JP2016080505A - 位置推定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】移動局の位置を推定するのに要する計算量を抑制しながら、位置推定精度を高めることができる位置推定システムを提供する。
【解決手段】固定局に対する移動局の位置を推定する位置推定システムであって、グループエリア内の複数の位置の各々と複数の位置の各々における電波強度との関係を示す複数の位置ラジオマップ、及び、複数の位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度とグループエリアとの関係を示す合成ラジオマップを記憶する記憶部と、固定局と移動局との間の電波強度及び合成ラジオマップに基づいて、移動局が存在する位置が含まれるグループエリアを推定する位置推定部と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、固定局に対する移動局の位置を推定する位置推定システムに関する。
固定局に対する移動局の位置を推定する位置推定システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この位置推定システムでは、所定のエリア内の複数の位置(計測位置)の各々と、複数の位置の各々における電波強度との関係を示す複数の位置ラジオマップが用いられる。この位置ラジオマップを作成する際には、所定のエリア内の複数の位置でそれぞれ固定局からの電波強度を計測することにより、複数の位置の各々における電波強度を取得する。
移動局が所定のエリア内で固定局からの電波強度を計測した際に、計測した電波強度と複数の位置ラジオマップの各々との類似度を計算により求めることにより、所定のエリア内の複数の位置の中から移動局の位置が推定される。
特許第5349695号公報
位置推定精度を高めるためには、位置ラジオマップを作成する際に、所定のエリア内における単位面積あたりの計測位置の数を増大する方法が考えられる。しかしながら、このような方法では、計測位置の数の増大に伴って位置ラジオマップの数が増大するので、計測した電波強度と全ての位置ラジオマップの各々との類似度を求めるための計算量が増大してしまうという課題が生じる。
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、移動局の位置を推定するのに要する計算量を抑制しながら、位置推定精度を高めることができる位置推定システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る位置推定システムは、固定局に対する移動局の位置を推定する位置推定システムであって、グループエリア内の複数の位置の各々と前記複数の位置の各々における電波強度との関係を示す複数の位置ラジオマップ、及び、前記複数の位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度と前記グループエリアとの関係を示す合成ラジオマップを記憶する記憶部と、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記合成ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する位置が含まれる前記グループエリアを推定する位置推定部と、を備える。
本態様によれば、位置推定部は、固定局と移動局との間の電波強度及び合成ラジオマップに基づいて、移動局が存在する位置が含まれるグループエリアを推定する。これにより、移動局の位置を段階的に推定することができるので、移動局の位置を推定するのに要する計算量を抑制しながら、位置推定精度を高めることができる。さらに、比較的高い位置推定精度が要求されるエリアと、比較的低い位置推定精度が要求されるエリアとが混在する状況であっても、適切な計算量で移動局の位置を推定することができる。
例えば、本発明の一態様に係る位置推定システムにおいて、前記位置推定部は、さらに、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び推定された前記グループエリア内の前記複数の位置の各々に対応する前記複数の位置ラジオマップに基づいて、前記複数の位置の中から前記移動局が存在する位置を推定するように構成してもよい。
本態様によれば、位置推定部は、固定局と移動局との間の電波強度及び複数の位置ラジオマップに基づいて、複数の位置の中から移動局が存在する位置を推定する。これにより、移動局の位置として、例えば「グループエリア→グループエリア内の複数の位置」と段階的に推定することができるので、移動局の位置を推定するのに要する計算量を抑制しながら、位置推定精度を高めることができる。
例えば、本発明の一態様に係る位置推定システムにおいて、前記グループエリアは複数設けられており、前記複数のグループエリアは、上位グループエリアを構成する複数の第1のグループエリア、及び、前記上位グループエリアを構成しない第2のグループエリアを有し、前記複数の位置は、前記複数の第1のグループエリア内に含まれる複数の第1の位置、前記上位グループエリア内に含まれ且つ前記複数の第1のグループエリア外に配置される複数の第2の位置、前記第2のグループエリア内に含まれる複数の第3の位置、及び、前記上位グループエリア外且つ前記第2のグループエリア外に配置される複数の第4の位置を有し、前記記憶部は、さらに、複数の前記合成ラジオマップと、前記複数の第1のグループエリアの各々に対応する前記複数の合成ラジオマップを合成することにより得られる電波強度と前記上位グループエリアとの関係を示す上位合成ラジオマップと、を記憶し、前記位置推定部は、前記移動局が前記上位グループエリア内に位置する場合には、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記上位合成ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する位置が含まれる前記上位グループエリアを推定し、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び推定された前記上位グループエリア内の前記複数の第1のグループエリアの各々に対応する前記複数の合成ラジオマップに基づいて、前記複数の第1のグループエリアの中から前記移動局が存在する位置が含まれる特定の第1のグループエリアを推定し、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び推定された前記特定の第1のグループエリア内の前記複数の第1の位置の各々に対応する前記複数の位置ラジオマップに基づいて、前記複数の第1の位置の中から前記移動局が存在する位置を推定し、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記複数の第2の位置の各々に対応する前記複数の位置ラジオマップに基づいて、前記複数の第2の位置の中から前記移動局が存在する位置を推定し、前記位置推定部は、さらに、前記移動局が前記第2のグループエリア内に位置する場合には、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記第2のグループエリアに対応する前記合成ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する位置が含まれる前記第2のグループエリアを推定し、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び推定された前記第2のグループエリア内の前記複数の第3の位置の各々に対応する前記複数の位置ラジオマップに基づいて、前記複数の第3の位置の中から前記移動局が存在する位置を推定し、前記位置推定部は、さらに、前記移動局が前記上位グループエリア外且つ前記第2のグループエリア外に位置する場合には、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記複数の第4の位置の各々に対応する前記複数の位置ラジオマップに基づいて、前記複数の第4の位置の中から前記移動局が存在する位置を推定するように構成してもよい。
本態様によれば、位置推定部は、固定局と移動局との間の電波強度及び上位合成ラジオマップに基づいて、移動局が存在する位置が含まれる上位グループエリアを推定する。これにより、移動局の位置として、例えば「上位グループエリア→複数の第1のグループエリア→特定の第1のグループエリア内の複数の位置」と段階的に推定することができるので、移動局が存在する位置を推定するのに要する計算量を抑制しながら、位置推定精度を高めることができる。
例えば、本発明の一態様に係る位置推定システムにおいて、前記グループエリア及び前記グループエリア内に含まれない前記位置から上位グループエリアを構成し、前記記憶部は、さらに、前記グループエリアに対応する前記合成ラジオマップ及び前記位置に対応する前記位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度と前記上位グループエリアとの関係を示す上位合成ラジオマップを記憶し、前記位置推定部は、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記上位合成ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する前記上位グループエリアを推定し、前記固定局と前記移動局との間の電波強度、前記合成ラジオマップ及び前記位置ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する前記グループエリア又は前記位置を推定し、前記移動局が前記グループエリア内に存在すると推定された場合には、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記グループエリア内の前記位置ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する前記位置を推定するように構成してもよい。
本態様によれば、位置推定部は、固定局と移動局との間の電波強度及び上位合成ラジオマップに基づいて、移動局が存在する位置が含まれる上位グループエリアを推定する。これにより、移動局の位置として、例えば「上位グループエリア→グループエリア→グループエリア内の位置」と段階的に推定することができるので、移動局が存在する位置を推定するのに要する計算量を抑制しながら、位置推定精度を高めることができる。
例えば、本発明の一態様に係る位置推定システムにおいて、前記記憶部は、さらに、前記グループエリアと前記グループエリアにおける電波強度の高次統計量との関係を示す高次統計量ラジオマップを記憶し、前記位置推定部は、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び/又は電波強度の高次統計量と、前記合成ラジオマップ及び/又は前記高次統計量ラジオマップとに基づいて、前記移動局が存在する位置が含まれる前記グループエリアを推定するように構成してもよい。
本態様によれば、位置推定部は、移動局が存在する位置が含まれるグループエリアを推定する際に、例えば合成ラジオマップに加えて高次統計量ラジオマップを用いることができる。これにより、位置推定精度をより一層高めることができる。
例えば、本発明の一態様に係る位置推定システムにおいて、前記記憶部は、さらに、前記位置と前記位置における電波強度の高次統計量との関係を示す高次統計量ラジオマップを記憶し、前記位置推定部は、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び/又は電波強度の高次統計量と、前記位置ラジオマップ及び/又は前記高次統計量ラジオマップとに基づいて、前記移動局が存在する位置を推定するように構成してもよい。
本態様によれば、位置推定部は、移動局が存在する位置を推定する際に、例えば位置ラジオマップに加えて高次統計量ラジオマップを用いることができる。これにより、位置推定精度をより一層高めることができる。
例えば、本発明の一態様に係る位置推定システムにおいて、前記記憶部は、さらに、前記上位グループエリアと前記上位グループエリアにおける電波強度の高次統計量との関係を示す高次統計量ラジオマップを記憶し、前記位置推定部は、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び/又は電波強度の高次統計量と、前記上位合成ラジオマップ及び/又は前記高次統計量ラジオマップとに基づいて、前記移動局が存在する位置が含まれる前記上位グループエリアを推定するように構成してもよい。
本態様によれば、位置推定部は、移動局が存在する位置が含まれる上位グループエリアを推定する際に、例えば上位合成ラジオマップに加えて高次統計量ラジオマップを用いることができる。これにより、位置推定精度をより一層高めることができる。
例えば、本発明の一態様に係る位置推定システムにおいて、前記位置推定部は、さらに、前記移動局が存在する位置、前記位置が含まれる前記グループエリア、及び/又は、前記位置及び/又は前記グループエリアが含まれる前記上位グループエリアを推定する際に、前記高次統計量と前記高次統計量ラジオマップに基づいて導出される閾値との比較に基づいて、当該高次統計量を位置推定に採用するか否かを判定するように構成してもよい。
本態様によれば、位置推定部は、移動局が存在する位置、グループエリア及び/又は上位グループエリアを推定する際に、高次統計量と閾値との比較に基づいて、当該高次統計量を位置推定に採用するか否かを判定する。例えば高次統計量が瞬間的に変動した場合に、当該高次統計量を位置推定に採用しないことにより、高次統計量と高次統計量ラジオマップとの乖離を抑制することができ、位置推定精度を高めることができる。
例えば、本発明の一態様に係る位置推定システムにおいて、前記位置推定部は、さらに、前記移動局が存在する位置、前記位置が含まれる前記グループエリア、及び/又は、前記位置及び/又は前記グループエリアが含まれる前記上位グループエリアを推定する際に、前記固定局と前記移動局との間の電波強度と前記位置ラジオマップに基づいて導出される閾値との比較に基づいて、当該電波強度を位置推定に採用するか否かを判定するように構成してもよい。
本態様によれば、位置推定部は、移動局が存在する位置(及び/又はグループエリア、上位グループエリア)を推定する際に、固定局と移動局との間の電波強度と閾値との比較に基づいて、当該電波強度を位置推定に採用するか否かを判定する。例えば固定局と移動局との間の電波強度が瞬間的に変動した場合に、当該電波強度を位置推定に採用しないことにより、固定局及び移動局間の電波強度と合成ラジオマップ(及び/又は位置ラジオマップ、上位合成ラジオマップ)との乖離を抑制することができ、位置推定精度を高めることができる。
本発明の一態様に係る位置推定システムによれば、移動局の位置を推定するのに要する計算量を抑制しながら、位置推定精度を高めることができる。
実施の形態1に係る位置推定システムの全体構成を示す図である。 複数の位置P13〜P45を複数のグループエリアG1〜G10によりグループ化した状態を示す図である。 複数の位置P1〜P45及び複数のグループエリアG1〜G10の木構造を示す図である。 実施の形態1に係る位置推定装置の機能的構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る移動局の機能的構成を示すブロック図である。 位置ラジオマップの作成方法の流れを示すフローチャートである。 各固定局についての電波強度の頻度分布の一例を示す図である。 図7Aの各頻度分布から作成した確率分布の一例を示す図である。 第10の合成ラジオマップの作成方法を説明するための図である。 第1の位置ラジオマップの一例を示す図である。 第3の位置ラジオマップの一例を示す図である。 第9の位置ラジオマップの一例を示す図である。 移動局の位置の推定方法の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2に係る位置推定装置の機能的構成を示すブロック図である。 グループエリアG1に対応する第1の合成ラジオマップの一例を示す図である。 グループエリアG1に対応する分散ラジオマップの一例を示す図である。 固定局及び移動局の位置関係と電波強度の分散との関連性を説明するための図である。 図13中の位置A1における電波強度の計測結果を示す図である。 図13中の位置A2における電波強度の計測結果を示す図である。 実施の形態3に係る位置推定装置の機能的構成を示すブロック図である。 第1の全合成ラジオマップの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
[1−1.位置推定システムの全体構成]
まず、図1〜図3を参照しながら、実施の形態1に係る位置推定システム2の全体構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る位置推定システム2の全体構成を示す図である。図2は、複数の位置P13〜P45を複数のグループエリアG1〜G10によりグループ化した状態を示す図である。図3は、複数の位置P1〜P45及び複数のグループエリアG1〜G10の木構造を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態の位置推定システム2は、位置推定装置4、移動局6、第1の固定局8、第2の固定局10及び第3の固定局12を備えている。位置推定システム2は、建物のフロア14における移動局6の位置を推定するためのシステムであり、例えば病院又は倉庫等における物品の所在を確認するために用いられる。フロア14は、図1中の破線の格子で示すように、複数の位置P1〜P45に仮想的に区画されている。
さらに、図2に示すように、複数の位置P13〜P45は、複数のグループエリアG1〜G10によりグループ化されている。なお、複数の位置P1〜P12(第4の位置)についてはグループ化されていない。
グループエリアG1(上位グループエリア)は、グループエリアG5(上位グループエリア)及びグループエリアG6(第1のグループエリア)を含んでいる。グループエリアG2(第2のグループエリア)は、複数の位置P25〜P32(第3の位置)を含んでいる。グループエリアG3(上位グループエリア)は、グループエリアG9(第1のグループエリア)及びグループエリアG10(第1のグループエリア)を含んでいる。グループエリアG4(第2のグループエリア)は、複数の位置P13〜P16(第3の位置)を含んでいる。グループエリアG5は、グループエリアG7(第1のグループエリア)及びグループエリアG8(第1のグループエリア)を含んでいる。グループエリアG6は、複数の位置P40〜P45(第1の位置)を含んでいる。グループエリアG7は、複数の位置P37〜P39(第1の位置)を含んでいる。グループエリアG8は、複数の位置P33〜P36(第1の位置)を含んでいる。グループエリアG9は、複数の位置P21〜P24(第1の位置)を含んでいる。グループエリアG10は、複数の位置P17〜P20(第1の位置)を含んでいる。
上述したように複数の位置P13〜P45がグループ化されることにより、複数の位置P1〜P45は、図3に示す木構造のように階層化される。図3に示す木構造は、TOPをルート、複数のグループエリアG1〜G10の各々をノード、複数の位置P1〜P45の各々をリーフとする木構造である。
なお、複数の位置P1〜P45の階層化は、例えば位置ラジオマップ(後述する)に対してk−means法等のクラスタリングを行うことにより自動で実行してもよく、あるいは、位置ラジオマップの類似度又は位置間の距離に応じて自動で実行してもよい。また、複数の位置P1〜P45の階層化は、例えばフロア14内の壁等の物理的な境界を考慮してユーザにより手動で実行してもよい。
また、複数の位置P1〜P45の階層化は、位置推定システム2の導入時に一度だけ実行してもよく、あるいは、所定期間毎に実行してもよい。また、複数の位置P1〜P45の階層化は、位置ラジオマップを更新する毎に実行してもよく、あるいは、任意のタイミングで実行してもよい。
さらに、複数の位置P1〜P45を階層化する際の階層数は、例えば2階層又は3階層以上でもよく、必要な位置推定精度又は許容できる計算時間(計算負荷)等に応じて任意に設定することができる。また、複数の位置P1〜P45を階層化する際に、異なる階層数が混在していてもよい。例えば、グループエリアG3は、グループエリアG9外且つグループエリアG10外に複数の位置(第2の位置)を含んでいてもよい。
位置推定装置4は、例えばフロア14内の位置P9に配置されている。位置推定装置4は、無線LAN(Local Area Network)に対応しており、移動局6、第1〜第3の固定局8,10及び12との間でそれぞれ無線通信することができる。位置推定装置4は、後述するようにして、第1〜第3の固定局8,10及び12に対する移動局6の位置を推定する。
第1〜第3の固定局8,10及び12はそれぞれ、フロア14内の位置P12,P42及びP37に配置されている。なお、第1〜第3の固定局8,10及び12のフロア14に対する位置は固定されている。第1〜第3の固定局8,10及び12は、例えば無線LANにおけるAP(Access Point)であり、移動局6との間で無線通信することができる。
移動局6は、フロア14内の複数の位置P1〜P45間を移動することができる。移動局6は、例えば無線LAN対応のIC(Integrated Circuit)タグであり、第1〜第3の固定局8,10及び12との間でそれぞれ無線通信することができる。移動局6がICタグである場合には、移動局6は、例えば病院又は倉庫等に配置されている物品に取り付けられる。
[1−2.位置推定装置の機能的構成]
次に、図4を参照しながら、位置推定装置4の機能的構成について説明する。図4は、実施の形態1に係る位置推定装置4の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、位置推定装置4は、通信部16、記憶部18及び位置推定部20を備えている。
通信部16は、移動局6、第1〜第3の固定局8,10及び12との間でそれぞれ無線通信するためのものである。通信部16は、例えば、移動局6から送信された電波強度の計測値を表す計測信号を受信する。
記憶部18は、複数の位置ラジオマップ及び複数の合成ラジオマップを記憶するメモリである。なお、本実施の形態では、位置ラジオマップ及び合成ラジオマップの各々の形式の一例として、確率分布に基づく位置ラジオマップを用いる場合について説明するが、これに限定されず、種々の形式の位置ラジオマップを用いることができる。
複数の位置ラジオマップは、第1〜第45の位置ラジオマップを含んでいる。第1〜第45の位置ラジオマップはそれぞれ、フロア14内の複数の位置P1〜P45と、複数の位置P1〜P45の各々における電波強度の確率分布(すなわち、第1〜第3の固定局8,10及び12からの電波強度の計測値の確率分布)との関係を示すデータである。位置ラジオマップの作成方法については後述する。
複数の合成ラジオマップは、第1〜第10の合成ラジオマップを含んでいる。第1〜第10の合成ラジオマップはそれぞれ、上述した複数のグループエリアG1〜G10に対応している。すなわち、第1の合成ラジオマップ(上位合成ラジオマップ)は、グループエリアG1と、グループエリアG1に含まれるグループエリアG5及びG7の各々に対応する第5及び第7の合成ラジオマップを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。第2の合成ラジオマップは、グループエリアG2と、グループエリアG2内の複数の位置P25〜P32の各々に対応する第25〜第32の位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。
第3の合成ラジオマップ(上位合成ラジオマップ)は、グループエリアG3と、グループエリアG3に含まれるグループエリアG9及びG10の各々に対応する第9及び第10の合成ラジオマップを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。第4の合成ラジオマップは、グループエリアG4と、グループエリアG4内の複数の位置P13〜P16の各々に対応する第13〜第16の位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。
第5の合成ラジオマップ(上位合成ラジオマップ)は、グループエリアG5と、グループエリアG5に含まれるグループエリアG7及びG8の各々に対応する第7及び第8の合成ラジオマップを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。第6の合成ラジオマップは、グループエリアG6と、グループエリアG6内の複数の位置P40〜P45の各々に対応する第40〜第45の位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。
第7の合成ラジオマップは、グループエリアG7と、グループエリアG7内の複数の位置P37〜P39の各々に対応する第37〜第39の位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。第8の合成ラジオマップは、グループエリアG8と、グループエリアG8内の複数の位置P33〜P36の各々に対応する第33〜第36の位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。
第9の合成ラジオマップは、グループエリアG9と、グループエリアG9内の複数の位置P21〜P24の各々に対応する第21〜第24の位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。第10の合成ラジオマップは、グループエリアG10と、グループエリアG10内の複数の位置P17〜P20の各々に対応する第17〜第20の位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。上述した合成ラジオマップの作成方法については後述する。
なお、例えばグループエリアG3がグループエリアG9外且つグループエリアG10外に複数の位置(第2の位置)を含んでいる場合には、第3の合成ラジオマップ(上位合成ラジオマップ)は、グループエリアG3と、グループエリアG3に含まれるグループエリアG9及びG10の各々に対応する第9及び第10の合成ラジオマップとグループエリアG3に含まれる複数の位置(第2の位置)の各々に対応する位置ラジオマップとを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。
位置推定部20は、尤度を計算することにより、第1〜第3の固定局8,10及び12に対する移動局6の位置として、複数の位置P1〜P45(又は複数のグループエリアG1〜G10)のいずれかを推定する。尤度とは、移動局6により計測された電波強度と、位置ラジオマップ(又は合成ラジオマップ)における電波強度の確率分布との類似度を表す値である。尤度の計算方法については後述する。
[1−3.移動局の機能的構成]
次に、図5を参照しながら、移動局6の機能的構成について説明する。図5は、実施の形態1に係る移動局6の機能的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、移動局6は、通信部22及び計測部24を備えている。
通信部22は、位置推定装置4、第1〜第3の固定局8,10及び12との間でそれぞれ無線通信するためのものである。通信部22は、例えば、第1〜第3の固定局8,10及び12の各々から送信されたビーコン(電波)を受信するとともに、計測部24により計測された電波強度の計測値を計測信号として位置推定装置4に送信する。
計測部24は、通信部22により受信されたビーコンの電波強度を計測する。なお、ビーコンには、第1〜第3の固定局8,10及び12にそれぞれ固有のMAC(Media Access Control)アドレスを表す信号が含まれる。計測部24は、ビーコンに含まれるMACアドレスを参照することにより、第1〜第3の固定局8,10及び12からそれぞれ送信されたビーコンの電波強度を個別に計測することができる。
[1−4.位置ラジオマップの作成方法]
次に、図1及び図6〜図7Bを参照しながら、位置ラジオマップの作成方法について説明する。図6は、位置ラジオマップの作成方法の流れを示すフローチャートである。図7Aは、第1〜第3の固定局8,10及び12の各々についての電波強度の頻度分布の一例を示す図である。図7Bは、図7Aの各頻度分布を混合正規分布から作成した確率分布の一例を示す図である。
まず、フロア14内の複数の位置P1〜P45の中から、電波強度を計測する位置として例えば位置P1を選択する(S1)。次に、第1〜第3の固定局8,10及び12の中から、電波強度を計測する固定局として例えば第1の固定局8を選択する(S2)。その後、選択された位置P1において、選択された第1の固定局8からの電波強度を複数回繰り返し計測する(S3)。なお、電波強度を計測する際には、上述した移動局6を用いてもよく、あるいは他の計測器等を用いてもよい。その後、計測された電波強度を蓄積することにより、電波強度の頻度分布を作成する(S4)。
ステップS1で選択された位置P1において、第1〜第3の固定局8,10及び12の全てについて電波強度の頻度分布が作成されていない場合には(S5でNO)、他の第2の固定局10及び第3の固定局12についても同様に、上述したステップS2〜S4が実行される。これにより、例えば図7Aに示すような電波強度の頻度分布が作成される。なお、図7Aにおいて、丸のプロット、四角のプロット及び三角のプロットはそれぞれ、第1〜第3の固定局8,10及び12からの電波強度の出現頻度を表している。
ステップS1で選択された位置P1において、第1〜第3の固定局8,10及び12の全てについて電波強度の頻度分布が作成された場合には(S5でYES)、フロア14内の全ての位置P1〜P45について電波強度の頻度分布が作成されたか否かが判断される(S6)。
フロア14内の全ての位置P1〜P45について電波強度の頻度分布が作成されていない場合には(S6でNO)、フロア14内の次の位置P2について上述と同様にしてステップS1〜S5が実行される。
フロア14内の全ての位置P1〜P45について電波強度の頻度分布が作成された場合には(S6でYES)、例えば図7Bに示すように、電波強度の頻度分布から確率分布を作成する(S7)。なお、図7Bにおいて、実線のグラフ、一点鎖線のグラフ及び破線のグラフはそれぞれ、第1〜第3の固定局8,10及び12からの電波強度の確率分布を表している。なお、本実施の形態では、頻度分布を混合正規分布によって近似することにより確率分布を作成する場合について説明するが、混合正規分布による近似に限定されず、その他の各種の方法により確率分布を作成することも可能である。
ここで、任意の頻度分布を十分に近似できるM個の正規分布からなる混合正規分布を用いることにより、各正規分布に対する重みW(m=1〜M)、平均μ及び分散σ の3M個のパラメータのみを用いて後述するようにして尤度を計算することができる。各パラメータは、例えばEM(Expectation Maximization)アルゴリズムによって推定することができる。
フロア14内の全ての位置P1〜P45に対して電波強度の確率分布の作成が完了することにより、位置P1〜P45にそれぞれ対応する第1〜第45の位置ラジオマップの作成が完了する。作成された第1〜第45の位置ラジオマップは、位置推定装置4の記憶部18に記憶される。
[1−5.合成ラジオマップの作成方法]
次に、図8を参照しながら、合成ラジオマップの作成方法について説明する。以下では、第1〜第10の合成ラジオマップのうち、一例として第10の合成ラジオマップの作成方法について説明する。図8は、第10の合成ラジオマップの作成方法を説明するための図である。図8の(a)は、第17〜第20の位置ラジオマップを示す図であり、図8の(b)は、第17〜第20の位置ラジオマップを合成した第10の合成ラジオマップを示す図である。
なお、説明の都合上、図8の(a)に示す第17〜第20の位置ラジオマップを表すグラフの形状、及び、図8の(b)に示す第10の合成ラジオマップを表すグラフの形状は、第1の固定局8に対する電波強度の確率分布をそれぞれ簡略的に表現してある。
上述したように、第10の合成ラジオマップは、グループエリアG10と、グループエリアG10内の複数の位置P17〜P20の各々に対応する第17〜第20の位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度の確率分布との関係を示すデータである。すなわち、グループエリアG10内の複数の位置P17〜P20の各々に対応する第17〜第20の位置ラジオマップ作成用のデータを用いて、第10の合成ラジオマップのパラメータを新たに学習する。これにより、図8の(a)及び(b)に示すように、第10の合成ラジオマップは、第17〜第20の位置ラジオマップを合成することにより作成される。
第10の合成ラジオマップ以外の第1〜第9の合成ラジオマップについても、上述と同様にして作成することができる。
なお、合成ラジオマップを作成する際に、対応するグループエリアに含まれる位置のパラメータを、合成ラジオマップのパラメータとして用いてもよい。合成ラジオマップとして混合正規分布を、位置ラジオマップとして単一正規分布を仮定した場合、例えば、グループエリアに含まれる位置の数を分布数とし、位置毎の電波強度の平均及び/又は分散を、そのまま混合正規分布の各分布のパラメータとして共有してもよい。これにより、パラメータの保存に必要なメモリ量を削減することができる。
また、グループエリアに含まれる位置に対応する位置ラジオマップ作成用のデータを用いて合成ラジオマップを新たに学習する場合には、グループエリアに含まれる位置のパラメータを、新たに学習した合成ラジオマップのパラメータで置き換えてもよい。位置ラジオマップとして単一正規分布を仮定した場合、例えば、平均については位置毎に独立に保有し、分散については合成ラジオマップ全体で共有してもよい。これにより、上述と同様に、パラメータの保存に必要なメモリ量を削減することができる。
なお、複数の位置ラジオマップ(又は複数の合成ラジオマップ)を合成するとは、複数の位置ラジオマップ(又は複数の合成ラジオマップ)に基づいて新たに合成ラジオマップを生成することをいう。例えば、複数の位置ラジオマップ(又は複数の合成ラジオマップ)の各々のデータの平均、加算又は重み付け等により、複数の位置ラジオマップ(又は複数の合成ラジオマップ)を合成することもできる。
[1−6.位置の推定方法]
次に、図1、図3及び図9A〜図10を参照しながら、移動局6の位置の推定方法について説明する。図9Aは、第1の位置ラジオマップの一例を示す図である。図9Bは、第3の位置ラジオマップの一例を示す図である。図9Cは、第9の位置ラジオマップの一例を示す図である。図10は、移動局の位置の推定方法の流れを示すフローチャートである。
位置推定装置4の位置推定部20は、尤度を計算することにより、移動局6の位置を推定する。まず、尤度の計算方法について説明する。電波強度の確率分布を混合正規分布により作成した場合、移動局6により計測された、N個の固定局のうちn番目(n=1〜N)の固定局(AP)からの電波強度をrとすると、位置Pにおける尤度L(P)は、次式1及び2を用いて計算される。
Figure 2016080505
Figure 2016080505
上式1及び2において、Wm,n(m=1〜M)はn番目の固定局の各正規分布に対する重み、μm,nはn番目の固定局の各正規分布に対する平均、σ m,nはn番目の固定局の各正規分布に対する分散を表している。上式1及び2により各位置Pにおける尤度L(P)が計算され、尤度L(P)が最も大きい位置Pが移動局6の位置であると推定される。
ここで、図9A〜図9Cを参照しながら、移動局6により計測された第1〜第3の固定局8,10及び12からの電波強度がそれぞれR1,R2及びR3(R1<R2<R3)であった場合に、位置P1,P3及びP9における尤度L(P),L(P)及びL(P)について説明する。
例えば、位置P1における第2の固定局10に対応する第1の尤度は、図9A中の第2の固定局10に対応する確率分布(一点鎖線のグラフ)における、電波強度R2に対する出現確率値(図9A中の電波強度R2における矢印参照)に対応する。同様に、位置P1における第1の固定局8に対する第2の尤度は、図9A中の第1の固定局8に対応する確率分布(実線のグラフ)における、電波強度R1に対する出現確率値に対応する。同様に、位置P1における第3の固定局12に対する第3の尤度は、図9A中の第3の固定局12に対応する確率分布(破線のグラフ)における、電波強度R3に対する出現確率値に対応する。位置P1における尤度L(P)は、上述した第1の尤度、第2の尤度及び第3の尤度の積を計算することにより求められる。
図9B及び図9Cに示すように、位置P3における尤度L(P)及び位置P9における尤度L(P)についても上述と同様にして計算される。なお、図9Cにおける電波強度R1及びR3に対する出現確率はそれぞれ非常に小さいため、出現確率値を示す矢印が付されていない。
図9A〜図9Cから理解されるように、尤度L(P),L(P)及びL(p)のうち尤度L(P)が最も大きいため、移動局6の位置は位置P3であると推定される。
次に、移動局6の位置の推定方法の流れについて説明する。図10に示すように、移動局6の計測部24は、第1〜第3の固定局8,10及び12の各々からの電波強度を計測する(S21)。移動局6の通信部22は、計測部24により計測された電波強度の計測値を計測信号として位置推定装置4に送信する(S22)。位置推定装置4の位置推定部20は、上述したように尤度を計算することにより、移動局6の位置を推定する(S23)。
まず、位置推定部20は、図3に示すように、TOPに属している複数の位置P1〜P12及び複数のグループエリアG1〜G4について、移動局6の位置を推定する。すなわち、位置推定部20は、第1〜第12の位置ラジオマップ及び第1〜第4の合成ラジオマップの各々について尤度を計算することにより、移動局6の位置を推定する。
移動局6の位置としてグループエリアG1〜G4のいずれかが推定されなかった場合(換言すると、複数の位置P1〜P12のいずれかが推定された場合)には(S24でNO)、位置推定部20による移動局6の位置推定が終了する。
一方、移動局6の位置としてグループエリアG1〜G4のいずれかが推定された場合には(S24でYES)、移動局6の位置として複数の位置P1〜P45のいずれかが推定されるまで、上述したステップS23及びS24が繰り返し実行される。
例えば、移動局6の位置としてグループエリアG1が推定された場合には(S24でYES)、位置推定部20は、図3に示すように、グループエリアG1をTOPとみなすことにより、グループエリアG5及びG6について移動局6の位置を推定する。すなわち、位置推定部20は、第5及び第6の合成ラジオマップの各々について尤度を計算することにより、移動局6の位置を推定する。
その後、例えば移動局6の位置としてグループエリアG5が推定された場合には(S24でYES)、位置推定部20は、図3に示すように、グループエリアG5をTOPとみなすことにより、グループエリアG7及びG8について移動局6の位置を推定する。すなわち、位置推定部20は、第7及び第8の合成ラジオマップの各々について尤度を計算することにより、移動局6の位置を推定する。
その後、例えば移動局6の位置としてグループエリアG8が推定された場合には(S24でYES)、位置推定部20は、図3に示すように、グループエリアG8をTOPとみなすことにより、複数の位置P33〜P36について移動局6の位置を推定する。すなわち、位置推定部20は、第33〜第36の位置ラジオマップの各々について尤度を計算することにより、移動局6の位置を推定する。その後、例えば移動局6の位置として位置P33が推定された場合には(S24でNO)、位置推定部20による移動局6の位置推定が終了する。
[1−7.効果]
次に、本実施の形態の位置推定システム2により得られる効果について説明する。上述したように、複数の位置P1〜P45を階層化することにより、移動局6の位置を、例えば「TOP→位置P1〜P12及びグループエリアG1〜G4→グループエリアG5及びG6→グループエリアG7及びG8→位置P33〜P36」のように段階的に推定することができる。その結果、移動局6の位置を推定するのに要する計算量を抑制しながら、位置推定精度を高めることができる。
例えば、従来の方法で移動局6の位置P1を推定する場合には、フロア14内の全ての位置P1〜P45について計45回の計算(例えば尤度の計算等)が必要になる。これに対して、本発明の方法で移動局6の位置として位置P1を推定する場合には、複数の位置P1〜P12及び複数のグループエリアG1〜G4について計16回の計算で済む。さらに、本発明の方法で最も階層が深い移動局6の位置として位置P33を推定する場合であっても、複数の位置P1〜P12,P33〜P36及び複数のグループエリアG1〜G8について計24回の計算で済む。このように、移動局6の位置として位置P1〜P45のいずれかが推定されるまで、移動局6の位置を段階的に推定することにより、全ての位置P1〜P45について位置推定の計算を行う場合と同じ解像度を保持したまま、移動局6の位置を推定するのに要する計算量を抑制することができる。
さらに、位置推定精度が低くてもよい場合には、移動局6の位置として位置P1〜P45のいずれかが推定される前に、移動局6の位置推定を終了してもよい。例えば、移動局6がグループエリアG4内に位置していることが分かればよく、グループエリアG4における位置推定精度が低くてもよい場合がある。このような場合には、グループエリアG4については、移動局6の位置としてグループエリアG4が推定された時点で、移動局6の位置推定を終了してもよい。これにより、グループエリアG4内の複数の位置P13〜P16の各々についての計4回の計算を削減することができる。
通信方法として無線LANを使用して本発明の効果を検証した。従来の方法(全ての位置について計算を行う方法)及び本発明の方法の各々について、位置推定を6500回行うことにより、位置推定誤差及び計算時間をそれぞれ評価した。なお、複数の位置の階層化は手動で行った。従来の方法では、位置推定誤差は1.7mであった。これに対して、本発明の方法では、位置推定誤差は1.8mであり、従来の方法と同程度であった。このとき、本発明の方法の計算時間は、従来の方法の計算時間を1.0としたときの相対時間で、0.39であった。すなわち、本発明の方法では、従来の方法と比較して、位置推定誤差の低下を0.1mに抑えながら、計算時間を約61%削減することができた。
(実施の形態2)
次に、図11〜図14Bを参照しながら、実施の形態2に係る位置推定システムの構成について説明する。図11は、実施の形態2に係る位置推定装置4Aの機能的構成を示すブロック図である。図12Aは、グループエリアG1に対応する第1の合成ラジオマップの一例を示す図である。図12Bは、グループエリアG1に対応する分散ラジオマップの一例を示す図である。図13は、固定局及び移動局の位置関係と電波強度の分散との関連性を説明するための図である。図14Aは、図13中の位置A1における電波強度の計測結果を示す図である。図14Bは、図13中の位置A2における電波強度の計測結果を示す図である。なお、以下の各実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
なお、本実施の形態では、上記実施の形態1と同様に、位置ラジオマップ及び合成ラジオマップの各々の形式の一例として、確率分布に基づく位置ラジオマップを用いる場合について説明するが、これに限定されず、種々の形式の位置ラジオマップを用いることができる。
[2−1.位置推定装置の機能的構成]
図11に示すように、本実施の形態の位置推定装置4Aの記憶部18Aは、複数の位置ラジオマップ及び複数の合成ラジオマップに加えて、複数の分散ラジオマップ(高次統計量ラジオマップ)を記憶している。複数の分散ラジオマップは、複数の位置P1〜P45及び複数のグループエリアG1〜G10と、第1〜第45の位置ラジオマップ及び第1〜第10の合成ラジオマップの各々における電波強度の分散(高次統計量)の確率分布との関係を示すデータである。例えば、グループエリアG1に対応する分散ラジオマップは、グループエリアG1に対応する第1の合成ラジオマップを作成する際に用いられた電波強度の分散の確率分布に基づいて作成される。
位置推定装置4Aの位置推定部20Aは、移動局6(図1参照)と第1〜第3の固定局8,10及び12(図1参照)の各々との間の電波強度、電波強度の分散、複数の位置ラジオマップ、複数の合成ラジオマップ及び複数の分散ラジオマップに基づいて、移動局6の位置として複数の位置P1〜P45(又はグループエリアG1〜G10)のいずれかを推定する。
[2−2.位置の推定方法]
次に、図12A及び図12Bを参照しながら、移動局6の位置の推定方法について説明する。なお、説明の都合上、図12Aでは、グループエリアG1に対応する第1の合成ラジオマップのうち、第1の固定局8に対応する電波強度の確率分布のみを図示している。また、説明の都合上、図12Bでは、グループエリアG1に対応する分散ラジオマップのうち、第1の固定局8に対応する電波強度の分散の確率分布のみを図示している。
移動局6により計測された第1〜第3の固定局8,10及び12からの電波強度がそれぞれR4,R5及びR6であり、且つ、移動局6により計測された第1〜第3の固定局8,10及び12からの電波強度の分散がそれぞれV1,V2及びV3である場合に、上記実施の形態1と同様にグループエリアG1における尤度を計算する。
例えば、第1の合成ラジオマップにおける第1の固定局8に対応する第1の尤度は、図12A中の第1の固定局8に対応する確率分布における、電波強度R4に対する出現確率値(図12A中の電波強度R4における矢印参照)に対応する。同様にして、第1の合成ラジオマップにおける第2の固定局10及び第3の固定局12にそれぞれ対応する第2の尤度及び第3の尤度を求めることができる。
さらに、グループエリアG1に対応する分散ラジオマップにおける第1の固定局8に対する第4の尤度は、図12B中の第1の固定局8に対応する確率分布における、電波強度の分散V1に対する出現確率値(図12B中の電波強度の分散V1における矢印参照)に対応する。同様にして、グループエリアG1に対応する分散ラジオマップにおける第2の固定局10及び第3の固定局12にそれぞれ対応する第5の尤度及び第6の尤度を求めることができる。
グループエリアG1における尤度は、上述した第1〜第6の尤度の積を計算することにより求められる。
[2−3.効果]
ここで、固定局及び移動局の位置関係と電波強度の分散との関連性について説明する。図13に示すように、建物のフロア14A内に第4の固定局26及び第5の固定局28が配置されている場合において、位置A1及びA2でそれぞれ電波強度を計測した。位置A1は第4の固定局26により近い位置であり、位置A2は第5の固定局28により近い位置である。
図14Aに示すように、位置A1では、第4の固定局26からの電波強度は第5の固定局28からの電波強度よりも大きくなった。一方、図14Bに示すように、位置A2では、第5の固定局28からの電波強度は第4の固定局26からの電波強度よりも大きくなった。このことから、固定局及び移動局の位置関係と電波強度との間には相関があることが分かる。
さらに、位置A1では、第4の固定局26からの電波強度の分散は10.15であり、第5の固定局28からの電波強度の分散は1.22であった。一方、位置A2では、第4の固定局26からの電波強度の分散は0.95であり、第5の固定局28からの電波強度の分散は5.45であった。このことから、固定局及び移動局の位置関係と電波強度の分散との間にも相関があることが分かる。
したがって、本実施の形態では、移動局6の位置を推定する際に、位置ラジオマップ及び合成ラジオマップに加えて分散ラジオマップを利用することにより、移動局6の位置をより精度良く推定することができる。
なお、通信方法として無線LANを使用して、4個の固定局を設置した場合の本発明の効果を検証した。従来の方法(電波強度のみを利用して位置推定を行う方法)では、位置推定誤差が5.2mであったのに対し、本発明の方法では、位置推定誤差が3.7mとなった。すなわち、本発明の方法では、従来の方法と比較して、位置推定誤差を1.5m低減することができた。
なお、本実施の形態では、高次統計量として分散(2次)を用いたが、これに限定されず、例えばより高次の歪度(3次)又は尖度(4次)等を、単独、あるいは、複数組み合わせて用いてもよい。
なお、位置推定部20Aは、移動局6と第1〜第3の固定局8,10及び12の各々との間の電波強度、電波強度の分散、複数の位置ラジオマップ、複数の合成ラジオマップ及び複数の分散ラジオマップのうち任意の組み合わせに基づいて、移動局6の位置として複数の位置P1〜P45(又はグループエリアG1〜G10)のいずれかを推定してもよい。
(実施の形態3)
次に、図15及び図16を参照しながら、実施の形態3に係る位置推定システムの構成について説明する。図15は、実施の形態3に係る位置推定装置4Bの機能的構成を示すブロック図である。図16は、第1の全合成ラジオマップの一例を示す図である。
なお、本実施の形態では、上記実施の形態1及び2と同様に、位置ラジオマップ及び合成ラジオマップの各々の形式の一例として、確率分布に基づく位置ラジオマップを用いる場合について説明するが、これに限定されず、種々の形式の位置ラジオマップを用いることができる。
[3−1.位置推定装置の機能的構成]
図15に示すように、本実施の形態の位置推定装置4Bの記憶部18Bは、複数の位置ラジオマップ及び複数の合成ラジオマップに加えて、第1〜第3の全合成ラジオマップを記憶している。第1〜第3の全合成ラジオマップはそれぞれ、第1〜第45の位置ラジオマップを第1〜第3の固定局8,10及び12(図1参照)毎に合成した電波強度の確率分布を示すデータである。例えば、図16に示す第1の全合成ラジオマップは、第1〜第45の位置ラジオマップの各々の第1の固定局8に対応する電波強度の確率分布を合成したデータである。同様に、第2の全合成ラジオマップは、第1〜第45の位置ラジオマップの各々の第2の固定局10に対応する電波強度の確率分布を合成したデータである。また、第3の全合成ラジオマップは、第1〜第45の位置ラジオマップの各々の第2の固定局10に対応する電波強度の確率分布を合成したデータである。
位置推定装置4Bの位置推定部20Bは、移動局6(図1参照)の位置として複数の位置P1〜P45(及び/又は複数のグループエリアG1〜G10)のいずれかを推定する際に、第1〜第3の固定局8,10及び12の各々からの電波強度と第1〜第3の全合成ラジオマップの各々の確率分布の最小値(第1の閾値)及び最大値(第2の閾値)との比較に基づいて、当該電波強度を位置推定に採用するか否かを判定する。なお、第1の閾値及び第2の閾値はそれぞれ、第1〜第3の全合成ラジオマップの基となる第1〜第45の位置ラジオマップに基づいて導出される閾値である。
例えば、位置推定部20Bは、第1の固定局8からの電波強度が第1の閾値以上且つ第2の閾値以下である場合(すなわち、図16中の採用区間に含まれる場合)に、当該電波強度を位置推定に採用すると判定する。また、位置推定部20Bは、第1の固定局8からの電波強度が第1の閾値未満である又は第2の閾値よりも大きい場合(すなわち、図16中の棄却区間に含まれる場合)に、当該電波強度を棄却し、位置推定に採用しないと判定する。
なお、本実施の形態では、第1の閾値及び第2の閾値を両方用いるようにしたが、第1の閾値及び第2の閾値の一方のみを用いてもよい。
[3−2.効果]
一般に、例えば大きな物体が空間を移動することにより、第1〜第3の固定局8,10及び12の各々と移動局6との間の通信経路が瞬間的に大きく変動した場合には、第1〜第3の固定局8,10及び12の各々からの電波強度が瞬間的に変動することがある。このように瞬間的に変動した電波強度を用いて移動局6の位置を推定した場合には、位置推定の際に計測された電波強度と位置ラジオマップ(又は合成ラジオマップ)との乖離が大きくなるため、移動局6の位置を精度良く推定することができない。
本実施の形態では、位置推定部20Bは、1回の電波強度のサンプリング値が棄却区間に含まれる場合に、当該電波強度が瞬間的に変動したと判断し、当該電波強度を棄却し、位置推定に採用しないと判定する。一方、位置推定部20Bは、1回の電波強度のサンプリング値が採用区間に含まれる場合に、当該電波強度が安定していると判断し、当該電波強度を位置推定に採用すると判定する。これにより、計測された電波強度と位置ラジオマップ(又は合成ラジオマップ)との乖離を検知し、当該電波強度を位置推定に採用しないようにすることができ、移動局6の位置を精度良く推定することができる。
なお、通信方法として無線LANを使用して、6個の固定局を設置した場合の本発明の効果を検証した。従来の方法(電波強度の平均化処理により電波強度の瞬間的な変動を抑制する方法)では、瞬間的な電波強度の変動による位置推定誤り率を29%低減できたのに対し、本発明の方法では、位置推定誤り率を67%低減することができた。すなわち、本発明の方法では、従来の方法と比較して、位置推定誤り率を約2倍低減することができた。
なお、本実施の形態では、位置推定部20Bは、1回の電波強度のサンプリング値に基づいて当該電波強度を位置推定に採用するか否かを判定したが、複数回の電波強度のサンプリング値に基づいて当該電波強度を位置推定に採用するか否かを判定してもよい。例えば、位置推定部20Bは、電波強度のサンプリング値が所定回数以上連続して棄却区間に含まれる場合(又は、複数回の電波強度のサンプリング値のうち所定割合(例えば50%)以上のサンプリング値が棄却区間に含まれる場合)に、当該電波強度を棄却し、位置推定に採用しないと判定してもよい。
また、本実施の形態では、第1〜第3の全合成ラジオマップの各々の確率分布の最小値及び最大値をそれぞれ第1の閾値及び第2の閾値として設定したが、例えば確率分布の最小値及び最大値にそれぞれ所定の値(例えば、確率分布の10パーセンタイル値)を加えた値をそれぞれ第1の閾値及び第2の閾値として設定してもよい。
また、本実施の形態では、位置推定部20Bは、1回の電波強度のサンプリング値が棄却区間に含まれる場合に、当該電波強度を棄却し、位置推定に採用しないと判定したが、移動局6の位置推定の実行をキャンセルしてもよい。この場合、位置推定装置4Bは、位置推定の実行をキャンセルした旨(又は通信環境が不安定である旨)を上位の装置又はユーザ等に通知してもよい。
また、位置ラジオマップ又は合成ラジオマップの作成時に、電波強度の確率分布のうち棄却区間に含まれる観測データを予め除外して、位置ラジオマップ又は合成ラジオマップを作成してもよい。
また、上述した構成に代えて、位置推定部20Bは、移動局6の位置として複数の位置P1〜P45(及び/又は複数のグループエリアG1〜G10)のいずれかを推定する際に、電波強度の分散(高次統計量)と分散ラジオマップ(高次統計量ラジオマップ)に基づいて導出される閾値との比較に基づいて、当該高次統計量を位置推定に採用するか否かを判定するようにしてもよい。上記閾値は、例えば、複数の分散ラジオマップを第1〜第3の固定局8,10及び12毎に合成した全分散ラジオマップの確率分布の最小値又は最大値である。あるいは、位置推定部20Bは、電波強度を位置推定に採用するか否かを判定するとともに、電波強度の分散を位置推定に採用するか否かを判定するようにしてもよい。
(実施の形態3の変形例)
上記実施の形態3では、位置推定部20Bは、第1〜第3の全合成ラジオマップを用いて第1〜第3の固定局8,10及び12の各々からの電波強度を位置推定に採用するか否かを判定したが、例えば次のようにして電波強度を位置推定に採用するか否かを判定してもよい。
以下では、固定局がI個、フロア14(図1参照)内の位置がG個ある場合を例として説明する。位置ラジオマップの作成時に、フロア14内の各位置で固定局毎にN個の信号の電波強度を計測する場合について考える。g番目(g=1〜G)の位置について、i番目(i=1〜I)の固定局からのn番目(n=1〜N)の信号の電波強度をPmap(g,i,n)とする。位置ラジオマップの作成時に、全てのPmap(g,i,n)の中から最大値であるPMAXmap及び最小値であるPMINmapをそれぞれ事前に求めておく。
次に、位置推定時において、i番目の固定局からの信号の電波強度をPobs(i)としたとき、位置推定部20Bは、Pobs(i)が次式3を満たすか否かを判定する。
Pobs(i)−PMAXmap≦εMAX、且つ、PMINmap−Pobs(i)≦εMIN (式3)
上式3において、εMAXは、全てのPmap(g,i,n)の中の最大値に対する許容変化量を表し、εMINは、全てのPmap(g,i,n)の中の最小値に対する許容変化量を表す。なお、(PMAXmap+εMAX)及び(PMINmap−εMIN)はそれぞれ、複数の位置ラジオマップに基づいて導出される閾値である。
位置推定部20Bは、Pobs(i)が上式3を満たす場合には、電波強度が安定していると判断し、当該電波強度を位置推定に採用すると判定する。一方、位置推定部20Bは、Pobs(i)が上式3を満たさない場合には、電波強度が瞬間的に変動したと判断し、当該電波強度を棄却し、位置推定に採用しないと判定する。これにより、上記実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
なお、1回の判定でI個の固定局からの電波強度のうち所定割合(例えば50%)以上の電波強度が棄却された場合には、移動局6の位置推定の実行をキャンセルしてもよい。
(変形例等)
以上、本発明の位置推定システムについて、実施の形態1〜3に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。これらの実施の形態に対して当業者が思い付く変形を施して得られる形態、及び、これらの実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に含まれる。
上記各実施の形態では、移動局6をICタグで構成したが、これに限定されず、例えば無線LAN対応の携帯端末(スマートフォン等)で構成してもよい。
上記各実施の形態では、無線LANによる無線通信を採用したが、これに限定されず、例えば赤外線、超音波、Bluetooth(登録商標)等による無線通信を採用することもできる。
上記各実施の形態では、フロア14に3個の第1〜第3の固定局8,10及び12を配置したが、これに限定されず、例えば1個、2個又は4個以上の固定局を配置してもよい。
上記各実施の形態では、移動局6の2次元的な位置を推定したが、これに限定されず、移動局6の3次元的な位置を推定することもできる。
上記各実施の形態では、第1〜第3の固定局8,10及び12の各々からの電波強度に基づいて移動局6の位置を推定したが、これに限定されず、移動局6からの電波強度に基づいて移動局6の位置を推定してもよい。あるいは、第1〜第3の固定局8,10及び12の各々からの電波強度及び移動局6からの電波強度の両方に基づいて移動局6の位置を推定してもよい。
上記各実施の形態では、位置ラジオマップ及び合成ラジオマップの各々の形式の一例として、確率分布に基づく位置ラジオマップを用いる場合について説明したが、これに限定されず、種々の形式の位置ラジオマップを用いることができる。例えば、電波強度の値そのものに基づく形式のラジオマップを用いた場合には、SVM(Support Vector Machine)又はk−NN(k−Nearest Neighbor)等のアルゴリズムによって位置を推定することもできる。
本発明は、例えば病院又は倉庫等における物品の位置を管理するための位置推定システム等として適用することができる。
2 位置推定システム
4,4A,4B 位置推定装置
6 移動局
8 第1の固定局
10 第2の固定局
12 第3の固定局
14,14A フロア
16,22 通信部
18,18A,18B 記憶部
20,20A,20B 位置推定部
24 計測部
26 第4の固定局
28 第5の固定局

Claims (9)

  1. 固定局に対する移動局の位置を推定する位置推定システムであって、
    グループエリア内の複数の位置の各々と前記複数の位置の各々における電波強度との関係を示す複数の位置ラジオマップ、及び、前記複数の位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度と前記グループエリアとの関係を示す合成ラジオマップを記憶する記憶部と、
    前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記合成ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する位置が含まれる前記グループエリアを推定する位置推定部と、を備える
    位置推定システム。
  2. 前記位置推定部は、さらに、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び推定された前記グループエリア内の前記複数の位置の各々に対応する前記複数の位置ラジオマップに基づいて、前記複数の位置の中から前記移動局が存在する位置を推定する
    請求項1に記載の位置推定システム。
  3. 前記グループエリアは複数設けられており、
    前記複数のグループエリアは、上位グループエリアを構成する複数の第1のグループエリア、及び、前記上位グループエリアを構成しない第2のグループエリアを有し、
    前記複数の位置は、前記複数の第1のグループエリア内に含まれる複数の第1の位置、前記上位グループエリア内に含まれ且つ前記複数の第1のグループエリア外に配置される複数の第2の位置、前記第2のグループエリア内に含まれる複数の第3の位置、及び、前記上位グループエリア外且つ前記第2のグループエリア外に配置される複数の第4の位置を有し、
    前記記憶部は、さらに、
    複数の前記合成ラジオマップと、
    前記複数の第1のグループエリアの各々に対応する前記複数の合成ラジオマップを合成することにより得られる電波強度と前記上位グループエリアとの関係を示す上位合成ラジオマップと、を記憶し、
    前記位置推定部は、前記移動局が前記上位グループエリア内に位置する場合には、
    前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記上位合成ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する位置が含まれる前記上位グループエリアを推定し、
    前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び推定された前記上位グループエリア内の前記複数の第1のグループエリアの各々に対応する前記複数の合成ラジオマップに基づいて、前記複数の第1のグループエリアの中から前記移動局が存在する位置が含まれる特定の第1のグループエリアを推定し、
    前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び推定された前記特定の第1のグループエリア内の前記複数の第1の位置の各々に対応する前記複数の位置ラジオマップに基づいて、前記複数の第1の位置の中から前記移動局が存在する位置を推定し、
    前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記複数の第2の位置の各々に対応する前記複数の位置ラジオマップに基づいて、前記複数の第2の位置の中から前記移動局が存在する位置を推定し、
    前記位置推定部は、さらに、前記移動局が前記第2のグループエリア内に位置する場合には、
    前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記第2のグループエリアに対応する前記合成ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する位置が含まれる前記第2のグループエリアを推定し、
    前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び推定された前記第2のグループエリア内の前記複数の第3の位置の各々に対応する前記複数の位置ラジオマップに基づいて、前記複数の第3の位置の中から前記移動局が存在する位置を推定し、
    前記位置推定部は、さらに、前記移動局が前記上位グループエリア外且つ前記第2のグループエリア外に位置する場合には、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記複数の第4の位置の各々に対応する前記複数の位置ラジオマップに基づいて、前記複数の第4の位置の中から前記移動局が存在する位置を推定する
    請求項1又は2に記載の位置推定システム。
  4. 前記グループエリア及び前記グループエリア内に含まれない前記位置から上位グループエリアを構成し、
    前記記憶部は、さらに、前記グループエリアに対応する前記合成ラジオマップ及び前記位置に対応する前記位置ラジオマップを合成することにより得られる電波強度と前記上位グループエリアとの関係を示す上位合成ラジオマップを記憶し、
    前記位置推定部は、
    前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記上位合成ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する前記上位グループエリアを推定し、
    前記固定局と前記移動局との間の電波強度、前記合成ラジオマップ及び前記位置ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する前記グループエリア又は前記位置を推定し、
    前記移動局が前記グループエリア内に存在すると推定された場合には、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び前記グループエリア内の前記位置ラジオマップに基づいて、前記移動局が存在する前記位置を推定する
    請求項1又は2に記載の位置推定システム。
  5. 前記記憶部は、さらに、前記グループエリアと前記グループエリアにおける電波強度の高次統計量との関係を示す高次統計量ラジオマップを記憶し、
    前記位置推定部は、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び/又は電波強度の高次統計量と、前記合成ラジオマップ及び/又は前記高次統計量ラジオマップとに基づいて、前記移動局が存在する位置が含まれる前記グループエリアを推定する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の位置推定システム。
  6. 前記記憶部は、さらに、前記位置と前記位置における電波強度の高次統計量との関係を示す高次統計量ラジオマップを記憶し、
    前記位置推定部は、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び/又は電波強度の高次統計量と、前記位置ラジオマップ及び/又は前記高次統計量ラジオマップとに基づいて、前記移動局が存在する位置を推定する
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の位置推定システム。
  7. 前記記憶部は、さらに、前記上位グループエリアと前記上位グループエリアにおける電波強度の高次統計量との関係を示す高次統計量ラジオマップを記憶し、
    前記位置推定部は、前記固定局と前記移動局との間の電波強度及び/又は電波強度の高次統計量と、前記上位合成ラジオマップ及び/又は前記高次統計量ラジオマップとに基づいて、前記移動局が存在する位置が含まれる前記上位グループエリアを推定する
    請求項3又は4に記載の位置推定システム。
  8. 前記位置推定部は、さらに、前記移動局が存在する位置、前記位置が含まれる前記グループエリア、及び/又は、前記位置及び/又は前記グループエリアが含まれる前記上位グループエリアを推定する際に、前記高次統計量と前記高次統計量ラジオマップに基づいて導出される閾値との比較に基づいて、当該高次統計量を位置推定に採用するか否かを判定する
    請求項5〜7のいずれか1項に記載の位置推定システム。
  9. 前記位置推定部は、さらに、前記移動局が存在する位置、前記位置が含まれる前記グループエリア、及び/又は、前記位置及び/又は前記グループエリアが含まれる前記上位グループエリアを推定する際に、前記固定局と前記移動局との間の電波強度と前記位置ラジオマップに基づいて導出される閾値との比較に基づいて、当該電波強度を位置推定に採用するか否かを判定する
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の位置推定システム。
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