JP2016087071A - 紫外線照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストでありながら、紫外線照射効率が高い紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】採取された血液に紫外線を照射する紫外線照射装置10は、血液が引き込まれる照射用管体22と、照射用管体22の周囲を覆うハウジング26と、ハウジング26の内壁面に取り付けられ、照射用管体22に対して紫外線を照射する紫外線LEDと、を備えている。照射用管体22は、ハウジング26において湾曲および/または屈曲している。
【選択図】図1
【解決手段】採取された血液に紫外線を照射する紫外線照射装置10は、血液が引き込まれる照射用管体22と、照射用管体22の周囲を覆うハウジング26と、ハウジング26の内壁面に取り付けられ、照射用管体22に対して紫外線を照射する紫外線LEDと、を備えている。照射用管体22は、ハウジング26において湾曲および/または屈曲している。
【選択図】図1
Description
本発明は、採取された血液に紫外線を照射する紫外線照射装置に関する。
従来から、採取された血液に、紫外線を照射した後、その血液を体内に戻す医療が知られている。紫外線を照射することにより、血液中に活性酸素が発生し、これに伴い免疫が向上したり、紫外線の直接的効果により、血液中のウイルスやバクテリアが死滅したりする。
特許文献1には、体内に戻す血液に紫外線を照射するのに適した血液照射システム装置が開示されている。特許文献1の装置は、紫外線透過性を有した石英カバーを片面に備えた曝露室と、当該曝露室内の血液に紫外線を照射する紫外線ランプと、を備えている。
また、特許文献2には、血液が流れるチューブと、当該チューブを覆う遮蔽囲いと、を備え、チューブ内の血液に対して放射線や紫外線を照射する装置が開示されている。
また、欧米で広く流通している血液バイオフォトセラピーでは、現在、石英ガラス管と、当該石英ガラス管内の血液に紫外線を照射する紫外線ランプと、を備えた装置が多用されている。
しかしながら、従来の紫外線照射装置では、血液を流す容器は、円柱状容器、あるいは、直線状の管体であった。この場合、容器内の血液に乱流が生じにくく、容器の外側寄りの位置で流れる血液と、容器の内側寄りの位置で流れる血液とで、紫外線の照射量に大きな差が生じていた。こういった問題を避けるために、円柱状容器内に突起等を設けたり、直線状の管体の内部に螺線状部材を挿入したりして、容器内に乱流を生じさせやすくすることも提案されている。しかし、乱流発生のために、専用の部材を設けることは、コスト増加や製造工程の煩雑化を招く。特に、血液を流す容器は、使用の度に廃棄される使い捨てであるため、当該血液を流す容器のコスト増加は大きな問題となる。
また、従来は、血液を流す容器の材料として、紫外線透過率の高い石英ガラスを採用していた。しかし、石英ガラスは、高価であるばかりでなく、加工性に乏しかった。そのため、石英ガラスで管体を構成しようとした場合、どうしても、直線形状の管体になることが多かった。血液を流す管体が直線形状の場合、既述した通り、乱流が生じにくく、紫外線照射効率が悪かった。
そこで、本発明は、低コストでありながら、紫外線照射効率が高い紫外線照射装置を提供することを目的とする。
本発明の紫外線照射装置は、採取された血液に紫外線を照射する紫外線照射装置であって、前記血液が引き込まれる管体と、前記管体の周囲を覆うハウジングと、前記ハウジングの内壁面に取り付けられ、前記管体に対して紫外線を照射する紫外線光源と、を備え、前記管体は、前記ハウジング内で湾曲および/または屈曲している、ことを特徴とする。
好適な態様では、前記管体は、紫外線透過性を備えたフッ素系樹脂からなる。他の好適な態様では、前記管体は、前記ハウジング内で蛇行している、または、螺旋形になっている。
他の好適な態様では、さらに、前記血液の吸引吐出を行うポンプ機構を備え、前記ポンプ機構は、前記管体の一端に接続可能な筒体および当該筒体内で進退するピストンと、を有するシリンジポンプと、駆動源、および、前記駆動源からの力を直進運動として前記ピストンに伝達する伝達機構と、を有し、前記ピストンを進退させる進退機構と、を備える。他の好適な態様では、前記紫外線光源は、紫外線LEDである。
本発明によれば、血液が引き込まれる管体が、湾曲および/または屈曲しているため、管体内で乱流が生じやすく、流れる血液全体に紫外線が照射される。つまり、本発明によれば、乱流発生のために専用の部材を設けなくても乱流を生じさせることができるため、低コストでありながら、紫外線照射効率を向上することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一実施形態である紫外線照射装置10の構成を示す図である。また、図2は、図1のA−A断面図である。この紫外線照射装置10は、採取した血液に紫外線を照射し、その紫外線照射後の血液を体内に戻す血液バイオフォトセラピーに用いる装置である。
この紫外線照射装置10は、使用の度に廃棄交換される血液ラインユニット12と、繰り返し使用される照射ユニット14と、本体部16と、に大別される。血液ラインユニット12は、採血針18、中継チューブ20、照射用管体22、および、シリンジ(注射筒)24を備えており、これらは、直列に接続されている。採血針18は、被検体の血管に刺入される針である。この採血針18は、市場に流通している一般的な採血針18を用いることができる。中継チューブ20は、採血針18と照射用管体22とを連結するチューブで、可撓性を有した樹脂からなる管体である。
照射用管体22は、後述するハウジング26内に収容され、紫外線が照射される管体である。本実施形態の照射用管体22は、ブロー成型等により溝を形成した二枚の樹脂板を、当該溝が互いに対向するように接合することで構成される中空薄板状部材である。樹脂板に形成された溝が、血液が流れる流路となる。この照射用管体22の流路の一端は、中継チューブ20に、他端は、シリンジ24に連結されている。また、照射用管体22の流路は、図1に示すように、交互に折り返す蛇行形状となっている。照射用管体22の流路を蛇行させているのは、照射用管体22のサイズ低減や、乱流発生促進のためであるが、これについては、後に詳説する。
照射用管体22は、紫外線透過性を有したフッ素系樹脂、例えば、四フッ化エチレン―六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)や、四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)等からなる。これらFEPやPFAは、石英ガラスとほぼ同じ程度の紫外線透過性を有していることが知られている。このように照射用管体22の材料としてフッ素系樹脂を用いるのは、石英ガラスと同等の紫外線透過性を有しつつも、石英ガラスよりも優れた加工性を備え、さらに、石英ガラスより安価であるためであるが、これについても後に詳説する。
シリンジ24は、筒体とピストンからなる公知の形態であり、当該ピストンを進退させることで血液を体内から引き出しまたは体内に戻すことができる。血液バイオフォトセラピーの際、医師は、このシリンジ24を手動で動かして、血液を引き出したり、戻したりする。
照射ユニット14は、照射用管体22の周囲を覆うハウジング26と、当該ハウジング26の内壁面に取り付けられた紫外線LED28と、を備えている。ハウジング26は、開閉自在の箱状部材で、その内部には、照射用管体22が配置される。このハウジング26には、紫外線の照射と連動して作動するロック機構(図示せず)が設けられており、紫外線照射中は、ハウジング26が開かないようになっている。
ハウジング26の内壁面には、複数の紫外線LED28が設けられている。紫外線LED28は、少なくともC波(波長200−280nm)を照射可能なLEDである。もちろん、C波に限らず、A波(波長315−380nm)やB波(波長280−315nm)等、複数波長の紫外線を照射できるようにしてもよい。
紫外線LED28は、照射用管体22の流路全体に紫外線を照射できるように、均等に分散して配置されている。なお、図2に示す例では、ハウジング26の上面にのみ紫外線LED28を配置しているが、当然ながら、紫外線LED28は、ハウジング26の下面にも配置されてもよい。ここで、紫外線LED28は、紫外線ランプに比べて小型であることから、複数設置したとしても、紫外線ランプを使用した場合に比べて、照射ユニット14を小型化することができる。
ハウジング26の内壁面は、照射された紫外線を反射させるように、鏡面加工されていることが望ましい。また、紫外線をより均等に分散させるために、ハウジング26の内壁面に凹凸や曲面を設けることも望ましい。
本体部16には、紫外線LED28の駆動を制御するドライバや、ユーザからの操作指示を受け付ける操作パネル、動作状況をユーザに提示する液晶画面や表示ランプが設けられている(いずれも図示せず)。ユーザは、操作パネルを操作して、紫外線LED28の点灯態様(連続点灯または間欠点灯)や、点灯時間等を指示する。本体部16に搭載されたCPUは、この指示に従い、ドライバを駆動する。また、動作状況(照射中か否かや残り照射時間等)が、液晶画面や表示ランプを通じてユーザに提示される。
以上のような紫外線照射装置10を用いて血液バイオフォトセラピーを実施する際には、まず、採血針18、中継チューブ20、照射用管体22、シリンジ24を直列に繋ぎ、照射用管体22をハウジング26内に配置する。続いて、本体部16を操作して、ハウジング26内の紫外線LED28の点灯を開始させ、照射用管体22への紫外線照射を開始する。その状態になれば、続いて、採血針18を被検体の血管に刺入する。その後は、シリンジ24を手動操作し、一定速度で血液を吸引する。吸引された血液は、中継チューブ20、照射用管体22を経て、シリンジ24内へと流れ込む。この照射用管体22を流れる過程で、血液に紫外線が照射されることになる。規定量の血液を吸引できれば、シリンジ24を手動操作し、吸引した血液を体内に戻す。この血液を戻す過程でも、血液は、照射用管体22を通過することになり、その通過の際に、血液に紫外線が照射される。結果として、紫外線照射後の血液が体内に戻されることになる。
血液を吸引および体内へ戻すときにかける時間、ひいては、紫外線の照射時間は、医療内容や被検体の状態によって異なる。UVBと呼ばれる紫外線バイオフォトセラピーの場合、50ccの血液を10分かけて吸引した後、10分かけて体内に戻す。この場合、50ccの血液には、100〜120秒間紫外線が照射されることになる。
紫外線を照射することにより、血中の酸素分子が励起状態(一重項酸素という活性酸素)になる。この一重項酸素は、血液中に発生することで、さまざまな消去系を動かす。その結果、一重項酸素は、すぐに(体内に戻す前に)無毒化されるものの、血液の抗酸化力が増強され、免疫系が活性化される。また、一重項酸素の発生に伴い、血中に過酸化水素が発生し、これにより、細菌、ウィルス等が破壊される。また、紫外線の直接的作用によって殺菌、生物学的毒素が分解されるという効果も得られる。
ところで、既述した通り、本実施形態では、紫外線が照射される照射用管体22の材質をフッ素系樹脂とし、照射用管体22の管路を蛇行形状としている。かかる構成としているのは次の理由による。
従来、血液バイオフォトセラピーでは、採取した血液を引き込む管体として石英ガラス管を用いることが多かった。しかし、石英ガラスは、紫外線透過率が高い一方で、加工性に乏しいため、石英ガラス管は、通常、直線形状に限られていた。ここで、直線形状の管体は、乱流が生じにくいという問題があった。これについて、図3を参照して説明する。図3(a)は、蛇行形状の管体内の血液の流れを示すイメージ図であり、図3(b)は、直線形状の管体内の血液の流れを示すイメージ図である。
図3(b)に示すように、直線形状の管体の場合、血液は、ほぼ真っ直ぐに流れ続け、乱流は、殆ど生じない。そのため、管体の径方向中心に流れる血液Biは、その後も径方向中心近くに、管体の径方向外側に流れる血液Boは、その後も、径方向外側に流れ続ける。ここで、血液は、紫外線透過率が低いため、管体の径方向中心に近づくにつれ紫外線Lの照射量が低下する。乱流が殆ど生じない直線形状の管体の場合、径方向外側に流れる血液Boにばかり紫外線Lが当たり、径方向中心に流れる血液Biには紫外線Lが殆ど当たらないことになる。結果として、径方向外側に流れる血液Boにしか紫外線照射できないことになり、紫外線Lの照射効率が低いという問題があった。
一方、蛇行形状の管体の場合、図3(a)に示すように、流路が湾曲しているため、乱流が生じやすく、血液の流れ方向が大きく変動する。そのため、管体の径方向中心に流れていた血液も、適宜、径方向外側に移動し、紫外線Lが照射される。結果として、管体に流れる血液全体に均等に紫外線Lが照射されるため、紫外線Lの照射効率が高くなる。
また、蛇行形状の管体は、直線形状の管体と比べると、流路長(実際に液体が流れる距離)が同じであっても、全長(管体の入口から出口までの直線距離)を小さく抑えることができる。そして、全長が小さければ、ハウジング26も小さく抑えることができ、紫外線照射装置10の小型化が可能となる。
このように、管体を蛇行形状とした場合、直線形状の管体に比べて、紫外線の照射効率が高くなり、また、サイズダウンできるという利点がある。しかし、石英ガラスは、加工性に乏しいため、蛇行形状への加工は非常に困難であった。一方、本実施形態では、既述した通り、管体の材料としてフッ素系樹脂を採用している。そのため、射出成型やブロー成型等、公知の技術を用いて、種々の形状の管体を容易に製造できる。また、血液が流れ込む管体は、使用のたびに廃棄・交換しなければならないが、石英ガラスは、比較的高価であるため、使い捨てには不向きであった。一方、本実施形態で用いるフッ素系樹脂は、石英ガラスに比して価格が低いため、使い捨てにしたとしても、紫外線照射装置10のランニングコストを大幅に低下できる。なお、フッ素系樹脂は、厚みが増すと紫外線透過率が極端に落ちることがあるが、成形後または成形中に延伸をかけると結晶配列が反ることによって透過率が向上する。そのため、フッ素系樹脂からなる管体は、成形後、または成形中に、熱をかけて延伸されることが望ましい。
以上の通り、本実施形態では、フッ素系樹脂からなる蛇行形状の管体を用いているため、石英ガラスからなる直線形状の管体を用いた従来技術に比べて、小型化でき、紫外線の照射効率を向上できる。また、管体の価格を大幅に低減できるため、ランニングコストを低く抑えることができる。また、本実施形態では、紫外線の光源として紫外線LEDを用いているため、紫外線ランプを用いていた従来技術に比べて、より小型化できる。
次に、第二実施形態について図4、図5を参照して説明する。図4は、第二実施形態である紫外線照射装置10の概略構成図である。また、図5は、図4のB−B断面図である。この紫外線照射装置10は、照射用管体22が、螺旋形状である点で第一実施形態と相違する。このように照射用管体22を螺旋形状にした場合でも、管体内での乱流が生じやすくなるため、紫外線照射効率を高めることができる。フッ素系樹脂であれば、螺旋形状の管体も容易に製造することができる。
照射用管体22を螺旋形状とする場合、ハウジング26は、図4に示すように、螺旋形状と同心の円筒状にすることが望ましい。そして、紫外線LED28は、ハウジング26の内周面に、周方向および軸方向に複数配置されることが望ましい。また、このハウジング26の内径を、シリンジ24の外径とほぼ同じにし、シリンジ24の先端をハウジング26内に挿入できるようにしてもよい。この場合、シリンジ24は、ハウジング26で保持されることになるため、血液の引き出し、引き戻し作業をより安定して行うことができる。
次に、第三実施形態について図6を参照して説明する。図6は、第三実施形態の紫外線照射装置10の概略構成を示す図である。この紫外線照射装置10は、血液の吸引吐出を行うポンプ機構を備える点で第一、第二実形態と相違する。ポンプ機構は、照射用管体22に連結されたシリンジポンプ30と、当該シリンジポンプ30のピストン30aを進退させる進退機構32と、を備えている。シリンジポンプ30は、通常のシリンジ24と同じく、筒体30bと、当該筒体30b内を進退するピストン30aと、から構成される。進退機構32は、本体部16から送られる制御信号に基づいてピストン30aを進退できるのであれば、その構成は特に限定されない。
図6では、モータ34等の駆動源と、駆動源からの力を直進運動に変換してピストン30aに伝達する伝達機構と、を備えた進退機構を図示している。伝達機構は、モータ34の出力軸に連結されたリードスクリュー36や、当該リードスクリュー36に螺合された移動ブロック38、移動ブロック38の直進移動をガイドするガイド軸(図示せず)等から構成される。モータ34の回転に伴いリードスクリュー36が回転すると、移動ブロック38は、ガイド軸に沿って直進移動することになる。この移動ブロック38には、ピストン30aが固着されており、移動ブロック38の直進に伴い、ピストン30aも直進できるようになっている。
ただし、ここで説明した進退機構は、一例であり、ピストン30aを進退できるのであれば、他の構成、例えば、ソレノイドアクチュエータや油圧シリンダ等を利用した構成であってもよい。また、ここではシリンジポンプ30を用いたポンプ機構を例示したが、ユーザから指示された速度で血液を引き出しおよび引き戻しできるのであれば、他のポンプ機構、例えば、蠕動ポンプを用いたポンプ機構等を用いてもよい。
いずれにしても、血液の引き出し、引き戻しを電動ポンプによって自動化することで、血液の引き出しおよび引き戻しを所望の速度で安定して確実に行える。なお、この場合には、中継チューブ20の途中に気泡センサ等、血液の状態を監視するためのセンサを設け、血液に異常(例えば気泡)が合った場合には、即座に血液液の引き出し・引き戻しを中断できるようにすることが望ましい。
また、これまでの説明では、血液バイオフォトセラピー用の紫外線照射装置10のみを例示したが、本実施形態の紫外線照射装置10は、採取した血液を再度体内に戻すための装置であれば、他の装置に組み込まれてもよい。
例えば、紫外線照射装置10は、血液透析などの血液浄化療法のための体外循環回路に組み込まれてもよい。図7は、紫外線照射装置10を組み込んだ血液透析回路40の一例を示す図である。図7では、ダイアライザ42の上流側(動脈側)に紫外線照射装置10の一部である照射用管体22およびハウジング26を設けている。回路40の途中に設けられた蠕動ポンプ44により、動脈配管41を経てダイアライザ42へと輸送される。ダイアライザ42を通過した血液は、静脈配管43を介して体内へと戻される。かる構成とすることで、血液透析のために採取された血液が、ダイアライザ42に向かって流れる過程で、当該血液に紫外線が照射される。その結果、血中に活性酸素が発生し、免疫が向上したり、ウィルス等を死滅させたりできる。
なお、血液透析治療は、通常、数時間連続して行われるが、紫外線照射は、この治療中ずっと行う必要はなく、最初の数分だけ照射したり、数十分おきに数回だけ照射したりしてもよい。また、紫外線照射は、ダイアライザの上流側(動脈側)ではなく、下流側(静脈側)に設けてもよいし、上流側および下流側の両方に設けてもよい。
また、ここでは、血液透析回路40に紫外線照射装置10を組み込んだ例を示したが、紫外線照射装置10は、他の体外循環回路、例えば、血漿交換療法や血球吸着療法のための体外循環回路に組み込んでもよい。
また、体外循環回路に限らず、採取した血液を体内に戻すのであれば、他の医療、例えば、献血や輸血用回路に紫外線照射装置10を組み込んでもよい。図8は、献血回路46に紫外線照射装置10を組み込んだ例を示す図である。この例では、採血針48と採血バック50の間に、照射用管体22およびハウジング26を組み込み、当該照射用管体22に流れる血液に紫外線を照射している。紫外線は、献血が終了するまで、照射し続けることが望ましい。かかる構成とすることで、献血された血液に、細菌やウィルス等の病原体が含まれていても、死滅させることができ、献血、輸血の安全性をより向上できる。
いずれにしても、採取した後再び体内に戻す血液に紫外線を照射する際に、湾曲および/または屈曲した管体に引き込むことで、乱流を発生させ、紫外線の照射効率を向上することができる。なお、いずれの実施形態であっても、照射される光は、紫外線領域(波長10−400nm)であれば、特に限定されない。また、紫外線の光源は、紫外線を出力できるのであれば、紫外線LED28に限らず、紫外線ランプ等でもよい。ただし、光源の点灯および消灯を繰り返し行う間欠照射を行う場合には、応答性に優れた紫外線LED28を用いることが望ましい。短時間で点灯および消灯を繰り返す間欠照射の場合、常時点灯し続ける連続照射と比べて、同じ殺菌効果を得るための時間が2〜3倍程度長くなるが、消費電力が1/5程度に抑えることができる。つまり、間欠照射した場合、連続照射に比べて、同じ消費電力で得られる殺菌効果が高くなる。
また、照射用管体22は、管体の少なくとも一部が湾曲および/または屈曲しているのであれば、蛇行形状または螺旋形状以外の形状であってもよい。さらに、照射用管体22は、紫外線透過性に優れた材料であれば、フッ素系樹脂に限らず、他の材料から構成されてもよい。
10 紫外線照射装置、12 血液ラインユニット、14 照射ユニット、16 本体部、18,48 採血針、20 中継チューブ、22 照射用管体、24 シリンジ、26 ハウジング、28 紫外線LED、30 シリンジポンプ、32 進退機構、34 モータ、36 リードスクリュー、38 移動ブロック、40 血液透析回路、41 動脈配管、42 ダイアライザ、43 静脈配管、44 蠕動ポンプ、46 献血回路、50 採血バック。
Claims (5)
- 採取された血液に紫外線を照射する紫外線照射装置であって、
前記血液が引き込まれる管体と、
前記管体の周囲を覆うハウジングと、
前記ハウジングの内壁面に取り付けられ、前記管体に対して紫外線を照射する紫外線光源と、
を備え、
前記管体は、前記ハウジング内で湾曲および/または屈曲している、
ことを特徴とする紫外線照射装置。 - 請求項1に記載の紫外線照射装置であって、
前記管体は、紫外線透過性を備えたフッ素系樹脂からなる、ことを特徴とする紫外線照射装置。 - 請求項1または2に記載の紫外線照射装置であって、
前記管体は、前記ハウジング内で蛇行している、または、螺旋形になっている、ことを特徴とする紫外線照射装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の紫外線照射装置であって、さらに、
前記血液の吸引吐出を行うポンプ機構を備え、
前記ポンプ機構は、
前記管体の一端に接続可能な筒体および当該筒体内で進退するピストンと、を有するシリンジポンプと、
駆動源、および、前記駆動源からの力を直進運動として前記ピストンに伝達する伝達機構と、を有し、前記ピストンを進退させる進退機構と、
を備えることを特徴とする紫外線照射装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の紫外線照射装置であって、
前記紫外線光源は、紫外線LEDである、ことを特徴とする紫外線照射装置。
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