JP2016090088A - 鮮度保持装置及びそれを備えたコンテナ - Google Patents

鮮度保持装置及びそれを備えたコンテナ Download PDF

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Takashi Igawa
敬志 井川
康雄 入江
Yasuo Irie
康雄 入江
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Nippon Express Co Ltd
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Abstract

【課題】加湿のための動力が不要で省エネルギー性に優れ、故障することもなく、一定以上の湿度を保つことができ、動作の確実性、メンテナンス性に優れ、軽量かつコンパクトで人手で容易に搬送でき、既存のコンテナ収容部に短時間で設置固定でき、取扱い性、汎用性に優れ、輸送中等に水が漏れず、収容物の水濡れを防止でき、カビの発生を防止し、収容物から発生するエチレンガスを除去して収容物の長期保存を可能にする信頼性、安全性に優れた鮮度保持装置。
【解決手段】コンテナ収容部の底部前方から吹き出す調和空気を筐体内に取入れて加湿する吸発水部と、吸発水部の下流側又は上流側に配設され調和空気を除菌する除菌部及び/又は調和空気に含まれるエチレンガスの吸着又は分解の少なくともいずれか一方を行うエチレンガス除去部を有する空気清浄部と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、生花を含む植物、青果物その他の生鮮食料品等の収容物を低温で貯蔵、輸送するコンテナ収容部の中を高湿度の状態に維持しつつカビの発生を防止すると共に、収容物から発生するエチレンガスを除去して収容物の鮮度の維持を可能にする鮮度保持装置及びそれを備えたコンテナに関するものである。
従来、生花や生鮮食料品等の収容物を貯蔵、輸送するためのコンテナにおいては、収容物の鮮度を維持する方法として、冷蔵状態の保存が一般的である。特に鮮度低下の激しい青果類は、呼吸作用を抑制する目的で冷蔵状態での保存が行われている。
鮮度維持に最適な湿度は収容物によって異なるが、一般的には相対湿度80%RH以上の高湿度が求められており、各種の湿度発生装置や鮮度保持装置が検討されている。
加湿器の一例として、超音波によって水を振動し、発生する水の微粒子を噴霧する超音波式加湿器を挙げることができる。しかし、超音波式加湿器は単に水槽の水を霧状に噴霧しているため、加湿器の噴霧口を冷気吐出口近辺に配置した場合、最適な高湿度域、すなわち95%以上の高湿度域では、霧が水滴となり、周辺を濡らしてしまうという問題がある。
この他に(特許文献1)には、下部に水槽または氷槽を有し、空気(庫内雰囲気)流れ方向に垂直な面内において閉じた空気(庫内雰囲気)流路を形成するとともに、該空気流路内に水槽または氷槽における水面又は氷面に臨む空気流路断面積縮小部と空気流路断面積拡大部を空気流れ方向に交互に複数段設けて空気(庫内雰囲気)流れ方向に垂直な面内において閉じた空気(庫内雰囲気)流路内で空気(庫内雰囲気)流が水面又は氷面に向けて下降又は上昇を交互に繰り返す如く構成し、空気流路入り側又は出側にブロアを設けて該ブロアによって冷蔵庫又は保冷庫内の空気(雰囲気)を空気(庫内雰囲気)流路に流通させるようにした冷蔵庫、保冷庫用加湿器が開示されている。
一方、生鮮品の輸送時、生鮮品が放出する臭気成分がコンテナ収容部内に充満し、この臭気が他の生鮮品に付着するという問題もある。臭気成分には、主に魚の生臭さの元であるアミン系化合物、にらや玉葱の臭の元である硫黄系化合物、腐乱臭の元となる硫化水素などに代表されるものがある。従来、この臭気問題を解決するために、活性炭等の吸着剤や市販の脱臭剤を用いて、コンテナ収容部内の臭気成分を吸着除去している。市販の脱臭剤としては、有機酸をベ−スとする水性液状あるいは油性液状脱臭剤を不織布、発泡ウレタンフォ−ム、紙などに添着したものが使用されている。
また、コンテナ収容部に収容された青果物等から発生するエチレンガスが青果物等の成熟を促進し、逆に鮮度を低下させる問題がある。従来、このエチレンガスを減らすために、コンテナ収容部内に活性炭などの物理的なエチレンガス吸着物質や臭素酸塩などの化学的なエチレン吸着剤を入れる方法等が行われている。
特許第4367865号
しかしながら、上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)の加湿器は、筐体内部の水に直接、空気を接触させて加湿するものであるため、水と空気との接触面積を大きくする必要があり、筐体が大型化し、重量も増大してフォークリフト等を用いなければ設置することができず、取扱い性に欠ける。
(2)筐体に直接、水を貯留しているため、搬送時やコンテナ収容部に設置して使用する際の揺れ等によって外部に水が漏れ、収容物を濡らしてしまうおそれがあり、信頼性に欠ける。
(3)空気流路入り側又は出側にブロアを設け、冷蔵庫又は保冷庫内の空気を筐体内に流通させるものであるため、常にブロアを駆動させなければならず、動力が必要であり、庫内に別途、電源を要し、省エネルギー性に欠ける。
(4)加湿機能のみで、臭気の発生、雑菌の繁殖、カビの発生、エチレンガスによる鮮度低下等については全く考慮されておらず、鮮度保持の機能性に欠ける。
(5)臭気対策として、従来の活性炭吸着方式は、95%以上の高湿度においては、活性炭の脱臭活性が失われ、ほとんど効果を示さないことが判明しており、市販の脱臭材も脱臭作用の進行とともに脱臭性能自体が低下し、脱臭作用の持続性に欠ける。また、オゾン脱臭方式も空気の高湿度化に伴い触媒の活性が失われて効果を示さなくなり、実用性に欠ける。
本発明は上記課題を解決するものであり、加湿のための別途の動力が不要で省エネルギー性に優れると共に、可動部がないので故障することもなく、常に一定以上の湿度を保つことができ、動作の確実性、メンテナンス性に優れるだけでなく、軽量かつコンパクトで人手で容易に搬送することができ、既存のコンテナ収容部に短時間で設置固定することができ、取扱い性、汎用性に優れ、輸送中等にコンテナが揺れても水が漏れることがなく、収容物の水濡れを防止でき、カビの発生を防止すると共に、収容物から発生するエチレンガスを除去して収容物の長期保存を可能にする信頼性、安全性に優れた鮮度保持装置の提供、及びこの鮮度保持装置を備えることにより、余計な動力を必要とすることなく、コンテナ収容部の内部を低温、高湿度に維持しつつカビの発生を防止することができると共に、青果物の熟成に伴って発生するエチレンガスを除去して他の青果物の熟成が促進することを防ぎ、鮮度低下を抑制して収容物の長期保存を実現し、輸送時の品質の維持、輸送時の省エネルギー化を図ることができる信頼性に優れたコンテナの提供を目的とする。
課題を解決するための手段及びそれによって得られる作用、効果
上記課題を解決するために、本発明の鮮度保持装置及びそれを備えたコンテナは以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の鮮度保持装置は、コンテナ収容部の底部前方に形設された吹出口から調和空気を吹出して循環させることにより前記コンテナ収容部に収容される収容物の品質を保持するコンテナで用いられる鮮度保持装置であって、前記コンテナ収容部の底部前方に着脱自在に配設固定される筐体と、前記コンテナ収容部の前面壁と対向する前記筐体の前方壁側に形成される空気取入口と、前記吹出口から吹出す調和空気を前記空気取入口に案内して前記筐体の内部に取入れる空気取入案内部と、前記筐体に内蔵され水が充填されるタンクと、前記タンクの上面に形成された1乃至複数の開口部と、前記開口部から前記タンクの内部に着脱自在に装着され下部が前記タンク内の水に浸漬されて前記水を吸収する浸漬部と前記開口部から前記タンクの上方に突出し前記浸漬部で吸収した水を空気中に発散して前記タンク上面側を通過する前記調和空気を加湿する突出部とを有する吸発水部と、前記吸発水部の下流側又は上流側に配設され前記調和空気を除菌する除菌部及び/又は前記調和空気に含まれるエチレンガスの吸着又は分解の少なくともいずれか一方を行うエチレンガス除去部を有する空気清浄部と、前記筐体の後方壁側に形成され加湿清浄化された処理済空気を前記コンテナ収容部の底部後方側に向かって吹出す空気吹出口と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用、効果を有する。
(1)コンテナ収容部の前面壁と対向する筐体の前方壁側に形成される空気取入口と、吹出口から吹出す調和空気を空気取入口に案内して筐体の内部に取入れる空気取入案内部を有するので、コンテナ収容部の底部前方から吹き出す調和空気を空気取入案内部によって空気取入口に導き、筐体の内部に確実に取り入れることができ、動作の安定性に優れる。
(2)筐体に内蔵され水が充填されるタンクと、タンクの上面に形成された1乃至複数の開口部と、開口部からタンクの内部に着脱自在に装着され下部がタンク内の水に浸漬されて水を吸収する浸漬部と開口部からタンクの上方に突出し浸漬部で吸収した水を空気中に発散してタンク上面側を通過する調和空気を加湿する突出部とを有する吸発水部と、を備えているので、コンテナ収容部の中を最適な高湿度域に維持することができ、収容物の鮮度低下を防止することができる。
(3)吸発水部がタンクの上面に形成された1乃至複数の開口部からタンクの内部に着脱自在に装着されているので、容易に吸発水部を着脱して交換することや開口部からタンクの内部に給水することができ、メンテナンス性に優れると共に、吸発水部の数によって設定湿度を調整することができ、汎用性、取扱い性に優れる。
(4)タンクの上面に形成された開口部に吸発水部が装着されているので、揺れ等が発生しても開口部から外部に水が漏れることがなく、収容物の水濡れを防止でき、輸送品質の信頼性に優れる。
(5)吸発水部がタンク内の水に浸漬されて水を吸収する浸漬部と開口部からタンクの上方に突出し浸漬部で吸収した水を空気中に発散する突出部とを有することにより、動力を用いることなく浸漬部によってタンク内の水を確実に吸い上げて突出部から空気中に発散するので、タンク内の水が無くなるまでタンク上面側を通過する調和空気を加湿し続けることができ、省エネルギー性、動作の確実性、加湿の安定性に優れる。
(6)吸発水部の下流側又は上流側に配設される空気清浄部が、調和空気を除菌する除菌部を有することにより、筐体内を通過する調和空気を除菌して加湿清浄化された処理済空気として空気吹出口からコンテナ収容部に吹き出させることができるので、カビ等の発生を効果的に防止することができ、収容物の品質の保持性に優れる。
(7)吸発水部の下流側又は上流側に配設される空気清浄部が、調和空気に含まれるエチレンガスの吸着又は分解の少なくともいずれか一方を行うエチレンガス除去部を有することにより、調和空気をエチレンガス除去部に接触させてその空気中に含まれるエチレンガスの吸着又は分解を行って青果物等の熟成が促進することを防ぎ、鮮度低下を抑制、防止して、収容物の保存期間をさらに長くすることができ、収容物の高品質性に優れる。
(8)筐体の後方壁側に空気吹出口が形成されているので、筐体の内部で加湿、除菌され、エチレンガスが除去された処理済空気をコンテナ収容部の底部後方側に向かって吹き出し、コンテナ収容部の内部に循環させてコンテナ収容部全体を均一な高湿度状態に維持することができ、加湿の均一性、安定性に優れる。
(9)鮮度保持装置により、鮮度が長時間保持されるので、輸送距離を大幅に増大することができ、輸送範囲の拡大を図ることができる。
(10)エチレンガス除去部を有することにより、エチレンガスを効果的に除去することができるので、輸送する青果物の種類を増加させることができ、多様性、汎用性に優れる。
ここで、筐体の材質としてはステンレス鋼等の金属や塩ビ、ポリプロピレン等の合成樹脂が好適に用いられる。
筐体はコンテナ収容部の底部に敷設されたフロアレールの上に載置されるが、筐体にこのフロアレールを挟持する固定具を備えることにより、筐体を所定の位置に確実に固定することができる。具体的には、筐体のフレームの底面側に貫設される固定ボルト軸と、フロアレールの裏面側に当接し固定ボルト軸が挿通される固定板と、固定板の底面側から固定ボルト軸に螺着される固定ナットと、を有する固定具が好適に用いられる。筐体のフレームの底面側からフロアレールとフロアレールの間に突出する固定ボルト軸に対し、フロアレールの裏面側から固定板を挿通し、固定板の両端部が隣接するフロアレールの裏面にそれぞれ当接するように渡設して、固定板の底面側から固定ボルト軸に固定ナットを螺着するだけで、筐体のフレームと固定板でフロアレールを挟持することができ、筐体をフロアレールに強固に固定することができる。これにより、コンテナが揺れたりしても鮮度保持装置が移動したり、横転したりすることがなく、固定の確実性、動作の安定性に優れる。
空気取入口は筐体の前方壁側に形成されるが、コンテナ収容部の吹出口から吹出す調和空気を空気取入口に案内する空気取入案内部を設けることにより、筐体の内部にスムーズに調和空気を取り入れることができる。特に空気取入口を筐体の前方壁側の底面部に形成する場合、空気取入案内部として筐体の底面側から筐体の内部上方に向かって傾斜したものが好適に用いられるが、空気取入案内部の下端部がコンテナ収容部の底面に当接するように配設し、空気取入案内部でフロアレールの端部開口部を覆うようにすることで、吹出口から吹出す調和空気を確実に空気取入口に案内することができる。この空気取入案内部を上下方向に摺動自在とし、傾斜角度を調整自在とすることにより、フロアレールの高さ等によらず、吹出口から吹出す調和空気を確実に空気取入口に案内することができ、汎用性に優れる。
尚、空気取入案内部は、筐体の空気取入口と同等の幅に形成されるが、筐体の設置範囲以外の吹出口から吹出す調和空気を空気取入口に案内するための調和空気案内部を別途、設けてもよい。また、吹出口と空気取入口を連結するダクト状の空気取入案内部を用いてもよい。
タンクの材質としては、ステンレス鋼等の金属や塩ビ、ポリプロピレン等の合成樹脂が好適に用いられる。タンクの容量はコンテナ収容部の容積などに応じて、適宜、選択することができる。また、タンクの数は適宜、選択することができ、高さ方向にタンクを複数段設けることにより、湿度を高めることや、タンクの容量を増やして連続運転時間を延ばすことができる。
尚、タンクは水平方向にスライドさせて筐体の側方から出し入れ自在に配設するものが好ましい。タンクを上方に持ち上げる必要がなく、水の給排水等のメンテナンス時の省力性に優れるためである。
タンクの上面に形成される開口部の数や形状は適宜、選択することができる。
吸発水部はタンク内の水に浸漬される浸漬部で吸収した水を開口部からタンクの上方に突出する突出部で空気中に発散できるものであればよいが、適度な吸水性と発散性を有する連続気泡の発泡体や不織布の成形体が好適に用いられる。具体的には発泡ウレタン、メラミンフォーム、ポリオレフィンフォーム等の発泡体やポリエチレンテレフタレート製繊維の外周面上にエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH樹脂)からなる外層を形成した芯鞘構造の繊維等の不織布で形成されたもの等を用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、吸水性と発散性が異なるものを組合せて用いてもよい。
また、吸発水部はJIS L1912法による吸水率(吸水量)が350〜500%のものが好適に用いられる。
尚、タンクには開口部の他に給排水口を設けてもよい。
吸発水部は浸漬部の下端面がタンクの底面に当接するまで挿入することにより、タンク内の水が無くなるまで加湿を続けることができる。また、開口部と吸発水部はほとんどギャップがない寸法で形成されており、タンクの底面と開口部で吸発水部の姿勢を維持することができ、吸発水部が傾いたり、浮き上がったり、或いは吸発水部と開口部との隙間から外部に水が漏れたりすることはないが、別途、固定手段を用いて固定してもよい。
吸発水部の数や突出部の突出量、表面積によって湿度を調整することができる。尚、吸発水部を取り外して湿度を調整する場合、開口部に蓋をしてタンク内の水が外部に漏れないようにすることが好ましい。また、複数の吸発水部を配設する場合には、吸発水部と吸発水部との間に適度な間隔を設け、空気の通り道を形成することにより、加湿の効率性を高めることができる。
特に、複数列の吸発水部を空気の流れる方向と平行に配置することにより、吸発水部と吸発水部との間を空気が流れ易く、加湿の確実性に優れる。尚、複数列の吸発水部を空気の流れる方向と直交して配置する場合でも、突起部に切り欠き状の凹部を有する凹凸部を設けることにより、凹凸部を空気が通過することができ、加湿の効率を向上させることができる。
また、吸発水部の上方に、筐体内に流入した調和空気を吸発水部に案内するガイド部を設けることにより、調和空気の流れがスムーズになり、加湿の効率性に優れる。
コンテナ収容部内の相対湿度の最適値は収容物の種類によって異なるが、鮮度保持装置で加湿された後の空気の相対湿度の下限値を80%RH以上、好ましくは90%RH以上、より好ましくは95%RH以上とするのが好ましい。
相対湿度が90%RH未満では、青果物等の水分の蒸散が起こり易くなり、その鮮度が低下し易くなる傾向が見られる。また、相対湿度が80%RH未満では、青果物等の果皮や葉などの組織より激しく水分が蒸散し、この水分損失が直ちに萎凋をひき起こして鮮度が低下するので好ましくない。
一方、上限値については、相対湿度が高い程、青果物等の水分の蒸散が起こり難くなり、青果物等の鮮度を維持できるが、露点に達すると収容物を収容している段ボール等の表面に水滴が付着して濡れてしまうため、100%RH未満とするのが好ましい。
除菌部としては、光触媒を基材に担持させた光触媒部と、光触媒を励起する波長を含む光を放射することのできる光源を備えた光照射部とを組合せたもの等を用いることができる。
光触媒は、紫外線が表面に照射されたときに発生するヒドロキシラジカル、スーパーオキサイドアニオン等のラジカル物質により、脱臭、滅菌、防汚、防カビ、及び有機化合物の分解のいずれか1又は2以上を行うことができ、環境浄化材等として広く利用されている。
光触媒としては、通常、半導体材料が効果的であり、容易に入手でき、加工性も良いことから好ましい。具体的には、Se,Ge,Si,Ti,Zn,Cu,Al,Sn,Ga,In,P,As,Sb,C,Cd,S,Te,Ni,Fe,Co,Ag,Mo,Sr,W,Cr,Ba,Pbのいずれか、又はこれらの化合物、又は合金、又は酸化物が好ましく、これらは単独で、または2種類以上を複合して用いることができる。例えば、化合物としては、AlP,AlAs,GaP,AlSb,GaAs,InP,GaSb,InAs,InSb,CdS,CdSe,ZnS,MoS2 ,WTe2 ,Cr2 Te3 ,MoTe,Cu2 S,WS2 等があり、酸化物としては、TiO2 ,Bi2 3 ,CuO,Cu2 O,ZnO,MoO3 ,InO3 ,Ag2 O,PbO,SrTiO3 ,BaTiO3 ,Co3 4 ,Fe2 3 ,NiO等がある。
上記のように多くの酸化物が光触媒として利用可能であるが、通常、酸化チタンが利用されることが多く、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型の3種類の結晶体とアモルファス体とがあるが、これらの中でも光触媒活性の大きいアナターゼ型の酸化チタンが好適に用いられる。
光触媒を基材に担持する方法としては、基材の原料に練り混み等によって担持する方法、塗工や印刷、含浸などによって担持する方法、湿式抄造によって担持する方法、2枚以上の基材の間に封入する方法などが挙げられる。
光触媒を担持する基材は特に限定されるものではなく、各種の紙、不織布、樹脂フィルム、金属箔などのシート、セラミクス、カーボン、ガラス、金属、木材などを用いることができる。
また、これらの基材の形状としては、シート状、平板状、波板状、プリーツ状、フィルタ状、フォーム状、ハニカム状、フェルト状、ネット状などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
光触媒を基材に担持するに当たっては、所望により、脱臭剤やその他の抗菌剤などを併用担持してもよい。
脱臭剤は主に悪臭を除去する目的で用いられる薬剤であり、具体的には、天然および合成ゼオライト、ハイシリカゼオライト、シリカ、活性アルミナ、活性白土、セピオライト、有機酸系化合物などの吸着剤、鉄アスコルビン酸や鉄、コバルトまたはマンガン等の金属フタロシアニン誘導体などの酵素系脱臭剤、マンガン系酸化物やペロブスカイト型触媒などの低温酸化触媒、炭化珪素、窒化珪素、珪酸カルシウム、アルミナ・シリカ系、ジルコニア系などの合成セラミクスや麦飯石、フェルソング石などの遠赤外線セラミクス、植物抽出成分に含まれる化合物であるカテキン、タンニン、フラボノイド等を用いた消臭剤などが挙げられる。
また、抗菌剤は、細菌、カビ類またはウィルスなどの有害微生物および病原体の除去、殺滅、失活または繁殖抑制などの目的で用いられる薬剤であり、具体的には、銀や亜鉛または燐酸カルシウムなどを主成分とする無機系抗菌剤、ベンツイミダゾール系、イソチアゾリン系、ピリチオン系、クロロヘキシジン系などの有機系抗菌剤、キチンやキトサンなどの高分子系抗菌剤、茶や柿などから抽出されるカテキンや孟宋竹抽出エキス、ヒノキチオールなどの天然物由来の抗菌剤などが挙げられる。
光触媒と吸着剤などの他の脱臭剤を併用することにより、吸着剤の吸着容量が飽和しても光を照射すれば光触媒の作用によって吸着物質が分解され、脱臭性能を再生することができる。
光照射部の光源は、光触媒を励起する波長の光を所定量照射できるものであればよく、紫外線ランプや通常の電球などを用いることができる。尚、光触媒が酸化銀の場合、可視光領域の青色で発光するLEDを採用することで、長寿命化を図ることが可能となる。また、光触媒が酸化チタンの場合に、UV光を発光するUV−LEDを採用することも可能である。尚、光照射部は電池式のものを用いることにより、外部電源を必要とせず、取扱い性に優れる。
また、除菌部として、硅素、アルミニウム、ナトリウム等の酸化物からなるゼオライトに銀を配合してハニカム状等に成型した除菌フィルタと、マンガン酸化物と硅素やアルミニウムの酸化物を混練してハニカム状等に成型した脱臭フィルタを組合せたものを用いてもよい。ゼオライトのような硅素、アルミニウム、ナトリウム等の酸化物を主成分とする多孔性物質のナトリウムの一部を銀で置換した場合は除菌効果がさらに高まるので、銀入りのセラミックもしくは不織布のフィルタを通風路上に配設し、これに細菌やカビの胞子を含む塵や埃を捕捉するようにすれば、これら微生物は時間の経過に伴い死滅することになる。また、脱臭フィルタにて有臭成分の化学変化が進められて脱臭が行われる。これにより、除菌フィルタ及び脱臭フィルタのみで長期にわたって除菌、防カビ、脱臭作用を持続することができ、活性炭方式等に比較すると、占有容積も少なく、取扱い性に優れる。
エチレンガス除去部としては、アルミナ等のセラミックの成形体、異臭を分解する効果を有する銅、銅合金、マンガン、マンガン合金等の金属、活性炭等の表面に、エチレンガスを分解する触媒機能を有するパラジウム、パラジウム合金、酸化チタンや酸化アルミニウム等の金属酸化物、白金族の金属触媒等を付着させたもの等が好適に用いられる。
調和空気をエチレンガス除去部に衝突させ、エチレンガスの吸着及び/又は分解を行った後、空気吹出口からコンテナ収容部へ吹出させることにより、青果物等の熟成が促進することを防止できる。
尚、酸化チタンは、水の共存下で表面に紫外光を照射すると、強い酸化力を有する水酸ラジカルが発生し、エチレンガスを水と二酸化炭素に効率良く分解する。また、環境ホルモン作用を有する有機物質なども分解し、さらにウィルスを死滅させるなどの有益な効果を発揮する。しかも、各種の脱臭作用も有している。
よって、酸化チタンを利用する空気清浄部を吸発水部の下流側に配置することにより、吸発水部で加湿された高湿度の空気を除菌部及びエチレンガス除去部に通過させることができ、効率的に除菌、エチレンガスの分解、脱臭を行うことができ、空気清浄の信頼性、効率性に優れる。
空気取入口の下流側(タンクの上流側)にはプレフィルタを配設することが好ましい。筐体内に吸い込まれる空気から比較的大きな塵埃などを除去するためである。
一般的にウィルスや菌は塵や埃に付着しており、ほとんどの塵や埃は、プレフィルタの空気流れ方向上流側の面でせき止められる。
よって、光触媒能により除菌を行う除菌部を有する空気清浄部をプレフィルタの空気流れ方向上流側の面に設けてもよい。プレフィルタの表面に空気清浄部として、光触媒とカテキン等を担持すれば、プレフィルタの表面に付着する塵埃などに含まれるカビ菌や細菌などの菌やウィルスを除去することができ、プレフィルタより下流側の清浄性を高めることができる。
プレフィルタを設けることにより、吸発水部が汚れ難くなり、各部の交換やメンテナンス等の機会が少なくなり、吸発水効果の低下、バラツキを防止することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鮮度保持装置であって、前記筐体の少なくとも1つの側面部に形成された開閉部と、前記筐体の内部に配設され前記タンクを水平方向に摺動自在に支持するタンク支持部と、前記筐体に配設され前記タンクに水を供給する給水タンクと、前記吸発水部の前記突出部に形成された1乃至複数の凹凸部と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)筐体の少なくとも1つの側面部に形成された開閉部と、筐体の内部に配設されタンクを水平方向に摺動自在に支持するタンク支持部を有するので、開閉部を開けてタンクを引張るだけでタンクをタンク支持部に沿って容易に引き出すことができ、メンテナンスの作業性に優れる。
(2)タンクが、タンク支持部によって筐体の内部に摺動自在に支持されているので、必要に応じてタンクのみを筐体から取出して水の注入、吸発水部の交換、清掃等を容易に行うことができ、メンテナンス性に優れる。
(3)筐体に配設されタンクに水を供給する給水タンクを備えることにより、吸発水部で消費されるタンクの水を補充することができ、長期間継続して加湿を行うことが可能で、収容物の長期保存の信頼性に優れる。
(4)給水タンクからタンクに水を供給して、タンク内の水位を略一定に保つことにより、吸発水部における水分保持量の経時的な変動を抑え、加湿性能の低下を防ぐことができ、加湿動作の安定性に優れる。
(5)タンクに水を供給する給水タンクを別途備えることにより、タンクの容量を減らしてタンクの高さを低くすることができるので、吸発水部の浸漬部の高さを低く抑えることができ、省資源性に優れる。また、これにより、浸漬部はタンク内の水を小さな力で効率的に吸い上げることができ、加湿の確実性、効率性に優れる。
(6)吸発水部の突出部に形成された1乃至複数の凹凸部を有することにより、突出部の表面積を増大させてタンクの上面を通過する調和空気との接触面積を増加させることができ、湿度を効果的に高めることができる。
ここで、開閉部は筐体の少なくとも1つの側面部に形成される側面開口部に着脱自在に覆設されることが好ましい。開閉部を筐体から取り外すことにより、側面開口部全体を開放することができるので、タンクの出し入れ、筐体内部の清掃、空気清浄部その他の点検等を容易に行うことができ、メンテナンスの作業性に優れる。
タンク支持部はタンクの底面全体を支持するものが好ましいが、タンクの長手方向と平行に断面コ字型のガイドレールを設け、タンクの側面部に形成した係止片をガイドすることにより、タンクをスムーズに出し入れすることができる。また、タンク支持部にタンクを固定するタンク固定部を備えることにより、使用時に振動などが発生しても、タンクが移動することがなく、固定の信頼性に優れる。タンク固定部としては、例えばガイドレールに固定孔を設け、係止片に貫通孔を設けておけば、固定孔と貫通孔が重なった状態で固定ピンを嵌合させるだけで確実に固定できると共に、必要に応じて固定ピンを引抜くだけで固定を解くことができ、作業性に優れる。尚、タンク固定部をタンクの四隅に配置することにより、タンクの前後左右への移動を確実に防止でき、固定の確実性、安定性に優れる。
また、タンクに着脱自在な上蓋を設けることにより、上蓋を取り外して、タンクの内部を容易に清掃することができる。
給水タンクは、タンクで消費された水を供給できるものであればよいが、給水タンクをタンクの上方に配置し、給水タンクとタンクを接続する給水管にフロート弁を配設したものが好適に用いられる。フロートをタンクの水面に浮かべることにより、水位が下がると弁体が開いて給水され、一定の水位になるとフロートが浮き上がって弁体が閉じるため、自動的にタンク内を略一定の水位に保つことができる。また、ポンプ等を用いることなく水を供給することができ、動力も不要で取扱い性に優れる。給水タンクを筐体内に設けると、給水タンクの保持が容易で、かつ、鮮度保持装置として一体に取り扱うことができ、好ましい。
凹凸部の形状や配置等は適宜、選択することができる。尚、全ての吸発水部の突出部における凹凸部の形状や配置は同一である必要はなく、吸発水部を配置する場所によって異なっていてもよい。
尚、凹凸部として切り欠き状の凹部を形成すれば、そこが調和空気(冷風)の通り道となって、調和空気の進行方向だけでなく、それと直交する方向にも調和空気を通すことができ、突出部と調和空気との接触面積を効果的に増加させることができる。特に、複数列の吸発水部の切り欠き状の凹部が互いに重ならないように吸発水部を千鳥状に配列すれば、凹凸部を高密度に配置して調和空気を突出部の表面に確実に接触させることができ、加湿の効率性に優れる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の鮮度保持装置であって、前記空気清浄部の前記除菌部が、酸化チタンの光触媒作用により除菌を行う除菌フィルタを備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)空気清浄部の除菌部が、酸化チタンの光触媒作用により除菌を行う除菌フィルタを備えることにより、酸化チタンの光触媒作用によって高い除菌、防カビ、脱臭性能を得ることができ、特に除菌部が吸発水部の下流側に配設されている場合、加湿された調和空気を浄化してカビの発生を効果的に防ぎ、各種収容物の腐敗を防止することができる。
(2)酸化チタンを主成分とする光触媒に光を照射させることによって、酸化チタンの光触媒作用を呈することとなり、特に除菌部が吸発水部の下流側に配設されている場合、吸発水部において効率的に加湿された空気に対して、ニ次元的ではなく三次元的なメッシュから構成される除菌フィルタによって、光触媒作用により発揮される除菌作用に伴う空気清浄処理が、流通する空気の流れを阻害することなく行われることとなり、単位時間当たりの処理流量を増大させ、効率性の高い空気清浄処理が実現される。
ここで、除菌部については前述した通りであるが、基材となる不織布、金属繊維、天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維等で形成されたフィルタ材或いはこれらを複合的に使用したフィルタ材等の表面に酸化チタンを主成分とする光触媒を担持させたものが除菌フィルタとして好適に用いられる。特に、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体等の繊維状又は糸状の高分子等がクモの巣状或いは網目状に絡み合った三次元構造を有する多孔質フィルタ素材を基材として用いた場合、通気抵抗が極めて低く、空気清浄処理の効率性に優れる。
基材に光触媒を担持させる方法として、より具体的には、フィルタ材を構成する各繊維の表面に、シリコン樹脂等と光触媒を組合せたコート剤を薄くコーティングする方法やフィルタ材の表面に、エアー霧化式のスプレーガン等を使用して、光触媒を吹き付け塗装する方法などが用いられる。吹き付けに用いる塗料は、光触媒のバインダーとしてアクリル樹脂塗料等を用い、これに光触媒として酸化チタンの粉末を混合して希釈剤で適度の粘度に調合したもの等が好適に用いられる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の鮮度保持装置であって、前記空気清浄部の前記エチレンガス除去部が、化学反応及び/又は吸着によりエチレンガスを除去するエチレンガス除去フィルタを備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1項で得られる作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)空気清浄部のエチレンガス除去部が、化学反応及び/又は吸着によりエチレンガスを除去するエチレンガス除去フィルタを備えることにより、収容物の発するエチレンガスを確実に除去して、野菜や果物等の熟成を長時間にわたって防止でき、船舶やコンテナ車等に積載した際の輸送距離を延ばすことができる。
(2)エチレンガス除去部が吸発水部の下流側に配設されている場合、吸発水部において効率的に加湿された空気に対して、エチレンガス除去フィルタを構成する、ニ次元的ではなく三次元的なメッシュの通気性によって、化学反応及び/又は吸着によるエチレンガス除去作用が高められることとなり、流通する空気の流れを阻害することなく、単位時間当たりの空気を清浄する処理流量を増大させ、効率性の高い空気清浄処理を実現することができる。
ここで、エチレンガス除去部については前述した通りであり、エチレンガス及び臭気成分を吸着する活性炭、エチレンガスを分解する塩化パラジウム、臭気成分を分解するマンガン、銅等の触媒を適宜、組合せ、それらを不織布等の基材に担持させたものや優れた空気透過性を有する不織布等で覆ったもの等をエチレンガス除去フィルタとして好適に用いることができる。特に、前述の三次元構造を有する多孔質フィルタ素材を基材として用いた場合、三次元的なクロスフローを実現できることとなり、空気清浄の時間あたりの流量効率を著しく向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の鮮度保持装置であって、前記タンクの水の中に混合された雑菌繁殖防止剤を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1項で得られる作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)雑菌繁殖防止剤がタンクの水の中に混合されることにより、タンク内の雑菌の繁殖を防ぎ、ヌメリの発生を防止でき、衛生的で、吸発水部の吸水性能を維持することができ、加湿の安定性に優れる。
ここで、吸発水部の抗菌性の向上を目的として、強力な抗菌性があり、人体への毒性が少ないことで一般的に広く用いられている銀や銅などの金属イオンを吸発水部に担持することが好ましい。
具体的には、これらの金属や金属化合物の微粒子の分散液や金属を微細化してコロイド化し分散させた溶液を雑菌繁殖防止剤として、タンクの水の中に混合し、その中に吸発水部の浸漬部を浸すことで吸発水部への金属イオンの担持化を図ることができる。
吸発水部に担持された金属イオンは、空気中に浮遊する細菌やカビの胞子が吸発水部に付着した後の繁殖を抑制することができる。
尚、銀系光触媒は光の当たらない場所でも細菌やカビの繁殖を抑制することができるので、タンク内でも好適に用いることができる。また、銀、銅、亜鉛等を塗料に混合し、タンクの内面に塗布して菌の繁殖を防ぐこともできる。
本発明の請求項6に記載のコンテナは、コンテナ収容部の底部前方に請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の鮮度保持装置が着脱自在に配設された構成を有している。
この構成により、以下のような作用、効果が得られる。
(1)コンテナ収容部の底部前方に鮮度保持装置が着脱自在に配設されることにより、輸送時はコンテナ収容部の内部を低温、高湿度に維持しつつカビの発生を防止できると共に、青果物の熟成に伴って発生するエチレンガスを除去して他の青果物の熟成が促進することを防ぎ、鮮度低下を抑制して収容物の長期保存を実現でき、必要ない時は簡単に外部に運び出して清掃やメンテナンスを行うことができ、取扱い性、メンテナンス性に優れる。
ここで、鮮度保持装置はコンテナ収容部の底部前方で吹出口に対向するように配設される。吹出口がコンテナ収容部の幅全体にわたって形成されている場合、鮮度保持装置の左右方向の配設位置は適宜、選択することができる。これは、コンテナ収容部の底面にはフロアレールが敷設されており、鮮度保持装置で加湿清浄化され空気吹出口から吹出した処理済空気は、フロアレールに沿うようにしてコンテナ収容部の底部後方側に向かって移動するが、フロアレールの要所には切れ目があり、またフロアレールのリブには所定間隔で通気孔が設けられていることにより、コンテナ収容部の幅方向にも広がり、コンテナ収容部全体を均一に加湿することができるためである。
尚、コンテナ収容部の後方側における湿度がコンテナ収容部の幅方向で均一でない場合、フロアレールに沿って移動してきた高湿度の処理済空気がコンテナ収容部の幅全体に拡がるように、フロアレールの後端側に処理済空気の吹出案内部を設けてもよい。これにより、コンテナ収容部の幅全体にわたって高湿で除菌された処理済空気を吹出させることができ、その処理済空気を循環させてコンテナ収容部全体を斑無く均一に加湿しつつ、カビの発生及び青果物等の熟成の促進を効果的に防ぎ、鮮度低下の抑制、防止の信頼性に優れる。
実施の形態1における鮮度保持装置をコンテナ収容部に設置した状態を示す平面模式図 コンテナ収容部に設置した実施の形態1における鮮度保持装置の開閉部を取り外した状態を示す側面模式図 図2のA−A線矢視断面模式図 実施の形態1における鮮度保持装置の固定方法の一例を示す要部正面模式図 実施の形態1における鮮度保持装置の空気清浄部を示す要部断面模式図 吹出口遮蔽部材の一例を示す要部正面模式図 実施の形態1における鮮度保持装置の吸発水部の配置の変形例を示す平面模式図 実施の形態2における鮮度保持装置をコンテナ収容部に設置した状態を示す要部断面模式図
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。尚、本発明の技術的範囲は本実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1における鮮度保持装置について説明する。
図1は実施の形態1における鮮度保持装置をコンテナ収容部に設置した状態を示す平面模式図であり、図2はコンテナ収容部に設置した実施の形態1における鮮度保持装置の開閉部を取り外した状態を示す側面模式図であり、図3は図2のA−A線矢視断面模式図である。
図1中、1はコンテナ10のコンテナ収容部11の底部前方の幅方向中央部で後述するフロアレール12上に配設固定された実施の形態1の鮮度保持装置、2は鮮度保持装置1の箱形の筐体、2aは筐体2の前方壁、2bは筐体2の後方壁、2cは筐体2の側面部、9は筐体2の両側面部2cの上端側に回動自在に配設された把手部である。
筐体2の両側部に把手部9を有するので、人手で容易に鮮度保持装置1を持ち運ぶことができるが、把手部9が回動自在であるため、設置後は筐体2の両側部の下方側に折り畳むことができる。これにより、筐体2の上面側に把手部9が突出することがなく、筐体2の上面にも収容物を載置することができる。
図2中、2dは直方体状の枠体で形成された筐体2のフレーム部、2eは筐体2の少なくとも1つの側面部2cに形成された側面開口部、3aはコンテナ収容部11の前面壁11aと対向する筐体2の前方壁2a側の底面部に開設された空気取入口、3bはコンテナ収容部11の底部前方(前面壁11aの下端部)に形設された吹出口11bから吹出す調和空気を空気取入口3aに案内して筐体2の内部に取入れる空気取入案内部、3cは空気取入口3aの下流側に配設されたプレフィルタ、3dは筐体2のタンク収容部21に収容された各々のタンク4の上方に配設され筐体2内に流入した調和空気を吸発水部5に案内するガイド部、3eはタンク4を水平方向に摺動自在に支持するタンク支持部3fの支柱部、4は筐体2に内蔵され水が充填される上下2個のタンク、12はコンテナ収容部11の底面11cに敷設されたフロアレール、12bはフロアレール12のリブ12aに所定間隔で設けられた通気孔、22は筐体2の前方壁2aからコンテナ収容部11の前面壁11aに向かって突出して形成され吹出口11bから吹出す調和空気が上方に逃げるのを防止する吹き抜け防止部である。
尚、図2は側面開口部2eに着脱自在に覆設される開閉部(図示せず)を取り外した状態を示しているが、鮮度保持装置1を使用する際には側面開口部2eは開閉部で閉塞される。
図2及び図3中、4aはタンク4の上面に形成された複数の開口部(図3)、5は連続気泡の発泡体や不織布の成形体からなり外周が各々の開口部4aに密着するようにタンク4の内部に着脱自在に装着された吸発水部、5aはタンク4内の水に浸漬されて水を吸収する吸発水部5の浸漬部、5bは開口部4aからタンク4の上方に突出し浸漬部5aで吸収した水を空気中に発散してタンク4上面側を通過する調和空気を加湿する吸発水部5の突出部、6は突出部5bに複数の切り欠き状の凹部6aを設けることによって形成された凹凸部、7は吸発水部5の下流側に配設され吸発水部5を通過した調和空気(加湿空気)を除菌する除菌部と調和空気に含まれるエチレンガスの吸着又は分解の少なくともいずれか一方を行うエチレンガス除去部とを有する空気清浄部、8は筐体2の後方壁2b側の底面部に形成され空気清浄部7を通過し清浄化された処理済空気をコンテナ収容部11の底部後方側に向かって吹出す空気吹出口である。
次に、鮮度保持装置の固定方法について説明する。
図4は実施の形態1における鮮度保持装置の固定方法の一例を示す要部正面模式図である。
図4中、25は筐体2のフレーム2dの底面側の要所に貫設された固定ボルト軸、26はフロアレール12の裏面側に当接し固定ボルト軸25が挿通される固定板、27は固定板26の底面側から固定ボルト軸25に螺着された固定ナットである。これにより、鮮度保持装置1をフロアレール12に強固に固定することができる。
尚、鮮度保持装置の固定方法はこれに限定されるものではない。
以上のように構成された実施の形態1の鮮度保持装置を備えたコンテナの動作について説明する。
図2において、コンテナ10のコンテナ収容部11は吹出口11bから吹出す調和空気をコンテナ収容部11内で循環させて収容物の品質を保持する。
鮮度保持装置1は、コンテナ収容部11の底部前方に吹出口11bと対向するように配設されている。このとき、鮮度保持装置1の空気取入案内部3bの下端部がコンテナ収容部11の底面11cに当接するように配設し、空気取入案内部3bでフロアレール12の端部開口部を覆うようにすることで、吹出口11bから吹出す調和空気を確実に空気取入口3aに案内して筐体2の内部にスムーズに調和空気を取り入れることができる。尚、必要に応じて筐体2の前方壁2aからコンテナ収容部11の前面壁11aに向かって突出する吹き抜け防止部22を設けることにより、筐体2の前方壁2a等に衝突した調和空気が上方に逃げるのを防止することができる。
筐体2の内部に取り入れられた調和空気はプレフィルタ3cを通過することにより、比較的大きな塵埃などが除去される。
調和空気はタンク4の上方のガイド部3dに案内され、タンク4上面側の吸発水部5の間を通過する(図3参照)。
このとき、吸発水部5の浸漬部5aで吸収された水が突出部5bから空気中に発散して調和空気を加湿する。突出部5bに複数の切り欠き状の凹部6aからなる凹凸部6を形成することにより、突出部5bの表面積を増大させてタンク4の上面を通過する空気との接触面積を増加させて加湿効果を高めている。
尚、タンク4の水には銀や銅などの金属や金属化合物の微粒子の分散液や金属を微細化してコロイド化し分散させた溶液を雑菌繁殖防止剤として混合した。この水の中に吸発水部5の浸漬部5aを浸すことで吸発水部5への金属イオンの担持化を図り、空気中に浮遊する細菌やカビの胞子が吸発水部5に付着した後の繁殖を抑制して吸発水部5を清浄に保つことができる。
吸発水部5で加湿された調和空気は下流側に配設された空気清浄部7を通過することにより、清浄化される。
以下、空気清浄部の詳細について説明する。
図5は実施の形態1における鮮度保持装置の空気清浄部を示す要部断面模式図である。
図5中、7aは空気清浄部7の上端側に形成され吸発水部5で加湿された調和空気を導入する導入口、7bは空気清浄部7の下端側に形成され空気清浄部7で清浄化された処理済空気を排出する排出口、70aは空気清浄部7の上流側に配設され酸化チタンの光触媒作用により除菌を行う除菌フィルタ71を備えた除菌部、70bは空気清浄部7の下流側に配設され化学反応及び/又は吸着によりエチレンガスを除去するエチレンガス除去フィルタ72を備えたエチレンガス除去部、73は電池7cからの給電により除菌フィルタ71に光触媒を励起する波長の光を照射する紫外線ランプやUV−LED等の光源である。
本実施の形態では、除菌フィルタ71として、基材となる不織布、金属繊維、天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維等で形成されたフィルタ材或いはこれらを複合的に使用したフィルタ材等の表面に酸化チタンを主成分とする光触媒を担持させたものを用いた。
また、エチレンガス除去フィルタ72として、エチレンガス及び臭気成分を吸着する活性炭、エチレンガスを分解する塩化パラジウム、臭気成分を分解するマンガン、銅等の触媒を適宜、組合せ、それらを不織布等の基材に担持させたものを用いた。
尚、除菌フィルタ71及びエチレンガス除去フィルタ72はこれらに限定されるものではない。
まず、図2において吸発水部5で加湿された調和空気(加湿空気)が、図5に示すように導入口7aから空気清浄部7の内部に導入される。
光源73は、電池7cからの給源によって、空気清浄部7の内部を照射している。
そして、導入された加湿空気が、酸化チタンを含む除菌フィルタ71を通過する。
この際に、除菌フィルタ71では、光源73からの照射によって、酸化チタンが光触媒として活性化されており、そこを通過する加湿空気は、光触媒作用を受けて除菌される。
次に、光触媒作用により除菌された加湿空気が、上述した脱臭材(吸着剤)を含ませたエチレンガス除去フィルタ72を通過する。
加湿空気がエチレンガス除去フィルタ72を通過することによって、加湿空気に含まれるエチレンガスが分解或いは吸着され除去される。
このようにして、導入口7aから導入された加湿空気は、空気清浄部7において除菌及びエチレン除去作用を連続的に受けることによって、清浄化された状態で排出口7bから排出される。
本発明では、前段で、吸発水部5において効率的に調和空気が加湿され、且つ、後段で、加湿された空気を、メッシュにより構成された除菌フィルタ71とエチレンガス除去フィルタ72によって、除菌及びエチレンガス除去の2段階にわたる2種類の処理を、各々透過的且つ連続的に行うことによって、空気清浄の時間あたりの流量効率を著しく向上させることができる
空気清浄部7を通過することにより、除菌されエチレンガスが除去された処理済空気は、排出口7bから排出され、図2に示した筐体2の後方壁2b側の空気吹出口8を通ってコンテナ収容部11の底部後方側に向かって吹出される。
このとき、空気吹出口8から吹出した処理済空気は、フロアレール12に沿うようにしてコンテナ収容部11の底部後方側に向かって移動するが、フロアレール12の要所には切れ目があり、またフロアレール12のリブ12aには所定間隔で通気孔12bが設けられていることにより、コンテナ収容部11の幅方向にも広がり、コンテナ収容部11全体を均一に加湿することができる。そして、カビ等の発生を効果的に防止すると共に、青果物等の熟成が促進することを防ぎ、鮮度低下を抑制、防止することができる。
尚、本実施の形態では、吸発水部5の下流側に空気清浄部7を配設したが、一般的にウィルスや菌は塵や埃に付着しており、ほとんどの塵や埃は、プレフィルタ3cの空気流れ方向上流側の面でせき止められるので、光触媒能により除菌を行う除菌部を有する空気清浄部をプレフィルタ3cの空気流れ方向上流側の面に設けてもよい。プレフィルタ3cの表面に空気清浄部として、光触媒とカテキン等を担持すれば、プレフィルタ3cの表面に付着する塵埃などに含まれるカビ菌や細菌などの菌やウィルスを除去することができ、プレフィルタ3cより下流側の清浄性を高めることができる。
次に、実施の形態1の鮮度保持装置と共に用いられる吹出口遮蔽部材について説明する。
図6は吹出口遮蔽部材の一例を示す要部正面模式図である。
図6中、30はコンテナ収容部11の前面壁11a側に配設され、鮮度保持装置1の幅と略同等の幅の吹出開口部30aを有する吹出口遮蔽部材である。
吹出口11bから吹出す調和空気を十分に空気取入口3aに取り入れることができない場合、必要に応じて、図6に示した吹出口遮蔽部材30を前面壁11aに螺子止め等で固定し吹出開口部30a以外を遮蔽することにより、吹出口11bから吹出す調和空気を確実かつ効率的に鮮度保持装置1の空気取入口3aから取込むことができ、加湿の確実性、効率性に優れる。
次に、実施の形態1における鮮度保持装置の吸発水部の配置の変形例について説明する。図7は実施の形態1における鮮度保持装置の吸発水部の配置の変形例を示す平面模式図である。
図7において、吸発水部5の配置の変形例が実施の形態1の図3に示した鮮度保持装置と異なるのは、複数列の吸発水部5を調和空気の流れる方向と直交して配置している点である。この場合も吸発水部5の凹凸部6として、突起部5bに複数の切り欠き状の凹部6aが形成されていることにより、凹部6aを空気が通過することができ、加湿の効率の低下を防ぐことができる。
以上のように構成された実施の形態1における鮮度保持装置によれば、以下のような作用が得られる。
(1)コンテナ収容部の前面壁と対向する筐体の前方壁側に形成される空気取入口と、吹出口から吹出す調和空気を空気取入口に案内して筐体の内部に取入れる空気取入案内部を有するので、コンテナ収容部の底部前方から吹き出す調和空気を空気取入案内部によって空気取入口に導き、筐体の内部に確実に取り入れることができ、動作の安定性に優れる。
(2)筐体に内蔵され水が充填されるタンクと、タンクの上面に形成された1乃至複数の開口部と、開口部からタンクの内部に着脱自在に装着され下部がタンク内の水に浸漬されて水を吸収する浸漬部と開口部からタンクの上方に突出し浸漬部で吸収した水を空気中に発散してタンク上面側を通過する調和空気を加湿する突出部とを有する吸発水部と、を備えているので、コンテナ収容部の中を最適な高湿度域に維持することができ、収容物の鮮度低下を防止することができる。
(3)吸発水部がタンクの上面に形成された1乃至複数の開口部からタンクの内部に着脱自在に装着されているので、容易に吸発水部を着脱して交換することや開口部からタンクの内部に給水することができ、メンテナンス性に優れると共に、吸発水部の数によって設定湿度を調整することができ、汎用性、取扱い性に優れる。
(4)タンクの上面に形成された開口部に吸発水部が密着するように装着されているので、揺れ等が発生しても開口部から外部に水が漏れることがなく、収容物の水濡れを防止でき、輸送品質の信頼性に優れる。
(5)吸発水部がタンク内の水に浸漬されて水を吸収する浸漬部と開口部からタンクの上方に突出し浸漬部で吸収した水を空気中に発散する突出部とを有することにより、動力を用いることなく浸漬部によってタンク内の水を確実に吸い上げて突出部から空気中に発散するので、タンク内の水が無くなるまでタンク上面側を通過する調和空気を加湿し続けることができ、省エネルギー性、動作の確実性、加湿の安定性に優れる。
(6)吸発水部の下流側に配設される空気清浄部が、吸発水部を通過した調和空気を除菌する除菌部を有することにより、吸発水部で加湿された空気を効果的に除菌して加湿清浄化された処理済空気として空気吹出口からコンテナ収容部に吹き出させることができるので、カビ等の発生を確実に防止することができ、輸送時の品質の信頼性に優れる。
(7)吸発水部の下流側に配設される空気清浄部が、調和空気に含まれるエチレンガスの吸着又は分解の少なくともいずれか一方を行うエチレンガス除去部を有するので、吸発水部で加湿された空気をエチレンガス除去部に接触させてその空気中に含まれるエチレンガスの吸着又は分解を行って青果物等の熟成が促進することを防ぎ、鮮度低下を抑制、防止して、収容物の保存期間をさらに長くすることができ、収容物の高品質性に優れる。
(8)筐体の後方壁側の底面部に空気吹出口が形成されているので、筐体の内部で加湿、除菌され、エチレンガスが除去された処理済空気をコンテナ収容部の底部後方側に向かって吹き出し、コンテナ収容部の内部に循環させてコンテナ収容部全体を均一な高湿度状態に維持することができ、加湿の均一性、安定性に優れる。
(9)鮮度保持装置により、鮮度が長時間保持されるので、輸送距離を大幅に増大することができ、輸送範囲の拡大を図ることができる。
(10)エチレンガス除去部を有することにより、エチレンガスを効果的に除去することができるので、輸送する青果物の種類を増加させることができ、多様性、汎用性に優れる。
(11)筐体の少なくとも1つの側面部に形成された開閉部と、筐体の内部に配設されタンクを水平方向に摺動自在に支持するタンク支持部を有するので、開閉部を開けてタンクを引張るだけでタンクをタンク支持部に沿って容易に引き出すことができ、メンテナンスの作業性に優れる。
(12)タンクが、タンク支持部によって筐体の内部に摺動自在に支持されているので、必要に応じてタンクのみを筐体から取出して水の注入、吸発水部の交換、清掃等を容易に行うことができ、メンテナンス性に優れる。
(13)吸発水部の突出部に形成された凹凸部を有することにより、突出部の表面積を増大させてタンクの上面を通過する空気との接触面積を増加させることができ、湿度を効果的に高めることができる。
(14)空気清浄部の除菌部が、酸化チタンの光触媒作用により除菌を行う除菌フィルタを備えることにより、酸化チタンの光触媒作用によって高い除菌、防カビ、脱臭性能を得ることができ、加湿された調和空気を浄化してカビの発生を効果的に防ぎ、各種収容物の腐敗を防止することができる。
(15)空気清浄部において酸化チタンを主成分とする光触媒に光を照射させることによって、酸化チタンの光触媒作用を呈することとなり、吸発水部において効率的に加湿された空気に対して、ニ次元的ではなく三次元的なメッシュから構成される除菌フィルタによって、光触媒作用により発揮される除菌作用に伴う空気清浄処理が、流通する空気の流れを阻害することなく行われることとなり、単位時間当たりの処理流量を増大させ、効率性の高い空気清浄処理が実現される。
(16)空気清浄部のエチレンガス除去部が、化学反応及び/又は吸着によりエチレンガスを除去するエチレンガス除去フィルタを備えることにより、収容物の発するエチレンガスを確実に除去して、野菜や果物等の熟成を長時間にわたって防止でき、船舶やコンテナ車等に積載した際の輸送距離を延ばすことができる。
(17)吸発水部において効率的に加湿された空気に対して、エチレンガス除去フィルタを構成する、ニ次元的ではなく三次元的なメッシュの通気性によって、化学反応及び/又は吸着によるエチレンガス除去作用が高められることとなり、流通する空気の流れを阻害することなく、単位時間当たりの空気を清浄する処理流量を増大させ、効率性の高い空気清浄処理を実現することができる。
(18)雑菌繁殖防止剤がタンクの水の中に混合されることにより、タンク内の雑菌の繁殖を防ぎ、ヌメリの発生を防止でき、衛生的で、吸発水部の吸水性能を維持することができ、加湿の安定性に優れる。
以上のように構成された実施の形態1における鮮度保持装置を備えたコンテナによれば、以下のような作用が得られる。
(1)コンテナ収容部の底部前方に鮮度保持装置が着脱自在に配設されることにより、輸送時はコンテナ収容部の内部を低温、高湿度に維持しつつカビの発生を防止できると共に、青果物の熟成に伴って発生するエチレンガスを除去して他の青果物の熟成が促進することを防ぎ、鮮度低下を抑制して収容物の長期保存を実現でき、必要ない時は簡単に外部に運び出して清掃やメンテナンスを行うことができ、取扱い性、メンテナンス性に優れる。
(実施の形態2)
実施の形態2における鮮度保持装置について説明する。
図8において、実施の形態2における鮮度保持装置1Aが実施の形態1と異なるのは、タンク4の上方にタンク4に水を供給する給水タンク13を備えている点である。
尚、図8中、3gはタンク4の上方に配置された給水タンク載置部、13aは給水タンク13に注水するための注水部である。
給水タンク13と各々のタンクは給水管(図示せず)で接続されており、給水管の出口部にはフロート弁が配設されている。フロートをタンク4の水面に浮かべることにより、水位が下がると弁体が開いて給水され、一定の水位になるとフロートが浮き上がって弁体が閉じるため、自動的にタンク4内を略一定の水位に保つことができる。
尚、給水タンク13の水にもタンク4の水と同様に雑菌繁殖防止剤を混合することが好ましい。
以上のように構成された実施の形態2における鮮度保持装置によれば、実施の形態1で得られる作用と同様の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)筐体内のタンクの上方に配設されタンクに水を供給する給水タンクを備えることにより、吸発水部で消費されるタンクの水を補充することができ、長期間継続して加湿を行うことが可能で、収容物の長期保存の信頼性に優れる。
(2)給水タンクからタンクに水を供給して、タンク内の水位を略一定に保つことにより、吸発水部における水分保持量の経時的な変動を抑え、加湿性能の低下を防ぐことができ、加湿動作の安定性に優れる。
(3)タンクに水を供給する給水タンクを別途備えることにより、タンクの容量を減らしてタンクの高さを低くすることができるので、吸発水部の浸漬部の高さを低く抑えることができ、省資源性に優れる。また、これにより、浸漬部はタンク内の水を小さな力で効率的に吸い上げることができ、加湿の確実性、効率性に優れる。
本発明は、加湿のための別途の動力が不要で省エネルギー性に優れると共に、可動部がないので故障することもなく、常に一定以上の湿度を保つことができ、動作の確実性、メンテナンス性に優れるだけでなく、軽量かつコンパクトで人手で容易に搬送することができ、既存のコンテナ収容部に短時間で設置固定することができ、取扱い性、汎用性に優れ、輸送中等にコンテナが揺れても水が漏れることがなく、収容物の水濡れを防止でき、カビの発生を防止すると共に、収容物から発生するエチレンガスを除去して収容物の長期保存を可能にする信頼性、安全性に優れた鮮度保持装置の提供、及びこの鮮度保持装置を備えることにより、余計な動力を必要とすることなく、コンテナ収容部の内部を低温、高湿度に維持しつつカビの発生を防止することができると共に、青果物の熟成に伴って発生するエチレンガスを除去して他の青果物の熟成が促進することを防ぎ、鮮度低下を抑制して収容物の長期保存を実現し、輸送時の品質の維持、輸送時の省エネルギー化を図ることができる信頼性に優れたコンテナの提供を行い、輸送コストの低減に貢献することができる。
1 鮮度保持装置
2 筐体
2a 前方壁
2b 後方壁
2c 側面部
2d フレーム部
2e 側面開口部
3a 空気取入口
3b 空気取入案内部
3c プレフィルタ
3d ガイド部
3e 支柱部
3f タンク支持部
3g 給水タンク載置部
4 タンク
4a 開口部
5 吸発水部
5a 浸漬部
5b 突出部
6 凹凸部
6a 凹部
7 空気清浄部
7a 導入口
7b 排出口
7c 電池
8 空気吹出口
9 把手部
10 コンテナ
11 コンテナ収容部
11a 前面壁
11c 底面
12 フロアレール
12a リブ
12b 通気孔
13 給水タンク
13a 注水部
21 タンク収容部
22 吹き抜け防止部
25 固定ボルト軸
26 固定板
27 固定ナット
30 吹出口遮蔽部材
30a 吹出開口部
70a 除菌部
70b エチレンガス除去部
71 除菌フィルタ
72 エチレンガス除去フィルタ
73 光源

Claims (6)

  1. コンテナ収容部の底部前方に形設された吹出口から調和空気を吹出して循環させることにより前記コンテナ収容部に収容される収容物の品質を保持するコンテナで用いられる鮮度保持装置であって、
    前記コンテナ収容部の底部前方に着脱自在に配設固定される筐体と、前記コンテナ収容部の前面壁と対向する前記筐体の前方壁側に形成される空気取入口と、前記吹出口から吹出す調和空気を前記空気取入口に案内して前記筐体の内部に取入れる空気取入案内部と、前記筐体に内蔵され水が充填されるタンクと、前記タンクの上面に形成された1乃至複数の開口部と、前記開口部から前記タンクの内部に着脱自在に装着され下部が前記タンク内の水に浸漬されて前記水を吸収する浸漬部と前記開口部から前記タンクの上方に突出し前記浸漬部で吸収した水を空気中に発散して前記タンク上面側を通過する前記調和空気を加湿する突出部とを有する吸発水部と、前記吸発水部の下流側又は上流側に配設され前記調和空気を除菌する除菌部及び/又は前記調和空気に含まれるエチレンガスの吸着又は分解の少なくともいずれか一方を行うエチレンガス除去部を有する空気清浄部と、前記筐体の後方壁側に形成され加湿浄化された処理済空気を前記コンテナ収容部の底部後方側に向かって吹出す空気吹出口と、を備えたことを特徴とする鮮度保持装置。
  2. 前記筐体の少なくとも1つの側面部に形成された開閉部と、前記筐体の内部に配設され前記タンクを水平方向に摺動自在に支持するタンク支持部と、前記筐体に配設され前記タンクに水を供給する給水タンクと、前記吸発水部の前記突出部に形成された1乃至複数の凹凸部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の鮮度保持装置。
  3. 前記空気清浄部の前記除菌部が、酸化チタンの光触媒作用により除菌を行う除菌フィルタを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の鮮度保持装置。
  4. 前記空気清浄部の前記エチレンガス除去部が、化学反応及び/又は吸着によりエチレンガスを除去するエチレンガス除去フィルタを備えたことを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の鮮度保持装置。
  5. 前記タンクの水の中に混合された雑菌繁殖防止剤を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の鮮度保持装置。
  6. コンテナ収容部の底部前方に請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の鮮度保持装置が着脱自在に配設されたことを特徴とするコンテナ。
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