以下、本発明の実態の形態について添付図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態である薬液供給装置1の外観構成を、図3及び図4は、図1及び図2の薬液供給装置1の内部構成を示している。なお、図示例の薬液供給装置1は、水洗トイレの貯水タンク上部に設けられる手洗用の給水受皿に設置されるタイプのものを例に挙げている。
薬液供給装置1は、芳香、消臭、便器の洗浄のための薬液を収容する薬液容器2と、薬液容器2が着脱可能に装着され、薬液容器2を下方から支持する支持体3とを備えており、支持体3と薬液容器2との嵌合により薬液容器2が支持体3に固定されている。
薬液容器2は、図5〜図8に示すように、薬液を収容可能な中空かつ有底の薬液収納部20を備え、薬液収納部20の上面には、薬液を排出するための排出口21が設けられている。薬液容器2は、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂の他、陶器、ガラスなどによって形成することができるが、透明又は半透明の材料で形成されていると、外部から内部に収容された薬液の残量が確認できるので好ましい。一方、色素を含む薬液の場合、薬液収納部20の内面に薬液が付着することで外観上好ましくないおそれがあるため、外部から内部を視認できない材料にすることが好ましい。排出口21には、図9に示すキャップ22が被せられている。
キャップ22は、図9に示すように、環状の本体部27と、本体部27の中央の穴を塞ぐ薄膜部28とを備え、全体が軟質の合成樹脂により形成されている。本体部27は、薬液容器2の排出口21内に嵌合する円筒状の内側壁部27Aと、内側壁部27Aの外側に配置された円筒状の外側壁部27Bと、内側壁部27A及び外側壁部27Bの上端部同士を連結する輪状のフランジ部27Cとからなる。内側壁部27Aの下端部の内周面には、周方向に一周にわたって延びる係合突部27Dが設けられている。薄膜部28は、内側壁部27Aの係合突部27Dの先端部に分離可能に連結されており、薬液容器2の排出口21を閉塞している。外側壁部27Bの下部の内周面には、周方向に一周にわたって延びる先細形状の抜止め部27Eが突設されている。抜止め部27Eが排出口21に設けられた段部29と係合することで、キャップ22が排出口21に固定される。
薬液容器2は、キャップ22を排出口21に装着したまま、キャップ22を下にした逆さの状態で使用される。そして、使用に際しては、図24に示すように、後述する支持体3の円筒状の接続部材43をキャップ22の内側壁部27A内に差し込んで薄膜部28を破断することで、薬液容器2内の薬液が排出口21から排出される。このとき、支持体3の接続部材43が薬液容器2の排出口21内に嵌合することで、薬液容器2が支持体3に固定される。なお、本願請求項1の「支持体と薬液容器との嵌合により薬液容器が支持体に固定される」とは、本実施形態のように、薬液容器2の一部分と支持体3の一部分とが嵌合することで、薬液容器2が支持体3に固定される態様を含んでいる。なお、この本実施形態の態様に加えて又はこれに替えて、支持体3の上部開口縁に薬液収納部20の上端部を嵌合することで、薬液容器2が支持体3に固定される態様であってもよい。
薬液容器2は、平面視において、第1の方向(図7の左右方向、以下、「長手方向」という。)の長さがこれと直交する第2の方向(図7の上下方向、以下、「短手方向」という。)の長さよりも長い横長状の外形を有している。本実施形態の薬液容器2は、平面視において、短手方向に延びる両側縁部(以下、「左側縁部及び右側縁部」という。)2A,2Bは、全体的に外側へ凸をなす湾曲形状に形成されている。また、薬液容器2の長手方向に延びる一方の側縁部(以下、「前側縁部」という。)2Cは、全体的に外側へ凸をなす湾曲形状に形成されているのに対して、長手方向に延びる他方の側縁部(以下、「後側縁部」という。)2Dは、左側縁部及び右側縁部2A,2Bと連続する左側及び右側の部分が外側へ凸をなす湾曲形状に形成されている一方で、中央部分が内側へ凸をなす湾曲形状に形成されている。なお、前側縁部及び後側縁部2C,2Dともに全体的に外側へ凸をなす湾曲形状に形成されていてもよいし、中央部分が内側へ凸をなす湾曲形状に形成されていてもよい。また、薬液容器2は、平面視において、円形状など、第1の方向の長さがこれと直交する第2の方向の長さと同一又は略同一であってもよい。
支持体3は、上部が開口するカップ状に形成されており、図10〜図15に示す底面部30及び側面部31と、図18〜図22に示すカバー部材4とを備えている。この支持体3は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂により形成されており、可撓性を有している。
支持体3の平面視の外形は、薬液容器2とほぼ同形状に形成され、本実施形態では、第1の方向(図12の左右方向、以下、「長手方向」という。)の長さがこれと直交する第2の方向(図12の上下方向、以下、「短手方向」という。)の長さよりも長い横長状に形成されている。本実施形態では、薬液容器2と同様に、左側縁部3A、右側縁部3B及び前側縁部3Cは、全体的に外側へ凸をなす湾曲形状に形成されているのに対して、後側縁部3Dは、中央部分が内側へ凸をなす湾曲形状に形成されている。水洗トイレの貯水タンク上部に設けられる手洗用の給水受皿が長方形状の外形を有している場合、薬液供給装置1は、第1の方向(支持体3及び薬液容器2の長手方向)が給水受皿の長手方向と一致するように設置される。
図10〜図15に示すように、底面部30の下面には、下方に延びる複数(図示例では2本)の長脚32が設けられている。薬液供給装置1は、複数の長脚32を給水受皿の排水口に挿入するようにして給水受皿上に設置される。また、長脚32の周囲には、長脚32より短い複数(例えば4本)の短脚33が下方に延びるようにして設けられている。複数の短脚33は、長脚32が排水口に挿入された状態で、支持体3を給水受皿上にほぼ水平に支持する。また、底面部30の上面には、底面部30に着脱可能に取り付けられるカバー部材4の周壁(以下、「内側壁」という。)41が嵌合する略楕円形枠状の周壁(以下、「外側壁」という。)34が設けられている。
カバー部材4は、図18〜図22に示すように、平面視略楕円形状の上面部40と、上面部40から垂下する略楕円形枠状の内側壁41と、内側壁41の外側に位置し上面部40の周縁から垂下する囲繞壁42とを備えており、下部が開口している。内側壁41を支持体3の外側壁34の内側に嵌合させることで、カバー部材4が底面部30を覆うように装着される。このとき、囲繞壁42は、外側壁34の外周面から離反している。上面部40は、その中央部の平面視円形状の下段部40aと、下段部40aより高い位置にある下段部40aの周囲の上段部40bとからなる。下段部40aの中央位置には、薬液容器2の排出口21に接続される円筒状の接続部材43が設けられている。
接続部材43は、カバー部材4の下段部40aの上面に設けられている。接続部材43は、図23に示すように、先端部43Aと先端部43Aよりも大径の基端部43Bとからなる。先端部43Aの上端は斜めに切り取られており、上部開口が傾斜している。図24に示すように、薬液容器2の排出口21に接続部材43が接続されて両者が嵌合する際には、接続部材43の基端部43Bがキャップ22の本体部27内に嵌合して内側壁部27Aの内周面と当接するとともに、本体部27の係合突部27Dが接続部材43の先端部43Aと係合して先端部43Aの外周面と当接している。
図18〜図22に戻って、カバー部材4の下段部40aの下面には、接続部材43よりも小径の円筒状の排出部材44が同心円状に設けられている。接続部材43と排出部材44とは、流通孔45を介して連通しており、接続部材43及び排出部材44の内部は、薬液を薬液容器2から後述する案内部材5に通す薬液通路を構成している。接続部材43内の排出部材44の周囲には、連通孔61が複数(図示例では3個)形成されている。この連通孔61は、後述する調整機構6を構成するものである。
図10〜図15に戻って、支持体3の底面部30の外側壁34に囲まれた領域の中央部には、円形の底孔35が形成されている。この底孔35内にはカバー部材4の排出部材44が嵌合可能である。そして、支持体3の底面部30の下面には、底孔35を横断するようにして板状の案内部材5が設けられている。案内部材5は、薬液容器2から接続部材43及び排出部材44を介して排出された薬液を支持体3の外部の断続的に流れる液体と接触する位置へ案内するためのものであり、案内部材5の上面には、排出部材44内に嵌合可能な嵌合突部50が設けられている。嵌合突部50の外側面には、図16に示すように、上端部から下端部まで延びる縦溝51が形成されており、縦溝51により、排出部材44の内周面との間に薬液の導出路が形成されている。縦溝51の断面形状は、半円状の他、三角形や四角形などの角状など、種々の形状とすることができる。また、その断面寸法は、毛管作用により薬液が導出路に沿って導出され得る程度とするのが望ましい。底孔35の周囲には、排出部材44と嵌合突部50との嵌合状態を確実に保持するために、排出部材44が嵌合可能な環状壁36が設けられている。
案内部材5は、上面が排出部材44の下端部に当接している。案内部材5の表裏の板面には、図17に示すように、上下方向に延びる多数の細溝52が形成されている。この案内部材5は、2本の長脚部32の間に位置しており、長脚部32とともに給水受皿の排水口に挿入される。ただし、案内部材5は長脚部32よりもやや短く形成されており、その下端部のみが排水口に挿入可能となっている。案内部材5と長脚部32との間には、筒状の遮蔽壁37が設けられている。遮蔽壁37は、案内部材5よりもさらに短く形成されており、長脚部32は支持体3を排水口に位置決めし、案内部材5は排水口に流下する水に接することで、案内部材5上の薬液が水に洗い流されて貯水タンクの中に流れ込む。一方、遮蔽壁37は、流下する水が前記導出路から支持体3内に逆流することを規制している。
支持体3は、底面部30の外側壁34の内側に、カバー部材4の内側壁41を嵌合させることで組み立てられる。これにより、支持体3には、図3及び図4に示すように、底面部30とカバー部材4との間に緩衝室60が形成される。緩衝室60は、排出部材44とは仕切られており、薬液が貯留可能な空間を有している。
緩衝室60は、薬液容器2から排出される薬液の量を調整する調整機構6を構成するものであり、調整機構6は、緩衝室60、上述した連通孔61、及び、緩衝室60に空気を流入させる空気流通孔62により構成される。連通孔61は、薬液容器2から接続部材43に排出された薬液の一部を、緩衝室60へ導入可能である。
空気流通孔62は、本実施形態では、緩衝室60の側壁(外側壁34及び内側壁41からなる)に設けられている。つまり、支持体3の外側壁34の上端部が凹状に切り欠かれることで、外側壁34に貫通穴63(図12及び図15に示す)が形成されている一方で、カバー部材4の内側壁41には、その上端部から下端部まで上下方向に延びるスリット64(図19及び図21に示す)が形成されている。このスリット64は、支持体3の外側壁34の貫通穴63に対応する位置に形成されており、カバー部材4を支持体3に装着して、貫通穴63とスリット64とを一致させることで、空気流通孔62が形成される。
なお、本実施形態では、空気流通孔62は、平面視略楕円形状の緩衝室60の側壁(外側壁34および内側壁41)の長手方向の端部位置に対向して設けられているが、空気流通孔62の配置は、必ずしもこれに限られるものではなく、緩衝室60の側壁のいずれの位置に設けることができる。また、本実施形態では、緩衝室60の側壁の上端部に空気流通孔62が設けられているが、上端部よりも下方位置に設けることもできる。ただし、あまりに下方に配置すると、給水受皿に供給された水が支持体3の内部へ浸入したときに、その水が空気流通孔62を通って緩衝室60内に浸入するおそれがあるので好ましくない。また、本実施形態では、内側壁41に縦長のスリット64を設けることにより空気流通孔62を形成しているが、内側壁41にも外側壁34と同じように貫通穴を設け、貫通穴同士を一致させることで、空気流通孔62を形成してもよい。また、本実施形態では、空気流通孔62は水平方向を向いているが、水平方向よりも下向き(斜め下向き)になるように形成してもよい。
また、空気流通孔62は、必ずしも緩衝室60の側壁62に設けられている必要はなく、緩衝室60の上壁(カバー部材4の上面部40)に設けられていてもよい。
上記した調整機構6は、薬液容器2の温度変化に対して次のように作用をする。例えば、温度が上昇して薬液容器2が暖められた場合には、薬液容器2内の空気が膨張して薬液容器2内は正圧になる。この場合、薬液容器2内の薬液は押し出されて排出口21から排出されるが、排出された薬液は、排出部材44から導出路に流れ込む他、連通孔61を介して緩衝室60にも流れ込むため、薬液が前記導出路へ過剰に流出するのが防止される。
一方、流水で冷やされるなどして、薬液容器2の温度が低下すると、薬液容器2内の空気が収縮して薬液容器2内は負圧になる。この場合には、空気流通孔62の作用により大気圧または室内圧となっている緩衝室60内の薬液が、連通孔61を介して薬液容器2内へ吸い込まれる。したがって、案内部材5上の水又は薄められた薬液が排出部材44を通って薬液容器2側に戻されるのが抑制される。また、薬液容器2内の負圧によって薬液の排出が制限されるのが防止される。このように、調整機構6によって、温度変化によって薬液容器2内に圧力変化が生じた場合でも、薬液容器2と緩衝室60との間での薬液の流通が生じるため、薬液容器2内の薬液が過剰に流出したり、あるいは、流出が制限されるのを防止することができる。なお、緩衝室60の容量(連通孔61の下端面から空気流通孔62の下端面までの間の容量)は、薬液容器2の容量(図5における排出口21の上端面までの容量)と以下の関係にあることが好ましい。すなわち、薬液容器2の容量が75mlの場合は緩衝室60の容量が2.7ml程度であることが好ましく、薬液容器2の容量が100mlの場合は緩衝室60の容量が3.6ml程度であることが好ましく、薬液容器2の容量が150mlの場合は緩衝室60の容量が5.4ml程度であることが好ましい。薬液容器2と緩衝室60との容量を上記のように設定することによって、例えば支持体3の外側壁34とカバー部材4の内側壁41との嵌合部分から薬液が漏出する等の不具合が抑制され、且つ緩衝室60の機能も十分に発揮される。
図10〜図15に戻って、支持体3の側面部31には、薬液の芳香成分を外部に拡散させるための開口38が形成されている。また、底面部30の外側壁34の外側位置には、給水受皿に供給された水が支持体3の内部へ浸入したときに、その水を外部へ排出するための開口39が形成されている。
支持体3には、押圧により少なくとも一部分が内方に移動可能な押圧部7が少なくとも1つ設けられている。一方で、薬液容器2には、図4、図5及び図7に示すように、押圧部7が接触した状態での押圧部7の内方への移動に伴い薬液容器2の上方への移動を誘発する誘発部8が設けられている。つまり、誘発部8は、押圧部7の内方への移動により押圧部7と接触し、押圧部7との接触後は、押圧部7の内方への移動に伴って押圧部7から押圧力を受けることで、薬液容器2を上方に押し上げて移動させるように構成されている。薬液容器2が支持体3と嵌合状態にあるとき、薬液容器2の上方への移動は、支持体3との嵌合を自動的に解除するように作用する。よって、本実施形態の薬液供給装置1では、薬液容器2を支持体3から取り外す際に、押圧部7を単に内側に向けて押圧することで、薬液容器2が支持体3との嵌合が外れる上方に移動するため、薬液容器2を支持体3から容易に取り外すことができる。
本実施形態では、支持体3の側面部31に、上端部から下方(底面部30)に向けて延びる一対の切欠き70を間隔をあけて設けることで、板状の押圧部7が支持体3に一体に設けられている。この板状の押圧部7は、基端部71(切欠き70の先端に位置する側面部31との連結部)を軸にして側面部31に対して支持体3の内外方向に傾動可能であり、この押圧部7の傾動に伴い、押圧部7の上端部72が内方に移動する。本実施形態では、押圧部7は、上端部72が基端部71のほぼ真上に位置しているので、押圧部7の上端部72は、押圧部7の内側への傾動により、円弧を描くようにして斜め下方に向けて移動する。
また、本実施形態では、押圧部7は、一対の切欠き70が平行に側面部31に設けられることで、外形が矩形状に形成されており、押圧部7の上端部72の2つの角が面取りされている。ただし、押圧部7の外形は矩形状に限定されるものではなく、種々の形状に形成することができる。例えば、一対の切欠き70を側面部31にハ字状、逆ハ字状、逆V字状に設けることで、押圧部7の外形を台形状、逆台形状、三角形状などに形成してもよい。なお、矩形状や台形状、逆台形状などのように、押圧部7の上端部72が幅を有する外形に形成されていることが好ましい。これにより、押圧部7は、詳細は後述するが、上端部72が薬液容器2の摺動面80に幅広く接触した状態で摺動面80上を動くので、押圧部7を摺動面80の延びる方向に沿って真っ直ぐ移動させることができる。その結果、薬液容器2を支持体3に対して真っ直ぐ上方に移動させることができるので、薬液容器2と支持体3との嵌合を良好に外すことができる。
また、所定幅を有するスリット状の切欠き70ではなく、線状の切込みを側面部31に設けることによっても、同様の板状の押圧部7を支持体3に一体に設けることができる。また、一対の切欠き70(又は切込み)を側面部31の上端部から設けなくても、例えば、コ字状、U字状、V字状などの切欠き(又は切込み)を上に凸となるようにして側面部31に設けることで、側面部31に対して支持体3の内外方向に傾動可能な板状の押圧部7を支持体3に一体に設けることができる。
押圧部7の支持体3に設けられる位置は特に限定されるものではないが、支持体3の長手方向(第1の方向)に延びる部分である前側縁部3C及び/又は後側縁部3Dに設けられているのが好ましい。薬液容器2を支持体3から取り外す際には、支持体3を片方の手で掴んで押圧部7を指で押圧操作する必要があるが、支持体3の長手方向(第1の方向)に延びる部分に押圧部7が設けられていると、支持体3を手で掴んで指で押圧部7の押圧操作がし易くなるからである。
また、押圧部7は支持体3に少なくとも1つ設けられていればよいが、一対の押圧部7が対向するようにして支持体3に設けられていることが好ましい。押圧部7は、押圧による内方への移動が誘発部8を介して薬液容器2を上方に押し上げるように構成されているが、薬液容器2を一対の押圧部7により挟むことで、薬液容器2を真っ直ぐ上方に押し上げることができる。よって、薬液容器2と支持体3との嵌合を良好に外すことができる。本実施形態では、一対の押圧部7が、支持体3の側面部31の前側縁部3C及び後側縁部3Dの長さ方向の中央位置に、それぞれ配置されている。
一方、誘発部8は、図4、図5及び図7に示すように、本実施形態では、薬液収納部20の上面に設けられており、押圧部7の傾動により、押圧部7の上端部72が摺動する摺動面80により構成されている。なお、「摺動」とは、接触して滑りながら動くことをいう。薬液収納部20の上面には、周縁近傍から中央付近に向けて緩やかな山形に盛り上がった隆起部23が設けられており、隆起部23の一部を切り欠くようにして摺動面80が形成されている。また、隆起部23の略中央位置に排出口21が設けられている。
誘発部8(摺動面80)は、薬液容器2の支持体3との装着時に押圧部7と対応するように、薬液容器2に設けられている。本実施形態では、薬液容器2の長手方向(第1の方向)に延びる部分である前側縁部2C及び後側縁部2Dにそれぞれ設けられており、前側縁部2C及び後側縁部2Dの長さ方向の中央位置に、排出口21を挟んで対向配置されている。
また、本実施形態では、隆起部23の一部を凹状に切り欠くことで形成される凹部24が、薬液容器2の前側縁部2C及び後側縁部2Dの長さ方向の中央位置にそれぞれ設けられている。凹部24の前側縁部2C又は後側縁部2D側(手前側)の端縁は開口しており、この開口から内方に移動する押圧部7を凹部24内に受け入れ可能である。また、凹部24は、押圧部7の移動方向に沿って延びる底壁面を備えており、本実施形態では、この底壁面が摺動面80を構成している。摺動面80の左右側の端縁には凹部24の側壁面25が連設されており、摺動面80の排出口21側(奥側)の端縁には凹部24の奥壁面26が連設されている。摺動面80(凹部26の底壁面)の横幅は、押圧部7を受け入れられるように、押圧部7の横幅よりも若干大きく設定されている。摺動面80が凹部24内に設けられていることで、凹部24の両側壁面25にガイドされながら、押圧部7の上端部72が摺動面80を摺動する。よって、押圧部7を摺動面80が延びる方向に沿って真っ直ぐ移動させることができるので、薬液容器2を支持体3に対して真っ直ぐ上方に移動させることができる。その結果、薬液容器2と支持体3との嵌合を良好に外すことができる。
摺動面80は、本実施形態では、内側(排出口21側)に向かうに連れて高く(使用時の薬液容器2を表す図4では低く)傾斜する、つまりは、薬液収納部20の上面からの高さが高くなる傾斜面に形成されている。上述したように、本実施形態では、押圧部7の上端部72が内方に向けて円弧を描くようにして斜め下方に移動する。よって、摺動面80を、押圧部7の上端部72の移動方向と同じ方向に傾斜する傾斜面とすることで、押圧部7の上端部72は摺動面80と接触しながら摺動面80に沿って移動し続ける。これにより、摺動面80には押圧部7より押圧力が作用し、この摺動面80に作用する押圧力は、摺動面80が斜め下方に傾斜していることで薬液容器2を上方に押し上げる力となるので、薬液容器2の上方への移動を誘発可能となっている。
なお、摺動面80は、断面視で直線状に傾斜する平坦面であってもよいし、断面視で曲線状に傾斜する湾曲面であっても構わないが、湾曲面で構成されているのが好ましい。上述したように、押圧部7の上端部72は円弧を描くように移動するので、摺動面80が湾曲面であると押圧部7の上端部72の移動方向に沿うので、押圧部7の上端部72をスムーズに摺動させることができる。
また、摺動面80は、傾斜度合いが異なる複数の傾斜面を連続して設けることで形成されていることが好ましく、例えば、摺動面80を内側(排出口21側)に向かうに連れて傾斜度合いが急となるように形成すれば、以下の理由で好ましい。
つまり、内側(排出口21側)に向かうに連れて傾斜度合いが急となるように摺動面80を形成すると、押圧部7の内方への移動により押圧部7の上端部72が摺動面80を摺動する当初の段階では、摺動面80の傾斜度合いが緩やかであるため、押圧部7の内方への移動に伴う摺動面80を介して薬液容器2を上方に移動させる移動量が小さい。一方、押圧部7の上端部72が摺動面80を摺動するにしたがって、摺動面80の傾斜の度合いが急になるため、押圧部7の内方への移動に伴う摺動面80を介して薬液容器2を上方に移動させる移動量が大きくなる。
ここで、薬液容器2が支持体3に装着されている状態では、排出口21内に接続部材43が嵌合していることにより、薬液容器2は支持体3に固定されていて取り外し難くなっている。そのため、使用者は、薬液容器2を支持体3から取り外そうとする際に、支持体3の押圧部7を強く(勢いよく)押圧するおそれがある。この場合に、押圧部7の上端部72が摺動面80を摺動する当初の段階において摺動面80の傾斜度合いが急であると、押圧部7の内方への移動に伴い摺動面80を介して薬液容器2を上方に移動させる移動量が大きくなる。その結果、薬液容器2がいきなり大きく上方に移動することで支持体3との嵌合が解除され、使用者の意に反して薬液容器2が支持体3から勢いよく外れてしまうおそれがある。
一方で、押圧部7の上端部72が摺動面80を摺動する当初の段階において、摺動面80の傾斜度合いが緩やかであると、使用者が薬液容器2を支持体3から取り外そうとする際に、支持体3の押圧部7を強く(勢いよく)押圧しても、押圧部7の内方への移動に伴う摺動面80を介して薬液容器2を上方に移動させる移動量が小さいために、薬液容器2はさほど上方に移動しない。よって、薬液容器2と支持体3との嵌合がいきなり解除されて、薬液容器2が支持体3から勢いよく外れてしまうことを防止できる。そして、押圧部7の上端部72が摺動面80を摺動するにしたがい、摺動面80の傾斜の度合いが急になるので、押圧部7の内方への移動に伴う摺動面80を介して薬液容器2を上方に移動させる移動量が大きくなる。これにより、薬液容器2が大きく上方に移動して支持体3との嵌合が解除され、薬液容器2を支持体3から容易に取り外すことが可能になる。
なお、傾斜度合いとは、水平方向の変化に対する上下方向の変位量(水平面からの距離)のことをいい、傾斜面が平坦面であれば、平坦面の水平面に対する傾斜角度を指し、傾斜面が湾曲面であれば、湾曲面の曲がり具合いつまりは曲率半径を指す。摺動面80を内側に向かうに連れて傾斜の度合いが急となるように形成する場合には、平坦面同士の組み合せの場合には、内側に向かうに連れて傾斜角度が急な平坦面を順次並べる。また、湾曲面同士の組み合せの場合には、内側に向かうに連れて曲率半径が小さい湾曲面を順次並べる。また、平坦面と湾曲面との組み合せの場合、平坦面、湾曲面の順番に並べる場合には、平坦面の傾斜角度を、湾曲面の平坦面との連結部分における接線の傾斜角度以下とし、湾曲面、平坦面の順番に並べる場合には、平坦面の傾斜角度を、湾曲面の平坦面との連結部分における接線の傾斜角度以上とする。
また、摺動面80は、押圧部7の上端部72が摺動面80の終端(本実施形態では奥壁面26との境目)まで摺動した際に、薬液容器2と支持体3との嵌合(本実施形態では、排出口21と接続部材43との嵌合)が外れる状態まで薬液容器2が上方に移動するように、傾斜度合いが設定されていることが好ましい。これにより、押圧部7の上端部72が摺動面80の終端の凹部24の奥壁面26に突き当たった際に、薬液容器2と支持体3との嵌合が外れて薬液容器2を支持体3から取り外し可能であることを確認できる。また、これ以上、押圧部7を押圧しても、押圧部7の上端部72が凹部24の奥壁面26に突き当たって内方に摺動しないために、薬液容器2がさらに上方に移動することが規制される。よって、使用者の意に反して薬液容器2が支持体3から勢いよく外れてしまうことを防止できる。
ここで、本実施形態のように、排出口21と接続部材43とが嵌合している状態において、薬液容器2と支持体3との嵌合が外れる状態とは、図24を参照して、薬液容器2の上方への移動に伴いキャップ22の内側壁部27Aが上方に移動して、少なくとも接続部材43の基端部43Bよりも上方に位置して基端部43Bの外周面と当接しなくなる状態をいう。このとき、内側壁部27の係合突部27Dについては接続部材43の先端部43Aの外周面と当接している状態であっても当接していない状態であってもよく、また、係合突部27Dの一部が先端部43Aの外周面と当接している状態であってもよい。少なくとも接続部材43の基端部43Bとキャップ22の内側壁部27Aとの嵌合が外れて両者が接触しなくなれば、薬液容器2を単に掴んで持ち上げるだけで、ほとんど力をかけることなく支持体3から薬液容器2を取り外すことができる。よって、薬液容器2と支持体3との嵌合状態が、本実施形態のような嵌合状態(接続部材43の基端部43Bとキャップ22の内側壁部27Aとの接触、及び、接続部材43の先端部43Aとキャップ22の係合突部27Dとの接触の上下2箇所での接触による嵌合状態)と異なる場合には、薬液容器2と支持体3との嵌合が外れる状態とは、薬液容器2を単に掴んで持ち上げるだけで、ほとんど力をかけることなく支持体3から薬液容器2を取り外すことができる状態をいう。
なお、摺動面80は、押圧部7の上端部72が摺動面80の終端(本実施形態では奥壁面26との境目)まで達する前に、薬液容器2と支持体3との嵌合(本実施形態では、排出口21と接続部材43との嵌合)が外れる状態まで薬液容器2が上方に移動するように、傾斜度合いが設定されていてもよい。この場合には、摺動面80は、薬液容器2と支持体3との嵌合が外れた後でも押圧部7の上端部72が摺動できる長さに設定される。この場合には、押圧部7の上端部72が摺動面80の終端の凹部24の奥壁面26に突き当たった際には、薬液容器2が支持体3から少し浮かび上がるので、何らの力も要らずに薬液容器2を支持体3から取り外すことができる。なお、この場合には、薬液容器2が支持体3から勢いよく外れてしまうことがないように摺動面80の傾斜度合いを設定するのが好ましい。
上記構成の薬液供給装置1によると、支持体3の接続部材43を薬液容器2の排出口21にキャップ22を貫通して嵌合させることにより、薬液容器2が支持体3に固定される。そして、水洗トイレの貯水タンク上部の給水受皿の排水口に支持体3の案内部材5及び長脚部32が挿入されることで、薬液容器2内の薬液は、接続部材43から排出部材44を通って案内部材5に排出され、案内部材5上の薬液がフラッシュ時に給水受皿に供給される水に洗い流されることで、排水口から貯水タンクに流れ込む。
使用に伴い薬液容器2内の薬液が全て排出されると、空の薬液容器2を新たな薬液容器2に取り替えることで、継続しての使用が可能になる。この場合、支持体3から薬液容器2を取り外す必要があるが、上記構成の薬液供給装置1では、支持体3及び薬液容器2にそれぞれ押圧部7及び誘発部8(摺動面80)が設けられており、押圧部7の内方への移動が誘発部8を介して薬液容器2を上方に移動させるように構成されているので、押圧部7を内側に向けて単に押圧するだけで、薬液容器2が上方へ移動して支持体3との嵌合が自動的に外れる。よって、薬液容器2を支持体3から容易に取り外すことができ、薬液容器2を支持体3から取り外す際に薬液容器2を支持体3から強く引き離すなどの必要がないので、薬液容器2内の残存する薬液が排出口21から飛び散るおそれがなく、使用者の服などに付着するおそれがない。加えて、薬液容器2を支持体3から取り外す際には、薬液供給装置1を給水受皿上に設置したままで、一方の手で支持体3の押圧部7を押圧し、他方の手で薬液容器2を掴んで持ち上げることで、薬液容器2を支持体3から取り外せる。よって、支持体3の案内部材5に手が触れることがないので、薬液容器2を支持体3から取り外した際に薬液が手に付着して薬液で汚れるおそれもなく、使用者が不快に感じるおそれがない。
また、薬液容器2及び支持体3に、一対の押圧部7及び誘発部8(摺動面80)が対向するように設けられているので、薬液容器2を一対の押圧部7により挟むことで、誘発部8を介して薬液容器2を真っ直ぐ上方に押し上げて移動させることができるので、薬液容器2と支持体3との嵌合を良好に外すことができる。
また、一対の押圧部7及び誘発部8(摺動面80)が、薬液容器2及び支持体3の長手方向(第1の方向)に延びる部分である前側縁部2C,3C及び後側縁部2D,3Dに設けられているので、薬液容器2を支持体3から取り外す際に、支持体3を片方の手で掴みやすく、よって、押圧部7の押圧操作をし易くすることができる。
また、誘発部8(摺動面80)が凹部26内に設けられており、押圧部7の上端部72は凹部26の両側壁面25にガイドされながら摺動面80を摺動するので、押圧部7を摺動面80が延びる方向に真っ直ぐ移動させることができる。よって、薬液容器2を支持体3に対して真っ直ぐ上方に移動させることができるので、薬液容器2と支持体3との嵌合を良好に外すことができる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明の具体的な態様は上記した実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、誘発部8を構成する摺動面80が、内側(排出口21側)に向かうに連れて高く(使用時の薬液容器2を表す図4では低く)傾斜する傾斜面に形成されているが、内側(排出口21側)に向けて傾斜せずに水平に延びる平坦な水平面に形成されていてもよい。なお、この場合には、図25に示すように、押圧部7は、上端部72が基端部71よりも大きく外側に位置するように斜めに傾斜した状態で支持体3に設けるようにする。これにより、押圧部7の内側への傾動により、押圧部7の上端部72は円弧を描くようにして斜め上方に移動する。よって、摺動面80が水平面であると、押圧部7の内方への移動に伴い押圧部7の上端部72が摺動面80を摺動する際に、摺動面80は押圧部7により上方に押し上げられる。これにより、薬液容器2が上方に移動するので、摺動面80は押圧部7の内方への移動に伴い薬液容器2の上方への移動を誘発可能となっている。なお、押圧部7が支持体3に外側に倒れるように斜めに傾斜した状態で設けられる場合には、摺動面80は水平面に限らず、内側(排出口21側)に向かうに連れて低く(使用時の薬液容器2を表す図4では高く)傾斜する傾斜面に形成されていてもよい。この場合においても、押圧部7の内方への移動に伴い押圧部7の上端部72が摺動面80を摺動する際に、摺動面80は押圧部7により上方に押し上げられる。よって、薬液容器2が上方に移動するので、摺動面80は押圧部7の内方への移動に伴い薬液容器2の上方への移動を誘発可能となっている。
また、上記実施形態では、薬液容器2(薬液収納部20)の上面の隆起部23に凹部24が設けられ、誘発部8を構成する摺動面80が凹部24の底壁面により構成されているが、図26〜図29に示すように、薬液容器2(薬液収納部20)の隆起部23に凹部24を設けることなく隆起部23の一部を例えば斜めに切り欠くことで、切り欠かれた隆起部23の表面を摺動面80としてもよい。この実施形態では、摺動面80が排出口21の近傍まで延びている。摺動面80としては、上記実施形態と同様に、押圧部7の上端部72が摺動面80の終端である排出口21の付け根位置まで摺動した際に、薬液容器2と支持体3との嵌合(排出口21と接続部材43との嵌合)が外れる状態まで薬液容器2が上方に移動するように、傾斜度合いが設定されていてもよいし、押圧部7の上端部72が摺動面80の終端である排出口21の付け根位置まで達する前に、薬液容器2と支持体3との嵌合(排出口21と接続部材43との嵌合)が外れる状態まで薬液容器2が上方に移動するように、傾斜度合いが設定されていてもよい。前者の場合には、摺動面80は、薬液容器2と支持体3との嵌合が外れる状態となるまで押圧部7の上端部72が摺動できる長さに設定される。後者の場合には、摺動面80は、薬液容器2と支持体3との嵌合が外れた後でも押圧部7の上端部72が摺動できる長さに設定される。なお、この実施形態における摺動面80の薬液容器2に設けられる位置や数などは、上記実施形態と同様にすることができる。また、図26〜図29に示す薬液容器2のその他の構成は、図5〜図8に示す上記実施形態の薬液容器2の構成と同様であり、ここでは対応する構成に同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。
また、上記実施形態では、誘発部8を構成する摺動面80は、凹部24の底壁面や隆起部23の切り欠かれた表面など、面状に広がりを有しているが、図30〜図32に示すように、例えば、薬液容器2(薬液収納部20)の上面に、押圧部7の移動方向に沿って延びる(図32では、前側縁部2C及び後側縁部2Dから排出口21に向かって延びる)リブ81を少なくとも1つ設け、リブ81の表面を摺動面80としてもよい。この実施形態では、押圧部7の内方への移動に伴い、押圧部7の上端部72がリブ81の表面の摺動面80と接触するように、リブ81の高さが設定される。なお、リブ81としては、薬液容器2(薬液収納部20)の上面に、横幅の広いものが1つ設けられていてもよいし、横幅の狭いものが間隔をあけて複数並列して設けられていてもよい。また、リブ81は、押圧部7が内側に傾動する際の上端部72の移動方向に応じて、表面(摺動面80)が内側(排出口21側)に向かうに連れて高く又は低く傾斜する傾斜面に形成されていてもよいし、内側(排出口21側)に向けて傾斜せずに水平に延びる平坦な水平面に形成されていてもよい。また、図30〜図32では、薬液容器2の前側縁部2C及び後側縁部2Dの長さ方向の中央位置にそれぞれ設けられた凹部24内にリブ81が設けられているが、凹部24は必ずしも設ける必要はない。
また、上記実施形態では、誘発部8が摺動面80により構成されているが、図33〜図35に示すように、誘発部8を突起82より構成することができる。突起82は、薬液容器2(薬液収納部20)の上面において、押圧部7の移動方向に位置しており、押圧部7の内方への移動に伴い、押圧部7の上端部72が突起82に突き当たるように、その設置場所及び高さが設定されている。この実施形態では、押圧部7の上端部72が突起82に突き当たって接触した状態で、押圧部7がさらに内方へ移動すると、押圧部7は突起82を乗り越える。そのため、突起82には押圧部7より上向きの押圧力が作用する。これにより、薬液容器2が上方に押し上げられるので、突起82は押圧部7の内方への移動に伴い薬液容器2の上方への移動を誘発可能となっている。なお、突起82としては、薬液容器2(薬液収納部20)の上面に、外形が大きいものが1つ設けられていてもよいし、外形が小さいものが間隔をあけて複数並列して設けられていてもよい。また、図33〜図35では、薬液容器2の前側縁部2C及び後側縁部2Dの長さ方向の中央位置にそれぞれ設けられた凹部24内に突起82が設けられているが、凹部24は必ずしも設ける必要はない。
また、上記実施形態では、押圧部7は、支持体3の側面部31に切欠き70(又は切込み)を設けることで側面部31に一体に設けられているが、図36に示すように、側面部31に切欠き70などを設けることなく、押圧部7を設ける位置の側面部31の高さを低くし、当該側面部31の上端部に板状の押圧部7を設けるようにしてもよい。また、押圧部7は、支持体3の側面部31に対して内外にスライド移動可能に設けられた移動体であってもよく、押圧部7の内方へのスライド移動により押圧部7の先端部が、例えば傾斜状態の摺動面80と接触し、摺動面80と接触した状態でさらに内方へ移動することに伴い摺動面80を介して薬液容器2を上方に押し上げるように構成されていてもよい。その他にも、押圧により少なくとも一部分が内方に移動して誘発部8と接触し、誘発部8と接触した状態でさらに内方へ移動することに伴い誘発部8を介して薬液容器2を上方に押し上げるように構成されていれば、押圧部7は種々の態様とすることができる。
また、上記実施形態では、薬液容器2の薬液収納部20及び排出口21が1つであり、これに対応して支持体3に接続部材43や緩衝室60などが1つ設けられている薬液供給装置1について説明したが、本発明は、図40〜図42に示したような、薬液容器2の薬液収納部20や排出口21、支持体3の接続部材43や緩衝室60などが各々2つ(又は3つ以上)備える薬液供給装置についても適用することができる。
さらに、本発明は、上記実施形態のような、案内部材5を支持体3の下面から下方へ突出させて給水受皿の排水口に挿入するように構成された薬液供給装置1だけでなく、図44及び図45に示すような、支持体の下部側面に設けた開口から板状の薬液供給部材の両端を突出させ、給水受皿上に供給される水により、薬液容器から薬液供給部材上に排出された薬液を洗い流して排水口から貯水タンクの中に流し込むように構成された薬液供給装置についても適用することができる。
さらに、本発明は、上記実施形態のように、水洗トイレの貯水タンク上に配置されるタイプの薬液供給装置だけでなく、便器のリムに吊り掛けて使用するタイプの薬液供給装置についても適用することができる。