JP2016080245A - 冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却温度の制御を精度よく行いつつ、省エネルギー化を図ることが可能な冷却装置を提供する。【解決手段】この冷蔵/冷凍装置100(冷却装置)は、圧縮機21と凝縮器22と電磁弁23と膨張弁24と蒸発器25とを含み、冷媒を循環させる冷凍サイクル2と、冷却温度を測定する温度センサ4と、温度センサ4により測定される測定温度値と目標温度値との差を積算して正負の符号を考慮した温度差積算量を取得し、取得した温度差積算量に基づいて、電磁弁の開閉を制御する制御部3とを備える。【選択図】図1
Description
この発明は、冷却装置に関し、特に、電磁弁を含む冷凍サイクルを備えた冷却装置に関する。
従来、電磁弁を含む冷凍サイクルを備えた冷却装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器と電磁弁とを含み、冷媒を循環させる冷凍サイクルと、電磁弁の開閉を制御する制御部とを備える冷凍冷蔵オープンショーケース(冷却装置)が開示されている。この特許文献1の冷凍冷蔵オープンショーケースでは、制御部は、庫内温度の測定値が設定温度に基づく上限温度値よりも大きい場合、電磁弁を開けるとともに、庫内温度の測定値が設定温度に基づく下限温度値よりも小さい場合、電磁弁を閉じる制御を行うように構成されている。
しかしながら、上記特許文献1では、制御部は、庫内温度の測定値が設定温度に基づく下限温度値よりも小さい場合、電磁弁を閉じる制御を行うため、電磁弁を開けた状態において設定温度と下限温度値との間で庫内温度の測定値が推移した場合に、電磁弁が閉じられずに冷却温度が常に設定温度より低い状態で推移する。この場合、冷却が過剰になり、その分、エネルギーの消費が増大するという問題点がある。また、この場合、冷却温度を設定温度に精度よく近づけることが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、冷却温度の制御を精度よく行いつつ、省エネルギー化を図ることが可能な冷却装置を提供することである。
この発明の一の局面による冷却装置は、圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器と電磁弁とを含み、冷媒を循環させる冷凍サイクルと、冷却温度を測定する温度センサと、温度センサにより測定される測定温度値と目標温度値との差を積算して正負の符号を考慮した温度差積算量を取得し、取得した温度差積算量に基づいて、電磁弁の開閉を制御する制御部とを備える。
この発明の一の局面による冷却装置では、上記のように、制御部を、温度センサにより測定される測定温度値と目標温度値との差を積算して正負の符号を考慮した温度差積算量を取得し、取得した温度差積算量に基づいて、電磁弁の開閉を制御するように構成する。これにより、測定温度値が目標温度値より低い状態で推移している場合に、温度差積算量に基づいて電磁弁を閉じることにより、過剰の冷却を抑制して、省エネルギー化を図ることができる。また、温度差積算量に基づいて電磁弁が開閉されるので、冷却温度の平均値を目標温度に精度よく近づけることができる。これらにより、冷却温度の制御を精度よく行いつつ、省エネルギー化を図ることができる。
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、制御部は、取得した温度差積算量が第1積算量未満となった場合に、電磁弁を閉じる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、温度差積算量が第1積算量未満となった際に電磁弁が閉じられるので、冷却温度が目標温度より常に低い状態で推移する場合と異なり、冷却温度の平均値が目標温度に対して常に低くなることを抑制することができる。これにより、冷却しすぎを抑制して、冷却温度の制御を精度よく行いつつ、省エネルギー化を図ることができる。
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、制御部は、電磁弁を閉じた後、目標温度値と測定温度値との差の積算を継続して行い、温度差積算量が第2積算量より大きくなった場合に、電磁弁を開ける制御を行うように構成されている。このように構成すれば、目標温度値と測定温度値との差の積算を継続して行うことによって、電磁弁を閉じた際に温度差積算量をリセットする場合と異なり、電磁弁を閉じる前後の温度推移を考慮することができるので、電磁弁の開閉により冷却温度の平均値を目標温度に精度よく近づけることができる。
上記第1の局面による冷却装置において、好ましくは、制御部は、目標温度値と測定温度値との差の絶対値が第1しきい値より小さい場合、目標温度値と測定温度値との差の積算を行わないように構成されている。このように構成すれば、冷却温度が目標温度と略同じまたは目標温度に近い場合のように冷却温度と目標温度との差の絶対値が小さい場合に、目標温度値と測定温度値との差が積算されて電磁弁の開閉制御が行われるのを抑制することができる。
上記第1の局面による冷却装置において、好ましくは、制御部は、測定温度値が第2しきい値より大きい場合、または、圧縮機が起動してから所定時間以内である場合、目標温度値と測定温度値との差の積算を行わない、または、温度差積算量をリセットするように構成されている。このように構成すれば、冷却を開始した直後の状態で、測定温度値が第2しきい値より大きい場合、または、圧縮機が起動してから所定時間内である場合に、目標温度値と測定温度値との差を積算することに起因して正の積算値が積算初期において過度に大きくなるのを抑制することができる。これにより、電磁弁を閉じるまでの時間が過度に長くなるのを抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、冷却温度の制御を精度よく行いつつ、省エネルギー化を図ることが可能な冷却装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による冷蔵/冷凍装置100の構成について説明する。なお、冷蔵/冷凍装置100は、本発明の「冷却装置」の一例である。
本実施形態による冷蔵/冷凍装置100は、たとえば、ショーケース、冷蔵/冷凍倉庫、または、冷蔵庫などである。冷蔵/冷凍装置100は、図1に示すように、冷却庫1と、冷凍サイクル2と、制御部3と、温度センサ4とを備える。また、冷凍サイクル2は、圧縮機21と、凝縮器22と、電磁弁23と、膨張弁24と、蒸発器25とを含む。冷凍機は、圧縮機21および凝縮器22を含む。
冷却庫1は、商品などの物品(図示せず)を収容するように構成されている。また、冷却庫1は、冷凍サイクル2の蒸発器25から吹出される冷気により冷却されるように構成されている。
冷凍サイクル2は、たとえば二酸化炭素(CO2)などの冷媒を圧縮機21、凝縮器22、電磁弁23、膨張弁24および蒸発器25に循環させて冷却庫1を冷却させるように構成されている。
圧縮機21は、冷凍サイクル2における低圧側から吸入されたガス冷媒を圧縮して高圧側に吐出する役割を有している。また、圧縮機21には、回転数(運転周波数)の変更により冷媒吐出量が制御可能なインバータ制御式圧縮機が用いられている。また、圧縮機21は、電磁弁23が閉じられて、低圧側のガス冷媒の圧力が所定値未満となった場合に運転が停止されるように構成されている。
凝縮器22は、内部を流通する過熱ガス状態の冷媒を外部空気を用いて冷却する機能を有している。また、凝縮器22内で凝縮(液化)された冷媒は、電磁弁23に流入される。
電磁弁23は、制御部3によるON/OFF制御(開閉制御)により、冷媒の流れを制御するように構成されている。具体的には、電磁弁23がON(開)の場合、冷媒が流れる。これにより、膨張弁24および蒸発器25に冷媒が流れ熱交換が行われて、冷却庫1が冷却される。一方、電磁弁23がOFF(閉)の場合、冷媒の流れが止められる。これにより、膨張弁24および蒸発器25に冷媒が流れないため、熱交換が行われない。
膨張弁24は、凝縮器22で冷却(液化)された冷媒を絞り膨張(減圧)させて蒸発器25に供給する役割を有している。また、膨張弁24は、パルス制御により駆動されるステッピングモータの駆動力を利用して弁機構が開閉駆動されるように構成されている。また、膨張弁24により絞り膨張された液冷媒は、気相および液相からなる気液二相状態のまま蒸発器25に流入される。
蒸発器25には、送風機(図示せず)が設けられており、物品を冷却するための空気(冷気)が送風機によって蒸発器25と冷却庫1との間を循環するように構成されている。また、蒸発器25は、流通する冷媒が蒸発(気化)する際に、流通する空気から熱を奪って循環空気を冷却する。また、蒸発器25における蒸発後の冷媒は、気相を多く含んだガス状態となって圧縮機21に戻される。このように、冷凍サイクル2では、圧縮機21から吐出された冷媒が、凝縮器22、電磁弁23、膨張弁24、蒸発器25の順に流れて圧縮機21に帰還されるサイクルを繰り返す。
制御部3は、冷蔵/冷凍装置100全体を制御するように構成されている。制御部3は、温度センサ4により検出された冷却庫1の温度(冷却温度)を取得するように構成されている。また、制御部3は、電磁弁23にON/OFF指令を送信するように構成されている。電磁弁23は、ON指令により開かれ、OFF指令により閉じられる。また、制御部3は、交流電力の周波数をおよび電力を変換して制御するインバータ制御により、圧縮機21の回転速度を制御するように構成されている。
ここで、本実施形態では、制御部3は、温度センサ4により測定される測定温度値と目標温度値との差(測定温度値から目標温度値を引いた値)を積算して正負の符号を考慮した温度差積算量Iを取得し、取得した温度差積算量Iに基づいて、電磁弁23の開閉を制御する。具体的には、制御部3は、取得した温度差積算量Iが負の第1積算量(−Ia)未満となった場合(図3の時間t1および時間t3)に、電磁弁23を閉じる(OFFにする)制御を行うように構成されている。
より詳細には、制御部3は、温度センサ4により検出した蒸発器25から吹き出される冷気(循環空気)の測定温度(冷却温度)を取得し、測定温度値から目標温度値を引いた値を積算して温度差積算量Iを算出するように構成されている。また、制御部3は、所定の時間(たとえば、10秒)間隔毎に目標温度値と測定温度値との差を算出するように構成されている。なお、第1積算量(−Ia)は、たとえば、目標温度から1℃〜2℃低下した状態が10分程度継続した状態の値に設定されている。たとえば、第1積算量(−Ia)は、−100℃に設定されている。
また、制御部3は、電磁弁23を閉じた後、目標温度値と測定温度値との差の積算を継続して行い、温度差積算量Iが第2積算量(たとえば、0)より大きくなった場合(図3の時間t2)に、電磁弁23を開ける制御を行うように構成されている。つまり、温度差積算量Iが正の値になった場合に、電磁弁23が開かれる(ONにされる)。これは、図3に示すように、測定温度(冷却温度)が目標温度を下回る領域の面積と、測定温度(冷却温度)が目標温度を上回る領域の面積とが等しくなったことを示し、温度差積算量Iを積算開始してからの測定温度(冷却温度)の平均が目標温度になったことを意味する。
また、制御部3は、目標温度値と測定温度値との差の絶対値が第1しきい値(たとえば、0.5℃)より小さい場合、目標温度値と測定温度値との差の積算を行わないように構成されている。たとえば、制御部3は、目標温度値と測定温度値との差が−0.5℃より大きく+0.5℃より小さい場合、目標温度値と測定温度値との差の積算を行わないように構成されている。つまり、制御部3は、測定温度(冷却温度)が目標温度に略一致しているとみなせる場合、目標温度値と測定温度値との差の積算を行わないように構成されている。また、制御部3は、目標温度値と測定温度値との差が−0.5℃以下または+0.5℃以上の場合、目標温度と測定温度の差から不感帯温度(略一致しているとみなせる誤差)(たとえば、0.5℃)を減算して、目標温度値と測定温度値との差を積算するように構成されている。
また、制御部3は、測定温度値が第2しきい値(たとえば、目標温度値)より大きい場合、または、圧縮機21が起動してから所定時間以内である場合、目標温度値と測定温度値との差の積算を行わないように構成する。つまり、制御部3は、圧縮機21が起動されてから十分に時間が経過して冷却が行われた状態(目標温度に達した状態)から目標温度値と測定温度値との差の積算を行うように構成されている。
温度センサ4は、冷却庫1に吹出される空気の吹出温度(冷却温度)を検出するように構成されている。また、温度センサ4は、制御部3に接続されており、検出した測定温度(冷却温度)を制御部3に送信するように構成されている。
次に、図2を参照して、本実施形態の冷蔵/冷凍装置100の制御部3による電磁弁ON/OFF制御処理について説明する。なお、この電磁弁ON/OFF制御処理は、冷蔵/冷凍装置100の冷却運転中に常時行われる。
図2のステップS1において、温度センサ4により検出された吹出温度Tbが取得される。ステップS2において、積算期間であるか否かが判断される。なお、積算期間は、たとえば、冷却開始後の所定時間経過時から、除霜を開始した時までの期間、または、冷却開始後の目標温度に到達時から、除霜を開始した時までの期間などである。積算期間であれば、ステップS3に進み、積算期間でなければ、処理が終了される。
ステップS3において、吹出温度Tbが目標温度Tb0以上であるか否かが判断される。TbがTb0以上であれば、ステップS4に進み、TbがTb0未満であれば、ステップS8に進む。ステップS4において、吹出温度Tbが目標温度Tb0に不感帯温度Tb1(たとえば、0.5℃)を加えた値より大きいか否かが判断される。つまり、測定誤差を考慮して吹出温度Tbが目標温度Tb0と略同じであるか否かが判断される。TbがTb0+Tb1よりも大きい場合、ステップS5に進み、TbがTb0+Tb1以下である場合、ステップS6に進む。つまり、TbがTb0+Tb1以下である場合、目標温度Tb0と吹出温度(測定温度)Tbとの差の積算は行われない。
ステップS5において、I=I+(Tb−Tb0−Tb1)として、温度差積算量Iが更新される。つまり、吹出温度(測定温度)Tbと目標温度Tb0との差から不感帯温度Tb1が差し引かれて温度差積算量Iが積算される。その後、ステップS6に進む。
ステップS6において、温度差積算量Iが第2積算量(0)より大きいか否かが判断される。Iが0より大きければ、ステップS7に進み、Iが0以下であれば、処理が終了される。ステップS7において、電磁弁23がONにされる(開かれる)。その後、処理が終了される。
ステップS3において、TbがTb0よりも小さいと判断された場合、ステップS8において、吹出温度Tbが目標温度Tb0に不感帯温度Tb2(たとえば、0.5℃)を減じた値より小さいか否かが判断される。つまり、測定誤差を考慮して吹出温度Tbが目標温度Tb0と略同じであるか否かが判断される。TbがTb0−Tb2よりも小さい場合、ステップS9に進み、TbがTb0−Tb2以上である場合、ステップS10に進む。つまり、TbがTb0−Tb2以上である場合、目標温度Tb0と吹出温度(測定温度)Tbとの差の積算は行われない。
ステップS9において、I=I−(Tb0−Tb2−Tb)(I=I+(Tb−Tb0+Tb2))として、温度差積算量Iが更新される。つまり、吹出温度(測定温度)Tbと目標温度Tb0との差に不感帯温度Tb2が加えられて温度差積算量Iが積算される。その後、ステップS10に進む。
ステップS10において、温度差積算量Iが第1積算量(−Ia)未満か否かが判断される。Iが−Ia未満であれば、ステップS11に進み、Iが−Ia以上であれば、処理が終了される。ステップS11において、電磁弁23がOFFにされる(閉じられる)。その後、処理が終了される。なお、冷蔵/冷凍装置100の冷却運転中は、10秒毎に吹出温度Tbが測定されて、ステップS1〜S11の処理が繰り返される。
次に、図3〜図5を参照して、本実施形態の冷蔵/冷凍装置100および比較例における温度推移の一例について説明する。
図3に示すように、本実施形態の冷蔵/冷凍装置100では、時間t1までの期間は、電磁弁23がON(開かれた)状態にされる。また、目標温度値と測定温度値との差を積算した温度差積算量Iが負の第1積算量(−Ia)未満となった場合(時間t1)、電磁弁23がOFF(閉じた)状態にされる。その後、温度差積算量Iをリセットせずに目標温度値と測定温度値との差の積算を継続して行い、温度差積算量Iが第2積算量(たとえば0)より大きくなった場合(時間t2)に、電磁弁23がON(開かれた)状態にされる。その後、温度差積算量Iをリセットせずに目標温度値と測定温度値との差の積算を継続して行い、温度差積算量Iが負の第1積算量(−Ia)未満となった場合(時間t3)、電磁弁23がOFF(閉じた)状態にされる。
図4および図5に示す比較例では、吹出温度(冷却温度)が目標温度より所定以上低下したOFF温度に達した場合に、電磁弁がOFF(閉じた)状態にされ、電磁弁のOFF後、吹出温度(冷却温度)が目標温度より所定以上上昇したON温度に達した場合に、電磁弁がON(開かれた)状態にされるように構成されている。
図4に示す比較例の状態1では、時間t11(t13)において、吹出温度(冷却温度)がOFF温度に達したことにより、電磁弁がOFF(閉じた)状態にされている。また、電磁弁のOFF後、時間t12(t14)において、吹出温度(冷却温度)がON温度に達したことにより、電磁弁がON(開かれた)状態にされている。この場合、吹出温度(冷却温度)は、目標温度近辺を上下するように推移している。
図5に示す比較例の状態2では、電磁弁がON(開かれた)状態において、吹出温度(冷却温度)が、目標温度とOFF温度との間で安定して推移している。この場合、吹出温度(冷却温度)がOFF温度に達しないため、電磁弁がOFF(閉じた)状態にされない。このため、平均温度が目標温度に対して低くなる。この場合、無駄に冷却することになり、消費エネルギーが増大する。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、制御部3を、温度センサ4により測定される測定温度値と目標温度値との差を積算して正負の符号を考慮した温度差積算量Iを取得し、取得した温度差積算量Iに基づいて、電磁弁23の開閉を制御するように構成する。これにより、測定温度値が目標温度値より低い状態で推移している場合に、温度差積算量Iに基づいて電磁弁23を閉じることにより、過剰の冷却を抑制して、省エネルギー化を図ることができる。また、温度差積算量Iに基づいて電磁弁23が開閉されるので、冷却温度の平均値を目標温度に精度よく近づけることができる。これらにより、冷却温度の制御を精度よく行いつつ、省エネルギー化を図ることができる。
また、本実施形態では、制御部3を、取得した温度差積算量Iが負の第1積算量(−Ia)未満となった場合に、電磁弁23を閉じる制御を行うように構成する。これにより、温度差積算量Iが負の第1積算量(−Ia)未満となった際に電磁弁23が閉じられるので、冷却温度が目標温度より常に低い状態で推移する場合と異なり、冷却温度の平均値が目標温度に対して常に低くなることを抑制することができる。その結果、冷却しすぎを抑制して、冷却温度の制御を精度よく行いつつ、省エネルギー化を図ることができる。
また、本実施形態では、制御部3を、電磁弁23を閉じた後、目標温度値と測定温度値との差の積算を継続して行い、温度差積算量Iが第2積算量(0)より大きくなった場合に、電磁弁23を開ける制御を行うように構成する。これにより、目標温度値と測定温度値との差の積算を継続して行うことによって、電磁弁23を閉じた際に温度差積算量Iをリセットする場合と異なり、電磁弁23を閉じる前後の温度推移を考慮することができるので、電磁弁23の開閉により冷却温度の平均値を目標温度に精度よく近づけることができる。
また、本実施形態では、制御部3を、目標温度値と測定温度値との差の絶対値が第1しきい値(たとえば、0.5℃)より小さい場合、目標温度値と測定温度値との差の積算を行わないように構成する。これにより、冷却温度が目標温度と略同じまたは目標温度に近い場合のように冷却温度と目標温度との差の絶対値が小さい場合に、目標温度値と測定温度値との差が積算されて電磁弁23の開閉制御が行われるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、制御部3を、測定温度値が第2しきい値より大きい場合、または、圧縮機21が起動してから所定時間以内である場合、目標温度値と測定温度値との差の積算を行わないように構成する。これにより、冷却を開始した直後の状態で、測定温度値が第2しきい値より大きい場合、または、圧縮機21が起動してから所定時間内である場合に、目標温度値と測定温度値との差を積算することに起因して正の積算値が積算初期において過度に大きくなるのを抑制することができる。その結果、電磁弁23を閉じるまでの時間が過度に長くなるのを抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、冷却装置としての冷蔵/冷凍装置に本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。冷蔵/冷凍装置以外の冷却装置に本発明を適用してもよい。たとえば、冷却装置としてのエアコン、冷水器、冷凍車、自動販売機などに本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、インバータ制御(周波数制御)により圧縮機の回転速度を制御する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、圧縮機は、インバータ制御以外により回転数が制御されてもよい。たとえば、圧縮機は、直流モータを含み電流値の制御により回転数が制御されてもよい。
また、上記実施形態では、凝縮器および圧縮機を含む冷凍機が1つ設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、凝縮器および圧縮機を含む冷凍機を複数設けてもよい。
また、上記実施形態では、冷却庫内に電磁弁、膨張弁、蒸発器、制御部、温度センサが1つずつ設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷却庫内に電磁弁、膨張弁、蒸発器、制御部、温度センサが複数設けられていてもよい。また、1つの冷凍機に対して冷却庫を複数設けてもよい。
また、上記実施形態では、目標温度値と測定温度値との差から不感帯温度を加減して温度差積算量を積算する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、不感帯温度を加減せずに、目標温度値と測定温度値との差を温度差積算量として積算してもよい。
また、上記実施形態では、温度差積算量が第1積算量未満となった場合に、電磁弁を閉じる制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、温度差積算量が第1積算量未満となった場合に、電磁弁を閉じる制御と、測定温度が所定のしきい値(OFF温度)未満となった場合に、電磁弁を閉じる制御とを併用して行ってもよい。これにより、長期/短期の両面において測定温度と目標温度とのかい離を抑制することができるので、安定的かつ効率的に冷却することが可能である。
また、上記実施形態では、温度差積算量が第2積算量より大きくなった場合に、電磁弁を開く制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、温度差積算量が第2積算量より大きくなった場合に、電磁弁を開く制御と、測定温度が所定のしきい値(ON温度)より大きくなった場合に、電磁弁を開く制御とを併用して行ってもよい。
また、上記実施形態では、測定温度値が第2しきい値より大きい場合、または、圧縮機が起動してから所定時間以内である場合、目標温度値と測定温度値との差の積算を行わない構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、測定温度値が第2しきい値より大きい場合、または、圧縮機が起動してから所定時間以内である場合、温度差積算量をリセットする構成であってもよい。
また、上記実施形態では、冷媒として二酸化炭素(CO2)を用いる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷媒として二酸化炭素以外の冷媒を用いてもよい。たとえば、二酸化炭素以外の他の自然冷媒を用いてもよいし、オゾン層破壊係数がゼロの代替フロン冷媒を用いてもよい。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
2 冷凍サイクル
3 制御部
4 温度センサ
21 圧縮機
22 凝縮器
23 電磁弁
24 膨張弁
25 蒸発器
100 冷蔵/冷凍装置(冷却装置)
3 制御部
4 温度センサ
21 圧縮機
22 凝縮器
23 電磁弁
24 膨張弁
25 蒸発器
100 冷蔵/冷凍装置(冷却装置)
Claims (5)
- 圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器と電磁弁とを含み、冷媒を循環させる冷凍サイクルと、
冷却温度を測定する温度センサと、
前記温度センサにより測定される測定温度値と目標温度値との差を積算して正負の符号を考慮した温度差積算量を取得し、取得した前記温度差積算量に基づいて、前記電磁弁の開閉を制御する制御部とを備える、冷却装置。 - 前記制御部は、取得した前記温度差積算量が第1積算量未満となった場合に、前記電磁弁を閉じる制御を行うように構成されている、請求項1に記載の冷却装置。
- 前記制御部は、前記電磁弁を閉じた後、前記目標温度値と前記測定温度値との差の積算を継続して行い、前記温度差積算量が第2積算量より大きくなった場合に、前記電磁弁を開ける制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の冷却装置。
- 前記制御部は、前記目標温度値と前記測定温度値との差の絶対値が第1しきい値より小さい場合、前記目標温度値と前記測定温度値との差の積算を行わないように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却装置。
- 前記制御部は、前記測定温度値が第2しきい値より大きい場合、または、前記圧縮機が起動してから所定時間以内である場合、前記目標温度値と前記測定温度値との差の積算を行わない、または、前記温度差積算量をリセットするように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷却装置。
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Cited By (1)
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WO2021024410A1 (ja) * | 2019-08-07 | 2021-02-11 | 三菱電機株式会社 | チリングユニットおよび空気調和装置 |
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2014
- 2014-10-16 JP JP2014211486A patent/JP2016080245A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021024410A1 (ja) * | 2019-08-07 | 2021-02-11 | 三菱電機株式会社 | チリングユニットおよび空気調和装置 |
JPWO2021024410A1 (ja) * | 2019-08-07 | 2021-12-23 | 三菱電機株式会社 | チリングユニットおよび空気調和装置 |
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