JP2016088763A - カーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体及びその製造方法、並びにカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体を使用した触媒 - Google Patents

カーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体及びその製造方法、並びにカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体を使用した触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池電極触媒の担体として使用されているカーボンブラックよりも一次孔が少なく、しかも分散性の良好なカーボン系材料を得る。【解決手段】カーボンブラック等のカーボンナノ粒子表面からカーボンナノファイバーを成長させることにより得られる複合体は、カーボンナノファイバーがカーボンナノ粒子表面の一次孔を塞ぐので、一次孔内に白金等の触媒が入りこむことによる触媒の利用効率低下が防止される。また、通常のカーボンナノファイバー材料のようにファイバー相互の絡み合いによる分散性の悪化が少ないので、取り扱いが容易である。【選択図】図1

Description

本発明はカーボン系材料に関し、特にカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体及びその製造方法に関する。本発明は更に当該複合体を触媒担体として使用した燃料電池用の触媒にも関する。
カーボンは今、いろんな産業分野で重要な材料として使用されている。カーボン材料は現在多くの種類のものが広範に使用され、科学技術の発展により現在も新規なカーボン材料の開発が続いている(特許文献1〜5)。
カーボン材料は形状によって異なる特徴を持ち、様々な産業分野で使用されている。その中で最も広く使用されているカーボン材料がカーボンブラックである。カーボンブラックは炭化水素を不完全燃焼あるいは熱分解することによって大量生産が可能な材料である。原料ガス、製造方法及び製造条件によってそれぞれのカーボンブラック特性が異なるため様々なカーボンブラックに分類されている。このカーボンブラックは黒色顔料(インク、コピートナーなど)やゴム製品への添加剤、石油の脱硫などの吸着剤、リチウム二次電池で負極材料の導電材及び燃料電池の電極触媒担体など幅広い用度に用いられている。特に低コスト性、優れた伝導性及び化学的安定性を有するとともに、大きな比表面積を有していて電極触媒である白金貴金属触媒を分撒させることができ、また触媒活性を向上することができるため、カーボンブラックは燃料電池電極触媒担体としても広く利用されている。
しかし、カーボンブラックは以下のような問題も有している。すなわち、カーボンブラックは多くの気孔を有するため、径が40nm以上の一次孔(primary pore)を持っている。白金が一次孔内部に担持された電極触媒を燃料電池等に使用した場合には、電極バインダーが一次孔内部の白金に接触しなくなり、これによって一次孔中の白金が触媒活性を発揮できなくなってしまうことがある。
燃料電池電極触媒担体としてのカーボンブラックの問題点を解消するため、カーボン材料としてカーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)などのカーボンナノ材料を使用することが検討されている(特許文献4、5)。カーボンナノ材料の形状はカーボンブラックとは異なり、線径が数nmから数十nm程度の繊維状であるため、カーボンブラックのような多くの気孔を持っていない。更に、これらのカーボンナノ材料は高い結晶性、高電気伝導性、高熱伝導性及び高い有効比表面積などの優れた性質を有している。しかし、合成したカーボンナノ材料は通常は互いに絡み合った凝集体として得られるため、この種のナノ材料は分散性が悪く、良好な性能を有する電極触媒を作製することは困難であるという問題がある。
本発明の課題は、カーボンブラックで代表されるカーボンナノ粒子を触媒単体として使用する際に問題を引き起こす一次孔が少なく、またカーボンナノ材料を使用する際に問題となる繊維の低分散性を改善したカーボン材料を提供することである。
本発明の一側面によれば、カーボンナノ粒子表面にカーボンナノファイバーが設けられている、カーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体が与えられる。
ここで、前記カーボンナノ粒子はカーボンブラックであってよい。
また、前記カーボンナノファイバーは前記カーボンナノ粒子表面上の一次孔の少なくとも一部を塞いでいてよい。
また、前記カーボンナノ粒子の直径は60nm〜120nmであり、前記カーボンナノファイバーの直径は10nmから100nm、長さは10nm〜10μmであってよい。
また、前記カーボンナノファイバーは前記カーボンナノ粒子から屈曲して伸びてよい。
本発明の他の側面によれば、表面に金属が担持されたカーボンナノ粒子に炭素源を含む原料ガスを供給して加熱することにより、カーボンナノ粒子表面にカーボンナノファイバーを成長させる、カーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体の製造方法が与えられる。
ここで、前記炭素源はエチレン、アセチレン及びメタンからなる群から選択された一または複数のガスであってよい。
また、前記金属はニッケル、鉄、銅、マグネシウム及びコバルトからなる群から選択された複数の金属の組み合わせであってよい。
また、金属塩が担持されたカーボンナノ粒子を還元性雰囲気中で加熱することにより前記表面に金属が担持されたカーボンナノ粒子を得てよい。
また、前記還元性雰囲気は水素を含んでよい。
また、前記加熱を610℃から1000℃の温度範囲で10分から2時間行ってよい。
本発明の更に他の側面によれば、上記何れかのカーボンナノ繊維−カーボンナノ粒子複合体に触媒活性を有する物質を担持させた触媒が与えられる。
ここで、前記触媒活性を有する物質は白金、パラジウム、イリジウム、金、銀、ニッケル、鉄、白金−ルテニウム合金、白金−パラジウム合金、白金−イリジウム合金、白金−コバルト合金、白金−コバルト−マンガン合金、白金−アンチモン合金、白金−アンチモン−酸化スズ合金、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化スズ、ジルコニア、チタニア、セリア、酸化タンタル及び酸化アルミニウムからなる群から選択されてよい。
本発明の更に他の側面によれば、上記何れかの触媒からなる燃料電池電極用触媒が与えられる。
本発明により、分散性が良好であり、また触媒をその活性を失わせることなく担持できるカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体が与えられる。
本発明のカーボンナノファイバー(CNF)−カーボンナノ粒子複合体の製造過程及びその構造を概念的に示す図。 (a)本発明の実施例で原料として使用したカーボンブラック(CB)のSEM像。(b)本発明の実施例で製造したCNF−CB複合体のSEM像。 (a)本発明の実施例で原料として使用したCBのTEM像。(b)本発明の実施例で製造したCNF−CB複合体のTEM像。 本発明の実施例において、合成温度610℃及び640℃、合成時間10分、20分及び30分の6通りの組み合わせのそれぞれの場合についての合成結果のCNF−CB複合体のSEM像。 本発明の実施例において、合成時間を10分、20分及び30分の3通りとした場合のCNF−CB複合体のBET測定による比表面積の変化を示すグラフ。 市販の20重量%Pt担持炭素触媒(20wt%Pt/C)、本発明の実施例で原料として使用したCBに20重量%のPtを担持させた触媒、及び本発明の実施例で製造したCNF−CB複合体に20重量%のPtを担持させた触媒のそれぞれを燃料電池触媒として使用した場合のI−V特性を示すグラフ。
本発明の材料であるCNFとCB等のカーボンナノ粒子との複合体(CNF−カーボンナノ粒子複合体)は、図1に示すように、CB等のカーボンナノ粒子の表面に繊維状のナノサイズのカーボンを結合させ、または成長させた構造を有する。このナノ繊維がCB等のカーボンナノ粒子表面の一次孔を覆うなどして塞ぐため、一次孔内に白金等が入りこむことによる触媒活性の低下が防止される。更に、カーボンナノ粒子表面に所要の金属を比較的一様に分布させてから、この金属を起点としてCNFの成長を開始させるため、CB表面上の特定の箇所で集中してCNFが成長あるいは結合する場合に比べてCNF同士の絡み合いの程度が小さくなる。更には、成長するCNFは、遠方に向かって直線状に伸びるよりは、図1に示すように屈曲しながら成長して成長開始点周囲を取り囲むようになる傾向が強いため、他のCB上のような遠方で成長を開始したCNFと接触して絡み合う確率が低くなる。これらの要因により、CNFだけからなる従来の材料に比べて、本発明の複合体はCNF相互の絡み合いが少なくなり、従って従来の材料に比べて分散性が向上する。また、CNFが屈曲してカーボンナノ粒子表面を覆うように伸びることにより、CNFが効率よく一次孔を塞ぐことができる。
従来の燃料電池用電極触媒の製造方法の多くは、高温、長時間、製造プロセスが複雑なプロセスで構成されている(特許文献6〜10)。その結果、燃料電池用電極触媒のコストは高くなる。これに対して、本発明では低温、短時間かつ単純な製造プロセスにより燃料電池用電極触媒のコスト低減を達成する燃料電池用電極触媒等の触媒の製造方法が提供される。具体的には、本発明ではCNF−カーボンナノ粒子複合体を化学蒸着法により直接合成し、これを白金金属触媒等の触媒活性を有する物質の担体として利用する。触媒活性を有する物質としては、他にパラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、白金−ルテニウム(Pt−Ru)合金、白金−パラジウム(Pt−Pd)合金、白金−イリジウム(Pt−Ir)合金、白金−コバルト(Pt−Co)合金、白金−コバルト−マンガン(Pt−Co−Mn)合金、白金−アンチモン(Pt−Sb)合金、白金−アンチモン−酸化スズ(Pt−Sb−SnO)合金、酸化ルテニウム(RuO)、酸化イリジウム(IrO)、酸化スズ(SnO)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、セリア(CeO)、酸化タンタル(Ta)、酸化アルミニウム(Al)等を使用することができる。
なお、本発明ではCBに限らず、カーボンナノ材料等のカーボン材料一般の上にカーボンナノ繊維を成長させることができるが、本願明細書ではカーボン材料の一例としてCBについて説明を行っていることに注意されたい。
以下の実施例においては、カーボンナノ粒子としてCBを用い、本発明の単純な触媒製造方法を利用して燃料電池用電極触媒を製造し、分析及び評価を行なった。
[二元金属をCBの表面に担持した触媒の製造]
CBとしてVulcan XC-72R(VC)を使用し、FeNi二元金属触媒の前駆体である二元金属塩としてNi(NO)6HO(Nacalai tesque社)及びFe(NO9HO(Aldrich社)を使用してCBの表面に当該二元金属塩を担持し、これを還元性雰囲気中で加熱することにより、CNF−CB複合体の合成に必要な触媒を製造した。製造方法としては、先ずエタノール(Wako社)100mlにFe及びNiを金属換算で1g(FeとNiとの重量比は2:8、上記金属塩の量としては、Fe塩を3.962g、Ni塩を0.769g)添加して1時間攪拌した。その後、CBを9g添加して24時間攪拌を行なった。攪拌終了後、蒸発装置を利用して80℃の温度で攪拌することによってエタノールを蒸発させ、Fe及びNiの塩(二元金属塩、FeNi塩とも称する)を担持したCBを得た。その後、FeNi塩を担持しているCB粉末を100℃の乾燥装置で24時間乾燥させた。なお、CBとしては、一次粒子サイズが60nm〜120nm、二次粒子サイズが500nm〜数μmのものが好適に使用できる。
[CNF−CB複合体の合成]
上述の通り製造した、FeNiの二元金属塩を担持しているCBをCNF−CB複合体の種として使用し、気相成長法を利用して合成を行なった。この時、石英チューブ内部には圧力を掛けず、常圧の状態でCNF−CB複合体の合成を行なった。この合成の間に供給するガスにはヘリウム、水素及びエチレンガスの混合ガスを使用した。それぞれのガスの役割は、ヘリウムガスは不活性ガスとして使用し、水素ガスはこれを石英チューブ内部に導入することによって触媒表面から酸素又は水分を除去して、FeNi触媒を活性化させる還元ガスとして使用した。また、エチレンガスは還元されたFeNi触媒の表面で触媒と反応してCNFを成長させ、CNF−CB複合体を合成させる原料ガス(炭素源)として使用した。
CNF−CB複合体の合成に当たって、先ずFeNi/VC触媒を石英などの基板上に配置して加熱炉の石英チューブに接続した。次に、石英チューブにヘリウムガスを200ml/分の流量で30分間導入して、石英チューブ内部のガス雰囲気を、空気雰囲気からヘリウム雰囲気へ置換した。その後、610℃または640℃の温度まで4℃/分の速度で昇温しながらヘリウムガス(160ml/分)と水素ガス(40ml/分)との混合ガスを導入して、FeNi二元金属塩触媒を還元し、CBの表面上にNi及びFe金属(NiFe)を形成した。このようにしてCB表面上にNiFeからなる微粒子をほぼ一様に分布させた後、610℃、640℃の温度でそれぞれ10分、20分、30分間維持しながら水素(100ml/分)及びエチレンガス(100ml/分)を導入してCNF−CB複合体の合成を行った。
[CNF−CB複合体の分析]
CNF−CB複合体の合成が行なわれたか否かに関しては日立電子社製走査電子顕微鏡(SEM;S−4800)を利用して観察し、確認した。CNF−CB複合体の繊維状ナノカーボンは日本電子社製透過型電子顕微鏡(TEM;JEM−2100F)を利用して観察し、確認した。合成されたCNF−CB複合体の比表面積はQuantachrome社のBET(ASIZM0002−4)を利用して測定を行なった。
[CNF−CB複合体及びCBを用いた燃料電池電極触媒の製造]
燃料電池電極触媒は単純な方法で製造した。すなわち、上述のようにして合成した本発明のCNF−CB複合体及び比較対象としてのCB(CNF−CBの原料と同じCBを単独で使用)を燃料電池電極触媒の担体として利用し、PtCl9HO(Wako社)を金属触媒として利用した。ここで、NaBH(Wako社)を金属触媒の還元剤として用いた。これにより、20wt%Pt/CNF−CB及び20wt%Pt/CBの燃料電池電極触媒を製造した。更に、本発明の上記実施例の燃料電池電極触媒と比較するために、市販されているJohnson Matthey社の20wt%Pt/C(Hispec 1000)を使用した。
本発明のCNF−CBを利用した燃料電池電極触媒及び比較対象としての従来から使用されているCBを利用した燃料電池電極触媒を製造するに当たって、先ず脱イオン水(DI Water)100mlとエタノール(Wako社)20mlとの混合液にCNF−CB複合体またはCB(以下、カーボンと総称する)をそれぞれ0.5g添加して、超音波を5分間照射した。その後、温度を3〜10℃に設定した攪拌機で攪拌を行った。
その後、以下に示す手順により、燃料電池触媒となる貴金属(Pt)の担持を行った。先ず、カーボンに対して20wt%となる重量のPtCl9HO(Wako社)を脱イオン水100mlに添加することにより、PtCl9HO水溶液を調整した。次に、上述のようにして準備したところのカーボンが入っている脱イオン水100mlとエタノール20mlとの混合液中に、上記PtCl9HO水溶液をビューレットを用いて10分間で20ml滴下した。その後、NaBH(Wako社)還元剤の粉末を0.19gを投入した。このPtCl9HO水溶液20mlの滴下とその後のNaBH粉末0.19gの投入のサイクルを全部で5回繰り返した。その後、Ptへの還元が完全に行われるように、10分〜20分程度攪拌した。このようにしてPtCl9HOを還元して、触媒金属であるPtをカーボンに担持させた。上述の燃料電池電極触媒製造の全工程は約1時間30分を要した。その後、洗浄し、ろ過し、90℃で24時間乾燥することで、本発明及び比較対象の燃料電池電極触媒を得た。
[製造した20wt%Pt/CNF−CB及び20wt%Pt/CB並びに市販触媒20wt%Pt/Cの活性評価]
上述のようにして製造した実施例の20wt%Pt/CNF−CB、並びに比較例としての上述のようにして製造した20wt%Pt/CB及び市販触媒20wt%Pt/C(Johnson Matthey)にそれぞれNafion(登録商標)バインダー(Wako社;40wt%)を添加してスラリー化し、カーボンペーパーの上にこれらのスラリーである電極触媒を塗布し(Pt換算で0.3mg/cm)、それぞれ燃料電池のアノード電極として利用した。カソード電極は、Johnson Matthey(20wt%Pt/C)にNafionバインダー(Wako社;40wt%)を添加してスラリー化し、カーボンペーパーの上に電極触媒(Pt換算で0.3mg/cm)を塗布して製造した。このようにして製造したアノード電極とカソード電極との間にNafion 電解質膜(Dupon社;Nafion 115)を挟んで155℃、0.8MPaの状態で10分間ホットプレスを行なうことで、燃料電池電極を製造した。この電極を用いて単電池を作成し、I−V特性を利用して実施例及び比較例の触媒の活性を評価した。I−V測定条件としては70℃、100%加湿の状態で評価し、東陽テクニカ社製の燃料電池テストシステムを使用して分析を行なった。
CNF−CB複合体のモデルを図1に示す。CBの表面にFe−Ni金属触媒を担持させてエチレンガスを投入すると、CBの表面から繊維状ナノカーボンが成長してCBを覆う形態のCNF−CB複合体が合成される。
合成されたCNF−CB複合体をSEMとTEMを利用して観察した。そのSEM像及びTEM像をそれぞれ図2及び図3に示す。図2はCB(図2(a))及びCNF−CB複合体(図2(b))のSEM像である。CNF−CB複合体ではCBから直径が20nm〜40nm、長さが10nm〜100nmのCNFが成長していることが確認された。なお、直径よりも長さの短いCNFも観察されたが、これは成長のごく初期段階のものであると考えられる。図3はCB(図3(a))及びCNF−CB複合体(図3(b))のTEM像である。図3(a)からわかるように、CBは球状の粒子が連結してミクロン単位の二次粒子を形成している。一方、CNF−CB複合体では、図3(b)からわかるように、CBの表面からCNFが成長してCBを覆っている形態のCNF−CB複合体が合成されている。それと共に、CBの一次孔部分をCNFが塞いでいる(つまり、一次孔自体は残っているとしても、その上からCNFで蓋をした状態になっている)ことも確認した。
図4は様々な温度及び時間の条件下で合成されたCNF−CB複合体のSEM写真を示す。CNF−CB複合体の合成温度は610℃及び640℃とし、また合成時間は10分、20分及び30分として、二通りの温度と三通りの合成時間の組み合わせである六通りの条件で合成処理を行った。合成温度及び合成時間が増加するにつれて繊維状ナノカーボンの長さも増大することがわかった。また、それにつれて、以下の表1に示すようにCNF−CB複合体の重量も増加した。
図5に、様々な合成温度と合成時間との組み合わせにより合成したCNF−CB複合体及びそれらの原料として使用したCBのBET法による比表面積測定の結果を示す。CBの比表面積は261m/gと測定された。CB上で繊維状ナノカーボンが合成されたCNF−CB複合体の比表面積は、合成温度が610℃の場合は合成時間10分で306m/g、20分で334m/g及び30分で355m/gとなった。合成温度が640℃の場合は合成時間10分で319m/g、20分で348m/g及び30分で378m/gとなった。このようにして合成されたCNF−CB複合体は何れの合成条件のものもCBに比べて大きな比表面積を有することが示された。その中でも、640℃で30分間合成したCNF−CB複合体はCBに比べて比表面積が40%以上増加した。
20wt%Pt/C、20wt%Pt/CB及び20wt%Pt/CNF−CBを燃料電池触媒として上述のようにして作製した燃料電池のI−V特性を評価した。その結果を図6に示す。上述の単純な燃料電池電極触媒プロセスで製造した本発明の比較例としての20wt%Pt/CB触媒を使用した燃料電池の電力密度は450mW/cmとなり、市販されている20wt%Pt/C触媒を使用した燃料電池の電力密度427mW/cmに比べて少し高い触媒活性を得ることができた。本発明の実施例のCNF−CB複合体を触媒担体とした20wt%Pt/CNF−CB触媒を使用して同様に作製した燃料電池は468mW/cmの電力密度を達成し、上述の20wt%Pt/C触媒に基づく燃料電池に比べて41mW/cmだけ高い電力密度を達成できた。
燃料電池触媒担体として使用できる本発明のCNF−CB複合体は、CBの表面に繊維状のナノカーボンを成長させてCBを覆う形態を有すること及びCBの一次孔部分をナノ繊維が塞いでいることを、SEM、TEMで確認した。また、温度範囲としては常圧の状態で610℃〜1000℃の範囲、合成温度は10分以上の組み合わせで所望の形態を有するCNF−CB複合体が合成されることもSEMで確認した。更に、合成温度及び時間を調節することによって有効比表面積を制御できることが分かった。なお、合成時間を長くするとCNF−CB複合体を形成するCNFを実質的にいくらでも長くすることができるが、CNFが過度に長くなるとカーボンナノ繊維同士の絡み合いが甚だしくなってCNF−CB複合体の分散性が低下する。そのため、実用的には合成時間を2時間以下とするのが望ましい。
上述した実施例ではCB上にCNFを成長させるためにCBにNiとFeとの組み合わせを担持させた。しかし、CNFのこのような成長に使用できるための金属触媒としてはこれに限定されるものではなく、Ni、Fe、Cu、Mg及びCoから選択された二またはもっと多くの金属種の組み合わせを使用しても、CNFを同様に成長させることができる。更に、上述したように、CNFはCB以外のカーボンナノ粒子の上にも成長させることができる。また、実施例ではCBとしてVulcan XC-72R(VC)を使用したが、もちろんこれに限定されるものではない。アセチレンブラック、ケッチェンブラックなど、他の多くの種類のカーボンブラックも使用することができる。また、実施例ではCNFの原料となる炭素源としてエチレンを使用したが、炭素源はこれに限定されるものではなく、例えばエチレン、アセチレンまたはメタン等のガス、あるいはこれらのうちから選択した二種もしくはもっと多くのガスを混合したものを使用することができる。更に、カーボンナノ粒子上のCNFの長さは概ね10nm〜100nm、また直径は概ね10nm〜数μm(例えば10μm)の範囲である。
本発明のCNF−カーボンナノ粒子複合体はCB等のカーボンナノ粒子に比較して表面の一次孔が少ないために、その表面にPt等の触媒を担持させた場合にその利用効率が高く、また分散性が良いためにその利用に当たっての取り扱いが容易になる。また、本複合体は低温かつ短時間で合成することが可能であり、更に製造方法が単純であることにより、これを利用した製品の低コスト化に貢献できる。従って、本発明は例えば燃料電池触媒分野に大いに利用されることが期待される。
国際公開2011/118756号 特開2006−334527号公報 国際公開2011/111791号 国際公開2012/053334号 特開2003−342840号公報 国際公開2014/0343571号 国際公開2012/077598号 国際公開2012/086597号 国際公開2013/035698号 国際公開2011/065471号

Claims (14)

  1. カーボンナノ粒子表面にカーボンナノファイバーが設けられている、カーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体。
  2. 前記カーボンナノ粒子はカーボンブラックである、請求項1に記載のカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体。
  3. 前記カーボンナノファイバーは前記カーボンナノ粒子表面上の一次孔の少なくとも一部を塞いている、請求項1または2に記載のカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体。
  4. 前記カーボンナノ粒子の直径は60nm〜120nmであり、前記カーボンナノファイバーの直径は10nmから100nm、長さは10nm〜10μmである、請求項1から3の何れかに記載のカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体。
  5. 前記カーボンナノファイバーは前記カーボンナノ粒子から屈曲して伸びる、請求項1から4の何れかに記載のカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体。
  6. 表面に金属が担持されたカーボンナノ粒子に炭素源を含む原料ガスを供給して加熱することにより、カーボンナノ粒子表面にカーボンナノファイバーを成長させる、カーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体の製造方法。
  7. 前記炭素源はエチレン、アセチレン及びメタンからなる群から選択された一または複数のガスである、請求項6に記載のカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体の製造方法。
  8. 前記金属はニッケル、鉄、銅、マグネシウム及びコバルトからなる群から選択された複数の金属の組み合わせである、請求項6または7に記載のカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体の製造方法。
  9. 金属塩が担持されたカーボンナノ粒子を還元性雰囲気中で加熱することにより前記表面に金属が担持されたカーボンナノ粒子を得る、請求項6から8の何れかに記載のカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体の製造方法。
  10. 前記還元性雰囲気は水素を含む、請求項9に記載のカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体の製造方法。
  11. 前記加熱を610℃から1000℃の温度範囲で10分から2時間行う、請求項6から10に記載のカーボンナノファイバー−カーボンナノ粒子複合体の製造方法。
  12. 請求項1から5の何れかに記載のカーボンナノ繊維−カーボンナノ粒子複合体に触媒活性を有する物質を担持させた触媒。
  13. 前記触媒活性を有する物質は白金、パラジウム、イリジウム、金、銀、ニッケル、鉄、白金−ルテニウム合金,白金−パラジウム合金,白金-イリジウム合金、白金−コバルト合金、白金−コバルト−マンガン合金、白金−アンチモン合金、白金−アンチモン−酸化スズ合金、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化スズ、ジルコニア、チタニア、セリア、酸化タンタル及び酸化アルミニウムからなる群から選択される、請求項12に記載の触媒。
  14. 請求項12または13に記載の触媒からなる燃料電池電極用触媒。
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