JP2016095953A - 電気コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で、導電コンタクト部材の端末部分を良好にシールドして、いわゆるEMI対策を十分に行うことを可能とする。【解決手段】絶縁ハウジング11内に挿入された信号伝送媒体Fに対して、導電コンタクト部材12,13を弾性変位により電気的に接続させるスライダー部材14に、導電性金属部材からなるシェル部材15を一体的に成形し、スライダー部材14と一体的にシェル部材15を移動させることで導電コンタクト部材12,13の端末部分を含む全体をシェル部材15で覆い、導電コンタクト部材12,13の一部が絶縁ハウジングから突出している場合であっても、導電コンタクト部材12,13の全体をシェル部材15により覆って電磁遮蔽可能とするように構成したものである。たものである。【選択図】図10
Description
本発明は、絶縁ハウジングの内部に信号伝送媒体を挿入して接続を行うように構成された電気コネクタに関する。
一般に、種々の電気機器等に用いられている印刷配線基板上に電気コネクタを実装し、その電気コネクタを介して、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)や、フレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)等の各種信号伝送媒体を印刷配線基板に電気的に接続することが広く行われている。例えば、下記の特許文献に記載されている電気コネクタでは、FPCやFFC等からなる信号伝送媒体を、印刷配線基板上に実装された電気コネクタの挿入口から挿入し、その信号伝送媒体(FPCやFFC等)の挿入を完了した後に、スライダー部材(接続操作手段)を回動操作又はスライド操作することで導電コンタクト部材を弾性変位させ、当該導電コンタクト部材に設けられた接点部を、信号伝送媒体の電極部に圧接させることによって電気的な接続を行うようにしている。
一方、伝送信号の高周波化が図られつつある近年においては、信号伝送媒体から導電コンタクト部材に至る伝送経路を、シェル等のシールド部材によって覆うことにより電磁波遮断(EMI)対策を施すことが重要となりつつある。しかしながら、例えば下記の特許文献1のように、印刷配線基板上の導電路に半田接続される導電コンタクト部材の基板接続脚部等の端末部分(テール部分)が、絶縁ハウジングから外方に突出するように配置された構造の電気コネクタにあっては、その導電コンタクト部材における外方突出部分が、シェル等のシールド部材により覆われなくなって外方に露出される構造が多くなってきている。このように、導電コンタクト部材の一部が外方に露出された状態となっていると、電磁波遮断の機能が十分に得られないおそれがある。
一方、下記の特許文献2及び3では、シールド部材が、導電コンタクト部材の基板接続脚部の端末部(テール部)まで覆う構造が採用されているものの、シールド部材を別部品として準備するように構成されているため、部品点数や組立工程数が増大する傾向になっていることから生産性に問題がある。
そこで本発明は、簡易な構成で、導電コンタクト部材の端末部分を良好にシールドし、かつ効率的な組立性を得ることができるようにした電気コネクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1にかかる発明では、内部に導電コンタクト部材が配置された絶縁ハウジングに、スライダー部材が移動可能に取り付けられたものであって、前記スライダー部材を初期位置から作用位置まで移動させて前記導電コンタクト部材を弾性変位させることにより、前記絶縁ハウジングの内部に挿入された信号伝送媒体に対して前記導電コンタクト部材を電気的に接続させるように構成された電気コネクタにおいて、前記スライダー部材に、導電性金属部材からなるシェル部材が一体的に設けられたものであって、前記スライダー部材が前記作用位置まで移動された際に、当該スライダー部材と一体的に移動された前記シェル部材が前記導電コンタクト部材の端末部分を含む全体を覆うように配置される構成が採用されている。
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1記載の導電コンタクト部材は、印刷配線基板に半田接続される基板接続脚部を有し、前記導電コンタクト部材の基板接続脚部が、前記作用位置まで移動された前記スライダー部材により覆われる構成とすることが可能である。
このような構成を有する請求項1及び2にかかる電気コネクタによれば、導電コンタクト部材の一部である基板接続脚部等の端末部分(テール部)が絶縁ハウジングから突出している場合であっても、スライダー部材が作用位置まで移動された際に、導電コンタクト部材の端末部分を含む全体がシェル部材により覆われて電磁遮蔽されることとなり、簡易な構成によって、いわゆるEMI対策が十分に行われることとなって良好なシールド性が得られる。
また、請求項3にかかる発明のように、請求項1記載のシェル部材は、前記スライダー部材にインサート成形されていることが望ましい。
このような請求項3にかかる電気コネクタによれば、シェル部材の製造工程が容易化される。
また、請求項4にかかる発明のように、請求項1記載の導電コンタクト部材が、前記絶縁ハウジングの内部に多極状をなすように複数配列され、それら多極状に配置された複数の導電コンタクト部材に対して、前記スライダー部材とともに移動した前記シェル部材がグランド接触するように弾性変位される構成になされていることが望ましい。
このような構成を有する請求項4にかかる電気コネクタによれば、スライダー部材の移動によってシェル部材にグランド接触する導電コンタクト部材を、多極配列方向において任意の位置に配置することが可能となり、信号伝送媒体の導電路や印刷配線基板の導電路に対応した導電コンタクト部材の配置構成が容易に得られる。
以上述べたように本発明にかかる電気コネクタは、絶縁ハウジング内に挿入された信号伝送媒体に対して、導電コンタクト部材を弾性変位により電気的に接続させるスライダー部材に、導電性金属部材からなるシェル部材を一体的に成形し、スライダー部材と一体的にシェル部材を移動させることで導電コンタクト部材の端末部分を含む全体をシェル部材で覆う構成を採用し、導電コンタクト部材の一部が絶縁ハウジングから突出している場合であっても、導電コンタクト部材の全体をシェル部材により覆って電磁遮蔽可能とするように構成したものであるから、簡易な構成で、導電コンタクト部材の端末部分を良好にシールドして、いわゆるEMI対策を十分に行うことができるとともに、効率的な組立性を得ることができ、電気コネクタの信頼性を低廉かつ大幅に向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[コネクタ全体構造について]
まず、図1〜図11に示された本発明の第1の実施形態にかかる電気コネクタ10は、印刷配線基板上に実装して用いられるリセプタクルコネクタからなるものであって、細長状に延在する絶縁性部材からなる絶縁ハウジング(インシュレータ)11を備えている。この絶縁ハウジング11は、平面略長方形状をなす薄厚の中空状筐体から形成されており、当該絶縁ハウジング11のコネクタ前端縁部分、すなわち互いに対向する長辺側両端縁の一方側(図7及び図8の左端側)には、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)やフレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)等からなる信号伝送媒体F(図9参照)が挿入される前方側挿入口11aが、横細長状の開口形状を有するように設けられている。
まず、図1〜図11に示された本発明の第1の実施形態にかかる電気コネクタ10は、印刷配線基板上に実装して用いられるリセプタクルコネクタからなるものであって、細長状に延在する絶縁性部材からなる絶縁ハウジング(インシュレータ)11を備えている。この絶縁ハウジング11は、平面略長方形状をなす薄厚の中空状筐体から形成されており、当該絶縁ハウジング11のコネクタ前端縁部分、すなわち互いに対向する長辺側両端縁の一方側(図7及び図8の左端側)には、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)やフレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)等からなる信号伝送媒体F(図9参照)が挿入される前方側挿入口11aが、横細長状の開口形状を有するように設けられている。
また、その前方側挿入口11aとは反対側(図7及び図8の右端側)のコネクタ後端縁部分には、後述する導電コンタクト12,13や、接続操作手段としてのスライダー部材14を装着するための後方側開口部が設けられており、上述した前方側挿入口11aから後方側開口部に至るまでの間部分に、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fが挿入されることで収容される媒体収容通路11bが形成されている。
以下において、上述した絶縁ハウジング11の長手方向に相当する方向を「コネクタ長手方向」と呼ぶとともに、前方側挿入口11aと後方側開口部とが対向する方向を「コネクタ前後方向」と呼ぶこととし、また、それら「コネクタ長手方向」及び「コネクタ前後方向」の双方に直交する方向を「コネクタ上下方向」と呼ぶこととする。
一方、上述した絶縁ハウジング11における後方側開口部からコネクタ長手方向の両側部分にかけての部位を覆うようにして後述する接続操作手段としてのスライダー部材14が装着されている。このスライダー部材14は、絶縁ハウジング11に対してコネクタ前後方向に往復移動自在に取り付けられており、絶縁ハウジング11の後方側に離間された「初期位置」(図7及び図8参照)から、コネクタ前方側に向かって押し込まれた「作用位置」(図10及び図11参照)に移動されることによって、導電コンタクト12,13を信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fに対して電気的に接続させる構成になされている。この点については、本発明の要部として後段において詳細に説明する。
[導電コンタクトについて]
また、上述したように絶縁ハウジング11に設けられた媒体収容通路11bの内部には、略H字形状を直角横向きに倒した側面形状を有する複数体の導電コンタクト(コンタクト部材)12,13が、コネクタ前後方向に延在するように挿入されている。それらの各導電コンタクト12,13は、薄板状の金属製部材から形成されており、絶縁ハウジング11の横幅方向(コネクタ長手方向)に適宜の間隔で凹設された装着溝内に、多極状をなして並列するように配置されている。
また、上述したように絶縁ハウジング11に設けられた媒体収容通路11bの内部には、略H字形状を直角横向きに倒した側面形状を有する複数体の導電コンタクト(コンタクト部材)12,13が、コネクタ前後方向に延在するように挿入されている。それらの各導電コンタクト12,13は、薄板状の金属製部材から形成されており、絶縁ハウジング11の横幅方向(コネクタ長手方向)に適宜の間隔で凹設された装着溝内に、多極状をなして並列するように配置されている。
これらの導電コンタクト12,13においては、同一形状を有する信号伝送用の導電コンタクト12が多数配列されている信号多極配列領域の一部に、当該信号伝送用の導電コンタクト12とは僅かに異なる形状を有するグランド接続用の導電コンタクト13が適宜の位置に配置された構成が採用されている。グランド接続用の導電コンタクト13の配置位置は、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fに形成された導電路及び印刷配線基板上に形成された導電路の配置関係に合わせた所定の位置に設定されており、本実施形態においては、コネクタ長手方向の両端及び中央に相当する位置に、グランド接続用の導電コンタクト13が配置されている。これらの導電コンタクト12,13の前端部分(図7及び図8の左端部分)は、印刷配線基板(図示省略)上に半田接合され、それによって信号伝送用又はシールド用のいずれかとして使用される。
このような導電コンタクト12,13の各々は、上述したようにコネクタ前端側からコネクタ後方側(図7及び図8の右方側)に向かって押し込むようにして装着されており、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの表面又は裏面に形成された信号伝送用の導電路(信号線)又はシールド用導電路(シールド線)のいずれかからなる導電路に対応した位置に当該導電コンタクト12,13のそれぞれが配置されている。これらの各導電コンタクト12,13は、信号伝送媒体Fの挿抜方向(図7及び図8の左右方向)に沿って延在する一対の細長状ビーム部材からなる可動コンタクトビーム12a,13a及び固定コンタクトビーム12b,13bをそれぞれ有している。
これらの可動コンタクトビーム12a,13a及び固定コンタクトビーム12b,13bは、上述した絶縁ハウジング11に設けられた媒体収容通路11bの内方側空間において、コネクタ上下方向に適宜の間隔をなして互いに対向した状態に配置されており、コネクタ前後方向(図7及び図8の左右方向)に沿って細長状をなすように延在している。そのうちの固定コンタクトビーム12b,13bは、前記絶縁ハウジング11の底部内壁面に沿って延在するように配置されていて、当該絶縁ハウジング11の内部で略不動状態となるように保持されている。
その固定コンタクトビーム12b,13bには、コネクタ前後延在方向(図7及び図8の左右方向)における略中央部分に、略鉛直方向(図7及び図8の上下方向)に延在する細幅板状の連結支柱部12c,13cが一体的に連結されている。そして、その連結支柱部12c,13cの上端部分には、上述した可動コンタクトビーム12a,13aがコネクタ前後方向(図7及び図8の左右方向)に延在するように一体的に連結されている。この可動コンタクトビーム12a,13aは、固定コンタクトビーム12b,13bに対して弾性変位可能な可撓性を有しており、それらの各可動コンタクトビーム12a,13aの弾性変位は、図7及び図8の紙面を含む延在平面内において行われる構成になされている。
さらに、上述した可動コンタクトビーム12a,13aの前端部分(図7及び図8の左端側部分)には、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの図示上面側に形成された信号伝送用又はシールド用のいずれかの導電路に接続される接点部として端子接触凸部12a1,13a1が図示下向きの突形状をなすように設けられている。また、その可動コンタクトビーム12a,13aの端子接触凸部12a1,13a1に対応して、固定コンタクトビーム12b,13b側にも、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの図示下面側に形成された信号伝送用又はシールド用の導電路(図示省略)のいずれかに接続される端子接触凸部12b1,13b1が図示上向きの突形状をなすように設けられている。そして、これらの可動コンタクトビーム12a,13aに設けられた端子接触凸部12a1,13a1と、その直下位置に対面するように配置された固定コンタクトビーム12b,13bの端子接触凸部12b1,13b1との間に、前記信号伝送媒体Fが挿入されて挟持される。
このとき、それらの可動コンタクトビーム12a,13aの端子接触凸部12a1,13a1及び固定コンタクトビーム12b,13bの端子接触凸部12b1,13b1は、互いの位置をコネクタ前方側(図7及び図8の左方側)或いはコネクタ後方側(図7及び図8の右方側)にずらして配置することも可能である。
さらに、上述した固定コンタクトビーム12b,13bのコネクタ前端側部分(図7及び図8の左端側部分)には、上述した印刷配線基板上に形成された導電路(図示省略)に半田接続される基板接続脚部12b2,13b2が形成されていて、当該基板接続脚部12b2,13b2を介して、印刷配線基板上の導電路に対する電気的な接続が行われるようになっている。
[スライダー部材について]
一方、可動コンタクトビーム12a,13a及び固定コンタクトビーム12b,13bのコネクタ後端側部分には、前述したようにスライダー部材(接続操作手段)14が、絶縁ハウジング11の後方側に離間した「初期位置」(図7及び図8参照)と、コネクタ前方側に押し込まれた「作用位置」(図10及び図11参照)との間において往復移動自在に取り付けられている。このスライダー部材14は、絶縁性部材から形成されており、上述した絶縁ハウジング11の後端側開口に沿ってコネクタ長手方向に細長状に延在するスライダー操作部14aを備えているとともに、当該スライダー操作部14aのコネクタ長手方向の両側部分には、一対のスライドガイド側板14b,14bが、互いに略平行に対面するように設けられている。それらの両スライドガイド側板14b,14bは、絶縁ハウジング11の両側壁面の外方側に対して、コネクタ前後方向に移動可能となるように取り付けられている。
一方、可動コンタクトビーム12a,13a及び固定コンタクトビーム12b,13bのコネクタ後端側部分には、前述したようにスライダー部材(接続操作手段)14が、絶縁ハウジング11の後方側に離間した「初期位置」(図7及び図8参照)と、コネクタ前方側に押し込まれた「作用位置」(図10及び図11参照)との間において往復移動自在に取り付けられている。このスライダー部材14は、絶縁性部材から形成されており、上述した絶縁ハウジング11の後端側開口に沿ってコネクタ長手方向に細長状に延在するスライダー操作部14aを備えているとともに、当該スライダー操作部14aのコネクタ長手方向の両側部分には、一対のスライドガイド側板14b,14bが、互いに略平行に対面するように設けられている。それらの両スライドガイド側板14b,14bは、絶縁ハウジング11の両側壁面の外方側に対して、コネクタ前後方向に移動可能となるように取り付けられている。
このとき、上述したスライダー操作部14aは、絶縁ハウジング11の後端側開口部に対して、コネクタ前後方向に対面する細長板状部材から形成されているとともに、そのスライダー操作板14bが絶縁ハウジング11の後端側開口部に対面している内側壁面からは、略楔状をなすスライダー突起部14cが、コネクタ前方側に向かって突出するように設けられている。このスライダー突起部14cは、コネクタ長手方向に直交する断面形状がコネクタ前方側に向かって突出する山形状をなすように形成されており、その断面山形状の突出側先端部分が、前述した可動コンタクトビーム12a,13a及び固定コンタクトビーム12b,13b同士の間部分に入り込んだ配置関係になされている。
そのスライダー突起部14cにおける略楔状の山形断面形状を形成している上下の両表面は、コネクタ前方側に向かって互いに近付く方向に傾斜する平面から形成されており、当該スライダー突起部14cの上下両傾斜面が、上述した導電コンタクト12,13の後端部分に接触するように配置されている。そして、そのスライダー突起部14cが、コネクタ前方側(図6及び図7の左方側)に向かって押し込まれた際に、当該スライダー突起部14cの上下両傾斜面の、いわゆる楔作用に基づく上下拡幅作用によって、可動コンタクトビーム12a,13aが上方側に向かって弾性変位されるようになっている。
この点を具体的に説明すると、上述した可動コンタクトビーム12a,13a及び固定コンタクトビーム12b,13bにおけるコネクタ後端部分の下端縁及び上端縁には、下方及び上方に突出する接触下方突起12a2,13a2及び接触上方突起12b3,13b3が、それぞれ設けられている。それら可動コンタクトビーム12a,13a及び固定コンタクトビーム12b,13bに設けられた接触下方突起12a2,13a2及び接触上方突起12b3,13b3は、上下方向に所定の間隔をなして対面するように配置されており、それらの接触下方突起12a2,13a2と接触上方突起12b3,13b3との間部分に、上述したスライダー突起部14cが挿入される配置関係になされている。そして、そのスライダー突起部14cがコネクタ前方側に押し込まれて移動した際に、当該スライダー突起部14cの上下両傾斜面が、可動コンタクトビーム12a,13a及び固定コンタクトビーム12b,13bにおける接触下方突起12a2,13a2及び接触上方突起12b3,13b3に対して圧接状態となり、そこに、いわゆる楔作用に基づく上下拡幅作用が発生することとなる。
このようなスライダー突起部14cの押し込み時に発生する上下拡幅作用によって、接触下方突起12a2,13a2及び接触上方突起12b3,13b3を介して、可動コンタクトビーム12a,13a及び固定コンタクトビーム12b,13bは、上下方向に押し広げられる方向に変位する応力を受けることとなる。そのとき、固定コンタクトビーム12b,13bは、絶縁ハウジング11の内側壁面(底面)に押し付けられて略不動状態に保持されることから、弾性変位を生じることなく維持されるが、可動コンタクトビーム12a,13aの後端部分は、上述したスライダー突起部14cの押し込みに伴って、接触下方突起12a2,13a2を介して上方側に持ち上げられるように弾性変位し、それに伴って、コネクタ前端側に設けられた端子接触凸部12a1,13a1が、信号伝送媒体Fを押圧する構成になされている。
このように、まずスライダー部材(接続操作手段)14が、絶縁ハウジング11から後方側に離間した「初期位置」にある状態(図7及び図8参照)において、絶縁ハウジング11の前方側挿入口11aを通して信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fが媒体収容通路11bの内部に挿入され、その後にスライダー部材14が、コネクタ前方側に向かって押し込まれる操作が行われて「作用位置」まで押し込まれる(図10及び図11参照)。それに伴って、可動コンタクトビーム12a,13aの後端部分が、前述したようなスライダー突起部14cの上下拡幅作用によって上方に弾性変位し、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの表面に形成された信号伝送用又はグランド用の各導電路に対して、可動コンタクトビーム12a,13aの端子接触凸部12a1,13a1及び固定コンタクトビーム12b,13bの端子接触凸部12b1,13b1が圧接状態となり、当該可動コンタクトビーム12a,13aと固定コンタクトビーム12b,13bとの間に信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fが挟持され、電気的な接続が行われる。
[導電性シェル(シェル部材)について]
一方、前述したようなスライダー部材(接続操作手段)14には、導電性金属部材からなる導電性シェル(シェル部材)15が、インサート成形等によって一体的に取り付けられている。この導電性シェル15は、金属製板状部材から形成されており、前述したスライダー部材14のスライダー操作部14aに沿って固定基板15aが埋設されている。この固定基板15aの上端縁部分からは、当該導電性シェル15の主体部分が、コネクタ前方に向かって平板状をなすようにして突出している。
一方、前述したようなスライダー部材(接続操作手段)14には、導電性金属部材からなる導電性シェル(シェル部材)15が、インサート成形等によって一体的に取り付けられている。この導電性シェル15は、金属製板状部材から形成されており、前述したスライダー部材14のスライダー操作部14aに沿って固定基板15aが埋設されている。この固定基板15aの上端縁部分からは、当該導電性シェル15の主体部分が、コネクタ前方に向かって平板状をなすようにして突出している。
そして、この導電性シェル15の主体部分を構成している平板状突出部分は、コネクタ上方に向かって露出した状態で延在しており、絶縁ハウジング11の全面を上方側から覆うように配置されている。この導電性シェル15の主体部分におけるコネクタ長手方向の両側部分には、下方に向かって略直角に折れ曲がって延びる一対の固定側板15b,15bが連設されている。それらの両固定側板15b,15bは、前述したスライダー部材(接続操作手段)14におけるコネクタ長手方向の両側部分に設けられたスライドガイド側板14b,14bに対して、インサート成形による埋設状態で固定されている。
また、この導電性シェル(シェル部材)15の主体部分は、上述したように絶縁ハウジング11の上側表面の全面を上方側から覆うように配置されているが、特に前述したスライダー部材(接続操作手段)14が「作用位置」まで押し込まれるように移動された際にあっては、当該導電性シェル15が、スライダー部材14とともにコネクタ前方側に移動することによって、導電コンタクト12,13の全体を上方側から覆うように配置される構成になされている。
より具体的には、スライダー部材(接続操作手段)14が絶縁ハウジング11から後方側に離間した「初期位置」にある場合(図7及び図8参照)にあっては、上述した導電性シェル(シェル部材)15の前端縁部分は、導電コンタクト12,13の前端部分に設けられた基板接続脚部12b2,13b2からやや後方側に位置しており、それらの基板接続脚部12b2,13b2を完全に覆うことはない。これに対して、前述したようにスライダー部材14がコネクタ前方側に押し込まれて「作用位置」にある場合(図10及び図11参照)にあっては、導電性シェル15がスライダー部材14とともに前方側に移動することで、当該導電性シェル15の前端縁部分が、導電コンタクト12,13の基板接続脚部12b2,13b2の上方側に位置することとなる。その結果、導電性シェル15によって導電コンタクト12,13の全体が覆われる配置関係となる。
一方、前述したグランド接続用の導電コンタクト(コンタクト部材)13に設けられた可動コンタクトビーム13aは、スライダー部材(接続操作手段)14が「作用位置」まで移動操作された際に、導電性シェル(シェル部材)15に接触状態となるように構成されている。すなわち、当該グランド接続用の可動コンタクトビーム13aにおけるコネクタ後端部分の上端縁には、上方側に向かって突出するグランド接触凸部13a3が形成されている。そして、前述したようにスライダー部材14が「作用位置」までコネクタ前方側に押し込まれることで、可動コンタクトビーム13aの後端部分が上方側に持ち上げられるように弾性変位する(図10及び図11参照)。それに伴って、上述したグランド接触凸部13a3が、導電性シェル15の内壁面に対して下方側から接触状態となり、これによってグランド接続が行われるようになっている。
このような構成を有する本実施形態にかかる電気コネクタ10においては、導電コンタクト12,13の端末部分、より具体的には基板接続脚部12b2,13b2が、絶縁ハウジング11からコネクタ前方側に突出する構成になされているが、スライダー部材(接続操作手段)14が、コネクタ前方側に押し込まれて「作用位置」にある場合(図10及び図11参照)には、導電性シェル(シェル部材)15の前端縁部分が、導電コンタクト12,13の基板接続脚部12b2,13b2を上方側から覆う配置関係となる。従って、電気コネクタ10が実際に使用される場合においては、導電コンタクト12,13の基板接続脚部12b2,13b2を含む全体が、導電性シェル(シェル部材)15により覆われて電磁遮蔽されることとなり、簡易な構成によって、いわゆるEMI対策が十分に行われることとなって良好なシールド性が得られる。
このとき、特に本実施形態においては、導電性シェル(シェル部材)15がスライダー部材(接続操作手段)14にインサート成形されていることから、導電性シェル15の製造工程が容易化される。
さらに、本実施形態においては、スライダー部材14の押し込み移動によって導電性シェル(シェル部材)15にグランド接触するグランド接続用の導電コンタクト13を、多極配列方向において任意の位置に配置することが可能となっており、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの導電路や、印刷配線基板の導電路に対応した導電コンタクト部材の配置構成が容易に得られ、多種多様な信号伝送媒体(FPC又はFFC等)に対して容易に対応可能となっている。
[第2の実施形態について]
一方、上述した第1の実施形態と同一の構成部材に対して同一の符号を付した図12〜図20にかかる第2の実施形態において採用された電気コネクタは、スライダー部材(接続操作手段)14を「作用位置」に保持するロック機構が設けられた構成を備えたものである。そして、そのようなロック機構以外の部位については、前述した第1の実施形態と同様の構成であるので、以下の説明は、主としてロック機構について行うこととする。
一方、上述した第1の実施形態と同一の構成部材に対して同一の符号を付した図12〜図20にかかる第2の実施形態において採用された電気コネクタは、スライダー部材(接続操作手段)14を「作用位置」に保持するロック機構が設けられた構成を備えたものである。そして、そのようなロック機構以外の部位については、前述した第1の実施形態と同様の構成であるので、以下の説明は、主としてロック機構について行うこととする。
前述したようにスライダー部材(接続操作手段)14に一体的に成形された導電性シェル(シェル部材)15のコネクタ長手方向の両側部分には、略直角下方に向かって折り曲げ形成された固定側板15b,15bが設けられているが、本実施形態における各固定側板15bは、コネクタ後方側の部分が絶縁ハウジング11に埋設されている。一方、当該各固定側板15bにおけるコネクタ前方側の部分には、絶縁ハウジング11に覆われることなく露出状態になされたロックアーム15cが設けられている。
それらの各ロックアーム15cは、上述したようにコネクタ後方側において絶縁ハウジング11に埋設された各固定側板15bからコネクタ前方側に向かって片持ち状に突出する構成になされている。本実施形態における各ロックアーム15cは、帯板状をなすように延在するバネ状部材から形成されており、当該ロックアーム15cの突出方向の前端部分には、コネクタ内方側に向かって折り曲げ形成されたロック係合部15dが設けられている。そのロック係合部15dは、絶縁ハウジング11の両側外壁面に沿って滑動自在に収容されている。
上述した絶縁ハウジング11の両側外壁面には、コネクタ前後方向に延在する凹溝状部分が形成されており、前述したスライダー部材(接続操作手段)14のコネクタ前後方向における往復移動に伴って、当該ロックアーム15cのロック係合部15dが、絶縁ハウジング11の両側外壁面の凹溝状部分の内部を滑動するように往復移動される構成になされている。また、その絶縁ハウジング11の両側壁面におけるコネクタ前端部分には、スライダー部材(接続操作手段)14がコネクタ前方側の「作用位置」に押し込まれた際にロック係合部15dを係合させるロック係止部11cが、ホールドダウン16との間に段差状をなすように形成されている。
すなわち、絶縁ハウジング11の両側壁部におけるコネクタ内方側部分には、配線基板に半田接合されるホールドダウン16がそれぞれ配置されている。それらの各ホールドダウン16は、絶縁ハウジング11の両側壁部におけるコネクタ前方側の端面に対してコネクタ内方側にやや引き込んで配置されており、当該ホールドダウン16と、絶縁ハウジング11の両側壁面との間に形成された段差部分が、上述したロック係止部11cになされている。
そして、前述したようにスライダー部材(接続操作手段)14が「作用位置」に向かって押し込まれることで、絶縁ハウジング11の両側外壁面に沿ってコネクタ前方側に移動してきたロック係合部15b1が、ロック係止部11cを形成している段差状部分に到達した際に、特に図19に示されているように、ロック係止部11cの段差部分に対してロック係合部15b1が、ロックアーム15cの弾性力で落ち込むようにして係合状態になされる。
このように導電性シェル(シェル部材)15に設けられたロック係止部11cが、絶縁ハウジング11に設けられたロック係止部11cに対して係合状態になされると、導電性シェル15とともにスライダー部材(接続操作手段)14が「作用位置」に保持されることとなる。
このような構成を有する第2の実施形態においては、上述した第1の実施形態と略同様な作用・効果に加えて、信号伝送媒体(FPC又はFFC等)Fの挟持状態が確実に保持されることとなる。なお、上述した第2の実施形態では、絶縁ハウジング11の端面にロック係止部11cを設けているが、ホールドダウン16側に同様なロック係止部を設けることも可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。
例えば、上述した各実施形態においては、電気コネクタに固定される信号伝送媒体として、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)、及びフレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)を採用しているが、その他の信号伝送用媒体等を用いた場合に対しても本発明は同様に適用することができる。
また、上述した実施形態にかかる電気コネクタは、形状が異なる導電コンタクトを用いたものであるが、同一形状の導電コンタクトを用いたものであっても本発明は同様に適用することが可能である。
本発明は、各種電気機器に使用する多種多様な電気コネクタに対して広く適用することが可能である。
10 リセプタクルコネクタ
11 絶縁ハウジング(インシュレータ)
11a 前方側挿入口
11b 媒体収容通路
11c ロック係止部
12,13 導電コンタクト(コンタクト部材)
12a,13a 可動コンタクトビーム
12a1,13a1 端子接触凸部
12a2,13a2 接触下方突起
12b,13b 固定コンタクトビーム
12b1,13b1 端子接触凸部
12b2,13b2 基板接続脚部
12b3,13b3 接触上方突起
12c,13c 連結支柱部
13a3 グランド接触凸部
14 スライダー部材(接続操作手段)
14a スライダー操作部
14b スライドガイド側板
14c スライダー突起部
15 導電性シェル(シェル部材)
15a 固定基板
15b 固定側板
15c ロックアーム
15d ロック係合部
16 ホールドダウン
F 信号伝送媒体(FPC又はFFC等)
11 絶縁ハウジング(インシュレータ)
11a 前方側挿入口
11b 媒体収容通路
11c ロック係止部
12,13 導電コンタクト(コンタクト部材)
12a,13a 可動コンタクトビーム
12a1,13a1 端子接触凸部
12a2,13a2 接触下方突起
12b,13b 固定コンタクトビーム
12b1,13b1 端子接触凸部
12b2,13b2 基板接続脚部
12b3,13b3 接触上方突起
12c,13c 連結支柱部
13a3 グランド接触凸部
14 スライダー部材(接続操作手段)
14a スライダー操作部
14b スライドガイド側板
14c スライダー突起部
15 導電性シェル(シェル部材)
15a 固定基板
15b 固定側板
15c ロックアーム
15d ロック係合部
16 ホールドダウン
F 信号伝送媒体(FPC又はFFC等)
Claims (4)
- 内部に導電コンタクト部材が配置された絶縁ハウジングに、スライダー部材が移動可能に取り付けられたものであって、
前記スライダー部材を初期位置から作用位置まで移動させて前記導電コンタクト部材を弾性変位させることにより、前記絶縁ハウジングの内部に挿入された信号伝送媒体に対して前記導電コンタクト部材を、電気的に接続させるように構成された電気コネクタにおいて、
前記スライダー部材に、導電性金属部材からなるシェル部材が一体的に設けられたものであって、
前記スライダー部材が前記作用位置まで移動された際に、当該スライダー部材と一体的に移動された前記シェル部材が前記導電コンタクト部材の端末部分を含む全体を覆うように配置されることを特徴とする電気コネクタ。 - 前記導電コンタクト部材は、印刷配線基板に半田接続される基板接続脚部を有し、
前記導電コンタクト部材の基板接続脚部が、前記作用位置まで移動された前記スライダー部材により覆われるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。 - 前記シェル部材は、前記スライダー部材にインサート成形されていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
- 前記導電コンタクト部材が、前記絶縁ハウジングの内部に多極状をなすように複数配列され、
それら多極状に配置された複数の導電コンタクト部材に対して、前記スライダー部材とともに移動した前記シェル部材がグランド接触するように弾性変位される構成になされていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014230219A JP2016095953A (ja) | 2014-11-12 | 2014-11-12 | 電気コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014230219A JP2016095953A (ja) | 2014-11-12 | 2014-11-12 | 電気コネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016095953A true JP2016095953A (ja) | 2016-05-26 |
Family
ID=56071868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014230219A Pending JP2016095953A (ja) | 2014-11-12 | 2014-11-12 | 電気コネクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016095953A (ja) |
-
2014
- 2014-11-12 JP JP2014230219A patent/JP2016095953A/ja active Pending
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