JP2016068006A - 濃縮システムおよび濃縮方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 果汁、液糖、蜂蜜などの食品関連溶液のように高温での加熱により変質や変性をきたす溶液を変質や変性させることなく濃縮するシステムを提供する。
【解決手段】 被処理液Wの濃縮システム1は、原水ライン2の途中に一次濃縮手段としての逆浸透膜装置3と二次濃縮手段としての膜蒸留装置4とを有し、逆浸透膜装置3と膜蒸留装置4との間には熱交換器5が配置されている。上記濃縮システム1において、被処理液Wは逆浸透膜装置3で一次濃縮されて一次濃縮液W1と膜透過水W2とに分離され、一次濃縮液W1が膜蒸留装置4で二次濃縮されて最終生成物である二次濃縮液W3と蒸留水W4とに分離される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば果汁、液糖、蜂蜜などの食品関連溶液のように高温での加熱により変質や変性をきたす成分を含有する溶液を濃縮するための濃縮システム及び濃縮方法に関する。
食品や飲料などの製造では例えば、果汁、液糖、蜂蜜など糖分その他特定の成分を含有する溶液(懸濁液)の濃縮工程が必要となることがある。この濃縮工程は、成分の乾固化や粉末化の前処理として、あるいは懸濁液の輸送費の低減や保管スペースの削減のためなどの目的で行われ、鮮度の維持や処理コストの低減など、その処理は極めて重要である。
上述したような食品プロセスにおける特定の成分を含有する生物由来の溶液を濃縮する技術としては、逆浸透膜装置を用いた濃縮(例えば、特許文献1)、多重効用缶蒸留、凍結濃縮などを用いた濃縮が知られている。また、真空エバポレーターを用いて濃縮することも公知である(例えば、特許文献2、特許文献3)。
特開2013−63076号公報 特表平8−506733号公報 特開2009−62301号公報
逆浸透膜装置を利用した濃縮においては、平膜状の酢酸セルロース膜や合成高分子膜などの逆浸透膜を海苔巻状に巻装し、単位体積当たりのろ過膜面積を大きく確保したスパイラルモジュールを用いるのが一般的である。このスパイラルモジュールでは、海苔巻状に巻かれた膜面と膜面との間に極薄いスペーサが挟み込まれている。上述したような逆浸透膜装置において、被処理液はこの極薄いスペーサの隙間を流れ、ろ液は膜裏側へ透過し、溶液成分は膜面へ濃縮される。膜面へ被処理液の成分が濃縮されると浸透圧が高くなるため、この浸透圧を超えるろ過圧力を付加できる高圧ポンプを用いる必要がある。また、溶液成分が膜面に濃縮して、ろ過を妨げるのをできるだけ抑制するため、被処理液の膜面流速を高くする必要がある。すなわち、高出力の高価な送液ポンプと高いエネルギーコストが必要となる。さらに、果汁、糖液あるいは蜂蜜などの溶液は、成分の濃縮により溶液の粘度が高くなり、逆浸透膜モジュールへの極薄い被処理液の流路への通液が容易でなくなる。このため濃縮率に限界があり、最高でも40〜50%程度しか濃縮できないという問題があった。
また、多重効用缶蒸留を用いた濃縮においては、数段の蒸留缶を並べて、加熱蒸留する。初段で蒸留に必要な熱量を与え、後段で追加加熱することなく、初段で与えた熱量を回収しながら蒸留を繰り返すので経済的に蒸留することが可能である。しかしながら、最後段の蒸留で必要となる熱量も合わせて初段で加熱するため、初段では100℃を超える過熱蒸気により非常に高温で加熱する必要がある。一方、食品プロセスで濃縮する生物由来の有機成分には、加熱により変質しやすいものが含まれている。その上、高温加熱により蒸発損失しやすい揮発成分なども多く含まれている。したがって、果汁や糖液や蜂蜜の中には、多重効用缶蒸留による高温濃縮が適さない場合がある、という問題点がある。
さらに、凍結濃縮では、例えば被処理液を−15℃前後の温度で凍結し、生成したシャーベット状(スラリー状)の凍結物を−5℃前後の温度に保持して氷の結晶を成長させた後、遠心分離または圧搾ろ過により氷の結晶のみを分離して、分離液をさらに凍結再結晶、分離する工程を繰り返すことにより濃縮する。この濃縮技術は、インスタントコーヒーの凍結乾燥の前濃縮や、高品質の果汁濃縮に適用されるが、濃縮効率が低く大量濃縮が容易でない、濃縮限界濃度が40%程度と低い、などの問題点がある。
ところで、真空エバポレーターは、濃縮効率は良好であるが、生産ラインに用いられる装備が金属製であるため、果汁、液糖、蜂蜜など酸や塩類を含むいわゆる腐食性液体に対する適用性が高いとは言えない。また、加温面積や蒸発面積を大きくすれば、蒸発効率を確保できる反面、重装備で装置規模が大きく、高価になる、などの問題点がある。
このように従来は、目的成分濃度が低く、比較的多量の被処理液について、熱変質や揮発成分の損失を極力低減しながら、さらに濃縮により液粘度が増加しても高濃度まで濃縮できる簡便なシステムはなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、果汁、液糖、蜂蜜などの食品関連溶液のように高温での加熱により変質や変性をきたす溶液を、変質や変性させることのない濃縮システムを提供することを目的とする。また、本発明はこのような濃縮システムを用いた濃縮方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第一に本発明は、被処理液を一次濃縮する逆浸透膜装置と、前記逆浸透膜により濃縮された一次濃縮液をさらに濃縮して二次濃縮液を得る膜蒸留装置とを備える濃縮システムであって、前記膜蒸留装置が、疎水性多孔質膜を挟んで原水部と凝縮部とを備え、前記凝縮部を減圧状態に維持し、かつ前記凝縮部に冷却手段を備え、加熱された一次濃縮液を前記膜蒸留装置の前記原水部に導入し、前記一次濃縮液の蒸気を前記疎水性多孔質膜に透過させることで、該一次濃縮液を濃縮して二次濃縮液を生成するものであることを特徴とする濃縮システムを提供する(発明1)。ここで前記被処理液としては、果汁、液糖、蜂蜜などの食品関連溶液が好適である(発明2)。
かかる発明(発明1、2)によれば、目的とする成分の初期濃度が数%程度と低い被処理液をまず逆浸透膜で40〜50%程度(容量減少相当、以下同じ)まで一次濃縮し、粘度の増加した一次濃縮液をさらに膜蒸留して70〜80%程度の高濃度(目的濃度)にまで濃縮することができる。しかも逆浸透膜による濃縮は加熱を必要とせず、膜蒸留では100℃以上、好ましくは90℃以上に加熱する必要がないので、果汁、液糖、蜂蜜などの食品関連溶液における糖分などの目的とする濃縮成分を、熱による変質や揮発成分の損失を大幅に低減させて濃縮することができる。さらに、多量の非処理液であっても効率よく処理可能であり、システム構成も簡便で運転管理も容易である。
上記発明(発明1、2)においては、前記膜蒸留装置の前記原水部に導入する前記一次濃縮液を廃熱を利用して加熱する加熱手段を備えるのが好ましい(発明3)。
かかる発明(発明3)によれば、加熱手段の熱源として廃熱を活用することで熱エネルギーの有効利用を図ることができ、一層の省エネルギー化や省コスト化を図ることができるので、環境保全や産業活性化にも有効である。
また、第二に本発明は、被処理液を逆浸透膜装置により濃縮する一次濃縮工程と、前記一次濃縮工程で得られた一次濃縮液を膜蒸留装置によりさらに濃縮する二次濃縮工程とを有する濃縮方法であって、前記膜蒸留装置が、疎水性多孔質膜を挟んで原水部と凝縮部とを備え、前記凝縮部を減圧状態に維持し、かつ前記凝縮部に冷却手段を備えるものであり、前記二次濃縮工程が、加熱された一次濃縮液を前記膜蒸留装置の前記原水部に導入し、前記一次濃縮液の蒸気を前記疎水性多孔質膜に透過させることで、該一次濃縮液を濃縮して二次濃縮液を生成することを特徴とする濃縮方法を提供する(発明4)。
かかる発明(発明4)によれば、目的とする成分の初期濃度が数%程度と低い被処理液をまず逆浸透膜で40〜50%程度(容量濃縮相当、以下同じ)まで一次濃縮し、粘度の増加した液をさらに膜蒸留して70〜80%程度の高濃度(目的濃度)にまで濃縮することができる。これにより目的とする成分を熱による変質や揮発成分の損失を大幅に低減して濃縮することができる。さらに、多量の非処理液であっても効率よく処理することができる。
本発明の濃縮システムは、被処理液をまず逆浸透膜で一次濃縮し、粘度の増加した一次濃縮液を膜蒸留してさらに濃縮するものであるので、目的とする成分の初期濃度が数%程度と低い被処理液を多量の非処理液であっても効率よく高濃度(目的濃度)にまで濃縮することができる。しかも逆浸透膜による濃縮は加熱を必要とせず、膜蒸留では100℃以上、好ましくは90℃以上に加熱する必要がなく、被処理液を高温にさらすことなく濃縮することができるので、果汁、液糖、蜂蜜などの食品関連溶液を目的とする成分の熱による変質や揮発成分の損失を大幅に低減することができる。
本発明の一実施形態に係る濃縮システムを示す概略図である。 膜蒸留装置の一例を示す概略図である。 比較例1の濃縮システムを示す概略図である。 比較例2の濃縮システムを示す概略図である。 比較例3の濃縮システムを示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る濃縮システムを示す概略図である。図1において、被処理液Wの濃縮システム1は、原水ライン2の途中に一次濃縮手段としての逆浸透膜装置3と二次濃縮手段としての膜蒸留装置4とを有し、逆浸透膜装置3と膜蒸留装置4との間には加熱手段としての熱交換器5が配置されている。
上記濃縮システム1において、被処理液Wは逆浸透膜装置3で一次濃縮されて一次濃縮液W1と膜透過水W2とに分離され、膜蒸留装置4で二次濃縮されて最終生成物である二次濃縮液W3と蒸留水W4とに分離される。
図2は、膜蒸留装置4の一例を示している。この膜蒸留装置4は、低温廃熱を利用して熱交換器5により加熱した一次濃縮液W1を疎水性多孔質膜を通過させて、その蒸気を減圧および低温条件下で蒸留または濃縮する膜蒸留技術を用いる。
この膜蒸留装置4は疎水性多孔質膜11が備えられており、この疎水性多孔質膜11を挟んで原水室12と凝縮室13が備えられる。原水室12は一次濃縮液W1を導入する原水部の一例であり、凝縮室13は疎水性多孔質膜11を通過した蒸気Sを凝縮する凝縮部の一例である。
疎水性多孔質膜11は、原水室12に導入された一次濃縮液W1の蒸気のみを選択的に通過させる手段の一例である。この疎水性多孔質膜11としては、耐熱性に優れていることからフッ素樹脂製多孔質膜を好適に用いることができる。この疎水性多孔質膜11においては、一次濃縮液W1の蒸気Sのみを透過させ、膜透過蒸気量に対する一次濃縮液W1の浸透圧や粘度の影響を受けにくく、蒸気透過性が高く、一次濃縮液W1の懸濁成分などの濃縮を効率的に行うことができる。
凝縮室13には減圧装置14が接続され、凝縮室13の壁面には冷却部15が備えられている。凝縮室13とともに原水室12が減圧装置14により減圧されて減圧状態に維持され、冷却部15は接触する蒸気Sを凝縮する程度の温度に図示しない冷却手段により冷却されている。
上記被処理液Wとしては、果汁、液糖、蜂蜜などの糖分を含む食品関連溶液が好適である。ここで、被処理液Wは、糖分などの目的とする濃縮成分の初期濃度が10%以下、特に2〜7%程度である。
次に上述したような膜蒸留装置4を備えた濃縮システム1の作用について説明する。
まず、被処理液Wは、逆浸透膜装置3で一次濃縮される。ここで被処理液Wは、膜透過水W2が分離排出されることで40〜50%程度まで濃縮され、粘度等が増加した一次濃縮液W1が得られる。特に、食品プロセスでは、水温が高いことがあるため、あらかじめ貯槽や熱交換器において、逆浸透膜モジュールの許容温度に調整しておくのが好ましい。上記逆浸透膜装置3としては、スパイラル式や中空管式(チューブラー式)や中空糸式などのモジュールが適用することができる。また、逆浸透膜装置3を構成する膜としては、酢酸セルロース膜や合成高分子膜、例えば、芳香族ポリアミドやポリスルホンやポリビニルアルコールなどを適用することができる。
そして、この一次濃縮液W1を熱交換器5へ送液する。ここで、この一次濃縮液W1は熱交換器5により所定の温度に熱交換される。熱交換器5は工場廃熱など、廃熱源で加熱された熱媒体の熱で一次濃縮液W1に熱交換する。これにより一次濃縮液W1は、例えば、100℃未満、好ましくは40〜90℃、特に50℃〜80℃程度になるように温度調整され、後段の膜蒸留装置4に供給される。このように被処理液Wを膜蒸留装置4における濃縮に好適な温度に加熱するのに工場廃熱などの廃熱を利用することができ、各種の廃熱の有効利用が図られる。
そして、温度調整されるとともに一次濃縮により粘度の増加した一次濃縮液W1を膜蒸留装置4に送液し、二次濃縮して蒸留水W4を分離し二次濃縮液W3を得る。
ここで膜蒸留装置4では、以下のようにして二次濃縮を行う。すなわち、凝縮室13を減圧下に維持しておくことで、疎水性多孔質膜11の孔を通過した蒸気Sが引き込まれる。
この場合、凝縮室13が減圧状態に維持されるので、蒸気Sを引き込む機能だけでなく、一次濃縮液W1の沸点をより降下させる機能を有する。これにより、一次濃縮液W1から生じる蒸気Sが顕著となり、疎水性多孔質膜11を透過する蒸気量が増大する。この結果、原水室12で二次濃縮液W3が得られる。つまり、一次濃縮液W1から多くの蒸気Sが凝縮して二次濃縮液W3に変換されるので、原水室12の一次濃縮液W1が効率的に濃縮される。したがって、原水室12から多くの二次濃縮液W3が生成され、濃縮液回収ライン16から回収される。
一方、蒸気Sは凝縮室13の冷却部15に触れ凝縮して水滴Lが生じる。この結果、冷却部15では蒸気Sが結露して蒸留水W4が凝縮水排出ライン17から排出される。
このような膜蒸留において、一次濃縮液W1を濃縮し、二次濃縮液W3を得る上で、一次濃縮液W1の流路幅および膜面線流速は重要である。流路幅は、一次濃縮液W1を通過させるに有効な流路径などの大きさである。これに対し、膜面線流速は、一次濃縮液W1の流量を装置内の有効断面積で割った値で与えられる線速度であり、見かけ上、一次濃縮液W1の速度である。具体的には、疎水性多孔質膜11の膜面に平行な一次濃縮液W1の平均流速である。
そして、この膜蒸留装置4では、一次濃縮液W1の流路幅wは例えば、1〔mm〕以上、30〔mm〕以下であればよく、より好ましくは3〔mm〕以上、20〔mm〕以下とする。また、一次濃縮液W1の膜面線流速Vは例えば、0.01〔m/s〕以上、5〔m/s〕以下とし、より好ましくは0.05〔m/s〕以上、2〔m/s〕とすればよい。
この膜蒸留装置4において、被処理液Wは70〜80%程度の高濃度(目的濃度)にまで濃縮する。したがって、膜蒸留装置4は必要に応じて多段、例えば、2段〜12段、望ましくは3段〜10段として、目的とする濃縮濃度となるまで濃縮するとともにエネルギー回収率を高めることができる。
このようにして得られる二次濃縮液W3は、逆浸透膜装置3による一次濃縮では加熱を必要とせず、膜蒸留装置4では100℃以上、好ましくは90℃以上に加熱されず、被処理液Wを高温にさらすことなく濃縮することができるので、目的とする成分の熱による変質や揮発成分の損失を大幅に低減することができる。さらに、被処理液Wが多量であっても効率よく処理可能であり、システム構成も簡便で運転管理も容易である。
なお、膜透過水W2と蒸留水W4は、必要に応じて、用水、例えば、逆浸透膜及びモジュールや、膜蒸留ユニットの洗浄水、あるいは、希釈水などに用いて、資源の有効利用を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限らず種々の変形実施が可能である。例えば、濃縮システムの構成としては、逆浸透膜装置3及び膜蒸留装置4をそれぞれ複数段としてもよい。また、この濃縮システムにおいて、被処理液Wは食品プロセス水に限らず、医薬やその他の産業分野のプロセス水を濃縮するのにも適用することができる。
以下の具体的実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
図1に示す構成を有する濃縮システムを用い、Brix値(糖度)7%の糖水溶液(被処理液W)を逆浸透膜装置3でBrix値40〜50%程度まで一次濃縮し、熱交換器5でこの一次濃縮液W1を加熱し、膜蒸留装置4において80℃、80kPaで濃縮してBrix値74%の二次濃縮液W3を得た。
<実施例2>
図1に示す構成を有する濃縮システムを用い、Brix値8%の蜂蜜水溶液(被処理液W)を逆浸透膜装置3でBrix値40〜50%程度まで一次濃縮し、熱交換器5でこの一次濃縮液W1を加熱し、膜蒸留装置4において52℃、80kPaで濃縮してBrix値62%の二次濃縮液W3を得た。この二次濃縮液W3に成分の焦げはなく、褐変着色は認められなかった。
<比較例1>
図3に示すように逆浸透膜装置21、22、23を3段に連続させた構成を有する濃縮システム20を用い、Brix値7%の糖水溶液(被処理液W)を濃縮したところ、2段目の逆浸透膜装置22で、濃縮液の粘性が高くなりすぎ、濃縮液W5を得ることができなかった。なお、図3中においては図1と同一の構成には同一の符号を付している。
<比較例2>
図4に示すように多重効用缶31、32、33を3段に連続させた構成を有する濃縮システム30を用い、Brix値39%の蜂蜜希釈液(被処理液W)を濃縮して濃縮液W6を生成したが、1段目の多重効用缶31の加熱蒸気管の表面温度が高いため、加熱蒸気管付近の糖水溶液が焦げて、褐変着色が起き、品質劣化が起きた。なお、図4中においては図1と同一の構成には同一の符号を付している。
<比較例3>
図5に示すように、図1において逆浸透膜装置3を用いずに濃縮システム40を構成し、Brix値7%の糖水溶液(被処理液W)を熱交換器5で加熱し、膜蒸留装置4において80℃、80kPaで濃縮してBrix値35%まで濃縮しようとしたが、液粘性の上昇とともに単位時間当たりの蒸留量が少なくなり、現実的でない大きなサイズの装置でなければ不可能であることが想定できた。
本発明の濃縮システムおよび濃縮方法によれば、果汁、液糖、蜂蜜などの食品関連溶液のように高温での加熱により変質や変性をきたす溶液を、変質や変性させることなく濃縮することができ、食品プロセス溶液の濃縮技術として広く利用することができる。
1…濃縮システム
2…原水ライン
3…逆浸透膜装置(一次濃縮手段)
4…膜蒸留装置(二次濃縮手段)
5…熱交換器(加熱手段)
11…疎水性多孔質膜
12…原水室
13…凝縮室
14…減圧装置
15…冷却部
16…濃縮液回収ライン
W…被処理液
W1…一次濃縮液
W2…膜透過水
W3…二次濃縮液
W4…蒸留水
S…蒸気

Claims (4)

  1. 被処理液を一次濃縮する逆浸透膜装置と、
    前記逆浸透膜により濃縮された一次濃縮液をさらに濃縮して二次濃縮液を得る膜蒸留装置と
    を備える濃縮システムであって、
    前記膜蒸留装置が、疎水性多孔質膜を挟んで原水部と凝縮部とを備え、
    前記凝縮部を減圧状態に維持し、かつ前記凝縮部に冷却手段を備え、
    加熱された一次濃縮液を前記膜蒸留装置の記原水部に導入し、前記一次濃縮液の蒸気を前記疎水性多孔質膜に透過させることで、該一次濃縮液を濃縮して二次濃縮液を生成するものであることを特徴とする濃縮システム。
  2. 前記被処理液が、果汁、液糖あるいは蜂蜜の食品関連溶液であることを特徴とする請求項1に記載の濃縮システム。
  3. 前記膜蒸留装置の前記原水部に導入する前記一次濃縮液を廃熱を利用して加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の濃縮システム。
  4. 被処理液を逆浸透膜装置により濃縮する一次濃縮工程と、
    前記一次濃縮工程で得られた一次濃縮液を膜蒸留装置によりさらに濃縮する二次濃縮工程と
    を有する濃縮方法であって、
    前記膜蒸留装置が、疎水性多孔質膜を挟んで原水部と凝縮部とを備え、前記凝縮部を減圧状態に維持し、かつ前記凝縮部に冷却手段を備えるものであり、
    前記二次濃縮工程が、加熱された一次濃縮液を前記膜蒸留装置の前記原水部に導入し、該一次濃縮液の蒸気を前記疎水性多孔質膜に透過させることで、該一次濃縮液を濃縮して二次濃縮液を生成することを特徴とする濃縮方法。
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