JP2016087609A - アーク溶接制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】送給速度の正送と逆送とを周期的に繰り返す溶接において、溶接電源の出力制御を短絡時間率設定値に基づいて行い、短絡時間率設定値が変化しても溶接状態を安定に保つこと。【解決手段】送給速度Fwを正送と逆送とに周期的に変化させて短絡期間とアーク期間とを発生させ、溶接中の短絡時間率を検出し、この短絡時間率検出値と予め定めた短絡時間率設定値とが等しくなるように溶接電源の出力を制御する。さらに、短絡時間率検出値と短絡時間率設定値とが等しくなるように、送給速度Fwの周期Tfをフィードバック制御する。これにより、短絡時間率設定値の変化に伴う溶滴移行状態の変化に対応して、送給速度Fwの周期Tfが適正化されるので、送給速度Fwの正送と逆送との周期と短絡期間とアーク期間との周期とに同期ズレが発生することを抑制することができ、溶接状態を安定に保つことができる。【選択図】 図2

Description

本発明は、送給速度を正送と逆送とに周期的に変化させて短絡期間とアーク期間とを発生させるアーク溶接制御方法に関するものである。
一般的な消耗電極式アーク溶接では、消耗電極である溶接ワイヤを一定速度で送給し、溶接ワイヤと母材との間にアークを発生させて溶接が行なわれる。消耗電極式アーク溶接では、溶接ワイヤと母材とが短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返す溶接状態になることが多い。
溶接品質をさらに向上させるために、溶接ワイヤの正送と逆送とを周期的に繰り返して溶接する方法が提案されている。例えば、特許文献1の発明では、溶接電流設定値に応じた送給速度の平均値とし、溶接ワイヤの正送と逆送との周波数及び振幅を溶接電流設定値に応じた値としている。溶接ワイヤの正送と逆送とを繰り返す溶接方法では、定速送給の従来技術では不可能であった短絡とアークとの繰り返しの周期を所望値に設定することができるので、スパッタ発生量の削減、ビード外観の改善等の溶接品質の向上を図ることができる。
また、特許文献2の発明では、溶接ワイヤを定速送給し、アーク状態を示す指標として短絡時間率を使用し、平均送給速度に応じて目標値となる短絡時間率設定値を設定し、溶接中の短絡時間率を検出し、この短絡時間率検出値が短絡時間率設定値と等しくなるように溶接電源の出力制御を行っている。ここで、短絡時間率Rs(%)は、単位時間に占めるアーク期間の合算時間をΣTa(秒)、短絡期間の合算時間をΣTs(秒)とすると、下式で算出することができる。
Rs=(ΣTs/(ΣTa+ΣTs))×100 …(1)式
単位時間は、例えば0.1秒、1秒等である。
特許第5201266号公報 特開平8−155645号公報
短絡時間率による出力制御を行って溶接するアーク溶接制御方法において、平均送給速度が同一値であっても、継手形状、溶接速度、溶接姿勢等の溶接条件が異なると適正な短絡時間率が異なる。このために、溶接条件に応じて短絡時間率設定値を適正値に変化させる必要がある。しかし、送給速度の正送と逆送とを周期的に繰り返す溶接において、短絡時間率設定値を変化させると溶滴移行状態が変化するために、送給速度の正送と逆送との周期と短絡期間とアーク期間との周期とに同期ズレの状態が生じる。この結果、溶接状態が不安定になるという問題があった。
そこで、本発明では、送給速度の正送と逆送とを周期的に繰り返す溶接において、短絡時間率設定値が変化しても、溶接状態を安定に保つことができるアーク溶接制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
送給速度を正送と逆送とに周期的に変化させて短絡期間とアーク期間とを発生させ、溶接中の短絡時間率を検出し、この短絡時間率検出値が短絡時間率設定値と等しくなるように溶接電源の出力を制御して溶接するアーク溶接制御方法において、
前記短絡時間率設定値に基づいて前記送給速度の周期を変化させる、
ことを特徴とするアーク溶接制御方法である。
請求項2の発明は、前記短絡時間率検出値と前記短絡時間率設定値とが等しくなるように前記周期をフィードバック制御する、
ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接制御方法である。
本発明によれば、短絡時間率設定値に基づいて送給速度の周期を変化させている。これにより、短絡時間率設定値の変化に伴う溶滴移行状態の変化に対応して、送給速度の周期が適正化されるので、送給速度の正送と逆送との周期と短絡期間とアーク期間との周期との同期ズレの発生を抑制することができる。この結果、本発明では、送給速度の正送と逆送とを周期的に繰り返す溶接において、短絡時間率設定値が変化しても、溶接状態を安定に保つことができる。
本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を示す図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
実施の形態1の発明は、短絡時間率設定値に基づいて送給速度の周期を変化させるものである。
図1は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御等による出力制御を行い、出力電圧Eを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑する平滑コンデンサ、平滑された直流を高周波交流に変換する上記の駆動信号Dvによって駆動されるインバータ回路、高周波交流を溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を直流に整流する2次整流器を備えている。
リアクトルWLは、上記の出力電圧Eを平滑する。このリアクトルWLのインダクタンス値は、例えば200μHである。
送給モータWMは、後述する送給制御信号Fcを入力として、正送と逆送とを周期的に繰り返して溶接ワイヤ1を送給速度Fwで送給する。送給モータWMには、過渡応答性の速いモータが使用される。溶接ワイヤ1の送給速度Fwの変化率及び送給方向の反転を速くするために、送給モータWMは溶接トーチ4の先端の近くに設置される場合がある。また、送給モータWMを2個使用して、プッシュプル方式の送給系とする場合もある。
溶接ワイヤ1は、上記の送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。溶接トーチ4内の給電チップ(図示は省略)と母材2との間には溶接電圧Vwが印加し、溶接電流Iwが通電する。
電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して電圧検出信号Vdを出力する。短絡判別回路SDは、この電圧検出信号Vdを入力として、この値が短絡判別値(10V程度)未満のときは短絡期間にあると判別してHighレベルとなり、以上のときはアーク期間にあると判別してLowレベルとなる短絡判別信号Sdを出力する。
短絡時間率検出回路RSDは、上記の短絡判別信号Sdを入力として、単位時間ごとに短絡判別信号SdがHighレベル(短絡)である期間及びLowレベル(アーク)である期間をそれぞれ合算し、上記(1)式によって短絡時間率を算出して、短絡時間率検出信号Rsdを出力する。
短絡時間率設定回路RSRは、予め定めた短絡時間率設定信号Rsrを出力する。時間率誤差増幅回路EAは、上記の短絡時間率設定信号Rsr及び上記の短絡時間率検出信号Rsdを入力として、短絡時間率設定信号Rsr(+)と短絡時間率検出信号Rsd(−)との誤差を増幅して、時間率誤差増幅信号Eaを出力する。この回路によって、溶接電源は短絡時間率検出信号Rsdが短絡時間率設定信号Rsrと等しくなるようにフィードバック制御(出力制御)される。
出力電圧設定回路ERは、上記の時間率誤差増幅信号Eaを入力として、Er=Er0+∫Ea・dtの積分を溶接中行い、出力電圧設定信号Erとして出力する。Er0は予め定めた初期値である。
出力電圧検出回路EDは、上記の出力電圧Eを検出し平滑して出力電圧検出信号Edを出力する。
電圧誤差増幅回路EVは、上記の出力電圧設定信号Er及び上記の出力電圧検出信号Edを入力として、出力電圧設定信号Er(+)と出力電圧検出信号Ed(−)との誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。この回路によって溶接電源は定電圧制御される。
駆動回路DVは、上記の電圧誤差増幅信号Evを入力として、電圧誤差増幅信号Evに基づいてPWM変調制御を行い、上記の電源主回路PM内のインバータ回路を駆動するための駆動信号Dvを出力する。
周期設定回路TFRは、上記の短絡時間率設定信号Rsrを入力とする予め定めた周期設定関数によって周期を算出して、周期設定信号Tfrとして出力する。この周期設定関数は、短絡時間率設定信号Rsrが大きくなるほど、周期設定信号Tfrの値が小さくなる関数である。周期設定関数は、実験によって予め設定されている。
振幅設定回路WFRは、予め定めた振幅設定信号Wfrを出力する。正送側シフト量設定回路SFRは、予め定めた正送側シフト量設定信号Sfrを出力する。
送給速度設定回路FRは、上記の周期設定信号Tfr、上記の振幅設定信号Wfr及び上記の正送側シフト量設定信号Sfrを入力として、周期設定信号Tfrによって定まる周期及び振幅設定信号Wfrによって定まる振幅から形成される正弦波を、正送側シフト量設定信号Sfrによって定まる正送側シフト量だけシフトした送給速度パターンを送給速度設定信号Frとして出力する。この送給速度設定信号Frが0以上のときは正送期間となり、0未満のときは逆送期間となる。
送給制御回路FCは、上記の送給速度設定信号Frを入力として、送給速度設定信号Frの値に相当する送給速度Fwで溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcを上記の送給モータWMに出力する。
図2は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接制御方法を示す図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は送給速度Fwの時間変化を示し、同図(B)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(C)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(D)は短絡判別信号Sdの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
同図(A)に示すように、送給速度Fwは、0よりも上側が正送期間となり、下側が逆送期間となる。正送とは溶接ワイヤを母材に近づける方向に送給することであり、逆送とは母材から離反する方向に送給することである。送給速度Fwは、正弦波状に変化しており、正送側にシフトした波形となっている。このために、送給速度Fwの平均値は正の値となり、溶接ワイヤは平均的には正送されている。送給速度Fwの送給速度パターンは、三角波、台形波等であっても良い。
同図(A)に示すように、送給速度Fwは、時刻t1時点では0であり、時刻t1〜t2の期間は正送加速期間となり、時刻t2で正送の最大値となり、時刻t2〜t3の期間は正送減速期間となり、時刻t3で0となり、時刻t3〜t4の期間は逆送加速期間となり、時刻t4で逆送の最大値となり、時刻t4〜t5の期間は逆送減速期間となる。そして、時刻t5〜t6の期間は再び正送加速期間となり、時刻t6〜t7の期間は再び正送減速期間となる。したがって、送給速度Fwは、時刻t1〜t5の周期Tf(ms)、時刻t2の正送の最大値と時刻t4の逆送の最大値との差である振幅Wf(m/min)及び平均送給速度となる正送側シフト量Sf(m/min)の送給速度パターンで繰り返すことになる。
同図(D)に示すように、短絡判別信号Sdは、後述するように、時刻t21以前はLowレベル(アーク)となり、時刻t21〜t31の期間中はHighレベル(短絡)となり、時刻t31〜t61の期間中はLowレベル(アーク)となり、時刻t61以後はHighレベル(短絡)となる。この短絡判別信号Sdが図1の短絡時間率検出回路RSDに入力されて、短絡時間率検出信号Rsdが出力される。短絡時間率を検出する単位時間が0.1秒であるときは、送給速度Fwの5〜10周期ごとに短絡時間率が検出されることになる。そして、図1の出力電圧設定回路ERによって、この短絡時間率検出信号Rsdと予め定めた短絡時間率設定信号Rsrとが等しくなるように出力電圧設定信号Erが修正される。この結果、図1の電圧誤差増幅回路EVによって、出力電圧検出信号Edがこの出力電圧設定信号Erと等しくなるように溶接電源は出力制御(定電圧制御)される。すなわち、溶接電源は、短絡時間率検出信号Rsdと短絡時間率設定信号Rsrとが等しくなるように出力制御されることになる。
周期Tfは、図1の周期設定回路TFRによって設定され、短絡時間率設定信号Rsrの値に連動して変化する。振幅Wfは、図1の振幅設定回路WFRによって所定値に設定される。正送側シフト量Sfは、図1の正送側シフト量設定回路SFRによって所定値に設定される。周期Tfは8〜20ms程度の範囲で短絡時間率設定信号Rsrに連動して変化する。振幅Wfは30〜100m/min程度に設定され、正送側シフト量Sfは3〜20m/min程度に設定される。
溶接ワイヤと母材との短絡は、時刻t2の正送最大値の前後で発生することが多い。同図では、正送最大値の後の正送減速期間中の時刻t21で発生した場合である。時刻t21において短絡が発生すると、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値に急減し、これに応動して、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdはHighレベル(短絡)に変化する。同時に、同図(B)に示すように、溶接電流Iwは短絡期間中次第に増加する。
同図(A)に示すように、送給速度Fwは、時刻t3からは逆送期間になるので、溶接ワイヤは逆送される。この逆送及び溶接電流Iwの通電によるピンチ力によって短絡が解除されて、時刻t31においてアークが再発生する。アークの再発生は、時刻t4の逆送最大値の前後で発生することが多い。同図では、逆送ピーク値の前の逆送加速期間中の時刻t31で発生した場合である。したがって、時刻t21〜t31の期間が短絡期間となり、この期間中は同図(D)に示すように、短絡判別信号SdはHighレベルとなる。る。
時刻t31においてアークが再発生すると、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値に急増し、これに応動して、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdはLowレベル(アーク)に変化する。同時に、同図(B)に示すように、溶接電流Iwは、短絡期間中の最大値の状態から変化を開始する。
時刻t31〜t5の期間中は、同図(A)に示すように、送給速度Fwは逆送状態であるので、溶接ワイヤは引き上げられてアーク長は次第に長くなる。アーク長が長くなると、溶接電圧Vwは大きくなり、図1の電圧誤差増幅回路EVによって定電圧制御されているので溶接電流Iwは小さくなる。したがって、時刻t31〜t5のアーク期間逆送期間Tar中は、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは次第に大きくなり、同図(B)に示すように、溶接電流Iwは次第に小さくなる。
そして、次の短絡が、時刻t6〜t7の正送減速期間中の時刻t61に発生する。但し、時刻t61に発生した短絡は、時刻t21に発生した短絡よりも正送最大値からの時間(位相)が遅くなっている。このように短絡が発生するタイミングは、ある程度のばらつきを有している。時刻t31〜t61の期間がアーク期間となり、この期間中は、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdはLowレベルとなる。時刻t5〜t61の期間中は、同図(A)に示すように、送給速度Fwは正送状態であるので、溶接ワイヤは正送されてアーク長は次第に短くなる。アーク長が短くなると、溶接電圧Vwは小さくなり、図1の電圧誤差増幅回路EVによって定電圧制御されているので溶接電流Iwは大きくなる。したがって、時刻t5〜t61のアーク期間正送期間Tas中は、同図(C)に示すように、溶接電圧Vwは次第に小さくなり、同図(B)に示すように、溶接電流Iwは次第に大きくなる。
上述したように、平均送給速度が同一値であっても、継手形状、溶接速度、溶接姿勢等の溶接条件が異なると適正な短絡時間率が異なる。このために、溶接条件に応じて短絡時間率設定値を適正値に変化させる必要がある。しかし、送給速度の正送と逆送とを周期的に繰り返す溶接において、短絡時間率設定値を変化させると溶接電源の出力が変化するために、溶滴移行状態が変化して、送給速度の正送と逆送との周期と短絡期間とアーク期間との周期とに、同期ズレの状態が生じる。
実施の形態1の発明によれば、短絡時間率設定値(短絡時間率設定信号Rsr)が変化すると、連動して送給速度の周期を変化させている。これにより、短絡時間率設定値の変化に伴う溶滴移行状態の変化に対応して、送給速度の周期が適正化されるので、送給速度の正送と逆送との周期と短絡期間とアーク期間との周期との同期ズレの発生を抑制することができる。この結果、本実施の形態では、送給速度の正送と逆送とを周期的に繰り返す溶接において、短絡時間率設定値が変化しても、溶接状態を安定に保つことができる。
[実施の形態2]
実施の形態2の発明は、短絡時間率検出値と短絡時間率設定値とが等しくなるように送給速度の周期をフィードバック制御するものである。
図3は、本発明の実施の形態2に係るアーク溶接制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。同図は上述した図1と対応しており、同一ブロックには同一符号を付して、それらの説明は繰り返さない。同図は、図1に送給誤差増幅回路EFを追加し、図1の周期設定回路TFRを第2周期設定回路TFR2に置換したものである。以下、同図を参照して、これらのブロックについて説明する。
送給誤差増幅回路EFは、短絡時間率設定信号Rsr(+)と短絡時間率検出信号Rsd(−)との誤差を増幅して、送給誤差増幅信号Efを出力する。この回路と上記の時間率誤差増幅回路EAとは増幅率が異なっている。
第2周期設定回路TFR2は、上記の送給誤差増幅信号Efを入力として、送給誤差増幅信号Efを溶接中積分して、周期設定信号Tfrを出力する。積分は、Tfr=Tf0+∫Ef・dtとして表すことができる。ここで、Tf0は予め定めた初期値である。この回路によって、短絡時間率検出信号Rsdが短絡時間率設定信号Rsrと等しくなるように周期設定信号Tfrがフィードバック制御されて、溶接中刻々と変化する。
本発明の実施の形態2に係るアーク溶接制御方法を示す図3の溶接電源における各信号のタイミングチャートは、上述した図2と同一であるので、説明は繰り返さない。但し、図2に示す周期Tfは、図3の送給誤差増幅回路EF及び第2周期設定回路TFR2によって、短絡時間率検出信号Rsdが短絡時間率設定信号Rsrと等しくなるようにフィードバック制御される点は異なる。
実施の形態2の発明によれば、短絡時間率検出値と短絡時間率設定値とが等しくなるように送給速度の周期をフィードバック制御している。これにより、短絡時間率設定値の変化に伴う溶滴移行状態の変化に対応して、短絡時間率検出値が短絡時間率設定値と等しくなるように送給速度の周期がフィードバック制御される。短絡時間率検出値が短絡時間率設定値と等しくなる状態とは、送給速度の正送と逆送との周期と短絡期間とアーク期間との周期との同期ズレが発生しておらず、溶接状態が安定している状態である。実施の形態2の発明では、実施の形態1の発明のように周期設定関数を実験によって求めておく必要がないために、生産準備を効率化することができる。さらに、種々な溶接条件において、短絡時間率設定値が変化しても、フィードバック制御によって送給速度の周期が最適化されるので、常に安定した溶接状態を得ることができる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
E 出力電圧
EA 時間率誤差増幅回路
Ea 時間率誤差増幅信号
ED 出力電圧検出回路
Ed 出力電圧検出信号
EF 送給誤差増幅回路
Ef 送給誤差増幅信号
ER 出力電圧設定回路
Er 出力電圧設定信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fw 送給速度
Iw 溶接電流
PM 電源主回路
Rs 短絡時間率
RSD 短絡時間率検出回路
Rsd 短絡時間率検出信号
RSR 短絡時間率設定回路
Rsr 短絡時間率設定信号
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
Sf 正送側シフト量
SFR 正送側シフト量設定回路
Sfr 正送側シフト量設定信号
Tar アーク期間逆送期間
Tas アーク期間正送期間
Tf 送給速度の周期
TFR 周期設定回路
Tfr 周期設定信号
TFR2 第2周期設定回路
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
Vw 溶接電圧
Wf 振幅
WFR 振幅設定回路
Wfr 振幅設定信号
WL リアクトル
WM 送給モータ

Claims (2)

  1. 送給速度を正送と逆送とに周期的に変化させて短絡期間とアーク期間とを発生させ、溶接中の短絡時間率を検出し、この短絡時間率検出値が短絡時間率設定値と等しくなるように溶接電源の出力を制御して溶接するアーク溶接制御方法において、
    前記短絡時間率設定値に基づいて前記送給速度の周期を変化させる、
    ことを特徴とするアーク溶接制御方法。
  2. 前記短絡時間率検出値と前記短絡時間率設定値とが等しくなるように前記周期をフィードバック制御する、
    ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接制御方法。
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