JP2016089123A - 光硬化型インク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好なピニング性を有することにより凝集ムラを効果的に抑制できると共に、発色性及び保存安定性にも優れた光硬化型インク組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る光硬化型インク組成物は、重合性官能基を有する重合性化合物、色材、および光重合開始剤を含有する分散質と、分散媒としての水性溶媒と、を含有する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係る光硬化型インク組成物は、重合性官能基を有する重合性化合物、色材、および光重合開始剤を含有する分散質と、分散媒としての水性溶媒と、を含有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、光硬化型インク組成物及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルヘッドからインクの小滴を吐出して飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う方法である。このインクジェット記録方法は、高解像度かつ高品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有するものである。
インクジェット記録方法で使用されるインクとしては、一般に着色剤として顔料や染料を用いた水性インクが利用されている。水性インクは、安全性や環境問題の点では優れているが、上質紙や普通紙に印字した場合に滲みが発生しやすく、また印刷本紙に印字した場合に乾燥が不十分で高速印刷が困難である。さらに、インクを吸収しない記録媒体、例えば高分子樹脂フィルム、陶器、ガラス基板上では、印字したインクを定着できないといった問題が生じ得る。このような問題を解決するため、従来、様々な水性の光硬化型インクが提案されている。
例えば、特許文献1には、粒径及びゼータ電位を所定範囲とする水性の光硬化型インクジェットインクが開示されている。また、このインクジェットインクは、3つ以上の光官能基を持つ光硬化性モノマーまたはオリゴマーを20質量%以上含有し、エマルション型光重合性化合物を含有することも開示されている。
例えば、特許文献2には、光重合性官能基と疎水性部位及び親水性部位を有する化合物を吸着した顔料、光重合開始剤、及び水を含有する水性硬化型インクジェット用インクが開示されている。
また、特許文献3には、水性の光硬化型インクではないが、顔料、重合性物質及び光重合開始剤を含む光硬化性組成物を光重合させて得られた顔料分散粒子が、水中に分散されている水性インクが開示されている。
しかしながら、従来の水性の光硬化型インクでは、光を照射しても乳化された樹脂中で硬化反応が起こるだけに過ぎず、そのまま乳化状態が維持されるため、インクが増粘しない。したがって、水存在下で光照射しても色材が自由に動いてしまうため、画像形成できず凝集ムラとなりやすく、また発色性が悪いという課題があった。また、水性の光硬化型インクは、水中に重合性化合物を分散させたエマルジョンの形態を取ることが多いが、その形態故に保存安定性が課題となる。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上記課題の少なくとも一部を解決することで、良好なピニング性により凝集ムラを効果的に抑制できると共に、発色性及び保存安定性にも優れた光硬化型インク組成物を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る光硬化型インク組成物の一態様は、
重合性官能基を有する重合性化合物、色材、および光重合開始剤を含有する分散質と、
分散媒としての水性溶媒と、
を含有することを特徴とする。
本発明に係る光硬化型インク組成物の一態様は、
重合性官能基を有する重合性化合物、色材、および光重合開始剤を含有する分散質と、
分散媒としての水性溶媒と、
を含有することを特徴とする。
適用例1の光硬化型インク組成物によれば、分散質に色材が内包されることにより、分散質内で重合性化合物が硬化する際に、色材も巻き込みながら硬化される。これにより、色材を早期に固定化することができ、ピニング効果により凝集ムラの発生を抑制できる。また、吸収メディア及び非吸収メディアのいずれのメディアにおいても発色性が良好な画像を形成することができる。また、エマルジョンの形態であっても保存安定性が良好となる。
[適用例2]
適用例1の光硬化型インク組成物において、
前記分散質が、重合性官能基を有する重合性化合物として両親媒性の重合性化合物を含み、当該重合性化合物により乳化分散した分散体であることができる。
適用例1の光硬化型インク組成物において、
前記分散質が、重合性官能基を有する重合性化合物として両親媒性の重合性化合物を含み、当該重合性化合物により乳化分散した分散体であることができる。
[適用例3]
適用例2の光硬化型インク組成物において、
前記両親媒性の重合性化合物が、親水性部と疎水性部とを有し、重合性官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基、ビニル基、およびメルカプト基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有することができる。
適用例2の光硬化型インク組成物において、
前記両親媒性の重合性化合物が、親水性部と疎水性部とを有し、重合性官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基、ビニル基、およびメルカプト基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有することができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の光硬化型インク組成物において、
前記色材が、分散質中に分散した顔料および分散質中に溶解した油溶性染料の少なくとも一方であることができる。
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の光硬化型インク組成物において、
前記色材が、分散質中に分散した顔料および分散質中に溶解した油溶性染料の少なくとも一方であることができる。
[適用例5]
適用例4の光硬化型インク組成物において、
前記色材が分散質中に分散した顔料である場合において、前記分散質中の顔料の固形分含有量が、0.1質量%以上50質量%以下であることができる。
適用例4の光硬化型インク組成物において、
前記色材が分散質中に分散した顔料である場合において、前記分散質中の顔料の固形分含有量が、0.1質量%以上50質量%以下であることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の光硬化型インク組成物において、
前記光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤を含み、前記重合性官能基を有する重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含むことができる。
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の光硬化型インク組成物において、
前記光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤を含み、前記重合性官能基を有する重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含むことができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例の光硬化型インク組成物において、
前記重合性官能基を有する重合性化合物の含有量が、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、1質量%以上15質量%以下であることができる。
適用例1ないし適用例6のいずれか一例の光硬化型インク組成物において、
前記重合性官能基を有する重合性化合物の含有量が、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、1質量%以上15質量%以下であることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか一例の光硬化型インク組成物において、
前記水性溶媒に含まれる水の含有量が、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、10質量%以上であることができる。
適用例1ないし適用例7のいずれか一例の光硬化型インク組成物において、
前記水性溶媒に含まれる水の含有量が、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、10質量%以上であることができる。
[適用例9]
適用例1ないし適用例8のいずれか一例の光硬化型インク組成物は、インクジェット用インクであることができる。
適用例1ないし適用例8のいずれか一例の光硬化型インク組成物は、インクジェット用インクであることができる。
[適用例10]
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
適用例1ないし適用例9のいずれか一例の光硬化型インク組成物を記録媒体へ付着させる工程と、
前記付着から1秒以内に光を照射する工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
適用例1ないし適用例9のいずれか一例の光硬化型インク組成物を記録媒体へ付着させる工程と、
前記付着から1秒以内に光を照射する工程と、
を備えることを特徴とする。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれかを意味する。
1.光硬化型インク組成物
本実施の形態に係る光硬化型インク組成物は、重合性官能基を有する重合性化合物、色材、および光重合開始剤を含有する分散質と、分散媒としての水性溶媒と、を含有することを特徴とする。かかる光硬化型インク組成物は、分散媒である水性溶媒中に、重合性官能基を有する重合性化合物、色材、および光重合開始剤を含有する分散質が分散された、いわゆるO/W型のエマルジョンの形態をとっている。
本実施の形態に係る光硬化型インク組成物は、重合性官能基を有する重合性化合物、色材、および光重合開始剤を含有する分散質と、分散媒としての水性溶媒と、を含有することを特徴とする。かかる光硬化型インク組成物は、分散媒である水性溶媒中に、重合性官能基を有する重合性化合物、色材、および光重合開始剤を含有する分散質が分散された、いわゆるO/W型のエマルジョンの形態をとっている。
従来のO/W型のエマルジョンの形態をとる光硬化型インク組成物では、色材である顔料又は染料は、分散媒である水性溶媒中に分散又は溶解されている。特に顔料の場合には、顔料の表面処理又は公知の分散樹脂によって水性溶媒中に分散されている。一方、分散質には、重合性化合物及び光重合開始剤を含有している。かかる場合、光照射により分散質に内包された光重合開始剤からラジカルが発生し、重合性化合物は硬化するが、顔料は水性媒体中に分散し続けることになる。そうすると、水性溶媒が揮発するなどして除去される過程において、色材同士が凝集して、凝集ムラが発生するという問題があった。
これに対して、本実施の形態における分散質には、重合性官能基を有する重合性化合物、色材、及び光重合開始剤が内包され、保持されている。そのため、分散質に光重合開始剤の開裂反応が起こる波長の光を照射すると、内包されている光重合開始剤からラジカルが発生し、乳化された重合性化合物が色材を巻き込みながら硬化することができる。これにより、色材同士が凝集しにくくなり、凝集ムラの発生を効果的に抑制することができる。そのため、本実施の形態に係る光硬化型インク組成物の形態としては、分散質中に光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤を含み、重合性官能基を有する重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含む形態が好適である。
また、本実施の形態に係る光硬化型インク組成物によれば、水性溶媒の存在下で光を照射する場合であっても、色材が分散質に内包されているため、色材の分散を妨げる効果がある。さらに、ピニング性が非常に良好であるため、高速印刷にも十分対応することが可能となる。
1.1.分散質に含まれる成分
1.1.1.重合性官能基を有する重合性化合物
重合性官能基を有する重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により光照射時に重合されて、記録媒体へ付着させたインクを硬化させることができる。
1.1.1.重合性官能基を有する重合性化合物
重合性官能基を有する重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により光照射時に重合されて、記録媒体へ付着させたインクを硬化させることができる。
重合性官能基としては、重合性の観点から、ラジカル重合性基であることが好ましい。ラジカル重合性基としては、特に限定されないが、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリルアミド基、アリル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、ビニルアミノ基、ビニル基およびメルカプト基が挙げられる。これらの中でも、重合性の観点から、(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基、ビニル基およびメルカプト基よりなる群から選択される少なくとも1種の基であることがより好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物としては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可撓性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ
)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
ビニルエーテル基を有する重合性化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。
ビニル基を有する重合性化合物としては、例えば、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、及びそれらの誘導体が挙げられる。
メルカプト基を有する重合性化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピオン酸、3−(メチルジメトキシシリル)プロパン−1−チオール、3−メルカプト−1−プロパノール、ジメルカプトコハク酸、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール等が挙げられる。
上記例示したような重合性化合物を水性溶媒中に分散させるためには、通常乳化剤を用
いて乳化分散させる。この場合、後述する光重合開始剤や色材もこれらの重合性化合物とともに乳化剤により同時に乳化分散させればよい。乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等の従来公知のものを使用することができる。これらの中でも、O/W型のエマルジョンを安定化させる観点から、HLB値8〜16の非イオン性界面活性剤が好適に用いられる。
いて乳化分散させる。この場合、後述する光重合開始剤や色材もこれらの重合性化合物とともに乳化剤により同時に乳化分散させればよい。乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等の従来公知のものを使用することができる。これらの中でも、O/W型のエマルジョンを安定化させる観点から、HLB値8〜16の非イオン性界面活性剤が好適に用いられる。
ここで、HLB値とは、デービスらが提唱した化合物の親水性を評価する値であり、たとえば文献「J.T.Davies and E.K.Rideal,“Interface Phenomena”2nd ed.Academic Press,New York 1963」中で定義されているデービス法により求められる数値で、下記式(1)によって算出される値をいう。
HLB値=7+Σ[1]+Σ[2] ・・・・・(1)
(但し、[1]は親水基の基数を表し、[2]は疎水基の基数を表す。)
HLB値=7+Σ[1]+Σ[2] ・・・・・(1)
(但し、[1]は親水基の基数を表し、[2]は疎水基の基数を表す。)
このような非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリルモノステアレート、デカグリセリルトリオレエート、ヘキサグリセリンポリリシノレート等の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン植物油脂肪酸エステル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;高級アルコール等が挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施の形態に係る光硬化型インク組成物中の乳化剤の含有割合は、分散質100質量部に対して、好ましくは5〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部である。
本実施の形態に係る光硬化型インク組成物では、重合性官能基を有する重合性化合物として両親媒性の重合性化合物を含むことにより、上述のような乳化剤を添加することなく、当該重合性化合物により乳化分散させたエマルジョンとすることができる。
本明細書における「両親媒性」とは、親水性及び疎水性の両方の性質を併せ持つことをいう。「親水性」とは、水を主体とした水性溶媒に対して親和性が比較的大きい性質を表す。「疎水性」とは、上記水性溶媒に対して親和性が比較的小さい性質を表す。
両親媒性の重合性化合物は、親水性ブロックセグメント(親水性部)及び疎水性ブロックセグメント(疎水性部)を少なくとも有している。重合性官能基は、親水性部、疎水性部、親水性部及び疎水性部以外の部の何れかに導入させることができるが、乳化能が優れる点や導入しやすさの点から、疎水性部、親水性部及び疎水性部以外の部の何れかに導入させることが好ましく、親水性部及び疎水性部以外の部に導入することがより好ましい。
親水性部、疎水性部、親水性部及び疎水性部以外の部への重合性官能基の導入は、親水性部、疎水性部、親水性部及び疎水性部以外の部の何れかと、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、グリシジル基などの何れかの反応基を有する化合物を、当該反応基の反応により反応させて重合性化合物とする方法が挙げられる。
両親媒性の重合性化合物の市販品としては、UV/EB硬化性樹脂(荒川化学株式会社製の「ビームセット EM90」、「ビームセット EM92」)等が挙げられる。
両親媒性の重合性化合物は、水を主体とした水性溶媒中では、疎水性部をコア側に向けて、親水性部を水性溶媒側に向けて配向し、ポリマーミセルを形成する。両親媒性の重合性化合物は、コア(内殻)に光重合開始剤及び色材を内包し、保持することができる。
本実施の形態における分散媒としての水性溶媒とは、水を主たる溶媒として水に溶解する有機溶媒、すなわち水溶性有機溶媒を必要に応じて含むものを指し、もちろん水だけのものも含まれる。また、水としてはイオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水や蒸留水等の純水又は超純水を用いることが好ましい。
このように、両親媒性の重合性化合物は、ブロックコポリマーから構成される。「ブロックコポリマー」とは、2種以上のブロックセグメント構造がポリマー鎖上で連結したコポリマーをいう。このブロックコポリマーは、1種以上の親水性のブロックセグメントと1種以上の疎水性のブロックセグメントとを有するポリマー化合物である。
なお、ブロックコポリマーの数平均分子量としては、ブロックコポリマーとして10,000を超えることが好ましい。換言すれば、かかるブロックコポリマーを構成する各ブロックセグメントは、数平均分子量が10,000以下であってもよい。
本実施形態におけるブロックコポリマーのセグメントの並び順として、例えば、AB型ジブロック、ABC型トリブロック、ABA型トリブロック、及び(AB)n型マルチブロックが挙げられる。上記のいずれの並び順を採った場合でも、水を主体とした水性溶媒中で、疎水性ブロックセグメント(疎水性部)をコア側に、親水性基を有する親水性ブロックセグメント(親水性部)を水性溶媒側に各々位置するように配向して、ミセル(ポリマーミセル)が形成される。
上記の並び順の一例を挙げると、AB型ジブロックコポリマーは二つのブロックセグメントからなる。「A」は親水性のブロックセグメントであり、「B」は実質的に疎水性のブロックセグメントである。実質的に疎水性のブロックセグメントは、疎水性のモノマーを構成成分として重合して得られたブロックセグメント及び親水性のブロックセグメントに対して相対的に疎水性であるブロックセグメントのうち少なくともいずれか一方を含有する。
上記ミセルを構成するブロックコポリマーの数平均分子量は、10,000を超えることが好ましい。数平均分子量が10,000以下であると、水を主体とした水性溶媒中で形成されたミセルが不安定になる場合があり、室温及び高温(例えば40〜70℃の領域)における保存安定性、及びインク組成物の構成成分である溶媒に対する耐性に劣り得る。また、上記数平均分子量は、より好ましくは10,000を超えて20,000以下である。
上記ミセルの形状は、特に限定されず、球状、棒状、ラメラ状等が挙げられるが、球状であることが好ましい。その理由は、ミセルが球状を維持することにより、高濃度領域であってもミセルが高粘度化することを効果的に防止できるためである。また、上記ミセルが球状であると、当該ミセルに内包した光重合開始剤等がミセルから漏れ出すことを防止でき、高いラジカル重合反応性を維持できる。
上記ミセルの平均粒子径は、好ましくは1μm未満であり、より好ましくは500nm
以下であり、さらに好ましくは100〜300nmである。平均粒子径が上記範囲内である場合、光重合開始剤等の内包物質を完全に内包することができ、粘度が高くなる等の影響も少なく、インクジェット記録装置に適用した場合にノズルを詰まらせることもない。なお、上記ミセルの平均粒子径は、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置としては、例えばマルバーン社製のゼータ電位・粒子径測定装置ゼータサイザーナノが挙げられる。
以下であり、さらに好ましくは100〜300nmである。平均粒子径が上記範囲内である場合、光重合開始剤等の内包物質を完全に内包することができ、粘度が高くなる等の影響も少なく、インクジェット記録装置に適用した場合にノズルを詰まらせることもない。なお、上記ミセルの平均粒子径は、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置としては、例えばマルバーン社製のゼータ電位・粒子径測定装置ゼータサイザーナノが挙げられる。
上記の親水性ブロックセグメント(親水性部)としては、オキシアルキレン基、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、ホスフィン基及びアミド基の少なくとも何れかを導入したブロックセグメントが挙げられる。これらの中でも、良好な親水性を得る観点から、特にオキシアルキレン基、カルボキシ基、スルホン酸基及びホスフィン基からなる群より選択される1種以上の基が好ましい。
親水性ブロックセグメント(親水性部)は、上記の親水性基が含まれれば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基や脂環式炭化水素基を含んでも構わない。なお、上記の親水性基は、親水性ブロックセグメントの主鎖又は側鎖のうちの少なくともいずれか一方に存在すればよい。
上記の疎水性ブロックセグメント(疎水性部)としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基、フルオロアルキル基、ポリシロキサン基及びポリウレタン基の少なくとも何れかを有するブロックセグメントが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基の例として、特に限定されないが、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基が挙げられる。上記芳香族炭化水素基の例として、特に限定されないが、アリール基及びアラルキル基が挙げられる。上記脂環式炭化水素基の例として、特に限定されないが、シクロアルキル基が挙げられる。これらの基の具体的態様は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基及びオクチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基及びビフェニル基等のアリール基、並びにベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基である。
これらの中でも、十分な疎水性が得られるという観点から、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基、フルオロアルキル基及びポリシロキサン基からなる群より選択される一種以上の基が好ましい。より好ましくは、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基、フルオロアルキル基及びポリシロキサン基である。特に好ましくは、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソデシル基、ラウリル基、ステアリル基、オクチル基、イソオクチル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、フルオロアルキル基及びポリシロキサン基が挙げられる。
なお、上記の疎水性基は、疎水性ブロックセグメントの主鎖又は側鎖のうちの少なくともいずれか一方に存在すればよい。
上述のミセル(ポリマーミセル)は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、親水性ブロックセグメント及び疎水性ブロックセグメントを有するブロックコポリマーを水に混合する(第1工程)。次いで、この混合液に色材及び光重合開始剤を添加し混合する(第2工程)。次いで、この混合液に水をさらに添加して乳化を行う(第3工程)。これらの工程により、ブロックコポリマーから構成された、色材及び光重合開始剤を内包したミセル(ポリマーミセル)を形成することができる。
第1工程においては、所定のブロックコポリマーを水に混合する。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水を用いることが好ましい。また、水の温度は、好ましくは20〜60℃、より好ましくは30〜50℃である。
第2工程においては、第1工程後の混合液に、光重合開始剤を添加して混合する。光重合開始剤の添加量は、ブロックコポリマーの質量に対して1〜10質量%が好ましい。
第3工程においては、第2工程後の混合液に、水をさらに添加して乳化を行う。水の種類は、上記第1工程において列挙した水の種類と同様である。また、水の温度は、好ましくは20〜60℃、より好ましくは30〜50℃である。温度が上記範囲内である場合、乳化状態が良好となる。乳化は一般的な攪拌機を使用することで行える。攪拌温度は、好ましくは30〜50℃である。攪拌速度は、好ましくは100〜500rpmである。攪拌時間は、好ましくは1〜5時間である。
上記第3工程を経た結果、上記のブロックコポリマーから構成された、色材及び光重合開始剤を内包したミセル(ポリマーミセル)が形成される。
本実施の形態に係る光硬化型インク組成物中の重合性官能基を有する重合性化合物の含有割合は、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、下限は5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましく10質量%以上が特に好ましく、上限は17質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。重合性化合物の含有割合が上記範囲内であると、ピニング性が良好となりやすく凝集ムラを効果的に抑制できると共に、インクの保存安定性の点でも有利となる。
1.1.2.色材
本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、分散質中に色材を含む。色材としては、上述の重合性官能基を有する重合性化合物に溶解又は分散できるものを使用することができる。より具体的には、分散質中に分散された顔料又は分散質中に溶解された油溶性染料を好ましく使用することができる。色材が分散質中に分散した顔料である場合、特に吸収メディアにおいて発色性が向上する。重合反応により顔料の見かけ上の粒径が増大し、顔料の吸収メディアへの浸透を阻害するからである。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、分散質中に色材を含む。色材としては、上述の重合性官能基を有する重合性化合物に溶解又は分散できるものを使用することができる。より具体的には、分散質中に分散された顔料又は分散質中に溶解された油溶性染料を好ましく使用することができる。色材が分散質中に分散した顔料である場合、特に吸収メディアにおいて発色性が向上する。重合反応により顔料の見かけ上の粒径が増大し、顔料の吸収メディアへの浸透を阻害するからである。
本実施の形態に係る光硬化型インク組成物中の色材の含有割合は、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜8質量%である。色材の含有割合が上記範囲内である場合、所望の発色性を維持しつつ、充分な硬化性も維持できる。
[顔料]
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、得られる画像の耐候性を向上させることができる。顔料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、得られる画像の耐候性を向上させることができる。顔料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
まず、カラーインクに用いられる顔料としては以下のものを使用できるが、これらに限定されない。無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、及び酸化チタンが挙げられる。有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩
基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、及び昼光蛍光顔料が挙げられる。
基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、及び昼光蛍光顔料が挙げられる。
具体例を挙げると、イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213等が挙げられる。マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、22、38、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、188、202、209、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22が挙げられる。ブラックインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。その他には、オレンジインクとして、C.I.ピグメントオレンジ−16、36、38、グリーンインクとして、C.I.ピグメントグリーン−7、36が挙げられる。
次に、ホワイトインクに用いられる色材として、白色顔料を用いることができる。白色顔料はインク組成物を白色にするものであればよく、通常、この分野に用いられる白色顔料を用いることができる。このような白色顔料として、例えば白色無機顔料及び白色有機顔料が挙げられる。
白色無機顔料としては、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、及びクレイ等が挙げられる。中でも酸化チタンは、隠蔽性、着色性、及び分散粒径の観点から好ましい。白色有機顔料としては、特開平11−129613号公報に示される有機化合物塩や特開平11−140365号公報、特開2001−234093号公報に示されるアルキレンビスメラミン誘導体が挙げられる。白色有機顔料の具体的な商品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL、ShigenoxFWP、ShigenoxFWG、ShigenoxUL、及びShigenoxU(以上、ハッコールケミカル社製、何れも商品名)などが挙げられる。白色顔料の具体例として、例えば、C.I.ピグメントホワイト6、18、21が挙げられる。
本実施の形態に係る光硬化型インク組成物が色材として顔料を含む場合、顔料の凝集を一層防止するため、インク組成物を製造する前に予め顔料分散液を作製しておくことが好ましい。この顔料分散液に用いる分散媒は、上記の重合性化合物(モノマー成分やオリゴマー成分)であってもよく、別途添加される分散剤であってもよい。後者の場合、分散剤としては、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン等、従来公知の成分を使用することができる。
[染料]
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、油溶性染料及び塩基性染料が使用可能である。重合性化合物や光重合開始剤の乳化工程において染料の存在下で行うことで、分散質に染料を含ませることができる。これらの中でも上述の重合性官能基を有する重合性化合物に溶解する油溶性染料を用いることが好ましい。このような油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー14,16,18,33,56,93、C.I.ディスパースイエロー54、C.I.ソルベントレッド3,18,23,24,27,49、C.I.ソルベントブルー3,5,35,70,94、C
.I.ソルベントバイオレット8、C.I.ソルベントグリーン3、C.I.ソルベントブラック3,7等が挙げられる。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、油溶性染料及び塩基性染料が使用可能である。重合性化合物や光重合開始剤の乳化工程において染料の存在下で行うことで、分散質に染料を含ませることができる。これらの中でも上述の重合性官能基を有する重合性化合物に溶解する油溶性染料を用いることが好ましい。このような油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー14,16,18,33,56,93、C.I.ディスパースイエロー54、C.I.ソルベントレッド3,18,23,24,27,49、C.I.ソルベントブルー3,5,35,70,94、C
.I.ソルベントバイオレット8、C.I.ソルベントグリーン3、C.I.ソルベントブラック3,7等が挙げられる。
上記の色材は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
1.1.3.光重合開始剤
本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、分散質中に光重合開始剤を含む。かかる光重合開始剤は、開裂反応が起こる波長の光が照射されることによって分散質の内部で開始剤ラジカルを発生させ、分散質の内部にある重合性官能基を有する重合性化合物のラジカル重合反応に寄与する。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、分散質中に光重合開始剤を含む。かかる光重合開始剤は、開裂反応が起こる波長の光が照射されることによって分散質の内部で開始剤ラジカルを発生させ、分散質の内部にある重合性官能基を有する重合性化合物のラジカル重合反応に寄与する。
ここで、光源としては、γ線、β線、電子線、紫外線(UV)、可視光線、及び赤外線が挙げられる。中でも、安全性や光源ランプのコストの観点から、紫外線(UV)が好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤といった公知の重合開始剤を使用することができるが、本実施形態の光硬化型インク組成物はラジカル系であるため、光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
上記の光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DA
ROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、チバ・ジャパン社(Ciba Japan K.K.)製)、Kayacure DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、及びユベクリルP36(UCB社製)が挙げられる。
ROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、チバ・ジャパン社(Ciba Japan K.K.)製)、Kayacure DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、及びユベクリルP36(UCB社製)が挙げられる。
上記の光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。光重合開始剤の含有割合は、分散質100質量部中、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは5〜18質量部、特に好ましくは8〜15質量部である。また、光重合開始剤の含有割合は、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、特に好ましくは1〜3質量%である。光重合開始剤の含有量が上記範囲内である場合、光硬化速度が十分大きく、かつ、光重合開始剤の溶け残りや光重合開始剤に由来する着色がほとんどない。
1.1.4.その他の成分
本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、上記に挙げた成分以外の成分を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、溶剤、重合促進剤、熱重合禁止剤、及びスリップ剤、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、及び増粘剤が挙げられる。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、上記に挙げた成分以外の成分を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、溶剤、重合促進剤、熱重合禁止剤、及びスリップ剤、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、及び増粘剤が挙げられる。
1.2.分散媒に含まれる成分
1.2.1.水性溶媒
本実施の形態における分散媒としての水性溶媒とは、水を主たる溶媒として水に溶解する有機溶媒、すなわち水溶性有機溶媒を含むものを指す。分散媒を構成する水性溶媒、すなわち主溶媒としての水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。本実施の形態に係る光硬化型インク組成物における水の含有割合は、O/W型エマルジョンの形態とする観点から、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。
1.2.1.水性溶媒
本実施の形態における分散媒としての水性溶媒とは、水を主たる溶媒として水に溶解する有機溶媒、すなわち水溶性有機溶媒を含むものを指す。分散媒を構成する水性溶媒、すなわち主溶媒としての水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。本実施の形態に係る光硬化型インク組成物における水の含有割合は、O/W型エマルジョンの形態とする観点から、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物の分散媒には、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ε−カプロラクタム、ジメチルスルホキシド、スルホラン、モルホリン、N−エチルモルホリン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等からなる群から選ばれる一種以上の極性溶媒を添加することができる。極性溶媒を添加することにより、インクの吐出安定性を良好にすることができる。これらの極性溶媒の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.1質量%〜20質量%であり、より好ましくは1質量%〜10質量%である。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物の分散媒は、記録媒体への浸透性を促進させる目的で、浸透剤をさらに含有することが好ましい。水性溶媒が記録媒体に素早く浸透する
ことによって、画像の滲みが少ない画像を得ることができる。このような浸透剤としては、多価アルコールのアルキルエーテル(グリコールエーテル類ともいう)及び/又は1,2−アルキルジオールが好ましく用いられる。多価アルコールのアルキルエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等が挙げられる。1,2−アルキルジオールとしては、例えば1,2−ペンタンジオール、及び1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの他に、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、及び1,8−オクタンジオール等の直鎖炭化水素のジオール類を挙げることができ、これらから適宜選択して本実施形態のインク組成物に用いることができる。
ことによって、画像の滲みが少ない画像を得ることができる。このような浸透剤としては、多価アルコールのアルキルエーテル(グリコールエーテル類ともいう)及び/又は1,2−アルキルジオールが好ましく用いられる。多価アルコールのアルキルエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等が挙げられる。1,2−アルキルジオールとしては、例えば1,2−ペンタンジオール、及び1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの他に、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、及び1,8−オクタンジオール等の直鎖炭化水素のジオール類を挙げることができ、これらから適宜選択して本実施形態のインク組成物に用いることができる。
中でも、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ペンタンジオール、及び1,2−ヘキサンジオールから選ばれる1種以上が好ましい。
これらの浸透剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。含有量が1質量%以上であると、インク組成物の記録媒体への浸透性を向上する効果が得られる。一方、含有量が20質量%以下であると、このインク組成物を用いて印刷した画像に滲みが発生することを防止でき、またインク組成物の粘度があまり高くならないようにすることができる。
また、分散媒中にグリセリンを含有させることにより、インクジェット記録に用いた場合のインクジェットノズルの目詰まりが発生しにくくなり、さらにインク組成物自身の保存安定性を高めることもできる。
1.2.2.界面活性剤
本実施形態に係る光硬化型インク組成物の分散媒は、界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。アニオン性界面活性剤の具体例として、特に限定されないが、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸、アシルメチルタウリン酸、ジアルキルスルホ琥珀酸、アルキル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化オレフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸塩、アルキルザルコシン塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩及びモノグリセライトリン酸エステル塩が挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤の具体例として、特に限定されないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシ
エチレンアルキルアミド、グリセリンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、シュガーアルキルエステル、多価アルコールアルキルエーテル及びアルカノールアミン脂肪酸アミドが挙げられる。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物の分散媒は、界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。アニオン性界面活性剤の具体例として、特に限定されないが、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸、アシルメチルタウリン酸、ジアルキルスルホ琥珀酸、アルキル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化オレフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸塩、アルキルザルコシン塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩及びモノグリセライトリン酸エステル塩が挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤の具体例として、特に限定されないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシ
エチレンアルキルアミド、グリセリンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、シュガーアルキルエステル、多価アルコールアルキルエーテル及びアルカノールアミン脂肪酸アミドが挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例として、特に限定されないが、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩が挙げられる。ノニオン性界面活性剤の具体例として、特に限定されないが、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系化合物、並びにポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、及びポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系化合物が挙げられる。
特に、本実施形態に係る光硬化型インク組成物の分散媒は、界面活性剤としてシリコン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤を含むことが好ましい。これにより、インク組成物に含まれる水性溶媒が記録媒体へ浸透しやすくなるため、種々の被記録媒体に対して滲みの少ない画像を印刷できる。
シリコン系界面活性剤としては、例えばBYK−300、BYK−306、BYK−310、BYK−320、BYK−330、BYK−342、BYK−344、BYK−347、BYK−346、BYK−349、BYK−UV3500、BYK−UV3570(以上いずれも商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製);KP−341、KP−358、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(以上いずれも商品名、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤として市販されている市販品を利用することできる。その具体例として、特に限定されないが、サーフィノール104、82、465、485、104PG50及びTG(いずれも商品名、Air Products and Chemicals. Inc.より入手可能)、並びにオルフィンSTG及びオルフィンE1010(以上商品名、日信化学社(Nissin Chemical Industry Co., Ltd.)製)が挙げられる。また、アセチレンアルコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えばサーフィノール61(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.より入手可能)が挙げられる。
これらの界面活性剤は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%になるように用いることが好ましい。
1.2.3.pH調整剤
本実施形態に係る光硬化型インク組成物の分散媒には、pH調整剤を添加することができる。pH調整剤としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸リチウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、フタル酸水素カリウム、及び酒石酸水素カリウムなどのアルカリ金属塩類;アンモニア;並びに、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、ブチルジエタノールアミン、モルホリン、及びプロパノールアミンなどのアミン類などが挙げられる。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物の分散媒には、pH調整剤を添加することができる。pH調整剤としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸リチウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、フタル酸水素カリウム、及び酒石酸水素カリウムなどのアルカリ金属塩類;アンモニア;並びに、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、ブチルジエタノールアミン、モルホリン、及びプロパノールアミンなどのアミン類などが挙げられる。
1.2.4.その他の成分
本実施形態に係る光硬化型インク組成物の分散媒には、防カビ、防腐又は防錆の目的で、安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンチアゾリン−3−オン(製品名:プロキセルXL(アビシア社製))、3,4−イソチアゾリン−3−オン、4,4−ジメチルオキサゾリジンなどの化合物を添加することができる。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物の分散媒には、防カビ、防腐又は防錆の目的で、安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンチアゾリン−3−オン(製品名:プロキセルXL(アビシア社製))、3,4−イソチアゾリン−3−オン、4,4−ジメチルオキサゾリジンなどの化合物を添加することができる。
また、本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、インクジェット用インクとすることが好ましい。そのため、分散媒には、インクジェット記録ヘッドのノズルが乾燥することを防止する目的で、尿素、チオ尿素、エチレン尿素などの化合物を添加することもできる。
2.インクジェット記録方法
本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、上記の光硬化型インク組成物を用いて行うことを特徴とする。より具体的には、インクジェット記録装置を用いて上記の光硬化型インク組成物を記録媒体上に付着させる付着工程と、前記付着から1秒以内に所定範囲に発光ピーク波長を有する光を照射して当該インク組成物を硬化する硬化工程と、を含むものである。このようにして、記録媒体上で硬化したインク組成物により、硬化膜(塗膜)が形成される。上述の光硬化型インク組成物によれば、水性溶媒の存在下で光を照射する場合であっても、色材が分散質に内包されているため色材の分散を妨げる効果がある。したがって、ピニング性が非常に良好となり、高速印刷に対応することが可能となる。以下、上記の各工程を詳細に説明する。
本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、上記の光硬化型インク組成物を用いて行うことを特徴とする。より具体的には、インクジェット記録装置を用いて上記の光硬化型インク組成物を記録媒体上に付着させる付着工程と、前記付着から1秒以内に所定範囲に発光ピーク波長を有する光を照射して当該インク組成物を硬化する硬化工程と、を含むものである。このようにして、記録媒体上で硬化したインク組成物により、硬化膜(塗膜)が形成される。上述の光硬化型インク組成物によれば、水性溶媒の存在下で光を照射する場合であっても、色材が分散質に内包されているため色材の分散を妨げる効果がある。したがって、ピニング性が非常に良好となり、高速印刷に対応することが可能となる。以下、上記の各工程を詳細に説明する。
[付着工程]
上記付着工程においては、従来公知のインクジェット記録装置を用いることができる。インク組成物の吐出の際は、インク組成物の粘度を、30mPa・s以下とするのが好ましく、2〜25mPa・sとするのがより好ましい。インク組成物の粘度が上記範囲内であると、良好な吐出安定性が実現される。
上記付着工程においては、従来公知のインクジェット記録装置を用いることができる。インク組成物の吐出の際は、インク組成物の粘度を、30mPa・s以下とするのが好ましく、2〜25mPa・sとするのがより好ましい。インク組成物の粘度が上記範囲内であると、良好な吐出安定性が実現される。
記録媒体としては、例えば、非吸収性又は吸収性の記録媒体が挙げられる。本実施形態のインク組成物は、インク組成物の浸透が困難な非吸収記録媒体から、インク組成物の浸透が容易な吸収性記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。
非吸収性記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類、又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレート、ステンレスや真鋳等の合金が挙げられる。
吸収性記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、電子写真複写用紙などの普通紙、シリカ、アルミナ、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)等を含むインク吸収層を備えた用紙等が挙げられる。また、インクの浸透速度が比較的小さなタイプの吸収性記録媒体として一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙等が挙げられる。
[硬化工程]
次に、上記硬化工程においては、インク組成物が記録媒体上に付着してから1秒以内に
光を照射して該インク組成物を硬化させる。
次に、上記硬化工程においては、インク組成物が記録媒体上に付着してから1秒以内に
光を照射して該インク組成物を硬化させる。
具体的には、光の照射によって、重合性化合物の重合反応が開始する。また、インク組成物に含まれる光ラジカル重合開始剤が放射線の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生し、重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進される。このとき、インク組成物において光ラジカル重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が活性放射線を吸収して励起状態となり、光ラジカル重合開始剤と接触することによって光ラジカル重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。本実施の形態に係る光硬化型インク組成物は、乳化された重合性化合物が色材を巻き込みながら硬化するため、ピニング性が良好であり、付着工程から1秒以内に光を照射するような高速印刷にも十分対応することができる。
光源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、光硬化型インクジェット用インク組成物の硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。その一方で、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザーダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。これらの中でも、UV−LEDが好ましい。
ここで、発光ピーク波長が、好ましくは360〜420nmの範囲にある放射線を照射することにより硬化可能であるようなインク組成物を用いる。また、照射エネルギーは、500mJ/cm2以下が好ましい。
上記の場合、上記実施形態のインク組成物の組成に起因して低エネルギー且つ高速での硬化が可能となる。照射エネルギーは、照射時間に照射強度を乗じて算出される。上記実施形態のインク組成物の組成によって照射時間を短縮することができ、この場合、記録速度が増大する。他方、上記実施形態のインク組成物の組成によって照射強度を減少させることもでき、この場合、装置の小型化やコストの低下が実現する。その際の放射線照射には、UV−LEDを用いることが好ましい。このようなインク組成物は、上記波長範囲の放射線照射により分解する光ラジカル重合開始剤、及び上記波長範囲の放射線照射により重合を開始する重合性化合物を含むことにより得られる。なお、発光ピーク波長は、上記の波長範囲内に1つあってもよいし複数あってもよい。複数ある場合であっても上記発光ピーク波長を有する放射線の全体の照射エネルギーを上記の照射エネルギーとする。
このように、本実施形態によれば、水や溶媒存在下での光照射による硬化性及びドット抜けや飛行曲がり等の吐出安定性に優れたインクジェット記録方法を提供することができる。
3.実施例
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
3.1.両親媒性樹脂の合成
[合成例1:両親媒性UV硬化樹脂(A)の合成]
(1)ポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤の合成
20g(0.01モル)のポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル(数平均分子量2000)と2.0g(0.02モル)のトリエチルアミンとを、140mLの無水THFに溶解した。この溶液を氷冷槽中で少し冷却させ、8.6mL(0.07モル)の
2−ブロモイソブチリルブロミドをゆっくりと加えた。次いで、この溶液を室温まで加温し、24時間攪拌した。水にこの混合液を注いだ後、塩化メチレンを用いて抽出を行った。得られた抽出物を1モル/Lの塩酸水溶液及び1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて順に洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥し、さらに減圧下で溶媒を除去した。得られた粗生成物を溶解可能な最少量の塩化メチレンに溶解し、ジエチルエーテルを添加して沈殿させ、沈殿物をろ過して白色の固形物を得た。
[合成例1:両親媒性UV硬化樹脂(A)の合成]
(1)ポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤の合成
20g(0.01モル)のポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル(数平均分子量2000)と2.0g(0.02モル)のトリエチルアミンとを、140mLの無水THFに溶解した。この溶液を氷冷槽中で少し冷却させ、8.6mL(0.07モル)の
2−ブロモイソブチリルブロミドをゆっくりと加えた。次いで、この溶液を室温まで加温し、24時間攪拌した。水にこの混合液を注いだ後、塩化メチレンを用いて抽出を行った。得られた抽出物を1モル/Lの塩酸水溶液及び1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて順に洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥し、さらに減圧下で溶媒を除去した。得られた粗生成物を溶解可能な最少量の塩化メチレンに溶解し、ジエチルエーテルを添加して沈殿させ、沈殿物をろ過して白色の固形物を得た。
(2)ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート−co−グリシジルメタクリレート)の合成
1.1当量のN,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンと1.1当量の臭化銅(I)と5当量のベンジルメタクリレートと5当量のグリシジルメタクリレートとをTHFに溶解した。この溶解液に1当量のポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤を加えた。これを、室温下、アルゴンガスを用いて15〜20分間脱気し、次いで60℃で8時間加熱した。これを、10%のメタノールを含むTHFに注いだ。析出したポリマーをシリカゲル上でろ過し、臭化銅を除去した。さらに、得られたポリマーを水に対して48時間透析し、凍結乾燥した。
1.1当量のN,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンと1.1当量の臭化銅(I)と5当量のベンジルメタクリレートと5当量のグリシジルメタクリレートとをTHFに溶解した。この溶解液に1当量のポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤を加えた。これを、室温下、アルゴンガスを用いて15〜20分間脱気し、次いで60℃で8時間加熱した。これを、10%のメタノールを含むTHFに注いだ。析出したポリマーをシリカゲル上でろ過し、臭化銅を除去した。さらに、得られたポリマーを水に対して48時間透析し、凍結乾燥した。
(3)ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート−co−アクリロイル化グリシジルメタクリレート)の合成
11当量のポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート−co−グリシジルメタクリレート)をメチルエチルケトンに溶解した。この溶解液に5当量のアクリル酸を加え、テトラブチルアンモニウムクロライドを5000ppm、ヒドロキノンモノメチルエーテルを2000ppm添加して、50℃で10時間反応させた。反応終了後、水洗して、エバポレータを用いてメチルエチルケトンを除去した。
11当量のポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート−co−グリシジルメタクリレート)をメチルエチルケトンに溶解した。この溶解液に5当量のアクリル酸を加え、テトラブチルアンモニウムクロライドを5000ppm、ヒドロキノンモノメチルエーテルを2000ppm添加して、50℃で10時間反応させた。反応終了後、水洗して、エバポレータを用いてメチルエチルケトンを除去した。
得られた合成物を、赤外分光光度計(MAGNA-IR 860、Nicolet社製)を用いて調べたところ、エポキシド基の特性吸収1250cm−1及び950〜800cm−1の消失、並びにビニル基の特性吸収810cm−1の存在を確認した。すなわち、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート−co−グリシジルメタクリレート)から、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート−co−アクリロイル化グリシジルメタクリレート)が合成されたことが確認された。
[合成例2:両親媒性UV硬化樹脂(B)の合成]
(1)ポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤の合成
上記合成例1と同様にして行った。
(1)ポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤の合成
上記合成例1と同様にして行った。
(2)ポリ(エチレングリコール)−ポリ(スチレン−co−アクリル酸)の合成
1.1当量のN,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンと1.1当量の臭化銅(I)と5当量のスチレンと5当量のアクリル酸とをTHFに溶解し、1当量のポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤を加えた。これを、室温下、アルゴンガスを利用して15〜20分間脱気し、次いで60℃で8時間加熱した。これを、10%のメタノールを含むTHFに注いだ。析出したポリマーをシリカゲル上でろ過し、臭化銅を除去した。さらに、得られたポリマーを水に対して48時間透析し、凍結乾燥した。
1.1当量のN,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンと1.1当量の臭化銅(I)と5当量のスチレンと5当量のアクリル酸とをTHFに溶解し、1当量のポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤を加えた。これを、室温下、アルゴンガスを利用して15〜20分間脱気し、次いで60℃で8時間加熱した。これを、10%のメタノールを含むTHFに注いだ。析出したポリマーをシリカゲル上でろ過し、臭化銅を除去した。さらに、得られたポリマーを水に対して48時間透析し、凍結乾燥した。
(3)ポリ(エチレングリコール)−ポリ(スチレン−co−4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル変性アクリル酸)の合成
11当量のポリ(エチレングリコール)−ポリ(スチレン−co−4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル変性アクリル酸)をメチルエチルケトンに溶解した。この溶解液に5当量の4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成
社(Nippon Kasei Chemical Co.,Ltd)製)を加えた。ここに、テトラブチルアンモニウムクロライドを5000ppm、かつ、ヒドロキノンモノメチルエーテルを2000ppm添加して、50℃で10時間反応させた。反応終了後、水洗して、エバポレータを用いてメチルエチルケトンを除去した。
11当量のポリ(エチレングリコール)−ポリ(スチレン−co−4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル変性アクリル酸)をメチルエチルケトンに溶解した。この溶解液に5当量の4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成
社(Nippon Kasei Chemical Co.,Ltd)製)を加えた。ここに、テトラブチルアンモニウムクロライドを5000ppm、かつ、ヒドロキノンモノメチルエーテルを2000ppm添加して、50℃で10時間反応させた。反応終了後、水洗して、エバポレータを用いてメチルエチルケトンを除去した。
得られた合成物を、上記赤外分光光度計を用いて調べたところ、エポキシド基の特性吸収1250cm−1及び950〜800cm−1の消失、並びにビニル基の特性吸収810cm−1の存在を確認した。すなわち、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(スチレン−co−アクリル酸)から、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(スチレン−co−4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル変性アクリル酸)が合成されたことが確認された。
[合成例3:両親媒性樹脂(C)の合成]
(1)ポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤の合成
上記合成例1と同様にして行った。
(1)ポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤の合成
上記合成例1と同様にして行った。
(2)ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート)の合成
1.1当量のN,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンと1.1当量の臭化銅(I)と10当量のベンジルメタクリレートとをTHFに溶解した。この溶解液に1当量のポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤を加えた。これを、室温下、アルゴンガスを用いて15〜20分間脱気し、次いで60℃で8時間加熱した。これを、10%のメタノールを含むTHFに注いだ。析出したポリマーをシリカゲル上でろ過し、臭化銅を除去した。さらに、得られたポリマーを水に対して48時間透析し、凍結乾燥することにより、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート)を得た。
1.1当量のN,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンと1.1当量の臭化銅(I)と10当量のベンジルメタクリレートとをTHFに溶解した。この溶解液に1当量のポリエチレングリコールATRPマクロ開始剤を加えた。これを、室温下、アルゴンガスを用いて15〜20分間脱気し、次いで60℃で8時間加熱した。これを、10%のメタノールを含むTHFに注いだ。析出したポリマーをシリカゲル上でろ過し、臭化銅を除去した。さらに、得られたポリマーを水に対して48時間透析し、凍結乾燥することにより、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート)を得た。
3.2.光重合性ポリマーミセルの調製
(1)ポリマーミセル(a)の調製
20gのポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート−co−アクリロイル化グリシジルメタクリレート)と、4gの光重合開始剤TPOと、顔料固形分として10gのColour Black S170(ドイツ・エボニックデグザ社製)を添加し、水20gに加え、40℃に加温して混合した。混合後、容器を氷冷しながら、ホモジナイザーS−250D(BRANSON社製)を用い、周波数19.9kHzで1時間超音波混合した。超音波混合後、ここに、46gの水を徐々に添加して、光重合開始剤及び色材を内包した両親媒性ブロックポリマーの乳化物、すなわち光重合性ポリマーミセル液を調製した。
(1)ポリマーミセル(a)の調製
20gのポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート−co−アクリロイル化グリシジルメタクリレート)と、4gの光重合開始剤TPOと、顔料固形分として10gのColour Black S170(ドイツ・エボニックデグザ社製)を添加し、水20gに加え、40℃に加温して混合した。混合後、容器を氷冷しながら、ホモジナイザーS−250D(BRANSON社製)を用い、周波数19.9kHzで1時間超音波混合した。超音波混合後、ここに、46gの水を徐々に添加して、光重合開始剤及び色材を内包した両親媒性ブロックポリマーの乳化物、すなわち光重合性ポリマーミセル液を調製した。
(2)ポリマーミセル(b)の調製
顔料固形分として5gのColour Black S170(ドイツ・エボニックデグザ社製)を添加した以外は、上記ポリマーミセル(a)と同様にして光重合性ポリマーミセル液を調製した。
顔料固形分として5gのColour Black S170(ドイツ・エボニックデグザ社製)を添加した以外は、上記ポリマーミセル(a)と同様にして光重合性ポリマーミセル液を調製した。
(3)ポリマーミセル(c)の調製
20gのポリ(エチレングリコール)−ポリ(スチレン−co−4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル変性アクリル酸)と、4gの光重合開始剤TPOと、顔料固形分として5gのColour Black S170(ドイツ・エボニックデグザ社製)を添加し、水20gに加え、40℃に加温して混合した。混合後、容器を氷冷しながら、ホモジナイザーS−250D(BRANSON社製)を用い、周波数19.9kHzで1時間超音波混合した。超音波混合後、ここに、51gの水を徐々に添加して、光重合開始剤及び色材を内包した両親媒性ブロックポリマーの乳化物、すなわち光重合性ポリマーミセル液を調製した。
20gのポリ(エチレングリコール)−ポリ(スチレン−co−4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル変性アクリル酸)と、4gの光重合開始剤TPOと、顔料固形分として5gのColour Black S170(ドイツ・エボニックデグザ社製)を添加し、水20gに加え、40℃に加温して混合した。混合後、容器を氷冷しながら、ホモジナイザーS−250D(BRANSON社製)を用い、周波数19.9kHzで1時間超音波混合した。超音波混合後、ここに、51gの水を徐々に添加して、光重合開始剤及び色材を内包した両親媒性ブロックポリマーの乳化物、すなわち光重合性ポリマーミセル液を調製した。
(4)ポリマーミセル(d)の調製
20gのポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート)を用いた以外は、上記ポリマーミセル(b)と同様にしてポリマーミセル液を調製した。
20gのポリ(エチレングリコール)−ポリ(ベンジルメタクリレート)を用いた以外は、上記ポリマーミセル(b)と同様にしてポリマーミセル液を調製した。
(5)ポリマーミセル(e)の調製
顔料を添加しなかった以外は、上記ポリマーミセル(b)と同様にして光重合性ポリマーミセル液を調製した。
顔料を添加しなかった以外は、上記ポリマーミセル(b)と同様にして光重合性ポリマーミセル液を調製した。
(6)ポリマーミセル(f)の調製
光重合開始剤を添加しなかった以外は、上記ポリマーミセル(b)と同様にして光重合性ポリマーミセル液を調製した。
光重合開始剤を添加しなかった以外は、上記ポリマーミセル(b)と同様にして光重合性ポリマーミセル液を調製した。
上記で得られた各ポリマーミセル液の組成を表1に示す。
3.3.光硬化型インク組成物の調製
下表2又は下表3に記載の材料、及び上記で得られた(光重合性)ポリマーミセル液を用いて、下表2又は下表3に示す組成に従って、各インク組成物を調製した。
下表2又は下表3に記載の材料、及び上記で得られた(光重合性)ポリマーミセル液を用いて、下表2又は下表3に示す組成に従って、各インク組成物を調製した。
3.4.評価方法
(1)UVピニング性の評価
上記で調製したインクを、LEDを搭載できるように改造したPX−H10000(セイコーエプソン株式会社製)にて、UVピニング(着弾後20ms後に、20mJ/cm2、100mJ/cm2、1000mJ/cm2をそれぞれ照射)と本硬化照射(水分が蒸発した後に、200mJ/cm2照射)を行う工程を含む印刷を行った。この際、解像度720×720dpi、1ドット当たりの重量が24ngになるようにし、塗面に凝集ムラが起こっているかどうかを目視で判断し、以下のようにランク分けした。なお、メディアには、Mactac5829R(ポリ塩化ビニル)を使用した。
AA:UVピニング時、20mJ/cm2以上の照射で、塗面を観察した際、凝集ムラが発生していない。
A :UVピニング時、100mJ/cm2以上の照射で、塗面を観察した際、凝集ムラが発生していない。
B :UVピニング時、1000mJ/cm2以上の照射で、塗面を観察した際、凝集ムラが発生していない。
C :UVピニング時、1000mJ/cm2以上の照射で、塗面を観察した際、凝集ムラが発生している。
(1)UVピニング性の評価
上記で調製したインクを、LEDを搭載できるように改造したPX−H10000(セイコーエプソン株式会社製)にて、UVピニング(着弾後20ms後に、20mJ/cm2、100mJ/cm2、1000mJ/cm2をそれぞれ照射)と本硬化照射(水分が蒸発した後に、200mJ/cm2照射)を行う工程を含む印刷を行った。この際、解像度720×720dpi、1ドット当たりの重量が24ngになるようにし、塗面に凝集ムラが起こっているかどうかを目視で判断し、以下のようにランク分けした。なお、メディアには、Mactac5829R(ポリ塩化ビニル)を使用した。
AA:UVピニング時、20mJ/cm2以上の照射で、塗面を観察した際、凝集ムラが発生していない。
A :UVピニング時、100mJ/cm2以上の照射で、塗面を観察した際、凝集ムラが発生していない。
B :UVピニング時、1000mJ/cm2以上の照射で、塗面を観察した際、凝集ムラが発生していない。
C :UVピニング時、1000mJ/cm2以上の照射で、塗面を観察した際、凝集ムラが発生している。
(2)発色性の評価
上記で調製したインクを、LEDを搭載できるように改造したPX−H10000(セイコーエプソン株式会社製)にて、UVピニング(着弾後20ms後に、20mJ/cm2照射)と本硬化照射(水分が蒸発した後に、200mJ/cm2照射)を行う工程を含む4パス印刷を行った。この際、解像度720×720dpi、1ドット当たりの重量が24ngになるように、非吸収メディア及び吸収メディアのそれぞれに印刷し、測色機(グレタグマクベス社製)にてOD値を測定し、次のようにランク分けした。なお、非吸収メディアには、Mactac5829R(ポリ塩化ビニル)を使用し、吸収メディアには、ニューNpi(上質紙)を使用した。
<非吸収メディア>
AA:印刷物のOD値が2.2以上
A :印刷物のOD値が2.0以上、2.2未満
B :印刷物のOD値が1.8以上、2.0未満
C :印刷物のOD値が1.8未満
<吸収メディア>
AA:印刷物のOD値が1.3以上
A :印刷物のOD値が1.15以上、1.3未満
B :印刷物のOD値が1.0以上、1.15未満
C :印刷物のOD値が1.0未満
上記で調製したインクを、LEDを搭載できるように改造したPX−H10000(セイコーエプソン株式会社製)にて、UVピニング(着弾後20ms後に、20mJ/cm2照射)と本硬化照射(水分が蒸発した後に、200mJ/cm2照射)を行う工程を含む4パス印刷を行った。この際、解像度720×720dpi、1ドット当たりの重量が24ngになるように、非吸収メディア及び吸収メディアのそれぞれに印刷し、測色機(グレタグマクベス社製)にてOD値を測定し、次のようにランク分けした。なお、非吸収メディアには、Mactac5829R(ポリ塩化ビニル)を使用し、吸収メディアには、ニューNpi(上質紙)を使用した。
<非吸収メディア>
AA:印刷物のOD値が2.2以上
A :印刷物のOD値が2.0以上、2.2未満
B :印刷物のOD値が1.8以上、2.0未満
C :印刷物のOD値が1.8未満
<吸収メディア>
AA:印刷物のOD値が1.3以上
A :印刷物のOD値が1.15以上、1.3未満
B :印刷物のOD値が1.0以上、1.15未満
C :印刷物のOD値が1.0未満
(3)保存安定性
上記で調製したインクを60℃で1週間静置して、静置前後のインク粘度の変化率から、以下のように評価した。
AA:粘度変化率が5%以内
A :粘度変化率が5%より大きく、10%以内
B :粘度変化率が10%より大きく、15%以内
C :粘度変化率が15%より大きい
上記で調製したインクを60℃で1週間静置して、静置前後のインク粘度の変化率から、以下のように評価した。
AA:粘度変化率が5%以内
A :粘度変化率が5%より大きく、10%以内
B :粘度変化率が10%より大きく、15%以内
C :粘度変化率が15%より大きい
3.5.評価結果
下表2又は下表3に、各光硬化型インク組成物の組成及び評価試験の結果を示す。下表2又は下表3中に示す各成分の略称や商品名は、以下の通りである。
下表2又は下表3に、各光硬化型インク組成物の組成及び評価試験の結果を示す。下表2又は下表3中に示す各成分の略称や商品名は、以下の通りである。
<界面活性剤>
・BYK−349(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコン系界面活性剤)
<pH調製剤>
・TPA(トリプロパノールアミン)
<外添顔料>
・カーボンブラック(Colour Black S170、ドイツ・エボニックデグザ社製)を市販の水分散用の高分子分散剤を用いて水に分散させた分散液を用いた。分散の際は、ホモジナイザーS−250D(BRANSON社製)を用い、超音波分散を行った。
<外添光重合開始剤>
・Irgacure819 DW(商品名、BASFジャパン社製、水分散型)
・BYK−349(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコン系界面活性剤)
<pH調製剤>
・TPA(トリプロパノールアミン)
<外添顔料>
・カーボンブラック(Colour Black S170、ドイツ・エボニックデグザ社製)を市販の水分散用の高分子分散剤を用いて水に分散させた分散液を用いた。分散の際は、ホモジナイザーS−250D(BRANSON社製)を用い、超音波分散を行った。
<外添光重合開始剤>
・Irgacure819 DW(商品名、BASFジャパン社製、水分散型)
表2の実施例1〜9の結果から明らかなように、分散質中に重合性化合物、色材及び光重合開始剤を含有する光硬化型インク組成物によれば、分散質が色材を巻き込みながら硬化するため、UVピニングが可能となり、色材同士が凝集しづらく、凝集ムラの発生を低減することができた。また、吸収メディア及び非吸収メディアのいずれにおいても、発色性が良好な画像を形成することができた。特に吸収メディアにおいては、色材が重合性化合物に巻き込まれて粗大粒子のようになるため、吸収メディアの内部に浸透せず、表面に
残りやすくなり、発色性がより効果的に向上することが判った。さらに、実施例1〜9の光硬化型インク組成物では、分散質と分散媒との分離も見られず、保存安定性が良好であることが判った。
残りやすくなり、発色性がより効果的に向上することが判った。さらに、実施例1〜9の光硬化型インク組成物では、分散質と分散媒との分離も見られず、保存安定性が良好であることが判った。
一方、表3の比較例1及び比較例2では、重合性官能基を有しない両親媒性樹脂(C)からなるポリマーミセル(d)を使用しているので、紫外線をトリガーとする塗膜形成は起こらなかった。そのため、UVピニングができず、顔料同士が凝集することによる凝集ムラが認められた。また、塗膜形成が起こらないため、発色性も優れないものとなった。
表3の比較例3〜4では、顔料を含有しないポリマーミセル(e)を使用しているので、吸収メディア及び非吸収メディアのいずれにおいても発色性に優れないものとなった。また、表3の比較例5では、顔料成分を後添加しているが、後添加した顔料成分は水性溶媒中に存在しているので、UVピニングによる凝集ムラの抑制効果は大幅に低下した。
表3の比較例6〜7では、光重合開始剤を含有しないポリマーミセル(f)を使用しているので、紫外線をトリガーとする塗膜形成は起こらなかった。そのため、UVピニングができず、顔料同士が凝集することによる凝集ムラが認められた。また、UV照射による塗膜形成が起こらないため、発色性も優れないものとなった。表3の比較例8では、水溶性光重合開始剤を後添加しているが、重合反応に十分に寄与することができず、UVピニングによる凝集ムラの抑制効果は大幅に低下した。また、経時的な粘度変化率が大きく、保存安定性が損なわれた。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
Claims (10)
- 重合性官能基を有する重合性化合物、色材、および光重合開始剤を含有する分散質と、
分散媒としての水性溶媒と、
を含有する光硬化型インク組成物。 - 前記分散質が、重合性官能基を有する重合性化合物として両親媒性の重合性化合物を含み、当該重合性化合物により乳化分散した分散体である、請求項1に記載の光硬化型インク組成物。
- 前記両親媒性の重合性化合物が、親水性部と疎水性部とを有し、重合性官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基、ビニル基、およびメルカプト基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する、請求項2に記載の光硬化型インク組成物。
- 前記色材が、分散質中に分散した顔料および分散質中に溶解した油溶性染料の少なくとも一方である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物。
- 前記色材が分散質中に分散した顔料である場合において、前記分散質中の顔料の固形分含有量が、0.1質量%以上50質量%以下である、請求項4に記載の光硬化型インク組成物。
- 前記光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤を含み、前記重合性官能基を有する重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含む、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物。
- 前記重合性官能基を有する重合性化合物の含有量が、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、1質量%以上15質量%以下である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物。
- 前記水性溶媒に含まれる水の含有量が、インク組成物の全質量を100質量%としたときに、10質量%以上である、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物。
- インクジェット用インクである、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物。
- 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の光硬化型インク組成物を記録媒体へ付着させる工程と、
前記付着から1秒以内に光を照射する工程と、
を備えるインクジェット記録方法。
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---|---|---|---|
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