JP2016069253A - ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 - Google Patents
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ところで、高温の熔融ガラスから品位の高いガラス基板を量産するためには、ガラス基板の欠陥の要因となる異物等が、ガラス基板を製造するいずれの装置からも熔融ガラスへ混入しないよう考慮することが望まれる。このため、ガラス基板の製造過程において熔融ガラスに接する部材の内壁は、その部材に接する熔融ガラスの温度、要求されるガラス基板の品質等に応じ、適切な材料により構成する必要がある。たとえば、熔融ガラスを生成した後成形工程に供給するまでの間、熔融ガラスは高温状態になるため、清澄工程を行う清澄装置、均質化工程を行う攪拌装置、及び熔融ガラスを移送するガラス供給管は、耐熱性の高い白金あるいは白金合金である白金族金属を用いて構成されている。しかし、白金族金属は、ガラス熔融に必要な高温下では揮発し易い。そして白金族金属の揮発物が気相空間を取り巻く内壁に凝集して凝集物をつくり、この凝集物の一部が離脱して熔融ガラス中に異物となって混入し、ガラス基板の品質の低下を招くおそれがあった。
当該ガラス溶融炉では、天井部を設けて閉塞した槽本体の内壁面の下部が、白金または白金合金でなる白金面によって形成されており、かつ該白金面は、その上端が溶融ガラスの槽上部雰囲気中に露出しない位置となるように形成されている。
前記ガラス処理装置の内部において、熔融ガラスの液面より上方に気相空間が形成され、
前記ガラス処理装置の内部で前記白金族金属が凝集する温度以上において、前記気相空間に含まれる白金揮発物の凝集が抑制されるよう前記気相空間の絶対湿度が1300g/m3以下の環境下で前記熔融ガラスを処理する、
ことを特徴とする。
前記湿度制御装置は、前記気相空間の気体に含まれる水蒸気を吸着して前記気相空間を除湿する、ことが好ましい。
前記ガラス処理装置の内部において、熔融ガラスの液面より上方に気相空間が形成され、
前記ガラス処理装置の内部で前記白金族金属が凝集する温度以上において、前記気相空間に含まれる白金揮発物の凝集が抑制されるよう前記気相空間の絶対湿度が1300g/m3以下の環境下で前記熔融ガラスを処理する、
ことを特徴とする。
本発明に係るガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るガラス基板製造方法の工程の一例を示すフローチャートである。ガラス基板の製造方法は、図1に示されるように、主として、熔解工程S1と、清澄工程S2と、攪拌工程S3と、成形工程S4と、徐冷工程S5と、切断工程S6とを備える。
図2は、本実施形態に係るガラス基板の製造装置200の構成の一例を示す模式図である。ガラス基板の製造装置200は、熔解槽40と、清澄管41と、攪拌装置100と、成形装置42と、移送管43a,43b,43cとを備える。移送管43aは、熔解槽40と清澄管41を接続する。移送管43bは、清澄管41と攪拌装置100を接続する。移送管43cは、攪拌装置100と成形装置42を接続する。
熔解槽40では、ガラス原料は、その組成等に応じた温度に加熱されて熔解される。これにより、熔解槽40では、例えば、1500℃〜1620℃の高温の熔融ガラスGが得られる。なお、熔解槽40では、少なくとも1対の電極間に電流を流すことで、電極間の熔融ガラスGが通電加熱されてもよく、また、通電加熱に加えてバーナーによる火焔を補助的に与えることで、ガラス原料が加熱されてもよい。
具体的には、熔解槽40で得られた熔融ガラスGは、熔解槽40から移送管43aを通過して清澄管41に流入する。清澄管41および移送管43a,43b,43cは、白金あるいは白金合金である白金族金属製の管である。なお、白金族金属は、単一の白金族元素からなる金属、および、白金族元素からなる金属の合金を意味する。白金族元素は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)およびイリジウム(Ir)の6元素である。白金族金属は、融点が高く、熔融ガラスに対する耐食性に優れている。清澄管41には、熔解槽40と同様に加熱手段が設けられている。また、少なくとも移送管43aにも加熱手段が設けられている。清澄工程S2では、熔融ガラスGがさらに昇温させられることで清澄される。例えば、清澄管41における熔融ガラスGの温度は、1600℃〜1720℃である。
清澄管41において清澄された熔融ガラスGは、清澄管41から移送管43bを通過して攪拌装置100に流入する。熔融ガラスGは、移送管43bを通過する際に冷却される。
具体的には、攪拌装置100では、清澄管41を通過する熔融ガラスGの温度よりも低い温度で、熔融ガラスGが攪拌される。例えば、攪拌装置100において、熔融ガラスGの温度は、1250℃〜1450℃である。例えば、攪拌装置100において、熔融ガラスGの粘度は、500ポアズ〜1300ポアズである。熔融ガラスGは、攪拌装置100において攪拌されて均質化される。
攪拌装置100で均質化された熔融ガラスGは、攪拌装置100から移送管43cを通過して成形装置42に流入する。熔融ガラスGは、移送管43cを通過する際に、熔融ガラスGの成形に適した粘度となるように冷却される。例えば、熔融ガラスGは、1100〜1300℃まで冷却される。
具体的には、成形装置42に流入した熔融ガラスGは、成形炉(図示せず)の内部に設置されている成形体52に供給される。成形体52の上面には、成形体52の長手方向に沿って溝が形成されている。熔融ガラスGは、成形体52の上面の溝に供給される。溝から溢れた熔融ガラスGは、成形体52の一対の側面を伝って下方へ流下する。成形体52の側面を流下した一対の熔融ガラスGは、成形体52の下端で合流して、シートガラスGRが連続的に成形される。
切断工程S6では、徐冷工程S5で徐冷されたシートガラスが所定の長さに切断されて、ガラスシートが得られる。ガラスシートは、さらに、所定のサイズに切断されて、ガラス基板が得られる。
以下、ガラス処理装置として清澄管41を含んだ清澄装置を用いて説明するが、ガラス処理装置は、熔解槽40と成形装置42との間に設けられ、熔融ガラスGに所定の処理をする装置である限りにおいて、特に制限されない。ガラス処理装置は、清澄装置の他に、例えば攪拌装置、あるいは熔融ガラスを移送する移送管を対象とすることもできる。したがって、熔融ガラスGの処理は、熔融ガラスを清澄する処理の他に、熔融ガラスを均質化する処理、熔融ガラスを移送する処理等を含む。
本実施形態のガラス基板の製造方法によって製造されるガラス基板は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板やディスプレイを保護するカバーガラスとして、特に適している。FPD用のガラス基板としては、無アルカリガラス、または、アルカリ微量含有ガラスが用いられる。FPD用のガラス基板は、高温時における粘性が高い。例えば、102.5ポアズの粘性を有する熔融ガラスの温度は、1500℃以上である。
熔解槽40では、図示されない加熱手段によりガラス原料が熔解され、熔融ガラスGが生成される。ガラス原料は、所望の組成のガラスを実質的に得ることができるように調製される。ガラスの組成の一例として、FPD用のガラス基板として好適な無アルカリガラスは、SiO2:50質量%〜70質量%、Al2O3:0質量%〜25質量%、B2O3:0質量%〜15質量%、MgO:0質量%〜10質量%、CaO:0質量%〜20質量%、SrO:0質量%〜20質量%、BaO:0質量%〜10質量%を含有する。ここで、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計の含有量は、5質量%〜30質量%である。
次に、清澄装置の清澄管41の構成について詳細に説明する。なお、清澄装置は、清澄管41の他に、通気管41a、加熱電極41b、及び、清澄管41の外周を囲む図示されない耐火物保護層及び耐火物レンガを含む。図3は、清澄管41を主に表す外観図である。図4は、清澄管41の長手方向における概略断面図である。
加熱電極41bは清澄管41に一対設けられるが、清澄管41の数は特に制限されない。加熱電極41bによる通電加熱により、清澄管41の気相空間41cと接する壁の温度は、例えば1500〜1750℃の範囲にある。
清澄管41では、熔融ガラスGの粘度を、熔融ガラスGに含まれる泡が液面に浮上しやすい値に調節することにより、熔融ガラスGが清澄される。しかし、FPD用ガラス基板に好適な無アルカリガラスおよびアルカリ微量含有ガラスは、高温時において高い粘度を有する。例えば、無アルカリガラスおよびアルカリ微量含有ガラスを成形するために用いる熔融ガラスGは、粘度が102.5poiseである場合に、1500℃以上の温度を有する。そのため、清澄工程において、熔融ガラスの温度を、通常のアルカリガラスの熔融ガラスの温度に比べて高くする必要があるため、上述した白金族金属の揮発の問題が顕著になる。そして、白金族金属の揮発が促進されると、清澄管41の内壁および通気管41aの内壁に白金族金属の凝集物が異物として付着しやすくなる。この点で、本実施形態の製造方法は効果的である。
清澄剤として酸化スズを用い、図3に示す清澄管41を用いて、熔融ガラスの清澄を行うとともに、上記実施形態の湿度調整を行い、清澄後、2270mm×2000mmであり、厚さが0.5mmのシートガラスに成形し、100枚のガラス基板を作成した(実施例)。
清澄管41の気相空間41cの湿度の調整は、上記の湿度制御装置44を用いて、パイプ44aから気相空間41cの気体を吸引し、気相空間41cの気体に含まれる水蒸気(水)の量を制御することにより行った。気相空間41cの温度が1400℃以上になるよう設定し、絶対湿度が300g/m3以下、絶対湿度が1300g/m3、絶対湿度が16200g/m3、絶対湿度が32000g/m3の環境になるように、気相空間41cの湿度を調整し、ガラス基板の白金異物の有無を、目視で確認した。また、ガラス基板のガラス組成は、SiO2 66.6モル%、Al2O3 10.6モル%、B2O3 11.0モル%、MgO,CaO,SrO及びBaOの合量 11.4モル%であり、歪点は660℃、粘度が102.5ポアズであるときの熔融ガラスの温度は1570℃であった。
41 清澄管
41a 通気管
41b 加熱電極
41c 気相空間
42d 端
42 成形装置
43a,43b.43c 移送管
44 湿度制御装置
44a パイプ
52 成形体
100 攪拌装置
200 ガラス基板の製造装置
G 熔融ガラス
Claims (3)
- 白金族金属で構成されたガラス処理装置を備えるガラス基板の製造方法であって、
前記ガラス処理装置の内部において、熔融ガラスの液面より上方に気相空間が形成され、
前記ガラス処理装置の内部で前記白金族金属が凝集する温度以上において、前記気相空間に含まれる白金揮発物の凝集が抑制されるよう前記気相空間の絶対湿度が1300g/m3以下の環境下で前記熔融ガラスを処理する、
ことを特徴とするガラス基板の製造方法。 - 前記ガラス処理装置は、前記気相空間の湿度を制御する湿度制御装置を備え、
前記湿度制御装置は、前記気相空間の気体に含まれる水蒸気を吸着して前記気相空間を除湿する、
ことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。 - 白金族金属で構成されたガラス処理装置を備えるガラス基板の製造装置であって、
前記ガラス処理装置の内部において、熔融ガラスの液面より上方に気相空間が形成され、
前記ガラス処理装置の内部で前記白金族金属が凝集する温度以上において、前記気相空間に含まれる白金揮発物の凝集が抑制されるよう前記気相空間の絶対湿度が1300g/m3以下の環境下で前記熔融ガラスを処理する、
ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
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JP2014202500A JP2016069253A (ja) | 2014-09-30 | 2014-09-30 | ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 |
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JPH08268724A (ja) * | 1995-03-30 | 1996-10-15 | Asahi Glass Co Ltd | ガラス溶融炉の二次空気湿度制御装置 |
WO2008029649A1 (fr) * | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Asahi Glass Company, Limited | Procédés de fabrication de verre |
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2014
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