JP2016068764A - 航空機の飛行制御方法及び航空機の飛行制御システム - Google Patents
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Abstract
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例えば特許文献1では、移動する目標物を常に搭載センサーの視野内に入れつつ無人航空機で追跡する技術が提案されている。
また、目標物を監視するセンサー(例えば映像センサー)は、その可動範囲(撮影範囲)に制限があったり、航空機の機体自身が当該センサーの視野を遮ったりして、機体の所定方向(例えば機体後方)が死角となる場合がある。このような場合、単純に航空機を旋回させながら目標物を監視させようとすると、目標物が死角方向に位置するときにセンサーの撮影範囲から外れてしまう。
機体の所定方向に死角を有する映像センサーが搭載された航空機の飛行を制御し、当該航空機を滞空させつつ前記映像センサーにより所定の目標物を撮影させる航空機の飛行制御方法であって、
前記目標物を常に前記映像センサーの撮影範囲内に捉えるように、所定の飛行中心位置を中心とする8の字状の飛行パターンで前記航空機を飛行させることを特徴とする。
前記映像センサーの撮影範囲が、機体前方から機体左右両方向へそれぞれ所定の撮影角に及ぶ範囲であり、
前記飛行パターンでは、前記目標物の方向を基準とする前記航空機の機首方位の絶対値が常に前記撮影角以下であることを特徴とする。
前記航空機が風を受けていない無風状態では、前記目標物の方向と直交する方向に沿った長軸を有する8の字状の飛行パターンで前記航空機を飛行させることを特徴とする。
前記航空機が風を受けている受風状態では、そのときの飛行パターンでの機首方位の範囲が前記映像センサーの撮影範囲内となるように、前記無風状態での前記飛行パターンの前記トラック角を調整した飛行パターンで前記航空機を飛行させることを特徴とする。
前記航空機が前記目標物の方向とは異なる側の方向からの風を受けた場合に、前記目標物の方向に対して前記長軸を傾けるように前記無風状態での前記飛行パターンを傾斜させた飛行パターンで前記航空機を飛行させることを特徴とする。
前記飛行パターンがほぼ水平面内でのものであることを特徴とする。
機体の所定方向に死角を有する映像センサーが搭載された航空機の飛行を制御し、当該航空機を滞空させつつ前記映像センサーにより所定の目標物を撮影させる航空機の飛行制御システムであって、
前記目標物を常に前記映像センサーの撮影範囲内に捉えるように、所定の飛行中心位置を中心とする8の字状の飛行パターンで前記航空機を飛行させることを特徴とする。
したがって、航空機を定点で滞空させながら、死角を有する映像センサーによって遠方の目標物を常続的に監視することができる。
[飛行制御システムの構成]
図1は、本実施形態における航空機の飛行制御システム(以下、単に「飛行制御システム」という。)1の概念図であり、図2は、飛行制御システム1の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、飛行制御システム1は、地上設備20からの制御信号によって航空機10の飛行を制御し、当該航空機10によって遠方の目標物Tを常続的に監視しようとするものである。
このうち、映像センサー12aは、図示しないジンバルに載置されて機体左右方向に向きを変えられるように設けられており、機体前方(機首方向)から機体左右両方向へそれぞれ所定の撮影角α[°]に及ぶ範囲で撮影できるようになっている。撮影角αは、90°超180°未満の角度であり、本実施形態では120°となっている。つまり、本実施形態の映像センサー12aは、機体前方を中心とした−α[°]〜+α[°](本実施形態では−120°〜+120°)の角度範囲が撮影範囲となっており、航空機10の機体後方に死角(撮影できない領域)を有している(図4参照)。また、映像センサー12aは、目標物Tの位置又は画像を撮影対象として指定されることにより、その撮影範囲内において自動的に目標物Tの方向を向くように追随して撮影できるようになっている。
また、機体センサー12では、速度センサー12cやGPS12dから得られる対地速度及び対気速度に基づいて、機外の風向き及び風速を検出できるようになっている。
これらの機体センサー12は、検出した各種のセンサー出力信号を飛行制御装置14へ出力する。
続いて、目標物Tを映像センサー12aで常続的に監視(撮影)するときの航空機10の飛行パターンについて説明する。航空機10は、飛行制御装置14による制御(又は地上設備20の中央制御装置22からの制御指令)によって、自動的に当該飛行パターンでの飛行及び目標物Tの撮影を実行するようになっている。
なお、以下の説明では、航空機10は、目標物Tからの距離が無限遠の遠方地点において、水平面内で滞空飛行しつつ目標物Tを撮影するものとする。また、航空機10は、飛行パターン中では殆どロールやピッチを伴うことなくほぼ水平面内で回転するものとする。
まず、無風状態における航空機10の飛行パターンPsについて説明する。ここで、「無風状態」とは、航空機10が全く風を受けていないか、或いは、風見効果(横風を受けて機首が風上側に傾く性質)では機首が傾かない程度の弱い風しか受けていない状態をいう。
図3は、無風状態での航空機10の飛行パターンPsを示す図であり、図4は、無風状態でのトラック角θの範囲と映像センサー12aの撮影範囲とを説明するための図である。
なお、本実施形態では、航空機10が飛行中心位置Cを通過するときに、トラック角θの絶対値が撮影角αと等しくなっている。そのため、図4に示すように、映像センサー12aの撮影範囲とトラック角θの範囲とが一致している。
このような飛行パターンPsで飛行することにより、航空機10は、定点で滞空しつつ目標物Tを常に映像センサー12aの撮影範囲内に捉えることができる。
続いて、受風状態における航空機10の飛行パターンについて説明する。ここで、「受風状態」とは、風見効果によって機首が傾くほどの風を航空機10が受けている状態をいう。
図5は、航空機10が受ける風の風向き方向を示す図であり、図6は、図5の各風向き方向の風を受けたときの航空機10の機首方位の一例を示す図であり、図7は、受風状態での航空機10の飛行パターンPwの一例を示す図である。
なお、ここでは、目標物Tの方向(0°方向)を北として、図5〜図7に示すように東西南北の各方位を定めるものとする。また、図6に示す機首方位(矢印の長さ)は、ある一定の風の強さを仮定したものである。
例えば航空機10が東からの風を受ける場合には、西向き飛行のときに目標物Tが撮影範囲から外れ、東向き飛行のときには撮影範囲に余裕がある(図6の風向き方向Eを参照)。そこで、図7に示すように、8の字の長軸Axが西に向かうに連れて北側に位置するように0°方向に対して当該長軸Axを傾けて、無風状態の飛行パターンPsを傾斜させた飛行パターンPwで飛行することによって、目標物Tを常に映像センサー12aの撮影範囲内に捉えることができる。
なお、東向き飛行と西向き飛行との何れでも目標物Tが撮影範囲から外れるときには無風状態での飛行パターンPsの向きのままトラック角θを調整し、東向き飛行と西向き飛行との何れか一方で目標物Tが撮影範囲から外れるときには無風状態の飛行パターンPsを傾けるようにすることとしたが、これら(トラック角θの調整と飛行パターンPsの傾斜)を両方行ってもよい。
したがって、航空機10を定点で滞空させながら、死角を有する映像センサー12aによって遠方の目標物Tを常続的に監視することができる。
また、これらの場合には、飛行制御装置14又は地上設備20の中央制御装置22は、所要の飛行パターンを航空機10又は地上設備20の表示手段(ディスプレイなど)に表示させ、当該飛行パターンに沿った飛行の操縦をパイロット又はオペレータに行わせることとしてもよい。
10 航空機
12 機体センサー
12a 映像センサー
13 機体アクチュエータ
14 飛行制御装置
20 地上設備
22 中央制御装置
Ps,Pw 飛行パターン
Ax 長軸
C 飛行中心位置
T 目標物
α 撮影角
θ トラック角
Claims (7)
- 機体の所定方向に死角を有する映像センサーが搭載された航空機の飛行を制御し、当該航空機を滞空させつつ前記映像センサーにより所定の目標物を撮影させる航空機の飛行制御方法であって、
前記目標物を常に前記映像センサーの撮影範囲内に捉えるように、所定の飛行中心位置を中心とする8の字状の飛行パターンで前記航空機を飛行させることを特徴とする航空機の飛行制御方法。 - 前記映像センサーの撮影範囲が、機体前方から機体左右両方向へそれぞれ所定の撮影角に及ぶ範囲であり、
前記飛行パターンでは、前記目標物の方向を基準とする前記航空機の機首方位の絶対値が常に前記撮影角以下であることを特徴とする請求項1に記載の航空機の飛行制御方法。 - 前記航空機が風を受けていない無風状態では、前記目標物の方向と直交する方向に沿った長軸を有する8の字状の飛行パターンで前記航空機を飛行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の航空機の飛行制御方法。
- 前記航空機が風を受けている受風状態では、そのときの飛行パターンでの機首方位の範囲が前記映像センサーの撮影範囲内となるように、前記無風状態での前記飛行パターンの前記トラック角を調整した飛行パターンで前記航空機を飛行させることを特徴とする請求項3に記載の航空機の飛行制御方法。
- 前記航空機が前記目標物の方向とは異なる側の方向からの風を受けた場合に、前記目標物の方向に対して前記長軸を傾けるように前記無風状態での前記飛行パターンを傾斜させた飛行パターンで前記航空機を飛行させることを特徴とする請求項4に記載の航空機の飛行制御方法。
- 前記飛行パターンがほぼ水平面内でのものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の航空機の飛行制御方法。
- 機体の所定方向に死角を有する映像センサーが搭載された航空機の飛行を制御し、当該航空機を滞空させつつ前記映像センサーにより所定の目標物を撮影させる航空機の飛行制御システムであって、
前記目標物を常に前記映像センサーの撮影範囲内に捉えるように、所定の飛行中心位置を中心とする8の字状の飛行パターンで前記航空機を飛行させることを特徴とする航空機の飛行制御システム。
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