JP2016068633A - エアバッグの折畳方法及びエアバッグ - Google Patents

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祐希 長尾
Yuki Nagao
祐希 長尾
梅原 寿一
Juichi Umehara
寿一 梅原
智有 斉藤
Tomoari Saito
智有 斉藤
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Abstract

【課題】容易に折り畳むことができるとともに、インストルメントパネル部に沿わせて展開させることができるエアバッグの折畳方法及びエアバッグを提供する。
【解決手段】上面部42をガス導入部31側に折り返して拘束面部41を折り畳まれることなく最上部に位置させるとともに、両側面部を内側にそれぞれ折り込む。拘束面部41の下側領域41dを下面部43の下側領域43dとともに拘束面部41の反上側領域41u向きにロール状に巻き込んだ集積部53を上側領域41uに重ねる。集積部53の両側をそれぞれ中央側に折り畳んで折り畳み側部55,55を形成する。例えば側面部を蛇腹折りする場合などと比較して容易に折り畳むことができる。集積部53を下向きとして配置し、かつ、集積部53上に折り畳み側部55,55を重ねているので、集積部53の上方への展開を抑制し、インストルメントパネル部に沿わせて展開させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスが内部に導入されて所定方向へと膨張展開するエアバッグの折畳方法及びエアバッグに関する。
従来、自動車のインストルメントパネルに配置される助手席乗員用のエアバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置は、上側を開口部とするケース体を備え、このケース体の内側に、折り畳まれたエアバッグと、このエアバッグを膨張させるガスを噴射するインフレータとを収納している。また、ケース体の上側部には、インストルメントパネルに沿って取り付けられるカバー体が取り付けられ、このカバー体により上側の開口部が覆われている。そして、自動車の衝突時には、インフレータからガスを噴射してエアバッグを膨張させ、このエアバッグの膨張の圧力によりカバー体に形成したテアラインを破断して膨出口を形成し、この膨出口からエアバッグを助手席の乗員の前方に膨張展開させ、乗員を拘束して乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている。
このような助手席乗員用のエアバッグを折り畳む方法として、例えばエアバッグ本体部の両側面部を互いに重ねて折り畳んで車幅方向の寸法を小さくした集積部の先端部を蛇腹状に折り畳んだ後、巻き込む方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014−19297号公報 (第6−7頁、図1−8)
しかしながら、エアバッグ本体部の両側面部を互いに重ねて折り畳む場合、寸法の調整が容易でなく、折り畳みにくい場合がある。また、蛇腹折り部分を巻き込んでいるため、エアバッグ本体部の展開方向の制御が容易でない。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、容易に折り畳むことができるとともに、インストルメントパネル部に沿わせて展開させることができるエアバッグの折畳方法及びエアバッグを提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグの折畳方法は、拘束面部、この拘束面部の上部に連続する上面部、前記拘束面部の下部に連続する下面部、前記拘束面部の両側部に連続する側面部、及びガス導入部を備え、折り畳まれた状態からこのガス導入部を介して内部にガスが導入されて前記拘束面部を被保護物に対向させ、前記上面部をウインドシールドの下部に対向させ、かつ、前記下面部をインストルメントパネル部の上部に対向させるように膨張展開する袋状のエアバッグ本体部を備えたエアバッグの折畳方法であって、前記ガス導入部を一端側に位置させて前記エアバッグ本体部を他端側に延びるように前記上面部を最上部に、前記下面部を最下部にそれぞれ位置させて平面状に折り畳む折畳工程と、前記上面部を前記ガス導入部側に折り返すことで前記拘束面部を折り畳まれることなく最上部に位置させるとともに、前記両側面部を内側にそれぞれ折り込む折り工程と、このエアバッグ本体部の前記拘束面部の下側領域を前記下面部の下側領域とともに前記拘束面部の反上側領域向きにロール状に巻き込んだ集積部をこの拘束面部の上側領域に重ねるロール折り工程と、前記集積部の両側をそれぞれ中央側に折り畳んで折り畳み側部を形成する畳み工程とを具備したものである。
請求項2記載のエアバッグの折畳方法は、請求項1記載のエアバッグの折畳方法において、折り工程により平面状に折り畳んだエアバッグ本体部の拘束面部の下側領域を下面部の下側領域とともに前記拘束面部の上側領域に重ねるように折り返す折り返し工程を具備し、ロール折り工程は、折り返し工程により折り返した前記エアバッグ本体部の前記拘束面部の前記下側領域を前記下面部の前記下側領域とともに前記拘束面部の前記上側領域に向けてロール状に巻き込んだ集積部を前記拘束面部の上側部分に重ねるものである。
請求項3記載のエアバッグの折畳方法は、請求項1記載のエアバッグの折畳方法において、折り工程により平面状に折り畳んだエアバッグ本体部を裏返す裏返し工程を具備し、ロール折り工程は、前記裏返し工程により裏返した前記エアバッグ本体部の前記拘束面部の下側領域を下面部の下側領域とともに前記拘束面部の上側領域に向けてロール状に巻き込んだ集積部を前記拘束面部の上側部分に重ねるものである。
請求項4記載のエアバッグは、拘束面部、この拘束面部の上部に連続する上面部、前記拘束面部の下部に連続する下面部、前記拘束面部の両側部に連続する側面部、及びガス導入部を備え、折り畳まれた状態からこのガス導入部を介して内部にガスが導入されて前記拘束面部を被保護物に対向させ、前記上面部をウインドシールドの下部に対向させ、かつ、前記下面部をインストルメントパネル部の上部に対向させるように膨張展開する袋状のエアバッグ本体部を備え、折り畳まれた状態で、前記下面部の上側領域上に前記上面部が折り畳まれて重ねられた重ね部と、この重ね部上に重ねられた前記拘束面部の上側領域に対して、前記拘束面部の下側領域が前記下面部の下側領域とともに下向きにロール状に巻き込まれて重ねられた集積部と、この集積部の両側が中央側に折り畳まれて重ねられた折り畳み側部とを備えたものである。
請求項1記載のエアバッグの折畳方法によれば、ガス導入部を一端側に位置させてエアバッグ本体部を他端側に延びるように、上面部を最上部に、下面部を最下部にそれぞれ位置させて平面状に折り畳み、上面部をガス導入部側に折り返して拘束面部を折り畳まれることなく最上部に位置させるとともに、両側面部を内側にそれぞれ折り込み、拘束面部の下側領域を下面部の下側領域とともに拘束面部の反上側領域向きにロール状に巻き込んだ集積部をこの拘束面部の上側領域に重ね、集積部の両側をそれぞれ中央側に折り畳んで折り畳み側部を形成するので、例えば側面部を蛇腹折りする場合などと比較して容易に折り畳むことができるとともに、集積部を下向きとして配置し、かつ、集積部上に折り畳み側部を重ねているので、集積部の上方への展開を抑制し、インストルメントパネル部に沿わせて展開させることができる。
請求項2記載のエアバッグの折畳方法によれば、請求項1記載のエアバッグの折畳方法の効果に加え、折り工程により平面状に折り畳んだエアバッグ本体部の拘束面部の下側領域を下面部の下側領域とともに拘束面部の上側領域に重ねるように折り返した後、エアバッグ本体部の拘束面部の下側領域を下面部の下側領域とともに拘束面部の上側領域に向けてロール状に巻き込むことで集積部を形成するので、反上側領域向きに巻き込んだ集積部を容易に形成でき、折り畳みがより容易になる。
請求項3記載のエアバッグの折畳方法によれば、請求項1記載のエアバッグの折畳方法の効果に加え、折り工程により平面状に折り畳んだエアバッグ本体部を裏返した後、エアバッグ本体部の拘束面部の下側領域を下面部の下側領域とともに拘束面部の上側領域に向けてロール状に巻き込むことで集積部を形成するので、反上側領域向きに巻き込んだ集積部を容易に形成でき、折り畳みがより容易になる。
請求項4記載のエアバッグによれば、折り畳まれた状態で、下面部の上側領域上に上面部が折り畳まれて重ねられた重ね部上に重ねられた拘束面部の上側領域に対して、拘束面部の下側領域と下面部の下側領域とを下向きにロール状に巻き込んだ集積部を重ね、この集積部の両側を中央側に折り畳んで重ねた折り畳み側部を形成することで、例えば側面部を蛇腹折りする場合などと比較して容易に折り畳むことができるとともに、集積部の上方への展開を抑制し、インストルメントパネル部に沿わせて展開させることができる。
本発明のエアバッグの折畳方法及びエアバッグの第1の実施の形態を示し、(a)はエアバッグが折り畳まれた状態を示す平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)のI−I断面図である。 同上エアバッグの折畳方法の折畳工程を示し、(a)はエアバッグの平面図、(b)は(a)のII−II断面図である。 同上エアバッグの折畳方法の折り工程を示し、(a)はエアバッグの平面図、(b)は(a)のIII−III断面図、(c)は(a)のIV−IV断面図、(d)は(a)のV−V断面図である。 同上エアバッグの折畳方法の折り返し工程を示し、(a)はエアバッグの平面図、(b)は(a)のVI−VI断面図である。 同上エアバッグの折畳方法のロール折り工程を示し、(a)はエアバッグの平面図、(b)は(a)のVII−VII断面図である。 同上エアバッグが展開した状態を示す説明図である。 本発明のエアバッグの折畳方法及びエアバッグの第2の実施の形態の裏返し工程を示す断面図である。
以下、本発明のエアバッグの折畳方法及びエアバッグの第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
図6において、10はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置10は、移動体である車両としての自動車11の助手席、すなわち助手席の被保護物である乗員Aの前方に位置する被設置部としてのインストルメントパネル部14の内側に配置され、助手席乗員用のエアバッグ装置10を構成している。なお、以下、前後方向、両側方向、及び上下方向は、それぞれエアバッグ装置10を自動車11に取り付けた状態における自動車11の直進方向を基準として説明する。また、この図6において、乗員Aはダミーにより示されている。
そして、インストルメントパネル部14は、後側すなわち助手席側に向かって若干下降する曲面状などに形成され、このインストルメントパネル部14の内側に配置された被取付部材としての図示しないステアリングメンバに、エアバッグ装置10が正面側を上方から若干後側すなわち乗員A側に向けて傾斜した状態でねじ止めなどして固定されている。また、インストルメントパネル部14の上方には、前側下方から上側後方に向かって傾斜したウインドシールドであるフロントガラス15が配置されている。
そして、エアバッグ装置10は、エアバッグモジュールとも呼び得るもので、基布にて構成されたエアバッグ21、このエアバッグ21にガスを供給するインフレータ22、これらエアバッグ21とインフレータ22となどが取り付けられるケース体24、リテーナプレート25、展開前のエアバッグ21を覆う図示しないカバー体、及びインフレータ22の動作を制御する図示しない制御手段などを備えている。
ケース体24は、略箱状に形成され、正面側あるいはフロントガラス15に向かう上側を開口部である矩形状の突出口27とし、内側が、折り畳んだエアバッグ21を収納するエアバッグ収納部28とされている。そして、この突出口27は、通常時は、カバー体により覆われている。
また、インフレータ22は、円盤状をなす本体部22aを備え、この本体部22aの高さ方向の中間位置から、四角板状のフランジ部が突設され、このフランジ部の四隅には取付孔である通孔が形成されている。そして、この本体部22aの上側部、すなわちフランジ部の上方に位置して、本体部22aの外周面に、複数のガス噴射口が形成されている。そして、本体部22aの内側には、点火器及び薬剤が収納され、底部に接続されたコネクタを介して伝えられる制御手段からの電気信号により、点火器が薬剤を燃焼させ、ガス噴射口からガスを急速に供給するようになっている。そして、このインフレータ22は、ガス噴射口を設けた本体部22aをエアバッグ21の内側に挿入した状態で、ケース体24の底部に取り付けられている。なお、インフレータ22は、種々の形状があり、例えば、円柱状の本体部をエアバッグ21の内側に配置する構成を採ることもできる。
リテーナプレート25は、ミッドリテーナなどとも呼ばれるもので、車幅方向Wに長手状の四角形枠状をなしており、取付ボルト25aが複数突設されている。
また、カバー体は、樹脂にてインストルメントパネル部14と一体あるいは別体をなして形成され、他の部分より薄肉で容易に破断するテアラインが形成されている。
そして、図1ないし図6に示すエアバッグ21は、単数あるいは複数の基布を組み合わせて形成されている。このエアバッグ21は、インフレータ取付口であるガス導入部31を備えるマウント部である取付部32近傍の一端部である基端部から他端部である先端部に向かい、幅寸法は略一定で厚さ寸法が拡大する袋状の外殻部としてのエアバッグ本体部34を備えている。このエアバッグ本体部34は、展開時に乗員Aに対向して上下左右に延びる拘束面部41、フロントガラス15の下部に対向する上面部42、インストルメントパネル部14の上部に対向する下面部43、及びこれらの両側に位置する側面部44,44が順次連続して形成されている。すなわち、エアバッグ本体部34は、基端部において上面部42と下面部43とが連続し、拘束面部41の上部に上面部42が連続し、拘束面部41の下部に下面部43が連続するとともに、拘束面部41、上面部42及び下面部43の両側部に側面部44,44が連続している。また、側面部44,44には、ベントホールとも呼ばれる円孔状の排気口45,45が形成されている。そして、このエアバッグ21のエアバッグ本体部34の外面には、折り畳んだ状態を保持するためのパッキングクロス46が取り付けられている。
拘束面部41は、エアバッグ本体部34の展開状態で主として乗員Aの頭部などに対向する上側領域41uと、乗員Aの胸部及び腹部などに対向する下側領域41dとを備えている。
下面部43は、エアバッグ本体部34の展開状態でガス導入部31及び取付部32よりも前方上側に位置する上側領域43uと、ガス導入部31及び取付部32よりも後方下側に位置する下側領域43dとを備えている。
また、ガス導入部31は、インフレータ22の形状に応じた例えば円形状の孔部である。
また、取付部32は、リテーナプレート25を介してケース体に固定される部分であり、ガス導入部31を中央部に備え車幅方向Wに長手状の四角形状に形成されており、取付ボルト25aが挿入される取付孔47がガス導入部31の周囲に複数形成されている。
そして、このエアバッグ21は、後述する所定の形状に折り畳まれ、ガス導入部31にインフレータ22のガス噴射口の部分が挿入され、このガス導入部31の周囲の取付部32をリテーナプレート25で保持してケース体24の底部に押圧した状態で、ケース体24のエアバッグ収納部28の内側に収納される。そして、リテーナプレート25の取付ボルト25aに図示しないナットを螺合し締め付けた状態で、リテーナプレート25とナットとの間に、エアバッグ21、ケース体24、及びインフレータ22が共締めして固定される。
そして、このように構成されたエアバッグ装置10は、自動車の衝突などの際に、制御装置がインフレータ22を作動させ、このインフレータ22からガスを噴射させる。すると、このエアバッグ21は、ガスの流入に伴い膨張展開し、カバー体のテアラインを破断して突出口27から正面側へと突出し、さらに後述する挙動で膨張展開して、助手席に着座した乗員Aの前方に広がり、乗員Aを衝突の衝撃から保護するようになっている。
次に、エアバッグ21の折畳形状及び折畳工程を説明する。
まず、エアバッグ21のエアバッグ本体部34の内側にリテーナプレート25を挿入し、取付ボルト25aを外部に引き出すとともに、エアバッグ本体部34が展開した状態とする。この状態で、図2(a)及び図2(b)に示すように、拘束面部41を上下方向の中央部近傍にてエアバッグ本体部34の内側へと折り込みつつ、上面部42と下面部43とを上下に重ね合わせて平面状に(扁平に)折り畳む。すなわち、エアバッグ本体部34は、自動車11(図6)へのマウント側であるガス導入部31(取付部32、リテーナプレート25)側が一端側である乗員A(図6)側に位置し、上面部42が最上部に位置するとともに、最下部に下面部43が位置して他端側に延びるように平面状に折り畳む。この状態で、エアバッグ本体部34は、一端側であるガス導入部31(取付部32、リテーナプレート25)側から他端側へと、車幅方向Wに拡開するようになっており、下面部43の上側領域43u及び上面部42の前側部分がガス導入部31(取付部32、リテーナプレート25)よりも一端側に突出して位置している。
次いで、この初期状態から、図3(a)ないし図3(d)に示すように、側面部44,44を内側に折り入れる(折り込む)とともに、上面部42をガス導入部31側へと折り返して拘束面部41を広げ、この拘束面部41が折り畳まれることなく最上部に位置するように平面状とする(折り工程)。この折り工程により、下面部43の上側領域43u上に上面部42が折り畳まれた(折り返された)状態で重ねられた重ね部51がガス導入部31(取付部32、リテーナプレート25)上に重ねられて形成される。
さらに、図4(a)及び図4(b)に示すように、平面状に折り畳んだエアバッグ本体部34を、反ガス導入部31側にて上下に重なる拘束面部41の下側領域41dと下面部43の下側領域43dとをともに拘束面部41の上側領域41u及び重ね部51に重ねるように折り返す(折り返し工程)。この状態で、拘束面部41の下側領域41dと下面部43の下側領域43dとは、ガス導入部31(取付部32、リテーナプレート25)よりも一端側に延びて位置しているとともに、下面部43の下側領域43dが上側、拘束面部41の下側領域41dが下側となって重ねられる。
そして、この折り返し工程の後、図5(a)及び図5(b)に示すように、拘束面部41の下側領域41dを下面部43の下側領域43dの一部とともに、上側領域41uに向けてロール状に折り畳んだ集積部53を形成し、この集積部53を拘束面部41の上側領域41uすなわち重ね部51上に重ねる(ロール折り工程)。この状態で、集積部53は、反上側領域41u側(他端側)向きに巻き込まれている。すなわち、この集積部53は、エアバッグ本体部34の裏面(背面)、換言すれば拘束面部41が乗員Aに対向する後側と反対側の前側である下面部43の下側領域43dを巻き込むようにロール状となっている。
この後、図1(a)ないし図1(c)に示すように、集積部53の両側、すなわち車幅方向Wの両端を、それぞれ中央側へと折り返すように折り畳んで重ねて折り畳み側部55,55を形成する(畳み工程)。このとき、集積部53の両側は、車幅方向Wのいずれか一方を上側、他方を下側とすればよい。
このように折り畳まれたエアバッグ21は、破断可能なラッピング部材など適宜の手段で形状を保持され、ケース体24に収納される。そして、集積部53の巻き方向が下向きとなるように、エアバッグ装置10をインストルメントパネル部14に取り付ける。
次に、エアバッグ21の展開動作を説明する。
図1に示す状態から、折り畳んで収納されたエアバッグ21にインフレータ22からガス導入部31にガスが供給されると、エアバッグ21は、ガス導入部31からガスが内部に導入される。このとき、ガスは、重ね部51の上面部42に沿って集積部53へと優先的に導かれて流入する。そして、集積部53では、ロール状の巻き込みが解除されるが、このとき、集積部53は折り畳み側部55,55が上部に重ねられて上方への展開が抑制されているとともに、両側は車幅方向Wから側面部44,44が折り込まれていることによりガスが拘束面部41に直接的に当たり、この集積部53の巻き込みの向きである下方、すなわちインストルメントパネル部14の上面に下面部43の下側領域43dを沿わせながら乗員Aの腹部に向けて拘束面部41の下側領域41dが膨張展開(図6の想像線)し、さらに乗員Aの腹部側への展開に対して僅かに遅れて拘束面部41の上側領域41u及びエアバッグ本体部34の両側が展開して車幅方向Wに側面部44,44を形成し、エアバッグ21が全体的に展開する。
このように、本実施の形態では、ガス導入部31を一端側に位置させてエアバッグ本体部34を他端側に延びるように、上面部42を最上部に、下面部43を最下部にそれぞれ位置させて平面状に折り畳み、上面部42をガス導入部31側に折り返して拘束面部41を折り畳まれることなく最上部に位置させるとともに、両側面部44,44を内側にそれぞれ折り込み、拘束面部41の下側領域41dを下面部43の下側領域43dとともに拘束面部41の反上側領域41u向きにロール状に巻き込んだ集積部53をこの拘束面部41の上側領域41uに重ね、集積部53の両側をそれぞれ中央側に折り畳んで折り畳み側部55,55を形成する。このため、例えば側面部を蛇腹折りしたり、側面部を交互に折り込んだりする場合などと比較してエアバッグ21(エアバッグ本体部34)を容易に折り畳むことができる。したがって、折り畳みに要する時間を短縮でき、製造コストを抑制できる。さらに、エアバッグ21(エアバッグ装置10)は、エアバッグ本体部34の裏面(背面)、換言すれば拘束面部41が乗員Aに対向する後側と反対側の前側である下面部43の下側領域43dを巻き込むようにロール状とした集積部53を下向きとして配置し、かつ、集積部53上に折り畳み側部55,55を重ねているので、折り畳み側部55,55によって集積部53を上方から押さえてこの集積部53の上方への展開を抑制し、エアバッグ21(エアバッグ本体部34)をインストルメントパネル部14に沿わせて展開させることができる。
したがって、エアバッグ21(エアバッグ本体部34)の展開によるフロントガラス15への衝撃を抑制できるとともに、乗員Aの腹部を優先的に保護し、乗員Aへの加害をより確実に防止できる。
また、折り工程により平面状に折り畳んだエアバッグ本体部34の拘束面部41の下側領域41dを下面部43の下側領域43dとともに拘束面部41の上側領域41uに重ねるように折り返した後、エアバッグ本体部34の拘束面部41の下側領域41dを下面部43の下側領域43dとともに拘束面部41の上側領域41uに向けてロール状に巻き込むことで集積部53を形成するので、反上側領域41u向き(下向き)に巻き込んだ集積部53を容易に形成でき、折り畳みがより容易になる。
そして、このようにエアバッグ21を容易に折り畳むことができるので、機械を用いた自動織にも対応でき、生産性をより向上することができる。
次に、第2の実施の形態を図7を参照して説明する。なお、上記の第1の実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施の形態は、上記の第1の実施の形態の折り工程の後、折り返し工程に代えて裏返し工程を備えるものである。
この裏返し工程では、図7に示すように、エアバッグ本体部34を裏返す。この状態で、拘束面部41の下側領域41d上に下面部43の下側領域43dが重ねられる。そして、この状態から、エアバッグ本体部34を、拘束面部41の下側領域41dを下面部43の下側領域43dとともに拘束面部41の上側領域41uに向けてロール状に巻き込むことにより、反上側領域41u向きの集積部53を形成して、拘束面部41の上側領域41uすなわち重ね部51に重ねる。
このように、折り工程により平面状に折り畳んだエアバッグ本体部34を裏返した後、エアバッグ本体部34の拘束面部41の下側領域41dを下面部43の下側領域43dとともに拘束面部41の上側領域41uに向けてロール状に巻き込むことで集積部53を形成するので、反上側領域41u向き(下向き)に巻き込んだ集積部53を容易に形成でき、折り畳みがより容易になる。
なお、上記の各実施の形態において、エアバッグ装置は、助手席用としたが、助手席以外の乗員Aに対向して膨張展開する任意のエアバッグ装置に適用できる。
本発明は、例えば、自動車のインストルメントパネルに備えられる助手席乗員用のエアバッグ装置に用いるエアバッグに適用できる。
14 インストルメントパネル部
15 ウインドシールドであるフロントガラス
21 エアバッグ
31 ガス導入部
34 エアバッグ本体部
41 拘束面部
41d 下側領域
41u 上側領域
42 上面部
43 下面部
43d 下側領域
43u 上側領域
44 側面部
51 重ね部
53 集積部
55 折り畳み側部
A 被保護物である乗員

Claims (4)

  1. 拘束面部、この拘束面部の上部に連続する上面部、前記拘束面部の下部に連続する下面部、前記拘束面部の両側部に連続する側面部、及びガス導入部を備え、折り畳まれた状態からこのガス導入部を介して内部にガスが導入されて前記拘束面部を被保護物に対向させ、前記上面部をウインドシールドの下部に対向させ、かつ、前記下面部をインストルメントパネル部の上部に対向させるように膨張展開する袋状のエアバッグ本体部を備えたエアバッグの折畳方法であって、
    前記ガス導入部を一端側に位置させて前記エアバッグ本体部を他端側に延びるように前記上面部を最上部に、前記下面部を最下部にそれぞれ位置させて平面状に折り畳む折畳工程と、
    前記上面部を前記ガス導入部側に折り返すことで前記拘束面部を折り畳まれることなく最上部に位置させるとともに、前記両側面部を内側にそれぞれ折り込む折り工程と、
    このエアバッグ本体部の前記拘束面部の下側領域を前記下面部の下側領域とともに前記拘束面部の反上側領域向きにロール状に巻き込んだ集積部をこの拘束面部の上側領域に重ねるロール折り工程と、
    前記集積部の両側をそれぞれ中央側に折り畳んで折り畳み側部を形成する畳み工程と
    を具備したことを特徴とするエアバッグの折畳方法。
  2. 折り工程により平面状に折り畳んだエアバッグ本体部の拘束面部の下側領域を下面部の下側領域とともに前記拘束面部の上側領域に重ねるように折り返す折り返し工程を具備し、
    ロール折り工程は、折り返し工程により折り返した前記エアバッグ本体部の前記拘束面部の前記下側領域を前記下面部の前記下側領域とともに前記拘束面部の前記上側領域に向けてロール状に巻き込んだ集積部を前記拘束面部の上側部分に重ねる
    ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグの折畳方法。
  3. 折り工程により平面状に折り畳んだエアバッグ本体部を裏返す裏返し工程を具備し、
    ロール折り工程は、前記裏返し工程により裏返した前記エアバッグ本体部の前記拘束面部の下側領域を下面部の下側領域とともに前記拘束面部の上側領域に向けてロール状に巻き込んだ集積部を前記拘束面部の上側部分に重ねる
    ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグの折畳方法。
  4. 拘束面部、この拘束面部の上部に連続する上面部、前記拘束面部の下部に連続する下面部、前記拘束面部の両側部に連続する側面部、及びガス導入部を備え、折り畳まれた状態からこのガス導入部を介して内部にガスが導入されて前記拘束面部を被保護物に対向させ、前記上面部をウインドシールドの下部に対向させ、かつ、前記下面部をインストルメントパネル部の上部に対向させるように膨張展開する袋状のエアバッグ本体部を備え、
    折り畳まれた状態で、
    前記下面部の上側領域上に前記上面部が折り畳まれて重ねられた重ね部と、
    この重ね部上に重ねられた前記拘束面部の上側領域に対して、前記拘束面部の下側領域が前記下面部の下側領域とともに下向きにロール状に巻き込まれて重ねられた集積部と、
    この集積部の両側が中央側に折り畳まれて重ねられた折り畳み側部とを備えた
    ことを特徴とするエアバッグ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017221742A1 (ja) * 2016-06-22 2017-12-28 タカタ株式会社 助手席用エアバッグ

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