JP2016068141A - 音波接合方法 - Google Patents

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Shigeru Sato
茂 佐藤
亮一 石井
Ryoichi Ishii
亮一 石井
宜広 伊藤
Yoshihiro Ito
宜広 伊藤
憲二 高園
Kenji Takazono
憲二 高園
真由美 神谷
Mayumi Kamiya
真由美 神谷
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Abstract

【課題】超音波振動よりも振動のエネルギの大きな音波振動で錫部材を合金部材に変化させて積層状の金属部材を接合し、工程の簡素化を図る。【解決手段】接合対象部材14は下側金属部材15と上側金属部材16とが錫部材17を介在させて重ね合わされた積層体になっている。この接合対象部材14が共振器9と受台13とで挟まれて加圧され、共振器9が振動子12から伝達された音波振動に共振し、この共振器9の矢印Xで示した横方向の振動が下側金属部材15と上側金属部材16と錫部材17とに付与され、錫部材17が上記加圧と上記振動による摩擦とを受け、下側金属部材15の錫部材17に接触する部分と錫部材17と上側金属部材16の錫部材17に接触する部分とが溶かされて合金部材18に変化して下側金属部材15と上側金属部材16とを接合する。【選択図】図1

Description

本発明は、超音波振動よりも振動のエネルギの大きな音波振動で錫部材を合金部材に変化させて積層状の金属部材を接合する音波接合方法に関する。
図3を参照し、特許文献1の段落0019乃至0021、図1で開示された、錫メッキ銅板21上にマグネットワイヤ22を周波数が15kHzから90kHzの超音波振動で接合する方法について説明する。図3に示したように、錫メッキ銅板21の凹凸23の設けられた上面にマグネットワイヤ22が重ね合わされた積層体としての接合対象部材24がアンビル25と工具ホーン26とで挟まれて加圧される。その状態において、工具ホーン26は周波数が15kHzから90kHzの超音波振動で振幅が10μmから90μm程度の捩り振動することにより、錫メッキ銅板21とマグネットワイヤ22とが互いに接合される。
しかしながら、特許文献1で開示された方法では、錫メッキ銅板21の上面に凹凸23を形成する工程と、凹凸23の設けられた錫メッキ銅板21とマグネットワイヤ22とを超音波振動で接合する工程とを有するので、製造が複雑であるという欠点がある。しかも、工具ホーン26に与えられる超音波振動の周波数を15kHzから90kHzに変化させる制御が面倒である。
特開2013−792号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、超音波振動よりも振動のエネルギの大きな音波振動で錫鍍金を合金に変化させて積層状の金属部材を接合することにより、工程の簡素化された音波接合方法を提供することを目的とする。
本発明は、接合対象部材が下側金属部材と上側金属部材とを錫部材を介在させて重ね合わされた積層状になっており、この接合対象部材が共振器と受台とで挟まれて加圧され、共振器が共振器の一端部に取り付けられた振動子から伝達された音波振動に共振し上記共振器と受台とで挟まれて加圧される方向に直交する横方向の振動が下側金属部材と上側金属部材と錫部材とに付与され、下側金属部材の錫部材に接触する部分と錫部材と上側部材の錫部材に接触する部分とが上記加圧と上記横方向の振動による摩擦とを受けて合金部材に変化して下側金属部材と上側金属部材とを接合することを特徴とする。
本発明は、超音波振動よりも振動のエネルギの大きな音波振動で錫部材を合金部材に変化させて積層状の金属部材を接合することにより、工程の簡素化された音波接合方法を提供することができる効果を奏する。
発明を実施するための形態に係る音波接合装置を示す正面図。 発明を実施するための形態に係る音波接合方法を示す工程図。 特許文献1で開示された音波接合方法を示す正面図。
図1を参照し、発明を実施するための形態に係る音波接合装置1の構造について説明する。図1に示した発明を実施するための形態に係る音波接合装置1の装置躯体2には、作業空間部3が前方及び左右に開口した態様に設けられる。装置躯体2の作業空間部3よりも上部には、加圧機構4が設けられる。加圧機構4の出力部材5は、装置躯体2の上部から作業空間部3に配置される。出力部材5の作業空間部3に配置された下部は、加圧機構4の駆動によって、作業空間部3の内部を直線的に昇降する。出力部材5の作業空間部3に配置された下部には、支持具6が設けられる。
支持具6は前後及び下方に貫通する内部空間7の左右両側に支持部8を備えた構成である。支持具6には共振器9が設置される。共振器9は、一端から他端までの長さが振動子12から伝達された音波振動の共振周波数の少なくとも1波長を有する直線的な棒状になっている。共振器9の長さ方向の両端部及び中央部には、最大振動振幅点が位置する。共振器9の長さ方向の中央部おける最大振動振幅点の位置する外面部には、接合ツール部10が設けられる。共振器9の接合ツール部10より長さ方向の両側に存在する最小振動振幅点に位置する外面部には、被支持部11が設けられる。
共振器9の一端部には、振動子12が取り付けられる。共振器9と振動子12との間には、図示のされていないブースターを設けることも適用可能である。支持具6には共振器9の長さ方向が矢印Xで示した左右方向に向けられ、共振器9の被被支持部11以外の部分が支持具6に接触しないように内部空間7に配置され、被被支持部11が支持部8に支持されることにより、共振器9が支持具6に設置される。装置躯体2の作業空間部3よりも下部には、受台13が設けられる。振動子12としては周波数が10kHzから20kHzの範囲中の或る周波数に固定された音波振動を発生する構成である。実験したところ、15kHzの音波振動を発生する振動子12を採用するのが、接合強度や接合時間等から最適であった。
音波接合装置1の動作について説明する。先ず、共振器9が支持具6に装着され、出力部材5が上昇位置に停止し、接合ツール部10と受台13とが接合対象部材14の挿入可能な空間を残して上下方向で対向した状態になっている。その状態において、受台13の上には、接合対象部材14が搭載される。接合対象部材14は、下側金属部材15と上側金属部材16とが錫部材17を介在させて重ね合わされた積層体になっている。例えば、下側金属部材15として錫部材17としての錫メッキの施された銅端子等の金属部材を採用し、上側金属部材16として裸線、被膜線等の金属部材を採用した。裸線は、銅線、アルミニウム線等の金属部材である。被膜線は、裸線にアルミニウム被膜(アルミニウムメッキに同義語)又は銅被膜(銅メッキに同義語)或いは合成樹脂被膜を施した金属部材である。
次に、加圧機構4が駆動し、出力部材5が下降するのに伴って、共振器9及び振動子12が下降する。そして、図2に示したように、接合対象部材14が接合ツール部10と受台13とで挟まれて加圧され、振動子12が音波振動を発生し、共振器9が振動子12から伝達された15kHzの音波振動に共振し、接合ツール部10が共振器9から伝達された振動に共振する。これによって、共振器9の最大振動振幅点における接合ツール部10の矢印で示した横方向の振動が接合対象部材14に伝達され、下側金属部材15の錫部材17に接触する部分と錫部材17と上側金属部材16の錫部材17に接触する部分とが上記加圧と上記横方向の振動による摩擦とを受け、下側金属部材15の錫部材17に接触する部分と錫部材17と上側金属部材16の錫部材17に接触する部分とが溶かされて板状の合金部材18に変化して下側金属部材15と上側金属部材16とを接合する。
このように、共振器9の音波振動で下側金属部材15と上側金属部材16とが合金部材18に変化した錫部材17と下側金属部材15の表面部と上側金属部材16の表面部とからなる金属の成分で接合される工程では、合金部材18の厚さが1乃至2μm程度の厚さの層状になるように、出力部材5の下降が停止し、その停止状態が0.1乃至1秒程度保持される。
その後、図1に示したように、出力部材5が上昇し、接合ツール部10が上側金属部材16から離れ、接合対象部材14が接合構造体となって受台13の上に残される。この受台13の上に残された接合構造体となった接合対象部材14が受台13から音波接合装置1の外部に取り出され、音波接合装置1による接合対象部材14に対する1回の接合動作が終了する。
以上により、下側金属部材15と上側金属部材16と錫部材17とからなる積層状の接合対象部材14が共振器9と受台13とで挟まれて加圧された状態において、共振器9が振動子12から伝達された音波振動に共振し、下側金属部材15の錫部材17に接触する部分と錫部材17と上側金属部材16の錫部材17に接触する部分とが溶かされて合金部材18に変化して下側金属部材15と上側金属部材16とを接合した状態になる。
上記図1で示した音波接合方法を実験したところ、合金部材18の内部にはボイドが発生していないこと、上記合金部材18の厚みは数μmであること、接合時間は数秒の短時間であること、音波振動で錫部材17の大気中での常温接合が数秒で可能になること等を確認できた。又、合金部材18で接合された下側金属部材15と上側金属部材16とを引張り強度試験したところ、上側金属部材16としての金属線強度に近い母材切れであり、接合部分は健在であったことも確認できた。
図1で示した音波接合方法は、車載部品や家電製品の錫メッキされた金属端子と金属線との接合に適用可能である。
下側金属部材15として裸線、被膜線等の金属部材を採用し、上側金属部材16として錫部材17としての錫メッキの施された銅端子等の金属部材を採用しても適用可能である。
1は音波接合装置、2は装置躯体、3は作業空間部、4は加圧機構、5は出力部材、6は支持具、7は内部空間、8は支持部、9は共振器、10は接合ツール部、11は被支持部、12は振動子、13は受台、14は接合対象部材、15は下側金属部材、16は上側金属部材、17は錫部材(錫メッキ)、18は合金部材、19,20は欠番、21は錫メッキ銅板、22はマグネットワイヤ、23は凹凸、24は接合対象部材、25はアンビル、26は工具ホーン。

Claims (1)

  1. 接合対象部材が下側金属部材と上側金属部材とを錫部材を介在させて重ね合わされた積層状になっており、この接合対象部材が共振器と受台とで挟まれて加圧され、共振器が共振器の一端部に取り付けられた振動子から伝達された音波振動に共振し上記共振器と受台とで挟まれて加圧される方向に直交する横方向の振動が下側金属部材と上側金属部材と錫部材とに付与され、下側金属部材の錫部材に接触する部分と錫部材と上側部材の錫部材に接触する部分とが上記加圧と上記横方向の振動による摩擦とを受けて合金部材に変化して下側金属部材と上側金属部材とを接合することを特徴とする音波接合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018103204A (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 株式会社アルテクス 多層箔金属接合方法

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