JP2016080300A - 冷却ユニットおよび冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒を沸騰蒸発する熱交換器について安定した性能を発揮させる。
【解決手段】熱交換により冷媒を沸騰蒸発させる熱交換器21と、熱交換器21へ液冷媒59を供給するライン53に接続されたプリチャージタンク70であって、内部に液冷媒を貯留し、液面73が形成された状態で冷媒が熱交換器21へ供給されるプリチャージタンク70と、熱交換器21の高さ方向Xの位置に対応するプリチャージタンク70の内部72の所定の位置X3に液面73を形成するオーバーフロー管75とを有する冷却ユニット20を供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、沸騰型の熱交換器を有する冷却ユニットおよびシステムに関するものである。
特許文献1には、室内に配置される熱交換ユニットの結露を抑制できる自然循環型(沸騰循環型)の冷房システムを提供することが記載されている。特許文献1の冷房システムにおいては、室外に設置される室外熱交換ユニットを含む室外ユニットに、室外熱交換ユニットに対し直列または並列に接続された少なくとも1つのリザーバを含む冷媒回収ユニットを設ける。冷媒回収ユニットは、運転中に配管システムを流通する冷媒を液体状態で回収する容量を少なくとも備えている。したがって、室外熱交換ユニットから室内熱交換ユニットへの液冷媒の供給をバルブ群で遮断することにより、冷房システムを循環する液冷媒を全て室外ユニットに回収でき、室内熱交換ユニットをドライアウトできる。
特開2013−68370号公報
沸騰循環型のシステムにおいては室内熱交換ユニットで冷媒が沸騰することにより室内を冷却する。一方、液冷媒を供給する室外熱交換ユニットの能力は外気の状態に依存するファクターがある。このため、沸騰循環型のシステムは、コンプレッサーにより冷媒を圧縮して強制循環する空調システムの補助システムとして用いられることが多い。しかしながら、沸騰循環型のシステムの室内熱交換ユニットの能力を安定的に得られれば、空調システムにおける動力を削減できる効果は大きく、冷媒を安定的に室内熱交換ユニットに供給することが求められている。
本発明の一態様は、熱交換により冷媒を沸騰蒸発させる熱交換器と、熱交換器へ液冷媒を供給するラインに接続されたプリチャージタンクであって、内部に液冷媒を貯留し、液面が形成された状態で液冷媒が熱交換器へ供給されるプリチャージタンクと、熱交換器の高さ方向の位置に対応する、プリチャージタンク内の所定の位置に液面を形成するレベル制御ユニットとを有する冷却ユニットである。プリチャージタンク内に、熱交換器の高さ方向の位置に対応する位置、例えば熱交換器のチューブの上端などに対応する位置に液面を形成することにより、プリチャージタンク内の液面までの静圧に対応する一定の圧力で液冷媒が熱交換器に供給される。したがって、液冷媒を安定的に熱交換器に供給でき、熱交換器が接する冷却対象、例えば、室内空気の状態に応じた性能を熱交換器が発揮し、冷却対象を冷却できる。
レベル制御ユニットは、オーバーフロー管を含んでもよい。オーバーフロー管(管台)をプリチャージタンクに設け、液冷媒をオーバーフローするように供給することによりプリチャージタンクの所定の位置に液面を安定して形成できる。
熱交換器が液冷媒を受け入れる下部ヘッダーと、チューブを介して下部ヘッダーに繋がった上部ヘッダーとを含む場合は、レベル制御ユニットは、下部ヘッダーと上部ヘッダーとの間に相当するプリチャージタンク内の所定の位置に液面を形成するユニットを含むことが望ましい。レベル制御ユニットは、チューブが上部ヘッダーに繋がる上端付近に相当するプリチャージタンク内の所定の位置に液面を形成するユニットを含んでもよい。熱交換器の伝熱面積を最大限に利用でき、液冷媒が上部ヘッダーからキャリーオーバーすることを抑制できる。
プリチャージタンクは、熱交換器に液冷媒を供給する配管に接続されていてもよく、下部ヘッダーと連通していてもよい。さらに、プリチャージタンクは、下部ヘッダーから立ち上がっているものであってもよい。
本発明の他の態様の1つは、上記の冷却ユニットと、プリチャージタンクに液冷媒を供給するポンプとを有する冷却システムである。プリチャージタンクには気化(ガス)冷媒を冷却する他の熱交換器、例えば、室外熱交換器から液冷媒が供給されてもよい。プリチャージタンクにポンプを介して液冷媒を供給することにより、室外熱交換器などの他の熱交換器の設置位置(設置高さ)を、熱交換器に対して自由に設定できる。
冷却システムは、ポンプの上流に接続されたレシーバーを有していてもよい。レベル制御ユニットは、レシーバーに接続されたオーバーフロー管を含んでいてもよく、液冷媒がオーバーフローするようにポンプでプリチャージタンクに供給することにより、プリチャージタンクの所定の位置に安定して液面を形成できる。
熱交換器の典型的なものは室内に設置される室内熱交換器であり、冷却システムは、室内熱交換器で生成された気化冷媒を外気により冷却する室外熱交換器と、室内熱交換器と室外熱交換器とを連通する気化冷媒管と、室外熱交換器とレシーバーとを連通する液冷媒管とを有していてもよい。沸騰循環型の冷却システム(冷房システム)を提供できる。
空調システムの概略構成を示す図。 室内ユニットの周囲を抜き出して示す図。 室内ユニットの異なる例を示す図。 室内ユニットのさらに異なる例を示す図。
図1に本発明に係る空調システムの一例を示している。この空調システム10は、建屋1の屋内(室内)2で発生した熱を屋外(室外)3に放出する冷却システム(排熱システム)であり、室内2に設置された室内ユニット(冷却ユニット)20と、室外3に設置された室外ユニット(排熱ユニット)30と、室内ユニット20および室外ユニット30との間で冷媒を交換する配管システム50と、室内ユニット20に液冷媒を供給するポンプユニット60とを含む。
室外ユニット30は、外気6と熱交換する室外熱交換ユニット(室外熱交換器)31と、室外熱交換器31に外気6を供給する外気ファン32とを含む。室外熱交換器31は、配管システム50の気化冷媒供給管51と接続(連通)し、気化冷媒58を受け入れる上部ヘッダー35と、外気6と熱交換して気化冷媒58を液化するチューブ37と、配管システム50の液冷媒返送管(返送管)52と接続(連通)し、液冷媒59を出力する下部ヘッダー36とを含む。
ポンプユニット60は、液冷媒返送管52を介して室外ユニット30から液冷媒59を受け入れて一時的に貯留するレシーバー61と、レシーバー61に貯留された液冷媒59を配管システム50の液冷媒供給管(供給管)53を介して室内ユニット20に供給するポンプ62とを含む。
室内ユニット(冷却ユニット)20は、冷却対象の室内の空気5と熱交換する室内熱交換ユニット(室内熱交換器)21を含む。室内熱交換器21は、配管システム50の液冷媒供給管53と接続(連通)し、液冷媒59を受け入れる下部ヘッダー26と、室内空気5と熱交換して液冷媒59を熱交換により沸騰蒸発させるチューブ27と、配管システム50の気化冷媒供給管51と接続(連通)し、気化冷媒58を出力する上部ヘッダー25とを含む。室内ユニット20は、室内熱交換器21に室内空気5を供給する室内ファンを含んでいてもよい。
室内ユニット20は、さらに、室内熱交換器21へ液冷媒59を供給する液冷媒供給管53に接続されたプリチャージタンク70と、プリチャージタンク70の側壁71の上方にタンク70の内部に繋がるように接続されたオーバーフロー管75とを含む。プリチャージタンク70は、室内熱交換器21の高さ方向Xに、下部ヘッダー26に対応する位置(高さ)X1から上部ヘッダー25に対応する位置(高さ)X2にわたって鉛直または斜めに伸びた貯留部(タンク内部)72を含む。
オーバーフロー管75は、下部ヘッダー26に相当する高さX1および上部ヘッダー25に相当する高さX2の間の高さX3に取り付けられ、ポンプユニット60のレシーバー61と連通している。ポンプ62により液冷媒供給管53を介してプリチャージタンク70に供給された液冷媒59がオーバーフロー管75を介してレシーバー61に戻ることにより、室内熱交換器21の高さ方向Xに対応するプリチャージタンク70の内部72の所定の位置X3に液面73が形成される。したがって、オーバーフロー管75は、プリチャージタンク70の所定の位置(所定の高さ)X3に液面73を形成するレベル制御ユニットとして機能する。また、プリチャージタンク70は液冷媒供給管53に接続された状態で内部72に液冷媒59を貯留し、プリチャージタンク70の内部72に液面73が形成された状態で冷媒59が室内熱交換器21へ供給される。
この空調システム10は、吸熱側である室内熱交換器21に対し、放熱側である室外熱交換器31が高い位置に配置されており、沸騰蒸発した冷媒(気化冷媒)58と液化した冷媒(液冷媒)59との比重差で冷媒を循環するシステム構成にしてもよいタイプである。したがって、この空調システム10は沸騰蒸発により吸熱する排熱システムであるとともに、重力を用いて冷媒を循環する自然循環型の冷却システムとして構築することも可能である。自然循環型のシステムの場合、理想的あるいは理論的には室外熱交換器31により冷却された液冷媒59が室内熱交換器21に冷媒を供給する返送管52を満たし、室外熱交換器31と室内熱交換器21との器内圧差に相当する液柱が返送管52に形成される。しかしながら、冷媒の状態を確認する試験等においては、返送管52の内部では液相と気相とが混在あるいは分離して流れる様子が多く観察されており、返送管52の内部に明確な液柱が形成されない場合もある。
また、室外ユニット30においては、外気ファン32を駆動することにより室外熱交換器31の熱交換性能を一定に保つようにしているが、外気6の条件、例えば、温度、風向き、風量は変動しやすく、室外熱交換器31から返送される液冷媒59の量および圧力は変動しやすい。一方、室内ユニット20の性能を安定して維持するためには室内熱交換器21に供給される液冷媒59の量および圧力の変動は少ないことが望ましい。
図2に、空調システム10の室内ユニット20を中心として抜き出して示している。室内ユニット20は、液冷媒59の供給ラインである供給管53にプリチャージタンク70を接続し、オーバーフロー管75を設けることによりプリチャージタンク70の内部72に、室内熱交換器21の高さ方向Xの位置X3に液面73を形成している。したがって、供給管53には、プリチャージタンク70の液面73までの静圧に対応する一定の圧力が加わり、一定の圧力で液冷媒59が室内熱交換器21に供給される。また、プリチャージタンク70により供給管53に液面73までの液柱74が形成された状態となる。このため、室内熱交換器21に、気液混合の状態ではなく、液冷媒59を安定的に一定の圧力で供給できる。したがって、室内熱交換器21は、冷却対象の室内空気5の状態に応じて、所望の冷却(吸熱)性能を発揮できる。
プリチャージタンク70の液面73の高さX3、すなわち、液柱74の高さX3を、下部ヘッダー26とチューブ27との接合部の高さX1よりも高くセットすることにより、チューブ27に対し、プリチャージタンク70をバッファとして常に液冷媒59が供給される。プリチャージタンク70の液面73の高さX3を、上部ヘッダー25とチューブ27との接合部の高さX2よりも低くすることにより、チューブ27の内部に形成される液面の高さを上部ヘッダー25より下に維持することができ、液冷媒が気化冷媒管51にキャリーオーバーされることを防止できる。
また、プリチャージタンク70の液面73の高さX3を、上部ヘッダー25とチューブ27との接合部の高さX2と同程度にすることにより、チューブ27に液冷媒59を充満させることができ、チューブ27の伝熱面積を最も効率良く熱交換に使用できる。室内熱交換器21においては、室内空気5との熱交換により冷媒が沸騰する。このため、通常、明確な液面は形成されないが、平均的な液高さはプリチャージタンク70の液面73より低くなる。したがって、プリチャージタンク70の液面73の高さX3は、上部ヘッダー25とチューブ27との接合部の高さX2と同程度であることが望ましい。複数のオーバーフロー管を異なる高さに配置して制御弁で切り替えることにより室内熱交換器21の冷却能力を制御するようにしてもよい。
プリチャージタンク70の液面73の高さの制御は、室外熱交換器31からプリチャージタンク70への液冷媒59の供給量を流量制御弁などにより制御したり、流量をオンオフ弁によりオンオフすることにより制御することも可能である。室外熱交換器31からプリチャージタンク70への液冷媒59の供給量を直に制御すると、室外熱交換器31の熱交換能力が変動する可能性が高い。したがって、外気温が変動するなどの冷却条件が変化したときに空調システム10の冷媒の循環量の変動が加速され、空調システム10が不安定になる可能性がある。
空調システム10においては、ポンプユニット60を設け、ポンプ62の上流のレシーバー(バッファタンク)61により室外熱交換器31により液化された液冷媒59をいったん受け(貯蓄し)、ポンプ62により供給管53を介して液冷媒59を加圧して強制的にプリチャージタンク70に供給し、さらに、プリチャージタンク70からオーバーフローさせた液冷媒59をポンプユニット60の上流のレシーバー61に戻すようにしている。プリチャージタンク70のレベル(液面)73を形成する際に、空調システム10の冷媒の循環量Grを一定に保ったり、循環量Grの変動を小さくすることができる。
すなわち、ポンプ62が、一定の吐出量PGrの液冷媒59を室内ユニット20に向けて供給した場合、循環量Grが室内熱交換ユニット21で蒸発して気化冷媒58として室外熱交換器31に供給される。室外熱交換器31においては循環量Grの気化冷媒58を液化することにより循環量Grの液冷媒59が生成され、返送管52を介してレシーバー61に戻される。プリチャージタンク70においては、吐出量PGrと循環量Grとの差分(PGr−Gr、リターンフロー(オーバーフロー量))の液冷媒59がオーバーフロー(リターンフロー)管75を通ってバッファタンク61に戻される。したがって、ポンプ62の吐出量PGrが空調システム10の循環量Grに対し以下の条件(1)を満たしていれば、プリチャージタンク70の所定の高さに液面73を安定して維持できる。
PGr>Gr ・・・(1)
また、プリチャージタンク70に液面73を形成することにより、循環量Grの液冷媒59を一定の圧力で安定して室内熱交換器21に供給できる。また、室内熱交換器21および室外熱交換器31を循環する冷媒の循環量Grを安定して確保できる。
すなわち、この空調システム10は、ポンプ(冷媒ポンプ)62−プリチャージタンク(室内機冷媒タンク)70−レシーバー61−ポンプ62という冷媒の流れ(第1のフロー)と、プリチャージタンク70−室内熱交換器21(沸騰気化)−気化冷媒供給管51−室外熱交換器31(凝集液化)−液冷媒返送管52−レシーバー61という冷媒の流れ(第2のフロー)とが形成される。第1のフローで冷媒をポンプ62とレシーバー61との間で循環させ、室内熱交換器21において沸騰して気化した冷媒58が第2のフローを経由してレシーバー61に戻る。したがって、ポンプ62の吐出量PGrを、プリチャージタンク70からオーバーフローがあるように制御することにより第2のフローの循環量Grを安定して確保できる。
オーバーフローの有無は、液面計などで一定の高さX3に液面73があることを確認したり、オーバーフロー管75に液冷媒59の流れがあることを流量計などで確認することにより判断できる。また、第2のフローを流れる循環量Grの最大値をシミュレーションなどにより予め求めておき、その最大循環量Grmaxよりも吐出量PGrが大きなポンプ62を採用してもよい。
液冷媒59の戻り(供給)側にポンプユニット60が設けられた空調システム10においては、液冷媒59はいったんレシーバー61に集められる。したがって、室外熱交換器31の設置の条件は、レシーバー61との距離に対し、重力で液冷媒59が流れ込むだけの高さ距離が確保できる位置であればよい。一方、室内熱交換器21の設置条件は、ポンプ62の吐出圧により液冷媒59が供給できる高さおよび距離の範囲内であれば良い。このため、室外ユニット30の設置場所は、室内ユニット20に対して低い位置であってもよく、たとえば、室内ユニット20を室内の天井に配置し、室外ユニット30を屋外の屋根ではなく地上に設置することが可能となる。また、室内ユニット20と室外ユニット30とは一対一でなくてもよい。
また、レシーバー61は、冷媒配管途中の冷媒をレシーバー61に向けて集めることが可能である。このため、ドレンがトラップされる可能性がある形状、たとえば、U字型などに設置された部分により、トラップされたドレンをレシーバー61に排出するシステムを空調システム10に設けることができる。
図1に示した空調システム10の気化冷媒供給管51は、建物(建屋)1の梁1aを避けて配管するために梁1aに沿ってU字型の配管部分51aを設けざるを得ないケースがある。空調システム10の停止時あるいは起動時に、気化冷媒供給管51の気化冷媒58が放熱により液化する可能性があり、いったん液化するとU字型の配管部分51aに液冷媒がトラップされる。従来のシステムでは、基本的にトラップされる部分がないように気化冷媒供給管51を配置する必要があり、梁貫通を余儀なくされるケースもある。しかしながら、既存の建屋1に空調システム10を設置する場合は梁貫通が困難なことも多い。したがって、トラップされた液冷媒が気化するのを待つか、U字型の配管部分51aにヒートトレースを配置して強制的に気化するなどの対策が取られる。
空調システム10は、U字型の配管部分51aの最も低い個所と、レシーバー61の近傍の液冷媒返送管52とを接続(連通)する液抜き用の配管54と、液抜き用の配管54に設けられた第1の仕切弁65と、液冷媒返送管52のレシーバー61の上流に設けられた第2の仕切弁66と、これらの仕切弁65および66を制御する機能を含む制御ユニット67とを含む。仕切弁65および66の一例は電磁弁である。仕切弁65および66は、その他の適当なアクチュエータが設けられた弁であってもよく、起動停止が頻繁でない場合は手動弁であってもよい。また、液抜き用の配管54は、レシーバー61に直に接続してもよく、複数の液抜き用の配管54を、集合ヘッダーを介してレシーバー61に接続してもよい。
この空調システム10においては、起動時に、返送管52の第2の仕切弁66を閉めて液抜き用の配管54の第1の仕切弁65を開けて配管部分51aにトラップされている液冷媒を排出する。その後、第2の仕切弁66を開けて第1の仕切弁65を閉めて運転を開始する。運転中は、第1の仕切弁65を閉じることにより、液冷媒59が液抜き用の配管54を逆流して気化冷媒供給管51に流れたり、気化冷媒供給管51から気化冷媒58がレシーバー61の側に流れて冷媒の循環を阻害したりすることを抑制できる。運転中に結露防止などの要因で冷媒の循環が一時的に停止することがある場合は、冷媒の循環の再開に先立ち、第1および第2の仕切弁65および66を開閉してもよい。
図3に、室内ユニット20の異なる例を示している。この室内ユニット20においては、プリチャージタンク70に液冷媒供給管53が接続され、プリチャージタンク70の下側と室内熱交換器21の下部ヘッダー26とが配管53aで接続され、液冷媒59はプリチャージタンク70を介して室内熱交換器21に供給される。また、プリチャージタンク70の上部と気化冷媒供給管51とを連通する均圧管55が設けられており、プリチャージタンク70の内圧と室内熱交換器21の内圧とを均等にすることによりプリチャージタンク70から室内熱交換器21への液冷媒59の供給がさらにスムーズに行われるようにしている。均圧管55には、気化冷媒58の逆流を防止するために逆止弁を設けたり、器内圧の急激な変化を防止するためにオリフィスを設けてもよい。
図4に、室内ユニット20のさらに異なる例を示している。この室内ユニット20においては、プリチャージタンク70が室内熱交換器21の下部ヘッダー26から立ち上がっており、プリチャージタンク70が下部ヘッダー26と一体になっている。液冷媒供給管53は、下部ヘッダー26に直に接続されていてもよく、プリチャージタンク70に接続されていてもよい。また、プリチャージタンク70の上部が熱交換器21の上部ヘッダー25と構造的に一体で、内部で分離されている構成を採用してもよい。プリチャージタンク70を室内熱交換器21に組み込むことにより室内ユニット20をさらにコンパクトにすることができる。
いずれの室内ユニット20においても、室内熱交換器21の上流に設置されたプリチャージタンク70の内部72に、熱交換器21の高さ方向Xの位置に対応する位置、例えば熱交換器21のチューブ27の上端に対応する位置X3に液面73を形成することにより、プリチャージタンク70の液面73までの静圧に対応する一定の圧力で液冷媒59を熱交換器21に供給できる。したがって、液冷媒59を安定的に熱交換器21に供給でき、熱交換器21が接する冷却対象、本例では室内空気5の状態に応じた性能を熱交換器21が発揮でき、室内空気5を冷却できる。
沸騰循環型のシステムでは、冷媒循環を沸騰した冷媒ガスの圧力および凝縮した液冷媒の自重による落下によって行う。このため、室内ユニット20と室外ユニット30を接続する配管途中に、鳥居型やトラップ形状、例えば、U字型の配管部分51aなどの重力に反する方向への流れが必要となる配管形状があると、冷媒循環が阻害され冷却能力が低下、もしくは冷媒循環の停止といった問題が発生する。そのため、従来は施工時に配管勾配が常に保たれるように設置しなくてはならないという課題があった。これに対し、空調システム(冷却システム)10においては、液冷媒59を回収するレシーバー61あるいは液冷媒返送管52のレシーバー61の近傍と、気化冷媒供給管51の中で液冷媒がトラップされる可能性がある配管部分とを配管54で接続し、起動時などに液抜きできるようにしている。したがって、配管途中に重力に反する方向に流れが発生するような部分が気化冷媒供給管51に設けられてもよく、配管の設計および施工のフレキシビリティが増し、低コストで安定した性能を発揮する冷却システム1を提供できる。
また、沸騰循環の特性として室内熱交換器にて効率良く沸騰させるために適正な量の冷媒をシステム中に存在させる必要がある。従来のシステムでは最適な冷媒量を室内ユニットに確保できるよう、冷媒充填量を、施工されるシステム毎に調整することが必要であった。本冷却システム(空調システム)1においては、冷媒ポンプ62を用いて強制的に液冷媒59を室内熱交換器21に供給することにより、上記の最適沸騰効率を維持するために適した量の冷媒を常に室内ユニット20に供給できる。さらに、プリチャージタンク70を室内熱交換器21の上流側に設置し、オーバーフローで所定の高さに液面73を形成する。このため、適正冷媒量が室内熱交換器21に存在するように熱交換器内の冷媒量を検知する手段や、冷媒供給量を制御する手段が不要となり、複雑な流量調整機構の代わりに簡易な構成で適量の液冷媒59を安定して室内熱交換器21に供給できる。また、この冷却システム1においては液冷媒側にポンプ62を設けるだけでよいので消費電力は小さい。したがって、ガス側を圧縮および圧送するコンプレッサーに比べて所要動力は少なく、沸騰循環システムのメリットを活かした低消費電力の冷却システムを提供できる。
なお、プリチャージタンク70は円筒状であってもよく、角柱状であってもよく、配管の一部であってもよく、また、一定面積の断面を備えていても、備えていなくてもよく、プリチャージタンク70の全体的な形状、長さは上記に例示したものに限定されない。プリチャージタンク70は鉛直方向に延びていてもよく、熱交換器21とともにあるいは別に鉛直方向以外に伸びていてもよい。プリチャージタンク70の適当な位置に液面73が安定して形成されるものであればよい。
液面73のレベルを制御する方法は、オーバーフローに限定されないが、オーバーフロー管75を設けて液冷媒59をポンプ62により循環させる方法およびシステムは、低コストであり、また、ポンプ62を連続運転できる点で液面73のレベル制御ユニットとして好適である。
また、プリチャージタンク70を設ける熱交換器は沸騰循環型であればよく、外気を冷却源(放熱源)とする空調システム10あるいは冷却システムに限らず、水冷により冷媒を凝縮させるシステムであってもよい。
10 空調システム、 20 室内ユニット、 21 室内熱交換器
30 室外ユニット、 31 室外熱交換器
70 プリチャージタンク、 75 オーバーフロー管

Claims (9)

  1. 熱交換により冷媒を沸騰蒸発させる熱交換器と、
    前記熱交換器へ液冷媒を供給するラインに接続されたプリチャージタンクであって、内部に液冷媒を貯留し、液面が形成された状態で液冷媒が前記熱交換器へ供給されるプリチャージタンクと、
    前記熱交換器の高さ方向の位置に対応する前記プリチャージタンク内の所定の位置に前記液面を形成するレベル制御ユニットとを有する冷却ユニット。
  2. 請求項1において、前記レベル制御ユニットは、オーバーフロー管を含む、冷却ユニット。
  3. 請求項1または2において、前記熱交換器は液冷媒を受け入れる下部ヘッダーと、チューブを介して前記下部ヘッダーに繋がった上部ヘッダーとを含み、
    前記レベル制御ユニットは、前記下部ヘッダーと前記上部ヘッダーとの間に相当する前記プリチャージタンク内の所定の位置に前記液面を形成するユニットを含む、冷却ユニット。
  4. 請求項3において、前記レベル制御ユニットは、前記チューブが前記上部ヘッダーに繋がる上端付近に相当する前記プリチャージタンク内の所定の位置に前記液面を形成するユニットを含む、冷却ユニット。
  5. 請求項3または4において、前記プリチャージタンクは前記下部ヘッダーと連通している、冷却ユニット。
  6. 請求項5において、前記プリチャージタンクは、前記下部ヘッダーから立ち上がっている、冷却ユニット。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の冷却ユニットと、
    前記プリチャージタンクに液冷媒を供給するポンプとを有する冷却システム。
  8. 請求項7において、前記ポンプの上流に接続されたレシーバーを有し、
    前記レベル制御ユニットは、前記レシーバーに接続されたオーバーフロー管を含む、冷却システム。
  9. 請求項8において、前記熱交換器は室内に設置される室内熱交換器であり、
    さらに、前記室内熱交換器で生成された気化冷媒を外気により冷却する室外熱交換器と、
    前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを連通する気化冷媒管と、
    前記室外熱交換器と前記レシーバーとを連通する液冷媒管とを有する、冷却システム。
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