JP2016080465A - 圧力検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電シートを用いた圧力検出装置において、温度変化に伴う検出感度の変化を減らす。
【解決手段】圧力検出装置100において、支持基板1は、圧力が作用する入力面1aと、縁部が支持される背面1bとを有する。第1圧電シート3aは、支持基板1の背面1bの中央部に配置されている。第2圧電シート3bは、第1圧電シート3aの支持基板1と反対側において、第1圧電シート3aに対向して配置されている。第1検出電極4aは、第1圧電シート3aの第2圧電シート3bと反対側に配置されている。第2検出電極4bは、第2圧電シート3bの第1圧電シート3aと反対側に配置されている。中間接着層8は、第1圧電シート3aと第2圧電シート3bとの間に配置され、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上である。
【選択図】図2
【解決手段】圧力検出装置100において、支持基板1は、圧力が作用する入力面1aと、縁部が支持される背面1bとを有する。第1圧電シート3aは、支持基板1の背面1bの中央部に配置されている。第2圧電シート3bは、第1圧電シート3aの支持基板1と反対側において、第1圧電シート3aに対向して配置されている。第1検出電極4aは、第1圧電シート3aの第2圧電シート3bと反対側に配置されている。第2検出電極4bは、第2圧電シート3bの第1圧電シート3aと反対側に配置されている。中間接着層8は、第1圧電シート3aと第2圧電シート3bとの間に配置され、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上である。
【選択図】図2
Description
本発明は、圧力検出装置、特に、バイモルフ又はモノモルフを用いた圧力検出装置に関する。
タッチパネルへの押圧量を検出するための装置として、圧電シートを用いた圧力センサが知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に示すタッチ入力装置では、感圧センサが、可撓性を有するタッチパネルの平面上に互いに密着するように重ねられている。
圧力センサが1枚の圧電シートからなるモノモルフの場合、圧電シートの両面に電荷検出用電極が設けられ、圧電シートは接着剤によってガラスに貼り合わされている。
圧力センサが2枚の圧電シートからなるバイモルフの場合、2枚の圧電シートは接着剤によって互いに貼り合わされてバイモルフ構造を形成し、さらにバイモルフ構造が接着剤によってガラスに貼り合わされている。
圧力センサが1枚の圧電シートからなるモノモルフの場合、圧電シートの両面に電荷検出用電極が設けられ、圧電シートは接着剤によってガラスに貼り合わされている。
圧力センサが2枚の圧電シートからなるバイモルフの場合、2枚の圧電シートは接着剤によって互いに貼り合わされてバイモルフ構造を形成し、さらにバイモルフ構造が接着剤によってガラスに貼り合わされている。
従来の圧力センサでは、温度変化が生じると、検出感度が大きく変化してしまう問題があった。本願の発明者は、この問題の原因について研究を行い、その結果、検出感度の変化の原因の一つが温度変化に伴う接着剤の硬度の変化であることを突き止めた。
特に、アクリル系の接着剤は、低温では硬いが、高温では軟らかくなる傾向が顕著である。
特に、アクリル系の接着剤は、低温では硬いが、高温では軟らかくなる傾向が顕著である。
本発明の課題は、圧電シートを用いた圧力検出装置において、温度変化に伴う検出感度の変化を減らすことにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る圧力検出装置は、外部から加えられた圧力によって発生する2枚の圧電シート間の電位差に基づいて圧力を検出するための装置である。圧力検出装置は、シート部材と、第1圧電シートと、第2圧電シートと、第1検出電極と、第2検出電極と、弾性体とを備えている。
シート部材は、圧力が作用する第1面と、縁部が支持される第2面とを有する。
第1圧電シートは、シート部材の第2面の中央部に配置されている。
第2圧電シートは、第1圧電シートのシート部材と反対側において、第1圧電シートに対向して配置されている。
第1検出電極は、第1圧電シートの第2圧電シートと反対側に配置されている。
第2検出電極は、第2圧電シートの第1圧電シートと反対側に配置されている。
弾性体は、第1圧電シートと第2圧電シートとの間に配置され、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上である。
シート部材は、圧力が作用する第1面と、縁部が支持される第2面とを有する。
第1圧電シートは、シート部材の第2面の中央部に配置されている。
第2圧電シートは、第1圧電シートのシート部材と反対側において、第1圧電シートに対向して配置されている。
第1検出電極は、第1圧電シートの第2圧電シートと反対側に配置されている。
第2検出電極は、第2圧電シートの第1圧電シートと反対側に配置されている。
弾性体は、第1圧電シートと第2圧電シートとの間に配置され、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上である。
この装置では、シート部材の第1面の中央部が押されると、シート部材は縁部が他の部材に支持されながらたわむ。その結果、第1圧電シート及び第2圧電シートもたわむ。このときに、第1圧電シートと第2圧電シートとの間に配置された弾性体は使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上であるので、温度変化が生じた場合において、圧力検出装置の押圧検出感度の変化が少なくなる。
弾性体は接着剤であってもよい。
弾性体は接着剤であってもよい。
本発明の他の見地に係る圧力検出装置は、外部から加えられた圧力によって発生する1枚の圧電シートの電位差に基づいて圧力を検出するための装置である。圧力検出装置は、シート部材と、圧電シートと、第1検出電極と、第2検出電極と、弾性体とを備えている。
シート部材は、圧力が作用する第1面と、縁部が支持される第2面とを有する。
圧電シートは、シート部材の第2面の中央部に配置されている。
第1検出電極は、圧電シートのシート部材側に配置されている。
第2検出電極は、圧電シートのシート部材と反対側に配置されている。
弾性体は、シート部材と圧電シートとの間に配置され、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上である。
シート部材は、圧力が作用する第1面と、縁部が支持される第2面とを有する。
圧電シートは、シート部材の第2面の中央部に配置されている。
第1検出電極は、圧電シートのシート部材側に配置されている。
第2検出電極は、圧電シートのシート部材と反対側に配置されている。
弾性体は、シート部材と圧電シートとの間に配置され、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上である。
この装置では、シート部材の第1面の中央部が押されると、シート部材は縁部が他の部材に支持されながらたわむ。その結果、圧電シートもたわむ。このときに、シート部材と圧電シートとの間に配置された弾性体は使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上であるので、温度変化が生じた場合において、圧力検出装置の押圧検出感度の変化が少なくなる。
弾性体は接着剤であってもよい。
弾性体は接着剤であってもよい。
圧力検出装置は、シート部材と圧電シートとの間に配置された第1シートをさらに備えていてもよい。その場合、弾性体は、シート部材と第1シートとの間に配置された第1弾性体と、第1シートと圧電シートとの間に配置された第2弾性体とを有している。
この装置では、第1弾性体と第2弾性体は使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上であるので、温度変化が生じた場合において、圧力検出装置の押圧検出感度の変化が少なくなる。
この装置では、第1弾性体と第2弾性体は使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上であるので、温度変化が生じた場合において、圧力検出装置の押圧検出感度の変化が少なくなる。
本発明に係る圧力検出装置では、温度変化に伴う検出感度の変化が少なくなる。
1.第1実施形態
(1)圧力検出装置の概要
図1及び図2を用いて、本発明の第1実施形態としての圧力検出装置100を説明する。図1は、電子機器の斜視図である。図2は、図1におけるII−II断面の断面図あり、第1実施形態の圧力検出装置の断面図である。
圧力検出装置100は、指又はペンによって押された場合の押圧力(荷重)の大きさを測定するための装置である。なお、以下の説明では、使用時にユーザから見て手前側(図2の上側)を圧力検出装置100の「入力面側」といい、ユーザから見て奥側(図2の下側)を圧力検出装置100の「奥側」という。
(1)圧力検出装置の概要
図1及び図2を用いて、本発明の第1実施形態としての圧力検出装置100を説明する。図1は、電子機器の斜視図である。図2は、図1におけるII−II断面の断面図あり、第1実施形態の圧力検出装置の断面図である。
圧力検出装置100は、指又はペンによって押された場合の押圧力(荷重)の大きさを測定するための装置である。なお、以下の説明では、使用時にユーザから見て手前側(図2の上側)を圧力検出装置100の「入力面側」といい、ユーザから見て奥側(図2の下側)を圧力検出装置100の「奥側」という。
図1に示すように、電子機器110は、主に、筐体6と、圧力検出装置100とを備えている。筐体6は、矩形枠状であり、合成樹脂製である。圧力検出装置100は、筐体6内に収容されている。
さらに詳細には、筐体6は、入力面側に向かって矩形状に開口する凹部6aを有している。凹部6aは、段差を有するように形成されており、この段差部分が支持部6bとなっている。支持部6bは、凹部6aの形状に対応しており、つまり矩形枠状に形成されている。支持部6bは、後述する支持基板1の背面1bの縁部に対応しており、支持基板1に作用する圧力を支持するための構造である。凹部6aにおいて、支持部6bよりも入力面側の第1領域には後述の支持基板1が収納され、背面側の第2領域には後述する圧電シート3や検出電極4が収納されている。
凹部6aにおいて、第1領域の側面は支持基板1とわずかな隙間を空けて接し、第2領域の側面は圧力検出装置100にわずかな隙間を空けて接している。また、筐体6の底面と圧力検出装置100との間には、空間部7が設けられている。
凹部6aにおいて、第1領域の側面は支持基板1とわずかな隙間を空けて接し、第2領域の側面は圧力検出装置100にわずかな隙間を空けて接している。また、筐体6の底面と圧力検出装置100との間には、空間部7が設けられている。
圧力検出装置100は、主に、支持基板1と、圧電シート3と、検出電極4と備えている。圧力検出装置100の基本動作として、支持基板1が押されると圧力検出装置100がたわみ、圧電シート3には引張応力が加わるとともに、電荷が発生する。そして、2枚の検出電極4がその電荷を検出することで、圧力検出装置100に加えられた押圧力を検出できる。
より詳細には、圧力検出装置100は、入力面側から背面側に向かって、支持基板1、第1接着層2、第1検出電極4a、第1圧電シート3a、中間接着層8、第2圧電シート3b、第2検出電極4b、第2接着層10、第2シート9を有している。以下、各構成を説明する。なお、図2及び他の断面図は、説明の便宜のために、各層の位置及び厚みを適宜調整している。
より詳細には、圧力検出装置100は、入力面側から背面側に向かって、支持基板1、第1接着層2、第1検出電極4a、第1圧電シート3a、中間接着層8、第2圧電シート3b、第2検出電極4b、第2接着層10、第2シート9を有している。以下、各構成を説明する。なお、図2及び他の断面図は、説明の便宜のために、各層の位置及び厚みを適宜調整している。
(2)支持基板
支持基板1(シート部材の一例)は、シート状の部材であり、筐体6の支持部6b及び支持部6bで囲われた領域を覆うように配置される。圧力検出装置100の入力面1a(第1面の一例)を有している。支持基板1は、入力面1aと反対側に背面1b(第2面の一例)を有している。支持基板1の背面1bの縁部は支持部6bに支持されるように固定されている。
支持基板1(シート部材の一例)は、シート状の部材であり、筐体6の支持部6b及び支持部6bで囲われた領域を覆うように配置される。圧力検出装置100の入力面1a(第1面の一例)を有している。支持基板1は、入力面1aと反対側に背面1b(第2面の一例)を有している。支持基板1の背面1bの縁部は支持部6bに支持されるように固定されている。
支持基板1は、保護板として、透明性、耐傷性、及び防汚性等を具備していることが好ましい。支持基板1の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやアクリル系樹脂等の汎用樹脂、ポリアセタール系樹脂やポリカーボネート系樹脂等の汎用エンジニアリング樹脂、ポリスルホン系樹脂やポリフェニレサルファイド系樹脂等のスーパーエンジニアリング樹脂、ガラスがある。
なお、支持基板1の厚みは、例えば0.4mm〜1.0mmである。
なお、支持基板1の厚みは、例えば0.4mm〜1.0mmである。
(3)圧電シート
圧電シート3は、第1接着層2を介して、支持基板1の背面1bに固定されている。なお、圧電シート3は、支持基板1の背面1bの中央部に配置されている。
第1接着層2は例えば透明光学接着剤が用いられる。そのような例としては、感圧接着剤(Pressure sensitive Adhesive、以後「PSA」という)がある。第1接着層2のAの厚みは、5μm〜300μmである。
この実施形態では、第1接着層2の弾性係数は、限定されない。なお、第1接着層2の材料は、例えば、アクリル系やシリコーン系、エポキシ系接着剤である。第1接着層2は、上記接着剤を接着後にUV硬化又は熱硬化によって硬化されることが好ましい。
圧電シート3は、第1接着層2を介して、支持基板1の背面1bに固定されている。なお、圧電シート3は、支持基板1の背面1bの中央部に配置されている。
第1接着層2は例えば透明光学接着剤が用いられる。そのような例としては、感圧接着剤(Pressure sensitive Adhesive、以後「PSA」という)がある。第1接着層2のAの厚みは、5μm〜300μmである。
この実施形態では、第1接着層2の弾性係数は、限定されない。なお、第1接着層2の材料は、例えば、アクリル系やシリコーン系、エポキシ系接着剤である。第1接着層2は、上記接着剤を接着後にUV硬化又は熱硬化によって硬化されることが好ましい。
圧電シート3は、押圧力が加えられたわみが発生すると、両面に押圧力に応じた電位差を発生するシートである。圧電シート3は、第1圧電シート3aと第2圧電シート3bとから構成されている。両シートは同じ形状であり、互いに対向している。第1圧電シート3aは支持基板1の背面1b側に配置され、第2圧電シート3bは第1圧電シート3aの背面側(第1圧電シート3aの支持基板1と反対側)に配置されている。第1圧電シート3aと第2圧電シート3bは、PSAからなる中間接着層8を介して互いに接着されている。中間接着層8については後述する。
(4)検出電極
検出電極4は、第1検出電極4aと、第2検出電極4bとからなる。第1検出電極4aは支持基板1(具体的には、第1接着層2)と第1圧電シート3aの間(つまり、第1圧電シート3aの第2圧電シート3bと反対側)に配置され、第2検出電極4bは第2圧電シート3bと第2シート9(具体的には、第2接着層10)との間(つまり、第2圧電シート3bの第1圧電シート3aと反側)に配置される。
なお、第1検出電極4a及び第2検出電極4bは、導電性を有する材料により構成される。導電性を有する材料としては、インジウム−スズ酸化物(Indium−Tin−Oxide、ITO)、スズ−亜鉛酸化物(Tin−Zinc−Oxide、TZO)などのような透明導電酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(Polyethylenedioxythiophene、PEDOT)などの導電性高分子、などを用いることができる。この実施形態では、第1検出電極4a及び第2検出電極4bは、例えば、蒸着やスクリーン印刷などを用いて第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bの面にそれぞれ直接形成されている。
なお、検出電極4の厚みは、例えば1nm〜30,000nmである。
検出電極4は、第1検出電極4aと、第2検出電極4bとからなる。第1検出電極4aは支持基板1(具体的には、第1接着層2)と第1圧電シート3aの間(つまり、第1圧電シート3aの第2圧電シート3bと反対側)に配置され、第2検出電極4bは第2圧電シート3bと第2シート9(具体的には、第2接着層10)との間(つまり、第2圧電シート3bの第1圧電シート3aと反側)に配置される。
なお、第1検出電極4a及び第2検出電極4bは、導電性を有する材料により構成される。導電性を有する材料としては、インジウム−スズ酸化物(Indium−Tin−Oxide、ITO)、スズ−亜鉛酸化物(Tin−Zinc−Oxide、TZO)などのような透明導電酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(Polyethylenedioxythiophene、PEDOT)などの導電性高分子、などを用いることができる。この実施形態では、第1検出電極4a及び第2検出電極4bは、例えば、蒸着やスクリーン印刷などを用いて第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bの面にそれぞれ直接形成されている。
なお、検出電極4の厚みは、例えば1nm〜30,000nmである。
また、導電性を有する材料として、銅、銀などの導電性の金属を用いてもよい。この場合、上記の検出電極は、蒸着により圧電シートに形成してもよく、銅ペースト、銀ペーストなどの金属ペーストを用いて形成してもよい。なお、金属からなる検出電極は、透光性を向上させるために、メッシュ構造であってもよい。
なお、検出電極は、蒸着やスクリーン印刷などを用いて樹脂フィルムなどの表面に形成したものを、支持基板や圧電シートに接着剤で固着してもよい。
さらに、導電性を有する材料として、バインダー中に、カーボンナノチューブ、金属粒子、金属ナノファイバーなどの導電材料が分散したものを用いてもよい。
なお、検出電極は、蒸着やスクリーン印刷などを用いて樹脂フィルムなどの表面に形成したものを、支持基板や圧電シートに接着剤で固着してもよい。
さらに、導電性を有する材料として、バインダー中に、カーボンナノチューブ、金属粒子、金属ナノファイバーなどの導電材料が分散したものを用いてもよい。
(5)第2シート及び第2接着層
第2シート9は、第2検出電極4bを保護するための部材である。具体的には、第2シート9は、透明樹脂フィルムであって、例えば、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、又は、ポリカーボネート(PC)樹脂などで構成されている。
第2接着層10は、第1接着層2と同様の材料である。
(6)検出器
検出器(図示せず)は、検出電極が検出した電圧信号から押圧量を検出する装置である。検出器はオペアンプを用いたチャージアンプなどから構成される。
第2シート9は、第2検出電極4bを保護するための部材である。具体的には、第2シート9は、透明樹脂フィルムであって、例えば、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、又は、ポリカーボネート(PC)樹脂などで構成されている。
第2接着層10は、第1接着層2と同様の材料である。
(6)検出器
検出器(図示せず)は、検出電極が検出した電圧信号から押圧量を検出する装置である。検出器はオペアンプを用いたチャージアンプなどから構成される。
(7)押圧手段
なお、圧力検出装置100に押圧を加える押圧手段としては、押圧を加えることができるものであれば、特に限定されない。押圧手段としては、例えば指やスタイラスベンなどを挙げることができる。
なお、圧力検出装置100に押圧を加える押圧手段としては、押圧を加えることができるものであれば、特に限定されない。押圧手段としては、例えば指やスタイラスベンなどを挙げることができる。
(8)圧電シートの詳細説明
第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bの材料は、強誘電体材料をシート状に成形したのちに厚み方向に分極させたシートを用いることができる。強誘電体材料としては、PVDFや、PVDFとTrFEやETFEなどの共重合体、PZTがある。第1圧電シート3aと第2圧電シート3bは互いに分極方向が上下逆になるように積層される。または、ポリ乳酸などの光学活性体を用いることもできる。例えば、第1圧電シート3aにPLLAを、第2圧電シート3bにPDLAをそれぞれ用いてもよい。
第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bの材料の組み合わせは特に限定されない。ただし、両シートは同じ特性を有する材料が用いられることが好ましい。温度変化による熱応力と焦電効果によって生じる圧電シートからの不要な出力をキャンセルできるからである。
第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bの材料は、強誘電体材料をシート状に成形したのちに厚み方向に分極させたシートを用いることができる。強誘電体材料としては、PVDFや、PVDFとTrFEやETFEなどの共重合体、PZTがある。第1圧電シート3aと第2圧電シート3bは互いに分極方向が上下逆になるように積層される。または、ポリ乳酸などの光学活性体を用いることもできる。例えば、第1圧電シート3aにPLLAを、第2圧電シート3bにPDLAをそれぞれ用いてもよい。
第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bの材料の組み合わせは特に限定されない。ただし、両シートは同じ特性を有する材料が用いられることが好ましい。温度変化による熱応力と焦電効果によって生じる圧電シートからの不要な出力をキャンセルできるからである。
(9)中間接着層
前述したように、第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bの間には、中間接着層8(弾性体の一例)が配置されている。中間接着層8には、例えばPSAが用いられる。
中間接着層8は、従来に比べて硬い材料からなり、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上である。中間接着層8の弾性係数は、好ましくは、10MPa以上である。以上より、中間接着層8は、第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bの間で、比較的弾性係数が高い弾性体として機能している。なお、使用温度範囲とは、例えば、0℃〜40℃の範囲である。
前述したように、第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bの間には、中間接着層8(弾性体の一例)が配置されている。中間接着層8には、例えばPSAが用いられる。
中間接着層8は、従来に比べて硬い材料からなり、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上である。中間接着層8の弾性係数は、好ましくは、10MPa以上である。以上より、中間接着層8は、第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bの間で、比較的弾性係数が高い弾性体として機能している。なお、使用温度範囲とは、例えば、0℃〜40℃の範囲である。
中間接着層8は、上記の弾性係数を実現すればよく、材料の種類は特に限定されない。ただし、中間接着層8は、貼り合わせるときは柔らかい状態で,貼り合わせてから硬化させるタイプの接着剤であることが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤やシリコーン系粘着剤からなる。
なお、中間接着層8として弾性係数が低い材料が選ばれた場合には、温度変化に対する弾性係数の変化率が低い(例えば、±500%程度)条件を満たす材料であることが望ましく、その場合に例えばシリコーン系粘着剤が選ばれる。
中間接着層8の厚みは、5μm以上である。より好ましくは、中間接着層8の厚みは、25〜100μmの範囲である。
なお、中間接着層8として弾性係数が低い材料が選ばれた場合には、温度変化に対する弾性係数の変化率が低い(例えば、±500%程度)条件を満たす材料であることが望ましく、その場合に例えばシリコーン系粘着剤が選ばれる。
中間接着層8の厚みは、5μm以上である。より好ましくは、中間接着層8の厚みは、25〜100μmの範囲である。
以下、圧力検出装置100に押圧を加えた場合の電荷発生メカニズムを説明する。
圧力検出装置100に押圧を加えたとき、支持基板1は圧電シート3や検出電極4に比べて高い剛性を有しているため、圧電シート3(第1圧電シート3aと第2圧電シート3b)には引張応力が生じる。このとき、第1圧電シート3aには引張応力σuが生じ、第2圧電シート3bには引張応力σlが生じる。その結果、第1圧電シート3aと第2圧電シート3bの入力面側の面と背面側の面には、上記引張応力に応じた電荷がそれぞれ発生する。そして、発生した電荷によって、第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bのそれぞれの入力面側と背面側の面との間には電位差が発生する。第1圧電シート3aの間で発生する電位差V1’は、第1圧電シート3a入力面側の電位と背面側の電位との差であり、電位差V1’は引張応力σuの大きさに比例している。第2圧電シート3bの間で発生する電位差V2’は、第2圧電シート3bの入力面側の電位と背面側の電位との差であり、電位差V2’は引張応力σlの大きさに比例している。
圧力検出装置100に押圧を加えたとき、支持基板1は圧電シート3や検出電極4に比べて高い剛性を有しているため、圧電シート3(第1圧電シート3aと第2圧電シート3b)には引張応力が生じる。このとき、第1圧電シート3aには引張応力σuが生じ、第2圧電シート3bには引張応力σlが生じる。その結果、第1圧電シート3aと第2圧電シート3bの入力面側の面と背面側の面には、上記引張応力に応じた電荷がそれぞれ発生する。そして、発生した電荷によって、第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bのそれぞれの入力面側と背面側の面との間には電位差が発生する。第1圧電シート3aの間で発生する電位差V1’は、第1圧電シート3a入力面側の電位と背面側の電位との差であり、電位差V1’は引張応力σuの大きさに比例している。第2圧電シート3bの間で発生する電位差V2’は、第2圧電シート3bの入力面側の電位と背面側の電位との差であり、電位差V2’は引張応力σlの大きさに比例している。
前記第1実施形態では、第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bの間に配置されていた弾性体は中間接着層8だけであった。しかし、弾性係数において上記の特性を満たす弾性体であれば接着層のみの構成には限定されない。例えば、弾性体はコアシート及び両面の接着剤から構成されていてもよい。また、弾性体の一部に光学的特性を実現するシートが用いられてもよい。
この圧力検出装置100では、支持基板1の入力面1aの中央部が押されると、支持基板1は縁部が他の部材に支持されながらたわむ。その結果、第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bもたわむ。このときに、第1圧電シート3aと第2圧電シート3bとの間に配置された弾性体は使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上であるので、温度変化が生じた場合の中間接着層8の硬度の変化が少ない。その結果、温度変化が生じた場合において、圧力検出装置100の押圧検出感度の変化が少なくなる。
この圧力検出装置100では、支持基板1の入力面1aの中央部が押されると、支持基板1は縁部が他の部材に支持されながらたわむ。その結果、第1圧電シート3a及び第2圧電シート3bもたわむ。このときに、第1圧電シート3aと第2圧電シート3bとの間に配置された弾性体は使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上であるので、温度変化が生じた場合の中間接着層8の硬度の変化が少ない。その結果、温度変化が生じた場合において、圧力検出装置100の押圧検出感度の変化が少なくなる。
以下に第1実施形態の原理と効果を示すためにおこなったシミュレーション結果を説明する。シミュレーションは、上記実施形態と同様の構造であり、ガラス(支持基板1に相当)にバイモルフ(圧電シート3に相当)を貼合わせ、四辺を土台(電子機器110の筐体6に相当)に両面テープで固定した圧力検出装置(圧力検出装置100に相当)を想定した。この圧力検出装置において、ガラスの中央部に1Nの力を加えるという条件を採用した。
ガラスは、サイズを120mm×60mmとして、厚みを0.55mmとして、弾性係数を70GPaとした。圧電シートは、フィルム状のPVDFの共重合体とした。圧電シートは厚みを0.03mmとした。PSA1(第1接着層2に相当)、PSA2(第2接着層10に相当)、及びPSAmid(中間接着層8に相当)は、アクリル系粘着剤とした。PSAmidは厚みを0.040mmとした。PSA1及びPSA2は厚みを0.025mmとした。PETは厚みを0.05mmとした。シミュレーションには、FEMシミュレーションソフトを用いた。
シミュレーション結果を下記の表1と図3に示す。図3は、接着層の弾性係数に対する圧電出力の変化を示すグラフである。表1及び図3中の圧電出力とは、第1検出電極4aと第2検出電極4bの間に発生する電位差である。
シミュレーション結果を下記の表1と図3に示す。図3は、接着層の弾性係数に対する圧電出力の変化を示すグラフである。表1及び図3中の圧電出力とは、第1検出電極4aと第2検出電極4bの間に発生する電位差である。
表1のシミュレーションNo.A3〜A6、A9〜12、A15〜A18、A21〜A24、A27〜A30が本実施形態の最低限の条件(PSAmidの弾性係数が所望の範囲にあること)を満たしている実施例であり、シミュレーションNo.A1〜A2,A7〜A8、A13〜A14、A19〜A20、A25〜A26が本実施形態の最低限の条件を満たしていない参考例である。
以上より、PSAで貼り合せて形成したバイモルフ構造の場合は、PSAmid(弾性体としての中間接着層8)は使用温度範囲内での弾性係数が1MPa以上であれば、所望のレベルの圧電出力が得られ、しかも弾性係数が変化しても圧電出力の値に大きな変化はない。つまり、使用温度内で常に1MPa以上であれば、温度変化によってPSAmid(つまり、中間接着層8)の硬度が変化しても、圧電出力に大きな変化は生じない。
また、上記の効果は、PSA1(つまり、第1接着層2)及びPSA2(つまり、第2接着層10)の弾性係数にかかわらず得られることが、シミュレーション結果から分かる。より詳細には、PSA1及びPSA2の弾性係数が低くなれば圧電出力は高くなっているが、その影響は、PSAmid(つまり、中間接着層8)の使用温度範囲内での弾性係数が1MPa以上の領域では、小さい。
また、上記の効果は、PSA1(つまり、第1接着層2)及びPSA2(つまり、第2接着層10)の弾性係数にかかわらず得られることが、シミュレーション結果から分かる。より詳細には、PSA1及びPSA2の弾性係数が低くなれば圧電出力は高くなっているが、その影響は、PSAmid(つまり、中間接着層8)の使用温度範囲内での弾性係数が1MPa以上の領域では、小さい。
2.第2実施形態
(1)圧力検出装置の概要
図4を用いて、本発明の第2実施形態としての圧力検出装置100Aを説明する。図4は、第2実施形態の圧力検出装置の断面図である。
圧力検出装置100Aの基本的な構造は第1実施形態と同様である。したがって、以下、異なる点を中心に説明する。
(1)圧力検出装置の概要
図4を用いて、本発明の第2実施形態としての圧力検出装置100Aを説明する。図4は、第2実施形態の圧力検出装置の断面図である。
圧力検出装置100Aの基本的な構造は第1実施形態と同様である。したがって、以下、異なる点を中心に説明する。
圧力検出装置100Aは、入力面側から背面側に向かって、支持基板1、第1接着層2、第1検出電極4a、圧電シート3、第2検出電極4b、第2接着層10、第2シート9を有している。
各層及び材料は、第1実施形態において符号が同一のものと同じである。したがって、それらの説明は適宜省略される。
各層及び材料は、第1実施形態において符号が同一のものと同じである。したがって、それらの説明は適宜省略される。
(2)圧電シート
圧電シート3は、第1接着層2を介して、支持基板1の背面1bに固定されている。なお、圧電シート3は、支持基板1の背面1bの中央部に配置されている。圧電シート3は、押圧力が加えられたわみが発生すると、両面に加えられた押圧力に応じた電位差を発生するシートである。圧電シート3は、第1実施形態とは異なり、単一のシートから構成されている。
(3)検出電極
検出電極4は、第1検出電極4aと、第2検出電極4bとからなる。第1検出電極4aは圧電シート3の入力面側に配置され、第2検出電極4bは圧電シート3の背面側に配置される。
圧電シート3は、第1接着層2を介して、支持基板1の背面1bに固定されている。なお、圧電シート3は、支持基板1の背面1bの中央部に配置されている。圧電シート3は、押圧力が加えられたわみが発生すると、両面に加えられた押圧力に応じた電位差を発生するシートである。圧電シート3は、第1実施形態とは異なり、単一のシートから構成されている。
(3)検出電極
検出電極4は、第1検出電極4aと、第2検出電極4bとからなる。第1検出電極4aは圧電シート3の入力面側に配置され、第2検出電極4bは圧電シート3の背面側に配置される。
第1接着層2(弾性体の一例)は、従来に比べて硬い材料からなり、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上である。第1接着層2の弾性係数は、好ましくは、10MPa以上である。以上より、第1接着層2は、圧電シート3と支持基板1との間で、比較的弾性係数が高い弾性体として機能している。
第1接着層2は、上記の弾性係数を実現すればよく、材料の種類は特に限定されない。ただし、第1接着層2は、貼り合わせるときは柔らかい状態で,貼り合わせてから硬化させるタイプの接着剤であることが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤やシリコーン系粘着剤からなる。
第1接着層2は、上記の弾性係数を実現すればよく、材料の種類は特に限定されない。ただし、第1接着層2は、貼り合わせるときは柔らかい状態で,貼り合わせてから硬化させるタイプの接着剤であることが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤やシリコーン系粘着剤からなる。
なお、第1接着層2として弾性係数が低い材料が選ばれた場合には、温度変化に対する弾性係数の変化率が低い(例えば、±500%程度)条件を満たす材料であることが望ましく、その場合に例えばシリコーン系粘着剤が選ばれる。
前記第2実施形態では、支持基板1と圧電シート3との間に配置されていた弾性体は第1接着層2だけであった。しかし、弾性係数において上記の特性を満たす弾性体であれば接着層のみの構成には限定されない。例えば、弾性体はコアシート及び両面の接着剤から構成されていてもよい。また、弾性体の一部に光学的特性を実現するシートが用いられてもよい。
この圧力検出装置100Aでは、支持基板1の入力面1aの中央部が押されると、支持基板1は縁部が他の部材に支持されながらたわむ。その結果、圧電シート3もたわむ。このときに、支持基板1と圧電シート3との間に配置された弾性体は使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上であるので、温度変化が生じた場合の第1接着層2の硬度の変化が少ない。その結果、温度変化が生じた場合において、圧力検出装置100Aの押圧検出感度の変化が少なくなる。
前記第2実施形態では、支持基板1と圧電シート3との間に配置されていた弾性体は第1接着層2だけであった。しかし、弾性係数において上記の特性を満たす弾性体であれば接着層のみの構成には限定されない。例えば、弾性体はコアシート及び両面の接着剤から構成されていてもよい。また、弾性体の一部に光学的特性を実現するシートが用いられてもよい。
この圧力検出装置100Aでは、支持基板1の入力面1aの中央部が押されると、支持基板1は縁部が他の部材に支持されながらたわむ。その結果、圧電シート3もたわむ。このときに、支持基板1と圧電シート3との間に配置された弾性体は使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上であるので、温度変化が生じた場合の第1接着層2の硬度の変化が少ない。その結果、温度変化が生じた場合において、圧力検出装置100Aの押圧検出感度の変化が少なくなる。
以下に第2実施形態の原理と効果を示すためにおこなったシミュレーション結果を説明する。シミュレーションは、上記実施形態と同様の構造であり、ガラス(支持基板1に相当)にモノモルフ(圧電シート3に相当)を貼合わせ、四辺を土台(電子機器110の筐体6に相当)に両面テープで固定した圧力検出装置(圧力検出装置100Aに相当)を想定した。この圧力検出装置において、ガラスの中央部に1Nの力を加えるという条件を採用した。
圧電シートは、フィルム状のPVDFの共重合体とした。ガラスは、サイズを120mm×60mmとして、厚みを0.55mmとして、弾性係数を70GPaとした。圧電シートは厚みを0.03mmとした。PSA1(第1接着層2に相当)及びPSA2(第2接着層10に相当)は、アクリル系粘着剤とした。PSA1及びPSA2は、厚みを0.025mmとした。PETは厚みを0.05mmとして、弾性係数を3GPaとした。シミュレーションには、FEMシミュレーションソフトを用いた。
シミュレーション結果を下記の表2と図5に示す。図5は、接着層の弾性係数に対する圧電出力の変化を示すグラフである。
シミュレーション結果を下記の表2と図5に示す。図5は、接着層の弾性係数に対する圧電出力の変化を示すグラフである。
表2のシミュレーションNo.B3〜B6、B9〜12、B15〜B18が本実施形態の最低限の条件(PSA1の弾性係数が所望の範囲にあること)を満たしている実施例であり、シミュレーションNo.B1〜B2,B7〜B8、B13〜B14が本実施形態の最低限の条件を満たしていない参考例である。
以上をまとめると、モノモルフ構造の場合は、PSA1(つまり、第1接着層2)が1MPa以上であれば、所望のレベルの圧電出力が得られ、しかも弾性係数が変化しても圧電出力の値に大きな変化はない。つまり、この場合、温度変化によってPSA1の硬度が変化しても、圧電出力に大きな変化は生じない。
また、上記の効果は、PSA2(つまり、第2接着層10)の弾性係数にかかわらず得られることが、シミュレーション結果から分かる。より詳細には、PSA2の弾性係数が低くなれば圧電出力は高くなっているが、その影響は、PSA1(つまり、第1接着層2)の使用温度範囲内での弾性係数が1MPa以上の領域では、小さい。
また、上記の効果は、PSA2(つまり、第2接着層10)の弾性係数にかかわらず得られることが、シミュレーション結果から分かる。より詳細には、PSA2の弾性係数が低くなれば圧電出力は高くなっているが、その影響は、PSA1(つまり、第1接着層2)の使用温度範囲内での弾性係数が1MPa以上の領域では、小さい。
実施例3は、圧電シート(圧電シート3に相当)の材料を、フィルム状のPLLAの共重合体に変更した。それ以外の条件は、実施例2と同じである。
ガラスは厚みを0.55mmとして、弾性係数を70GPaとした。圧電シートは厚みを0.03mmとした。PSA1(第1接着層2に相当)及びPSA2(第2接着層10に相当)は厚みを0.025mmとした。PETは厚みを0.05mmとして、弾性係数が3GPaとした。
シミュレーション結果を下記の表3と図6に示す。図6は、接着層の弾性係数に対する圧電出力の変化を示すグラフである。
ガラスは厚みを0.55mmとして、弾性係数を70GPaとした。圧電シートは厚みを0.03mmとした。PSA1(第1接着層2に相当)及びPSA2(第2接着層10に相当)は厚みを0.025mmとした。PETは厚みを0.05mmとして、弾性係数が3GPaとした。
シミュレーション結果を下記の表3と図6に示す。図6は、接着層の弾性係数に対する圧電出力の変化を示すグラフである。
表3のシミュレーションNo.C3〜C6、C10〜C13C17〜C20が本実施形態の最低限の条件(PSA1の弾性係数が所望の範囲にあること)を満たしている実施例であり、シミュレーションNo.C1〜C2,C8〜C9、C15〜C16が本実施形態の最低限の条件を満たしていない参考例である。
以上より、モノモルフ構造の場合は、PSA1(つまり、第1接着層2)が1MPa以上であれば、所望のレベルの圧電出力が得られ、しかも弾性係数が変化しても圧電出力の値に大きな変化はない。つまり、温度変化によってPSA1の硬度が変化しても、圧電出力に大きな変化は生じない。
また、上記の効果は、PSA2(つまり、第2接着層10)の弾性係数にかかわらず得られることが、シミュレーション結果から分かる。より詳細には、PSA2の弾性係数が低くなれば圧電出力は高くなっているが、その影響は、PSA1(つまり、第1接着層2)の使用温度範囲内での弾性係数が1MPa以上の領域では、小さい。
また、上記の効果は、PSA2(つまり、第2接着層10)の弾性係数にかかわらず得られることが、シミュレーション結果から分かる。より詳細には、PSA2の弾性係数が低くなれば圧電出力は高くなっているが、その影響は、PSA1(つまり、第1接着層2)の使用温度範囲内での弾性係数が1MPa以上の領域では、小さい。
3.第3実施形態
図7を用いて、本発明の第3実施形態としての圧力検出装置100Bを説明する。図7は、第3実施形態の圧力検出装置の断面図である。
圧力検出装置100Bの基本的な構造は第2実施形態と同様である。したがって、以下、異なる点を中心に説明する。
図7を用いて、本発明の第3実施形態としての圧力検出装置100Bを説明する。図7は、第3実施形態の圧力検出装置の断面図である。
圧力検出装置100Bの基本的な構造は第2実施形態と同様である。したがって、以下、異なる点を中心に説明する。
圧力検出装置100Bは、入力面側から背面側に向かって、支持基板1、第1接着層2、第3シート11、第3接着層12、第1検出電極4a、第1圧電シート3a、第2検出電極4b、第2接着層10、第2シート9を有している。
各層及び材料は、第2実施形態において符号が同一のものと同じである。したがって、それらの説明は省略される。
各層及び材料は、第2実施形態において符号が同一のものと同じである。したがって、それらの説明は省略される。
第2実施形態と異なる点は、第3シート11、第3接着層12が追加されている点である。
第3シート11(第1シートの一例)は、第2シート9と同様の材料である。第3接着層12(第2弾性体の一例)は、第1接着層2(第1弾性体の一例)と同様の材料である。
第3シート11(第1シートの一例)は、第2シート9と同様の材料である。第3接着層12(第2弾性体の一例)は、第1接着層2(第1弾性体の一例)と同様の材料である。
第1接着層2及び第3接着層12は、従来に比べて硬い材料からなり、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上である。第1接着層2及び第3接着層12の弾性係数は、好ましくは、10MPa以上である。以上より、第1接着層2及び第3接着層12は、圧電シート3と支持基板1との間で、比較的弾性係数が高い弾性体として機能している。
第1接着層2及び第3接着層12は、上記の弾性係数を実現すればよく、材料の種類は特に限定されない。ただし、第1接着層2及び第3接着層12は、貼り合わせるときは柔らかい状態で,貼り合わせてから硬化させるタイプの接着剤であることが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤やシリコーン系粘着剤からなる。
第1接着層2及び第3接着層12は、上記の弾性係数を実現すればよく、材料の種類は特に限定されない。ただし、第1接着層2及び第3接着層12は、貼り合わせるときは柔らかい状態で,貼り合わせてから硬化させるタイプの接着剤であることが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤やシリコーン系粘着剤からなる。
なお、第1接着層2及び第3接着層12として弾性係数が低い材料が選ばれた場合には、温度変化に対する弾性係数の変化率が低い(例えば、±500%程度)条件を満たす材料であることが望ましく、その場合に例えばシリコーン系粘着剤が選ばれる。
前記第3実施形態では、支持基板1と第3シート11との間に配置された弾性体は第1接着層2だけであり、第3シート11と圧電シート3との間に配置されていた弾性体は第3接着層12だけであった。しかし、弾性係数において上記の特性を満たす弾性体であれば接着層のみの構成には限定されない。例えば、弾性体はコアシート及び両面の接着剤から構成されていてもよい。また、弾性体の一部に光学的特性を実現するシートが用いられてもよい。
圧力検出装置100Bでは、支持基板1の入力面1aの中央部が押されると、支持基板1は縁部が他の部材に支持されながらたわむ。その結果、圧電シート3もたわむ。このときに、支持基板1と圧電シート3との間に配置された第1接着層2及び第3接着層12は使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上であるので、温度変化が生じた場合の第1接着層2及び第3接着層12の硬度の変化が少ない。その結果、温度変化が生じた場合において、圧力検出装置100Bの押圧検出感度の変化が少なくなる。
なお、上記複数の実施形態では、それぞれタッチ検出機能を有していてもよい。例えば、第3実施形態では、第3シート11(第1シートの一例)の支持基板1(シート部材の一例)側及び支持基板1の反対側の少なくとも一方にタッチ検出用電極が配置された構造であってもよい。タッチ検出の方式は特に限定されないが、例えば静電容量変化を検出するものでもよい。
前記第3実施形態では、支持基板1と第3シート11との間に配置された弾性体は第1接着層2だけであり、第3シート11と圧電シート3との間に配置されていた弾性体は第3接着層12だけであった。しかし、弾性係数において上記の特性を満たす弾性体であれば接着層のみの構成には限定されない。例えば、弾性体はコアシート及び両面の接着剤から構成されていてもよい。また、弾性体の一部に光学的特性を実現するシートが用いられてもよい。
圧力検出装置100Bでは、支持基板1の入力面1aの中央部が押されると、支持基板1は縁部が他の部材に支持されながらたわむ。その結果、圧電シート3もたわむ。このときに、支持基板1と圧電シート3との間に配置された第1接着層2及び第3接着層12は使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上であるので、温度変化が生じた場合の第1接着層2及び第3接着層12の硬度の変化が少ない。その結果、温度変化が生じた場合において、圧力検出装置100Bの押圧検出感度の変化が少なくなる。
なお、上記複数の実施形態では、それぞれタッチ検出機能を有していてもよい。例えば、第3実施形態では、第3シート11(第1シートの一例)の支持基板1(シート部材の一例)側及び支持基板1の反対側の少なくとも一方にタッチ検出用電極が配置された構造であってもよい。タッチ検出の方式は特に限定されないが、例えば静電容量変化を検出するものでもよい。
以下に第3実施形態の原理と効果を示すためにおこなったシミュレーション結果を説明する。シミュレーションは、上記実施形態と同様の構造であり、ガラス(支持基板1に相当)に、モノモルフ(圧電シート3に相当)を貼合わせ、四辺を土台(電子機器110の筐体6に相当)に両面テープで固定した圧力検出装置(圧力検出装置100Bに相当)を想定した。この圧力検出装置において、ガラスの中央部に1Nの力を加えるという条件を採用した。
圧電シートは、フィルム状のPVDFの共重合体とした。ガラスは、サイズを120mm×60mmとして、厚みを0.55mmとして、弾性係数を70GPaとした。圧電シートは厚みを0.03mmとした。PSA1(第1接着層2に相当)及びPSA2(第3接着層12に相当)はアクリル系粘着剤とした。PSA1は、厚みを0.05mmとした。PETは両方とも厚みを0.05mmとした。PSA2及びPSA3(第2接着層10に相当)は厚みを0.025mmとした。シミュレーションには、FEMシミュレーションソフトを用いた。
シミュレーション結果を下記の表4と図8に示す。図8は、接着層の弾性係数に対する圧電出力の変化を示すグラフである。
シミュレーション結果を下記の表4と図8に示す。図8は、接着層の弾性係数に対する圧電出力の変化を示すグラフである。
表4のシミュレーションNo.D3〜D6が本実施形態の最低限の条件(PSA1及びPSA2の弾性係数が所望の範囲にあること)を満たしている実施例であり、シミュレーションNo.D1〜D2が本実施形態の最低限の条件を満たしていない参考例である。
以上より、モノモルフ構造の場合は、PSA1(つまり、第1接着層2)及びPSA2(つまり、第3接着層12)は使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上であれば、所望のレベルの圧電出力が得られ、しかも弾性係数が変化しても圧電出力の値に大きな変化はない。つまり、温度変化によってPSA1及びPSA2の硬度が変化しても、圧電出力に大きな変化は生じない。
4.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
本発明は、圧力検出装置、特に、モノモルフ又はバイモルフを用いた圧力検出装置に広く適用できる。
1 :支持基板
1a :入力面
1b :背面
2 :第1接着層
3 :圧電シート
3a :第1圧電シート
3b :第2圧電シート
4 :検出電極
4a :第1検出電極
4b :第2検出電極
6 :筐体
6a :凹部
6b :支持部
7 :空間部
8 :中間接着層
9 :第2シート
10 :第2接着層
11 :第3シート
12 :第3接着層
100 :圧力検出装置
110 :電子機器
1a :入力面
1b :背面
2 :第1接着層
3 :圧電シート
3a :第1圧電シート
3b :第2圧電シート
4 :検出電極
4a :第1検出電極
4b :第2検出電極
6 :筐体
6a :凹部
6b :支持部
7 :空間部
8 :中間接着層
9 :第2シート
10 :第2接着層
11 :第3シート
12 :第3接着層
100 :圧力検出装置
110 :電子機器
Claims (5)
- 外部から加えられた圧力によって発生する2枚の圧電シート間の電位差に基づいて前記圧力を検出するための圧力検出装置であって、
前記圧力が作用する第1面と、縁部が支持される第2面とを有するシート部材と、
前記シート部材の第2面の中央部に配置された第1圧電シートと、
前記第1圧電シートの前記シート部材と反対側において、前記第1圧電シートに対向して配置された第2圧電シートと、
前記第1圧電シートの前記第2圧電シートと反対側に配置された第1検出電極と、
前記第2圧電シートの前記第1圧電シートと反対側に配置された第2検出電極と、
前記第1圧電シートと前記第2圧電シートとの間に配置された、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上の弾性体と、
を備えた圧力検出装置。 - 前記弾性体は接着剤である、請求項1に記載の圧力検出装置。
- 外部から加えられた圧力によって発生する1枚の圧電シートの電位差に基づいて前記圧力を検出するための圧力検出装置であって、
前記圧力が作用する第1面と、縁部が支持される第2面とを有するシート部材と、
前記シート部材の第2面の中央部に配置された圧電シートと、
前記圧電シートの前記シート部材側に配置された第1検出電極と、
前記圧電シートの前記シート部材と反対側に配置された第2検出電極と、
前記シート部材と前記圧電シートとの間に配置された、使用温度範囲内で弾性係数が1MPa以上の弾性体と、
を備えた圧力検出装置。 - 前記弾性体は接着剤である、請求項3に記載の圧力検出装置。
- 前記シート部材と前記圧電シートとの間に配置された第1シートをさらに備え、
前記弾性体は、前記シート部材と前記第1シートとの間に配置された第1弾性体と、前記第1シートと前記圧電シートとの間に配置された第2弾性体とを有している、請求項3又は4に記載の圧力検出装置。
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JP2014210624A JP2016080465A (ja) | 2014-10-15 | 2014-10-15 | 圧力検出装置 |
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