介護体が離床した可能性があると判断し、この判断を離床信号として出力装置3に発信する(ステップ18(S18))。なお、離床信号の出力装置3への出力方法は、特に限定されず、例えば、ディスプレイ上への離床した旨の画像及び/又は文字の表示、スピーカから離床の可能性を知らせる音を発することなどが挙げられる。過去離床出力総和の予め定められた割合は、被介護体の年齢、性別などを考慮しながら適宜、設定されればよく、例えば、過去離床出力総和の1/10、1/5などが挙げられる。最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに離床信号を発信するのは、圧電センサ1にて測定される電位には、被介護体から発せられる生体振動に類似した動きを有するノイズに起因した電位が含まれるからである。従って、最新離床出力総和が過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったとき、離床報知プログラムは、被介護体がベッドから離れたと判断し、被介護体が離床した可能性があることを報告する離床信号を出力装置3に出力する。離床報知プログラムは、離床信号を出力装置3に出力した後、ステップ14に戻り、上記動作を繰り返す。
出力装置3に出力された離床信号を介護人が確認したときは、介護人は被介護体の元に直ちに行き、被介護体の存在の有無を直ちに確認すればよい。
一方、最新離床出力総和が過去離床出力総和の予め定められた割合を超える値であるときは、被介護体がベッド上にいると判断し、ステップ14に戻り、上記動作を繰り返す。
又、生体監視システムAは、圧電センサ1が被介護体の生体信号を継続的に検出している継続時間を測定し、継続時間を出力部に出力する計時手段を有していてもよい。
ROM5内には、計時手段としての計時プログラムが格納されている。計時手段は、CPU4やRAM6上に計時プログラムを読み込ませることにより、CPU4の制御のもとで、RAM6や記憶装置2におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
計時報知プログラムは、圧電センサ1が、被介護体が使用するベッド上に配設されている場合に実行される。計時報知プログラムは、CPU4に接続された入力装置(キーボード、液晶タッチパネルなど)(図示せず)からの介護人による実行命令の入力によって実行される。
計時プログラムは、図14に示したように、生体信号報知プログラムによって記憶装置2に記憶された、生体信号の合成波を分離させて得られた一又は複数の生体信号(例えば、脈波信号、呼吸信号、体動信号など)にアクセスする(ステップ19(S19))。
計時報知プログラムは、アクセスした生体信号について、縦軸を電位とし横軸を時間として認識する。そして、計時報知プログラムは、図14に示したように、離床報知プログラムと同様に、アクセスした生体信号のそれぞれを時間的に新しいものから順に、計時単位時間(例えば、1分、30秒など)ごとに区切り、計時単位区画Tを形成する(ステップ20(S20))。なお、形成する計時単位区画の数は、後述する過去計時出力総和に用いられる計時単位区画の数に対応して設定される。計時単位区画の作成要領は、離床単位区画の作成要領と同様であるので、以下の説明においても図13を用いて説明する。
計時報知プログラムは、それぞれの生体信号について最新の計時単位区画T1内にあらわれた生体信号の出力の総和を算出して、各生体信号の出力の総和の合計を算出し、この合計を最新計時出力総和とする。更に、計時報知プログラムは、それぞれの生体信号について、最新の計時単位区画T1の次に新しい計時単位区画T2を含み且つ最新の計時単位区画T1に連続する一又は複数の計時単位区画T2、T3、T4・・・を含む計時単位区画内にあらわれた生体信号の出力の総和を算出して、各生体信号の出力の総和の合計を算出し、この合計を過去計時出力総和とする(ステップ21(S21))。過去計時出力総和を算出するにあたって対象とされる計時単位区画の数は、特に限定されないが、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。なお、計時報知プログラムは、計時単位区画の数が、過去計時出力総和を算出可能な数に達しているか否かを判断し、計時単位区画の数が、過去計時出力総和を算出可能な数に達している場合には、ステップ21に進み、計時単位区画の数が、過去計時出力総和を算出可能な数に達していない場合には、ステップ19に戻る(ステップ21−1(S21−1))。
計時報知プログラムは、最新計時出力総和と過去計時出力総和とを比較し、最新計時出力総和が、過去計時出力総和の予め定められた割合を超えた値となっているか否かを判断し(ステップ22(S22))、最新計時出力総和が、過去計時出力総和の予め定められた割合を超えた値となっている場合には、被介護体がベッド上に存在していると判断する。一方、最新計時出力総和が、過去計時出力総和の予め定められた割合以下の値となっている場合には、被介護体がベッド上に存在していないと判断し、計時報知プログラムはステップ19に戻る。過去計時出力総和の予め定められた割合は、被介護体の年齢、性別などを考慮しながら適宜、設定されればよく、例えば、過去計時出力総和の1/10、1/5などが挙げられる。
計時報知プログラムは、最新計時出力総和が、過去計時出力総和の予め定められた割合を超えた値となっている場合には、遡及計時出力総和を次の要領で算出する。計時報知プログラムは、最新の計時単位区画T1の次に新しい計時単位区画T2を最新の計時単位区画としてみなして、上記最新計時出力総和の算出と同様の要領で遡及計時出力総和を算出し、上記過去計時出力総和の算出と同様の要領で遡及過去出力総和を算出する(ステップ23(S23))。
計時報知プログラムは、遡及計時出力総和と遡及過去計時出力総和とを比較し、遡及計時出力総和が、遡及過去計時出力総和の予め定められた割合を超えた値となっているか否かを判断し(ステップ24(S24))、遡及計時出力総和が、遡及過去計時出力総和の予め定められた割合を超えた値となっている場合には、被介護体がベッド上に存在していると判断する。一方、遡及計時出力総和が、遡及過去計時出力総和の予め定められた割合以下の値となっている場合には、被介護体がベッド上に存在していないと判断する。そして、遡及計時出力総和の算出の対象となった計時単位区画T2よりも一つ新しい計時単位区画T1を構成している生体信号のうち、最も古い生体信号の測定時刻を計時開始時刻とする(ステップ25(S25))。
計時報知プログラムは、遡及計時出力総和が、遡及過去計時出力総和の予め定められた割合を超えた値となっている場合には、最新の計時単位区画とみなした計時単位区画T2の次に新しい計時単位区画T3を最新の計時単位区画としてみなし、上記と同様の要領で、遡及過去計時出力総和が算出可能か否かを判断し(ステップ26(S26))、遡及過去計時出力総和を算出できない場合には、ステップ25に進み、一つ新しい計時単位区画T2を構成している生体信号のうち、最も古い生体信号の測定時刻を計時開始時刻とする。一方、遡及過去計時出力総和を算出できる場合には、ステップ23に戻り、計時単位区画T3を最新の計時単位区画とみなして、遡及計時出力総和及び遡及過去計時出力総和を算出し、ステップ23、24及び26を計時開始時刻が特定されるまで繰り返し行う。
次に、計時報知プログラムは、ステップ20と同様の要領で計時単位区画を作成し(ステップ27(S27))、ステップ21と同様の要領で最新計時出力総和及び過去計時出力総和を算出する(ステップ28(S28))。
そして、計時報知プログラムは、ステップ22と同様の要領で、最新計時出力総和と過去計時出力総和とを比較し、最新計時出力総和が、過去計時出力総和の予め定められた割合を超えた値となっているか否かを判断し(ステップ29(S29))、最新計時出力総和が、過去計時出力総和の予め定められた割合を超えた値となっている場合には、被介護体がベッド上に存在していると判断する。計時報知プログラムは、最新計時出力総和の算出の対象となっている計時単位区画を構成している生体信号のうち、最も新しい生体信号の測定日時を最新継続時刻とする(ステップ30(S30))。次に、計時報知プログラムは、計時開始時刻及び最新継続時刻に基づいて、計時開始時刻からの経過時間を算出し、この経過時間を継続時間とする(ステップ31(S31))。
続いて、計時報知プログラムは、介護人の要求により又は自動的に継続時間を出力装置3に出力(ステップ32(S32))した後、ステップ27に戻り、ステップ27からの動作を繰り返し行い、継続時間の更新を行う。出力装置3への生体信号の出力形式は、特に限定されず、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷などが挙げられる。
出力装置3に継続時間を出力する場合、出力装置3への表示方法は、特に限定されず、例えば、継続時間を示す数字をディスプレイ上に表示する表示方法などが挙げられる。
計時報知プログラムは継続時間を出力装置3に出力するが、計時報知プログラムによる出力装置3への継続時間の出力は、CPUに電気的に接続されたキーボード、液晶タッチパネルなどの入力装置(図1において図示せず)を通じた介護者からの要求があった場合に行われてもよいし、又は、介護者からの要求の有無にかかわらず、自動的に所定間隔毎(例えば、1秒、30秒、1分など)に行われてもよい。
介護者からの要求があった場合に計時報知プログラムが出力装置3に継続時間を出力するように設定されている場合、計時報知プログラムは、介護者からの要求があった時点で上記動作によって継続時間を生成してもよいし、又は、介護者からの要求の有無にかかわらず、上記動作によって継続時間を自動的に所定間隔毎に生成し、生成した継続時間をRAM6又は記憶装置2に一時的に記憶させておき、介護者からの要求があった時に、一次的に記憶させている継続時間を出力装置3に出力させるようにしてもよい。
一方、計時報知プログラムは、ステップ22と同様の要領で、最新計時出力総和と過去計時出力総和とを比較し、最新計時出力総和が、過去計時出力総和の予め定められた割合を超えた値となっているか否かを判断し(ステップ29(S29))、最新計時出力総和が、過去計時出力総和の予め定められた割合以下の値となっている場合には、被介護体がベッド上に存在していないと判断する。
そして、計時報知プログラムは、継続時間の更新を停止し、継続時間を0秒にリセットした(ステップ33(S33))後、ステップ19に戻り、上記動作を繰り返し行う。
計時報知プログラムは、継続時間に装飾を付与した上で、出力装置3に継続時間を出力してもよい。生体信号データに付与される装飾は、予め定められた条件に基づいて生体信号データの値によって決定される。
継続時間は、被介護体がベッド上に継続して存在している時間を示している。従って、例えば、被介護体によってはベッド上にて継続的に寝ていることを継続時間から推認することができ、継続時間が必要以上に長い場合には、ベッド上にて寝ている状態が必要以上に長いことを意味し、被介護体に健康上の異常が発生している可能性を疑うことができる。又、被介護体によっては一定時間ごとにトイレに行かせる必要があり、継続時間が必要以上に長い場合には、被介護体が一定時間内にトイレに一度も行っていないことを意味する。
従って、計時報知プログラムは、継続時間に予め定められた条件に基づいて定められた装飾を付与した上で,継続時間を出力装置3に出力してもよい。即ち、継続時間が予め定められた時間(例えば、3時間、5時間など)よりも長い時間である場合には、計時報知プログラムは、介護人が被介護体の介護を要することを容易に認識可能な装飾が継続時間に付与された上で、出力装置3に継続時間を出力する。装飾としては、例えば、出力装置に表示される文字及び線を危険を認識させる赤系の色彩とする装飾、危険を認識させるキャラクター(例えば、泣き顔の医師のキャラクター)を継続時間と共に表示する装飾などが挙げられる。
一方、継続時間が予め定められた時間又はこの時間よりも短い場合には、計時報知プログラムは、介護人は被介護体の介護を要しないことを容易に認識可能な装飾が継続時間に付与された上で、出力装置3に継続時間を出力する。装飾としては、例えば、出力装置に表示される文字及び線を安全又は安心を認識させる青系又は緑系の色彩とする装飾、安全又は安心を認識させるキャラクター(例えば、笑顔の医師のキャラクター)を継続時間と共に表示する装飾などが挙げられる。
又、生体監視システムAは、圧電センサ1から検出された体動信号が予め定められた閾値以上の値を予め定められた時間以上の時間に亘って継続する場合に、出力部に異常信号を出力する体動異常報知手段を更に備えていてもよい。
ROM5内には、体動異常報知手段としての体動異常報知プログラムが格納されている。体動異常報知手段は、CPU4やRAM6上に体動異常報知プログラムを読み込ませることにより、CPU4の制御のもとで、RAM6や記憶装置2におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
体動異常報知プログラムは、図15に示したように、生体信号報知プログラムによって記憶装置2に記憶された、体動信号(体動テーブル)にアクセスする(ステップ34(S34))。
体動異常報知プログラムは、体動テーブルに記憶された体動信号のうち、最新の体動信号から予め定められた時間(例えば、30秒、1分など)内にある全ての体動信号を抽出する(ステップ35(S35))。
次に、体動異常報知プログラムは、抽出した全ての体動信号の電位が予め定められた閾値以上の電位を有しているか否かを判断する(ステップ36(S36))。そして、体動異常報知プログラムは、抽出した全ての体動信号の電位が予め定められた閾値以上の電位を有している場合には、介護人に健康上の異常が発生している可能性があると判断して出力装置3に異常信号を出力した(ステップ37(S37))後、ステップ34に戻って、上記動作を繰り返す。なお、異常信号の出力装置3への出力方法は、特に限定されず、例えば、ディスプレイ上への介護人の異常を示す画像及び/又は文字の表示、スピーカから異常の可能性を示す音を発することなどが挙げられる。
一方、体動異常報知プログラムは、抽出した体動信号のうち、予め定められた閾値未満の電位が存在する場合には、被介護体に健康上の異常は発生していないものと判断し、ステップ34に戻って、上記動作を繰り返す。
圧電センサ1にて検出される生体信号の電位は、圧電シートの圧縮変形が大きくなるほど大きくなる。圧電シートの圧縮変形が大きいということは、圧電シート上に存在する被介護体が強い力でもって圧電シートを押圧していることを意味し、被介護体が通常とは異なる状態で圧電センサを押圧していることが推測される。このような状態が予め定められた時間以上に亘って継続することは、被介護体に健康上、何らかの異常が発生しているために、被介護体が圧電センサ上で大きく動いていることが推測される。そこで、体動異常報知プログラムは、最新の体動信号から予め定められた時間内にある体動信号に基づいて、被介護体が上記の如き状態になっていないかを判断し、被介護体に健康上の異常が発生している可能性があると判断される場合には、出力装置3に異常信号を出力する。
1 圧電センサ
2 記憶装置
3 出力装置
7 測定モジュール
8 温度センサ
A 生体監視システム
2 記憶装置
3 出力装置
7 測定モジュール
8 温度センサ
A 生体監視システム
Claims (7)
- 圧電センサと、この圧電センサによって検出される被介護体の生体信号の合成波をそれぞれの生体信号に分離し、分離された生体信号を記憶部に記憶すると共に、上記分離された生体信号に基づいて生体信号データを生成し、上記生体信号データを予め定められた条件に基づいて定められた装飾を付与した上で介護人の要求に応じて又は自動的に出力部に出力する生体信号報知手段とを有することを特徴とする生体監視システム。
- 温度センサを更に有しており、温度センサによって検出される温度を記憶部に記憶すると共に、上記検出された温度に基づいて生成された温度データ又は上記検出された温度を予め定められた条件に基づいて定められた装飾を付与した上で介護人の要求に応じて又は自動的に出力部に出力する温度報知手段を更に有することを特徴とする生体監視システム。
- 生体信号が、脈波信号及び呼吸信号であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生体監視システム。
- 記憶部に記憶された脈波信号を時系列的に集計単位時間ごとに集計して単位時間脈波数として記憶部に順次、記憶し、最新の単位時間脈波数が予め定められた基準範囲から外れている場合に、出力部に警告信号を発信する異常報知手段を更に有することを特徴とする請求項3に記載の生体監視システム。
- 記憶部に記憶された呼吸信号を時系列的に集計単位時間ごとに集計して単位時間呼吸数として記憶部に順次、記憶し、最新の単位時間呼吸数が予め定められた基準範囲から外れている場合に、出力部に警告信号を発信する異常報知手段を更に有することを特徴とする請求項3に記載の生体監視システム。
- 圧電センサは、ベッド上の被験者の生体信号を検出していることを特徴とする請求項1に記載の生体監視システム。
- 記憶部に記憶された一又は複数の生体信号をそれぞれ時系列的に区画単位時間ごとに区切って離床単位区画を形成し、最新の離床単位区画にあらわれた生体信号の出力の総和を最新離床出力総和とし、最新の離床単位区画の次に新しい離床単位区画を含み且つ最新の離床単位区画に連続する一又は複数の離床単位区画の生体信号の出力の総和を過去離床出力総和とし、最新離床出力総和が、過去離床出力総和の予め定められた割合以下の値となったときに出力部に離床信号を発信する離床報知手段を更に有することを特徴とする請求項6に記載の生体監視システム。
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