JP2016093781A - 水処理方法及び水処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】特別なエネルギーを負荷することなく、継続的に安定して大量の清浄な水を供給することができる水処理方法及び水処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】多孔質膜を備える膜モジュールを用いた重力ろ過方式で水を処理する水処理方法であって、原水を供給する原水供給工程と、原水供給工程により供給された原水に含有される粒子成分のうち、前記多孔質膜の孔径の0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化する特定成分低減化工程と、前記特定成分低減化工程に付された原水を膜モジュールに供給して処理するろ過工程とを含む水処理方法、ならびに、原水を供給する原水供給手段10と、原水供給手段から供給される原水に含有される粒子成分のうち、多孔質膜の孔径の0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化する特定成分低減化手段20と、特定成分が低減化された原水を処理するろ過手段30とを備える水処理システム。
【選択図】図1
【解決手段】多孔質膜を備える膜モジュールを用いた重力ろ過方式で水を処理する水処理方法であって、原水を供給する原水供給工程と、原水供給工程により供給された原水に含有される粒子成分のうち、前記多孔質膜の孔径の0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化する特定成分低減化工程と、前記特定成分低減化工程に付された原水を膜モジュールに供給して処理するろ過工程とを含む水処理方法、ならびに、原水を供給する原水供給手段10と、原水供給手段から供給される原水に含有される粒子成分のうち、多孔質膜の孔径の0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化する特定成分低減化手段20と、特定成分が低減化された原水を処理するろ過手段30とを備える水処理システム。
【選択図】図1
Description
本開示は、水処理方法及び水処理システムに関する。
従来から、例えば、河川水及び地下水の除濁、工業用水の清澄、排水及び汚水処理、海水淡水化の前処理等の水の精製のために、中空糸膜を備えた膜モジュールが利用されている。そして、安全な水を定常的に大量に供給することが求められている状況下において、より効率的かつより経済的に、被処理水である原水に含有される種々の成分を分離し、大量の清浄な水を継続的に供給することが必要である。そのために、種々の材料によって高い物理的強度を有する水処理膜を備えた膜モジュールが提案されている。
例えば、機械的物性のバランスに優れ、透水速度が良好な酢酸セルロース系の中空糸分離膜が提案されている(特許文献1参照)。
また、物理的強度及び耐薬品性の双方に優れた、ポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる中空糸膜による高分子水処理膜が提案されている(特許文献2参照)。
例えば、機械的物性のバランスに優れ、透水速度が良好な酢酸セルロース系の中空糸分離膜が提案されている(特許文献1参照)。
また、物理的強度及び耐薬品性の双方に優れた、ポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる中空糸膜による高分子水処理膜が提案されている(特許文献2参照)。
従来の種々の材料による膜を利用した膜モジュールを、懸濁度が高い水に対して適用して、ろ過をしようとすると、相当の加圧又は吸引等が必要となり、エネルギーの消費が増大する。また、加圧又は吸引による膜の破損が懸念される。
これに対し、エネルギーを消費しないろ過方式として、例えば、重力ろ過方式が利用される場合がある。しかし、この重力ろ過方式では、懸濁度が高い水に対して十分なろ過性能が得られない。よって、懸濁度が低い水に対してしか適用することができず、その用途に相当の制約が生じる。
本開示は上記課題に鑑みなされたものであり、特別なエネルギーを負荷することなく、継続的に安定して大量の清浄な水を供給することができる水処理方法及び水処理システムを提供することを目的とする。
これに対し、エネルギーを消費しないろ過方式として、例えば、重力ろ過方式が利用される場合がある。しかし、この重力ろ過方式では、懸濁度が高い水に対して十分なろ過性能が得られない。よって、懸濁度が低い水に対してしか適用することができず、その用途に相当の制約が生じる。
本開示は上記課題に鑑みなされたものであり、特別なエネルギーを負荷することなく、継続的に安定して大量の清浄な水を供給することができる水処理方法及び水処理システムを提供することを目的とする。
本開示の発明者は、継続的に安定して大量の清浄な水を供給し得る種々の方式による水処理方法について鋭意検討を行う過程において、被処理原水の汚れの程度によってその水処理に伴う費用及び時間に相当の差異が生じることを確認した。つまり、一般に汚れの程度の指標となる被処理原水の濁度が大きい場合に、水処理に必要なエネルギー及び時間が増大することを確認した。従って、濁度を低減すれば、水処理に必要なエネルギー及び時間を低減できるが、その一方で、濁度を低減するためには、一般的に使用される凝集剤の大量投入を余儀なくされ、結局、凝集剤に伴うコストの増大を招くのみならず、使用後の汚染成分を含む凝集剤の処分に対する課題が生じることを見出した。同時に、濁度が同程度に大きな被処理原水であっても、水処理に必要なエネルギー及び時間に変動が生じるという現象があることを新たに見出した。
そして、濁度の大小にかかわらず、凝集剤を大量に投入することなく、エネルギー及び時間を最小限に止める手法についてさらなる検討を行った。その結果、ろ過工程において膜モジュールを用いる手法において、使用する膜モジュールの膜の細孔の大きさと、被処理水に含有される汚染粒子成分の粒度分布との間に相関関係があることに到達した。従って、膜の細孔の大きさに対して汚染粒子成分の粒度分布を制御することにより、効果的にろ過効率を増大させ得ることを突き止め、本願発明の完成に至った。
このような被処理水中の汚染粒子成分の粒度分布の制御は、濁度にかかわらず発揮させることができ、用いる薬剤の量を調整する又は比較的簡便な粗ろ過という手法によって実現し得、上述した凝集剤の使用等に伴うコストの増大等を抑制できるという点において、予想外である。
このような被処理水中の汚染粒子成分の粒度分布の制御は、濁度にかかわらず発揮させることができ、用いる薬剤の量を調整する又は比較的簡便な粗ろ過という手法によって実現し得、上述した凝集剤の使用等に伴うコストの増大等を抑制できるという点において、予想外である。
すなわち、本開示の水処理方法は、
多孔質膜を備える膜モジュールを用いた重力ろ過方式で水を処理する水処理方法であって、
原水を供給する原水供給工程と、
原水供給工程により供給された原水に含有される粒子成分のうち、前記多孔質膜の孔径の0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化する特定成分低減化工程と、
前記特定成分低減化工程に付された原水を膜モジュールに供給して処理するろ過工程とを含むことを特徴とする。
多孔質膜を備える膜モジュールを用いた重力ろ過方式で水を処理する水処理方法であって、
原水を供給する原水供給工程と、
原水供給工程により供給された原水に含有される粒子成分のうち、前記多孔質膜の孔径の0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化する特定成分低減化工程と、
前記特定成分低減化工程に付された原水を膜モジュールに供給して処理するろ過工程とを含むことを特徴とする。
また、本開示の水処理システムは、
多孔質膜を備える膜モジュールを用いた重力ろ過方式で水を処理する水処理システムであって、
原水を供給する原水供給手段と、
該原水供給手段から供給される原水に含有される粒子成分のうち、前記多孔質膜の孔径の0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化する特定成分低減化手段と、
前記粒子成分が低減化された原水を処理するろ過手段とを備えることを特徴とする。
多孔質膜を備える膜モジュールを用いた重力ろ過方式で水を処理する水処理システムであって、
原水を供給する原水供給手段と、
該原水供給手段から供給される原水に含有される粒子成分のうち、前記多孔質膜の孔径の0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化する特定成分低減化手段と、
前記粒子成分が低減化された原水を処理するろ過手段とを備えることを特徴とする。
本開示によれば、特別なエネルギーを負荷することなく、安定して大量の清浄な水を継続的に供給することができる水処理方法及び水処理システムを提供することができる。
本開示の水処理方法は、主として、原水供給工程と、特定成分低減化工程と、ろ過工程とを備える。そして、本開示の水処理方法は、本開示の水処理システムを用いることにより、効率的かつ効果的に水処理を実行することができる。
〔水処理システム〕
本開示の水処理システムは、図1に示すように、本開示の水処理方法を実現するために使用することができる。このような水処理システムは、主として、原水供給手段10と、特定成分低減化手段20と、ろ過手段30とを備える。これらの手段は、それぞれ、流路を介してこの順に連結されている。
本開示の水処理システムは、図1に示すように、本開示の水処理方法を実現するために使用することができる。このような水処理システムは、主として、原水供給手段10と、特定成分低減化手段20と、ろ過手段30とを備える。これらの手段は、それぞれ、流路を介してこの順に連結されている。
この水処理システムは、重力ろ過方式で水を処理することができるように構成されている。このような構成によって、重力による水頭圧を効率的に利用し、電力エネルギー等のエネルギー消費にかかるコストを最小限に止めることができる。利用する水頭圧は大きければ、水処理効率の促進を図ることができる一方、ろ過手段において、膜の強度、ろ過効率、防汚等の性能の向上が必要となる。本開示では、各手段において重力を最大限に利用しながら、かつろ過手段における性能をより向上させるために、各手段に高低差を設けるとともに、ろ過手段の上流に特定成分低減化手段を設けている。
また、特に、ろ過手段における膜モジュールを構成する膜を、例えば、大口径の中空糸膜とすることにより、大面積で効果的にろ過効率を向上させることができるため、水頭圧が比較的小さくても、効率的に大量の水処理を実行することができ、上述した特定成分低減化手段によるろ過手段における性能の向上をより一層発揮させることができる。
また、特に、ろ過手段における膜モジュールを構成する膜を、例えば、大口径の中空糸膜とすることにより、大面積で効果的にろ過効率を向上させることができるため、水頭圧が比較的小さくても、効率的に大量の水処理を実行することができ、上述した特定成分低減化手段によるろ過手段における性能の向上をより一層発揮させることができる。
〈原水供給手段10〉
原水供給手段10は、主として、原水を貯留した原水槽を備える。原水槽には、後述する特定成分低減化手段に原水を供給するため流路(例えば、配管)が連結されていることが好ましい。
原水は、汚水処理場等における活性汚泥等を含む排水、家庭排水等の都市下水、工場廃水等の各種施設の排水、農業廃水、生物処理水、懸濁質を含む排水、市水、井戸水、河川又は湖沼など水、海水等の被処理水を意味する。液状食品を膜分離によって濃縮するために、果汁、ミルク等であってもよい。原水は、濁度及びSS(浮遊物質)がいかなる値であってもよい。例えば、濁度が20000以下、5000以下、10〜4000が挙げられる。SS(浮遊物質)が20000程度以下、5000程度以下、例えば、10〜4000程度の液体が挙げられる。
原水供給手段10は、主として、原水を貯留した原水槽を備える。原水槽には、後述する特定成分低減化手段に原水を供給するため流路(例えば、配管)が連結されていることが好ましい。
原水は、汚水処理場等における活性汚泥等を含む排水、家庭排水等の都市下水、工場廃水等の各種施設の排水、農業廃水、生物処理水、懸濁質を含む排水、市水、井戸水、河川又は湖沼など水、海水等の被処理水を意味する。液状食品を膜分離によって濃縮するために、果汁、ミルク等であってもよい。原水は、濁度及びSS(浮遊物質)がいかなる値であってもよい。例えば、濁度が20000以下、5000以下、10〜4000が挙げられる。SS(浮遊物質)が20000程度以下、5000程度以下、例えば、10〜4000程度の液体が挙げられる。
流路には、ポンプが装備されていてもよいが、されていないことが好ましい。ポンプが装備されていない場合は、水頭差又はオーバーフロー等を利用して、流路又は後述するに特定成分低減化手段20に原水を供給することができる。ポンプが装備されている場合、そのポンプは原水を送液することができるものであれば特に制限されることなく、いかなるものも利用できる。例えば、渦巻ポンプ、ディフューザーポンプ、渦巻斜流ポンプ、斜流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイアフラムポンプ、歯車ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、カスケードポンプ、ジェットポンプなど、種々のポンプが挙げられる。ポンプは、後述する特定成分低減化手段に、原水を、吸水、揚水、圧出等するために利用することができる。
また、図1及び3に示すように、原水槽には、外部から原水Xを引き込む流路が連結されていることが好ましい。さらに、後述するように、ろ過手段30に注出口36から排出される濃縮水の上澄み液である回収水Yを回収するための流路が連結されていることが好ましい。この流路は、外部から原水Xを引き込む流路に連結していてもよい。
〈特定成分低減化手段20〉
特定成分低減化手段20は、原水供給工程により供給される原水に含有される粒子成分のうち、特定の粒子成分を低減化する手段である。ここで、特定の粒子成分とは、主として、特定の粒径を有する粒子成分を指す。特定の粒径は、後述するろ過工程で用いる膜モジュールに装備された多孔質膜の孔径によって適宜設定することができる。例えば、特定の粒径を有する粒子成分は、多孔質膜の孔径の0.1〜50倍の粒径を有する粒子成分であることが好ましく、0.1〜40倍、0.1〜30倍、0.1〜25倍、0.1〜20倍、0.1〜15倍、0.1〜10倍、0.1〜1倍、0.5〜30倍、0.5〜25倍、0.5〜20倍、0.5〜15倍又は0.5〜10倍、0.5〜1倍の粒径を有する粒子成分がより好ましい。具体的には、0.001〜5μm、0.001〜4μm、0.001〜3μm、0.001〜2.5μm又は0.005〜2.5μmの粒径を有する粒子成分が挙げられ、0.01〜1μm、0.01〜0.5μm、0.01〜0.15μmの粒径を有する粒子成分が好ましく、0.01〜0.1μmの粒径を有する粒子成分がより好ましい。
特定成分低減化手段20は、原水供給工程により供給される原水に含有される粒子成分のうち、特定の粒子成分を低減化する手段である。ここで、特定の粒子成分とは、主として、特定の粒径を有する粒子成分を指す。特定の粒径は、後述するろ過工程で用いる膜モジュールに装備された多孔質膜の孔径によって適宜設定することができる。例えば、特定の粒径を有する粒子成分は、多孔質膜の孔径の0.1〜50倍の粒径を有する粒子成分であることが好ましく、0.1〜40倍、0.1〜30倍、0.1〜25倍、0.1〜20倍、0.1〜15倍、0.1〜10倍、0.1〜1倍、0.5〜30倍、0.5〜25倍、0.5〜20倍、0.5〜15倍又は0.5〜10倍、0.5〜1倍の粒径を有する粒子成分がより好ましい。具体的には、0.001〜5μm、0.001〜4μm、0.001〜3μm、0.001〜2.5μm又は0.005〜2.5μmの粒径を有する粒子成分が挙げられ、0.01〜1μm、0.01〜0.5μm、0.01〜0.15μmの粒径を有する粒子成分が好ましく、0.01〜0.1μmの粒径を有する粒子成分がより好ましい。
低減化とは、原水供給工程により供給される原水よりも特定粒径の粒子成分が少なくなればよく、特定粒径の粒子成分を、原水の40%以下に低減させることが好ましく、20%以下に低減させることがより好ましく、15%以下または10%以下に低減させることがさらに好ましい。
また、別の観点から、実施例に記載されたような補正を行うことにより、粒度分布での低減化する特定の粒子成分の割合および乾燥後の合計粒子重量から、特定の粒子成分の粒子重量を算出することにより、特定の粒子成分の重量を、原水の40%以下に低減させることが好ましく、20%以下とすることがより好ましく、15%以下または10%以下とすることがさらに好ましい。
また、別の観点から、実施例に記載されたような補正を行うことにより、粒度分布での低減化する特定の粒子成分の割合および乾燥後の合計粒子重量から、特定の粒子成分の粒子重量を算出することにより、特定の粒子成分の重量を、原水の40%以下に低減させることが好ましく、20%以下とすることがより好ましく、15%以下または10%以下とすることがさらに好ましい。
特定成分低減化手段は、主として、原水を処理する処理槽を備える。処理槽は、原水槽からの原水Xを導入するための流路を有する。さらに、処理槽には、攪拌機が装備されていることが好ましい。また、特定成分低減化手段として、任意に、凝集剤、凝集剤添加手段、必要に応じて、pH調整剤、pH調整手段を利用してもよい。あるいは、任意に、ろ過モジュールを利用してもよい。これらを組み合わせて利用してもよい。また、特定成分低減化手段は、後述するろ過手段に、特定成分を低減化した被処理水を供給するための流路が連結されていることが好ましい。この流路には、ポンプが装備されていてもよいが、されていないことが好ましい。ポンプが装備されていない場合は、水頭差又はオーバーフロー等を利用して、流路に被処理水を供給することができる。ポンプは、上述したものと同様のものを利用することができる。このようなことから、例えば、処理槽(特に、その水位)は、原水槽(特に、その水位)に対して低い位置に配置することが好ましい。
凝集剤としては、当該分野で使用されている無機凝集剤及び高分子凝集剤等が挙げられる。無機凝集剤としては、例えば、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム塩、塩化第二鉄(FeCl3)、硫化第一鉄、ポリ硫酸第二鉄、鉄―シリカ無機高分子(PSI)等の鉄塩等が挙げられる。
高分子凝集剤としては、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー及びノニオン性ポリマー等が挙げられる。カチオン性ポリマーとしては、例えば、一級アミン、二級アミン、三級アミン及びそれらの酸塩、四級アンモニウム基等の官能基を有するカチオン性モノマー又はアリルモノマーの単独重合体、これらと共重合可能なビニルモノマー等との共重合体等が挙げられる。具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の酸塩又はその4級アンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ビニルアニリン等が挙げられる。アニオン性ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、それらのアルカリ金属塩の単独重合体又は共重合可能なモノマーとの共重合体等が挙げられる。ノニオン性ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、等の単独重合体又は共重合可能なモノマーとの共重合体等、フェノール、カテコール等を用いたノボラック樹脂、ポリ酢酸ビニルをケン化したポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2以上を組み合わせて用いてもよい。
使用する凝集剤の量は、原水の汚染状態、処理量等によって適宜調整することができる。また、凝集剤の量、攪拌条件等を調整することにより、粒子成分の粒度分布を制御することができることが確認されている。そのため、適量を選択することにより、特定粒径成分の低減化を極めて効果的に実行することができる。例えば、注入量基準で、数ppm〜200ppm程度又は1〜200ppm程度が挙げられる。このような量に設定することにより、濁度を低減するために使用される凝集剤の量よりも、凝集剤の添加量を格段に低減することができる。
pH調整剤としては、硫酸、硝酸、過塩素酸、塩酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の塩基等が挙げられる。
凝集剤添加手段及びpH調整手段としては、ポンプ等が挙げられる。
攪拌機は、処理槽の大きさ等によって当該分野で公知のいずれをも使用することができる。
凝集剤は、通常、処理槽に添加され、撹拌機等によって撹拌することにより、特定成分低減化を実行することができる。
凝集剤添加手段及びpH調整手段としては、ポンプ等が挙げられる。
攪拌機は、処理槽の大きさ等によって当該分野で公知のいずれをも使用することができる。
凝集剤は、通常、処理槽に添加され、撹拌機等によって撹拌することにより、特定成分低減化を実行することができる。
ろ過モジュールとしては、上述した特性成分を低減させることができるものである限り、公知のろ過モジュールのいずれをも利用することができる。例えば、大口径の中空糸膜又は平膜を備えた膜モジュール等が挙げられる。なかでも、後述する膜モジュールと同程度の大口径の中空糸膜を備えた膜モジュールを利用することが好ましい。
重力ろ過方式を効果的に利用するために、ろ過モジュールを用いる場合には、ろ過モジュール及びろ過モジュールの透過水出口の高さを、原水槽又は特定成分処理槽の水位に対して水頭差を発生させることができる位置、つまり、原水槽又は特定成分処理槽の水位より低い位置に配置することが好ましい。
このように、特定成分低減化手段を備える場合には、例えば、既存の浄水場における水処理システムと比較した場合、結果として、沈殿槽及び/又はフロック形成槽として装備されている各種槽をなくすことができる。そして、特定成分低減化手段によって、例えば、凝集剤を少量用い及び/又は凝集剤と短時間で処理しても、後述するろ過手段を利用して、濁度が高い原水を、安定して、長期にわたって継続的に、安価にろ過することができる。
〈ろ過手段30〉
ろ過手段30は、主として、膜モジュール31を備える。
膜モジュール31は、水処理に用いられる、当該分野で公知の膜モジュールのいずれを利用してもよい。特に、膜モジュールに使用される膜は、多孔質膜であることが好ましく、中空糸膜であることがより好ましく、単層構造であることがさらに好ましい。例えば、特開昭62−140607号公報、特開平6−319961号公報、特開2009−183822号公報、国際公開公報2011/004786A1及び2011/108579A1等に記載されたものが挙げられる。
ろ過手段30は、主として、膜モジュール31を備える。
膜モジュール31は、水処理に用いられる、当該分野で公知の膜モジュールのいずれを利用してもよい。特に、膜モジュールに使用される膜は、多孔質膜であることが好ましく、中空糸膜であることがより好ましく、単層構造であることがさらに好ましい。例えば、特開昭62−140607号公報、特開平6−319961号公報、特開2009−183822号公報、国際公開公報2011/004786A1及び2011/108579A1等に記載されたものが挙げられる。
膜モジュール31は、図2に示したように、被処理水をろ過する中空糸膜32と、中空糸膜32を保持する保持部材33と、中空糸膜32と保持部材33とを固定する固定部材34とを含む。
膜モジュール31は、保持部材33と固定部材34とによって、例えば、中空糸膜32の内側に通じる注入口35と注出口36、中空糸膜の外側に通じる透過水出口37を備えている。注入口35は、上述した特定成分低減化手段20に連結された流路に連結され、特定成分低減化手段20によって特定成分が低減された被処理水が供給される。被処理水が濃縮された濃縮水Z、ろ過されずに残存した残留物等は、注出口36から排出される。そのために、注出口36には、後述するように、濃縮水Z及び/又は残留物を収容する濃縮水槽42に連結した流路が連結されることが好ましい。透過水出口37には、後述するように、透過水を収容する透過水槽40に連結した流路が連結されることが好ましい。ただし、特定成分低減化手段20とろ過手段30の注出口36とが連結し、ろ過手段30の注入口35と濃縮水槽42とが連結していてもよい。
膜モジュール31は、保持部材33と固定部材34とによって、例えば、中空糸膜32の内側に通じる注入口35と注出口36、中空糸膜の外側に通じる透過水出口37を備えている。注入口35は、上述した特定成分低減化手段20に連結された流路に連結され、特定成分低減化手段20によって特定成分が低減された被処理水が供給される。被処理水が濃縮された濃縮水Z、ろ過されずに残存した残留物等は、注出口36から排出される。そのために、注出口36には、後述するように、濃縮水Z及び/又は残留物を収容する濃縮水槽42に連結した流路が連結されることが好ましい。透過水出口37には、後述するように、透過水を収容する透過水槽40に連結した流路が連結されることが好ましい。ただし、特定成分低減化手段20とろ過手段30の注出口36とが連結し、ろ過手段30の注入口35と濃縮水槽42とが連結していてもよい。
中空糸膜は、0.01〜0.1μmの孔を有する樹脂膜により構成されたものが好ましい。孔の密度は、後述する中空糸膜の内径、膜厚、外径、得ようとする特性等によって適宜調整することができ、このような微細な孔によって、水処理膜としての機能を果たすとともに、その密度等によって、例えば、限外ろ過膜又は精密ろ過膜の分画性を調整することができる。一般に、限外ろ過膜は、孔の大きさが2〜200nm程度の膜、精密ろ過膜は、50nm〜10μm程度の膜であることが知られている。内径は2〜10mmであることが好ましい。膜厚は、0.1〜1.7mmであることが好ましい。外径は2.1〜11.7mmであることが好ましい。膜モジュールでの膜充填率は、40〜70%であることが好ましい。
上述したように、比較的大口径の中空糸膜を用いることにより、高濁度でのろ過(特に低エネルギー運転が可能な、デッドエンドろ過(=全ろ過))を行う際にも、膜での膜詰まりがなく、安定したろ過が可能となる。
上述したように、比較的大口径の中空糸膜を用いることにより、高濁度でのろ過(特に低エネルギー運転が可能な、デッドエンドろ過(=全ろ過))を行う際にも、膜での膜詰まりがなく、安定したろ過が可能となる。
中空糸膜は、どのような材料で形成されていてもよい。なかでも、塩化ビニルモノマーに由来する構造単位を含むものが好ましい。例えば、塩化ビニルモノマーに由来する構造単位を、中空糸膜を構成する全樹脂において、40質量%以上(好ましくは50質量%以上又は60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上)を占める材料であることが好ましい。
中空糸膜は、さらに、吸湿性を有する樹脂又はそれらの樹脂を構造単位として含む共重合体を含むことが好ましい。「吸湿性を有する樹脂」とは、23℃で相対湿度50%に24時間放置後の樹脂の重量増加率(水分率)が0.1〜6%の樹脂を意味する。吸湿性を有する樹脂の水分率は、1〜5%であることが好ましく、2〜3%がより好ましい。JISP8111で規定されている方法で調湿を行なうことにより、樹脂の吸湿性、つまり水分量を評価することができる。
吸湿性を有する樹脂としては、水酸基等を含む分子側鎖を有するポリマーが挙げられる。例えば、ポリアルキレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール、ポリアセタール、ポリビニルブチラール及びポリビニルアルコールからなる群より選択される1種以上の樹脂又はそれら樹脂の2種以上を構造単位として含む共重合体(例えば、ブロック共重合体)等が挙げられる。この共重合体は、塩化ビニルモノマーに由来する構造単位を含むもの(例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体)であってもよい。このような樹脂を用いることにより、汚染物質が中空糸膜に付着し難くなる。仮に付着しても逆洗等の洗浄工程により容易に汚染物質を除去することができる。なお、汚染物質の付着防止は、このような材料選択に加え、上述したような比較的大口径の中空糸膜を用いることが有効である。これによって、膜内流速を容易に制御することができ、中空糸膜に付着した汚染物質を容易に除去することができる。さらに、重力ろ過の限られた圧力を利用する場合であっても、膜の材料として、吸湿性を有する樹脂を用いることにより、膜と水との親水性が高まるために、効率的なろ過を行うのにより一層有用である。
中空糸膜は、(a)ポリ塩化ビニルと吸湿性を有する樹脂とのブレンド樹脂、(b)塩化ビニルモノマーと吸湿性を有する樹脂を構成するモノマーとの共重合体(例えば、グラフト共重合体)、(c)ポリ塩化ビニルと吸湿性を有する樹脂との共重合体(例えば、ブロック共重合体)、(d)ポリ塩化ビニルと、(b)又は(c)とのブレンド樹脂等種々の形態の材料によるによる膜とすることができる。なかでも、(a)、(c)及び(d)による膜が好ましく、(d)による膜がより好ましい。このような材料を用いて中空糸膜を作製することにより、防汚性を確保することができることに加え、特定成分の低減化と相まって、次回の膜モジュールの洗浄までの期間を長期化することができる。一方、特定成分よりも大きな体積の濁度成分が膜の内部に留まる量が増大すると、洗浄の際に膜に高い負荷がかかることがあるが、上述した材料を用いることにより、強度を担保することが可能となり、体積の大きな濁度成分の量の増加に伴う洗浄時の膜の損傷を抑えることができる。これらの結果、膜モジュールのコストメリット及び強度アップが相乗的に作用して、長期信頼性を担保することができる。
保持部材は、中空糸膜を保持できるものであればよく、例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂等により形成することができる。
固定部材は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等により形成することができる。
膜モジュールは、単独で用いてもよいし、2以上を組み合わせて用いてもよい。2以上の膜モジュールは、直列、並列、直並列、並直列等種々の形態で組み合わせることができる。
固定部材は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等により形成することができる。
膜モジュールは、単独で用いてもよいし、2以上を組み合わせて用いてもよい。2以上の膜モジュールは、直列、並列、直並列、並直列等種々の形態で組み合わせることができる。
〈その他の手段〉
本開示の水処理システムは、図1に示すように、さらに、ろ過手段30によってろ過された透過水を収容する透過水槽40を、ろ過手段30の下流に備えている。また、ろ過手段30における膜モジュールを洗浄するために、ろ過手段30の下流に、逆洗水槽41を備えていることが好ましい。なお、透過水槽と逆洗水槽とは兼用されてもよい。
本開示の水処理システムは、図1に示すように、さらに、ろ過手段30によってろ過された透過水を収容する透過水槽40を、ろ過手段30の下流に備えている。また、ろ過手段30における膜モジュールを洗浄するために、ろ過手段30の下流に、逆洗水槽41を備えていることが好ましい。なお、透過水槽と逆洗水槽とは兼用されてもよい。
さらに、ろ過手段30の下流に、濃縮水槽42が設けられることが好ましい。濃縮水槽42には、上述したように、ろ過手段30からの濃縮水Zを導入する流路、その上澄み液Yを原水槽に導入する流路とが連結されていることが好ましい。一般に、原水槽の量と透過水槽40との量が等量に近い程、理想的な水処理、つまり、原水からろ過水の回収率を増大させ、かつ使用するエネルギー量を抑えて低コストでの水処理を実現することができる。そのために、濃縮水槽42から上澄み液Yを原水槽に回収する流路を備えることが好ましい。
透過水槽40、逆洗水槽41及び濃縮水槽42は、それぞれ、ろ過手段30と、流路によって連結されている。透過水槽40及び/又は逆洗水槽41とろ過手段30との間には、送液及び/又は返送ポンプ43、44が設けられていてもよい。これらのポンプ43、44は上述したものと同様のものを利用することができる。
ただし、図3に示すように、逆洗水槽41が、膜モジュールの透過水側の注出口よりも高所に設置される場合には、その水頭圧をより有効に活用でき、よって、送液ポンプを設けなくてもよい。
濃縮水槽42は、原水供給手段10に流路によって連結されていることが好ましい。なお、この場合、返送ポンプ44は、濃縮水槽42と原水供給手段10との間に設けられていてもよい。また、濃縮水槽42を設けずに、濃縮水槽42として、原水供給手段10を機能させてもよい。
ただし、図3に示すように、逆洗水槽41が、膜モジュールの透過水側の注出口よりも高所に設置される場合には、その水頭圧をより有効に活用でき、よって、送液ポンプを設けなくてもよい。
濃縮水槽42は、原水供給手段10に流路によって連結されていることが好ましい。なお、この場合、返送ポンプ44は、濃縮水槽42と原水供給手段10との間に設けられていてもよい。また、濃縮水槽42を設けずに、濃縮水槽42として、原水供給手段10を機能させてもよい。
さらに、流路は、水処理の分野で一般に用いられるような、開閉弁、気体供給装置、超音波発生装置、薬液槽等を備えていてもよい。
〈各種手段の関係〉
重力ろ過方式を効果的に利用するために、少なくとも特定成分低減化手段20(最も高い圧力開放位置)の水位を、膜モジュールの透過水側の出口(透過水側の流路が満水時の透過水の出口50、最も低い圧力開放位置)の位置に対して、より高い位置に設置することが好ましい。
また、より消費エネルギーの使用を抑えるために、原水供給手段10の原水槽の水位を、特定成分低減化手段20における水位に対して、より高い水位に設置することが好ましい。なかでも、特定成分低減化手段20及び原水供給手段10の原水槽の双方の水位を、膜モジュールの透過水側の注出口37の位置に対して、より高い位置に設置することが好ましい。
重力ろ過方式を効果的に利用するために、少なくとも特定成分低減化手段20(最も高い圧力開放位置)の水位を、膜モジュールの透過水側の出口(透過水側の流路が満水時の透過水の出口50、最も低い圧力開放位置)の位置に対して、より高い位置に設置することが好ましい。
また、より消費エネルギーの使用を抑えるために、原水供給手段10の原水槽の水位を、特定成分低減化手段20における水位に対して、より高い水位に設置することが好ましい。なかでも、特定成分低減化手段20及び原水供給手段10の原水槽の双方の水位を、膜モジュールの透過水側の注出口37の位置に対して、より高い位置に設置することが好ましい。
これら手段の高低差による水頭差は高い方がよいが、原水供給手段10の原水槽等への送水にはエネルギーが必要となる。従って、これらの高低差は特に限定されるものではなく、ろ過手段の処理性能、意図する透水量等に応じて、適宜設定することができる。具体的には、1〜100m、1〜数十m程度、4m程度が挙げられる。
実際に、特定成分低減化手段を用いることにより、一般的な浄水場でのろ過手段の前後の水頭差4m程度でも、適切な透水量を確保することができることを確認している。よって、既存の施設を、概ねそのまま又は、例えば、急速ろ過施設等を特定成分低減化手段及び/又はろ過手段に変更するのみで利用することができ、経済的かつ安定的に高性能な水処理を行うことが可能となる。
実際に、特定成分低減化手段を用いることにより、一般的な浄水場でのろ過手段の前後の水頭差4m程度でも、適切な透水量を確保することができることを確認している。よって、既存の施設を、概ねそのまま又は、例えば、急速ろ過施設等を特定成分低減化手段及び/又はろ過手段に変更するのみで利用することができ、経済的かつ安定的に高性能な水処理を行うことが可能となる。
なお、膜モジュールの位置が、原水槽及び/又は処理水槽等の水位に近く、透過水を収容する透過水槽40の水位に対して大きな高低差があり、膜モジュールから透過水槽40までの透過水流路が満水の場合、その水が膜モジュール内の水を引張り、膜モジュールにかかる膜間差圧において、透過水側の出口に吸引圧がかかる。この吸引圧が、原水槽及び/又は処理水槽から膜モジュールにかかる加圧に対して大きい場合(吸引圧>加圧)、サイホン効果が働き、膜モジュールのファウリング(目詰まり)が起こりにくくなることがあり、有用である。しかし、そのサイホン効果を維持することが煩雑となることがあり、また、透過水流路に空気が入ることによるサイホン切れに注意が必要となる。
一方、膜モジュールの位置が、透過水槽の水位に近く、原水槽及び/又は処理水槽等の水位から遠くなり、水頭圧差が大きくなる場合、膜モジュールにかかる膜間差圧において、処理水槽から膜モジュールにかかる加圧が大きくなる。吸引圧が、処理水槽から膜モジュールにかかる加圧に対してより小さい場合(吸引圧<加圧)、サイホン効果がなく、サイホン切れも起こらないため、サイホン切れへの注意が不要となることがある。
一方、膜モジュールの位置が、透過水槽の水位に近く、原水槽及び/又は処理水槽等の水位から遠くなり、水頭圧差が大きくなる場合、膜モジュールにかかる膜間差圧において、処理水槽から膜モジュールにかかる加圧が大きくなる。吸引圧が、処理水槽から膜モジュールにかかる加圧に対してより小さい場合(吸引圧<加圧)、サイホン効果がなく、サイホン切れも起こらないため、サイホン切れへの注意が不要となることがある。
〔水処理方法〕
本開示の水処理方法は、重力ろ過方式を実現できる限り、どのような方式/方法を利用してもよい。以下においては、図1に示す水処理システムを用いて水処理を行う方法について説明する。
〈原水供給工程〉
まず、特定成分低減化手段20に、原水を供給する。ここでの原水の供給は、上述したように、原水供給手段10との水頭圧差を利用して行うことが好ましい。原水の供給の速度は、特定成分低減化手段20の種類、そのサイズ、流路の太さ、特定成分低減化の方法、その後のろ過工程の速度等を考慮して適宜調整することが好ましい。例えば、原水の流路内流速は、0.001〜10m/s程度が挙げられ、0.001〜5m/s程度が好ましい。流路内流速は、単位時間当たりの循環させる原水の体積に基づいて算出した値を採用するものとする。
本開示の水処理方法は、重力ろ過方式を実現できる限り、どのような方式/方法を利用してもよい。以下においては、図1に示す水処理システムを用いて水処理を行う方法について説明する。
〈原水供給工程〉
まず、特定成分低減化手段20に、原水を供給する。ここでの原水の供給は、上述したように、原水供給手段10との水頭圧差を利用して行うことが好ましい。原水の供給の速度は、特定成分低減化手段20の種類、そのサイズ、流路の太さ、特定成分低減化の方法、その後のろ過工程の速度等を考慮して適宜調整することが好ましい。例えば、原水の流路内流速は、0.001〜10m/s程度が挙げられ、0.001〜5m/s程度が好ましい。流路内流速は、単位時間当たりの循環させる原水の体積に基づいて算出した値を採用するものとする。
〈特定成分低減化工程〉
供給された原水において、原水に含有される粒子成分のうち、特定の粒子成分を低減化する。特定の粒子成分は、ろ過工程で用いる膜モジュールに使用される多孔質膜の孔径の0.1〜50倍の粒径を有する粒子成分であることが好ましく、0.1〜40倍、0.1〜30倍、0.1〜25倍、0.1〜20倍、0.1〜15倍、0.1〜10倍、0.1〜1倍、0.5〜30倍、0.5〜25倍、0.5〜20倍、0.5〜15倍又は0.5〜10倍、0.5〜1倍の粒径を有する粒子成分を低減化する。なかでも、0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化することが好ましい。具体的には、0.001〜5μm、0.001〜4μm、0.001〜3μm、0.001〜2.5μm又は0.005〜2.5μmの粒径を有する粒子成分が挙げられ、0.01〜1μm、0.01〜0.5μm、0.01〜0.15μmの粒径を有する粒子成分を低減化することが好ましく、0.01〜0.1μmの粒径を有する粒子成分を低減化することがより好ましい。
そのために、一実施形態では、上述したように、処理槽において、原水に対して凝集剤を添加する。この場合、原水に均一に凝集剤が作用するように、攪拌することが好ましい。攪拌は、上述したように、攪拌機を利用してもよいし、処理槽への原水の供給の際の流速を利用して(例えば、迂流式攪拌)、原水に凝集剤を添加/混合してもよい。
供給された原水において、原水に含有される粒子成分のうち、特定の粒子成分を低減化する。特定の粒子成分は、ろ過工程で用いる膜モジュールに使用される多孔質膜の孔径の0.1〜50倍の粒径を有する粒子成分であることが好ましく、0.1〜40倍、0.1〜30倍、0.1〜25倍、0.1〜20倍、0.1〜15倍、0.1〜10倍、0.1〜1倍、0.5〜30倍、0.5〜25倍、0.5〜20倍、0.5〜15倍又は0.5〜10倍、0.5〜1倍の粒径を有する粒子成分を低減化する。なかでも、0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化することが好ましい。具体的には、0.001〜5μm、0.001〜4μm、0.001〜3μm、0.001〜2.5μm又は0.005〜2.5μmの粒径を有する粒子成分が挙げられ、0.01〜1μm、0.01〜0.5μm、0.01〜0.15μmの粒径を有する粒子成分を低減化することが好ましく、0.01〜0.1μmの粒径を有する粒子成分を低減化することがより好ましい。
そのために、一実施形態では、上述したように、処理槽において、原水に対して凝集剤を添加する。この場合、原水に均一に凝集剤が作用するように、攪拌することが好ましい。攪拌は、上述したように、攪拌機を利用してもよいし、処理槽への原水の供給の際の流速を利用して(例えば、迂流式攪拌)、原水に凝集剤を添加/混合してもよい。
上述した範囲の特定の粒径を有する粒子成分は、使用する凝集剤の種類及び/又は添加量、攪拌条件等によって、その添加量を調整することにより、効果的に低減することができる。また、この添加量の調整によって、特定の粒径を有する粒子成分を、原水の40%以下、20%以下、15%以下または10%に効果的に低減させることができる。
その一例として、以下に示す試験例によって、所定の濁度を有する原水に対して、特定成分低減化工程を行うことにより、その濁度を低減させずとも、特定の粒径を有する粒子成分を低減できたことを確認している。
特定の粒径を有する粒子成分を低減するためには、凝集剤の種類、量、攪拌速度、攪拌/接触時間等を適宜変更すればよい。例えば、攪拌速度を変更することによって又は攪拌時間を短縮することによって、より小さい粒子が増加することを確認している。従って、特定の粒径を有する粒子成分の低減を確実にするためには、凝集剤の種類、量、攪拌速度、攪拌/接触時間等を変更して予備実験を行うことが好ましい。
その一例として、以下に示す試験例によって、所定の濁度を有する原水に対して、特定成分低減化工程を行うことにより、その濁度を低減させずとも、特定の粒径を有する粒子成分を低減できたことを確認している。
特定の粒径を有する粒子成分を低減するためには、凝集剤の種類、量、攪拌速度、攪拌/接触時間等を適宜変更すればよい。例えば、攪拌速度を変更することによって又は攪拌時間を短縮することによって、より小さい粒子が増加することを確認している。従って、特定の粒径を有する粒子成分の低減を確実にするためには、凝集剤の種類、量、攪拌速度、攪拌/接触時間等を変更して予備実験を行うことが好ましい。
特定の粒径を有する粒子成分を低減化するために要する時間は、例えば、凝集剤の添加後の攪拌又は接触時間で調整することができる。例えば、原水を、数分間〜数時間程度、凝集剤と接触させればよい。この際、攪拌の程度を変更してもよいし、一定でもよいし、攪拌自体を中止し、静置してもよい。
凝集剤の添加の前後に、任意に、pH調整剤によって、pHを調整することが好ましい。
凝集剤の添加の前後に、任意に、pH調整剤によって、pHを調整することが好ましい。
また、上述した特定の粒径を有する粒子成分は、粗ろ過によっても実現することができる。この場合のろ過は、適当な孔径を有するろ過膜を使用し、適当な膜間差圧を負荷するなど、適宜その条件を設定することができる。
その一例として、以下に示す実施例によって、所定の濁度を有する原水に対して、ろ過によって特定成分低減化工程を行うことにより、その濁度を変動することなく、特定の粒径を有する粒子成分を低減できたことを確認している。
その一例として、以下に示す実施例によって、所定の濁度を有する原水に対して、ろ過によって特定成分低減化工程を行うことにより、その濁度を変動することなく、特定の粒径を有する粒子成分を低減できたことを確認している。
〈ろ過工程〉
ろ過手段、特に膜モジュールを利用したろ過処理では、種々の方式を採用することができる。膜モジュールの膜面と被処理水の流れ方向とが実質的に平行であり、膜面に付着した浮遊物等を剥離して循環させるクロスフロー方式、デッドエンド方式のいずれでもよい。
膜モジュールにおける加圧方式は、内圧式又は外圧式のいずれの方式でもよいが、特に、上述したような比較的孔径の大きな中空糸膜を用いる場合には、内圧式、つまり、中空糸膜の内側に被処理水を供給し、中空糸膜の外側に透過水を取り出す方式が好ましい。また、定圧ろ過、定流量ろ過、これらの組み合わせなどのいずれであってもよい。
なお、膜モジュールに対しては、水処理と逆洗とを繰り返し行う方式を採用してもよいし、水処理又は逆洗の後あるいはこれらの間に、フラッシング又はドレインを行なってもよい。
ろ過手段、特に膜モジュールを利用したろ過処理では、種々の方式を採用することができる。膜モジュールの膜面と被処理水の流れ方向とが実質的に平行であり、膜面に付着した浮遊物等を剥離して循環させるクロスフロー方式、デッドエンド方式のいずれでもよい。
膜モジュールにおける加圧方式は、内圧式又は外圧式のいずれの方式でもよいが、特に、上述したような比較的孔径の大きな中空糸膜を用いる場合には、内圧式、つまり、中空糸膜の内側に被処理水を供給し、中空糸膜の外側に透過水を取り出す方式が好ましい。また、定圧ろ過、定流量ろ過、これらの組み合わせなどのいずれであってもよい。
なお、膜モジュールに対しては、水処理と逆洗とを繰り返し行う方式を採用してもよいし、水処理又は逆洗の後あるいはこれらの間に、フラッシング又はドレインを行なってもよい。
膜モジュールに供給される、粒子成分が低減化された被処理水の流速は、上述した水処理システムにおける水頭差によって変動するが、例えば、0.001〜10m/秒程度であることが好ましく、0.005〜6m/秒程度、0.005〜3m/秒程度又は0.01〜1m/秒程度であることがより好ましい。このような流速で中空糸膜に原水を供給することにより、汚染物質が中空糸膜に付着し難くなるため、原水を効率的に処理し続けることが可能となる。ここで、中空糸膜に供給される被処理水の流速は、汚水処理用の電磁流量計(エンドレスハウザー社製)によって測定した値とすることができる。
膜モジュールでは、被処理水は、5〜200kPa程度の膜間差圧が負荷されることが好ましく、5〜150kPa程度、5〜100kPa程度又は5〜50kPa程度がより好ましい。このような膜間差圧とする場合には、実用上要求される透水性能を維持することができる。また、汚染物質の膜モジュールへの付着を効果的に防止することができる。
試験例
原水として、カオリン濁度標準液を使用した。この標準液は、濁度測定用カオリンを濁度2000度に懸濁して調製することができる。この溶液100mlを採取し、0.5μmフィルターでろ過を行い、ろ液中に含まれる粒子成分をレーザー回折法による粒度分布計にて測定した。
この溶液に、凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム(多木化学社製、ポリ塩化アルミニウム溶液:銘柄250A)を、注入量基準で80ppmとなるように添加し、攪拌機を用いて、120rpmで10分間攪拌した。処理後の水100mlを採取し、上記と同様にろ過を行い、ろ液中に含まれる粒子成分を測定した。その結果を表1に示す。
なお、表1において、粒子成分の割合は累積粒子数で表したため、0.1μm以下の割合は0.2μm以下の割合に包含される。
原水として、カオリン濁度標準液を使用した。この標準液は、濁度測定用カオリンを濁度2000度に懸濁して調製することができる。この溶液100mlを採取し、0.5μmフィルターでろ過を行い、ろ液中に含まれる粒子成分をレーザー回折法による粒度分布計にて測定した。
この溶液に、凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム(多木化学社製、ポリ塩化アルミニウム溶液:銘柄250A)を、注入量基準で80ppmとなるように添加し、攪拌機を用いて、120rpmで10分間攪拌した。処理後の水100mlを採取し、上記と同様にろ過を行い、ろ液中に含まれる粒子成分を測定した。その結果を表1に示す。
この結果から、特定成分低減化工程により、特定の粒径を有する成分が低減されていることが確認された。
また、凝集剤の量を変更し、凝集剤の種類を変更し、あるいは凝集剤添加後の攪拌の際の回転数又は攪拌時間を変更することにより、低減する特性の粒径を有する成分を変更することができることが確認された。
また、凝集剤の量を変更し、凝集剤の種類を変更し、あるいは凝集剤添加後の攪拌の際の回転数又は攪拌時間を変更することにより、低減する特性の粒径を有する成分を変更することができることが確認された。
実施例1
原水として、濁度測定用カオリンを濁度2000度に調整したカオリン濁度標準液を使用した。この原水に、ポリ塩化アルミニウムを、注入量基準で80ppmとなるように添加し、120rpmで5分間、続いて30rpmで10分間攪拌した。その後、懸濁液の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。ここで用いた膜モジュールは、図2に示すように、中空糸膜が保持部材に収容され、固定部材により固定されたものである。中空糸膜は、材料として、ビニルピロリドン−塩化ビニル共重合体と塩化ビニル樹脂(重合度800)とを用いて形成された、吸湿性1.6%、内径4mm、膜厚1.5mm、長さ1mであり、膜モジュールにおける膜面積は1m2とした。なお、吸湿性は、23℃、相対湿度50%にて24時間放置後の樹脂の重量増加率(水分率)によって測定した値を採用した。
膜モジュールでのろ過の際の膜間差圧を30kPaとし、流速を0.01m/sとした。
原水として、濁度測定用カオリンを濁度2000度に調整したカオリン濁度標準液を使用した。この原水に、ポリ塩化アルミニウムを、注入量基準で80ppmとなるように添加し、120rpmで5分間、続いて30rpmで10分間攪拌した。その後、懸濁液の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。ここで用いた膜モジュールは、図2に示すように、中空糸膜が保持部材に収容され、固定部材により固定されたものである。中空糸膜は、材料として、ビニルピロリドン−塩化ビニル共重合体と塩化ビニル樹脂(重合度800)とを用いて形成された、吸湿性1.6%、内径4mm、膜厚1.5mm、長さ1mであり、膜モジュールにおける膜面積は1m2とした。なお、吸湿性は、23℃、相対湿度50%にて24時間放置後の樹脂の重量増加率(水分率)によって測定した値を採用した。
膜モジュールでのろ過の際の膜間差圧を30kPaとし、流速を0.01m/sとした。
分取した懸濁液について、その中に含まれる粒子成分の粒度分布をレーザー回折法による粒度分布計で測定した。
粒度分布の測定は、分取した懸濁液を0.5μmの孔径を有するフィルターでろ過した後に行った(=粒度分布を測定する前の前処理)。その結果、0.2μm以下の粒径を有する粒子は、全体の10%(累積粒子数)であった。
粒度分布の測定は、分取した懸濁液を0.5μmの孔径を有するフィルターでろ過した後に行った(=粒度分布を測定する前の前処理)。その結果、0.2μm以下の粒径を有する粒子は、全体の10%(累積粒子数)であった。
この0.2μm以下の粒径を有する粒子の累積粒子数は、より詳細には、以下のように算出される。
まず、原水を、所定の孔径(上述あいたように、例えば、0.5μmの孔径)を有するフィルターでろ過し、得られたろ液の一部を分取し、レーザー回折法による粒度分布計で測定する。
同様に、低減化処理を行った原水も同様に所定の孔径、例えば、0.5μmの孔径を有するフィルターでろ過し、得られたろ液の一部を分取し、粒度分布を測定する。
まず、原水を、所定の孔径(上述あいたように、例えば、0.5μmの孔径)を有するフィルターでろ過し、得られたろ液の一部を分取し、レーザー回折法による粒度分布計で測定する。
同様に、低減化処理を行った原水も同様に所定の孔径、例えば、0.5μmの孔径を有するフィルターでろ過し、得られたろ液の一部を分取し、粒度分布を測定する。
粒度分布計測に使わなかった原水及び低減化処理水の一部は、水分を乾燥させ、乾燥後の粒子合計重量を測定する。これによって、0.5μm通過液中の濁度物の絶対量を計測する。
そして、低減化処理水における、低減化対象部分の粒子存在量および粒度分布全体に対する割合を求める。この時、低減化処理を行うことにより、所定の孔径、例えば、0.5μmフィルターで捕捉される程、粒子径が大きくなった結果、上述の粒度分布計測では計測されない粒子が出る場合がある。その場合は以下の方法で、低減化処理水の粒度分布を補正して計算する。
つまり、上記で測定した低減化処理水と原水との重量差異は、所定の孔径、例えば、0.5μmフィルターで捕捉される程、大きくなった粒子の重量(凝集剤を用いている場合は、凝集剤を含む)を表す。この重量差異を低減化処理水の重量に加算する。その後、再度低減化処理水の粒度分布を算出する。
そして、低減化処理水における、低減化対象部分の粒子存在量および粒度分布全体に対する割合を求める。この時、低減化処理を行うことにより、所定の孔径、例えば、0.5μmフィルターで捕捉される程、粒子径が大きくなった結果、上述の粒度分布計測では計測されない粒子が出る場合がある。その場合は以下の方法で、低減化処理水の粒度分布を補正して計算する。
つまり、上記で測定した低減化処理水と原水との重量差異は、所定の孔径、例えば、0.5μmフィルターで捕捉される程、大きくなった粒子の重量(凝集剤を用いている場合は、凝集剤を含む)を表す。この重量差異を低減化処理水の重量に加算する。その後、再度低減化処理水の粒度分布を算出する。
具体的には、低減化処理水の粒子合計重量が1g、低減化処理水中の特定の粒子成分の粒子存在量が20%、原水の粒子合計重量が2gの場合、低減化処理水の粒子存在量は、10%に補正される。
実施例2
原水として、濁度測定用カオリンを濁度30度に懸濁した溶液を使用した。この溶液に実施例1と同様にポリ塩化アルミニウムを、注入量基準で20ppmとなるように添加し、120rpmで5分間、30rpmで10分間攪拌した。その後、懸濁液の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでのろ過する際の膜間差圧を100kPaとし、流速を0.8m/sとした。
原水として、濁度測定用カオリンを濁度30度に懸濁した溶液を使用した。この溶液に実施例1と同様にポリ塩化アルミニウムを、注入量基準で20ppmとなるように添加し、120rpmで5分間、30rpmで10分間攪拌した。その後、懸濁液の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでのろ過する際の膜間差圧を100kPaとし、流速を0.8m/sとした。
実施例1と同様に、分取した懸濁液について粒度分布を測定した。その結果、0.2μm以下の粒径を有する粒子は、全体の10%(累積粒子数)であった。
実施例3
実施例1と同様の原水(濁度:2000度)に、実施例1と同様にポリ塩化アルミニウムを、注入量基準で80ppmとなるように添加し、120rpmで5分間攪拌した。その後、懸濁液の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでのろ過する際の膜間差圧を30kPaとし、流速を0.01m/sとした。
実施例1と同様の原水(濁度:2000度)に、実施例1と同様にポリ塩化アルミニウムを、注入量基準で80ppmとなるように添加し、120rpmで5分間攪拌した。その後、懸濁液の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでのろ過する際の膜間差圧を30kPaとし、流速を0.01m/sとした。
実施例1と同様に、分取した懸濁液について粒度分布を測定した。その結果、0.2μm以下の粒径を有する粒子は、全体の25%(累積粒子数)であった。
実施例4
実施例2と同様の原水(濁度30度)に、実施例1と同様にポリ塩化アルミニウムを、注入量基準で20ppmとなるように添加し、120rpmで5分間攪拌した。その後、懸濁液の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでのろ過する際の膜間差圧を30kPaとし、流速を0.01m/sとした。
実施例2と同様の原水(濁度30度)に、実施例1と同様にポリ塩化アルミニウムを、注入量基準で20ppmとなるように添加し、120rpmで5分間攪拌した。その後、懸濁液の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでのろ過する際の膜間差圧を30kPaとし、流速を0.01m/sとした。
実施例1と同様に、分取した懸濁液について粒度分布を測定した。その結果、0.2μm以下の粒径を有する粒子は、全体の25%(累積粒子数)であった。
実施例5
実施例2と同様の原水(濁度30度)を用いた。この原水を、0.5μmのメンブレンフィルターでろ過し、このろ過液について、0.2μm、さらに0.1μmのメンブレンフィルターでろ過した。
0.1μmのフィルターに残った固形物の一部を取り除いた残量、0.5μmフィルター上の固形物の全量、0.2μmフィルター上の固形物の全量を、0.1μmのろ過水に再分散して懸濁液を調整した。
この懸濁液の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでろ過する際の膜間差圧を30kPaとし、流速を0.01m/sとした。
実施例2と同様の原水(濁度30度)を用いた。この原水を、0.5μmのメンブレンフィルターでろ過し、このろ過液について、0.2μm、さらに0.1μmのメンブレンフィルターでろ過した。
0.1μmのフィルターに残った固形物の一部を取り除いた残量、0.5μmフィルター上の固形物の全量、0.2μmフィルター上の固形物の全量を、0.1μmのろ過水に再分散して懸濁液を調整した。
この懸濁液の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでろ過する際の膜間差圧を30kPaとし、流速を0.01m/sとした。
実施例1と同様に、分取した懸濁液について粒度分布を測定した。その結果、0.2μm以下の粒径を有する粒子は、全体の30%(累積粒子数)であった。
比較例1
原水として、実施例1と同様の原水(濁度:2000度)を用いた。この原水の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでろ過する際の膜間差圧を30kPa、流速を0.01m/sとした。
原水として、実施例1と同様の原水(濁度:2000度)を用いた。この原水の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでろ過する際の膜間差圧を30kPa、流速を0.01m/sとした。
実施例1と同様に、分取した懸濁液について粒度分布を測定した。その結果、0.2μm以下の粒径を有する粒子は、全体の50%(累積粒子数)であった。
比較例2
原水として、実施例2と同様の原水(濁度:30度)を用いた。この原水の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでろ過する際の膜間差圧を100kPa、流速を1.2m/sとした。
原水として、実施例2と同様の原水(濁度:30度)を用いた。この原水の少量を分取し、残りの全量を、孔径0.02μmの中空糸膜を有する膜モジュールにてろ過した。
膜モジュールでろ過する際の膜間差圧を100kPa、流速を1.2m/sとした。
実施例1と同様に、分取した懸濁液について粒度分布を測定した。その結果、0.2μm以下の粒径を有する粒子は、全体の50%(累積粒子数)であった。
以下に、実施例及び比較例における膜モジュールでのろ過結果を示す。
表2における各評価結果は、以下のとおりとした。
○:1週間、膜モジュールでのろ過運転を実施した後もTMPの変動が見られず、安定的なろ過が可能であった。
◎:○よりろ過水量が大量であった。
×:1週間後にろ過水量が低下した。
また、上記結果における◎及び○は、長期のろ過工程の継続において、逆洗等のメンテナンスの頻度を低減させ又はメンテナンス性を向上させることが可能となる。
表2における各評価結果は、以下のとおりとした。
○:1週間、膜モジュールでのろ過運転を実施した後もTMPの変動が見られず、安定的なろ過が可能であった。
◎:○よりろ過水量が大量であった。
×:1週間後にろ過水量が低下した。
本開示は、河川水及び地下水の除濁、工業用水の清澄、排水及び汚水処理、海水淡水化の前処理等の水の精製等のために使用される水処理方法又は水処理システムとして、広範に利用することができ、経済的かつ効率的な水処理を行なうことができる。
10 原水供給手段
20 特定成分低減化手段
30 ろ過手段
31 膜モジュール
32 中空糸膜
33 保持部材
34 固定部材
35 注入口
36 注水口
37 透過水出口
40 透過水槽
41 逆洗水槽
42 濃縮水槽
43、44 ポンプ
50 透過水の出口
X 原水
Y 回収水
Z 濃縮水
20 特定成分低減化手段
30 ろ過手段
31 膜モジュール
32 中空糸膜
33 保持部材
34 固定部材
35 注入口
36 注水口
37 透過水出口
40 透過水槽
41 逆洗水槽
42 濃縮水槽
43、44 ポンプ
50 透過水の出口
X 原水
Y 回収水
Z 濃縮水
Claims (9)
- 多孔質膜を備える膜モジュールを用いた重力ろ過方式で水を処理する水処理方法であって、
原水を供給する原水供給工程と、
原水供給工程により供給された原水に含有される粒子成分のうち、前記多孔質膜の孔径の0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化する特定成分低減化工程と、
前記特定成分低減化工程に付された原水を膜モジュールに供給して処理するろ過工程と、
を含むことを特徴とする水処理方法。 - 前記特定成分低減化工程において、特定成分を30%以下に低減する請求項1に記載の水処理方法。
- 前記膜モジュールに用いられる多孔質膜は、0.01〜0.1μmの孔を有する樹脂膜により構成されたものとする請求項1又は2に記載の水処理方法。
- 前記膜モジュールに用いられる多孔質膜は、2〜10mmの内径を有する中空糸膜により構成されたものとする請求項1〜3のいずれか1つに記載の水処理方法。
- 前記膜モジュールに用いられる多孔質膜は、0.1〜1.7mmの膜厚である請求項1〜4のいずれか1つに記載の水処理方法。
- 前記膜モジュールに用いられる多孔質膜は、ポリ塩化ビニル、ポリアルキレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール、ポリアセタール、ポリビニルブチラール及びポリビニルアルコールからなる群より選択される1種以上の樹脂又はこれらの樹脂に由来する構造単位を含んで構成される請求項1〜5のいずれか1つに記載の水処理方法。
- 前記ろ過工程において、前記特定成分低減化工程に付された原水を、5〜500kPaの膜間差圧を負荷してろ過する請求項1〜6のいずれか1つに記載の水処理方法。
- 前記ろ過工程において、前記特定成分低減化工程に付された原水を、0.01〜1m/秒の流速で前記膜モジュールに供給する請求項1〜7のいずれか1つに記載の水処理方法。
- 多孔質膜を備える膜モジュールを用いた重力ろ過方式で水を処理する水処理システムであって、
原水を供給する原水供給手段と、
該原水供給手段から供給される原水に含有される粒子成分のうち、前記多孔質膜の孔径の0.1〜20倍の粒径を有する粒子成分を低減化する特定成分低減化手段と、
前記粒子成分が低減化された原水を処理するろ過手段とを備えることを特徴とする水処理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014230989A JP2016093781A (ja) | 2014-11-13 | 2014-11-13 | 水処理方法及び水処理システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014230989A JP2016093781A (ja) | 2014-11-13 | 2014-11-13 | 水処理方法及び水処理システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016093781A true JP2016093781A (ja) | 2016-05-26 |
Family
ID=56070349
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014230989A Pending JP2016093781A (ja) | 2014-11-13 | 2014-11-13 | 水処理方法及び水処理システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016093781A (ja) |
-
2014
- 2014-11-13 JP JP2014230989A patent/JP2016093781A/ja active Pending
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