JP2016080214A - 燃料噴射器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の燃料噴射器は、均一に混合された燃料ガスを容易に噴射することができる。
【解決手段】燃料噴射器10は、軸線Oを中心とする管状をなして、軸線Oの延びる軸線O方向の第一の端部側から内側に燃料ガスFが導入される燃料送給チューブと、燃料送給チューブに接続される上流支持プレートと、上流支持プレートとともに内側にプレナムPを画成する下流支持プレートと、軸線O方向に延在して前記上流支持プレート及び前記下流支持プレートに支持されるように設けられて、空気が導入される複数の予混合チューブ16と、を備える。複数の予混合チューブ16は、軸線O方向から見た際に、プレナムPの軸線Oと直交する断面領域が軸線Oを中心として複数の仮想正三角形T1を敷き詰めるように区画された場合に、軸線O上を除いた位置、かつ、仮想正三角形T1の頂点の位置に配置される。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料噴射器に関する。
ガスタービン等では燃料ガスを燃焼器等に供給する際に、燃料噴射器によって空気と燃料ガスとを予め均一に混合させて霧状にして噴射している。
このような燃料噴射器として、例えば特許文献1には、円筒状をなして内部にプレナムを形成し、下流側に向かって拡径するよう形成された内部バッフルを有する燃料噴射器が開示されている。
この燃料噴射器は、上流側チューブ支持部と下流側チューブ支持部とが外側壁によって連結されて形成され、内部の空間をプレナムとする燃料噴射器本体を備えている。この燃料噴射器は、内部のプレナムを径方向に横断するように径方向外側向かって広がる内部バッフルが燃料噴射器本体内に配置されている。この燃料噴射器は、燃料噴射器本体の上流側に燃料送給チューブが接続されている。この燃料噴射器には、上流側チューブ支持部、内部バッフル、及び下流側チューブ支持部を貫通して固定される予混合チューブが複数設けられている。予混合チューブは、燃料ガスを導入するための燃料噴射孔をプレナム内の内部バッフルよりも上流側に配置している。
このような構成の燃料噴射器では、燃料ガスが燃料送給チューブからプレナムに導入される。プレナムに導入された燃料ガスは、内部バッフルの下流側の面に沿って径方向外側に向かって進み外側壁付近まで到達する。その後、外側壁付近まで到達した燃料ガスは、内部バッフルの上流側の面に沿って径方向内側に向かって進みながら、径方向外側に配置された予混合チューブの燃料噴射孔に流入する。燃料噴射口から予混合チューブ内に流入した燃料ガスは、空気と混合されて予混合チューブ下流側に向かって噴射される。
特開2011−69602号公報
ところで、燃料噴射器では、燃料ガスがプレナムを径方向に進む際に隣接する予混合チューブの間を流れることで圧力損失を受ける。
しかしながら、周方向及び径方向に近接する予混合チューブ同士の距離にずれがある場合、燃料ガスの流れる流通経路によって予混合チューブから受ける圧力損失に差が生じる。これにより、予混合チューブに流入させる燃料ガスの供給量に差が生じて、燃料ガスを予混合チューブで均一に混合して噴射させることが難しいという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、均一に混合された燃料ガスを容易に噴射することが可能な燃料噴射器を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様における燃料噴射器は、軸線を中心とする管状をなして、前記軸線の延びる前記軸線方向の第一の端部側から内側に燃料ガスが導入される燃料送給チューブと、前記軸線方向の第二の端部側で前記燃料送給チューブに接続される上流支持プレートと、前記上流支持プレートよりも前記軸線方向の第二の端部側に配置され、前記上流支持プレートとともに内側にプレナムを画成する下流支持プレートと、前記軸線方向に延在して前記上流支持プレート及び前記下流支持プレートに支持されるように設けられて、前記軸線方向の第一の端部側から空気が導入される複数の予混合チューブと、を備え、複数の前記予混合チューブは、前記軸線方向から見た際に、前記プレナムの前記軸線と直交する断面領域が前記軸線を中心として複数の仮想正三角形を敷き詰めるように区画された場合に、前記軸線上を除いた位置、かつ、前記仮想正三角形の頂点の位置に配置され、前記プレナムに位置する部分に、該予混合チューブを内外に貫通する燃料導入孔が形成され、前記燃料導入孔を介して前記プレナムから前記予混合チューブ内に供給された前記燃料ガスが、該予混合チューブ内で前記空気と混合された後、該予混合チューブの前記軸線方向の第二の端部側から噴射される。
このような構成によれば、隣接する予混合チューブ同士の距離をどの位置においても同じとなるように配置することができる。したがって、仮想正三角形の重心から仮想正三角形の外側に向かって燃料ガスが流れる際に、燃料ガスが予混合チューブから受ける圧力損失は、重心から外側に向かう三方向の内どの方向の流通経路を流れても一定となる。つまり、複数の仮想正三角形がプレナムの断面領域に敷き詰められているために、軸線から径方向外側まで燃料ガスが流れた場合に、予混合チューブから燃料ガスが受ける圧力損失はどのような流通経路をたどって流れたとしても均一にすることができる。その結果、燃料送給チューブから供給された燃料ガスのプレナムでの流通経路に関わらず、燃料ガスに生じる圧力損失を一定とすることができる。したがって、燃料導入孔から予混合チューブ内に供給される燃料ガスの供給量を、配置されている予混合チューブの位置に関わらず一定とすることができる。そのため、複数の予混合チューブで混合される空気と燃料ガスとの混合比を一定にすることができる。
また、上記燃料噴射器では、複数の前記仮想正三角形は、前記軸線上に頂点が配置された状態で敷き詰められていてもよい。
また、上記燃料噴射器では、複数の前記仮想正三角形は、前記軸線上に重心が配置された状態で敷き詰められていてもよい。
また、上記燃料噴射器では、複数の前記予混合チューブは、前記仮想正三角形の重心にも配置されていてもよい。
このような構成によれば、プレナムに配置する予混合チューブの数の増加に伴って燃料ガスの流通経路の数が増加しても、燃料ガスが予混合チューブから受ける圧力損失を均一にすることができる。
また、上記燃料噴射器では、前記仮想正三角形の重心に配置され、前記プレナムで前記燃料ガスの流れの抵抗となる圧損体を備えていてもよい。
このような構成によれば、予混合チューブの数によらずに、燃料ガスが受ける圧力損失はどのような流通経路をたどって流れたとしても均一にすることができる。その結果、燃料送給チューブから供給された燃料ガスのプレナムでの流通経路に関わらず、燃料ガスに生じる圧力損失を一定とすることができる。
本発明によれば、プレナム内の燃料ガスの流通経路に関わらず、燃料ガスの圧力損失を一定にし、均一に混合された燃料ガスを容易に噴射することができる。
本発明の第一実施形態における燃料噴射器を説明する縦断面図である。 本発明の第一実施形態に係る燃料噴射器を説明する図1におけるII−IIにおける横断面図である。 本発明の第二実施形態に係る燃料噴射器を説明する図1のII−IIにおける横断面図に相当する図である。 本発明の第三実施形態に係る燃料噴射器を説明する図1のII−IIにおける横断面図に相当する図である。 本発明の第四実施形態に係る燃料噴射器を説明する図1のII−IIにおける横断面図に相当する図である。 本発明の変形例に係る燃料噴射器を説明する図1のII−IIにおける横断面図に相当する図である。
《第一実施形態》
以下、本発明に係る第一実施形態について図1及び図2を参照して説明する。
本発明の第一実施形態に係る燃料噴射器10では、燃料送給チューブ11によって、軸線Oの延びる軸線O方向の第一の端部側から燃料ガスFが導入される。燃料噴射器10は、導入された燃料ガスFを予混合チューブ16で空気Aと混合した後に、軸線O方向の第二の端部側に向かって噴射させて排出する。
本実施形態では、軸線O方向の第一の端部側を燃料ガスFが導入されてくる上流側(図1紙面左側)、軸線O方向の第二の端部側を燃料ガスFが噴射される下流側(図1紙面右側)とする。即ち、本実施形態の燃料噴射器10では、燃料ガスF及び空気Aが上流側から下流側に向かって流通している。
本実施形態の燃料噴射器10は、図1に示すように、燃料送給チューブ11に接続される上流支持プレート12と、上流支持プレート12の下流側に配置される下流支持プレート13と、上流支持プレート12及び下流支持プレート13と連結して内部にプレナムPを画成する外側壁14と、上流支持プレート12及び下流支持プレート13に支持される複数の予混合チューブ16と、プレナムP内に設けられ内部バッフル15とを備えている。
燃料送給チューブ11は、軸線O方向の上流側から供給されてくる燃料ガスFをプレナムPまで流通させている。燃料送給チューブ11は、軸線Oを中心とする管状をなして延びている。燃料送給チューブ11は、下流側で上流支持プレート12と接続されている。
本実施形態の上流支持プレート12は、軸線Oを中心とする円板状をなしており、中心に円形状の貫通孔が形成されている。この貫通孔は、燃料送給チューブ11の外径と同じ径で形成されている。上流支持プレート12は、この貫通孔に燃料送給チューブ11の端部が下流側に飛び出すように挿入された状態で、燃料送給チューブ11と接続されている。上流支持プレート12には、複数の予混合チューブ16を挿通させて支持するための複数の貫通孔が形成されている。
本実施形態の下流支持プレート13は、上流支持プレート12と同じ外径をなし、軸線Oを中心として円板状に形成されている。下流支持プレート13は、外側壁14を介して上流支持プレート12と連結されることで、上流支持プレート12とともに内側に空間であるプレナムPを画成している。下流支持プレート13には、複数の予混合チューブ16を挿通させて支持するための複数の貫通孔が、上流支持プレート12に形成された貫通孔と対応する位置に形成されている。
外側壁14は、上流支持プレート12及び下流支持プレート13の外周を接続している。本実施形態の外側壁14は、上流支持プレート12及び下流支持プレート13の外径と同じ大きさの内径で形成された円筒状をなしている。外側壁14は、軸線O方向の上流側の端部で上流支持プレート12と接続されている。外側壁14は、軸線O方向の下流側の端部で下流支持プレート13と接続されている。したがって、外側壁14によって接続された上流支持プレート12と下流支持プレート13との内側に、画成された空間としてプレナムPが設けられている。
内部バッフル15は、プレナムPで燃料送給チューブ11から供給された燃料ガスFを下流側に向かうにしたがって径方向外側に向かって流すとともに、外側壁14付近まで流された燃料ガスFを下流側に向かうにしたがって径方向の内側に戻すように対流させて流す。本実施形態の内部バッフル15は、プレナムPで燃料送給チューブ11に接続されている。内部バッフル15は、燃料送給チューブ11の軸線O方向の下流側の端部に接続される円筒部151と、軸線O方向の下流側で円筒部151に接続されて下流側に向かうにしたがって漸次拡径する拡径部152とを有する。
円筒部151は、軸線O方向の上流側が燃料送給チューブ11の下流側の端部に接続されている。円筒部151は、燃料送給チューブ11の外径と同じ外径で形成された円筒状をなしている。
拡径部152は、円筒部151との接続部分では円筒部151と同じ外径で形成され、下流側に向かうにしたがって徐々に外径が大きくなるよう形成されている。拡径部152は、下流側の端部の外径が外側壁14の内周面よりも小さく形成されている。
予混合チューブ16は、軸線O方向に延在する円筒状の形状を有する管材である。予混合チューブ16には、軸線O方向の上流側から空気Aが導入され、下流側から空気Aと燃料ガスFとが混合された気体が排出される。予混合チューブ16は、軸線O方向の上流側の端部が上流支持プレート12によって支持され、軸線O方向の下流側の端部が下流支持プレート13によって支持される。
具体的には、本実施形態の予混合チューブ16は、軸線O方向の上流側の端部が上流支持プレート12から軸線O方向の上流側に突出せずに面一となるように固定されている。予混合チューブ16は、軸線O方向の下流側の端部が下流支持プレート13から軸線O方向の下流側に突出せずに面一となるように固定されている。予混合チューブ16には、軸線O方向と直交する径方向に向かって予混合チューブ16を内外に貫通する燃料導入孔161が、プレナムPに位置する部分に形成されている。
また、予混合チューブ16は、上流支持プレート12及び下流支持プレート13に対して複数設けられている。複数の予混合チューブ16は、互いに同じ断面形状及び同じ長さとなるように形成されている。複数の予混合チューブ16は、図2に示すように、軸線O方向から見た際に、軸線Oと直交するプレナムPの断面領域が軸線Oを中心として複数の仮想正三角形T1を敷き詰めるように区画された場合に、軸線O上を除いた位置、かつ、仮想正三角形T1の頂点の位置に配置されている。本実施形態の仮想正三角形T1は、軸線Oと直交するプレナムPの断面領域である仮想の平面上で、軸線Oを中心として放射状に広がるように複数配置される正三角形である。仮想正三角形T1における一辺の長さは、予混合チューブ16を配置する軸線Oから距離や近接する予混合チューブ16同士の距離から定められる。本実施形態では、辺の長さが同じ同形状の仮想正三角形T1がプレナムPの断面領域に敷き詰められている。複数の仮想正三角形T1は、プレナムPの断面領域に対して軸線O上に頂点が配置された状態で敷き詰められている。即ち、本実施形態では、複数の仮想正三角形T1のうちプレナムPの断面領域の中心に配置された仮想正三角形T1の頂点の一つが、軸線Oと重なる位置に配置されている。
複数の予混合チューブ16は、仮想正三角形T1の頂点に配置されることにより、軸線O以外の位置に、軸線Oを中心に径方向外側に向かうに連れて放射状をなして徐々に数が増加するように配置されている。
燃料導入孔161は、プレナムPで燃料ガスFを予混合チューブ16内に流入させる貫通孔である。燃料導入孔161は、円形状の断面形状をなしており、予混合チューブ16を径方向に貫通している。燃料導入孔161は、プレナムPの内部バッフル15の拡径部152が配置された位置よりも軸線O方向の上流側に形成されている。燃料導入孔161は、複数の予混合チューブ16の配置位置に関わらず、プレナムPに対して全ての予混合チューブ16で軸線O方向の同じ位置に配置されている。
次に、上記第一実施形態の燃料噴射器10の作用について説明する。
第一実施形態では、燃料送給チューブ11を介して、軸線O方向の上流側から燃料ガスFがプレナムPに導入される。導入された燃料ガスFは、内部バッフル15の拡径部152の下流側を向く面に沿って、拡径部152と下流支持プレート13との間を径方向外側に向けて流れる。即ち、燃料ガスFは、軸線O方向から見た際に、プレナムPの軸線Oと直交する断面領域において、隣接する予混合チューブ16の間を抜けるように径方向外側に向かって軸線Oから放射状に広がるように流れる。
燃料ガスFは、径方向外側の外側壁14の内周面付近まで流れると、拡径部152を回り込むように方向転換して、軸線O方向の下流側から上流側に向かって流れ、拡径部152の上流側を向く面に沿って、上流支持プレート12と拡径部152との間を径方向内側に向けて流れる。径方向内側に向かって流れる燃料ガスFは、最も径方向外側に配置された予混合チューブ16から、燃料導入孔161を介して予混合チューブ16内に順次取り込まれる。燃料ガスFが流入した予混合チューブ16内では、軸線O方向の上流側から導入される空気Aと燃料ガスFとが混合され、軸線O方向の下流側から噴射して排出される。
上記のような燃料噴射器10によれば、仮想正三角形T1の頂点が軸線O上に配置された状態で、軸線Oを中心としてプレナムPの断面領域に敷き詰められた複数の仮想正三角形T1の頂点に、予混合チューブ16が配置されている。即ち、隣接する予混合チューブ16同士の距離をどの位置においても同じとなるように配置することができる。したがって、仮想正三角形T1の重心から仮想正三角形T1の外側に向かって燃料ガスFが流れる際に、燃料ガスFが予混合チューブ16から受ける圧力損失は、重心から外側に向かう三方向の内どの方向の流通経路を流れても一定となる。つまり、仮想正三角形T1の頂点が軸線Oと重なるように、複数の仮想正三角形T1がプレナムPの断面領域に敷き詰められているために、軸線Oから径方向外側の外側壁14の内周面付近まで燃料ガスFが流れた場合に、予混合チューブ16から燃料ガスFが受ける圧力損失はどのような流通経路をたどって流れたとしても均一にすることができる。その結果、燃料送給チューブ11から供給された燃料ガスFのプレナムPでの流通経路に関わらず、燃料ガスFに生じる圧力損失を一定とすることができる。したがって、燃料導入孔161から予混合チューブ16内に供給される燃料ガスFの供給量を、配置されている予混合チューブ16の位置に関わらず一定とすることができる。そのため、予混合チューブ16によって空気Aと燃料ガスFを均一に混合させることができる。これにより、均一に混合された燃料ガスFを容易に噴射することができる。
また、均一に混合された燃料ガスFを噴射できることで、複数の予混合チューブ16の軸線O方向の下流側の噴出口での燃焼温度をそれぞれ同程度の温度とすることができる。したがって、同程度の燃焼温度の予混合チューブ16を仮想正三角形T1によって等間隔で配置することで、燃焼器全体での燃焼温度を均一にすることができる。
《第二実施形態》
次に、図3を参照して第二実施形態の燃料噴射器20について説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第二実施形態の燃料噴射器20は、複数の仮想正三角形のプレナムPの断面における位置が第一実施形態と相違する。
第二実施形態の軸線Oと直交するプレナムPの断面領域では、複数の仮想正三角形T2は、軸線O上に重心が配置された状態で敷き詰められている。即ち、本実施形態では、図3に示すように、複数の仮想正三角形T2のうちプレナムPの断面領域の中心に配置された仮想正三角形T2の重心が、軸線Oと重なる位置に配置されている。仮想正三角形T2における一辺の長さは、第一実施形態と同様の長さに形成されている。
上記のような燃料噴射器20によれば、仮想正三角形T2の重心が軸線O上に配置された状態で、軸線Oを中心としてプレナムPの断面領域に敷き詰められた複数の仮想正三角形T2の頂点に、予混合チューブ16が配置されている。仮想正三角形T2の重心が軸線Oと重なるように、複数の仮想正三角形T2がプレナムPの断面領域に敷き詰められているために、第一実施形態と同様に、軸線Oから径方向外側の外側壁14の内周面付近まで流れた場合に、予混合チューブ16から燃料ガスFが受ける圧力損失はどのような流通経路をたどって流れたとしても均一にすることができる。その結果、燃料送給チューブ11から供給された燃料ガスFのプレナムPでの流通経路に関わらず、燃料ガスFに生じる圧力損失を一定とすることができる。したがって、燃料導入孔161から予混合チューブ16内に供給される燃料ガスFの供給量を、配置されている予混合チューブ16の位置に関わらず一定とすることができる。そのため、予混合チューブ16によって空気Aと燃料ガスFを均一に混合させることができる。これにより、均一に混合された燃料ガスFを容易に噴射することができる。その結果、第一実施形態と同様に、複数の予混合チューブ16の軸線O方向の下流側の噴出口での燃焼温度をそれぞれ同程度の温度とし、燃焼器全体での燃焼温度を均一にすることができる。
《第三実施形態》
次に、図4を参照して第三実施形態の燃料噴射器30について説明する。
第三実施形態においては第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第三実施形態の燃料噴射器30は、仮想正三角形の重心にも予混合チューブ16が配置されている点が第一実施形態と相違する。
第三実施形態の軸線Oと直交するプレナムPの断面領域では、図4に示すように、複数の予混合チューブ16は、軸線O上を除いた仮想正三角形T3の頂点だけでなく重心にも配置されている。第三実施形態の仮想正三角形T3は、第一実施形態と同様に、複数の仮想正三角形T3のうちプレナムPの断面領域の中心に配置された仮想正三角形T3の頂点の一つが、軸線Oと重なる位置に配置されている。したがって、第三実施形態では、複数の仮想正三角形T3の重心のうち、プレナムPの断面領域の中心に配置されて、軸線Oと重なる重心以外の他の複数の仮想正三角形T3の重心に予混合チューブ16が配置されている。
上記のような燃料噴射器30によれば、仮想正三角形T3の三つの頂点と重心とに配置された予混合チューブ16同士の距離を等しくすることができる。また、隣接する仮想正三角形T3においても予混合チューブ16同士の距離を等しくすることができるため、隣接する予混合チューブ16同士の距離を第一実施形態での隣接する予混合チューブ16同士の距離よりも小さくして、どの位置においても同じとなるように配置することができる。したがって、プレナムPに配置する予混合チューブ16の数の増加に伴って燃料ガスFの流通経路の数が増加しても、燃料ガスFが予混合チューブ16から受ける圧力損失を均一にすることができる。その結果、第一実施形態や第二実施形態と同様に、複数の予混合チューブ16の軸線O方向の下流側の噴出口での燃焼温度をそれぞれ同程度の温度とし、燃焼器全体での燃焼温度を均一にすることができる。
《第四実施形態》
次に、図5を参照して第四実施形態の燃料噴射器40について説明する。
第四実施形態においては第一実施形態から第三実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第四実施形態の燃料噴射器40は、圧損体17を備えている点が第一実施形態から第三実施形態と相違する。
第四実施形態の燃料噴射器40は、仮想正三角形T4の重心に配置されてプレナムPで燃料ガスFの流れの抵抗となり、燃料ガスFに圧力損失を生じさせる圧損体17を備える。なお、第四実施形態の仮想正三角形T4は、第一実施形態と同様に、複数の仮想正三角形T4のうちプレナムPの断面領域の中心に配置された仮想正三角形T4の頂点の一つが、軸線Oと重なる位置に配置されている。
本実施形態の圧損体17は、予混合チューブ16と同じ外径形状をなす中実の棒状部材である。即ち、圧損体17は、圧力損失を生じさせることが目的であるため、内部に燃料ガスFは供給されていない。圧損体17は、一つの仮想正三角形T4に対して重心に一つ配置されている。
上記のような燃料噴射器40によれば、圧損体17を用いることで、予混合チューブ16の数を増加させずに、燃料ガスFが受ける圧力損失を調整することができる。また、予混合チューブ16の数によらずに、燃料ガスFが受ける圧力損失はどのような流通経路をたどって流れたとしても均一にすることができる。その結果、燃料送給チューブ11から供給された燃料ガスFのプレナムPでの流通経路に関わらず、燃料ガスFに生じる圧力損失を一定とすることができる。そのため、予混合チューブ16によって空気Aと燃料ガスFを均一に混合させることができる。これにより、均一に混合された燃料ガスFを容易に噴射することができる。その結果、第一実施形態から第三実施形態と同様に、複数の予混合チューブ16の軸線O方向の下流側の噴出口での燃焼温度をそれぞれ同程度の温度とし、燃焼器全体での燃焼温度を均一にすることができる。
また、予混合チューブ16の代わりに圧損体17を用いることで、圧損体17によってプレナムPを流れる燃料ガスFの流量が少なくなくすることができる。
《第四実施形態の変形例》
上記実施形態では、仮想正三角形T5を第一実施形態や第三実施形態と同様に、複数の仮想正三角形T5のうちプレナムPの断面領域の中心に配置された仮想正三角形T5の頂点の一つが、軸線Oと重なる位置に配置したが、これに限られるものではない。例えば、変形例として、図6に示すように、複数の仮想正三角形T5のうちプレナムPの断面領域の中心に配置された仮想正三角形T5の重心が、軸線Oと重なる位置に配置されていてもよい。この場合、圧損体17は、重心が軸線Oと重なるように、プレナムPの断面領域の中心に配置された仮想正三角形T5以外の仮想正三角形T5の重心に配置される。
このような構成としても、第四実施形態と同様に、圧損体17を効果的に用いることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
なお、仮想正三角形T1、T2、T3、T4、T5は、本実施形態のように同じ大きさで形成されていることに限定されるものではない。例えば、プレナムPの断面領域の中心付近には、本実施形態の仮想正三角形T1、T2、T3、T4、T5よりの一辺の長さの長い仮想正三角形を配置し、その周りに本実施形態と同様の形状の仮想正三角形T5を配置することで、プレナムPの断面領域に対して敷き詰められていてもよい。
また、上流支持プレート12や下流支持プレート13によって画成されるプレナムPは、本実施形態のような形状の空間に限定されるものではなく、任意の形状に形成すれば良い。例えば、内部バッフル15を用いずに、上流支持プレート12を軸線O方向の下流側に向かうにしたがって徐々に下流支持プレート13の外径と同じ大きさとなるように拡径するような形状としてプレナムPを画成してもよい。
O…軸線 F…燃料ガス A…空気 10、20、30、40、50…燃料噴射器 11…燃料送給チューブ 12…上流支持プレート 13…下流支持プレート 14…外側壁 P…プレナム 15…内部バッフル 151…円筒部 152…拡径部 16…予混合チューブ 161…燃料導入孔 T1、T2、T3、T4,T5…仮想正三角形 17…圧損体

Claims (5)

  1. 軸線を中心とする管状をなして、前記軸線の延びる前記軸線方向の第一の端部側から内側に燃料ガスが導入される燃料送給チューブと、
    前記軸線方向の第二の端部側で前記燃料送給チューブに接続される上流支持プレートと、
    前記上流支持プレートよりも前記軸線方向の第二の端部側に配置され、前記上流支持プレートとともに内側にプレナムを画成する下流支持プレートと、
    前記軸線方向に延在して前記上流支持プレート及び前記下流支持プレートに支持されるように設けられて、前記軸線方向の第一の端部側から空気が導入される複数の予混合チューブと、を備え、
    複数の前記予混合チューブは、
    前記軸線方向から見た際に、前記プレナムの前記軸線と直交する断面領域が前記軸線を中心として複数の仮想正三角形を敷き詰めるように区画された場合に、前記軸線上を除いた位置、かつ、前記仮想正三角形の頂点の位置に配置され、
    前記プレナムに位置する部分に、該予混合チューブを内外に貫通する燃料導入孔が形成され、
    前記燃料導入孔を介して前記プレナムから前記予混合チューブ内に供給された前記燃料ガスが、該予混合チューブ内で前記空気と混合された後、該予混合チューブの前記軸線方向の第二の端部側から噴射される燃料噴射器。
  2. 複数の前記仮想正三角形は、前記軸線上に頂点が配置された状態で敷き詰められている請求項1に記載の燃料噴射器。
  3. 複数の前記仮想正三角形は、前記軸線上に重心が配置された状態で敷き詰められている請求項1に記載の燃料噴射器。
  4. 複数の前記予混合チューブは、前記仮想正三角形の重心にも配置されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料噴射器。
  5. 前記仮想正三角形の重心に配置され、前記プレナムで前記燃料ガスの流れの抵抗となる圧損体を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料噴射器。
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