JP2016081357A - 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 複数のマスタモジュールから各々のタイミングでデータ転送が発生するため、クロックや電源を遮断する省電力モードの期間が細切れになり、省電力の効果が限定的なものになる。
【解決手段】 バスシステム30は、少なくとも1つのマスタモジュール300と少なくとも1つのスレーブモジュール400の間のデータ転送を行うバスモジュール100、マスタモジュール300からバスモジュールに送信データ転送を検出する検出モジュール101を有する。電力制御モジュール25は、バスモジュール100を省電力モードへ移行させた後に、省電力モードからの復帰する際、データ転送要求を複数検出するまで、省電力モードの解除を遅延させる。これにより、バスシステム30の省電力効果を高めることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、情報処理装置におけるデータ転送装置の省電力化に関する。
半導体集積回路の集積度の向上や処理能力の向上は消費電力の増大を招き、消費電力の削減対策が必須となった。
近年の半導体集積回路は、データ転送要求を生成するマスタモジュール、データ転送要求に応答するスレーブモジュール、および、データ転送を担うバスシステムなどで構成される。マスタモジュールには、中央演算装置(CPU)やダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAC)などが含まれる。スレーブモジュールには、メモリコントローラやスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)モジュールなどが含まれる。また、バスシステムは、インターコネクト、ファブリック、オンチップネットワークとも呼ばれる。マスタモジュールにおいては、電源電圧や周波数を動的に制御するdynamic voltage and frequency scaling(DVFS)と呼ばれる技術や電源やクロックを遮断する技術によって省電力化が図られている。
一方、様々なマスタモジュールとスレーブモジュールが接続されるバスシステムは、各マスタモジュールからのデータ転送要求に備えて電源やクロックが常時供給状態になっている場合が多く、さらなる低消費電力化が難しい。消費電力を低減するために、クロック周波数の切り替えや、クロックまたは電源のオンオフ制御を行う場合、バスシステム上のデータ転送を特定の手続に沿って完了させないと、転送データのロスやフリーズを招く。転送データのロスやフリーズを避ける方法は、ソフトウェア手続による方法と、ハードウェア機構による方法に大別される。
ソフトウェア手続による方法は、典型的に、バスシステムに接続されたすべてのマスタモジュールについてデータ転送要求が発行されないことを確認した後、バスシステムのクロックや電源を制御する。また、ハードウェア機構による方法として、バス調停回路を利用する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許第4733877号公報
近年の大規模な半導体集積回路においては、マスタモジュールの数が100を超え、外部割込やイベントで駆動されるマスタモジュールも多い。そのためソフトウェア手続による方法では、すべてのマスタモジュールがデータ転送要求を発行しないことの保証が困難である。
また、CPUがバスシステムのクロックや電源の制御を行う際、CPUの命令フェッチやキャッシュモジュールが投機的にプログラムデータを読み込むため、バスシステム上でデータ転送が発生しないことを保証するには特別な手続が必要である。その結果、省電力化のためにバスシステムのクロックや電源を制御することができるとしても、その機会は極めて限定的なものになる。
また、特許文献1に記載されたハードウェア構成による方法は、クロック制御要求信号のアサートに応答してバス使用権を調停するバス調停回路が、現在実行中の処理が終了すると、バス使用権の割当を停止してクロック制御確認信号をアサートする。しかしながら、近年、ピアツーピアのデータ転送インターフェースを用いるバスシステムが主流であり、特許文献1に記載されたハードウェア構成では、バスシステム内部にバス調停回路が存在する。バス調停回路を用いる方法は、バスシステム自身の電源を遮断することができない。
以上に加えて、バスシステムの省電力化固有の課題として、複数のマスタモジュールから各々のタイミングでデータ転送が発生するため、クロックや電源を遮断する省電力モードの期間が細切れになり、省電力の効果が限定的なものになる。
本発明は、データ転送装置の省電力モードの期間を長くすることによって、省電力の効果を高めることを目的とする。
本発明にかかる情報処理装置は、少なくとも1つのマスタモジュールと少なくとも1つのスレーブモジュールの間のデータ転送を行うデータ転送手段と、前記マスタモジュールから前記データ転送手段を介して前記スレーブモジュールへ送信するデータ転送要求信号を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記データ転送要求に基づき、前記データ転送手段の省電力モードからの復帰を制御する電力制御手段とを有し、前記検出手段によって、省電力モードの前記データ転送手段へ送信される第一データ転送要求信号が検出されてから所定時間が経過するまでに、省電力モードの当該データ転送手段へ送信される第二データ転送要求信号が検出された場合に、又は前記所定時間が経過した場合に、前記制御手段は、前記データ転送手段を省電力モードから復帰させることを特徴とする。
本発明によれば、データ転送装置の省電力モードの期間を長くすることによって、省電力の効果を高めることができる。
情報処理装置の構成例を示すブロック図。 バスシステムと電力制御モジュールの構成例を示すブロック図。 データ転送を説明する図。 バスモジュールとデータ転送検出モジュールの構成例を示すブロック図。 リードデータの転送を説明する図。 省電力モード移行が許可される場合の電力制御モジュールとバスモジュールの動作を説明する図。 省電力モード移行が許可されない場合の電力制御モジュールとバスモジュールの動作を説明する図。 省電力モード移行後に新規データ転送が発生した場合の電力制御モジュールとバスモジュールの動作を説明する図。 制御モジュールの処理を説明するフローチャート。 電力制御信号とインターバルタイマのカウント値の関係を説明する図。 省電力モードから通常モードへの復帰に関して、2つのマスタモジュールの転送要求が発生するまで通常モードへの復帰を遅延させる場合を説明する図。 省電力モードから通常モードへの復帰に関して、復帰遅延タイマのリファレンス値まで通常モードへの復帰を遅延させる場合を説明する図。 2つのマスタモジュールの転送が発生するまで省電力モードからの復帰を遅延させる場合の電力制御信号とデータ転送制御信号の動作を説明する図。 2つのマスタモジュールが発行したデータ転送と省電力モードの関係を説明する図。
以下、本発明にかかる実施形態の情報処理装置に関して、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態は例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
[装置の構成]
図1のブロック図により情報処理装置200の構成例を示す。
情報処理装置200は、データ転送を司るバスシステム30を有する。バスシステム30には、プロセッサーとして複数のCPU10とCPU11、ディジタル信号プロセッサー(DSP)12、および、グラフィカルプロセッサー(GPU)13などが接続される。バスシステム30には、データ転送コントローラとして複数のDMAC14とDMAC15、および、メモリコントローラ(MEMC)20などが接続される。バスシステム30には、図示しない周辺機器を接続するための例えばPCIエクスプレスコントローラ(PCIe)21およびUSBコントローラ(USB)22などが接続される。バスシステム30には、メモリとしてリードオンリメモリ(ROM)23およびSRAM24などが接続される。バスシステム30には、さらに電力制御モジュール25が接続される。
MEMC20は、情報処理装置200の外部のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)1000に接続されている。CPU10は、DRAM1000をワークメモリとして、ROM23に格納されたプログラムを実行する。図1に示す情報処理装置200の構成は、システムオンチップとよばれる半導体装置に代表的な構成であり、データ転送を司るバスシステム30は、インターコネクト、ファブリック、オンチップネットワークまたはネットワークオンチップと呼ばれる。
なお、CPU10とCPU11、DSP12、GPU13、DMAC14とDMAC15は、データ転送要求を発行するモジュール群であり、以下では「マスタモジュール」300と総称する場合がある。一方、MEMC20、PCIe21、USB22、ROM23、SRAM24、電力制御モジュール25は、データ転送要求を受信した後に応答するモジュール群であり、以下では「スレーブモジュール」400と総称する場合がある。なお、データ転送要求の発行と応答の両方の機能を有するモジュールも存在するが、図には示さない。
[バスシステムと電力制御モジュール]
図2のブロック図によりバスシステム30と電力制御モジュール25の構成例を示す。
バスシステム30に接続されるマスタモジュール300とスレーブモジュール400の増加に伴い、物理的なタイミング収束性の観点からバスシステム30は、近年、複数のデータ転送を司るデータ転送装置(以下、バスモジュール)100によって構成される。また、バスシステム30は、各バスモジュール100に対応するデータ転送検出モジュール101を有する。
各バスモジュール100は、詳細は後述するが、一つの電力制御インターフェース(以下、電力制御I/F)と、複数のデータ転送制御インターフェース(以下、データ転送制御I/F)を有する。バスモジュール100は、データ転送制御I/Fを介してマスタモジュール300、スレーブモジュール400、他のバスモジュール100に接続され、電力制御I/Fを介して電力制御モジュール25に接続される。
図3によりデータ転送を説明する。データ転送要求信号とデータ転送受信準備信号の二線ハンドシェイクプロトコルによって、データが転送される。データを送信するモジュール(以下、送信モジュール)はデータ転送要求信号と転送データの信号線を駆動し、データを受信するモジュール(以下、受信モジュール)はデータ転送受信準備信号を駆動する。そして、データ転送要求信号とデータ転送受信準備信号がともにアクティブの際にデータ転送が成立する。なお、データ転送要求信号とデータ転送受信準備信号はHレベルでアクティブ(ハイアクティブ)である。
詳細は後述するが、各バスモジュール100と電力制御モジュール25の間では、電力制御I/Fを介して省電力モード移行要求信号、省電力モード応答信号および省電力モード許可信号の三つの電力制御信号の通信が行われる。ただし、省電力モード許可信号は、各バスモジュール100からデータ転送検出モジュール101を介して電力制御モジュール25に送信される。
電力制御モジュール25は、省電力モードへの移行を要求する省電力モード移行要求信号を出力し、バスモジュール100は省電力モード応答信号を出力する。省電力モードへの移行の可否を示す省電力モード許可信号は、バスモジュール100の出力信号とデータ転送検出モジュール101の検出結果の論理和信号である。なお、電力制御信号はLレベルでアクティブ(ローアクティブ)とする。
省電力モードにおいて、バスモジュール100の電源やクロックは停止または変更された状態にある。一方、データ転送検出モジュール101は、バスモジュール100の一部として機能するが、その電源はバスモジュール100から独立していて、バスモジュール100が省電力モードか否かに関わらず、省電力モード許可信号の状態を設定可能である。
図4のブロック図によりバスモジュール100とデータ転送検出モジュール101の構成例を示す。
バスモジュール100は、転送データを受信する複数のスレーブデータ転送制御I/F501、転送データを後段に送信する複数のマスタデータ転送制御I/F506、および、電力制御I/F500を有する。なお、スレーブデータ転送制御I/F501によって受信されたデータは、ファーストインファーストアウトメモリ(FIFO)502に格納される場合がある。
アドレスデコード回路503は、スレーブデータ転送制御I/F501またはFIFO502から出力されたデータの転送先を解析し、データ転送要求を転送先に対応する調停回路504に送信する。調停回路504は、データ転送要求の一つを選択する調停を行い、調停結果を選択回路505とマスタデータ転送制御I/F506に出力する。
選択回路505は、調停結果に基づき転送データを選択し、選択した転送データをマスタデータ転送制御I/F506に出力する。マスタデータ転送制御I/F506は、調停結果と選択された転送データを受信し、後段のバスモジュール100またはスレーブモジュール400との間でデータの送受信を行う。
一方、電力制御I/F500は、電力制御モジュール25から省電力モード移行要求信号を受信すると、省電力モードへの移行を示すために、非アクティブのデータ転送受信準備信号を各スレーブデータ転送制御I/F501に出力する。スレーブデータ転送制御I/F501は、データ転送受信準備信号を前段の送信モジュール(マスタモジュール300またはバスモジュール100)に出力して、新たに転送データを受信しない状態(以下、非受信状態)に移行する。
次に、電力制御I/F500は、バスモジュール100内の処理状態を検出し、処理中を検出すると、省電力モード応答信号をHレベル(非アクティブ)に維持する。電力制御I/F500は、例えば、FIFO502の空状態に関する情報や、転送データのアウトスタンディング数(スレーブモジュール400のレスポンス状況管理)に関する情報などを用いて、バスモジュール100内の処理状態を判定する。
図4には一部の転送データしか示さないが、実際の転送データにはリクエストデータ、ライトデータ、リードデータおよびレスポンスデータが含まれ、別々の回路を介して転送される。アドレスデータとライトデータに関して、マスタモジュール300またはバスモジュール100がデータ転送要求信号の駆動モジュールである。一方、リードデータとレスポンスデータに関して、スレーブモジュール400またはバスモジュール100がデータ転送要求信号の駆動モジュールである。
図5に、リードデータの転送例を示す。データ転送要求信号とデータ転送受信準備信号に対するリードリクエストおよびリードデータの関係を示す。リードリクエストに含まれるアドレス情報やバースト長等のデータは、対応するデータ転送要求信号とデータ転送受信準備信号が成立するごとに転送処理が行われる(時刻T1〜T4)。しばらくの時間が経過した後に、対応するデータ転送要求信号とデータ転送受信準備信号が成立するごとにリードデータの転送処理が行われる(時刻T8〜T23)。即ち、データ転送要求信号とデータ転送受信準備信号の二線ハンドシェイクプロトコルによって、転送データ信号としてリードリクエストおよびリードデータがそれぞれ転送される。
データ転送検出モジュール101の論理和(OR)ゲート102は、各スレーブデータ転送制御I/F501が受信するデータ転送要求信号を論理和した論理和信号103を出力する。論理和(OR)ゲート104に、論理和信号103と、バスモジュール100が非処理中である(データ転送中でない又は転送データの処理が完了した)とバスモジュール100自身で判定された場合にLレベル(アクティブ)になる信号105が入力される。論理和(OR)ゲート104より論理和信号103と信号105の論理和を省電力モード許可信号として出力する。データ転送要求がない場合は論理和信号103がLレベル(アクティブ)になり、バスモジュール100が非処理中である場合は信号105がLレベル(アクティブ)になって、省電力モード許可信号がLレベル(アクティブ)である。また、各スレーブデータ転送制御I/F501が受信するデータ転送要求信号をデータ転送要求検出信号として電力制御モジュール25に通知する。
●省電力モード移行が許可される場合
図6により省電力モード移行が許可される場合の電力制御モジュール25とバスモジュール100の動作を説明する。
電力制御モジュール25は、省電力モード移行のトリガを受信すると、省電力モード移行要求信号をアクティブにする(時刻T2)。
バスモジュール100は、省電力モード移行要求信号のアクティブを検出すると(時刻T3)、データ転送受信準備信号を非アクティブにし(時刻T4)、非受信状態に移行して処理状態を検出する。バスモジュール100は、非処理中(転送データなし)を検出すると(時刻T5)、信号105をLレベル(アクティブ)にし(時刻T5)、省電力モード応答信号をアクティブにする(時刻T6)。
図6の例では、データ転送要求信号が非アクティブであるから論理和信号103はLレベルになり、新規の転送データが存在しないことが示される。その結果、論理和信号103と信号105がともにLレベルであり、論理和(OR)ゲート104が出力する省電力モード許可信号は、時刻T5においてLレベル(アクティブ)になる。
電力制御モジュール25は、省電力モード応答信号のアクティブを検出すると(時刻T7)、省電力モード許可信号を判定する。そして、省電力モード許可信号のアクティブを検出すると(時刻T7)、バスモジュール100が省電力モードへの移行を許可したと判定して、バスモジュール100のクロックや電源を変更または遮断する(時刻T8〜T10)。
次に、電力制御モジュール25は、通常動作モード移行のトリガを受信すると、バスモジュール100のクロックや電源を供給後、省電力モード移行要求信号を非アクティブにする(時刻T11)。
バスモジュール100は、省電力モード移行要求信号の非アクティブを検出すると(時刻T12)、信号105をHレベルにし(時刻T14)、省電力モード許可信号を非アクティブにする。そして、省電力モード応答信号を非アクティブにし(時刻T15)、その後、データ転送受信準備信号をアクティブにし(時刻T16)、非受信状態を解除して新たに転送データを受信する状態になる。
●省電力モード移行が許可されない場合
図7により省電力モード移行が許可されない場合の電力制御モジュール25とバスモジュール100の動作を説明する。
電力制御モジュール25は、省電力モード移行のトリガを受信すると、省電力モード移行要求信号をアクティブにする(時刻T2)。
バスモジュール100は、省電力モード移行要求信号のアクティブを検出すると(時刻T3)、データ転送受信準備信号を非アクティブにし(時刻T4)、非受信状態に移行して処理状態を検出する。バスモジュール100は、処理中(転送データあり)を検出すると(時刻T5)、信号105をHレベルに維持し(時刻T5)、省電力モード応答信号をアクティブにする(時刻T6)。
図7の例では、データ転送要求信号がアクティブであり、論理和信号103がHレベルであり、新規の転送データが存在することが示される。この例では、論理和信号103と信号105がともにHレベルであり、論理和(OR)ゲート104が出力する省電力モード許可信号は、時刻T5においてHレベル(非アクティブ)になる。その後、バスモジュール100の転送データの処理が完了(非処理中)して信号105がLレベルになっても、データ転送要求信号がアクティブであり、論理和信号103のHレベルが維持される限り、省電力モード許可信号は非アクティブである。
電力制御モジュール25は、省電力モード応答信号のアクティブを検出すると(時刻T7)、省電力モード許可信号を判定する。そして、省電力モード許可信号の非アクティブを検出すると(時刻T7)、バスモジュール100が省電力モードへの移行を許可しないと判定して、省電力モード移行要求信号を非アクティブにして(時刻T11)、省電力モード移行要求を解除する。
バスモジュール100は、省電力モード移行要求信号の非アクティブを検出すると(時刻T12)、省電力モード応答信号を非アクティブにする(時刻T15)。そして、データ転送受信準備信号をアクティブにし(時刻T16)、非受信状態を解除して転送データの処理を継続する。
●省電力モード移行後に新規の転送データが発生した場合
図8により省電力モード移行後に新規データ転送が発生した場合の電力制御モジュール25とバスモジュール100の動作を説明する。
電力制御モジュール25は、省電力モード移行のトリガを受信すると、省電力モード移行要求信号をアクティブにする(時刻T2)。
バスモジュール100は、省電力モード移行要求信号のアクティブを検出すると(時刻T3)、データ転送受信準備信号を非アクティブにし(時刻T4)、非受信状態に移行して処理状態を検出する。バスモジュール100は、非処理中(転送データなし)を検出すると(時刻T5)、信号105をLレベルにし、省電力モード応答信号をアクティブにする(時刻T6)。省電力モード応答信号はローアクティブであるため、信号105と省電力モード応答信号の論理レベルが同じである。
図8の例では、時刻T5において、データ転送要求信号が非アクティブであるから論理和信号103はLレベルになり、新規の転送データ要求が存在しないことが示される。その結果、論理和信号103と信号105がともにLレベルであり、論理和(OR)ゲート104が出力する省電力モード許可信号は、時刻T5においてアクティブになる。即ち、新規の転送データ要求が存在しない、且つバスモジュール100は非処理中である時に、省電力モード許可信号はアクティブになる。
電力制御モジュール25は、省電力モード応答信号のアクティブを検出すると(時刻T7)、省電力モード許可信号を判定する。そして、省電力モード許可信号のアクティブを検出すると(時刻T7)、バスモジュール100が省電力モードへの移行を許可したと判定して、バスモジュール100のクロックや電源を変更または遮断する(時刻T8〜T10)。
図8の例では、時刻T9において、新規の転送データが発生し、データ転送要求信号の状態が変化してアクティブになる。バスモジュール100は省電力モードにあるため、時刻T9において信号105はLレベルに維持されるが、データ転送検出モジュール101の論理和(OR)ゲート102が出力する論理和信号103は、時刻T9においてHレベルになる。その結果、論理和(OR)ゲート104が出力する省電力モード許可信号は、時刻T9において非アクティブになる。
電力制御モジュール25は、受信中の省電力モード許可信号の非アクティブを検出すると(時刻T10)、バスモジュール100の省電力モードの解除が必要と判定する。そして、バスモジュール100のクロックや電源を供給後、省電力モード移行要求信号を非アクティブにする(時刻T11)。
バスモジュール100は、省電力モード移行要求信号の非アクティブを検出すると(時刻T12)、省電力モード応答信号を非アクティブにする(時刻T15)。そして、データ転送受信準備信号をアクティブにし(時刻T16)、非受信状態を解除して新規の転送データの受信を開始する。
図6から図8に示す電力制御モジュール25とバスモジュール100の動作により、複数のバスモジュール100を有するバスシステム30における転送データのロスやフリーズを回避して、省電力モードと通常動作モードの移行が実現される。
●電力制御モジュール
図2に示すように、電力制御モジュール25は、各バスモジュール100に対応する電力制御部253を有する。各電力制御部253は、省電力モードの移行と復帰を制御する制御モジュール250とインターバルタイマ251および、復帰遅延タイマ252を有し、対応するバスモジュール100の状態を管理する。なお、各電力制御部253は、インターバルタイマ251および復帰遅延タイマ252と簡易な制御専用回路で実現する。または、電力制御モジュール25のCPUが電力制御モジュール25のROMなどに格納されたプログラムを実行することにより実現される。
図9のフローチャートにより制御モジュール250の処理を説明する。
電力制御モジュール25が動作を開始すると、制御モジュール250は、バスモジュール100に電源とクロックを供給してバスモジュール100を通常動作モードにする(ステップS11)。その際、省電力モード移行要求信号は非アクティブである。
次に、制御モジュール250は、省電力モード移行のトリガを受信したか否かを判定し(ステップS12)、未受信の場合は処理をステップS11に戻して、バスモジュール100の通常動作モードを維持する。なお、省電力モード移行のトリガは、CPU10やCPU11によるレジスタアクセスや割込み、外部イベントなどに基づく場合と、制御モジュール250が自身の内部的な状態に基づく場合がある。
省電力モード移行のトリガを受信すると、制御モジュール250は、インターバルタイマのカウント値にリファレンス値を設定し(ステップS13)、インターバルタイマ251のカウント値を判定する(ステップS14)。カウント値が0より大きい場合、制御モジュール250は、インターバルタイマ251のカウント値をデクリメントして(ステップS15)、処理をステップS14に戻す。
インターバルタイマ251のカウント値が0になると、制御モジュール250は、省電力モード移行要求信号をアクティブにして(ステップS16)、バスモジュール100が省電力モードへの移行を許可するか否かを判定する。つまり、省電力モード応答信号の判定と省電力モード許可信号の判定(ステップS17)を行う。
省電力モード応答信号がアクティブになり(ステップS17)、省電力モード許可信号がアクティブかを判定する(ステップS18)。省電力モード許可信号がアクティブの場合、制御モジュール250は、バスモジュール100が省電力モードへの移行を許可したと判定する。そして、バスモジュール100の電源やクロックを制御し、省電力モードにする(ステップS19)。なお、省電力モードから通常動作モードへの復帰時間や応答性能を考慮して、電源の遮断、クロックの遮断、クロック速度の変更などが行われる。その後、制御モジュール250は、処理をステップS20に進めて、バスモジュール100の通常動作モードへの復帰トリガを待つ状態になる。
一方、省電力モード応答信号がアクティブになったが、省電力モード許可信号が非アクティブであるとステップS18で判定された場合、制御モジュール250は、バスモジュール100が省電力モードへの移行を許可しないと判定する。そして、処理をステップS24に進める。バスモジュール100に処理中の転送データが存在する場合や、新規の転送データが存在する場合、バスモジュール100は、転送データのロスやフリーズを避けるために、省電力モードへの移行を許可しない。
バスモジュール100を省電力モードへ移行させた後、制御モジュール250は、通常動作モードへの復帰トリガを受信したか否かを判定する(ステップS20)。復帰トリガには幾つかの種類が存在し、CPU10やCPU11によるレジスタアクセスや割込み、外部イベント、自身の内部的なイベントなどがある。また、新規の転送データが発生した場合、バスモジュール100が省電力モードにあるため、データ転送検出モジュール101によって省電力モード許可信号が非アクティブになるが、これも復帰トリガの一つである。復帰トリガを受信すると、制御モジュール250は、処理をステップS21に進める。
省電力モードからの復帰処理に際して、復帰遅延タイマ252に所定のリファレンス値を設定する(ステップS21)。復帰遅延タイマ252の値が0、または、データ転送検出モジュール101から通知されるデータ転送要求検出信号が複数アクティブの場合(ステップS23)、省電力モードからの復帰処理を行う(ステップS24)。そうでない場合は復帰遅延タイマ252の値をデクリメントし(ステップS22)、再度、省電力モードからの復帰の条件を満たすかどうかを判定する(ステップS21)。
復帰処理に際して、バスモジュール100に電源やクロックが供給されていない場合は電源やクロックの供給を再開し、省電力モード移行要求を解除する(ステップS24)。なお、電源遮断から復帰させる場合は、電源が安定した後にバスモジュール100のリセット処理が行われる。その後、制御モジュール250は、省電力モード移行要求信号を非アクティブにし、省電力モード応答信号が非アクティブになったことを確認した後(ステップS24)、処理をステップS11に進める。
次に、制御モジュール250は、再び省電力モード移行要求を発行するか否かを判定し(ステップS12)、省電力モード移行要求を発行しない場合は処理をステップS11に戻す。また、省電力モード移行要求を発行する場合は、インターバルタイマ251のカウント値に所定のリファレンス値を設定し(ステップS13)、処理をステップS14に進める。
制御モジュール250による上記処理により、CPU10やCPU11などのマスタモジュール300による電力制御に関わる手続を軽減し、バスモジュール100を省電力化にすることが可能になる。
●インターバルタイマのカウント値
図10により電力制御信号とインターバルタイマ251のカウント値の関係を説明する。
省電力モード移行要求信号がアクティブになった後、省電力モード応答信号がアクティブになるが省電力モード許可信号がアクティブにならない状況は、上述したように、バスモジュール100が省電力モードへの移行を許可しない場合である。この場合、電力制御モジュール25は、省電力モード移行要求信号を非アクティブにし、インターバルタイマ251に設定した時間が経過した後、再び省電力モード移行要求信号をアクティブにする。つまり、電力制御モジュール25は、CPU10やCPU11の介在なしにインターバルタイマ251に設定した間隔で省電力モード移行要求を行う。
バスモジュール100は、データのロスやフリーズを避けるためのモード移行期間において、省電力モードへの移行が可能か否かを判定し、移行が可能であればその旨を電力制御モジュール25に通知する。電力制御モジュール25は、省電力モードへの移行が可能な状況においてのみ、電源やクロックを制御して省電力モードへの移行することができ、バスモジュール100の省電力化を行うことができる。
電力制御モジュール25は、複数のバスモジュール100に対応して複数のインターバルタイマ251を有する。各インターバルタイマ251の値は、制御対象のバスモジュール100の転送性能要求に従い事前に設定される。転送帯域要求が低いなどデータ転送能力が低いバスモジュール100に対応するインターバルタイマ251には低めの値を設定し、省電力モードへの移行の機会を増やす。
一方、転送帯域要求が高いバスモジュール100に対応するインターバルタイマ251には高めの値を設定し、省電力モード移行期間による実効性能の低下の機会を減らす。同様に、インターバルタイマ251の値は、転送帯域の要求だけでなく、転送レイテンシの要求を考慮して設定することも考えられる。つまり、各バスモジュール100の使用条件を考慮して、転送の実効性能と電力消費の最適なバランスを得ることが可能になる。なお、転送レイテンシは要求される転送帯域から計算して求めても良い。
●復帰遅延タイマのカウント値
2つのマスタモジュール300が2つの転送要求を発行するとする。2つの転送要求の例として、それぞれ8バースト長のリードリクエストAおよびBをそれぞれ4つ発行する例を用いて、省電力モードと復帰遅延タイマのカウント値の関係を説明する。復帰を遅延させる所定時間は、復帰遅延タイマのカウント値(サイクル数)を用いて設定される。なお、リードレイテンシは400サイクルとし、スレーブモジュール400より400サイクル経過後にリードデータAおよびBがバスモジュール100に戻るものとする。また電力制御モジュール25に関しては、復帰遅延タイマのリファレンス値は600とし、2つ目の転送要求を認識すると省電力モードから復帰する設定を行っているとする。
図11のケースでは、復帰遅延タイマ252のカウント値が0になるまでに2つ目の転送要求が発生した例を説明し、図12のケースでは、復帰遅延タイマ252のカウント値が0になるまで2つ目の転送要求が発生しなかった例を示す。
図11により省電力モードから通常モードへの復帰に関して、他のマスタモジュール300のデータ転送が発生するまで通常モードへの復帰を遅延させる場合を説明する。時刻T1で、リードリクエストAをデータ転送検出モジュール101が検出すると、電力制御I/F500からの省電力モード許可信号が非アクティブになることを使用して、電力制御モジュール25に、省電力モードから通常モードへの移行を要求する。
電力制御モジュール25は、移行要求を受け取ると、復帰遅延タイマにリファレンス値として600をセットし、復帰遅延タイマのデクリメントを開始する(時刻T1)。この例では、復帰遅延タイマで時間を計測し、300サイクル経過した時点で、他のマスタモジュール300のリードリクエストBが発生した(時刻T3)。電力制御モジュール25は、データ転送要求検出信号を介してリードリクエストBを検出すると(時刻T3)、クロックを再開後にバスモジュール100を通常モードへ移行させる(時刻T4)。その後、バスモジュール100は、リードリクエストAおよびBの処理を行う(時刻T4〜T8)。
図12に省電力モードから通常モードへの復帰に関して、復帰遅延タイマのリファレンス値まで通常モードへの復帰を遅延させる場合を示す。時刻T1で、リードリクエストAをデータ転送検出モジュール101が検出すると、電力制御I/F500からの省電力モード許可信号が非アクティブになることを使用して、電力制御モジュール25に、省電力モードから通常モードへの移行を要求する。
電力制御モジュール25は、移行要求を受け取ると、復帰遅延タイマにリファレンス値として600をセットし、復帰遅延タイマのデクリメントを開始する(時刻T1)。電力制御モジュール25は、復帰遅延タイマが0になるまで、省電力モードから通常モードへの復帰を遅らせる。この例では、復帰遅延タイマで計測する600サイクルの間に、他のマスタモジュール300のデータ転送は検出されなかった(時刻T1〜T3)こととなる。電力制御モジュール25は、復帰遅延タイマの値が0であることを検出して(時刻T3)、クロックを再開後に通常モードへ移行する(時刻T4)。その後、リードリクエストAの処理を行う(時刻T4〜T7)。
●電力制御信号、データ転送制御信号および省電力モード復帰遅延の動作について
図11の説明では、電力制御信号とデータ転送制御信号との関係を省略したが、図13を用いて、詳細説明を行う。図11の例では、通常モードへの復帰に関して、他のマスタモジュールの二つ目のデータ転送が発生するまで通常モードへの復帰を遅延させる場合を取り上げた。なお、同じマスタモジュールからの二つ目のデータ転送が発生する場合の処理は同じである。
バスモジュール100が省電力モードにある時に(時刻T0)、リードリクエストAを受け付けるとデータ転送検出モジュール101により、省電力モード許可信号が非アクティブになる(時刻T1)。電力制御モジュール25は、他のマスタモジュールのデータ転送を検出していないため、通常モードへの復帰処理を行わない(時刻T1〜T3)。
電力制御モジュール25は、リードリクエストBのデータ転送が発生したことをデータ転送検出モジュールからの通知によって認識すると、通常モードへの復帰処理を開始する(時刻T3)。バスモジュール100への電源・クロックの供給を開始し、省電力モード移行要求信号を非アクティブにする。バスモジュール100は、省電力モード応答信号を非アクティブにして、各データ転送受信準備信号をアクティブにして、データ転送処理を再開できるように、データ転送受信準備信号をアクティブにする(時刻T4)。なお、リードリクエストとリードデータに対するデータ転送要求信号と転送データの信号線の関係は図5に示し、図13は図示しない。
●省電力モード復帰遅延の効果について
省電力モードから通常モードへの復帰を遅延させることでの効果については、図11と図14を対比させて説明する。
図14は省電力モードからの復帰を遅延させない場合のクロック供給期間を説明する図である。バスモジュール100は時刻T0〜T1の間で、省電力モード状態である。時刻T1で、リードリクエストAをデータ転送検出モジュール101が検出すると、電力制御I/F500を使用して、省電力モード許可信号を非アクティブにして、電力制御モジュール25に、省電力モードから通常モードへの移行を要求する。
時刻T2にて、通常モードへ移行が行われると、バスモジュール100は、リードリクエストAの転送処理を行う(時刻T2〜T5)。時刻T6で、リードリクエストBが発生すると、同様にリードリクエストBの転送処理を行う(時刻T6〜T9)。バスモジュール100が必要とするクロック供給期間の最小値は、リクエストAとBの発行期間、レスポンス待ち時間400サイクル、リードデータAとBの処理時間の合計872サイクルとなる。
一方、図11は省電力モードからの復帰を遅延させる場合のクロック供給期間を説明する図である。省電力モードから通常モードへの移行を遅延させることで、バスモジュール100が必要とするクロック供給期間の最小値は468サイクルとなる。即ち、リクエストAおよびBの発行期間(時刻T4〜T6)、およびレスポンス待ち時間(時刻T6〜T7)、リードデータAおよびBの処理時間(時刻T7〜T8)の合計468サイクルである。よって、必要なクロックサイクルを872サイクルから468サイクルまで削減できる。一方、リードリクエストAが発生後にリードリクエストBが発生するかどうかは必ずしも保証されない。そこで、最大の待ち時間を保証するために、本実施形態では復帰遅延タイマ252を利用する。なお、図11では、リクエストAおよびリクエストBの発行順序及びリードデータAおよびBの処理順序はABABABABとなっているが、これに限る必要はない。例えば、リクエストAおよびリクエストBはそれぞれマスタAおよびマスタBからのリクエストである場合は、マスタAからのリクエストAを優先するならば、AAAABBBBの順に処理し、マスタBからのリクエストBを優先するならば、BBBBAAAAの順に処理する。
また、図11では示されていないが、レスポンス待ち時間(時刻T6〜T7)中に、又はリードデータAおよびBの転送処理が終わってから省電力モードに移行するまでの時間中(時刻T8〜T10)に、さらに他のリードリクエストCが発行される場合がある。この場合は、リードデータAおよびBの処理の処理後に、リードデータCの処理が終わってから、バスモジュール100が省電力モードに移行される。即ち、本実施形態では、リクエストAおよびリクエストBをまとめて処理されるが、その次のリクエストCは通常のリクエストとして処理される。
●省電力モード復帰遅延の条件およびリファレンス値の値について
電力制御モジュール25は、複数のバスモジュール100に対応して、複数の復帰遅延タイマ252を有する。各復帰遅延タイマ252の値は、最大の復帰遅延時間を保証するもので、制御対象のバスモジュール100に接続されるマスタモジュール300の転送帯域や転送性能の要求とバスモジュール100の省電力要求に従い事前に設定される。例えば、低レイテンシ(所定値以下のレイテンシ)を要求されるマスタモジュール300がアクセスするバスモジュール100に対応する復帰遅延タイマ252の値は低めの値を設定し、レイテンシの増加を抑える。
一方、レイテンシ要求の少ない(要求されるレイテンシが所定値より大きい)マスタモジュール300がアクセスするバスモジュール100に対応する復帰遅延タイマ252の値は大きめの値を設定する。このようにして、他のマスタモジュール300の転送処理と重なる機会を増やす。複数のマスタモジュール300のデータ転送を一度に処理することで、必要なクロック供給サイクルを減少させて、省電力化を実現する。
また、復帰遅延タイマ252の動作として、デクリメントを行わず、常に他のマスタモジュール300の転送を待ってから、省電力モードからの復帰を行い、省電力化を実現することも考えられる。
電力制御モジュール25の省電力モードから通常モードへの復帰の条件として、より他のマスタモジュールの転送処理を重ねてまとめた処理とするために、2以上の任意の数の他のスタモジュール300からの転送要求を検出数の条件にしてもよい。レイテンシ要求の少ない(要求されるレイテンシが所定値より大きい)マスタモジュール300に関しては、他のマスタモジュール300の転送の検出対象から除外または選択可能としてもよい。様々な「他のマスタモジュール300の転送の検出」の条件を変更することで、転送性能要求を満たしつつ、より低消費電力化を図ることができる。
以上の説明は、当業者が本発明を理解することができるように、本発明の原理、適用例を簡単に説明したものである。上記の説明に様々な変更が施した実施形態が、特定の用途に適す場合があり得るが、それらは本発明の範囲に含まれる。例えば、図9、図10、図11、図12においては、インターバルタイマ251や復帰遅延タイマ252がダウンカウンタの例を説明したが、アップカウンタを利用することもできる。
このように、転送データのロスやフリーズを回避するためにマスタモジュール300に対する特別な処理を必要としない、電力制御が可能なバスシステム30を提供することができる。また、特別な専用回路を用いることなく、比較的簡単な仕組みで定期的に省電力モードに移行させることができるバスモジュール100を提供することができる。また、省電力モードからの復帰を遅延させることで、省電力モードの期間を長引かせて、電源遮断によるリーク電力の削減機会や、クロック遮断によるクロックツリーでのダイナミック電力の削減機会を増加させることができる。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
25 電力制御モジュール
30 バスシステム
100 バスモジュール
101 データ転送検出モジュール
102 論理和(OR)ゲート
103 論理和信号
104 論理和(OR)ゲート
105 信号
200 情報処理装置
250 制御モジュール
251 インターバルタイマ
252 復帰遅延タイマ
300 マスタモジュール
400 スレーブモジュール

Claims (16)

  1. 少なくとも1つのマスタモジュールと少なくとも1つのスレーブモジュールの間のデータ転送を行うデータ転送手段と、
    前記マスタモジュールから前記データ転送手段を介して前記スレーブモジュールへ送信するデータ転送要求信号を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記データ転送要求信号に基づき、前記データ転送手段の省電力モードからの復帰を制御する制御手段と、を有し、
    前記検出手段によって、省電力モードの前記データ転送手段へ送信される第一データ転送要求信号が検出されてから所定時間が経過するまでに、省電力モードの当該データ転送手段へ送信される第二データ転送要求信号が検出された場合に、又は前記所定時間が経過した場合に、前記制御手段は、前記データ転送手段を省電力モードから復帰させることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記マスタモジュールが複数あって、前記第一データ転送要求信号は第一マスタモジュールから送信され、前記第二データ転送要求信号は第二マスタモジュールから送信されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記所定時間は、前記データ転送手段に接続される前記マスタモジュールに要求されるレイテンシに応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記レイテンシは前記データ転送手段に要求される転送帯域から計算されることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記第二データ転送要求が、要求されるレイテンシが所定値より大きい前記第二マスタモジュールからのデータ転送要求である場合、前記制御手段は、前記データ転送手段を省電力モードから復帰させず、要求されるレイテンシが所定値以下である第三マスタモジュールから省電力モードの前記データ転送手段へ送信する第三データ転送要求信号が検出された場合に、前記データ転送手段を省電力モードから復帰させることを特徴とする請求項2項に記載の情報処理装置。
  6. 前記データ転送手段は、前記制御手段が前記データ転送手段を省電力モードから復帰させた後に、前記第一データ転送要求信号と前記第二データ転送要求信号とに基づいて、二つのデータ転送処理をまとめて行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記第二データ転送要求信号が検出された後に、第四データ転送要求信号が検出された場合に、前記二つのデータ転送処理が行われた後に、前記第四データ転送要求信号に基づくデータ転送処理を行うことを特徴とする請求項6項に記載の情報処理装置。
  8. 前記データ転送手段の省電力モードでは、前記データ転送手段に供給する電源又はクロックが遮断された状態であって、前記制御手段は、前記データ転送手段に供給する電源又はクロックを復帰させることによって、前記データ転送手段を省電力モードから復帰させることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報処理装置。
  9. 前記データ転送手段は、前記データ転送要求信号と、前記スレーブモジュールから前記データ転送手段を介して前記マスタモジュールへ送信するデータ転送受信準備信号とを用いるハンドシェイクが成立するごとに前記データ転送を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の情報処理装置。
  10. 前記制御手段は、前記データ転送手段はデータ転送中でない場合、且つ前記データ転送手段へのデータ転送要求がない場合に、前記データ転送手段を省電力モードへ移行させることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の情報処理装置。
  11. 前記制御手段は、前記データ転送手段を省電力モードへ移行させる場合に、前記データ転送手段に送信する省電力モードへの移行を要求する要求信号をアクティブにし、
    前記データ転送手段は、前記制御手段から受信した前記要求信号がアクティブであることを判定すると、前記データ転送受信準備信号を非アクティブにし、処理中のデータ転送がない状態で前記応答信号をアクティブにし、
    前記検出手段は、前記データ転送要求信号を検出しておらず、且つ前記応答信号がアクティブである場合、省電力モードへの移行の可否を示す許可信号をアクティブにし、
    前記制御手段は、前記許可信号がアクティブであると判定した場合、前記データ転送手段を省電力モードへ移行させることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 前記検出手段によって前記第一データ転送要求信号が検出されると、前記検出手段は、省電力モードへの移行の可否を示す前記許可信号を非アクティブにし、
    前記検出手段によって前記第二データ転送要求信号が検出されると、前記制御手段は、省電力モードへの移行を要求する前記要求信号を非アクティブにし、
    前記データ転送手段は、前記要求信号が非アクティブであることを判定すると、前記応答信号を非アクティブにすると共に、前記データ転送受信準備信号をアクティブにすることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
  13. 前記データ転送手段が複数ある場合は、前記データ転送手段に対応し、それぞれの前記データ転送手段の電力を制御する複数の前記制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の情報処理装置。
  14. 前記データ転送手段はバスモジュールであることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の情報処理装置。
  15. 少なくとも1つのマスタモジュールと少なくとも1つのスレーブモジュールの間のデータ転送を行うデータ転送手段を有するデータ転送装置の制御方法であって、
    前記マスタモジュールから前記データ転送手段を介して前記スレーブモジュールへ送信するデータ転送要求信号を検出する検出工程と、
    前記検出工程において、省電力モードの前記データ転送手段へ送信される第一データ転送要求信号が検出されてから所定時間が経過するまでに、省電力モードの当該データ転送手段へ送信される第二データ転送要求信号が検出された場合に、又は前記所定時間が経過した場合に、前記データ転送手段を省電力モードから復帰させる制御工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  16. 少なくとも1つのマスタモジュールと少なくとも1つのスレーブモジュールの間のデータ転送を行うデータ転送手段を有するデータ転送装置を制御するプログラムであって、
    前記マスタモジュールから前記データ転送手段を介して前記スレーブモジュールへ送信するデータ転送要求信号を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにおいて、省電力モードの前記データ転送手段へ送信される第一データ転送要求信号が検出されてから所定時間が経過するまでに、省電力モードの当該データ転送手段へ送信される第二データ転送要求信号が検出された場合に、又は前記所定時間が経過した場合に、前記データ転送手段を省電力モードから復帰させる制御ステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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