JP2016091004A - 非線形光学顕微鏡装置、情報取得方法 - Google Patents

非線形光学顕微鏡装置、情報取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 Z方向の試料の分布情報を迅速に取得することができる非線形光学顕微鏡装置を提供する。
【解決手段】 非線形光学顕微鏡装置100は、レーザー光を集光したスポットとして試料5に照射する照射手段1と、スポットの照射位置をXY方向に走査するXY走査手段と、スポットの照射位置から発せられる光を検出する光検出手段3と、を有する。非線形光学顕微鏡装置100は、選択されたn種(nは2以上の整数)の波長のレーザー光を用いて、XY走査手段によってスポットを走査してn個の2次元分布データを取得する。非線形光学顕微鏡装置100は、スポットの照射位置をZ方向に走査するZ走査手段をさらに有し、選択されたm種(m<n;mは1以上の整数)の波長のレーザー光を用いて、Z走査手段によってスポットを走査してZ走査方向に沿った光の強度の1次元分布データを取得する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非線形光学顕微鏡装置、レーザー光を用いた試料情報取得方法等に関する。
試料の成分分析のために、試料中の所定の位置にレーザー光をスポットとして集光照射し、その光学的特性を評価する技術がある。
非特許文献1では、レーザー光の波長を掃引しながらレーザー光の照射位置をXY方向に走査することで、ラマンスペクトルの2次元分布を取得する誘導ラマン散乱顕微鏡が提案されている。取得したラマンスペクトルの2次元分布である多次元データを、多変量解析によって解析することによって、試料中の成分分布を示す2次元画像データを生成することができる。
また、非特許文献1では、レーザー光の照射位置を試料の深さ方向に変化させてZ座標の異なる複数のラマンスペクトルの2次元分布を取得する方法も提案されている。
従来の非線形光学顕微鏡装置においては、試料を顕微鏡装置の試料ステージ上に載置した後、試料が存在する高さ(Z座標)が不明であった。そのため顕微鏡装置の操作者は、試料ステージを少しずつ動かしながら顕微鏡画像を逐次確認することによって、観察を行うために適切な合焦位置を探索していた。
非特許文献1に記載の誘導ラマン散乱顕微鏡装置では、ラマンスペクトルの2次元分布データの取得と2次元画像データの生成とを、適切な合焦位置を見つけるまで何度も繰り返す必要があり、合焦位置の決定までに多大な時間を要していた。
そこで本発明は上述の課題に鑑み、Z方向の試料の分布情報を迅速に取得することができる非線形光学顕微鏡装置の提供を目的とする。
本発明の非線形光学顕微鏡装置は、波長選択可能なレーザー光を、集光したスポットとして試料に照射する照射手段と、前記照射手段によって照射された前記レーザー光の前記スポットの照射位置をXY方向に走査するXY走査手段と、前記スポットの照射位置から発せられる光を検出する光検出手段と、を備え、選択されたn種(nは2以上の整数)の波長のレーザー光を用いて、前記XY走査手段によって前記スポットをXY方向に走査しつつ前記光を前記光検出手段によって検出し、前記光の強度が前記スポットの照射位置のXY座標ごとに格納されたn個のXY2次元分布データを取得する非線形光学顕微鏡装置であって、前記照射手段によって照射された前記レーザー光の前記スポットの照射位置をZ方向に走査するZ走査手段をさらに有し、選択されたm種(m<n;mは1以上の整数)の波長のレーザー光を用いて、前記Z走査手段によって前記スポットをZ方向に走査しつつ前記光を前記光検出手段によって検出し、前記光の強度が前記スポットの照射位置のZ座標ごとに格納された1次元分布データを取得することを特徴とする。
本発明によれば、Z方向の試料の分布情報を迅速に取得することができる非線形光学顕微鏡装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る非線形光学顕微鏡装置の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る非線形光学顕微鏡装置の合焦モードにおける動作を示すフローチャートである。 (a)は第1の実施形態に係る検波信号の挙動を示す模式図、(b)および(c)は第3の実施形態に係る検波信号の挙動を示す模式図、(d)は第4の実施形態に係る検波信号の挙動を示す模式図である。 第5の実施形態に係る非線形光学顕微鏡装置の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の非線形光学顕微鏡装置に係るいくつかの実施形態について説明する。なお、これらの実施形態は本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれらの実施形態にて説明する各種構成のみに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る非線形光学顕微鏡装置100(以下、「装置100」と称する)の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る装置100を含む非線形光学顕微鏡システムを示している。ここで、本実施形態に係る装置100は、非線形光学効果の一種である誘導ラマン散乱を利用した誘導ラマン散乱顕微鏡装置である。
図1に示すように、本実施形態に係る装置100は、照射手段1と、試料ステージ2と、光検出手段3と、制御部4と、試料ステージ制御部21と、を有する。
照射手段1は、第1の光源11と、第2の光源12と、変調手段13と、合波部14と、光スキャナ15と、第1の対物レンズ16と、を有する。照射手段1は、第1の光源11から出射された第1のレーザー光と、第2の光源12から出射された第2のレーザー光とを合波して照射光とする。そしてこの照射光を集光し、試料5中にスポットとして照射する手段である。なお、本実施形態では2種類のレーザー光を合波して照射光とする構成について説明するが、照射光は単一のレーザー光からなる光であってもよいし、3以上のレーザー光を合波して形成される光であってもよい。
第1の光源11は、第1の波長を有する第1のレーザー光を発する光源であり、第2の光源12は第2の波長を有する第2のレーザー光を発する光源である。第1の光源11は波長可変光源である。すなわち、第1のレーザー光は波長選択可能なレーザー光である。なお、本実施形態では第1の光源11のみ波長可変光源としたが、第2の光源12も波長可変光源としてもよく、第2の光源12のみを波長可変光源としてもよい。すなわち、第1のレーザー光の波長と第2のレーザー光の波長との差を選択可能な構成であればよい。このように、本実施形態に係る照射手段1は第1の波長および第2の波長の少なくとも一方を変更する波長変更手段を有する。なお第1のレーザー光および第2のレーザー光の波長は、誘導ラマン散乱現象が発生するものであれば特に限定はされず、紫外光、可視光、赤外光等、いずれの波長であってもよい。
変調手段13は、第1の光源11から出射した第1のレーザー光を強度変調する手段である。変調手段13は、例えば電気光学効果、音響光学効果、磁気光学効果、熱光学効果、非線型光学効果等を利用することによって第1のレーザー光を強度変調することができる。なお、第1の光源11がパルス発振することにより、実質的に強度変調された第1のレーザー光を発する構成としてもよい。すなわち、第1のレーザー光を強度変調する変調手段13を、第1の光源11が兼ねる構成としてもよい。
合波部14は、第1のレーザー光と第2のレーザー光とを同軸に合波し、合波レーザー光(照射光)とする部分である。合波部14は、不図示のミラー及び不図示のダイクロイックミラーを有し、第2のレーザー光を第1のレーザー光に対して同軸に合波する。あるいは、第1のレーザー光を第2のレーザー光に対して同軸に合波する構成としても良い。
光スキャナ15は、合波部14において合波された合波レーザー光の集光点(スポット)を合波レーザー光の光軸に対して垂直な平面方向(以下「XY方向」と称する)に走査する部分である。
第1の対物レンズ16は、合波部14において合波レーザー光(照射光)を集光し、スポットとして試料5中に照射する部分である。
試料ステージ2は、試料5を載置するステージである。試料5は、保持部材51によって保持された状態で試料ステージ上に載置される。これにより、試料5を第1の対物レンズ16と第2の対物レンズ31(後述)との間に配置する。
保持部材51は、ガラスなどの第1のレーザー光および第2のレーザー光の透過率の高い材質の部材であることが好ましい。保持部材51としては、典型的にはスライドガラス51bおよびカバーガラス51aを用いることができる。このとき、試料5をスライドガラス51b上に載置し、その上にカバーガラス51aを配置して試料5を保持部材51で挟む構成とする。スライドガラス51bとカバーガラス51aとによって挟まれた空間内は、水などの液体で満たしておいてもよい。また、保持部材51としてスライドガラス51bのみを用い、試料5を単にスライドガラス51b上に載置することによって保持する構成としてもよい。
光検出手段3は、照射手段1によって合波レーザー光を照射された試料5のスポットの照射位置から発せられる光を検出する部分である。光検出手段3は具体的には、試料5を透過した、あるいは試料5によって反射または散乱された光を検出する。光検出手段3は、第2の対物レンズ31と、光学フィルタ32と、検出器33と、を有する。
第2の対物レンズ31は、試料5を透過、あるいは試料5によって散乱または反射した光である光など、試料5から発せられた光を含む光を取り出す部分である。その後、第2の対物レンズ31によって取り出された光を光学フィルタ32を通過させることで、第2のレーザー光と同じ波長の光のみを通過させる。
光学フィルタ32を透過した光は、検出器33で検出され、検出器33は検出強度(信号強度)を出力する。本実施形態では、検出器33は、光電変換部331と検波部332とを有する。すなわち、光学フィルタ32を通過した光はまず、フォトダイオード等の光電変換部331で光電変換され、電気信号として出力される。そしてこの電気信号が、ロックインアンプ等の回路を有する検波部332に導入される。検波部332は、第1のレーザー光の変調信号を変調手段13から取得し、変調信号を参照信号として同期検波を行う。これにより、誘導ラマン散乱によって強度変調が生じた第2のレーザー光の中から、誘導ラマン散乱によって生じた光成分のみを検出し、検波信号として取得することができる。
制御部4は、光スキャナ15や試料ステージ2の制御を行う部分である。制御部4は、試料ステージ制御部21を制御することで試料ステージ2をZ方向(合波レーザー光の光軸方向)に移動させる。これにより、試料5と第1の対物レンズ16との距離を変化させる。これに伴って、合波レーザー光のスポットの照射位置をZ方向に走査することができる。すなわち、制御部4および試料ステージ制御部21はZ走査手段である。
また、制御部4は、光スキャナ15を制御することによって、合波レーザー光のスポットの照射位置をXY方向に走査することができる。すなわち、制御部4および光スキャナ15はXY走査手段である。
本実施形態においてはXY走査手段を制御部4および光スキャナ15、Z走査手段を制御部4および試料ステージ制御部21としたが、これに限定はされない。すなわち、制御部4および試料ステージ制御部21によって試料ステージ2をXY方向に移動させることでXY走査を行ってもよい。また、対物レンズ16をZ方向に移動可能に構成するなどの方法によって、照射手段1をZ走査手段としてもよい。
制御部4は、光検出手段3から取得した検波信号の信号強度、光スキャナ15および試料ステージ2の制御量(合波レーザー光の集光点(スポット)のXYZ座標)をもとに、各種データを生成する部分でもある。
制御部4は、各種データを処理するデータ処理部(不図示)や、各種データを一時的に記憶したり、データ処理結果や計測の際の各種条件等を記憶したりするための記憶部(不図示)を有する。
なお、本実施形態に係る装置100は透過型の非線形光学顕微鏡装置としたが、反射型の非線形光学顕微鏡装置であってもよい。
また、本実施形態に係る非線形光学顕微鏡システムは装置100の他に、画像表示部61と、指示入力部62と、を有する。
画像表示部61は、制御部4に接続され、計測結果や計測の際の各種条件等を表示する部分である。指示入力部62は、制御部4に接続され、非線形光学顕微鏡システムを使用する操作者が計測の際の各種条件等を入力する部分である。
次に、本実施形態に係る非線形光学顕微鏡システムによる画像取得の動作を説明する。
画像取得の際は、まず合波レーザー光のスポットの照射位置情報に基づいて制御部4が光スキャナ15を制御する。これにより、光スキャナ15が合波レーザー光の集光点(スポット)をXY方向に走査する。このとき、第1のレーザー光又は第2のレーザー光のうち少なくとも一方のレーザー光の波長を、光スキャナ41による走査と同期して掃引する。波長の掃引は、第1のレーザー光又は第2のレーザー光のうちどちらか一方について行えばよいが、両方のレーザー光の波長を掃引してもよい。
照射手段1によって合波レーザー光を照射した試料5のスポットの照射位置から発せられる光は、光検出手段3によって検出される。
制御部4は、スポットの照射位置情報、第1のレーザー光および第2のレーザー光の波長に関する情報、光検出手段3によって取得された検波信号等の各種データを取得する。制御部4は、これらの各種データをもとに、ラマンスペクトルの二次元分布データを生成する。
さらに制御部4は、ラマンスペクトルのXY2次元分布データを解析することによって、試料5の成分分布を示すXY2次元画像データを生成することができる。すなわち、制御部4は画像データ生成手段でもある。解析の手法としては、例えば多変量解析や機械学習などの各種解析手法を用いることができる。
ここで、「多変量解析」とは、複数の変数に関するデータをもとにして、これらの変数間の相互関連を分析する統計的な技法である。すなわち本実施形態では、例えば波数などの各スペクトル成分間の相互関連を分析することでそれぞれのスペクトルを分類し、成分に帰属することができる。このとき、各スペクトルがどの成分に帰属されるかの判断基準である基底ベクトルを用いることができる。基底ベクトルを各スペクトルに対して作用することで次元圧縮を行い、各成分に対応する基底ベクトルに対するスコアを得ることができる。なお、ここで言う「成分」は、単一の物質からなる成分であっても良いし、複数の物質の混合物からなる成分であっても良い。すなわち成分は、スペクトルを計測した試料中の特定の分子であっても良いし、スペクトルを計測した試料中の、複数の分子から構成される組織や成分であっても良い。
本実施形態に係る非線形光学顕微鏡システムにより画像を取得する際には、装置100を上記のように駆動させることによって、試料5内のラマンスペクトルのXY平面(XY2次元)分布データを取得する。
ここで、試料5内のラマンスペクトルのXY平面分布データを取得するためには、合波レーザー光のスポットの照射位置が試料5内のいずれかの位置に一致していることが必要である。しかし、合波レーザー光のスポットの照射位置が試料5内の位置に常に一致しているとは限らない。すなわち、装置100が合波レーザー光のスポットを、試料5が存在しない領域でXY走査してしまう場合もある。例えば、試料5を保持した保持部材51を試料ステージ2上に載置した直後に、画像の取得を行う場合が挙げられる。この場合、試料5からの検出信号が全く得られない領域において合波レーザー光のスポットがXY走査され、走査された平面内からは試料5内のラマンスペクトルのXY平面分布データが取得できない可能性がある。
そこで、本実施形態に係る非線形光学顕微鏡システムは、以下に説明するような合焦動作を行う。以下、上述したように装置100が画像の取得を行うモードを「画像取得モード」、装置100が合焦動作を行うモードを「合焦モード」と称する。合焦モードでの動作を行うことで、合波レーザー光のスポットの照射位置を試料5内の任意の高さ(Z座標)に一致させることができる。また、合焦モードでの動作を行った上で、画像取得モードでの動作を行うことで、試料5内の任意の高さ(Z座標)のXY平面領域におけるラマンスペクトルのXY2次元分布データを取得することができる。
画像取得モードでは、装置100は第1のレーザー光の波長を掃引し、波長をn−1回(nは2以上の整数)変更して計測を行う。すなわち、n種の波長のレーザー光を用いて計測を行い、光の強度がXY座標ごとに格納されたn個のXY2次元分布データ(n枚の多重画像)を取得する。すなわち、n個のラマンスペクトルの2次元分布データを取得する。
一方、本実施形態に係る装置100は合焦モードにおいて、nより少ないm種の波長のレーザー光を用いて計測を行うことが好ましい。すなわち、m<nであり、mは1以上の整数である。本実施形態では、このように選択されたm種の波長のレーザー光のスポットをZ方向に走査して計測を行うことで、光の強度がスポットの照射位置のZ座標ごとに格納された1次元分布データを取得する。すなわち、本実施形態に係る装置100は、上記のような1次元分布データを取得するZ方向分布取得手段を有する。
以下、本実施形態に係る装置100の合焦モードにおける動作を図2および図3を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る装置100の合焦モードにおける動作を示すフローチャートである。本実施形態に係る装置100は、合焦モードにおいて1種の波長のレーザー光を用いて計測を行う。すなわち、合焦モードにおけるレーザー光の波長選択数mが1の場合の実施形態である。
なお、本実施形態においては、誘導ラマン散乱現象を発生させるために波長の異なる2つのレーザー光を合波して集光照射する。この2つのレーザー光の波長の差分に対応する波数が、試料5中の成分の分子振動数と一致した場合に誘導ラマン散乱現象が生じる。そのため、本実施形態において合波レーザー光の波長を選択する場合は、2種類のレーザー光の波長差を選択することになる。すなわち、2つのレーザー光(第1のレーザー光および第2のレーザー光)の波長をそれぞれ選択することで、実質的に合波レーザー光の波長を1つ選択することになる。すなわち、本実施形態において「n種の波長のレーザー光」とは、2種類のレーザー光を合波した合波レーザー光においてそれぞれのレーザー光の波長差がn種類であることを指すものとする。
装置100の操作者はまず、試料5中の観察対象(成分)に応じて第1のレーザー光の波長である第1の波長および第2のレーザー光の波長である第2の波長を1つずつ選択し、指示入力部62により入力する。また、操作者は試料5の観察を行う試料5中の位置として、試料5の上面からの任意の深度Zを、指示入力部62により入力する(S201)。なお、後述するように任意の深度ZはS201において入力しなくてもよい。
第1の波長および第2の波長は、試料5からの検波信号が得られる波長であれば特に限定はされない。すなわち、第1の波長と第2の波長との差分に対応する波数が、試料5に含まれる分子の分子振動数と一致するように、各波長を選択すればよい。例えば試料5が生体試料である場合、一般に試料5には炭化水素に代表される有機物が多数含まれるため、C−H結合が豊富に存在する可能性が高い。そのため、操作者は、C−H伸縮振動が観測される波数である2800cm−1〜3100cm−1のいずれかの波数に合わせて、第1の波長および第2の波長を選択し、入力すれば良い。これにより、合波レーザー光を試料5に集光照射することで誘導ラマン散乱現象を発生させ、光検出手段3において検波信号を検出することができる。
また、試料5が生体試料である場合、試料5中には水分子が豊富に存在する。そのため、操作者は、水分子の分子振動が観測される波数である3200cm−1〜3300cm−1のいずれかの波数に合わせて、第1の波長および第2の波長を選択し、入力しても良い。これにより、合波レーザー光を試料5に集光照射することで誘導ラマン散乱現象を発生させ、光検出手段3において検波信号を検出することができる。
次に、光検出手段3は第2のレーザー光の同期検波を開始する(S202)。同期検波が開始されると、制御部4は光検出手段3から検波信号を取得する。
これを受けて制御部4は、試料ステージ2のZ方向(試料ステージ2に対して垂直な方向)への移動を開始する。これにより、試料ステージ2はZ方向の一方向に移動する(S203)。試料ステージ2の移動の際には、制御部4が試料ステージ2を連続的に移動させても良いし、段階的に移動させても良い。
なおこのとき、合波レーザー光のスポットはXY方向にも走査されていてもよいし、走査されていなくてもよい。合波レーザー光のスポットがXY方向に走査されている場合は、同一XY平面内から複数の検波信号を取得できるので、XY平面内の平均的な情報を取得できる。そのため、XY走査しない場合に比べてより信頼度の高いデータが得られるので好ましい。また、非線形光学効果を発生させるためには一般に高いエネルギーのレーザー光を集光照射するため、試料5が損傷してしまう場合がある。XY走査しながらZ走査することで、合波レーザー光のスポットが試料5中の1箇所に留まっている時間を短くすることができ、試料5の損傷リスクを低減することが可能となる。そのため、Z走査を行う場合にはXY走査を行いながらZ走査を行うことが好ましい。
なお、XY走査を行いながらZ走査を行う場合には、1つの視野内でXY走査が完了してからZ方向に走査してもいいし、1つの視野内でのXY走査の途中でZ方向への走査を行ってもよい。1つの視野内でのXY走査の途中でZ方向への走査を行うことで、1次元分布データをより高速に取得することができる。
以降、制御部4が試料ステージ2を下方から上方に向かって移動させる場合について説明する。この試料ステージ2の移動によって、試料5と第1の対物レンズ16との相対的な位置関係が変更される。これにより、合波レーザー光のスポットの照射位置がZ方向に走査される。なお、試料ステージ44を固定したまま、照射手段1を上方または下方へと移動させることで、試料5と第1の対物レンズ16との相対的な位置関係を変更してもよい。
試料ステージ2が下方から上方へ移動していくにつれ、合波レーザー光の集光点(スポット)も相対的に移動する。すなわち、この場合、合波レーザー光の集光点(スポット)は上方から下方へと移動する。
合波レーザー光の集光点(スポット)が試料5の上面(図1におけるA面)に到達すると、試料5からの検波信号が得られはじめる。これは、第1の波長と第2の波長との差分に対応する波数と、試料5に含まれる分子の分子振動数とが一致したことによって誘導ラマン散乱現象が発生するためである。
試料ステージ2をさらに下方から上方へと移動させていき、合波レーザー光のスポットが試料5の下面(図1におけるB面)に到達すると、試料5からの検波信号は得られなくなる。
試料ステージ2を下方から上方に向かって移動させた場合について、縦軸に検波信号の信号強度を、横軸に試料ステージ2のZ座標(または初期位置からの移動量)をとると、図3(a)のような信号強度プロファイルが得られる。試料5に十分な厚みがある場合、このように上端がほぼ平坦で、左右に急峻な立ち上がり部分と立ち下がり部分(エッジ)を有する形状のピークが得られる。制御部4は、この立ち上がり位置のZ座標を試料5の上面の座標Zとして記録する(S204)。すなわち、界面位置取得手段である制御部4は、上記の方法により、試料5の上面または下面の位置情報を取得することができる。
なおこのとき、同一Z座標のXY平面上において合波レーザー光のスポットをXY走査しながら計測を行った場合には、同一XY平面から得られた検波信号の信号強度を積算または平均化した値を用いて信号強度プロファイルを生成することが好ましい。これにより、XY平面内の平均的な情報を取得することができ、XY走査しない場合に比べてより信頼度の高い信号強度プロファイルを取得することができる。また、エッジの立ち上がり位置は、あらかじめ設定されたしきい値を超えた位置とすることが好ましい。また、エッジの立ち下がり位置についても同様に、あらかじめ設定されたしきい値を下回った位置とすることが好ましい。あるいは、信号強度プロファイルにおける信号強度の変化率、すなわちエッジの立ち上がりおよび立ち下がりの急峻さに基づいて、エッジの立ち上がりおよび立ち下がりの位置を判定してもよい。
次に制御部4は、S201において任意の深度Zが入力されたか否かを確認する(S205)。深度Zが入力されている場合(S205においてYes)、以降のステップ(S206〜S208)を省略し、S209へと移行する。
深度Zが入力されていない場合(S205においてNo)、制御部4は試料ステージ2をさらに移動させていき、検波信号の立ち下がり位置のZ座標を試料5の下面の座標Zとして記録する(S206)。その後、試料ステージ2の移動を停止する(S207)。
制御部4はS204とS206とで記録した試料5の上面の座標Zと下面の座標Zをもとに、上面の座標Zからの任意の深度Zとして設定可能な数値範囲を算出し、装置100の操作者に提示する。すなわち、Z−Zを計算し、深度Zの上限値として装置100の操作者に知らせる。ここで、Z−Zは試料5のZ方向の厚みに相当する。これにより、後述する合焦位置の決定ステップにおいて、試料5の外側に合焦位置が決定されることを避けることができる。装置100の操作者は、提示された深度Zの設定可能範囲に基づいて深度Zを入力する。
次に、制御部4は試料5の上面の座標Zと、操作者が入力した深度Zとを用いて合波レーザー光のスポットのZ方向における照射位置(Z座標)を決定する(S209)。すなわち、制御部4は、Z+Zを合波レーザー光のスポットのZ座標として決定し、記録する。すなわち、合焦位置決定手段である制御部4は、上記の方法により、試料5の任意の深度に対応するZ座標を合焦位置として決定することができる。
続いて制御部4は試料ステージ2をS209において決定したZ座標であるZ+Zに移動させ(S210)、一連の動作が終了する。
図2では、試料ステージ2を下方から上方へ向かって移動させる場合のフローチャートを示したが、試料ステージ2を上方から下方に向かって移動させてもよい。この場合、検波信号の立ち上がりの位置が試料5の下面の位置に相当し、検波信号の立ち下がりの位置が上面の位置に相当する。そのため図2において、S204でZを記録し、S206ではZを記録するようにすればよい。
また本実施形態では、試料ステージ2上に試料5を載置した後、合波レーザー光のスポットが試料5内に存在しない場合について説明した。すなわち、試料ステージ2を下げた状態で試料5を載置したものとした。しかし、試料5の厚みが厚い場合などには、試料ステージ2上に試料5を載置した後、試料ステージ2を移動させる前に、合波レーザー光のスポットが試料5の内部に存在する場合もある。この場合はS202において、第2のレーザー光の同期検波の開始とともに検波信号が得られる。この場合はS204をスキップしてもよい。なおこのとき、装置100は、装置100の操作者が入力した試料5の上面からの深度Zを試料5の下面からの深度Z´として記録し直してもよいし、装置100の操作者に試料5の下面からの深度Z´を再入力するように知らせてもよい。
以上のように本実施形態に係る装置100は、合焦モードにおいて画像取得モードよりも少ない種類数のレーザー光を用いて計測を行うため、画像取得モードと同じ種類数のレーザー光を用いてZ方向にも計測を行う場合に比べて高速に計測を行うことができる。これにより、Z方向の試料の分布情報を迅速に取得することができる。例えば、画像取得モードにおける波長数nが91である場合、本実施形態によればZ方向の試料の分布情報を取得するのに要するのに要する時間を、少なくとも1/91倍に短縮することができる。
また、本実施形体に係る装置100はさらに界面位置取得手段を有することで、Z方向の試料の分布情報に基いて試料界面の位置情報を取得することができる。これにより、試料界面の位置を基準とした、試料5中の任意深度に合焦位置を決定することができる。さらに、決定した合焦位置に基いて試料ステージ2を移動させ、画像取得モードで画像取得を行うことで、試料5中の任意深度における画像取得を行うことができる。
なお本実施形態では、合焦モードにおいては画像取得モードにおいて行うような多変量解析などの解析処理を行わずにZ走査方向に沿った信号強度の1次元分布データを取得するため、データ処理に要する時間も大幅に短縮することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態として、合焦モードにおいてm種類(mは2以上の整数)のレーザー光(合波レーザー光)を用いて計測を行う実施形態について説明する。本実施形態に係る非線形光学顕微鏡装置の構成は、第1の実施形態で説明した装置100と同じ構成である。
第1の実施形態では1種類のレーザー光を用いて計測を行うため、同一Z座標のXY平面内の各点から、検波信号の信号強度がそれぞれ取得される。そのため、同一XY平面内の各点から取得された信号強度の平均値を取得することで、XY平面ごとの信号強度に変換することができる。第1の実施形態では、これを異なるZ座標ごとに行うことで、Z軸方向(Z走査方向)に沿った信号強度プロファイルを取得する。
一方、2種類以上のレーザー光を用いて計測を行う場合は、同一のZ座標におけるXY平面内の各点から、m次元のスペクトルがそれぞれ取得される。すなわち、1つのXY平面からはm個の2次元分布データが取得できる。
このデータを用いて第1の実施形態と同様にZ走査方向に沿った信号強度プロファイルを取得する方法として、2つの方法を説明する。
第1の方法としては、まず、m次元のスペクトルのそれぞれについて、合波レーザー光の各波長に対応する信号強度の平均値を算出する。すなわち、同一座標からの光の信号強度を平均化することによって、1つの信号値に変換する。その後、第1の実施形態の場合と同様に、同一Z座標のXY平面内の各点の信号強度(平均値)を平均化することによって、そのZ座標の全体的な平均信号強度とする。
第2の方法としては、多変量解析などの解析方法によって、取得したm個の2次元分布データを用いて2次元画像データを生成し、その画像を画像処理することによってZ走査方向に沿った信号強度プロファイルを取得する方法がある。すなわち、生成した2次元画像データのコントラスト値などを、Z座標ごとの信号強度として記録していく方法である。なお、2次元画像データを生成する方法としては、例えば多変量解析によって予め用意された基底ベクトルを用いて各スペクトルのスコア値を算出することで、スコアプロットを生成する方法がある。
なお、合焦モードにおいて用いるm種類のレーザー光は、Z座標ごとに同じ種類であってもよいし、Z座標ごとに異なる種類であってもよい。すなわち、第1のZ座標において波長Aおよび波長Bおよび波長Cの3種類のレーザー光を用いて計測を行ったとする。この場合、第1のZ座標とは異なる第2のZ座標においては、波長A〜Cを用いて計測を行ってもよいし、波長A〜Cとは異なる波長D〜Fを用いて計測を行ってもよい。
以上のように本実施形態に係る装置100は、合焦モードにおいて画像取得モードよりも少ない種類数のレーザー光を用いて計測を行うため、画像取得モードと同じ種類数のレーザー光を用いてZ方向にも計測を行う場合に比べて高速に計測を行うことができる。これにより、Z方向の試料の分布情報を迅速に取得することができる。具体的には、本実施形態によれば、Z方向の試料の分布情報を取得するのに要する時間を、少なくともm/n倍に短縮することができる。
また、本実施形態にかかる合焦モードにおいては、m次元スペクトルの2次元分布データを解析することによって2次元画像データを生成することもできる。そのため、装置100の操作者は、Z座標ごとのXY画像を大まかに確認することができる。したがって、本実施形態によれば、深度毎の大まかなXY画像を確認した上で、画像取得モードにおいて画像取得を行う試料5中の任意の深度Zを決定することもできる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態では、Z走査手段によって合波レーザー光のスポットの照射位置をZ方向に走査することによって、図3(a)に示すような信号強度プロファイル(1次元分布データ)を取得する。図3(a)は、試料5の近傍において合波レーザー光のスポットの照射位置をZ方向に走査した場合に得られる信号強度プロファイルである。
本実施形態では、合波レーザー光のスポットの照射位置を、試料5の近傍のみならず、保持部材51の近傍においても走査する。本実施形態に係る非線形光学顕微鏡システムの構成については、第1の実施形態と同様であるので省略する。
以降、第1の実施形態と同様に、制御部4が試料ステージ2を下方から上方に向かって移動させる場合について説明する。この試料ステージ2の移動によって、試料5および保持部材51と第1の対物レンズ16との相対的な位置関係が変更される。これにより、合波レーザー光のスポットの照射位置がZ方向に走査される。なお、試料ステージ44を固定したまま、照射手段1を上方または下方へと移動させることで、試料5および保持部材51と第1の対物レンズ16との相対的な位置関係を変更してもよい。
本実施形態では、Z方向への走査の開始前に、試料ステージ44を十分に下方へ移動させておく。すなわち、第1の対物レンズ16と保持部材51との間の距離を十分に確保しておく。これにより、合波レーザー光のスポットの照射位置の初期位置が、カバーガラス51bの上方に位置するようにする。
試料ステージ44の上方への移動を開始し、合波レーザー光のスポットの照射位置がカバーガラス51bの界面に到達すると、カバーガラス51bの界面からの検波信号Gが得られる(図3(b))。この現象は、スライドガラス51aの界面においても同様に発生し、検波信号Gが得られる。誘導ラマン散乱は、波長の異なる2つのレーザー光のそれぞれの波長の差分に対応する波数が試料5中の成分の分子振動数と一致した場合に発生する。しかし、スライドガラス51aおよびカバーガラス51bの界面、すなわち保持部材界面(ガラス面)からの検波信号GおよびGは、合波レーザー光の波長に依存せずに得られる。また、検波信号GおよびGの信号強度は、試料5から得られる誘導ラマン散乱由来の検波信号A〜Bよりも小さい。
従って、保持部材界面からの検波信号は、誘導ラマン散乱とは異なる現象に由来した信号であると考えられる。この検波信号が生じる原因としては、以下の原因が考えられる。
第1に、移動する合波レーザー光のスポットの照射位置がガラス中と液体中との間、またはガラス中と空気中との間を推移する際の非線形屈折率変化による現象が考えられる。すなわち、保持部材界面において誘導ラマン散乱以外の非線形光学効果が発生しているためであると考えられる。第2に、保持部材界面において合波レーザー光の少なくとも一部が反射されることによって、合波レーザー光の強度が変化することが考えられる。あるいは、これらの両方の現象に由来すると考えられる。
試料ステージ44を下方から上方に向かって移動させた場合について、縦軸に検波信号の信号強度を、横軸に試料ステージ44の初期位置からの移動量をとると、図3(b)のような信号強度プロファイルが得られる。上述のように、この信号強度プロファイルには、GやGのようなやや小さいピークと、A〜Bのような、GおよびGよりも信号強度が大きく、上端がほぼ平坦で、左右に急峻な立ち上がり部分と立ち下がり部分(エッジ)を有する形状のピークとが現れる。取得した信号強度プロファイル(1次元分布データ)をもとに、制御部4は、ピークの強度や検出順序などを判断基準として、保持部材51のZ方向における位置情報を取得することができる。
このように、保持部材51を含む範囲でZ走査手段によって1次元分布データを取得することで、カバーガラス51aやスライドガラス51bの位置情報を取得することができる。
本実施形態に係る非線形光学顕微鏡システムでは、保持部材51の位置情報を用いることで、例えば試料ステージ44の可動範囲を制御することができる。すなわち、例えば図3(c)のようにカバーガラス51aの界面の検波信号GがZ座標ZG1において検出されたら、試料ステージ44の可動範囲の上限を(ZG1+WD)より小さくなるように設定する。ここで、WDは第1の対物レンズ16の作動距離、すなわち、第1の対物レンズ16の下端と合波レーザー光のスポットとの間の距離である。これにより、第1の対物レンズとカバーガラス51aとが衝突することを避けることができる。
あるいは、保持部材51の界面位置からの任意深度を指定することで、カバーガラス51aとスライドガラスbとの間の任意の位置に合焦位置を決定することもできる。
また、図3(c)のように、カバーガラス51aの界面のみを検出する構成とすることによって、試料5の損傷を避けることができる。上述のように、非線形光学効果を発生させるためには一般に高いエネルギーのレーザー光を集光照射するため、試料5が損傷してしまう場合がある。そこで図3(c)のように、合焦モードにおいてはカバーガラス51aの界面のみを検出して合波レーザー光のスポットを試料5に照射せず、カバーガラス51aの界面の位置情報を用いて合焦位置を決定する。そして、合焦モードで決定した合焦位置において画像取得モードによって試料5からの情報取得を行う。これにより、試料5の損傷のリスクを低減することができる。
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、試料5において非線形光学効果が発生する波長にレーザー光の波長を設定して、1次元分布データを取得する。また、第3の実施形態では試料5だけでなく、カバーガラス51aやスライドガラス51bの位置情報も取得する。
第4の実施形態では、試料5において非線形光学効果が発生しない波長にレーザー光の波長を設定して、1次元分布データを取得する。このとき、第3の実施形態と同様に、保持部材51及び試料5を含む範囲でZ走査手段によって1次元分布データを取得する。なお、本実施形態に係る非線形光学顕微鏡システムの構成については、第1の実施形態と同様であるので省略する。また本実施形態における該装置の動作は、第3の実施形態と同様であるので省略する。
第3の実施形態で説明したように、スライドガラス51aおよびカバーガラス51bの界面、すなわち保持部材界面(ガラス面)からの検波信号GおよびGは、合波レーザー光の波長に依存せずに得られる。そのため、試料5において非線形光学効果が発生しない波長にレーザー光の波長を設定して、保持部材51及び試料5を含む範囲で1次元分布データを取得すると、図3(d)に示すような信号強度プロファイルが得られる。
このように、試料5において非線形光学効果が発生しない波長にレーザー光の波長を設定することによって、保持部材界面(ガラス面)から発せられる検波信号のみを選択的に抽出することが可能となる。
第3の実施形態では、保持部材51の界面位置からの任意深度を指定することで、カバーガラス51aとスライドガラスbとの間の任意の位置に合焦位置を決定することができる。ここで、試料5が複数の界面を有する場合には、1次元分布データを取得するとその界面の数だけ類似ピークが取得される可能性がある。そのため、どのピークが試料5の界面に由来するピークであり、どのピークが保持部材51に由来するピークであるかを識別することが困難な場合がある。
一方、本実施形態によれば、保持部材界面(ガラス面)から発せられる検波信号のみを選択的に抽出することが可能なため、カバーガラス51aとスライドガラス51bの位置を容易に特定することができる。その結果、カバーガラス51aとスライドガラス51bとの間の任意の位置に合焦位置を決定することができる。試料5の種類によっては試料5由来の信号強度がガラス面由来の信号強度と同程度の場合もあり得るため、このような試料を観察する場合に特に有効である。
本実施形態では、レーザー光の波長を試料5の光吸収係数が小さい波長に設定することによって、レーザー光を照射することによる試料5の損傷を抑制しつつ、カバーガラス51aとスライドガラス51bの位置を取得することもできる。
第1の実施形態で説明したように、第1のレーザー光および第2のレーザー光の波長は、非線形光学効果が発生するものであれば特に限定はされず、紫外光、可視光、赤外光等、いずれの波長であってもよい。中でも、レーザー光の波長を例えば近赤外域の波長にすることで、レーザー光を照射することによる試料5の損傷の度合いを相対的に低減させることができる。さらに、近赤外域の波長中でも、水や有機化合物、ヘモグロビン等の生体試料に多く含まれる成分による光吸収が小さい波長のレーザー光を用いることによって、試料の損傷をさらに抑制することができる。例えば、700nm以上800nm以下の波長光は、水およびヘモグロビンにほとんど吸収されないため、特に好ましい。このような波長を選択すれば、試料への損傷を抑制しながら、保持部材51の位置を取得することができる。
第3の実施形態で説明したように、カバーガラス51aの界面のみを検出する構成とすることでも、試料5の損傷を避けることは可能である。しかし、カバーガラス51aとスライドガラス51bとの間の任意の位置に合焦位置を決定したい場合には、スライドガラス51bの位置も取得することが必要である。本実施形態ではカバーガラス51aおよびスライドガラス51bを含む一連のプロファイルを一度に測定できるため、測定に要する時間を短縮することができ好ましい。
(第5の実施形態)
第5の実施形態として、本発明に係る装置100の合焦モードにおける動作を、XY方向により広い領域についての計測である広域計測へ応用した場合の動作を、図4を用いて説明する。前述の通り、本発明に係る装置100は、光スキャナ15によって合波レーザー光のスポットの照射位置をXY走査することによってXY平面内での計測を行い、画像を取得する。光スキャナ15によって走査可能な範囲よりも広い領域の画像を取得する場合、試料ステージ制御部21が試料ステージ2をXY方向に移動させ、各々のXY座標において画像を取得する。広域計測においては、このようにして得られた複数の画像を貼り合わせる(タイリング)処理を施すことによって、大きな領域の画像を取得する。
まず装置100の操作者は、X方向、Y方向それぞれについて、計測を行う領域の数を入力する(S401)。例えばX方向に20枚、Y方向に10枚というように、タイリングの枚数を方向ごとに指定して入力する。入力する領域の数は特に限定はされず、任意の自然数を入力することができる。あるいは、X方向に1mm、Y方向に1mmというように、計測を行いたい領域のサイズを直接入力し、入力されたサイズをもとに制御部4が計算を行い、領域の数に換算してもよい。
次に、試料ステージ制御部21が試料ステージ2を所定のXY座標へ移動させる(S402)。なお、複数の計測領域のうち最初の計測領域へ移動する場合は、試料ステージ制御部21は、装置100の操作者が初期XY座標として予め入力した座標へと試料ステージ2を移動させる。そして、2つ目以降の計測領域へ移動する場合は、初期XY座標と計測領域の数に基づいて移動する座標を制御部4が決定し、試料ステージ制御部21はその座標へと試料ステージ2を移動させる。そのため、操作者によるXY座標の入力は最初の1回のみでよい。
試料ステージ2の所定のXY座標への移動が完了すると、本実施形態に係る装置100は、試料5中の任意のZ座標への合焦動作を行う(S403)。このとき装置100は、第1の実施形態および第2の実施形態で説明した合焦モードにおける動作を行う。S402およびS403の動作によって、試料ステージ2を特定のXYZ座標に移動させることができる。これにより、合波レーザー光のスポットの照射位置を規定することができる。
次に、装置100は画像取得モードにより画像取得を行う(S404)。計測領域における画像の取得が完了したら、制御部4はS401で操作者が入力した計測を行う領域の数だけ画像を取得したかどうかを判定する(S405)。所定数の領域から画像を取得していない場合は(S405においてNo)、S402へと戻り、次の計測領域へと試料ステージ2を移動し、前述した合焦動作(S403)と画像取得(S404)を継続する。すなわち、それぞれの計測領域へと試料ステージ2を移動させるごとに逐次合焦動作を行い、特定のZ座標の画像を取得する。一方、所定数の計測領域からの画像の取得が完了した場合は(S405においてYes)、画像の取得動作を終了し、S406へと移行する。
次に、制御部4は取得した所定の数の画像を貼り合わせる、タイリング処理を行う(S406)。これにより、1回の計測で取得できるサイズの画像よりも広域の画像を得ることができる。
このように計測領域に試料ステージ2を移動させるごとに、逐次合焦動作を行ってから画像の取得を行うことで、測定領域ごとに試料の上面または下面からの高さのずれがない滑らかな広域画像を取得することが可能となる。これは、試料5が厚みのある試料である場合やうねりを有する試料である場合に特に有効である。
なお、本実施形態では計測領域を移動させるごとに逐次合焦動作を行い、広域計測を行う場合について説明したが、合焦動作は毎回行わなくてもよい。例えば、タイリング後の広域画像の四隅に相当する計測領域においてのみ合焦動作を行い、それ以外の計測領域については合焦動作を行わずに(S403をスキップ)、画像の取得を行ってもよい。この場合、まずタイリング後の広域画像の四隅に相当する計測領域において合焦動作を行い、制御部4が各計測領域における合焦位置のZ座標を取得する。その後、制御部4は取得した4つのZ座標の平均値を算出する。このようにして取得した平均Z座標において、全ての計測領域における画像取得を行ってもよい。これにより、計測領域ごとに合焦動作を毎回行うよりも高速に、広域計測を行うことができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
上述した実施形態では非線形光学顕微鏡装置として、誘導ラマン散乱を利用した誘導ラマン散乱顕微鏡について説明したが、これに限定はされない。すなわち、本発明に係る非線形光学顕微鏡装置は、レーザー光の波長を掃引する等して複数種類の波長のレーザー光を使用し、レーザー光のスポットにおける非線形光学効果を検出して試料の情報を取得する非線形光学顕微鏡装置であればよい。したがって本発明に係る非線形光学顕微鏡装置が利用する非線形光学効果は、誘導ラマン散乱(Stimulated Raman Scattering:SRS)のみに限定されるものではなく、コヒーレントアンチストークスラマン散乱(Coherent Anti−stokes Raman Scattering:CARS)、コヒーレントストークスラマン散乱(Coherent Stokes Raman Scattering:CSRS)、多光子吸収、和周波発生などであってもよい。
1 照射手段
2 試料ステージ
3 光検出手段
4 制御部

Claims (17)

  1. 波長選択可能なレーザー光を、集光したスポットとして試料に照射する照射手段と、
    前記照射手段によって照射された前記レーザー光の前記スポットの照射位置をXY方向に走査するXY走査手段と、
    前記スポットの照射位置から発せられる光を検出する光検出手段と、を備え、
    選択されたn種(nは2以上の整数)の波長のレーザー光を用いて、前記XY走査手段によって前記スポットをXY方向に走査しつつ前記光を前記光検出手段によって検出し、前記光の強度が前記スポットの照射位置のXY座標ごとに格納されたn個のXY2次元分布データを取得する非線形光学顕微鏡装置であって、
    前記照射手段によって照射された前記レーザー光の前記スポットの照射位置をZ方向に走査するZ走査手段をさらに有し、
    選択されたm種(m<n;mは1以上の整数)の波長のレーザー光を用いて、前記Z走査手段によって前記スポットをZ方向に走査しつつ前記光を前記光検出手段によって検出し、前記光の強度が前記スポットの照射位置のZ座標ごとに格納された1次元分布データを取得することを特徴とする非線形光学顕微鏡装置。
  2. 前記XY2次元分布データを解析することにより、前記試料の成分の分布を示すXY2次元画像データを生成する画像データ生成手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  3. 前記1次元分布データに基づいて、前記試料の上面または下面のZ方向における位置情報を取得する界面位置取得手段をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  4. 前記界面位置取得手段によって取得した前記試料の上面または下面のZ方向における位置情報に基づいて、前記スポットのZ方向の照射位置を前記試料中の任意の位置に決定する合焦位置決定手段をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  5. 前記合焦位置決定手段によって決定した前記スポットのZ方向の照射位置に、前記スポットを移動させ、前記XY走査手段によって前記スポットをXY走査することを特徴とする請求項4に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  6. 前記1次元分布データに基づいて、前記試料を保持する保持部材のZ方向における位置情報を取得することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  7. 同一Z座標における前記光の信号強度を積算または平均化することで前記1次元の分布データを取得することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  8. 前記界面位置取得手段によって取得した前記試料の上面または下面のZ方向における位置情報に基づいて、前記試料中の任意の深度として設定可能な数値範囲を提示する提示手段をさらに有することを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか一項に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  9. 前記界面位置取得手段によって取得した前記試料の上面および下面のZ方向における位置情報に基づいて、前記試料の厚さを計測することを特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれか一項に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  10. 前記選択されたm種の波長が、C−H伸縮振動の振動数に対応する波長であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  11. 前記選択されたm種の波長が、いずれも700nm以上800nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  12. m=1であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  13. 前記光が、誘導ラマン散乱またはコヒーレントアンチストークスラマン散乱またはコヒーレントストークスラマン散乱のうち、少なくとも1つの現象によって発せられた光であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  14. 前記XY2次元分布データを画像表示する画像表示部をさらに有する請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  15. 第1の波長を有する第1のレーザー光と、第2の波長を有する第2のレーザー光と、を含む照射光を試料に照射する照射手段と、
    前記試料を透過した、あるいは前記試料によって反射または散乱された光を検出する光検出手段と、
    前記第1の波長および前記第2の波長の少なくとも一方を変更する波長変更手段と、
    前記照射光の照射位置を前記試料に対してXY方向に走査するXY走査手段と、を有し、
    前記波長変更手段によって前記第1の波長および前記第2の波長の少なくとも一方を変更して、前記第1の波長と前記第2の波長の差がそれぞれ異なるn種(nは2以上の整数)の前記光を用いて、前記照射光の照射位置を前記XY走査手段によってXY方向に走査しつつ前記光を前記光検出手段により検出することで、前記光の強度がXY座標ごとに格納されたn個のXY2次元分布データを取得する非線形光学顕微鏡であって、
    前記照射光の照射位置を前記試料に対してZ方向に走査するZ走査手段をさらに有し、
    前記第1の波長と前記第2の波長の差がそれぞれ異なるm種(m<n;mは1以上の整数)の前記照射光を用いて、前記照射光の照射位置を前記Z走査手段によってZ方向に走査しつつ前記光を前記光検出手段によって検出することで、前記光の強度がZ座標ごとに格納された1次元分布データを取得することを特徴とする非線形光学顕微鏡装置。
  16. 前記第1のレーザー光および前記第2のレーザー光のうち少なくとも一方のレーザー光は強度変調されたレーザー光であり、
    前記光検出手段が、強度変調されたレーザー光の変調信号を参照信号として、もう一方のレーザー光を同期検波することを特徴とする請求項15に記載の非線形光学顕微鏡装置。
  17. 波長選択可能なレーザー光を、集光したスポットとして試料に照射する第1のステップと、
    前記スポットの照射位置をZ方向に走査して前記光を検出する第2のステップと、
    選択されたm種(mは1以上の整数)の波長のレーザー光を用いて、Z走査方向に沿った前記光の強度の1次元分布データを取得する第3のステップと、
    前記1次元分布データから前記試料の上面または下面のZ方向における位置情報を取得する第4のステップと、
    前記試料の上面または下面のZ方向における位置情報に基づいて、前記スポットのZ方向の照射位置を前記試料中の任意の位置に決定する第5のステップと、
    前記第5のステップにおいて決定した前記スポットのZ方向の照射位置に、前記スポットを移動させる第6のステップと、
    選択されたn種(m<n;nは2以上の整数)の波長のレーザー光を集光したスポットとして試料に照射し、前記スポットの照射位置をXY方向に走査して前記光を検出する第7のステップと、を有することを特徴とする情報取得方法。
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