JP2016094630A - 焼結鉱冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】摩耗を抑制しつつ堆積槽中央を効率よく冷却できる焼結鉱冷却装置の提供。【解決手段】焼結鉱100を上部から受け入れ、堆積した焼結鉱100を下部から排出する環状シャフト2と、環状シャフト2の内周側壁部9a及び外周側壁部9bの少なくともいずれか一方からガスを取り込み、堆積した焼結鉱100を冷却するガス冷手段20と、を有する焼結鉱冷却装置1であって、内周側壁部9aと外周側壁部9bとの間に配管される配管部31を有し、配管部31には、堆積した焼結鉱100と熱交換する水及び水蒸気の少なくともいずれか一方が流通している、という構成を採用する。【選択図】図2
Description
本発明は、焼結鉱冷却装置に関するものである。
焼結鉱とは、金属精錬の予備処理として、粉状の精錬原鉱を高温で固結したものであり、焼結鉱冷却装置は、高温の焼結鉱を取り扱い可能な温度まで冷却するものである。例えば、焼結機から排鉱される焼結鉱は600℃程度であり、焼結鉱冷却装置によって150℃程度まで冷却される。焼結鉱冷却装置は、焼結鉱の冷却に供したガスを排熱回収装置に導き、焼結鉱の顕熱を熱回収する構成となっている。
このような焼結鉱冷却装置として、例えば、下記特許文献1に記載されたものが知られている。この焼結鉱冷却装置は、焼結鉱を受け入れて回転駆動する環状の堆積槽の上部開口をフードで覆い、フードに吸気ファンを接続し、フードを介してガスを吸引することにより、堆積された焼結鉱の隙間にガスを流通させて焼結鉱全体を冷却すると共に、冷却に供したガスをボイラーに導き、熱回収する構成となっている。
ところで、上記従来技術では、堆積槽に内周ルーバー部と外周ルーバー部を設け、内周側壁部及び外周側壁部のそれぞれからガスを取り込むと共に、内周ルーバー部及び外周ルーバー部から取り込まれたガスが流れ難い堆積槽の内部に中央ルーバー部を設け、高温になり易い堆積槽中央を冷却している(特許文献1の図3参照)。
しかしながら、堆積槽中央を十分に冷却するためには、所定のガス流量を確保するべく中央ルーバー部のダクトを大きくしなくてはならない。中央ルーバー部が大きくなると、焼結鉱が流下できる断面積が小さくなる。焼結鉱が流下できる断面積が小さくなると、その分、焼結鉱の流下速度が増すこととなり、堆積槽の内部に設けられた中央ルーバー部の摩耗促進が懸念される。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、摩耗を抑制しつつ堆積槽中央を効率よく冷却できる焼結鉱冷却装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、堆積した前記焼結鉱を下部から排出する環状の堆積槽と、前記堆積槽の内周側壁部及び外周側壁部の少なくともいずれか一方からガスを取り込み、堆積した前記焼結鉱を冷却するガス冷手段と、を有する焼結鉱冷却装置であって、前記内周側壁部と前記外周側壁部との間に配管される配管部を有し、前記配管部には、堆積した前記焼結鉱と熱交換する水及び水蒸気の少なくともいずれか一方が流通している、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、配管部を設け、堆積槽の内周側壁部と外周側壁部との間で、堆積した焼結鉱の中に水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を流通させ、堆積槽中央を冷却する。堆積槽中央を水冷することにより、蒸発潜熱等を利用した効率的な冷却が可能になると共に、ガスに比べて少ない量で十分な冷却が可能になる。このため、冷却手段のサイズが小さくてすみ、堆積槽の内部で障害物となり難くなるため、焼結鉱の流下性がよく、摩耗量を小さく抑えることができる。
この構成を採用することによって、本発明では、配管部を設け、堆積槽の内周側壁部と外周側壁部との間で、堆積した焼結鉱の中に水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を流通させ、堆積槽中央を冷却する。堆積槽中央を水冷することにより、蒸発潜熱等を利用した効率的な冷却が可能になると共に、ガスに比べて少ない量で十分な冷却が可能になる。このため、冷却手段のサイズが小さくてすみ、堆積槽の内部で障害物となり難くなるため、焼結鉱の流下性がよく、摩耗量を小さく抑えることができる。
また、本発明においては、前記配管部の上部に設けられ、堆積した前記焼結鉱を流下させる傾斜面を備える屋根部と、を有する、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、配管部の上部に傾斜面を備える屋根部を設けることで、配管部を保護し、また、焼結鉱の流下性の低下を抑制することができる。
この構成を採用することによって、本発明では、配管部の上部に傾斜面を備える屋根部を設けることで、配管部を保護し、また、焼結鉱の流下性の低下を抑制することができる。
また、本発明においては、前記配管部は、前記水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を放出する散水部を有し、前記散水部の下部に設けられ、前記屋根部との間に、前記水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を放出するための空間を形成する下屋根部を有する、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、配管部の散水部の下部に下屋根部を設け、屋根部との間に空間を形成し、散水されたものが焼結鉱に直接かからないようにする。これにより、高温の焼結鉱が急冷されることなく、応力集中や内部応力の増加による亀裂の発生を防止し、焼結鉱の品質低下を抑制することができる。
この構成を採用することによって、本発明では、配管部の散水部の下部に下屋根部を設け、屋根部との間に空間を形成し、散水されたものが焼結鉱に直接かからないようにする。これにより、高温の焼結鉱が急冷されることなく、応力集中や内部応力の増加による亀裂の発生を防止し、焼結鉱の品質低下を抑制することができる。
また、本発明においては、前記配管部は、前記水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を放出する散水部と、前記散水部の下側につづら折り状に形成される予熱部と、を有する、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、散水部の下部につづら折り状に予熱部を配管することで、焼結鉱との熱交換面積を十分に確保し、予熱したものを焼結鉱に散水することができる。これにより、高温の焼結鉱が急冷されることなく、応力集中や内部応力の増加による亀裂の発生を防止し、焼結鉱の品質低下を抑制することができる。
この構成を採用することによって、本発明では、散水部の下部につづら折り状に予熱部を配管することで、焼結鉱との熱交換面積を十分に確保し、予熱したものを焼結鉱に散水することができる。これにより、高温の焼結鉱が急冷されることなく、応力集中や内部応力の増加による亀裂の発生を防止し、焼結鉱の品質低下を抑制することができる。
また、本発明においては、前記配管部は、前記内周側壁部と前記外周側壁部との間に複数列設けられており、隣り合う前記配管部の前記散水部及び前記予熱部は、高さ方向に千鳥状に配置されている、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、配管部を複数列設け、高さ方向に千鳥状に配置することで、隣り合う散水部及び予熱部の高さを異ならせて、焼結鉱が流下できる断面積を狭めず、且つ、焼結鉱の流下経路を蛇行させ、焼結鉱を十分に冷却することができる。
この構成を採用することによって、本発明では、配管部を複数列設け、高さ方向に千鳥状に配置することで、隣り合う散水部及び予熱部の高さを異ならせて、焼結鉱が流下できる断面積を狭めず、且つ、焼結鉱の流下経路を蛇行させ、焼結鉱を十分に冷却することができる。
また、本発明においては、前記堆積槽の前記焼結鉱を受ける上部を覆うフードと、前記堆積槽の上部と前記フードとの間をシールする水封シール装置と、を有し、前記配管部は、前記水封シール装置と接続されている、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、堆積槽の上部とフードとの間を水封シールすると共に、その水封シールの水を堆積槽中央の冷却に用いることで、別途水源を設けずともよくなり、装置の小型化を図ることができる。
この構成を採用することによって、本発明では、堆積槽の上部とフードとの間を水封シールすると共に、その水封シールの水を堆積槽中央の冷却に用いることで、別途水源を設けずともよくなり、装置の小型化を図ることができる。
また、本発明においては、前記水封シール装置の水を、水頭圧により、前記配管部に流通させる、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、水頭圧を利用し、水封シール装置の水を流通させることで、ポンプ等を設けずともよくなり、装置の小型化を図ることができる。
この構成を採用することによって、本発明では、水頭圧を利用し、水封シール装置の水を流通させることで、ポンプ等を設けずともよくなり、装置の小型化を図ることができる。
本発明によれば、摩耗を抑制しつつ堆積槽中央を効率よく冷却できる焼結鉱冷却装置が得られる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態における焼結鉱冷却装置1の全体構成図である。図2は、図1における矢視A−A断面図である。図3は、本発明の実施形態における水冷手段30の斜視図である。図4は、本発明の実施形態における水冷手段30の要部拡大図である。
焼結鉱冷却装置1は、焼結鉱100(図2参照)を冷却し、焼結鉱100の顕熱を熱回収する構成となっている。
焼結鉱冷却装置1は、焼結鉱100(図2参照)を冷却し、焼結鉱100の顕熱を熱回収する構成となっている。
焼結鉱100とは、金属精錬の予備処理として、粉状の精錬原鉱を高温で固結したものである。この焼結鉱100には、鉄及び鉄を主成分とした合金の他、ニッケル等の非鉄金属も含まれ、バインダーを介して固結したものも含まれる。
また、本実施形態では、焼結鉱100を冷却するガスとして、空気(外気)を用いるが、成分調整をしたガス(例えば不活性ガス等)を用いてもよい。
また、本実施形態では、焼結鉱100を冷却するガスとして、空気(外気)を用いるが、成分調整をしたガス(例えば不活性ガス等)を用いてもよい。
焼結鉱冷却装置1は、図1に示すように、環状シャフト2(環状の堆積槽)と、ボイラー3と、吸気ファン4と、焼結機5と、粉砕機6と、を有する。環状シャフト2は、焼結鉱100を受け入れて、回転駆動するものであり、吸気ファン4は、環状シャフト2の内部のガスを吸気し、環状シャフト2に堆積した焼結鉱100を冷却するガス流れを形成するものである。吸気ファン4の吸気によって、環状シャフト2から排出されたガスは、ボイラー3で熱回収された後、不図示の煙突を通り、外部に排出される。
焼結機5は、移動炉床状に形成した精錬原鉱に点火し、焼結作用により焼結ケーキを製造するものであり、粉砕機6は、焼結ケーキを粉砕して焼結鉱100とするものである。
環状シャフト2は、図2に示すように、焼結鉱100を受け入れる給鉱部7と、焼結鉱100を排出する排鉱部8と、を有する。給鉱部7は、環状シャフト2の上部に設けられ、上方に開口している。排鉱部8は、環状シャフト2の下部に設けられ、側方に開口している。焼結鉱100は、不図示のスクレーパーによって排鉱部8から排出される。
環状シャフト2は、図2に示すように、焼結鉱100を受け入れる給鉱部7と、焼結鉱100を排出する排鉱部8と、を有する。給鉱部7は、環状シャフト2の上部に設けられ、上方に開口している。排鉱部8は、環状シャフト2の下部に設けられ、側方に開口している。焼結鉱100は、不図示のスクレーパーによって排鉱部8から排出される。
環状シャフト2は、図2に示すように、回転駆動装置10を備える。回転駆動装置10は、旋回テーブル11と、支持ローラー12と、を有する。旋回テーブル11は、環状シャフト2の槽本体を支持し、環状シャフト2の軸心(回転中心)周りに回転自在な構成となっている。支持ローラー12は、旋回テーブル11を支持し、不図示の駆動モーターと接続されている。環状シャフト2は、駆動モーターによって回転駆動する支持ローラー12の回転摩擦力により旋回テーブル11が回転することで、軸心周りに回転する。
環状シャフト2の上部は、フード13によって覆われている。フード13は、環状シャフト2の全周に亘って環状に形成されるとともに、所定の高さに固定されている。このフード13には、図1に示すボイラー3に接続される不図示の排気ダクトと、粉砕機6から焼結鉱100が供給される不図示のシュートと、が接続されている。固定側のフード13と、回転側の環状シャフト2の上部との間は、水封シール装置14によって相対回転自在にシールされている。水封シール装置14は、環状シャフト2の上部に設けられた溝部15と、溝部15に供給された水16と、フード13に設けられた水封板17と、によって構成されている。
溝部15は、環状シャフト2の内周側壁部9a及び外周側壁部9bの上端部のそれぞれに、全周に亘って設けられている。この溝部15には、不図示の水源(上水道等)から所定量の水16が常に供給されている。水封板17は、フード13の下部に設けられており、内周側壁部9a及び外周側壁部9bに設けられた溝部15の水16にそれぞれ沈下するように延在している。この構成によれば、環状シャフト2の上部とフード13との間が内外周とも水封されるため、ガス漏れを防止しつつ、環状シャフト2(回転側)とフード13(固定側)との相対回転が可能となる。
環状シャフト2には、図2に示すように、内周側壁部9a及び外周側壁部9bの少なくともいずれか一方からガスを取り込み、堆積した焼結鉱100を冷却するガス冷手段20が設けられている。本実施形態のガス冷手段20は、吸気ファン4の吸気によって外部のガスを導入するガス導入部21を、内周側壁部9a及び外周側壁部9bの両方に有する。ガス導入部21は、環状シャフト2の下部であって、排鉱部8よりも上方に設けられている。
ガス導入部21は、内周側壁部9aに設けられた内周ルーバー部22aと、外周側壁部9bに設けられた外周ルーバー部22bと、によって形成されている。内周ルーバー部22a及び外周ルーバー部22bは、環状シャフト2の内外を挟んで対向し、且つ、対称的に設けられており、焼結鉱100が漏れ出さないように、上方に向かって羽を外側に広げる向き(焼結鉱100の安息角による傾斜面に対向する向き)で傾斜している。
内周ルーバー部22a及び外周ルーバー部22bの傾斜角度は、焼結鉱100の安息角に基づいて設定されている。但し、内周ルーバー部22a及び外周ルーバー部22bの傾斜角度を大きくするほど、ルーバー間が狭くなりガスの流路抵抗が大きくなるため、ガスの流路抵抗を小さく且つルーバーの枚数を少なくするためには、内周ルーバー部22a及び外周ルーバー部22bの傾斜角度を極力、水平に近づけた角度とすることが好ましい。
このガス冷手段20によれば、吸気ファン4の吸気によってフード13の内部のガスが引かれると、環状シャフト2の内周側壁部9a及び外周側壁部9bの両方から外気が取り込まれる。取り込まれた外気は、焼結鉱100の隙間を通って上昇し、その過程で焼結鉱100を冷却する。ところで、取り込まれたガスは、はじめ内周側壁部9a及び外周側壁部9bの内側に沿って流れ、上昇する過程で拡散し、焼結鉱100全体を冷却する。しかしながら、ガスが拡散する前の環状シャフト2の下部中央においては、焼結鉱100が冷却され難い。このため、焼結鉱冷却装置1は、ガス冷手段20の他に、水冷手段30を備える。
水冷手段30は、内周側壁部9aと外周側壁部9bとの間で、堆積した焼結鉱100と熱交換する水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を流通させるものである。水冷手段30は、内周側壁部9aと外周側壁部9bとの間に配管される配管部31を有する。配管部31は、ガス導入部21と同等の高さに配管されている。配管部31は、高温の焼結鉱100が堆積する環状シャフト2の内部に配管されるため、耐熱性の金属材等から形成されている。
本実施形態の配管部31は、2列(配管部31A,31B)で設けられている。この配管部31は、図1に示すように、環状シャフト2の周方向において複数のユニットに分割されており、配管部31のユニットが環状シャフト2の周方向に間隔をあけて複数設けられている。なお、配管部31は、環状シャフト2の内周側壁部9aと外周側壁部9bとの間に架設された不図示のフレーム(強度部材)に支持される。
図2に戻り、配管部31の上部には、屋根部32が設けられている。屋根部32は、堆積した焼結鉱100を流下させる傾斜面32a(図4参照)を備える。屋根部32は、配管部31を保護するものであり、例えば、アングル型の鋼材から形成することができる。この屋根部32は、少なくとも配管部31の水平方向に延びる部分(図3参照)を覆うように設けられている。
配管部31は、水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を放出する散水部33を有しており、この散水部33の下部には、図4に示すように、下屋根部34が設けられている。下屋根部34は、屋根部32との間に、水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を放出するための空間Sを形成するものであり、散水の緩衝板として機能する。この下屋根部34は、例えば、焼結鉱100の安息角を考慮して平板の鋼材から形成することができる。
散水部33には、空間Sに向けて開口する散水穴35が形成されている。本実施形態の散水穴35は、斜め下方に向いて開口している。この散水部33は、図3に示すように、水平方向に延び、水平方向の複数箇所から散水可能な構成となっている。
配管部31は、散水部33の下側に、つづら折り状に形成される予熱部36を有する。予熱部36には散水穴35が設けられておらず、環状シャフト2内で蛇行することで、焼結鉱100との熱交換面積を大きく確保する構成となっている。本実施形態の予熱部36は、高さ方向に二段で形成されており、その上の散水部33に連通している。
配管部31は、散水部33の下側に、つづら折り状に形成される予熱部36を有する。予熱部36には散水穴35が設けられておらず、環状シャフト2内で蛇行することで、焼結鉱100との熱交換面積を大きく確保する構成となっている。本実施形態の予熱部36は、高さ方向に二段で形成されており、その上の散水部33に連通している。
図2に示すように、水冷手段30は、水封シール装置14の水を、堆積した焼結鉱100の中に放出するための給水部37を有する。給水部37は、溝部15の下部に連通すると共にそこから下方に延在し、予熱部36の最下段に連通するように配管されている。給水部37には、流量調節弁38が設けられている。流量調節弁38は、給水部37の流路面積を絞り、水冷手段30からの散水量を制御するものである。
続いて、上記構成の焼結鉱冷却装置1の動作及び作用について説明する。
焼結鉱冷却装置1は、焼結鉱100を環状シャフト2の上部から受け入れると共に、環状シャフト2の内周側壁部9a及び外周側壁部9bからガスを取り込み、堆積した焼結鉱100を冷却する。上述したように、ガス冷手段20のみでは、環状シャフト2の中央は冷え難いため、本実施形態の焼結鉱冷却装置1は、図2に示すように、内周側壁部9aと外周側壁部9bとの間で、堆積した焼結鉱100と熱交換する水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を流通させる水冷手段30を有する。
この構成によれば、環状シャフト2の内周側壁部9aと外周側壁部9bとの間で、堆積した焼結鉱100の中に水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を流通させ、環状シャフト2の中央を冷却することができる。環状シャフト2の中央を水冷することにより、蒸発潜熱等を利用して効率的な冷却が可能になると共に、ガスに比べて少ない量で十分な冷却が可能になる。このため、水冷手段30のサイズが従来技術のガスダクトと比べて小さくてすみ、環状シャフト2の内部での障害物となり難くなる。このため、焼結鉱100の流下性がよく(焼結鉱100の流下速度が高くならず)、水冷手段30の摩耗量を小さく抑えることができる。
また、本実施形態の水冷手段30は、図4に示すように、内周側壁部9aと外周側壁部9bとの間に配管される配管部31の上部に、傾斜面32aを備える屋根部32を設け、堆積した焼結鉱100を流下させる。この構成によれば、焼結鉱100から配管部31を保護し、また、焼結鉱100の流下性の低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態の水冷手段は、配管部31の散水部33の下部に下屋根部34を設け、屋根部32との間に水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を放出するための空間Sを形成する。この構成によれば、散水部33から散水されたものが焼結鉱100に直接かからないようになる。このため、高温の焼結鉱100が急冷されることなく、応力集中や内部応力の増加による亀裂の発生を防止し、焼結鉱100の品質低下を抑制することができる。
加えて、本実施形態の水冷手段30は、図3に示すように、散水部33の下側に、予熱部36をつづら折り状に形成する。この構成によれば、予熱部36を環状シャフト2の内部に長く配管することができ、焼結鉱100との熱交換面積を十分に確保し、予熱したもの(予熱により高温になった水若しくはその水が蒸気となったもの)を散水部33から焼結鉱100に散水することができる。このため、高温の焼結鉱100が急冷されることなく、応力集中や内部応力の増加による亀裂の発生を防止し、焼結鉱100の品質低下を確実に抑制することができる。
また、本実施形態の水冷手段30は、図2に示すように、水封シール装置14の水を、給水部37を介して取り込み、堆積した焼結鉱100の中に放出する。この構成によれば、環状シャフト2の上部とフード13との間を水封シールすると共に、その水封シールの水を環状シャフト2の中央の冷却に用いることができる。このため、水冷手段30のために別途水源を設けずともよくなり、装置の小型化を図ることができる。
さらに、本実施形態の水冷手段30は、水封シール装置14の水を、水頭圧により、堆積した焼結鉱100の中に流通させ放出する。この構成によれば、水頭圧を利用し、水封シール装置14の水を散水することができため、水冷手段30のためにポンプ等を設けずともよくなり、さらなる装置の小型化を図ることができる。
このように、上述の本実施形態によれば、焼結鉱100を上部から受け入れ、堆積した焼結鉱100を下部から排出する環状シャフト2と、環状シャフト2の内周側壁部9a及び外周側壁部9bの少なくともいずれか一方からガスを取り込み、堆積した焼結鉱100を冷却するガス冷手段20と、を有する焼結鉱冷却装置1であって、内周側壁部9aと外周側壁部9bとの間に配管される配管部31を有し、配管部31には、堆積した焼結鉱100と熱交換する水及び水蒸気の少なくともいずれか一方が流通している、という構成を採用することによって、摩耗を抑制しつつ環状シャフト2中央を効率よく冷却できる焼結鉱冷却装置1が得られる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、本発明は、図5及び図6に示すような変形例を採用し得る。
なお、以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
なお、以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図5に示す水冷手段30は、伝熱板39を有する。伝熱板39は、散水部33から下方に延び、予熱部36の上部を覆う屋根部32に接続されている。この構成によれば、つづら折り状になった配管部31の上下間においても冷却することができる。また、散水部33の散水方向を、伝熱板39に沿わせるようにすることにより、伝熱板39を介して環状シャフト2の中央をさらに効率よく冷却できる。
また、図6に示す水冷手段30は、配管部31が3列(配管部31A,31B,31C)設けられており、隣り合う配管部31の散水部33及び予熱部36が、高さ方向に千鳥状に配置されている。この構成によれば、隣り合う散水部33及び予熱部36の高さが異なるため、例えば、同一高さの障害物の間隔(例えば、配管部31Aの散水部33と配管部31Cの散水部33との間隔)が広くなる。このため、焼結鉱100が流下できる断面積を狭めずに済む。また、配管部31を千鳥状に配置することで、焼結鉱100の流下経路を蛇行させることができ、焼結鉱100を十分に冷却することができる。さらに、散水穴35aを水平方向に開口させることにより、水16を散水部33の内部に留まらせつつ、予熱により水蒸気となったものを、散水部33から焼結鉱100に散水することができる。このため、高温の焼結鉱100が急冷されることなく、応力集中や内部応力の増加による亀裂の発生を防止し、焼結鉱100の品質低下を抑制することができる。
また、例えば、上記実施形態では、予熱部36が一段若しくは二段の構成を例示したが、本発明はこの構成に限定されず、予熱部36が三段以上であってもよい。
また、上記実施形態では、配管部31が複列の構成を例示したが、本発明はこの構成に限定されず、配管部31が単列であっても、4列以上であってもよい。
また、上記実施形態では、配管部31が複列の構成を例示したが、本発明はこの構成に限定されず、配管部31が単列であっても、4列以上であってもよい。
また、例えば、上記実施形態では、配管部31が散水部33を有する構成を例示したが、本発明はこの構成に限定されず、水及び水蒸気の放出を行わずに、予熱部36により水等を予熱したものを他の設備へ供給する構成であってもよい。
また、例えば、上述した実施形態及び変形例の構成の置換及び組み合わせは適宜可能である。
1 焼結鉱冷却装置
2 環状シャフト(堆積槽)
7 給鉱部
8 排鉱部
9a 内周側壁部
9b 外周側壁部
13 フード
14 水封シール装置
20 ガス冷手段
30 水冷手段
31 配管部
32 屋根部
32a 傾斜面
33 散水部
34 下屋根部
36 予熱部
37 給水部
100 焼結鉱
S 空間
2 環状シャフト(堆積槽)
7 給鉱部
8 排鉱部
9a 内周側壁部
9b 外周側壁部
13 フード
14 水封シール装置
20 ガス冷手段
30 水冷手段
31 配管部
32 屋根部
32a 傾斜面
33 散水部
34 下屋根部
36 予熱部
37 給水部
100 焼結鉱
S 空間
Claims (7)
- 焼結鉱を上部から受け入れ、堆積した前記焼結鉱を下部から排出する環状の堆積槽と、前記堆積槽の内周側壁部及び外周側壁部の少なくともいずれか一方からガスを取り込み、堆積した前記焼結鉱を冷却するガス冷手段と、を有する焼結鉱冷却装置であって、
前記内周側壁部と前記外周側壁部との間に配管される配管部を有し、
前記配管部には、堆積した前記焼結鉱と熱交換する水及び水蒸気の少なくともいずれか一方が流通している、ことを特徴とする焼結鉱冷却装置。 - 前記配管部の上部に設けられ、堆積した前記焼結鉱を流下させる傾斜面を備える屋根部と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱冷却装置。
- 前記配管部は、前記水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を放出する散水部を有し、
前記散水部の下部に設けられ、前記屋根部との間に、前記水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を放出するための空間を形成する下屋根部を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の焼結鉱冷却装置。 - 前記配管部は、
前記水及び水蒸気の少なくともいずれか一方を放出する散水部と、
前記散水部の下側につづら折り状に形成される予熱部と、を有する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の焼結鉱冷却装置。 - 前記配管部は、前記内周側壁部と前記外周側壁部との間に複数列設けられており、
隣り合う前記配管部の前記散水部及び前記予熱部は、高さ方向に千鳥状に配置されている、ことを特徴とする請求項4に記載の焼結鉱冷却装置。 - 前記堆積槽の前記焼結鉱を受ける上部を覆うフードと、
前記堆積槽の上部と前記フードとの間をシールする水封シール装置と、を有し、
前記配管部は、前記水封シール装置と接続されている、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の焼結鉱冷却装置。 - 前記水封シール装置の水を、水頭圧により、前記配管部に流通させる、ことを特徴とする請求項6に記載の焼結鉱冷却装置。
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