JP2016091784A - 拡散層の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】拡散層に含まれる劣化抑制剤の溶出性を確認する。【解決手段】燃料電池用セルを構成する膜電極接合体に用いられ、電解質の劣化抑制剤を含有する拡散層を検査するための方法であって、拡散層を酸性溶液に浸漬し、拡散層から酸性溶液に溶出した劣化抑制剤の量を測定する測定工程と、測定工程において測定された劣化抑制剤の量が、許容範囲から逸脱する場合に、その拡散層を、燃料電池用セルへの組込対象部品から除外することを決定する除外決定工程と、を含む。【選択図】図3
Description
本発明は、電解質膜の劣化抑制剤を含有する拡散層を検査するための検査方法に関する。
固体高分子型燃料電池は、通常、電解質となる高分子膜の両側にそれぞれ燃料極、酸素極となる一対の電極(触媒層及び拡散層)が設けられ膜電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)を構成する。この膜電極接合体をセパレータで挟持した単セルが発電単位となる。燃料電池の発電時には、膜電極接合体の触媒層における電気化学反応により電気エネルギーが取り出され、水(H2O)が生成されるとともに、過酸化水素(H2O2)が生成されることがある。この過酸化水素は、反応性の高い過酸化物ラジカルの発生要因となり、過酸化物ラジカルは、膜電極接合体の電解質膜や触媒中の電解質を劣化させる要因となる。
下記特許文献1には、電解質膜や触媒中の電解質の劣化を抑制するために、拡散層中に過酸化物分解剤(例えば、酸化セリウム;CeO2)を含有させている。
ところで、電解質の劣化抑制剤として、例えば酸化セリウム等の金属酸化物を拡散層に含有させると、拡散層から溶出した金属イオンが、膜電極接合体中に混入することとなる。膜電極接合体中に混入する金属イオンの量が多くなると、電極における電気化学反応が阻害され、燃料電池の性能が低下する要因となる。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、拡散層に含まれる劣化抑制剤の溶出性を確認することができる拡散層検査方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る拡散層の検査方法は、燃料電池用セルを構成する膜電極接合体に用いられ、電解質の劣化抑制剤を含有する拡散層を検査するための方法であって、前記拡散層を酸性溶液に浸漬し、前記拡散層から前記酸性溶液に溶出した前記劣化抑制剤の量を測定する、又は前記拡散層の撥水性細孔比率を測定する測定工程と、前記測定工程において測定された前記劣化抑制剤の量又は前記撥水性細孔比率が許容値以内である場合に、前記燃料電池用セルを構成する部品として、前記拡散層を採用することを決定する採用決定工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、拡散層に含まれる劣化抑制剤の溶出性を確認することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る拡散層検査方法の好適な実施形態について説明する。
本発明に係る拡散層検査方法を説明する前に、燃料電池について簡単に説明する。燃料電池は、例えば、固体高分子型燃料電池であり、多数の単セルを積層したスタック構造となっている。単セルは、電解質となる高分子電解質膜と、高分子電解質膜を両側から挟み込むように設けられる一対の電極(触媒層及び拡散層)とからなる膜電極接合体と、膜電極接合体を両側から挟み込むように設けられる一対のセパレータとを有する。
拡散層には、電解質膜や触媒中の電解質の劣化を抑制するために、劣化抑制剤を含有させている。劣化抑制剤として、例えば、CeO2、CePO4、CeF3、Ru、Ag,RuO2、WO3、FeO4,CrPO4、ALPO4、FeF3,Fe−ポリフィン、Co−ポリフィン等の過酸化物分解剤を用いることができる。
劣化抑制剤として、例えば、セリウム(Ce)を添加した場合には、時間の経過とともに拡散層からセイウムイオンが溶出し、その溶出したセリウムイオンが、電解質膜や電極を構成する高分子中のスルホン酸基のプロトンとイオン交換することとなる。これにより、電解質膜のプロトン導電性が阻害され、電極における電気化学反応が阻害されるため、燃料電池の性能が低下する要因となる。
本願発明者は、拡散層から溶出するセリウムイオンの量が多くなると、燃料電池の性能が劣化することに着目し、製造した拡散層からのセリウムイオンの溶出性を確認することができれば、燃料電池の性能を劣化させてしまう拡散層を特定し、その後の単セル組み立て工程から除外することができるとの知見に基づき、本願発明に想到した。
以下に、拡散層からのセリウムイオンの溶出性を確認する二つの方法について、第1実施形態及び第2実施形態として順次説明する。
[第1実施形態]
まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態における拡散層の検査方法について説明する。
まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態における拡散層の検査方法について説明する。
図1は、拡散層に添加した酸化セリウム(CeO2)の割合[%]と、拡散層を浸漬した後の水溶液中に含まれるセリウムイオンの量[μg/L]との関係を示す図である。図1に示すセリウムイオンの量は、拡散層単品を、80[℃]にしたpH3の硫酸水溶液に、40時間浸漬した後に、水溶液中に含まれるセリウムイオンの量を、ICP(Inductively Coupled Plasma)を利用した分析法によって測定したものである。なお、拡散層を浸漬する水溶液は、pH3の硫酸水溶液であることには限定されず、pH3〜4の酸溶液であってもよい。
図1に示すように、拡散層に添加する酸化セリウムの割合が減少するほど、浸漬後の水溶液中に含まれるセリウムイオンの量が減少する関係にあることがわかる。本願発明者による実験の結果、酸化セリウムの添加割合をX3[%]にしたときのセリウムイオンの溶出量であれば、燃料電池の劣化が許容範囲に収まるのに対し、酸化セリウムの添加割合をX4[%]にしたときのセリウムイオンの溶出量になると、燃料電池の劣化が許容範囲を逸脱することが判明した。そこで、酸化セリウムの添加割合をX3[%]とX4[%]との間にしたときのセリウムイオンの溶出量を許容上限値に設定し、拡散層の合否を判定することとした。図1では、許容上限値として、例示的に、19[μg/L]を設定した。
図2は、ロット毎に抜き出したアノード側の拡散層を、上記許容上限値に基づいて検査した結果を示す図である。ロット1〜5から抜き出した拡散層は、酸化セリウムの添加割合がX2[%]であり、比較対象として準備したロットAから抜き出した拡散層は、酸化セリウムの添加割合がX5[%]である。ロット1〜5から抜き出した拡散層は、全て許容上限値未満であることが確認され、単セルに組み込む対象部品として採用できることが判明した。一方、ロットAから抜き出した拡散層は、許容上限値を超えており、単セルに組み込む対象部品から除外すべきであることが判明した。
図3を参照して、第1実施形態における拡散層の検査方法の手順について説明する。
最初に、拡散層を製造する(ステップS101)と、その製造した拡散層を、所定条件(例えば、80[℃]、pH3)を満たした酸性溶液に所定時間(例えば、40時間)浸漬する(ステップS102)。
続いて、酸性溶液中に溶出した劣化抑制剤の量を、ICP分析法等により測定する(ステップS103)。
続いて、上記ステップS103で測定した劣化抑制剤の量が許容上限値(例えば、19[μg/L])以下であるか否かを判定する(ステップS104)。この判定がYESである場合(ステップS104;YES)には、検査した拡散層を、燃料電池用セルへの組込対象部品として採用する(ステップS105)。
一方、上記ステップS104の判定において、劣化抑制剤の量が許容上限値を超えていると判定された場合(ステップS105;NO)には、検査した拡散層を、燃料電池用セルへの組込対象部品から除外する(ステップS106)。
上述してきたように、第1実施形態における拡散層の検査方法では、劣化抑制剤の量が許容上限値を超えている拡散層を、燃料電池用セルへの組込対象部品から除外することができるため、膜電極接合体中に混入する劣化抑制剤の量を抑えることができ、燃料電池の性能低下を防止することができる。
[第2実施形態]
[第2実施形態]
次に、図4〜図5を参照して、第2実施形態における拡散層の検査方法について説明する。
図4は、拡散層に添加した酸化セリウム(CeO2)の割合[%]と、拡散層における撥水性細孔比率[%]との関係を示す図である。図4に示す撥水性細孔比率は、コンタクトポロシメトリ法を用いて、拡散層における撥水性を検査することで算出したものである。
ここで、セリウムイオンの溶出量は、拡散層の撥水性と相関関係があることが判明しており、拡散層の撥水性は、撥水性細孔比率が高くなるほど、撥水性が高くなる関係にある。したがって、第2実施形態では、図4に示すように、拡散層の撥水性細孔比率が、許容下限値以上である場合に、その拡散層を単セルに組み込む対象部品として採用できると判定し、拡散層の撥水性細孔比率が、許容下限値未満である場合に、その拡散層を単セルに組み込む対象部品から除外すべきであると判定することとした。
図5を参照して、第2実施形態における拡散層の検査方法の手順について説明する。
最初に、拡散層を製造する(ステップS201)と、その製造した拡散層の撥水性細孔比率を、コンタクトポロシメトリ法等により測定する(ステップS202)。
続いて、上記ステップS202で測定した撥水性細孔比率が許容下限値(例えば、87[%])以上であるか否かを判定する(ステップS203)。この判定がYESである場合(ステップS203;YES)には、検査した拡散層を、燃料電池用セルへの組込対象部品として採用する(ステップS204)。
一方、上記ステップS203の判定において、撥水性細孔比率が許容下限値未満であると判定された場合(ステップS204;NO)には、検査した拡散層を、燃料電池用セルへの組込対象部品から除外する(ステップS106)。
上述してきたように、第2実施形態における拡散層の検査方法では、撥水性細孔比率が許容下限値に満たない拡散層を、燃料電池用セルへの組込対象部品から除外することができるため、膜電極接合体中に混入する劣化抑制剤の量を抑えることができ、燃料電池の性能低下を防止することができる。
なお、上述した各実施形態では、拡散層の撥水性を撥水性細孔比率により表しているが、拡散層の撥水性を表すものは、これに限定されない。例えば、拡散層の撥水性を、拡散層上に形成される水滴の接触角により表すこととしてもよい。例えば、エタノール及び水の混合液を拡散層上に落としたときに形成される水滴の接触角に応じて拡散層の撥水性を表すこととしてもよい。この場合、接触角が大きいほど、撥水性が高くなる関係となるため、接触角が許容下限値に満たない拡散層を、燃料電池用セルへの組込対象部品から除外することとなる。
Claims (1)
- 燃料電池用セルを構成する膜電極接合体に用いられ、電解質の劣化抑制剤を含有する拡散層を検査するための方法であって、
前記拡散層を酸性溶液に浸漬し、前記拡散層から前記酸性溶液に溶出した前記劣化抑制剤の量を測定する、又は前記拡散層の撥水性細孔比率を測定する測定工程と、
前記測定工程において測定された前記劣化抑制剤の量又は前記撥水性細孔比率が、許容範囲から逸脱する場合に、前記拡散層を、前記燃料電池用セルへの組込対象部品から除外することを決定する除外決定工程と、
を含む拡散層の検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014224607A JP2016091784A (ja) | 2014-11-04 | 2014-11-04 | 拡散層の検査方法 |
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JP2021089817A (ja) * | 2019-12-03 | 2021-06-10 | トヨタ自動車株式会社 | 膜電極接合体の製造方法、および膜電極接合体 |
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2014
- 2014-11-04 JP JP2014224607A patent/JP2016091784A/ja active Pending
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JP2021089817A (ja) * | 2019-12-03 | 2021-06-10 | トヨタ自動車株式会社 | 膜電極接合体の製造方法、および膜電極接合体 |
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