JP2016087173A - 視覚検査装置および視覚検査方法 - Google Patents

視覚検査装置および視覚検査方法 Download PDF

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Shinji Kimura
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Abstract

【課題】被検者が実用上多用する遠方視の状態での視覚検査を行うことを可能とする。
【解決手段】視覚検査の被検者の眼球8から有限距離の位置に配されて当該眼球8に対して視標を呈示する表示素子12と、前記表示素子12が呈示する視標からの光を前記眼球8へ導くとともに、当該光を無限遠方からの光として導くように構成された表示光学系11と、を備えて視覚検査装置1を構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、視覚検査装置および視覚検査方法に関する。
眼の検査の一つに、眼の視覚機能を検査する「視覚検査」がある。視覚検査の代表的なものとしては「視野検査」がある。視野検査は、例えば緑内障や網膜剥離等が原因で起こる視野狭窄、視野欠損等を診断するために行うもので、そのための検査装置が種々提案されている。
視野検査装置の一つには、ドーム型のスクリーンに視標を呈示して被検者の視野を検査するものがある(例えば特許文献1参照)。この視野検査装置では、被検者の眼球(以下、「被検眼」ともいう。)をドームの球心に配置し、そこから被検者がスクリーンを観察したときに、例えば、どの程度の範囲まで視標が見えるか、あるいは、どの位置に表示した視標が見えないか、等を検査する。
また、視野検査装置の他の一つには、平面型表示素子を用いて被検者に視標を呈示するものがある(例えば特許文献2参照)。この視野検査装置では、外光の影響を受けないように大型のケースの中に平面型表示素子を設置している。そして、被検者の顎を下から支えて被検者の頭部を固定し、その状態で被検者がケース側面の覗き孔を通して平面型表示素子の表示面を観察するようにしている。
特開2012−20196号公報 特許第4518077号明細書
上述した視野検査装置は、いずれも、被検眼から有限距離(例えば30cm程度)の位置にて視標を呈示し(例えば特許文献2の段落「0025」参照)、その視標を被検者に観察させることで視野検査を行うように構成されている。そのため、被検者にとっては、被検眼が近方に焦点を合わせた状態(以下、この状態を「近方視」ともいう。)で視野検査を行うことになる。
ところが、人間の眼は、無限遠方に焦点を合わせた状態(以下、この状態を「遠方視」ともいう。)を実用上多用することが知られている。近方視の状態と遠方視の状態では、眼球の水晶体形状が変わるため、同じ物を見ても網膜上の像(すなわち被検眼にとっての見え方)が異なってしまうおそれがある。したがって、近方視の状態での視野検査では、実用上多用する遠方視の状態での視野について、必ずしも適切な検査が行えるとは限らない。
そこで、本発明は、実用上好適な状態での視覚検査を行うことを可能とする視覚検査装置および視覚検査方法を提供することを主目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。
本発明の第1の態様は、
視覚検査の被検者の眼球から有限距離の位置に配されて当該眼球に対して視標を呈示する表示素子と、
前記表示素子が呈示する視標からの光を前記眼球へ導くとともに、当該光を無限遠方からの光として導くように構成された表示光学系と、
を備えることを特徴とする視覚検査装置である。
本発明の第2の態様は、
前記表示光学系は、前記眼球に対向して配される対物レンズを有しており、前記対物レンズが前記視標からの光を前記無限遠方からの光とするように構成されている
ことを特徴とする第1の態様に記載の視覚検査装置である。
本発明の第3の態様は、
前記表示光学系は、前記無限遠方からの光として平行光線を前記眼球に導くように構成されている
ことを特徴とする第1または第2の態様に記載の視覚検査装置である。
本発明の第4の態様は、
前記被検者の頭部に装着されるヘッドマウント型のものとして構成されている
ことを特徴とする第1、第2または第3の態様に記載の視覚検査装置である。
本発明の第5の態様は、
視覚検査の被検者の眼球から有限距離の位置に配された表示素子を用いて当該眼球に対して視標を呈示する視標呈示ステップと、
前記眼球と前記表示素子との間に位置する表示光学系を介して前記表示素子が呈示する視標からの光を無限遠方からの光として前記眼球へ導く導光ステップと、
を備えることを特徴とする視覚検査方法である。
本発明によれば、実用上好適な状態での視覚検査を行うことが可能となる。
本発明の実施形態に係る視覚検査装置の全体構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る視覚検査装置の光学構成の一例を示す模式図である。 眼球の正常な屈折と調整作用の概要を示す説明図であり、(a)は正視眼の屈折の概要を示す図、(b)は調整作用の概要を示す図である。 本発明の実施形態に係る視覚検査装置における表示光学系の特性を説明するための概念図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
本実施形態においては、次の順序で説明を行う。
1.視覚検査装置の構成
2.表示光学系の特性
3.視覚検査方法
4.本実施形態の効果
5.変形例等
<1.視覚検査装置の構成>
先ず、本実施形態における視覚検査装置の構成について説明する。なお、本実施形態では、被検者に対する視野検査を行うために用いられる視覚検査装置に本発明を適用した場合を例に挙げる。
(全体構成)
図1は、本実施形態に係る視覚検査装置の全体構成の一例を示す概略図である。
図例の視覚検査装置1は、被検者2の頭部3に装着して用いられるヘッドマウント型の視覚検査装置である。視覚検査装置1は、大別すると、装置本体5と、この装置本体5に機械的に接続された装着具6と、この装着具6に装着された制御部30と、を備えている。
(装置本体)
装置本体5は、内部に空間を有する筐体7を備えている。筐体7の内部空間は、左右に分かれている。その理由は、被検者2の左眼8Lと右眼8Rで別々に視覚検査を行うためである。この視覚検査において、左眼8Lを被検眼とする場合は、被検者2が左眼8Lの瞳孔9Lを通して視標を見ることになり、右眼8Rを被検眼とする場合は、被検者2が右眼8Rの瞳孔9Rを通して視標を見ることになる。
ここで記述する「視標」とは、被検者の視覚を検査するにあたって、被検者の眼球に光による刺激を与えるために表示されるものである。視標に関しては、特に大きさ、形状等の制限はない。例えば、緑内障検査の際には、所定の大きさで光の点を視標として表示するとともに、その光の点の位置を変化させることにより、欠損した視野の有無や欠損場所を検査(特定)することができる。
筐体7の一方の内部空間には、表示光学系11Lと平面型の表示素子12Lが設けられている。筐体7の他方の内部空間には、表示光学系11Rと平面型の表示素子12Rが設けられている。表示光学系11Lと表示素子12Lは、被検者2の左眼8Lの視覚検査を行うために設けられたものである。表示光学系11Rと表示素子12Rは、被検者2の右眼8Rの視覚検査を行うために設けられたものである。
(装着具)
装着具6は、装置本体5を被検者2の頭部3に装着し固定するためのものである。装着具6は、被検者2の両側頭部から後頭部にかけてU字形に掛け渡されるベルト13と、被検者2の頭頂部に掛け渡されるベルト14とを備えている。そして、ベルト14の長さを適度に調整した状態で、ベルト13を後頭部側から引っ張って締め付けることにより、被検者2の頭部3に装置本体5を装着可能な機構になっている。
(制御部)
制御部30は、視覚検査装置1における処理動作を制御するものであり、視覚検査に際して各種の機能(手段)を実現するものである。そのために、制御部30は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard disk drive)、各種インタフェース等の組み合わせからなるコンピュータによって構成される。そして、制御部30は、CPUがROMまたはHDDに格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能を実現するように構成されている。なお、制御部30が実現する各種の機能(手段)の詳細については後述する。
また、制御部30は、装置本体5よりも小さい筐体構造を有しており、装着具6の後頭部側に装着して配置される。これにより、被検者2の頭部3に装着した際に装置本体5と制御部30との前後の重量バランスが偏ってしまうのを抑制することができる。
(表示光学系および表示素子)
続いて、筐体7の内部空間に設けられた表示光学系11L,11Rおよび表示素子12L,12Rについて説明する。
なお、以降の説明では、被検者2の左眼8Lと右眼8Rを左右の区別なく記載する場合は、符号L,Rを省略して眼球8、瞳孔9と総称する。これと同様に、上述した表示光学系11L,11Rと表示素子12L,12Rについても左眼用と右眼用の区別なく記載する場合は、それぞれ符号L,Rを省略して表示光学系11、表示素子12と総称する。
図2は、本実施形態に係る視覚検査装置の光学構成の一例を示す模式図である。
(表示光学系)
表示光学系11は、視標からの光を被検者の眼球8の網膜10へ導くためのものである。そのために、表示光学系11は、被検者の眼球8が配置される眼球位置と表示素子12の表示面12aとの間の光軸18上に配されている。具体的には、表示光学系11は、被検者の眼球位置側から順に、第1レンズ19と、ミラー20と、第2レンズ群21とを配置した構成になっている。以下、各構成要素について説明する。なお、以降の説明では、被検者の眼球位置から表示素子12までの光軸18のうち、眼球位置からミラー20までの光軸を光軸18aとし、ミラー20から表示素子12までの光軸を光軸18bとする。
第1レンズ19は、眼球位置からミラー20までの光軸18a上に配置されており、眼球8を物体としたときに対物レンズとして機能するものである。具体的には、第1レンズ19は、例えば正のパワーを有する非球面レンズ(凸レンズ)を用いて構成されている。
また、第1レンズ19は、ミラー20で反射して第1レンズ19に入射した光を被検者の瞳孔9に収束させる一方、被検者が瞳孔9を通して広角に物を見るときの光の発散を抑制するものである。この第1レンズ19の外径を大きくすれば、広い範囲で視覚検査を行うことができる。ただし、第1レンズ19の外径を大きくすると、そのレンズ端を通る主光線が光軸18(18a)に対して大きく傾くことになる。そのため、第1レンズ19のパワーが低いと、レンズ端を通る主光線が発散してしまう。そこで、本実施形態においては、第1レンズ19に高いパワー(好ましくは、パワーが20D(dioptre)以上、60D以下)のレンズを用いることにより、第1レンズ19のレンズ端を通る主光線を大きく屈折させてミラー20の反射面に収めている。
図2においては、表示素子12の表示面12aに視標となる光の点を表示し、この視標を被検者が眼球位置から表示光学系11を通して見るときに、被検者の瞳孔中心から第1レンズ19へと入射する主光線の入射角度を符号θで表している。この入射角度θは、光軸18aを基準とする角度(瞳孔中心を通る主光線と光軸18aとがなす角度)である。光軸18a上における第1レンズ19の外径(直径)や位置は、少なくとも視覚検査に必要な視野角を確保し得る条件で設定されている。具体的には、第1レンズ19を用いた表示光学系11の最大視野角(θの最大値)は、好ましくは、半画角で30度以上、60度以下(全画角では60度以上、120度以下)の範囲に設定するとよい。
ミラー20は、眼球位置からミラー20までの光軸18a上において、第1レンズ19を間に挟んで眼球位置とは反対側に配置されている。そして、ミラー20は、波長選択性を有しており、特定の波長の光を反射し、その他の光を透過するよう構成されている。具体的には、例えば、可視光を反射し、赤外線を透過するコールドミラーを用いて構成されている。
また、ミラー20は、第1レンズ19の光軸18aに対して所定の角度で傾斜して配されている。光軸18aに対するミラー20の反射面の傾きは、このミラー20によって屈曲される光軸18aと光軸18bとのなす角度αが、好ましくは90度以下、より好ましくは80度以下、さらに好ましくは「40度<α<70度」の範囲となるように設定されている。ここで、α≦40度である場合は、表示素子12や第2レンズ群21が被検者の頭部に接近しすぎて、それらが頭部と干渉してしまうおそれがある。これに対して、α>40度である場合は、表示素子12や第2レンズ群21が頭部と干渉することを回避することができる。一方、α≧90度である場合は、被検者が頭部を前方に傾けた際に、視覚検査装置1が頭部からずれ落ちやすくなる。これに対して、α<90度である場合は、被検者が頭部を前方に傾けた際に、視覚検査装置1が頭部からずれ落ちにくくなる。
第2レンズ群21は、ミラー20から表示素子12までの光軸18b上に配置されている。そして、第2レンズ群21は、網膜10からの逆方向の光線を想定した場合に、第1レンズ19によってミラー20よりも眼球8側の位置に結像された網膜10からの光を、再び表示素子12に結像するリレー系として機能するように構成されており、さらに、色収差や倍率を補正するように構成されている。
上述したように、本実施形態においては、高パワーの第1レンズ19を用いているため、第1レンズ19から第2レンズ群21に至る光路の途中で主光線の光束が集光し焦点を結んでしまう。このことから、本実施形態においては、光路の途中で焦点を結んだ主光線の光束を表示素子12の表示面12aで再度集光(結像)させるべく、光軸18b上に第2レンズ群21を配置しているのである。
第2レンズ群21は、3つのレンズ21a,21b,21cを用いて構成されている。3つのレンズ21a,21b,21cは、ミラー20側から平面型表示素子12側に向かって順に配置されている。すなわち、レンズ21aは、光軸18b上でミラー20に最も近い位置に配置され、レンズ21cは、光軸18b上で表示素子12に最も近い位置に配置されている。そして、これら2つのレンズ21a、21cの間にレンズ21bが配置されている。レンズ21bは、レンズ21aから離間した状態で、レンズ21bに近接して配置されている。
レンズ21aは、正のパワーを有する非球面レンズ(凸レンズ)を用いて構成されている。また、レンズ21bは、負のパワーを有する非球面レンズ(凹レンズ)を用いて構成され、レンズ21cは、正のパワーを有する非球面レンズ(凸メニスカスレンズ)を用いて構成されている。また、レンズ21aの外径(直径)は他のレンズ21b,21cの外径よりも大きく、レンズ21b,21cの外径は互いにほぼ等しくなっている。このようなレンズ構成により、表示光学系11の色収差を補正することができる。
ここで、上記第1レンズ19を構成する材料のアッベ数をv1とすると、第1レンズ19は、「45<v1<80」の関係式を満たす材料(ガラス、プラスチックなど)で構成されている。一方、第2レンズ群21を構成するレンズ21a〜21cのうち、正のパワーを有するレンズ21a,21cのアッベ数を共にv2とすると、各々のレンズ21a,21cは、「45<v2<80」の関係式を満たす材料で構成されている。また、負のパワーを有するレンズ21bのアッベ数をv3とすると、レンズ21bは、「15<v3<30」の関係式を満たす材料で構成されている。
また、第1レンズ19の焦点距離をf1とし、第2レンズ群21の焦点距離をf2とすると、これらは「0<f1/f2<1.0」の関係を満たしている。さらに、第1レンズ19の焦点距離f1は、第1レンズ19からミラー20までの光学距離aと、ミラー20から第2レンズ群21(レンズ21a)までの光学距離bとの和(a+b)に比べて、それよりも短くなっている。
(表示素子)
表示素子12は、平面状の表示面12aを用いて眼球8に対して視標を呈示するものであり、例えばバックライトを備える液晶表示素子または自発光型の有機EL(Electro Luminescence)表示素子を用いて構成されている。表示素子12の表示面12aは、多数のピクセルをマトリクス状に配置した構成になっている。そして、表示素子12は、制御部30に接続されており、実際に表示面12aに画像(視標を含む)を表示するときには、制御部30からの指示に基づいて、ピクセル単位で画像の表示と非表示(オン/オフ)を制御できるようになっている。これにより、表示素子12は、例えば、十字型の固定視標や、視野検査のための所定の明るさ(輝度)を有する刺激視標等を、視標として呈示することができる。なお、表示素子12は、視野検査のために高輝度の視標を呈示可能に構成されており、その最大輝度が例えば3000cd/m以上となっている。また、平面型表示素子12の表示面12aは、好ましくは、対角長が1.5インチ以下の表示サイズ、より好ましくは対角長が1インチ以下の表示サイズになっており、この表示面12aの中心に光軸18bが位置合わせされている。
また、表示素子12は、ミラー20から表示素子12までの光軸18b上で、第2レンズ群21のレンズ21cと対向するように配置されている。そして、表示素子12の表示面12aは、その法線方向が第2レンズ群21の光軸18bと一致するように配置されている。さらに、表示素子12は、網膜10からの逆方向の光線を想定した場合に、網膜10からの光が第1レンズ19、ミラー20および第2レンズ群21を介して結像されるよう配置されている。言い換えれば、表示素子12は、第1レンズ19、ミラー20および第2レンズ群21を介して、網膜10に対して光学的に共役な位置に配置されている。
このように、表示素子12は、眼球8から有限距離の位置に配されて、その位置にて当該眼球8に対して視標を呈示するように構成されている。
(観察光学系、撮像素子および赤外光源)
ところで、視覚検査装置1は、図2に示すように、筐体7の内部空間に、上述した表示光学系11と表示素子12の他に、被検者の眼球8を観察するための観察光学系15と、この観察光学系15を通して被検者の眼球8を撮像する撮像素子16と、被検者の眼球8に赤外線を照射する赤外光源17と、を備えている。観察光学系15、撮像素子16および赤外光源17は、上述した表示光学系11や表示素子12と同様に、被検者の左眼用と右眼用でそれぞれ別々に設けられている。
(観察光学系)
観察光学系15は、被検者の眼球8を観察対象として、例えば、瞳孔9、虹彩、強膜等を含む眼前部、あるいは網膜10を含む眼底部を観察するためのものである。そのために、観察光学系15は、被検者の眼球位置から撮像素子16までの光軸18上に配されており、眼球8の像(瞳孔9や虹彩の像等)を撮像素子16に導くよう構成されている。具体的には、観察光学系15は、被検者の眼球位置側から順に、第1レンズ19と、ミラー20と、第3レンズ22とを配置した構成になっている。このうち、第1レンズ19とミラー20は、光軸18aを含めて、上述した表示光学系11と共通(共用)になっている。また、ミラー20から撮像素子16までの光軸を光軸18cとすると、この光軸18cは、上述した光軸18aと略平行になっている。
第3レンズ22は、ミラー20から撮像素子16までの光軸18c上に配置されており、ミラー20を透過した赤外光を撮像素子16に結像させるリレーレンズとして機能するものである。具体的には、第3レンズ22は、正のパワーを有する非球面のレンズ(凸レンズ)を用いて構成されている。また、第3レンズ22は、第3レンズ22の光軸18cに沿った方向に移動可能となっている。このように、第3レンズ22の位置が光軸18cの方向に沿って調整されると、例えば眼球8の像が撮像素子16の撮像面16aにフォーカスされることになる。
(撮像素子)
撮像素子16は、被検眼となる眼球(前眼部、眼底部等)8を撮像するものであり、例えば赤外線に対して感度を有するCCD(Charge Coupled Device)撮像素子やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子等を用いて構成されている。そして、撮像素子16は、制御部30に接続されており、眼球8の撮像結果を制御部30に送信するように構成されている。
また、撮像素子16は、光軸18c上で眼球8に正対する向きに配置されている。そして、撮像素子16の撮像面16aは、その法線方向が第3レンズ22の光軸18cと一致するように配置されているとともに、この撮像面16aの中心に光軸18cが位置合わせされている。
(赤外光源)
赤外光源17は、被検者の眼球位置に向けて赤外線を照射するものであり、例えば赤外光を照射する一対の赤外線発光ダイオード17a,17bを用いて構成されている。一対の赤外線発光ダイオード17a,17bは、被検者の視野を妨げないように、被検者の眼球位置に対して斜め上方と斜め下方に分けて配置されている。そして、一方の赤外線発光ダイオード17aは、被検者の眼球8に対して斜め上方から赤外線を照射し、他方の赤外線発光ダイオード17bは、被検者の眼球8に対して斜め下方から赤外線を照射する構成になっている。このように、赤外光源17が赤外光を眼球8に向けて照射することにより、被検者の網膜10に感知されることなく、撮像素子16が被検者の眼球8を撮像することができる。
(制御部が実現する各種機能)
上述した表示素子12、撮像素子16および赤外光源17は、いずれも、その動作が制御部30によって制御される。つまり、制御部30は、表示素子12、撮像素子16および赤外光源17のぞれぞれと有線または無線により通信可能に接続されている(図中における記号A,B等参照)。そして、制御部30は、所定のプログラムを実行することにより、表示素子12、撮像素子16、赤外光源17等の各部の動作を制御する機能を実現するように構成されている。
また、制御部30は、表示素子12、撮像素子16および赤外光源17に対する動作制御機能の他に、以下に述べる機能を実現するように構成されている。
本実施形態における視覚検査装置1は、後述する自覚式視野検査を行い得るように構成されている。そして、自覚式視野検査を行う場合に、制御部30は、感度マッピング手段として機能するように構成されている。
視覚検査装置1は、装置本体5とは別に、被検者の近傍に配置可能な応答スイッチ31を備えている。応答スイッチ31は、被検者が指標を視認したときにスイッチング操作をするためのもので、制御部30と有線または無線により通信可能に接続されている(図中における記号C等参照)。この応答スイッチ31を被検者が押下操作すると、その瞬間に応答スイッチ31からオン信号が出力されて制御部30に取り込まれる。応答スイッチ31は、被検者が手に持って操作する手動式とする。ただし、これに限らず、足踏み式のスイッチでもよい。
制御部30が実現する感度マッピング手段としての機能は、応答スイッチ31から出力されたオン信号に基づいて、指標を視認できるようになったときの表示素子12における輝度を網膜10の感度としてマッピングするように構成されている。
また、本実施形態における視覚検査装置1は、後述する他覚式視野検査を行い得るようにも構成されている。そして、他覚式視野検査を行う場合に、制御部30は、視標呈示手段、縮瞳検出手段および感度マッピング手段として機能するように構成されている。
視標呈示手段は、表示素子12により視標を呈示させるための機能である。
縮瞳検出手段は、撮像素子16が取得した眼球8の画像に基づいて、表示素子12が呈示する視標が所定の明るさ(輝度)以上となったときの瞳孔9の縮瞳を検出するための機能である。
感度マッピング手段は、自覚式視野検査だけでなく他覚式視野検査においても用いられる機能であり、縮瞳検出手段が瞳孔9の縮瞳を検出したときに表示素子12が呈示していた視標の明るさ(輝度)を網膜10の感度としてマッピングするための機能である。
これらの各機能を実現するための所定のプログラムは、制御部30にインストールして用いられるが、そのインストールに先立ち、制御部30で読み取り可能な記憶媒体に格納して提供されるものであってもよいし、あるいは制御部30と接続する通信回線を通じて当該制御部30へ提供されるものであってもよい。
また、所定のプログラムがインストールされる制御部30は、視覚検査装置1の各部に対して動作制御指示を与え得るものであれば、必ずしも装着具6の後頭部側に装着されたものである必要はなく、例えば装置本体5の筐体7内に収容されたものであってもよいし、あるいは視覚検査装置1とは離れた位置に配されて当該視覚検査装置1と通信回線を介して通信可能に接続されたものであってもよい。
<2.表示光学系の特性>
次に、本実施形態における視覚検査装置1の特徴点である表示光学系11の特性について、詳しく説明する。
(眼球の屈折作用)
ここで、先ず、眼球における光の屈折作用について簡単に説明する。
図3は、眼球の正常な屈折と調整作用の概要を示す説明図である。
図3(a)に示すように、正常な人間の眼球8では、無限遠方の遠くの物体から来た平行光線が網膜10上に焦点を結ぶようになっている。このような眼球8は、「正視」と呼ばれ、「近視」「遠視」「乱視」といった「屈折異常」のない状態のものである。つまり、正視の眼球8においては、無限遠方の物体が見え易く、実用上でも多用される。以下、無限遠方からの平行光線が眼球8に入射している状態を「遠方視」の状態という。
ただし、眼球8は、正視の状態のままでは、無限遠方の物体しかはっきり見ることができない。有限距離Lにある近くの物体を見るためには、図3(b)に示すように、水晶体の形状を変えて屈折力を増加させ、近くの物体から来た非平行光線が網膜10上に焦点を結ぶようにするのである。このことは、眼球の「調整作用」と呼ばれる。以下、有限距離の物体からの非平行光線が眼球8に入射している状態を「近方視」の状態という。
(本実施形態における表示光学系の特性)
以上のような眼球8の屈折作用を踏まえつつ、続いて、本実施形態における表示光学系11の特性について説明する。
図4は、本実施形態に係る視覚検査装置における表示光学系の特性を説明するための概念図である。
なお、図中においては、眼球8の瞳孔9を射出瞳とし、この射出瞳の中心(瞳孔中心)を主光線が通過する一方、その主光線の光束が表示素子12の表示面12aに焦点を結んで結像し、その表示面12aを各主光線の光束の結像面として、被検者2が表示面12aを見る場合を想定している。また、表示光学系11を構成する第1レンズ19、ミラー20および第2レンズ群21を、一つの仮想的なレンズ11vに置き換えて表示している。そして、レンズ11vの焦点距離をf、レンズ11vに対する主光線の入射角度をθ、表示面12aにおける像高をYとしている。この場合、入射角度θは、上記図2に示す入射角度θに相当し、レンズ11vの焦点距離fは、第1レンズ19および第2レンズ群21を含むレンズ全体の焦点距離に相当する。
上述したように、本実施形態の視覚検査装置1においては、表示素子12が眼球8から有限距離Lの位置に配されて、その位置にて当該眼球8に対して視標を呈示する。
その場合に、例えば従来技術による視覚検査装置であれば、呈示した視標が有限距離Lの位置にあるものとして見えるように、視標からの光を眼球8へ導くための表示光学系を構成することが一般的である。つまり、その表示光学系は、視標が有限距離Lの位置にあるものとして、非平行光線を眼球8に入射させる。これにより、被検者2は、近方視の状態で表示素子12が呈示する視標を視認して視覚検査を行うことになる。
しかしながら、このような構成の表示光学系を介した視覚検査では、被検者2が近方視の状態で行うことになるので、実用上多用する遠方視の状態とは網膜上の像(すなわち視標の見え方)が異なってしまうおそれがあり、遠方視の状態での視野について必ずしも適切な検査が行えるとは限らない。
そこで、本実施形態の視覚検査装置1においては、実用上好適な状態での視覚検査を行うことを可能とすべく、表示光学系11を構成するレンズ11vが以下に述べる特性を有するように構成されている。すなわち、レンズ11vは、有限距離Lの位置に配された表示素子12が呈示する視標からの光を、無限遠方からの光として眼球8に導くように構成されている。さらに詳しくは、レンズ11vは、無限遠方からの光として、平行光線を眼球8に導くように構成されている。
本実施形態の視覚検査装置1は、このような特性を有するレンズ11vを介して視覚検査を行うので、被検者2が実用上多用する遠方視の状態で視標を視認することになり、遠方視の状態での視野について適切な検査が行えるようになる。しかも、遠方視の状態では毛様体(筋)が緩んでいるため、近方視の状態を継続する場合のような眼精疲労が生じてしまうのを軽減することが可能となる。つまり、遠方視の状態で視覚検査を行えば、被検者2が眼球8をリラックスさせた状態で検査を行うことができ、その結果として検査精度の向上が期待できる。以上のように、本実施形態で説明した特性を有するレンズ11vを介して視覚検査を行えば、実用上好適な状態での視覚検査を行うことが可能である。
ところで、上述した特性を有するレンズ11vは、第1レンズ19、ミラー20および第2レンズ群21を含むが、これらのうちの第1レンズ19によって上述した特性が実現されることが好ましい。つまり、眼球8に対向して配される対物レンズである第1レンズ19が、視標からの光を無限遠方からの光とするように構成されていることが好ましい。具体的には、第1レンズ19における表裏それぞれのレンズ面形状を、視標からの光を無限遠方からの光とする面形状とすることで、上述した特性を実現することが考えられる。ここでいう「無限遠方からの光」は、既に述べたように、眼球8に入射する「平行光線」と同義である。なお、このような第1レンズ19におけるレンズ面形状、すなわち眼球8に平行光線を入射させるためのレンズ面形状については、例えば公知の光線追跡の手法等を用いて決定すればよく、ここではその詳細な説明を省略する。
このように、第1レンズ19が視標からの光の平行光線化を担っていれば、それ以外の第2レンズ群21における各レンズ21a,21b,21cのいずれかに視度調整機能等を担わせるといったことが容易に実現可能となる。したがって、第1レンズ19が視標からの光の平行光線化を担っていれば、他のレンズ21a,21b,21cによる視度調整機能を利用することで、正視の眼球8のみならず、近視や遠視等といった屈折異常のある眼球8についても、遠方視の状態で視覚検査を行うことができるようになる。
しかも、レンズ11vに含まれる各レンズ19,21a,21b,21cのそれぞれに機能を分担させることで、当該レンズ11vの構成が複雑化してしまうのを抑制でき、さらには当該レンズ11vにおける光学性能の劣化等についても抑制することができる。
<3.視覚検査方法>
次に、本実施形態の視覚検査装置1を用いて行う視覚検査の手順、すなわち本実施形態における視覚検査方法について、具体的に説明する。
上記構成からなる視覚検査装置1を使用すれば、動的量的視野検査(ゴールドマン視野検査)、静的量的視野検査、眼底視野検査(マイクロペリメトリー)、網膜電図検査(ERG)その他の検査を行うことが可能である。ここでは一例として、静的量的視野検査を行う場合について説明する。
静的量的視野検査は、次のように行われる。先ず、視野内の一点に視標を呈示し、その明るさを徐々に増していく。すると、視標がある明るさになると、被検者から視標が見えるようになる。そこで、被検者が視標を見えるようになったときの明るさに対応する値を、そのときに視標を呈示している点での網膜感度とする。そして、視野内の各点について同様の測定を行うことにより、視野内の網膜感度の相違を量的に調べ、マップを作成する。このような静的量的視野検査には、自覚式検査と他覚式検査がある。本実施形態の視覚検査装置1を使用すれば、いずれの方式の検査も行うことができる。以下、説明する。
自覚式検査は、次のように行われる。先ず、ヘッドマウント型の視覚検査装置1を被検者の頭部に装着する。また、被検者の手に応答スイッチ31を持たせる。次に、制御部30の指令に基づき、表示素子12の表示面12aの一点に視野検査用の視標を表示する。このとき、最初は視標の明るさを暗くしておき、その後、徐々に視標の明るさを増していく。そうすると、最初のうちは暗くて被検者から視標が見えなくても、視標がある明るさになると被検者の網膜が光の刺激に反応し、被検者から視標が見えるようになる。このとき、被検者は、遠方視の状態で視標を見ることになる。そして、被検者から視標が見えるようになったときに、被検者に応答スイッチ31を押してもらう。被検者が応答スイッチ31を押すと、制御部30にオン信号が送られる。このオン信号を受けて、制御部30は、所定の処理を行い、そのときの視標の点の明るさに対応する値をその点の網膜の感度とする。以降は、視野内の各点について同様の測定を行うことにより、視野内の網膜感度の相違を量的に調べ、網膜の感度マップを作成する。
他覚式検査は、次のように行われる。先ず、ヘッドマウント型の視覚検査装置1を被検者の頭部に装着する。この場合は、被検者に応答スイッチ31を持たせる必要はない。次に、制御部30の指令に基づき、表示素子12の表示面12aの一点に視野検査用の視標を表示する。このとき、最初は視標の明るさを暗くしておき、その後、徐々に視標の明るさを増していく。そうすると、最初のうちは暗くて被検者から視標が見えなくても、視標がある明るさになると被検者の網膜が光の刺激に反応し、被検者から視標が見えるようになる。このときも、被検者は、遠方視の状態で視標を見ることになる。
その際、被検者の瞳孔9の大きさ(瞳孔径)が視標の明るさに応じて変化する。具体的には、被検者の瞳孔9の径が縮小する。このときの眼球8の状態変化を撮像する。眼球8の撮像は、赤外光源17から眼球8に向けて赤外線を照射し、これによって得られる眼球8の像光を、観察光学系15(19,20,22)を介して撮像素子16の撮像面16aに結像させることにより行う。眼球8の撮像を開始するタイミングは、例えば、表示面12aに視標を表示する前のタイミング、あるいは、視標の表示と同時に設定すればよい。ちなみに、人間の網膜は、赤外線に対して感度を持たないため、眼球8の状態変化に影響を与えることはない。
撮像素子16を用いて撮像された眼球8の画像データは、制御部30に取り込まれる。制御部30は、視標の明るさを徐々に増やす過程で、被検者の瞳孔径が視標の明るさに反応して変化(縮小)したかどうかを、撮像素子16から送り込まれる画像データに基づいて判断する。そして、被検者の瞳孔径が変化したと判断すると、そのときの視標の点の明るさに対応する値をその点の網膜上の感度とする。以降は、視野内の各点について同様の測定を自動的に次々と行うことにより、視野内の網膜上の感度の相違を量的に調べ、網膜上の感度マップを自動的に作成する。
また他覚式検査は、表示素子12の表示面12aの一点に明るい視標を表示し、瞳孔径の縮小の度合いを観察することにより感度マップを作成する単一閾上刺激法を用いてもよい。
<4.本実施形態の効果>
本実施形態で説明した視覚検査装置および視覚検査方法によれば、以下のような効果が得られる。
本実施形態においては、眼球8から有限距離Lの位置に配された表示素子12が呈示する視標からの光を無限遠方からの光として当該眼球8に導くように、眼球8と表示素子12との間に位置する表示光学系11が構成されている。そのため、表示素子12が眼球8から有限距離Lの位置に配されている場合であっても、被検者は、遠方視の状態で視標を視認することになる。つまり、本実施形態によれば、被検者が遠方視の状態での視覚検査を行うことになるので、実用上多用する遠方視の状態での視野について適切な検査を行うことが可能となる。しかも、遠方視の状態で視覚検査を行えば、近方視の状態を継続する場合のような眼精疲労が生じてしまうのを軽減できるので、これによる検査精度の向上も期待できる。したがって、本実施形態によれば、被検者にとって実用上好適な状態での視覚検査を行うことが可能である。
また、本実施形態においては、表示光学系11を構成する第1レンズ19が、視標からの光を無限遠方からの光とするように構成されている。このように、第1レンズ19が視標からの光の平行光線化を担うことで、表示光学系11を構成する他のレンズ21a,21b,21cのいずれかが実現する視度調整機能を利用することで、正視の眼球8のみならず、近視や遠視等といった屈折異常のある眼球8についても、遠方視の状態で視覚検査を行うことができるようになる。つまり、様々な被検者に対して遠方視の状態で視覚検査を行うことができ、視覚検査装置1としての汎用性を確保しつつ、被検者にとっての利便性を向上させることができる。しかも、表示光学系11を構成する各レンズ19,21a,21b,21cのそれぞれに機能を分担させることで、当該表示光学系11の構成が複雑化してしまうのを抑制でき、さらには当該表示光学系11における光学性能の劣化等についても抑制することができる。
また、本実施形態においては、視覚検査装置1がヘッドマウント型のものとして構成されている。つまり、被検者は、視覚検査装置1を頭部に装着した状態で視覚検査を行うことになる。そのため、例えばドーム型のスクリーンを備えた視覚検査装置のような据置型のものを用いて視覚検査を行う場合に比べると、検査場所についての自由度を十分に確保することができる。しかも、視覚検査装置1がヘッドマウント型のものであると、視標を呈示する表示素子12を必然的に眼球8から有限距離の位置に配置せざるを得ないが、その場合であっても被検者が遠方視の状態での視覚検査を行うことが可能である。つまり、本実施形態によれば、検査場所についての自由度を十分に確保しつつ、被検者が実用上多用する遠方視の状態での視野について適切な検査を行えるので、被検者にとっても、また視覚検査を被検者に行わせる検査者(眼科医等)にとっても、非常に利便性に優れたものとなる。
<5.変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
例えば、上述した実施形態においては、表示光学系11が第1レンズ19、ミラー20および第2レンズ群21を備えて構成された場合を例に挙げたが、本発明がこれに限定されることはない。すなわち、表示光学系11を構成するレンズの個数は、必要に応じて変更可能である。また、表示光学系11における光軸18aは、屈曲していないものであってもよい。具体的には、上述した実施形態では、表示光学系11を構成する第1レンズ19、ミラー20および第2レンズ群21を一つの仮想的なレンズ11vに置き換えて説明を行ったが、例えば当該レンズ11vが単一のレンズによって構成されている場合であっても、本発明を適用することは可能である。
このことは、観察光学系15についても同様である。すなわち、観察光学系15を構成するレンズの個数についても、必要に応じて変更可能である。
ただし、表示光学系11を構成する第2レンズ群21については、正のパワーを有するレンズと負のパワーを有するレンズを組み合わせて色収差や像倍率を補正するため、複数個のレンズで構成することが好ましい。表示光学系11を構成するミラー20については、観察光学系15の光軸18を屈曲させるものであってもよく、そのためにコールドミラーではなくホットミラーを用いて構成されたものであってもよい。さらには、ミラー20をダイクロイックミラーで構成してもよい。
また、例えば、上述した実施形態においては、視覚検査装置1の装着具6をベルト13,14により構成したが、被検者2の頭部3に装置本体5を装着可能な構成であれば、どのような構成の装着具6を採用してもかまわない。ただし、視覚検査中に装置本体5の位置が動いてしまうと、正しい検査結果が得られなくなる。このため、装着具6は、被検者2の頭部3に装置本体5を位置ズレ等が生じることなく固定できる構成であることが好ましい。
また、例えば、上述した実施形態においては、本発明をヘッドマウント型の視覚検査装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、ヘッドマウント型以外の視覚検査装置に適用してもよい。
1…視覚検査装置
2…被検者
8…眼球
11…表示光学系
12…表示素子
19…第1レンズ

Claims (5)

  1. 視覚検査の被検者の眼球から有限距離の位置に配されて当該眼球に対して視標を呈示する表示素子と、
    前記表示素子が呈示する視標からの光を前記眼球へ導くとともに、当該光を無限遠方からの光として導くように構成された表示光学系と、
    を備えることを特徴とする視覚検査装置。
  2. 前記表示光学系は、前記眼球に対向して配される対物レンズを有しており、前記対物レンズが前記視標からの光を前記無限遠方からの光とするように構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の視覚検査装置。
  3. 前記表示光学系は、前記無限遠方からの光として平行光線を前記眼球に導くように構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の視覚検査装置。
  4. 前記被検者の頭部に装着されるヘッドマウント型のものとして構成されている
    ことを特徴とする請求項1,2または3記載の視覚検査装置。
  5. 視覚検査の被検者の眼球から有限距離の位置に配された表示素子を用いて当該眼球に対して視標を呈示する視標呈示ステップと、
    前記眼球と前記表示素子との間に位置する表示光学系を介して前記表示素子が呈示する視標からの光を無限遠方からの光として前記眼球へ導く導光ステップと、
    を備えることを特徴とする視覚検査方法。
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