JP2016080058A - 圧力容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】極低温時の場合であっても、ライナーと補強層との間に生じる隙間を抑制することができると共に、より多くの燃料ガスを使うことができる圧力容器を提供すること。
【解決手段】この圧力容器1は、正の線膨張係数を有し、中空のライナー11と、ライナー11を覆い、正の線膨張係数よりも小さい正の線膨張係数を有する補強層21と、ライナー11と補強層21との間に設けられ、負の線膨張係数を有する膨張材31と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、水素ガス、及び、CNG(圧縮天然ガス)等の各種圧縮ガス、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)等の各種液化ガス、その他の各種加圧物質を充填するための圧力容器に関する。
燃料電池の発電に用いる高圧の水素ガスを収納する圧力容器として、軽量化を図る目的で樹脂材料を用いた圧力容器が知られている。より詳細には、水素ガスを収納する収容空間を内部に有した合成樹脂製の薄肉容器(ライナー)を、樹脂が含浸された繊維強化樹脂補強層(以下、「FRP補強層」とも称する)で被い、その後樹脂を硬化させた構造の圧力容器が知られている。
しかし、この圧力容器では、低温時には、ライナーとFRP補強層との熱膨張係数の違いによって、ライナーとFRP補強層との間に隙間が生じるおそれがある。この隙間が生じた状態で水素ガスを再充填すると、ライナーが膨張し、ライナーは所定以上の引っ張り応力を受けて破損するおそれがあった。
このような問題を解決することを意図して、下記特許文献1には、ライナーと補強層との隙間に、弾性を有する注入材(注入層)を注入することにより隙間の発生を抑制した圧力容器が提案されている。
特開平10−231998号公報
ところで、極低温(例えば−70℃以下)の場合には、ライナーが大きく収縮するために、ライナーとFPR補強層との間に大きな隙間が生じるおそれがある。上記特許文献1には、この隙間に注入材を注入して隙間の発生を抑制することが記載されているものの、当該注入材は、極低温時にはライナー以上に収縮し、かつ、弾性の伸び量が減少してしまう材質であるため、極低温時において隙間の発生を抑制する効果としては不十分であった。
上記のような極低温時に生じる隙間の問題を解決するために、隙間が発生しない圧力容器内の圧力の下限値を規定し、当該下限値以下では内部の水素ガスを使用しないように制限をかけるという手法も考えられる。このように制限をかければ極低温時に生じる隙間の問題をある程度は解消できる。しかしながら、このような制限をかけてしまうと、下限値以下の状態では水素ガスを使用できないという問題があった。
以上のように、従来の圧力容器にあっては、極低温時に生じるライナーとFPR補強層との隙間の発生を抑制すると共に、下限値以下では容器内の燃料ガスを有効に使うことができないという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、極低温時の場合であっても、ライナーと補強層との間に生じる隙間を抑制することができると共に、より多くの燃料ガスを使うことができる圧力容器を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る圧力容器は、内部に高圧ガスを充填可能な圧力容器であって、正の線膨張係数を有し、中空のライナー層と、前記ライナー層を覆い、前記正の線膨張係数よりも小さい正の線膨張係数を有する補強層と、前記ライナー層と前記補強層との間に設けられ、負の線膨張係数を有する膨張材と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る圧力容器では、正の線膨張係数を有するライナー層と当該ライナー層を覆う補強層との間に、負の線膨張係数を有する膨張材が設けられている。この膨張材は例えば極低温(例えば−70℃)において膨張するため、当該極低温時においてライナー層が大きく収縮しても、膨張材が膨張することによりライナー層と補強層との間の隙間を埋めることができる。これにより、極低温時の場合であってもライナー層と補強層との間に生じる隙間を抑制でき、圧力容器内に水素ガスを再充填しても、ライナー層が受ける引っ張り応力を抑制することができる。その結果、極低温時に隙間が発生しないように圧力容器内の圧力の下限値を規定して当該下限値以下では使用しないという制限をかけた膨張材を有さない圧力容器に対して、より低い下限値とすることができるので、より多くのガスを使うことができる。なお、より低い下限値には0も含まれる。
また本発明に係る圧力容器では、計算によって算出される所定温度における前記ライナー層と前記補強層との間の隙間に基づいて、前記膨張材の種類及び厚さが設定されることも好ましい。
また本発明に係る圧力容器では、前記膨張材の材料は、タングステン酸ジルコニウム及びシリコン酸化物のうち少なくとも一つからなることも好ましい。
本発明によれば、極低温時の場合であっても、ライナーと補強層との間に生じる隙間を抑制することができると共に、より多くの燃料ガスを使うことができる圧力容器を提供することができる。
本実施形態に係る圧力容器を搭載した燃料電池自動車を示す図である。 本実施形態に係る圧力容器の一部を示す断面図である。 (A)タンク内の圧力とライナーに発生する応力との関係を説明するためのグラフである。(B)タンク内の圧力と、ライナーと補強層との間に生じる隙間の大きさとの関係を説明するためのグラフである。 従来の圧力容器の一部を示す断面図である。
以下添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施形態以外の他の実施形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。
図1は、本実施形態に係る圧力容器を搭載した燃料電池自動車を示す図である。燃料電池自動車100は、例えば3つの圧力容器1を車体のリア部に搭載する。各圧力容器1は、燃料電池システムの一部を構成し、ガス供給ライン102を通じて燃料電池104に燃料ガスを供給可能に構成される。圧力容器1に貯留される燃料ガスは、可燃性の高圧ガスであり、例えば圧縮天然ガス又は水素ガスである。なお、圧力容器1は、燃料電池自動車のみならず、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車両のほか、各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置型にも適用できる。
図2は圧力容器の一部を示す断面図である。圧力容器1は、タンク本体2(以下、単に「タンク」とも称する)を備える。タンク本体2は、全体として密閉円筒状からなり、その内部は、燃料ガスを常圧よりも高い圧力で貯留する貯留空間6を有する。所定圧力の水素ガス又は圧縮天然ガスが貯留空間6内に貯留される。以下では、圧力容器1が貯留する高圧ガスとして水素ガスを例に説明する。
図2に示すように、タンク本体2は、ガスバリア性を有する内側のライナー11(ライナー層)と、ライナー11の外周側に位置する補強層21と、ライナー11と補強層21との間に設けられる膨張材31と、バルブ側口金13と、バルブ15とを少なくとも備えている。
ライナー11は、内部に水素ガスを貯留する貯留空間6を有するように中空形状に形成されている。ライナー11の材質は、本実施形態では正の線膨張係数を有する材質であれば特に制限されるものではなく、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂その他の硬質樹脂を挙げることができる。また、これらの樹脂を二層以上に組み合わせて、複数層から成る積層体としてライナー11を構成しても良い。
補強層21は、タンク本体2の外殻又は外容器とも換言される部分である。補強層21は、ライナー11の外側の領域を所定の厚みで被覆している。補強層21は、例えば、マトリックス樹脂(プラスチック)を炭素繊維で強化してなるFRP層(CFRP)である。マトリックス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、等が挙げられる。補強層21の材質は、ライナー11材が有する正の線膨張係数よりも小さい正の線膨張係数を有する材質で形成されることが好適である。例えばライナー11に用いられる材質の線膨張係数が7×10-5であれば、補強層21には、線膨張係数2×10-7の材質が用いられる。補強層21は、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂を含浸した炭素繊維を、例えばフィラメントワインディング法によりライナー11に巻きつけ、エポキシ樹脂を加熱硬化させることで形成される。補強層21の一部は、後述する膨張材31の表面に接する。
バルブ側口金13は、略円筒状の形状であり、ライナー11と補強層21との間に嵌入されて、固定されている。バルブ側口金13に形成された略円柱状の開口部30は、圧力容器1の開口として機能し、当該開口部30に以下に説明するバルブ15が着脱自在に取り付けられる。また、バルブ側口金13の開口部分における内周面13aには、メネジ部(図示省略)が形成されている。本実施形態では、バルブ側口金13は、ステンレスによって形成されているが、他の実施形態では、例えば、アルミニウムといった他の金属や樹脂材によって形成されても良い。
バルブ15は、略円柱状の形状であり、バルブ側口金13と嵌合する外周面15aにはオネジ部(図示省略)が形成されている。バルブ15に形成されたオネジ部とバルブ側口金13のメネジ部とが嵌合することにより、バルブ15は、圧力容器1に対して相対位置が固定される。バルブ側口金13に嵌合したバルブ15によって、バルブ側口金13の開口が閉じられる。バルブ15は、外部のガス供給ライン102(図1参照)と接続され、タンク本体2の内部に貯留された水素ガスの給排がなされるようになっている。なお、バルブ側口金13の内周面13aに、当該内周面13aとバルブ15との間を軸シールするシール部材(図示省略)を設ける等、適宜他の部材を用いることが可能である。また、バルブ側口金13とバルブ15とを固定するための構成としては、上述したオネジ部とメネジ部とを嵌合して固定する構成以外にも、他の構成を採ることが可能である。
ところで、ライナー11と補強層21との間には、隙間16(図4参照)が形成される場合がある。補強層21の元となるCFRPを巻き付けた後に、高圧タンク(タンク本体)を恒温槽(図示略)に入れて成形する場合、ライナー11の熱膨張係数と補強層21の熱膨張係数との相違から成形後に隙間16が生じる。具体的には、CFRPを巻きつけた後の高圧タンクが恒温槽に入れられると、ライナー11は、恒温槽からの熱と補強層21に含浸しているエポキシ樹脂の硬化反応による補強層21の自己発熱とによって付随的に加熱される。ライナー11は、補強層21よりも熱膨張係数が大きい材質であるため、恒温槽で加熱されると補強層21よりも伸びるが、補強層21によって伸びが制限される。補強層21のCFRPは、熱膨張係数がライナー11よりも小さいため、硬化後の全長が硬化前の全長よりも小さくなる。そのため、恒温槽から取り出した高圧タンクにおいて、ライナー11および補強層21が冷却されると、ライナー11は制限された状態からさらに縮むため、ライナー11と補強層21との間に冷却後の成形時に空気が閉じ込められた隙間16が形成される。特に、極低温時(−70℃以下)では、ライナー11が大きく収縮するために、ライナー11と補強層21との間に、大きな隙間16が形成される。
上記極低温時(−70℃以下)に生じる大きな隙間16の問題を解決することを意図して、隙間が発生しにくい圧力容器1内の圧力の下限値を規定して当該下限値以下では使用しないように制限をかけるという手法もある。しかしながらこのような制限をかけてしまうと、圧力容器1内の圧力が下限値以下のときには使用できないため、圧力容器1内の水素をより多く使うことができないという問題が生じてしまう。
そこで本実施形態では、極低温時(−70℃以下)に生じる隙間16を抑制し、且つ、タンク本体2内の水素をより多く使うことが可能な圧力容器1として、図2に示すように、ライナー11と補強層21との間に膨張材31が設けられている。
図2に示す膨張材31は、ライナー11と補強層21との間、好ましくはライナー11表面に配置される。膨張材31は、低温時(例えば−70℃など)に膨張し、この状態でタンク本体2内に水素ガスが充填される場合にライナー11の膨張を規制する。膨張材31としては、負の線膨張係数を有する材料が用いられ、例えば、タングステン酸ジルコニウム(線膨張係数−9×10-6)、シリコン酸化物(線膨張係数(−2〜―5)×10-6)等が挙げられる。なお、本実施形態における膨張材31としては、低温時に膨張する材料が用いられれば良く、上記に挙げた材料以外にも負の線膨張係数を有する材料であれば適宜他の材料を選択可能である。
膨張材31を含む圧力容器1は、例えば以下のような工程を経て作製される。まず、ライナー11と補強層21との間に生じる隙間16(図4参照)を所定のシステム(CAE等)により解析し、隙間16の大きさを予め測定しておく。
次いで、上記隙間16の大きさを勘案した上で、ライナー11表面上に形成された隙間16に、低温時に膨張する膨張材31を配置する。
次いで、膨張材31の上から補強層21を積層する。これにより、ライナー11と補強層21との間に膨張材31が形成された圧力容器1が作製される。
なお、上記膨張材31を配置する工程においてに、ライナー11と補強層21との間の隙間16を埋めるために必要な膨張量を確保できるように、予め測定された隙間16の大きさに基づいて膨張材31の種類及び厚みを変更することが好ましい。例えば寒冷地(−40℃)にてタンク本体2内の水素ガスを放出し続けると、タンク本体2の温度が−70℃程度まで下がることが知られているが、このような条件下でのライナー11と補強層21との間に生じる隙間16の大きさを所定のシステムによって解析して測定し、この隙間16の大きさと略同等の体積分、膨張可能なように膨張材31の種類や厚みを選定することが好ましい。
以上のように、ライナー11が収縮することで生じる隙間16に膨張材31を設けることで、低温時においてこの膨張材31が膨張するため、水素ガスをタンク本体2内に再充填した場合に、ライナー11に生じる引っ張り応力及び歪を低減することができる。
なお、膨張材31は、高温時には収縮するものであるが、高温時には正の線膨張係数を有するライナー11が膨張してライナー11と補強層21との間の隙間を埋めるように作用するため、本実施形態のように低温時に膨張し高温時に収縮する膨張材31を設けることによって、低温時だけでなく高温時においても、ライナー11と補強層21との間に生じる隙間16を抑制することができる。
続いて、タンク本体の内圧とライナーに発生する応力との関係について説明する。図3(A)は、タンク本体の内圧(タンク内圧)とライナーに発生する応力との相関関係について示すグラフである。図3(B)は、タンク内圧と、ライナーと補強層との間に生じる隙間の大きさ(隙間量)との関係を示すグラフである。なお、図3(A)に示すグラフでは、横軸がタンク内圧を示しており、縦軸がライナーに発生する応力を示している。また図3(B)に示すグラフでは、横軸がタンク内圧を示しており、縦軸がライナーと補強層との間に生じる隙間の大きさ(隙間量)を示している。
図3(A)の曲線G1は、本発明の圧力容器1(図2参照)についての実験により得られた測定結果を示している。図3(A)の曲線C1及びC2は、従来の圧力容器200(図4参照)についての実験により得られた測定結果を示している。
この実験では、常温で製造された圧力容器について、タンク内のガスを放出し続けてタンク内の温度を極低温時(−70℃)にまで冷却させた後、タンク内に再度水素ガスを充填してタンク内の圧力を上昇させた場合の、ライナーに発生する応力を測定した。なお、曲線C1は、従来の圧力容器200において、タンク内圧Pが0≦P<P1の範囲でのライナーに発生する応力の測定結果を示し、曲線C2は、従来の圧力容器200において、タンク内圧PがP≧P1の範囲でのライナーに発生する応力の測定結果を示している。図3(A)に示すP1の値としては、膨張材31が設けられていない圧力容器(従来の圧力容器200)において、極低温時(−70℃)でライナー11と補強層21との間に隙間16が生じにくいように予め規定される下限圧であり、その大きさは適宜設定される。
まず、従来の圧力容器200について説明する。図3(A)の曲線C1に示すように、従来の圧力容器200において、タンク内圧Pが0≦P<P1の範囲では、タンク内圧Pの上昇に伴いライナーが膨張してライナーに発生する応力が上昇し、ライナーに発生する応力がライナーの破断応力F1を超える測定結果が得られた(例えばタンク内圧P=P2(P2<P1)でのライナーに発生する応力がライナーの破断応力F1以上となっている)。このため、従来の圧力容器200では、タンク内圧Pが0≦P<P1の範囲でライナーが破損してしまう問題が発生する。
また従来の圧力容器200において、タンク内圧PがP1以上の場合では、曲線C2に示すように、ライナーの破損が生じない(ライナーに発生する応力はライナーの破断応力F1未満である)ものの、タンク内圧P=P1以下の状態ではタンク内の水素ガスを使用できないため、圧力容器200内に充填されている水素ガスをより多く使うことができないという問題が生じてしまう。
これに対し、本発明の圧力容器1では、図3(A)の曲線G1が示すように、タンク内圧Pが0≦P<P1の範囲でも、ライナー11に発生する応力がライナー11の破断応力F1より大幅に小さい。具体的には、例えばタンク内圧PがP=P3のときのライナー11に発生する応力について従来(C1)と本発明(G1)との測定結果を比較すると、従来におけるライナー11に発生する応力F3´に対して、本発明におけるライナー11に発生する応力F3は半分以下の値となっている。このため、本発明の圧力容器1では、タンク内圧Pを0MPaから上昇させていっても、ライナー11が破損するおそれがない。これは、ライナー11と補強層21との間に設けられた膨張材31が膨張し、ライナー11と補強層21との間に生じる隙間が低減された結果、再度水素ガスを圧力容器1内に充填したとしてもライナー11の膨張が抑えられるためである。
以上の測定結果から示されるように、従来では、圧力容器200内の温度を極低温時(−70℃)まで冷却させた後、圧力容器200内に再度水素ガスを充填して圧力容器200内の圧力を上昇させた場合、例えばタンク内圧Pが0≦P<P1の範囲ではライナー11に発生する応力がライナー11の破断応力F1を超えて、ライナー11が破損してしまう。これは、極低温時ではライナー11が大きく収縮し、ライナー11と補強層21との間に大きな隙間(図3(B)参照)が生じるため、容器内に再度水素ガスを充填した場合にはライナー11は膨張し、ライナー11には破断応力F1を超える引っ張り応力が生じるためである。特に、極低温時であり、且つ、タンク内圧が小さいとき(タンク内圧が所定の圧力以下(例えば2MPa以下)のとき)、ライナー11と補強層21との間に大きな隙間が生じる(図3(B)参照)。
本発明の圧力容器1では、上述したように、ライナー11と補強層21との間に膨張材31が設けられ、この膨張材31が極低温時では膨張することにより、図3(B)に示すような極低温時に生じる隙間を低減することができ、ライナー11に発生する応力を大幅に小さくすることができる(図3(A)の曲線G1)。その結果、極低温時でタンク内圧PがP1(所定値)以下の場合であっても、ライナー11に発生する応力を十分小さくすることができるので、タンク本体2内の水素ガスを使用でき、タンク本体2内の水素ガスをより多く使うことができる。
また本実施形態では、ライナー11と補強層21との間に設けられる膨張材31は、ライナー11が膨張する温度(例えば常温(23℃))では収縮するが、ライナー11が収縮する温度(例えば低温(―40℃など))では膨張するようになっているため、高温及び低温共にライナー11と補強層21との間に隙間16が生じることを抑制することができる。
また本実施形態では、ライナー11と補強層21との間の隙間16を埋めるために必要な膨張量を確保できるように、予め測定された隙間16の大きさに基づいて膨張材31の種類及び厚みが選定されるので、測定された隙間16と略同等の体積分膨張材31が膨張することにより、より一層の隙間16の発生を抑制することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
1:圧力容器
2:タンク本体
6:貯留空間
11:ライナー(ライナー層)
13:バルブ側口金
15:バルブ
16:隙間
21:補強層
31:膨張材

Claims (3)

  1. 内部に高圧ガスを充填可能な圧力容器であって、
    正の線膨張係数を有し、中空のライナー層と、
    前記ライナー層を覆い、前記正の線膨張係数よりも小さい正の線膨張係数を有する補強層と、
    前記ライナー層と前記補強層との間に設けられ、負の線膨張係数を有する膨張材と、を備えることを特徴とする圧力容器。
  2. 計算によって算出される所定温度における前記ライナー層と前記補強層との間の隙間に基づいて、前記膨張材の種類及び厚さが設定されることを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。
  3. 前記膨張材の材料は、タングステン酸ジルコニウム及びシリコン酸化物のうち少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力容器。
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