JP2016096876A - カヌー競技用ゲート固定具、及びそれを用いたカヌー競技用ゲートの固定方法 - Google Patents

カヌー競技用ゲート固定具、及びそれを用いたカヌー競技用ゲートの固定方法 Download PDF

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勝巳 石川
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Abstract

【課題】カヌー競技に用いられるゲートをより効率的に設置することのできる固定具、及びそれを用いたカヌー競技用ゲートの固定方法を提供する。
【解決手段】カヌー競技用ゲート固定具は、ガイドロープに沿って移動可能なカヌー競技用のゲートを位置決めし、これを固定するために用いられ、ガイドロープを挿通するための挿通部3と、挿通部3にてガイドロープを挟持又は挟持解除自在に設けられ、ガイドロープを挟持したときにゲート固定具をこのガイドロープの所望の位置で固定させる挟持部4と、挟持部4を弾性により挟持状態に留置するためのバネ51と、ゲートを結合可能であり、結合されたゲートとともに下方へ牽引されたときに、挟持部4を挟持解除状態へ移行させるゲート結合部6と、備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、カヌー競技用ゲート固定具、及びそれを用いたカヌー競技用のゲート固定方法に関する。
カヌーのスラローム競技においては、川などのカヌー競技場の上方空間に複数のゲートが設置されており、競技に参加している選手は、予め定められた順番でゲートをくぐり抜けるよう、カヌーを左右に操りながらゴールを目指し、タイムを競うことになる。このゲートの設置について、図11を参照しながら説明する。図11は、カヌーのスラローム競技における、従来のゲート設置方法を示した模式図である。
競技会場となる川96の上方には、一対のゲート棒94、94、ゲートナンバー板95、及びこれらを吊り下げる横板93を備えたゲート9が間隔を空けて設置される。ゲートナンバー板95は、通過すべきゲートの順番を示したものであり、選手は、これに示された順番通りに、各ゲート9に設けられたゲート棒94、94の間を通過することになる。
各ゲート9は、選手がカヌーを左右に操りながら進むようにするために、競技会場となる川96の幅方向(左右方向と呼ぶ。)にて連続するゲートが左右に振られるように設置される。このため、各ゲート9は、川96を横断して設けられたガイドロープ91に案内されながら、川96の両岸から2本の位置決めロープ92、92で左右に引かれて左右方向の位置が調節される。ガイドロープ91は、張力を有する状態で、川岸に存在する樹木や岩などの固定具97に括り付けられる。ゲート9は、2個のカラビナ98、98でガイドロープ91に吊り下げられており、2本の位置決めロープ92、92で左右から引かれることで、容易に左右方向に移動することができる。
ゲート9は、その左右方向の位置が所望の位置となってから、2本の位置決めロープ92、92がガイドロープ91とは異なる固定具97にそれぞれ括り付けられることで、固定される。この一連の作業でゲート9の固定が完了するが、この作業では、ガイドロープ91に加えて2本の位置決めロープ92、92が使われるので、川96の両岸に複数回にわたってロープを渡さなければならないし、川96を挟んで両岸から人員が作業しなければならない。通常の競技ではこうしたゲート9が20箇所程度設けられるので、そのゲート設置作業の負担は決して小さくない。
カヌーのスラローム競技に関しては、例えば、特許文献1に示すように、経時装置に関する提案はこれまでにもなされてきたが、上記のようなゲートの設置作業に関する提案はなされてきていないのが実情である。このため、カヌーのスラローム競技を行うに際しては、上記のような手間の掛かる作業を行わなければならないのが実情だった。
特開平10−286336号公報
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、カヌー競技に用いられるゲートをより効率的に設置することのできる固定具、及びそれを用いたカヌー競技用ゲートの固定方法を提供することを目的とする。
本発明は、ガイドロープに沿って移動可能なカヌー競技用のゲートを位置決めし、これを固定するためのカヌー競技用ゲート固定具であって、上記ガイドロープを挿通するための挿通部と、上記挿通部にて上記ガイドロープを挟持又は挟持解除自在に設けられ、上記ガイドロープを挟持したときに上記ゲート固定具をこのガイドロープの所望の位置で固定させる挟持部と、上記挟持部を弾性により挟持状態に留置するための弾性部と、上記ゲートを結合可能であり、結合されたゲートとともに下方へ牽引されたときに、上記挟持部を挟持解除状態へ移行させるゲート結合部と、を備えたカヌー競技用ゲート固定具である。
上記カヌー競技用ゲート固定具において、上記挿通部が、当該挿通部に上記ガイドロープが挿通されたときの延長方向に沿って、そのガイドロープを内部に通すことが可能なパイプ状の支持部と、上記支持部の端部に開口した挿通口と、を備えることが好ましい。
また本発明は、上記のカヌー競技用ゲート固定具のゲート結合部にゲートを結合させるゲート結合工程と、上記ゲート固定具の挿通部に、上記ゲート及びゲート固定具を案内するためのガイドロープを挿通させる挿通工程と、ゲート結合工程及び挿通工程を経た後、上記ゲート固定具に結合されたゲートを介して前記ゲート結合部を所望の進行方向へ向かって牽引することで、上記ゲート固定具の挟持部を挟持解除状態にしながら上記ゲート及びゲート固定具を所望の位置まで移動させる移動工程と、上記移動工程を経た後に上記ゲート結合部の牽引を解除することにより上記ゲート固定具の挟持部を挟持状態にして、上記ゲート及びゲート固定具を上記所望の位置で固定させる固定工程と、を備えたカヌー競技用ゲートの固定方法でもある。
本発明によれば、カヌー競技に用いられるゲートをより効率的に設置することのできる固定具、及びそれを用いたカヌー競技用ゲートの固定方法が提供される。
図1は、本発明の一実施形態であるカヌー競技用ゲート固定具1の外観を示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態であるカヌー競技用ゲート固定具1の外観を示す平面図である。 図3は、本発明の一実施形態であるカヌー競技用ゲート固定具1が挟持状態となっているときの内部構造を示す平面図である。 図4は、本発明の一実施形態であるカヌー競技用ゲート固定具1が挟持解除状態となっているときの内部構造を示す平面図である。 図5は、本発明の一実施形態であるカヌー競技用ゲート固定具1の挟持部4及びゲート結合部6を示す平面図である。 図6は、本発明の一実施形態であるカヌー競技用ゲート固定具1における弾性部の構造を示す平面図である。 図7は、本発明の一実施形態であるカヌー競技用ゲート固定具1において、蓋21及び弾性部5を省略したものを斜め上方から観察した斜視図である。 図8は、本発明の一実施形態であるカヌー競技用ゲート固定具1の側面図である。 図9は、ゲート結合部6を90°回転させたときの、カヌー競技用ゲート固定具1の側面図である 図10は、本発明の一実施形態であるカヌー競技用のゲート固定具1の使用態様を示す模式図である。 図11は、カヌーのスラローム競技における、従来のゲート設置方法を示した模式図である。
<カヌー競技用ゲート固定具>
以下、本発明のカヌー競技用ゲート固定具1の一実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではない。図1は、本実施形態のカヌー競技用ゲート固定具1の外観を示す斜視図である。図2は、本実施形態のカヌー競技用ゲート固定具1の外観を示す平面図である。図3は、本実施形態のカヌー競技用ゲート固定具1が挟持状態となっているときの内部構造を示す平面図である。図4は、本実施形態のカヌー競技用ゲート固定具1が挟持解除状態となっているときの内部構造を示す平面図である。図5は、本実施形態のカヌー競技用ゲート固定具1の挟持部4及びゲート結合部6を示す平面図である。図6は、本実施形態のカヌー競技用ゲート固定具1における弾性部の構造を示す平面図である。図7は、本実施形態のカヌー競技用ゲート固定具1において、蓋21及び弾性部5を省略したものを斜め上方から観察した斜視図である。
本実施形態のカヌー競技用ゲート固定具1(以下、単に「ゲート固定具1」とも呼ぶ。)は、ガイドロープ91(以下、図11も適宜参照するものとする。)に沿って移動可能なカヌー競技用のゲート9(本明細書において、単に「ゲート9」とも呼ぶ。)を位置決めし、これを固定するために用いられる。ガイドロープ91は、カヌー競技におけるゲート9を設置する際に川96の両岸を渡すように設けられ、ゲート9の位置決めの際にこれを案内するために用いられる。
ゲート固定具1は、ガイドロープ91を挿通するための挿通部3と、ガイドロープ91を挟持してゲート固定具1をガイドロープ91の所望の位置で固定させる挟持部4と、挟持部4を弾性により挟持可能な状態に留置するための弾性部5と、ゲート9を結合可能であり、結合されたゲート9とともに下方へ牽引されたときに、挟持部4を挟持解除状態へ移行させるゲート結合部6と、を備える。そして、これらがケース22及び蓋21からなる筐体2に収容されて本実施形態のゲート固定具1が構成される。以下、各構成について説明する。
挿通部3は、ガイドロープ91を挿通するためにゲート固定具1を貫通して設けられた部材であり、これが存在することにより、ゲート固定具1がガイドロープ91に挿通された状態でこれに沿って移動することができるようになる。挿通部3は、挿通口31及び支持部32を備える。挿通口31は、ガイドロープ91が通過するための穴である。ケース22及び蓋21にも挿通口31に対応した位置に同じような穴が設けられることで、ゲート固定具1の筐体2は、挿通口31を出入り口として貫通孔を備えることになる。
支持部32は、ゲート固定具1の両面、すなわち蓋21の表面、及びケース22の裏面に設けられたパイプ状(すなわち筒状)の部材であり、その両端が一対の挿通口31、31となる。上記のように、挿通口31を出入り口として筐体2は貫通されているので、支持部32は筐体2に設けられた穴に沿って設けられることになる。支持部32は、挿通部3にガイドロープ91が挿入されたときの延長方向に沿って延出しており、ガイドロープ91を内部に通すことが可能なパイプ状の部材である。このような形状に基づいて、支持部32は、ゲート固定具1とガイドロープ91との接触面積を増加させ、ガイドロープ91に通されたときにゲート固定具1がゲート結合部6を下方とした直立姿勢を保つのを助ける。
挟持部4は、挿通部3を通過するガイドロープ91を挟持又は挟持解除自在に設けられた部材であり、挿通部3の穴を形成する壁面を利用してガイドロープ91を挟み込んで挟持することができる。図3、4及び7に示すように、挟持部4は、ケース22に設けられた凹み221の内部に収容され、ガイドロープ91の通過する挿通部3の穴を閉塞又は非閉塞となる方向に移動することが可能である。そして、挟持部4は、挿通部3の穴を閉塞する方向へ移動したときに、挿通部3を通過するガイドロープ91を、挿通部3の穴と挟持部4との間で挟持する。このとき、ゲート固定具1は、ガイドロープ91の所望の位置で固定される。一方、挟持部4は、挿通部3の穴を非閉塞とする方向へ移動したときに、挿通部3を通過するガイドロープ91を挟持解除する。このとき、ゲート固定具1は、ガイドロープ91に沿って自由に移動することができる。なお、挟持部4の厚さは、ケース22に設けられた凹み221の深さとほぼ同じであり、ゆえに、挟持部4が凹み221に収容されたとき、蓋21はケース22に隙間なく被さることになる。
挟持部4は、バネ51からなる弾性体により、挟持状態に留置されている。すなわち、ゲート固定具1に外力が加わらない状態において、挟持部4は、バネ51の弾性によって挿通部3の穴を閉塞する方向へ常に押されていることになる。このため、挿通部3にガイドロープ91が存在するならば、ゲート固定具1に外力が加わらない状態において、ガイドロープ91は挿通部3の穴と挟持部4との間で挟持された状態となり、ゲート固定具1は、ガイドロープ91の所望の位置で固定されることになる。なお、挿通部3にガイドロープ91が存在しない場合、図2に示すように、挿通部3は挟持部4により閉塞されることになる。
バネ51は、弾性部5を構成する部材の一つである。弾性部5は、バネ51とピン付きネジ52により構成される。図5、6及び7に示すように、挟持側とは反対側となる挟持部4の端部には、バネ51を収容するための凹み41が形成されている。また、ケース22のうち、挿通部3が存在する側と反対側で、凹み221でない部分には、バネ51を外部側から通すための貫通孔222が設けられる。貫通孔222は、挟持部4の凹み41と一直線上に存在するように設けられる。また、凹み41及び貫通孔222は、ゲート固定具1の長さ方向の中心線について対称となるように2組設けられる。そして、これら2組の凹み41及び貫通孔222の内部に、バネ51が1本ずつ、すなわち合計2本収容される。
貫通孔222の内面には雌ねじが切られており、バネ51を貫通孔222へ通した後、貫通孔222へピン付きネジ52をねじ込むことにより、バネ51は、その先端が挟持部4の凹み41に収容された状態で貫通孔222の内部に伸縮可能な状態で収容される。この状態から、さらにピン付きネジ52を奥へねじ込むことにより、バネ51は貫通孔222の内部でピン付きネジ52による圧縮を受けることになり、それにより強化された弾性により挟持部4の挟持力が強くなる。このようにピン付きネジ52のねじ込み位置を調節することで挟持部4の挟持力を調節することができるので、ゲート固定具1にゲート9の荷重がかかった程度では挟持解除とはならない一方で、後述するゲート結合部6が牽引されたときに挟持解除となるように弾性部5の働きを調節できる。なお、ピン付きネジ52に設けられたピンは、バネ51の螺旋軸の中心に収容され、バネ51の姿勢を直線状に維持するのに寄与する。
ゲート結合部6は、挟持部4の反対側に設けられ、挟持部4と結合されて一体とされている。ゲート結合部6は、ゲート9をゲート固定具1に結合させるために用いられる部材であり、一部が筐体2の外部に突き出したゲート結合体62と、このゲート結合体62に設けられた貫通孔である穴部61とから構成される。
穴部61には、ゲート9を吊り下げるための吊り下げ紐96を掛けることができる(図10を参照)。この吊り下げ紐96を介して、ゲート結合体62とゲート9とが一体化される。なお、吊り下げ紐96としては、特に紐に限定されず、カラビナ等の金具を用いることもできる。
また、上記のように、挟持部4とゲート結合部6とは一体になっているので、ゲート結合部6を筐体2から離れる方向へ牽引することで、挟持部4を挟持解除側へ移動させることができる。このため、図10に示すように、ガイドロープ91にゲート固定具1及びカラビナ98を取り付け、さらに、これらにゲート9を吊り下げておけば、ゲート棒94を介して横棒93を下方へ牽引したときにゲート結合部6も一緒に下方へ牽引されて、ゲート固定具1の内部に存在する挟持部4が挟持解除状態となり、ゲート固定具1は移動可能な状態となってガイドロープ91に沿って移動できるようになる。このため、例えば、川面にボートを浮かべた状態でボートに乗船している人員がゲート9を牽引しながらボートを移動させると、挟持解除状態になったゲート固定具1及びそれに結合されたゲート9もその人員と一緒に移動させることができ、ゲート固定具1及びゲート9が所望の位置に到達したときに、ゲート9の牽引を解除すれば、ゲート固定具1は挟持状態となってゲート9をその位置で固定させる。このような作用により、ゲート固定具1は、従来の方法に比べて、より少ない人員及び手間でカヌー競技用のゲート9を設置することが可能になる。なお、図10では、1個のゲート固定具1とカラビナ98とを組み合わせてゲート9を吊り下げているが、このような使用態様に限らず、2個のゲート固定具1を用いてゲート9を吊り下げてもよい。さらには、カヌー競技の練習用等として、横板93やゲートナンバー板95を省き、ゲート固定具1にゲート棒94を直接吊り下げて用いてもよい。
また、図5に示すように、ゲート結合部6は、その内部に存在するピン7により、ピン7を回転軸として回転自由な状態で挟持部4と一体化されている。ピン7は、挟持部4とゲート結合部6とを内部で貫通することでこれらを一体化し、挟持部4側の端部と、ゲート結合部6側の端部とが潰されて脱落しないようにされている。次に、ゲート結合部6が回転自由とされている理由について図8及び9を参照しながら説明する。図8は、カヌー競技用ゲート固定具1の側面図である。図9は、ゲート結合部6を90°回転させたときの、カヌー競技用ゲート固定具1の側面図である。
ゲート結合部6は、弾性部5からの弾性力を挟持部4が受けることに対応して、筐体2の内部側へ引き込まれる力を受けている(図8)。このとき、ゲート結合部6を筐体2の外側へ引き出した状態でゲート結合体6を90°回転させると、図9に示すように、ゲート結合部6が引き出された状態のままで固定される。つまり、ゲート結合体6が90°回転した状態になると筐体2の内部へ引き込まれない状態になる一方で、同時にこれには筐体2の内部側へ引き込まれる力が働くので、その状態で固定されるのである。ゲート固定具1の内部に存在する挟持部4はこの状態で挟持解除の状態になっているので、挿通部3にガイドロープ91を通すとき等のように、挟持部4を挟持解除状態のままにしておきたい場合に便利である。
次に、図10を参照しながら、本実施形態のゲート固定具1の使用態様について説明する。図10は、本発明のカヌー競技用のゲート固定具の一実施形態における使用態様を示す模式図である。
ゲート9は、水平を維持するために、ゲート固定具1及びカラビナ98により2点で吊り下げられる。このとき、ゲート9は、吊り下げ紐96を介してゲート固定具1のゲート結合部6と結合される。ゲート固定具1の挿通部3にはガイドロープ91が挿通されている。ゲート9の横板93には、ゲート9の通過位置を示す2本のゲート棒94、94が離間して設けられ、2本のゲート棒94、94の間にはゲートナンバー板95が設けられる。なお、吊り下げ紐96としては、特に紐に限定されず、カラビナ等の金具を用いることもできる。
ガイドロープ91をゲート固定具1の挿通部3に通して、ゲート9をガイドロープ91に吊り下げる作業は、川岸(地上部)で行うことができる。この吊り下げを行った後、ゲート9を移動させたい方向に向かってゲート棒94を牽引すれば、ゲート固定具1における挟持部4が挟持解除状態となって、ゲート9及びゲート固定具1は牽引される方向へ進行する。ゲート棒94を牽引するに際して水上を移動する必要があれば、ボート等の手段を用いればよい。そして、ゲート9及びゲート固定具1が所望の位置まで到達したときにゲート棒94の牽引を解除すれば、ゲート固定具1における挟持部4は挟持状態となって、ゲート9及びゲート固定具1はその位置で固定される。
このような手順でゲート9をガイドロープ91に沿った所望の位置に固定することができるので、本発明のゲート固定具1を用いれば、図11に示すような従来の設置方法に比べて、川96を渡すロープの数を減らし、設置に必要な人員や手間を大幅に削減することが可能になる。なお、既に述べたが、図10では、1個のゲート固定具1とカラビナ98とを組み合わせてゲート9を吊り下げているが、このような使用態様に限らず、2個のゲート固定具1を用いてゲート9を吊り下げてもよい。さらには、カヌー競技の練習用等として、横板93やゲートナンバー板95を省き、ゲート固定具1にゲート棒94を直接吊り下げて用いてもよい。
<カヌー競技用ゲートの固定方法>
上記のゲート固定具1を用いた、カヌー競技用ゲートの固定方法も本発明の一つである。次に、本発明のカヌー競技用ゲートの固定方法の一実施態様について説明する。なお、ゲート固定具1についての説明は上記の通りであるので、ここでの説明を省略する。
本実施態様のカヌー競技用ゲートの固定方法(以下、単に「固定方法」とも呼ぶ。)は、上記のゲート固定具1のゲート結合部6にゲート9を結合させるゲート結合工程と、ゲート固定具1の挿通部3に、ゲート9及びゲート固定具1を案内するためのガイドロープ91を挿通させる挿通工程と、上記ゲート結合工程及び挿通工程を経た後、ゲート固定具1に結合されたゲート9を介してゲート結合部6を所望の進行方向へ向かって牽引することで、ゲート固定具の挟持部3を挟持解除状態にしながらゲート9及びゲート固定具1を所望の位置まで移動させる移動工程と、移動工程を経た後にゲート結合部6の牽引を解除することによりゲート固定具1の挟持部4を挟持状態にして、ゲート9及びゲート固定具1を上記所望の位置で固定させる固定手段と、を備える。なお、上記の各工程のうち、ゲート結合工程と挿通工程とは互いに順序を入れ替えて実施してもよい。以下、各工程について説明する。
[ゲート結合工程]
ゲート結合工程は、ゲート固定具1のゲート結合部6にゲート9を結合する工程である。ゲート結合部6には、ゲート9を吊り下げるための吊り下げ紐96を掛けるための穴部61が形成されているので、この穴部61を用いてゲート9を結合させればよい。なお、既に説明した通り、1つのゲート9をガイドロープ91に吊り下げるために、図10に示すように1個のゲート固定具1及びカラビナ98を組み合わせて用いるが、これに限らず2個のゲート固定具1を用いてもよい。また、吊り下げ紐96としては、特に紐に限定されず、カラビナ等の金具を用いることもできる。さらには、カヌー競技の練習用等として、横板93やゲートナンバー板95を省き、ゲート固定具1にゲート棒94を直接吊り下げて用いてもよい。この場合、ゲート棒94をゲート9として取り扱うものとする。
この工程を経ることにより、ゲート固定具1とゲート9とが一体化される。これらはガイドロープ91に沿って一緒に移動することになる。
[挿通工程]
挿通工程は、ゲート固定具1の挿通部3に、ゲート9及びゲート固定具1を案内するためのガイドロープ91を挿通させる工程である。ゲート固定具1は、弾性部5の働きにより通常の状態で挟持状態となっており、挿通部3が挟持部4で閉鎖されている。そのため、ゲート結合部6を筐体2の外側方向へ引くことで挟持部4を挟持解除の状態にし、挿通部3を開通させた状態にしてからガイドロープ91を挿通部3に通す必要がある。なお、既に説明したように、ゲート結合部6を外側に引いた状態でこれを90°回転させることで、挟持部4を挟持解除の状態で固定してもよい。この場合、ガイドロープ91を挿通部3に通した後で、ゲート結合部6を再び90°回転させて挟持解除の状態とする。
なお、既に述べたように、上記ゲート結合工程と挿通工程とは互いに順序を入れ替えて実施してもよい。ゲート結合工程及び挿通工程を経た後、ゲート9及びゲート固定具1は、移動工程に付される。
[移動工程]
移動工程は、ゲート固定具1に結合されたゲート9を介して、ゲート結合部6を所望の進行方向へ向かって牽引することで、ゲート固定具1の挟持部4を挟持解除状態にしながらゲート9及びゲート固定具1を所望の位置まで移動させる工程である。
より具体的には、ゲート9を移動させたい方向に向かって、ゲート9の横板93に結合されたゲート棒94を牽引すればよい。これにより、ゲート固定具1における挟持部4が挟持解除状態となって、ゲート9及びゲート固定具1が牽引される方向へ移動する。ゲート棒94を牽引するに際して水上を移動する必要があれば、ボート等の手段を用いればよいことは既に述べた通りである。このようにして、ゲート9及びゲート固定具1を所望の位置まで移動させる。
移動工程を経たゲート9及びゲート固定具1は、固定工程に付される。
[固定工程]
固定工程は、上記移動工程を経た後に、ゲート結合部6の牽引を解除することでゲート固定具1の挟持部3を挟持状態とし、ゲート9及びゲート固定具1を上記所望の位置で固定させる工程である。上記移動工程にてゲート9が所望の位置まで到達した後、ゲート棒94の牽引を解除すれば、同時にゲート結合部6の牽引も解除され、既に述べたようにゲート固定具1における挟持部4は挟持状態となって、ゲート9及びゲート固定具1はその位置で固定される。
以上の各工程を経て、ガイドロープ91に沿った所望の位置へのゲート9の設置が完了する。本発明のカヌー競技用ゲートの固定方法によれば、従来よりも少ない手間及び人員でカヌー競技用ゲートを設置することが可能になる。
1 カヌー競技用ゲート固定具
2 筐体
21 蓋
22 ケース
3 挿通部
31 挿通口
32 支持部
4 挟持部
5 弾性部
51 バネ
52 ピン付きネジ
6 ゲート結合部
61 穴部
62 ゲート結合体
9 ゲート
91 ガイドロープ

Claims (3)

  1. ガイドロープに沿って移動可能なカヌー競技用のゲートを位置決めし、これを固定するためのカヌー競技用ゲート固定具であって、
    前記ガイドロープを挿通するための挿通部と、
    前記挿通部にて前記ガイドロープを挟持又は挟持解除自在に設けられ、前記ガイドロープを挟持したときに前記ゲート固定具をこのガイドロープの所望の位置で固定させる挟持部と、
    前記挟持部を弾性により挟持状態に留置するための弾性部と、
    前記ゲートを結合可能であり、結合されたゲートとともに下方へ牽引されたときに、前記挟持部を挟持解除状態へ移行させるゲート結合部と、を備えたカヌー競技用ゲート固定具。
  2. 前記挿通部が、前記挿通部に前記ガイドロープが挿通されたときの延長方向に沿って、そのガイドロープを内部に通すことが可能なパイプ状の支持部と、前記支持部の端部に開口した挿通口と、を備えることを特徴とする、請求項1記載のカヌー競技用ゲート固定具。
  3. 請求項1又は2記載のカヌー競技用ゲート固定具のゲート結合部にゲートを結合させるゲート結合工程と、
    前記ゲート固定具の挿通部に、前記ゲート及びゲート固定具を案内するためのガイドロープを挿通させる挿通工程と、
    ゲート結合工程及び挿通工程を経た後、前記ゲート固定具に結合されたゲートを介して前記ゲート結合部を所望の進行方向へ向かって牽引することで、前記ゲート固定具の挟持部を挟持解除状態にしながら前記ゲート及びゲート固定具を所望の位置まで移動させる移動工程と、
    前記移動工程を経た後に前記ゲート結合部の牽引を解除することにより前記ゲート固定具の挟持部を挟持状態にして、前記ゲート及びゲート固定具を前記所望の位置で固定させる固定工程と、を備えたカヌー競技用ゲートの固定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20220357642A1 (en) * 2019-07-10 2022-11-10 Sony Group Corporation Display apparatus and projection system

Cited By (1)

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US20220357642A1 (en) * 2019-07-10 2022-11-10 Sony Group Corporation Display apparatus and projection system

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