JP2016082244A - ダイアフラム、ホーンスピーカ、およびコンプレッションドライバ - Google Patents

ダイアフラム、ホーンスピーカ、およびコンプレッションドライバ Download PDF

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Abstract

【課題】ドーム状のダイアフラムの振動により音を放射するスピーカから放音される音の周波数特性に悪影響を生じさせず、かつダイアフラムの成形の容易さを維持しつつ、ダイアフラムにおける同心円状の分割振動を制御する。【解決手段】本実施形態のダイアフラム10であれば、頂点付近の加振方向の曲げ剛性は他の部分よりも高く、頂点を中心とする同心円状の分割振動の発生を抑止できる。また、仮にダイアフラム10に同心円状の分割振動が発生するとしても、共振周波数は高周波数帯域にシフトする。上記共振周波数を可聴帯域の上限よりも上の帯域にシフトさせることができれば、結果として、ホーンスピーカ1から放音される音の聴感に悪影響が生じることはない。また、ダイアフラム10は中心軸対称な形状に成形されているため、特許文献1に開示のダイアフラムのように周波数特性に悪影響を及ぼすこともない。【選択図】 図1

Description

本発明は、スピーカに用いられるダイアフラムに関する。
図7は、従来のホーンスピーカ8の縦断面図である。図7において、ホーン84のスロート部94は、バックプレート80の一端面に固定されている。このバックプレート80において、ホーン84と反対側の端面にはポールピース85の一底面が固定されている。そして、バックプレート80とポールピース85の中心には両者を貫いてホーン84のスロート部94に至る導音孔83が穿設されている。ポールピース85においてバックプレート80と反対側の底面は導音孔83に向かってすり鉢状に凹んでおり、このすり鉢状の面には複数のスリットを有するフェイズプラグ86が嵌め込まれている。そして、フェイズプラグ86の背後にはダイアフラム87が支持されている。このダイアフラム87は、ドーム状に湾曲した半真球形状をしており、その外周部に筒状のボイスコイルボビン88が設けられている。
また、バックプレート80におけるホーン84と反対側の端面には、バックプレート80と同じ直径の環状マグネット82とトッププレート81があり、環状マグネット82は、バックプレート80とトッププレート81との間に挟持されている。環状マグネット82は、一方の底面(例えばバックプレート80側の底面)にN極があり、他方の底面(例えばトッププレート81側の底面)にS極がある。
トッププレート81の内周壁は、微小な間隔を空けてポールピース85の外周壁と対向している。そして、バックプレート80と、環状マグネット82と、トッププレート81と、フェイズプラグ86と、ポールピース85とからなる磁気のループは、環状マグネット82が発生した磁力線を一巡させる磁気回路を構成している。そして、ダイアフラム87は、この磁気回路において、トッププレート81の内周壁とポールピース85の外周壁との間にある磁気ギャップAGに周端のボイスコイルボビン88を収めた状態で支持されている。
このダイアフラム87を支持する構成は次の通りである。まず、トッププレート81の環状マグネット82と反対側の端面には、スペーサリング90が固定されている。このスペーサリング90の内周壁とダイアフラム87の外周部との間にはエッジ89が介在している。このエッジ89がダイアフラム87を支持する役割を果たす。
以上のような構成を有するホーンスピーカ8では、環状マグネット82の発生した磁束がトッププレート81とポールピース85の間の磁気ギャップAGを通過する。そして、ボイスコイルボビン88におけるボイスコイルに電流を流すと、ボイスコイルボビン88には、ポールピース85の中心軸axに平行な方向の駆動力が与えられ、ボイスコイルボビン88に固定されたダイアフラム87が振動する。ダイアフラム87が振動すると、この振動により、ダイアフラム87とフェイズプラグ86との間の空間OSの空気がフェイズプラグ86の各スリットを介して導音孔83に押し出されたり引き戻されたりする。そして、この押し出されたり引き戻されたりする空気の粗密波が、音波として導音孔83を経由し、ホーン84から放音される。
図8は、従来のホーンスピーカ8の要部を示す模式図である。図8は図7と同様に縦断面図であり、図8では図7と同一の構成要素には同一の符号が付されている。図9は、図8に示すホーンスピーカ8のダイアフラム87の縦断面図である。ホーンスピーカ8では、ダイアフラム87の剛性が低いと、ダイアフラム87の振動中にダイアフラム87に分割振動が発生し、この分割振動はホーンスピーカ8から放音される音の周波数特性に悪影響を及ぼす。最近では、ホーンスピーカ8の使用電力に対して放音される音のエネルギーを高くする(すなわち、高効率を得る)ことが求められるため、ダイアフラム87の半径を大きくする傾向にある。ダイアフラム87の半径を大きくすると、ダイアフラム87の頂点(ダイアフラム87とその中心軸bx8の交点)付近の加振方向(中心軸bx8方向)の曲げ剛性が低くなり、当該頂点を中心とする同心円状の分割振動が発生しやすくなる。ダイアフラム87の剛性を高めるには、ダイアフラム87を剛性の高い金属材料(例えば鉄など)で肉厚に形成することが考えられる。しかし、このような態様のダイアフラムは重く、高速で振動させることが困難になる。そこで、高速で振動させることを可能としつつ、ダイアフラムの剛性を高めるための技術が種々提案されており、その一例としては特許文献1や特許文献2に開示の技術が挙げられる。特許文献1には、ダイアフラムにS字状の稜線を設けることが開示されている。また、特許文献2には、ダイアフラムの形状を、多くの稜線を有する多角形状にすることが開示されている。
特許第4749402号公報 特許第5164989号公報
特許文献1に開示の技術のようにダイアフラムにS字状の稜線を設けると、形状が複雑なため、ダイアフラムの成形が困難になる。また、スピーカでは、ダイアフラムと、フェイズプラグのダイアフラムと対向している面とが同一の形状であること、両者が各々中心軸対称であること、および各々の中心軸が一致することが望ましい。なぜなら、ダイアフラムから発せられフェイズプラグを通る音波は全て同相となり、放音される音の周波数特性に悪影響が出ないからである。しかし、ダイアフラムにS字状の稜線を設けると、ダイアフラムの中心軸に対する対称性が崩れ、放音される音の周波数特性に悪影響が出る。
特許文献2に開示の技術に関しても、特許文献1に開示の技術と同様にダイアフラムの成形が困難になる、といった問題点がある。
本発明は以上に説明した課題に鑑みて為されたものであり、ドーム状のダイアフラムの振動により音を放射するスピーカから放音される音の周波数特性に悪影響を生じさせず、かつダイアフラムの成形の容易さを維持しつつ、ダイアフラムにおける同心円状の分割振動の制御を可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、スピーカに用いられるドーム状のダイアフラムにおいて、中心軸対称、かつ、頂点に近づくにつれて曲率半径が小さくなる形状に成形されていることを特徴とするダイアフラムを提供する。
中心軸対称、かつ、頂点に近づくにつれて曲率半径が小さくなる形状の具体例としては、中心軸方向を長軸とする半楕円形、半紡錘形、放物線、双曲線または砲弾型等の縦断面を有する形状が挙げられる。本発明によれば、頂点に近づくほど曲率半径が小さくなるため、ダイアフラムの頂点付近の加振方向の曲げ剛性は他の部分よりも高くなり、ダイアフラム全体の剛性も半真球形状のダイアフラム(図9参照)よりも高くなる。このため、頂点を中心とする同心円状の分割振動の発生を抑止することができ、また、仮に同心円状の分割振動が発生するにしても、その共振周波数を高周波数帯域にシフトさせることができる。上記共振周波数を可聴帯域の上限(例えば、20kHz)よりも上の周波数帯域にシフトさせることができれば、スピーカから放音される音の聴感に悪影響が生じることはない。また、本発明のダイアフラムは、特許文献1或いは特許文献2に開示のダイアフラムと比較して単純な形状であるため、成形が容易である。また、本発明のダイアフラムは、中心軸対称な形状であるため、放音される音の周波数特性に悪影響が生じることもない。
また上記課題を解決するために本発明は、スピーカに用いられるドーム状のダイアフラムにおいて、中心軸対称、かつ、円錐体形状に成形されていることを特徴とするダイアフラムを提供する。この態様によっても、ダイアフラムの頂点付近の加振方向の曲げ剛性は他の部分よりも高くなり、ダイアフラム全体の剛性も半真球形状のダイアフラム(図9参照)よりも高くなる。この態様のダイアフラムも、特許文献1或いは特許文献2に開示のダイアフラムに比較して成形は容易である。また、本態様のダイアフラムも中心軸対称な形状であるため、放音される音の周波数特性に悪影響が生じることもない。
また上記課題を解決するために本発明は、スピーカに用いられるドーム状のダイアフラムにおいて、中心軸対称、かつ、頂点付近が他の部分よりも肉厚な形状に成形されていることを特徴とするダイアフラムを提供する。この態様によっても、ダイアフラムの頂点付近の加振方向の曲げ剛性は他の部分よりも高くなり、ダイアフラム全体の剛性も半真球形状のダイアフラム(図9参照)よりも高くなる。この態様のダイアフラムも、特許文献1或いは特許文献2に開示のダイアフラムに比較して成形は容易である。また、本態様のダイアフラムも中心軸対称な形状であるため、放音される音の周波数特性に悪影響が生じることもない。
この発明の第1実施形態のダイアフラム10を用いたホーンスピーカ1の縦断面図である。 同ホーンスピーカ1のダイアフラム10の縦断面図である。 この発明の第2実施形態のダイアフラム20を用いたホーンスピーカ2の縦断面図である。 同ホーンスピーカ2のダイアフラム20の縦断面図である。 この発明の第3実施形態のダイアフラム30を用いたホーンスピーカ3の縦断面図である。 同ホーンスピーカ3のダイアフラム30の縦断面図である。 従来のダイアフラム87を用いたホーンスピーカ8の縦断面図である。 同ホーンスピーカ8の要部を示す模式図である。 同ダイアフラム87の縦断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態のダイアフラム10を用いたホーンスピーカ1の縦断面図である。図1では、図8におけるものと同一の構成要素には同一の符号が付されている。図1と図8を比較すれば明らかなように、ホーンスピーカ1のダイアフラム10およびフェイズプラグ16は、従来のホーンスピーカ8のダイアフラム87およびフェイズプラグ86に各々相当する。以下ではダイアフラム10とフェイズプラグ16を中心に説明する。
まず、ダイアフラム10の形状について説明する。図2は、ホーンスピーカ1のダイアフラム10の縦断面図である。ダイアフラム10は、中心軸bx1を長軸とする半楕円体形状に成形されており、中心軸bx1に対して中心軸対称である。ダイアフラム10を形成する壁面の曲率半径は頂点に近づくほど小さくなるので、ダイアフラム10の頂点付近の加振方向(中心軸bx1方向)の曲げ剛性は他の部分よりも高くなり、ダイアフラム10全体の剛性も半真球形状のダイアフラム(図9:ダイアフラム87)全体の剛性よりも高くなる。
また、ダイアフラム10は、稜線などの凹凸を表面に有さない単純な形状であるため、特許文献1に開示されたS字状の稜線を設けたダイアフラムや、特許文献2に開示された多くの稜線を設けたダイアフラムに比べて成形が容易である。
次に、フェイズプラグ16の形状について説明する。図1に示すように、フェイズプラグ16のダイアフラム10と対向している面は、ダイアフラム10と同一の形状(断面が半楕円形となる形状)に成形されている。図1に示すように、ダイアフラム10は、その中心軸bx1がフェイズプラグ16の中心軸cx1と一致するようにエッジ89によって支持されている。このため、ダイアフラム10とフェイズプラグ16との間の空間OSでは、ダイアフラム10とフェイズプラグ16との間隔はどこであっても同じになり、さらにフェイズプラグ16では、一般的なフェイズプラグと同様に複数のスリットの長さが全て略等しく、ダイアフラム10の振動により発生し、フェイズプラグ16の複数のスリットの各々を介して導音孔83へ案内される各音は全て同相となる。なお、本実施形態だけでなく、第2実施形態および第3実施形態においても同様に、フェイズプラグの複数のスリットの長さは全て略等しい。このため、フェイズプラグ16の複数のスリットの各々を介して導音孔83へ案内される各音の位相差に起因する周波数特性の乱れが生じることはない。
本実施形態のダイアフラム10であれば、頂点付近の加振方向の曲げ剛性は他の部分よりも高く、頂点を中心とする同心円状の分割振動の発生を抑止できる。また、仮にダイアフラム10に同心円状の分割振動が発生するとしても、共振周波数は高周波数帯域にシフトする。上記共振周波数を可聴帯域の上限よりも上の帯域にシフトさせることができれば、結果として、ホーンスピーカ1から放音される音の聴感に悪影響が生じることはない。また、ダイアフラム10は中心軸対称な形状に成形されているため、特許文献1に開示のダイアフラムのように周波数特性に悪影響を及ぼすこともない。
なお、本実施形態ではダイアフラム10が半楕円体形状に成形されていたが、頂点に近づくにつれて曲率半径が小さくなる形状であればよく、例えば半紡錘体形状や砲弾型形状であってもよい。また、フェイズプラグ16の形状が周波数特性に与える影響が小さいのであれば、フェイズプラグ16のダイアフラム10と対向している面がダイアフラム10と同一の形状に成形されている必要はなく、また中心軸cx1に対して対称な形状でなくてもよい。
<第2実施形態>
図3は、この発明の第2実施形態のダイアフラム20を用いたホーンスピーカ2の縦断面図である。図3では、図8におけるものと同一の構成要素には同一の符号が付されている。図3と図8を比較すれば明らかなように、ホーンスピーカ2のダイアフラム20およびフェイズプラグ26は、従来のホーンスピーカ8のダイアフラム87およびフェイズプラグ86に各々相当する。以下ではダイアフラム20とフェイズプラグ26を中心に説明する。
まず、ダイアフラム20の形状について説明する。図4は、ホーンスピーカ2のダイアフラム20の縦断面図である。図4に示すように、ダイアフラム20は、円錐体形状に成形されており、中心軸bx2に対して中心軸対称である。ダイアフラム20は頂点付近の曲率半径だけが極端に小さいので、ダイアフラム20の頂点付近の加振方向(中心軸bx2方向)の曲げ剛性は他の部分よりも高く、ダイアフラム20全体の剛性も半真球形状のダイアフラム(図9:ダイアフラム87)全体の剛性よりも高い。
本実施形態のダイアフラム20も、第1実施形態のダイアフラム10と同様に、稜線などの凹凸を表面に有さない単純な形状であるため、特許文献1に開示されたS字状の稜線を設けたダイアフラムや、特許文献2に開示された多くの稜線を設けたダイアフラムに比べて成形が容易である。
次に、フェイズプラグ26の形状について説明する。図3に示すように、フェイズプラグ26のダイアフラム20と対向している面は、ダイアフラム20と同一の形状に成形されている。図3に示すように、ダイアフラム20は、その中心軸bx2がフェイズプラグ26の中心軸cx2と一致するようにエッジ89によって支持されている。このため、ダイアフラム20とフェイズプラグ26との間の空間OSでは、ダイアフラム20とフェイズプラグ26との間隔はどこであっても同じになり、ダイアフラム20の振動により発生しフェイズプラグ26の複数のスリットの各々を介して導音孔83へ案内される各音は全て同相となる。したがって、本実施形態によっても、上記各音の位相差に起因する周波数特性の乱れが生じることはない。
本実施形態のダイアフラム20においても、頂点付近の加振方向の曲げ剛性は他の部分よりも高く、頂点を中心とする同心円状の分割振動の発生を抑止でき、仮に同心円状の分割振動が発生するとしても、その共振周波数は高周波数帯域にシフトする。また、本実施形態のダイアフラム20も中心軸対称な形状に成形されているため、特許文献1に開示のダイアフラムのように周波数特性に悪影響を及ぼすことはない。なお、本実施形態においても、フェイズプラグ26の形状が周波数特性に与える影響が小さいのであれば、フェイズプラグ26のダイアフラム20と対向している面がダイアフラム20と同一の形状に成形されていなくてもよく、中心軸cx2に対して対称な形状でなくてもよい。
<第3実施形態>
図5は、この発明の第3実施形態のダイアフラム30を用いたホーンスピーカ3の縦断面図である。図5では、図8におけるものと同一の構成要素には同一の符号が付されている。図5と図8を比較すれば明らかなように、ホーンスピーカ3のダイアフラム30およびフェイズプラグ36は、従来のホーンスピーカ8のダイアフラム87およびフェイズプラグ86に各々相当する。以下ではダイアフラム30とフェイズプラグ36を中心に説明する。
まず、ダイアフラム30の形状について説明する。図6は、ホーンスピーカ3のダイアフラム30の縦断面図である。図6に示すように、ダイアフラム30は、図9のダイアフラム87と同様に半真球形状に成形されており、中心軸bx3に対して中心軸対称である。しかし、ダイアフラム30は、ダイアフラム87と異なり、頂点付近が他の部分よりも肉厚な形状に成形されている。なお、ダイアフラム30の頂点付近のフェイズプラグ36に対向する面は平面を成し、その平面は中心軸bx3に垂直である。ダイアフラム30の頂点付近は肉厚な形状であるので、ダイアフラム30の頂点付近の加振方向(中心軸bx3方向)の曲げ剛性は他の部分よりも高く、ダイアフラム30全体の剛性もダイアフラム87全体の剛性よりも高い。
本実施形態のダイアフラム30は、その外形を維持しつつ頂点付近の厚みがフェイズプラグ36方向に増すように成形されているが、頂点付近の厚みが反対方向に増すような形状に成形されていてもよい。後者のほうが、ダイアフラム30の成形が容易だからである。また、フェイズプラグ36方向とフェイズプラグ36の反対方向との両方向に頂点付近の厚みが増すようにダイアフラム30を成形してもよい。フェイズプラグ36方向と反対方向の何れか一方に厚みが増す態様よりも、ダイアフラム30の頂点付近の加振方向の曲げ剛性が高くなるからである。
本実施形態のダイアフラム30も、稜線などの凹凸を表面に有さない単純な形状であるため、特許文献1に開示されたS字状の稜線を設けたダイアフラムや特許文献2に開示された多くの稜線を設けたダイアフラムに比べて成形が容易である。
次に、フェイズプラグ36の形状について説明する。図5に示すように、フェイズプラグ36のダイアフラム30と対向している面は、ダイアフラム30と同一の形状(縦断面が半真円形の形状)に成形されている。図5に示すように、ダイアフラム30は、その中心軸bx3がフェイズプラグ36の中心軸cx3と一致するようにエッジ89によって支持されている。このため、ダイアフラム30とフェイズプラグ36との間の空間OSでは、ダイアフラム30とフェイズプラグ36との間隔はどこであっても同じになり、ダイアフラム30の振動により発生しフェイズプラグ36の複数のスリットの各々を介して導音孔83へ案内される各音は全て同相となる。したがって、本実施形態によっても、上記各音の位相差に起因する周波数特性の乱れが生じることはない。
本実施形態によっても、ダイアフラム30の頂点付近の加振方向の曲げ剛性は他の部分よりも高くなり、頂点を中心とする同心円状の分割振動の発生を抑止できる。また、仮にダイアフラム30に同心円状の分割振動が発生するとしても、共振周波数は高周波数帯域にシフトする。また、本実施形態のダイアフラム30も、中心軸対称な形状に成形されているため、特許文献1に開示のダイアフラムのように周波数特性に悪影響を及ぼすことはない。
また、本実施形態においても、フェイズプラグ36の形状が周波数特性に与える影響が小さいのであれば、フェイズプラグ36のダイアフラム30と対向している面がダイアフラム30の断面と同一の形状に成形されていなくてもよく、また中心軸cx3に対して対称な形状でなくてもよい。また、本実施形態では、ダイアフラム30は半真球形状であるが、第1実施形態のような半楕円体形状であってもよいし、第2実施形態のような円錐体形状であってもよい。第1実施形態のような半楕円体形状のダイアフラムの頂点付近を他の部分よりも肉厚にすることで、当該頂点付近の加振方向の曲げ剛性を第1実施形態や第3実施形態のダイアフラムよりも一層高めることができると考えられるからである。第2実施形態のような円錐体形状のダイアフラムについても同様に、ダイアフラムの頂点付近を他の部分よりも肉厚にすることで、当該頂点付近の加振方向の曲げ剛性を第2実施形態や第3実施形態のダイアフラムよりも一層高めることができると考えられるからである。第2実施形態のような円錐体形状のダイアフラムでは、ダイアフラムの頂点付近の空間OS側を他の部分よりも肉厚かつ滑らかにするとともに、対応するフェイズプラグの形状も滑らかにすることで、不要な共振の発生を回避できる。
<変形例>
上記各実施形態では、本発明のダイアフラムをホーンスピーカに用いたが、当該ダイアフラムをホーンスピーカ以外のスピーカに用いてもよい。例えば、平面バッフル型スピーカに用いてもよい。また、上記各実施形態で用いた本発明のダイアフラムと、当該ダイアフラムによって一定間隔を開けて覆われ、当該ダイアフラムの振動により発生した音を放射するフェイズプラグを有するコンプレッションドライバを提供してもよい。
1,2,3,8……ホーンスピーカ、10,20,30,87……ダイアフラム、16,26,36,86……フェイズプラグ、80……バックプレート、81……トッププレート、82……環状マグネット、83……導音孔、84……ホーン、85……ポールピース、88……ボイスコイルボビン、89……エッジ、90……、スペーサリング、94……スロート部、ax,bx1,bx2,bx3,cx1,cx2,cx3……中心軸、OS……空間、AG……磁気ギャップ。

Claims (5)

  1. スピーカに用いられるドーム状のダイアフラムにおいて、
    中心軸対称、かつ、頂点に近づくにつれて曲率半径が小さくなる形状に成形されている
    ことを特徴とするダイアフラム。
  2. スピーカに用いられるドーム状のダイアフラムにおいて、
    中心軸対称、かつ、円錐体形状に成形されている
    ことを特徴とするダイアフラム。
  3. スピーカに用いられるドーム状のダイアフラムにおいて、
    中心軸対称、かつ、頂点付近が他の部分よりも肉厚な形状に成形されている
    ことを特徴とするダイアフラム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載のダイアフラムと、
    ホーンと、
    前記ダイアフラムによって一定間隔を開けて覆われ、前記ダイアフラムの振動により発生した音波を前記ホーンへ案内するフェイズプラグと、
    を具備する
    ことを特徴とするホーンスピーカ。
  5. 請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載のダイアフラムと、
    前記ダイアフラムによって一定間隔を開けて覆われ、前記ダイアフラムの振動により発生した音を放射するフェイズプラグと、
    を具備する
    ことを特徴とするコンプレッションドライバ。



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