JP2016093989A - ロッドレンズアレイ及びロッドレンズアレイを備えた機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロッドレンズアレイを備えた機器において、発熱によるロッドレンズアレイとLED等の部材との位置ずれを低減する。【解決手段】書き込みデバイス10は、ロッドレンズアレイ1と、ロッドレンズアレイ1に対して所定の相対位置関係に配置され、発熱するLED12と、を備え、ロッドレンズアレイ1は、一対の第1の基板と、一対の第1の基板の間に中心軸が互いに略平行になるように配列された複数の円柱状のロッドレンズと、を備え、LED12は、第2の基板14上に配置され、第1の基板及び前記第2の基板14は、第1の基板及び第2の基板14がLED12からの熱により変形した際に、ロッドレンズアレイ1とLED12との位置関係が実質的に変化しないような線膨張係数の材料からなる。【選択図】図1
Description
本発明は、ロッドレンズアレイ及びロッドレンズアレイを備えた機器に関する。
従来から、微小レンズの一つとして円柱状のロッドレンズが知られている。このようなロッドレンズは、単体で用いられる他、多数のロッドレンズを配列して一体化させたロッドレンズアレイの形態で用いられる。
このようなロッドレンズアレイとしては、ロッドレンズを一列に配列した一列アレイや、ロッドレンズを二列に配列した二列アレイが用いられている。一列アレイを製造する方法としては、例えば特許文献1に記載されているように、基板に接着剤を塗布してその上にロッドレンズを配列し、その後接着剤を塗布した別の基板を貼り合せる方法が用いられている。
また、二列アレイを製造する方法としては、基板の上に接着剤を塗布してその上にロッドレンズを配列したもの同士をレンズが俵積みになるように貼り合せる方法が用いられている。
このようなロッドレンズアレイは、読み取りデバイスの光学部品として、複写機、ファクシミリ、スキャナ、ハンドスキャナ等に用いられている。また、書き込みデバイスの光学部品として、光源にLED(発光ダイオード)を用いたLEDプリンタ、光源に液晶素子を用いた液晶プリンタ、及び、光源にEL素子を用いたELプリンタ等に用いられている。
また、特許文献2には、このようなロッドレンズアレイを組み込んだ機器として、光プリンタヘッドが開示されている。この特許文献2には、課題として、ロッドレンズアレイを光プリンタヘッド等に使用した場合に、熱応力によりロッドレンズアレイが変形してしまうことが挙げられ、ロッドレンズアレイを固定するハウジングにスリットを設けることで、ロッドレンズアレイおよびハウジングの間で発生した熱応力を吸収、緩和させることができることが開示されている。
近年、ロッドレンズアレイを用いた読み取りデバイスや書き込みデバイスの全体を小型化するためにロッドレンズを細径化することが試みられている。しかしながら、細径ロッドレンズを使用した場合には、発熱による熱応力が小さく、変形がわずかであっても、位置ずれに対する影響が相対的に大きくなる。このため、特許文献2に記載の方法では、ロッドレンズを細径化する場合には、熱応力の吸収、緩和が不十分であり、印刷物にスジが発生したり、読み取り画像が鮮明でなくなったりしてしまう。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、ロッドレンズアレイを備えた機器において、発熱によるロッドレンズアレイとLED等の部材との位置ずれを低減することを目的としている。
本発明は、ロッドレンズアレイと、前記ロッドレンズアレイに対して所定の相対位置関係に配置された対象部材と、発熱部材と、を備える機器であって、ロッドレンズアレイは、一対の第1の基板と、一対の第1の基板の間に中心軸が互いに略平行になるように配列された複数の円柱状のロッドレンズと、を備え、対象部材は、第2の基板上に配置され、第1の基板および第2の基板は、線膨張係数が異なり、第1の基板及び第2の基板は、第1の基板及び第2の基板が発熱部材からの熱により変形した際に、ロッドレンズアレイと対象部材との位置関係が実質的に変化しないような線膨張係数の材料からなることを特徴とする。
なお、本明細書において「発熱部材」とは、機器に組み込まれ、作動時に熱を放出する素子等をいい、「対象部材」とは、ロッドレンズアレイと精密に位置合わせして所定の位置関係で配置される部材をいう。
また、本発明は、ロッドレンズアレイと、ロッドレンズアレイに対して所定の相対位置関係に配置され、発熱する発熱対象部材と、を備える機器であって、ロッドレンズアレイは、一対の第1の基板と、一対の第1の基板の間に中心軸が互いに略平行になるように配列された複数の円柱状のロッドレンズと、を備え、発熱対象部材は、第2の基板上に配置され、第1の基板および第2の基板は、線膨張係数が異なり、第1の基板及び第2の基板は、第1の基板及び第2の基板が発熱対象部材からの熱により変形した際に、ロッドレンズアレイと発熱対象部材との位置関係が実質的に変化しないような線膨張係数の材料からなることを特徴とする。
なお、本明細書において「発熱対象部材」とは、「発熱部材」と「対象部材」の両者を兼ねる部材、すなわち、機器に組み込まれ、作動時に熱を放出し、かつ、ロッドレンズアレイと精密に位置合わせして所定の位置関係で配置される部材をいう。
なお、本明細書において「発熱部材」とは、機器に組み込まれ、作動時に熱を放出する素子等をいい、「対象部材」とは、ロッドレンズアレイと精密に位置合わせして所定の位置関係で配置される部材をいう。
また、本発明は、ロッドレンズアレイと、ロッドレンズアレイに対して所定の相対位置関係に配置され、発熱する発熱対象部材と、を備える機器であって、ロッドレンズアレイは、一対の第1の基板と、一対の第1の基板の間に中心軸が互いに略平行になるように配列された複数の円柱状のロッドレンズと、を備え、発熱対象部材は、第2の基板上に配置され、第1の基板および第2の基板は、線膨張係数が異なり、第1の基板及び第2の基板は、第1の基板及び第2の基板が発熱対象部材からの熱により変形した際に、ロッドレンズアレイと発熱対象部材との位置関係が実質的に変化しないような線膨張係数の材料からなることを特徴とする。
なお、本明細書において「発熱対象部材」とは、「発熱部材」と「対象部材」の両者を兼ねる部材、すなわち、機器に組み込まれ、作動時に熱を放出し、かつ、ロッドレンズアレイと精密に位置合わせして所定の位置関係で配置される部材をいう。
本発明によれば、機器の駆動時に発熱部材が発熱しても、ロッドレンズアレイと対象部材との位置関係が変化しないため、読み取りデバイスや書き込みデバイスの全体を小型化しても、印刷物にスジが発生したり、読み取り画像が鮮明でなくなったりしてしまうことを防止できる。
本発明において、好ましくは、第1の基板が発熱部材又は発熱対象部材からの熱により膨張した際のロッドレンズアレイの長さ方向の寸法変化が200μm以下である。
本発明において、好ましくは、第1の基板が発熱部材又は発熱対象部材からの熱により収縮した際のロッドレンズアレイの長さ方向の寸法変化が200μm以下である。
本発明において、好ましくは、第1の基板及び第2の基板が発熱部材からの熱により変形した際に、ロッドレンズアレイと、対象部材又は発熱対象部材との位置関係の変化が55μm以下である。
このような構成の本発明によれば、ロッドレンズアレイと対象部材との位置関係が変化することを実質的に防止できる。
本発明において、好ましくは、第1の基板が発熱部材又は発熱対象部材からの熱により収縮した際のロッドレンズアレイの長さ方向の寸法変化が200μm以下である。
本発明において、好ましくは、第1の基板及び第2の基板が発熱部材からの熱により変形した際に、ロッドレンズアレイと、対象部材又は発熱対象部材との位置関係の変化が55μm以下である。
このような構成の本発明によれば、ロッドレンズアレイと対象部材との位置関係が変化することを実質的に防止できる。
本発明において、好ましくは、ロッドレンズと対象部材との位置関係の変化が55μm以下である。
本発明において、好ましくは、第1の基板の線熱膨張係数が、第2の基板の線熱膨張係数よりも大きい。
本発明において、好ましくは、第1の基板の線膨張係数が15ppm/℃以上、かつ、30ppm/℃以下である。
本発明において、好ましくは、第2の基板は線膨張係数が15ppm/℃未満である。
本発明において、好ましくは、第1の基板の線膨張係数は、第2の基板の線膨張係数の1.1倍以上、かつ、2倍以下である。
このような構成の本発明によれば、第2の基板は第1の基板に対して発熱部材に近接しているため、より多くの熱を発熱部材から受けるが、第1の基板及び第2の基板とが同程度に変形することとなる。
本発明において、好ましくは、第1の基板の線熱膨張係数が、第2の基板の線熱膨張係数よりも大きい。
本発明において、好ましくは、第1の基板の線膨張係数が15ppm/℃以上、かつ、30ppm/℃以下である。
本発明において、好ましくは、第2の基板は線膨張係数が15ppm/℃未満である。
本発明において、好ましくは、第1の基板の線膨張係数は、第2の基板の線膨張係数の1.1倍以上、かつ、2倍以下である。
このような構成の本発明によれば、第2の基板は第1の基板に対して発熱部材に近接しているため、より多くの熱を発熱部材から受けるが、第1の基板及び第2の基板とが同程度に変形することとなる。
本発明において、好ましくは、第1の基板とロッドレンズとは接着剤により固定されており、接着剤の硬化後のJIS K6253に準拠した硬度はA50以上、かつ、A95以下であり、接着剤の硬化後のJIS K6251に準拠した引張強度が1MPa〜100MPaである。
このような構成の本発明によれば、第1の基板が変形した場合でもロッドレンズをしっかりと固定することができ、かつ、ロッドレンズの変形、またはロッドレンズの屈折率の変化を抑制することができる。
このような構成の本発明によれば、第1の基板が変形した場合でもロッドレンズをしっかりと固定することができ、かつ、ロッドレンズの変形、またはロッドレンズの屈折率の変化を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、第2の基板はガラスエポキシ基板である。また、本発明において、好ましくは、第1の基板は紙エポキシ基板である。
また、本発明のロッドレンズアレイは、一対の第1の基板と、一対の第1の基板の間に中心軸が互いに略平行になるように配列された複数の円柱状のロッドレンズと、を備え、第1の基板の線膨張係数が15ppm/℃以上、かつ、30ppm/℃以下であることを特徴とする。
本発明によれば、ロッドレンズアレイを備えた機器において、発熱によるロッドレンズアレイとLED等の部材との位置ずれを低減できる。
以下、図面を参照して、本発明のロッドレンズアレイ及びロッドレンズアレイを備えた機器の実施形態について説明する。
まず、本実施形態のロッドレンズアレイを備えた機器について説明する。
(ロッドレンズアレイを備えた機器)
本実施形態のロッドレンズアレイを備えた機器としては、一例として、複写機、ファクシミリ、スキャナ、ハンドスキャナ、LEDプリンタ、液晶プリンタ、ELプリンタ等が挙げられるがこれに限定されるものではない。本実施形態のロッドレンズアレイは、複写機、ファクシミリ、スキャナ、ハンドスキャナでは、読み取りデバイスの光学部品として用いられており、LEDプリンタ、液晶プリンタ、ELプリンタでは、書き込みデバイスの光学部品として用いられている。
まず、本実施形態のロッドレンズアレイを備えた機器について説明する。
(ロッドレンズアレイを備えた機器)
本実施形態のロッドレンズアレイを備えた機器としては、一例として、複写機、ファクシミリ、スキャナ、ハンドスキャナ、LEDプリンタ、液晶プリンタ、ELプリンタ等が挙げられるがこれに限定されるものではない。本実施形態のロッドレンズアレイは、複写機、ファクシミリ、スキャナ、ハンドスキャナでは、読み取りデバイスの光学部品として用いられており、LEDプリンタ、液晶プリンタ、ELプリンタでは、書き込みデバイスの光学部品として用いられている。
図1及び図2は、本実施形態のロッドレンズアレイを備えたLEDプリンタにおける書き込みデバイス(プリントヘッド)の構成を示し、図1は概略斜視図、図2は側面図である。これらの図に示すように、書き込みデバイス10は、ロッドレンズアレイ1と、複数のLED12が取り付けられた基板14と、感光ドラム16とを備える。基板14は、例えば、ガラスエポキシ等の材料からなる。図2に示すように、LED12から照射された光を、ロッドレンズアレイ1を構成するロッドレンズを通過させることにより感光ドラム16上に収束させて、感光ドラム16を帯電させ、感光ドラム16上にトナーを付着させて印刷する。このため、ロッドレンズアレイ1は、LED12から照射された光が通過し、感光ドラム16上に収束するようにLED12に対して所定の位置に配置されている。
ロッドレンズアレイ1は、長さ150〜350mm程度であり、基板14は長さ150〜350mm程度である。また、ロッドレンズアレイ1は、基板14から1〜15mm程度離間している。
書き込みデバイス10において光源として用いられるLED12は発光する際に発熱する。このため、基板14は30〜120℃程度へと温度上昇し、ロッドレンズアレイ1は30〜60℃程度へと温度上昇する。
書き込みデバイス10において光源として用いられるLED12は発光する際に発熱する。このため、基板14は30〜120℃程度へと温度上昇し、ロッドレンズアレイ1は30〜60℃程度へと温度上昇する。
以下に詳述するが、書き込みデバイス10において、ロッドレンズアレイ1を構成する基板(第1の基板)及びLED12(発熱対象部材)が取り付けられた基板14(第2の基板)は、LED12からの熱により変形した際に、ロッドレンズアレイ1と、LED12の位置関係が実質的に変更しないような線膨張係数の材料から構成されている。
また、図3は、本実施形態のロッドレンズアレイを備えた複写機の読み取りデバイスの構成を示す断面図である。同図に示すように、読み取りデバイス20は、読み取り対象物が載置されるガラス板(プラテンガラス)28と、ロッドレンズアレイ1と、ガラスエポキシからなる基板24と、基板24上に設けられたLEDアレイ22と、基板24上に設けられたCCD(イメージセンサ)26と、を備える。基板24はガラス板28と平行に設けられており、ロッドレンズアレイ1は、CCD26の直上に光軸方向が鉛直方向となるように配置されている。
読み取り対象物の読み取りを行う際には、LEDアレイ22がガラス板28上に載置された対象物に向けて光を照射する。LEDアレイ22から照射された光は、ガラス板28上に載置された対象物で反射され、ロッドレンズアレイ1を通りCCD26上に結像する。これにより、読み取り対象物をCCD26にて読み取ることができる。このため、ロッドレンズアレイ1は、LEDアレイ22が照射した光をCCD26上に結像するように、CCD26に対して所定の位置に配置されている。
ロッドレンズアレイ1は、長さ150〜350mm程度であり、基板24は長さ150〜350mm程度である。また、ロッドレンズアレイ1は、基板24から1〜15mm程度離間している。
読み取りデバイス20において光源として用いられるLED22は発光する際に発熱する。このため、基板24は30〜120℃程度へと温度上昇し、ロッドレンズアレイ1は30〜60℃程度へと温度上昇する。
読み取りデバイス20において光源として用いられるLED22は発光する際に発熱する。このため、基板24は30〜120℃程度へと温度上昇し、ロッドレンズアレイ1は30〜60℃程度へと温度上昇する。
以下に詳述するが、読み取りデバイス20において、ロッドレンズアレイ1を構成する基板(第1の基板)及びLED22が取り付けられた基板24(第2の基板)は、LED22(発熱部材)からの熱により変形した際に、ロッドレンズアレイ1と、LED22及びCCD26(対象部材)との位置関係が実質的に変更しないような線膨張係数の材料から構成されている。
なお、図1〜図3を参照した上記の説明では、ロッドレンズアレイ1が図4に示すような一列アレイである場合について説明したが、これに限らず、図5に示すような二列アレイ、または、複数列アレイのロッドレンズアレイを用いることが可能である。
なお、図1〜図3を参照した上記の説明では、ロッドレンズアレイ1が図4に示すような一列アレイである場合について説明したが、これに限らず、図5に示すような二列アレイ、または、複数列アレイのロッドレンズアレイを用いることが可能である。
(ロッドレンズアレイ)
図4は、本実施形態の一列アレイのロッドレンズアレイ1を示す斜視図である。また、図5は本実施形態の二列アレイのロッドレンズアレイ2を示す斜視図である。なお、一列アレイ及び二列アレイのロッドレンズアレイ1、2に関し、同様の構成要素については、同じ符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、一列アレイのロッドレンズアレイ1は、一対の基板(第1の基板)3、5の間に接着剤7で固定された複数のロッドレンズ9を備える。ロッドレンズ9は、中心軸が互いに略平行、かつ、一直線上に並ぶように並列配置されている。
また、図5に示すように、二列アレイのロッドレンズアレイ2は、一対の基板3、5の間に接着剤7で固定された複数のロッドレンズ9を備え、中心軸が互いに略平行、かつ、二列に並ぶように俵積み配置されている。なお、俵積み配置とは、一方の層のロッドレンズ9の中心軸が、ロッドレンズ9が並列された方向に、他方の層の隣接するロッドレンズ9の中心軸の中央に位置するような配置をいう。
図4は、本実施形態の一列アレイのロッドレンズアレイ1を示す斜視図である。また、図5は本実施形態の二列アレイのロッドレンズアレイ2を示す斜視図である。なお、一列アレイ及び二列アレイのロッドレンズアレイ1、2に関し、同様の構成要素については、同じ符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、一列アレイのロッドレンズアレイ1は、一対の基板(第1の基板)3、5の間に接着剤7で固定された複数のロッドレンズ9を備える。ロッドレンズ9は、中心軸が互いに略平行、かつ、一直線上に並ぶように並列配置されている。
また、図5に示すように、二列アレイのロッドレンズアレイ2は、一対の基板3、5の間に接着剤7で固定された複数のロッドレンズ9を備え、中心軸が互いに略平行、かつ、二列に並ぶように俵積み配置されている。なお、俵積み配置とは、一方の層のロッドレンズ9の中心軸が、ロッドレンズ9が並列された方向に、他方の層の隣接するロッドレンズ9の中心軸の中央に位置するような配置をいう。
一列アレイの場合、二列アレイの場合ともに、ロッドレンズ9の端面には、ゴミ付着及び傷つき防止を目的として表面保護層を設けてもよい。表面保護層としては、既存のUV硬化型のハードコート剤による保護層や、レンズ端面に設置されたカバーガラス等が挙げられる。なお、以下の説明は、図4に示すロッドレンズアレイ1について説明するが、図5に示すロッドレンズアレイ2においても同様である。
(ロッドレンズ)
ロッドレンズ9は円柱形状を呈し、等間隔で並列に配置されている。ロッドレンズ9としては、円形断面の中心から外周部に向かって屈折率が連続的に低下する屈折率分布(GI)型のプラスチック製またはガラス製のロッドレンズが用いられている。より詳細には、上記のロッドレンズアレイで使用されるロッドレンズ9は、中心軸から0.2r〜0.9r(但し、rは断面の半径)の範囲における屈折率nの分布が、下記式(1)で規定される2次曲線で近似されるレンズである。
n(L)=n0{1−(g2/2)L2}…(1)
なお、(1)式中、n(L)は、ロッドレンズの中心軸からの径方向距離Lの位置における屈折率、n0はロッドレンズの中心軸における屈折率、Lはロッドレンズの径方向中心からの径方向距離(0≦L≦r)、gはロッドレンズの屈折率分布定数を示す。
ロッドレンズ9は円柱形状を呈し、等間隔で並列に配置されている。ロッドレンズ9としては、円形断面の中心から外周部に向かって屈折率が連続的に低下する屈折率分布(GI)型のプラスチック製またはガラス製のロッドレンズが用いられている。より詳細には、上記のロッドレンズアレイで使用されるロッドレンズ9は、中心軸から0.2r〜0.9r(但し、rは断面の半径)の範囲における屈折率nの分布が、下記式(1)で規定される2次曲線で近似されるレンズである。
n(L)=n0{1−(g2/2)L2}…(1)
なお、(1)式中、n(L)は、ロッドレンズの中心軸からの径方向距離Lの位置における屈折率、n0はロッドレンズの中心軸における屈折率、Lはロッドレンズの径方向中心からの径方向距離(0≦L≦r)、gはロッドレンズの屈折率分布定数を示す。
屈折率分布定数gは、(1)式で近似される屈折率分布曲線におけるLの2次の係数であり、屈折率分布曲線の傾斜を規定する定数である。すなわち、屈折率分布定数gが大きいほど、屈折率分布曲線はより急峻な形状となり、ロッドレンズ内で中心軸から外周面に向かっての屈折率の減少が急激であることを意味する。本発明で使用されるロッドレンズでは、径方向中心における屈折率n0の値は特には限定されないが、下記の式(2)を満足することが好ましい。
1.45≦n0≦1.65…(2)
1.45≦n0≦1.65…(2)
屈折率n0が式(2)を満たすと、ロッドレンズに用いることができる材料の選択肢が広くなるため、良好な屈折率分布を有し、透明性に優れたロッドレンズを得ることができるので好ましい。
また、本実施態様で使用されるロッドレンズ及びロッドレンズアレイは、以下の要件を満足することが好ましい。
0.06≦開口数NA≦0.4
0.3mm-1≦屈折率分布定数g≦1.0mm-1
0.1mm≦レンズ有効半径re≦0.4mm
0.60≦2re/P
なお、上式において、Pはレンズ配列ピッチを示す。
0.06≦開口数NA≦0.4
0.3mm-1≦屈折率分布定数g≦1.0mm-1
0.1mm≦レンズ有効半径re≦0.4mm
0.60≦2re/P
なお、上式において、Pはレンズ配列ピッチを示す。
開口数NA≦0.4とすることによって、開口数NAと反比例関係を有する焦点深度DOFを深くすることができる。さらに、焦点深度DOFを深くするため、開口数NAの上限値は0.15以下であることがより好ましい。
また、光量は開口数NAの2乗と比例関係を有するため、光量を大きくするため、開口数NAの下限値は0.06以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましい。
また、光量は開口数NAの2乗と比例関係を有するため、光量を大きくするため、開口数NAの下限値は0.06以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましい。
屈折率分布定数gを1.0mm-1以下にすることにより、n0×g×reの積で表される開口数NAを小さく設計することができ、これにより焦点深度を深くすることができる。さらに、屈折率分布定数gを0.3mm-1以上とすることによって、作動距離L0が長くなりすぎず、装置全体を小型化することができるとともに、n0×g×reの積で表される開口数NAを大きく設計することができ、これにより光量を大きくすることができる。屈折率分布定数gの下限値は0.35mm-1以上であることがより好ましく、屈折率分布定数gの上限値は0.95mm-1以下であることがより好ましい。
本実施形態で使用されるロッドレンズ9の半径rは、下記の式(3)を満足することが好ましい。
0.1mm≦r≦0.4mm…(3)
0.1mm≦r≦0.4mm…(3)
ロッドレンズ9の半径rを0.4mm以下とすることによって、開口数NAを小さく設計することができ、これにより焦点深度を深くすることができる。半径rを0.1mm以上とすることによって、本実施形態のロッドレンズアレイを製造する際の加工性や取り扱い性が良くなる。半径rの下限値は0.15mm以上であることがより好ましい。
また、レンズ作用をなす有効部分の半径である有効半径reを0.4mm以下とすることによって、式n0×g×reの積で表される開口数NAを小さく設計することができ、これにより焦点深度を深くすることができる。また、有効半径reを0.1mm以上とすることによって、本実施形態のロッドレンズアレイが組み込まれたイメージセンサ等の読み取り又は書き込みデバイスの光学系を構成する際に、ロッドレンズの光軸と、光源又は受光センサとの光軸のずれが生じにくくなり、光軸のずれによる光学特性の低下を抑制することができる。また、有効半径reを0.1mm以上とすることによって、式n0×g×reの積で表される開口数NAを大きく設計することができ、これにより光量が大きくすることができる。有効半径reの好ましい範囲は、0.15mm以上0.35mm以下であり、より好ましくは0.16以上0.30以下である。半径rと有効半径reは同じ値でもよいが、式re≦rの関係を満たすことが好ましく、式0.70r≦re≦rの関係を満たすことがより好ましい。
配列ピッチPとは、ロッドレンズアレイ1中の隣り合うロッドレンズ9の中心間の距離であり、また、2reは、使用されるロッドレンズ9のレンズ作用をなす有効部分の直径である。2re/Pは、好ましくは0.6以上1以下である。
(ロッドレンズアレイに用いられる基板)
本実施形態において、基板3、5としては線膨張係数が15ppm/℃以上、かつ、30ppm/℃以下である基板を用いる。線膨張係数がこのような範囲内の基板を用いることにより、熱が加わった際にも、ロッドレンズアレイ1の長さ方向の伸びを200μm以下に抑制することができ、ロッドレンズの位置ずれを抑制することができる。以下、その詳細を説明する。
本実施形態において、基板3、5としては線膨張係数が15ppm/℃以上、かつ、30ppm/℃以下である基板を用いる。線膨張係数がこのような範囲内の基板を用いることにより、熱が加わった際にも、ロッドレンズアレイ1の長さ方向の伸びを200μm以下に抑制することができ、ロッドレンズの位置ずれを抑制することができる。以下、その詳細を説明する。
ロッドレンズアレイ1は、機器に組み込まれたイメージセンサ、光源として用いられるLEDやCCFL等の装置からの熱を受ける(以下、このような機器に組み込まれ、作動時に熱を放出する素子等を発熱部材(発熱対象部材)という)。なお、図1に示す機器では、LED12が発熱部材(発熱対象部材)に相当し、図3に示す機器では、LED22が発熱部材に相当する。特に、近年は機器の小型化の要求が高いため、これら発熱部材とロッドレンズアレイとが近接配置される場合が多く、これら発熱部材からの熱がロッドレンズアレイの変形や位置ずれにより大きな影響を与えるようになっている。
機器に組み込まれた発熱部材が動作すると、発熱部材が発熱するため、発熱部材に用いられる基板(図1〜3における基板14、24)が熱により変形する。さらに、この熱がロッドレンズアレイ1、2にも伝わり、ロッドレンズアレイ1、2の基板も変形する。この際、ロッドレンズアレイ1、2の基板3、5に伝わる熱は、発熱部材が取り付けられる基板に伝わる熱よりも低い場合が多い。
従来、ロッドレンズアレイの変形等により発生する位置ずれは、他の部材との熱膨張の違いにより発生するものと考えられており、ロッドレンズアレイに用いる基板の線膨張係数を発熱部材が取り付けられる基板と同一にすれば、熱による位置ずれ等の発生を抑制できると考えられていた。しかしながら、実際には、発熱部材が取り付けられる基板とロッドレンズアレイに用いられる基板とでは、発熱部材から伝わる熱が異なるため、線膨張係数が同一の部材で発熱部材の基板とロッドレンズアレイの基板とを構成しても、熱による変形で発生する位置ずれを最少にすることは困難であった。
従来、ロッドレンズアレイの変形等により発生する位置ずれは、他の部材との熱膨張の違いにより発生するものと考えられており、ロッドレンズアレイに用いる基板の線膨張係数を発熱部材が取り付けられる基板と同一にすれば、熱による位置ずれ等の発生を抑制できると考えられていた。しかしながら、実際には、発熱部材が取り付けられる基板とロッドレンズアレイに用いられる基板とでは、発熱部材から伝わる熱が異なるため、線膨張係数が同一の部材で発熱部材の基板とロッドレンズアレイの基板とを構成しても、熱による変形で発生する位置ずれを最少にすることは困難であった。
一般的に図1〜3を参照して説明した複写機やLEDプリンタ等の発熱部材が取り付けられた基板には、ガラスエポキシ基板などの耐熱性を有し、線膨張係数が低い基板が用いられる。このような発熱部材が取り付けられるガラスエポキシ基板の線膨張係数は約14ppm/℃であるが、本実施形態のロッドレンズアレイ1、2の基板3、5には、線膨張係数が15ppm/℃以上、かつ、30ppm/℃以下である基板が用いられている。このように、本実施形態では、ロッドレンズアレイ1、2の基板3、5に、発熱部材が取り付けられるガラスエポキシ基板と線膨張係数が異なる基板を用いている。このため、ロッドレンズアレイ1,2の基板3、5に伝わる熱が、発熱部材が取り付けられる基板に伝わる熱よりも低くても、発熱部材が取り付けられる基板と、ロッドレンズアレイに用いられる基板とを同程度変形させることにより、ロッドレンズアレイ1、2とLEDや読み取りセンサ等との位置ずれの発生を抑制することができる。なお、上記の線膨張係数は、A4サイズ(幅約220mm)のLEDプリンタの場合に特に有効であるが、A3サイズ(幅約300mm)のものであっても上記の範囲とすることで同様の効果が得られる。また、上記の線膨張係数の範囲は、長手方向長さが150mm以上のものに対して、特に有効であるが、その他の長さの物に対しても適用可能である。
特に、書き込みデバイスや、精密な読み取り精度が求められる読み取り装置にロッドレンズアレイを使用する場合、発熱部材が取り付けられた基板上に配列されたLEDや読み取りセンサ等と、ロッドレンズアレイを構成するそれぞれのロッドレンズアレイとが正確に位置合わせされていることが必要となる場合が多い(以下、このようなロッドレンズアレイと精密に位置合わせして所定の位置関係で配置される部材を「対象部材(発熱対象部材)」という)。LEDが発光したり、読み取りセンサが長時間露光したりすると、対象部材が熱を発生し、対象部材が配置された基板及びロッドレンズアレイの基板が熱により変形する。
本実施形態では、対象部材から離れて配置されるロッドレンズアレイの第1の基板の線膨張係数を、対象部材が配置される第2の基板の線膨張係数よりも大きくすることにより、対象部材が配置された第2の基板と、ロッドレンズアレイの第1の基板とが同程度に変形させることができる。このように機器を構成することで、対象部材とロッドレンズアレイを構成するロッドレンズとの位置ずれを最小限にすることができる。なお、本発明において、対象部材とロッドレンズとの位置関係が実質的に変化しない、とは、位置関係の変化が190μm以下であることをいう。対象部材とロッドレンズアレイを構成するロッドレンズとの位置ずれは55μm以下であることが好ましく、45μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることが更に好ましい。
このように、本実施形態では、従来技術のように、熱によるロッドレンズアレイの変形を最小限にするのではなく、ロッドレンズアレイの第1の基板を対象部材が配置された第2の基板と同程度変形させることにより、相対的な位置ずれを最小限にし、課題を解決したものである。このため、ロッドレンズアレイの第1の基板の線膨張係数は、対象部材が配置される第2の基板の線膨張係数の1.1倍以上、かつ、2.0倍以下であることが好ましく、1.2倍以上1.8倍以下であることがより好ましく、1.3倍以上1.7倍以下が更に好ましい。
さらに、本実施形態では、ロッドレンズアレイの基板として、線膨張係数が15ppm/℃以上、かつ、30ppm/℃以下であり、熱応力が印加された場合のロッドレンズアレイの長手方向(すなわち、ロッドレンズアレイの基板の長手方向であり、ロッドレンズが並列されている方向。長さ方向ともいう。)における寸法の変化が200μm以下となる基板が用いられる。ロッドレンズアレイの基板に熱が加えられた場合には、該基板が熱膨張するだけでなく、収縮してしまう場合がある。この場合においても、上記同様の位置ずれの問題が発生してしまうため、ロッドレンズアレイの寸法変化は200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましく、80μm以下であることが最も好ましい。
また、発熱部材の熱によりロッドレンズアレイの寸法が全く変化しないとすると、LED光源などの発熱部材が配置された第2の基板が熱により膨張するため、結果的にLED光源などの発熱部材とロッドレンズアレイとの間に相対的な位置ずれが発生する恐れがある。そのため、発熱部材から熱を受けた場合に、ロッドレンズアレイの寸法は10μm以上変化することが好ましく、20μm以上変化することがより好ましく、30μm以上変化することがさらに好ましい。
本実施形態においては、ロッドレンズアレイに用いられる第1の基板として紙エポキシ基板を用いることが好適である。紙エポキシ基板は従来使用されてきたABS基板や紙フェノール基板との比較において寸法安定性に優れている。たとえばABS基板では線膨張係数が80ppm/℃程度であり、熱による変形の度合いが大きい。また紙フェノール基板では線膨張係数は小さいものの、加熱時の収縮が大きく、また吸水率が高いことから吸水時の膨張が大きいなど寸法安定性に優れているとは言い難い。線膨張係数が15ppm/℃以上、かつ、30ppm/℃以下である紙エポキシ基板を第1の基板として用いることで、発熱部材からの熱を受けた際の寸法変化が200μm以下となるロッドレンズアレイを提供することができる。なお、第2の基板は線膨張係数が15ppm/℃未満の材料からなることが好ましい。本実施形態で用いる紙エポキシ基板は難燃剤の添加により難燃性を向上させてもよい。例えば、三酸化アンチモンを適量含有させることにより、UL94燃焼性試験に基づく難燃クラスをV−2、V−1、V−0としてもよい。
基板3,5は、図4、5に示すように、平板状のものを用いてもよいし、その表面に、ロッドレンズを一定の間隔で配置するための目安となるU字状又はV字状等の溝を設けたものであってもよい。
(接着剤)
接着剤7としては、ロッドレンズ9と基板3、5及びロッドレンズ9、9同士を固定できる程度の粘着力を有するものであれば特に制限されるものではない。また、基板3,5が熱により変形しても、ロッドレンズ9と基板3、5及びロッドレンズ9、9同士を固定しつつ、基板3,5に追従して変形するものである必要がある。接着剤7としては、シアノアクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、EVA系接着剤、ゴム系接着剤等を使用することができる。また、接着剤7としては、薄膜状に塗布可能な接着剤や、スプレー式粘着剤、ホットメルト型粘着剤等を用いることができる。これらの中でも、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、EVA系接着剤等が好ましい。基板3,5やロッドレンズ9への接着剤7の塗布方法としては、接着剤の種類に応じて、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法等の公知のコーティング法を用いることができる。
接着剤7としては、ロッドレンズ9と基板3、5及びロッドレンズ9、9同士を固定できる程度の粘着力を有するものであれば特に制限されるものではない。また、基板3,5が熱により変形しても、ロッドレンズ9と基板3、5及びロッドレンズ9、9同士を固定しつつ、基板3,5に追従して変形するものである必要がある。接着剤7としては、シアノアクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、EVA系接着剤、ゴム系接着剤等を使用することができる。また、接着剤7としては、薄膜状に塗布可能な接着剤や、スプレー式粘着剤、ホットメルト型粘着剤等を用いることができる。これらの中でも、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、EVA系接着剤等が好ましい。基板3,5やロッドレンズ9への接着剤7の塗布方法としては、接着剤の種類に応じて、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法等の公知のコーティング法を用いることができる。
接着剤7としては、硬化後、JIS K6253に準拠した硬度がA50以上、かつ、A95以下であるとともに、JIS K6251に準拠した引張強度が1MPa〜100MPaを満たすものであることが好ましい。接着剤7の硬度をA50以上、及び且つ引張強度を1MPa以上とすることによって、基板3,5が変形した場合でもロッドレンズ9をしっかりと固定することができる。また、ロッドレンズ9間の接着剤7の硬度をA95以下、及び且つ引張強度100MPa以下とすることによって、基板3,5が変形した場合であっても、ロッドレンズ9に作用する力を抑制小さくすることができ、ロッドレンズ9の変形、またはロッドレンズ9の屈折率の変化を抑制することができる。
(複写機用ロッドレンズ)
複写機の読み取りデバイスに使用されるロッドレンズ及びロッドレンズアレイにおいては、上述した条件に加え、以下の要件を満足することが好ましい。
0.06≦開口数NA≦0.175
0.3mm-1≦屈折率分布定数g≦0.6mm-1
複写機の読み取りデバイスに使用されるロッドレンズ及びロッドレンズアレイにおいては、上述した条件に加え、以下の要件を満足することが好ましい。
0.06≦開口数NA≦0.175
0.3mm-1≦屈折率分布定数g≦0.6mm-1
複写機の読み取りデバイスでは、特に焦点深度を深くすることが求められており、開口数NA≦0.175とすることによって、開口数NAと反比例関係を有する焦点深度DOFを十分深くすることができる。焦点深度を深くする観点から、NAの上限値は0.15以下であることが好ましい。また、光量を大きくする観点から、NAの下限値は0.06以上であることが好ましく、0.1以上であることが更に好ましい。
また、近年の複写機の小型化要求によって、ロッドレンズアレイが組み込まれるイメージスキャナのプラテンガラスの厚さは、3mm以下程度となる。
屈折率1.52、厚さが3mmのプラテンガラスによって生じる焦点の浮き(約−1mm)、及びプラテンガラスとレンズ端面とのクリアランス(1mm以上が好ましい)を考慮すると、ロッドレンズの作動距離L0は少なくとも3mm以上となる必要があり、屈折率分布定数gを0.6mm-1以下にすることによって、ロッドレンズの作動距離を3mm以上とすることができる。
また、屈折率分布定数gを0.6mm-1以下にすることによって、後述するようにn0×g×reの積で表される開口数NAを、小さく設計することができ、焦点深度を深くすることができる。
さらに、屈折率分布定数gを0.3mm-1以上とすることによって、作動距離L0が長くなりすぎず、装置全体を小型化することができるとともに、式n0×g×reの積で表される開口数NAを大きく設計することができ、光量を大きくすることができる。
屈折率分布定数gの下限値は0.35mm-1以上であることがより好ましく、屈折率分布定数gの上限値は0.5mm-1以下であることがより好ましい。
また、上記の要件に加え、焦点深度DOFを0.9mm以上とすることができる。このように焦点深度をとることにより、本ロッドレンズアレイとイメージセンサを組み合わせ、原稿の読み取りを行った際に、原稿が読取台から浮き上がっている場合でも像を鮮明に読み取ることができる。焦点深度DOFは、1.0mm以上とすることがより好ましく、1.1mm以上とすることがさらに好ましい。ここで、焦点深度DOFとは、値6Lp/mmのチャート、ロッドレンズ、及び受光センサを、チャートとロッドレンズアレイの入射端との距離と、ロッドレンズアレイの出射端とCCDラインセンサとの距離を等しくした状態で、チャートとCCDラインセンサとの距離を上記のように決定した値BestTCとなるよう配置させた後、チャートのみを前後に移動させたときに、主走査方向のMTFが40%以上となるチャートの移動範囲の幅(mm)である。焦点深度の値が大きいほど、原稿が焦点位置からずれた場合でも高い解像度を維持しやすくなる。
本実施形態のロッドレンズアレイ1は、上記のような範囲の値をとることにより、焦点深度の深いため、読み取り原稿に浮きが生じた場合であっても像を鮮明に斑なく読み取ることができ、かつ複写機の光源近傍やCCD等のセンサ近傍に配置された場合であっても、熱による変形を相対的に最小限にできることから、複写機用途に適している。
(LEDプリンタ用ロッドレンズ)
また、LEDプリンタ用途に使用されるロッドレンズ及びロッドレンズアレイにおいては、以下の要件を満足することが好ましい。
0.15≦開口数NA≦0.4
0.7mm-1≦屈折率分布定数g≦1.0mm-1
また、LEDプリンタ用途に使用されるロッドレンズ及びロッドレンズアレイにおいては、以下の要件を満足することが好ましい。
0.15≦開口数NA≦0.4
0.7mm-1≦屈折率分布定数g≦1.0mm-1
LEDプリンタ用途では、印刷の高速化要求に伴い、特に光量を大きくすることが求められており、光量は開口数NAの2乗と比例関係を有するため、光量を大きくする観点から、NAの下限値は0.15以上であることが好ましく、0.175以上であることが更に好ましい。開口数NAを0.4以下とすることによって、開口数NAと反比例関係を有する焦点深度DOFを深くすることができる。焦点深度を深くする観点から、開口数NAの上限値は0.35以下であることが好ましく、0.30以下であることがさらに好ましい。
また、近年のLEDプリンタの小型化要求によって、ロッドレンズの作動距離L0を3.5mm以下とする必要がある。この要求に対して屈折率分布定数gを0.6mm-1以上にすることによって、ロッドレンズの作動距離を3.5mm以下とすることができる。また、屈折率分布定数gを0.6mm-1以上にすることによって、式n0×g×reの積で表される開口数NAを大きく設計することができ、光量を大きくすることができる。
また、屈折率分布定数gを1.0mm-1以下とすることによって、作動距離L0が短くなりすぎて周辺部材との干渉が生じることを防止することができるため、装置設計の自由度が大きくなる。また、屈折率分布定数gを1.0mm-1以下にすることによって、n0×g×reの積で表される開口数NAを、小さく設計することができ、焦点深度を深くすることができる。屈折率分布定数gの下限値は0.7mm-1以上であることがより好ましく、屈折率分布定数gの上限値は0.95mm-1以下であることがより好ましい。
ロッドレンズ9を構成するプラスチック材料としては、ガラス転移温度Tgが60℃以上のものが好ましい。ガラス転移温度が低すぎると、ロッドレンズアレイの耐熱性が不十分となるおそれがあり、又、内部に充填する接着剤の選択が難しくなる。具体的には、ロッドレンズ9を構成するプラスチック材料としては、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと他の単量体との共重合体等が使用される。他の単量体としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート(屈折率n=1.37〜1.44)、屈折率1.43〜1.62の(メタ)アクリレート類例えばエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−ジ又はトリ−(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール−ジ、トリ又はテトラ−(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、その他、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、フッ素化アルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、本実施形態のロッドレンズアレイは主走査方向TC(なお、TCとは共役長のことをいう。)と副走査方向TCの差ΔTC1が0.1mm以下であり、温度60℃、湿度90%の高温高湿環境下で500h処理した際の差ΔTC2が0.1mm以下であり、ロッドレンズ9全長にわたっての平均解像度MTFaveが80%@12Lp/mm以上、ロッドレンズ9全長にわたっての解像度斑MTFcvが3%@12Lp/mm以下とすることができる。主走査方向TCと副走査方向TCの差ΔTC1を0.1mm以下とすることにより、ロッドレンズアレイ1の光学性能の異方性を低減することができ、ロッドレンズアレイ1を使用して像を結像させたときの解像度を高く維持することが可能である。主走査方向TCと副走査方向TCの差ΔTC1のより好ましい範囲は、ΔTC0.08mm以下であり、0.06mm以下であることが更に好ましい。また温度60℃、湿度90%の高温高湿環境下で500h処理した際の差ΔTC2を0.1mm以下とすることにより、ロッドレンズアレイ1を長時間高温高湿環境下で使用した場合であっても光学性能の異方性を低減することができ、ロッドレンズアレイ1を使用して像を結像させたときの解像度を高く維持することが可能である。温度60℃、湿度90%の高温高湿環境下で500h処理した際の差ΔTC2のより好ましい範囲は、0.08mm以下であり、0.06mm以下であることが更に好ましい。
またアレイ全長にわたって測定した平均解像度MTFaveを80%@12Lp/mm以上とすることにより、ロッドレンズアレイ1を使用して像を結像させたときの解像度を高く維持することができる。平均解像度MTFaveのより好ましい範囲は、83%@12Lp/mm以上であり、85%@12Lp/mm以上とすることが更に好ましい。またアレイ全長にわたって測定した解像度斑MTFcvを3%@12Lp/mm以下とすることにより、ロッドレンズアレイ1を使用して像を結像させたとき、解像度の斑を小さく抑えることができる。これにより、本実施形態にかかるロッドレンズアレイ1とLEDアレイを組み合わせて画像の書き込みを行った際に、均質で斑のない画像を提供することができる。平均解像度MTFaveのより好ましい範囲は、83%@12Lp/mm以上であり、85%@12Lp/mm以上とすることが更に好ましい。
ここで解像度斑MTFcv(%)とは、上記の方法でロッドレンズアレイ全幅について走査して主走査方向の上記MTFを50点測定したときの、解像度MTFの標準偏差を平均解像度MTFaveで除した値に100を乗じた値であり、解像度斑の指標である。MTFcvの値が小さい程、解像度斑が小さく均一な画像が得られる。
本実施形態のロッドレンズアレイ1は、上記のような範囲の値をとることにより、光学性能斑が少ないため、均質で斑のない画像を提供することができ、かつLED等の光源近傍に配置された場合であっても、熱によるロッドレンズアレイの変形を相対的に最小限にできることから、LEDプリンタ用途に適したロッドレンズアレイを提供することができる。
なお、以下の説明では、プラスチック製のロッドレンズを用いた場合について説明を行うが、本発明は、ガラス製のロッドレンズを用いてもよい。
以下、本発明の実施例及び比較例について詳述する。
(実施例1)
以下の部材を使用し、レンズ長4.36mm、厚み2.2mm、長さ220mmの、図4を参照して説明したような一列アレイのロッドレンズアレイ1を作製した。ロッドレンズ9としては、直径0.6mmのロッドレンズRA-88(三菱レイヨン株式会社製)を用いた。また、第1の基板3、5としては、厚み0.8mmの紙基材エポキシ樹脂積層板ES-1192(利昌工業株式会社製)を用い、第1の基板3、5の線膨張係数は18ppm/℃であった。また、接着剤7としては、ホットメルト型接着剤エスダイン9607(積水フーラー株式会社製)を用いた。
このロッドレンズアレイ1と、ガラスエポキシ基板(線膨張係数:13ppm/℃)上にLEDが配列された光源(発熱対象部材)を用いて図1、2を参照して説明したようなLEDプリントヘッドを作製し、LEDを点灯したところ、アレイ周辺の温度が上昇したが、それに伴うロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは59μmであり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは69μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は10μmであった。また、テストチャートの印刷品位は良好であった。
さらに、印刷を繰り返すことでLEDを連続点灯させると、アレイ周辺の温度がさらに上昇し、それに伴いロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは139μmとなり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは160μmとなったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は21μmとなったが、テストチャートの印刷品位は良好であった。
(実施例1)
以下の部材を使用し、レンズ長4.36mm、厚み2.2mm、長さ220mmの、図4を参照して説明したような一列アレイのロッドレンズアレイ1を作製した。ロッドレンズ9としては、直径0.6mmのロッドレンズRA-88(三菱レイヨン株式会社製)を用いた。また、第1の基板3、5としては、厚み0.8mmの紙基材エポキシ樹脂積層板ES-1192(利昌工業株式会社製)を用い、第1の基板3、5の線膨張係数は18ppm/℃であった。また、接着剤7としては、ホットメルト型接着剤エスダイン9607(積水フーラー株式会社製)を用いた。
このロッドレンズアレイ1と、ガラスエポキシ基板(線膨張係数:13ppm/℃)上にLEDが配列された光源(発熱対象部材)を用いて図1、2を参照して説明したようなLEDプリントヘッドを作製し、LEDを点灯したところ、アレイ周辺の温度が上昇したが、それに伴うロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは59μmであり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは69μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は10μmであった。また、テストチャートの印刷品位は良好であった。
さらに、印刷を繰り返すことでLEDを連続点灯させると、アレイ周辺の温度がさらに上昇し、それに伴いロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは139μmとなり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは160μmとなったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は21μmとなったが、テストチャートの印刷品位は良好であった。
(実施例2)
以下の部材を使用し、レンズ長4.36mm、厚み3.1mm、長さ220mmの、図5を参照して説明したような二列アレイのロッドレンズアレイ2を作製した。ロッドレンズ9としては、直径0.6mmのロッドレンズRA-88(三菱レイヨン株式会社製)を用いた。第1の基板3、5としては、厚み1.0mmの紙基材エポキシ樹脂積層板ES-1192(利昌工業株式会社製)を用い、第1の基板3、5の線膨張係数は18ppm/℃であった。接着剤7としては、ホットメルト型接着剤エスダイン9607(積水フーラー株式会社製)を用いた。このロッドレンズアレイ2と、ガラスエポキシ基板(線膨張係数:13ppm/℃)上にLEDが配列された光源とを用いて図1、2を参照して説明したようなLEDプリントヘッドを作製し、気温32℃、湿度80%の環境下においたところロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは69μmであり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは45μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は24μmであった。テストチャートの印刷品位は良好であった。
以下の部材を使用し、レンズ長4.36mm、厚み3.1mm、長さ220mmの、図5を参照して説明したような二列アレイのロッドレンズアレイ2を作製した。ロッドレンズ9としては、直径0.6mmのロッドレンズRA-88(三菱レイヨン株式会社製)を用いた。第1の基板3、5としては、厚み1.0mmの紙基材エポキシ樹脂積層板ES-1192(利昌工業株式会社製)を用い、第1の基板3、5の線膨張係数は18ppm/℃であった。接着剤7としては、ホットメルト型接着剤エスダイン9607(積水フーラー株式会社製)を用いた。このロッドレンズアレイ2と、ガラスエポキシ基板(線膨張係数:13ppm/℃)上にLEDが配列された光源とを用いて図1、2を参照して説明したようなLEDプリントヘッドを作製し、気温32℃、湿度80%の環境下においたところロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは69μmであり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは45μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は24μmであった。テストチャートの印刷品位は良好であった。
(比較例1)
以下の部材を使用し、レンズ長4.36mm、厚み1.4mm、長さ220mmの、図4を参照して説明したような一列アレイのロッドレンズアレイを作製した。ロッドレンズ9としては、直径0.6mmのロッドレンズRA-88(三菱レイヨン株式会社製)を用いた。第1の基板3、5としては、線膨張係数が16ppm/℃であり、厚み0.4mmの紙基材フェノール樹脂積層板PS-1543(利昌工業株式会社製)を用いた。接着剤7としては、ホットメルト型接着剤エスダイン9607(積水フーラー株式会社製)を用いた。
このロッドレンズアレイと、ガラスエポキシ基板(線膨張係数:13ppm/℃)上にLEDが配列された光源を用いてLEDプリントヘッドを作製し、LEDを点灯したところ、アレイ周辺の温度が上昇し、それに伴いロッドレンズアレイの長さ方向において230μm収縮を生じ、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは69μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は299μmであった。テストチャートを印刷するとスジの発生が見られた。また、気温32℃湿度80%の環境下においたところロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは290μmであり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは45μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は245μmであった。すなわち、ロッドレンズアレイと光源との位置関係が実質的に変化してしまった。テストチャートを印刷するとスジの発生が見られた。
以下の部材を使用し、レンズ長4.36mm、厚み1.4mm、長さ220mmの、図4を参照して説明したような一列アレイのロッドレンズアレイを作製した。ロッドレンズ9としては、直径0.6mmのロッドレンズRA-88(三菱レイヨン株式会社製)を用いた。第1の基板3、5としては、線膨張係数が16ppm/℃であり、厚み0.4mmの紙基材フェノール樹脂積層板PS-1543(利昌工業株式会社製)を用いた。接着剤7としては、ホットメルト型接着剤エスダイン9607(積水フーラー株式会社製)を用いた。
このロッドレンズアレイと、ガラスエポキシ基板(線膨張係数:13ppm/℃)上にLEDが配列された光源を用いてLEDプリントヘッドを作製し、LEDを点灯したところ、アレイ周辺の温度が上昇し、それに伴いロッドレンズアレイの長さ方向において230μm収縮を生じ、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは69μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は299μmであった。テストチャートを印刷するとスジの発生が見られた。また、気温32℃湿度80%の環境下においたところロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは290μmであり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは45μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は245μmであった。すなわち、ロッドレンズアレイと光源との位置関係が実質的に変化してしまった。テストチャートを印刷するとスジの発生が見られた。
(比較例2)
以下の部材を使用し、レンズ長4.36mm、厚み3.1mm、長さ220mmの、図5を参照して説明したような二列アレイのロッドレンズアレイを作製した。ロッドレンズ9としては、直径0.6mmのロッドレンズRA-88(三菱レイヨン株式会社製)を用いた。第1の基板3,5としては、厚み1.0mmのABS樹脂板ヒシプレートABS802(三菱樹脂株式会社製)を用い、基板の線膨張係数は80ppm/℃であった。また、接着剤7としては、ホットメルト型接着剤エスダイン9607(積水フーラー株式会社製)を用いた。
このロッドレンズアレイと、ガラスエポキシ基板(線膨張係数:13ppm/℃)上にLEDが配列された光源を用いてLEDプリントヘッドを作製し、LEDを点灯したところ、アレイ周辺の温度が上昇し、それに伴いロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは264μmであり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは69μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は195μmであった。すなわち、ロッドレンズアレイと光源との位置関係が実質的に変化してしまった。テストチャートを印刷するとスジの発生が見られた。
以下の部材を使用し、レンズ長4.36mm、厚み3.1mm、長さ220mmの、図5を参照して説明したような二列アレイのロッドレンズアレイを作製した。ロッドレンズ9としては、直径0.6mmのロッドレンズRA-88(三菱レイヨン株式会社製)を用いた。第1の基板3,5としては、厚み1.0mmのABS樹脂板ヒシプレートABS802(三菱樹脂株式会社製)を用い、基板の線膨張係数は80ppm/℃であった。また、接着剤7としては、ホットメルト型接着剤エスダイン9607(積水フーラー株式会社製)を用いた。
このロッドレンズアレイと、ガラスエポキシ基板(線膨張係数:13ppm/℃)上にLEDが配列された光源を用いてLEDプリントヘッドを作製し、LEDを点灯したところ、アレイ周辺の温度が上昇し、それに伴いロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは264μmであり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは69μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は195μmであった。すなわち、ロッドレンズアレイと光源との位置関係が実質的に変化してしまった。テストチャートを印刷するとスジの発生が見られた。
(比較例3)
以下の部材を使用し、レンズ長4.36mm、厚み3.1mm、長さ220mmの、図5を参照して説明したような二列アレイのロッドレンズアレイを作製した。ロッドレンズ9としては、直径0.6mmのロッドレンズRA-88(三菱レイヨン株式会社製)を用いた。第1の基板3,5としては、LEDが配列される基板と同質のもので厚み1.0mmのガラスエポキシ基板を用い、基板の線膨張係数は13ppm/℃であった。また、接着剤7としては、ホットメルト型接着剤エスダイン9607(積水フーラー株式会社製)を用いた。
このロッドレンズアレイと、ガラスエポキシ基板(線膨張係数:13ppm/℃)上にLEDが配列された光源を用いてLEDプリントヘッドを作製し、LEDを点灯したところ、アレイ周辺の温度が上昇し、それに伴いロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは43μmであり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは69μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は25μmであり、テストチャートの印刷品位は良好であった。
さらに印刷を繰り返すことでLEDを連続点灯させると、アレイ周辺の温度がさらに上昇し、それに伴いロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは100μmとなり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは160μmとなったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は60μmとなり、テストチャートを印刷するとスジの発生が見られた。
以下の部材を使用し、レンズ長4.36mm、厚み3.1mm、長さ220mmの、図5を参照して説明したような二列アレイのロッドレンズアレイを作製した。ロッドレンズ9としては、直径0.6mmのロッドレンズRA-88(三菱レイヨン株式会社製)を用いた。第1の基板3,5としては、LEDが配列される基板と同質のもので厚み1.0mmのガラスエポキシ基板を用い、基板の線膨張係数は13ppm/℃であった。また、接着剤7としては、ホットメルト型接着剤エスダイン9607(積水フーラー株式会社製)を用いた。
このロッドレンズアレイと、ガラスエポキシ基板(線膨張係数:13ppm/℃)上にLEDが配列された光源を用いてLEDプリントヘッドを作製し、LEDを点灯したところ、アレイ周辺の温度が上昇し、それに伴いロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは43μmであり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは69μmであったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は25μmであり、テストチャートの印刷品位は良好であった。
さらに印刷を繰り返すことでLEDを連続点灯させると、アレイ周辺の温度がさらに上昇し、それに伴いロッドレンズアレイの長さ方向における伸びは100μmとなり、LEDが配列されたガラスエポキシ基板の長さ方向における伸びは160μmとなったため、ロッドレンズアレイとLEDが配列されたガラスエポキシ基板との位置関係の変化の差は60μmとなり、テストチャートを印刷するとスジの発生が見られた。
1 一列アレイのロッドレンズアレイ
2 二列アレイのロッドレンズアレイ
3,5 基板
7 接着剤
9 ロッドレンズ
10 書き込みデバイス
12 LED
14 基板
16 感光ドラム
20 読み取りデバイス
22 LEDアレイ
24 基板
26 CCD
28 ガラス板
2 二列アレイのロッドレンズアレイ
3,5 基板
7 接着剤
9 ロッドレンズ
10 書き込みデバイス
12 LED
14 基板
16 感光ドラム
20 読み取りデバイス
22 LEDアレイ
24 基板
26 CCD
28 ガラス板
Claims (17)
- ロッドレンズアレイと、前記ロッドレンズアレイに対して所定の相対位置関係に配置された対象部材と、発熱部材と、を備える機器であって、
前記ロッドレンズアレイは、一対の第1の基板と、前記一対の第1の基板の間に中心軸が互いに略平行になるように配列された複数の円柱状のロッドレンズと、を備え、
前記対象部材は、第2の基板上に配置され、
前記第1の基板および前記第2の基板は、線膨張係数が異なり、
前記第1の基板及び前記第2の基板は、前記第1の基板及び第2の基板が前記発熱部材からの熱により変形した際に、前記ロッドレンズアレイと対象部材との位置関係が実質的に変化しないような線膨張係数の材料からなることを特徴とする機器。 - ロッドレンズアレイと、前記ロッドレンズアレイに対して所定の相対位置関係に配置され、発熱する発熱対象部材と、を備える機器であって、
前記ロッドレンズアレイは、一対の第1の基板と、前記一対の第1の基板の間に中心軸が互いに略平行になるように配列された複数の円柱状のロッドレンズと、を備え、
前記発熱対象部材は、第2の基板上に配置され、
前記第1の基板および前記第2の基板は、線膨張係数が異なり、
前記第1の基板及び前記第2の基板は、前記第1の基板及び第2の基板が前記発熱対象部材からの熱により変形した際に、前記ロッドレンズアレイと発熱対象部材との位置関係が実質的に変化しないような線膨張係数の材料からなることを特徴とする機器。 - 前記第1の基板が、前記発熱部材からの熱により膨張した際の前記ロッドレンズアレイの長さ方向の寸法変化が200μm以下である、請求項1に記載の機器。
- 前記第1の基板が、前記発熱部材からの熱により収縮した際の前記ロッドレンズアレイの長さ方向の寸法変化が200μm以下である、請求項1又は3に記載の機器。
- 前記第1の基板及び前記第2の基板が前記発熱部材からの熱により変形した際に、前記ロッドレンズアレイと、前記対象部材との位置関係の変化が55μm以下である、請求項1、3、4のうちの何れか1項に記載の機器。
- 前記第1の基板が、前記発熱対象部材からの熱により膨張した際の前記ロッドレンズアレイの長さ方向の寸法変化が200μm以下である、請求項2に記載の機器。
- 前記第1の基板が、前記発熱対象部材からの熱により収縮した際の前記ロッドレンズアレイの長さ方向の寸法変化が200μm以下である、請求項2又は6に記載の機器。
- 前記第1の基板及び前記第2の基板が前記発熱対象部材からの熱により変形した際に、前記ロッドレンズアレイと、前記発熱対象部材との位置関係の変化が55μm以下である、請求項2、6、7のうちの何れか1項に記載の機器。
- 前記第1の基板の線熱膨張係数が、前記第2の基板の線熱膨張係数よりも大きい、請求項1から3のうちの何れか1項に記載の機器。
- 前記第1の基板の線膨張係数は、前記第2の基板の線膨張係数の1.1倍以上、かつ、2.0倍以下である、請求項9に記載の機器。
- 前記第1の基板の線膨張係数が15ppm/℃以上、かつ、30ppm/℃以下である、請求項1から10の何れか1項に記載の機器。
- 前記第2の基板は線膨張係数が15ppm/℃未満である、請求項1から11のうち何れか1項に記載の機器。
- 前記第1の基板と前記ロッドレンズとは接着剤により固定されており、
前記接着剤の硬化後のJIS K6253に準拠した硬度はA50以上、かつ、A95以下であり、前記接着剤の硬化後のJIS K6251に準拠した引張強度が1MPa〜100MPaである、請求項1から12のうち何れか1項に記載の機器。 - 前記第2の基板はガラスエポキシ基板である、請求項1から13のうち何れか1項に記載の機器。
- 前記第1の基板は紙エポキシ基板である、請求項1から14のうち何れか1項に記載の機器。
- ロッドレンズアレイであって、
一対の第1の基板と、
前記一対の第1の基板の間に中心軸が互いに略平行になるように配列された複数の円柱状のロッドレンズと、を備え、
前記第1の基板の線膨張係数が15ppm/℃以上、かつ、30ppm/℃以下であることを特徴とするロッドレンズアレイ。 - 前記第1の基板は紙エポキシ基板である、請求項16に記載のロッドレンズアレイ。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014227015 | 2014-11-07 | ||
JP2014227015 | 2014-11-07 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016093989A true JP2016093989A (ja) | 2016-05-26 |
Family
ID=56071015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015032909A Pending JP2016093989A (ja) | 2014-11-07 | 2015-02-23 | ロッドレンズアレイ及びロッドレンズアレイを備えた機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016093989A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102017004430A1 (de) | 2016-05-09 | 2017-11-09 | Shimano Inc. | Piezoelektrisches Element und Verfahren zum Herstellen eines piezoelektrischen Elements |
-
2015
- 2015-02-23 JP JP2015032909A patent/JP2016093989A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102017004430A1 (de) | 2016-05-09 | 2017-11-09 | Shimano Inc. | Piezoelektrisches Element und Verfahren zum Herstellen eines piezoelektrischen Elements |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20170427 |