JP2016072474A - 発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光出力の低下を招くことなく、より確実に色むらを改善することができる発光装置の製造方法を提供する。【解決手段】発光素子10上面に蛍光体含有樹脂11を配置した後、発光素子10上面の法線方向を、鉛直方向15から傾斜させた軸14として、軸14を中心に発光素子10を傾斜回転させることを含む発光装置の製造方法。【選択図】図1A

Description

本開示は、発光装置の製造方法に関する。
従来から、発光素子の上面に、発光素子からの光を波長変換する蛍光体含有層(波長変換部材)を形成した発光装置が知られている。このような構成によって所望の発光色を発現する発光装置を得ることができる。
しかし、波長変換部材の形成方法によっては、波長変換部材の膜厚の不均一性が生じ、これに起因する発光色の色むらが発生するという問題があった。
そのために、波長変換部材の膜厚が薄くなる発光素子のコーナー部において、発光素子からの光を放射しない非放射部が形成された発光装置が提案されている(特許文献1)。
特開2010−92897号公報
しかし、発光素子に非放射部を形成すると、発光素子の光出力の低下を招くことがある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、光出力の低下を招くことなく、より確実に色むらを改善することができる発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
本開示は、発光素子上面に蛍光体含有樹脂を配置した後、前記発光素子上面の法線方向を、鉛直方向から傾斜させた軸として、該軸を中心に前記発光素子を傾斜回転させることを含む発光装置の製造方法である。
本発明の一実施形態に関する発光装置の製造方法によれば、光出力の低下を招くことなく、より確実に色むらを改善することが可能となる。
本発明の一実施形態の発光素子の回転を説明するための発光素子の概略断面模式図である。 本発明の一実施形態の発光素子の別の回転を説明するための発光素子の概略断面模式図である。 本発明の一実施形態の発光素子の回転で用いる傾斜回転装置を示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態の発光素子の回転における蛍光体の移動を説明するための発光素子の概略断面模式図である。
本発明者は、発光素子の色むら発生の原因、特に、発光素子に適用する蛍光体の種類、粒径、量、この蛍光体を発光素子に固定する樹脂の種類、粘度、これら蛍光体と樹脂との含有比、発光素子に蛍光体を適用した形態/適用する方法(発光素子に蛍光体を適用する際の発光素子上面の向き及び状態)等について鋭意研究を行った。その結果、発光素子の上面で、蛍光体含有樹脂中の蛍光体の沈降方向を制御することによって、発光素子の全上面において、蛍光体の均一性を高めつつ配置することが可能となり、色むらの改善を実現し得ることを突き止め、本発明の完成に至った。
そのために、本発明の実施形態の発光装置の製造方法では、まず、発光素子上面に蛍光体含有樹脂を配置する。その後、発光素子上面の法線方向を、鉛直方向から傾斜させた軸として、この軸を中心に発光素子を傾斜回転させる。
(発光素子)
本発明で用いられる発光素子は、いわゆる発光ダイオードと呼ばれる素子を意味する。なかでも、基板上に、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等の窒化物半導体、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等、種々の発光層を含む半導体層の積層構造が形成されたものが挙げられる。
発光素子は、対向する上面と下面に正及び負の電極がそれぞれ形成されたものであってもよく、同一面側に正及び負の電極がともに形成されていてもよい。正及び負の電極は、1つずつ形成されていてもよいし、それぞれ2つ以上形成されていてもよい。
電極の材料、膜厚、構造は、特に限定されず、金、銅、鉛、アルミニウム又はこれらの合金を含む単層構造又は積層構造のいずれでもよい。また、各電極の表面には、パッド電極として、Ni、Ti、Au、Pt、Pd、W等の金属又は合金の単層膜又は積層膜を形成してもよい。電極の膜厚は特に限定されないが、なかでも、最終層(最も表面側)にAuが配置され、その膜厚が100nm程度以上であることが好ましい。
対向する面にそれぞれ正及び負の電極を有する発光素子の場合には、発光素子を支持体に設けられた配線上に載置し、一方の電極(以下、第1電極ということがある)が形成された下面を、銀、金、パラジウムなどを含有した導電性ペースト等の接合部材を用いて実装することができる。
上面に同一面側に正及び負の電極を有する発光素子を用いる場合は、電極が形成されていない側である下面を後述する支持体上に載置し、エポキシ樹脂、シリコーン等の接合部材によって支持体に実装することができる。
いずれの電極構造においても、発光素子からの光や熱による劣化、発光素子からの光の反射等を考慮して、発光素子の裏面に接合メタル層、基材、メタライズ層、Al、Ag等の金属メッキ層、Au−Sn共晶などの半田、低融点金属等のろう材、導電性ペーストなどの接合層等の1以上を任意に組み合わせてもよい。
発光素子の半導体層の表面、半導体層と電極、上述した任意の各種層との間の一部又は全部に、保護膜が形成されていることが好ましい。保護膜は、絶縁性材料、例えば、Si、Al、Zr、Ti、Nb、Ta等の酸化物、窒化物、酸化窒化物等の単層又は積層膜が挙げられる。なかでも、酸化シリコン、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及び酸化タンタル等が好ましい。
発光素子の蛍光体含有樹脂が配置される上面は平坦であることが好ましいが、電極、保護膜等の下層に起因する凹凸があってもよい。特に、発光素子上面の蛍光体含有樹脂を配置する面積が0.25mm以上、0.5mm以上、1mm以上であることが好ましい。
発光素子から発せられる光は、そのほとんどが蛍光体含有樹脂層に入射し得る構造であることが好ましい。具体的な構造としては、半導体層を挟んで蛍光体含有樹脂層の反対側に反射層又は不透光性の基板を有するもの、同一面側に正及び負の電極がともに形成されている構造であって、透光性基板を有さず半導体層のみであるもの、透光性の基板を有する場合は基板の表面が遮光性の材料で被覆されているものなどが挙げられる。
(蛍光体)
本発明で用いられる蛍光体は、粒子状のものであればよく、当該分野で公知のもののいずれをも使用することができる。例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al−SiO)、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)SiO)などが挙げられる。これにより、可視波長の一次光及び二次光の混色光(例えば白色系)を出射する発光装置、紫外光の一次光に励起されて可視波長の二次光を出射する発光装置とすることができる。
特に、青色発光素子に組み合わせて白色発光させる蛍光体としては、青色で励起されて黄色のブロードな発光を示す蛍光体を用いることが好ましい。例えば、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)系、BOS(Barium ortho-Silicate)系等が好ましい。また、Si6−ZAl8−Z:Eu、LuAl12:Ce、BaMgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mn、(Zn,Cd)Zn:Cu、(Sr,Ca)10(POl2:Eu,Mn、(Sr,Ca)Si:Eu、CaAlSiB3+x:Eu、KSiF:Mn及びCaAlSiN3:Euなどの蛍光体を用いて演色性及び/又は色再現性を調整することもできる。
蛍光体は、平均粒径が1〜15μm程度であることが好ましく、5〜13μm程度であることがより好ましい。また、中心粒径が2〜20程度であることが好ましく、7〜13程度であることがより好ましい。これらの粒径分布は、レーザー回析法によって測定することができる。蛍光体の平均粒径及び中心粒径をこの範囲とすることにより、蛍光体によって波長変換する光の光束を低減させることなく、蛍光体の発光素子の隅部への移動を容易かつ確実に行わせることができる。
(樹脂)
蛍光体を含有する樹脂としては、発光素子から出射される光および蛍光体によって波長変換された光を透過させることができるものであればよい。なかでも、発光素子から出射される光の60%以上を透過するもの、さらに、70%、80%又は90%以上を透過するものが好ましい。このような樹脂は、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変成樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等の樹脂等が挙げられる。
樹脂は、例えば、可使時間が4〜180時間程度に調整したものが好ましく、72時間以上又は100時間以上がより好ましい。このような時間に調整する方法としては、樹脂の分子量、組成、添加剤の種類及び量を適宜調整する方法が挙げられる。ここで、可使時間とは、樹脂中に含有される上述した粒径の蛍光体が、その自重によって樹脂内で移動し得る時間、樹脂がその性能を発揮可能な硬化までの時間などを意味する。蛍光体が樹脂内を移動し易い条件としては、可使時間のほか、蛍光体粒径が大きいもの、樹脂粘度低いもの等が挙げられる。
このような樹脂は、蛍光体の量を、蛍光体含有樹脂の全重量に対して5〜70重量%で含有するものが好ましく、20〜40重量%で含有するものがより好ましい。
蛍光体含有樹脂を発光素子上面に配置する際、蛍光体含有樹脂の粘度を1〜50Pa・sとすることが好ましく、10〜15Pa・sとすることがより好ましい。
蛍光体含有樹脂には、例えば、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウム、カーボンブラック、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)などの光反射材、光散乱材又は着色剤等を含有させてもよい。
(配置方法)
発光素子上面に蛍光体含有樹脂を配置する方法としては、スクリーン印刷、滴下等を利用することができ、なかでも、滴下が好ましい。滴下は、例えば、ディスペンサ等を用いて発光素子上面に、発光素子の外縁を超えない範囲でノズルを走査させて又はノズルを用いることなく行うことが好ましい。1つの発光素子上面に配置する蛍光体含有樹脂の量は、発光素子の大きさによって適宜調整することができるが、例えば、0.05〜1mg程度が好ましく、0.1〜1mg程度がより好ましく、0.2〜0.5mg程度がさらに好ましい。滴下は、1つの発光素子上面に1箇所のみ又は1回のみ行うものであってもよいし、複数箇所又は複数回行ってもよい。
蛍光体含有樹脂は、発光素子の発光面(上面)のみを覆い、発光素子の側面には配置されないように配置することが好ましい。また、発光素子の回転後においても、蛍光体含有樹脂は発光素子の側面には配置されないことが好ましい。発光素子の側面まで蛍光体含有樹脂を被覆すると、発光素子の周縁部から蛍光体による波長変換光を多く含んだ光が放射され、色ムラの原因となる場合がある。
通常、蛍光体含有樹脂を発光素子上面に配置する際には、蛍光体含有樹脂が発光素子の上面から漏れないように滴下量等を厳重に管理する必要がある。しかし、このような漏れを管理すると、樹脂の表面張力によって、平面視において角部を有する発光素子の隅部には蛍光体含有樹脂が拡がらず、その厚みが極端に薄くなり、蛍光体が欠乏した領域が生じる。この蛍光体の欠乏領域から放射される光は、蛍光体による波長変換光を殆ど含むことができず、色ムラの原因となる。
一方、蛍光体含有樹脂の配置後に、後述するように、発光素子を傾斜回転させることにより、発光素子の上面に、蛍光体含有樹脂を均一に配置することができ、特に、発光素子の隅部に蛍光体が欠乏した領域の発生を低減することができる。
(回転方法)
発光素子上面に蛍光体含有樹脂を配置した後、発光素子を傾斜回転させる。この場合、発光素子上面の法線方向を、鉛直方向から傾斜させた軸として設定し、この軸を中心に発光素子を傾斜回転させる。この軸は、発光素子内に設定されていてもよいし(図1A参照)、発光素子外に設定されていてもよい(図1B参照)。前者の場合、例えば、発光素子の中心に設定することが好ましい。後者の場合、例えば、発光素子を板状体に載置し、この板状体上面の法線方向を、発光素子上面の法線方向と見なし、この板状体の法線方向を、鉛直方向から傾斜させた軸として設定し、この軸を発光素子の載置領域以外の板状体内に設定してもよい。つまり、発光素子は、回転軸を中心として、所定の距離を半径とする円の外周に沿って回転してもよい。
なお、軸に対する素子の位置関係は、回転軸を発光素子内に設定した場合と発光素子外に設定した場合とでは異なるが、重力により蛍光体を沈降させ、回転動作を沈降方向(重力が働く方向)変更のために利用しており、いずれの場合も、実質的な物理作用は同等であると考えられる。
ここで、1つの発光素子の傾斜回転を模式的に示す図1Aを用いて説明すると、発光素子10の上面に、蛍光体含有樹脂11を配置した後、発光素子10上面の法線方向を、鉛直方向15からα°傾斜させて回転軸14を設定し、この回転軸14を中心に発光素子10を回転させる。この軸14は、例えば、発光素子10の中心を通る。
また、複数の発光素子の回転を模式的に示す図1Bを用いて説明すると、複数の発光素子10を、例えば、支持体が複数連続して構成される板状体13の上面に配置し、これら発光素子10の上面に蛍光体含有樹脂11を配置した後、板状体13上面の法線方向を、鉛直方向15からα°傾斜させて回転軸14を設定し、この回転軸14を中心に複数の発光素子10を回転させる。この回転軸14は、例えば、発光素子10の載置領域外であって、板状体13の中心を通る。
なかでも、発光装置の製造方法の生産効率を考慮すると、複数の発光素子を載置した板状体を利用し、この板状体上面の法線方向を、発光素子上面の法線方向と見なして、この板状体の法線方向を、鉛直方向から傾斜させた軸として設定し、この軸を中心に板状体を回転させることが好ましい。なお、この場合の発光素子と回転軸との距離は特に限定されず、100mm程度以下が挙げられる。
軸の傾斜角度(図1A及びB中、α)は、10〜80°であることが好ましく、20〜80°がより好ましく、30〜75°がさらに好ましい。このような傾斜角度とすることにより、蛍光体を樹脂内部で適切に移動させることができ、これによって、蛍光体を発光素子の隅部にまで分散させることが可能となる。
軸の回転速度は、0.001〜10rpmが好ましく、0.01〜5rpmがより好ましく、0.1〜1rpmがさらに好ましい。このような回転速度とすることで、蛍光体含有樹脂及びその内部における蛍光体を、意図しない大きな遠心力等によって偏らせることなく、均一に分散させることができ、色むらの解消に有効である。
傾斜回転させる時間は、蛍光体含有樹脂の粘度、蛍光体の粒径等によって、その持続時間を適宜調整することができ、例えば、1〜170時間程度行うことができる。蛍光体が均一に沈降するための時間連続して行うことが好ましい。例えば、4〜40時間程度、6〜30時間程度、10〜20時間程度行うことができる。
また、発光素子の傾斜回転中は、周辺温度を常温とすることが好ましい。発光素子の回転による蛍光体の樹脂内での沈降(移動)を円滑に行わせ、急激な樹脂の硬化を防止するためである。
上述したように、発光素子を傾斜回転させるために、例えば、図2に示す傾斜回転装置を利用することができる。この傾斜回転装置は、回転軸1と、回転軸1を回転させるモータ2と、モータ2を支持/固定する脚部3と、脚部3を移動可能にするレール4と、回転軸1を法線方向とする板状体5を回転軸1に沿って複数収容することができる容器6とを備える。回転軸1の回転方向はいずれでもよく、例えば、矢印Xで示す方向に回転させることができる。また、モータ2は、モータ2に付随する回転軸1の鉛直方向に対する角度を自在に変更することができる角度調整部材7を介して脚部3に固定されている。この角度調整部材7によって、回転軸1の鉛直方向15からの角度(α°)を自在に調整することができる。
このように、発光素子を傾斜回転させることにより、図3(a)に模式的に示すように、蛍光体含有樹脂11中の蛍光体は、発光素子10上面が傾斜した状態で、樹脂中で鉛直方向nに沈降する。この間、発光素子10は傾斜回転しているために、図3(b)に示すように、沈降する蛍光体は、水平方向mに方向を変化しながら、さらに、図3(c)に示すように、鉛直方向nに沈降する。このような発光素子10の傾斜回転により、蛍光体はその沈降方向を徐々に変化させながら、図3(d)に示すように、沈降する。なお、図3(a)〜図3(d)での方向を示す矢印は、蛍光体が樹脂内で実際に沈降する軌道を表すものではく、蛍光体は発光素子10の傾斜回転によって、らせん状の軌道を描いて沈降していると考えられる。また、図3(a)〜図3(d)では、発光素子10の傾斜回転による樹脂の変形を表していないが、発光素子10の傾斜回転によって、蛍光体含有樹脂11の一部は、発光素子10の隅部にまで移動し、蛍光体含有樹脂11は、凸形状の外形を維持しながら、その厚みが中央部と隅部とで均一に近づくように変形する。これによって、発光素子の上面の隅部に蛍光体が欠乏した領域の発生を防止することができる。例えば、中央部(最大厚み)/隅部(最小厚み)との比は、10/3〜10/9程度が好ましく、10/4〜10/8程度がより好ましい。
また、意図しない大きな遠心力が負荷されない程度に回転速度が小さいため、発光素子の側面にまで蛍光体含有樹脂が漏れ出る恐れがなく、また、発光素子の中央部が外周部よりも薄い状態となるような樹脂の移動も防止することができる。
以下に、発光装置の製造方法の具体例を、図面を用いてより詳細に説明する。
まず、発光素子を準備する。発光素子は、下から順に、裏面メタライズ層、基板、接合メタル層の積層構造が、p側全面電極及び保護膜を介して、p側半導体層、発光層及びn側半導体層の積層体と接合されている。n側半導体層の表面には、n側パッド電極及び保護膜が配置されている。n側パッド電極の一部上は保護膜から露出されており、保護膜は、その表面に数十nm程度の凹凸を有する。
この発光素子は、平面形状が、約1mm×1mmの正方形である。
例えば、裏面メタライズ層はTi/Pt/AuSn/Auの積層膜からなり、基板は不透光性のCuWからなり、接合メタル層は、半導体層側からTi/Pt/PtSn/AuSn/PdSn/Pt/Tiの積層構造を有する。p側全面電極はNi/Ag/Ni/Ti/Ptの積層膜からなり、保護膜SiOからなる。n側パッド電極はTi/Al/Ni/Auの積層膜からなり、保護膜はTaである。
p側半導体層及びn側半導体層はAlGaN層からなり、発光層はITO層からなる、ピーク波長は約450〜455nmの発光素子となる。
この発光素子を、支持体上(図示せず)に、発光素子の基板を支持体側と対向させて、Au−Sn共晶の接合材を用いて実装する。
発光素子の上面に配置する蛍光体含有樹脂は、平均粒径が10〜15μmのYAG蛍光体を含有する、フェニル系シリコーンからなる。蛍光体の含有量は、樹脂100重量部に対して40重量部と、蛍光体含有樹脂において約28.8重量%であり、粘度は10〜20Pa・sである。
このような蛍光体含有樹脂を、例えば、発光素子の上面上にて、ディスペンサのノズルによって滴下することによって、発光素子上面に蛍光体含有樹脂を配置する。1つの発光素子に対する滴下量は、例えば、0.3〜0.4mgとする。
得られた発光素子を、図3に示す傾斜回転装置の容器に、傾斜角度(α)45°で設置する。この傾斜回転装置によって、図1Bに示すように、発光素子上面の法線方向を、鉛直方向から傾斜させた軸として、この軸を中心に発光素子を回転速度1.1rpmで、周辺温度25℃にて、14時間にわたって傾斜回転させる。
傾斜回転終了時には、蛍光体含有樹脂は、その内部に蛍光体を均一に分散させた状態で、硬化し、最大厚みが500μm、最小厚みが200μmの凸形状の波長変換部材兼配光部材として機能させることができる。
比較のために、発光素子の回転時の傾斜角度(α)を0°及び90°とした以外、上記と同様の方法により発光装置を作製し、上記で得られた発光装置とともに、発光素子点灯時の外観を比較観察した。
その結果、上記で得られた発光装置は、発光素子の回転時の傾斜角度(α)を0°及び90°としたいずれの発光装置と比較しても、発光素子の隅部において、波長変換不十分な光の漏れが顕著に低減され、色むらが顕著に改善されていることを確認した。
このように、本発明の一実施形態にかかわる発光装置の製造方法では、発光素子の上面に蛍光体含有樹脂を均一に配置させることができ、特に、発光素子の隅部に蛍光体が欠乏した領域の発生を防止することができる。言い換えると、発光素子の隅部に、蛍光体の粒径よりも厚く樹脂が配置するために、蛍光体が樹脂内部で均一に分散し、蛍光体欠乏領域の発生を最小限に止めることができる。
また、意図しない大きな遠心力が負荷されない程度に回転速度が小さいため、発光素子の側面にまで蛍光体含有樹脂が漏れ出る恐れがなく、発光素子の中央部が外周部よりも薄い状態となるような樹脂の移動も防止することができる。
従って、発光面積を発光素子の平面積と同じとすることができ、最大限の光束を確保しながら、発光素子の隅部での波長変換をも十分に行わせることができる。その結果、発光素子の全上面での良好な光の波長変換を実現することができ、色ムラの発生を効果的に防止することができる。
加えて、発光素子の隅部までも蛍光体含有樹脂を配置するために、蛍光体量や蛍光体含有樹脂量を増大させることなく、適度な厚み及び分布によって蛍光体及び蛍光体含有樹脂を配置することができるために、これらによる光の吸収を無視できるほどに低減させることができ、光束の低下防止に有効である。
また、傾斜角度を70°とし、処理時間を15時間とする以外、上記方法と同様に発光装置を作製したところ、傾斜角度が0°や90°のものと比較して、上記と同様に、発光素子の隅部での蛍光体欠乏領域の低減、色むらの改善が認められた。
さらに、傾斜角度を70°とし、処理時間を63時間とし、回転速度を0.06rpmとする以外、上記方法と同様に発光装置を作製したところ、傾斜角度が0°や90°のものと比較して、上記と同様に、発光素子の隅部での蛍光体欠乏領域の低減、色むらの改善が認められた。
本発明の発光装置の製造方法は、発光素子の上面に蛍光体を配置する発光装置に利用することができる。
1、14 回転軸
2 モータ
3 脚部
4 レール
5、13 板状体
6 容器
7 角度調整部材
10 発光素子
11 蛍光体含有樹脂
15 鉛直方向
X 回転方向
α 傾斜角度

Claims (12)

  1. 発光素子上面に蛍光体含有樹脂を配置した後、前記発光素子上面の法線方向を、鉛直方向から傾斜させた軸として、該軸を中心に前記発光素子を傾斜回転させることを含む発光装置の製造方法。
  2. 前記発光素子上面へ蛍光体含有樹脂の配置を、滴下によって行う請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記軸の鉛直方向からの傾斜を、10〜80°とする請求項1又は2に記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記軸の回転速度を、0.001〜10rpmとする請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  5. 前記蛍光体含有樹脂の粘度を1〜50Pa・sとする請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  6. 前記蛍光体含有樹脂中の蛍光体の平均粒径を1〜30μmとする請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  7. 前記蛍光体含有樹脂中の蛍光体の中心粒径を2〜20μmとする請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記発光素子の回転を、1〜170時間行う請求項1〜7のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  9. 前記蛍光体含有樹脂に対する蛍光体の量を、5〜70重量%とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  10. 前記発光素子上面の前記蛍光体含有樹脂を配置する面積を0.25mm以上とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  11. 前記樹脂として、可使時間が4〜180時間である樹脂を用いる請求項1〜10のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
  12. 前記蛍光体含有樹脂の厚みを、前記発光素子の中央部よりも外周部において薄くする請求項1〜11のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
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