JP2016075673A - インダクタンス測定装置およびインダクタンス測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安全性の向上および測定の簡単化を図る、またコスト低減を図ることができるインダクタンス測定装置およびインダクタンス測定方法を提供する。
【解決手段】 このインダクタンス測定装置は、測定対象となるコイル相当部品(1)のインダクタンスを測定する。コイル相当部品(1)に蓄電手段(2)を直列接続した測定用回路を構築し、蓄電手段(2)に電荷を与える直流電源等の電源(4)に接続可能とする。蓄電手段(2)と電源(4)との間を接続状態とし、コイル相当部品(1)と蓄電手段(2)との間を切断状態とするスイッチング状態と、蓄電手段(2)と電源(4)との間を切断状態とし、コイル相当部品(1)と蓄電手段(2)との間を接続状態として蓄電手段(2)からコイル相当部品(1)等に電流を流すスイッチング状態とに切換可能なスイッチ(SW1),(SW2)を設ける。コイル相当部品(1)の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する電圧等検出手段(5)を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 このインダクタンス測定装置は、測定対象となるコイル相当部品(1)のインダクタンスを測定する。コイル相当部品(1)に蓄電手段(2)を直列接続した測定用回路を構築し、蓄電手段(2)に電荷を与える直流電源等の電源(4)に接続可能とする。蓄電手段(2)と電源(4)との間を接続状態とし、コイル相当部品(1)と蓄電手段(2)との間を切断状態とするスイッチング状態と、蓄電手段(2)と電源(4)との間を切断状態とし、コイル相当部品(1)と蓄電手段(2)との間を接続状態として蓄電手段(2)からコイル相当部品(1)等に電流を流すスイッチング状態とに切換可能なスイッチ(SW1),(SW2)を設ける。コイル相当部品(1)の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する電圧等検出手段(5)を設ける。
【選択図】 図1
Description
この発明は、インダクタンス測定装置およびインダクタンス測定方法に関し、例えば、インダクタ、トランス、アンテナ(バーアンテナ)、チョークコイル、フィルタ、センサ等の電気機器あるいは電子機器の省電力で安全性の高い大電流での検出機器として適用される技術に関する。
近年、自動車を始め様々な機器において動力の電動化が進んできている。また自然エネルギーを利用した太陽光発電のような発電システムが大型化、大出力化している。このような機器の電気回路で用いられる電気部品に対しては、使用条件に合わせた大電流での特性評価が必要になる。
例えば受動素子の一つであるインダクタは、印加電流によって磁気飽和しないことが重要であるため、インダクタンス値、および直流重畳特性と呼ばれるバイアス電流に対するインダクタンス値の変化率で評価される。通常、インダクタンスおよび直流重畳特性はJISC5321規格、JISC62024-2規格に準ずる電圧・電流計法で測定されている。この規格では供試コイルに直流電流と交流電流を流入させ、電流と電圧の位相を検波する方式をとっており、LCRメータを測定の際に用いていることが多い(特許文献1)。
JIS6024-2規格に準ずるインダクタンスおよび直流重畳特性の評価において、直流の大電流を安定して流すために大出力の直流電流源が必要であり、さらに交流を重畳させるための交流電流源も必要である。図6は、JISによる直流重畳特性測定回路例を示す回路図である。同図に示す供試コイルLxのインダクタンスおよび直流重畳特性を評価する。インダクタンス測定器50内には、交流電源および電圧、電流の位相検波装置が含まれている。
インダクタンスおよび直流重畳特性の測定中は、大電流を扱うため、測定対象となるコイル相当部品を含む測定回路全体での発熱量が大きくなる。大電流であるほど発熱が大きく、コイル相当部品の温度が上昇してしまう。したがって、発熱対策や絶縁性等の安全性を確保して大電流下での測定を実現するためには、測定装置自体が大型化する。またそのため、測定装置が非常に高価となる。
従来の測定方法では、任意の直流電流を供試インダクタに印加後、交流電流を重畳させてインダクタンスを測定するため、直流重畳特性を測定する場合、何度も直流電流値を変更して、インダクタンス測定を行う必要がある。したがって、測定が煩雑になり、測定に要する消費電力、それに伴う発熱も大きくなる。
この発明の目的は、安全性の向上および測定の簡単化を図り、またコスト低減を図ることができるインダクタンス測定装置およびインダクタンス測定方法を提供することである。
この発明のインダクタンス測定装置は、測定対象となるコイル相当部品のインダクタンスを測定するインダクタンス測定装置であって、
前記コイル相当部品に蓄電手段が直列接続された測定用回路を、前記蓄電手段に電荷を与える直流電源等の電源に接続可能とし、
前記蓄電手段と前記電源との間を接続状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を切断状態とする第1のスイッチング状態と、前記蓄電手段と前記電源との間を切断状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を接続状態として前記蓄電手段から前記コイル相当部品に電流を流す第2のスイッチング状態とに切換可能なスイッチと、
前記コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する電圧等検出手段とを備えている。
前記コイル相当部品に蓄電手段が直列接続された測定用回路を、前記蓄電手段に電荷を与える直流電源等の電源に接続可能とし、
前記蓄電手段と前記電源との間を接続状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を切断状態とする第1のスイッチング状態と、前記蓄電手段と前記電源との間を切断状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を接続状態として前記蓄電手段から前記コイル相当部品に電流を流す第2のスイッチング状態とに切換可能なスイッチと、
前記コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する電圧等検出手段とを備えている。
この構成によると、スイッチを第1のスイッチング状態にすることで、電源から蓄電手段に電流が流れて蓄電手段に電荷を蓄える。その後、スイッチを第2のスイッチング状態にする。つまり蓄電手段と電源との間を切断状態とし、コイル相当部品と蓄電手段との間を接続状態とする。これにより蓄電手段に蓄えられた電荷がコイル相当部品に放出され、これらコイル相当部品に短時間だけ大電流が流れる。
電圧等検出手段は、コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率(これら電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を総称して「電圧等」という場合がある。)を検出する。電圧等検出手段として、例えば、オシロスコープが適用される。測定者は、電圧等検出手段で検出される電圧等から、コイル相当部品に所望の大電流を与えてもインダクタが磁気飽和していないことを確認することができる。よって、コイル相当部品のインダクタンスおよび無通電状態から大電流まで変化する電流を用いた1回の測定で、所謂直流重畳特性に類似の電流変化に対するインダクタンスの変化率を評価し得る。
このように、蓄電手段に予め蓄えた電荷を放出してコイル相当部品のインダクタンスおよび電流変化に対するインダクタンスの変化率を1回の通電により評価し得るため、従来技術よりも測定に必要な電力を非常に小さくでき、発熱もほとんど発生しない。このことから、非常に小さく簡素な装置で大電流でのインダクタンスおよび電流変化に対するインダクタンスの変化率を、発熱の影響を受けずに高精度に測定可能になる。従来の直流重畳測定のような直流の大電流を安定して流す必要がなくなるため、安全性の向上を図り、短時間でインダクタンスおよび電流変化に対するインダクタンスの変化率を測定することができ、測定の簡単化を図ることができる。また発熱対策が不要となり、予め測定に必要な電力量も制限出来る機構のため、付帯設備が簡略化できインダクタンス測定装置を低コストで構築することが可能となる。
前記電圧等検出手段で検出した前記コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率から、定められた基準に従って、前記コイル相当部品のインダクタンスを算出するインダクタンス算出手段を備えていても良い。前記定められた基準は、例えば、試験やシミュレーション等の結果により定められる。この場合、コイル相当部品のインダクタンスを従来技術よりも簡単に求めることができる。
前記蓄電手段はコンデンサであっても良い。この場合、所望の蓄電容量を有する市販のコンデンサを容易に入手することができ、コスト低減を図れる。
この発明のインダクタンス測定方法は、測定対象となるコイル相当部品のインダクタンスを測定するインダクタンス測定方法であって、
前記コイル相当部品に蓄電手段を直列接続した測定用回路を構築して、前記蓄電手段に電荷を与える直流電源等の電源に該測定用回路を接続し、
前記蓄電手段と前記電源との間を接続状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を切断状態とする蓄電過程と、
前記蓄電過程の後、前記蓄電手段と前記電源との間を切断状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を接続状態として前記蓄電手段から前記コイル相当部品に電流を流す放電過程と、
前記コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する検出過程とを有する。
前記コイル相当部品に蓄電手段を直列接続した測定用回路を構築して、前記蓄電手段に電荷を与える直流電源等の電源に該測定用回路を接続し、
前記蓄電手段と前記電源との間を接続状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を切断状態とする蓄電過程と、
前記蓄電過程の後、前記蓄電手段と前記電源との間を切断状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を接続状態として前記蓄電手段から前記コイル相当部品に電流を流す放電過程と、
前記コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する検出過程とを有する。
この構成によると、蓄電過程では、蓄電手段と電源との間を接続状態とし、コイル相当部品と蓄電手段との間を切断状態とすることで、電源から蓄電手段に電流が流れて蓄電手段に電荷を蓄える。この後、放電過程では、蓄電手段と電源との間を切断状態とし、コイル相当部品と蓄電手段との間を接続状態として蓄電手段からコイル相当部品に電流を流す。これにより蓄電手段に蓄えられた電荷がコイル相当部品に放出され、コイル相当部品に短時間だけ大電流が流れる。検出過程では、コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する。電圧等から、コイル相当部品に所望の大電流を与えてもコイル相当部品が磁気飽和していないことを確認することができる。よって、コイル相当部品のインダクタンスおよび所謂直流重畳特性に類似の、電流変化に対するインダクタンスの変化率を評価し得る。
この発明のインダクタンス測定装置は、測定対象となるコイル相当部品のインダクタンスを測定するインダクタンス測定装置であり、前記コイル相当部品に蓄電手段が直列接続された測定用回路を、前記蓄電手段に電荷を与える電源に接続可能としたインダクタンス測定装置であって、前記蓄電手段と前記電源との間を接続状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を切断状態とする第1のスイッチング状態と、前記蓄電手段と前記電源との間を切断状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を接続状態として前記蓄電手段から前記コイル相当部品に電流を流す第2のスイッチング状態とに切換可能なスイッチと、 前記コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する電圧等検出手段と、を設けたため、安全性の向上および測定の簡単化を図り、またコスト低減を図ることができる。
この発明のインダクタンス測定方法は、測定対象となるコイル相当部品のインダクタンスを測定するインダクタンス測定方法であって、 前記コイル相当部品に蓄電手段を直列接続した測定用回路を構築して、前記蓄電手段に電荷を与える電源に該測定用回路を接続し、前記蓄電手段と前記電源との間を接続状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を切断状態とする蓄電過程と、前記蓄電過程の後、前記蓄電手段と前記電源との間を切断状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を接続状態として前記蓄電手段から前記コイル相当部品に電流を流す放電過程と、前記コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する検出過程と、を有するため、安全性の向上および測定の簡単化を図り、またコスト低減を図ることができる。
この発明の実施形態に係るインダクタンス測定装置およびインダクタンス測定方法を図1ないし図4と共に説明する。図1は、インダクタンス測定装置の回路図である。インダクタンス測定装置は、測定対象となるコイル相当部品1のインダクタンスを測定する装置である。抵抗3はインダクタや回路の抵抗をまとめて表したものである。コイル相当部品1は、例えば、電磁誘導器のような、インダクタンスを有する電気部品であり、インダクタ、トランス、リアクトル、アンテナ(バーアンテナ)、チョークコイル、フィルタ、センサ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このインダクタンス測定装置では、コイル相当部品1と蓄電手段2とを直列接続した測定用回路を構築し、蓄電手段2に電荷を与える直流電源4に接続可能としている。蓄電手段2としては、所望の静電容量(例えば、1万数千μファラッド)を有するコンデンサが適用される。なお、この実施形態では、測定用回路に直流電源4を接続しているが、この直流電源4に代えて交流電源を用い、不図示のコンバータ回路等で直流に電力変換しても良い。インダクタンス測定装置は、二つのスイッチSW1,SW2と、電圧等測定手段5と、インダクタンス算出手段6と、ダイオード7とを有する。
二つのスイッチSW1,SW2は直列接続の関係にある。一方のスイッチSW1は、直流電源4の正端子と蓄電手段2との間に接続され、他方のスイッチSW2は、蓄電手段2とコイル相当部品1との間に接続される。これら二つのスイッチSW1,SW2は、第1のスイッチング状態と第2のスイッチング状態とに切換可能に構成される。この測定用回路に用いるスイッチSW1,SW2としては、例えば、手動型の開閉器やバイポーラトランジスタ、FET、サイリスタ等が適用される。
図2(a)に示すように、第1のスイッチング状態では、スイッチSW1をONにして蓄電手段2と直流電源4との間を接続状態とし、スイッチSW2をOFFにしてコイル相当部品1と蓄電手段2との間を切断状態とする。これにより蓄電手段2を充電し、所定のコンデンサ電圧になるように電荷を溜める。蓄電手段2に電荷が所定量溜まったら、図2(b)に示す第2のスイッチング状態に切り換える。
この第2のスイッチング状態では、安全性確保のためスイッチSW1をOFFにして直流電源4からの電力供給を遮断し、スイッチSW2をONにしてコイル相当部品1と蓄電手段2との間を接続状態とする。これによりこの測定用回路はRLC回路となり電流がコイル相当部品1に流れる。この場合、この測定用回路の電流波形を特に振動型とすることが、大きな電流変化をコイル相当部品1に与えられることから好ましく、またRLC回路の振動型における電流波形の最初1/4周期の電流値から測定することが好ましい。また、この測定回路は振動現象となるために後述の式(1)を満たさなければならない。
ところで蓄電手段は、大容量のものでは、接続する電極の正負が決まっていることが多く、この蓄電手段に逆方向に電力を印加すると異常となる場合がある。そこで本実施形態では、RLC回路の振動現象により蓄電手段2の逆方向に電荷が流れ込むことを防止するダイオード7を、測定用回路に挿入している。このダイオード7を測定用回路に挿入したことにより、コイル相当部品1に流れる電流を振動電流の半周期分のみに制御できることから、より短時間の電流印加を実現し、発熱等の影響を除去し得る。
図1に示す電圧等検出手段5は、コイル相当部品1の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する。前述のような蓄電手段2に溜まった電荷を放出する構成を用いること、および、十分な測定分解能を有する電流および電圧の電圧等検出手段5を利用することで、コイル相当部品1への通電時間を数sec以下の極短時間で測定可能とする。電圧等検出手段5としては、例えば、差動電圧プローブ、電流プローブ、オシロスコープ等を適用する。オシロスコープ等の測定器のサンプリングは、500kS/sec以上が好ましい。
インダクタンス算出手段6は、電圧等検出手段5で検出したコイル相当部品1の電圧等から、後述の式(2)、(3)、(4)を用いて、コイル相当部品1のインダクタンスを算出する。このインダクタンス算出手段6は、電圧等検出手段5に電気的に直接接続されているが、この例に限定されるものではない。例えば、インダクタンス算出手段6を、測定用回路に対して独立に設け、電圧等検出手段5で検出した電圧等のデータを図示外の記録手段に記録しておく。インダクタンス算出手段6は前記記録手段に記録された電圧等のデータからコイル相当部品1のインダクタンスを算出しても良い。インダクタンス算出手段6は、具体的には、ソフトウエアやハードウエアで実現されたLUT(Look Up Table)、またはソフトウエアのライブラリ(Library)に収められた所定の変換関数や算術関数、またはそれに等価のハードウエア等を用いて、電圧等検出手段5で検出された電圧値、電流値およびそれらの変動値等の入力を受けて、コイル相当部品1のインダクタンスを演算して出力しうるハードウエア回路またはソフトウエア関数で構成されている。
測定からインダクタンスの算出までの手順を示す(第2のスイッチング状態)。
1.コイルの直流抵抗の測定を行う。
2.測定回路を用いてコイル電圧と電流を測定する。
3.コイル間の測定電圧には直流抵抗成分が含まれることから式(4)のように分解し、直流抵抗r分の電圧降下分を取り除きインダクタンス成分のコイル電圧を算出する。
4.第2のスイッチング状態は式(3)の関係が成り立っており、3で算出した電圧と式(2)を用いて、各電流時におけるインダクタンス値を算出する。
1.コイルの直流抵抗の測定を行う。
2.測定回路を用いてコイル電圧と電流を測定する。
3.コイル間の測定電圧には直流抵抗成分が含まれることから式(4)のように分解し、直流抵抗r分の電圧降下分を取り除きインダクタンス成分のコイル電圧を算出する。
4.第2のスイッチング状態は式(3)の関係が成り立っており、3で算出した電圧と式(2)を用いて、各電流時におけるインダクタンス値を算出する。
C:測定用回路に使用した蓄電手段(コンデンサ)の静電容量
L:仮値の初期インダクタンス値
R:測定用回路の全体の抵抗
r:コイルの直流抵抗
L:仮値の初期インダクタンス値
R:測定用回路の全体の抵抗
r:コイルの直流抵抗
図3は、このインダクタンス測定装置で検出した、アモルファス製磁子を用いた有芯コイルの電流変化に対するインダクタンスの変化率をそれぞれ示す図である。これらの磁化力が大きいときのインダクタンスの変化(率)が、電圧等検出手段5(図1)の表示部(図示せず)等に、電流波形の変化の形で出力される。電流の単位時間当たりの変化率は、前記表示部に出力された単位時間における電流の傾きで表される。測定者は、これらのインダクタンスの変化率から、コイル相当部品1(図1)に所望の大電流を与えても電流が飽和していない(すなわち電流が急峻に立ち上がっていない)ことを確認し得る。
図7は、参考例として本発明の方法で検出した、コイルが磁気飽和を起こした際の図である。図7では、コイル相当部品に60Aの電流を与えたときコイル相当部品が磁気飽和し、コイル相当部品のインピーダンスが急激に小さくなったために電流値が急増した。このことから、本発明の装置および方法によれば、非常に簡便に、使用したい電流範囲でインダクタが磁気飽和を起こさず使用可能かどうかを確認することができる。
図4は、実施形態に係るインダクタンス測定方法を段階的に示すフローチャートである。以後、図1も参照しつつ説明する。本測定の際は、最初に、少なくともスイッチSW1、SW2をOFFにして、直流電源4から、蓄電手段2を含む測定用回路を開放しておくことが安全面上好ましい。本測定の開始後(スタート)、スイッチSW1をONにして蓄電手段2と直流電源4との間を接続状態とし、スイッチSW2をOFFにしてコイル相当部品1と蓄電手段2との間を切断状態とする(ステップS1:蓄電過程)。これにより蓄電手段2を充電し、所定のコンデンサ電圧になるように電荷を溜める。
蓄電手段2に電荷が所定量溜まったら、スイッチSW1をOFFにして直流電源4からの電力供給を遮断し、スイッチSW2をONにしてコイル相当部品1と蓄電手段2との間を接続状態とする。これによりこの測定用回路はRLC回路となり電流がコイル相当部品1に流れる(ステップS2:放電過程)。電圧等検出手段5は、コイル相当部品1の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する(ステップS3:検出過程)。この検出結果を使用して、インダクタンス算出手段6がインダクタンスを算出する。
以上説明したインダクタンス測定装置によると、蓄電手段2に予め蓄えた電荷を放出してコイル相当部品1のインダクタンスおよび電流変化に対するインダクタンスの変化率を評価し得るため、従来技術よりも測定用回路に流れる電力を非常に小さくでき、発熱もほとんど発生しない。このことから、非常に小さく簡素な装置で大電流でのインダクタンスおよび電流変化に対するインダクタンスの変化率を、発熱の影響を受けずに高精度に測定可能になる。従来の直流重畳測定のような直流の大電流を安定して流す必要がなくなるため、安全性の向上を図り、短時間でインダクタンスおよび電流変化に対するインダクタンスの変化率を測定することができ、測定の簡単化を図ることができる。またインダクタンス測定装置を低コストで構築することが可能となる。
他の実施形態について説明する。以下の説明においては、先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
測定用回路に用いるスイッチの通電/遮断動作は、安定性の確保および作業効率向上のため、いわゆるスイッチング素子を用いて行うことが好ましく、このスイッチング素子としてバイポーラトランジスタ、FET、サイリスタを用いると良い。特に、大電流時にはサイリスタが適している。
図5は、他の実施形態に係るインダクタンス測定装置の回路図である。この例では、MOSFET8を使用することで、図1の実施形態で示した二つのスイッチSW1,SW2の機能を一つのスイッチング素子SWaにまとめた回路としている。MOSFET8の動作は、スイッチング素子SWaの動作に連動し、このスイッチング素子SWaの動作はMOSFET8の動作を含む形となる。ここで本発明における「スイッチ」は、このスイッチング素子SWaとMOSFET8とを含む。このようにスイッチング素子SWaを用いて二つのスイッチSW1,SW2を一つにしたことから、測定者の動作を簡略化できる。また、アナログスイッチを用いた場合には、チャタリングによるノイズが発生する場合があるが、前記のようにスイッチング素子SWaを用いることで、ノイズの発生を防止できる。
蓄電手段はバッテリであっても良い。スイッチのスイッチング状態は、1極複投形スイッチなどにより、ON、OFF以外の中立位置が存在しても良い。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
1…コイル相当部品
2…蓄電手段
3…抵抗
4…直流電源
5…電圧等検出手段
6…インダクタンス算出手段
SW1、SW2…スイッチ
2…蓄電手段
3…抵抗
4…直流電源
5…電圧等検出手段
6…インダクタンス算出手段
SW1、SW2…スイッチ
Claims (4)
- 測定対象となるコイル相当部品のインダクタンスを測定するインダクタンス測定装置であり、前記コイル相当部品に蓄電手段が直列接続された測定用回路を、前記蓄電手段に電荷を与える電源に接続可能としたインダクタンス測定装置であって、
前記蓄電手段と前記電源との間を接続状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を切断状態とする第1のスイッチング状態と、前記蓄電手段と前記電源との間を切断状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を接続状態として前記蓄電手段から前記コイル相当部品に電流を流す第2のスイッチング状態とに切換可能なスイッチと、
前記コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する電圧等検出手段と、
を備えるインダクタンス測定装置。 - 請求項1に記載のインダクタンス測定装置において、前記電圧等検出手段で検出した前記コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率から、定められた基準に従って、前記コイル相当部品のインダクタンスを算出するインダクタンス算出手段を備えることを特徴とするインダクタンス測定装置。
- 請求項1または請求項2に記載のインダクタンス測定装置において、前記蓄電手段はコンデンサであるインダクタンス測定装置。
- 測定対象となるコイル相当部品のインダクタンスを測定するインダクタンス測定方法であって、
前記コイル相当部品に蓄電手段を直列接続した測定用回路を構築して、前記蓄電手段に電荷を与える電源に該測定用回路を接続し、
前記蓄電手段と前記電源との間を接続状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を切断状態とする蓄電過程と、
前記蓄電過程の後、前記蓄電手段と前記電源との間を切断状態とし、前記コイル相当部品と前記蓄電手段との間を接続状態として前記蓄電手段から前記コイル相当部品に電流を流す放電過程と、
前記コイル相当部品の電圧、電流およびその単位時間当たりの変化率を検出する検出過程と、
を有するインダクタンス測定方法。
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2015
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