JP2016078180A - 異常原因推定装置、ピッキング装置及びピッキング装置における異常原因推定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ピッキング装置2は、容器4にバラ積みされたワークを一個ずつ掴むロボット8と、ロボットコントローラ16と、異常原因推定装置22と、取り出し異常判断手段10とを有している。異常原因推定装置22は、三次元測定装置12と認識手段14とを有している。取り出し異常が発生した場合、異常原因推定装置22は、三次元測定装置12により取得された初期設定時の容器4の平面領域4aの初期値データと、平面領域4aの異常時位置データとから異常の原因を推定する。
【選択図】図1
Description
バラ積みされた部品をロボットアームでピッキングするためには、部品等を個々に認識する必要があるため、各部品の位置及び姿勢を認識する3次元物体認識装置が必要である。
物体を三次元計測する技術としては、2つのカメラの画像の視差情報から距離を算出するステレオ法や、プロジェクタとカメラ、あるいはレーザとカメラを用いた三角測量法などが既に知られている。
特許文献1等に開示される技術は、あくまでもピッキング自体の精度向上と、ピッキングに要する時間の短縮等を目的としたもので、異常が発生した場合の事態に対処するものではなかった。
異常が発生した場合、ピッキングシステムを止めて異常の原因を調べ、復旧のための処理を実施することが行われているが、異常の原因が容易に判断できない場合もあり、システムの復旧に時間が掛かってしまうことがあった。
また、本発明のピッキング装置における異常原因推定方法は、容器内の対象物を取り出して別の場所に移すピッキング処理が正常になされているかを判断する第1のステップと、第1のステップで異常と判断された際に、前記容器の所定の位置に対応する位置データを初期値データとして、該初期値データと、取り出し異常と判断された際の前記容器の異常時位置データとに基づいて取り出し異常の原因を推定する第2のステップと、を有する。
図1に本実施形態に係るピッキング装置を示す。
ピッキング装置2は、プラスチック製の容器4内にばら積みされた対象物としてのワーク6(図2参照)を一個ずつ取り出す取り出し手段としてのロボット8と、ロボット8による取り出し異常が発生したかどうかを判断する取り出し異常判断手段10とを有している。
また、ピッキング装置2は、容器4の位置データを取得する位置データ取得手段としての三次元測定装置12と、三次元測定装置12により取得した位置データから容器4やワーク6を認識する認識手段14と、ロボットコントローラ16とを有している。
容器4のサイズはワーク6のサイズによって様々であるが、形状はほとんど同一であり、図2に示すように、上面側にドット表示で示す平面領域4aが存在する。
平面領域4aは4つの面が周方向に連なった矩形状となっている。
図2は容器4を上から見た平面図であり、符号4bは内方の底面を示している。
三次元測定装置12の構成としては、ステレオカメラや、三角測量法を使用したプロジェクタとカメラ、あるいはレーザとカメラの組み合わせ等を採用することができる。
三次元測定装置12で取得した三次元情報に対して、認識手段14で容器4とワーク6の認識処理を実施する。
マッチング方法は、三次元データのみで実施するCADマッチングやサーフェスマッチングに限定されず、輝度情報からエッジ抽出処理などを複合的に実施する手法でも構わない。
三次元データは、三次元測定装置12のセンサ上の位置を表す二次元データと、容器4の高さ方向の距離データとからなる。
ロボット8は、三次元動作が可能な多関節のアーム18と、ツメの開閉でワーク6を掴むロボットハンド20とを有している。
ロボット8に関しては多関節だけでなく、容器4からワーク6を取り出して別の場所に移送できる機構であれば何でも構わない。
本実施形態では、ロボットハンド20はツメを開閉してその間にワークを掴むツメ開閉方式としているが、ワーク6を一つずつ取り出せればよく、電磁石式、エアー吸着式、あるいはそれらの組合せであってもよい。
取り出し異常判断手段10は、ロボット8によって容器4からワーク6をピッキングできなかった場合や、ピッキング後に組み立てラインの所定位置にワーク6を正確に移送できなかった場合等に取り出し異常が発生したと判断し、異常信号を認識手段14に送る。
所定位置にワーク6を正確に移送できなかった場合とは、移送後のワーク6の位置がずれている場合等を意味する。
ロボット8は、例えば、制御フローに従ったロボットハンド20の動作後にロボットハンド20にワーク6が掴まれているか否かを判断できるセンサによる検知構成、移送後の所定位置に対する位置ずれを検出できる構成を有している。
ロボット8は、ワーク6の取り出しに関する検出結果を取り出し異常判断手段10に送信する。取り出し異常判断手段10は、ロボット8の検出した結果を用いることで取り出し異常を判断する。
認識手段14は、CPU(Central Processing Unit)24、CPU24を動作させるためのプログラムを格納するROM(Read Only Memory)26、プログラム用ワークRAM(Random Access Memory)28を備えている。
また、認識手段14は、三次元測定装置12により取得した容器4の平面領域4aに対応する三次元データの初期値を記憶し、電源を切ってもデータを保持しておくことが可能な不揮発RAM(Non-Volatile RAM)30を備えている。
認識手段14は、取り出し異常判断手段10の出力する取り出し異常信号を受け取る。
これらについては公知の技術であるので詳細な説明は省略する。
三次元測定装置12により取得された三次元データは三次元データ取得部36に入力され、認識部38に出力される。
認識部38では三次元データ取得部36からの三次元データがワーク認識部40と平面領域認識部42とにそれぞれ入力される。
ワーク認識部40で認識されたデータはロボットコントローラ16に出力される。
平面領域認識部42で初期設定時認識された初期値データは初期値データ記憶部44に記憶される。
異常原因推定部46は、異常原因がロボット8の位置ずれ等にある場合には、その旨を表示部48に表示してシステムの復旧処置(点検)を促す。
異常原因が三次元測定装置12にある場合には、異常原因推定部46は三次元測定装置12に対してキャリブレーションを実行する。
ワーク認識部40で認識された三次元情報はロボットコントローラ16に送られ、これに基づいてロボット8が動作して容器4からワーク6がピッキングされる。
上記各処理はROM26に記憶されたプログラムによってCPU24が動作することで実現される。
異常が発生した場合の対処方法について以下に説明する。
(1)ロボットによる問題
(2)環境による問題
(3)三次元測定による問題
まず初期設置時に平面領域4aの3次元情報を取得しておく。そのデータ(初期値データ)を正解値とした場合の変化値をパラメータとして、上記3つの原因を分類する。
(1)まったく変化しない
(2)平面式の変化が線形近似可能な変化
(3)(2)以外の変化
これは、ロボット自体が故障した場合や、温度、経時変化などで座標がずれてしまい、ピッキングできなくなる場合を意味する。
この場合、三次元測定装置12で取得される平面領域4aの三次元情報はまったく変化しない。
つまり、上記(1)の原因が当てはまる。
また、振動やヒューマンエラーによって、三次元測定装置12やそれを支持している支持部材自体がずれてしまうことがある。
その場合、平面領域4aの三次元情報は傾きや距離、シフトなどの状態変化として確認できる。
このような三次元の変化は、正解値である三次元データを平面式に変換した場合、線形的な変化しかしないため、式(1)で示すような式で近似が可能である。
ax+by+cz=d (1)
まず、三次元測定装置12による撮像(撮影)を行い、三次元データを取得してそのデータについて信頼性があるか否かをチェックする(S1)。
例えばカメラ側で取得した輝度情報から飽和領域を算出し、ある閾値以下であることを確認する。輝度飽和領域が多いとテクスチャ情報が欠損しているため、不正確な三次元情報が出力されている可能性が高い。
データの信頼性がないと判断された場合には、撮像条件を変更して再度撮影し(S2)、S1のデータの信頼性のチェックに戻る。
初期設定時に取得した三次元データ(初期値データ)に対して差分処理を行う。すなわち、正解値に対する異常時位置データの差分処理(1)を実施する(S4)。
この場合、全三次元データのそれぞれの差分を算出してもよく、三次元データから容器4の重心を算出し、その差分から変化を検出してもよい。
差分処理(1)によって得られた差分に基づいて、正解値に対して変化があるか否かを判断する(S5)。
その場合はロボットが故障してないか、初期設置位置に対して動いてないかなどの点検を実施すればよい。この場合、表示部48に点検を促すメッセージが表示される。
差分処理(1)によって得られた差分が差分1よりも大きい場合には、三次元測定装置12と容器4との相対関係のずれであると判断し、次のステップへと移行し、平面近似を行う(S7)。
初期設定時に取得した初期値データに対して平面式で近似をする。平面式は例えば二乗和が最小となるように算出すればよい。
平面近似で得られた平面データとしての初期値データと、実際の三次元データ(異常時位置データ)との差分を抽出する。差分は平面近似で使用した二乗和の総和でもいいし、平均値でもいい。
差分処理(2)によって得られた差分に基づいて、正解値に対して変化があるか否かを判断する(S9)。
上記差分が予め設定された差分2以下の場合は、環境に関する問題と判断する(S10)。
この場合、表示部48に点検を促すメッセージが表示される。
三次元測定装置12自体が正確に三次元情報を出力していない場合は、三次元測定装置12自体のキャリブレーションを実施すればよい。
キャリブレーションは、得られた平面近似からのずれ量を用いて実施してもよく、任意のチャートを別途用いて再度実施してもよい。
復旧時間の短縮によってピッキング作業の効率化に寄与できる。
このようにすれば、対応点が取得しやすくなり、平面領域4aの認識精度を高めることができる。
また、平面領域4aに段差を設ければ既知の情報を増やすことができる。この情報をもとに三次元測定装置自体のキャリブレーションをより高精度に実施することもできる。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
4 容器
6 対象物としてのワーク
8 取り出し手段としてのロボット
10 取り出し異常判断手段
12 位置データ取得手段としての三次元測定装置
14 認識手段
22 異常原因推定装置
44 初期値記憶手段としての初期値データ記憶部
Claims (10)
- 取り出し手段により容器内の対象物を取り出す際の取り出し異常時に、該取り出し異常の原因を推定する異常原因推定装置であって、
前記容器の位置データを取得する位置データ取得手段と、
前記位置データ取得手段により取得した位置データから前記容器を認識する認識手段と、
前記認識手段により認識された前記容器の所定の位置に対応する位置データを初期値データとして記憶する初期値記憶手段と、
を備え、
前記初期値記憶手段に記憶された前記初期値データと、取り出し異常が発生した際に前記認識手段で認識された前記容器の異常時位置データとに基づいて取り出し異常の原因を推定する異常原因推定装置。 - 請求項1に記載の異常原因推定装置において、
前記位置データ取得手段が三次元測定装置である異常原因推定装置。 - 請求項2に記載の異常原因推定装置において、
前記認識手段は、前記位置データ取得手段により取得される位置データのうち、前記容器の上面の平面領域に対応する位置データを前記位置データとする異常原因推定装置。 - 請求項3に記載の異常原因推定装置において、
前記初期値データと前記異常時位置データとの差分が予め設定された差分1以下の場合には、前記取り出し手段に異常の原因があると推定する異常原因推定装置。 - 請求項3に記載の異常原因推定装置において、
前記初期値データと前記異常時位置データとの差分が予め設定された差分1よりも大きい場合には、前記初期値データに対して平面式で近似を行い、平面近似で得られた平面データと前記異常時位置データとの差分を抽出し、差分が予め設定された差分2以下の場合には、前記容器と前記位置データ取得手段との相対関係のずれに異常の原因があると推定する異常原因推定装置。 - 請求項5に記載の異常原因推定装置において、
平面近似で得られた平面データと前記異常時位置データとの差分が、予め設定された差分2よりも大きい場合には、前記位置データ取得手段に異常の原因があると推定する異常原因推定装置。 - 容器内の対象物を取り出す取り出し手段と、
取り出し異常が発生したかどうかを判断する取り出し異常判断手段と、
取り出し異常が発生した際に取り出し異常の原因を推定する異常原因推定装置と、
を備え、
前記異常原因推定装置が請求項1〜6のいずれか1つに記載のものであるピッキング装置。 - 容器内の対象物を取り出して別の場所に移すピッキング処理が正常になされているかを判断する第1のステップと、
第1のステップで異常と判断された際に、前記容器の所定の位置に対応する位置データを初期値データとして、該初期値データと、取り出し異常と判断された際の前記容器の異常時位置データとに基づいて取り出し異常の原因を推定する第2のステップと、
を有するピッキング装置における異常原因推定方法。 - 請求項8に記載のピッキング装置における異常原因推定方法において、
前記容器は特徴点が取得できる模様を有するピッキング装置における異常原因推定方法。 - 請求項8に記載のピッキング装置における異常原因推定方法において、
前記容器は、前記位置データを取得するための2つ以上の平面を有しているピッキング装置における異常原因推定方法。
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