本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、大当たりのラウンド演出において、演出パターンを多様化することで、大当たり中の演出表示が単調化することを防止する遊技機がある(特許文献1)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、大当たり中の演出表示の単調化を防止する方法に関して改良の余地があるという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、大当たり中の演出表示の単調化を防止する方法を改良できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出態様が表示される表示手段と、前記演出実行手段により実行される演出態様を複数の演出態様から選択する演出態様選択手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記演出態様選択手段により選択される演出態様として、所定条件が成立する毎に前記操作手段を操作することで複数のルートから遊技者が1のルートを選択することで演出態様が可変されるルート演出態様が設定されており、そのルート演出態様が実行される場合に、以前実行された前記ルート演出態様で選択したルート以外のルートを選択することを補助する補助手段を有している。
請求項1記載の遊技機によれば、大当たり中の演出表示の単調化を防止する方法を改良することができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
動作ユニットの正面斜視図である。
分解した動作ユニットを正面視した動作ユニットの分解正面斜視図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの背面分解斜視図である。
可変入賞装置の正面分解斜視図である。
可変入賞装置の背面分解斜視図である。
(a)は、可変入賞装置の上面図であり、(b)は可変入賞装置の正面図であり、(c)は、図15(b)の矢印XVc方向視における可変入賞装置の側面図である。
(a)は、図15(b)のXVIa−XVIa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図16(a)から移動上蓋部材をスライド移動させた後の可変入賞装置の断面図である。
(a)及び(b)は、遊技盤の部分正面図である。
(a)は、図17(b)のXVIIIa−XVIIIa線における盤面下部ユニットの断面図であり、(b)は、図17(a)のXVIIIb−XVIIIb線における盤面下部ユニットの断面図であり、(c)は、図18(b)から光照射部の配置を仮想的に変化させた盤面下部ユニットの断面図である。
複合動作ユニットの正面斜視図である。
複合動作ユニットの背面斜視図である。
複合動作ユニットの正面分解斜視図である。
複合動作ユニットの背面分解斜視図である。
本体部材、遮蔽部材及び首振り部材の正面分解斜視図である。
本体部材、遮蔽部材及び首振り部材の背面分解斜視図である。
(a)は、第1案内アームの正面図であり、(b)は、第1案内アームの底面図であり、(c)は、図25(a)のXXVc−XXVc線における第1案内アームの断面図であり、(d)は、図25(a)のXXVd−XXVd線における第1案内アームの断面図である。
(a)は、第2案内アームの正面図であり、(b)は、第2案内アームの底面図であり、(c)は、図26(a)のXXVIc−XXVIc線における第2案内アームの断面図であり、(d)は、図26(a)のXXVId−XXVId線における第2案内アームの断面図である。
(a)及び(b)は、第1案内アーム、第2案内アーム及び配線の正面図である。
複合動作ユニットの正面図である。
複合動作ユニットの背面図である。
複合動作ユニットの正面図である。
複合動作ユニットの背面図である。
複合動作ユニットの正面図である。
複合動作ユニットの背面図である。
図28のXXXIV−XXXIV線における複合動作ユニットの部分断面図である。
図32のXXXV−XXXV線における複合動作ユニットの部分断面図である。
複合動作ユニットの正面図である。
図36のXXXVII−XXXVII線における複合動作ユニットの部分断面図である。
揺動動作ユニットの正面斜視図である。
揺動動作ユニットの背面斜視図である。
揺動動作ユニットの正面分解斜視図である。
揺動動作ユニットの背面分解斜視図である。
(a)は、揺動動作ユニットの正面図であり、(b)は、図42(a)の矢印XXXXIIb方向視における揺動動作ユニットの側面図である。
揺動動作ユニットの正面図である。
(a)は、図43のXXXXIVa−XXXXIVa線における駆動側アーム部材、従動側アーム部材及び第1橋架け部材の断面図であり、(b)は、図43のXXXXIVb−XXXXIVb線における駆動側アーム部材、従動側アーム部材及び第2橋架け部材の断面図である。
(a)は、図43の矢印XXXXVa方向視における揺動動作ユニットの部分側面図であり、(b)及び(c)は、図45(a)の状態から従動側アーム部材が正面側に撓む様子を時系列で図示した揺動動作ユニットの部分側面図である。
図43のXXXXIV−XXXXIV線における駆動側アーム部材及び従動側アーム部材の断面図である。
図43のXXXXV−XXXXV線における揺動動作ユニットの部分断面図である。
駆動側アーム部材及び従動側アーム部材の正面図である。
駆動側アーム部材及び従動側アーム部材の正面図である。
駆動側アーム部材及び従動側アーム部材の正面図である。
(a)及び(b)は、第2実施形態における揺動動作ユニットの部分正面図である。
(a)から(c)は、第3実施形態における揺動動作ユニットの正面図であり、(d)は、図52(b)のLd−Ld線における揺動動作ユニットの断面図である。
第4実施形態における複合動作ユニットの正面図である。
(a)及び(b)は、複合動作ユニットの部分正面図である。
第5実施形態における複合動作ユニットの背面図である。
(a)から(c)は、複合動作ユニットの部分背面図である。
第6実施形態における複合動作ユニットの部分正面図である。
(a)及び(b)は、複合動作ユニットの部分正面図である。
(a)及び(b)は、第7実施形態における揺動動作ユニットの部分正面図である。
第8実施形態における遊技盤の正面図である。
図60のLXI−LXI線における遊技盤の部分断面図である。
(a)は、第9実施形態における第1案内アームの正面図であり、(b)は、第1案内アームの底面図であり、(c)は、脱着正面係止部材の斜視図である。
(a)は、第2案内アームの正面図であり、(b)は、第2案内アームの底面図であり、(c)は、図63(a)のLXIIIc−LXIIIc線における第2案内アームの断面図である。
(a)及び(b)は、配線案内アームの第1案内アーム及び第2案内アームの正面図であり、(c)は、図64(a)のLXIVc−LXIVc線における配線案内アームの第1案内アーム及び第2案内アームの断面図である。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
(a)は、超背景予告の画面を例示した模式図であり、(b)は、超背景予告において(a)の画面が水平方向にスクロール表示された場合の画面を例示した模式図である。
(a)は、超背景予告において特別画像が表示された画面を例示した模式図であり、(b)は、超背景予告において扉内背景へと移行することを示唆する画面を例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチAにおいて、ばらけ目の態様が表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチAにおいて、ダブルリーチの態様画面を例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチAにおいて表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチAにおいて表示される画面を例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチAにおいて表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチAにおいて表示される画面を例示した模式図である。
スーパーリーチAにおいて大当たりとなった場合の画面を例示した模式図である。
(a)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図である。
(a)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図である。
(a)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図である。
各種カウンタの概要を示す図である。
主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり乱数カウンタC1と特別図柄の大当たりの判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第1当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄の当たりの判定値との対応関係を模式的に示した模式図である。
(a)は、主制御装置内のROMに設けられた変動パターン選択テーブルの電的構成を示すブロック図であり、(b)は、大当たり時における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ時(通常)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ時(確変)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
(a)は、音声ランプ制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、音声ランプ制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
表示制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
表示制御装置内のRAMに設けられたデータテーブル格納エリアの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、表示制御装置内のRAMに設けられたマス設定テーブル格納エリアの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、マス設定テーブル格納エリアに設けられた通常マス設定テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、マス設定テーブル格納エリアに設けられた継続マス設定テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。
表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
描画リストの一例を模式的に示した模式図である。
主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるSW入力監視・演出処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される超背景時操作処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり時操作処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるスーパーリーチB時操作処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される超背景演出処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるリーチ関連コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される表示用スーパーリーチB処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連コマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるマップ設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される背景画像変更コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるSW関連コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される超背景中SW処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される大当たり中SW処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるカウンタ更新処理である。
(a)は、第1制御例の変形例におけるスーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図であり、(b)は、第1制御例の変形例におけるスーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図である。
(a)は、第1制御例の変形例におけるスーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、第1制御例の変形例におけるスーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図である。
第1制御例の変形例における表示制御装置内のRAMに設けられたデータテーブル格納エリアの内容を模式的に示した模式図である。
第1制御例の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるスーパーリーチB時操作処理である。
第1制御例の変形例における表示制御装置内のMPUにより実行される表示用スーパーリーチB処理を示すフローチャートである。
枠ボタンおよび選択スイッチを模式的に示した模式図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図50を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330は、後述するベース板60の受け入れ開口60aに嵌め込まれる盤面下部ユニット300に形成される。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置330(図11参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特定入賞口65aを開閉する可変入賞装置330(図11参照)の詳細については後述するが、簡潔に説明すると、可変入賞装置330の移動上蓋部材332がスライド移動することで、特定入賞口65aが開閉される。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口314が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口314を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口314は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22、選択スイッチ270(上スイッチ270a、右スイッチ270b、下スイッチ270c、左スイッチ270d)、決定スイッチ270eなどがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ433,462,551及びソレノイド474が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図9を参照して、遊技盤13及び動作ユニット200について説明する。まず、図5及び図6を参照して、背面ケース210への各ユニット400及び500の収容構造について説明する。
図5は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図6は、分解した動作ユニット200を正面視した動作ユニット200の分解正面斜視図である。
図5及び図6に示すように、動作ユニット200は、底壁部211と、その底壁部211の外縁から立設される外壁部212とから一面側(図6紙面手前側)が開放された箱状に形成される背面ケース210を備える。背面ケース210は、その底壁部211の中央に矩形状の開口211aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口211aは、第3図柄表示装置81(図2参照)の外形に対応した(即ち、第3図柄表示装置81を配設可能な)大きさに形成される。
左右および上部の外壁部212は、前後方向の中間に底壁部211と平行に形成される中間壁部212aと、その中間壁部212aに部材を締結可能な締結部212bと、を備える。その中間壁部212aの手前側においては、外壁部212は中間壁部212aの開口211aの反対側の端部から延設され、中間壁部212aの奥側においては、外壁部212は中間壁部212aの開口211aに近接する側の端部から延設される。
なお、左右の中間壁部212aに形成される締結部212bには、保持固定部446や固定板461が締結固定され、上部の中間壁部212aに形成される締結部212bには、案内板424が締結固定される。
ここで、固定板461は複合動作ユニット400を駆動させる駆動力を発生させる駆動モータ462を支持する部材であり、保持固定部446は付勢バネ445の一端を固定する部材であり、案内板424は複合動作ユニット400の連結部材423(図20参照)の移動を案内する部材である。即ち、いずれも、遊技者に直接視認される演出部分ではなく、複合動作ユニット400の動作の駆動力を発生させたり、その動作を案内したりする、演出の補助的な役割を備える部分である。
このような役割を備える固定板461や、保持固定部446や、案内板424を背面ケース210の前側寄りに配置することで、背面ケース210の後ろ側寄りのスペースを空けることができる。この空いた後ろ側寄りのスペースを遮蔽部材420等の実際に遊技者に視認される部分を退避させるスペースとして用いることで、複合動作ユニット400の構成部材を前後で積層させることができ、開口211aの外側に複合動作ユニット400を退避させるために必要となる幅を狭くすることができる。従って、底板部211の形成幅を狭めることができる。これにより、開口211aを拡大することができ、第3図柄表示装置81の形成範囲を拡大することができる。
動作ユニット200は、背面ケース210の内部空間に、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500がそれぞれ収容され、これを1ユニットとして構成される。
具体的には、複合動作ユニット400は、背面ケース210の外壁部212の内側面が形成する領域の左右および上部に配設され、揺動動作ユニット500は、背面ケース210の外壁部212の内側面が形成する領域の下部に配設される(図5参照)。
次いで、図7から図9を参照して、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500の動作態様の概略について説明する。なお、図7から図9の説明においては、図5及び図6を適宜参照する。
図7から図9は、動作ユニット200の正面図である。なお、図7では複合動作ユニット400の本体部材410が張出位置に配置された状態が、図8では揺動動作ユニット500の移動部材540が張出位置に配置された状態が、図9では複合動作ユニット400の本体部材410及び揺動動作ユニット500の移動部材540が張出位置に配置された状態がそれぞれ図示される。
図7に示すように、複合動作ユニット400は、本体部材410を、図5に示す退避位置と図7に示す張出位置との間で動作させる。即ち、図5に示す退避位置では、本体部材410は、背面ケース210の開口211aの上方に退避される(図2参照)。一方、図7に示す張出位置では、本体部材410が下降され、本体部材410が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配置される。複合動作ユニット400は、後述するように、本体部材410がスライド移動することで遮蔽部材420が移動態様の違う2種類の動作(スライド動作、揺動動作)をするユニットである。
図8に示すように、揺動動作ユニット500は、移動部材540を、図5に示す退避位置と図8に示す張出位置との間で動作させる。図5に示す退避位置では、移動部材540は、背面ケース210の開口211aの下方に退避される(図2参照)。一方、図8に示す張出位置では、移動部材540が上昇され、移動部材540が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配置される。移動部材540は左右一対で形成され、図8に示す張出位置では、左右一対の移動部材540が合体して視認される。
図9に示すように、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500は、共に張出位置に配置することができる。この場合、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500を一体の装飾部材として視認させる(正面視で部分的に重ねる)ことができ、開口211aの外方の幅以上の幅の装飾部材を形成することができる。これにより、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500の演出効果を向上させることができる。また、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500が違う向き(下降、上昇)で開口211aの中央へ向けて張り出すことで、例えば可動部材を全て同じ向きで張り出させる場合に比較して、退避位置から張出位置まで各部材が移動する距離を短くすることができる。これにより、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500の移動速度が同じ場合に、退避位置から張出位置まで移動する期間を短縮することができる。
次いで、図10から図18を参照して、遊技盤13の下部に配設される盤面下部ユニット300について説明する。図10及び図11は、遊技盤13及び盤面下部ユニット300の正面分解斜視図であり、図12は、遊技盤13及び盤面下部ユニット300の背面分解斜視図である。なお、図10では、前板部材320のみが遊技版13から分解された状態が図示され、図11及び図12では、図10から更に盤面下部ユニット300の前側ユニット310及び可変入賞装置330が遊技盤13から分解される。また、理解を容易にするために、遊技盤13は簡略化して図示される。
図10に示すように、内レール61の下縁に沿って特定入賞口65aが形成される。内レール61の下縁は下に凸の曲線形状から形成されるので、特定入賞口65aの下辺が左右方向に沿う直線で形成される場合に比較して、特定入賞口65aの配設位置を下方に下げることができる。この特定入賞口65aの外縁は、上辺が移動上蓋部材332で形成され、下辺が内レール61の下縁で形成されると共に、左右の辺が開口上側部313の左右の壁部で形成される。
特定入賞口65aは、後述するように、移動上蓋部材332が前後にスライド移動することで、上述した閉鎖状態と開放状態とが切り替えられ、この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。
図11に示すように、盤面下部ユニット300は、球が排出されるアウト口314と、特定入賞口65aとを構成するユニットであって、遊技盤13の下部に前後方向に穿設される受け入れ開口60aに正面側から嵌め込まれ締結固定される前側ユニット310と、その前側ユニット310に正面側から締結固定されると共に背面側に球の経路が形成される前板部材320と、受け入れ開口60aに背面側から嵌め込まれ締結固定されると共に球の流下方向を変化させる移動上蓋部材332を備える可変入賞装置330と、を主に備える。
前側ユニット310は、正面側を球が流下可能に形成される板状の本体板部311と、その本体板部311の正面側中央で一対の部材が左右に開閉動作される電動役物640aと、本体板部311の左右上部において正面側に突設される板状の傾斜板部312と、本体板部311の下底部から上方へ向けて凹設される開口上側部313と、その開口上側部313の左右両側において前後方向に穿設され球が遊技領域外に排出される一対のアウト口314と、を主に備える。
本体板部311は、電動役物640aの上方に形成され第1入賞口64の下辺を形成する第1入賞口下辺311aと、電動役物640aの一対の部材に囲われる位置において前後方向に穿設される第2入賞口640と、その第2入賞口640の下方に配置され第2入賞口640の正面側を照らす光照射装置311bと、アウト口314の外側においてリブ状に正面側へ向けて凸設される球流しリブ311cと、を主に備える。
光照射装置311bは、前板部材320の収容凹部323a(図12参照)に収容され、第2入賞口640に球が入賞することに起因して、上方(第2入賞口640側)へ向けて光が照射されるLED部材である。
球流しリブ311cは、内レール61に沿って転動する球の流下方向を調整するものであり、詳細は図18で後述する。
傾斜板部312は、上側面を球が転動可能に形成され、電動役物640aの左右上方に配置されると共に、電動役物640aへ近接されるほど下降傾斜される。これにより、電動役物640aが左右に倒れる開状態の時は、傾斜板部312を転動して流下される球を高確率で第2入賞口640へ入賞させることができる。一方、電動役物640aが起立される閉状態の時は、傾斜板部312を転動して流下される球を高確率で開口上側部313の正面側へ落下させることができる。
開口上側部313は、左右中央へ向かうにつれて上昇傾斜して形成される。ここで、特定入賞口65aの左右方向中央部の上下幅を球の直径以上とすることで、開口上側部313の左右の壁部の上下幅(特定入賞口65aの左右の壁部に対応する)を球の直径以下の長さに設定することが可能である(図17参照)。この場合、特定入賞口65aの左右端部から球を入賞させることは困難であるが、球が内レール61に沿って遊技盤13の中央部へ流下され、特定入賞口65aの左右方向中央部から入賞可能とされるので、遊技を継続できる。
ここで、特定入賞口65aの上下側面が平行面(左右方向へ延設される平面)である場合、内レール61と交差する直線が特定入賞口65aの下側面の長さと同じになるまで、特定入賞口65aを内レール61の下縁から上昇させて配置する必要がある。そのため、特定入賞口65aの位置が高くなる。
一方、本実施形態では、特定入賞口65aの下側側面が内レール61の下側面と同様に湾曲形成されるので、特定入賞口65aを上昇配置させる必要がなく、特定入賞口65aを低位置に配置することができる。
また、特定入賞口65aの上側側面が左右端部へ近接するにつれて下降傾斜されるので、上側側面が左右方向へ延設される平面で形成される場合に比較して、特定入賞口65aへ球を案内する道釘の配置を下方へ下げることができる。これにより、第3図柄表示装置81の下縁を下げることができる。
アウト口314は、開口上側部313の左右に一対で形成され、開口上側部313の左右端部に対して、アウト口314の下辺は下方に配置され、アウト口314の上辺は上方に配置される。即ち、開口上側部313がアウト口314よりも下方に形成される。これにより、後述する可変入賞装置330の配置を下方へ下げることができ、第3図柄表示装置81の下縁を下げることができる。なお、このような配置であっても、本実施形態では開口上側部313の形状と略同一形状の上側面を備え前後方向にスライド移動される移動上蓋部材332の上面を球が流下され、球がアウト口314へ排出されるので(図17参照)、遊技が継続可能となる。
前板部材320は、光透過性の樹脂材料から形成される板状部材であって、前側ユニット310の正面側に配設されると共に本体板部311との間を球が流下可能に形成される板状の本体板部321と、その本体板部321の上端部に配設され第1入賞口下辺311aへ球を案内する第1入賞口前部322と、電動役物640aの下方に配置される電動役物下支え部323と、アウト口314の下側面に沿って配置されるアウト口下板324と、内レール61の下縁に沿って本体板部321から背面側に突設される球送り部325と、を主に備える。
本体板部321は、アウト口下板324の外側において、背面側にリブ状に凸設される球流しリブ321aを備える。球流しリブ321aは、内レール61に沿って転動する球の流下方向を調整するものであるが、その詳細については図18で後述する。
電動役物下支え部323は、横長の凹部である収容凹部323aを備え、その収容凹部323aには、光照射装置311bが収容される。
アウト口下板324は、上側面に前後方向に延設される細厚のリブが左右方向に連設される。また、アウト口下板324は、左右内側端部に上方へ向けて突設される段部324aを備える。アウト口下板324の上側側面に形成される凸凹により、流下してきた球を減速させることができる。また、アウト口下板324に形成されるリブは、背面側へ向かうほど下降傾斜して形成される。これにより、流下してきた球をアウト口314へ排出する速度を向上させることができる。
なお、上述した傾斜板部312がアウト口下板324の真上に形成される(図17参照)ので、傾斜板部312を転動してから落下する球がアウト口下板324へ向けて落下することが抑制される。即ち、傾斜板部312を転動してから落下する球は、一対のアウト口下板324の左右方向内側(移動上蓋部材332が配置される位置)に落下するか、アウト口下板324の外側端部(球流しリブ321a付近であって、リブの形成範囲と球が流れるレールとの境界位置)に落下するかのどちらかである。これらは、どちらもリブの形成範囲外である。これにより、アウト口下板324に高所から球が落下することを抑制することができ、アウト口下板324の耐久性を向上させることができる。
段部324aは、アウト口314と特定入賞口65aとの間に形成される段であって、左右方向から流下してアウト口下板324の上側側面を流下する球は、段部324aを越えて左右方向中央部へ流下されることが防止される(図17参照)。即ち、左右方向から流下してアウト口下板324の上側側面を流下する球は、専らアウト口314へ案内される。
球送り部325は、背面側に形成される背面側側面325aと、その背面側側面325aと連結されると共に左右側に形成される左右側側面325bと、を主に備える。
背面側側面325aは、背面側へ向かうにつれて下降傾斜され、左右側側面325bは、背面側へ向かうにつれて中央へ向けて傾斜される。これにより、球送り部325に到達した球の流下方向を背面側へ向けることができる。従って、特定入賞口65aの手前で球が留まることを抑制し、所謂オーバー入賞を防止することができる。
次いで、図13から図15を参照して、可変入賞装置330について説明する。図13は、可変入賞装置330の正面分解斜視図であり、図14は、可変入賞装置330の背面分解斜視図であり、図15(a)は、可変入賞装置330の上面図であり、図15(b)は可変入賞装置330の正面図であり、図15(c)は、図15(b)の矢印XVc方向視における可変入賞装置330の側面図である。
図13及び図14に示すように、可変入賞装置330は、骨格を形成する本体部材331と、その本体部材331に前方から挿通され、前後方向へスライド移動可能に形成される移動上蓋部材332と、その移動上蓋部材332をスライド移動させる駆動力を発生させるソレノイド333と、そのソレノイド333により揺動されるレバー部材334bが収容されると共に本体部材331の背面側に締結固定される後蓋部材334と、を主に備える。
本体部材331は、移動上蓋部材332が挿通される異形貫通孔331aと、特定入賞口65aに入賞された球が流下される下方通路331bと、その下方通路331bの下方に配設され上方へ向けて光を照射する光照射装置331cと、背面側に正面側へ向けて凹んで形成される窪みであってソレノイド333及びレバー部材334b等が収容される背面側収容部331dと、を主に備える。
異形貫通孔331aは、図15(a)及び図15(b)に図示されるように、移動上蓋部材332の形状に沿って形成される貫通孔であって、前側板部332aを収容する前方開口部331a1と、後側板部332bを収容する後方開口部331a2と、を主に備える。
前方開口部331a1は、正面視において下辺が水平に延設され、上辺が中心へ向かうにつれて上昇傾斜されると共に左右の側辺は上下に延設される五角形状に形成される窪みである。
後方開口部331a2は、前方開口部331a1の背面側中央部から、前方開口部331a1の左右部分を切り落とした形状で穿設される開口である。即ち、後方開口部331a2の下辺および上辺の外形と、前方開口部331aの下辺および上辺の外形とは前後方向で段が形成されるものではなく、面位置で形成される。これにより、移動上蓋部材332をスムーズに案内することができる。
下方通路331bは、球が通過可能に左右一対で形成されると共に(図18(a)参照)、内レール61の下縁よりも下方へ張り出して形成される通路であって、その奥に球の通過を検出するセンサSが配設される(図15(b)参照)。
光照射装置331cは、下方通路331bや板状部332a1等を光で照らして演出する装置であって、内レール61の下方(受け入れ開口60aの下部)に配設される。これにより、光照射装置331cに必要な装置等を内レール61の下方に配設することができるので、遊技盤13の背面側のスペースを確保することができ、第3図柄表示装置81(図2参照)の下縁を下方へ下げることができる。
なお、光照射装置331cは、光を照射する光照射部331c1を備える。その光照射部331c1は、下方通路331bの真下に左右一対で形成され、上方に光を照射する。
背面側収容部331dは、後方開口部331a2を挟んで前方開口部331a1と連通されている。
移動上蓋部材332は、光透過性の樹脂材料から形成される長尺部材であって、前方開口部331a1に収容される前側板部332aと、後方開口部331a2に収容される後側板部332bと、前側板部332a及び後側板部332bの中心軸に沿って下方へ突設される中心リブ332cと、後側板部332bの背面側端部に上下方向に穿設される連結孔332dと、を主に備える。
前側板部332aは、前方開口部331a1の上辺の形状に沿って左右方向中央部へ向けて上昇傾斜する態様で形成される板状部332a1と、その板状部332a1の上下方向に穿設される肉抜き孔332a2と、板状部332a1の左右方向端部において下方へ向けて張り出され前後方向へ向けて延設される案内リブ332a3と、を主に備える。
板状部332a1は、下方へ向かうほど背面側へ傾斜して形成されると共に(図16参照)左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成される前側傾斜側面332a1fを備える。前側傾斜側面332a1fが左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成されることにより、球が前板部材320と前側傾斜側面332a1fとに挟まれた場合に球を中央側へ流すことができ、球により移動上蓋部材332のスライド動作が妨害されることを防止できる。
なお、前側傾斜側面332a1fは後述するように光を反射させる部分として形成されるので、光を効果的に反射させるために、前側傾斜側面332a1fに金属膜を形成するようにしたり、鏡面加工したりしても良い。本実施形態では、光を反射するテープが貼付けられる。
案内リブ332a3は、組立状態(図15参照)において、前方開口部331a1の左右側側面に沿って形成され、前方開口部331a1の下側側面と当接される。これにより、移動上蓋部材332のスライド移動時の左右方向の位置ずれを抑制することができる。
中心リブ332cは、板形状が屈曲されて形成される前側板部332aの屈曲部に形成される。これにより、前側板部332aの剛性を向上させることができる。また、移動上蓋部材332が前方へスライド移動される場合(可変入賞装置330の移動上蓋部材332が退避状態とされる場合)に、開口上側部313の背面側に留められる。これにより、中心リブ332cと球とが衝突して移動上蓋部材332が動作不良を起こすことを防止することができる。
連結孔332dは、レバー部材334bの連結部334b4が挿通され、レバー部材334bの揺動による変位が移動上蓋部材332に伝達される貫通孔である(図16参照)。
ソレノイド333は、駆動源となる本体部333aと、その本体部333aの下方に配設され、レバー部材334bの下方において上下に移動される鉤形の鉤形部材333bと、を主に備える。
後蓋部材334は、板状の本体部334aと、その本体部334aに揺動可能に軸支され先端が前後方向に移動可能に形成されるレバー部材334bと、を主に備える。
レバー部材334bは、上下方向に延設される本体部334b1と、その本体部334b1の下端部において左右両方向に円柱状に突設され本体部334aに軸支される一対の軸部334b2と、その一対の軸部334b2の略中間位置において本体部334b1の下方に延設され本体部334b1との間に鉤形部材333bを収容可能に形成される下爪部334b3と、本体部334b1の上端部において円柱状に膨出形成される連結部334b4と、を主に備える。
次いで、図16を参照して、移動上蓋部材332のスライド移動について説明する。図16(a)は、図15(b)のXVIa−XVIa線における可変入賞装置330の断面図であり、図16(b)は、図16(a)の状態から移動上蓋部材332をスライド移動させた後の可変入賞装置330の断面図である。なお、図16(a)では、移動上蓋部材332が後方配置される退避状態が図示され、図16(b)では、移動上蓋部材332が前方配置される張出状態が図示されると共に、光の経路E1について理解を容易にするために、中心リブ332cの図示が一部省略される。また、図16(a)及び図16(b)では、組立状態(図2参照)における内レール61及び前板部材320が仮想的に想像線で図示される。
図16(a)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態を形成する場合、鉤形部材333bは上方へ配置され、レバー部材334bが後ろ倒れされる。この状態では、球は可変入賞装置330の前方を流下可能であり、即ち、球は特定入賞口65a(図10及び図17参照)に入賞可能(開放状態)とされる。
一方、図16(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合、鉤形部材333bが下方へ押し付けられることでレバー部材334bが軸部334b2を中心に前倒れされ背面側収容部331bの側面に当接されると共に移動上蓋部材332が正面側へスライド移動される。この状態では、球は特定入賞口65a(図10及び図17参照)に入賞不可能(閉鎖状態)とされる。
この場合、鉤形部材333bの下方端部の背面側側面がレバー部材334bの下爪部334b3の端部と前後方向で当接されることで、レバー部材334bの揺動が機械的に規制される(下爪部334b3の移動方向に鉤形部材333bが配置されると共に下爪部334b3の移動方向と鉤形部材333bの移動方向とが直交する)。従って、ソレノイド333の駆動力によってレバー部材334bの揺動を停止させる場合に比較して、ソレノイド333の駆動力を抑制できる。
ここで、図16を参照して、光照射装置331cから照射された光の経路について説明する。
図16(a)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態とされる場合、光照射部331c1から上方に照射された光は経路E1に沿って板状部332a1の前側傾斜側面332a1fに到達する。このとき、前側傾斜側面332a1fが下方へ向かうほど背面側へ傾斜して形成されるので、下方から照射され前側傾斜側面332a1fに到達した光は前方(遊技者側)へ向けて反射される。この場合、移動上蓋部材332の前側傾斜側面332a1fが発光しているかのように遊技者に視認させることができる。また、前側傾斜側面332a1fで反射した光が前板部材320の投光範囲E0に投光されることから、前板部材320に注目させることができる。これにより、移動上蓋部材332及び前板部材320の演出能力を向上させることができる。
ここで、移動上蓋部材332にLED等を配設して移動上蓋部材332を発光させる場合、移動上蓋部材332が大型化する恐れがある。一方、本実施形態では、移動上蓋部材332にLEDを配設することはしないので、移動上蓋部材332が大型化することを抑制しながら、移動上蓋部材332の演出部分としての能力を向上させることができる。
図16(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態とされる場合、光照射部331c1から上方に経路E2に沿って照射され、前側傾斜側面332a1fに向かう光は、内レール61に遮蔽されることで板状部332a1の前側傾斜側面332a1fには到達しない。この場合、光照射部331c1から経路E1に沿って照射された光が、前側板部332aの板状部332a1の中間位置に到達し、そのまま透過するのみなので、前側傾斜側面332a1f及び前板部材320が遊技者に暗く視認される。
即ち、移動上蓋部材332が退避状態とされるか、張出状態とされるかにより、前側傾斜側面332a1fに光照射部331c1から照射される光が到達するか否かが変化すると共に、前板部材320の投光範囲E0が明るく視認されるかが変化する。そのため、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0の明るさの状態を確認することで、特定入賞口65aに球を入賞可能か否か確認することができる。
従って、本実施形態のように、移動上蓋部材332が前後にスライド移動するために、移動上蓋部材332の状態の変化が正面視で把握しづらい場合でも(図17(a)及び図17(b)参照)、投光範囲E0の明るさの変化により特定入賞口65aに球を入賞可能か否か容易に確認することができる。
ここで、移動上蓋部材332は、球の特定入賞口65aへの通過を妨げる閉鎖状態と、球の特定入賞口65aへの通過を可能とする開放状態と、を形成するために必要な動作(前後スライド移動)のみにより、投光範囲E0の明るさの状態を変化させている。換言すれば、遊技を継続するために移動上蓋部材332に必要とされる動作のみにより投光範囲E0の状態を変化させるので、追加の機構が必要とならない。即ち、移動上蓋部材332を、球の特定入賞口65aへの通過の可否を切り替える目的と、光照射部331c1から照射される光により演出を行う目的とで兼用することができる。
なお、球が下方通路331bを通過する際に経路E1を横切ることで、光照射部331cから照射された光を球で反射させて演出を行っても良い。この場合、正面視で内レール61付近(図16(a)及び図17(b)の投光範囲E0の下方)を明るく照らすことができる。
図17を参照して、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合と、退避状態を形成する場合との球の流下について説明する。図17(a)及び図17(b)は、遊技盤13の部分正面図である。なお、図17(a)では、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合(図16(b)参照)が図示され、図17(b)では、移動上蓋部材332が退避状態(図16(a)参照)を形成する場合が図示され、図17(a)及び図17(b)において、前板部材320の本体板部321が想像線で図示される。なお、図17(a)及び図17(b)では、移動上蓋部材332が張出しているかどうかが網掛けの有無で図示される。即ち、図17(a)及び図17(b)において網掛けが形成される部分は、前板部材320に当接しているか又は前板部材320との間で球の通過を遮る程に前板部材320に近接している部分である。
図17(a)に示す状態では、経路C2で落下する球は移動上蓋部材332の上側面に沿って流下され、アウト口314に排出される。この場合、球の重みで移動上蓋部材332が下倒れする恐れがあり、それにより、移動上蓋部材332の左右端部が段部324aよりも下方へ移動されると、球をアウト口314へ排出できなくなり遊技に支障をきたす。
これに対し、本実施形態では、移動上蓋部材332は、異形貫通孔331aの正面側に張り出される長さの数倍の長さ(約4倍の長さ、図16(b)参照)で異形貫通孔331aに収容されると共に可変入賞装置330の前後方向に亘って異形貫通孔331aの側面と上下方向で当接可能に形成される。そのため、移動上蓋部材332と異形貫通孔331aとのクリアランスを小さくすることで、移動上蓋部材332に衝突される球の重みにより移動上蓋部材332が下倒れすることを抑制することができる。これにより、移動上蓋部材332の左右両端部を段部324aと面位置に形成することができ、特定入賞口65aへの道釘を下方へ下げることができるので、第3図柄表示装置81の下縁を下方へ下げることができる。
図17(b)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態を形成する場合において、球は、特定入賞口65aへ向けて流下することが可能となる。このとき、内レール61に沿って左右から経路C1で転動する球は段部324aに衝突し、アウト口314へ排出されるため、特定入賞口65aへ向けて上方から経路C2で落下する球が内レール61を転動し、特定入賞口65aに到達する。
ここで、本実施形態では、特定入賞口65aの左右端部の上下幅が球の直径以下に形成される。即ち、移動上蓋部材332の左右端部における内レール61からの上下方向の距離が球の直径以下に形成される。そのため、段部324aの内レール61からの高さを低くすることができ、その段部324aから落下する球が到達するアウト口314の配置も低くすることができる。
また、この場合、球は特定入賞口65aの左右端部から入球することが困難となる(加えて、本実施形態では、ベース板60に球の入球が遮られる)。しかし、特定入賞口65aの下辺が内レール61に沿って形成されるので、特定入賞口65aの左右端部の正面側に流下した球は重力で内レール61に沿って遊技領域中央方向へ転動され、そこから特定入賞口65aへ入球する。なお、内レール61の下縁は後方に傾斜して形成されるので(図16参照)、球を特定入賞口65a(図17参照)にスムーズに入球させることができる。
これにより、特定入賞口65aの上辺を形成する移動上蓋部材332は、少なくとも遊技領域の中央付近(内レール61が最も下方に配置される付近)において球の直径以上に内レール61から上方に離間すれば良いので、移動上蓋部材332の配設位置を下方へ下げることができる。従って、内レール61の中央付近以外の位置において球の直径以上に内レール61から上方に離間する必要がある場合に比較して、可変入賞装置330の配設位置を下方に下げることができる。これにより、遊技盤13の背面側のスペースを確保することができ、第3図柄表示装置81(図2参照)の下縁を下方へ下げることができる。
次いで、図18を参照して、球流しリブ311c,321aや球送り部325の機能及び前側傾斜側面332a1fにより光が集光されることについて説明する。図18(a)は、図17(b)のXVIIIa−XVIIIa線における盤面下部ユニット300の断面図であり、図18(b)は、図17(a)のXVIIIb−XVIIIb線における盤面下部ユニット300の断面図であり、図18(c)は、図18(b)から光照射部331c1の配置を仮想的に変化させた盤面下部ユニット300の断面図である。
なお、図18(a)では、球の転動経路が経路C1a,C1b,C2aで記載されると共に、退避状態とされた移動上蓋部材332が想像線で図示される。移動上蓋部材332は図18(a)の断面よりも手前側(図17(b)上側)にあり、実際は視認されるものではないが、説明の便宜のために、上下方向視(図18紙面垂直方向視)の位置が合致した状態で、図18(a)に想像線で図示される。また、図18(b)及び図18(c)では、下方通路331bを流下する球が仮想的に3個図示される。
左右方向から内レール61(図11参照)に沿って転動され、アウト口314へ排出される球の経路について説明する。図18(a)に示すように、左右方向から図18(a)中央へ向けて転動する球は、球流しリブ311c又は球流しリブ321aの少なくとも一方に当接する。即ち、前側ユニット310の本体板部311に当接しながら転動する球は、球流しリブ311cに当接し、前板部材320の本体板部321に当接しながら転動する球は、球流しリブ321aに当接する。
ここで、球が球流しリブ311cに当接すると、経路C1aに沿った方向に球の速度方向が向き、次いで球流しリブ321aに当接する。そのため、球が前側ユニット310の本体板部311に当接しながら転動するか、前板部材320の本体板部321に当接しながら転動するかに関わらず、転動する球を球長しリブ321aに当接させることができる。
内レール61(図11参照)に沿って転動する球を球流しリブ321aに当接させることで、球の速度方向を経路C1bに沿った方向に向けることができる。この場合、球がアウト口314の正面側に配置される前から球の速度を背面側(図18(a)上側)へ向けることができる。そのため、球がアウト口314の正面側に配置されてから球が遊技領域から排出されるまでの期間を短くすることができ、球がアウト口314の正面側に滞留することを抑制することができると共に、アウト口314の開口幅を抑制することができる。これにより、特定入賞口65a(図10参照)とアウト口314とが左右に並設される場合に、特定入賞口65aの配置を遊技領域の下方へ下げることができる。
球が左右一対で並列される段部324aの間に落下する場合について説明する。この場合、段部324aの間に落下した球は左右方向中央へ向けて転動し、球が球送り部325の左右側側面325bに当接することで、球の速度方向が経路C2aに沿って変化する。これにより、球が特定入賞口65a(図10参照)の正面側に滞留することを抑制することができるので、オーバー入賞を抑制することができる。
球が下方通路331bに沿って流下し、光照射部331c1から照射される光を横切る際には、その球が光を遮蔽することで、光は前側傾斜側面332a1fに到達しなくなる。そのため、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0が明るく視認されるか暗く視認されるかで球が特定入賞口65a(図17参照)に入賞したか否かを確認することができる。
これにより、本実施形態のように、特定入賞口65aの前に光透過性の樹脂材料から形成される前板部材320が配設され、特定入賞口65aの内側が視認し難い場合であっても、投光範囲E0の明るさの変化により球が特定入賞口65aに入球したことを確認することができる。そのため、特定入賞口65aに球が入球することを確認するために特定入賞口65aを斜め上から除き込む必要が無く、遊技者の負担を緩和することができる。
なお、本実施形態では、光照射部331c1から照射される光の照射方向と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが、直角に近い角度で交差する(図18(b)参照)。そのため、球が光の進行方向に対向して流下する場合(図18(c)参照)や、球が光の照射方向に沿って流下する場合に比較して、特定入賞口65aに入球し下方通路331bを流下する球が光を遮蔽する期間を短くすることができる。換言すれば、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0が明るく視認される期間を長くすることができ、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の演出能力を確保することができる。
図18(b)に示すように、光の経路E1と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが直角に近い角度で交差する(横切る)場合、光の経路E1が球に遮られた後、球が下方通路331bの前端部(図18(b)右側)を通過する辺りで、光は球に遮られなくなる(光が前側傾斜側面332a1fに到達するようになる)。
この場合、球が連なって下方通路331bを流下するとしても、1球ごとに経路E1を遮蔽することになるので、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0の明るさの変化を確認することにより、特定入賞口65aに入球した球の個数を確認することができる。
一方、図18(c)に示すように、光の経路E3と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが平行に近い関係である場合、光の経路E3が球に遮られた後、球が下方通路331bの後端部(図18(c)左側、センサS付近)に到達し下方へ落下することで、光は球に遮られなくなる(光が前側傾斜側面332a1fに到達するようになる)。即ち、それまでは光の経路E3は球に遮られたままとなる。
この場合、球が連なって下方通路331bを流下すると、下方通路331bに球が配置される限り、一つ目の球(図18(c)の左側の球)に光の経路E3が遮られる。更に、一つ目の球が下方通路331bの後端部(図18(c)左側)から下方へ落下した後は二つ目の球(図18(c)の右側の球)に光の経路E3が遮られる。その上、二つ目の球が下方通路331bの後端部から落下する際に、次の球(3つ目の球)が下方通路331bに入球する場合には、その球に光の経路E3が遮られる。このように、球が光の経路E3を遮蔽し続けることとなり、球が下方通路331bを流下している間は常に暗く視認される。即ち、光が明るく視認されるか暗く視認されるかが変化した回数と、特定入賞口65aに入球した球の個数とが必ずしも一致せず、特定入賞口65aに入球した球の個数の確認が困難となる。これに対して、本実施形態は、上述した優位性を備える。
図18(a)に示すように、前側傾斜側面332a1fが左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成されるので、左右一対の光照射部331c1から照射された光が前側傾斜側面332a1fで反射されることで、経路E1に沿って前板部材320の中央へ集光され、投光範囲E0(図17(b)参照)に到達する。
ここで、本実施形態では、移動上蓋部材332の正面側に前板部材320が配設されるので、特定入賞口65aを隠すことができる一方、前側傾斜側面332a1fを前板部材320越しに視認することになり、前側傾斜側面332a1fの明るさの変化を把握し難い恐れがある。その場合、光照射部331c1に用いるLED等の発光素子の光の強度を上げる必要があり、光照射部331c1に用いることができる発光素子が限定されるという問題点があった。
これに対し、前側傾斜側面332a1fが、光照射部331c1から照射された光を前板部材320の中央へ集光させるので、一対の光照射部331c1から照射される光のそれぞれを重ね合わせて、投光範囲E0で視認される光の強度を向上させることができる。従って、光照射部331c1に用いることができる発光素子の選択自由度を向上させることができる(光の強度が弱い発光素子を選択することが可能となる)。
また、一対の光照射部331c1から照射された光は、正面視で部分的に重なって視認されるので(図17(b)参照)、光の色を互いに異ならせることで、一対の光照射部331c1からそれぞれ照射される光の色と、それらが合成された色との計3色の光を投光範囲E0(図17(b)参照)で視認させることができる。
ここで、一対の光照射部331c1のそれぞれから照射される光は、それぞれ単独で経路C2aに沿って転動する球に遮蔽されるので(図18参照)、球が光を遮蔽するタイミングで、投光範囲E0で視認される光の色を様々に切り替えることができる。
例えば、図18において、右側の光照射部331c1からは「青」色の光を照射し、左側の光照射部331c1からは「赤」色の光を照射する場合を考える。この場合、移動上蓋部材332が退避状態となると、投光範囲E0(図17(b)参照)に、右側から「青」、「紫(重なっている部分)」、「赤」という順で光が視認される。
この場合に、球が図18右側の経路C2aを転動して、光照射部331c1から照射される光を遮蔽すると、「青」色の光が遮蔽されることになるので、投光範囲E0には「赤」色の光のみが視認される。
一方、球が図18左側の経路C2aを転動して、光照射部331c1から照射される光を遮蔽すると、「赤」色の光が遮蔽されることになるので、投光範囲E0には「青」色の光のみが視認される。
このように、球がどの経路で転動し、どの光照射部331c1からの光を遮蔽するかにより、投光範囲E0で視認される光の態様を変化させることができる。この光の態様の変化は、釘などに衝突しながら遊技領域をランダムな経路で流下する球により生じるので、光の態様の変化をランダムなタイミングで生じさせることができる。即ち、光照射部331c1から照射される光の態様の変化を電子制御により生じさせる場合に比較して、よりランダム性に富んだ演出を行うことができ、演出効果を向上させることができる。
なお、本実施形態では、前側傾斜側面332a1fが上面視くの字形状に形成されたが、光を集光させるという観点から、上面視で放物線状に形成するようにしても良い。
次いで、図19から図37を参照して、複合動作ユニット400について説明する。
図19は、複合動作ユニット400の正面斜視図であり、図20は、複合動作ユニット400の背面斜視図である。なお図19及び図20では、複合動作ユニット400の本体部材410が退避位置に配置された状態が図示されると共に、駆動モータ462及び固定板461の図示が省略される。なお、複合動作ユニット400は、案内部材450及び後方上板470が背面ケース210の底壁部211(図6参照)に締結固定される。
図21は、複合動作ユニット400の正面分解斜視図であり、図22は、複合動作ユニット400の背面分解斜視図である。図21及び図22に示すように、複合動作ユニット400は、上下方向にスライド移動可能とされる横長矩形の本体部材410と、その本体部材410の左右両端部に一方の端部が案内可能に連結される一対の部材であって他方の端部が互いに軸支される遮蔽部材420と、本体部材410の中央正面側に首振り可能に配設される首振り部材430と、本体部材410の両端に一対が締結固定され上下方向へ延設される脚部材440と、その脚部材440が案内される案内孔452が形成される案内部材450と、脚部材440の移動に必要な駆動力を発生させる駆動装置460と、背面ケース210の開口211aの上方に締結固定される後方上板470と、その後方上板470と本体部材410との間を連結し内部に配線が収容される配線案内アーム480と、を主に備えて構成される。
図23は、本体部材410、遮蔽部材420及び首振り部材430の正面分解斜視図であり、図24は、本体部材410、遮蔽部材420及び首振り部材430の背面分解斜視図である。
図23及び図24に示すように、本体部材410は、左右方向に長尺に形成される板状のベース部材411と、そのベース部材411の左右両端部に前後方向に穿設され上下方向に延設される長孔状の脚挿通孔412と、ベース部材411の脚挿通孔412よりも左右方向内側に配置され前後方向に穿設されベース部材411の左右中心軸へ向けて上昇傾斜する方向に延設される長孔状の案内孔413と、ベース部材411の上端部から正面側へ抜けて延設される円柱状部材であって配線案内アーム480の一方の端部が軸支されるアーム軸支部414と、ベース部材411の左右方向中心から上方へ向けて延設され先端が鉤状に形成される保持部415と、ベース部材411の下端部に一対で配設され首振り部材430の軸支孔431aを軸支する軸支部416と、ベース部材411の正面に配設され首振り部材430のセンサ通過部435dを検出するフォトセンサ417と、正面視において略半円形状に形成される装飾板部418と、を主に備える。
ベース部材411は、左右方向中央部が左右両端部よりも下方へ垂下した形状とされる。これにより、左右方向中央部の上方に空間を形成でき、その空間に配線案内アーム480を配設することができる(図29参照)。
脚挿通孔412は、長孔状に形成され、脚部材440の連結固定部442(図21参照)が挿通されることで、脚部材440がベース部材411に対して軸回転することが抑制される。これにより、脚部材440と本体部材410との姿勢を安定させることができる。
案内孔413は、遮蔽部材420の挿通軸部421cが挿通され、スライド移動される長孔であって、挿通軸部421cの直径より若干大きな幅で形成される。案内孔413の上側には、脚挿通孔412の正面側を被覆し案内孔413に対向する側面が案内孔413の上辺に沿って形成される前蓋413aが配設され、案内孔413の下側には、ベース部材411の正面側に突設される板状部であり案内孔413に沿って上昇傾斜する支え板413bが配設される。
支え板413bは、正面側の端部が揺動ベース部材421の背面と当接される。これにより、揺動ベース部材421の前後揺れが支え板413bにより抑制されるので、遮蔽部材420移動中の姿勢を安定させることができる。
アーム軸支部414は、ベース部材411の中心部よりも正面視左側に配設され、より詳細には、ベース部材411の上端部が垂下し始める部分と左右方向中央部との中間部に配設される。なお、アーム軸支部414には、配線案内アーム480の第3案内アーム483(図21参照)の端部(下側の端部)が軸支され、アーム軸支部414の先端にはカラー部材が締結固定される。
保持部415は、後方上板470に配設されるスライドレバー473(図21参照)に引っかけられる部分である。即ち、本体部材410が退避位置に配置された状態(図29参照)において、スライドレバー473の上端部と保持部415の鉤状に形成された部分の下端部とが当接されることで、本体部材410の下方への移動が規制される。なお、鉤状に形成される先端部の上面に傾斜面415aが形成される。この傾斜面415aにより、スライドレバー473を張り出したままの状態で本体部材410が退避位置に移動される場合にも本体部材410の移動を妨げることが無い。
装飾板部418は、本体部材410が張出位置に配置される場合において、遮蔽部材420と共に正面視で視認される装飾部分であって、本体部材410が退避位置に配置される状態において(図29参照)、当接板421dの下面と当接される部分である。
遮蔽部材420は、一対の板状部材の端部同士が軸支される態様で形成される揺動ベース部材421と、その揺動ベース部材421の正面側に上端部が締結固定される装飾部材422と、一方の端部が揺動ベース部材421の軸支位置と同軸で揺動可能に軸支される一対の連結部材423と、その連結部材423の他方の端部が軸支される案内孔424bが形成されると共に背面ケース210の正面側上端部に締結固定される案内板424と、を主に備える。
揺動ベース部材421は、略円弧形状に形成される一対の板状部材421aから形成され、連結部材423の一方の端部に形成される軸支孔423dと同軸で軸支される揺動軸孔421bと、本体部材410の案内孔413に挿通され案内される左右一対の挿通軸部421cと、背面側に突設され本体部材410の上面と当接する当接板421dと、を主に備える。
揺動軸孔421bは、連結部材423の一方の端部に挿通される軸支棒423cが貫通され連結部材423に吊り下げ支持されると共に、一対の板状部材421aの揺動軸となる部分である。
挿通軸部421cは、本体部材410の案内孔413に挿通されるので、遮蔽部材420の左右端部は、本体部材410が中間位置(図30参照)よりも下方へ移動されるに伴って、左右方向中央へむけて近接移動される。
当接板421dは、板状部材421aから背面側に突設される曲面であって、装飾板部418の上面の形状に沿って形成される。これにより、退避位置において本体部材410の上面と当接板421dの下面とが面で当接される。
装飾部材422は、揺動ベース部材421の正面側に配設される一対の幅厚部422aと、正面視において揺動ベース部材421よりも下方に形成される部分であって下方の端部が揺動ベース部材421よりも後方へ湾曲して形成される下垂部422bと、を備える。
下垂部422bは、揺動ベース部材421よりも本体部材410に近接配置される。
連結部材423は、屈曲部423bにおいて正面視くの字状に屈曲される一対の棒部材423aから形成され、軸支棒423cを備え、棒部材423aの一方の端部には、軸支棒423cが挿通される軸支孔423dが穿設され、棒部材423aの他方の端部には、案内板424の案内孔424bに挿通され案内されるスライド軸部423eが形成される。
屈曲部423bは、軸支孔423dとスライド軸部423eとを結ぶ直線よりも上方で屈曲される。即ち、屈曲部423bの方が、軸支孔423dとスライド軸部423eとを結ぶ直線よりも揺動ベース部材421から離反して配設される。そのため、揺動ベース部材421と連結部材423との間のスペースを大きく確保することができ、揺動ベース部材421の設計自由度を向上させることができる。
スライド軸部423eは、案内孔424bに挿通される円柱部分と、その円柱部分の先端に締結固定される円板形状のカラー部材とから形成される。
案内板424は、背面ケース210に締結固定されるベース板424aと、そのベース板424aの左右両端部に前後方向に穿設され左右方向に延設される一対の長孔である案内孔424bと、を主に備える。案内孔424bは、一対が同じ高さで形成される。
案内孔424bは、左右方向、即ち背面ケース210の開口211aの上側外縁に沿った方向に形成される。そのため、連結部材423を案内するために案内板424に必要な幅を抑制することができる。この場合、案内板424を第3図柄表示装置81からより離れた位置に配置できるので、その分、遮蔽部材420をより大型に形成することができる。
首振り部材430は、軸支部416に揺動可能に軸支される部材であって、揺動動作される本体部材431と、ベース部材411の中央部の正面側に突出して配設されるベース部材432と、そのベース部材432に締結固定され本体部材431を駆動させる駆動力を発生させる駆動モータ433と、その駆動モータ433に軸支される駆動ギア434と、その駆動ギア434に歯合されると共にその駆動ギア434に対してベース部材432の上方で軸支される伝達ギア435と、その伝達ギア435の連結軸435c及び本体部材431の連結軸431bを連結する連結部材436と、を主に備える。
本体部材431は、正面側に半球状の装飾部が形成される部材であって、背面側左右方向両端部下方において左右方向に穿設され軸支部416が挿通される軸支孔431aと、背面側における中央部に配設され連結部材436の一方の端部が軸支される連結軸431bと、を主に備える。
連結軸431bは、本体部材431の背面側において、軸支孔431aの反対側(上側)の端部よりも、軸支孔431aに近接する位置に配設される。これにより、連結部材436が実際に前後に移動される移動幅に比較して、本体部材431の上側の端部の移動幅を大きくすることができる。
伝達ギア435は、ベース部材432に軸支され略半周に亘って駆動ギア434に歯合されるギアが形成される本体部435aと、その本体部435aに形成されるギアの反対側に延設される張出部435bと、その張出部435bの張出先端部から正面視右方に突設される円柱状の連結軸435cと、張出部435bの正面左方の側面に沿って形成され左右方向視で扇形に形成されると共に周縁部がフォトセンサ417を通過するセンサ通過部435d(図34参照)と、を主に備える。
連結部材436は、両端部に互いに平行な孔が穿設される棒状の部材であって、一方の端部に穿設され本体部材431の連結軸431bに軸支される一側連結孔436aと、他方の端部に穿設され伝達ギア435の連結軸435cに軸支される他側連結孔436bと、を主に備える。
図21及び図22に戻って説明する。腕部材440は、一対が上下方向に延設される長尺板状の本体部441と、その本体部441の上端部から正面側へ突設される断面が上下方向に長い長孔形状に形成される連結固定部442と、本体部441の上下端部から背面側へ突設され案内部材450の案内孔452に挿通される一対の挿通軸部443と、本体部441の下端部から正面側へ突設され付勢バネ445の一端が係止される係止部444と、その係止部444に一端が係止される付勢バネ445の他端が係止されると共に背面ケース210の正面側に締結固定される保持固定部446と、を主に備える。
本体部441は、本体部材410と対向配置される側の側面にラックギア441aが刻設され、そのラックギア441aが駆動装置460の駆動ギア463に歯合されることで、駆動装置460が発生する駆動力が脚部材440に伝達される。
挿通軸部443は、上下に長尺な長孔形状に形成され、上下に延設される案内部材450の案内孔452に挿通されるので、案内部材450に対する脚部材440の姿勢を安定させることができる。更に、挿通軸部443は、上下一対で形成されるので案内部材450に対する脚部材440の姿勢を安定させることができる。
付勢バネ445は、脚部材440を退避位置(図19参照)へ向けて移動させる付勢力を発生させる。このとき、付勢バネ445の他端が保持固定部446に係止される固定側端部として働き、一端が係止部444に係止される移動側端部として働く。
案内部材450は、左右一対で配置される上下方向に長尺な板部材である本体部材451と、その本体部材451に上下一対で前後方向に穿設され上下方向に延設される長孔状の案内孔452と、本体部材451の上下方向中央部において駆動装置460を固定する一対の固定部453と、本体部材451の上端部の正面側に配設されると共に脚部材440が退避位置(図19参照)に配置された状態において脚部材440の正面側に配設されるカバー部材454と、を主に備える。
駆動装置460は、本体部材410に近接する側が後方へ一段下げられた形状からなり本体部材410に近接する側が案内部材450の固定部453に固定され、その反対側が背面ケース210の締結部212b(図6参照)に固定される固定板461と、その固定板461に締結固定される駆動モータ462と、その駆動モータ462に軸支される駆動ギア463と、を主に備える。
固定板461は、本体部材410と離反する側が正面側に一段上げられた形状からなるので、その本体部材410と離反する側に背面ケース210と固定板461とで囲まれる隙間を形成することができる。ここで、付勢バネ445を脚部材440の左右に配置する場合、付勢バネ4454も含めた脚部材440の左右方向の配設幅は大きくなり、これにより、開口211aの左右幅が小さくなっていた。本実施形態では、背面ケース210と固定板461とで囲まれる隙間(脚部材440の正面側に形成される)に付勢バネ445を配設することができ、その分、脚部材440の左右方向のスペースを抑制することができる。
後方上板470は、背面ケース210の開口211aの上方に形成される底壁部211(図6参照)に締結固定される部材であって、板状の本体部471と、その本体部471の正面視左上端部から正面側へ突設される円柱状の軸支部472と、本体部471の中央部に配設される左右方向に長尺のスライドレバー473と、そのスライドレバー473が左右方向に移動される駆動力を発生させるソレノイド474と、スライドレバー473の正面側に被せられる形で本体部471に締結固定される前カバー475と、を主に備える。
軸支部472は、配線案内アーム480の一側筒状部481b(図25参照)が軸支される部分であって、先端にカラー部材Cが締結固定される。本体部材410へ導入される配線が軸支部472付近を通って配設される。
スライドレバー473は、本体部材410が退避位置に配置された状態において(図29参照)、本体部材410の保持部415の下面と当接され、本体部材410の下方への移動を防止する部材である。なお、スライドレバー473の先端の下面には、傾斜面473aが形成される。この傾斜面473aと本体部材410の傾斜面415aとが当接することで、当接面で互いに生じる抵抗を抑制することができる。
スライドレバー473は、ソレノイド474に電気が導通されるか否かにより張出代が変化されるものである。例えば、電気が導通されることでスライドレバー473が正面視左方に張り出される場合、電気が導通されている状態であればスライドレバー473が保持部415の下面に当接され、本体部材410の下方への移動が防止される(図29参照)。一方で、電気が導通されていない状態であれば、スライドレバー473と保持部415とは当接されず、本体部材410は下方への移動を可能とされる。
ここで、本体部材410が退避位置に配置されることに伴いソレノイド474が駆動され、スライドレバー473が保持部415に当接されることも考えられる。しかし、この場合、本体部材410が退避位置に配置されてからソレノイド474がスライドレバー473を移動させるまでの間は駆動装置460からの駆動力を解除することはできない。そのため、本体部材410の配置を検出して駆動装置460の動作を変化させる場合には、ソレノイド474がスライドレバー473を移動させる時間を考慮して駆動装置460を制御する必要があり、制御が困難となる。
これに対し、本実施形態では、スライドレバー473が張り出された状態で本体部材410を上昇移動させることで保持部415の傾斜面415aがスライドレバー473の傾斜面473aと対向配置され(図31参照)、やがて当接され、スライドレバー473が押し戻される。本体部材410が退避位置に配置されスライドレバー473の長手方向での保持部415とスライドレバー473との当接が解除されると、スライドレバー473が再度張り出され保持部415の下面とスライドレバー473の上面とが当接される(図29参照)。これにより、本体部材410の配置によらず、スライドレバーを張り出した状態にし続けることで、本体部材410が退避位置に移動された後の下方への移動を防止することができる。従って、駆動装置460の制御が容易となる。
前カバー475は、背面にスライドレバー473を案内する凹設溝であるスライド溝475aが左右方向に沿って形成される部材であって、この前カバー475のスライド溝475aにより、スライドレバー473がスライド移動中に上下方向に位置ずれすることが抑制される。
配線案内アーム480は、樹脂材料から形成され、背面ケース210に締結固定される後方上板470から本体部材410まで配線Wを案内する可動機構部であって、上から順に、一方の端部に形成される一側筒状部481bが軸支部472に軸支される第1案内アーム481と、その第1案内アーム481の他方の端部を一方の端部で軸支する第2案内アーム482と、その第2案内アーム482の他方の端部を一方の端部で軸支すると共に他方の端部がアーム軸支部414に軸支される第3案内アーム483と、を主に備える。
ここで、配線Wは帯状に形成される(図27紙面垂直方向に幅広に形成される)電気配線(例えば、フラットハーネス)である。なお、第1案内アーム481よりも第2案内アーム482の方が長手方向の長さがカラー部材Cの直径以上短く形成され、第2案内アーム482よりも第3案内アーム483の方が長手方向の長さがカラー部材Cの直径以上短く形成される。
配線案内アーム480は内部に配線Wを収容可能に構成され、配線Wが折れて断線することを防止する部材である。これにより、本体部材410に導入される配線Wを脚部材440を通して配設する必要がなく、脚部材440を配置するスペースを抑制することができる。従って、開口211aを左右方向に拡大することができる。
次いで、図25から図27を参照して、第1案内アーム481及び第2案内アーム482について説明する。なお、第3案内アーム483については、技術的思想としては第1案内アーム481及び第2案内アーム482で説明したものを含んで構成されるので、ここでは説明を省略する。
図25(a)は、第1案内アーム481の正面図であり、図25(b)は、第1案内アーム481の底面図であり、図25(c)は、図25(a)のXXVc−XXVc線における第1案内アーム481の断面図であり、図25(d)は、図25(a)のXXVd−XXVd線における第1案内アーム481の断面図である。
図25(a)から図25(d)に示されるように、第1案内アーム481は、長尺板状に形成される板状腕部481aと、その板状腕部481aの正面視左側端部において板状腕部481aの下底面(図25(a)下側の側面)の鉛直線上に軸が配置されると共に前後方向に延設される一側筒状部481bと、板状腕部481aの端部の内で一側筒状部481bの反対側の端部において板状腕部481aの下底面の鉛直線上に軸が配置されると共に前後方向に延設される他側筒状部481cと、板状腕部481aの上方に所定間隔を空けて板状に形成される添え部481dと、板状腕部481a及び添え部481dの背面側を連結する底部481eと、添え部481dの正面側側面から板状腕部481aへ向けて延設される正面係止部481fと、を主に備える。
配線Wは、板状腕部481aと、添え部481dと、底部481eとで形成される凹状断面部の内部を挿通される(図27参照)。これにより、配線Wが他の部材と擦れたり、他の部材に挟まれたりすることを抑制することができる。
板状腕部481aは、正面係止部481fと対向配置される部分に切り欠き部481a1が形成され、その切り欠き部481a1が形成される部分において板状腕部481aの板厚が薄くされる。
切り欠き部481a1は、正面視において正面係止部481fより若干大きな形状で板状腕部481aに形成される窪みであって、板状腕部481aの幅方向に亘って形成される。なお、切り欠き部481a1が形成される部分では、底部481eの形成が省略される(底部481eが貫通形成される)。
切り欠き部481a1を上述したように構成することで、第1案内アーム481を型成型で(一方向の型抜きで)容易に製造することができる。また、切り欠き部481a1から配線Wを挿入することで、第1案内アーム481に容易に配線Wを収容することができる。
板状腕部481aの内、切り欠き部481a1が形成される部分以外の部分は、正面係止部481fの張出幅よりも添え部481dとの間隔が短くされる。そのため、配線Wが第1案内アーム481に収容され、長手方向に延伸された状態(図27(a)参照)において、配線Wが正面側(図27(a)手前側)に脱落することを防止することができる。
板状腕部481aは、添え部481dと対面する側の側面に、幅方向に亘ってリブ状に形成されるリブ部Nを備える。そのリブ部Nは、第2案内アーム482と軸支される他側筒状部481c付近で形成されると共に、板状腕部481aの中間部において、第2案内アーム482から突設されるリブ部Nと交互に形成される。
他側筒状部481cは、内径が部分的に大きくされる拡径部481c1を備え、第2案内アームとの重なり代を形成するために、背面側の端面が、底部481eよりも正面側に形成される(図25(b)参照)。
拡径部481c1は、他側筒状部481cの内周側に半周(図25(a)において上側半周)に亘って形成されると共に、他側筒状部481cの他側底部481e2側から他側筒状部481cの筒の長さの略半分の長さまで形成される窪みである(図25(c)参照)。
添え部481dは、他側筒状部481cの周囲に他側筒状部481cと同軸の円弧として形成される円弧状添え部481d1を備え、板状腕部481aよりも正面側へ延設される。これにより、平面係止部481fが形成されている場合であっても、配線を正面側から挿通する隙間を確保することができる。
添え部481dは、板状腕部481aと対面する側の側面に、幅方向に亘ってリブ状に形成されるリブ部Nを備える。そのリブ部Nは、添え部481dの中間部において、板状腕部481aから突設されるリブ部N同士の中間位置に形成される。
円弧状添え部481d1は、配線Wが他側筒状部481cの外側(図27(b)右上方)に撓んだ場合に形成される略円弧状の形状の半径よりも大きな半径で形成される。
また、配線案内アーム480は背面ケース210(図7参照)の内側上端部に形成されるので、配線Wの交換やメンテナンスの際には、背面ケース210に塞がれていない経路で配線を付け外しする必要がある。本実施形態では、背面ケース210の上側壁面に近接する添え部481dが、背面ケース210の上側壁面から離反する板状腕部481aよりも前側に張り出して形成される。そのため、例えば、配線Wを外す際には、配線Wを正面側へ引っ張り出し、添え部481dから板状腕部481aへ向かう方向に引き抜けば良いので、背面ケース210の上側壁面が作業の邪魔になることは無い。配線を入れる際にはその逆方向に入れ込めば良い。よって、配線Wの交換のメンテナンス性を向上させることができる。
底部481eは、一側筒状部481bの上方に配置され一側筒状部の軸を中心とした扇形状に形成される一側底部481e1と、他側筒状部481cの上方に配置され他側筒状部481cの軸から上方に所定間隔あけた軸を中心とした扇形状に形成される他側底部481e2と、を主に備える。なお、円弧状添え部481d1の端部は他側底部481e2の端部よりも正面視左方に形成される。
平面係止部481fは、配線Wが正面側から脱落するのを防止する爪状の部材である。即ち、配線Wは、底部481eから正面係止部481fまでの長さよりも短い幅で形成される。
図26(a)は、第2案内アーム482の正面図であり、図26(b)は、第2案内アーム482の底面図であり、図26(c)は、図26(a)のXXVIc−XXVIc線における第2案内アーム482の断面図であり、図26(d)は、図26(a)のXXVId−XXVId線における第2案内アーム482の断面図である。
図26(a)から図26(d)に示されるように、第2案内アーム482は、第1案内アーム481と同様の技術的思想の構成を複数備えるため、その構成については、説明を省略する。即ち、板状腕部481aが板状腕部482aに、他側筒状部481cが他側筒状部482cに、添え部481dが添え部482dに、底部481eが底部482eに、正面係止部481fが正面係止部482fに、それぞれ対応する。
板状腕部482aは、正面係止部482fに対向配置される部分に切り欠き部482a2を備える。切り欠き部482a2の技術的思想は切り欠き部481a1の技術的思想と同様なので、説明は省略する。
板状腕部482a及び添え部482dは、互いに対面する側の側面にリブ部Nを備える。第1案内アーム481と軸支される一側軸支部482b付近においては、添え部482dにリブ部Nが形成され、第2案内アーム482の中間部においては、リブ部Nが板状腕部482a及び添え部482dに交互に形成される。
第2案内アーム482は、底部482eの右上方部から正面側に円柱状に突設されると共にその先端に締結部が形成される一側軸支部482bと、その一側軸支部482bを軸とした略円弧状に形成されると共に底部482eから同一平面上に延設される一側底部482e1と、その一側底部482e1の外周付近から正面側に突設され板状腕部482aの右側端部と連結される円弧状板部482a1と、を主に備えて形成される。
円弧状板部482a1は、配線Wが他側筒状部481cの外側(図27(b)右上方)に撓んだ場合に形成される略円弧状の形状の半径よりも大きな半径で形成される。
一側軸支部482bは、縮径部482b1が形成されると共に、第1案内アーム481の他側筒状部481cが挿通される部分であって、一側底部482e1の正面側側面が他側筒状部481cの背面側側面に当接可能に形成される。そのため、組立状態(図27参照)において、底部481e,482eが同一平面上に形成され、第1案内アーム481及び第2案内アーム482のそれぞれの回転方向で底部481e,482eが互いに当接可能に形成される。そのため、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の過回転が防止され、配線Wが過度に折り曲げられることを防止することができる(図27参照)。
縮径部482b1は、一側軸支部482bの外周側に半周(図26(a)において下側半周)に亘って形成されると共に、一側軸支部482bの一側底部482e1側から一側軸支部482bの長さの略半分の長さまで形成される窪みである(図26(c)参照)。
次いで、図27を参照して、第1案内アーム481に対する第2案内アーム482の揺動について説明する。図27(a)及び図27(b)は、第1案内アーム481、第2案内アーム482及び配線Wの正面図である。なお、図27(a)では、第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が折りたたまれた状態(図29の状態に対応する)が図示され、図27(b)では、図27(a)の状態から第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が揺動可能な可動範囲の終端部まで正面視反時計回りに揺動された状態(図33の状態に対応する)が図示される。図27(b)において、第2案内アーム482の一側底部482e1と第1案内アーム481の他側底部481e2とが当接されることで、第2案内アーム482のそれ以上の揺動が防止される。
図27(a)に示すように、配線Wは、板状腕部481a,482a、添え部481d,482d及び底部481e,482eによって形成される凹設部(図25(d)及び図26(d)参照)の内部に配設される。そのため、第1案内アーム481又は第2案内アーム482の剛性により、本体部材410の移動中に配線Wが断線されるほどに折り曲げられることを防止することができる。
また、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の軸支位置(図27(a)右端)において、配線Wは他側筒状部481cに回り込んで配設される。そのため、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の軸支位置において、配線Wが他側筒状部481cの直径以下の曲率半径で曲げられることが抑制される。従って、配線Wが屈曲されることを防止でき、配線Wの断線を抑制することができる。
図27(a)の状態は図29で図示される状態、即ち本体部材410が退避位置に配置された状態に対応する。本体部材410が、退避位置から張出位置へ移動される速度は、高速である方が演出効果を向上させ易い。本体部材410を退避位置で停止された状態から始動させる場合、本体部材410の慣性力と、配線案内アーム480の慣性力とを上回る駆動力を駆動装置460で発生させる必要がある。そのため、図27(a)の状態において、配線案内アーム480を構成する第1案内アーム481及び第2案内アーム482の軸支位置での回転抵抗は小さい方が望ましい。
本実施形態では、図27(a)に示すように、第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が折りたたまれた状態において、一側筒状部481bの軸周りを拡径部481c1及び縮径部482b1が囲う。拡径部481c1及び縮径部482b1は軸支関係を形成する相手部材から離間する方向に窪む部分であって、軸回転時の回転摩擦を抑制する効果がある。第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が折りたたまれた状態では、一側筒状部481bの軸周りに(全周に亘って)拡径部481c1及び縮径部482b1が形成されるので、第1案内アーム481に対して第2案内アーム482を回転させる際の抵抗が抑制される。
一方、図27(b)の状態では、一側筒状部481bの軸周りで拡径部481c1及び縮径部482b1が配置される範囲が、略半周とされる(図27(b)上側半周)。図27(b)に示すように、拡径部481c1及び縮径部482b1が大部分で重なる。この場合、図27(a)の状態に比較して第1案内アーム481及び第2案内アーム482の回転抵抗を大きくすることができる。
第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が折りたたまれた状態から、第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が回転されるほど拡径部481c1及び縮径部482b1が重なる長さが長くなり、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の回転抵抗が増加する。即ち、第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が回転されるにつれて第2案内アーム482の速度を遅くすることができる。
従って、他側底部481e2と一側底部482e1とが当接する際の速度を遅くすることができ、第1案内アーム481及び第2案内アーム482が、他側底部481e2と一側底部482e1とが当接することで受ける負荷を抑制することができる。これにより、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の耐久性を向上させることができると共に、勢いで第1案内アーム481及び第2案内アーム482が反対側(第2案内アーム482が図27(b)の状態から更に反時計回りに回転される側)に折れ曲がることを防止することができる。
なお、本実施形態では、配線案内アーム480は3本の部材が軸支されることで形成されるので、本体部材410の移動速度が一定の場合でも、配線案内アーム480の移動速度を可変とすることができる。
例えば、本体部材410が張出位置に配置された状態(図33参照)において、配線案内アーム480の姿勢は一通りに限定されるものではなく、第3案内アーム483が上向きに回転可能(姿勢変化可能)な分は変化可能である。そのため、本体部材410の移動中も第3案内アーム483の姿勢変化により第1案内アーム481の移動速度を調節することができる。そのため、配線案内アーム480の移動速度を本体部材410の移動中に変化させたとしても、それに伴って本体部材410の移動速度を変化させることを不要とできる。
図27(b)に示すように、他側底部481e2と一側底部482e1とが当接される際に、円弧状添え部481d1と円弧状板部482a1との間に隙間が形成される。この隙間により、配線Wが他側筒状部481cの外側(図27(b)右上方)に撓んだとしても、配線Wが円弧状添え部481d1と円弧状板部482a1との間に挟まれることを防止することができ、配線Wの断線を防止することができる。
図27(b)に示すように、配線案内アーム480が開かれた状態であるとき、配線Wが他側筒状部481cの外側に大きく移動し、特に、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の端部(軸支位置)付近で配線Wが位置ずれし易い。配線Wが第1案内アーム481及び第2案内アーム482に対して位置ずれすることを繰り返すと、配線Wと第1案内アーム481及び第2案内アーム482の内側面とが擦れ、配線Wの耐久性が低下する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の内側面にリブ状に形成されるリブ部Nが配線Wに引っかかることで、配線Wと第1案内アーム481及び第2案内アーム482との抵抗を向上させ、配線Wが位置ずれすることを抑制することができる。
第1案内アーム481及び第2案内アーム482の軸支位置付近において、配線Wが他側筒状部481cから離反する方向の反対側の側面にリブ部Nを形成することで、配線Wを効果的に支えることができる。即ち、例えば、円弧状添え部481d1と添え部481dの連結位置から添え部481d側へ向けて張り出す配線Wの部分は、円弧状添え部481d1の形状に沿って板状腕部481aに押し付けられる。そのため、その押し付けられる部分にリブ部Nを形成することで、配線Wと板状腕部481aとの間の抵抗を上昇させることができる。
なお、上述した配線Wが押し付けられる板状腕部481aの軸支位置付近の部分の側面を添え部481dの反対側に湾曲して窪ませることで、配線Wをその窪みに嵌り込ませ、配線Wと板状腕部481aとの位置ずれを抑制することができる。この場合、湾曲した窪みの面と配線Wとが面接触で接触するので、配線Wがリブ部Nから点接触で抵抗を受けるのに比較して、配線Wの局所的な摩耗を抑制することができる。
また、軸支位置付近で、板状腕部481a及び添え部481dの間隔を広くしても良い。例えば、図27(b)右側の正面係止部481fから他側筒状部481cに近づくほど添え部481dが板状腕部481aから離反する態様で傾斜しても良い。この場合、添え部481dと板状腕部481aとの間隔を広げた部分(他側筒状部481c付近の部分)によって、配線Wを湾曲させることで、支持部付近での配線Wのたるみを吸収することができ、第1案内アーム481の中間部(正面係止部481fに挟まれる部分)での配線Wの位置ずれを抑制することができる(配線Wが支持部付近でのたるみを相殺するために第1案内アーム481の長手方向に位置ずれすることを抑制できる)。従って、配線Wが第1案内アーム481の内側面と擦れ、摩耗することを抑制し、配線Wの耐久性を向上させることができる。
第1案内アーム481及び第2案内アーム482の中間部分では、リブ部Nが対向配置される内側面に交互に形成される。そのため、対向配置される内側面の一方のみにリブ部Nが形成される場合に比較して、配線Wを、より多くのリブ部Nに引っかけ易くすることができる。これにより、配線Wと、第1案内アーム481及び第2案内アーム482との間の抵抗を上昇させることができ、配線Wと第1案内アーム481及び第2案内アーム482との位置ずれを抑制することができる。
図27では、配線案内アーム480の正面側に締結固定される円板状のカラー部材Cが想像線で図示される。カラー部材Cは、例えば、一側軸支部482bの先端や、一側筒状部481bに挿通される軸支部472(図21参照)の先端に締結固定され、各筒状部481b,481cの正面側への移動を防止する部材である。
本実施形態では、カラー部材Cは、隣接する添え部481d,482dに少なくとも一部が正面視で重なる位置まで延設されるか、正面視で重ならずとも、カラー部材Cと添え部481d,482dとの間から配線Wが抜け落ちない位置まで延設される。例えば、図27(b)の左端において、カラー部材Cと添え部481dとの間に隙間が生じているが、配線Wが一側筒状部481bから離間する(外側に膨らむ)変形をする箇所ではないので、その隙間から配線Wが脱落する恐れは小さい。即ち、カラー部材Cが配線Wと正面視(図27)で重なるまで延設されることで、配線Wの脱落を防止するのに十分な直径を有している。これにより、配線Wが配線案内アーム480から脱落することが防止される。
ここで、第1案内アーム481と第2案内アーム482とが同じ長さで形成されるとすると、第1案内アーム481と第2案内アーム482とを折りたたむ際にカラー部材Cが当接され、折りたたむことができなくなる。これに対し、本実施形態では、第1案内アーム481と第2案内アーム482との長手方向の長さが異なっている。即ち、第1案内アーム481と第2案内アーム482との互いの延設方向が平行となるまで折りたたまれた状態(図27(a)参照)において、一側筒状部481bの正面側に配設されるカラー部材Cと他側筒状部482cの正面側に配設されるカラー部材Cとが干渉しない程度に異なる。
これにより、カラー部材Cを配設することで配線Wが配線案内アーム480から脱落することを抑制しながら、配線案内アーム480を折りたたむことによる配置スペースの抑制も行うことができる。なお、第1案内アーム481と第2案内アーム482との長手方向の長さ(カラー部材Cの軸までの長さ)は、カラー部材Cの直径以上に異なっていることが望ましい。
次いで、複合動作ユニット400の動作について説明する。まず、図28から図33を参照して、本体部材410のスライド移動に対する遮蔽部材420の姿勢の変化について説明する。
図28は、複合動作ユニット400の正面図であり、図29は、複合動作ユニット400の背面図であり、図30は、複合動作ユニット400の正面図であり、図31は、複合動作ユニット400の背面図であり、図32は、複合動作ユニット400の正面図であり、図33は、複合動作ユニット400の背面図である。
なお、図28及び図29では、本体部材410が退避位置に配置された状態が図示され、図30及び図31では、図28及び図29の状態から本体部材410に対する揺動ベース部材421の姿勢が維持された状態で連結部材423のスライド軸部423eが案内孔424bの内側の端部に配置される中間位置に本体部材410が配置された状態が図示され、図32及び図33では、本体部材410が張出位置に配置された状態が図示される。
また、図28では、首振り部材430の本体部材431が想像線で図示され、図28、図30及び図32では、本体部材410の一部が隠れ線で図示されると共に重畳部Pが想像線で図示され、図29、図31及び図33では、後方上板470が想像線で図示される。
さらに、図30では、連結部材423付近が拡大視され、その拡大視された図の中で連結部材423が一対の案内孔424bの中心側の端部から所定量移動した状態が想像線で図示される。また、図31では、案内孔413付近が拡大視され、その拡大視された図の中で挿通軸部421cが案内孔413の下端部から所定量移動した状態が想像線で図示される。
本体部材410は、駆動ギア463が回転されることで、その駆動ギア463に歯合される脚部材440の移動に伴い案内孔452に沿って上下方向に移動される。
図28及び図29に示すように、本体部材410が退避位置に配置された状態において、遮蔽部材420の揺動ベース部材421の当接板421dがベース部材411の装飾板部418に支えられることで、揺動ベース部材421の左右方向中央部が支えられる。この状態において、連結部材423のスライド軸部423eは案内板424の案内孔424bの左右方向外側の端部に配置され、遮蔽部材420の挿通軸部421cは本体部材410の案内孔413の下端部に配置され、配線案内アーム480は各案内アームの延設方向が互いに平行とされる姿勢で折りたたまれた状態とされる。また、スライドレバー473の上側面と保持部415の下側面とが当接されることで、本体部材410の下方への移動が防止される。
図28に示すように、首振り部材430の伝達ギア435等の機構部分の少なくとも一部が、遮蔽部材420の一対の装飾部材422の間に形成される隙間(左右方向中央に形成され下方へ行くほど広くなる隙間)に配設される(図28及び図34参照)。これにより、本体部材410が退避位置に配置された状態において、首振り部材430を遮蔽部材420に上下方向で詰めて配置することができ、遮蔽部材420及び首振り部材430の上下方向の幅を抑制することができる。この場合、本体部材410、遮蔽部材420及び首振り部材430が形成する正面視の面積を小さくすることができるので、これに伴い、開口211a(図6参照)をより大型化することができる。
ここで、例えば、首振り部材430の伝達ギア435等の機構部分が本体部材410の正面側に配設される場合がある。この場合に、本体部材410と装飾部材422との重畳部Pの面積を広げる(本体部材410の移動方向において本体部材410と装飾部材422とを寄せる)ためには、装飾部材422をその機構部分の正面側に配置することが考えられる。一方で、この場合、装飾部材422を収容する首振り部材430を正面側(本体部材410から離反する方向)に移動させる必要が生じるので、首振り部材430の正面側の空間が抑制され、首振り部材430を正面側に立体的に形成することが困難となる。
これに対し、本実施形態によれば、一対の装飾部材422が互いに離反されることで生じる間のスペースに首振り部材430の少なくとも一部(伝達ギア435等の機構部分)を収容することができる。これにより、例えば、本体部材410と装飾部材422との重畳部Pの面積を広げるために首振り部材430の機構部分の正面側に装飾部材422を移動させることが不要となるので、首振り部材430を本体部材410に近接配置させることができる。これにより、首振り部材430を正面側に立体的に形成することができる。
なお、図28では、首振り部材430は本体部材431が傾倒する姿勢(図34参照)をとるので、起立する姿勢(図32及び図35参照)に比較して正面視の上下幅が抑制される。従って、首振り部材430単体で見ても、首振り部材430が形成する正面視の面積を抑制することができる。
図30及び図31に示すように、本体部材410が中間位置に配置された状態において、遮蔽部材420の揺動ベース部材421の当接板421dがベース部材411の装飾板部418に支えられることで、揺動ベース部材421の左右方向中央部が支えられる(即ち、遮蔽部材420が図28及び図29の姿勢と同じ姿勢とされる)。この状態において、連結部材423のスライド軸部423eは案内板424の案内孔424bの左右方向内側の端部に配置され、遮蔽部材420の挿通軸部421cは本体部材410の案内孔413の下端部に配置される。また、配線案内アーム480は第3案内アーム483が本体部材410の上側側面に載置され、第1案内アーム481及び第2案内アーム482が左右方向に対してそれぞれ傾斜した姿勢をとる。
なお、第3案内アーム483が他の案内アーム481,482に比較して短く形成されるので、第3案内アーム483が本体部材410の上側面に安定して載置される状態を、本体部材410の移動中においてより長く維持させることができる。これにより、配線案内アーム480の内部に配設される配線Wをより安定させることができ、配線Wの断線を防ぐことができる。
ここで、本体部材410が高速で下方へ移動され、中間位置に配置された場合、連結部材423のスライド軸部423eが、案内孔424bの内側の端部で跳ね返り、遮蔽部材420の揺動ベース部材421と連結部材423との軸支位置(軸支棒423c、図23参照)が上方へ跳ね、遮蔽部材420の姿勢が安定しない恐れがある。これに対し、本実施形態では、揺動ベース部材421の挿通軸部421cを案内する案内孔413が左右方向内側へ向かうほど上昇傾斜して形成されると共に、スライド軸部423eが案内される案内孔424bが左右方向に形成される。
換言すれば、スライド軸部423eが案内孔424bの内側の端部に到達する時に、挿通軸部421cが、揺動ベース部材421と連結部材423との軸支位置の跳ね返る方向に垂直な方向成分を有する方向に移動可能に案内される。
そのため、揺動ベース部材421の上方への移動に伴い上方へ移動される挿通軸部421cに対して、案内孔413の上側面から下方へ向けた抵抗Fがかけられ、挿通軸部421cの上方への移動が抑制される。この場合、揺動ベース部材421が上方へ跳ねること及び連結部材423のスライド軸部423eが案内孔424bの内側の端部で跳ね返ることが抑制される。加えて、揺動ベース部材421が上方へ跳ね、連結部材423が上方へ跳ねたとしても、スライド軸部423eが案内孔424bの上下の側面に当接されることで、連結部材の移動が抑制される。
また、本実施形態では、連結部材423に屈曲部423bが形成され、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔424bの内側の端部で跳ね返ったとしても、屈曲部423bは揺動ベース部材421の上側面から離反される方向へ移動する(屈曲部213bが左右方向中央側へ距離Xだけ移動する)。そのため、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔424bの左右方向内側の端部で跳ね返った場合に連結部材423と揺動ベース部材421との間に十分な間隔を形成でき、連結部材423と揺動ベース部材421とが衝突することを防止できる。これにより、揺動ベース部材421の設計自由度を向上させることができる。
本体部材410が中間位置に配置された状態では、揺動ベース部材421の左右方向への移動を、その揺動ベース部材421に連結される連結部材423が抑制する。即ち、例えば、揺動ベース部材421が外乱により正面視左方へ移動され始める場合には、正面視右方の案内孔424bに挿通される連結部材423が一対の案内孔424bの左右方向中央の端部に移動をせき止められ、揺動ベース部材421の左右方向への移動が抑制される。そのため、揺動ベース部材421の配置を安定させることができる。
図32及び図33に示すように、本体部材410が張出位置に配置された状態において、遮蔽部材420の揺動ベース部材421が、連結部材423に吊り下げ支持される。この状態において、連結部材423のスライド軸部423eは案内板424の案内孔424bの左右方向内側の端部に配置され、遮蔽部材420の挿通軸部421cは本体部材410の案内孔413の上端部に配置される。また、配線案内アーム480は、第1案内アーム481の他側底部481e2(図25参照)と第2案内アーム482の一側底部482e1(図26参照)とが揺動方向で当接される姿勢をとる。
ここで、本体部材410が中間位置から張出位置へ移動する場合、その移動に伴い、左右一対の挿通軸部421cは案内孔413に沿って互いに左右方向反対向きに上昇移動する。即ち、本体部材410の左右一対の案内孔413から一対の揺動ベース部材421に負荷される力は、それぞれ左右逆方向へ向き、互いに相殺し合う。そのため、一対の揺動ベース部材421の中心軸上に形成される揺動軸孔421b(図33参照)が左右方向に位置ずれすることが抑制されるので、遮蔽部材420が左右方向に位置ずれすることが抑制される。
図33に示すように、本体部材410が張出位置に配置された状態において、遮蔽部材420の一対の揺動ベース部材421及び一対の装飾部材422が互いに当接される。これにより、例えば、一方の揺動ベース部材421が他方の揺動ベース部材421よりも速く移動し、一対の揺動ベース部材421で互いに位置ずれ(上下方向のずれ)が生じても、他方の揺動ベース部材421との当接によりその位置ずれを抑制することができる。これにより、遮蔽部材420の張出位置での姿勢を安定させることができる。
重畳部Pの面積の変化について説明する。重畳部Pは、正面視において本体部材410と遮蔽部材420とが重なる部分を意味する。図28及び図30に示すように、本体部材410が退避位置に配置される状態から本体部材410が中間位置に配置される状態までは、本体部材410の大部分が重畳部Pに該当する。これに対し、図32に示すように、本体部材410が張出位置に配置される状態では、特に左右方向中央部において、遮蔽部材420が本体部材410の上方へ移動され、重畳部Pの面積が小さくされる。即ち、本体部材410と遮蔽部材420とが別々に視認可能とされる。
これにより、本体部材410が退避位置に配置される場合に比較して、本体部材410が張出位置に配置される場合の方が、本体部材410と遮蔽部材420との正面視での面積が大きくされ、特に左右方向中央部における上下方向の幅が拡大される。この場合、遊技者の注目を集めやすい第3図柄表示装置81(図2参照)の中央部において本体部材410と遮蔽部材420とで形成される領域の正面視での面積変化を大きくでき、演出効果を向上させることができる。
本実施形態では、上述した重畳部Pの面積の変化が、本体部材410及び遮蔽部材420が第3図柄表示装置81(図2参照)の正面に張り出し始めてから生じる。これにより、あたかも本体部材410及び遮蔽部材420が膨張する態様で演出を行うことができ、演出効果を向上させることができる。
次いで、図34及び図35を参照して、複合動作ユニット400の首振り部材430の動作について説明する。図34は、図28のXXXIV−XXXIV線における複合動作ユニット400の部分断面図であり、図35は、図32のXXXV−XXXV線における複合動作ユニット400の部分断面図である。なお、図34では、首振り部材430の本体部材431が傾倒された状態が実線で図示され、首振り部材430の本体部材431と本体部材410との間に装飾部材422の下垂部422bが収容された状態が図示される。また、図35では、首振り部材430の本体部材431が起立された状態が実線で図示され首振り部材430が傾倒された状態が参考として想像線で図示されると共に、張出状態に配置される揺動動作ユニット500の移動部材540が想像線で図示される。
図34及び図35に図示されるように、駆動ギア434が駆動モータ433(図23参照)に回転され、それに伴い伝達ギア435が回転することで、連結軸435cが前後に移動し、その連結軸435cに軸支される連結部材436が前後方向に移動することで、その連結部材436に軸支される本体部材431が軸支部416(図23参照)を中心に揺動する。この場合、本体部材431は装飾部材422bと近接および離反する方向に移動されることになる。なお、首振り部材430は、図34に示す傾倒状態と、図35に示す起立状態とを、任意の位置で切り替えることができ、遮蔽部材420と干渉しない限りにおいて姿勢変化が可能とされる。
軸支部416(図23参照)は首振り部材430の下端側に連結されるので、首振り部材430が傾倒状態(図34参照)とされる場合に、遮蔽部材420と対向配置される上端側と本体部材410との間隔Dを大きく確保することができる。また、一方で、遮蔽部材420の反対側である首振り部材430の下端部の移動幅を小さくすることができ、首振り部材430が前後にスライド移動する場合に比較して、首振り部材430を配設するのに必要なスペースを抑制することができる。
換言すれば、前後方向へのスライド移動により遮蔽部材420を収納するスペースを確保する場合、遮蔽部材420の反対側である首振り部材430の下端部も上端部と同様に間隔Dだけ移動するので、その分、首振り部材430の配設スペースが嵩む。これに対し、本実施形態では、首振り部材430を揺動させるので、遮蔽部材420を本体部材410及び首振り部材430の間にスムーズに収容することと、首振り部材430の配設領域を抑制することとを両立することができる。
本実施形態では、特に、首振り部材430が傾倒動作する間において、本体部材431の正面側下部の外形の変化幅dが小さい。そのため、本体部材431の下方に他の部材が近接または当接した状態(図9参照)で、本体部材431を傾倒動作させても、部材間で負荷がかかることを抑制することができる。
本実施形態では、図9の状態で、本体部材431と対向配置される移動部材540(図40参照)の上面が下に凸の曲面を形成しており、この曲面に本体部材431が近接する位置(正面視で本体部材431と移動部材540とが部分的に重なる位置)で本体部材431を傾倒動作させることができる。これにより、本体部材431の下部において本体部材431と移動部材540とを近接させ一体的に視認させる効果を確保しながら、本体部材431の上部において大きな幅で本体部材431の姿勢を変化させることができる。
図34及び図35に図示されるように、遮蔽部材420の装飾部材422は下方へ向かうほど(軸支部416へ近接するほど(図23参照))、背面(本体部材410側)へ向かって傾斜され、首振り部材430から離反する向きに湾曲して形成される。この場合、装飾部材422が首振り部材430と本体部材410との間に収容され始める際の、装飾部材422と首振り部材430との間の距離を確保することができ、装飾部材422と首振り部材430との衝突を避けることができる。
また、装飾部材422の上端部を前面に張り出させながら、本体部材410と首振り部材430との間に形成される隙間の深く(下方)まで装飾部材422の下端部を収納することができる。首振り部材430の正面側には他の部材が配置されないので、首振り部材430の正面部分の形状の設計自由度を向上させることができる。
図35に図示されるように、首振り部材430が起立された状態では、装飾部材422が首振り部材430と本体部材410との間から上方へ離間され、首振り部材430の本体部材431の上端部と本体部材410とが近接配置される。これにより、本体部材410と首振り部材430との間に装飾部材422が収容されない場合のデッドスペースを埋めることができる。また、首振り部材430の本体部材431を本体部材410と近接配置させる姿勢を形成可能とすることで、前後幅が規定されるパチンコ機10における首振り部材430の前後方向への移動幅を大きく確保することができ、首振り部材430の揺動動作の演出効果を向上させることができる。
ここで、図34では、首振り部材430が第3図柄表示装置81の上方に配置され、首振り部材430が傾倒された状態が図示される。この場合、首振り部材430の正面側の演出面の向きA1は、正面へ向けて斜め下方へ傾斜した向きとされる。これに対し、図35では、首振り部材430が第3図柄表示装置81(図2参照)の正面側に配置され、首振り部材430が起立された状態が実線で図示される。この場合、首振り部材430の正面側の演出面の向きA2は、正面へ向けられる。即ち、首振り部材430の揺動の度合いを調整することで、首振り部材430の正面側の向きA1,A2を遊技者の目(第3図柄表示装置81の中央の正面側)へ向かう向きに調整することができる。よって、首振り部材430の注目力を向上させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、首振り部材430の注目力の向上のために新たに回転軸を設けることはせず、軸支部416(図23参照)を活用している。即ち、軸支部416は、装飾部材422が首振り部材430と本体部材410との間に収容され始める際の、装飾部材422と首振り部材430との間の距離を確保する目的と、首振り部材430の正面側の向きA1,A2を遊技者の目(第3図柄表示装置81の中央の正面側)へ向かう向きに調整する目的とに兼用されている。
首振り部材430の揺動の度合いは、センサ通過部435dがフォトセンサ417を通過するか否かで判断することができる。即ち、図34に示す状態では、センサ通過部435dはフォトセンサ417を通過していない。一方で、図35に示す状態では、センサ通過部435は、フォトセンサ417を通過している。そのため、本実施形態では、センサ通過部435がフォトセンサ417を通過していない状態において首振り部材430と本体部材410との間の隙間が確保される。
従って、センサ通過部435がフォトセンサ417を通過していない状態で本体部材410を上昇移動させることで、首振り部材430と遮蔽部材420とを干渉させることなく、遮蔽部材420を本体部材410と首振り部材430との間に収容することができる。
ここで、図36及び図37を参照して、下垂部422bの形状により、複合動作ユニット400の動作の不具合が抑制されることについて説明する。図36は、複合動作ユニット400の正面図であり、図37は、図36のXXXVII−XXXVII線における複合動作ユニット400の部分断面図である。なお、図36及び図37では、首振り部材430の本体部材431が起立状態(図35参照)から所定角度傾倒されると共に本体部材431の背面側が下垂部422bに当接した状態が図示される。
図36及び図37に示すように、首振り部材430の本体部材431が起立状態(図35参照)及び傾倒状態(図34参照)の途中の姿勢とされる状態で、本体部材410を上下移動させる制御を行う場合がある。この制御は、例えば、複合動作ユニット400を図34の状態から図35の状態に即座に変える場合に行われる。
ここで、図35に示す起立状態から、首振り部材430の本体部材431が傾倒状態(図35破線参照)に至るのを確認してから本体部材410を駆動する駆動モータ462(図21参照)を回転させれば、本体部材431の背面側が下垂部422bに当接する状態は生じ得ない(図34参照)。
しかし、この場合、首振り部材430の動作の完了を待ってから駆動モータ462(図21参照)を回転させる。そのため、首振り部材430を傾倒させる駆動モータ433(図23参照)及び本体部材410を駆動する駆動モータ462を同時に回転させる場合に比較して、複合動作ユニット400を図34の状態から図35の状態に変える期間が長くなる。換言すれば、複合動作ユニット400を図34の状態から図35の状態に即座に変えるためには、駆動モータ433及び駆動モータ462を同時に駆動させる必要がある。この場合には、首振り部材430の本体部材431が起立状態(図35参照)から傾倒状態(図34参照)へ至る途中に、本体部材410を上下移動させることになる。この場合、首振り部材430の本体部431が下垂部422bに当接し、複合動作ユニット400が動作不良を起こす恐れがある。
これに対し、本実施形態では、下垂部422bが湾曲して形成される(図37参照)。そのため、図37に示すように、首振り部材430の本体部材431の背面側(平面で形成される)との当接を、面での当接ではなく、点(線)での当接とすることができ、当接位置での摩擦抵抗を抑制することができる。従って、首振り部材430の本体部材431と下垂部422bとの当接により、複合動作ユニット400が動作不良を起こすことを抑制することができる。
例えば、図36及び図37の状態が、図35から本体部材410が上昇移動する途中の状態である場合、首振り部材430の本体部材431と下垂部422bとの当接位置での摩擦抵抗が大きいと、本体部材410の移動速度を低下させる要因となる。一方で、本実施形態では、首振り部材430の本体部材431と下垂部422bとの当接位置での摩擦抵抗が抑制されるので、本体部材410の移動速度を大きくすることができる。また、本体部材410が上昇移動するのに伴い首振り部材430の本体部材431が下垂部422bの湾曲形状になついて傾倒するので、下垂部422bが首振り部材430の本体部材431に駆動力を与える関係が生じる。これにより、駆動モータ433が首振り部材430を傾倒動作させる負担を低減することができる。
また、例えば、図36及び図37の状態が、図34から本体部材410が下降移動する途中の状態である場合、首振り部材430の本体部材431と下垂部422bとの当接位置での摩擦抵抗が大きいと、本体部材410の移動速度を低下させる要因となる。一方で、本実施形態では、首振り部材430の本体部材431と下垂部422bとの当接位置での摩擦抵抗が抑制されるので、本体部材410の移動速度を大きくすることができる。また、下垂部422bが斜め後ろに下降傾斜する態様で形成されると共に本体部材431の背面側が平面状に形成されるので、それらが互いに当接しながら本体部材410が下降移動しても、下垂部422b及び本体部材431が互いに引っかかることがない。
これらから、首振り部材430の本体部材431が傾倒する途中で本体部材410を移動させることにより複合動作ユニット400が動作不良を起こすことが防止される。従って、首振り部材430の本体部材431が傾倒する途中で本体部材410を移動させることにより複合動作ユニット400の状態を即座に変化させることができる。
次いで、図38から図50を参照して、揺動動作ユニット500について説明する。図38は、揺動動作ユニット500の正面斜視図であり、図39は、揺動動作ユニット500の背面斜視図である。なお、図38及び図39では、移動部材540が退避位置に配置された状態が図示される。
揺動動作ユニット500は左右一対の動作ユニットにより構成されるが(図5参照)、それらの技術的構成は共通なので、図38から図50においては、左右一対の動作ユニットの内の左側の動作ユニットを揺動動作ユニット500として説明する。
図40は、揺動動作ユニット500の正面分解斜視図であり、図41は、揺動動作ユニット500の背面分解斜視図である。なお、図40では、締結孔部527が部分的に拡大視され、図41では、橋架け部材528が部分的に拡大視される。
図40及び図41に図示されるように、揺動動作ユニット500は、矩形板状のベース部材510と、両端部に軸支孔522,526が形成されベース部材510に一側軸支孔522が揺動可能に軸支される長尺板形状の駆動側アーム部材520と、両端部に形成される軸支孔532,533の中心軸同士の距離が駆動側アーム部材520の軸支孔522,526の中心軸同士の距離と同等の長さとされると共に一方の端部の一側軸支孔532がベース部材510に揺動可能に軸支される長尺板形状の従動側アーム部材530と、駆動側アーム部材520の他側軸支孔526及び従動側アーム部材530の他側軸支孔533に揺動可能に軸支される横長ブロック形状の移動部材540と、駆動側アーム部材520を揺動させるための駆動力を発生させる駆動装置550と、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530を挟んでベース部材510の正面側に配設されると共に駆動モータ551が締結固定される前板部材560と、を主に備える。
ベース部材510は板状の本体部511と、その本体部511の正面視右側部から正面側に円柱状に突設される複数の軸支部512と、その軸支部512の内の最も下方の第3軸部512cの正面視左方において穿設される駆動ギア受け孔513と、軸支部512の右方に配設されるフォトセンサ514と、本体部511の正面視左側部から正面側に矩形状に突設される下支え部515と、を主に備える。
本体部511は、第1軸部512aの正面視左側と正面視右側では上端部の高さが異なって形成される。即ち、第1軸部512aの正面視左側に、上側側面が一段下げられた段下げ部511aを備える。
段下げ部511aは、揺動動作ユニット500の移動部材540が張出位置に配置された状態で第3図柄表示装置81の表示領域を広げる効果(図8参照)を備える。また、移動部材540が退避位置に配置された状態において、例えば、従動側アーム部材530が後ろ倒れした場合に、従動側アーム部材530と本体部511とが前後方向で当接する恐れのある面積を減らすことができる(図39参照)。これにより、移動部材540が退避位置から張出位置へ向けて移動する場合、もしくは移動部材540が張出位置から退避位置へ向けて移動する場合に、従動側アーム部材530と本体部511とがこすれる恐れのある面積を減らすことができ、移動部材540をスムーズに移動させることができる。
軸支部512は、上下方向に離間して配設されると共に軸が互いに平行な3本の棒部材から形成され、上から順に、従動側アーム部材の一方の端部が軸支される第1軸部512aと、駆動側アーム部材の一方の端部が軸支される第2軸部512bと、駆動ギア552に歯合される伝達ギア553が軸支される第3軸部512cと、を主に備える。
駆動ギア受け孔513は、駆動ギア552の背面側に張り出す段部分を内嵌する貫通孔である。
下支え部515は、駆動側アーム部材520が退避位置に配置された状態において、駆動側アーム部材520の他方の端部の下側面の下側に当接され、駆動側アーム部材520の他方の端部がそれ以上下方へ揺動されることが防止される。
駆動側アーム部材520は、樹脂材料から形成される部材であって、長尺板状に形成される本体板部521と、その本体板部521の一方の端部(正面視右方の端部)において前後方向に穿設され第2軸部512bが挿通される一側軸支孔522と、その一側軸支孔522の下方に形成される一側軸支孔522を中心とした半円の外周にギア歯が刻設されるギア部523と、そのギア部523の外周付近から正面側へ嵩上げされる嵩上げ部521aに締結固定されるセンサ通過板524と、一側軸支孔522と同軸配置される貫通孔を備え本体板部521の背面側に締結固定されるカラー部材525と、本体板部521の他方の端部(正面視左方の端部)において前後方向に穿設され移動部材540の第2軸部542bがカラーを介して軸支される他側軸支孔526と、本体板部521の他方の端部寄りに配置され前後方向に穿設される一対の締結孔527a1,527b1を含む一対の締結孔部527と、その締結孔部527に挿通部528a2,528b2が挿通され締結固定される橋架け部材528と、を主に備える。
本体板部521は、一方の端部(図40右側端部)に、案内孔部563に挿通され先端にセンサ通過板524が締結固定される嵩上げ部521aを備える。
ギア部523は、駆動装置550の伝達ギア553の第2ギア部553bに歯合される部分であって(図48参照)、正面側に覆設される傘部523aを備える。
傘部523aは、本実施形態では、ギア歯523の全体を覆う態様で形成される(図48参照)。但し、傘部523aは、必ずしもギア歯523の全体を覆う必要は無く、少なくとも伝達ギア553の第2ギア部553bのギア歯に被さる態様で形成されることで、傘部523aが第2ギア部553bに当接可能となり、駆動側アーム部材520のぐらつきを防止することができる。
センサ通過板524は、組立状態において前板部材560の正面側に配設される部材であって(図42参照)、本体板部521の一方の端部に嵩上げされて締結固定される締結部524aと、その締結部524aから組立状態における一側軸支孔522を中心とした径方向に延設されるセンサ通過板部524bと、を主に備える。
センサ通過板部524bは、前板部材560の正面側の側面と対向配置されると共に、フォトセンサ514の内側を通過される部材である。ここで、センサ通過板部524bは、前板部材560の正面側側面と当接可能とされ、センサ通過板部524bが前板部材560に当接されることで、駆動側アーム部材520の第2軸部512bに対する軸倒れが抑制される。その一方で、センサ通過板部524bは、フォトセンサ514の内部を通過することで駆動側アーム部材520が退避位置に配置される姿勢とされたことを検出可能とする部材である。即ち、センサ通過板部524bを、駆動側アーム部材520の変形(軸倒れ)に対する抵抗力の上昇と、駆動側アーム部材520の姿勢の検出と、に兼用することができる。
カラー部材525は、外形が角を丸くされた略ひし形状に形成される板状部材であって、その外形の短手方向の端部を直径とする円形外形を有する本体部525aと、その本体部525aの中心に穿設される外嵌孔525bと、本体部525aの左右両側に配設され先端が先細りして形成されると共に本体板部521に締結固定される一対の締結部525cと、を主に備える。
一対の締結孔部527は、第1橋架け部材528aが固定される第1締結孔部527aと、第2橋架け部材528bが固定される第2締結孔部527bと、を備える。
図40に示すように、一対の締結孔527は、駆動側アーム部材520の他側軸支部526側(移動部材540が配設される側)に形成されるので、締結孔527と一側軸支孔522との距離を長く確保することができる。そのため、後述するように、従動側アーム部材530が橋架け部材528に当接し、駆動側アーム部材520に捻り変形が生じる恐れがある場合でも、その変形を締結孔527と一側軸支孔522との間の部分で長い距離を使って生じさせることができる(長手方向の所定長さあたりの捻り角度を小さくすることができる)。この場合、一側軸支孔522から第2軸部512bにかけられる負荷(第2軸部512bを倒して折る方向の負荷)を抑制することができ、第2軸部512bの耐久性を向上させることができる。
第1締結孔部527aは、第1橋架け部材528aが締結固定される第1締結孔527a1と、その第1締結孔527a1に隣接して穿設されると共に補助突部528a3が挿通されることで第1橋架け部材528aが回転不能に固定される第1ピン留め孔527a2と、を備える。
第1締結孔527a1と第1ピン留め孔527a2とは、駆動側アーム部材520の短手方向に対して所定角度θ1(θ1<90度)を成す線に沿って配置される(図43参照)。
第2締結孔部527bは、第2橋架け部材528bが締結固定される第2締結孔527b1と、その第2締結孔527b1に隣接して穿設されると共に補助突部528b3が挿通されることで第2橋架け部材528bが回転不能に固定される第2ピン留め孔527b2と、第2締結孔527b1及び第2ピン留め孔527b2の外縁を正面側へ盛り上げる態様で形成される台部527b3と、を備える。
第2締結孔527b1と第2ピン留め孔527b2とは、駆動側アーム部材520の短手方向に対して所定角度θ2(θ2<90度)を成す線に沿って配置される(図43参照)。即ち、第2橋架け部材528bが図43手前側に撓み変形する場合に、駆動側アーム部材520に与える負荷を、捻れ方向(駆動側アーム部材520の長手方向を軸とした回転の方向)と撓み方向(駆動側アーム部材520が正面側に撓む方向)とで分割させることができる。これにより、第2橋架け部材528bが従動側アーム部材530から負荷を受け、撓み変形した場合に、駆動側アーム部材520が長手方向を軸に捻れ変形することを抑制することができる。
橋架け部材528は、他側軸支部526に近い側に配設される第1橋架け部材528aと、その第1橋架け部材528aを挟んで他側軸支部526の反対側に配設されると共に第1橋架け部材528aに比較して大型(長尺であると共に短手方向に幅広)に形成される第2橋架け部材528bと、を備える。
第1橋架け部材528aは、長尺板形状に形成される本体部528a1と、第1締結孔527a1に挿通されると共に締結固定される挿通部528a2と、その挿通部528a2に隣接して突設される補助突部528a3と、本体部581a1の他側軸支孔526に近い側の側縁に沿って形成され背面側に向けて突設されるリブ部528a4と、そのリブ部528a4の端部において突設方向に対して傾斜する傾斜部528a5と、を主に備える。
本体部528a1は、組立状態において、従動側アーム部材530に正面視で被さる長さで形成される(図48参照)。
補助突部528a3は、本体板部521の第1締結孔527a1に隣接して形成される第1ピン留め孔527a2に挿通される部分であって、これにより、橋架け部材528が本体板部521に2点支持される。従って、本体板部521に対して橋架け部材528を相対回転不能に固定することができる。
リブ部528a4は、本体部528a1の先端までは形成されないことで、退避位置(図48参照)では従動側アーム部材530との当接を抑制し、張出位置(図50参照)では従動側アーム部材530と容易に当接される態様で形成される。その詳細については後述する。
第2橋架け部材528bは、長尺板形状に形成される本体部528b1と、第2締結孔527b1に挿通されると共に締結固定される挿通部528b2、その挿通部528b2に隣接して突設される補助突部528b3と、本体部581b1の他側軸支孔526に近い側の側縁に沿って形成され背面側に向けて突設されるリブ部528b4と、そのリブ部528b4の端部において突設方向に対して傾斜する傾斜部528b5と、を主に備える。
本体部528b1は、組立状態において、従動側アーム部材530に正面視で被さる長さで形成される(図48参照)。
補助突部528b3は、本体板部521の第2締結孔527b1に隣接して形成される第2ピン留め孔527b2に挿通される部分であって、これにより、橋架け部材528が本体板部521に2点支持される。従って、本体板部521に対して橋架け部材528を相対回転不能に固定することができる。
リブ部528b4は、本体部528b1の先端までは形成されないことで、退避位置(図48参照)では従動側アーム部材530との当接を抑制し、張出位置(図50参照)では従動側アーム部材530と容易に当接される態様で形成される。その詳細については後述する。
第2橋架け部材528bは、図43に示すように、本体部528b1(図41参照)の駆動側アーム部材520に締結される部分の幅よりも、従動側アーム部材530と重なる部分の幅の方が狭く形成される。これにより、第2橋架け部材528bに従動側アーム部材530が当接した場合に、第2橋架け部材528bが長手方向を軸に捻れることを抑制することができる(長手方向に沿って撓ませ易くすることができる)。
そのため、従動側アーム部材530と第2橋架け部材528bとが当接することで、第2橋架け部材528bが捻り変形することを防ぐことができ、変形の態様を限定することができる。この場合、第2橋架け部材528bのめくれを防止する部分(第2ピン留め孔527b2)の配設位置を限定することができるので、第2橋架け部材528bの構成を簡素化することができる。即ち、挿通部528b2(図41参照)に対して第2橋架け部材528bの短手方向に補助突部528b3(図41参照)を形成することを不要とできる。
従動側アーム部材530は、樹脂材料から形成される部材であって、長尺板状に形成される本体板部531と、その本体板部531の一方の端部(正面視右方の端部)において前後方向に穿設され第1軸部512aが挿通される一側軸支孔532と、本体板部531の他方の端部(正面視左方の端部)において前後方向に穿設され移動部材540の第1軸部542aがカラーを介して軸支される他側軸支孔533と、を主に備える。
本体板部531は、正面側の側面が、駆動側アーム部材520の正面側の側面と同一平面上に形成される。
移動部材540は、左右方向に長尺のブロック形状から形成されると共に上面が下に凸の曲面で形成される本体部541と、その本体部541の背面視右側において背面側に円柱状に突設される一対の軸支部542と、その本体部451の右側側面から突設される位置合わせ部543と、を主に備える。
なお、本実施形態では、移動部材540は、一対の移動部材540が当接する側(図42(a)右側)へ向かうほど肉厚に形成されるので、移動部材540の重心Gは一対の移動部材540が当接する側に形成されると共に従動側アーム部材530から正面側に離間した位置に形成される(図42参照)。
軸支部542は、第1軸部512a及び第2軸部512bの軸間距離と同一の軸間距離で形成されると共に、図38に示す状態において相対的な一対の軸同士の配置が第1軸部512a及び第2軸部512bの軸同士の配置と同一で形成される一対の軸から形成され、上から順に、第1軸部542aと、第2軸部542bと、を主に備える。
第1軸部542aは、従動側アーム部材530の他側軸支孔533に挿通される部分であって、第2軸部542bは、駆動側アーム部材520の他側軸支孔526に挿通される部分である。
ここで、上述したように、駆動側アーム部材520の両端の軸支孔522,526同士の軸間距離と、従動側アーム部材530の両端の軸支孔532,533同士の軸間距離とが同一とされる。また、ベース部材510に配設される第1軸部512a及び第2軸部512bと、移動部材540に配設される第1軸部542a及び第2軸部542bと、の相対的な配置の関係(軸同士を結ぶ直線の方向および距離)が同一とされる。そのため、駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530とによって平行リンクが形成され、駆動側アーム部材520の揺動の途中において移動部材540の姿勢は変化されない(図48から図50)。
位置合わせ部543は、移動部材540が張出位置に配置された場合に、一対の移動部材540の相対的な位置関係を合わせるための部分である。なお、正面視右側(図8参照)の移動部材540には、左側の移動部材540の位置合わせ部543を受け入れ可能に凹設される窪みが形成される。
駆動装置550は、駆動軸を背面側へ向けて前板部材560の正面側に締結固定される駆動モータ551と、その駆動モータ551に軸支される駆動ギア552と、その駆動ギア552に1段目の第1ギア部553aが歯合されると共に2段目の第2ギア部553bが駆動側アーム部材520のギア部523に歯合される伝達ギア553と、を主に備える。
伝達ギア553は、径の異なる2段のギア歯が同軸で形成される部材であって、ベース部材510に対向配置される大径のギアから形成される第1ギア部553aと、その第1ギア部551aの正面側に配設される第1ギア部553aよりも小径のギアから形成される第2ギア部553bと、それらの第1ギア部553a及び第2ギア部553bの中心に穿設されると共にベース部材510の第3軸部512cに軸支される軸支孔553cと、を主に備える。
前板部材560は、横長の板状に形成される本体部561と、ベース部材510の軸支部512の配置と同様の配置で凹設される保持部562と、センサ通過板524の締結部524aの移動軌跡に沿って円弧状に穿設される案内孔部563と、を主に備える。
保持部562は、軸支部512の各円柱の直径と同等の直径で凹設され、軸支部512の各軸部の先端部が内嵌固定される。これにより、軸支部512を両端支持することができるので、軸を安定させることができる。従って、駆動側アーム部材520、従動側アーム部材530及び伝達ギア553の動作を安定させることができる。
案内孔部563は、駆動側アーム部材520からセンサ通過板524へ向けて突設される嵩上げ部521aが挿通される円弧状の長孔であって、下方の端部において前後方向に延設されるストッパ壁部563aを備える。これにより、駆動側アーム部材520が第2軸部512bに対して径方向に位置ずれしたとしても、駆動側アーム部材520の嵩上げ部521aが案内孔部563に当接され移動を規制されるので、駆動側アーム部材520の位置を安定させることができる。
ストッパ壁部563aは、移動部材540が張出位置(図43参照)へ向けて移動される場合に、その可動範囲を越えて移動部材540が揺動移動することを防止するための壁部である。移動部材540が図43に示す状態よりも右方へ移動する場合、ストッパ壁部563aとセンサ通過板524及びセンサ通過板524が締結固定される嵩上げ部521a(図40参照)とが当接される。ストッパ壁部563aは、正面側だけでなく、背面側へも延設される。これにより、駆動側アーム部材520の一方の端部とストッパ壁部563aとの当接面積を大きくすることができ、当接時にセンサ通過板524及びセンサ通過板524が締結固定される嵩上げ部521aに加えられる応力を低減することができる。
図42及び図43を参照して、揺動動作ユニット500の可動範囲の終端部について説明する。図42(a)及び図43は、揺動動作ユニット500の正面図であり、図42(b)は、図42(a)の矢印XXXXIIb方向視における揺動動作ユニット500の側面図である。なお、図42では、移動部材540が退避位置に配置された状態が図示され、図43では、移動部材540が張出位置に配置された状態が図示される。
図42及び図43に示すように、移動部材540の退避位置から張出位置への揺動において、移動部材540の姿勢は変化されない。そのため、左右一対の移動部材540(図6参照)が互いに近接される場合(共に張出位置へ揺動される場合)、対向配置される側面(図43における右側側面)が平行な状態のまま近接されることになるので、位置合わせ部543を嵌め合わせて一対の移動部材540を合体させることを容易にすることができる。
移動部材540が張出位置に配置された状態において、橋架け部材528が従動側アーム部材530の正面側の側面に被せられる。また、駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530との間隔が狭められるので、張出位置を越えて揺動する場合に駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530とを当接可能とすることで、駆動側アーム部材520の揺動を停止させることができる。
図42(a)及び図42(b)に示すように、移動部材540の重心Gは、左右方向において一対の移動部材540が当接される側(図42右側)に形成されると共に、前後方向において、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530と離間して形成される。
図43に示すように、駆動側アーム部材520の正面側に締結固定される橋架け部材528は、従動側アーム部材530の正面側に被さる態様で延設される。
ここで、図44を参照して、第1橋架け部材528aと第2橋架け部材528bとの締結箇所における違いについて説明する。この締結箇所での違いにより、第1橋架け部材528aと第2橋架け部材528bとの駆動側アーム部材520からのめくれ易さが異なる。
なお、ここで「めくれる」とは、橋架け部材528が、従動側アーム部材530から図44の上方へ向けて力を受け、駆動側アーム部材520から剥がれることを意味する。
図44(a)は、図43のXXXXIVa−XXXXIVa線における駆動側アーム部材520、従動側アーム部材530及び第1橋架け部材528aの断面図であり、図44(b)は、図43のXXXXIVb−XXXXIVb線における駆動側アーム部材520、従動側アーム部材530及び第2橋架け部材528bの断面図である。
まず、第1の違いとして、図44(b)に示すように、第2橋架け部材528bを受け入れる第2締結孔527b1及び第2ピン留め孔527b2には、第1締結孔部527aとは異なり台部527b3が形成される。これにより、第2締結孔527b1への挿通部528b2の埋め込み幅である第2埋め込み幅Wb1が、第1締結孔527a1への挿通部528a2の埋め込み幅である第1埋め込み幅Wa1に比較して長くされる。従って、第2橋架け部材528bを第1橋架け部材528aに比較して強固に固定することができる(第2橋架け部材528bの方が第1橋架け部材528aに比較してめくれにくい)。
第2の違いとして、締結固定された状態における本体板部521からの挿通部528b2の張出幅である第1張出幅Wa2が、本体板部521からの挿通部528a2の張出幅である第2張出幅Wb2に比較して短くされる。従って、第1橋架け部材528aに比較して第2橋架け部材528bの方が締結位置付近での変形を抑制することができる(第2橋架け部材528bの方が第1橋架け部材528aに比較してめくれにくい)。
第3の違いとして、第1締結孔527a1は第1ピン留め孔527a2を基準に従動側アーム部材530の反対側に形成されるが(図44(a)参照)、第2締結孔527b1は第2ピン留め孔527b2を基準に従動側アーム部材530に近接する側に形成される(図44(b)参照)。
この場合、従動側アーム部材530が橋架け部材528に近接する方向(図44上方)に移動(撓み変形、倒れ変形)し、従動側アーム部材530から橋架け部材に負荷がかけられる際の締結部分での堪え方に差が生じる。
即ち、第1橋架け部材528aは、従動側アーム部材530に押進されることにより本体部528a1が挿通部528a2を起点として撓むと、補助突部528a3が駆動側アーム部材520から離反する(図44(a)参照)。そのため、補助突部528a3の側面と第1ピン留め孔527a2の内側面との摩擦抵抗により本体部528a1のめくれに対する抵抗力が生じる。
一方、第2橋架け部材528bは、従動側アーム部材530に押進されることにより本体部528b1が挿通部528b2を起点として撓むと、補助突部528b3の座面が駆動側アーム部材520に押し付けられる向きに移動する(図44(b)参照)。そのため、補助突部528b3の側面と第2ピン留め孔527b2の内側面との摩擦抵抗に加え、補助突部528b3の座面が本体板部521の正面側(図44(b)上側)の側面に押し付けられることにより本体部528b1のめくれに対する抵抗力が生じる。
従って、第1橋架け部材528aのめくれに対する抵抗力に比較して、第2橋架け部材528bのめくれに対する抵抗力を大きくすることができる。
なお、第1締結孔527a1及び第1ピン留め孔527a2の軸間距離に比較して、第2締結孔527b1及び第2ピン留め孔527b2の軸間距離が長く形成される。
上述した第1から第3までの違いにより、従動側アーム部材530から第1橋架け部材528a又は第2橋架け部材528bのどちらかに正面側(図44上方)へ向けて同様の負荷がかけられる場合、第2橋架け部材528bの方が、第1橋架け部材528aに比較して、めくれに対する根本部分での抵抗力(駆動側アーム部材520との締結位置でめくれることを堪える力)が大きくなる。
図45を参照して、従動側アーム部材530が撓み変形する際の従動側アーム部材530と橋架け部材528との当接の態様について説明する。図45(a)は、図43の矢印XXXXVa方向視における揺動動作ユニット500の部分側面図であり、図45(b)及び図45(c)は、図45(a)の状態から従動側アーム部材530が正面側に撓む様子を時系列で図示した揺動動作ユニット500の部分側面図である。
なお、図45(a)では、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の長手方向が平行である状態が図示され、図45(b)では、従動側アーム部材530が正面側(図45(b)左側)に撓み第1橋架け部材528aと当接した状態が図示され、図45(c)では、図45(b)の状態から更に従動側アーム部材530が正面側に撓み第2橋架け部材528bと当接した状態が図示される。また、図45では、ベース部材510、移動部材540及び前板部材560が仮想的に想像線で図示される。
図45に示すように、第1橋架け部材528aは第2橋架け部材528bに比較して移動部材540に近接配置される。そのため、従動側アーム部材530の上端が移動部材540の重みや他の部材との当接等の要因で正面側(図45左側)に撓む場合、撓み量が小さい段階で先に第1橋架け部材528aに従動側アーム部材530が当接する(図45(b)参照)。その後、従動側アーム部材530の撓み量が大きくなると、第1橋架け部材528aは撓み変形し、第2橋架け部材528bが従動側アーム部材530に当接する(図45(c)参照)。
即ち、第1橋架け部材528aと当接する部分の方が従動側アーム部材530の変位が大きくなるので、第2橋架け部材528bに比較して第1橋架け部材528aに、より大きい荷重が与えられる。
ここで、第1橋架け部材528aの撓み変形に対する抵抗が第2橋架け部材528bと同程度に大きい場合、従動側アーム部材530の撓み量が大きくなっても第1橋架け部材528aが撓み変形しない(代わりに駆動側アーム部材520が撓む)恐れがある。この場合、従動側アーム部材530と第2橋架け部材528bとが当接せず、従動側アーム部材530からの負荷を第1橋架け部材528aのみが単独で受ける状況が生じ、第1橋架け部材528aの耐久性が低下する。
一方、本実施形態では、上述したように、第1橋架け部材528aが第2橋架け部材528bに比較して根本部分でめくれ易い態様で駆動側アーム部材520に締結される。そのため、従動側アーム部材530が第2橋架け部材528bに当接する前に、第1橋架け部材528aがめくれ易い(根本付近で駆動側アーム部材520に対して変形する)。
加えて、第1橋架け部材528aの方が第2橋架け部材528bに比較して、短手方向の幅が狭く形成され、板厚は同等に形成される(図44参照)。即ち、従動側アーム部材530から橋架け部材528に与えられる荷重の方向における第1橋架け部材528aの断面係数に比較して、同じ方向における第2橋架け部材528bの断面係数の方が大きく形成される。そのため、第1橋架け部材528aの方が第2橋架け部材528bに比較して短手方向の垂直方向(図45(a)左右方向)に撓み易い。
これにより、一対の橋架け部材528で従動側アーム部材530に当接し、荷重を受けることができ(図45(c)参照)、荷重を一対の橋架け部材528に分配して負担させることができるので、第1橋架け部材528a及び第2橋架け部材528bの耐久性を向上させることができる。
なお、従動側アーム部材530からの荷重を一対の橋架け部材528が受ける方法は第1橋架け部材528aを撓ませることに限らない。例えば、第1橋架け部材528aの第1張出幅Wa2(図44参照)を、本実施形態よりも長くすることで、図45(b)の撓み量では従動側アーム部材530と第1橋架け部材528aとが当接されず、図45(c)の撓み量で一対の橋架け部材528が同時に従動側アーム部材530に当接され始めるようにしても良い。この場合、第1橋架け部材528aと第2橋架け部材528bとの両方で従動側アーム部材530からの荷重を受けることができ、荷重を第1橋架け部材528aと第2橋架け部材528bとに分配して負担させることができる。
一方、撓み量が小さな場合(図45(b)参照)に従動側アーム部材530が一対の橋架け部材528のいずれとも当接しないので、従動側アーム部材530の撓みを抑制することは困難となる(図45(c)の撓み量に至るまでは、従動側アーム部材530の剛性のみにより撓みが抑制される)。
これに対し、本実施形態では、従動側アーム部材530の撓み量が小さい内は、第1橋架け部材528aに従動側アーム部材530を当接させることで撓みを抑制することができる(図45(b)参照)。その上、上述したように、従動側アーム部材530の撓み量が大きくなると、第1橋架け部材528aが撓み変形し、従動側アーム部材530と第2橋架け部材528bとが当接される。これにより、一対の橋架け部材528で従動側アーム部材530からの荷重を受けることができ、荷重を一対の橋架け部材528に分配して負担させることができるので、第1橋架け部材528a及び第2橋架け部材528bの耐久性を向上させることができる。
次いで、図46を参照して、駆動側アーム部材520、従動側アーム部材530及び橋架け部材528の前後関係を説明する。図46は、図43のXXXXIV−XXXXIV線における駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の断面図である。なお、図46では、理解を容易にするために、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の長尺部分の断面図のみを図示し、各アーム部材520,530の端部の形状は省略する。
図46に示すように、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530は、正面側の側面(図46上方の側面)が略同一平面状に形成され、橋架け部材528が従動側アーム部材530の正面側に被せられる。従って、従動側アーム部材530が矢印B1に沿って正面側へ移動(撓み変形や倒れ変形)したり、駆動側アーム部材520が矢印B2に沿って背面側へ移動(撓み変形や倒れ変形)したり、駆動側アーム部材520が矢印B3に沿って回転(捻り変形)したりすることを抑制することができる。即ち、橋架け部材528と従動側アーム部材530とが当接されることで、駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530との相対的な移動(変形)を抑制することができる。
ここで、移動部材540(図43参照)は駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の正面側に配置され、移動部材540の重心Gは各アーム部材520,530の正面側に形成される(図42参照)。上述したように、移動部材540の重心Gは一対の移動部材540が当接する側(図43右側)に寄って形成されるので、駆動側アーム部材520に比較して従動側アーム部材530が前倒れする恐れが大きい。一方で、従動側アーム部材530が前倒れする場合には橋架け部材528に従動側アーム部材530が正面側から支えられる(当接される)。これにより、従動側アーム部材530が正面側(図43紙面手前側)に移動することを抑制することができ、それに伴い、移動部材540が正面側に移動することを抑制することができる。
駆動側アーム部材520は駆動力が伝達される部材なので、その伝達の具合により、駆動側アーム部材520が揺動軸方向(図46上下方向)にぐらつく恐れがある。そのぐらつきを、橋架け部材528と従動側アーム部材530とが当接することにより抑制することができる。
一方で、駆動側アーム部材520が矢印B1に沿って正面側へ移動(撓み変形や倒れ変形)したり、矢印B3の逆向きに時計回りに回転(捻り変形)したりする場合には、橋架け部材528は従動側アーム部材530から離反する方向へ移動されるので、駆動側アーム部材520の移動を抑制することが困難となる。従って、これらの移動を防止する機構があることが好ましい。次いで、図47を参照して、駆動側アーム部材520が矢印B1に沿って正面側へ移動(撓み移動や倒れ変形)することを抑制したり、駆動側アーム部材520が矢印B3の逆向きの時計回りの回転(捻り変形)を抑制したりする機構について説明する。
図47は、図43のXXXXV−XXXXV線における揺動動作ユニット500の部分断面図である。図47に示すように、駆動側アーム部材520の一方の端部は伝達ギア553に正面側(図47上側)から当接される。即ち、ギア部523が伝達ギア553の第1ギア部553aの正面側から当接され、加えて、傘部523aが第2ギア部553bの正面側から当接される。ここで、駆動側アーム部材520の配置によらず、伝達ギア553は駆動アーム部材520の両端に形成される軸支孔522,526を結ぶ直線に対して従動側アーム部材530の反対側に配設される(図48から図50参照)。
そのため、駆動側アーム部材520の従動側アーム部材530に近接される側が正面側に移動する(図46の矢印B3の逆方向に捻り変形する)と、ギア部523が第1ギア部553aに押し付けられる方向に移動され、かつ、傘部523aが第2ギア部553bに押し付けられる方向に移動されることになる。この場合、駆動側アーム部材520の変形抵抗が増大する。従って、駆動側アーム部材520の図46の矢印B3の逆方向への移動(捻り変形)を抑制することができる。
図47に示すように、センサ通過板524が駆動側アーム部材520の一方の端部の先端部において、前板部材560の正面側に配設される。これにより、駆動側アーム部材520の他方の端部(図47右方)が矢印B1に沿って正面側へ移動(撓み変形や倒れ変形)する場合、第2軸部512bを挟んだ一方の端部においてセンサ通過板524が前板部材560に当接することで駆動側アーム部材520の変形抵抗を上昇させることができる。従って、駆動側アーム部材520の他方の端部が矢印B1方向へ移動(撓み変形や倒れ変形)することを抑制することができる。
図47に示すように、カラー部材525が、伝達ギア553の第1ギア部553aの厚みと略同等の厚みで形成される。カラー部材525は、図41に示すように、駆動側アーム部材520の一方の端部の正面視における外形よりも小さな形状で形成されるので、カラー部材525によって、ベース部材510と駆動側アーム部材520との接触面積を抑制することができる。従って、駆動側アーム部材520を揺動させる際の接触抵抗を抑制し、駆動モータ551の小型化を図ることができる。
次いで、図48から図50を参照して、駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530との揺動動作について説明する。図48から図50は、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の正面図である。なお、図48では、図42と同様に駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530が退避位置に配置された状態が、図49では、図48の状態から駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530が所定量揺動された状態が、図50では、図43と同様に駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530が張出位置に配置された状態がそれぞれ図示される。また、図48から図50では、移動部材540の外形が想像線で図示され、センサ通過板524の図示が省略され、カラー部材525及び伝達ギア553の第1ギア部553aの一部が隠れ線で図示されると共に、ギア部523の傘部523aが部分的に省略されギア歯が視認可能とされる。
図48から図50に示すように、駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530との距離は、退避位置から張出位置へ向かうほど短縮される。そのため、退避位置から張出位置へ向かうほど橋架け部材528が従動側アーム部材530に被さる面積が大きくなり、従動側アーム部材530が正面側へ移動し、橋架け部材528に当接する際に橋架け部材528から生じる抵抗力を大きくすることができる。
図48に図示されるように、第1橋架け部材528aのリブ部528a4及び第2橋架け部材528bのリブ部528b4は、従動側アーム部材530の一側軸支孔532と他側軸支孔533とを結ぶ直線の下方に形成される。そのため、退避位置において、一側軸支孔532と他側軸支孔533とを結ぶ直線の上方の部分が正面側(図48手前側)に倒れる態様で姿勢変化する恐れがある従動側アーム部材530と橋架け部材528との間隔を大きく保つことができる。これにより、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530が退避位置から始動する際に、従動側アーム部材530が前倒れし橋架け部材528と当接することで、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の揺動抵抗が増加することを防止することができる。
一方、図50に図示されるように、第1橋架け部材528aのリブ部528a4及び第2橋架け部材528bのリブ部528b4は、従動側アーム部材530の長手方向の中間位置に配設される。そのため、張出位置において、一側軸支部532を起点として倒れ変形する態様で姿勢変化する恐れがある従動側アーム部材530と橋架け部材528との間隔を狭めることができる。これにより、張出位置においては、従動側アーム部材530の倒れ変形の変形量が小さい内から、従動側アーム部材530と橋架け部材528とを当接させることができる。
即ち、リブ部528a4,528b4により、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530が退避位置から始動する際の揺動抵抗を抑制することと、従動側アーム部材530が張出位置に配置された状態において、従動側アーム部材530の倒れ変形の変形量が小さい内から従動側アーム部材530と橋架け部材528とを当接させることとを両立させることができる。
また、駆動側アーム部材520が退避位置に配置される状態から張出位置に配置される状態へ向かう間中、橋架け部材528は従動側アーム部材530の正面側に少なくとも一部が配置される。これにより、橋架け部材528が従動側アーム部材530の正面側に配置されない間に従動側アーム部材530が軸方向に移動し、従動側アーム部材530の駆動側アーム部材520に対向配置される側面と橋架け部材528とが当接することを防止することができる。また、従動側アーム部材530が橋架け部材528に常に当接可能とされるので、従動側アーム部材530の軸方向の位置ずれを抑制する効果を向上させることができる。
図50に示すように、移動部材540が張出位置に配置される状態において、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530は、一対の移動部材540が当接される側(図50右側)の反対側に傾斜した姿勢をとる。そのため、移動部材540の配置を維持するため(駆動側アーム部材520が正面視反時計回りに回転することを防止するため)に駆動モータ551を動作させ続ける必要がある恐れがある。
これに対し、本実施形態では、移動部材540の重心Gが、一対の移動部材540が当接する側(図50右側)に形成される。そのため、移動部材540が張出位置に配置される状態において、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530は移動部材540から正面視時計回り方向に荷重を受ける。これにより、駆動側アーム部材520が正面視反時計回りに回転することを抑制することができるので、移動部材540が張出位置に配置される状態において駆動モータ551を動作させ続けることを不要とでき、駆動モータ551の消費電力を低減することができる。
伝達ギア553と駆動側アーム部材520の一方の端部に形成されるギア部523とは、上述したように、前後方向で当接される。図48から図50に示すように、駆動側アーム部材520の揺動動作中に伝達ギア553とギア部523との互いの当接面は略同一方向(図48左方)に移動される。
即ち、ギア部523の回転に必要な駆動力を、伝達ギア553の第2ギア部553bとの歯合からのみでなく、第1ギア部553aの正面側(図48手前側)の側面とギア部523の背面側の側面との接触によっても伝達することができる。これは、駆動側アーム部材520の揺動抵抗が低減されたと言い替えることができる。これにより、駆動モータ551に必要な駆動力を低減することができ、駆動モータ551を小型化することができる。
図48に示すように、カラー部材525は、一対の締結部525cを結ぶ長手方向と、その直角方向である短手方向とを備え、長手方向が駆動側アーム部材520の長手方向に沿う姿勢で駆動側アーム部材520に締結固定される。これにより、駆動側アーム部材520の短手方向に沿ってカラー部材525とベース部材510とが接触される範囲に比較して、駆動側アーム部材520の長手方向に沿ってカラー部材525とベース部材510とが接触される範囲が大きくされる。
そのため、駆動側アーム部材520の他方の端部(図48左方の端部)が一側軸支孔522に挿通される第2軸部512b(図40参照)を起点に前後方向(図48紙面垂直方向)に撓む変形をする場合に、カラー部材525がベース部材510(図40参照)に押し付けられる範囲を大きくすることができる。これにより、駆動側アーム部材520の変形抵抗を増加させることができる。
また、カラー部材525の中心軸と伝達ギア553の中心軸とを結ぶ直線Lは、カラー部材525の本体部525aの円形外形と常に交差する。即ち、締結部525cの外形と交差されない。これにより、カラー部材525と伝達ギア553との軸間距離を最低限の長さに抑えることができる。
換言すれば、カラー部材525の長手方向に配置される締結部525cをカラー部材525の中心軸と伝達ギア553の中心軸との間に入れる必要が無いので、カラー部材525の中心軸と伝達ギア553の中心軸との軸間距離を短く形成することができる。この軸間距離は、少なくともカラー部材525の本体部525aと伝達ギア553とが対向配置可能な距離とされる。これにより、カラー部材525の配置の自由度を向上させることができ、駆動側アーム部材520の配置の自由度を向上させることができる。
また、カラー部材525の中心軸と伝達ギア553の中心軸との軸間距離が同じ場合にも、締結部525cがカラー部材525の中心軸と伝達ギア553の中心軸との間に入る場合に比較して、伝達ギア553の第1ギア部553aと、駆動側アーム部材520との軸方向での当接面積を大きくすることができる。
次いで、図51を参照して、第2実施形態における揺動動作ユニット2500について説明する。第1実施形態では、揺動動作ユニット500の橋架け部材528の端部が固定されない場合を説明したが、第2実施形態における揺動動作ユニット2500は、前板部2560の本体部2561が、橋架け部材2528の先端を収容する増厚部2561aを備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図51(a)及び図51(b)は、第2実施形態における揺動動作ユニット2500の部分正面図である。なお、図51(a)では、移動部材540が退避位置に配置される状態が図示され、図51(b)では、移動部材540が張出位置に配置される状態が図示されると共に、図51(a)及び図51(b)では、移動部材540が想像線で図示される。
図51(a)及び図51(b)に示すように、橋架け部材2528の本体部2528aは、従動側アーム部材530の幅方向に亘って形成される。これにより、従動側アーム部材530が正面側(図51紙面手前側)に移動(倒れ変形または撓み変形)する場合に、従動側アーム部材530に当接する本体部2528aの面積を第1実施形態に比較して拡大することができ、従動側アーム部材530の移動を抑制することができる。
前板部材2560の本体部2561は、その上端部において前後方向(図51紙面垂直方向)に増厚して形成される増厚部2561aと、その増厚部2561aの上端面から下方へ凹設される収容部2561bと、を備える。
収容部2561bは、上面視において四方が閉鎖された状態で凹設される窪みであって、移動部材540が張出位置に配置された状態において、橋架け部材2528の先端部が収容される窪みである。収容部2561bの内側面は、橋架け部材2528の先端部(図51(a)の上側の先端部)の移動軌跡を内包する態様(移動部材540の移動中に橋架け部材2528の先端部が収容部2561bの内側面に当接しない態様)で形成される。これにより、移動部材540を退避位置から張出位置へ移動させる間中、橋架け部材2528が収容部2561bの内側面の内の駆動側アーム部材2520の回転方向の内側面に当接することを防止することができる。
図51(b)に示すように、移動部材540が張出位置に配置された状態で、橋架け部材2528の端部が収容部2561bに収容される。そのため、例えば従動側アーム部材530が正面側に移動(例えば倒れ変形)して、橋架け部材2528に負荷を掛ける場合に、その負荷に対する抵抗力を向上させることができる。
即ち、橋架け部材2528の先端が収容部2561bに収容されない場合、橋架け部材2528は、従動側アーム部材530からの負荷(図51手前側へ向く負荷)に対して、片持ち支持で抵抗力を生ずる(橋架け部材2528は駆動側アーム部材2520に締結される)。一方で、橋架け部材2528の先端が収容部2561bに収容される場合、従動側アーム部材530からの負荷に対して、両持ち支持で抵抗力を生ずることができる(駆動側アーム2520との締結位置と、収容部2561bとで支持される)。これにより、従動側アーム部材530が正面側へ移動することを抑制することができる。
また、駆動側アーム部材2520に橋架け部材2528が締結固定されるので、橋架け部材2528の先端部が収容部2561bに収容されることで、駆動側アーム部材2520の前後方向の位置合わせを行うことができる。
この場合、左右一対で形成される揺動動作ユニット2500の移動部材540同士の前後方向の位置合わせを行うことができ、一対の移動部材540が張出位置に配置される状態(図8参照)において、一対の移動部材540に前後方向の相対的な位置ずれが生ずることを抑制することができる。収容部2561bは、駆動側アーム部材2520に比較して一対の移動部材540同士の当接位置(図8参照)に近接する位置に配置されるので、収容部2561bを起点として生じる移動部材540同士の位置ずれを小さくすることができる。
これにより、一対の移動部材540同士の位置ずれを修正する効果を確保でき、一対の移動部材540が張出位置に配置された状態において一対の移動部材540を一体に視認させることで、演出効果を向上させることができる。
次いで、図52を参照して、第3実施形態における揺動動作ユニット3500について説明する。第1実施形態では、駆動側アーム部材520の傘部523aの外側面が円弧状に形成される場合を説明したが、第3実施形態における揺動動作ユニット3500は、傘部523aから外側に張り出す張出部3523bを備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図52(a)から図52(c)までは、第3実施形態における揺動動作ユニット3500の正面図であり、図52(d)は、図52(b)のLd−Ld線における揺動動作ユニット3500の断面図である。図52では、理解を容易とするために、ベース部材3510、駆動側アーム部材3520、駆動装置550のみが図示され、その他の部材の図示が省略されると共に、ベース部材3510のフォトセンサ514及び駆動側アーム部材3520のセンサ通過板524の図示が省略される。
また、図52(a)では、駆動側アーム部材3520及び移動部材540(図7参照)が退避位置に配置された状態が図示され、図52(b)では、駆動側アーム部材3520及び移動部材540(図7参照)が退避位置から所定角度回転された状態が図示され、図52(c)では、駆動側アーム部材3520及び移動部材540(図7参照)が張出位置に配置された状態が図示される。
図52に示すように、駆動側アーム部材3520は、傘部523aから軸径方向外方へ向けて延設される張出部3523bを備える。その張出部3523bは、駆動側アーム部材3520の姿勢に寄らず第2軸部512bよりも下方に配設されると共に、外周壁3516と伝達ギア553の第2ギア部553bとの間の幅以上の幅で形成される(図52(b)参照)。即ち、駆動側アーム部材3520の揺動動作の間中、張出部3523bの背面側に外周壁3516又は伝達ギア553の第2ギア部553bのいずれかが対向配置される。
ベース部材3510は、傘部523aの軸径方向外側に傘部523aの外周に沿って湾曲形成される外周壁3516を備える。その外周壁3516は、ベース部材3510の本体部511の正面側から伝達ギア553の第2ギア部553bの正面側の側面と同等の高さまで凸設される(図52(d)参照)。
これらから、駆動側アーム部材3520が軸支部512の第2軸部512bを起点として正面側に移動(倒れ変形または撓み変形)することを抑制することができる。即ち、駆動側アーム部材3520は、移動部材540(図43参照)の重みにより、第2軸部512bの上方においては正面側へ移動(倒れ変形または撓み変形)し、第2軸部512bの下方においては背面側へ移動する(倒れ変形または撓み変形)。この場合、傘部523aが伝達ギア553の正面側の側面に当接するのに加えて、張出部3523bが外周壁3516の正面側の端面に当接する。これにより、駆動側アーム部材3520の移動(倒れ変形または撓み変形)を2位置での当接で抑制することができる。
また、図52(c)に示すように、駆動側アーム部材3520が張出位置に配置される場合、駆動側アーム部材3520が他の位置に配置される場合に比較して、駆動側アーム部材3520と伝達ギア553との前後方向での当接位置を第2軸部512bから軸径方向に離間した位置にすることができる。
即ち、駆動側アーム部材3520が張出位置に配置される場合、傘部523aが第2ギア部553bのギア歯部分の正面側側面に対向配置される一方、張出部3523bが第2ギア部553bの本体部分の正面側側面に対抗配置される。この場合、張出部3523bが第2ギア部553bの本体部分と前後方向で当接可能である。このような配置は図52(a)や図52(b)では見られない。
また、駆動側アーム部材3520が張出位置に配置される状態は、駆動側アーム部材3520の長手方向が上下方向に沿うため、移動部材540(図43参照)の重みで駆動側アーム部材3520の前後方向への移動(倒れ変形または撓み変形)が大きな幅で生じやすい状態である。本実施形態では、上述したように、駆動側アーム部材3520と伝達ギア553との前後方向での当接位置を第2軸部512bから軸径方向に離間した位置にできるので、駆動側アーム部材3520の前後方向への移動に対する抵抗力を増加させ、その移動を抑制することができる。
次いで、図53及び図54を参照して、第4実施形態における複合動作ユニット4400について説明する。第1実施形態では、案内板424の案内孔424bが引っ掛かりの無い滑らかな長孔である場合を説明したが、第4実施形態における複合動作ユニット4400は、案内孔4424bの上側側面に凹設部4424cが形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図53は、本体部材410が中間位置に配置された状態における第4実施形態における複合動作ユニット4400の正面図である。なお、図53及び図54では、スライド軸部423eのカラー部材の図示が省略され、軸部分が視認可能とされる。
図53に示すように、複合動作ユニット4400の本体部410が退避位置から下降移動し、中間位置に配置されると、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔4424bの内側の端部に当接する。その当接する位置の真上に配置される案内孔4424bの上側側面にスライド軸部423eの一部を収容可能な窪みである凹設部4424cが形成される。なお、凹設部4424cは円弧状に形成され、凹設部4424cの曲率半径がスライド軸部423eの半径以上で形成される。
ここで、本体部材410が退避位置から下降移動すると、連結部材423のスライド軸部423eの反対側の端部に配置される軸支孔423dは上下方向に移動する。そのため、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔4424bの内側の端部に当接して跳ね返る場合には、軸支孔423dは上下方向に跳ね返る。そのため、上下方向の跳ね返りの勢いにより、スライド軸部423eも上方に跳ねることになる。
図54を参照して、凹設部4424cの効果について説明する。図54(a)及び図54(b)は、複合動作ユニット4400の部分正面図である。図54(a)では、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔4424bの内側の端部に当接する直前の状態が図示され、図54(b)では、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔4424bの内側の端部に当接した直後の状態が図示される。なお、図54では、理解を容易にするために、スライドレバー473、ソレノイド474及び配線案内アーム480等の図示が省略され、スライド軸部423e及びスライド軸部423eの反対側の端部の移動方向が矢印C41〜C44で図示される。
図54(a)に示すように、本体部材410が下方へ下降移動され、それに伴い連結部材423のスライド軸部423eの反対側の端部が矢印C42に沿って下降移動する場合、スライド軸部423eは案内孔4424bの下側側面に当接し矢印C41に沿って摺動する。そのため、スライド軸部423eが凹設部4424cに収容されることは無い。
一方、図54(b)に示すように、スライド軸部423eが案内孔4424bの内側の端部に当接して跳ね返り、連結部材423のスライド軸部423eの反対側の端部が矢印C44に沿って上方に跳ねる場合、スライド軸部423eも上方に押し付けられる。この場合、スライド軸部423eは案内孔4424bの上側側面に当接し矢印C43に沿って摺動しようとする。そのため、スライド軸部423eが、凹設部4424cに収容される。
そのため、案内孔4424bの長尺方向である左右方向でスライド軸部423eと凹設部4424cとを当接させることができる。この場合、案内孔4424bの長尺方向に移動しようとするスライド軸部423eに対して大きな抵抗を生じさせることができる。
これにより、スライド軸部423eが案内孔4424bの左右方向に沿って移動することを抑制することができる。従って、スライド軸部423eの跳ね返る幅を小さくでき、遮蔽部材420の配置を安定させることができる。なお、本体部材410(図21参照)を駆動装置460で上方へ移動させることで、スライド軸部423eは案内孔4424bの内部を左右方向に沿って駆動される。
次いで、図55及び図56を参照して、第5実施形態における複合動作ユニット5400について説明する。第1実施形態では、連結部材423のスライド軸部423e側の端部が案内板424のみに当接される場合を説明したが、第5実施形態における複合動作ユニット5400は、連結部材5423のスライド軸部423e側の端部に当接する板状のバネ部材である板バネ部材5425が形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図55は、本体部材410が退避位置に配置された状態における第5実施形態における複合動作ユニット5400の背面図である。本体部材410が退避位置から下降移動するに伴い、連結部材5423のスライド軸部423eが案内板5424の案内孔424bの内側を左右方向に移動する。
連結部材5423は、棒部材423aのスライド軸部423e側の端部から突設される突設部5423fを備える。その突設部5423fは、連結部材5423のスライド軸部423eが案内孔424bの内側の端部に配置された状態で鉛直上方へ向けて突設されると共に、背面視右側(図56(c)右側)の角が丸く面取りされ、背面視左側の角が直角で形成される。
案内板5424は、一対の案内孔424bの上方外側の端部においてベース板424aの背面側にコ字状に突設される把持部5424cを備える。把持部5424cは、コ字状部分の開放側が左右方向内側へ向けられ、コ字状部分の内側面で板バネ部材5425の一方の端部を挟持する態様で形成される。
図56を参照して、板バネ部材5425の詳細について説明する。図56(a)から図56(c)は、複合動作ユニット5400の部分背面図である。なお、図56(a)から図56(c)では、連結部材5423の移動が時系列に沿って図示されており、背面視左側の案内孔424b周辺が部分的に図示され、図56(a)では、本体部材410(図55参照)が退避位置に配置された状態が、図56(b)では、本体部材410が退避位置から中間位置へ向けて所定距離移動した状態が、図56(c)では、本体部材410が中間位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
なお、理解を容易とするために、図56では、装飾部材422、連結部材5423、案内板5424及び板バネ部材5425のみを図示し、その他の部材の図示を省略する。また、装飾部材422及び連結部材5423は外形のみを図示し、内部の模様などの図示を省略する。
図56(a)に示すように、板バネ部材5425は、長尺方向を左右方向に向けた姿勢で配設され一方の端部が把持部5424cに把持される直線板状の被固定部5425aと、その被固定部5425aの他方の端部に連結され連結部材側に張り出して湾曲形成される湾曲部5425bと、その湾曲部5425bの内側(図56(a)右側)の端部から左右方向へ延説される落下防止部5425cと、を主に備える。
湾曲部5425bは、左右方向外側に形成される第1傾斜面5425b1と、左右方向内側に形成される第2傾斜面5425b2とで左右方向に対する傾斜角度が異なって形成される。即ち、第1傾斜面5425b1は、左右方向からなだらかに傾斜し(傾斜角度が小さくされ)、第2傾斜面5425b2は、左右方向から急激に傾斜する(傾斜角度が直角近くまで大きくされる)。
落下防止部5425cは、連結部材5423のスライド軸部423eが案内孔424bの内側(図56(a)右側)端部に配置された状態において、突設部5423fの上端部に当接される。これにより、経年劣化等で板バネ部材5425の把持部5424cの反対側の端部が下方へ垂れる恐れがあっても、図56(c)の状態では、突設部5423fが板バネ部材5425を持ち上げるので、板バネ部材5425と突設部5423fとの配置関係を維持することができる。即ち、板バネ部材5425の把持部5424cの反対側の端部が下方へ垂れることを抑制することができる。
ここで、連結部材5423の移動の間における、突設部5423f及び板バネ部材5425の間で生じる力の向きの変化について説明する。連結部材5423のスライド軸部423eが案内孔424bの左端に配置される場合には、突設部5423f及び板バネ部材5425は互いに離れているので、突設部5423f及び板バネ部材5425の間で力は生じない(図56(a)参照)。
連結部材5423のスライド軸部423eが案内孔424bの左右方向内側(図56(a)右側)へ向けて移動するに伴い連結部材5423の姿勢が変化し、突設部5423fが板バネ部材5425に徐々に近接し、やがて当接される(図56(b)参照)。引き続き連結部材5423が左右方向内側へ向けて移動し、突設部5423fの上端部が徐々に上方へ移動されることで板バネ部材5425の自由端側(図56(b)右側端側)の端部が徐々に上方へ移動する。
突設部5423fと板バネ部材5425の湾曲部5425bの第1傾斜面5425b1が当接される場合、突設部5423fから板バネ部材5425へ与えられる力F51は湾曲部5425bの第1傾斜面5425b1の法線方向で伝わる。即ち、力F51は板バネ部材5425の厚さ方向、即ち板バネ部材5425を撓ませる方向に向く。この場合、力F51の反作用として連結部材5423へ負荷される力の内、左右方向へ向く成分が小さいので、連結部材5423のスライド軸部423eが右方へ移動する場合に、板バネ部材5425により連結部材5423の移動が妨げられることが抑制される。これにより、本体部材410(図55参照)が中間位置に到達するまでの間中、挿通軸部421c(図55参照)を案内孔413(図55参照)の下方の端部に維持したままにすることができる。
連結部材5423のスライド軸部423eが案内孔424bの左右方向内側の端部(図56(c)右側の端部)に到達し、跳ね返る場合、突設部5423fは板バネ部材5425の湾曲部5425bの第2傾斜面5425b2が当接される(図56(c)参照)。
この場合、突設部5423fから板バネ部材5425へ与えられる力F52は湾曲部5425bの第2傾斜面5425b2の法線方向で伝わる。即ち、力F52は板バネ部材5425の長手方向、即ち板バネ部材5425の長手方向に向く成分が大きい。
ここで、板バネは厚さ方向への弾性変形は容易に生じるが、板バネの長手方向への弾性変形は生じ難い。本実施形態では、湾曲部5425bの右側の側面の傾斜角度を左右方向に対して直角近くまで大きくすることで、力F52の方向を板バネ部材5425の長手方向に向けることができる。これにより、連結部材5423の跳ね返りに対する板バネ部材5425の抵抗力を増加させることができ、連結部材5423が移動することを防止することができる。従って、連結部材5423を案内孔424bの内側(図56(c)右側)の端部に維持することができる。
また、上述したように、突設部5423fは、背面視右側(図56(c)右側)の角が丸く面取りされ、背面視左側の角が直角で形成される。これにより、突設部5423fの背面視右側の角が板バネ部材5425に当接する場合(図56(b)参照)には滑らか(食い込まず)に当接し、突設部5423fの背面視左側の角が板バネ部材5425に当接する場合(図56(c)参照)には突設部5423fが板バネ部材5425に食い込む。即ち、突設部5423fの背面視左側の角が、板バネ部材5425の第2傾斜面5425b2と落下防止部5425cとの間にはまり込む。
なお、本体部材410(図55参照)を上方へ駆動装置460(図21参照)で移動させることで、スライド軸部423eは案内孔4424bの内部を左右方向に沿って駆動される。この場合には、突設部5423fが板バネ部材5425の湾曲部5425bを押しのけて移動する。
次いで、図57及び図58を参照して、第6実施形態における複合動作ユニット6400について説明する。第1実施形態では、配線を案内する配線案内アーム480を折りたたみにより伸縮させる場合を説明したが、第6実施形態における複合動作ユニット6400は、配線を案内する配線案内スライド6480がスライド移動により伸縮可能に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図57は、本体部材410が張出位置に配置された状態における第6実施形態における複合動作ユニット6400の部分正面図である。なお、図57では、配線案内スライド6480の伸張状態が図示される。配線案内スライド6480の伸張状態において、配線案内スライド6480の内側に配設される配線Wは、折り曲げられる箇所が少なく、ほぼ直線的に形成される。そのため、配線Wの必要長さを抑制することができる。
配線案内スライド6480は、軸支部472を中心に揺動可能に軸支され内部に配線Wが挿通される第1案内スライド6481と、その第1案内スライド6481のスライド長孔6481bの延設方向に沿ってスライドされ内部に配線Wが挿通される第2案内スライド6482と、その第2案内スライド6482のスライド長孔6482bの延設方向に沿ってスライドされ内部に配線Wが挿通される第3案内スライド6483と、を主に備える。
第1案内スライド6481は、長手方向に略矩形状の貫通孔6481a1が形成される矩形筒状の本体部6481aと、その本体部6481aの側面の内で対向配置される一対の側面(前後に配置される側面)に向かい合わせで形成され本体部6481aの長手方向に沿って穿設される一対のスライド長孔6481bと、本体部6481aの端部に前後方向に穿設され軸支部472が挿通される軸支孔6481cと、本体部6481aの貫通孔6481a1の下方の端部に前後方向に橋渡しされる円柱形状の円柱部6481dと、を主に備える。
スライド長孔6481bの延設方向と、本体部6481aの下方の側面(図57左側の側面)とは平行に形成される。円柱部6481dは、下方から配線Wが巻き付けられる。
第2案内スライド6482は、第1案内スライド6481の貫通孔6481a1にスライド可能に内嵌され長手方向に略矩形状の貫通孔6482a1が形成される矩形筒状の本体部6482aと、その本体部6482aの側面の内で対向配置される一対の側面(前後に配置される側面)に向かい合わせで形成され本体部6482aの長手方向に沿って穿設される一対のスライド長孔6482bと、本体部6482aの前後の側面から外側に突設され第1案内スライド6481のスライド長孔6481bに挿通される一対の突設部6482cと、を主に備える。
スライド長孔6482bの延設方向と、本体部6482aの下方の側面(図57左側の側面)とは平行に形成される。突設部6482cは、スライド長孔6481bの幅よりも若干小さな直径の円柱形状に形成される。
第2案内スライド6482は、突設部6482cが第1案内スライド6481のスライド長孔6481bの内側をスライド移動可能に形成され、その移動の間中、第2案内スライド6482の外側面が本体部6481aの貫通孔6481a1の内側面に当接される。即ち、第1案内スライド6481のスライド長孔6481bの中心軸から本体部6481aの下方の側面(図57左側の側面)の内側面までの距離が、突設部6482cの中心軸から本体部6482aの下方の側面の外側面までの距離と略同等に形成される。これにより、第1案内スライド6481に対して第2案内スライド6482をスライド移動させる際に、第2案内スライド6482の姿勢を安定させることができる。
第3案内スライド6483は、第2案内スライド6482の貫通孔6482a1にスライド可能に内嵌されると共に長手方向に略矩形状の貫通孔6483a1が形成される矩形筒状の本体部6483aと、その本体部6483aの前後の側面から外側に突設され第2案内スライド6482のスライド長孔6482bに挿通される一対の突設部6483bと、を主に備える。
第3案内スライド6483は、突設部6483bが第2案内スライド6482のスライド長孔6482bの内側をスライド移動可能に形成され、その移動の間中、第3案内スライド6483の外側面が本体部6482aの貫通孔6482a1の内側面に当接される。即ち、第2案内スライド6482のスライド長孔6482bの中心軸から本体部6482aの下方の側面(図57左側の側面)の内側面までの距離が、突設部6483bの中心軸から本体部6483aの下方の側面の外側面までの距離と略同等に形成される。これにより、第2案内スライド6482に対して第3案内スライド6483をスライド移動させる際に、第3案内スライド6482の姿勢を安定させることができる。
ここで、第1案内スライド6481の内側面と第2案内スライド6482の外側面とはそれぞれ平滑面で形成される一方、第2案内スライド6482の内側面と第3案内スライド6483の外側面とは粗い面で形成される。この場合、第1案内スライド6481に対する第2案内スライド6482のスライド移動の摩擦抵抗の方が、第2案内スライド6482に対する第3案内スライド6483のスライド移動の摩擦抵抗に比較して小さく形成される。
これにより、第2案内スライド6482の方が第3案内スライド6483に優先してスライド移動する。即ち、図57の状態から本体部材410が上昇移動すると、先に第1案内スライド6481に第2案内スライド6482が収納され、その収納が完了した後で、第2案内スライド6482に第3案内スライド6483が収納される。
図58(a)及び図58(b)は、複合動作ユニット6400の部分正面図である。なお、図58(a)では、本体部材410が中間位置(図30参照)に配置された状態が図示され、図58(b)では、本体部材410が退避位置に配置された状態が図示される。
図58に図示されるように、配線案内スライド6480には、配線Wを挟み込む恐れのある箇所が存在せず、配線Wが断線することを抑制することができる。また、配線Wを挟む恐れがないので、配線Wと各案内スライド6481,6482,6483の内側面との配置間隔を詰めることができる。これにより、配線案内スライド6480の短手方向の幅を抑制することができる。
本体部材410が中間位置に配置される状態で、配線Wが配線案内スライド6480の内部に余る(図58(a)参照)。そのため、一時的に配線Wにかけられる張力を取り去ることができる。
次いで、図59を参照して、第7実施形態における揺動動作ユニット7500について説明する。第1実施形態では、一対の橋架け部材528が駆動側アーム部材520に固定される場合を説明したが、第7実施形態における揺動動作ユニット7500は、一対の橋架け部材7528の第1橋架け部材7528aが、駆動側アーム部材7520に対して揺動可能に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図59(a)及び図59(b)は、第7実施形態における揺動動作ユニット7500の部分正面図である。なお、図59(a)では、移動部材540が退避位置に配置された状態が、図59(b)では、移動部材540が張出位置に配置された状態が、それぞれ図示され、移動部材540が想像線で図示される。
図59(a)に示すように、一対の橋架け部材7528の内の小さい側である第1橋架け部材7528aは、駆動側アーム部材7520の本体板部7521に形成される軸支孔7529に揺動可能に軸支され、ねじりバネ(図視せず)により正面視時計回りに付勢される。なお、本体板部7521は、第1橋架け部材7528aに対応する第1締結孔527a1の形成が省略され、代わりに軸支孔7529が形成される以外は第1実施形態における本体板部521と同様に形成される。また、一対の橋架け部材7528の内の大きい側である第2橋架け部材7528bは、駆動側アーム部材7520の本体板部7521に締結固定される。
従動側アーム部材7530は、本体板部531の正面側に突設され、第1橋架け部材7528aと揺動方向で当接する突設部7534を備える。
ここで、駆動側アーム部材7520と従動側アーム部材7530とが、退避位置に配置される状態と、張出位置に配置される状態とで、突設部7534の軸支孔7529に対する相対的な位置が変化する(駆動側アーム部材7520の長手方向に沿って他側軸支孔526と他側軸支孔533とが相対的に移動することと同様に、位置が変化する)。
第1橋架け部材7528aを突設部7534に沿って揺動させることで、張出位置(図59(b)参照)において、第1橋架け部材7528aと第2橋架け部材7528bとの間隔を広げることができる。これにより、従動側アーム部材7530が正面側に撓む場合に、橋架け部材7528と当接可能な位置(第1橋架け部材7528aの端部および第2橋架け部材7528bの端部)の間隔を広げることができる。この場合、橋架け部材7528に当接されず従動側アーム部材7530が自由に撓むことができる長手方向の長さを短く分割することができ、従動側アーム部材7530の撓み量(前後方向への移動量)を抑制することができる。
図59に示すように、移動部材540が退避位置に配置されるか張出位置に配置されるかによらず、第1橋架け部材7528aと他側軸支孔533との距離を保つことができる。ここで、従動側アーム部材7530の駆動側アーム部材7520に対する位置ずれは、移動部材540との連結位置である他側軸支孔533で生じ易く、位置ずれ幅が大きくなりやすい。本実施形態では、他側軸支孔533から第1橋架け部材7528aが離れることを抑制することができ、従動側アーム部材7530の駆動側アーム部材7520に対する位置ずれを抑制する効果を大きくすることができる。
また、駆動側アーム部材7520と従動側アーム部材7530とを退避位置(図59(a)参照)に配置する場合には、第1橋架け部材7528aがねじりバネ(図示せず)の付勢力で第2橋架け部材7528bに近接する方向に揺動する。これにより、第1橋架け部材7528aの第2橋架け部材7528bとの間隔が広げられたまま駆動側アーム部材7520が退避位置へ移動され、第1橋架け部材7528aと他側軸支孔533とが干渉することを防止することができる。
次いで、図60及び図61を参照して、第8実施形態における遊技盤8013について説明する。第1実施形態では、光照射装置331cから光が特定入賞口65aに照射される場合を説明したが、第8実施形態における遊技盤8013は、ベース板8060に植立して形成される外レール62の上半分部付近に光が照射される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図60は、第8実施形態における遊技盤8013の正面図である。図60に示すように、光照射装置8610は、外レール62の外方に配設されるので、光照射装置8610を部分的に隠すための遮蔽部材により遊技領域の装飾自由度が低下することを防止することができる。また、光照射装置8610は、遊技盤8013に形成される埋め込み孔8013aに配設されるので、光照射装置8610により遊技盤8013の前後方向の厚さが増すことを防止することができる。
光照射装置8610からは、外レール62の背面側を通って遊技領域の内側に光が照射される。その照射された光が正面側(図60手前側)に進行方向を変える仕組みについて、図61を参照して説明する。
図61は、図60のLXI−LXI線における遊技盤8013の部分断面図である。図61に示すように、光照射装置8610は、埋め込み孔8013aに固定される本体部8611と、その本体部8611の側面に配設される光照射部8612と、を主に備える。
遊技盤8013は、光透過性の樹脂材料から形成され、光照射装置8610が配設される埋め込み孔8013aと、その埋め込み孔8013aから遊技盤8013の背面に沿って外レール62を越えて下方(遊技領域の内方)に延設される凹部である投光通路8013bと、その投光通路8013bの延設端部に形成され下方(遊技領域の内方)へいくほど正面側へ近づく態様で傾斜する態様で形成される方向変化部8013cと、を主に備える。
なお、埋め込み孔8013a、投光通路8013b及び方向変化部8013cは、切削加工およびドリル加工等の加工や、樹脂型に適切な形状の突部を形成すること等により形成することができる。
光照射部8612から照射される光の経路E81は、投光通路8013bの内部に形成され、方向変化部8013cに到達し反射されることで、光の進行方向が経路E81から正面側(図61左側)に向く経路E82に変化する。ここで、光の進行方向を変化させる方向変化部8013cは、光透過性の樹脂材料から形成される遊技盤8013により形成されるので、目立たず、遊技領域の装飾に与える影響を小さくすることができる。これにより、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
経路E82で進行する光は、図61に示すように、遊技盤8013の正面に植設される釘に下方から照射される。これにより、ホールの照明により釘の下方に形成される影を明るくすることができる。そのため、釘の下方の領域の演出能力を向上させることができると共に、釘の下方の領域を球が通過する場合に球を見やすくすることができ、球が見づらいことで遊技者が感じる負担を和らげることができる。
特に、遊技盤8013の上部に植設される釘は、遊技者から見上げられる位置に配置されるので、釘の下方から光が照射されることにより、釘で反射した反射光を遊技者へ向けることができる。このように、球の流路を規定する釘を、光の演出を行う部材として利用することができる。
なお、釘の下側部分(下半部)は、球が衝突する可能性が少ないので、加工を施しても球の流下に与える影響が少ない。例えば、釘の下側部分(下半部)にクリスタル形状の加工を施すことで、光を複数の方向に反射させることができ、釘の演出能力を高めることができる。
また、光照射部8612から照射される光の色を、釘の色(例えば、黄色)と異なる色(例えば、赤色)とすることで、光が照射された釘と、その他の釘とを判別しやすくすることができる。
この場合、例えば、光照射装置8610を遊技盤8013に複数(本実施形態では6個、図60参照)配設し、順番に光を照射するようにしても良い。即ち、正面視で左端の光照射装置8610から光が照射された後でその右隣(正面視で左端から2個目)の光照射装置8610から光が照射され、その後でその右隣(正面視で左端から3個目)の光照射装置8610から光が照射され、その後も同様に続くようにしても良い。
これによれば、光照射装置8610から照射される光により、遊技盤8013に植設される釘が曲線矢印R81に沿って順番に光る。例えば、右打ちを行う方が遊技者にとって有利な遊技状態である場合に、遊技盤8013に植設される釘を曲線矢印R81に沿って順番に光らせることで、遊技者に右打ちを行うように合図することができる。これにより、球の流路を形成する釘に、球をどこに打ち込むと良いかを遊技者に伝える効果が付与されるので、釘の注目力を向上させることができる。
なお、光照射装置8610から照射される光が当たるのは、必ずしも釘に限るものではない。例えば、遊技盤8613に配設される風車や、スルーゲート67(図60参照)等に光が当たるようにしても良い。
次いで、図62から図64を参照して、第9実施形態における配線案内アーム9480について説明する。第1実施形態では、配線案内アーム480の第1案内アーム481と第2案内アーム482とが軸支部分以外では前後方向で重ならない場合を説明したが、第9実施形態における配線案内アーム9480は、第2案内アーム9482に配設される張出正面係止部9482fが、第1案内アーム9481と前後方向で重なる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、図62から図64においては、理解を容易とするために、拡径部481c1及び縮径部482b1の図示が省略される。
図62(a)は、第9実施形態における第1案内アーム9481の正面図であり、図62(b)は、第1案内アーム9481の底面図であり、図62(c)は、脱着正面係止部材9481fの斜視図である。なお、図62(a)では、脱着正面係止部材9481fが部分的に断面視され、添え部9481dと脱着正面係止部材9481fとの嵌め合い部分が視認可能とされる。
図62(a)に示すように、第1案内アーム9481は、添え部9481dに脱着可能に形成される脱着正面係止部材9481fと、添え部9481dの直線部分の両端部から板状腕部9481aへ向けて延設される板状の滑り止め板部9481gと、他側底部481e2の背面側から延設される他側補助底部9481hと、を主に備える。
板状腕部9481aは、切り欠き部481a1(図25(a)参照)の形成が省略される。本実施形態では、後述するように脱着正面係止部材9481fが添え部9481dと別体で成型されるので、切り欠き部481a1が不要なためである。これにより、板状腕部9481aの強度を確保することができる。
添え部9481dは、図62(a)に示すように、前後方向に延設される断面半円状の窪みである嵌め合い窪み9481d1を備える。
嵌め合い窪み9481d1は、後述する脱着正面係止部材9481fの円柱状の嵌め合い腕部9481f2が嵌り込む断面半円状の窪みであり、添え部9481dの短手方向(図62(a)紙面垂直方向)に延設される。これにより、添え部9481dの成型金型に嵌め合い窪み9481d1用の形状を追加して、一方向(図62(a)紙面垂直方向)に抜くことで、嵌め合い窪み9481d1が形成された添え部9481dを容易に製造することができる。
この嵌め合い窪み9481d1は、嵌め合い腕部9481f2の半径と同じか又は若干小さい半径の半円状に形成される。これにより、嵌め合い腕部9481f2を嵌め合い窪み9481d1に嵌め込むことができ、脱着正面係止部材9481fが添え部9481dの長手方向にスライド移動することを抑制することができる。
この場合、添え部9481dと嵌め合い腕部9481f2とが平面同士で当たる場合に比較して、嵌め合い腕部9481f2の太さに対する互いの接触面積を大きくすることができ、摩擦力を大きくすることができる。従って、脱着正面係止部材9481fが添え部9481dから脱落することを防止することができる。
脱着正面係止部材9481fは、図62(c)に示すように、長尺板形状の本体板部9481f1と、その本体板部9481f1の厚み方向の側面から垂直に円柱状に延設される複数の嵌め合い腕部9481f2と、を主に備える。
脱着正面係止部材9481fが添え部9481dから取り外し可能とされることで、配線Wが断線した場合など、配線Wを取り替える際には、脱着正面係止部材9481fを取り外すことで、脱着正面係止部材9481fを避けて配線Wを取り替える手間が省け、配線Wの取り替えを容易とすることができる。
複数の嵌め合い腕部9481f2は、添え部9481dを挟持することで脱着正面係止部材9481fを添え部9481dに固定する部分であり、添え部9481dの板厚よりも若干短い間隔で並設される一対の棒状部材が2組で連設される。脱着正面係止部材9481fが添え部9481dに固定される際には、複数の嵌め合い腕部9481f2の一対の棒状部材が添え部9481dから押されることで弾性変形され、その弾性回復力で添え部9481dを挟持する。
なお、嵌め合い腕部9481f2の長さは添え部9481fの幅方向の長さより若干長く形成され、嵌め合い腕部9481f2の先端に、添え部9481fを挟持する相手側の嵌め合い腕部9481f2へ向けて突設される突設部9481f3が形成される。その突設部9481f3が添え部9481fに引っかかることで、添え部9481fから脱着正面係止部材9481fが正面側(図62(a)手前側)に抜けることを防止することができる。
この場合、嵌め合い腕部9481f2が円柱状に形成され、嵌め合い窪み9481d1が断面半円状の窪みとして形成されるので、嵌め合い腕部9481f2が弾性回復力で添え部9481dを挟持する際に、嵌め合い腕部9481f2の軸心が嵌め合い窪み9481d1の中心に寄せられる。これにより、脱着正面係止部材9481fを添え部9481dに取り付ける際の位置合わせを容易にすることができ、取り付けに要する時間を短縮することができる。
滑り止め板部9481gは、板状腕部481aとの間で配線Wを挟持する部分であって、添え部9481dの幅方向(図62(b)上下方向)に亘って連続して形成され、添え部9481d及び板状腕部481aの厚さ方向に弾性変形可能とされる。滑り止め板部9481gの先端部と板状腕部481aとの間隔は通常は配線Wの厚さ以下の厚さとなるように形成され、ここに配線Wを挿通することで滑り止め板部9481gが弾性変形し、その弾性回復力で配線Wが板状腕部481aに対して滑ることが抑制される。
滑り止め板部9481gの向きは、添え部9481dの長手方向に沿って弾性変形可能に配置される。これにより、配線Wを、幅方向に亘って滑り止め板部9481dと板状腕部481aとで挟持することができ、配線Wが添え部9481dの長手方向に動いて擦れることを抑制できるので、配線Wの耐久性を向上させることができる。
一対の滑り止め板部9481gの向きは、添え部9481dの両端で互いに反対の向きとされる。これにより、配線Wの移動方向によらず、添え部9481dと配線Wとが添え部9481dの長手方向に動くことを抑制することができる。なお、滑り止め板部9481gは、リブ部Nと対向配置される。これにより、滑り止め板部9481gの先端部では無く、中間部(腹)で配線Wを抑えることができるので、配線Wにかかる抵抗を大きくすることができる(図64参照)。
他側補助底部9481hは、他側底部481e2と外周形状が同一で形成される板状部であって、他側底部481e2の背面から他側筒状部481cの周方向に他側筒状部481cを軸に約120度にかけて延設されると共に、その延設先端に傾斜側面9481h1を備える。なお、図64(a)に示すように、他側補助底部9481hの延設先端と、第2案内アーム9482の一側底部482e1の端部とが正面視で重なる。これにより、配線Wが背面側(図64(a)紙面奥側)に脱落することを防止することができる。
傾斜側面9481h1は、他側底部481e2から遠ざかるほど背面側(図62(b)下側)へ傾斜する。
図63(a)は、第2案内アーム9482の正面図であり、図63(b)は、第2案内アーム9482の底面図であり、図63(c)は、図63(a)のLXIIIc−LXIIIc線における第2案内アーム9482の断面図である。
図63(a)に示すように、第2案内アーム9482は、添え部482dの正面端部から添え部482dの厚さ方向の両方向に延設される張出正面係止部9482fと、添え部482d及び板状腕部482aの直線部分の端部から、対向配置される板状腕部482a及び添え部482dへ向けて延設される滑り止め板部9482gと、を主に備える。
張出正面係止部9482fは、添え部482dを挟んで板状腕部482aの反対側に延設される延設端部に、その延設先端から添え部482へ近づくにつれて背面側(図63(c)右側)へ傾斜する傾斜側面9482f1を備える。
滑り止め板部9482gの技術的思想は、上述した滑り止め板部9481gの技術的思想と同一なので、ここでは説明を省略する。
図64(a)及び図64(b)は、配線案内アーム9480の第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482の正面図であり、図64(c)は、図64(a)のLXIVc−LXIVc線における配線案内アーム9480の第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482の断面図である。図64(a)では、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態が図示され、図64(b)では、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が軸回転され開かれた状態が図示される。また、図64(a)及び図64(b)では、配線Wが図示され、図64(c)では、配線Wの図示が省略される。
ここで、他の可動役物の配設領域を確保するために、配線案内アーム9480の配設領域を抑制することが望ましい。そのため、配線Wを収容する領域(例えば、第1案内アーム9481の板状腕部481a及び添え部9481dの間)に余裕を持たせることが困難となる。この場合、配線案内アーム9480が折りたたまれたり、開かれたりと、状態が変化するごとに配線Wが配線案内アーム9480の内側面と擦れ、配線Wが早期に劣化し、配線Wの耐久性が低下する恐れがある。
これに対し、本実施形態における配線案内アーム9480では、滑り止め板部9481g,9482gと板状腕部481a,482aとの間に配線Wが挟持されることで、配線Wが板状腕部481a,482aや添え部9481d,482dに対して相対移動することが抑制される。これにより、配線Wの耐久性を確保することができる。
また、第1案内アーム9481に対して第2案内アーム9482が捻れる態様で変形する場合、配線Wも捻れ、配線Wの耐久性が低下する恐れがある。
これに対し、本実施形態における配線案内アーム9480では、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が開かれた状態(図64(b)参照)において、他側補助底部9481hが第2案内アーム9482の一側底部482e1と前後方向で重なる。ここで、他側補助底部9481hは他側底部481e2の背面に沿って他側筒状部481cの周方向に延設される(図62(b)参照)。
そのため、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が開かれた状態(図64(b)参照)において、他側補助底部9481h及び一側底部482e1は、前後方向で当接可能な位置関係に形成される。即ち、第1案内アーム9481に対して、第2案内アーム9482が、一側底部482e1を他側補助底部9481hに押し付ける方向に捻れ変形すると、一側底部482e1及び他側補助底部9481hが当接され、捻れ変形の変形抵抗が増大する。この場合、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が捻れ変形することを抑制することができる。従って、配線Wが捻れ変形することを抑制でき、配線Wの耐久性を確保することができる。
本実施形態では、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)において、張出正面係止部9482fが第1案内アーム9481の添え部9481dと前後方向で重なり、前後方向で当接可能な位置関係に形成される(図64(c)参照)。即ち、第1案内アーム9481に対して、第2案内アーム9482が、張出正面係止部9482fを添え部9481dに押し付ける方向に捻れ変形すると、張出正面係止部9482f及び添え部9481dが当接され、捻れ変形の変形抵抗が増大する。この場合、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が捻れ変形することを抑制することができる。従って、配線Wが捻れ変形することを抑制でき、配線Wの耐久性を確保することができる。
また、本実施形態から他側補助底部9481hが更に周方向に延設される場合、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)で、第2案内アーム9482及び他側補助底部9481hが当接され、第1案内アーム9481及び張出正面係止部9482fが当接される。
この場合、第2案内アーム9482の背面側と他側補助底部9481hとが当接されるので、第2案内アーム9482の正面側が下倒れすることを抑制することができる。一方で、第1案内アーム9481の正面側と張出正面係止部9482fとが当接されるので、第2案内アーム9482の背面側が下倒れすることを抑制することができる。そのため、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)において、方向によらず、第2案内アーム9482が第1案内アーム9481に対して捻れることを抑制することができる。
また、張出正面係止部9482fを第2案内アーム9482の背面側に追加することによっても、同様の効果を得ることができるが、この場合、一対の張出正面係止部9482fで第1案内アーム9482を挟み込むことになり、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482の位置合わせの精度を高める必要がある。
一方、本実施形態では、第2案内アーム9482の捻りを抑制する部分が、第2案内アーム9482の長手方向にずれて形成されるので、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482の位置合わせの精度として必要とされる程度を低めることができる。
本実施形態では、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)から、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が開かれた状態(図64(b)参照)に至るまでの間に、他側補助底部9481hの延設先端が第2案内アーム9482の一側底部482e1の端面と当接する恐れがある。
これに対し、他側補助底部9481hの延設先端に傾斜側面9481h1(図62(a)参照)が形成されることで、他側補助底部9481hの延設先端が一側底部482e1の端面と当接した場合にも、他側補助底部9481hを一側底部482e1の背面側(図64(b)紙面奥側)に乗り上げさせることができる。これにより、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が開かれた状態(図64(a)参照)を形成することを容易にできる。
また、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が開かれた状態(図64(b)参照)から、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)に至るまでの間に、張出正面係止部9482fの延設先端が添え部9481dの側面と当接する恐れがある。
これに対し、張出正面係止部9482fの延設先端に傾斜側面9482f1(図63(c)参照)が形成されることで、張出正面係止部9482fの延設先端が添え部9481dの側面と当接した場合にも、張出正面係止部9482fを添え部9481dの正面側(図64(a)紙面手前側)に乗り上げさせることができる(図64(c)参照)。これにより、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)を形成することを容易にできる。
なお、本実施形態では添え部9481dに当接する張出正面係止部9482fが正面側に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、張出正面係止部9482fが正面側および背面側の一対で形成されても良い。これにより、第2案内アーム9482の捻れ変形の方向によらず、張出正面係止部9482fを添え部9481dに当接させることができ、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が捻れ変形することを抑制することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、複合動作ユニット400の一対の装飾部材422が揺動することで隙間を形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、装飾部材422が左右方向にスライド移動可能に案内され、一対の装飾部材422が互いに離反する方向にスライド移動することで首振り部材430を収容する隙間を形成しても良い。この場合、一対の装飾部材422の間に形成される隙間の幅を上下方向に亘って確保することができる。
上記各実施形態では、盤面下部ユニット300の移動上蓋部材332が前後方向にスライド移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の段部324aの内側面に揺動可能に軸支され左右一対で形成される長尺板状の可動部材を備え、その可動部材は、一対の段部324aが連設される方向に長手方向を沿わせる姿勢で配置され球の特定入賞口65aへの通過を妨げる閉鎖状態と、その状態から上昇または下降方向に揺動され球の特定入賞口65aへの通過を可能とする開放状態と、を形成可能としても良い。また、同様の構成で、特定入賞口65aではなく第2入賞口640を構成しても良い。
上記各実施形態では、盤面下部ユニット300の移動上蓋部材332が退避状態とされる場合に光照射装置331cから照射される光を正面側へ反射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材332が張出状態とされる場合に光照射装置331cから照射される光を正面側へ反射する部分を移動上蓋部材332の下部に形成しても良い。この場合、移動上蓋部材332により反射される光が球に遮られることが無く、光の演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、揺動動作ユニット500の移動部材540に位置合わせ部543が凹凸嵌合で合体される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の移動部材540の互いに近接配置される位置に磁石が配設され、磁力により移動部材540を合体させても良い。この場合、磁力により移動部材540同士を吸着させることができ、移動部材540が張出位置に配置される場合における保持力を駆動装置550で発生させることが不要となる。そのため、駆動装置550の消費電力を抑制することができる。
上記各実施形態では、複合動作ユニット400の案内孔413が直線状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内孔413を曲線状に形成しても良い。この場合、本体部材410の移動速度が同じでも、遮蔽部材420の揺動速度に緩急をつけることができる。
上記各実施形態では、複合動作ユニット400の首振り部材430の本体部材431が揺動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、首振り部材430が本体部材410から離反する方向にスライド移動するスライド部材を備え、そのスライド部材と本体部材410との間に装飾部材422が収容されても良い。
上記各実施形態では、複合動作ユニット400の配線案内アーム480の各案内アームが上下方向に積層される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、配線案内アーム480の各案内アームが前後方向に積層されても良い。この場合、配線案内アーム480の上下幅を狭めることができるので、開口211aの外方に配線案内アーム480を収容するために必要な底壁部211の幅を狭めることができる。これにより、第3図柄表示装置81の配置面積を拡大することができる。
上記各実施形態では、移動部材540が駆動側アーム部材520,2520,3520,7520及び従動側アーム部材530,7530の一対のアーム部材に支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動部材540が3本以上の複数のアーム部材に支持されても良い。この場合、例えば、橋架け部材528,2528,7528を中間のアーム部材に締結固定し、両端のアーム部材の正面側に被さる態様で配設することで、アーム部材同士の位置ずれを抑制する効果を向上させることができる。即ち、両端のアーム部材の内、一方のアーム部材が橋架け部材528,2528,7528の一方の端部を押し、橋架け部材528,2528,7528が撓む場合、他方の端部は他方のアーム部材に近づく向きに移動し、他方のアーム部材に支えられる。このように、両端のアーム部材同士が橋架け部材528,2528,7528の撓みを抑制するように働くことで、結果的に複数のアーム部材の位置ずれを抑制でき、移動部材540の姿勢を安定させることができる。
上記第1実施形態から第5実施形態まで及び第7実施形態では、配線案内アーム480の各案内アーム481〜483が、円柱状の部分(例えば、一側軸支部482b)と円筒状の部分(例えば、他側筒状部481c)とで軸支される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円柱状の部分を支持する部分が、各案内アーム481〜483の長手方向に延設される長孔で形成されても良い。この場合、各案内アーム481〜483が折れ曲げられる上下方向の伸縮に加え、長孔の延設方向に各案内アーム481〜483がスライド移動する左右方向の伸縮を行うことができる。
上記第1実施形態から第5実施形態まで及び第7実施形態では、配線案内アーム480を構成する各アーム部材(例えば、第1案内アーム481)の下方の側面(例えば、板状腕部481a)が上方の側面(例えば添え部9481d)に比較して幅が短くなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各アーム部材(例えば、第1案内アーム481)の下方の側面(例えば、板状腕部481a)が上方の側面(例えば添え部9481d)に比較して幅が長くされても良い。この場合、配線Wが重力により下方の側面(例えば、板状腕部481a)からずり落ちることを抑制することができる。
上記第1実施形態から第5実施形態まで、第7実施形態および第9実施形態では、配線Wの幅が添え部481d,9481dよりも短い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面係止部481fの形成が省略され、配線Wの幅が板状腕部481a及び添え部481d,9481dの幅より長くされても良い。この場合、板状腕部481a及び添え部481d,9481dから配線Wの一部がはみ出すので、そのはみ出す部分を指でつまんで(指で引っかけて)容易に配線Wを取り出すことができる。これにより、配線Wのメンテナンスを容易に行うことができる。
上記第1実施形態から第5実施形態まで、第7実施形態および第9実施形態では、添え部481d,9481dの幅が一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、添え部481d,9481dの正面係止部481fが固定される箇所以外の部分を板状腕部481aと同じ幅で形成しても良い。この場合、配線Wの幅を板状腕部481aより長くすることで、板状腕部481a及び添え部481d,9481dから配線Wの一部をはみ出させることができる。よって、そのはみ出す部分を指でつまんで(指で引っかけて)容易に配線Wを取り出すことができる。これにより、配線Wのメンテナンスを容易に行うことができる。
上記第4実施形態では、案内孔4424bの上側面に凹設部4424cが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内孔4424bの上側面の厚さを下側面の厚さに比較して分厚くしても良い。この場合、案内孔4424bの上側面と連結部材423との間で生じる摩擦を、案内孔4424bの下側面と連結部材423との間で生じる摩擦に比較して大きくできるので、本体部材410が下方に移動する際に生じる連結部材423の跳ね返りを抑制できる。
上記第4実施形態では、案内孔4424bの上側面に凹設部4424cが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体部材410の案内孔413の下方端部の上側面にスライド軸部423eを収容可能な窪みが形成されても良い。この場合、挿通軸部421cが案内孔413の下方端部に配置される場合に挿通軸部421cに案内孔413の側面からかけられる抵抗Fを大きくすることができる。
上記第8実施形態では、投光通路8013bの延設端部のみに方向変化部8013cが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、投光通路8013bの途中に方向変化部8013cが追加で配設されても良い。この場合、投光通路8013bの途中に配設される方向変化部8013cから正面側に反射される光と、その方向変化部8013cを透過して投光通路8013bの延設端部に配設される方向変化部8013cから正面側に反射される光とに光を分けることができる。即ち、光照射装置8610から照射される光を複数個に分割することができるので、光照射装置8610の個数に対して、正面視で視認される光の個数を多くすることができる。これにより、光照射装置8610の演出効果を維持しつつ、光照射装置8610の配設個数を抑制することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
<第1制御例>
次に、図65〜図78を参照して、第1制御例における第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図65は、第3図柄表示装置81の表示画面を示す図である。
第3図柄表示装置81に表示される絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図65(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面(表示領域)には、複数の表示領域として、上段・中断・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は、18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面では、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって、所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図65(b)に示すように、表示画面は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面には、5つの有効ライン、即ち、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3、中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、大当たりが発生したとして、大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「確変図柄」に相当し、16R確変大当たりである大当たりAまたは4R確変大当たりである大当たりBが発生する場合には、同一の確変図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は、「通常図柄」に相当し、16R通常大当たりである大当たりCまたは4R通常大当たりである大当たりDが発生する場合には、同一の通常図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、第3図柄表示装置81における図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限られることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
また、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入賞口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第3図柄表示装置81には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、第3図柄表示装置81に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、第3図柄表示装置81に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本制御例においては、第1入賞口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図66および図67を参照して、本制御例のパチンコ機10において実行される演出の1つである超背景予告演出について説明する。この超背景予告演出は、遊技者が背景のスクロール方向を選択スイッチ270によって操作可能な演出である。また、超背景予告の背景画像において、特定画像(本制御例では扉が点滅する画像)が表示された場合に、決定スイッチ270eを操作することにより、保留内に大当たりがあるか否かの期待値を示す背景画像(扉内背景)が表示される。よって、保留内に大当たりがあるか否かの情報を知りたい遊技者は、超背景予告の背景画像において、特定画像が現出することに注目して遊技を行うこととなる。その結果、遊技者の興趣を向上することができる。
また、超背景予告の背景画像は、スイッチ操作により遊技者の任意の方向にスクロール表示させることができるため、遊技者に対して背景画像内を探索しているかのような印象を与えることができる。これにより、遊技者の興趣を向上することができる。
図66(a)は、超背景予告演出の背景画像の一例を示した図である。この超背景予告演出の背景画像が表示されている場合に、例えば、右スイッチ270bが押下されると、背景画像が右にスクロールされる。ここで、本制御例では、右スイッチ270bの押下に基づいて、背景画像が右にスクロールされるよう設定され、その後、他の方向の選択スイッチ270の操作があるまでスクロールが継続されるよう構成されている。しかし、この構成に限らず、選択スイッチ270の押下時間に応じて背景画像のスクロールが実行されるように構成してもよい。これにより、遊技者の操作に柔軟に対応することができ、遊技者の興趣を向上することができる。
図66(b)は、上述した超背景予告演出の背景画像が表示されている場合(図66(a)参照)において、右スイッチ270bの押下に基づいて背面画像が右にスクロール表示されている図である。背面画像が右にスクロール表示されることにより、図66(a)にて画面右端に一部だけ表示されている扉の画像が、図66(b)では画面中央に扉の全体が視認可能な状態で、表示されるようになっている。
この扉の画像は、一定時間毎に点滅するようなデータとなっている。これにより、図66(b)のように扉が視認可能な状態で一定時間が経過すると、図67(a)のように扉が点滅して表示される。この場合において、決定ボタン270eが押下されると、特別画像である扉内背景の表示を示唆する演出が表示される。具体的には、図67(b)のように扉が開いた画像が表示され、「次の変動で中に入るよ!」との文字が表示される。ここで、本制御例では、扉の点滅表示を一定時間毎に行うように構成したが、これに限られず、点滅表示される間隔を不規則にしてもよい。また、本制御例では、一定時間毎に点滅するデータを予め用意しておき、扉の点滅表示を行うように構成したが、これに限られず、所定の契機に基づいて、扉が点滅するデータに変更するように構成するものでもよい。
なお、特別画像である扉内背景(図示せず)は、上述した通り、保留内に大当たりがあるか否かの期待度を示すものである。詳細な処理は後述するが、この扉内背景は、表示されてから20回の変動が終了するまで表示される。20回の変動が終了する際には、再度、保留内に大当たりがあるか否かを判別し、その判別結果に基づいて背景画像が変更される。具体的には、保留内に大当たりがあると判別された場合は、前回と同一の扉内背景の画像が高確率で表示され、一方そうでない場合は、扉内背景の表示が終了されることとなる。次に、図68〜図71を参照して、本制御例のパチンコ機10において実行されるスーパーリーチ演出の1つであるスーパーリーチAの演出について説明する。このスーパーリーチAの演出は、第3図柄の変動期間において実行される演出であり、枠ボタン22の押下に基づいて、停止図柄が表示される演出である。
スーパーリーチAでは、ばらけ目表示態様が表示されると共に、小さな泡が表示される。ここで、ばらけ目表示態様とは、例えば、図68(a)のように、上図柄列Z1の左ラインL1にアンコウの主図柄に「6」の数字を付した6図柄を示す第3図柄、中ラインL2に副図柄の貝図柄、右ラインL3にクジラの主図柄に「7」の数字が付された7図柄が停止表示され、下図柄列Z3の左ラインL1に5図柄が、中ラインL2に貝図柄、右ラインL3に4図柄が停止表示された、いずれのライン(L1〜L5)でもリーチとなっていない表示態様である。
次に、「泡チャンス」との文字が表示されると共に、ばらけ目表示態様がダブルリーチ表示態様に変化する。ここで、ダブルリーチ表示態様とは、例えば、図68(b)のように、上図柄列Z1には図68(a)と同様の図柄が停止表示され、下図柄列Z3の左ラインL1に7図柄が、中ラインL2に貝図柄、右ラインL3に6図柄が停止表示された、右下がりラインL4で6図柄のリーチ表示態様、右上がりラインL5で7図柄のリーチ表示態様となった表示態様である。
そして、図69(a)のように、複数の泡が回転する表示と共に、「タッチで泡をとめてね!」との文字が表示され、その後、図69(b)のように、回転する泡に大当たりとなる図柄(6図柄、7図柄および特別図柄)が入る表示がされる。
次に、図70(a)のように、大当たりとなる図柄が入った泡の色が変化すると共に、「色のついてる泡が当たりだよ!」との文字が表示される。また、画面右下部には、ボタン押下が可能な残時間を表示するインジケータが表示される。
そして、ボタン押下が可能な残時間内に、枠ボタン22を押下すると、色のついた泡または色のついていない泡が停止表示される。図70(b)は、色のついた泡が停止表示された画面を例示した図である。
色のついた泡が停止表示されると、図71のように、色のついた泡が大当たりとなる図柄(7図柄)へと変化し、大当たりの報知がなされる。一方、色のついていない泡が停止されると、色のついていない泡が外れとなる図柄(例えば、5図柄)へと変化し、外れの報知がなされる(図示せず)。
上述したように、本制御例における、スーパーリーチAでは、大当たりとなる図柄(上記の例示では6図柄、7図柄および特別図柄)が色のついた泡に統一され、外れ図柄(6図柄、7図柄および特別図柄以外の図柄)が色のついていない泡として統一される。これにより、遊技者は色の有無のみに着目してボタンを押下すればよく、わかりやすい遊技機を提供することができる。
次に、図72〜図74を参照して、本制御例のパチンコ機10において実行される大当たり演出について説明する。この大当たり演出は、すごろくのようなマスが配置された地図が表示されるものであり、その地図のマスは、選択スイッチ270等の操作に基づいて、選択することができる。この選択されたマスには、それぞれイベントが設定されており、そのマスイベントに基づいて大当たり演出中のラウンド演出が行われる。なお、マスイベントは、大当たり種別、大当たりの継続回数、または表示演出カウンタ233oの値などに基づいて設定されるものである。
また、大当たりが継続する場合(確変状態または時短状態において大当たりとなる場合)は、前回の大当たり演出で選択されたマスから継続した演出が実行される。さらに、前回の大当たり演出で選択されたマスではないが、継続した演出を開始(リスタート)可能なコンティニュマスが設けられている。このコンティニュマスからのリスタートは、通過したマスの履歴などに基づいて実行可能であるかが判別される。また、地図上のすべてのマスを通過した場合は、次回の大当たり演出より新しい地図が表示される。さらに、大当たり演出の終了(エンディング)時には、保留内に大当たりがあるか否かによってマスイベントが変更される場合がある。
図72(a)は、前回の大当たり演出でスタート地点から1つめのマスが選択されており、その後、継続して(確変中または時短中に大当たりが発生して)大当たり演出が開始される場合を示した図である。なお、図中の「S」が書かれたマスはスタート地点を意味し、初回の大当たり時にはここからスタートすることとなる。また、図中の「G」はゴール地点を意味するものであり、ゴール地点に到達した際の動作は図73(b)を参照して後述する。
図72(a)のように、継続された大当たりの演出が開始されると、前回の大当たり演出で選択されたマスから継続して演出が開始される。大当たり演出が開始されると、今回の操作開始地点であるマス(前回選択されたマス)は他のマスと異なる色で点灯表示され、犬のキャラクタが表示される。これにより、遊技者が今回の操作開始地点がどこであるかを容易に認識することができる。なお、遊技者に操作開始地点を認識可能とさせる態様としては、これに限られず、例えば、操作開始地点のマスを点滅表示するものであっても良いし、当該マスを矢印等の記号によって指し示すものであっても良い。
操作開始地点のマスの付近には、操作可能な方向を示す矢印が表示されている。これにより、遊技者はどちらの方向に操作可能であるかを容易に認識することができる。本制御例においては、右方向と下方向とに操作可能であることを示す矢印が表示されている。ここで、右スイッチ270bを押下すると、操作開始地点のマスの右隣りのマス(即ち、スタート地点から2つ先のマス)が点灯表示され、犬のキャラクタが表示されることとなる。
一方、操作可能な方向として示されていない方向に対応する選択スイッチ270が操作された場合は、当該スイッチ操作はなかったものとみなされ、表示は変更されないよう構成されている。なお、上記の場合において、当該スイッチ操作が無効である旨を示唆するために、画面に表示を行ったり、音を出力したりするよう構成しても良い。
ここで、操作開始地点のマスの右隣りのマス(即ち、スタート地点から2つ先のマス)が選択された状態で、決定スイッチ270eを押下すると、当該マスに設定されているマスイベントに応じた演出が実行される。
図72(b)は、上述したスタート地点から1つ先のマスが操作開始地点である場合の大当たり演出(図72(a)参照)において、右スイッチ270bが押下された後、決定スイッチ270eが押下された場合の演出の一例を示す図である。図72(b)では、決定スイッチ270eの操作に基づいて、スタート地点から2つ先のマスが選択されたと判別すると、当該マスに設定されているマスイベントに応じた演出を行う。具体的には、第3図柄表示装置81の左上部に「選べる背景が増えたよ!」とのマスイベントの内容を示唆する表示が行われる。これにより、遊技者はマスイベントの内容を容易に認識することができる。
また、継続された大当たりの演出が開始されると、前回のマップとマスイベントが読み込まれると共に、表示制御装置114の表示演出カウンタ233oの値によって新たなマスイベントが読み込まれる。前回のマスイベントと新たなマスイベントとを比較して、新たなマスイベントが設定される場合は、例えば、図73(a)のように、「コンティニューマスが増えたよ!」との文字が表示される。
これにより、遊技者はマスイベントが変化したことを容易に認識することができる。一方、これに限らず、遊技者に認識できないようにマスイベントを変更してもよい。これにより、遊技者にとって意外な演出を提供することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
図73(b)を参照して、コンティニュマスを通過した後に、継続して大当たり演出が実行される場合の表示について説明する。本制御例の大当たり演出では、大当たり演出の地図上に設けられたコンティニュマスを通過すると、次回の継続した大当たり演出において、当該通過マスから継続した演出(リスタート)を実行することが可能となる。具体的には、コンティニュマスを通過し、かつ、未通過のルート(1または複数のマス)がある場合において、スタート地点に一番近い、未通過のルートがあるコンティニュマスからリスタートされる。この場合において、図73(b)のように、「リスタート地点はここだよ」との文字が表示され、リスタート地点に該当するマスが矢印で示される。
これにより、当該マスから継続した大当たり演出が開始されることを、遊技者に容易に認識させることができる。なお、通過済みのマスには「済」との文字が付されると共に斜線が付され、未通過のマスには「未」との文字が付される。これにより、未通過のマスがどれであるのかを、遊技者に容易に認識させることができる。このリスタートにより、前回選択したマスだけではなく、未通過のルートがあるコンティニュマスからリスタートができるため、未通過のマスを通過させることを容易にできる。
なお、全てのマスを通過した場合には、新しい地図が表示される。この場合、図74(a)のように、新しい地図が表示されると共に、「新しいマップを発見したよ!」との文字が表示される。これにより、新しい地図が表示されたことを、遊技者に容易に認識させることができる。
また、大当たり演出の終了(エンディング)時に、保留内に大当たりがあると判別された場合は、その大当たりに基づいて、マスイベントが設定される。具体的には、図74(b)のように、現在地点のマスから2マス先のマス(即ち、大当たりが2回発生することで到達できるマス)がスペシャルマスに設定される。遊技者は2つ先のマスがスペシャルマスに設定されることにより、少なくとも、後2回の大当たりを期待して遊技を継続することとなる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
次に、図75〜図78を参照して、本制御例におけるスーパーリーチBの演出について説明する。図75および図76は、このスーパーリーチBの演出タイミングを模式的に示した模式図であり、図77および図78は、このスーパーリーチBの演出を例示した図である。
このスーパーリーチBの演出は、画面上のキャラクタ(女の子)が、手に持っている図柄(サメやエビなど)を(図77(a)参照)、枠ボタン22の操作に基づいて、ポイポイと投げる演出(図77(b)参照)または投げられない演出を実行するものである。この投げる演出が行われると、手に持っている図柄が、次の図柄に変わっていく。そして、リーチ図柄と同一の図柄が現出すれば、大当たりを報知する演出(図78(b)参照)となっている。
なお、大当たりのスーパーリーチBの演出であれば、枠ボタン22の操作に基づいて、リーチ図柄と同一の図柄が現出されるまで投げる演出が実行可能であり、外れのスーパーリーチBの演出であれば、枠ボタン22の操作に基づいて、リーチ図柄と同一の図柄が現出されるまで投げるが実行できないようになっている。
本制御例では、投げる演出(図77(a)参照)が3度実行されれば、大当たりを報知する演出(図78(b)参照)が実行されるように構成されている。具体的には、7の図柄でリーチとなっている場合は、4の図柄を投げる演出から開始される。枠ボタン22の操作に基づいて、4の図柄を投げる演出が実行されると、次いで、5の図柄を投げる演出に移行する。同様に5の図柄を投げる演出が実行されると、6の図柄を投げる演出に移行し、6の図柄を投げる演出が実行されると、7の図柄が現出されることとなる。
一方、大当たりのスーパーリーチBの演出において、枠ボタン22が押下されなかった場合は、投げる演出が行われなかったにも関わらず大当たりとなるため、通常の大当たりを報知する演出(通常演出)とは異なる演出(差替演出)が実行される。ここで、スーパーリーチBでは、大当たりを報知する演出が実行されるまでに、複数回の枠ボタン22の操作が必要となる。そこで、大当たりを報知する演出の実行までに、枠ボタン22の操作が不足すると考えられるタイミング(差替タイミング)にて、予め、通常演出が差替演出に差し替えられる。この差替タイミングは、枠ボタン22の操作回数に応じて可変されるものであり、詳細は後述する。
まず、図75(a)を参照して、スーパーリーチBの演出において、枠ボタン22が一度も押下されなかった場合について説明する。スーパーリーチBの変動が開始されると、図柄の変動(通常演出)が開始される。そして、上図柄列Z1と下図柄列Z3とがリーチとなる表示態様で停止され、リーチ演出が開始される。このリーチ演出の期間は枠ボタン22の押下に基づく演出が実行される、枠SW有効期間となっている。この枠SW有効期間において、枠ボタン22の押下が無い場合は、差替タイミングにおいて、大当たりを報知する演出が差替演出に差し替えられる。これにより、枠ボタン22の押下がなく、投げる演出が無いにも関わらず大当たりとなっても、遊技者にとって違和感のない大当たりの報知を実行することができる。
次に、図75(b)を参照して、スーパーリーチBの演出において、枠ボタン22が一度だけ押下された場合について説明する。スーパーリーチBの変動が開始されると、上述した図75(a)の場合と同様に、上図柄列Z1と下図柄列Z3とがリーチとなる表示態様で停止され、リーチ演出が開始される。そして、枠SW有効期間において枠ボタン22が押下されたことに基づき、図柄を投げる演出である有効演出が実行される。ここで、当該ボタン操作に基づいて実行される、図柄を投げる演出(有効演出)または図柄を投げない演出(偽演出)は、音声ランプ制御装置113の演出カウンタ223iに基づいて抽選されるものである。
有効演出が実行されると、大当たりを報知する演出の実行までに、枠ボタン22の操作が不足すると考えられるタイミング(差替タイミング)が変化するため、差替タイミングが遅延時間dt分だけ遅延される。これにより、大当たりを報知する演出の実行までに、枠ボタン22の操作が間に合うにもかかわらず、大当たりを報知する演出が差し替えられてしまうことを防ぐことができる。
図75(b)では、一度枠ボタン22が押下された後、枠ボタン22が押下されないため、上述のように遅延時間dt分だけ遅延された、差し替えタイミング(変更後)において、大当たりを報知する演出が差替演出に差し替えられることになる。
次に、図76(a)を参照して、スーパーリーチBの演出において、枠ボタン22が押下され、大当たりを報知する演出が差し替えられることなく、大当たりが報知される場合について説明する。
スーパーリーチBの変動が開始されると、上述した図75(a),(b)の場合と同様に、上図柄列Z1と下図柄列Z3とが7の図柄でリーチとなる表示態様で停止され、リーチ演出が開始される。そして、枠SW有効期間において枠ボタン22が押下されたことに基づき、有効演出または偽演出が実行される。図76(a)では、一度目の押下によって4の図柄を投げることのできない演出である、偽演出が実行さる。そして、2度目および3度目の押下によって有効演出が実行され、キャラクタの持っている図柄が6の図柄に変更される。この6の図柄が表示されている状態において、停止可能期間に枠ボタン22が押下されると、有効演出となる停止表示演出が実行され、7の図柄が現出する停止表示が実行される。
一方、停止可能期間でない場合に枠ボタン22が押下されても有効演出が実行されることはなく、偽演出が実行されるよう構成されている。これにより、停止表示の表示期間が不足するような早いタイミングで、停止表示の演出が実行されることを防ぐことができる。
次に、図76(b)を参照して、スーパーリーチBの演出において、枠ボタン22が押下され、大当たりを報知する演出が差し替えられることなく、外れが報知される場合について説明する。
図76(b)では、上述した図76(a)と同様に、枠SW有効期間において、3度の枠ボタン22の操作に基づいて、偽演出と2回の有効演出が実行され、6の図柄が現出した状態となる。ここで、図76(a)では、停止可能期間に枠ボタン22が押下されることで、有効演出となる停止表示演出が実行され、7の図柄が現出された。一方、図76(b)では、停止可能期間に枠ボタン22が押下されることで、偽演出となる停止表示演出が実行され、7の図柄が現出しないようになっている。これにより、外れのスーパーリーチBの表示態様が実行されているにも関わらず、大当たりとなる図柄が表示されてしまうことを防ぐことができる。
図77(a)は、上述した通り、スーパーリーチBにおいて、7の図柄でリーチとなった場合に、枠ボタン22に基づく有効演出が実行されていない画面を例示したものである。画面左上には7の図柄でリーチとなったことを示唆するために、7の図柄が表示されている。また、画面中央のキャラクタは4の図柄を持っており、有効演出が3度実行されることにより、当該図柄が5の図柄→6の図柄→7の図柄と変化して、リーチ図柄である7の図柄が表示されることとなる。画面右下部には、枠SW有効期間を示すインジケータが表示されている。
図77(b)は、上述したとおり、スーパーリーチBの枠SW有効期間において、4の図柄が表示されている場合に、枠ボタン22の操作に基づいて、有効演出が実行された画面を例示したものである。画面中央のキャラクタが枠ボタン22の操作に基づいて、4の図柄を投げる演出が表示される。
図78(a)は、上述した差替演出により大当たりとなった画面の一例を示す図である。差替演出による大当たりの報知は、枠ボタン22の操作が実行されていないにも関わらず、大当たりとなる場合に実行される。この場合、枠ボタン22の操作が実行されていないため、外れの態様で停止表示が行われる。そこで、本制御例では、当該停止表示の後に、図78(a)のような、「復活大当たり」との文字が表示される大当たりを報知する演出が実行される。これにより、遊技者には、外れに見せかけた大当たりの演出であると認識させることができる。その結果、外れの態様で停止表示されたにも関わらず大当たりが報知されることにより、遊技者が感じる違和感を低減することができる。
図78(b)は、差し替えが行われない通常演出により、大当たりが報知される演出を例示した図である。この演出は、図76(a)のように、枠SW有効期間において枠ボタン22が規定回数押下されて大当たりの図柄が現出した場合の図である。図78(b)では、停止可能期間の枠ボタン22の押下に基づいて、6の図柄が画面右上に投げられる演出となっている。
<第1制御例における電気的構成について>
次に、図79および80を参照し、主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図79を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図92参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図100参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203のカウンタ用バッファ203hに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入賞口64または第2入賞口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図92参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図100参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類の判定値が含まれる。即ち、それぞれの状態においてテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「0〜2」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図81(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「3/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「0〜29」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図81(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「3/40」となる。
また、本制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されており、この第1当たり種別カウンタC2の値と、ROM202内に設けられている第1当たり種別選択テーブル202b(図81(c)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。図81(c)に示すように、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜24」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となり、乱数値が「25〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。また、乱数値が「50〜74」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となり、乱数値が「75〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」となる。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本制御例では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本制御例ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入賞口64または第2入賞口640への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。また、低確率状態では、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入賞口64または第2入賞口640への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。ここで、変動時間とは、特別図柄の変動が開始されてから、図柄が停止表示され、図柄が確定するまでの時間のことを指す。例えば、9.6秒の図柄変動が実行された後で、図柄が0.4秒間だけ停止表示されて図柄が確定する場合には、変動時間が10秒(9.6秒+0.4秒)であると表記する。この変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図100参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図82(a)〜(d)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている(図82(a)参照)。
この変動パターン選択テーブル202d(図82(a)〜(d)参照)には、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりノーマルリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターン選択テーブル202dに規定された各種変動パターンから、抽選結果や停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。なお、この変動パターン選択テーブル202dに規定されている、5秒〜30秒の変動パターン演出の変動時間としては、例えば、5秒〜30秒の変動時間が規定されている。
ここで、スーパーリーチの種類について説明する。本制御例では、スーパーリーチの種類として、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」および、その他スーパーリーチ各種が規定されている。「スーパーリーチA」は、上述した図68〜図71の演出画面を一例とする、遊技者が枠ボタン22を押下することに基づく演出を行うリーチ演出であり、「スーパーリーチB」は、上述した図77および図78の演出画面を一例とする、遊技者が枠ボタン22を押下することに基づく演出を行うリーチ演出である。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図81(d))によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通図柄始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通図柄始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図92参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図100参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図80に戻り、説明を続ける。RAM203は、図79に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図100参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図99参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図98参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図50に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変中フラグ203eと、時短中カウンタ203fと、先読み確変中フラグ203g、カウンタ用バッファ203hと、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、第1入賞口64および第2入賞口640用の記憶エリアであり、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入賞口64または第2入賞口640へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入賞口64または第2入賞口640へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、それらの値を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、各カウンタC1〜C3の各値を抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が普通図柄始動口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入賞口64または第2入賞口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入賞口64または第2入賞口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図95のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに第1特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図93のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図93のS206、図95のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、普通図柄始動口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が普通図柄始動口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図97のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図96のS505参照)。
球が普通図柄始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図97のS605)。一方、球が普通図柄始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図97のS603:No)。
確変中フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変中フラグ203eの値がオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変中フラグ203eの値がオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変中フラグ203eは、初期値がオフに設定されており、主制御装置110において、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖するタイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)に大当たり種別に応じた値が設定される。具体的には、「大当たり種別A」または「大当たり種別B」の場合はオンが設定され、「大当たり種別C」および「大当たり種別D」の場合はオフが設定される。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図59参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、確変中フラグ203eの値が参照され、その値がオンであれば、第1当たり乱数テーブル202aにおける高確率時用の判定値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変中フラグ203eの値がオフであれば、第1当たり乱数テーブル202aにおける低確率時用の判定値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖するタイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)に大当たり種別に応じた値が設定される。具体的には、「大当たり種別A」または「大当たり種別C」の場合は100が設定され、「大当たり種別B」または「大当たり種別D」の場合は0が設定される。その後、時短中カウンタ203fの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図57のS223)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203fの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図62のS710,S711参照)。
カウンタ用バッファ203hは、上述したように、各カウンタ値がカウントされる為に用いられるバッファエリアである。
その他メモリエリア203zは、上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
次に、図81および図82を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているROM202について説明する。このROM202は、上述の通り、当該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したものである。
図81(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図81(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン選択テーブル202dが少なくとも設けられている。
第1当たり乱数テーブル202a(図81(b)参照)は、上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値が規定されたテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)と、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)とが設けられており、それぞれのテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別選択テーブル202bは、(図81(c)参照)は、大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が、大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。図81(c)に示した通り、第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たりA、大当たりB、大当たりC、そして大当たりDがそれぞれ選択可能に設定されており、大当たりAの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜24」、大当たりBの判定値として「25〜49」、大当たりCの判定値として「50〜74」、大当たりDの判定値として「74〜99」が設定されている。
第2当たり乱数テーブル202c(図81(d)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図81(d)に示した通り、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)は、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC3の値が5〜28の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。
一方、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)は、第2当たり乱数カウンタC3の値が5〜204の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640に付随する電動役物640aが「1秒間×2回」開放される。
次に、図82を参照して、変動パターン選択テーブル202dについて説明する。変動パターン選択テーブル202d(図82(a)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターン選択テーブル202dには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図82(a)に示すように、変動パターン選択テーブル202dは、当否判定結果が大当たりである場合専用の大当たり用変動パターンテーブル202d1(図82(b)参照)と、当否判定結果が外れであり、通常遊技状態である場合専用の外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図82(c)参照)と、当否判定結果が外れであり、確変遊技状態である場合専用の外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3(図82(d)参照)によりそれぞれ少なくとも構成されている。
ここで、各変動パターンテーブルにより選択される各種スーパーリーチには、変動種別カウンタCS1の値によって選択される、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」またはその他のスーパーリーチが含まれている。この変動パターンテーブルによって選択されたスーパーリーチの種別は、主制御装置110から音声制御装置113に送信され、音声制御装置113から表示制御装置114に送信されることにより、各種スーパーリーチの演出が実行される。
次に、図83を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223について説明を行う。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブルが少なくとも格納されている。変動パターンテーブルについては、既に公知のものであるため簡単に説明するが、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定する。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。
また、図83に示した通り、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、電源断フラグ223eと、枠SW有効期間223fと、差替タイミング223gと、差替フラグ223hと、演出カウンタ223iと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報である各カウンタC1〜C3の各値がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入賞口64または第2入賞口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において第1特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図104のS1308参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図104のS1302参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図105のS1402参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図103参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図104のS1305参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図105のS1410参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)が設定される。また、設定された停止種別は、表示用停止種別コマンドによって、表示制御装置114に通知される。表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
電源断フラグ223eは、主制御装置110からの停電検知を示すコマンドを受信することにより、オンに設定される。その後、立ち上げ処理において、電源断フラグ223eがオンであると判別された場合に、RAMの作業領域をクリアすると共に、オフに設定される。
枠SW有効期間223fは、スーパーリーチAまたはスーパーリーチBの演出において、枠ボタン22の操作に基づく演出が可能な期間を示すためのカウンタである。この枠SW有効期間223fは、スーパーリーチAまたはスーパーリーチBが実行される際に設定され、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ms毎に実行されるSW入力監視・演出処理(図106参照)で、1ずつ減算されるものである。
差替タイミング223gは、スーパーリーチBにおいて枠ボタンの押下がなかったにも関わらず大当たりを報知するための演出に差し替えるためのタイミングを示すものである。この差替タイミング223gは、スーパーリーチB時操作処理(図109参照)において参照され、枠ボタン22の押下に基づく有効演出の実行回数に基づいて再設定されるものである。
差替フラグ223hは、スーパーリーチB時操作処理(図109参照)において、差替タイミングを経過したと判別された場合に、差替演出が設定された場合にオンに設定されるものである。これにより、一度差替演出が設定された後に、再度差替タイミングを経過したと判別されることにより、重複して差替演出が設定されることを防止できる。この差替フラグ223hは、枠SW有効期間が0となった場合にオフに設定(初期化)される。
演出カウンタ223iは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図103参照)において更新されるものである。この演出カウンタ223iによって、枠ボタン22の押下に基づく演出の態様が選択される。
その他メモリエリア223zは、上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図104参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図84を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図98参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図84を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図84は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本制御例において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本制御例では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本制御例において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図111のS1901参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図91参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図112(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入賞口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図40のS1803,S1804参照)。電源投入時主画像は、電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される画像であり、通常遊技中に表示される画像に比べてデータ量が少なく、簡素な画像である。このため、電源投入後に迅速に画像データを転送し、画像を表示させることができる。
電源投入時主画像の表示中に、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は「○」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」図柄と「×」図柄とが交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図16に戻って説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図88を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図88は、2種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図88(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図88(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
背面A及びBに対応する背面画像は、図88に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置a、および位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、超背景予告に用いる背面画像(図示せず)は、上述した背面Aおよび背面Bと異なり、水平方向のみならず、垂直方向にもスクロール表示が可能な画像となっている。これにより、水平方向または垂直方向へのスクロール表示が可能となっている。また、超背景予告に用いる画像はスクロール表示が可能であると共に、時間の経過とともに変化する画像が含まれている。これにより、特定画像(扉の画像)が所定時間において点滅する表示を実行することができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図88(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図88(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像を常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bおよび背面Cについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図84参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図84に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入賞口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶したりするためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、入賞情報格納エリア233k、遊技状態保存領域233m、変動履歴格納エリア233n、表示演出カウンタ233o、継続カウンタ233p、背面画像変更フラグ233q、超背景フラグ233r、マップ記憶エリア233s、マス設定テーブル格納エリア233t、マスイベント記憶エリア233u、ルート履歴記憶エリア233w、背景追加フラグ233xおよび扉内変動回数カウンタ233yを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA〜Dのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、第3図柄が表示されなくなると共に、背面画像が変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、確定表示演出、デモ演出がそれぞれ格納される。ここで、図86を参照して、データテーブル格納エリア233bの詳細について説明する。図86は、このデータテーブル格納エリア233bの内容を模式的に示した模式図である。
まず、データテーブル格納エリア233bには、変動演出に対応する変動演出用テーブル格納エリア、オープニング演出に対応するオープニング演出用テーブル格納エリア、ラウンド演出に対応するラウンド演出用テーブル格納エリア、エンディング演出に対応するエンディング演出用テーブル格納エリア、確定表示演出に対応する確定表示演出用テーブル格納エリア、デモ演出に対応するデモ演出用テーブル格納エリアが用意されている。
ここで、変動演出用テーブル格納エリアには、通常の変動演出を実行するための変動演出用表示データテーブル各種、停止表示を実行するための停止表示用表示データテーブル各種が設けられている。また、上述したスーパーリーチAを実行するためのスーパーリーチA用表示データテーブル各種が設けられている。さらに、上述したスーパーリーチBを実行するためのスーパーリーチB用表示データテーブル各種が設けられており、スーパーリーチBの演出にて用いられる、有効演出を実行するための投げ表示用表示データテーブル各種と、偽演出を実行するための偽投げ表示用表示データテーブル各種が設けられており、差替演出を実行するための差替表示用表示データテーブル各種が設けられている。
また、その他のオープニング演出用テーブル格納エリアなどには、それぞれの演出に対応する表示データテーブルが複数種類設けられている。
次に、図89を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図89は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像(例えば、超背景予告演出に対応する画像)を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図20の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図22参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図90を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図90は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図90のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図90のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図21の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図91参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図91の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、上述した電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図110参照)の中でオンに設定される(S1905参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図130(b)のS4405参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図112(b)のS2201参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図112(b)のS2208参照)および簡易表示設定処理(図112(b)のS2209参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図113〜図126参照)および表示設定処理(図127〜図130参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図130(a)のS4301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図130(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図131参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図91参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図91参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図91参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図91(b)のS2203参照)の中で、ポインタ更新処理(図129のS3005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図91参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図91を参照して、描画リストの詳細について説明する。図91は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図91に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトを最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトを最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図112(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図127のS4007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図110のS1902参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図131参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図131のS4513参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図131のS4514参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図132のS4602参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図112(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図132のS4602参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
入賞情報格納エリア233kは、音声ランプ制御装置113から受信した入賞情報を格納する領域であり、超背景予告時などにおいて、保留内に大当たりがあるか否かを判別する際に用いられる。
遊技状態保存領域233mは、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、受信した変動パターンコマンドから遊技状態が抽出され、保存される。この遊技状態保存領域233mは、大当たり関連コマンド処理(図118)で実行されるオープニングコマンド処理(S2902)において、開始される大当たりが継続した大当たりであるか否かの判別に用いられる。具体的には、確変中または時短中であると判別された場合は、継続した大当たりであると判別され、その他の場合は継続した大当たりでないと判別される。
変動履歴格納エリア233nは、遊技状態保存領域233mと同様に、変動パターンコマンド処理において、受信したコマンドに基づく変動パターンが格納される領域である。この変動履歴格納エリア233nは、大当たり開始時に実行されるオープニングコマンド処理(図119)における、マップ設定処理(S3001)にて、マスイベントを設定する際に用いられる。具体的には、マスイベント設定テーブル格納エリア233tでの説明にて後述する。
表示演出カウンタ233oは、0〜198のループカウンタであり、表示制御装置114のV割込処理(図112)で実行されるカウンタ更新処理(S2207)において更新される。この表示演出カウンタは、超背景演出処理(図115参照)において背景種別を選択する場合や、マップ設定処理(図120)においてマスイベントを設定する場合や、超背景中SW処理(図124参照)において背景種別を選択する場合や、大当たり中SW処理(図125参照)においてオンに設定する背景追加フラグを選択する場合などに用いられるものである。
継続カウンタ233pは、大当たり演出の開始時に実行されるマップ設定処理(図120参照)において、継続した大当たりであると判別された場合に、加算されるものである。この継続カウンタ233pの値と、上述した表示演出カウンタ233oの値とに基づいて、後述するマス設定テーブル格納エリア233tに規定された、マスイベントが設定されるように構成されている。この継続カウンタ233pは、大当たりの継続が終了した時点(遊技状態が通常になった時点)で0に初期化されるものである。
背面画像変更フラグ233qは、音声ランプ制御装置113から背面画像変更コマンドを受信した場合に、背面画像変更コマンド処理(図122参照)において、オンに設定される。この背面画像変更フラグ233qがオンに設定されると、通常画像転送設定処理(図131参照)において、
超背景フラグ233rは、背面画像変更コマンド(図122参照)において、超背景予告に対応する背面画像判別フラグがオンに設定された場合に、オンに設定される。この超背景フラグ233rがオンに設定されることで、超背景予告の演出中であると判別される。これにより、音声ランプ制御装置113からSW関連コマンドを受信した場合に、SW関連コマンド処理(図123参照)において、超背景中SW処理(S3602)が実行されるようになる。この超背景中SW処理は、超背景予告の演出中の選択スイッチ270などの操作に基づく処理を行うものである。この超背景フラグ233qは超背景予告演出の終了時にオフに設定される。
マップ記憶エリア233sは、大当たり演出において設定されたマップやマスイベントの情報を記憶する領域である。このマップ記憶エリア233sは、大当たり演出の終了時である、エンディングコマンド受信時の処理において、マップとマスイベントとの情報が記憶され、継続した大当たりが実行される場合に、読みだされる領域である。これにより、継続した大当たりが実行される場合において、前回設定したマップとマスイベントとを読みだすことができ、継続した大当たり演出を実行することができる。
マス設定テーブル格納エリア233tは、大当たり演出の開始時に実行されるマップ設定処理(図120参照)において、マスイベントを設定する際に参照される。ここで、図87を参照して、マス設定テーブル格納エリア233tの詳細について説明する。図87(a)は、このマス設定テーブル格納エリア233tの内容を模式的に示した模式図である。
マス設定テーブル格納エリア233tには、通常マス設定テーブル233t1と、継続マス設定テーブル233t2とが格納されている。
通常マス設定テーブル233t1は、初回のマップを読み込む場合(大当たりが継続しておらず、コンティニュマスの通過履歴もない場合)に、マスイベントを設定するために参照されるテーブルである。
通常マス設定テーブル233t1には、大当たり種別と表示演出カウンタ233oとの値に基づいて、マスイベントのパターンA〜Cが規定されている。ここで大当たり種別は、変動履歴格納エリア233nの情報を用いて判別する。例えば、大当たり種別が「大当たりA」であり、表示演出カウンタ233oの値が「10」の場合は、マスイベントとして「パターンB」が設定される。
次に、継続マス設定テーブル233t2は、継続したマップを読み込む場合(大当たりが継続している、または、コンティニュマスの通過履歴がある場合)に、マスイベントを設定するために参照されるテーブルである。
継続マス設定テーブル233t2には、継続回数(継続カウンタ233pの値)と表示演出カウンタ233oとの値に基づいて、マスイベントのパターンA〜Eが設定されている。例えば、継続回数(継続カウンタ233pの値)が「5」であり、表示演出カウンタ233oの値が「10」の場合は、マスイベントとして「パターンB」が設定される。なお、本制御例では、継続回数が5回以上の場合に、マスイベントの「パターンD」が設定される可能性があり、継続回数が10回以上の場合に、マスイベントの「パターンE」が設定される可能性があるように構成している。これにより、大当たりが継続した場合にのみ設定される特別なマスイベントを設定することができる。
マスイベント記憶エリア233uは、大当たり演出中に選択されたマスのイベントを記憶する領域である。具体的には、大当たり中SW処理(図125)において、決定スイッチ270eが押下された場合に、S3807の処理によって、決定したマスのイベントがマスイベント記憶エリアへ格納される。このマスイベント記憶エリア233uに格納されたマスイベントは、ラウンド演出を実行するためのラウンド数コマンド処理(図119参照)のS3101の処理において参照され、ラウンド数表示データテーブルの決定に用いられる。これにより、決定したマスのイベントの対応したラウンド演出が実行することができる。
ルート履歴記憶エリア233wは、大当たりの演出において、選択された(通過した)マスを記憶する領域である。このルート履歴記憶エリア233wは、大当たり中SW処理(図125参照)において、決定スイッチ270eが押下された場合に、選択されたマスの情報が追加される。これにより、マップ設定処理(図120参照)において、コンティニュマスの通過履歴の有無や、未通過マスの有無などを判別することができる。
背景追加フラグ223xは、大当たりの演出において、選択されたマスイベントに応じてオンに設定されるフラグである。この背景追加フラグ223xがオンに設定されることにより、背面画像変更コマンドを受信した場合において、該当する追加背景が設定可能となる。
扉内変動回数カウンタ223yは、超背景予告ステージにおける扉内背景の表示中に実行された変動回数をカウントするための領域である。この扉内変動回数カウンタ223yは、扉内背景の設定時に所定値(本制御例では20)に設定され、その後の変動が実行される毎に1減算されるもの。この扉内変動回数カウンタ223yが0になると、入賞情報格納エリア233kを参照し、保留内に大当たりがあれば、高確率で同一の扉内背景が再度設定され、保留内に大当たりがなければ、高確率で扉内背景以外の背景が設定される。
<第1制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図92から図101のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図92は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入賞口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図93〜図95を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図96および図97を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図93を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図93は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図92参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図94を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、第1図柄表示装置37の表示内容を更新して(S210)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S211)。停止図柄の設定は、図94を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAから大当たりDのいずれとなるかが決定される。
なお、本制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S211の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212:Yes)、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S213)、本処理を終了する。S213の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図100参照)の中で大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。加えて、S213の処理では、確変中フラグ203eがオフに設定されたり、時短中カウンタ203fの値に0が設定されたりする。大当たり中の状態を、初期状態と同じ状態とするためである。
S212の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212:No)、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S214)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S214:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S215)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S214:No)、S215の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図94を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図94は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図92参照)の特別図柄変動処理(S104)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、または「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変中フラグ203eがオンであるかを判定する(S302)。確変中フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変中フラグ203eがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変中フラグ203eがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であることを示す。
確変中フラグ203eがオンである場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時用の大当たり判定値とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている30の高確率時用の大当たり判定値と1つ1つ比較する。上述したように、高確率時における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜29」の30個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変中フラグ203eがオフである場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aの低確率時用の大当たり判定値とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている3の低確率時用の大当たり判定値と比較する。上述したように、低確率時における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜2」の3個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA〜D)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲にあれば、大当たりA(16ラウンド確変大当たり)であると判定し、「25〜49」の範囲にあれば、大当たりB(4ラウンド確変大当たり)であると判定し、「50〜74」の範囲にあれば、大当たりC(16ラウンド時短大当たり)であると判定し、「74〜99」の範囲にあれば、大当たりD(4ラウンドの時短大当たり)であると判定する(図81(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA〜D)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37A,37Bの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA〜D)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「完全外れ」、「外れノーマルトリーチ」、「外れスーパーリーチ」、「外れスペシャルリーチ」が規定され、大当たり用の変動パターンとしては、「当たりノーマルリーチ」、「当たりスーパーリーチ」、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
ここで、「当たりスーパーリーチ」、「外れスーパーリーチ」の各種には、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」および、その他のスーパーリーチが含まれており、変動種別カウンタCS1の数値に基づいて、S307またはS309の処理において選択される。本制御例では、スーパーリーチの種別(「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」など)を主制御装置110のMPU201にて選択するように構成したが、これに限られず、音声ランプ制御装置113のMPU221にて選択するように構成してもよい。これにより、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306、またはS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図100参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図95のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図95は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図92参照)の中で実行され、第1入賞口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入賞口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入賞口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入賞口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入賞口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入賞口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、この処理を終了する。一方、第1入賞口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S406の処理で格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S407)。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定する(S408)。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、遊技状態が確変大当たりであるか否かを判別する(S409)。S409の処理において、遊技状態が確変大当たりであると判別された場合には(S409:Yes)、RAM203に設けられた先読み確変中フラグ203gをオンに設定し(S410)、この処理を終了する。一方、遊技状態が確変大当たりではないと判別された場合には(S409:No)、S411の処理へ移行する。
S411の処理では、遊技状態が時短大当たりであるか否かを判別し(S411)、遊技状態が時短大当たりであると判別された場合には(S411:Yes)、RAM203に設けられた先読み確変中フラグ203gをオフに設定し(S412)、この処理を終了する。一方、S411の処理において、遊技状態が時短大当たりではないと判別された場合には(S411:No)、S412の処理をスキップして、この処理を終了する。
次に、図96のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図96は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図92参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定する(S508)。なお、時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203fの値が1以上である場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本制御例では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。
特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、特定入賞口65aの直ぐ上に設けられている第2入賞口640に、球が入球しやすい状態となる。ここで、本制御例では、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放されないようにしている。これにより、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第2入賞口640に入ることをできるだけ抑制することができる。
なお、特別図柄の大当たり中に第2入賞口640に球が入ることを抑制していても、第1入賞口64には球が入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入賞口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図81(d)参照)。
S508の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、または、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図81(d)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S514)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本制御例では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入賞口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640aの開放回数および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S519)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図100参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図100参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図97のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図97は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図92参照)の中で実行され、普通入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が普通入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。なお、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図98は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図99を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図99は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS810へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS810へと移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS810へ移行する。なお、メイン処理(図100参照)のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S810の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S810)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S811,S812)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S811,S812)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S811,S812)を実行する。RAMの初期化処理(S811,S812)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S811)、その後、RAM203の初期値を設定する(S812)。RAM203の初期化処理の実行後は、S813の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S813の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S813の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S814)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図100を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図100は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図92参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図92参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図93参照)や始動入賞処理(図95参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図95参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図101参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本制御例では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図96参照)のS525の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。なお、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS516の処理、またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図94参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37のLED37A,37Bの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図94参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図94参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図96参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図96参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図96参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図98のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存したりしなくても、初期設定の処理(S801)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり、暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図101のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図101は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図100参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図93参照)のS213の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1002)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1003)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1003の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1003:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1003の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1003:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1004)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1004:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1005)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1006)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1004:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1007)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1007の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1007:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1008)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1007:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1009)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16または4ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1009の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1009:Yes)、エンディングコマンドを設定する(S1010)。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。次いで、今回の大当たりが大当たりAまたは大当たりBであるか否かを判別し(S1011)、大当たりAまたは大当たりBであれば(S1011:Yes)、大当たりAまたは大当たりBの終了後に特別図柄の高確率状態へと移行させるために、確変中フラグ203eをオンに設定して(S1012)、処理をS1015へと移行する。
S1011の処理において、今回の大当たりが大当たりAまたは大当たりでない(即ち、大当たりCまたは大当たりDである)と判別した場合は、大当たりCまたは大当たりDの終了後に普通図柄の時短状態へと移行させるために、確変中フラグ203eをオフに設定し(S1013)、時短中カウンタ203fの値に100を設定し(S1014)、処理をS1015へと移行する。S1013、またはS1014の処理後に実行されるS1015の処理では、大当たりの終了を設定して、本処理を終了する。
一方、S1009の処理において、エンディングの開始タイミングでない場合には(S1009:No)、本処理を終了する。この大当たり制御処理(図101参照)により、大当たりに関する各種設定を行うことができる。
<第1制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図102から図109を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図102を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図102は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1217の電源断処理の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図103を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図103のS1214参照)、S1217の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1217の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1217の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1104)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1108の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグはS1217の電源断処理の実行時にオンされる(図103のS1216参照)。つまり、電源断フラグは、S1217の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定し(S1111)メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109をスキップして、処理をS1110へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へ移行する。
なお、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図103を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図103は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1201の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1201)、1m秒以上経過していなければ(S1201:No)、S1202〜S1311の処理を行わずにS1212の処理へ移行する。S1201の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1202〜S1311が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1212のコマンド判定処理や、S1213の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1212の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1213の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1201の処理で1m秒以上経過していれば(S1201:Yes)、まず、S1203〜S1213の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1202)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1208の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1203)、その後電源投入報知処理を実行する(S1204)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1205の処理へ移行する。
S1205の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1206)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、SW入力監視・演出処理が実行される(S1207)。このSW入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22や選択スイッチ270が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22等の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22等の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して操作されたスイッチに基づくSW関連コマンドを設定する。このSW入力監視・演出処理の詳細は図106を参照して後述する。
SW入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1208)、その後音編集・出力処理を実行する(S1209)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1209の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1210)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1208のランプ編集処理が実行される。なお、S1209の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1210の処理が終了すると、演出カウンタ223iを更新する(S1211)。ここで更新された演出カウンタは、上述したスーパーリーチBにおいて枠ボタン22押下時の演出の選択等に用いられる。なお、本制御例では、メイン処理において演出カウンタ223iを更新するようにしたが、これに限られず、割り込み処理を設けて更新するようにしても良い。
S1211の処理を終えると、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理が実行される(S1212)。このコマンド判定処理の詳細については、図104を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1213)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図105を参照して後述する。
S1213の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1214)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1214の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別した場合は(S1214:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1216)、電源断処理を実行する(S1217)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1218)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1214の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1214:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1215)、RAM223が破壊されていなければ(S1215:No)、S1201の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1215:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図104を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1212)について説明する。図104は、このコマンド判定処理(S1212)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図103参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1301)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1301:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1302)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出するための変動パターン選択処理を実行して(S1303)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図105参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1304)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1304:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1305)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1306)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図105参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1304:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1307)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1307:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1308)。また、S1308の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1308の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入賞口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1308の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。なお、S1408の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1307の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1307:No)、次いで、主制御装置110より入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S1309)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S1309:Yes)、受信したコマンドから入賞情報を抽出し、入賞情報格納エリア223aへ格納して(S1310)、入賞情報に基づく表示用入賞コマンドを設定して(S1311)、メイン処理に戻る。ここで設定された表示用入賞コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図103参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用入賞コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において入賞情報を入賞情報格納エリア233kに格納する。
S1309の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1309:No)、次いで、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S1312)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S1312:Yes)、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を実行させるための、表示用オープニングコマンドを設定して(S1313)、メイン処理に戻る。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図103参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
一方、S1312の処理において、オープニングコマンドを受信していない場合には(S1312:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1314)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1314:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1315)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1316)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図103参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1314の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1314:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定するそして、エンディングコマンドを受信した場合には(S1317:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1318)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図103参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1317の処理において、エンディングコマンドを受信していない場合には(S1317:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1319)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
本処理により、主制御装置110から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置114に対して各種設定を行うためのコマンドを設定することができる。
次に、図105を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1213)について説明する。図105は、この変動表示設定処理(S1213)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1213)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図103参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1406の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1402)、次いで、コマンド判定処理(図104参照)のS1303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1403)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1404)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、高速変動期間に基づいて、選択SW有効期間を設定する(S1405)。ここで設定された選択SW有効期間に基づいて、後述するSW入力監視・演出処理(図106参照)において、超背景予告時のスイッチ操作の処理を行う超背景時操作処理が実行されるようになる。
S1405の処理を終えると、変動パターンがSW演出であるか否かを判定する(S1406)。S1406の処理において、変動パターンがSW演出(即ち、スーパーリーチAまたはスーパーリーチB)であると判定された場合は、変動パターンに基づいて枠SW有効期間223fと、差替タイミング223gとを設定し、S1408の処理へ移行する。一方、S1406の処理において、変動パターンがSW演出(即ち、スーパーリーチAまたはスーパーリーチB)でないと判定された場合は、S1407の処理をスキップして、S1408の処理へ移行する。
S1408の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S1408)。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1409の処理へ移行する。
S1409の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1409)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1409:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1409:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1410)、次いで、コマンド判定処理(図104参照)のS1306の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1411)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1412)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
ここで、図106を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるSW入力監視・演出処理(S1207)について説明する。図105は、このSW入力監視・演出処理(S1207)を示したフローチャートである。このSW入力監視・演出処理(S1207)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図103参照)の中で実行され、枠ボタン22等の操作に基づいた演出を実行させるために、操作されたスイッチに基づく表示用コマンドを生成し設定する。
SW入力監視・演出処理(S1207)では、まず、選択SW有効期間であるか否かを判定する(S1501)。この選択SW有効期間中であるか否かは上述したように、変動表示設定処理(図105参照)のS1405の処理において高速変動期間に基づいて設定されるものである。
S1501の処理において、選択SW有効期間であると判別された場合は(S1501:Yes)、超背景予告を実行している場合の操作処理である超背景時操作処理を行い(S1502)、本処理を終了する。
ここで、図107を参照して、超背景時操作処理(S1502)について説明する。図105は、超背景時操作処理(S1502)を示したフローチャートである。この超背景時操作処理(S1502)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるSW入力監視・演出処理(図106参照)の中で実行され、超背景予告における選択スイッチ270等のスイッチ操作に基づいた演出を実行させるために、操作されたスイッチに基づく表示用コマンドを生成し設定する処理である。
超背景時操作処理(S1502)では、まず、枠ボタン22が押下されたか否かを判別する(S1601)。S1601の処理にて枠ボタン22が押下されたと判別された場合は(S1601:Yes)、背景画像変更コマンドを設定し(S1602)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この背景画像変更コマンドを受信することによって、背景画像(超背景予告画像や通常背景画像など)が変更される。
一方、S1601の処理にて枠ボタン22が押下されていないと判別された場合は(S1601:No)、決定スイッチ270eが押下されたか否かを判別する(S1603)。S1603の処理にて決定スイッチ270eが押下されたと判別された場合は(S1603:Yes)、表示用決定SW押下コマンドを設定し(S1604)、本処理を終了する。表示制御装置114では、超背景予告の特定画像の表示中に、この表示用決定SWコマンドを受信することによって、背景画像が特別背景に変更される。
一方、S1603の処理にて決定スイッチ270eが押下されていないと判別された場合は(S1603:No)、選択スイッチ270a〜270dのいずれかが押下されたか否かを判別する(S1605)。S1605の処理にて選択スイッチ270a〜270dのいずれかが押下されたと判別された場合は(S1605:Yes)、押下された選択スイッチ(270a〜270d)に基づいて表示用選択SW押下コマンドを設定し(S1606)、本処理を終了する。表示制御装置114では、超背景予告の表示中に、この表示用選択SWコマンドを受信することによって、超背景予告のスクロール方向が操作された選択スイッチに基づいて変更される。
図106に戻り、説明を続ける。S1501の処理において、選択SW有効期間でないと判別された場合は(S1501:No)、枠SW有効期間であるか否かを判別する(S1503)。S1503の処理において、枠SW有効期間でないと判別された場合は(S1503:No)、大当たり演出を実行している場合の操作処理である大当たり時操作処理を行い(S1504)、本処理を終了する。
ここで、図108を参照して、大当たり時操作処理(S1504)について説明する。図108は、大当たり時操作処理(S1504)を示したフローチャートである。この大当たり時操作処理(S1504)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるSW入力監視・演出処理(図106参照)の中で実行され、大当たり演出時における選択スイッチ270等のスイッチ操作に基づいた演出を実行させるために、操作されたスイッチに基づく表示用コマンドを生成し設定する処理である。
大当たり時操作処理(S1504)では、まず、決定スイッチ270eが押下されたか否かを判別する(S1701)。S1701の処理にて決定スイッチ270eが押下されたと判別された場合は(S1701:Yes)、表示用決定SW押下コマンドを設定し(S1704)、本処理を終了する。表示制御装置114では、大当たり演出におけるイベントマス選択時に、この表示用決定SW押下コマンドを受信すると、イベントマスが決定され、そのマスに応じた演出が実行される。
一方、S1701の処理にて決定スイッチ270eが押下されていないと判別された場合は(S1701:No)、選択スイッチ270a〜270dのいずれかが押下されたか否かを判別する(S1703)。S1703の処理にて選択スイッチ270a〜270dのいずれかが押下されたと判別された場合は(S1703:Yes)、押下された選択スイッチ(270a〜270d)に基づいて表示用選択SW押下コマンドを設定し(S1704)、本処理を終了する。表示制御装置114では、大当たり演出におけるイベントマス選択時に、この表示用選択SWコマンドを受信することによって、選択されるイベントマスが操作された選択スイッチに基づいて変更される。
図106に戻り、説明を続ける。S1503の処理において枠SW有効期間であると判定された場合は(S1503:Yes)、枠SW有効期間223fの値を1減算し(S1505)、スーパーリーチAの変動中であるか否かを判別する(S1506)。S1506の処理にてスーパーリーチAの変動中であると判別された場合は(S1506:Yes)、枠ボタン22が押下されたか否かを判別する(S1507)。
S1507の処理にて枠ボタン22が押下されたと判別された場合は(S1508)、表示用有効押下コマンドを設定し(S1508)、本処理を終了する。一方、S1507の処理にて枠ボタン22が押下されていないと判別された場合は(S1507:No)、S1508の処理をスキップして、本処理を終了する。表示制御装置114では、S1508の処理にて設定される表示用有効押下コマンドを受信すると、スーパーリーチAの演出において停止表示(例えば、図70(b)、図71(a))が実行される。
一方、S1506の処理において、スーパーリーチAでないと判別された場合は(S1506:No)、スーパーリーチBであるか否かを判別する(S1509)。S1509の処理にてスーパーリーチBでないと判別された場合は(S1509:No)、スイッチ操作に基づく処理はないため、そのまま本処理を終了する。
S1509の処理にてスーパーリーチBであると判別された場合は(S1509:Yes)、スーパーリーチBの演出中におけるスイッチ操作に基づく処理を実行するための、スーパーリーチB時操作処理を実行し(S1510)、本処理を終了する。
ここで、図109を参照して、スーパーリーチB時操作処理(S1510)について説明する。図109は、スーパーリーチB時操作処理(S1510)を示したフローチャートである。このスーパーリーチB時操作処理(S1510)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるSW入力監視・演出処理(図106参照)の中で実行され、スーパーリーチBにおける枠ボタン22の操作に基づいた演出(例えば、図77(b))を実行させるために、表示用コマンドを生成し設定する処理である。
スーパーリーチB時操作処理(S1510)では、まず、枠SW有効期間が0より大きいか否かを判別する(S1801)。S1801の処理において、枠SW有効期間が0より大きいと判別された場合は(S1801:Yes)、S1803の処理へ移行する。一方、S1801の処理において、枠SW有効期間が0より大きくない(即ち、0である)と判別された場合は(S1801:No)、スーパーリーチBの演出を終了するタイミングであるので、差替フラグをオフにして(S1802)、S1803の処理へ移行する。
S1801またはS1802の処理の後に実行されるS1803の処理では、枠ボタン22が押下されたか否かを判別する(S1803)。S1803の処理において、枠ボタン22が押下されていないと判別されると(S1803:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1803の処理において、枠ボタン22が押下されたと判別されると(S1803:Yes)、演出カウンタ223iの値を取得し(S1804)、入賞情報格納エリア223aのデータを取得し(S1805)、S1806の処理へ移行する。
S1806の処理では、変動中の入賞情報が大当たりであるか否かを判別する(S1806)。S1806の処理において、変動中の入賞情報が大当たりであると判別された場合は(S1806:Yes)、次いで、S1804の処理において取得した演出カウンタ223iの値が0〜100であるか否かを判別する(S1807)。
S1807の処理おいて、演出カウンタ223iの値が0〜100であると判別された場合は、残有効押下回数=1であり、かつ、停止可能期間でないか否かを判別する(S1808)。S1808の処理において、残有効押下回数=1であり、かつ、停止可能期間でないと判別された場合は(S1808:Yes)、表示用有効押下コマンドを設定し(S1809)、S1811の処理へ移行する。一方、S1807の処理において演出カウンタ223iの値が0〜100でない(即ち、101〜198である)と判別された場合と、S1808の処理において残有効回数=1でない、または、停止可能期間であると判別された場合は(S1808:No)、表示用偽押下コマンドを設定し(S1809)、S1811の処理へ移行する。
S1809またはS1810の処理の後に実行されるS1811の処理では、残有効押下回数と、残枠SW有効期間とに基づいて、差替タイミングを更新する。具体的には、スーパーリーチBには差替タイミングが設けられている。この差替タイミングを経過すると、残枠SW有効期間が少ないにも関わらず、残有効押下回数が多い状態(即ち、残枠SW有効期間では枠ボタン22の押下回数が不足する状態)であると判別され、大当たりを示唆する演出が予め差し替えられる。上述した通り、残枠SW有効期間と残有効押下回数とに基づいて差替タイミングを設けておくことにより、大当たりを示唆する演出を予め設定することができ、残枠SW有効期間経過時の処理負荷を低減することができる。
S1811の処理を終えると、差替フラグ223hがオフであるか否かを判別する(S1812)。S1812の処理において、差替フラグ223hがオフでないと判別された場合は(S1812:No)、既に大当たりを示唆する演出を差し替えるための、表示用差替コマンドが設定されているため、そのまま本処理を終了する。
一方、S1812の処理において、差替フラグ223hがオフであると判別された場合は(S1812:Yes)、差替タイミングを経過したか否かを判別する(S1813)。S1813の処理において、差替タイミングを経過していないと判別された場合は(S1813:No)、まだ差し替えを行う必要はないため、本処理を終了する。S1813の処理において、差替タイミングを経過したと判別された場合は(S1813:Yes)、大当たりを示唆する演出を差し替えるための、表示用差替コマンドを設定し(S1814)、差替フラグ223hをオンに設定し(S1815)、本処理を終了する。
一方、S1806の処理において、変動中の入賞情報が大当たりでないと判別された場合は(S1806:No)、次いで、演出カウンタ223iが0〜50であるか否かを判別する(S1816)。S1816の処理において、演出カウンタ223iが0〜50であると判別された場合は(S1816:Yes)、表示用有効押下コマンドを設定し(S1817)、本処理を終了する。S1816の処理において、演出カウンタ223iが0〜50でない(即ち、51〜198である)と判別された場合は(S1816:No)、表示用偽押下コマンドを設定し(S1818)、本処理を終了する。
<第1制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図110から図132を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図110を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図110は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本制御例のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1901)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図111を参照して、ブート処理(S1901)について説明する。図111は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1901)を示すフローチャートである。
上述したように、本制御例では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2001)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2002)。これにより、MPU231は、S2001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2002の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2002の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2003)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2004)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図110のS1901参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図110のS1902参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S1905)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(図110のS1901参照)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図111に示すブート処理では、S2001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2002の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2003〜S2005の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2001の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S1901及びS1902の処理を含めて複数回繰り返した後、S2003〜S2005の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本制御例では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2001、およびS2002の処理を行わずに、S2003〜S2005の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図110の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1902)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1903)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S1903の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S1904)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1904の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(SS1905)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図130(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図130(a)のS4302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図112(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図112(b)のS2208参照)および簡易表示設定処理(図112(b)のS2209参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入賞口64または第2入賞口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1905の処理の後、割込許可を設定し(S1906)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1906の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図112(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図112(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2101)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図112(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図112(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図91参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図112(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2201)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2201:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2202)を実行し、次いで、表示設定処理(S2203)を実行する。
コマンド判定処理(S2202)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図113〜図126を参照して後述する。
表示設定処理(S2203)では、コマンド判定処理(S2202)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図127〜図129を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2204)。このタスク処理では、表示設定処理(S2203)もしくは簡易表示設定処理(S2209)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2205)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図130および図131を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2206)。この描画処理では、タスク処理(S2204)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2205)により設定された転送指示とから、図91に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図132(a)を参照して後述する。
次いで、カウンタ更新処理(S2207)を実行する。なお、カウンタ更新処理の詳細については図132(b)を参照して後述する。そして、V割込処理を終了する。S2207の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2201の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2201:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2208)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2209)を実行して、S2204の処理へ移行する。
次いで、図113〜図126を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2202)の詳細について説明する。まず、図113は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図113に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2301)、未処理の新規コマンドがなければ(S2301:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2301:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2203)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2302)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2303)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2304)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2304:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2305)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図114(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2305)の詳細について説明する。図114(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、受信コマンドに基づいて、遊技状態保存領域のデータを更新する(S2401)。次いで、受信した変動パターンを変動履歴格納エリアに格納して(S2402)、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bの変動演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2403)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2403の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本制御例のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2403で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2404)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2403の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2405)。表示設定処理では、S2405の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2403の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2406)、ポインタ233fを0に初期化する(S2407)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2408)、超背景演出処理を実行し(S2409)、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2407の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2403の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2404の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2406の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図115を参照して、超背景演出処理(S2409)について説明する。図115は、超背景演出処理(S2409)を示すフローチャートである。この超背景演出処理(S2409)は、超背景予告における扉内背景が表示されている場合に、扉内背景の表示中に実行された変動表示の回数に応じて、扉内背景を終了するか継続するかを決定するための処理である。
超背景演出処理では、まず、扉内変動回数カウンタ233yが0より大きいか否かを判定する(S2601)。S2601の処理において、扉内変動回数カウンタ233yが0であると判定された場合は(S2601:No)、扉内背景の表示中ではないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S2601の処理において、扉内変動回数カウンタ233yが0より大きいと判定された場合は(S2601:Yes)、扉内変動回数カウンタ233yを1減算し(S2602)、扉内変動回数カウンタ223yが0であるか否かを判別する(S2603)。
S2603の処理において、扉内変動回数カウンタ223yが0でないと判別された場合は(S2603:No)、扉内背景の終了タイミングではないため、本処理を終了する。一方、S2603の処理において、扉内変動回数カウンタ223yが0であると判別された場合は(S2603:Yes)、入賞情報格納エリア233kのデータ取得し(S2604)、表示演出カウンタ233oの値を取得して(S2605)、S2606の処理へ移行する。
S2606の処理では、S2604の処理において取得した入賞情報格納エリア233kのデータより、保留内に大当たりがあるか否かを判別する(S2606)。S2606の処理において、保留内に大当たりがあると判別された場合は(S2606:Yes)、次いで、S2605の処理により取得した表示演出カウンタ233oの値が0〜150であるか否かを判別する(S2607)。
S2607の処理において、表示演出カウンタ233oの値が0〜150であると判別された場合は、現在表示している扉内背景と同一の背面画像判別フラグをオンに設定し(S2608)、S2612の処理へ移行する。一方、S2607の処理において、表示演出カウンタ233oの値が0〜150でない(即ち、151〜198である)と判別された場合は(S2607:No)、現在表示している扉内背景と異なる扉内背景に該当する背面画像判別フラグをオンに設定し(S2609)、S2612の処理へ移行する。
一方、S2606の処理において、保留内に大当たりが無いと判別された場合は(S2606:No)、次いで、表示演出カウンタ233oが0〜30であるか否かを判別する(S2610)。S2610の処理において、表示演出カウンタ233oが0〜30であると判別された場合は、現在表示している扉内背景と異なる扉内背景に該当する背面画像判別フラグをオンに設定し(S2611)、S2612の処理へ移行する。一方、S2610の処理において、表示演出カウンタ233oの値が0〜30でない(即ち、31〜198である)と判別された場合は(S2611:No)、扉内背景以外の背景に該当する背面画像判別フラグをオンに設定し(S2613)、S2614の処理へ移行する。
S2608,S2609またはS2611の後に実行されるS2612の処理では、扉内変動回数カウンタ223yを20に設定し、S2614の処理へ移行する。
S2612またはS2613の後に実行されるS2614の処理では、背面画像変更フラグ233qをオンに設定し(S2614)、本処理を終了する。
図113に戻り、説明を続ける。S2304の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2304:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2306)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2306:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2307)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図114(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2307)の詳細について説明する。図114(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2501)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図42(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2502)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2502の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S2503)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2502の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2204)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2503によって設定された停止図柄判別フラグからS2502の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2502の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本制御例のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図113に戻り、説明を続ける。S2306の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2306:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、リーチ関連コマンド処理を実行して(S2309)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図116を参照して、リーチ関連コマンド処理(S2309)の詳細について説明する。図116は、リーチ関連コマンド処理(S2309)を示すフローチャートである。このリーチ関連コマンド処理(S2309)は、音声ランプ制御装置114より受信したリーチ関連のコマンドに対応する処理を実行するものである。
リーチ関連コマンド処理(S2309)では、まず、変動中の演出がスーパーリーチAであるか否かを判別し(S2701)、スーパーリーチAであると判別された場合は(S2701:Yes)、有効押下コマンドがあるかを判別する(S2702)。
S2702の処理において、有効押下コマンドがあると判別された場合は、停止表示テーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S2703)、本処理を終了する。ここで、スーパーリーチAの演出中に枠ボタン22の押下に基づいて、S2703の処理が実行される。停止表示テーブルが表示データテーブルバッファ233dへ設定されることにより、スーパーリーチAの演出において停止表示(図70(b)参照)が表示される。
一方、S2701の処理において、変動中の演出がスーパーリーチAでない(即ち、スーパーリーチBである)と判別された場合は(S2701:No)、表示用スーパーリーチB処理を実行して(S2704)、本処理を終了する。
ここで、図117を参照して表示用スーパーリーチB処理(S2704)の詳細について説明する。図117は、表示用スーパーリーチB処理(S2704)を示すフローチャートである。この表示用スーパーリーチB処理(S2704)は、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド判定処理(図43参照)の中で実行され、スーパーリーチBの演出中における、選択スイッチ270等のスイッチ操作に基づく処理を行うための処理である。
表示用スーパーリーチB処理では、まず、有効押下コマンドがあるか否かを判別する(S2801)。S2801の処理において、有効押下コマンドがあると判別されると(S2801:Yes)、図柄が大当たりであるか否か(即ち、次の有効演出で大当たりとなるか否か)を判別する(S2802)。
S2802の処理において、図柄が大当たりである(即ち、次の有効演出で大当たりとなる)と判別された場合は(S2802:No)、停止表示テーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S2803)、本処理を終了する。一方、S2802の処理において、図柄が大当たりでない(即ち、次の有効演出で大当たりとならない)と判別された場合は(S2802:No)、投げ表示テーブルを表示テーブルバッファへ設定し(S2804)、本処理を終了する。
一方、S2801の処理において、有効コマンドがないと判別された場合は(S2801:No)、偽押下コマンドがあると判別する(S2805)。S2805の処理において、偽押下コマンドがあると判別された場合は(S2805:Yes)、偽投げ表示テーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定し、本処理を終了する。
S2805の処理において、偽押下コマンドがないと判別された場合は(S2805:No)、次いで、差替コマンドがあるか否かを判別する(S2807)。S2807の処理において、差替コマンドがあると判別された場合は(S2807:Yes)、差替テーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S2808)、本処理を終了する。
一方、S2807の処理において、差替コマンドがないと判別された場合は(S2807)、スーパーリーチBの演出中におけるスイッチ操作に基づく処理はないため、そのまま本処理を終了する。
図113に戻り、説明を続ける。S2308の処理において、リーチ関連コマンドがないと判別された場合は(S2308:No)、大当たり関連コマンドがあるか否かを判別する(S2810)。S2810の処理において、大当たり関連コマンドがあると判別された場合は(S2810:Yes)、大当たり関連コマンド処理を実行し(S2811)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図118を参照して、大当たり関連コマンド処理(S2811)の詳細について説明する。図118は、大当たり関連コマンド処理(S2811)を示すフローチャートである。この大当たり関連コマンド処理(S2811)は、音声ランプ制御装置114より受信した大当たり演出に関わる表示用コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり関連コマンド処理では、まず、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別する(S2901)。S2901の処理において、表示用オープニングコマンドがあると判別された場合は、オープニングコマンド処理を実行して(S2902)、S2903の処理へ移行する。一方、表示用オープニングコマンドが無いと判別された場合は、S2902の処理をスキップして、S2903の処理へ移行する。
ここで、図118(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2902)の詳細について説明する。図118(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、大当たり演出で表示されるマップを設定するためのマップ設定処理を実行する(S3001)。このマップ設定処理(S3001)の詳細は、図120を参照して後述する。S3001の処理を終えると、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのオープニング演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3002)。次いで、S3002の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S3003)。
そして、S3002の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3004)、ポインタ233fを0に初期化する(S3005)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3006)、オープニングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3005の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S3002の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3003の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(16ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本制御例では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(16ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
なお、上述したように、本制御例では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこからオープニング演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、オープニング演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
ここで、図120を参照して、マップ設定処理(S3001)の詳細について説明する。図120は、マップ設定処理(S3001)を示すフローチャートである。このマップ設定処理(S3001)は、表示制御装置114のMPU231により実行される大当たり関連コマンド処理(図118参照)の中で実行され、大当たり演出で表示されるマップを設定するための処理である。
マップ設定処理では、まず、遊技状態保存領域233mのデータを取得し(S3301)、その取得した遊技状態が確変中または時短中であるか否かを判別する(S3302)。S3302の処理において、遊技状態が確変中または時短中であると判別された場合は(S3302:Yes)、継続カウンタ223pを1加算し(S3303)、前回のマップのデータをマップ記憶エリア233sから読み込み(S3304)、継続カウンタ233pの値と、表示演出カウンタの値とに基づいて、マスイベントを継続マス設定テーブル233t2より選択して設定し(S3305)、本処理を終了する。
一方、S3302の処理において、遊技状態が確変中または時短中でないと判別された場合は(S3302:No)、ルート履歴記憶エリア233wを参照し、コンティニュマス通過履歴が無いか否かを判別する(S3306)。
S3306の処理において、コンティニュマス通過履歴が無いと判別された場合は(S3306:Yes)、継続するマップがないため初回マップを読み込み(S3307)、大当たり変動パターンと表示演出カウンタ233oの値とに基づき、マスイベントを通常マス設定テーブル233t1より選択して設定し(S3308)、本処理を終了する。
一方、S3306の処理において、コンティニュマス通過履歴が有ると判別された場合は(S3306:No)、未通過マスが有るか否かを判別する(S3309)。S3309の処理において、未通過マスが有ると判別された場合は(S3309:Yes)、前回のマップから継続して演出を行うため、前回のマップとイベントマスとをマップ記憶エリア233sから読み込み(S3310)、スタートから一番近い未通過マスのあるルートのコンティニュマスにリスタート地点を設定して(S3311)、本処理を終了する。
S3309の処理において、未通過マスが無いと判別された場合は(S3309:No)、新たなマップへ移動させるため、前回と異なるマップをマップ記憶エリア233sから読み込み(S3312)、大当たり変動パターンと表示演出カウンタ233oの値とに基づいて、マスイベントを通常マス設定テーブル233t1より選択して設定し(S3313)、本処理を終了する。
図118に戻り、説明を続ける。S2901の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2901:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2903)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2903:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2904)、本処理を終了する。
ここで、図119(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2904)の詳細について説明する。図119(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数とマスイベント記憶エリア233uのデータとに基づいてラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのラウンド演出用テーブル格納エリア(図86参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3102)。
そして、S3101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3103)、ポインタ233fを0に初期化する(S3104)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3105)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図118の説明に戻る。S2903の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2903:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2905)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2905:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2906)、本処理を終了する。一方、S2905の処理において、表示用エンディングコマンドがなければ(S2905:No)、S2906の処理をスキップして、本処理を終了する。
ここで、図121を参照して、エンディングコマンド処理(S2906)の詳細について説明する。図121は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、入賞情報格納エリア233kのデータにおいて保留内に大当たりが有るか否かを判別する(S3401)。S3401の処理において、保留内に大当たりが有ると判別された場合は(S3401:Yes)、大当たりの保留の情報と、表示演出カウンタ233oとに基づいてマスイベントを更新し(S3402)、S3403の処理へ移行する。S3402の処理では、例えば、保留内に大当たりがある場合に、現在地点のマスから2マス先のマス(即ち、大当たりが2回発生することで到達できるマス)をスペシャルマスに設定(図74(b)参照)する。遊技者は2つ先のマスがスペシャルマスに設定されることにより、少なくとも、後2回の大当たりを期待して遊技を継続することとなる。
次いで、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し(S3403)、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのエンディング演出用テーブル格納エリア(図86参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3404)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3405)。そして、S3401の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3406)、ポインタ233fを0に初期化する(S3407)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3408)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このエンディングコマンド処理を実行することにより、特別図柄の大当たりが終了する際にエンディング演出を第3図柄表示装置81に対して表示させることができるので、大当たりが終了したことを遊技者に対して認識させることができる。
図113の説明に戻り、説明を続ける。S2310の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2310:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2312)、背面画像変更コマンドがあれば(S2312:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2313)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図122を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2313)の詳細について説明する。図122は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(図131参照)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S3501)。そして、現在の背景画像と、背景追加フラグ223xとに基づいて背面画像種別(背面A〜C、超背面予告、扉内背景など)を選択し、選択した背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S3503)、処理をS3504へと移行する。
S3504の処理では、選択された背面画像種別が超背景予告であるか否かを判別する(S3504)。S3504の処理において、超背景予告であると判別された場合は、超背景フラグ233rをオンに設定し(S3505)、本処理を終了する。一方、S3504の処理において、超背景予告でないと判別された場合は、S3505の処理をスキップして、本処理を終了する。このS3505の処理によって超背景フラグ233rがオンにされることによって、後述するSW関連コマンド処理(図123参照)において、超背景中のスイッチ操作に基づく処理を行う超背景中SW処理(S3602)が実行することができる。
通常画像転送設定処理では、S3501の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S3502の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B、または背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S2204)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜C、超背面予告、扉内背景などのうちいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3502の処理によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3502の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別を選択してもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別を選択してもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別を選択してもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値へ直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図113の説明に戻る。S2312の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2312:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、SW関連コマンドがあるか否かを判別する(S2314)。S2314の処理において、SW関連コマンドがあると判別された場合は(S2314:Yes)、SW関連コマンド処理を実行して(S2315)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図123を参照して、SW関連コマンド処理(S2315)の詳細について説明する。図123は、SW関連コマンド処理(S2315)を示すフローチャートである。このSW関連コマンド処理(S2315)は、音声ランプ制御装置114より受信したスイッチ操作に基づくコマンドに対応する処理を実行するものである。
SW関連コマンド処理では、まず、超背景フラグ233rがオンであるか否かを判別する(S3601)。S3601の処理において、超背景フラグ233rがオンであると判別された場合は(S3601:Yes)、超背景予告の表示中であるので、超背景中のスイッチ操作に基づく処理を行う超背景中SW処理を実行し(S3602)、本処理を終了する。
ここで、図124を参照して、超背景中SW処理(S3602)の詳細について説明する。図124は、超背景中SW処理(S3602)を示すフローチャートである。この超背景中SW処理(S3602)は、超背景予告の表示中における選択スイッチ270等の操作に基づく演出を実行するための処理である。
超背景中SW処理では、まず、決定スイッチ270eが押下されたか否かを判別する(S3701)。S3701の処理において、決定スイッチ270eが押下されたと判別されると(S3701:Yes)、現在表示中の背景画像の表示データを取得し(S3702)、移行可能表示中であるか否かを判別する(S3703)。ここで、移行可能表示中とは、背面画像において特定画像が表示されている場合、本制御例においては扉の画像が点滅表示されている場合(図67参照)のことを指す。
S3703の処理において、移行可能表示中でないと判別された場合は(S3703:No)、そのまま本処理を終了する。一方、そうでない場合(S3703:Yes)は、扉内変動回数カウンタ223yの値を20に設定し(S3704)、入賞情報格納エリア233kのデータを取得して(S3705)、表示演出カウンタ233oの値を取得し(S3706)、S3707の処理へ移行する。
S3707の処理では、S3705の処理により取得した入賞情報格納エリア233kのデータにおいて、保留内に大当たりが有るか否かを判別し(S3707)、保留内に大当たりが有ると判別された場合は(S3707:Yes)、次いで、S3706の処理により取得した表示演出カウンタ233oの値が0〜100であるか否かを判別する(S3708)。
S3708の処理において、表示演出カウンタ233oが0〜100であると判別された場合は(S3708:Yes)、高期待度の扉内背景に対応する背面画像判別フラグをオンに設定し(S3709)、S3714の処理へ移行する。一方、表示演出カウンタ233oが0〜100でない(即ち、101〜198である)と判別された場合は(S3708:No)、低期待度の扉内背景に対応する背面画像判別フラグをオンに設定し、S3714の処理へ移行する。
一方、S3707の処理において、保留内に大当たりが無いと判別された場合は(S3707:No)、次いで、表示演出カウンタ233oの値が0〜30であるか否かを判別する(S3711)。
S3711の処理において、表示演出カウンタ233oが0〜30であると判別された場合は(S3711:Yes)、高期待度の扉内背景に対応する背面画像判別フラグをオンに設定し(S3712)、S3714の処理へ移行する。一方、表示演出カウンタ233oが0〜30でない(即ち、31〜198である)と判別された場合は(S3711:No)、低期待度の扉内背景に対応する背面画像判別フラグをオンに設定し、S3714の処理へ移行する。
S3709,S3710,S3712またはS3713の後に実行されるS3714の処理では、背面画像変更フラグ233qをオンに設定し(S3714)、本処理を終了する。このS3714の処理で背面画像変更フラグ233qがオンに設定されることにより、S3709,S3710,S3712またはS3713のいずれかで設定された扉内背景の背面画像を表示することができる。
なお、S3714の処理においてオンに設定された背面画像変更フラグ233qによって、通常画像転送設定処理(図131参照)において背面画像のデータが設定され、背面画像が変更される。この背面画像のデータが設定されるタイミングは、次の変動表示が開始されるタイミングと同期するようにしても良いし、現在実行されている変動表示が終了されるタイミングと同期するようにしても良い。上述した各タイミングと同期させる方法としては、S3714の処理において背面画像変更フラグ233qをオンに設定するタイミングを調整する方法や、通常画像転送設定処理(図131参照)において背面画像のデータが設定されるタイミングを調整する方法などが例示される。具体的には、S3714の処理において、同期するタイミングとの時間差を算出し、その算出した時間の経過後に背面画像変更フラグ233qをオンに設定することで、背面画像が変更されるタイミングを調整することができる。
ここで、S3707,S3708およびS3709の処理によって、保留内に大当たりがある場合とない場合とで、高期待度の扉内背景が設定される比率が異なるようになっている。即ち、遊技者にとって扉内背景の表示内容は、保留に大当たりがある可能性を予想するための情報の一つとなる。これにより、この情報を知りたい遊技者は、扉内背景を表示させることができるタイミングである、特定画像の表示に注目しつつ遊技をすることとなる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S3701の処理において、決定スイッチ270eが押下されていないと判別された場合は(S3701:No)、次いで、選択スイッチ(上スイッチ270a〜左スイッチ270d)のいずれかが押下されたか否かを判別する(S3715)。
S3715の処理において、選択スイッチ(上スイッチ270a〜左スイッチ270d)のいずれかが押下されたと判別された場合は(S3715:Yes)、押下された選択スイッチ(上スイッチ270a〜左スイッチ270d)に基づいて、表示座標を再設定し(S3716)、本処理を終了する。一方、そうでない場合は(S3715:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、背面画像のスクロール表示は設定されている表示座標に基づいて実行されている。具体的には、背面画像を表示させる表示座標が時系列順に格納されており、その表示座標に応じた背面画像を格納されている順に表示される。例えば、この表示座標が水平方向にのみ増加していくように格納されていれば、水平方向(第3図柄表示装置81の右方向)に背面画像がスクロール表示されることとなる。
S3716の処理では、例えば、水平方向にのみ増加するように設定されている表示座標を、上スイッチ270aの押下に基づいて、水平方向は現在の値のまま固定し、垂直方向を増加していくように表示座標を再設定する。これにより、水平方向(第3図柄表示装置81の右方向)にスクロール表示されていた背面画像が、垂直方向(第3図柄表示装置81の上方向)にスクロール表示されるように変更できる。
その結果、遊技者に対し、第3図柄表示装置81に表示される超背景予告の背面画像内を自らの操作によって、探索しているかのような感覚を与えることができ、遊技者の興趣を向上できる。また、超背景予告の背景画像には、上述したように扉内背景を表示するために必要な、特定画像(本制御例では扉の画像)が含まれている。これにより、扉内背景を表示したい遊技者は、特定画像を見つけるために、さらに興味をもって超背景予告の背面画像内の探索を行うため、遊技者の興趣を向上できる。
図123に戻り、説明を続ける。S3601の処理において、超背景フラグ233rがオンでないと判別された場合は(S3601:No)、次いで、大当たりの演出中であるか否かを判別する(S3603)。S3603の処理において、大当たりの演出中であると判別された場合は(S3603:Yes)、大当たり中SW処理を実行し(S3604)、本処理を終了する。一方、そうでない場合は(S3603:No)、S3604の処理をスキップし、本処理を終了する。
ここで、図125を参照して、大当たり中SW処理(S3604)の詳細について説明する。図125は、大当たり中SW処理を示すフローチャートである。この大当たり中SW処理は、大当たり演出中において、音声ランプ制御装置114より受信した選択スイッチ270等の操作に基づく表示用コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり中SW処理では、まず、ラウンド内SW有効期間であるか否かを判別する(S3801)。S3801の処理において、ラウンド内SW有効期間でないと判別された場合は(S3801:No)、スイッチ操作に基づく演出を行うタイミングではないので、そのまま処理を終了する。
一方、S3801の処理において、ラウンド内SW有効期間であると判別された場合は(S3801:Yes)、次いで、選択スイッチ(上スイッチ270a〜左スイッチ270d)のいずれかが押下されたか否かを判別する(S3802)。
S3802の処理において、選択スイッチ(上スイッチ270a〜左スイッチ270d)のいずれかが押下されたと判別された場合は(S3802:Yes)、正常な選択であるか否かを判別する(S3803)。具体的には、大当たり演出のマップにおける移動可能方向が下または右である場合(図72(a)参照)において、下スイッチ270cまたは左スイッチ270dが押下された場合が、正常な選択であると判別される。
S3803の処理において、正常な選択であると判別された場合は(S3803:Yes)、選択方向へ1マス移動する表示となるようポインタ233fを設定し(S3804)、S3805の処理へ移行する。
一方、S3803の処理において、正常な選択でないと判別された場合は(S3803:No)、S3804の処理をスキップして、S3805の処理へ移行する。
S3805の処理では、決定スイッチ270eが押下されたか否かを判別する(S3805)。S3805の処理において、決定スイッチ270eが押下されたと判別された場合は(S3805:Yes)、次いで、決定可能なマスが選択されているか否かを判別する(S3806)。具体的には、前回と同一のマスが選択されている場合は、決定可能なマスが選択されていないと判別される。
S3806の処理において、決定可能なマスが選択されていないと判別された場合は(S3806:No)、そのまま処理を終了する。一方、そうでない場合は(S3806:Yes)、決定したマスのイベントをマスイベント記憶エリア233uへ格納し(S3807)、決定したマスをルート履歴記憶エリアへ追加して(S3808)、S3809の処理へ移行する。
S3807の処理によって、マスイベント記憶エリア233uに記憶されたマスイベントに基づいて、上述したラウンド数コマンド処理(図119(b)参照)によるラウンド演出が実行できる。また、S3808の処理によって、ルート履歴記憶エリア233wに記憶されたルート履歴に基づいて、上述したマップ設定処理(図120参照)による未通過マスの有無の判別(新しいマップを表示するか否かの判別)が可能となる。
S3808の処理の後に実行されるS3809の処理では、決定されたマスイベントが背景追加であるか否かを判別する(S3809)。S3809の処理において、マスイベントが背景追加であると判別された場合は(S3809:Yes)、表示演出カウンタ233oに基づいて背景追加フラグ233xをオンに設定する(S3810)。具体的には、表示演出カウンタ233oが0〜100である場合に背景追加フラグ233xをオンに設定する。これに限られず、追加する背景を複数(例えば、追加背景A、追加背景B)用意しておき、表示演出カウンタ233oが0〜50の場合は、追加背景Aを追加する背景追加フラグ233xをオンに設定し、表示演出カウンタ233oが51〜100の場合は、追加背景Bを追加する背景追加フラグ233xをオンに設定するようにしてもよい。
一方、S3809の処理において、ますイベントが背景追加でないと判別された場合は(S3809:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、図113の説明に戻る。S2314の処理において、SW関連コマンドがないと判別されると(S2314:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用入賞コマンドがあるか否かを判別する(S2216)。S2216の処理において、表示用入賞コマンドがあれば(S2216:Yes)、受信したコマンドに基づいた入賞情報を入賞情報格納エリア233kへ格納し(S2317)、S2301の処理へ戻る。
S2317の処理によって入賞情報格納エリア233kへ格納された入賞情報は、上述した超背景演出処理(図115参照)において表示演出を選択するためなどに利用される。
一方、S2316の処理において、表示用入賞コマンドがないと判別されると(S2316:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2318)、エラーコマンドがあれば(S2318:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2319)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図126を参照して、エラーコマンド処理(S2319)の詳細について説明する。図126は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図113の説明に戻る。S2318の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2318:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2320)、S2301の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2301の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2301:Yes)、再びS2302〜S2320の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2301〜S2320の処理が繰り返し実行され、S2301の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図112(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2209)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図114(a)参照)、および停止種別コマンド処理(図114(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図114(a)参照)では、S2402の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図127〜図129を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2203)の詳細について説明する。図127は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図127に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S4001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S4001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S4002〜S4004の処理をスキップし、S4005の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S4001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S4002)、S4003〜S4004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S4003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S4003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S4003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S4004)。
ここで、図128を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図128は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S4101)。
タスク処理(S2204)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S4101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S4102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図127の説明に戻る。警告画像設定処理(S4004)の後、またはS4003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S4003:No)、次いで、S4005の処理へ移行する。
S4005では、ポインタ更新処理を実行する(S4005)。ここで、図129を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図129は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S4201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S4201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S4202)。その結果、End情報であれば(S4202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルであるか否かを判別して(S4203)、デモ表示データテーブルであれば(S4203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S4205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S4203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S4203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S4206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S4202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S4202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図127に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S4006)。タスク処理(S2204)では、先に展開された警告画像などと共に、S4006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S4007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S4008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S4008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S4008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S4009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S4009:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S4013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S4014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S4015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S4015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2204)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S4015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S4009の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S4009:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S4016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S4016:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S4019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S4021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S4016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S4016:No)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図112(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2209)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた簡単な電源投入時変動画像の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図130、および図131を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2205)の詳細について説明する。まず、図130(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S4301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば(S4301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S4302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図130(b)を参照して後述する。
一方、S4301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S4301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S4303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図131を参照して後述する。
次いで、図130(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2205)の一処理である常駐画像転送設定処理(S4302)について説明する。図130(b)は、この常駐画像転送設定処理(S4302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S4401)、転送指示を送信していれば(S4401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S4402)。このS4402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4402:Yes)、S4403の処理へ移行する。また、S4401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S4401:No)、S4403の処理へ移行する。
S4403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S4403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S4403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S4404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S4403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S4405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図112(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図112(b)のS2208参照)および簡易表示設定処理(図112(b)のS2209参照)ではなく、コマンド判定処理(図113〜図126参照)、および表示設定処理(図127〜図129参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図131参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図130(a)のS4301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図131を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2205)の一処理である通常画像転送設定処理(S4303)について説明する。図131は、この通常画像転送設定処理(S4303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2203)のポインタ更新処理(S4005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S4501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S4502)、転送データ情報であれば(S4502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S4503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S4504)、S4505の処理へ移行する。
また、S4502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S4502:No)、S4503、およびS4504の処理をスキップして、S4505の処理へ移行する。S4505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S4505)、転送指示を設定していれば(S4505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S4506)。
このS4506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4506:Yes)、S4507の処理へ移行する。また、S4505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S4505:No)、S4507の処理へ移行する。
S4507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S4507)、転送開始フラグがオンであれば(S4507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S4508)、S4503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S4513の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S4507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S4509)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S4509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S4509:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S4510)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S4511)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S4512)、S4513の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S4511の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S4513の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S4513)。このS4513の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S4513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S4513:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S4513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S4513:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S4514)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4514の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S4515)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図132(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2206)の詳細について説明する。図132(a)は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2204)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、および転送設定処理(S2205)により設定された転送指示から、図91に示す描画リストを生成する(S4601)。即ち、S4601の処理では、タスク処理(S2204)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2205)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、または通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S4602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S4602の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S4603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図112(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
次に、図132(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のカウンタ更新処理(S2207)の詳細について説明する。図132(b)は、このカウンタ更新処理を示すフローチャートである。
カウンタ更新処理では、まず、表示演出カウンタ233oを更新する(S4701)。次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行し(S4702)、本処理を終了する。
<第1実施例の変形例>
次に、図133〜図137を参照して、第1実施例の変形例について説明する。第1実施例の変形例では、スーパーリーチBの演出期間に救済タイミングが設けられている。スーパーリーチBの演出中に枠ボタン22の押下がなく、この救済タイミングを経過すると、救済演出が実行される。ここで、スーパーリーチBは上述したように、枠ボタン22を複数回押下することにより、大当たりが報知される演出である。よって、枠ボタン22の入力可能な期間が少なくなると、枠ボタン22の押下が間に合わないケースが有り得る。しかし、本変形例においては、枠ボタン22の入力可能な期間が少なくなる(救済タイミングを経過する)と、救済演出が実行されることにより、大当たりを報知させるのに必要な枠ボタン22の押下回数が減少する。その結果、上述した問題を回避することができる。
図133を参照して、本変形例におけるスーパーリーチBの演出が実行されるタイミングについて説明する。図133はスーパーリーチBの演出の実行タイミングを模式的に示した模式図である。
まず、図133(a)を参照して、スーパーリーチBの演出中における、第1救済タイミングおよび第2救済タイミングを経過するまで、枠ボタン22が押下されず、その後、停止可能期間において枠ボタン22が押下されて停止表示演出が実行される場合について説明する。
スーパーリーチBのリーチ演出(7の図柄でリーチ)が開始されると、上述した第1実施例と同様に、画面中央部の女の子のキャラクタが4の図柄を手に持った画面が表示される(図77(a)参照)。この状態で枠ボタン22が押下されず、第1救済タイミングを経過すると、救済演出が実行され、図134(a)のように、当該キャラクタが4の図柄と共に5の図柄を手に持った画面に変更される。同様にして、枠ボタン22が押下されず、第2救済タイミングを経過すると、再度救済演出が実行され、図134(b)のように、当該キャラクタが4の図柄、5の図柄および6の図柄を手に持った画面に変更される。
この状態において、停止可能期間に枠ボタン22が押下されると、4の図柄、5の図柄および6の図柄を投げる演出が実行され、大当たりを報知する演出が実行される。このように、本変形例では、救済タイミングを経過する度に、大当たりの報知に必要な有効演出の残数が減るよう構成されている。これにより、当該リーチ演出において、遊技者が枠ボタン22の押下に気づくのが遅れたとしても、必要な枠ボタン22の押下回数が減っているので、大当たりの報知に間に合うように枠ボタン22の押下を実行することができる。
また、枠ボタン22の押下は実行されたものの、有効演出とならずに救済タイミングを経過する場合も上記同様に救済演出が実行される。これにより、枠ボタン22を押下しているにも関わらず、有効演出である投げ演出が表示されないといった場合にも、救済タイミングにおいて、演出が進行する。その結果、枠ボタン22を押下しているにも関わらず、演出が進行しないことを防止し、遊技者の不満を低減することができる。
図133(b)は、上述した各救済タイミングの経過前に枠ボタン22が押下された場合のタイミングを示した図である。第1救済タイミングの経過前に枠ボタン22が押下され、有効演出が実行された場合は、第1救済タイミングを経過しても救済演出は実行されず、第2救済タイミングについても同様である。
次に、図135を参照して、第1制御例の変形例におけるデータテーブル格納エリア233bの内容の詳細について説明する。図135は、本変形例におけるデータテーブル格納エリア233bの内容を模式的に示した模式図である。このデータテーブル格納エリア233bの第1制御例との相違点は、変動演出用テーブル格納エリアに、救済表示用表示データテーブル各種が設けられた点のみであり、その他は上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
救済表示用表示データテーブル各種には、上述した図134(a)および図134(b)などの、救済演出用の表示データが格納される。この救済演出用の表示データは、他の表示データテーブル各種と同様に、表示制御装置114のブート処理(図111参照)のS2003の処理によってデータテーブル格納エリア223bに格納される。そして、後述する表示用スーパーリーチB処理(図137参照)において、救済コマンドを受信した場合に、救済表示用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定される。
次に、図136を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される、スーパーリーチB時操作処理(S1510)について説明する。図136は、スーパーリーチB時操作処理(S1510)を示したフローチャートである。本変形例におけるスーパーリーチB時操作処理(S1510)は、上述した第1制御例と、救済タイミングを経過したか否かの判別(S1830)と、救済タイミングを経過した場合に表示用救済コマンドが設定される(S1831)部分において相違し、その他の処理は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
具体的には、S1803の処理において、枠ボタン22が押下されていないと判別されると(S1803:No)、残有効押下回数に対応する救済タイミングが経過したか否かが判別される(S1830)。例えば、図133(a)のように、有効演出が一度も実行されていない場合(残有効押下回数が3回)においては、第1救済タイミングを経過した場合が該当する。また、第1救済タイミングを経過し、救済演出が1度実行された場合(残有効押下回数が2回)においては、第2救済タイミングを経過した場合が該当する。
S1830の処理において、救済タイミングを経過していないと判別されると、そのまま本処理を終了する。一方、そうでない場合は、経過したタイミングに基づいて、表示用救済コマンドを設定する(S1831)。例えば、第1救済タイミングを経過した場合は、図134(a)のように図柄が2つとなる演出が実行されるコマンドが設定され、そのまま第2救済タイミングを経過した場合は、図134(b)のように図柄が3つとなる演出が実行されるコマンドが設定される。ここで設定された救済コマンドは、表示制御装置114へ送信され、当該コマンドを受信した表示制御装置114の表示用スーパーリーチB処理(図137参照)によって、救済演出の表示が実行されることとなる。
次に、図137を参照して、表示制御装置114のMPU231によって実行される表示用スーパーリーチB処理について説明する。図137は、表示用スーパーリーチB処理(S2704)を示したフローチャートである。本変形例における表示用スーパーリーチB処理(S2704)は、上述した第1制御例と、救済コマンドがあるか否かの判別(S2830)と、救済コマンドがある場合救済表示用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定する処理(S2831)部分において相違し、その他の処理は同一であるため、その詳細な説明は省略する。
具体的には、S2807の処理において差替コマンドがないと判別された場合は(S2807:No)、救済コマンドがあるか否かの判別を行う(S2830)。S2830の処理において、救済コマンドがないと判別された場合は、そのまま本処理を終了する。
一方、S2830の処理において、救済コマンドがあると判別された場合は、救済表示用データテーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定し、本処理を終了する。
これにより、救済タイミングの経過に基づいて、救済演出が実行される。その結果、枠ボタン22の入力可能な期間が少なくなったとしても、救済演出が実行されることで、枠ボタン22の押下が間に合わないケースを救済することができる。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
始動条件の成立に基づいて、所定の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記所定の演出の演出態様が表示される表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されることで出力される信号を識別する識別手段と、その識別手段により特定の識別結果が識別された場合に、特定条件が成立しているかを判別する判別手段と、その判別手段により特定条件が成立していると判別された場合に、次に成立する始動条件に基づいて前記演出実行手段により実行される演出態様を所定条件が成立するまで特定の演出態様に可変させるように設定する演出可変設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、始動条件の成立に基づいて、所定の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記所定の演出の演出態様が表示される表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されることで出力される信号を識別する識別手段と、その識別手段により特定の識別結果が識別された場合に、特定条件が成立しているかを判別する判別手段と、その判別手段により特定条件が成立していると判別された場合に、次に成立する始動条件に基づいて前記演出実行手段により実行される演出態様を所定条件が成立するまで特定の演出態様に可変させるように設定する演出可変設定手段とを有している。よって、特定条件が成立している場合において、遊技者の操作に基づいて、演出実行手段により実行される演出態様を、特定の演出態様に可変させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機A1において、前記表示手段に表示される前記所定の演出の背面側に表示される背面表示態様を表示させる背面表示手段と、前記識別手段による識別結果に基づいて、前記背面表示態様を所定の方向にスクロール表示させるスクロール表示手段と、を有し、前記特定条件は、前記背面表示態様に特定背面図柄が表示されている場合に成立するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、前記表示手段に表示される前記所定の演出の背面側に表示される背面表示態様を表示させる背面表示手段と、前記識別手段による識別結果に基づいて、前記背面表示態様を所定の方向にスクロール表示させるスクロール表示手段と、を有し、前記特定条件は、前記背面表示態様に特定背面図柄が表示されている場合に成立するものである。よって、遊技者の操作に基づいて、背面表示態様をスクロール表示させることができる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機A2において、前記背面表示手段は、通常時は、予め定められた方向に前記背面表示態様をスクロール表示させて表示するものであり、前記識別手段により所定の識別結果が判別された場合に前記予め定められた方向のスクロール表示を前記識別結果に基づく方向のスクロール表示に可変させるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、前記背面表示手段は、通常時は、予め定められた方向に前記背面表示態様をスクロール表示させて表示するものであり、前記識別手段により所定の識別結果が判別された場合に前記予め定められた方向のスクロール表示を前記識別結果に基づく方向のスクロール表示に可変させるものである。よって、遊技者の操作に基づいて、予め定められた方向へスクロール表示が実行され、スクロール表示の方向を変更する場合に、再度操作を行えばよい。その結果、スクロール表示を実行するための遊技者の負担を軽減することができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記操作手段は、複数の操作部で構成され、前記複数の操作は、前記背面表示態様のスクロール方向を指示する方向操作部と、前記特定の識別結果と識別される特定操作部とで少なくとも構成されているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA1のいずれかが奏する効果に加え、前記操作手段は、複数の操作部で構成され、前記複数の操作は、前記背面表示態様のスクロール方向を指示する方向操作部と、前記特定の識別結果と識別される特定操作部とで少なくとも構成されているものである。よって、方向操作部を操作することでスクロール方向を可変させることができ、特定操作部を操作することで演出を可変させることができる。その結果、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供することができる。
遊技の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出態様が表示される表示手段と、前記演出実行手段により実行される演出態様を複数の演出態様から選択する演出態様選択手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記演出態様選択手段により選択される演出態様として、所定条件が成立する毎に前記操作手段を操作することで複数のルートから遊技者が1のルートを選択することで演出態様が可変されるルート演出態様が設定されており、そのルート演出態様が実行される場合に、以前実行された前記ルート演出態様で選択したルート以外のルートを選択することを補助する補助手段を有しているものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出態様が表示される表示手段と、前記演出実行手段により実行される演出態様を複数の演出態様から選択する演出態様選択手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記演出態様選択手段により選択される演出態様として、所定条件が成立する毎に前記操作手段を操作することで複数のルートから遊技者が1のルートを選択することで演出態様が可変されるルート演出態様が設定されており、そのルート演出態様が実行される場合に、以前実行された前記ルート演出態様で選択したルート以外のルートを選択することを補助する補助手段を有している。これにより、遊技者がルート演出態様のルートを選択する場合に、以前に選択したルート以外のルートを選択するように補助される。その結果、以前に選択したルート以外のルートを選択する際の、遊技者の操作負荷を軽減することができる。
遊技機B1において、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定情報を示す識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示手段と、前記表示手段に特定の判定情報を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段とを有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、前記特典遊技実行手段により特典遊技が実行されることに基づいて、前記ルート演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定情報を示す識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示手段と、前記表示手段に特定の判定情報を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段とを有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、前記特典遊技実行手段により特典遊技が実行されることに基づいて、前記ルート演出態様を選択するものである。よって、遊技者は、ルート演出態様の選択を、特典遊技の実行中において行うことができる。その結果、特典遊技の実行中における、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機B2において、前記演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に、前記演出態様選択手段により選択されたルート演出態様を前記表示手段に表示させるものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、前記演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に、前記演出態様選択手段により選択されたルート演出態様を前記表示手段に表示させるものである。よって、特典遊技の実行中において、遊技者の操作に基づくルート演出態様が表示される。その結果、特典遊技の実行中における、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記ルート演出態様は、複数の設定マスが前記ルート上に設定されており、その設定マスを通過または前記設定マスに停止することで、前記設定マスに設定されている特典を付与するルート特典付与手段を有するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3の奏する効果に加え、前記ルート演出態様は、複数の設定マスが前記ルート上に設定されており、その設定マスを通過または前記設定マスに停止することで、前記設定マスに設定されている特典を付与するルート特典付与手段を有するものである。よって、ルート演出態様が表示されると、特典が付与されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機B4において、前記ルート特典付与手段は、前記特典として通過または停止した前記設定マスより次の前記特典遊技の開始時から開始することができるように前記補助手段により補助させる特典を設定するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、前記ルート特典付与手段は、前記特典として通過または停止した前記設定マスより次の前記特典遊技の開始時から開始することができるように前記補助手段により補助させる特典を設定するものである。よって、遊技者は次の特典遊技の開始時に、前の特典遊技において通過または停止した設定マスより開始することができる。その結果、前の特典遊技から継続した演出かのような印象を遊技者へ与えることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様を表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を複数設定して表示するものであり、前記リーチ表示態様で動的表示される図柄列の前記特定図柄を特定の表示態様に可変させる図柄可変手段と、所定の条件の成立に基づいて、前記図柄可変手段により可変された特定図柄を元の表示態様に可変させる再可変手段とを有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様を表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を複数設定して表示するものであり、前記リーチ表示態様で動的表示される図柄列の前記特定図柄を特定の表示態様に可変させる図柄可変手段と、所定の条件の成立に基づいて、前記図柄可変手段により可変された特定図柄を元の表示態様に可変させる再可変手段とを有するものである。よって、リーチ表示態様の表示中において、特定の抽選結果となる特定図柄が複数ある場合でも、図柄可変手段により当該特定図柄が特定の表示態様に可変される。ここで、特定の表示態様に可変された特定図柄は、再可変手段によって、元の表示態様に可変される。その結果、特定の抽選結果となる特定図柄が複数あるリーチ表示態様の表示中において、遊技者は特定の表示態様にのみ注目すればよい。従って、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供することができる。
遊技機C1において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記動的表示手段は、前記リーチ表示態様において前記図柄可変手段により可変された前記特定図柄とその特定図柄以外の図柄を動的表示するものであり、前記操作手段が操作されたことに基づいて、前記リーチ表示態様で動的表示されている図柄列の動的表示を停止表示させる停止表示手段を有するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記動的表示手段は、前記リーチ表示態様において前記図柄可変手段により可変された前記特定図柄とその特定図柄以外の図柄を動的表示するものであり、前記操作手段が操作されたことに基づいて、前記リーチ表示態様で動的表示されている図柄列の動的表示を停止表示させる停止表示手段を有するものである。よって、リーチ表示態様の表示中において、特定の抽選結果となる特定図柄が複数ある場合でも、図柄可変手段により当該特定図柄が特定の表示態様に可変される。その結果、遊技者は可変された特定の表示態様に注目して、操作を行えばよい。従って、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供することができる。
遊技機C2において、前記停止表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果である場合には、前記操作手段が操作されたタイミングで、前記特定図柄のうちの一つが前記リーチ表示態様で停止表示されている図柄と組み合わせて表示することが可能な位置に表示されるように停止表示させるものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、前記停止表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果である場合には、前記操作手段が操作されたタイミングで、前記特定図柄のうちの一つが前記リーチ表示態様で停止表示されている図柄と組み合わせて表示することが可能な位置に表示されるように停止表示させるものである。よって、遊技者の操作に基づいて停止表示され、再可変手段によって元の表示態様に再可変された図柄が、リーチ表示態様で停止されている図柄と組み合わせて表示される。その結果、遊技者は、停止表示された図柄が、特定の抽選結果であるか否かを容易に認識することができる。従って、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供することができる。
遊技機C1からC3において、前記リーチ表示態様は、同じ図柄で2以上の図柄列を停止表示させて、1の図柄列を動的表示させた表示態様で構成されるものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、前記リーチ表示態様は、同じ図柄で2以上の図柄列を停止表示させて、1の図柄列を動的表示させた表示態様で構成されるものである。よって、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、前記図柄可変手段は、前記複数の特定図柄を同一の表示態様となる前記特定の表示態様に可変させて表示させるものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4のいずれかが奏する効果に加え、前記図柄可変手段は、前記複数の特定図柄を同一の表示態様となる前記特定の表示態様に可変させて表示させるものである。よって、リーチ表示態様の表示中において、特定の抽選結果となる特定図柄が複数ある場合でも、図柄可変手段により当該特定図柄が同一の特定の表示態様に可変される。その結果、特定の抽選結果となる特定図柄が複数あるリーチ表示態様の表示中において、遊技者は一の特定の表示態様にのみ注目すればよい。従って、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供することができる。
抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様で表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を設定して表示するものであり、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示手段により前記リーチ表示態様で前記識別情報が表示されている場合に前記操作手段が操作されることに基づいて、前記動的表示されている図柄列の図柄を可変させる図柄可変手段と、リーチ表示態様で表示される期間の残り期間を判別する判別手段と、その判別手段により判別される期間内に、前記図柄可変手段により図柄を前記特定図柄に可変させられるかを判別する図柄可変判別手段と、その図柄可変判別手段により前記特定図柄に可変不可能と判別された場合に、前記リーチ表示態様の残り期間において、前記特定図柄を表示させる特定演出を設定する特定演出設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様で表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を設定して表示するものであり、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示手段により前記リーチ表示態様で前記識別情報が表示されている場合に前記操作手段が操作されることに基づいて、前記動的表示されている図柄列の図柄を可変させる図柄可変手段と、リーチ表示態様で表示される期間の残り期間を判別する判別手段と、その判別手段により判別される期間内に、前記図柄可変手段により図柄を前記特定図柄に可変させられるかを判別する図柄可変判別手段と、その図柄可変判別手段により前記特定図柄に可変不可能と判別された場合に、前記リーチ表示態様の残り期間において、前記特定図柄を表示させる特定演出を設定する特定演出設定手段とを有するものである。よって、リーチ表示の実行中において、遊技者の操作に基づいて図柄を特定図柄に可変させることができる。ここで、実行中のリーチ表示の残時間において、遊技者の操作に基づく図柄の可変が実行できない場合は、特定図柄を表示させるための特定演出が設定される。これにより、遊技者の操作が無いまたは少ない場合においても、特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を設定し表示することができる。その結果、リーチ表示の実行において、遊技者の操作が無いまたは少ない場合においても、特定図柄を表示させ、特定の抽選結果となったことを示すことができる。
遊技機D1において、前記特定演出は、前記リーチ表示態様で動的表示されている図柄列を前記特定図柄とは異なる図柄で停止表示させた後に、その停止表示された図柄を特定図柄に差し替えて表示する演出で構成されているものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、前記特定演出は、前記リーチ表示態様で動的表示されている図柄列を前記特定図柄とは異なる図柄で停止表示させた後に、その停止表示された図柄を特定図柄に差し替えて表示する演出で構成されているものである。よって、遊技者の操作が無いまたは少ないことで、遊技者の操作に基づいて図柄の可変が実行できない場合は、まず、特定図柄とは異なる図柄で停止表示される。その後、停止表示された図柄が特定図柄に差し替えられる。これにより、遊技者の操作が無いまたは少ない場合においても、違和感の少ない演出を実行することができる。
遊技機D1またはD2において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果と異なる場合に、前記リーチ表示態様で動的表示された図柄列の図柄を前記操作手段の操作に関わらず、前記特定図柄に可変させることを禁止する禁止手段を有するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果と異なる場合に、前記リーチ表示態様で動的表示された図柄列の図柄を前記操作手段の操作に関わらず、前記特定図柄に可変させることを禁止する禁止手段を有するものである。よって、抽選結果が特定の抽選結果でないにも関わらず、特定の抽選結果を示す特定図柄が表示されることを防止できる。
抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様で表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を設定して表示するものであり、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示手段により前記リーチ表示態様で前記識別情報が表示されている場合に前記操作手段が操作されることに基づいて、前記動的表示されている図柄列の図柄を所定の順序で異なる図柄に可変させる図柄可変手段と、リーチ表示態様で表示される期間の残り期間を判別する判別手段と、その判別手段により判別される期間内に、前記図柄可変手段により図柄を前記特定図柄に可変させられるかを判別する図柄可変判別手段と、その図柄可変判別手段により前記特定図柄に可変不可能と判別された場合に、前記残り期間で前記特定図柄に可変させることが可能な順序で前記図柄を可変させる特別図柄可変手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様で表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を設定して表示するものであり、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示手段により前記リーチ表示態様で前記識別情報が表示されている場合に前記操作手段が操作されることに基づいて、前記動的表示されている図柄列の図柄を所定の順序で異なる図柄に可変させる図柄可変手段と、リーチ表示態様で表示される期間の残り期間を判別する判別手段と、その判別手段により判別される期間内に、前記図柄可変手段により図柄を前記特定図柄に可変させられるかを判別する図柄可変判別手段と、その図柄可変判別手段により前記特定図柄に可変不可能と判別された場合に、前記残り期間で前記特定図柄に可変させることが可能な順序で前記図柄を可変させる特別図柄可変手段とを有するものである。よって、リーチ表示の実行中において、遊技者の操作に基づいて図柄を特定図柄に可変させることができる。ここで、実行中のリーチ表示の残時間において、遊技者の操作に基づく図柄の可変が実行できない場合は、残り期間で前記特定図柄に可変させることが可能な順序で図柄が可変される。これにより、遊技者による操作の開始が遅れたとしても、遊技者の操作に基づいて図柄を特定図柄に可変させることができる。
遊技機D4において、前記特別図柄可変手段は、前記図柄可変手段により可変される前記所定の順序のうち、複数の順番で可変させる図柄を一にまとめた順序で前記図柄を可変して表示させるものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、前記特別図柄可変手段は、前記図柄可変手段により可変される前記所定の順序のうち、複数の順番で可変させる図柄を一にまとめた順序で前記図柄を可変して表示させるものである。よって、遊技者による操作の開始が遅れたとしても、遊技者の操作に基づいて図柄を特定図柄に可変させることができることを、遊技者に容易に認識させることができる。
なお、盤面から突設される部材としては、釘や、風車や、スルーゲート等が例示される。
遊技機A1からA5,B1からB6,C1からC6,D1からD8,E1からE15のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機F1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA5,B1からB6,C1からC6,D1からD8,E1からE15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機F2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA5,B1からB6,C1からC6,D1からD8,E1からE15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機F3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
22 枠ボタン(操作手段の一部)
270 選択スイッチ(操作手段の一部)
270a 上スイッチ(操作手段の一部)
270b 右スイッチ(操作手段の一部)
270c 下スイッチ(操作手段の一部)
270d 左スイッチ(操作手段の一部)
270e 決定スイッチ(操作手段の一部)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
114 表示制御装置(演出実行手段)
S2202 演出態様選択手段
S3001 補助手段
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、大当たりのラウンド演出において、演出パターンを多様化することで、大当たり中の演出表示が単調化することを防止する遊技機がある(特許文献1)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、更なる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、演出態様が表示される表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段の操作に基づいて選択可能な選択情報が複数表示され、その複数の前記選択情報から1の前記選択情報が選択されることに基づいて演出態様が可変される可変演出態様を、前記表示手段に表示することが可能な可変演出実行手段と、その可変演出実行手段により前記可変演出態様が表示される場合に、未選択の前記選択情報を選択することを補助する補助手段と、を備えるものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記可変演出態様は、通過または停止することが可能な設定マスが複数設定されているルートが設定されており、前記選択情報の選択に基づいて演出態様が可変されることで、前記設定マスを通過または前記設定マスに停止する演出態様であり、前記設定マスを通過または前記設定マスに停止することに基づいて、前記設定マスに対応して設定されている特典を付与するルート特典付与手段を有するものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記可変演出態様は、停止している前記設定マスに応じた前記選択情報を選択することが可能な演出態様であり、前記補助手段は、前記ルート特典付与手段により特定の前記特典が付与されることに基づいて、前記可変演出態様を以前通過または停止した前記設定マスを始点として表示させることで、未選択の前記選択情報を選択することを補助するものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示す識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示手段と、前記表示手段に特定の判定情報を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記可変演出実行手段は、前記特典遊技実行手段により特典遊技が実行されることに基づいて、前記可変演出態様を表示するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、演出態様が表示される表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段の操作に基づいて選択可能な選択情報が複数表示され、その複数の前記選択情報から1の前記選択情報が選択されることに基づいて演出態様が可変される可変演出態様を、前記表示手段に表示することが可能な可変演出実行手段と、その可変演出実行手段により前記可変演出態様が表示される場合に、未選択の前記選択情報を選択することを補助する補助手段と、を備えるものである。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記可変演出態様は、通過または停止することが可能な設定マスが複数設定されているルートが設定されており、前記選択情報の選択に基づいて演出態様が可変されることで、前記設定マスを通過または前記設定マスに停止する演出態様であり、前記設定マスを通過または前記設定マスに停止することに基づいて、前記設定マスに対応して設定されている特典を付与するルート特典付与手段を有するものである。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記可変演出態様は、停止している前記設定マスに応じた前記選択情報を選択することが可能な演出態様であり、前記補助手段は、前記ルート特典付与手段により特定の前記特典が付与されることに基づいて、前記可変演出態様を以前通過または停止した前記設定マスを始点として表示させることで、未選択の前記選択情報を選択することを補助するものである。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示す識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示手段と、前記表示手段に特定の判定情報を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記可変演出実行手段は、前記特典遊技実行手段により特典遊技が実行されることに基づいて、前記可変演出態様を表示するものである。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
動作ユニットの正面斜視図である。
分解した動作ユニットを正面視した動作ユニットの分解正面斜視図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの背面分解斜視図である。
可変入賞装置の正面分解斜視図である。
可変入賞装置の背面分解斜視図である。
(a)は、可変入賞装置の上面図であり、(b)は可変入賞装置の正面図であり、(c)は、図15(b)の矢印XVc方向視における可変入賞装置の側面図である。
(a)は、図15(b)のXVIa−XVIa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図16(a)から移動上蓋部材をスライド移動させた後の可変入賞装置の断面図である。
(a)及び(b)は、遊技盤の部分正面図である。
(a)は、図17(b)のXVIIIa−XVIIIa線における盤面下部ユニットの断面図であり、(b)は、図17(a)のXVIIIb−XVIIIb線における盤面下部ユニットの断面図であり、(c)は、図18(b)から光照射部の配置を仮想的に変化させた盤面下部ユニットの断面図である。
複合動作ユニットの正面斜視図である。
複合動作ユニットの背面斜視図である。
複合動作ユニットの正面分解斜視図である。
複合動作ユニットの背面分解斜視図である。
本体部材、遮蔽部材及び首振り部材の正面分解斜視図である。
本体部材、遮蔽部材及び首振り部材の背面分解斜視図である。
(a)は、第1案内アームの正面図であり、(b)は、第1案内アームの底面図であり、(c)は、図25(a)のXXVc−XXVc線における第1案内アームの断面図であり、(d)は、図25(a)のXXVd−XXVd線における第1案内アームの断面図である。
(a)は、第2案内アームの正面図であり、(b)は、第2案内アームの底面図であり、(c)は、図26(a)のXXVIc−XXVIc線における第2案内アームの断面図であり、(d)は、図26(a)のXXVId−XXVId線における第2案内アームの断面図である。
(a)及び(b)は、第1案内アーム、第2案内アーム及び配線の正面図である。
複合動作ユニットの正面図である。
複合動作ユニットの背面図である。
複合動作ユニットの正面図である。
複合動作ユニットの背面図である。
複合動作ユニットの正面図である。
複合動作ユニットの背面図である。
図28のXXXIV−XXXIV線における複合動作ユニットの部分断面図である。
図32のXXXV−XXXV線における複合動作ユニットの部分断面図である。
複合動作ユニットの正面図である。
図36のXXXVII−XXXVII線における複合動作ユニットの部分断面図である。
揺動動作ユニットの正面斜視図である。
揺動動作ユニットの背面斜視図である。
揺動動作ユニットの正面分解斜視図である。
揺動動作ユニットの背面分解斜視図である。
(a)は、揺動動作ユニットの正面図であり、(b)は、図42(a)の矢印XXXXIIb方向視における揺動動作ユニットの側面図である。
揺動動作ユニットの正面図である。
(a)は、図43のXXXXIVa−XXXXIVa線における駆動側アーム部材、従動側アーム部材及び第1橋架け部材の断面図であり、(b)は、図43のXXXXIVb−XXXXIVb線における駆動側アーム部材、従動側アーム部材及び第2橋架け部材の断面図である。
(a)は、図43の矢印XXXXVa方向視における揺動動作ユニットの部分側面図であり、(b)及び(c)は、図45(a)の状態から従動側アーム部材が正面側に撓む様子を時系列で図示した揺動動作ユニットの部分側面図である。
図43のXXXXIV−XXXXIV線における駆動側アーム部材及び従動側アーム部材の断面図である。
図43のXXXXV−XXXXV線における揺動動作ユニットの部分断面図である。
駆動側アーム部材及び従動側アーム部材の正面図である。
駆動側アーム部材及び従動側アーム部材の正面図である。
駆動側アーム部材及び従動側アーム部材の正面図である。
(a)及び(b)は、第2実施形態における揺動動作ユニットの部分正面図である。
(a)から(c)は、第3実施形態における揺動動作ユニットの正面図であり、(d)は、図52(b)のLd−Ld線における揺動動作ユニットの断面図である。
第4実施形態における複合動作ユニットの正面図である。
(a)及び(b)は、複合動作ユニットの部分正面図である。
第5実施形態における複合動作ユニットの背面図である。
(a)から(c)は、複合動作ユニットの部分背面図である。
第6実施形態における複合動作ユニットの部分正面図である。
(a)及び(b)は、複合動作ユニットの部分正面図である。
(a)及び(b)は、第7実施形態における揺動動作ユニットの部分正面図である。
第8実施形態における遊技盤の正面図である。
図60のLXI−LXI線における遊技盤の部分断面図である。
(a)は、第9実施形態における第1案内アームの正面図であり、(b)は、第1案内アームの底面図であり、(c)は、脱着正面係止部材の斜視図である。
(a)は、第2案内アームの正面図であり、(b)は、第2案内アームの底面図であり、(c)は、図63(a)のLXIIIc−LXIIIc線における第2案内アームの断面図である。
(a)及び(b)は、配線案内アームの第1案内アーム及び第2案内アームの正面図であり、(c)は、図64(a)のLXIVc−LXIVc線における配線案内アームの第1案内アーム及び第2案内アームの断面図である。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
(a)は、超背景予告の画面を例示した模式図であり、(b)は、超背景予告において(a)の画面が水平方向にスクロール表示された場合の画面を例示した模式図である。
(a)は、超背景予告において特別画像が表示された画面を例示した模式図であり、(b)は、超背景予告において扉内背景へと移行することを示唆する画面を例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチAにおいて、ばらけ目の態様が表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチAにおいて、ダブルリーチの態様画面を例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチAにおいて表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチAにおいて表示される画面を例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチAにおいて表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチAにおいて表示される画面を例示した模式図である。
スーパーリーチAにおいて大当たりとなった場合の画面を例示した模式図である。
(a)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図である。
(a)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図である。
(a)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、大当たり演出において表示される画面を例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図である。
(a)は、スーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、スーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図である。
各種カウンタの概要を示す図である。
主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり乱数カウンタC1と特別図柄の大当たりの判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第1当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄の当たりの判定値との対応関係を模式的に示した模式図である。
(a)は、主制御装置内のROMに設けられた変動パターン選択テーブルの電的構成を示すブロック図であり、(b)は、大当たり時における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ時(通常)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ時(確変)における変動種別カウンタCS1と変動種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
(a)は、音声ランプ制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、音声ランプ制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
表示制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
表示制御装置内のRAMに設けられたデータテーブル格納エリアの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、表示制御装置内のRAMに設けられたマス設定テーブル格納エリアの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、マス設定テーブル格納エリアに設けられた通常マス設定テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、マス設定テーブル格納エリアに設けられた継続マス設定テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。
表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
描画リストの一例を模式的に示した模式図である。
主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるSW入力監視・演出処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される超背景時操作処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり時操作処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるスーパーリーチB時操作処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される超背景演出処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるリーチ関連コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される表示用スーパーリーチB処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連コマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるマップ設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される背景画像変更コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるSW関連コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される超背景中SW処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される大当たり中SW処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるカウンタ更新処理である。
(a)は、第1制御例の変形例におけるスーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図であり、(b)は、第1制御例の変形例におけるスーパーリーチBにおいて実行される演出のタイミングを例示した模式図である。
(a)は、第1制御例の変形例におけるスーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図であり、(b)は、第1制御例の変形例におけるスーパーリーチBにおいて表示される画面を例示した模式図である。
第1制御例の変形例における表示制御装置内のRAMに設けられたデータテーブル格納エリアの内容を模式的に示した模式図である。
第1制御例の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるスーパーリーチB時操作処理である。
第1制御例の変形例における表示制御装置内のMPUにより実行される表示用スーパーリーチB処理を示すフローチャートである。
枠ボタンおよび選択スイッチを模式的に示した模式図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図50を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330は、後述するベース板60の受け入れ開口60aに嵌め込まれる盤面下部ユニット300に形成される。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置330(図11参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特定入賞口65aを開閉する可変入賞装置330(図11参照)の詳細については後述するが、簡潔に説明すると、可変入賞装置330の移動上蓋部材332がスライド移動することで、特定入賞口65aが開閉される。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口314が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口314を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口314は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22、選択スイッチ270(上スイッチ270a、右スイッチ270b、下スイッチ270c、左スイッチ270d)、決定スイッチ270eなどがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ433,462,551及びソレノイド474が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図9を参照して、遊技盤13及び動作ユニット200について説明する。まず、図5及び図6を参照して、背面ケース210への各ユニット400及び500の収容構造について説明する。
図5は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図6は、分解した動作ユニット200を正面視した動作ユニット200の分解正面斜視図である。
図5及び図6に示すように、動作ユニット200は、底壁部211と、その底壁部211の外縁から立設される外壁部212とから一面側(図6紙面手前側)が開放された箱状に形成される背面ケース210を備える。背面ケース210は、その底壁部211の中央に矩形状の開口211aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口211aは、第3図柄表示装置81(図2参照)の外形に対応した(即ち、第3図柄表示装置81を配設可能な)大きさに形成される。
左右および上部の外壁部212は、前後方向の中間に底壁部211と平行に形成される中間壁部212aと、その中間壁部212aに部材を締結可能な締結部212bと、を備える。その中間壁部212aの手前側においては、外壁部212は中間壁部212aの開口211aの反対側の端部から延設され、中間壁部212aの奥側においては、外壁部212は中間壁部212aの開口211aに近接する側の端部から延設される。
なお、左右の中間壁部212aに形成される締結部212bには、保持固定部446や固定板461が締結固定され、上部の中間壁部212aに形成される締結部212bには、案内板424が締結固定される。
ここで、固定板461は複合動作ユニット400を駆動させる駆動力を発生させる駆動モータ462を支持する部材であり、保持固定部446は付勢バネ445の一端を固定する部材であり、案内板424は複合動作ユニット400の連結部材423(図20参照)の移動を案内する部材である。即ち、いずれも、遊技者に直接視認される演出部分ではなく、複合動作ユニット400の動作の駆動力を発生させたり、その動作を案内したりする、演出の補助的な役割を備える部分である。
このような役割を備える固定板461や、保持固定部446や、案内板424を背面ケース210の前側寄りに配置することで、背面ケース210の後ろ側寄りのスペースを空けることができる。この空いた後ろ側寄りのスペースを遮蔽部材420等の実際に遊技者に視認される部分を退避させるスペースとして用いることで、複合動作ユニット400の構成部材を前後で積層させることができ、開口211aの外側に複合動作ユニット400を退避させるために必要となる幅を狭くすることができる。従って、底板部211の形成幅を狭めることができる。これにより、開口211aを拡大することができ、第3図柄表示装置81の形成範囲を拡大することができる。
動作ユニット200は、背面ケース210の内部空間に、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500がそれぞれ収容され、これを1ユニットとして構成される。
具体的には、複合動作ユニット400は、背面ケース210の外壁部212の内側面が形成する領域の左右および上部に配設され、揺動動作ユニット500は、背面ケース210の外壁部212の内側面が形成する領域の下部に配設される(図5参照)。
次いで、図7から図9を参照して、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500の動作態様の概略について説明する。なお、図7から図9の説明においては、図5及び図6を適宜参照する。
図7から図9は、動作ユニット200の正面図である。なお、図7では複合動作ユニット400の本体部材410が張出位置に配置された状態が、図8では揺動動作ユニット500の移動部材540が張出位置に配置された状態が、図9では複合動作ユニット400の本体部材410及び揺動動作ユニット500の移動部材540が張出位置に配置された状態がそれぞれ図示される。
図7に示すように、複合動作ユニット400は、本体部材410を、図5に示す退避位置と図7に示す張出位置との間で動作させる。即ち、図5に示す退避位置では、本体部材410は、背面ケース210の開口211aの上方に退避される(図2参照)。一方、図7に示す張出位置では、本体部材410が下降され、本体部材410が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配置される。複合動作ユニット400は、後述するように、本体部材410がスライド移動することで遮蔽部材420が移動態様の違う2種類の動作(スライド動作、揺動動作)をするユニットである。
図8に示すように、揺動動作ユニット500は、移動部材540を、図5に示す退避位置と図8に示す張出位置との間で動作させる。図5に示す退避位置では、移動部材540は、背面ケース210の開口211aの下方に退避される(図2参照)。一方、図8に示す張出位置では、移動部材540が上昇され、移動部材540が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配置される。移動部材540は左右一対で形成され、図8に示す張出位置では、左右一対の移動部材540が合体して視認される。
図9に示すように、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500は、共に張出位置に配置することができる。この場合、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500を一体の装飾部材として視認させる(正面視で部分的に重ねる)ことができ、開口211aの外方の幅以上の幅の装飾部材を形成することができる。これにより、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500の演出効果を向上させることができる。また、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500が違う向き(下降、上昇)で開口211aの中央へ向けて張り出すことで、例えば可動部材を全て同じ向きで張り出させる場合に比較して、退避位置から張出位置まで各部材が移動する距離を短くすることができる。これにより、複合動作ユニット400及び揺動動作ユニット500の移動速度が同じ場合に、退避位置から張出位置まで移動する期間を短縮することができる。
次いで、図10から図18を参照して、遊技盤13の下部に配設される盤面下部ユニット300について説明する。図10及び図11は、遊技盤13及び盤面下部ユニット300の正面分解斜視図であり、図12は、遊技盤13及び盤面下部ユニット300の背面分解斜視図である。なお、図10では、前板部材320のみが遊技版13から分解された状態が図示され、図11及び図12では、図10から更に盤面下部ユニット300の前側ユニット310及び可変入賞装置330が遊技盤13から分解される。また、理解を容易にするために、遊技盤13は簡略化して図示される。
図10に示すように、内レール61の下縁に沿って特定入賞口65aが形成される。内レール61の下縁は下に凸の曲線形状から形成されるので、特定入賞口65aの下辺が左右方向に沿う直線で形成される場合に比較して、特定入賞口65aの配設位置を下方に下げることができる。この特定入賞口65aの外縁は、上辺が移動上蓋部材332で形成され、下辺が内レール61の下縁で形成されると共に、左右の辺が開口上側部313の左右の壁部で形成される。
特定入賞口65aは、後述するように、移動上蓋部材332が前後にスライド移動することで、上述した閉鎖状態と開放状態とが切り替えられ、この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。
図11に示すように、盤面下部ユニット300は、球が排出されるアウト口314と、特定入賞口65aとを構成するユニットであって、遊技盤13の下部に前後方向に穿設される受け入れ開口60aに正面側から嵌め込まれ締結固定される前側ユニット310と、その前側ユニット310に正面側から締結固定されると共に背面側に球の経路が形成される前板部材320と、受け入れ開口60aに背面側から嵌め込まれ締結固定されると共に球の流下方向を変化させる移動上蓋部材332を備える可変入賞装置330と、を主に備える。
前側ユニット310は、正面側を球が流下可能に形成される板状の本体板部311と、その本体板部311の正面側中央で一対の部材が左右に開閉動作される電動役物640aと、本体板部311の左右上部において正面側に突設される板状の傾斜板部312と、本体板部311の下底部から上方へ向けて凹設される開口上側部313と、その開口上側部313の左右両側において前後方向に穿設され球が遊技領域外に排出される一対のアウト口314と、を主に備える。
本体板部311は、電動役物640aの上方に形成され第1入賞口64の下辺を形成する第1入賞口下辺311aと、電動役物640aの一対の部材に囲われる位置において前後方向に穿設される第2入賞口640と、その第2入賞口640の下方に配置され第2入賞口640の正面側を照らす光照射装置311bと、アウト口314の外側においてリブ状に正面側へ向けて凸設される球流しリブ311cと、を主に備える。
光照射装置311bは、前板部材320の収容凹部323a(図12参照)に収容され、第2入賞口640に球が入賞することに起因して、上方(第2入賞口640側)へ向けて光が照射されるLED部材である。
球流しリブ311cは、内レール61に沿って転動する球の流下方向を調整するものであり、詳細は図18で後述する。
傾斜板部312は、上側面を球が転動可能に形成され、電動役物640aの左右上方に配置されると共に、電動役物640aへ近接されるほど下降傾斜される。これにより、電動役物640aが左右に倒れる開状態の時は、傾斜板部312を転動して流下される球を高確率で第2入賞口640へ入賞させることができる。一方、電動役物640aが起立される閉状態の時は、傾斜板部312を転動して流下される球を高確率で開口上側部313の正面側へ落下させることができる。
開口上側部313は、左右中央へ向かうにつれて上昇傾斜して形成される。ここで、特定入賞口65aの左右方向中央部の上下幅を球の直径以上とすることで、開口上側部313の左右の壁部の上下幅(特定入賞口65aの左右の壁部に対応する)を球の直径以下の長さに設定することが可能である(図17参照)。この場合、特定入賞口65aの左右端部から球を入賞させることは困難であるが、球が内レール61に沿って遊技盤13の中央部へ流下され、特定入賞口65aの左右方向中央部から入賞可能とされるので、遊技を継続できる。
ここで、特定入賞口65aの上下側面が平行面(左右方向へ延設される平面)である場合、内レール61と交差する直線が特定入賞口65aの下側面の長さと同じになるまで、特定入賞口65aを内レール61の下縁から上昇させて配置する必要がある。そのため、特定入賞口65aの位置が高くなる。
一方、本実施形態では、特定入賞口65aの下側側面が内レール61の下側面と同様に湾曲形成されるので、特定入賞口65aを上昇配置させる必要がなく、特定入賞口65aを低位置に配置することができる。
また、特定入賞口65aの上側側面が左右端部へ近接するにつれて下降傾斜されるので、上側側面が左右方向へ延設される平面で形成される場合に比較して、特定入賞口65aへ球を案内する道釘の配置を下方へ下げることができる。これにより、第3図柄表示装置81の下縁を下げることができる。
アウト口314は、開口上側部313の左右に一対で形成され、開口上側部313の左右端部に対して、アウト口314の下辺は下方に配置され、アウト口314の上辺は上方に配置される。即ち、開口上側部313がアウト口314よりも下方に形成される。これにより、後述する可変入賞装置330の配置を下方へ下げることができ、第3図柄表示装置81の下縁を下げることができる。なお、このような配置であっても、本実施形態では開口上側部313の形状と略同一形状の上側面を備え前後方向にスライド移動される移動上蓋部材332の上面を球が流下され、球がアウト口314へ排出されるので(図17参照)、遊技が継続可能となる。
前板部材320は、光透過性の樹脂材料から形成される板状部材であって、前側ユニット310の正面側に配設されると共に本体板部311との間を球が流下可能に形成される板状の本体板部321と、その本体板部321の上端部に配設され第1入賞口下辺311aへ球を案内する第1入賞口前部322と、電動役物640aの下方に配置される電動役物下支え部323と、アウト口314の下側面に沿って配置されるアウト口下板324と、内レール61の下縁に沿って本体板部321から背面側に突設される球送り部325と、を主に備える。
本体板部321は、アウト口下板324の外側において、背面側にリブ状に凸設される球流しリブ321aを備える。球流しリブ321aは、内レール61に沿って転動する球の流下方向を調整するものであるが、その詳細については図18で後述する。
電動役物下支え部323は、横長の凹部である収容凹部323aを備え、その収容凹部323aには、光照射装置311bが収容される。
アウト口下板324は、上側面に前後方向に延設される細厚のリブが左右方向に連設される。また、アウト口下板324は、左右内側端部に上方へ向けて突設される段部324aを備える。アウト口下板324の上側側面に形成される凸凹により、流下してきた球を減速させることができる。また、アウト口下板324に形成されるリブは、背面側へ向かうほど下降傾斜して形成される。これにより、流下してきた球をアウト口314へ排出する速度を向上させることができる。
なお、上述した傾斜板部312がアウト口下板324の真上に形成される(図17参照)ので、傾斜板部312を転動してから落下する球がアウト口下板324へ向けて落下することが抑制される。即ち、傾斜板部312を転動してから落下する球は、一対のアウト口下板324の左右方向内側(移動上蓋部材332が配置される位置)に落下するか、アウト口下板324の外側端部(球流しリブ321a付近であって、リブの形成範囲と球が流れるレールとの境界位置)に落下するかのどちらかである。これらは、どちらもリブの形成範囲外である。これにより、アウト口下板324に高所から球が落下することを抑制することができ、アウト口下板324の耐久性を向上させることができる。
段部324aは、アウト口314と特定入賞口65aとの間に形成される段であって、左右方向から流下してアウト口下板324の上側側面を流下する球は、段部324aを越えて左右方向中央部へ流下されることが防止される(図17参照)。即ち、左右方向から流下してアウト口下板324の上側側面を流下する球は、専らアウト口314へ案内される。
球送り部325は、背面側に形成される背面側側面325aと、その背面側側面325aと連結されると共に左右側に形成される左右側側面325bと、を主に備える。
背面側側面325aは、背面側へ向かうにつれて下降傾斜され、左右側側面325bは、背面側へ向かうにつれて中央へ向けて傾斜される。これにより、球送り部325に到達した球の流下方向を背面側へ向けることができる。従って、特定入賞口65aの手前で球が留まることを抑制し、所謂オーバー入賞を防止することができる。
次いで、図13から図15を参照して、可変入賞装置330について説明する。図13は、可変入賞装置330の正面分解斜視図であり、図14は、可変入賞装置330の背面分解斜視図であり、図15(a)は、可変入賞装置330の上面図であり、図15(b)は可変入賞装置330の正面図であり、図15(c)は、図15(b)の矢印XVc方向視における可変入賞装置330の側面図である。
図13及び図14に示すように、可変入賞装置330は、骨格を形成する本体部材331と、その本体部材331に前方から挿通され、前後方向へスライド移動可能に形成される移動上蓋部材332と、その移動上蓋部材332をスライド移動させる駆動力を発生させるソレノイド333と、そのソレノイド333により揺動されるレバー部材334bが収容されると共に本体部材331の背面側に締結固定される後蓋部材334と、を主に備える。
本体部材331は、移動上蓋部材332が挿通される異形貫通孔331aと、特定入賞口65aに入賞された球が流下される下方通路331bと、その下方通路331bの下方に配設され上方へ向けて光を照射する光照射装置331cと、背面側に正面側へ向けて凹んで形成される窪みであってソレノイド333及びレバー部材334b等が収容される背面側収容部331dと、を主に備える。
異形貫通孔331aは、図15(a)及び図15(b)に図示されるように、移動上蓋部材332の形状に沿って形成される貫通孔であって、前側板部332aを収容する前方開口部331a1と、後側板部332bを収容する後方開口部331a2と、を主に備える。
前方開口部331a1は、正面視において下辺が水平に延設され、上辺が中心へ向かうにつれて上昇傾斜されると共に左右の側辺は上下に延設される五角形状に形成される窪みである。
後方開口部331a2は、前方開口部331a1の背面側中央部から、前方開口部331a1の左右部分を切り落とした形状で穿設される開口である。即ち、後方開口部331a2の下辺および上辺の外形と、前方開口部331aの下辺および上辺の外形とは前後方向で段が形成されるものではなく、面位置で形成される。これにより、移動上蓋部材332をスムーズに案内することができる。
下方通路331bは、球が通過可能に左右一対で形成されると共に(図18(a)参照)、内レール61の下縁よりも下方へ張り出して形成される通路であって、その奥に球の通過を検出するセンサSが配設される(図15(b)参照)。
光照射装置331cは、下方通路331bや板状部332a1等を光で照らして演出する装置であって、内レール61の下方(受け入れ開口60aの下部)に配設される。これにより、光照射装置331cに必要な装置等を内レール61の下方に配設することができるので、遊技盤13の背面側のスペースを確保することができ、第3図柄表示装置81(図2参照)の下縁を下方へ下げることができる。
なお、光照射装置331cは、光を照射する光照射部331c1を備える。その光照射部331c1は、下方通路331bの真下に左右一対で形成され、上方に光を照射する。
背面側収容部331dは、後方開口部331a2を挟んで前方開口部331a1と連通されている。
移動上蓋部材332は、光透過性の樹脂材料から形成される長尺部材であって、前方開口部331a1に収容される前側板部332aと、後方開口部331a2に収容される後側板部332bと、前側板部332a及び後側板部332bの中心軸に沿って下方へ突設される中心リブ332cと、後側板部332bの背面側端部に上下方向に穿設される連結孔332dと、を主に備える。
前側板部332aは、前方開口部331a1の上辺の形状に沿って左右方向中央部へ向けて上昇傾斜する態様で形成される板状部332a1と、その板状部332a1の上下方向に穿設される肉抜き孔332a2と、板状部332a1の左右方向端部において下方へ向けて張り出され前後方向へ向けて延設される案内リブ332a3と、を主に備える。
板状部332a1は、下方へ向かうほど背面側へ傾斜して形成されると共に(図16参照)左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成される前側傾斜側面332a1fを備える。前側傾斜側面332a1fが左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成されることにより、球が前板部材320と前側傾斜側面332a1fとに挟まれた場合に球を中央側へ流すことができ、球により移動上蓋部材332のスライド動作が妨害されることを防止できる。
なお、前側傾斜側面332a1fは後述するように光を反射させる部分として形成されるので、光を効果的に反射させるために、前側傾斜側面332a1fに金属膜を形成するようにしたり、鏡面加工したりしても良い。本実施形態では、光を反射するテープが貼付けられる。
案内リブ332a3は、組立状態(図15参照)において、前方開口部331a1の左右側側面に沿って形成され、前方開口部331a1の下側側面と当接される。これにより、移動上蓋部材332のスライド移動時の左右方向の位置ずれを抑制することができる。
中心リブ332cは、板形状が屈曲されて形成される前側板部332aの屈曲部に形成される。これにより、前側板部332aの剛性を向上させることができる。また、移動上蓋部材332が前方へスライド移動される場合(可変入賞装置330の移動上蓋部材332が退避状態とされる場合)に、開口上側部313の背面側に留められる。これにより、中心リブ332cと球とが衝突して移動上蓋部材332が動作不良を起こすことを防止することができる。
連結孔332dは、レバー部材334bの連結部334b4が挿通され、レバー部材334bの揺動による変位が移動上蓋部材332に伝達される貫通孔である(図16参照)。
ソレノイド333は、駆動源となる本体部333aと、その本体部333aの下方に配設され、レバー部材334bの下方において上下に移動される鉤形の鉤形部材333bと、を主に備える。
後蓋部材334は、板状の本体部334aと、その本体部334aに揺動可能に軸支され先端が前後方向に移動可能に形成されるレバー部材334bと、を主に備える。
レバー部材334bは、上下方向に延設される本体部334b1と、その本体部334b1の下端部において左右両方向に円柱状に突設され本体部334aに軸支される一対の軸部334b2と、その一対の軸部334b2の略中間位置において本体部334b1の下方に延設され本体部334b1との間に鉤形部材333bを収容可能に形成される下爪部334b3と、本体部334b1の上端部において円柱状に膨出形成される連結部334b4と、を主に備える。
次いで、図16を参照して、移動上蓋部材332のスライド移動について説明する。図16(a)は、図15(b)のXVIa−XVIa線における可変入賞装置330の断面図であり、図16(b)は、図16(a)の状態から移動上蓋部材332をスライド移動させた後の可変入賞装置330の断面図である。なお、図16(a)では、移動上蓋部材332が後方配置される退避状態が図示され、図16(b)では、移動上蓋部材332が前方配置される張出状態が図示されると共に、光の経路E1について理解を容易にするために、中心リブ332cの図示が一部省略される。また、図16(a)及び図16(b)では、組立状態(図2参照)における内レール61及び前板部材320が仮想的に想像線で図示される。
図16(a)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態を形成する場合、鉤形部材333bは上方へ配置され、レバー部材334bが後ろ倒れされる。この状態では、球は可変入賞装置330の前方を流下可能であり、即ち、球は特定入賞口65a(図10及び図17参照)に入賞可能(開放状態)とされる。
一方、図16(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合、鉤形部材333bが下方へ押し付けられることでレバー部材334bが軸部334b2を中心に前倒れされ背面側収容部331bの側面に当接されると共に移動上蓋部材332が正面側へスライド移動される。この状態では、球は特定入賞口65a(図10及び図17参照)に入賞不可能(閉鎖状態)とされる。
この場合、鉤形部材333bの下方端部の背面側側面がレバー部材334bの下爪部334b3の端部と前後方向で当接されることで、レバー部材334bの揺動が機械的に規制される(下爪部334b3の移動方向に鉤形部材333bが配置されると共に下爪部334b3の移動方向と鉤形部材333bの移動方向とが直交する)。従って、ソレノイド333の駆動力によってレバー部材334bの揺動を停止させる場合に比較して、ソレノイド333の駆動力を抑制できる。
ここで、図16を参照して、光照射装置331cから照射された光の経路について説明する。
図16(a)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態とされる場合、光照射部331c1から上方に照射された光は経路E1に沿って板状部332a1の前側傾斜側面332a1fに到達する。このとき、前側傾斜側面332a1fが下方へ向かうほど背面側へ傾斜して形成されるので、下方から照射され前側傾斜側面332a1fに到達した光は前方(遊技者側)へ向けて反射される。この場合、移動上蓋部材332の前側傾斜側面332a1fが発光しているかのように遊技者に視認させることができる。また、前側傾斜側面332a1fで反射した光が前板部材320の投光範囲E0に投光されることから、前板部材320に注目させることができる。これにより、移動上蓋部材332及び前板部材320の演出能力を向上させることができる。
ここで、移動上蓋部材332にLED等を配設して移動上蓋部材332を発光させる場合、移動上蓋部材332が大型化する恐れがある。一方、本実施形態では、移動上蓋部材332にLEDを配設することはしないので、移動上蓋部材332が大型化することを抑制しながら、移動上蓋部材332の演出部分としての能力を向上させることができる。
図16(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態とされる場合、光照射部331c1から上方に経路E2に沿って照射され、前側傾斜側面332a1fに向かう光は、内レール61に遮蔽されることで板状部332a1の前側傾斜側面332a1fには到達しない。この場合、光照射部331c1から経路E1に沿って照射された光が、前側板部332aの板状部332a1の中間位置に到達し、そのまま透過するのみなので、前側傾斜側面332a1f及び前板部材320が遊技者に暗く視認される。
即ち、移動上蓋部材332が退避状態とされるか、張出状態とされるかにより、前側傾斜側面332a1fに光照射部331c1から照射される光が到達するか否かが変化すると共に、前板部材320の投光範囲E0が明るく視認されるかが変化する。そのため、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0の明るさの状態を確認することで、特定入賞口65aに球を入賞可能か否か確認することができる。
従って、本実施形態のように、移動上蓋部材332が前後にスライド移動するために、移動上蓋部材332の状態の変化が正面視で把握しづらい場合でも(図17(a)及び図17(b)参照)、投光範囲E0の明るさの変化により特定入賞口65aに球を入賞可能か否か容易に確認することができる。
ここで、移動上蓋部材332は、球の特定入賞口65aへの通過を妨げる閉鎖状態と、球の特定入賞口65aへの通過を可能とする開放状態と、を形成するために必要な動作(前後スライド移動)のみにより、投光範囲E0の明るさの状態を変化させている。換言すれば、遊技を継続するために移動上蓋部材332に必要とされる動作のみにより投光範囲E0の状態を変化させるので、追加の機構が必要とならない。即ち、移動上蓋部材332を、球の特定入賞口65aへの通過の可否を切り替える目的と、光照射部331c1から照射される光により演出を行う目的とで兼用することができる。
なお、球が下方通路331bを通過する際に経路E1を横切ることで、光照射部331cから照射された光を球で反射させて演出を行っても良い。この場合、正面視で内レール61付近(図16(a)及び図17(b)の投光範囲E0の下方)を明るく照らすことができる。
図17を参照して、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合と、退避状態を形成する場合との球の流下について説明する。図17(a)及び図17(b)は、遊技盤13の部分正面図である。なお、図17(a)では、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合(図16(b)参照)が図示され、図17(b)では、移動上蓋部材332が退避状態(図16(a)参照)を形成する場合が図示され、図17(a)及び図17(b)において、前板部材320の本体板部321が想像線で図示される。なお、図17(a)及び図17(b)では、移動上蓋部材332が張出しているかどうかが網掛けの有無で図示される。即ち、図17(a)及び図17(b)において網掛けが形成される部分は、前板部材320に当接しているか又は前板部材320との間で球の通過を遮る程に前板部材320に近接している部分である。
図17(a)に示す状態では、経路C2で落下する球は移動上蓋部材332の上側面に沿って流下され、アウト口314に排出される。この場合、球の重みで移動上蓋部材332が下倒れする恐れがあり、それにより、移動上蓋部材332の左右端部が段部324aよりも下方へ移動されると、球をアウト口314へ排出できなくなり遊技に支障をきたす。
これに対し、本実施形態では、移動上蓋部材332は、異形貫通孔331aの正面側に張り出される長さの数倍の長さ(約4倍の長さ、図16(b)参照)で異形貫通孔331aに収容されると共に可変入賞装置330の前後方向に亘って異形貫通孔331aの側面と上下方向で当接可能に形成される。そのため、移動上蓋部材332と異形貫通孔331aとのクリアランスを小さくすることで、移動上蓋部材332に衝突される球の重みにより移動上蓋部材332が下倒れすることを抑制することができる。これにより、移動上蓋部材332の左右両端部を段部324aと面位置に形成することができ、特定入賞口65aへの道釘を下方へ下げることができるので、第3図柄表示装置81の下縁を下方へ下げることができる。
図17(b)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態を形成する場合において、球は、特定入賞口65aへ向けて流下することが可能となる。このとき、内レール61に沿って左右から経路C1で転動する球は段部324aに衝突し、アウト口314へ排出されるため、特定入賞口65aへ向けて上方から経路C2で落下する球が内レール61を転動し、特定入賞口65aに到達する。
ここで、本実施形態では、特定入賞口65aの左右端部の上下幅が球の直径以下に形成される。即ち、移動上蓋部材332の左右端部における内レール61からの上下方向の距離が球の直径以下に形成される。そのため、段部324aの内レール61からの高さを低くすることができ、その段部324aから落下する球が到達するアウト口314の配置も低くすることができる。
また、この場合、球は特定入賞口65aの左右端部から入球することが困難となる(加えて、本実施形態では、ベース板60に球の入球が遮られる)。しかし、特定入賞口65aの下辺が内レール61に沿って形成されるので、特定入賞口65aの左右端部の正面側に流下した球は重力で内レール61に沿って遊技領域中央方向へ転動され、そこから特定入賞口65aへ入球する。なお、内レール61の下縁は後方に傾斜して形成されるので(図16参照)、球を特定入賞口65a(図17参照)にスムーズに入球させることができる。
これにより、特定入賞口65aの上辺を形成する移動上蓋部材332は、少なくとも遊技領域の中央付近(内レール61が最も下方に配置される付近)において球の直径以上に内レール61から上方に離間すれば良いので、移動上蓋部材332の配設位置を下方へ下げることができる。従って、内レール61の中央付近以外の位置において球の直径以上に内レール61から上方に離間する必要がある場合に比較して、可変入賞装置330の配設位置を下方に下げることができる。これにより、遊技盤13の背面側のスペースを確保することができ、第3図柄表示装置81(図2参照)の下縁を下方へ下げることができる。
次いで、図18を参照して、球流しリブ311c,321aや球送り部325の機能及び前側傾斜側面332a1fにより光が集光されることについて説明する。図18(a)は、図17(b)のXVIIIa−XVIIIa線における盤面下部ユニット300の断面図であり、図18(b)は、図17(a)のXVIIIb−XVIIIb線における盤面下部ユニット300の断面図であり、図18(c)は、図18(b)から光照射部331c1の配置を仮想的に変化させた盤面下部ユニット300の断面図である。
なお、図18(a)では、球の転動経路が経路C1a,C1b,C2aで記載されると共に、退避状態とされた移動上蓋部材332が想像線で図示される。移動上蓋部材332は図18(a)の断面よりも手前側(図17(b)上側)にあり、実際は視認されるものではないが、説明の便宜のために、上下方向視(図18紙面垂直方向視)の位置が合致した状態で、図18(a)に想像線で図示される。また、図18(b)及び図18(c)では、下方通路331bを流下する球が仮想的に3個図示される。
左右方向から内レール61(図11参照)に沿って転動され、アウト口314へ排出される球の経路について説明する。図18(a)に示すように、左右方向から図18(a)中央へ向けて転動する球は、球流しリブ311c又は球流しリブ321aの少なくとも一方に当接する。即ち、前側ユニット310の本体板部311に当接しながら転動する球は、球流しリブ311cに当接し、前板部材320の本体板部321に当接しながら転動する球は、球流しリブ321aに当接する。
ここで、球が球流しリブ311cに当接すると、経路C1aに沿った方向に球の速度方向が向き、次いで球流しリブ321aに当接する。そのため、球が前側ユニット310の本体板部311に当接しながら転動するか、前板部材320の本体板部321に当接しながら転動するかに関わらず、転動する球を球長しリブ321aに当接させることができる。
内レール61(図11参照)に沿って転動する球を球流しリブ321aに当接させることで、球の速度方向を経路C1bに沿った方向に向けることができる。この場合、球がアウト口314の正面側に配置される前から球の速度を背面側(図18(a)上側)へ向けることができる。そのため、球がアウト口314の正面側に配置されてから球が遊技領域から排出されるまでの期間を短くすることができ、球がアウト口314の正面側に滞留することを抑制することができると共に、アウト口314の開口幅を抑制することができる。これにより、特定入賞口65a(図10参照)とアウト口314とが左右に並設される場合に、特定入賞口65aの配置を遊技領域の下方へ下げることができる。
球が左右一対で並列される段部324aの間に落下する場合について説明する。この場合、段部324aの間に落下した球は左右方向中央へ向けて転動し、球が球送り部325の左右側側面325bに当接することで、球の速度方向が経路C2aに沿って変化する。これにより、球が特定入賞口65a(図10参照)の正面側に滞留することを抑制することができるので、オーバー入賞を抑制することができる。
球が下方通路331bに沿って流下し、光照射部331c1から照射される光を横切る際には、その球が光を遮蔽することで、光は前側傾斜側面332a1fに到達しなくなる。そのため、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0が明るく視認されるか暗く視認されるかで球が特定入賞口65a(図17参照)に入賞したか否かを確認することができる。
これにより、本実施形態のように、特定入賞口65aの前に光透過性の樹脂材料から形成される前板部材320が配設され、特定入賞口65aの内側が視認し難い場合であっても、投光範囲E0の明るさの変化により球が特定入賞口65aに入球したことを確認することができる。そのため、特定入賞口65aに球が入球することを確認するために特定入賞口65aを斜め上から除き込む必要が無く、遊技者の負担を緩和することができる。
なお、本実施形態では、光照射部331c1から照射される光の照射方向と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが、直角に近い角度で交差する(図18(b)参照)。そのため、球が光の進行方向に対向して流下する場合(図18(c)参照)や、球が光の照射方向に沿って流下する場合に比較して、特定入賞口65aに入球し下方通路331bを流下する球が光を遮蔽する期間を短くすることができる。換言すれば、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0が明るく視認される期間を長くすることができ、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の演出能力を確保することができる。
図18(b)に示すように、光の経路E1と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが直角に近い角度で交差する(横切る)場合、光の経路E1が球に遮られた後、球が下方通路331bの前端部(図18(b)右側)を通過する辺りで、光は球に遮られなくなる(光が前側傾斜側面332a1fに到達するようになる)。
この場合、球が連なって下方通路331bを流下するとしても、1球ごとに経路E1を遮蔽することになるので、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0の明るさの変化を確認することにより、特定入賞口65aに入球した球の個数を確認することができる。
一方、図18(c)に示すように、光の経路E3と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが平行に近い関係である場合、光の経路E3が球に遮られた後、球が下方通路331bの後端部(図18(c)左側、センサS付近)に到達し下方へ落下することで、光は球に遮られなくなる(光が前側傾斜側面332a1fに到達するようになる)。即ち、それまでは光の経路E3は球に遮られたままとなる。
この場合、球が連なって下方通路331bを流下すると、下方通路331bに球が配置される限り、一つ目の球(図18(c)の左側の球)に光の経路E3が遮られる。更に、一つ目の球が下方通路331bの後端部(図18(c)左側)から下方へ落下した後は二つ目の球(図18(c)の右側の球)に光の経路E3が遮られる。その上、二つ目の球が下方通路331bの後端部から落下する際に、次の球(3つ目の球)が下方通路331bに入球する場合には、その球に光の経路E3が遮られる。このように、球が光の経路E3を遮蔽し続けることとなり、球が下方通路331bを流下している間は常に暗く視認される。即ち、光が明るく視認されるか暗く視認されるかが変化した回数と、特定入賞口65aに入球した球の個数とが必ずしも一致せず、特定入賞口65aに入球した球の個数の確認が困難となる。これに対して、本実施形態は、上述した優位性を備える。
図18(a)に示すように、前側傾斜側面332a1fが左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成されるので、左右一対の光照射部331c1から照射された光が前側傾斜側面332a1fで反射されることで、経路E1に沿って前板部材320の中央へ集光され、投光範囲E0(図17(b)参照)に到達する。
ここで、本実施形態では、移動上蓋部材332の正面側に前板部材320が配設されるので、特定入賞口65aを隠すことができる一方、前側傾斜側面332a1fを前板部材320越しに視認することになり、前側傾斜側面332a1fの明るさの変化を把握し難い恐れがある。その場合、光照射部331c1に用いるLED等の発光素子の光の強度を上げる必要があり、光照射部331c1に用いることができる発光素子が限定されるという問題点があった。
これに対し、前側傾斜側面332a1fが、光照射部331c1から照射された光を前板部材320の中央へ集光させるので、一対の光照射部331c1から照射される光のそれぞれを重ね合わせて、投光範囲E0で視認される光の強度を向上させることができる。従って、光照射部331c1に用いることができる発光素子の選択自由度を向上させることができる(光の強度が弱い発光素子を選択することが可能となる)。
また、一対の光照射部331c1から照射された光は、正面視で部分的に重なって視認されるので(図17(b)参照)、光の色を互いに異ならせることで、一対の光照射部331c1からそれぞれ照射される光の色と、それらが合成された色との計3色の光を投光範囲E0(図17(b)参照)で視認させることができる。
ここで、一対の光照射部331c1のそれぞれから照射される光は、それぞれ単独で経路C2aに沿って転動する球に遮蔽されるので(図18参照)、球が光を遮蔽するタイミングで、投光範囲E0で視認される光の色を様々に切り替えることができる。
例えば、図18において、右側の光照射部331c1からは「青」色の光を照射し、左側の光照射部331c1からは「赤」色の光を照射する場合を考える。この場合、移動上蓋部材332が退避状態となると、投光範囲E0(図17(b)参照)に、右側から「青」、「紫(重なっている部分)」、「赤」という順で光が視認される。
この場合に、球が図18右側の経路C2aを転動して、光照射部331c1から照射される光を遮蔽すると、「青」色の光が遮蔽されることになるので、投光範囲E0には「赤」色の光のみが視認される。
一方、球が図18左側の経路C2aを転動して、光照射部331c1から照射される光を遮蔽すると、「赤」色の光が遮蔽されることになるので、投光範囲E0には「青」色の光のみが視認される。
このように、球がどの経路で転動し、どの光照射部331c1からの光を遮蔽するかにより、投光範囲E0で視認される光の態様を変化させることができる。この光の態様の変化は、釘などに衝突しながら遊技領域をランダムな経路で流下する球により生じるので、光の態様の変化をランダムなタイミングで生じさせることができる。即ち、光照射部331c1から照射される光の態様の変化を電子制御により生じさせる場合に比較して、よりランダム性に富んだ演出を行うことができ、演出効果を向上させることができる。
なお、本実施形態では、前側傾斜側面332a1fが上面視くの字形状に形成されたが、光を集光させるという観点から、上面視で放物線状に形成するようにしても良い。
次いで、図19から図37を参照して、複合動作ユニット400について説明する。
図19は、複合動作ユニット400の正面斜視図であり、図20は、複合動作ユニット400の背面斜視図である。なお図19及び図20では、複合動作ユニット400の本体部材410が退避位置に配置された状態が図示されると共に、駆動モータ462及び固定板461の図示が省略される。なお、複合動作ユニット400は、案内部材450及び後方上板470が背面ケース210の底壁部211(図6参照)に締結固定される。
図21は、複合動作ユニット400の正面分解斜視図であり、図22は、複合動作ユニット400の背面分解斜視図である。図21及び図22に示すように、複合動作ユニット400は、上下方向にスライド移動可能とされる横長矩形の本体部材410と、その本体部材410の左右両端部に一方の端部が案内可能に連結される一対の部材であって他方の端部が互いに軸支される遮蔽部材420と、本体部材410の中央正面側に首振り可能に配設される首振り部材430と、本体部材410の両端に一対が締結固定され上下方向へ延設される脚部材440と、その脚部材440が案内される案内孔452が形成される案内部材450と、脚部材440の移動に必要な駆動力を発生させる駆動装置460と、背面ケース210の開口211aの上方に締結固定される後方上板470と、その後方上板470と本体部材410との間を連結し内部に配線が収容される配線案内アーム480と、を主に備えて構成される。
図23は、本体部材410、遮蔽部材420及び首振り部材430の正面分解斜視図であり、図24は、本体部材410、遮蔽部材420及び首振り部材430の背面分解斜視図である。
図23及び図24に示すように、本体部材410は、左右方向に長尺に形成される板状のベース部材411と、そのベース部材411の左右両端部に前後方向に穿設され上下方向に延設される長孔状の脚挿通孔412と、ベース部材411の脚挿通孔412よりも左右方向内側に配置され前後方向に穿設されベース部材411の左右中心軸へ向けて上昇傾斜する方向に延設される長孔状の案内孔413と、ベース部材411の上端部から正面側へ抜けて延設される円柱状部材であって配線案内アーム480の一方の端部が軸支されるアーム軸支部414と、ベース部材411の左右方向中心から上方へ向けて延設され先端が鉤状に形成される保持部415と、ベース部材411の下端部に一対で配設され首振り部材430の軸支孔431aを軸支する軸支部416と、ベース部材411の正面に配設され首振り部材430のセンサ通過部435dを検出するフォトセンサ417と、正面視において略半円形状に形成される装飾板部418と、を主に備える。
ベース部材411は、左右方向中央部が左右両端部よりも下方へ垂下した形状とされる。これにより、左右方向中央部の上方に空間を形成でき、その空間に配線案内アーム480を配設することができる(図29参照)。
脚挿通孔412は、長孔状に形成され、脚部材440の連結固定部442(図21参照)が挿通されることで、脚部材440がベース部材411に対して軸回転することが抑制される。これにより、脚部材440と本体部材410との姿勢を安定させることができる。
案内孔413は、遮蔽部材420の挿通軸部421cが挿通され、スライド移動される長孔であって、挿通軸部421cの直径より若干大きな幅で形成される。案内孔413の上側には、脚挿通孔412の正面側を被覆し案内孔413に対向する側面が案内孔413の上辺に沿って形成される前蓋413aが配設され、案内孔413の下側には、ベース部材411の正面側に突設される板状部であり案内孔413に沿って上昇傾斜する支え板413bが配設される。
支え板413bは、正面側の端部が揺動ベース部材421の背面と当接される。これにより、揺動ベース部材421の前後揺れが支え板413bにより抑制されるので、遮蔽部材420移動中の姿勢を安定させることができる。
アーム軸支部414は、ベース部材411の中心部よりも正面視左側に配設され、より詳細には、ベース部材411の上端部が垂下し始める部分と左右方向中央部との中間部に配設される。なお、アーム軸支部414には、配線案内アーム480の第3案内アーム483(図21参照)の端部(下側の端部)が軸支され、アーム軸支部414の先端にはカラー部材が締結固定される。
保持部415は、後方上板470に配設されるスライドレバー473(図21参照)に引っかけられる部分である。即ち、本体部材410が退避位置に配置された状態(図29参照)において、スライドレバー473の上端部と保持部415の鉤状に形成された部分の下端部とが当接されることで、本体部材410の下方への移動が規制される。なお、鉤状に形成される先端部の上面に傾斜面415aが形成される。この傾斜面415aにより、スライドレバー473を張り出したままの状態で本体部材410が退避位置に移動される場合にも本体部材410の移動を妨げることが無い。
装飾板部418は、本体部材410が張出位置に配置される場合において、遮蔽部材420と共に正面視で視認される装飾部分であって、本体部材410が退避位置に配置される状態において(図29参照)、当接板421dの下面と当接される部分である。
遮蔽部材420は、一対の板状部材の端部同士が軸支される態様で形成される揺動ベース部材421と、その揺動ベース部材421の正面側に上端部が締結固定される装飾部材422と、一方の端部が揺動ベース部材421の軸支位置と同軸で揺動可能に軸支される一対の連結部材423と、その連結部材423の他方の端部が軸支される案内孔424bが形成されると共に背面ケース210の正面側上端部に締結固定される案内板424と、を主に備える。
揺動ベース部材421は、略円弧形状に形成される一対の板状部材421aから形成され、連結部材423の一方の端部に形成される軸支孔423dと同軸で軸支される揺動軸孔421bと、本体部材410の案内孔413に挿通され案内される左右一対の挿通軸部421cと、背面側に突設され本体部材410の上面と当接する当接板421dと、を主に備える。
揺動軸孔421bは、連結部材423の一方の端部に挿通される軸支棒423cが貫通され連結部材423に吊り下げ支持されると共に、一対の板状部材421aの揺動軸となる部分である。
挿通軸部421cは、本体部材410の案内孔413に挿通されるので、遮蔽部材420の左右端部は、本体部材410が中間位置(図30参照)よりも下方へ移動されるに伴って、左右方向中央へむけて近接移動される。
当接板421dは、板状部材421aから背面側に突設される曲面であって、装飾板部418の上面の形状に沿って形成される。これにより、退避位置において本体部材410の上面と当接板421dの下面とが面で当接される。
装飾部材422は、揺動ベース部材421の正面側に配設される一対の幅厚部422aと、正面視において揺動ベース部材421よりも下方に形成される部分であって下方の端部が揺動ベース部材421よりも後方へ湾曲して形成される下垂部422bと、を備える。
下垂部422bは、揺動ベース部材421よりも本体部材410に近接配置される。
連結部材423は、屈曲部423bにおいて正面視くの字状に屈曲される一対の棒部材423aから形成され、軸支棒423cを備え、棒部材423aの一方の端部には、軸支棒423cが挿通される軸支孔423dが穿設され、棒部材423aの他方の端部には、案内板424の案内孔424bに挿通され案内されるスライド軸部423eが形成される。
屈曲部423bは、軸支孔423dとスライド軸部423eとを結ぶ直線よりも上方で屈曲される。即ち、屈曲部423bの方が、軸支孔423dとスライド軸部423eとを結ぶ直線よりも揺動ベース部材421から離反して配設される。そのため、揺動ベース部材421と連結部材423との間のスペースを大きく確保することができ、揺動ベース部材421の設計自由度を向上させることができる。
スライド軸部423eは、案内孔424bに挿通される円柱部分と、その円柱部分の先端に締結固定される円板形状のカラー部材とから形成される。
案内板424は、背面ケース210に締結固定されるベース板424aと、そのベース板424aの左右両端部に前後方向に穿設され左右方向に延設される一対の長孔である案内孔424bと、を主に備える。案内孔424bは、一対が同じ高さで形成される。
案内孔424bは、左右方向、即ち背面ケース210の開口211aの上側外縁に沿った方向に形成される。そのため、連結部材423を案内するために案内板424に必要な幅を抑制することができる。この場合、案内板424を第3図柄表示装置81からより離れた位置に配置できるので、その分、遮蔽部材420をより大型に形成することができる。
首振り部材430は、軸支部416に揺動可能に軸支される部材であって、揺動動作される本体部材431と、ベース部材411の中央部の正面側に突出して配設されるベース部材432と、そのベース部材432に締結固定され本体部材431を駆動させる駆動力を発生させる駆動モータ433と、その駆動モータ433に軸支される駆動ギア434と、その駆動ギア434に歯合されると共にその駆動ギア434に対してベース部材432の上方で軸支される伝達ギア435と、その伝達ギア435の連結軸435c及び本体部材431の連結軸431bを連結する連結部材436と、を主に備える。
本体部材431は、正面側に半球状の装飾部が形成される部材であって、背面側左右方向両端部下方において左右方向に穿設され軸支部416が挿通される軸支孔431aと、背面側における中央部に配設され連結部材436の一方の端部が軸支される連結軸431bと、を主に備える。
連結軸431bは、本体部材431の背面側において、軸支孔431aの反対側(上側)の端部よりも、軸支孔431aに近接する位置に配設される。これにより、連結部材436が実際に前後に移動される移動幅に比較して、本体部材431の上側の端部の移動幅を大きくすることができる。
伝達ギア435は、ベース部材432に軸支され略半周に亘って駆動ギア434に歯合されるギアが形成される本体部435aと、その本体部435aに形成されるギアの反対側に延設される張出部435bと、その張出部435bの張出先端部から正面視右方に突設される円柱状の連結軸435cと、張出部435bの正面左方の側面に沿って形成され左右方向視で扇形に形成されると共に周縁部がフォトセンサ417を通過するセンサ通過部435d(図34参照)と、を主に備える。
連結部材436は、両端部に互いに平行な孔が穿設される棒状の部材であって、一方の端部に穿設され本体部材431の連結軸431bに軸支される一側連結孔436aと、他方の端部に穿設され伝達ギア435の連結軸435cに軸支される他側連結孔436bと、を主に備える。
図21及び図22に戻って説明する。腕部材440は、一対が上下方向に延設される長尺板状の本体部441と、その本体部441の上端部から正面側へ突設される断面が上下方向に長い長孔形状に形成される連結固定部442と、本体部441の上下端部から背面側へ突設され案内部材450の案内孔452に挿通される一対の挿通軸部443と、本体部441の下端部から正面側へ突設され付勢バネ445の一端が係止される係止部444と、その係止部444に一端が係止される付勢バネ445の他端が係止されると共に背面ケース210の正面側に締結固定される保持固定部446と、を主に備える。
本体部441は、本体部材410と対向配置される側の側面にラックギア441aが刻設され、そのラックギア441aが駆動装置460の駆動ギア463に歯合されることで、駆動装置460が発生する駆動力が脚部材440に伝達される。
挿通軸部443は、上下に長尺な長孔形状に形成され、上下に延設される案内部材450の案内孔452に挿通されるので、案内部材450に対する脚部材440の姿勢を安定させることができる。更に、挿通軸部443は、上下一対で形成されるので案内部材450に対する脚部材440の姿勢を安定させることができる。
付勢バネ445は、脚部材440を退避位置(図19参照)へ向けて移動させる付勢力を発生させる。このとき、付勢バネ445の他端が保持固定部446に係止される固定側端部として働き、一端が係止部444に係止される移動側端部として働く。
案内部材450は、左右一対で配置される上下方向に長尺な板部材である本体部材451と、その本体部材451に上下一対で前後方向に穿設され上下方向に延設される長孔状の案内孔452と、本体部材451の上下方向中央部において駆動装置460を固定する一対の固定部453と、本体部材451の上端部の正面側に配設されると共に脚部材440が退避位置(図19参照)に配置された状態において脚部材440の正面側に配設されるカバー部材454と、を主に備える。
駆動装置460は、本体部材410に近接する側が後方へ一段下げられた形状からなり本体部材410に近接する側が案内部材450の固定部453に固定され、その反対側が背面ケース210の締結部212b(図6参照)に固定される固定板461と、その固定板461に締結固定される駆動モータ462と、その駆動モータ462に軸支される駆動ギア463と、を主に備える。
固定板461は、本体部材410と離反する側が正面側に一段上げられた形状からなるので、その本体部材410と離反する側に背面ケース210と固定板461とで囲まれる隙間を形成することができる。ここで、付勢バネ445を脚部材440の左右に配置する場合、付勢バネ4454も含めた脚部材440の左右方向の配設幅は大きくなり、これにより、開口211aの左右幅が小さくなっていた。本実施形態では、背面ケース210と固定板461とで囲まれる隙間(脚部材440の正面側に形成される)に付勢バネ445を配設することができ、その分、脚部材440の左右方向のスペースを抑制することができる。
後方上板470は、背面ケース210の開口211aの上方に形成される底壁部211(図6参照)に締結固定される部材であって、板状の本体部471と、その本体部471の正面視左上端部から正面側へ突設される円柱状の軸支部472と、本体部471の中央部に配設される左右方向に長尺のスライドレバー473と、そのスライドレバー473が左右方向に移動される駆動力を発生させるソレノイド474と、スライドレバー473の正面側に被せられる形で本体部471に締結固定される前カバー475と、を主に備える。
軸支部472は、配線案内アーム480の一側筒状部481b(図25参照)が軸支される部分であって、先端にカラー部材Cが締結固定される。本体部材410へ導入される配線が軸支部472付近を通って配設される。
スライドレバー473は、本体部材410が退避位置に配置された状態において(図29参照)、本体部材410の保持部415の下面と当接され、本体部材410の下方への移動を防止する部材である。なお、スライドレバー473の先端の下面には、傾斜面473aが形成される。この傾斜面473aと本体部材410の傾斜面415aとが当接することで、当接面で互いに生じる抵抗を抑制することができる。
スライドレバー473は、ソレノイド474に電気が導通されるか否かにより張出代が変化されるものである。例えば、電気が導通されることでスライドレバー473が正面視左方に張り出される場合、電気が導通されている状態であればスライドレバー473が保持部415の下面に当接され、本体部材410の下方への移動が防止される(図29参照)。一方で、電気が導通されていない状態であれば、スライドレバー473と保持部415とは当接されず、本体部材410は下方への移動を可能とされる。
ここで、本体部材410が退避位置に配置されることに伴いソレノイド474が駆動され、スライドレバー473が保持部415に当接されることも考えられる。しかし、この場合、本体部材410が退避位置に配置されてからソレノイド474がスライドレバー473を移動させるまでの間は駆動装置460からの駆動力を解除することはできない。そのため、本体部材410の配置を検出して駆動装置460の動作を変化させる場合には、ソレノイド474がスライドレバー473を移動させる時間を考慮して駆動装置460を制御する必要があり、制御が困難となる。
これに対し、本実施形態では、スライドレバー473が張り出された状態で本体部材410を上昇移動させることで保持部415の傾斜面415aがスライドレバー473の傾斜面473aと対向配置され(図31参照)、やがて当接され、スライドレバー473が押し戻される。本体部材410が退避位置に配置されスライドレバー473の長手方向での保持部415とスライドレバー473との当接が解除されると、スライドレバー473が再度張り出され保持部415の下面とスライドレバー473の上面とが当接される(図29参照)。これにより、本体部材410の配置によらず、スライドレバーを張り出した状態にし続けることで、本体部材410が退避位置に移動された後の下方への移動を防止することができる。従って、駆動装置460の制御が容易となる。
前カバー475は、背面にスライドレバー473を案内する凹設溝であるスライド溝475aが左右方向に沿って形成される部材であって、この前カバー475のスライド溝475aにより、スライドレバー473がスライド移動中に上下方向に位置ずれすることが抑制される。
配線案内アーム480は、樹脂材料から形成され、背面ケース210に締結固定される後方上板470から本体部材410まで配線Wを案内する可動機構部であって、上から順に、一方の端部に形成される一側筒状部481bが軸支部472に軸支される第1案内アーム481と、その第1案内アーム481の他方の端部を一方の端部で軸支する第2案内アーム482と、その第2案内アーム482の他方の端部を一方の端部で軸支すると共に他方の端部がアーム軸支部414に軸支される第3案内アーム483と、を主に備える。
ここで、配線Wは帯状に形成される(図27紙面垂直方向に幅広に形成される)電気配線(例えば、フラットハーネス)である。なお、第1案内アーム481よりも第2案内アーム482の方が長手方向の長さがカラー部材Cの直径以上短く形成され、第2案内アーム482よりも第3案内アーム483の方が長手方向の長さがカラー部材Cの直径以上短く形成される。
配線案内アーム480は内部に配線Wを収容可能に構成され、配線Wが折れて断線することを防止する部材である。これにより、本体部材410に導入される配線Wを脚部材440を通して配設する必要がなく、脚部材440を配置するスペースを抑制することができる。従って、開口211aを左右方向に拡大することができる。
次いで、図25から図27を参照して、第1案内アーム481及び第2案内アーム482について説明する。なお、第3案内アーム483については、技術的思想としては第1案内アーム481及び第2案内アーム482で説明したものを含んで構成されるので、ここでは説明を省略する。
図25(a)は、第1案内アーム481の正面図であり、図25(b)は、第1案内アーム481の底面図であり、図25(c)は、図25(a)のXXVc−XXVc線における第1案内アーム481の断面図であり、図25(d)は、図25(a)のXXVd−XXVd線における第1案内アーム481の断面図である。
図25(a)から図25(d)に示されるように、第1案内アーム481は、長尺板状に形成される板状腕部481aと、その板状腕部481aの正面視左側端部において板状腕部481aの下底面(図25(a)下側の側面)の鉛直線上に軸が配置されると共に前後方向に延設される一側筒状部481bと、板状腕部481aの端部の内で一側筒状部481bの反対側の端部において板状腕部481aの下底面の鉛直線上に軸が配置されると共に前後方向に延設される他側筒状部481cと、板状腕部481aの上方に所定間隔を空けて板状に形成される添え部481dと、板状腕部481a及び添え部481dの背面側を連結する底部481eと、添え部481dの正面側側面から板状腕部481aへ向けて延設される正面係止部481fと、を主に備える。
配線Wは、板状腕部481aと、添え部481dと、底部481eとで形成される凹状断面部の内部を挿通される(図27参照)。これにより、配線Wが他の部材と擦れたり、他の部材に挟まれたりすることを抑制することができる。
板状腕部481aは、正面係止部481fと対向配置される部分に切り欠き部481a1が形成され、その切り欠き部481a1が形成される部分において板状腕部481aの板厚が薄くされる。
切り欠き部481a1は、正面視において正面係止部481fより若干大きな形状で板状腕部481aに形成される窪みであって、板状腕部481aの幅方向に亘って形成される。なお、切り欠き部481a1が形成される部分では、底部481eの形成が省略される(底部481eが貫通形成される)。
切り欠き部481a1を上述したように構成することで、第1案内アーム481を型成型で(一方向の型抜きで)容易に製造することができる。また、切り欠き部481a1から配線Wを挿入することで、第1案内アーム481に容易に配線Wを収容することができる。
板状腕部481aの内、切り欠き部481a1が形成される部分以外の部分は、正面係止部481fの張出幅よりも添え部481dとの間隔が短くされる。そのため、配線Wが第1案内アーム481に収容され、長手方向に延伸された状態(図27(a)参照)において、配線Wが正面側(図27(a)手前側)に脱落することを防止することができる。
板状腕部481aは、添え部481dと対面する側の側面に、幅方向に亘ってリブ状に形成されるリブ部Nを備える。そのリブ部Nは、第2案内アーム482と軸支される他側筒状部481c付近で形成されると共に、板状腕部481aの中間部において、第2案内アーム482から突設されるリブ部Nと交互に形成される。
他側筒状部481cは、内径が部分的に大きくされる拡径部481c1を備え、第2案内アームとの重なり代を形成するために、背面側の端面が、底部481eよりも正面側に形成される(図25(b)参照)。
拡径部481c1は、他側筒状部481cの内周側に半周(図25(a)において上側半周)に亘って形成されると共に、他側筒状部481cの他側底部481e2側から他側筒状部481cの筒の長さの略半分の長さまで形成される窪みである(図25(c)参照)。
添え部481dは、他側筒状部481cの周囲に他側筒状部481cと同軸の円弧として形成される円弧状添え部481d1を備え、板状腕部481aよりも正面側へ延設される。これにより、平面係止部481fが形成されている場合であっても、配線を正面側から挿通する隙間を確保することができる。
添え部481dは、板状腕部481aと対面する側の側面に、幅方向に亘ってリブ状に形成されるリブ部Nを備える。そのリブ部Nは、添え部481dの中間部において、板状腕部481aから突設されるリブ部N同士の中間位置に形成される。
円弧状添え部481d1は、配線Wが他側筒状部481cの外側(図27(b)右上方)に撓んだ場合に形成される略円弧状の形状の半径よりも大きな半径で形成される。
また、配線案内アーム480は背面ケース210(図7参照)の内側上端部に形成されるので、配線Wの交換やメンテナンスの際には、背面ケース210に塞がれていない経路で配線を付け外しする必要がある。本実施形態では、背面ケース210の上側壁面に近接する添え部481dが、背面ケース210の上側壁面から離反する板状腕部481aよりも前側に張り出して形成される。そのため、例えば、配線Wを外す際には、配線Wを正面側へ引っ張り出し、添え部481dから板状腕部481aへ向かう方向に引き抜けば良いので、背面ケース210の上側壁面が作業の邪魔になることは無い。配線を入れる際にはその逆方向に入れ込めば良い。よって、配線Wの交換のメンテナンス性を向上させることができる。
底部481eは、一側筒状部481bの上方に配置され一側筒状部の軸を中心とした扇形状に形成される一側底部481e1と、他側筒状部481cの上方に配置され他側筒状部481cの軸から上方に所定間隔あけた軸を中心とした扇形状に形成される他側底部481e2と、を主に備える。なお、円弧状添え部481d1の端部は他側底部481e2の端部よりも正面視左方に形成される。
平面係止部481fは、配線Wが正面側から脱落するのを防止する爪状の部材である。即ち、配線Wは、底部481eから正面係止部481fまでの長さよりも短い幅で形成される。
図26(a)は、第2案内アーム482の正面図であり、図26(b)は、第2案内アーム482の底面図であり、図26(c)は、図26(a)のXXVIc−XXVIc線における第2案内アーム482の断面図であり、図26(d)は、図26(a)のXXVId−XXVId線における第2案内アーム482の断面図である。
図26(a)から図26(d)に示されるように、第2案内アーム482は、第1案内アーム481と同様の技術的思想の構成を複数備えるため、その構成については、説明を省略する。即ち、板状腕部481aが板状腕部482aに、他側筒状部481cが他側筒状部482cに、添え部481dが添え部482dに、底部481eが底部482eに、正面係止部481fが正面係止部482fに、それぞれ対応する。
板状腕部482aは、正面係止部482fに対向配置される部分に切り欠き部482a2を備える。切り欠き部482a2の技術的思想は切り欠き部481a1の技術的思想と同様なので、説明は省略する。
板状腕部482a及び添え部482dは、互いに対面する側の側面にリブ部Nを備える。第1案内アーム481と軸支される一側軸支部482b付近においては、添え部482dにリブ部Nが形成され、第2案内アーム482の中間部においては、リブ部Nが板状腕部482a及び添え部482dに交互に形成される。
第2案内アーム482は、底部482eの右上方部から正面側に円柱状に突設されると共にその先端に締結部が形成される一側軸支部482bと、その一側軸支部482bを軸とした略円弧状に形成されると共に底部482eから同一平面上に延設される一側底部482e1と、その一側底部482e1の外周付近から正面側に突設され板状腕部482aの右側端部と連結される円弧状板部482a1と、を主に備えて形成される。
円弧状板部482a1は、配線Wが他側筒状部481cの外側(図27(b)右上方)に撓んだ場合に形成される略円弧状の形状の半径よりも大きな半径で形成される。
一側軸支部482bは、縮径部482b1が形成されると共に、第1案内アーム481の他側筒状部481cが挿通される部分であって、一側底部482e1の正面側側面が他側筒状部481cの背面側側面に当接可能に形成される。そのため、組立状態(図27参照)において、底部481e,482eが同一平面上に形成され、第1案内アーム481及び第2案内アーム482のそれぞれの回転方向で底部481e,482eが互いに当接可能に形成される。そのため、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の過回転が防止され、配線Wが過度に折り曲げられることを防止することができる(図27参照)。
縮径部482b1は、一側軸支部482bの外周側に半周(図26(a)において下側半周)に亘って形成されると共に、一側軸支部482bの一側底部482e1側から一側軸支部482bの長さの略半分の長さまで形成される窪みである(図26(c)参照)。
次いで、図27を参照して、第1案内アーム481に対する第2案内アーム482の揺動について説明する。図27(a)及び図27(b)は、第1案内アーム481、第2案内アーム482及び配線Wの正面図である。なお、図27(a)では、第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が折りたたまれた状態(図29の状態に対応する)が図示され、図27(b)では、図27(a)の状態から第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が揺動可能な可動範囲の終端部まで正面視反時計回りに揺動された状態(図33の状態に対応する)が図示される。図27(b)において、第2案内アーム482の一側底部482e1と第1案内アーム481の他側底部481e2とが当接されることで、第2案内アーム482のそれ以上の揺動が防止される。
図27(a)に示すように、配線Wは、板状腕部481a,482a、添え部481d,482d及び底部481e,482eによって形成される凹設部(図25(d)及び図26(d)参照)の内部に配設される。そのため、第1案内アーム481又は第2案内アーム482の剛性により、本体部材410の移動中に配線Wが断線されるほどに折り曲げられることを防止することができる。
また、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の軸支位置(図27(a)右端)において、配線Wは他側筒状部481cに回り込んで配設される。そのため、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の軸支位置において、配線Wが他側筒状部481cの直径以下の曲率半径で曲げられることが抑制される。従って、配線Wが屈曲されることを防止でき、配線Wの断線を抑制することができる。
図27(a)の状態は図29で図示される状態、即ち本体部材410が退避位置に配置された状態に対応する。本体部材410が、退避位置から張出位置へ移動される速度は、高速である方が演出効果を向上させ易い。本体部材410を退避位置で停止された状態から始動させる場合、本体部材410の慣性力と、配線案内アーム480の慣性力とを上回る駆動力を駆動装置460で発生させる必要がある。そのため、図27(a)の状態において、配線案内アーム480を構成する第1案内アーム481及び第2案内アーム482の軸支位置での回転抵抗は小さい方が望ましい。
本実施形態では、図27(a)に示すように、第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が折りたたまれた状態において、一側筒状部481bの軸周りを拡径部481c1及び縮径部482b1が囲う。拡径部481c1及び縮径部482b1は軸支関係を形成する相手部材から離間する方向に窪む部分であって、軸回転時の回転摩擦を抑制する効果がある。第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が折りたたまれた状態では、一側筒状部481bの軸周りに(全周に亘って)拡径部481c1及び縮径部482b1が形成されるので、第1案内アーム481に対して第2案内アーム482を回転させる際の抵抗が抑制される。
一方、図27(b)の状態では、一側筒状部481bの軸周りで拡径部481c1及び縮径部482b1が配置される範囲が、略半周とされる(図27(b)上側半周)。図27(b)に示すように、拡径部481c1及び縮径部482b1が大部分で重なる。この場合、図27(a)の状態に比較して第1案内アーム481及び第2案内アーム482の回転抵抗を大きくすることができる。
第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が折りたたまれた状態から、第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が回転されるほど拡径部481c1及び縮径部482b1が重なる長さが長くなり、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の回転抵抗が増加する。即ち、第1案内アーム481に対して第2案内アーム482が回転されるにつれて第2案内アーム482の速度を遅くすることができる。
従って、他側底部481e2と一側底部482e1とが当接する際の速度を遅くすることができ、第1案内アーム481及び第2案内アーム482が、他側底部481e2と一側底部482e1とが当接することで受ける負荷を抑制することができる。これにより、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の耐久性を向上させることができると共に、勢いで第1案内アーム481及び第2案内アーム482が反対側(第2案内アーム482が図27(b)の状態から更に反時計回りに回転される側)に折れ曲がることを防止することができる。
なお、本実施形態では、配線案内アーム480は3本の部材が軸支されることで形成されるので、本体部材410の移動速度が一定の場合でも、配線案内アーム480の移動速度を可変とすることができる。
例えば、本体部材410が張出位置に配置された状態(図33参照)において、配線案内アーム480の姿勢は一通りに限定されるものではなく、第3案内アーム483が上向きに回転可能(姿勢変化可能)な分は変化可能である。そのため、本体部材410の移動中も第3案内アーム483の姿勢変化により第1案内アーム481の移動速度を調節することができる。そのため、配線案内アーム480の移動速度を本体部材410の移動中に変化させたとしても、それに伴って本体部材410の移動速度を変化させることを不要とできる。
図27(b)に示すように、他側底部481e2と一側底部482e1とが当接される際に、円弧状添え部481d1と円弧状板部482a1との間に隙間が形成される。この隙間により、配線Wが他側筒状部481cの外側(図27(b)右上方)に撓んだとしても、配線Wが円弧状添え部481d1と円弧状板部482a1との間に挟まれることを防止することができ、配線Wの断線を防止することができる。
図27(b)に示すように、配線案内アーム480が開かれた状態であるとき、配線Wが他側筒状部481cの外側に大きく移動し、特に、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の端部(軸支位置)付近で配線Wが位置ずれし易い。配線Wが第1案内アーム481及び第2案内アーム482に対して位置ずれすることを繰り返すと、配線Wと第1案内アーム481及び第2案内アーム482の内側面とが擦れ、配線Wの耐久性が低下する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、第1案内アーム481及び第2案内アーム482の内側面にリブ状に形成されるリブ部Nが配線Wに引っかかることで、配線Wと第1案内アーム481及び第2案内アーム482との抵抗を向上させ、配線Wが位置ずれすることを抑制することができる。
第1案内アーム481及び第2案内アーム482の軸支位置付近において、配線Wが他側筒状部481cから離反する方向の反対側の側面にリブ部Nを形成することで、配線Wを効果的に支えることができる。即ち、例えば、円弧状添え部481d1と添え部481dの連結位置から添え部481d側へ向けて張り出す配線Wの部分は、円弧状添え部481d1の形状に沿って板状腕部481aに押し付けられる。そのため、その押し付けられる部分にリブ部Nを形成することで、配線Wと板状腕部481aとの間の抵抗を上昇させることができる。
なお、上述した配線Wが押し付けられる板状腕部481aの軸支位置付近の部分の側面を添え部481dの反対側に湾曲して窪ませることで、配線Wをその窪みに嵌り込ませ、配線Wと板状腕部481aとの位置ずれを抑制することができる。この場合、湾曲した窪みの面と配線Wとが面接触で接触するので、配線Wがリブ部Nから点接触で抵抗を受けるのに比較して、配線Wの局所的な摩耗を抑制することができる。
また、軸支位置付近で、板状腕部481a及び添え部481dの間隔を広くしても良い。例えば、図27(b)右側の正面係止部481fから他側筒状部481cに近づくほど添え部481dが板状腕部481aから離反する態様で傾斜しても良い。この場合、添え部481dと板状腕部481aとの間隔を広げた部分(他側筒状部481c付近の部分)によって、配線Wを湾曲させることで、支持部付近での配線Wのたるみを吸収することができ、第1案内アーム481の中間部(正面係止部481fに挟まれる部分)での配線Wの位置ずれを抑制することができる(配線Wが支持部付近でのたるみを相殺するために第1案内アーム481の長手方向に位置ずれすることを抑制できる)。従って、配線Wが第1案内アーム481の内側面と擦れ、摩耗することを抑制し、配線Wの耐久性を向上させることができる。
第1案内アーム481及び第2案内アーム482の中間部分では、リブ部Nが対向配置される内側面に交互に形成される。そのため、対向配置される内側面の一方のみにリブ部Nが形成される場合に比較して、配線Wを、より多くのリブ部Nに引っかけ易くすることができる。これにより、配線Wと、第1案内アーム481及び第2案内アーム482との間の抵抗を上昇させることができ、配線Wと第1案内アーム481及び第2案内アーム482との位置ずれを抑制することができる。
図27では、配線案内アーム480の正面側に締結固定される円板状のカラー部材Cが想像線で図示される。カラー部材Cは、例えば、一側軸支部482bの先端や、一側筒状部481bに挿通される軸支部472(図21参照)の先端に締結固定され、各筒状部481b,481cの正面側への移動を防止する部材である。
本実施形態では、カラー部材Cは、隣接する添え部481d,482dに少なくとも一部が正面視で重なる位置まで延設されるか、正面視で重ならずとも、カラー部材Cと添え部481d,482dとの間から配線Wが抜け落ちない位置まで延設される。例えば、図27(b)の左端において、カラー部材Cと添え部481dとの間に隙間が生じているが、配線Wが一側筒状部481bから離間する(外側に膨らむ)変形をする箇所ではないので、その隙間から配線Wが脱落する恐れは小さい。即ち、カラー部材Cが配線Wと正面視(図27)で重なるまで延設されることで、配線Wの脱落を防止するのに十分な直径を有している。これにより、配線Wが配線案内アーム480から脱落することが防止される。
ここで、第1案内アーム481と第2案内アーム482とが同じ長さで形成されるとすると、第1案内アーム481と第2案内アーム482とを折りたたむ際にカラー部材Cが当接され、折りたたむことができなくなる。これに対し、本実施形態では、第1案内アーム481と第2案内アーム482との長手方向の長さが異なっている。即ち、第1案内アーム481と第2案内アーム482との互いの延設方向が平行となるまで折りたたまれた状態(図27(a)参照)において、一側筒状部481bの正面側に配設されるカラー部材Cと他側筒状部482cの正面側に配設されるカラー部材Cとが干渉しない程度に異なる。
これにより、カラー部材Cを配設することで配線Wが配線案内アーム480から脱落することを抑制しながら、配線案内アーム480を折りたたむことによる配置スペースの抑制も行うことができる。なお、第1案内アーム481と第2案内アーム482との長手方向の長さ(カラー部材Cの軸までの長さ)は、カラー部材Cの直径以上に異なっていることが望ましい。
次いで、複合動作ユニット400の動作について説明する。まず、図28から図33を参照して、本体部材410のスライド移動に対する遮蔽部材420の姿勢の変化について説明する。
図28は、複合動作ユニット400の正面図であり、図29は、複合動作ユニット400の背面図であり、図30は、複合動作ユニット400の正面図であり、図31は、複合動作ユニット400の背面図であり、図32は、複合動作ユニット400の正面図であり、図33は、複合動作ユニット400の背面図である。
なお、図28及び図29では、本体部材410が退避位置に配置された状態が図示され、図30及び図31では、図28及び図29の状態から本体部材410に対する揺動ベース部材421の姿勢が維持された状態で連結部材423のスライド軸部423eが案内孔424bの内側の端部に配置される中間位置に本体部材410が配置された状態が図示され、図32及び図33では、本体部材410が張出位置に配置された状態が図示される。
また、図28では、首振り部材430の本体部材431が想像線で図示され、図28、図30及び図32では、本体部材410の一部が隠れ線で図示されると共に重畳部Pが想像線で図示され、図29、図31及び図33では、後方上板470が想像線で図示される。
さらに、図30では、連結部材423付近が拡大視され、その拡大視された図の中で連結部材423が一対の案内孔424bの中心側の端部から所定量移動した状態が想像線で図示される。また、図31では、案内孔413付近が拡大視され、その拡大視された図の中で挿通軸部421cが案内孔413の下端部から所定量移動した状態が想像線で図示される。
本体部材410は、駆動ギア463が回転されることで、その駆動ギア463に歯合される脚部材440の移動に伴い案内孔452に沿って上下方向に移動される。
図28及び図29に示すように、本体部材410が退避位置に配置された状態において、遮蔽部材420の揺動ベース部材421の当接板421dがベース部材411の装飾板部418に支えられることで、揺動ベース部材421の左右方向中央部が支えられる。この状態において、連結部材423のスライド軸部423eは案内板424の案内孔424bの左右方向外側の端部に配置され、遮蔽部材420の挿通軸部421cは本体部材410の案内孔413の下端部に配置され、配線案内アーム480は各案内アームの延設方向が互いに平行とされる姿勢で折りたたまれた状態とされる。また、スライドレバー473の上側面と保持部415の下側面とが当接されることで、本体部材410の下方への移動が防止される。
図28に示すように、首振り部材430の伝達ギア435等の機構部分の少なくとも一部が、遮蔽部材420の一対の装飾部材422の間に形成される隙間(左右方向中央に形成され下方へ行くほど広くなる隙間)に配設される(図28及び図34参照)。これにより、本体部材410が退避位置に配置された状態において、首振り部材430を遮蔽部材420に上下方向で詰めて配置することができ、遮蔽部材420及び首振り部材430の上下方向の幅を抑制することができる。この場合、本体部材410、遮蔽部材420及び首振り部材430が形成する正面視の面積を小さくすることができるので、これに伴い、開口211a(図6参照)をより大型化することができる。
ここで、例えば、首振り部材430の伝達ギア435等の機構部分が本体部材410の正面側に配設される場合がある。この場合に、本体部材410と装飾部材422との重畳部Pの面積を広げる(本体部材410の移動方向において本体部材410と装飾部材422とを寄せる)ためには、装飾部材422をその機構部分の正面側に配置することが考えられる。一方で、この場合、装飾部材422を収容する首振り部材430を正面側(本体部材410から離反する方向)に移動させる必要が生じるので、首振り部材430の正面側の空間が抑制され、首振り部材430を正面側に立体的に形成することが困難となる。
これに対し、本実施形態によれば、一対の装飾部材422が互いに離反されることで生じる間のスペースに首振り部材430の少なくとも一部(伝達ギア435等の機構部分)を収容することができる。これにより、例えば、本体部材410と装飾部材422との重畳部Pの面積を広げるために首振り部材430の機構部分の正面側に装飾部材422を移動させることが不要となるので、首振り部材430を本体部材410に近接配置させることができる。これにより、首振り部材430を正面側に立体的に形成することができる。
なお、図28では、首振り部材430は本体部材431が傾倒する姿勢(図34参照)をとるので、起立する姿勢(図32及び図35参照)に比較して正面視の上下幅が抑制される。従って、首振り部材430単体で見ても、首振り部材430が形成する正面視の面積を抑制することができる。
図30及び図31に示すように、本体部材410が中間位置に配置された状態において、遮蔽部材420の揺動ベース部材421の当接板421dがベース部材411の装飾板部418に支えられることで、揺動ベース部材421の左右方向中央部が支えられる(即ち、遮蔽部材420が図28及び図29の姿勢と同じ姿勢とされる)。この状態において、連結部材423のスライド軸部423eは案内板424の案内孔424bの左右方向内側の端部に配置され、遮蔽部材420の挿通軸部421cは本体部材410の案内孔413の下端部に配置される。また、配線案内アーム480は第3案内アーム483が本体部材410の上側側面に載置され、第1案内アーム481及び第2案内アーム482が左右方向に対してそれぞれ傾斜した姿勢をとる。
なお、第3案内アーム483が他の案内アーム481,482に比較して短く形成されるので、第3案内アーム483が本体部材410の上側面に安定して載置される状態を、本体部材410の移動中においてより長く維持させることができる。これにより、配線案内アーム480の内部に配設される配線Wをより安定させることができ、配線Wの断線を防ぐことができる。
ここで、本体部材410が高速で下方へ移動され、中間位置に配置された場合、連結部材423のスライド軸部423eが、案内孔424bの内側の端部で跳ね返り、遮蔽部材420の揺動ベース部材421と連結部材423との軸支位置(軸支棒423c、図23参照)が上方へ跳ね、遮蔽部材420の姿勢が安定しない恐れがある。これに対し、本実施形態では、揺動ベース部材421の挿通軸部421cを案内する案内孔413が左右方向内側へ向かうほど上昇傾斜して形成されると共に、スライド軸部423eが案内される案内孔424bが左右方向に形成される。
換言すれば、スライド軸部423eが案内孔424bの内側の端部に到達する時に、挿通軸部421cが、揺動ベース部材421と連結部材423との軸支位置の跳ね返る方向に垂直な方向成分を有する方向に移動可能に案内される。
そのため、揺動ベース部材421の上方への移動に伴い上方へ移動される挿通軸部421cに対して、案内孔413の上側面から下方へ向けた抵抗Fがかけられ、挿通軸部421cの上方への移動が抑制される。この場合、揺動ベース部材421が上方へ跳ねること及び連結部材423のスライド軸部423eが案内孔424bの内側の端部で跳ね返ることが抑制される。加えて、揺動ベース部材421が上方へ跳ね、連結部材423が上方へ跳ねたとしても、スライド軸部423eが案内孔424bの上下の側面に当接されることで、連結部材の移動が抑制される。
また、本実施形態では、連結部材423に屈曲部423bが形成され、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔424bの内側の端部で跳ね返ったとしても、屈曲部423bは揺動ベース部材421の上側面から離反される方向へ移動する(屈曲部213bが左右方向中央側へ距離Xだけ移動する)。そのため、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔424bの左右方向内側の端部で跳ね返った場合に連結部材423と揺動ベース部材421との間に十分な間隔を形成でき、連結部材423と揺動ベース部材421とが衝突することを防止できる。これにより、揺動ベース部材421の設計自由度を向上させることができる。
本体部材410が中間位置に配置された状態では、揺動ベース部材421の左右方向への移動を、その揺動ベース部材421に連結される連結部材423が抑制する。即ち、例えば、揺動ベース部材421が外乱により正面視左方へ移動され始める場合には、正面視右方の案内孔424bに挿通される連結部材423が一対の案内孔424bの左右方向中央の端部に移動をせき止められ、揺動ベース部材421の左右方向への移動が抑制される。そのため、揺動ベース部材421の配置を安定させることができる。
図32及び図33に示すように、本体部材410が張出位置に配置された状態において、遮蔽部材420の揺動ベース部材421が、連結部材423に吊り下げ支持される。この状態において、連結部材423のスライド軸部423eは案内板424の案内孔424bの左右方向内側の端部に配置され、遮蔽部材420の挿通軸部421cは本体部材410の案内孔413の上端部に配置される。また、配線案内アーム480は、第1案内アーム481の他側底部481e2(図25参照)と第2案内アーム482の一側底部482e1(図26参照)とが揺動方向で当接される姿勢をとる。
ここで、本体部材410が中間位置から張出位置へ移動する場合、その移動に伴い、左右一対の挿通軸部421cは案内孔413に沿って互いに左右方向反対向きに上昇移動する。即ち、本体部材410の左右一対の案内孔413から一対の揺動ベース部材421に負荷される力は、それぞれ左右逆方向へ向き、互いに相殺し合う。そのため、一対の揺動ベース部材421の中心軸上に形成される揺動軸孔421b(図33参照)が左右方向に位置ずれすることが抑制されるので、遮蔽部材420が左右方向に位置ずれすることが抑制される。
図33に示すように、本体部材410が張出位置に配置された状態において、遮蔽部材420の一対の揺動ベース部材421及び一対の装飾部材422が互いに当接される。これにより、例えば、一方の揺動ベース部材421が他方の揺動ベース部材421よりも速く移動し、一対の揺動ベース部材421で互いに位置ずれ(上下方向のずれ)が生じても、他方の揺動ベース部材421との当接によりその位置ずれを抑制することができる。これにより、遮蔽部材420の張出位置での姿勢を安定させることができる。
重畳部Pの面積の変化について説明する。重畳部Pは、正面視において本体部材410と遮蔽部材420とが重なる部分を意味する。図28及び図30に示すように、本体部材410が退避位置に配置される状態から本体部材410が中間位置に配置される状態までは、本体部材410の大部分が重畳部Pに該当する。これに対し、図32に示すように、本体部材410が張出位置に配置される状態では、特に左右方向中央部において、遮蔽部材420が本体部材410の上方へ移動され、重畳部Pの面積が小さくされる。即ち、本体部材410と遮蔽部材420とが別々に視認可能とされる。
これにより、本体部材410が退避位置に配置される場合に比較して、本体部材410が張出位置に配置される場合の方が、本体部材410と遮蔽部材420との正面視での面積が大きくされ、特に左右方向中央部における上下方向の幅が拡大される。この場合、遊技者の注目を集めやすい第3図柄表示装置81(図2参照)の中央部において本体部材410と遮蔽部材420とで形成される領域の正面視での面積変化を大きくでき、演出効果を向上させることができる。
本実施形態では、上述した重畳部Pの面積の変化が、本体部材410及び遮蔽部材420が第3図柄表示装置81(図2参照)の正面に張り出し始めてから生じる。これにより、あたかも本体部材410及び遮蔽部材420が膨張する態様で演出を行うことができ、演出効果を向上させることができる。
次いで、図34及び図35を参照して、複合動作ユニット400の首振り部材430の動作について説明する。図34は、図28のXXXIV−XXXIV線における複合動作ユニット400の部分断面図であり、図35は、図32のXXXV−XXXV線における複合動作ユニット400の部分断面図である。なお、図34では、首振り部材430の本体部材431が傾倒された状態が実線で図示され、首振り部材430の本体部材431と本体部材410との間に装飾部材422の下垂部422bが収容された状態が図示される。また、図35では、首振り部材430の本体部材431が起立された状態が実線で図示され首振り部材430が傾倒された状態が参考として想像線で図示されると共に、張出状態に配置される揺動動作ユニット500の移動部材540が想像線で図示される。
図34及び図35に図示されるように、駆動ギア434が駆動モータ433(図23参照)に回転され、それに伴い伝達ギア435が回転することで、連結軸435cが前後に移動し、その連結軸435cに軸支される連結部材436が前後方向に移動することで、その連結部材436に軸支される本体部材431が軸支部416(図23参照)を中心に揺動する。この場合、本体部材431は装飾部材422bと近接および離反する方向に移動されることになる。なお、首振り部材430は、図34に示す傾倒状態と、図35に示す起立状態とを、任意の位置で切り替えることができ、遮蔽部材420と干渉しない限りにおいて姿勢変化が可能とされる。
軸支部416(図23参照)は首振り部材430の下端側に連結されるので、首振り部材430が傾倒状態(図34参照)とされる場合に、遮蔽部材420と対向配置される上端側と本体部材410との間隔Dを大きく確保することができる。また、一方で、遮蔽部材420の反対側である首振り部材430の下端部の移動幅を小さくすることができ、首振り部材430が前後にスライド移動する場合に比較して、首振り部材430を配設するのに必要なスペースを抑制することができる。
換言すれば、前後方向へのスライド移動により遮蔽部材420を収納するスペースを確保する場合、遮蔽部材420の反対側である首振り部材430の下端部も上端部と同様に間隔Dだけ移動するので、その分、首振り部材430の配設スペースが嵩む。これに対し、本実施形態では、首振り部材430を揺動させるので、遮蔽部材420を本体部材410及び首振り部材430の間にスムーズに収容することと、首振り部材430の配設領域を抑制することとを両立することができる。
本実施形態では、特に、首振り部材430が傾倒動作する間において、本体部材431の正面側下部の外形の変化幅dが小さい。そのため、本体部材431の下方に他の部材が近接または当接した状態(図9参照)で、本体部材431を傾倒動作させても、部材間で負荷がかかることを抑制することができる。
本実施形態では、図9の状態で、本体部材431と対向配置される移動部材540(図40参照)の上面が下に凸の曲面を形成しており、この曲面に本体部材431が近接する位置(正面視で本体部材431と移動部材540とが部分的に重なる位置)で本体部材431を傾倒動作させることができる。これにより、本体部材431の下部において本体部材431と移動部材540とを近接させ一体的に視認させる効果を確保しながら、本体部材431の上部において大きな幅で本体部材431の姿勢を変化させることができる。
図34及び図35に図示されるように、遮蔽部材420の装飾部材422は下方へ向かうほど(軸支部416へ近接するほど(図23参照))、背面(本体部材410側)へ向かって傾斜され、首振り部材430から離反する向きに湾曲して形成される。この場合、装飾部材422が首振り部材430と本体部材410との間に収容され始める際の、装飾部材422と首振り部材430との間の距離を確保することができ、装飾部材422と首振り部材430との衝突を避けることができる。
また、装飾部材422の上端部を前面に張り出させながら、本体部材410と首振り部材430との間に形成される隙間の深く(下方)まで装飾部材422の下端部を収納することができる。首振り部材430の正面側には他の部材が配置されないので、首振り部材430の正面部分の形状の設計自由度を向上させることができる。
図35に図示されるように、首振り部材430が起立された状態では、装飾部材422が首振り部材430と本体部材410との間から上方へ離間され、首振り部材430の本体部材431の上端部と本体部材410とが近接配置される。これにより、本体部材410と首振り部材430との間に装飾部材422が収容されない場合のデッドスペースを埋めることができる。また、首振り部材430の本体部材431を本体部材410と近接配置させる姿勢を形成可能とすることで、前後幅が規定されるパチンコ機10における首振り部材430の前後方向への移動幅を大きく確保することができ、首振り部材430の揺動動作の演出効果を向上させることができる。
ここで、図34では、首振り部材430が第3図柄表示装置81の上方に配置され、首振り部材430が傾倒された状態が図示される。この場合、首振り部材430の正面側の演出面の向きA1は、正面へ向けて斜め下方へ傾斜した向きとされる。これに対し、図35では、首振り部材430が第3図柄表示装置81(図2参照)の正面側に配置され、首振り部材430が起立された状態が実線で図示される。この場合、首振り部材430の正面側の演出面の向きA2は、正面へ向けられる。即ち、首振り部材430の揺動の度合いを調整することで、首振り部材430の正面側の向きA1,A2を遊技者の目(第3図柄表示装置81の中央の正面側)へ向かう向きに調整することができる。よって、首振り部材430の注目力を向上させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、首振り部材430の注目力の向上のために新たに回転軸を設けることはせず、軸支部416(図23参照)を活用している。即ち、軸支部416は、装飾部材422が首振り部材430と本体部材410との間に収容され始める際の、装飾部材422と首振り部材430との間の距離を確保する目的と、首振り部材430の正面側の向きA1,A2を遊技者の目(第3図柄表示装置81の中央の正面側)へ向かう向きに調整する目的とに兼用されている。
首振り部材430の揺動の度合いは、センサ通過部435dがフォトセンサ417を通過するか否かで判断することができる。即ち、図34に示す状態では、センサ通過部435dはフォトセンサ417を通過していない。一方で、図35に示す状態では、センサ通過部435は、フォトセンサ417を通過している。そのため、本実施形態では、センサ通過部435がフォトセンサ417を通過していない状態において首振り部材430と本体部材410との間の隙間が確保される。
従って、センサ通過部435がフォトセンサ417を通過していない状態で本体部材410を上昇移動させることで、首振り部材430と遮蔽部材420とを干渉させることなく、遮蔽部材420を本体部材410と首振り部材430との間に収容することができる。
ここで、図36及び図37を参照して、下垂部422bの形状により、複合動作ユニット400の動作の不具合が抑制されることについて説明する。図36は、複合動作ユニット400の正面図であり、図37は、図36のXXXVII−XXXVII線における複合動作ユニット400の部分断面図である。なお、図36及び図37では、首振り部材430の本体部材431が起立状態(図35参照)から所定角度傾倒されると共に本体部材431の背面側が下垂部422bに当接した状態が図示される。
図36及び図37に示すように、首振り部材430の本体部材431が起立状態(図35参照)及び傾倒状態(図34参照)の途中の姿勢とされる状態で、本体部材410を上下移動させる制御を行う場合がある。この制御は、例えば、複合動作ユニット400を図34の状態から図35の状態に即座に変える場合に行われる。
ここで、図35に示す起立状態から、首振り部材430の本体部材431が傾倒状態(図35破線参照)に至るのを確認してから本体部材410を駆動する駆動モータ462(図21参照)を回転させれば、本体部材431の背面側が下垂部422bに当接する状態は生じ得ない(図34参照)。
しかし、この場合、首振り部材430の動作の完了を待ってから駆動モータ462(図21参照)を回転させる。そのため、首振り部材430を傾倒させる駆動モータ433(図23参照)及び本体部材410を駆動する駆動モータ462を同時に回転させる場合に比較して、複合動作ユニット400を図34の状態から図35の状態に変える期間が長くなる。換言すれば、複合動作ユニット400を図34の状態から図35の状態に即座に変えるためには、駆動モータ433及び駆動モータ462を同時に駆動させる必要がある。この場合には、首振り部材430の本体部材431が起立状態(図35参照)から傾倒状態(図34参照)へ至る途中に、本体部材410を上下移動させることになる。この場合、首振り部材430の本体部431が下垂部422bに当接し、複合動作ユニット400が動作不良を起こす恐れがある。
これに対し、本実施形態では、下垂部422bが湾曲して形成される(図37参照)。そのため、図37に示すように、首振り部材430の本体部材431の背面側(平面で形成される)との当接を、面での当接ではなく、点(線)での当接とすることができ、当接位置での摩擦抵抗を抑制することができる。従って、首振り部材430の本体部材431と下垂部422bとの当接により、複合動作ユニット400が動作不良を起こすことを抑制することができる。
例えば、図36及び図37の状態が、図35から本体部材410が上昇移動する途中の状態である場合、首振り部材430の本体部材431と下垂部422bとの当接位置での摩擦抵抗が大きいと、本体部材410の移動速度を低下させる要因となる。一方で、本実施形態では、首振り部材430の本体部材431と下垂部422bとの当接位置での摩擦抵抗が抑制されるので、本体部材410の移動速度を大きくすることができる。また、本体部材410が上昇移動するのに伴い首振り部材430の本体部材431が下垂部422bの湾曲形状になついて傾倒するので、下垂部422bが首振り部材430の本体部材431に駆動力を与える関係が生じる。これにより、駆動モータ433が首振り部材430を傾倒動作させる負担を低減することができる。
また、例えば、図36及び図37の状態が、図34から本体部材410が下降移動する途中の状態である場合、首振り部材430の本体部材431と下垂部422bとの当接位置での摩擦抵抗が大きいと、本体部材410の移動速度を低下させる要因となる。一方で、本実施形態では、首振り部材430の本体部材431と下垂部422bとの当接位置での摩擦抵抗が抑制されるので、本体部材410の移動速度を大きくすることができる。また、下垂部422bが斜め後ろに下降傾斜する態様で形成されると共に本体部材431の背面側が平面状に形成されるので、それらが互いに当接しながら本体部材410が下降移動しても、下垂部422b及び本体部材431が互いに引っかかることがない。
これらから、首振り部材430の本体部材431が傾倒する途中で本体部材410を移動させることにより複合動作ユニット400が動作不良を起こすことが防止される。従って、首振り部材430の本体部材431が傾倒する途中で本体部材410を移動させることにより複合動作ユニット400の状態を即座に変化させることができる。
次いで、図38から図50を参照して、揺動動作ユニット500について説明する。図38は、揺動動作ユニット500の正面斜視図であり、図39は、揺動動作ユニット500の背面斜視図である。なお、図38及び図39では、移動部材540が退避位置に配置された状態が図示される。
揺動動作ユニット500は左右一対の動作ユニットにより構成されるが(図5参照)、それらの技術的構成は共通なので、図38から図50においては、左右一対の動作ユニットの内の左側の動作ユニットを揺動動作ユニット500として説明する。
図40は、揺動動作ユニット500の正面分解斜視図であり、図41は、揺動動作ユニット500の背面分解斜視図である。なお、図40では、締結孔部527が部分的に拡大視され、図41では、橋架け部材528が部分的に拡大視される。
図40及び図41に図示されるように、揺動動作ユニット500は、矩形板状のベース部材510と、両端部に軸支孔522,526が形成されベース部材510に一側軸支孔522が揺動可能に軸支される長尺板形状の駆動側アーム部材520と、両端部に形成される軸支孔532,533の中心軸同士の距離が駆動側アーム部材520の軸支孔522,526の中心軸同士の距離と同等の長さとされると共に一方の端部の一側軸支孔532がベース部材510に揺動可能に軸支される長尺板形状の従動側アーム部材530と、駆動側アーム部材520の他側軸支孔526及び従動側アーム部材530の他側軸支孔533に揺動可能に軸支される横長ブロック形状の移動部材540と、駆動側アーム部材520を揺動させるための駆動力を発生させる駆動装置550と、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530を挟んでベース部材510の正面側に配設されると共に駆動モータ551が締結固定される前板部材560と、を主に備える。
ベース部材510は板状の本体部511と、その本体部511の正面視右側部から正面側に円柱状に突設される複数の軸支部512と、その軸支部512の内の最も下方の第3軸部512cの正面視左方において穿設される駆動ギア受け孔513と、軸支部512の右方に配設されるフォトセンサ514と、本体部511の正面視左側部から正面側に矩形状に突設される下支え部515と、を主に備える。
本体部511は、第1軸部512aの正面視左側と正面視右側では上端部の高さが異なって形成される。即ち、第1軸部512aの正面視左側に、上側側面が一段下げられた段下げ部511aを備える。
段下げ部511aは、揺動動作ユニット500の移動部材540が張出位置に配置された状態で第3図柄表示装置81の表示領域を広げる効果(図8参照)を備える。また、移動部材540が退避位置に配置された状態において、例えば、従動側アーム部材530が後ろ倒れした場合に、従動側アーム部材530と本体部511とが前後方向で当接する恐れのある面積を減らすことができる(図39参照)。これにより、移動部材540が退避位置から張出位置へ向けて移動する場合、もしくは移動部材540が張出位置から退避位置へ向けて移動する場合に、従動側アーム部材530と本体部511とがこすれる恐れのある面積を減らすことができ、移動部材540をスムーズに移動させることができる。
軸支部512は、上下方向に離間して配設されると共に軸が互いに平行な3本の棒部材から形成され、上から順に、従動側アーム部材の一方の端部が軸支される第1軸部512aと、駆動側アーム部材の一方の端部が軸支される第2軸部512bと、駆動ギア552に歯合される伝達ギア553が軸支される第3軸部512cと、を主に備える。
駆動ギア受け孔513は、駆動ギア552の背面側に張り出す段部分を内嵌する貫通孔である。
下支え部515は、駆動側アーム部材520が退避位置に配置された状態において、駆動側アーム部材520の他方の端部の下側面の下側に当接され、駆動側アーム部材520の他方の端部がそれ以上下方へ揺動されることが防止される。
駆動側アーム部材520は、樹脂材料から形成される部材であって、長尺板状に形成される本体板部521と、その本体板部521の一方の端部(正面視右方の端部)において前後方向に穿設され第2軸部512bが挿通される一側軸支孔522と、その一側軸支孔522の下方に形成される一側軸支孔522を中心とした半円の外周にギア歯が刻設されるギア部523と、そのギア部523の外周付近から正面側へ嵩上げされる嵩上げ部521aに締結固定されるセンサ通過板524と、一側軸支孔522と同軸配置される貫通孔を備え本体板部521の背面側に締結固定されるカラー部材525と、本体板部521の他方の端部(正面視左方の端部)において前後方向に穿設され移動部材540の第2軸部542bがカラーを介して軸支される他側軸支孔526と、本体板部521の他方の端部寄りに配置され前後方向に穿設される一対の締結孔527a1,527b1を含む一対の締結孔部527と、その締結孔部527に挿通部528a2,528b2が挿通され締結固定される橋架け部材528と、を主に備える。
本体板部521は、一方の端部(図40右側端部)に、案内孔部563に挿通され先端にセンサ通過板524が締結固定される嵩上げ部521aを備える。
ギア部523は、駆動装置550の伝達ギア553の第2ギア部553bに歯合される部分であって(図48参照)、正面側に覆設される傘部523aを備える。
傘部523aは、本実施形態では、ギア歯523の全体を覆う態様で形成される(図48参照)。但し、傘部523aは、必ずしもギア歯523の全体を覆う必要は無く、少なくとも伝達ギア553の第2ギア部553bのギア歯に被さる態様で形成されることで、傘部523aが第2ギア部553bに当接可能となり、駆動側アーム部材520のぐらつきを防止することができる。
センサ通過板524は、組立状態において前板部材560の正面側に配設される部材であって(図42参照)、本体板部521の一方の端部に嵩上げされて締結固定される締結部524aと、その締結部524aから組立状態における一側軸支孔522を中心とした径方向に延設されるセンサ通過板部524bと、を主に備える。
センサ通過板部524bは、前板部材560の正面側の側面と対向配置されると共に、フォトセンサ514の内側を通過される部材である。ここで、センサ通過板部524bは、前板部材560の正面側側面と当接可能とされ、センサ通過板部524bが前板部材560に当接されることで、駆動側アーム部材520の第2軸部512bに対する軸倒れが抑制される。その一方で、センサ通過板部524bは、フォトセンサ514の内部を通過することで駆動側アーム部材520が退避位置に配置される姿勢とされたことを検出可能とする部材である。即ち、センサ通過板部524bを、駆動側アーム部材520の変形(軸倒れ)に対する抵抗力の上昇と、駆動側アーム部材520の姿勢の検出と、に兼用することができる。
カラー部材525は、外形が角を丸くされた略ひし形状に形成される板状部材であって、その外形の短手方向の端部を直径とする円形外形を有する本体部525aと、その本体部525aの中心に穿設される外嵌孔525bと、本体部525aの左右両側に配設され先端が先細りして形成されると共に本体板部521に締結固定される一対の締結部525cと、を主に備える。
一対の締結孔部527は、第1橋架け部材528aが固定される第1締結孔部527aと、第2橋架け部材528bが固定される第2締結孔部527bと、を備える。
図40に示すように、一対の締結孔527は、駆動側アーム部材520の他側軸支部526側(移動部材540が配設される側)に形成されるので、締結孔527と一側軸支孔522との距離を長く確保することができる。そのため、後述するように、従動側アーム部材530が橋架け部材528に当接し、駆動側アーム部材520に捻り変形が生じる恐れがある場合でも、その変形を締結孔527と一側軸支孔522との間の部分で長い距離を使って生じさせることができる(長手方向の所定長さあたりの捻り角度を小さくすることができる)。この場合、一側軸支孔522から第2軸部512bにかけられる負荷(第2軸部512bを倒して折る方向の負荷)を抑制することができ、第2軸部512bの耐久性を向上させることができる。
第1締結孔部527aは、第1橋架け部材528aが締結固定される第1締結孔527a1と、その第1締結孔527a1に隣接して穿設されると共に補助突部528a3が挿通されることで第1橋架け部材528aが回転不能に固定される第1ピン留め孔527a2と、を備える。
第1締結孔527a1と第1ピン留め孔527a2とは、駆動側アーム部材520の短手方向に対して所定角度θ1(θ1<90度)を成す線に沿って配置される(図43参照)。
第2締結孔部527bは、第2橋架け部材528bが締結固定される第2締結孔527b1と、その第2締結孔527b1に隣接して穿設されると共に補助突部528b3が挿通されることで第2橋架け部材528bが回転不能に固定される第2ピン留め孔527b2と、第2締結孔527b1及び第2ピン留め孔527b2の外縁を正面側へ盛り上げる態様で形成される台部527b3と、を備える。
第2締結孔527b1と第2ピン留め孔527b2とは、駆動側アーム部材520の短手方向に対して所定角度θ2(θ2<90度)を成す線に沿って配置される(図43参照)。即ち、第2橋架け部材528bが図43手前側に撓み変形する場合に、駆動側アーム部材520に与える負荷を、捻れ方向(駆動側アーム部材520の長手方向を軸とした回転の方向)と撓み方向(駆動側アーム部材520が正面側に撓む方向)とで分割させることができる。これにより、第2橋架け部材528bが従動側アーム部材530から負荷を受け、撓み変形した場合に、駆動側アーム部材520が長手方向を軸に捻れ変形することを抑制することができる。
橋架け部材528は、他側軸支部526に近い側に配設される第1橋架け部材528aと、その第1橋架け部材528aを挟んで他側軸支部526の反対側に配設されると共に第1橋架け部材528aに比較して大型(長尺であると共に短手方向に幅広)に形成される第2橋架け部材528bと、を備える。
第1橋架け部材528aは、長尺板形状に形成される本体部528a1と、第1締結孔527a1に挿通されると共に締結固定される挿通部528a2と、その挿通部528a2に隣接して突設される補助突部528a3と、本体部581a1の他側軸支孔526に近い側の側縁に沿って形成され背面側に向けて突設されるリブ部528a4と、そのリブ部528a4の端部において突設方向に対して傾斜する傾斜部528a5と、を主に備える。
本体部528a1は、組立状態において、従動側アーム部材530に正面視で被さる長さで形成される(図48参照)。
補助突部528a3は、本体板部521の第1締結孔527a1に隣接して形成される第1ピン留め孔527a2に挿通される部分であって、これにより、橋架け部材528が本体板部521に2点支持される。従って、本体板部521に対して橋架け部材528を相対回転不能に固定することができる。
リブ部528a4は、本体部528a1の先端までは形成されないことで、退避位置(図48参照)では従動側アーム部材530との当接を抑制し、張出位置(図50参照)では従動側アーム部材530と容易に当接される態様で形成される。その詳細については後述する。
第2橋架け部材528bは、長尺板形状に形成される本体部528b1と、第2締結孔527b1に挿通されると共に締結固定される挿通部528b2、その挿通部528b2に隣接して突設される補助突部528b3と、本体部581b1の他側軸支孔526に近い側の側縁に沿って形成され背面側に向けて突設されるリブ部528b4と、そのリブ部528b4の端部において突設方向に対して傾斜する傾斜部528b5と、を主に備える。
本体部528b1は、組立状態において、従動側アーム部材530に正面視で被さる長さで形成される(図48参照)。
補助突部528b3は、本体板部521の第2締結孔527b1に隣接して形成される第2ピン留め孔527b2に挿通される部分であって、これにより、橋架け部材528が本体板部521に2点支持される。従って、本体板部521に対して橋架け部材528を相対回転不能に固定することができる。
リブ部528b4は、本体部528b1の先端までは形成されないことで、退避位置(図48参照)では従動側アーム部材530との当接を抑制し、張出位置(図50参照)では従動側アーム部材530と容易に当接される態様で形成される。その詳細については後述する。
第2橋架け部材528bは、図43に示すように、本体部528b1(図41参照)の駆動側アーム部材520に締結される部分の幅よりも、従動側アーム部材530と重なる部分の幅の方が狭く形成される。これにより、第2橋架け部材528bに従動側アーム部材530が当接した場合に、第2橋架け部材528bが長手方向を軸に捻れることを抑制することができる(長手方向に沿って撓ませ易くすることができる)。
そのため、従動側アーム部材530と第2橋架け部材528bとが当接することで、第2橋架け部材528bが捻り変形することを防ぐことができ、変形の態様を限定することができる。この場合、第2橋架け部材528bのめくれを防止する部分(第2ピン留め孔527b2)の配設位置を限定することができるので、第2橋架け部材528bの構成を簡素化することができる。即ち、挿通部528b2(図41参照)に対して第2橋架け部材528bの短手方向に補助突部528b3(図41参照)を形成することを不要とできる。
従動側アーム部材530は、樹脂材料から形成される部材であって、長尺板状に形成される本体板部531と、その本体板部531の一方の端部(正面視右方の端部)において前後方向に穿設され第1軸部512aが挿通される一側軸支孔532と、本体板部531の他方の端部(正面視左方の端部)において前後方向に穿設され移動部材540の第1軸部542aがカラーを介して軸支される他側軸支孔533と、を主に備える。
本体板部531は、正面側の側面が、駆動側アーム部材520の正面側の側面と同一平面上に形成される。
移動部材540は、左右方向に長尺のブロック形状から形成されると共に上面が下に凸の曲面で形成される本体部541と、その本体部541の背面視右側において背面側に円柱状に突設される一対の軸支部542と、その本体部451の右側側面から突設される位置合わせ部543と、を主に備える。
なお、本実施形態では、移動部材540は、一対の移動部材540が当接する側(図42(a)右側)へ向かうほど肉厚に形成されるので、移動部材540の重心Gは一対の移動部材540が当接する側に形成されると共に従動側アーム部材530から正面側に離間した位置に形成される(図42参照)。
軸支部542は、第1軸部512a及び第2軸部512bの軸間距離と同一の軸間距離で形成されると共に、図38に示す状態において相対的な一対の軸同士の配置が第1軸部512a及び第2軸部512bの軸同士の配置と同一で形成される一対の軸から形成され、上から順に、第1軸部542aと、第2軸部542bと、を主に備える。
第1軸部542aは、従動側アーム部材530の他側軸支孔533に挿通される部分であって、第2軸部542bは、駆動側アーム部材520の他側軸支孔526に挿通される部分である。
ここで、上述したように、駆動側アーム部材520の両端の軸支孔522,526同士の軸間距離と、従動側アーム部材530の両端の軸支孔532,533同士の軸間距離とが同一とされる。また、ベース部材510に配設される第1軸部512a及び第2軸部512bと、移動部材540に配設される第1軸部542a及び第2軸部542bと、の相対的な配置の関係(軸同士を結ぶ直線の方向および距離)が同一とされる。そのため、駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530とによって平行リンクが形成され、駆動側アーム部材520の揺動の途中において移動部材540の姿勢は変化されない(図48から図50)。
位置合わせ部543は、移動部材540が張出位置に配置された場合に、一対の移動部材540の相対的な位置関係を合わせるための部分である。なお、正面視右側(図8参照)の移動部材540には、左側の移動部材540の位置合わせ部543を受け入れ可能に凹設される窪みが形成される。
駆動装置550は、駆動軸を背面側へ向けて前板部材560の正面側に締結固定される駆動モータ551と、その駆動モータ551に軸支される駆動ギア552と、その駆動ギア552に1段目の第1ギア部553aが歯合されると共に2段目の第2ギア部553bが駆動側アーム部材520のギア部523に歯合される伝達ギア553と、を主に備える。
伝達ギア553は、径の異なる2段のギア歯が同軸で形成される部材であって、ベース部材510に対向配置される大径のギアから形成される第1ギア部553aと、その第1ギア部551aの正面側に配設される第1ギア部553aよりも小径のギアから形成される第2ギア部553bと、それらの第1ギア部553a及び第2ギア部553bの中心に穿設されると共にベース部材510の第3軸部512cに軸支される軸支孔553cと、を主に備える。
前板部材560は、横長の板状に形成される本体部561と、ベース部材510の軸支部512の配置と同様の配置で凹設される保持部562と、センサ通過板524の締結部524aの移動軌跡に沿って円弧状に穿設される案内孔部563と、を主に備える。
保持部562は、軸支部512の各円柱の直径と同等の直径で凹設され、軸支部512の各軸部の先端部が内嵌固定される。これにより、軸支部512を両端支持することができるので、軸を安定させることができる。従って、駆動側アーム部材520、従動側アーム部材530及び伝達ギア553の動作を安定させることができる。
案内孔部563は、駆動側アーム部材520からセンサ通過板524へ向けて突設される嵩上げ部521aが挿通される円弧状の長孔であって、下方の端部において前後方向に延設されるストッパ壁部563aを備える。これにより、駆動側アーム部材520が第2軸部512bに対して径方向に位置ずれしたとしても、駆動側アーム部材520の嵩上げ部521aが案内孔部563に当接され移動を規制されるので、駆動側アーム部材520の位置を安定させることができる。
ストッパ壁部563aは、移動部材540が張出位置(図43参照)へ向けて移動される場合に、その可動範囲を越えて移動部材540が揺動移動することを防止するための壁部である。移動部材540が図43に示す状態よりも右方へ移動する場合、ストッパ壁部563aとセンサ通過板524及びセンサ通過板524が締結固定される嵩上げ部521a(図40参照)とが当接される。ストッパ壁部563aは、正面側だけでなく、背面側へも延設される。これにより、駆動側アーム部材520の一方の端部とストッパ壁部563aとの当接面積を大きくすることができ、当接時にセンサ通過板524及びセンサ通過板524が締結固定される嵩上げ部521aに加えられる応力を低減することができる。
図42及び図43を参照して、揺動動作ユニット500の可動範囲の終端部について説明する。図42(a)及び図43は、揺動動作ユニット500の正面図であり、図42(b)は、図42(a)の矢印XXXXIIb方向視における揺動動作ユニット500の側面図である。なお、図42では、移動部材540が退避位置に配置された状態が図示され、図43では、移動部材540が張出位置に配置された状態が図示される。
図42及び図43に示すように、移動部材540の退避位置から張出位置への揺動において、移動部材540の姿勢は変化されない。そのため、左右一対の移動部材540(図6参照)が互いに近接される場合(共に張出位置へ揺動される場合)、対向配置される側面(図43における右側側面)が平行な状態のまま近接されることになるので、位置合わせ部543を嵌め合わせて一対の移動部材540を合体させることを容易にすることができる。
移動部材540が張出位置に配置された状態において、橋架け部材528が従動側アーム部材530の正面側の側面に被せられる。また、駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530との間隔が狭められるので、張出位置を越えて揺動する場合に駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530とを当接可能とすることで、駆動側アーム部材520の揺動を停止させることができる。
図42(a)及び図42(b)に示すように、移動部材540の重心Gは、左右方向において一対の移動部材540が当接される側(図42右側)に形成されると共に、前後方向において、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530と離間して形成される。
図43に示すように、駆動側アーム部材520の正面側に締結固定される橋架け部材528は、従動側アーム部材530の正面側に被さる態様で延設される。
ここで、図44を参照して、第1橋架け部材528aと第2橋架け部材528bとの締結箇所における違いについて説明する。この締結箇所での違いにより、第1橋架け部材528aと第2橋架け部材528bとの駆動側アーム部材520からのめくれ易さが異なる。
なお、ここで「めくれる」とは、橋架け部材528が、従動側アーム部材530から図44の上方へ向けて力を受け、駆動側アーム部材520から剥がれることを意味する。
図44(a)は、図43のXXXXIVa−XXXXIVa線における駆動側アーム部材520、従動側アーム部材530及び第1橋架け部材528aの断面図であり、図44(b)は、図43のXXXXIVb−XXXXIVb線における駆動側アーム部材520、従動側アーム部材530及び第2橋架け部材528bの断面図である。
まず、第1の違いとして、図44(b)に示すように、第2橋架け部材528bを受け入れる第2締結孔527b1及び第2ピン留め孔527b2には、第1締結孔部527aとは異なり台部527b3が形成される。これにより、第2締結孔527b1への挿通部528b2の埋め込み幅である第2埋め込み幅Wb1が、第1締結孔527a1への挿通部528a2の埋め込み幅である第1埋め込み幅Wa1に比較して長くされる。従って、第2橋架け部材528bを第1橋架け部材528aに比較して強固に固定することができる(第2橋架け部材528bの方が第1橋架け部材528aに比較してめくれにくい)。
第2の違いとして、締結固定された状態における本体板部521からの挿通部528b2の張出幅である第1張出幅Wa2が、本体板部521からの挿通部528a2の張出幅である第2張出幅Wb2に比較して短くされる。従って、第1橋架け部材528aに比較して第2橋架け部材528bの方が締結位置付近での変形を抑制することができる(第2橋架け部材528bの方が第1橋架け部材528aに比較してめくれにくい)。
第3の違いとして、第1締結孔527a1は第1ピン留め孔527a2を基準に従動側アーム部材530の反対側に形成されるが(図44(a)参照)、第2締結孔527b1は第2ピン留め孔527b2を基準に従動側アーム部材530に近接する側に形成される(図44(b)参照)。
この場合、従動側アーム部材530が橋架け部材528に近接する方向(図44上方)に移動(撓み変形、倒れ変形)し、従動側アーム部材530から橋架け部材に負荷がかけられる際の締結部分での堪え方に差が生じる。
即ち、第1橋架け部材528aは、従動側アーム部材530に押進されることにより本体部528a1が挿通部528a2を起点として撓むと、補助突部528a3が駆動側アーム部材520から離反する(図44(a)参照)。そのため、補助突部528a3の側面と第1ピン留め孔527a2の内側面との摩擦抵抗により本体部528a1のめくれに対する抵抗力が生じる。
一方、第2橋架け部材528bは、従動側アーム部材530に押進されることにより本体部528b1が挿通部528b2を起点として撓むと、補助突部528b3の座面が駆動側アーム部材520に押し付けられる向きに移動する(図44(b)参照)。そのため、補助突部528b3の側面と第2ピン留め孔527b2の内側面との摩擦抵抗に加え、補助突部528b3の座面が本体板部521の正面側(図44(b)上側)の側面に押し付けられることにより本体部528b1のめくれに対する抵抗力が生じる。
従って、第1橋架け部材528aのめくれに対する抵抗力に比較して、第2橋架け部材528bのめくれに対する抵抗力を大きくすることができる。
なお、第1締結孔527a1及び第1ピン留め孔527a2の軸間距離に比較して、第2締結孔527b1及び第2ピン留め孔527b2の軸間距離が長く形成される。
上述した第1から第3までの違いにより、従動側アーム部材530から第1橋架け部材528a又は第2橋架け部材528bのどちらかに正面側(図44上方)へ向けて同様の負荷がかけられる場合、第2橋架け部材528bの方が、第1橋架け部材528aに比較して、めくれに対する根本部分での抵抗力(駆動側アーム部材520との締結位置でめくれることを堪える力)が大きくなる。
図45を参照して、従動側アーム部材530が撓み変形する際の従動側アーム部材530と橋架け部材528との当接の態様について説明する。図45(a)は、図43の矢印XXXXVa方向視における揺動動作ユニット500の部分側面図であり、図45(b)及び図45(c)は、図45(a)の状態から従動側アーム部材530が正面側に撓む様子を時系列で図示した揺動動作ユニット500の部分側面図である。
なお、図45(a)では、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の長手方向が平行である状態が図示され、図45(b)では、従動側アーム部材530が正面側(図45(b)左側)に撓み第1橋架け部材528aと当接した状態が図示され、図45(c)では、図45(b)の状態から更に従動側アーム部材530が正面側に撓み第2橋架け部材528bと当接した状態が図示される。また、図45では、ベース部材510、移動部材540及び前板部材560が仮想的に想像線で図示される。
図45に示すように、第1橋架け部材528aは第2橋架け部材528bに比較して移動部材540に近接配置される。そのため、従動側アーム部材530の上端が移動部材540の重みや他の部材との当接等の要因で正面側(図45左側)に撓む場合、撓み量が小さい段階で先に第1橋架け部材528aに従動側アーム部材530が当接する(図45(b)参照)。その後、従動側アーム部材530の撓み量が大きくなると、第1橋架け部材528aは撓み変形し、第2橋架け部材528bが従動側アーム部材530に当接する(図45(c)参照)。
即ち、第1橋架け部材528aと当接する部分の方が従動側アーム部材530の変位が大きくなるので、第2橋架け部材528bに比較して第1橋架け部材528aに、より大きい荷重が与えられる。
ここで、第1橋架け部材528aの撓み変形に対する抵抗が第2橋架け部材528bと同程度に大きい場合、従動側アーム部材530の撓み量が大きくなっても第1橋架け部材528aが撓み変形しない(代わりに駆動側アーム部材520が撓む)恐れがある。この場合、従動側アーム部材530と第2橋架け部材528bとが当接せず、従動側アーム部材530からの負荷を第1橋架け部材528aのみが単独で受ける状況が生じ、第1橋架け部材528aの耐久性が低下する。
一方、本実施形態では、上述したように、第1橋架け部材528aが第2橋架け部材528bに比較して根本部分でめくれ易い態様で駆動側アーム部材520に締結される。そのため、従動側アーム部材530が第2橋架け部材528bに当接する前に、第1橋架け部材528aがめくれ易い(根本付近で駆動側アーム部材520に対して変形する)。
加えて、第1橋架け部材528aの方が第2橋架け部材528bに比較して、短手方向の幅が狭く形成され、板厚は同等に形成される(図44参照)。即ち、従動側アーム部材530から橋架け部材528に与えられる荷重の方向における第1橋架け部材528aの断面係数に比較して、同じ方向における第2橋架け部材528bの断面係数の方が大きく形成される。そのため、第1橋架け部材528aの方が第2橋架け部材528bに比較して短手方向の垂直方向(図45(a)左右方向)に撓み易い。
これにより、一対の橋架け部材528で従動側アーム部材530に当接し、荷重を受けることができ(図45(c)参照)、荷重を一対の橋架け部材528に分配して負担させることができるので、第1橋架け部材528a及び第2橋架け部材528bの耐久性を向上させることができる。
なお、従動側アーム部材530からの荷重を一対の橋架け部材528が受ける方法は第1橋架け部材528aを撓ませることに限らない。例えば、第1橋架け部材528aの第1張出幅Wa2(図44参照)を、本実施形態よりも長くすることで、図45(b)の撓み量では従動側アーム部材530と第1橋架け部材528aとが当接されず、図45(c)の撓み量で一対の橋架け部材528が同時に従動側アーム部材530に当接され始めるようにしても良い。この場合、第1橋架け部材528aと第2橋架け部材528bとの両方で従動側アーム部材530からの荷重を受けることができ、荷重を第1橋架け部材528aと第2橋架け部材528bとに分配して負担させることができる。
一方、撓み量が小さな場合(図45(b)参照)に従動側アーム部材530が一対の橋架け部材528のいずれとも当接しないので、従動側アーム部材530の撓みを抑制することは困難となる(図45(c)の撓み量に至るまでは、従動側アーム部材530の剛性のみにより撓みが抑制される)。
これに対し、本実施形態では、従動側アーム部材530の撓み量が小さい内は、第1橋架け部材528aに従動側アーム部材530を当接させることで撓みを抑制することができる(図45(b)参照)。その上、上述したように、従動側アーム部材530の撓み量が大きくなると、第1橋架け部材528aが撓み変形し、従動側アーム部材530と第2橋架け部材528bとが当接される。これにより、一対の橋架け部材528で従動側アーム部材530からの荷重を受けることができ、荷重を一対の橋架け部材528に分配して負担させることができるので、第1橋架け部材528a及び第2橋架け部材528bの耐久性を向上させることができる。
次いで、図46を参照して、駆動側アーム部材520、従動側アーム部材530及び橋架け部材528の前後関係を説明する。図46は、図43のXXXXIV−XXXXIV線における駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の断面図である。なお、図46では、理解を容易にするために、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の長尺部分の断面図のみを図示し、各アーム部材520,530の端部の形状は省略する。
図46に示すように、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530は、正面側の側面(図46上方の側面)が略同一平面状に形成され、橋架け部材528が従動側アーム部材530の正面側に被せられる。従って、従動側アーム部材530が矢印B1に沿って正面側へ移動(撓み変形や倒れ変形)したり、駆動側アーム部材520が矢印B2に沿って背面側へ移動(撓み変形や倒れ変形)したり、駆動側アーム部材520が矢印B3に沿って回転(捻り変形)したりすることを抑制することができる。即ち、橋架け部材528と従動側アーム部材530とが当接されることで、駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530との相対的な移動(変形)を抑制することができる。
ここで、移動部材540(図43参照)は駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の正面側に配置され、移動部材540の重心Gは各アーム部材520,530の正面側に形成される(図42参照)。上述したように、移動部材540の重心Gは一対の移動部材540が当接する側(図43右側)に寄って形成されるので、駆動側アーム部材520に比較して従動側アーム部材530が前倒れする恐れが大きい。一方で、従動側アーム部材530が前倒れする場合には橋架け部材528に従動側アーム部材530が正面側から支えられる(当接される)。これにより、従動側アーム部材530が正面側(図43紙面手前側)に移動することを抑制することができ、それに伴い、移動部材540が正面側に移動することを抑制することができる。
駆動側アーム部材520は駆動力が伝達される部材なので、その伝達の具合により、駆動側アーム部材520が揺動軸方向(図46上下方向)にぐらつく恐れがある。そのぐらつきを、橋架け部材528と従動側アーム部材530とが当接することにより抑制することができる。
一方で、駆動側アーム部材520が矢印B1に沿って正面側へ移動(撓み変形や倒れ変形)したり、矢印B3の逆向きに時計回りに回転(捻り変形)したりする場合には、橋架け部材528は従動側アーム部材530から離反する方向へ移動されるので、駆動側アーム部材520の移動を抑制することが困難となる。従って、これらの移動を防止する機構があることが好ましい。次いで、図47を参照して、駆動側アーム部材520が矢印B1に沿って正面側へ移動(撓み移動や倒れ変形)することを抑制したり、駆動側アーム部材520が矢印B3の逆向きの時計回りの回転(捻り変形)を抑制したりする機構について説明する。
図47は、図43のXXXXV−XXXXV線における揺動動作ユニット500の部分断面図である。図47に示すように、駆動側アーム部材520の一方の端部は伝達ギア553に正面側(図47上側)から当接される。即ち、ギア部523が伝達ギア553の第1ギア部553aの正面側から当接され、加えて、傘部523aが第2ギア部553bの正面側から当接される。ここで、駆動側アーム部材520の配置によらず、伝達ギア553は駆動アーム部材520の両端に形成される軸支孔522,526を結ぶ直線に対して従動側アーム部材530の反対側に配設される(図48から図50参照)。
そのため、駆動側アーム部材520の従動側アーム部材530に近接される側が正面側に移動する(図46の矢印B3の逆方向に捻り変形する)と、ギア部523が第1ギア部553aに押し付けられる方向に移動され、かつ、傘部523aが第2ギア部553bに押し付けられる方向に移動されることになる。この場合、駆動側アーム部材520の変形抵抗が増大する。従って、駆動側アーム部材520の図46の矢印B3の逆方向への移動(捻り変形)を抑制することができる。
図47に示すように、センサ通過板524が駆動側アーム部材520の一方の端部の先端部において、前板部材560の正面側に配設される。これにより、駆動側アーム部材520の他方の端部(図47右方)が矢印B1に沿って正面側へ移動(撓み変形や倒れ変形)する場合、第2軸部512bを挟んだ一方の端部においてセンサ通過板524が前板部材560に当接することで駆動側アーム部材520の変形抵抗を上昇させることができる。従って、駆動側アーム部材520の他方の端部が矢印B1方向へ移動(撓み変形や倒れ変形)することを抑制することができる。
図47に示すように、カラー部材525が、伝達ギア553の第1ギア部553aの厚みと略同等の厚みで形成される。カラー部材525は、図41に示すように、駆動側アーム部材520の一方の端部の正面視における外形よりも小さな形状で形成されるので、カラー部材525によって、ベース部材510と駆動側アーム部材520との接触面積を抑制することができる。従って、駆動側アーム部材520を揺動させる際の接触抵抗を抑制し、駆動モータ551の小型化を図ることができる。
次いで、図48から図50を参照して、駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530との揺動動作について説明する。図48から図50は、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の正面図である。なお、図48では、図42と同様に駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530が退避位置に配置された状態が、図49では、図48の状態から駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530が所定量揺動された状態が、図50では、図43と同様に駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530が張出位置に配置された状態がそれぞれ図示される。また、図48から図50では、移動部材540の外形が想像線で図示され、センサ通過板524の図示が省略され、カラー部材525及び伝達ギア553の第1ギア部553aの一部が隠れ線で図示されると共に、ギア部523の傘部523aが部分的に省略されギア歯が視認可能とされる。
図48から図50に示すように、駆動側アーム部材520と従動側アーム部材530との距離は、退避位置から張出位置へ向かうほど短縮される。そのため、退避位置から張出位置へ向かうほど橋架け部材528が従動側アーム部材530に被さる面積が大きくなり、従動側アーム部材530が正面側へ移動し、橋架け部材528に当接する際に橋架け部材528から生じる抵抗力を大きくすることができる。
図48に図示されるように、第1橋架け部材528aのリブ部528a4及び第2橋架け部材528bのリブ部528b4は、従動側アーム部材530の一側軸支孔532と他側軸支孔533とを結ぶ直線の下方に形成される。そのため、退避位置において、一側軸支孔532と他側軸支孔533とを結ぶ直線の上方の部分が正面側(図48手前側)に倒れる態様で姿勢変化する恐れがある従動側アーム部材530と橋架け部材528との間隔を大きく保つことができる。これにより、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530が退避位置から始動する際に、従動側アーム部材530が前倒れし橋架け部材528と当接することで、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530の揺動抵抗が増加することを防止することができる。
一方、図50に図示されるように、第1橋架け部材528aのリブ部528a4及び第2橋架け部材528bのリブ部528b4は、従動側アーム部材530の長手方向の中間位置に配設される。そのため、張出位置において、一側軸支部532を起点として倒れ変形する態様で姿勢変化する恐れがある従動側アーム部材530と橋架け部材528との間隔を狭めることができる。これにより、張出位置においては、従動側アーム部材530の倒れ変形の変形量が小さい内から、従動側アーム部材530と橋架け部材528とを当接させることができる。
即ち、リブ部528a4,528b4により、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530が退避位置から始動する際の揺動抵抗を抑制することと、従動側アーム部材530が張出位置に配置された状態において、従動側アーム部材530の倒れ変形の変形量が小さい内から従動側アーム部材530と橋架け部材528とを当接させることとを両立させることができる。
また、駆動側アーム部材520が退避位置に配置される状態から張出位置に配置される状態へ向かう間中、橋架け部材528は従動側アーム部材530の正面側に少なくとも一部が配置される。これにより、橋架け部材528が従動側アーム部材530の正面側に配置されない間に従動側アーム部材530が軸方向に移動し、従動側アーム部材530の駆動側アーム部材520に対向配置される側面と橋架け部材528とが当接することを防止することができる。また、従動側アーム部材530が橋架け部材528に常に当接可能とされるので、従動側アーム部材530の軸方向の位置ずれを抑制する効果を向上させることができる。
図50に示すように、移動部材540が張出位置に配置される状態において、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530は、一対の移動部材540が当接される側(図50右側)の反対側に傾斜した姿勢をとる。そのため、移動部材540の配置を維持するため(駆動側アーム部材520が正面視反時計回りに回転することを防止するため)に駆動モータ551を動作させ続ける必要がある恐れがある。
これに対し、本実施形態では、移動部材540の重心Gが、一対の移動部材540が当接する側(図50右側)に形成される。そのため、移動部材540が張出位置に配置される状態において、駆動側アーム部材520及び従動側アーム部材530は移動部材540から正面視時計回り方向に荷重を受ける。これにより、駆動側アーム部材520が正面視反時計回りに回転することを抑制することができるので、移動部材540が張出位置に配置される状態において駆動モータ551を動作させ続けることを不要とでき、駆動モータ551の消費電力を低減することができる。
伝達ギア553と駆動側アーム部材520の一方の端部に形成されるギア部523とは、上述したように、前後方向で当接される。図48から図50に示すように、駆動側アーム部材520の揺動動作中に伝達ギア553とギア部523との互いの当接面は略同一方向(図48左方)に移動される。
即ち、ギア部523の回転に必要な駆動力を、伝達ギア553の第2ギア部553bとの歯合からのみでなく、第1ギア部553aの正面側(図48手前側)の側面とギア部523の背面側の側面との接触によっても伝達することができる。これは、駆動側アーム部材520の揺動抵抗が低減されたと言い替えることができる。これにより、駆動モータ551に必要な駆動力を低減することができ、駆動モータ551を小型化することができる。
図48に示すように、カラー部材525は、一対の締結部525cを結ぶ長手方向と、その直角方向である短手方向とを備え、長手方向が駆動側アーム部材520の長手方向に沿う姿勢で駆動側アーム部材520に締結固定される。これにより、駆動側アーム部材520の短手方向に沿ってカラー部材525とベース部材510とが接触される範囲に比較して、駆動側アーム部材520の長手方向に沿ってカラー部材525とベース部材510とが接触される範囲が大きくされる。
そのため、駆動側アーム部材520の他方の端部(図48左方の端部)が一側軸支孔522に挿通される第2軸部512b(図40参照)を起点に前後方向(図48紙面垂直方向)に撓む変形をする場合に、カラー部材525がベース部材510(図40参照)に押し付けられる範囲を大きくすることができる。これにより、駆動側アーム部材520の変形抵抗を増加させることができる。
また、カラー部材525の中心軸と伝達ギア553の中心軸とを結ぶ直線Lは、カラー部材525の本体部525aの円形外形と常に交差する。即ち、締結部525cの外形と交差されない。これにより、カラー部材525と伝達ギア553との軸間距離を最低限の長さに抑えることができる。
換言すれば、カラー部材525の長手方向に配置される締結部525cをカラー部材525の中心軸と伝達ギア553の中心軸との間に入れる必要が無いので、カラー部材525の中心軸と伝達ギア553の中心軸との軸間距離を短く形成することができる。この軸間距離は、少なくともカラー部材525の本体部525aと伝達ギア553とが対向配置可能な距離とされる。これにより、カラー部材525の配置の自由度を向上させることができ、駆動側アーム部材520の配置の自由度を向上させることができる。
また、カラー部材525の中心軸と伝達ギア553の中心軸との軸間距離が同じ場合にも、締結部525cがカラー部材525の中心軸と伝達ギア553の中心軸との間に入る場合に比較して、伝達ギア553の第1ギア部553aと、駆動側アーム部材520との軸方向での当接面積を大きくすることができる。
次いで、図51を参照して、第2実施形態における揺動動作ユニット2500について説明する。第1実施形態では、揺動動作ユニット500の橋架け部材528の端部が固定されない場合を説明したが、第2実施形態における揺動動作ユニット2500は、前板部2560の本体部2561が、橋架け部材2528の先端を収容する増厚部2561aを備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図51(a)及び図51(b)は、第2実施形態における揺動動作ユニット2500の部分正面図である。なお、図51(a)では、移動部材540が退避位置に配置される状態が図示され、図51(b)では、移動部材540が張出位置に配置される状態が図示されると共に、図51(a)及び図51(b)では、移動部材540が想像線で図示される。
図51(a)及び図51(b)に示すように、橋架け部材2528の本体部2528aは、従動側アーム部材530の幅方向に亘って形成される。これにより、従動側アーム部材530が正面側(図51紙面手前側)に移動(倒れ変形または撓み変形)する場合に、従動側アーム部材530に当接する本体部2528aの面積を第1実施形態に比較して拡大することができ、従動側アーム部材530の移動を抑制することができる。
前板部材2560の本体部2561は、その上端部において前後方向(図51紙面垂直方向)に増厚して形成される増厚部2561aと、その増厚部2561aの上端面から下方へ凹設される収容部2561bと、を備える。
収容部2561bは、上面視において四方が閉鎖された状態で凹設される窪みであって、移動部材540が張出位置に配置された状態において、橋架け部材2528の先端部が収容される窪みである。収容部2561bの内側面は、橋架け部材2528の先端部(図51(a)の上側の先端部)の移動軌跡を内包する態様(移動部材540の移動中に橋架け部材2528の先端部が収容部2561bの内側面に当接しない態様)で形成される。これにより、移動部材540を退避位置から張出位置へ移動させる間中、橋架け部材2528が収容部2561bの内側面の内の駆動側アーム部材2520の回転方向の内側面に当接することを防止することができる。
図51(b)に示すように、移動部材540が張出位置に配置された状態で、橋架け部材2528の端部が収容部2561bに収容される。そのため、例えば従動側アーム部材530が正面側に移動(例えば倒れ変形)して、橋架け部材2528に負荷を掛ける場合に、その負荷に対する抵抗力を向上させることができる。
即ち、橋架け部材2528の先端が収容部2561bに収容されない場合、橋架け部材2528は、従動側アーム部材530からの負荷(図51手前側へ向く負荷)に対して、片持ち支持で抵抗力を生ずる(橋架け部材2528は駆動側アーム部材2520に締結される)。一方で、橋架け部材2528の先端が収容部2561bに収容される場合、従動側アーム部材530からの負荷に対して、両持ち支持で抵抗力を生ずることができる(駆動側アーム2520との締結位置と、収容部2561bとで支持される)。これにより、従動側アーム部材530が正面側へ移動することを抑制することができる。
また、駆動側アーム部材2520に橋架け部材2528が締結固定されるので、橋架け部材2528の先端部が収容部2561bに収容されることで、駆動側アーム部材2520の前後方向の位置合わせを行うことができる。
この場合、左右一対で形成される揺動動作ユニット2500の移動部材540同士の前後方向の位置合わせを行うことができ、一対の移動部材540が張出位置に配置される状態(図8参照)において、一対の移動部材540に前後方向の相対的な位置ずれが生ずることを抑制することができる。収容部2561bは、駆動側アーム部材2520に比較して一対の移動部材540同士の当接位置(図8参照)に近接する位置に配置されるので、収容部2561bを起点として生じる移動部材540同士の位置ずれを小さくすることができる。
これにより、一対の移動部材540同士の位置ずれを修正する効果を確保でき、一対の移動部材540が張出位置に配置された状態において一対の移動部材540を一体に視認させることで、演出効果を向上させることができる。
次いで、図52を参照して、第3実施形態における揺動動作ユニット3500について説明する。第1実施形態では、駆動側アーム部材520の傘部523aの外側面が円弧状に形成される場合を説明したが、第3実施形態における揺動動作ユニット3500は、傘部523aから外側に張り出す張出部3523bを備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図52(a)から図52(c)までは、第3実施形態における揺動動作ユニット3500の正面図であり、図52(d)は、図52(b)のLd−Ld線における揺動動作ユニット3500の断面図である。図52では、理解を容易とするために、ベース部材3510、駆動側アーム部材3520、駆動装置550のみが図示され、その他の部材の図示が省略されると共に、ベース部材3510のフォトセンサ514及び駆動側アーム部材3520のセンサ通過板524の図示が省略される。
また、図52(a)では、駆動側アーム部材3520及び移動部材540(図7参照)が退避位置に配置された状態が図示され、図52(b)では、駆動側アーム部材3520及び移動部材540(図7参照)が退避位置から所定角度回転された状態が図示され、図52(c)では、駆動側アーム部材3520及び移動部材540(図7参照)が張出位置に配置された状態が図示される。
図52に示すように、駆動側アーム部材3520は、傘部523aから軸径方向外方へ向けて延設される張出部3523bを備える。その張出部3523bは、駆動側アーム部材3520の姿勢に寄らず第2軸部512bよりも下方に配設されると共に、外周壁3516と伝達ギア553の第2ギア部553bとの間の幅以上の幅で形成される(図52(b)参照)。即ち、駆動側アーム部材3520の揺動動作の間中、張出部3523bの背面側に外周壁3516又は伝達ギア553の第2ギア部553bのいずれかが対向配置される。
ベース部材3510は、傘部523aの軸径方向外側に傘部523aの外周に沿って湾曲形成される外周壁3516を備える。その外周壁3516は、ベース部材3510の本体部511の正面側から伝達ギア553の第2ギア部553bの正面側の側面と同等の高さまで凸設される(図52(d)参照)。
これらから、駆動側アーム部材3520が軸支部512の第2軸部512bを起点として正面側に移動(倒れ変形または撓み変形)することを抑制することができる。即ち、駆動側アーム部材3520は、移動部材540(図43参照)の重みにより、第2軸部512bの上方においては正面側へ移動(倒れ変形または撓み変形)し、第2軸部512bの下方においては背面側へ移動する(倒れ変形または撓み変形)。この場合、傘部523aが伝達ギア553の正面側の側面に当接するのに加えて、張出部3523bが外周壁3516の正面側の端面に当接する。これにより、駆動側アーム部材3520の移動(倒れ変形または撓み変形)を2位置での当接で抑制することができる。
また、図52(c)に示すように、駆動側アーム部材3520が張出位置に配置される場合、駆動側アーム部材3520が他の位置に配置される場合に比較して、駆動側アーム部材3520と伝達ギア553との前後方向での当接位置を第2軸部512bから軸径方向に離間した位置にすることができる。
即ち、駆動側アーム部材3520が張出位置に配置される場合、傘部523aが第2ギア部553bのギア歯部分の正面側側面に対向配置される一方、張出部3523bが第2ギア部553bの本体部分の正面側側面に対抗配置される。この場合、張出部3523bが第2ギア部553bの本体部分と前後方向で当接可能である。このような配置は図52(a)や図52(b)では見られない。
また、駆動側アーム部材3520が張出位置に配置される状態は、駆動側アーム部材3520の長手方向が上下方向に沿うため、移動部材540(図43参照)の重みで駆動側アーム部材3520の前後方向への移動(倒れ変形または撓み変形)が大きな幅で生じやすい状態である。本実施形態では、上述したように、駆動側アーム部材3520と伝達ギア553との前後方向での当接位置を第2軸部512bから軸径方向に離間した位置にできるので、駆動側アーム部材3520の前後方向への移動に対する抵抗力を増加させ、その移動を抑制することができる。
次いで、図53及び図54を参照して、第4実施形態における複合動作ユニット4400について説明する。第1実施形態では、案内板424の案内孔424bが引っ掛かりの無い滑らかな長孔である場合を説明したが、第4実施形態における複合動作ユニット4400は、案内孔4424bの上側側面に凹設部4424cが形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図53は、本体部材410が中間位置に配置された状態における第4実施形態における複合動作ユニット4400の正面図である。なお、図53及び図54では、スライド軸部423eのカラー部材の図示が省略され、軸部分が視認可能とされる。
図53に示すように、複合動作ユニット4400の本体部410が退避位置から下降移動し、中間位置に配置されると、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔4424bの内側の端部に当接する。その当接する位置の真上に配置される案内孔4424bの上側側面にスライド軸部423eの一部を収容可能な窪みである凹設部4424cが形成される。なお、凹設部4424cは円弧状に形成され、凹設部4424cの曲率半径がスライド軸部423eの半径以上で形成される。
ここで、本体部材410が退避位置から下降移動すると、連結部材423のスライド軸部423eの反対側の端部に配置される軸支孔423dは上下方向に移動する。そのため、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔4424bの内側の端部に当接して跳ね返る場合には、軸支孔423dは上下方向に跳ね返る。そのため、上下方向の跳ね返りの勢いにより、スライド軸部423eも上方に跳ねることになる。
図54を参照して、凹設部4424cの効果について説明する。図54(a)及び図54(b)は、複合動作ユニット4400の部分正面図である。図54(a)では、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔4424bの内側の端部に当接する直前の状態が図示され、図54(b)では、連結部材423のスライド軸部423eが案内孔4424bの内側の端部に当接した直後の状態が図示される。なお、図54では、理解を容易にするために、スライドレバー473、ソレノイド474及び配線案内アーム480等の図示が省略され、スライド軸部423e及びスライド軸部423eの反対側の端部の移動方向が矢印C41〜C44で図示される。
図54(a)に示すように、本体部材410が下方へ下降移動され、それに伴い連結部材423のスライド軸部423eの反対側の端部が矢印C42に沿って下降移動する場合、スライド軸部423eは案内孔4424bの下側側面に当接し矢印C41に沿って摺動する。そのため、スライド軸部423eが凹設部4424cに収容されることは無い。
一方、図54(b)に示すように、スライド軸部423eが案内孔4424bの内側の端部に当接して跳ね返り、連結部材423のスライド軸部423eの反対側の端部が矢印C44に沿って上方に跳ねる場合、スライド軸部423eも上方に押し付けられる。この場合、スライド軸部423eは案内孔4424bの上側側面に当接し矢印C43に沿って摺動しようとする。そのため、スライド軸部423eが、凹設部4424cに収容される。
そのため、案内孔4424bの長尺方向である左右方向でスライド軸部423eと凹設部4424cとを当接させることができる。この場合、案内孔4424bの長尺方向に移動しようとするスライド軸部423eに対して大きな抵抗を生じさせることができる。
これにより、スライド軸部423eが案内孔4424bの左右方向に沿って移動することを抑制することができる。従って、スライド軸部423eの跳ね返る幅を小さくでき、遮蔽部材420の配置を安定させることができる。なお、本体部材410(図21参照)を駆動装置460で上方へ移動させることで、スライド軸部423eは案内孔4424bの内部を左右方向に沿って駆動される。
次いで、図55及び図56を参照して、第5実施形態における複合動作ユニット5400について説明する。第1実施形態では、連結部材423のスライド軸部423e側の端部が案内板424のみに当接される場合を説明したが、第5実施形態における複合動作ユニット5400は、連結部材5423のスライド軸部423e側の端部に当接する板状のバネ部材である板バネ部材5425が形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図55は、本体部材410が退避位置に配置された状態における第5実施形態における複合動作ユニット5400の背面図である。本体部材410が退避位置から下降移動するに伴い、連結部材5423のスライド軸部423eが案内板5424の案内孔424bの内側を左右方向に移動する。
連結部材5423は、棒部材423aのスライド軸部423e側の端部から突設される突設部5423fを備える。その突設部5423fは、連結部材5423のスライド軸部423eが案内孔424bの内側の端部に配置された状態で鉛直上方へ向けて突設されると共に、背面視右側(図56(c)右側)の角が丸く面取りされ、背面視左側の角が直角で形成される。
案内板5424は、一対の案内孔424bの上方外側の端部においてベース板424aの背面側にコ字状に突設される把持部5424cを備える。把持部5424cは、コ字状部分の開放側が左右方向内側へ向けられ、コ字状部分の内側面で板バネ部材5425の一方の端部を挟持する態様で形成される。
図56を参照して、板バネ部材5425の詳細について説明する。図56(a)から図56(c)は、複合動作ユニット5400の部分背面図である。なお、図56(a)から図56(c)では、連結部材5423の移動が時系列に沿って図示されており、背面視左側の案内孔424b周辺が部分的に図示され、図56(a)では、本体部材410(図55参照)が退避位置に配置された状態が、図56(b)では、本体部材410が退避位置から中間位置へ向けて所定距離移動した状態が、図56(c)では、本体部材410が中間位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
なお、理解を容易とするために、図56では、装飾部材422、連結部材5423、案内板5424及び板バネ部材5425のみを図示し、その他の部材の図示を省略する。また、装飾部材422及び連結部材5423は外形のみを図示し、内部の模様などの図示を省略する。
図56(a)に示すように、板バネ部材5425は、長尺方向を左右方向に向けた姿勢で配設され一方の端部が把持部5424cに把持される直線板状の被固定部5425aと、その被固定部5425aの他方の端部に連結され連結部材側に張り出して湾曲形成される湾曲部5425bと、その湾曲部5425bの内側(図56(a)右側)の端部から左右方向へ延説される落下防止部5425cと、を主に備える。
湾曲部5425bは、左右方向外側に形成される第1傾斜面5425b1と、左右方向内側に形成される第2傾斜面5425b2とで左右方向に対する傾斜角度が異なって形成される。即ち、第1傾斜面5425b1は、左右方向からなだらかに傾斜し(傾斜角度が小さくされ)、第2傾斜面5425b2は、左右方向から急激に傾斜する(傾斜角度が直角近くまで大きくされる)。
落下防止部5425cは、連結部材5423のスライド軸部423eが案内孔424bの内側(図56(a)右側)端部に配置された状態において、突設部5423fの上端部に当接される。これにより、経年劣化等で板バネ部材5425の把持部5424cの反対側の端部が下方へ垂れる恐れがあっても、図56(c)の状態では、突設部5423fが板バネ部材5425を持ち上げるので、板バネ部材5425と突設部5423fとの配置関係を維持することができる。即ち、板バネ部材5425の把持部5424cの反対側の端部が下方へ垂れることを抑制することができる。
ここで、連結部材5423の移動の間における、突設部5423f及び板バネ部材5425の間で生じる力の向きの変化について説明する。連結部材5423のスライド軸部423eが案内孔424bの左端に配置される場合には、突設部5423f及び板バネ部材5425は互いに離れているので、突設部5423f及び板バネ部材5425の間で力は生じない(図56(a)参照)。
連結部材5423のスライド軸部423eが案内孔424bの左右方向内側(図56(a)右側)へ向けて移動するに伴い連結部材5423の姿勢が変化し、突設部5423fが板バネ部材5425に徐々に近接し、やがて当接される(図56(b)参照)。引き続き連結部材5423が左右方向内側へ向けて移動し、突設部5423fの上端部が徐々に上方へ移動されることで板バネ部材5425の自由端側(図56(b)右側端側)の端部が徐々に上方へ移動する。
突設部5423fと板バネ部材5425の湾曲部5425bの第1傾斜面5425b1が当接される場合、突設部5423fから板バネ部材5425へ与えられる力F51は湾曲部5425bの第1傾斜面5425b1の法線方向で伝わる。即ち、力F51は板バネ部材5425の厚さ方向、即ち板バネ部材5425を撓ませる方向に向く。この場合、力F51の反作用として連結部材5423へ負荷される力の内、左右方向へ向く成分が小さいので、連結部材5423のスライド軸部423eが右方へ移動する場合に、板バネ部材5425により連結部材5423の移動が妨げられることが抑制される。これにより、本体部材410(図55参照)が中間位置に到達するまでの間中、挿通軸部421c(図55参照)を案内孔413(図55参照)の下方の端部に維持したままにすることができる。
連結部材5423のスライド軸部423eが案内孔424bの左右方向内側の端部(図56(c)右側の端部)に到達し、跳ね返る場合、突設部5423fは板バネ部材5425の湾曲部5425bの第2傾斜面5425b2が当接される(図56(c)参照)。
この場合、突設部5423fから板バネ部材5425へ与えられる力F52は湾曲部5425bの第2傾斜面5425b2の法線方向で伝わる。即ち、力F52は板バネ部材5425の長手方向、即ち板バネ部材5425の長手方向に向く成分が大きい。
ここで、板バネは厚さ方向への弾性変形は容易に生じるが、板バネの長手方向への弾性変形は生じ難い。本実施形態では、湾曲部5425bの右側の側面の傾斜角度を左右方向に対して直角近くまで大きくすることで、力F52の方向を板バネ部材5425の長手方向に向けることができる。これにより、連結部材5423の跳ね返りに対する板バネ部材5425の抵抗力を増加させることができ、連結部材5423が移動することを防止することができる。従って、連結部材5423を案内孔424bの内側(図56(c)右側)の端部に維持することができる。
また、上述したように、突設部5423fは、背面視右側(図56(c)右側)の角が丸く面取りされ、背面視左側の角が直角で形成される。これにより、突設部5423fの背面視右側の角が板バネ部材5425に当接する場合(図56(b)参照)には滑らか(食い込まず)に当接し、突設部5423fの背面視左側の角が板バネ部材5425に当接する場合(図56(c)参照)には突設部5423fが板バネ部材5425に食い込む。即ち、突設部5423fの背面視左側の角が、板バネ部材5425の第2傾斜面5425b2と落下防止部5425cとの間にはまり込む。
なお、本体部材410(図55参照)を上方へ駆動装置460(図21参照)で移動させることで、スライド軸部423eは案内孔4424bの内部を左右方向に沿って駆動される。この場合には、突設部5423fが板バネ部材5425の湾曲部5425bを押しのけて移動する。
次いで、図57及び図58を参照して、第6実施形態における複合動作ユニット6400について説明する。第1実施形態では、配線を案内する配線案内アーム480を折りたたみにより伸縮させる場合を説明したが、第6実施形態における複合動作ユニット6400は、配線を案内する配線案内スライド6480がスライド移動により伸縮可能に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図57は、本体部材410が張出位置に配置された状態における第6実施形態における複合動作ユニット6400の部分正面図である。なお、図57では、配線案内スライド6480の伸張状態が図示される。配線案内スライド6480の伸張状態において、配線案内スライド6480の内側に配設される配線Wは、折り曲げられる箇所が少なく、ほぼ直線的に形成される。そのため、配線Wの必要長さを抑制することができる。
配線案内スライド6480は、軸支部472を中心に揺動可能に軸支され内部に配線Wが挿通される第1案内スライド6481と、その第1案内スライド6481のスライド長孔6481bの延設方向に沿ってスライドされ内部に配線Wが挿通される第2案内スライド6482と、その第2案内スライド6482のスライド長孔6482bの延設方向に沿ってスライドされ内部に配線Wが挿通される第3案内スライド6483と、を主に備える。
第1案内スライド6481は、長手方向に略矩形状の貫通孔6481a1が形成される矩形筒状の本体部6481aと、その本体部6481aの側面の内で対向配置される一対の側面(前後に配置される側面)に向かい合わせで形成され本体部6481aの長手方向に沿って穿設される一対のスライド長孔6481bと、本体部6481aの端部に前後方向に穿設され軸支部472が挿通される軸支孔6481cと、本体部6481aの貫通孔6481a1の下方の端部に前後方向に橋渡しされる円柱形状の円柱部6481dと、を主に備える。
スライド長孔6481bの延設方向と、本体部6481aの下方の側面(図57左側の側面)とは平行に形成される。円柱部6481dは、下方から配線Wが巻き付けられる。
第2案内スライド6482は、第1案内スライド6481の貫通孔6481a1にスライド可能に内嵌され長手方向に略矩形状の貫通孔6482a1が形成される矩形筒状の本体部6482aと、その本体部6482aの側面の内で対向配置される一対の側面(前後に配置される側面)に向かい合わせで形成され本体部6482aの長手方向に沿って穿設される一対のスライド長孔6482bと、本体部6482aの前後の側面から外側に突設され第1案内スライド6481のスライド長孔6481bに挿通される一対の突設部6482cと、を主に備える。
スライド長孔6482bの延設方向と、本体部6482aの下方の側面(図57左側の側面)とは平行に形成される。突設部6482cは、スライド長孔6481bの幅よりも若干小さな直径の円柱形状に形成される。
第2案内スライド6482は、突設部6482cが第1案内スライド6481のスライド長孔6481bの内側をスライド移動可能に形成され、その移動の間中、第2案内スライド6482の外側面が本体部6481aの貫通孔6481a1の内側面に当接される。即ち、第1案内スライド6481のスライド長孔6481bの中心軸から本体部6481aの下方の側面(図57左側の側面)の内側面までの距離が、突設部6482cの中心軸から本体部6482aの下方の側面の外側面までの距離と略同等に形成される。これにより、第1案内スライド6481に対して第2案内スライド6482をスライド移動させる際に、第2案内スライド6482の姿勢を安定させることができる。
第3案内スライド6483は、第2案内スライド6482の貫通孔6482a1にスライド可能に内嵌されると共に長手方向に略矩形状の貫通孔6483a1が形成される矩形筒状の本体部6483aと、その本体部6483aの前後の側面から外側に突設され第2案内スライド6482のスライド長孔6482bに挿通される一対の突設部6483bと、を主に備える。
第3案内スライド6483は、突設部6483bが第2案内スライド6482のスライド長孔6482bの内側をスライド移動可能に形成され、その移動の間中、第3案内スライド6483の外側面が本体部6482aの貫通孔6482a1の内側面に当接される。即ち、第2案内スライド6482のスライド長孔6482bの中心軸から本体部6482aの下方の側面(図57左側の側面)の内側面までの距離が、突設部6483bの中心軸から本体部6483aの下方の側面の外側面までの距離と略同等に形成される。これにより、第2案内スライド6482に対して第3案内スライド6483をスライド移動させる際に、第3案内スライド6482の姿勢を安定させることができる。
ここで、第1案内スライド6481の内側面と第2案内スライド6482の外側面とはそれぞれ平滑面で形成される一方、第2案内スライド6482の内側面と第3案内スライド6483の外側面とは粗い面で形成される。この場合、第1案内スライド6481に対する第2案内スライド6482のスライド移動の摩擦抵抗の方が、第2案内スライド6482に対する第3案内スライド6483のスライド移動の摩擦抵抗に比較して小さく形成される。
これにより、第2案内スライド6482の方が第3案内スライド6483に優先してスライド移動する。即ち、図57の状態から本体部材410が上昇移動すると、先に第1案内スライド6481に第2案内スライド6482が収納され、その収納が完了した後で、第2案内スライド6482に第3案内スライド6483が収納される。
図58(a)及び図58(b)は、複合動作ユニット6400の部分正面図である。なお、図58(a)では、本体部材410が中間位置(図30参照)に配置された状態が図示され、図58(b)では、本体部材410が退避位置に配置された状態が図示される。
図58に図示されるように、配線案内スライド6480には、配線Wを挟み込む恐れのある箇所が存在せず、配線Wが断線することを抑制することができる。また、配線Wを挟む恐れがないので、配線Wと各案内スライド6481,6482,6483の内側面との配置間隔を詰めることができる。これにより、配線案内スライド6480の短手方向の幅を抑制することができる。
本体部材410が中間位置に配置される状態で、配線Wが配線案内スライド6480の内部に余る(図58(a)参照)。そのため、一時的に配線Wにかけられる張力を取り去ることができる。
次いで、図59を参照して、第7実施形態における揺動動作ユニット7500について説明する。第1実施形態では、一対の橋架け部材528が駆動側アーム部材520に固定される場合を説明したが、第7実施形態における揺動動作ユニット7500は、一対の橋架け部材7528の第1橋架け部材7528aが、駆動側アーム部材7520に対して揺動可能に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図59(a)及び図59(b)は、第7実施形態における揺動動作ユニット7500の部分正面図である。なお、図59(a)では、移動部材540が退避位置に配置された状態が、図59(b)では、移動部材540が張出位置に配置された状態が、それぞれ図示され、移動部材540が想像線で図示される。
図59(a)に示すように、一対の橋架け部材7528の内の小さい側である第1橋架け部材7528aは、駆動側アーム部材7520の本体板部7521に形成される軸支孔7529に揺動可能に軸支され、ねじりバネ(図視せず)により正面視時計回りに付勢される。なお、本体板部7521は、第1橋架け部材7528aに対応する第1締結孔527a1の形成が省略され、代わりに軸支孔7529が形成される以外は第1実施形態における本体板部521と同様に形成される。また、一対の橋架け部材7528の内の大きい側である第2橋架け部材7528bは、駆動側アーム部材7520の本体板部7521に締結固定される。
従動側アーム部材7530は、本体板部531の正面側に突設され、第1橋架け部材7528aと揺動方向で当接する突設部7534を備える。
ここで、駆動側アーム部材7520と従動側アーム部材7530とが、退避位置に配置される状態と、張出位置に配置される状態とで、突設部7534の軸支孔7529に対する相対的な位置が変化する(駆動側アーム部材7520の長手方向に沿って他側軸支孔526と他側軸支孔533とが相対的に移動することと同様に、位置が変化する)。
第1橋架け部材7528aを突設部7534に沿って揺動させることで、張出位置(図59(b)参照)において、第1橋架け部材7528aと第2橋架け部材7528bとの間隔を広げることができる。これにより、従動側アーム部材7530が正面側に撓む場合に、橋架け部材7528と当接可能な位置(第1橋架け部材7528aの端部および第2橋架け部材7528bの端部)の間隔を広げることができる。この場合、橋架け部材7528に当接されず従動側アーム部材7530が自由に撓むことができる長手方向の長さを短く分割することができ、従動側アーム部材7530の撓み量(前後方向への移動量)を抑制することができる。
図59に示すように、移動部材540が退避位置に配置されるか張出位置に配置されるかによらず、第1橋架け部材7528aと他側軸支孔533との距離を保つことができる。ここで、従動側アーム部材7530の駆動側アーム部材7520に対する位置ずれは、移動部材540との連結位置である他側軸支孔533で生じ易く、位置ずれ幅が大きくなりやすい。本実施形態では、他側軸支孔533から第1橋架け部材7528aが離れることを抑制することができ、従動側アーム部材7530の駆動側アーム部材7520に対する位置ずれを抑制する効果を大きくすることができる。
また、駆動側アーム部材7520と従動側アーム部材7530とを退避位置(図59(a)参照)に配置する場合には、第1橋架け部材7528aがねじりバネ(図示せず)の付勢力で第2橋架け部材7528bに近接する方向に揺動する。これにより、第1橋架け部材7528aの第2橋架け部材7528bとの間隔が広げられたまま駆動側アーム部材7520が退避位置へ移動され、第1橋架け部材7528aと他側軸支孔533とが干渉することを防止することができる。
次いで、図60及び図61を参照して、第8実施形態における遊技盤8013について説明する。第1実施形態では、光照射装置331cから光が特定入賞口65aに照射される場合を説明したが、第8実施形態における遊技盤8013は、ベース板8060に植立して形成される外レール62の上半分部付近に光が照射される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図60は、第8実施形態における遊技盤8013の正面図である。図60に示すように、光照射装置8610は、外レール62の外方に配設されるので、光照射装置8610を部分的に隠すための遮蔽部材により遊技領域の装飾自由度が低下することを防止することができる。また、光照射装置8610は、遊技盤8013に形成される埋め込み孔8013aに配設されるので、光照射装置8610により遊技盤8013の前後方向の厚さが増すことを防止することができる。
光照射装置8610からは、外レール62の背面側を通って遊技領域の内側に光が照射される。その照射された光が正面側(図60手前側)に進行方向を変える仕組みについて、図61を参照して説明する。
図61は、図60のLXI−LXI線における遊技盤8013の部分断面図である。図61に示すように、光照射装置8610は、埋め込み孔8013aに固定される本体部8611と、その本体部8611の側面に配設される光照射部8612と、を主に備える。
遊技盤8013は、光透過性の樹脂材料から形成され、光照射装置8610が配設される埋め込み孔8013aと、その埋め込み孔8013aから遊技盤8013の背面に沿って外レール62を越えて下方(遊技領域の内方)に延設される凹部である投光通路8013bと、その投光通路8013bの延設端部に形成され下方(遊技領域の内方)へいくほど正面側へ近づく態様で傾斜する態様で形成される方向変化部8013cと、を主に備える。
なお、埋め込み孔8013a、投光通路8013b及び方向変化部8013cは、切削加工およびドリル加工等の加工や、樹脂型に適切な形状の突部を形成すること等により形成することができる。
光照射部8612から照射される光の経路E81は、投光通路8013bの内部に形成され、方向変化部8013cに到達し反射されることで、光の進行方向が経路E81から正面側(図61左側)に向く経路E82に変化する。ここで、光の進行方向を変化させる方向変化部8013cは、光透過性の樹脂材料から形成される遊技盤8013により形成されるので、目立たず、遊技領域の装飾に与える影響を小さくすることができる。これにより、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
経路E82で進行する光は、図61に示すように、遊技盤8013の正面に植設される釘に下方から照射される。これにより、ホールの照明により釘の下方に形成される影を明るくすることができる。そのため、釘の下方の領域の演出能力を向上させることができると共に、釘の下方の領域を球が通過する場合に球を見やすくすることができ、球が見づらいことで遊技者が感じる負担を和らげることができる。
特に、遊技盤8013の上部に植設される釘は、遊技者から見上げられる位置に配置されるので、釘の下方から光が照射されることにより、釘で反射した反射光を遊技者へ向けることができる。このように、球の流路を規定する釘を、光の演出を行う部材として利用することができる。
なお、釘の下側部分(下半部)は、球が衝突する可能性が少ないので、加工を施しても球の流下に与える影響が少ない。例えば、釘の下側部分(下半部)にクリスタル形状の加工を施すことで、光を複数の方向に反射させることができ、釘の演出能力を高めることができる。
また、光照射部8612から照射される光の色を、釘の色(例えば、黄色)と異なる色(例えば、赤色)とすることで、光が照射された釘と、その他の釘とを判別しやすくすることができる。
この場合、例えば、光照射装置8610を遊技盤8013に複数(本実施形態では6個、図60参照)配設し、順番に光を照射するようにしても良い。即ち、正面視で左端の光照射装置8610から光が照射された後でその右隣(正面視で左端から2個目)の光照射装置8610から光が照射され、その後でその右隣(正面視で左端から3個目)の光照射装置8610から光が照射され、その後も同様に続くようにしても良い。
これによれば、光照射装置8610から照射される光により、遊技盤8013に植設される釘が曲線矢印R81に沿って順番に光る。例えば、右打ちを行う方が遊技者にとって有利な遊技状態である場合に、遊技盤8013に植設される釘を曲線矢印R81に沿って順番に光らせることで、遊技者に右打ちを行うように合図することができる。これにより、球の流路を形成する釘に、球をどこに打ち込むと良いかを遊技者に伝える効果が付与されるので、釘の注目力を向上させることができる。
なお、光照射装置8610から照射される光が当たるのは、必ずしも釘に限るものではない。例えば、遊技盤8613に配設される風車や、スルーゲート67(図60参照)等に光が当たるようにしても良い。
次いで、図62から図64を参照して、第9実施形態における配線案内アーム9480について説明する。第1実施形態では、配線案内アーム480の第1案内アーム481と第2案内アーム482とが軸支部分以外では前後方向で重ならない場合を説明したが、第9実施形態における配線案内アーム9480は、第2案内アーム9482に配設される張出正面係止部9482fが、第1案内アーム9481と前後方向で重なる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、図62から図64においては、理解を容易とするために、拡径部481c1及び縮径部482b1の図示が省略される。
図62(a)は、第9実施形態における第1案内アーム9481の正面図であり、図62(b)は、第1案内アーム9481の底面図であり、図62(c)は、脱着正面係止部材9481fの斜視図である。なお、図62(a)では、脱着正面係止部材9481fが部分的に断面視され、添え部9481dと脱着正面係止部材9481fとの嵌め合い部分が視認可能とされる。
図62(a)に示すように、第1案内アーム9481は、添え部9481dに脱着可能に形成される脱着正面係止部材9481fと、添え部9481dの直線部分の両端部から板状腕部9481aへ向けて延設される板状の滑り止め板部9481gと、他側底部481e2の背面側から延設される他側補助底部9481hと、を主に備える。
板状腕部9481aは、切り欠き部481a1(図25(a)参照)の形成が省略される。本実施形態では、後述するように脱着正面係止部材9481fが添え部9481dと別体で成型されるので、切り欠き部481a1が不要なためである。これにより、板状腕部9481aの強度を確保することができる。
添え部9481dは、図62(a)に示すように、前後方向に延設される断面半円状の窪みである嵌め合い窪み9481d1を備える。
嵌め合い窪み9481d1は、後述する脱着正面係止部材9481fの円柱状の嵌め合い腕部9481f2が嵌り込む断面半円状の窪みであり、添え部9481dの短手方向(図62(a)紙面垂直方向)に延設される。これにより、添え部9481dの成型金型に嵌め合い窪み9481d1用の形状を追加して、一方向(図62(a)紙面垂直方向)に抜くことで、嵌め合い窪み9481d1が形成された添え部9481dを容易に製造することができる。
この嵌め合い窪み9481d1は、嵌め合い腕部9481f2の半径と同じか又は若干小さい半径の半円状に形成される。これにより、嵌め合い腕部9481f2を嵌め合い窪み9481d1に嵌め込むことができ、脱着正面係止部材9481fが添え部9481dの長手方向にスライド移動することを抑制することができる。
この場合、添え部9481dと嵌め合い腕部9481f2とが平面同士で当たる場合に比較して、嵌め合い腕部9481f2の太さに対する互いの接触面積を大きくすることができ、摩擦力を大きくすることができる。従って、脱着正面係止部材9481fが添え部9481dから脱落することを防止することができる。
脱着正面係止部材9481fは、図62(c)に示すように、長尺板形状の本体板部9481f1と、その本体板部9481f1の厚み方向の側面から垂直に円柱状に延設される複数の嵌め合い腕部9481f2と、を主に備える。
脱着正面係止部材9481fが添え部9481dから取り外し可能とされることで、配線Wが断線した場合など、配線Wを取り替える際には、脱着正面係止部材9481fを取り外すことで、脱着正面係止部材9481fを避けて配線Wを取り替える手間が省け、配線Wの取り替えを容易とすることができる。
複数の嵌め合い腕部9481f2は、添え部9481dを挟持することで脱着正面係止部材9481fを添え部9481dに固定する部分であり、添え部9481dの板厚よりも若干短い間隔で並設される一対の棒状部材が2組で連設される。脱着正面係止部材9481fが添え部9481dに固定される際には、複数の嵌め合い腕部9481f2の一対の棒状部材が添え部9481dから押されることで弾性変形され、その弾性回復力で添え部9481dを挟持する。
なお、嵌め合い腕部9481f2の長さは添え部9481fの幅方向の長さより若干長く形成され、嵌め合い腕部9481f2の先端に、添え部9481fを挟持する相手側の嵌め合い腕部9481f2へ向けて突設される突設部9481f3が形成される。その突設部9481f3が添え部9481fに引っかかることで、添え部9481fから脱着正面係止部材9481fが正面側(図62(a)手前側)に抜けることを防止することができる。
この場合、嵌め合い腕部9481f2が円柱状に形成され、嵌め合い窪み9481d1が断面半円状の窪みとして形成されるので、嵌め合い腕部9481f2が弾性回復力で添え部9481dを挟持する際に、嵌め合い腕部9481f2の軸心が嵌め合い窪み9481d1の中心に寄せられる。これにより、脱着正面係止部材9481fを添え部9481dに取り付ける際の位置合わせを容易にすることができ、取り付けに要する時間を短縮することができる。
滑り止め板部9481gは、板状腕部481aとの間で配線Wを挟持する部分であって、添え部9481dの幅方向(図62(b)上下方向)に亘って連続して形成され、添え部9481d及び板状腕部481aの厚さ方向に弾性変形可能とされる。滑り止め板部9481gの先端部と板状腕部481aとの間隔は通常は配線Wの厚さ以下の厚さとなるように形成され、ここに配線Wを挿通することで滑り止め板部9481gが弾性変形し、その弾性回復力で配線Wが板状腕部481aに対して滑ることが抑制される。
滑り止め板部9481gの向きは、添え部9481dの長手方向に沿って弾性変形可能に配置される。これにより、配線Wを、幅方向に亘って滑り止め板部9481dと板状腕部481aとで挟持することができ、配線Wが添え部9481dの長手方向に動いて擦れることを抑制できるので、配線Wの耐久性を向上させることができる。
一対の滑り止め板部9481gの向きは、添え部9481dの両端で互いに反対の向きとされる。これにより、配線Wの移動方向によらず、添え部9481dと配線Wとが添え部9481dの長手方向に動くことを抑制することができる。なお、滑り止め板部9481gは、リブ部Nと対向配置される。これにより、滑り止め板部9481gの先端部では無く、中間部(腹)で配線Wを抑えることができるので、配線Wにかかる抵抗を大きくすることができる(図64参照)。
他側補助底部9481hは、他側底部481e2と外周形状が同一で形成される板状部であって、他側底部481e2の背面から他側筒状部481cの周方向に他側筒状部481cを軸に約120度にかけて延設されると共に、その延設先端に傾斜側面9481h1を備える。なお、図64(a)に示すように、他側補助底部9481hの延設先端と、第2案内アーム9482の一側底部482e1の端部とが正面視で重なる。これにより、配線Wが背面側(図64(a)紙面奥側)に脱落することを防止することができる。
傾斜側面9481h1は、他側底部481e2から遠ざかるほど背面側(図62(b)下側)へ傾斜する。
図63(a)は、第2案内アーム9482の正面図であり、図63(b)は、第2案内アーム9482の底面図であり、図63(c)は、図63(a)のLXIIIc−LXIIIc線における第2案内アーム9482の断面図である。
図63(a)に示すように、第2案内アーム9482は、添え部482dの正面端部から添え部482dの厚さ方向の両方向に延設される張出正面係止部9482fと、添え部482d及び板状腕部482aの直線部分の端部から、対向配置される板状腕部482a及び添え部482dへ向けて延設される滑り止め板部9482gと、を主に備える。
張出正面係止部9482fは、添え部482dを挟んで板状腕部482aの反対側に延設される延設端部に、その延設先端から添え部482へ近づくにつれて背面側(図63(c)右側)へ傾斜する傾斜側面9482f1を備える。
滑り止め板部9482gの技術的思想は、上述した滑り止め板部9481gの技術的思想と同一なので、ここでは説明を省略する。
図64(a)及び図64(b)は、配線案内アーム9480の第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482の正面図であり、図64(c)は、図64(a)のLXIVc−LXIVc線における配線案内アーム9480の第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482の断面図である。図64(a)では、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態が図示され、図64(b)では、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が軸回転され開かれた状態が図示される。また、図64(a)及び図64(b)では、配線Wが図示され、図64(c)では、配線Wの図示が省略される。
ここで、他の可動役物の配設領域を確保するために、配線案内アーム9480の配設領域を抑制することが望ましい。そのため、配線Wを収容する領域(例えば、第1案内アーム9481の板状腕部481a及び添え部9481dの間)に余裕を持たせることが困難となる。この場合、配線案内アーム9480が折りたたまれたり、開かれたりと、状態が変化するごとに配線Wが配線案内アーム9480の内側面と擦れ、配線Wが早期に劣化し、配線Wの耐久性が低下する恐れがある。
これに対し、本実施形態における配線案内アーム9480では、滑り止め板部9481g,9482gと板状腕部481a,482aとの間に配線Wが挟持されることで、配線Wが板状腕部481a,482aや添え部9481d,482dに対して相対移動することが抑制される。これにより、配線Wの耐久性を確保することができる。
また、第1案内アーム9481に対して第2案内アーム9482が捻れる態様で変形する場合、配線Wも捻れ、配線Wの耐久性が低下する恐れがある。
これに対し、本実施形態における配線案内アーム9480では、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が開かれた状態(図64(b)参照)において、他側補助底部9481hが第2案内アーム9482の一側底部482e1と前後方向で重なる。ここで、他側補助底部9481hは他側底部481e2の背面に沿って他側筒状部481cの周方向に延設される(図62(b)参照)。
そのため、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が開かれた状態(図64(b)参照)において、他側補助底部9481h及び一側底部482e1は、前後方向で当接可能な位置関係に形成される。即ち、第1案内アーム9481に対して、第2案内アーム9482が、一側底部482e1を他側補助底部9481hに押し付ける方向に捻れ変形すると、一側底部482e1及び他側補助底部9481hが当接され、捻れ変形の変形抵抗が増大する。この場合、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が捻れ変形することを抑制することができる。従って、配線Wが捻れ変形することを抑制でき、配線Wの耐久性を確保することができる。
本実施形態では、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)において、張出正面係止部9482fが第1案内アーム9481の添え部9481dと前後方向で重なり、前後方向で当接可能な位置関係に形成される(図64(c)参照)。即ち、第1案内アーム9481に対して、第2案内アーム9482が、張出正面係止部9482fを添え部9481dに押し付ける方向に捻れ変形すると、張出正面係止部9482f及び添え部9481dが当接され、捻れ変形の変形抵抗が増大する。この場合、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が捻れ変形することを抑制することができる。従って、配線Wが捻れ変形することを抑制でき、配線Wの耐久性を確保することができる。
また、本実施形態から他側補助底部9481hが更に周方向に延設される場合、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)で、第2案内アーム9482及び他側補助底部9481hが当接され、第1案内アーム9481及び張出正面係止部9482fが当接される。
この場合、第2案内アーム9482の背面側と他側補助底部9481hとが当接されるので、第2案内アーム9482の正面側が下倒れすることを抑制することができる。一方で、第1案内アーム9481の正面側と張出正面係止部9482fとが当接されるので、第2案内アーム9482の背面側が下倒れすることを抑制することができる。そのため、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)において、方向によらず、第2案内アーム9482が第1案内アーム9481に対して捻れることを抑制することができる。
また、張出正面係止部9482fを第2案内アーム9482の背面側に追加することによっても、同様の効果を得ることができるが、この場合、一対の張出正面係止部9482fで第1案内アーム9482を挟み込むことになり、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482の位置合わせの精度を高める必要がある。
一方、本実施形態では、第2案内アーム9482の捻りを抑制する部分が、第2案内アーム9482の長手方向にずれて形成されるので、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482の位置合わせの精度として必要とされる程度を低めることができる。
本実施形態では、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)から、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が開かれた状態(図64(b)参照)に至るまでの間に、他側補助底部9481hの延設先端が第2案内アーム9482の一側底部482e1の端面と当接する恐れがある。
これに対し、他側補助底部9481hの延設先端に傾斜側面9481h1(図62(a)参照)が形成されることで、他側補助底部9481hの延設先端が一側底部482e1の端面と当接した場合にも、他側補助底部9481hを一側底部482e1の背面側(図64(b)紙面奥側)に乗り上げさせることができる。これにより、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が開かれた状態(図64(a)参照)を形成することを容易にできる。
また、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が開かれた状態(図64(b)参照)から、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)に至るまでの間に、張出正面係止部9482fの延設先端が添え部9481dの側面と当接する恐れがある。
これに対し、張出正面係止部9482fの延設先端に傾斜側面9482f1(図63(c)参照)が形成されることで、張出正面係止部9482fの延設先端が添え部9481dの側面と当接した場合にも、張出正面係止部9482fを添え部9481dの正面側(図64(a)紙面手前側)に乗り上げさせることができる(図64(c)参照)。これにより、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が折りたたまれた状態(図64(a)参照)を形成することを容易にできる。
なお、本実施形態では添え部9481dに当接する張出正面係止部9482fが正面側に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、張出正面係止部9482fが正面側および背面側の一対で形成されても良い。これにより、第2案内アーム9482の捻れ変形の方向によらず、張出正面係止部9482fを添え部9481dに当接させることができ、第1案内アーム9481及び第2案内アーム9482が捻れ変形することを抑制することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、複合動作ユニット400の一対の装飾部材422が揺動することで隙間を形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、装飾部材422が左右方向にスライド移動可能に案内され、一対の装飾部材422が互いに離反する方向にスライド移動することで首振り部材430を収容する隙間を形成しても良い。この場合、一対の装飾部材422の間に形成される隙間の幅を上下方向に亘って確保することができる。
上記各実施形態では、盤面下部ユニット300の移動上蓋部材332が前後方向にスライド移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の段部324aの内側面に揺動可能に軸支され左右一対で形成される長尺板状の可動部材を備え、その可動部材は、一対の段部324aが連設される方向に長手方向を沿わせる姿勢で配置され球の特定入賞口65aへの通過を妨げる閉鎖状態と、その状態から上昇または下降方向に揺動され球の特定入賞口65aへの通過を可能とする開放状態と、を形成可能としても良い。また、同様の構成で、特定入賞口65aではなく第2入賞口640を構成しても良い。
上記各実施形態では、盤面下部ユニット300の移動上蓋部材332が退避状態とされる場合に光照射装置331cから照射される光を正面側へ反射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材332が張出状態とされる場合に光照射装置331cから照射される光を正面側へ反射する部分を移動上蓋部材332の下部に形成しても良い。この場合、移動上蓋部材332により反射される光が球に遮られることが無く、光の演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、揺動動作ユニット500の移動部材540に位置合わせ部543が凹凸嵌合で合体される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の移動部材540の互いに近接配置される位置に磁石が配設され、磁力により移動部材540を合体させても良い。この場合、磁力により移動部材540同士を吸着させることができ、移動部材540が張出位置に配置される場合における保持力を駆動装置550で発生させることが不要となる。そのため、駆動装置550の消費電力を抑制することができる。
上記各実施形態では、複合動作ユニット400の案内孔413が直線状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内孔413を曲線状に形成しても良い。この場合、本体部材410の移動速度が同じでも、遮蔽部材420の揺動速度に緩急をつけることができる。
上記各実施形態では、複合動作ユニット400の首振り部材430の本体部材431が揺動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、首振り部材430が本体部材410から離反する方向にスライド移動するスライド部材を備え、そのスライド部材と本体部材410との間に装飾部材422が収容されても良い。
上記各実施形態では、複合動作ユニット400の配線案内アーム480の各案内アームが上下方向に積層される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、配線案内アーム480の各案内アームが前後方向に積層されても良い。この場合、配線案内アーム480の上下幅を狭めることができるので、開口211aの外方に配線案内アーム480を収容するために必要な底壁部211の幅を狭めることができる。これにより、第3図柄表示装置81の配置面積を拡大することができる。
上記各実施形態では、移動部材540が駆動側アーム部材520,2520,3520,7520及び従動側アーム部材530,7530の一対のアーム部材に支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動部材540が3本以上の複数のアーム部材に支持されても良い。この場合、例えば、橋架け部材528,2528,7528を中間のアーム部材に締結固定し、両端のアーム部材の正面側に被さる態様で配設することで、アーム部材同士の位置ずれを抑制する効果を向上させることができる。即ち、両端のアーム部材の内、一方のアーム部材が橋架け部材528,2528,7528の一方の端部を押し、橋架け部材528,2528,7528が撓む場合、他方の端部は他方のアーム部材に近づく向きに移動し、他方のアーム部材に支えられる。このように、両端のアーム部材同士が橋架け部材528,2528,7528の撓みを抑制するように働くことで、結果的に複数のアーム部材の位置ずれを抑制でき、移動部材540の姿勢を安定させることができる。
上記第1実施形態から第5実施形態まで及び第7実施形態では、配線案内アーム480の各案内アーム481〜483が、円柱状の部分(例えば、一側軸支部482b)と円筒状の部分(例えば、他側筒状部481c)とで軸支される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円柱状の部分を支持する部分が、各案内アーム481〜483の長手方向に延設される長孔で形成されても良い。この場合、各案内アーム481〜483が折れ曲げられる上下方向の伸縮に加え、長孔の延設方向に各案内アーム481〜483がスライド移動する左右方向の伸縮を行うことができる。
上記第1実施形態から第5実施形態まで及び第7実施形態では、配線案内アーム480を構成する各アーム部材(例えば、第1案内アーム481)の下方の側面(例えば、板状腕部481a)が上方の側面(例えば添え部9481d)に比較して幅が短くなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各アーム部材(例えば、第1案内アーム481)の下方の側面(例えば、板状腕部481a)が上方の側面(例えば添え部9481d)に比較して幅が長くされても良い。この場合、配線Wが重力により下方の側面(例えば、板状腕部481a)からずり落ちることを抑制することができる。
上記第1実施形態から第5実施形態まで、第7実施形態および第9実施形態では、配線Wの幅が添え部481d,9481dよりも短い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面係止部481fの形成が省略され、配線Wの幅が板状腕部481a及び添え部481d,9481dの幅より長くされても良い。この場合、板状腕部481a及び添え部481d,9481dから配線Wの一部がはみ出すので、そのはみ出す部分を指でつまんで(指で引っかけて)容易に配線Wを取り出すことができる。これにより、配線Wのメンテナンスを容易に行うことができる。
上記第1実施形態から第5実施形態まで、第7実施形態および第9実施形態では、添え部481d,9481dの幅が一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、添え部481d,9481dの正面係止部481fが固定される箇所以外の部分を板状腕部481aと同じ幅で形成しても良い。この場合、配線Wの幅を板状腕部481aより長くすることで、板状腕部481a及び添え部481d,9481dから配線Wの一部をはみ出させることができる。よって、そのはみ出す部分を指でつまんで(指で引っかけて)容易に配線Wを取り出すことができる。これにより、配線Wのメンテナンスを容易に行うことができる。
上記第4実施形態では、案内孔4424bの上側面に凹設部4424cが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内孔4424bの上側面の厚さを下側面の厚さに比較して分厚くしても良い。この場合、案内孔4424bの上側面と連結部材423との間で生じる摩擦を、案内孔4424bの下側面と連結部材423との間で生じる摩擦に比較して大きくできるので、本体部材410が下方に移動する際に生じる連結部材423の跳ね返りを抑制できる。
上記第4実施形態では、案内孔4424bの上側面に凹設部4424cが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体部材410の案内孔413の下方端部の上側面にスライド軸部423eを収容可能な窪みが形成されても良い。この場合、挿通軸部421cが案内孔413の下方端部に配置される場合に挿通軸部421cに案内孔413の側面からかけられる抵抗Fを大きくすることができる。
上記第8実施形態では、投光通路8013bの延設端部のみに方向変化部8013cが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、投光通路8013bの途中に方向変化部8013cが追加で配設されても良い。この場合、投光通路8013bの途中に配設される方向変化部8013cから正面側に反射される光と、その方向変化部8013cを透過して投光通路8013bの延設端部に配設される方向変化部8013cから正面側に反射される光とに光を分けることができる。即ち、光照射装置8610から照射される光を複数個に分割することができるので、光照射装置8610の個数に対して、正面視で視認される光の個数を多くすることができる。これにより、光照射装置8610の演出効果を維持しつつ、光照射装置8610の配設個数を抑制することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
<第1制御例>
次に、図65〜図78を参照して、第1制御例における第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図65は、第3図柄表示装置81の表示画面を示す図である。
第3図柄表示装置81に表示される絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図65(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面(表示領域)には、複数の表示領域として、上段・中断・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は、18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面では、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって、所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図65(b)に示すように、表示画面は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面には、5つの有効ライン、即ち、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3、中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、大当たりが発生したとして、大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「確変図柄」に相当し、16R確変大当たりである大当たりAまたは4R確変大当たりである大当たりBが発生する場合には、同一の確変図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は、「通常図柄」に相当し、16R通常大当たりである大当たりCまたは4R通常大当たりである大当たりDが発生する場合には、同一の通常図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、第3図柄表示装置81における図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限られることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
また、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入賞口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第3図柄表示装置81には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、第3図柄表示装置81に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、第3図柄表示装置81に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本制御例においては、第1入賞口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図66および図67を参照して、本制御例のパチンコ機10において実行される演出の1つである超背景予告演出について説明する。この超背景予告演出は、遊技者が背景のスクロール方向を選択スイッチ270によって操作可能な演出である。また、超背景予告の背景画像において、特定画像(本制御例では扉が点滅する画像)が表示された場合に、決定スイッチ270eを操作することにより、保留内に大当たりがあるか否かの期待値を示す背景画像(扉内背景)が表示される。よって、保留内に大当たりがあるか否かの情報を知りたい遊技者は、超背景予告の背景画像において、特定画像が現出することに注目して遊技を行うこととなる。その結果、遊技者の興趣を向上することができる。
また、超背景予告の背景画像は、スイッチ操作により遊技者の任意の方向にスクロール表示させることができるため、遊技者に対して背景画像内を探索しているかのような印象を与えることができる。これにより、遊技者の興趣を向上することができる。
図66(a)は、超背景予告演出の背景画像の一例を示した図である。この超背景予告演出の背景画像が表示されている場合に、例えば、右スイッチ270bが押下されると、背景画像が右にスクロールされる。ここで、本制御例では、右スイッチ270bの押下に基づいて、背景画像が右にスクロールされるよう設定され、その後、他の方向の選択スイッチ270の操作があるまでスクロールが継続されるよう構成されている。しかし、この構成に限らず、選択スイッチ270の押下時間に応じて背景画像のスクロールが実行されるように構成してもよい。これにより、遊技者の操作に柔軟に対応することができ、遊技者の興趣を向上することができる。
図66(b)は、上述した超背景予告演出の背景画像が表示されている場合(図66(a)参照)において、右スイッチ270bの押下に基づいて背面画像が右にスクロール表示されている図である。背面画像が右にスクロール表示されることにより、図66(a)にて画面右端に一部だけ表示されている扉の画像が、図66(b)では画面中央に扉の全体が視認可能な状態で、表示されるようになっている。
この扉の画像は、一定時間毎に点滅するようなデータとなっている。これにより、図66(b)のように扉が視認可能な状態で一定時間が経過すると、図67(a)のように扉が点滅して表示される。この場合において、決定ボタン270eが押下されると、特別画像である扉内背景の表示を示唆する演出が表示される。具体的には、図67(b)のように扉が開いた画像が表示され、「次の変動で中に入るよ!」との文字が表示される。ここで、本制御例では、扉の点滅表示を一定時間毎に行うように構成したが、これに限られず、点滅表示される間隔を不規則にしてもよい。また、本制御例では、一定時間毎に点滅するデータを予め用意しておき、扉の点滅表示を行うように構成したが、これに限られず、所定の契機に基づいて、扉が点滅するデータに変更するように構成するものでもよい。
なお、特別画像である扉内背景(図示せず)は、上述した通り、保留内に大当たりがあるか否かの期待度を示すものである。詳細な処理は後述するが、この扉内背景は、表示されてから20回の変動が終了するまで表示される。20回の変動が終了する際には、再度、保留内に大当たりがあるか否かを判別し、その判別結果に基づいて背景画像が変更される。具体的には、保留内に大当たりがあると判別された場合は、前回と同一の扉内背景の画像が高確率で表示され、一方そうでない場合は、扉内背景の表示が終了されることとなる。次に、図68〜図71を参照して、本制御例のパチンコ機10において実行されるスーパーリーチ演出の1つであるスーパーリーチAの演出について説明する。このスーパーリーチAの演出は、第3図柄の変動期間において実行される演出であり、枠ボタン22の押下に基づいて、停止図柄が表示される演出である。
スーパーリーチAでは、ばらけ目表示態様が表示されると共に、小さな泡が表示される。ここで、ばらけ目表示態様とは、例えば、図68(a)のように、上図柄列Z1の左ラインL1にアンコウの主図柄に「6」の数字を付した6図柄を示す第3図柄、中ラインL2に副図柄の貝図柄、右ラインL3にクジラの主図柄に「7」の数字が付された7図柄が停止表示され、下図柄列Z3の左ラインL1に5図柄が、中ラインL2に貝図柄、右ラインL3に4図柄が停止表示された、いずれのライン(L1〜L5)でもリーチとなっていない表示態様である。
次に、「泡チャンス」との文字が表示されると共に、ばらけ目表示態様がダブルリーチ表示態様に変化する。ここで、ダブルリーチ表示態様とは、例えば、図68(b)のように、上図柄列Z1には図68(a)と同様の図柄が停止表示され、下図柄列Z3の左ラインL1に7図柄が、中ラインL2に貝図柄、右ラインL3に6図柄が停止表示された、右下がりラインL4で6図柄のリーチ表示態様、右上がりラインL5で7図柄のリーチ表示態様となった表示態様である。
そして、図69(a)のように、複数の泡が回転する表示と共に、「タッチで泡をとめてね!」との文字が表示され、その後、図69(b)のように、回転する泡に大当たりとなる図柄(6図柄、7図柄および特別図柄)が入る表示がされる。
次に、図70(a)のように、大当たりとなる図柄が入った泡の色が変化すると共に、「色のついてる泡が当たりだよ!」との文字が表示される。また、画面右下部には、ボタン押下が可能な残時間を表示するインジケータが表示される。
そして、ボタン押下が可能な残時間内に、枠ボタン22を押下すると、色のついた泡または色のついていない泡が停止表示される。図70(b)は、色のついた泡が停止表示された画面を例示した図である。
色のついた泡が停止表示されると、図71のように、色のついた泡が大当たりとなる図柄(7図柄)へと変化し、大当たりの報知がなされる。一方、色のついていない泡が停止されると、色のついていない泡が外れとなる図柄(例えば、5図柄)へと変化し、外れの報知がなされる(図示せず)。
上述したように、本制御例における、スーパーリーチAでは、大当たりとなる図柄(上記の例示では6図柄、7図柄および特別図柄)が色のついた泡に統一され、外れ図柄(6図柄、7図柄および特別図柄以外の図柄)が色のついていない泡として統一される。これにより、遊技者は色の有無のみに着目してボタンを押下すればよく、わかりやすい遊技機を提供することができる。
次に、図72〜図74を参照して、本制御例のパチンコ機10において実行される大当たり演出について説明する。この大当たり演出は、すごろくのようなマスが配置された地図が表示されるものであり、その地図のマスは、選択スイッチ270等の操作に基づいて、選択することができる。この選択されたマスには、それぞれイベントが設定されており、そのマスイベントに基づいて大当たり演出中のラウンド演出が行われる。なお、マスイベントは、大当たり種別、大当たりの継続回数、または表示演出カウンタ233oの値などに基づいて設定されるものである。
また、大当たりが継続する場合(確変状態または時短状態において大当たりとなる場合)は、前回の大当たり演出で選択されたマスから継続した演出が実行される。さらに、前回の大当たり演出で選択されたマスではないが、継続した演出を開始(リスタート)可能なコンティニュマスが設けられている。このコンティニュマスからのリスタートは、通過したマスの履歴などに基づいて実行可能であるかが判別される。また、地図上のすべてのマスを通過した場合は、次回の大当たり演出より新しい地図が表示される。さらに、大当たり演出の終了(エンディング)時には、保留内に大当たりがあるか否かによってマスイベントが変更される場合がある。
図72(a)は、前回の大当たり演出でスタート地点から1つめのマスが選択されており、その後、継続して(確変中または時短中に大当たりが発生して)大当たり演出が開始される場合を示した図である。なお、図中の「S」が書かれたマスはスタート地点を意味し、初回の大当たり時にはここからスタートすることとなる。また、図中の「G」はゴール地点を意味するものであり、ゴール地点に到達した際の動作は図73(b)を参照して後述する。
図72(a)のように、継続された大当たりの演出が開始されると、前回の大当たり演出で選択されたマスから継続して演出が開始される。大当たり演出が開始されると、今回の操作開始地点であるマス(前回選択されたマス)は他のマスと異なる色で点灯表示され、犬のキャラクタが表示される。これにより、遊技者が今回の操作開始地点がどこであるかを容易に認識することができる。なお、遊技者に操作開始地点を認識可能とさせる態様としては、これに限られず、例えば、操作開始地点のマスを点滅表示するものであっても良いし、当該マスを矢印等の記号によって指し示すものであっても良い。
操作開始地点のマスの付近には、操作可能な方向を示す矢印が表示されている。これにより、遊技者はどちらの方向に操作可能であるかを容易に認識することができる。本制御例においては、右方向と下方向とに操作可能であることを示す矢印が表示されている。ここで、右スイッチ270bを押下すると、操作開始地点のマスの右隣りのマス(即ち、スタート地点から2つ先のマス)が点灯表示され、犬のキャラクタが表示されることとなる。
一方、操作可能な方向として示されていない方向に対応する選択スイッチ270が操作された場合は、当該スイッチ操作はなかったものとみなされ、表示は変更されないよう構成されている。なお、上記の場合において、当該スイッチ操作が無効である旨を示唆するために、画面に表示を行ったり、音を出力したりするよう構成しても良い。
ここで、操作開始地点のマスの右隣りのマス(即ち、スタート地点から2つ先のマス)が選択された状態で、決定スイッチ270eを押下すると、当該マスに設定されているマスイベントに応じた演出が実行される。
図72(b)は、上述したスタート地点から1つ先のマスが操作開始地点である場合の大当たり演出(図72(a)参照)において、右スイッチ270bが押下された後、決定スイッチ270eが押下された場合の演出の一例を示す図である。図72(b)では、決定スイッチ270eの操作に基づいて、スタート地点から2つ先のマスが選択されたと判別すると、当該マスに設定されているマスイベントに応じた演出を行う。具体的には、第3図柄表示装置81の左上部に「選べる背景が増えたよ!」とのマスイベントの内容を示唆する表示が行われる。これにより、遊技者はマスイベントの内容を容易に認識することができる。
また、継続された大当たりの演出が開始されると、前回のマップとマスイベントが読み込まれると共に、表示制御装置114の表示演出カウンタ233oの値によって新たなマスイベントが読み込まれる。前回のマスイベントと新たなマスイベントとを比較して、新たなマスイベントが設定される場合は、例えば、図73(a)のように、「コンティニューマスが増えたよ!」との文字が表示される。
これにより、遊技者はマスイベントが変化したことを容易に認識することができる。一方、これに限らず、遊技者に認識できないようにマスイベントを変更してもよい。これにより、遊技者にとって意外な演出を提供することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
図73(b)を参照して、コンティニュマスを通過した後に、継続して大当たり演出が実行される場合の表示について説明する。本制御例の大当たり演出では、大当たり演出の地図上に設けられたコンティニュマスを通過すると、次回の継続した大当たり演出において、当該通過マスから継続した演出(リスタート)を実行することが可能となる。具体的には、コンティニュマスを通過し、かつ、未通過のルート(1または複数のマス)がある場合において、スタート地点に一番近い、未通過のルートがあるコンティニュマスからリスタートされる。この場合において、図73(b)のように、「リスタート地点はここだよ」との文字が表示され、リスタート地点に該当するマスが矢印で示される。
これにより、当該マスから継続した大当たり演出が開始されることを、遊技者に容易に認識させることができる。なお、通過済みのマスには「済」との文字が付されると共に斜線が付され、未通過のマスには「未」との文字が付される。これにより、未通過のマスがどれであるのかを、遊技者に容易に認識させることができる。このリスタートにより、前回選択したマスだけではなく、未通過のルートがあるコンティニュマスからリスタートができるため、未通過のマスを通過させることを容易にできる。
なお、全てのマスを通過した場合には、新しい地図が表示される。この場合、図74(a)のように、新しい地図が表示されると共に、「新しいマップを発見したよ!」との文字が表示される。これにより、新しい地図が表示されたことを、遊技者に容易に認識させることができる。
また、大当たり演出の終了(エンディング)時に、保留内に大当たりがあると判別された場合は、その大当たりに基づいて、マスイベントが設定される。具体的には、図74(b)のように、現在地点のマスから2マス先のマス(即ち、大当たりが2回発生することで到達できるマス)がスペシャルマスに設定される。遊技者は2つ先のマスがスペシャルマスに設定されることにより、少なくとも、後2回の大当たりを期待して遊技を継続することとなる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
次に、図75〜図78を参照して、本制御例におけるスーパーリーチBの演出について説明する。図75および図76は、このスーパーリーチBの演出タイミングを模式的に示した模式図であり、図77および図78は、このスーパーリーチBの演出を例示した図である。
このスーパーリーチBの演出は、画面上のキャラクタ(女の子)が、手に持っている図柄(サメやエビなど)を(図77(a)参照)、枠ボタン22の操作に基づいて、ポイポイと投げる演出(図77(b)参照)または投げられない演出を実行するものである。この投げる演出が行われると、手に持っている図柄が、次の図柄に変わっていく。そして、リーチ図柄と同一の図柄が現出すれば、大当たりを報知する演出(図78(b)参照)となっている。
なお、大当たりのスーパーリーチBの演出であれば、枠ボタン22の操作に基づいて、リーチ図柄と同一の図柄が現出されるまで投げる演出が実行可能であり、外れのスーパーリーチBの演出であれば、枠ボタン22の操作に基づいて、リーチ図柄と同一の図柄が現出されるまで投げるが実行できないようになっている。
本制御例では、投げる演出(図77(a)参照)が3度実行されれば、大当たりを報知する演出(図78(b)参照)が実行されるように構成されている。具体的には、7の図柄でリーチとなっている場合は、4の図柄を投げる演出から開始される。枠ボタン22の操作に基づいて、4の図柄を投げる演出が実行されると、次いで、5の図柄を投げる演出に移行する。同様に5の図柄を投げる演出が実行されると、6の図柄を投げる演出に移行し、6の図柄を投げる演出が実行されると、7の図柄が現出されることとなる。
一方、大当たりのスーパーリーチBの演出において、枠ボタン22が押下されなかった場合は、投げる演出が行われなかったにも関わらず大当たりとなるため、通常の大当たりを報知する演出(通常演出)とは異なる演出(差替演出)が実行される。ここで、スーパーリーチBでは、大当たりを報知する演出が実行されるまでに、複数回の枠ボタン22の操作が必要となる。そこで、大当たりを報知する演出の実行までに、枠ボタン22の操作が不足すると考えられるタイミング(差替タイミング)にて、予め、通常演出が差替演出に差し替えられる。この差替タイミングは、枠ボタン22の操作回数に応じて可変されるものであり、詳細は後述する。
まず、図75(a)を参照して、スーパーリーチBの演出において、枠ボタン22が一度も押下されなかった場合について説明する。スーパーリーチBの変動が開始されると、図柄の変動(通常演出)が開始される。そして、上図柄列Z1と下図柄列Z3とがリーチとなる表示態様で停止され、リーチ演出が開始される。このリーチ演出の期間は枠ボタン22の押下に基づく演出が実行される、枠SW有効期間となっている。この枠SW有効期間において、枠ボタン22の押下が無い場合は、差替タイミングにおいて、大当たりを報知する演出が差替演出に差し替えられる。これにより、枠ボタン22の押下がなく、投げる演出が無いにも関わらず大当たりとなっても、遊技者にとって違和感のない大当たりの報知を実行することができる。
次に、図75(b)を参照して、スーパーリーチBの演出において、枠ボタン22が一度だけ押下された場合について説明する。スーパーリーチBの変動が開始されると、上述した図75(a)の場合と同様に、上図柄列Z1と下図柄列Z3とがリーチとなる表示態様で停止され、リーチ演出が開始される。そして、枠SW有効期間において枠ボタン22が押下されたことに基づき、図柄を投げる演出である有効演出が実行される。ここで、当該ボタン操作に基づいて実行される、図柄を投げる演出(有効演出)または図柄を投げない演出(偽演出)は、音声ランプ制御装置113の演出カウンタ223iに基づいて抽選されるものである。
有効演出が実行されると、大当たりを報知する演出の実行までに、枠ボタン22の操作が不足すると考えられるタイミング(差替タイミング)が変化するため、差替タイミングが遅延時間dt分だけ遅延される。これにより、大当たりを報知する演出の実行までに、枠ボタン22の操作が間に合うにもかかわらず、大当たりを報知する演出が差し替えられてしまうことを防ぐことができる。
図75(b)では、一度枠ボタン22が押下された後、枠ボタン22が押下されないため、上述のように遅延時間dt分だけ遅延された、差し替えタイミング(変更後)において、大当たりを報知する演出が差替演出に差し替えられることになる。
次に、図76(a)を参照して、スーパーリーチBの演出において、枠ボタン22が押下され、大当たりを報知する演出が差し替えられることなく、大当たりが報知される場合について説明する。
スーパーリーチBの変動が開始されると、上述した図75(a),(b)の場合と同様に、上図柄列Z1と下図柄列Z3とが7の図柄でリーチとなる表示態様で停止され、リーチ演出が開始される。そして、枠SW有効期間において枠ボタン22が押下されたことに基づき、有効演出または偽演出が実行される。図76(a)では、一度目の押下によって4の図柄を投げることのできない演出である、偽演出が実行さる。そして、2度目および3度目の押下によって有効演出が実行され、キャラクタの持っている図柄が6の図柄に変更される。この6の図柄が表示されている状態において、停止可能期間に枠ボタン22が押下されると、有効演出となる停止表示演出が実行され、7の図柄が現出する停止表示が実行される。
一方、停止可能期間でない場合に枠ボタン22が押下されても有効演出が実行されることはなく、偽演出が実行されるよう構成されている。これにより、停止表示の表示期間が不足するような早いタイミングで、停止表示の演出が実行されることを防ぐことができる。
次に、図76(b)を参照して、スーパーリーチBの演出において、枠ボタン22が押下され、大当たりを報知する演出が差し替えられることなく、外れが報知される場合について説明する。
図76(b)では、上述した図76(a)と同様に、枠SW有効期間において、3度の枠ボタン22の操作に基づいて、偽演出と2回の有効演出が実行され、6の図柄が現出した状態となる。ここで、図76(a)では、停止可能期間に枠ボタン22が押下されることで、有効演出となる停止表示演出が実行され、7の図柄が現出された。一方、図76(b)では、停止可能期間に枠ボタン22が押下されることで、偽演出となる停止表示演出が実行され、7の図柄が現出しないようになっている。これにより、外れのスーパーリーチBの表示態様が実行されているにも関わらず、大当たりとなる図柄が表示されてしまうことを防ぐことができる。
図77(a)は、上述した通り、スーパーリーチBにおいて、7の図柄でリーチとなった場合に、枠ボタン22に基づく有効演出が実行されていない画面を例示したものである。画面左上には7の図柄でリーチとなったことを示唆するために、7の図柄が表示されている。また、画面中央のキャラクタは4の図柄を持っており、有効演出が3度実行されることにより、当該図柄が5の図柄→6の図柄→7の図柄と変化して、リーチ図柄である7の図柄が表示されることとなる。画面右下部には、枠SW有効期間を示すインジケータが表示されている。
図77(b)は、上述したとおり、スーパーリーチBの枠SW有効期間において、4の図柄が表示されている場合に、枠ボタン22の操作に基づいて、有効演出が実行された画面を例示したものである。画面中央のキャラクタが枠ボタン22の操作に基づいて、4の図柄を投げる演出が表示される。
図78(a)は、上述した差替演出により大当たりとなった画面の一例を示す図である。差替演出による大当たりの報知は、枠ボタン22の操作が実行されていないにも関わらず、大当たりとなる場合に実行される。この場合、枠ボタン22の操作が実行されていないため、外れの態様で停止表示が行われる。そこで、本制御例では、当該停止表示の後に、図78(a)のような、「復活大当たり」との文字が表示される大当たりを報知する演出が実行される。これにより、遊技者には、外れに見せかけた大当たりの演出であると認識させることができる。その結果、外れの態様で停止表示されたにも関わらず大当たりが報知されることにより、遊技者が感じる違和感を低減することができる。
図78(b)は、差し替えが行われない通常演出により、大当たりが報知される演出を例示した図である。この演出は、図76(a)のように、枠SW有効期間において枠ボタン22が規定回数押下されて大当たりの図柄が現出した場合の図である。図78(b)では、停止可能期間の枠ボタン22の押下に基づいて、6の図柄が画面右上に投げられる演出となっている。
<第1制御例における電気的構成について>
次に、図79および80を参照し、主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図79を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図92参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図100参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203のカウンタ用バッファ203hに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入賞口64または第2入賞口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図92参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図100参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類の判定値が含まれる。即ち、それぞれの状態においてテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「0〜2」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図81(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「3/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「0〜29」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図81(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「3/40」となる。
また、本制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されており、この第1当たり種別カウンタC2の値と、ROM202内に設けられている第1当たり種別選択テーブル202b(図81(c)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。図81(c)に示すように、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜24」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となり、乱数値が「25〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。また、乱数値が「50〜74」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となり、乱数値が「75〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」となる。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本制御例では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本制御例ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入賞口64または第2入賞口640への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。また、低確率状態では、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入賞口64または第2入賞口640への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。ここで、変動時間とは、特別図柄の変動が開始されてから、図柄が停止表示され、図柄が確定するまでの時間のことを指す。例えば、9.6秒の図柄変動が実行された後で、図柄が0.4秒間だけ停止表示されて図柄が確定する場合には、変動時間が10秒(9.6秒+0.4秒)であると表記する。この変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図100参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図82(a)〜(d)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている(図82(a)参照)。
この変動パターン選択テーブル202d(図82(a)〜(d)参照)には、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりノーマルリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターン選択テーブル202dに規定された各種変動パターンから、抽選結果や停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。なお、この変動パターン選択テーブル202dに規定されている、5秒〜30秒の変動パターン演出の変動時間としては、例えば、5秒〜30秒の変動時間が規定されている。
ここで、スーパーリーチの種類について説明する。本制御例では、スーパーリーチの種類として、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」および、その他スーパーリーチ各種が規定されている。「スーパーリーチA」は、上述した図68〜図71の演出画面を一例とする、遊技者が枠ボタン22を押下することに基づく演出を行うリーチ演出であり、「スーパーリーチB」は、上述した図77および図78の演出画面を一例とする、遊技者が枠ボタン22を押下することに基づく演出を行うリーチ演出である。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図81(d))によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通図柄始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通図柄始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図92参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図100参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図80に戻り、説明を続ける。RAM203は、図79に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図100参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図99参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図98参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図50に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変中フラグ203eと、時短中カウンタ203fと、先読み確変中フラグ203g、カウンタ用バッファ203hと、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、第1入賞口64および第2入賞口640用の記憶エリアであり、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入賞口64または第2入賞口640へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入賞口64または第2入賞口640へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、それらの値を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、各カウンタC1〜C3の各値を抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が普通図柄始動口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入賞口64または第2入賞口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入賞口64または第2入賞口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図95のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに第1特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図93のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図93のS206、図95のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、普通図柄始動口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が普通図柄始動口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図97のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図96のS505参照)。
球が普通図柄始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図97のS605)。一方、球が普通図柄始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図97のS603:No)。
確変中フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変中フラグ203eの値がオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変中フラグ203eの値がオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変中フラグ203eは、初期値がオフに設定されており、主制御装置110において、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖するタイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)に大当たり種別に応じた値が設定される。具体的には、「大当たり種別A」または「大当たり種別B」の場合はオンが設定され、「大当たり種別C」および「大当たり種別D」の場合はオフが設定される。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図59参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、確変中フラグ203eの値が参照され、その値がオンであれば、第1当たり乱数テーブル202aにおける高確率時用の判定値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変中フラグ203eの値がオフであれば、第1当たり乱数テーブル202aにおける低確率時用の判定値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖するタイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)に大当たり種別に応じた値が設定される。具体的には、「大当たり種別A」または「大当たり種別C」の場合は100が設定され、「大当たり種別B」または「大当たり種別D」の場合は0が設定される。その後、時短中カウンタ203fの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図57のS223)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203fの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図62のS710,S711参照)。
カウンタ用バッファ203hは、上述したように、各カウンタ値がカウントされる為に用いられるバッファエリアである。
その他メモリエリア203zは、上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
次に、図81および図82を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているROM202について説明する。このROM202は、上述の通り、当該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したものである。
図81(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図81(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン選択テーブル202dが少なくとも設けられている。
第1当たり乱数テーブル202a(図81(b)参照)は、上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値が規定されたテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)と、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)とが設けられており、それぞれのテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別選択テーブル202bは、(図81(c)参照)は、大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が、大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。図81(c)に示した通り、第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たりA、大当たりB、大当たりC、そして大当たりDがそれぞれ選択可能に設定されており、大当たりAの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜24」、大当たりBの判定値として「25〜49」、大当たりCの判定値として「50〜74」、大当たりDの判定値として「74〜99」が設定されている。
第2当たり乱数テーブル202c(図81(d)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図81(d)に示した通り、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)は、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC3の値が5〜28の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。
一方、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)は、第2当たり乱数カウンタC3の値が5〜204の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640に付随する電動役物640aが「1秒間×2回」開放される。
次に、図82を参照して、変動パターン選択テーブル202dについて説明する。変動パターン選択テーブル202d(図82(a)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターン選択テーブル202dには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図82(a)に示すように、変動パターン選択テーブル202dは、当否判定結果が大当たりである場合専用の大当たり用変動パターンテーブル202d1(図82(b)参照)と、当否判定結果が外れであり、通常遊技状態である場合専用の外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図82(c)参照)と、当否判定結果が外れであり、確変遊技状態である場合専用の外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3(図82(d)参照)によりそれぞれ少なくとも構成されている。
ここで、各変動パターンテーブルにより選択される各種スーパーリーチには、変動種別カウンタCS1の値によって選択される、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」またはその他のスーパーリーチが含まれている。この変動パターンテーブルによって選択されたスーパーリーチの種別は、主制御装置110から音声制御装置113に送信され、音声制御装置113から表示制御装置114に送信されることにより、各種スーパーリーチの演出が実行される。
次に、図83を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223について説明を行う。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブルが少なくとも格納されている。変動パターンテーブルについては、既に公知のものであるため簡単に説明するが、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定する。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。
また、図83に示した通り、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、電源断フラグ223eと、枠SW有効期間223fと、差替タイミング223gと、差替フラグ223hと、演出カウンタ223iと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報である各カウンタC1〜C3の各値がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入賞口64または第2入賞口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において第1特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図104のS1308参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図104のS1302参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図105のS1402参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図103参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図104のS1305参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図105のS1410参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)が設定される。また、設定された停止種別は、表示用停止種別コマンドによって、表示制御装置114に通知される。表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
電源断フラグ223eは、主制御装置110からの停電検知を示すコマンドを受信することにより、オンに設定される。その後、立ち上げ処理において、電源断フラグ223eがオンであると判別された場合に、RAMの作業領域をクリアすると共に、オフに設定される。
枠SW有効期間223fは、スーパーリーチAまたはスーパーリーチBの演出において、枠ボタン22の操作に基づく演出が可能な期間を示すためのカウンタである。この枠SW有効期間223fは、スーパーリーチAまたはスーパーリーチBが実行される際に設定され、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ms毎に実行されるSW入力監視・演出処理(図106参照)で、1ずつ減算されるものである。
差替タイミング223gは、スーパーリーチBにおいて枠ボタンの押下がなかったにも関わらず大当たりを報知するための演出に差し替えるためのタイミングを示すものである。この差替タイミング223gは、スーパーリーチB時操作処理(図109参照)において参照され、枠ボタン22の押下に基づく有効演出の実行回数に基づいて再設定されるものである。
差替フラグ223hは、スーパーリーチB時操作処理(図109参照)において、差替タイミングを経過したと判別された場合に、差替演出が設定された場合にオンに設定されるものである。これにより、一度差替演出が設定された後に、再度差替タイミングを経過したと判別されることにより、重複して差替演出が設定されることを防止できる。この差替フラグ223hは、枠SW有効期間が0となった場合にオフに設定(初期化)される。
演出カウンタ223iは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図103参照)において更新されるものである。この演出カウンタ223iによって、枠ボタン22の押下に基づく演出の態様が選択される。
その他メモリエリア223zは、上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図104参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図84を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図98参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図84を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図84は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本制御例において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本制御例では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本制御例において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図111のS1901参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図91参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図112(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入賞口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図40のS1803,S1804参照)。電源投入時主画像は、電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される画像であり、通常遊技中に表示される画像に比べてデータ量が少なく、簡素な画像である。このため、電源投入後に迅速に画像データを転送し、画像を表示させることができる。
電源投入時主画像の表示中に、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は「○」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」図柄と「×」図柄とが交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図16に戻って説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図88を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図88は、2種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図88(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図88(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
背面A及びBに対応する背面画像は、図88に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置a、および位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、超背景予告に用いる背面画像(図示せず)は、上述した背面Aおよび背面Bと異なり、水平方向のみならず、垂直方向にもスクロール表示が可能な画像となっている。これにより、水平方向または垂直方向へのスクロール表示が可能となっている。また、超背景予告に用いる画像はスクロール表示が可能であると共に、時間の経過とともに変化する画像が含まれている。これにより、特定画像(扉の画像)が所定時間において点滅する表示を実行することができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図88(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図88(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像を常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bおよび背面Cについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図84参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図84に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入賞口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶したりするためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、入賞情報格納エリア233k、遊技状態保存領域233m、変動履歴格納エリア233n、表示演出カウンタ233o、継続カウンタ233p、背面画像変更フラグ233q、超背景フラグ233r、マップ記憶エリア233s、マス設定テーブル格納エリア233t、マスイベント記憶エリア233u、ルート履歴記憶エリア233w、背景追加フラグ233xおよび扉内変動回数カウンタ233yを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA〜Dのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、第3図柄が表示されなくなると共に、背面画像が変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、確定表示演出、デモ演出がそれぞれ格納される。ここで、図86を参照して、データテーブル格納エリア233bの詳細について説明する。図86は、このデータテーブル格納エリア233bの内容を模式的に示した模式図である。
まず、データテーブル格納エリア233bには、変動演出に対応する変動演出用テーブル格納エリア、オープニング演出に対応するオープニング演出用テーブル格納エリア、ラウンド演出に対応するラウンド演出用テーブル格納エリア、エンディング演出に対応するエンディング演出用テーブル格納エリア、確定表示演出に対応する確定表示演出用テーブル格納エリア、デモ演出に対応するデモ演出用テーブル格納エリアが用意されている。
ここで、変動演出用テーブル格納エリアには、通常の変動演出を実行するための変動演出用表示データテーブル各種、停止表示を実行するための停止表示用表示データテーブル各種が設けられている。また、上述したスーパーリーチAを実行するためのスーパーリーチA用表示データテーブル各種が設けられている。さらに、上述したスーパーリーチBを実行するためのスーパーリーチB用表示データテーブル各種が設けられており、スーパーリーチBの演出にて用いられる、有効演出を実行するための投げ表示用表示データテーブル各種と、偽演出を実行するための偽投げ表示用表示データテーブル各種が設けられており、差替演出を実行するための差替表示用表示データテーブル各種が設けられている。
また、その他のオープニング演出用テーブル格納エリアなどには、それぞれの演出に対応する表示データテーブルが複数種類設けられている。
次に、図89を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図89は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像(例えば、超背景予告演出に対応する画像)を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図20の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図22参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図90を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図90は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図90のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図90のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図21の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図91参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図91の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、上述した電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図110参照)の中でオンに設定される(S1905参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図130(b)のS4405参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図112(b)のS2201参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図112(b)のS2208参照)および簡易表示設定処理(図112(b)のS2209参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図113〜図126参照)および表示設定処理(図127〜図130参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図130(a)のS4301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図130(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図131参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図91参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図91参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図91参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図91(b)のS2203参照)の中で、ポインタ更新処理(図129のS3005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図91参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図91を参照して、描画リストの詳細について説明する。図91は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図91に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトを最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトを最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図112(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図127のS4007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図110のS1902参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図131参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図131のS4513参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図131のS4514参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図132のS4602参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図112(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図132のS4602参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
入賞情報格納エリア233kは、音声ランプ制御装置113から受信した入賞情報を格納する領域であり、超背景予告時などにおいて、保留内に大当たりがあるか否かを判別する際に用いられる。
遊技状態保存領域233mは、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、受信した変動パターンコマンドから遊技状態が抽出され、保存される。この遊技状態保存領域233mは、大当たり関連コマンド処理(図118)で実行されるオープニングコマンド処理(S2902)において、開始される大当たりが継続した大当たりであるか否かの判別に用いられる。具体的には、確変中または時短中であると判別された場合は、継続した大当たりであると判別され、その他の場合は継続した大当たりでないと判別される。
変動履歴格納エリア233nは、遊技状態保存領域233mと同様に、変動パターンコマンド処理において、受信したコマンドに基づく変動パターンが格納される領域である。この変動履歴格納エリア233nは、大当たり開始時に実行されるオープニングコマンド処理(図119)における、マップ設定処理(S3001)にて、マスイベントを設定する際に用いられる。具体的には、マスイベント設定テーブル格納エリア233tでの説明にて後述する。
表示演出カウンタ233oは、0〜198のループカウンタであり、表示制御装置114のV割込処理(図112)で実行されるカウンタ更新処理(S2207)において更新される。この表示演出カウンタは、超背景演出処理(図115参照)において背景種別を選択する場合や、マップ設定処理(図120)においてマスイベントを設定する場合や、超背景中SW処理(図124参照)において背景種別を選択する場合や、大当たり中SW処理(図125参照)においてオンに設定する背景追加フラグを選択する場合などに用いられるものである。
継続カウンタ233pは、大当たり演出の開始時に実行されるマップ設定処理(図120参照)において、継続した大当たりであると判別された場合に、加算されるものである。この継続カウンタ233pの値と、上述した表示演出カウンタ233oの値とに基づいて、後述するマス設定テーブル格納エリア233tに規定された、マスイベントが設定されるように構成されている。この継続カウンタ233pは、大当たりの継続が終了した時点(遊技状態が通常になった時点)で0に初期化されるものである。
背面画像変更フラグ233qは、音声ランプ制御装置113から背面画像変更コマンドを受信した場合に、背面画像変更コマンド処理(図122参照)において、オンに設定される。この背面画像変更フラグ233qがオンに設定されると、通常画像転送設定処理(図131参照)において、
超背景フラグ233rは、背面画像変更コマンド(図122参照)において、超背景予告に対応する背面画像判別フラグがオンに設定された場合に、オンに設定される。この超背景フラグ233rがオンに設定されることで、超背景予告の演出中であると判別される。これにより、音声ランプ制御装置113からSW関連コマンドを受信した場合に、SW関連コマンド処理(図123参照)において、超背景中SW処理(S3602)が実行されるようになる。この超背景中SW処理は、超背景予告の演出中の選択スイッチ270などの操作に基づく処理を行うものである。この超背景フラグ233qは超背景予告演出の終了時にオフに設定される。
マップ記憶エリア233sは、大当たり演出において設定されたマップやマスイベントの情報を記憶する領域である。このマップ記憶エリア233sは、大当たり演出の終了時である、エンディングコマンド受信時の処理において、マップとマスイベントとの情報が記憶され、継続した大当たりが実行される場合に、読みだされる領域である。これにより、継続した大当たりが実行される場合において、前回設定したマップとマスイベントとを読みだすことができ、継続した大当たり演出を実行することができる。
マス設定テーブル格納エリア233tは、大当たり演出の開始時に実行されるマップ設定処理(図120参照)において、マスイベントを設定する際に参照される。ここで、図87を参照して、マス設定テーブル格納エリア233tの詳細について説明する。図87(a)は、このマス設定テーブル格納エリア233tの内容を模式的に示した模式図である。
マス設定テーブル格納エリア233tには、通常マス設定テーブル233t1と、継続マス設定テーブル233t2とが格納されている。
通常マス設定テーブル233t1は、初回のマップを読み込む場合(大当たりが継続しておらず、コンティニュマスの通過履歴もない場合)に、マスイベントを設定するために参照されるテーブルである。
通常マス設定テーブル233t1には、大当たり種別と表示演出カウンタ233oとの値に基づいて、マスイベントのパターンA〜Cが規定されている。ここで大当たり種別は、変動履歴格納エリア233nの情報を用いて判別する。例えば、大当たり種別が「大当たりA」であり、表示演出カウンタ233oの値が「10」の場合は、マスイベントとして「パターンB」が設定される。
次に、継続マス設定テーブル233t2は、継続したマップを読み込む場合(大当たりが継続している、または、コンティニュマスの通過履歴がある場合)に、マスイベントを設定するために参照されるテーブルである。
継続マス設定テーブル233t2には、継続回数(継続カウンタ233pの値)と表示演出カウンタ233oとの値に基づいて、マスイベントのパターンA〜Eが設定されている。例えば、継続回数(継続カウンタ233pの値)が「5」であり、表示演出カウンタ233oの値が「10」の場合は、マスイベントとして「パターンB」が設定される。なお、本制御例では、継続回数が5回以上の場合に、マスイベントの「パターンD」が設定される可能性があり、継続回数が10回以上の場合に、マスイベントの「パターンE」が設定される可能性があるように構成している。これにより、大当たりが継続した場合にのみ設定される特別なマスイベントを設定することができる。
マスイベント記憶エリア233uは、大当たり演出中に選択されたマスのイベントを記憶する領域である。具体的には、大当たり中SW処理(図125)において、決定スイッチ270eが押下された場合に、S3807の処理によって、決定したマスのイベントがマスイベント記憶エリアへ格納される。このマスイベント記憶エリア233uに格納されたマスイベントは、ラウンド演出を実行するためのラウンド数コマンド処理(図119参照)のS3101の処理において参照され、ラウンド数表示データテーブルの決定に用いられる。これにより、決定したマスのイベントの対応したラウンド演出が実行することができる。
ルート履歴記憶エリア233wは、大当たりの演出において、選択された(通過した)マスを記憶する領域である。このルート履歴記憶エリア233wは、大当たり中SW処理(図125参照)において、決定スイッチ270eが押下された場合に、選択されたマスの情報が追加される。これにより、マップ設定処理(図120参照)において、コンティニュマスの通過履歴の有無や、未通過マスの有無などを判別することができる。
背景追加フラグ223xは、大当たりの演出において、選択されたマスイベントに応じてオンに設定されるフラグである。この背景追加フラグ223xがオンに設定されることにより、背面画像変更コマンドを受信した場合において、該当する追加背景が設定可能となる。
扉内変動回数カウンタ223yは、超背景予告ステージにおける扉内背景の表示中に実行された変動回数をカウントするための領域である。この扉内変動回数カウンタ223yは、扉内背景の設定時に所定値(本制御例では20)に設定され、その後の変動が実行される毎に1減算されるもの。この扉内変動回数カウンタ223yが0になると、入賞情報格納エリア233kを参照し、保留内に大当たりがあれば、高確率で同一の扉内背景が再度設定され、保留内に大当たりがなければ、高確率で扉内背景以外の背景が設定される。
<第1制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図92から図101のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図92は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入賞口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図93〜図95を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図96および図97を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図93を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図93は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図92参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図94を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、第1図柄表示装置37の表示内容を更新して(S210)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S211)。停止図柄の設定は、図94を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAから大当たりDのいずれとなるかが決定される。
なお、本制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S211の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212:Yes)、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S213)、本処理を終了する。S213の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図100参照)の中で大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。加えて、S213の処理では、確変中フラグ203eがオフに設定されたり、時短中カウンタ203fの値に0が設定されたりする。大当たり中の状態を、初期状態と同じ状態とするためである。
S212の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212:No)、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S214)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S214:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S215)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S214:No)、S215の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図94を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図94は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図92参照)の特別図柄変動処理(S104)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、または「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変中フラグ203eがオンであるかを判定する(S302)。確変中フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変中フラグ203eがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変中フラグ203eがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であることを示す。
確変中フラグ203eがオンである場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時用の大当たり判定値とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている30の高確率時用の大当たり判定値と1つ1つ比較する。上述したように、高確率時における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜29」の30個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変中フラグ203eがオフである場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aの低確率時用の大当たり判定値とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている3の低確率時用の大当たり判定値と比較する。上述したように、低確率時における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜2」の3個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA〜D)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲にあれば、大当たりA(16ラウンド確変大当たり)であると判定し、「25〜49」の範囲にあれば、大当たりB(4ラウンド確変大当たり)であると判定し、「50〜74」の範囲にあれば、大当たりC(16ラウンド時短大当たり)であると判定し、「74〜99」の範囲にあれば、大当たりD(4ラウンドの時短大当たり)であると判定する(図81(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA〜D)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37A,37Bの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA〜D)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「完全外れ」、「外れノーマルトリーチ」、「外れスーパーリーチ」、「外れスペシャルリーチ」が規定され、大当たり用の変動パターンとしては、「当たりノーマルリーチ」、「当たりスーパーリーチ」、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
ここで、「当たりスーパーリーチ」、「外れスーパーリーチ」の各種には、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」および、その他のスーパーリーチが含まれており、変動種別カウンタCS1の数値に基づいて、S307またはS309の処理において選択される。本制御例では、スーパーリーチの種別(「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」など)を主制御装置110のMPU201にて選択するように構成したが、これに限られず、音声ランプ制御装置113のMPU221にて選択するように構成してもよい。これにより、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306、またはS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図100参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図95のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図95は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図92参照)の中で実行され、第1入賞口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入賞口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入賞口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入賞口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入賞口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入賞口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、この処理を終了する。一方、第1入賞口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S406の処理で格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S407)。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定する(S408)。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、遊技状態が確変大当たりであるか否かを判別する(S409)。S409の処理において、遊技状態が確変大当たりであると判別された場合には(S409:Yes)、RAM203に設けられた先読み確変中フラグ203gをオンに設定し(S410)、この処理を終了する。一方、遊技状態が確変大当たりではないと判別された場合には(S409:No)、S411の処理へ移行する。
S411の処理では、遊技状態が時短大当たりであるか否かを判別し(S411)、遊技状態が時短大当たりであると判別された場合には(S411:Yes)、RAM203に設けられた先読み確変中フラグ203gをオフに設定し(S412)、この処理を終了する。一方、S411の処理において、遊技状態が時短大当たりではないと判別された場合には(S411:No)、S412の処理をスキップして、この処理を終了する。
次に、図96のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図96は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図92参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定する(S508)。なお、時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203fの値が1以上である場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本制御例では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。
特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、特定入賞口65aの直ぐ上に設けられている第2入賞口640に、球が入球しやすい状態となる。ここで、本制御例では、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放されないようにしている。これにより、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第2入賞口640に入ることをできるだけ抑制することができる。
なお、特別図柄の大当たり中に第2入賞口640に球が入ることを抑制していても、第1入賞口64には球が入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入賞口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図81(d)参照)。
S508の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、または、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図81(d)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S514)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本制御例では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入賞口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640aの開放回数および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S519)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図100参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図100参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図97のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図97は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図92参照)の中で実行され、普通入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が普通入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。なお、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図98は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図99を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図99は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS810へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS810へと移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS810へ移行する。なお、メイン処理(図100参照)のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S810の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S810)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S811,S812)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S811,S812)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S811,S812)を実行する。RAMの初期化処理(S811,S812)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S811)、その後、RAM203の初期値を設定する(S812)。RAM203の初期化処理の実行後は、S813の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S813の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S813の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S814)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図100を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図100は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図92参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図92参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図93参照)や始動入賞処理(図95参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図95参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図101参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本制御例では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図96参照)のS525の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。なお、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS516の処理、またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図94参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37のLED37A,37Bの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図94参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図94参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図96参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図96参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図96参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図98のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存したりしなくても、初期設定の処理(S801)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり、暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図101のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図101は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図100参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図93参照)のS213の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1002)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1003)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1003の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1003:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1003の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1003:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1004)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1004:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1005)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1006)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1004:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1007)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1007の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1007:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1008)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1007:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1009)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16または4ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1009の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1009:Yes)、エンディングコマンドを設定する(S1010)。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図100参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。次いで、今回の大当たりが大当たりAまたは大当たりBであるか否かを判別し(S1011)、大当たりAまたは大当たりBであれば(S1011:Yes)、大当たりAまたは大当たりBの終了後に特別図柄の高確率状態へと移行させるために、確変中フラグ203eをオンに設定して(S1012)、処理をS1015へと移行する。
S1011の処理において、今回の大当たりが大当たりAまたは大当たりでない(即ち、大当たりCまたは大当たりDである)と判別した場合は、大当たりCまたは大当たりDの終了後に普通図柄の時短状態へと移行させるために、確変中フラグ203eをオフに設定し(S1013)、時短中カウンタ203fの値に100を設定し(S1014)、処理をS1015へと移行する。S1013、またはS1014の処理後に実行されるS1015の処理では、大当たりの終了を設定して、本処理を終了する。
一方、S1009の処理において、エンディングの開始タイミングでない場合には(S1009:No)、本処理を終了する。この大当たり制御処理(図101参照)により、大当たりに関する各種設定を行うことができる。
<第1制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図102から図109を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図102を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図102は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1217の電源断処理の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図103を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図103のS1214参照)、S1217の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1217の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1217の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1104)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1108の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグはS1217の電源断処理の実行時にオンされる(図103のS1216参照)。つまり、電源断フラグは、S1217の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定し(S1111)メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109をスキップして、処理をS1110へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へ移行する。
なお、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図103を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図103は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1201の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1201)、1m秒以上経過していなければ(S1201:No)、S1202〜S1311の処理を行わずにS1212の処理へ移行する。S1201の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1202〜S1311が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1212のコマンド判定処理や、S1213の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1212の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1213の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1201の処理で1m秒以上経過していれば(S1201:Yes)、まず、S1203〜S1213の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1202)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1208の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1203)、その後電源投入報知処理を実行する(S1204)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1205の処理へ移行する。
S1205の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1206)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、SW入力監視・演出処理が実行される(S1207)。このSW入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22や選択スイッチ270が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22等の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22等の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して操作されたスイッチに基づくSW関連コマンドを設定する。このSW入力監視・演出処理の詳細は図106を参照して後述する。
SW入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1208)、その後音編集・出力処理を実行する(S1209)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1209の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1210)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1208のランプ編集処理が実行される。なお、S1209の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1210の処理が終了すると、演出カウンタ223iを更新する(S1211)。ここで更新された演出カウンタは、上述したスーパーリーチBにおいて枠ボタン22押下時の演出の選択等に用いられる。なお、本制御例では、メイン処理において演出カウンタ223iを更新するようにしたが、これに限られず、割り込み処理を設けて更新するようにしても良い。
S1211の処理を終えると、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理が実行される(S1212)。このコマンド判定処理の詳細については、図104を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1213)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図105を参照して後述する。
S1213の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1214)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1214の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別した場合は(S1214:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1216)、電源断処理を実行する(S1217)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1218)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1214の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1214:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1215)、RAM223が破壊されていなければ(S1215:No)、S1201の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1215:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図104を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1212)について説明する。図104は、このコマンド判定処理(S1212)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図103参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1301)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1301:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1302)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出するための変動パターン選択処理を実行して(S1303)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図105参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1304)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1304:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1305)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1306)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図105参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1304:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1307)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1307:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1308)。また、S1308の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1308の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入賞口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1308の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。なお、S1408の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1307の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1307:No)、次いで、主制御装置110より入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S1309)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S1309:Yes)、受信したコマンドから入賞情報を抽出し、入賞情報格納エリア223aへ格納して(S1310)、入賞情報に基づく表示用入賞コマンドを設定して(S1311)、メイン処理に戻る。ここで設定された表示用入賞コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図103参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用入賞コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において入賞情報を入賞情報格納エリア233kに格納する。
S1309の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1309:No)、次いで、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S1312)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S1312:Yes)、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を実行させるための、表示用オープニングコマンドを設定して(S1313)、メイン処理に戻る。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図103参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
一方、S1312の処理において、オープニングコマンドを受信していない場合には(S1312:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1314)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1314:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1315)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1316)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図103参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1314の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1314:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定するそして、エンディングコマンドを受信した場合には(S1317:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1318)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図103参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1317の処理において、エンディングコマンドを受信していない場合には(S1317:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1319)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
本処理により、主制御装置110から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置114に対して各種設定を行うためのコマンドを設定することができる。
次に、図105を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1213)について説明する。図105は、この変動表示設定処理(S1213)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1213)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図103参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1406の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1402)、次いで、コマンド判定処理(図104参照)のS1303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1403)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1404)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、高速変動期間に基づいて、選択SW有効期間を設定する(S1405)。ここで設定された選択SW有効期間に基づいて、後述するSW入力監視・演出処理(図106参照)において、超背景予告時のスイッチ操作の処理を行う超背景時操作処理が実行されるようになる。
S1405の処理を終えると、変動パターンがSW演出であるか否かを判定する(S1406)。S1406の処理において、変動パターンがSW演出(即ち、スーパーリーチAまたはスーパーリーチB)であると判定された場合は、変動パターンに基づいて枠SW有効期間223fと、差替タイミング223gとを設定し、S1408の処理へ移行する。一方、S1406の処理において、変動パターンがSW演出(即ち、スーパーリーチAまたはスーパーリーチB)でないと判定された場合は、S1407の処理をスキップして、S1408の処理へ移行する。
S1408の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S1408)。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1409の処理へ移行する。
S1409の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1409)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1409:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1409:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1410)、次いで、コマンド判定処理(図104参照)のS1306の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1411)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1412)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
ここで、図106を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるSW入力監視・演出処理(S1207)について説明する。図105は、このSW入力監視・演出処理(S1207)を示したフローチャートである。このSW入力監視・演出処理(S1207)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図103参照)の中で実行され、枠ボタン22等の操作に基づいた演出を実行させるために、操作されたスイッチに基づく表示用コマンドを生成し設定する。
SW入力監視・演出処理(S1207)では、まず、選択SW有効期間であるか否かを判定する(S1501)。この選択SW有効期間中であるか否かは上述したように、変動表示設定処理(図105参照)のS1405の処理において高速変動期間に基づいて設定されるものである。
S1501の処理において、選択SW有効期間であると判別された場合は(S1501:Yes)、超背景予告を実行している場合の操作処理である超背景時操作処理を行い(S1502)、本処理を終了する。
ここで、図107を参照して、超背景時操作処理(S1502)について説明する。図105は、超背景時操作処理(S1502)を示したフローチャートである。この超背景時操作処理(S1502)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるSW入力監視・演出処理(図106参照)の中で実行され、超背景予告における選択スイッチ270等のスイッチ操作に基づいた演出を実行させるために、操作されたスイッチに基づく表示用コマンドを生成し設定する処理である。
超背景時操作処理(S1502)では、まず、枠ボタン22が押下されたか否かを判別する(S1601)。S1601の処理にて枠ボタン22が押下されたと判別された場合は(S1601:Yes)、背景画像変更コマンドを設定し(S1602)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この背景画像変更コマンドを受信することによって、背景画像(超背景予告画像や通常背景画像など)が変更される。
一方、S1601の処理にて枠ボタン22が押下されていないと判別された場合は(S1601:No)、決定スイッチ270eが押下されたか否かを判別する(S1603)。S1603の処理にて決定スイッチ270eが押下されたと判別された場合は(S1603:Yes)、表示用決定SW押下コマンドを設定し(S1604)、本処理を終了する。表示制御装置114では、超背景予告の特定画像の表示中に、この表示用決定SWコマンドを受信することによって、背景画像が特別背景に変更される。
一方、S1603の処理にて決定スイッチ270eが押下されていないと判別された場合は(S1603:No)、選択スイッチ270a〜270dのいずれかが押下されたか否かを判別する(S1605)。S1605の処理にて選択スイッチ270a〜270dのいずれかが押下されたと判別された場合は(S1605:Yes)、押下された選択スイッチ(270a〜270d)に基づいて表示用選択SW押下コマンドを設定し(S1606)、本処理を終了する。表示制御装置114では、超背景予告の表示中に、この表示用選択SWコマンドを受信することによって、超背景予告のスクロール方向が操作された選択スイッチに基づいて変更される。
図106に戻り、説明を続ける。S1501の処理において、選択SW有効期間でないと判別された場合は(S1501:No)、枠SW有効期間であるか否かを判別する(S1503)。S1503の処理において、枠SW有効期間でないと判別された場合は(S1503:No)、大当たり演出を実行している場合の操作処理である大当たり時操作処理を行い(S1504)、本処理を終了する。
ここで、図108を参照して、大当たり時操作処理(S1504)について説明する。図108は、大当たり時操作処理(S1504)を示したフローチャートである。この大当たり時操作処理(S1504)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるSW入力監視・演出処理(図106参照)の中で実行され、大当たり演出時における選択スイッチ270等のスイッチ操作に基づいた演出を実行させるために、操作されたスイッチに基づく表示用コマンドを生成し設定する処理である。
大当たり時操作処理(S1504)では、まず、決定スイッチ270eが押下されたか否かを判別する(S1701)。S1701の処理にて決定スイッチ270eが押下されたと判別された場合は(S1701:Yes)、表示用決定SW押下コマンドを設定し(S1704)、本処理を終了する。表示制御装置114では、大当たり演出におけるイベントマス選択時に、この表示用決定SW押下コマンドを受信すると、イベントマスが決定され、そのマスに応じた演出が実行される。
一方、S1701の処理にて決定スイッチ270eが押下されていないと判別された場合は(S1701:No)、選択スイッチ270a〜270dのいずれかが押下されたか否かを判別する(S1703)。S1703の処理にて選択スイッチ270a〜270dのいずれかが押下されたと判別された場合は(S1703:Yes)、押下された選択スイッチ(270a〜270d)に基づいて表示用選択SW押下コマンドを設定し(S1704)、本処理を終了する。表示制御装置114では、大当たり演出におけるイベントマス選択時に、この表示用選択SWコマンドを受信することによって、選択されるイベントマスが操作された選択スイッチに基づいて変更される。
図106に戻り、説明を続ける。S1503の処理において枠SW有効期間であると判定された場合は(S1503:Yes)、枠SW有効期間223fの値を1減算し(S1505)、スーパーリーチAの変動中であるか否かを判別する(S1506)。S1506の処理にてスーパーリーチAの変動中であると判別された場合は(S1506:Yes)、枠ボタン22が押下されたか否かを判別する(S1507)。
S1507の処理にて枠ボタン22が押下されたと判別された場合は(S1508)、表示用有効押下コマンドを設定し(S1508)、本処理を終了する。一方、S1507の処理にて枠ボタン22が押下されていないと判別された場合は(S1507:No)、S1508の処理をスキップして、本処理を終了する。表示制御装置114では、S1508の処理にて設定される表示用有効押下コマンドを受信すると、スーパーリーチAの演出において停止表示(例えば、図70(b)、図71(a))が実行される。
一方、S1506の処理において、スーパーリーチAでないと判別された場合は(S1506:No)、スーパーリーチBであるか否かを判別する(S1509)。S1509の処理にてスーパーリーチBでないと判別された場合は(S1509:No)、スイッチ操作に基づく処理はないため、そのまま本処理を終了する。
S1509の処理にてスーパーリーチBであると判別された場合は(S1509:Yes)、スーパーリーチBの演出中におけるスイッチ操作に基づく処理を実行するための、スーパーリーチB時操作処理を実行し(S1510)、本処理を終了する。
ここで、図109を参照して、スーパーリーチB時操作処理(S1510)について説明する。図109は、スーパーリーチB時操作処理(S1510)を示したフローチャートである。このスーパーリーチB時操作処理(S1510)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるSW入力監視・演出処理(図106参照)の中で実行され、スーパーリーチBにおける枠ボタン22の操作に基づいた演出(例えば、図77(b))を実行させるために、表示用コマンドを生成し設定する処理である。
スーパーリーチB時操作処理(S1510)では、まず、枠SW有効期間が0より大きいか否かを判別する(S1801)。S1801の処理において、枠SW有効期間が0より大きいと判別された場合は(S1801:Yes)、S1803の処理へ移行する。一方、S1801の処理において、枠SW有効期間が0より大きくない(即ち、0である)と判別された場合は(S1801:No)、スーパーリーチBの演出を終了するタイミングであるので、差替フラグをオフにして(S1802)、S1803の処理へ移行する。
S1801またはS1802の処理の後に実行されるS1803の処理では、枠ボタン22が押下されたか否かを判別する(S1803)。S1803の処理において、枠ボタン22が押下されていないと判別されると(S1803:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1803の処理において、枠ボタン22が押下されたと判別されると(S1803:Yes)、演出カウンタ223iの値を取得し(S1804)、入賞情報格納エリア223aのデータを取得し(S1805)、S1806の処理へ移行する。
S1806の処理では、変動中の入賞情報が大当たりであるか否かを判別する(S1806)。S1806の処理において、変動中の入賞情報が大当たりであると判別された場合は(S1806:Yes)、次いで、S1804の処理において取得した演出カウンタ223iの値が0〜100であるか否かを判別する(S1807)。
S1807の処理おいて、演出カウンタ223iの値が0〜100であると判別された場合は、残有効押下回数=1であり、かつ、停止可能期間でないか否かを判別する(S1808)。S1808の処理において、残有効押下回数=1であり、かつ、停止可能期間でないと判別された場合は(S1808:Yes)、表示用有効押下コマンドを設定し(S1809)、S1811の処理へ移行する。一方、S1807の処理において演出カウンタ223iの値が0〜100でない(即ち、101〜198である)と判別された場合と、S1808の処理において残有効回数=1でない、または、停止可能期間であると判別された場合は(S1808:No)、表示用偽押下コマンドを設定し(S1809)、S1811の処理へ移行する。
S1809またはS1810の処理の後に実行されるS1811の処理では、残有効押下回数と、残枠SW有効期間とに基づいて、差替タイミングを更新する。具体的には、スーパーリーチBには差替タイミングが設けられている。この差替タイミングを経過すると、残枠SW有効期間が少ないにも関わらず、残有効押下回数が多い状態(即ち、残枠SW有効期間では枠ボタン22の押下回数が不足する状態)であると判別され、大当たりを示唆する演出が予め差し替えられる。上述した通り、残枠SW有効期間と残有効押下回数とに基づいて差替タイミングを設けておくことにより、大当たりを示唆する演出を予め設定することができ、残枠SW有効期間経過時の処理負荷を低減することができる。
S1811の処理を終えると、差替フラグ223hがオフであるか否かを判別する(S1812)。S1812の処理において、差替フラグ223hがオフでないと判別された場合は(S1812:No)、既に大当たりを示唆する演出を差し替えるための、表示用差替コマンドが設定されているため、そのまま本処理を終了する。
一方、S1812の処理において、差替フラグ223hがオフであると判別された場合は(S1812:Yes)、差替タイミングを経過したか否かを判別する(S1813)。S1813の処理において、差替タイミングを経過していないと判別された場合は(S1813:No)、まだ差し替えを行う必要はないため、本処理を終了する。S1813の処理において、差替タイミングを経過したと判別された場合は(S1813:Yes)、大当たりを示唆する演出を差し替えるための、表示用差替コマンドを設定し(S1814)、差替フラグ223hをオンに設定し(S1815)、本処理を終了する。
一方、S1806の処理において、変動中の入賞情報が大当たりでないと判別された場合は(S1806:No)、次いで、演出カウンタ223iが0〜50であるか否かを判別する(S1816)。S1816の処理において、演出カウンタ223iが0〜50であると判別された場合は(S1816:Yes)、表示用有効押下コマンドを設定し(S1817)、本処理を終了する。S1816の処理において、演出カウンタ223iが0〜50でない(即ち、51〜198である)と判別された場合は(S1816:No)、表示用偽押下コマンドを設定し(S1818)、本処理を終了する。
<第1制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図110から図132を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図110を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図110は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本制御例のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1901)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図111を参照して、ブート処理(S1901)について説明する。図111は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1901)を示すフローチャートである。
上述したように、本制御例では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2001)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2002)。これにより、MPU231は、S2001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2002の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2002の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2003)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2004)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図110のS1901参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図110のS1902参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S1905)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(図110のS1901参照)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図111に示すブート処理では、S2001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2002の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2003〜S2005の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2001の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S1901及びS1902の処理を含めて複数回繰り返した後、S2003〜S2005の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本制御例では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2001、およびS2002の処理を行わずに、S2003〜S2005の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図110の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1902)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1903)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S1903の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S1904)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1904の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(SS1905)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図130(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図130(a)のS4302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図112(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図112(b)のS2208参照)および簡易表示設定処理(図112(b)のS2209参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入賞口64または第2入賞口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1905の処理の後、割込許可を設定し(S1906)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1906の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図112(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図112(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2101)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図112(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図112(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図91参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図112(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2201)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2201:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2202)を実行し、次いで、表示設定処理(S2203)を実行する。
コマンド判定処理(S2202)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図113〜図126を参照して後述する。
表示設定処理(S2203)では、コマンド判定処理(S2202)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図127〜図129を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2204)。このタスク処理では、表示設定処理(S2203)もしくは簡易表示設定処理(S2209)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2205)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図130および図131を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2206)。この描画処理では、タスク処理(S2204)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2205)により設定された転送指示とから、図91に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図132(a)を参照して後述する。
次いで、カウンタ更新処理(S2207)を実行する。なお、カウンタ更新処理の詳細については図132(b)を参照して後述する。そして、V割込処理を終了する。S2207の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2201の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2201:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2208)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2209)を実行して、S2204の処理へ移行する。
次いで、図113〜図126を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2202)の詳細について説明する。まず、図113は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図113に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2301)、未処理の新規コマンドがなければ(S2301:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2301:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2203)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2302)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2303)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2304)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2304:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2305)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図114(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2305)の詳細について説明する。図114(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、受信コマンドに基づいて、遊技状態保存領域のデータを更新する(S2401)。次いで、受信した変動パターンを変動履歴格納エリアに格納して(S2402)、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bの変動演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2403)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2403の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本制御例のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2403で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2404)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2403の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2405)。表示設定処理では、S2405の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2403の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2406)、ポインタ233fを0に初期化する(S2407)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2408)、超背景演出処理を実行し(S2409)、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2407の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2403の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2404の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2406の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図115を参照して、超背景演出処理(S2409)について説明する。図115は、超背景演出処理(S2409)を示すフローチャートである。この超背景演出処理(S2409)は、超背景予告における扉内背景が表示されている場合に、扉内背景の表示中に実行された変動表示の回数に応じて、扉内背景を終了するか継続するかを決定するための処理である。
超背景演出処理では、まず、扉内変動回数カウンタ233yが0より大きいか否かを判定する(S2601)。S2601の処理において、扉内変動回数カウンタ233yが0であると判定された場合は(S2601:No)、扉内背景の表示中ではないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S2601の処理において、扉内変動回数カウンタ233yが0より大きいと判定された場合は(S2601:Yes)、扉内変動回数カウンタ233yを1減算し(S2602)、扉内変動回数カウンタ223yが0であるか否かを判別する(S2603)。
S2603の処理において、扉内変動回数カウンタ223yが0でないと判別された場合は(S2603:No)、扉内背景の終了タイミングではないため、本処理を終了する。一方、S2603の処理において、扉内変動回数カウンタ223yが0であると判別された場合は(S2603:Yes)、入賞情報格納エリア233kのデータ取得し(S2604)、表示演出カウンタ233oの値を取得して(S2605)、S2606の処理へ移行する。
S2606の処理では、S2604の処理において取得した入賞情報格納エリア233kのデータより、保留内に大当たりがあるか否かを判別する(S2606)。S2606の処理において、保留内に大当たりがあると判別された場合は(S2606:Yes)、次いで、S2605の処理により取得した表示演出カウンタ233oの値が0〜150であるか否かを判別する(S2607)。
S2607の処理において、表示演出カウンタ233oの値が0〜150であると判別された場合は、現在表示している扉内背景と同一の背面画像判別フラグをオンに設定し(S2608)、S2612の処理へ移行する。一方、S2607の処理において、表示演出カウンタ233oの値が0〜150でない(即ち、151〜198である)と判別された場合は(S2607:No)、現在表示している扉内背景と異なる扉内背景に該当する背面画像判別フラグをオンに設定し(S2609)、S2612の処理へ移行する。
一方、S2606の処理において、保留内に大当たりが無いと判別された場合は(S2606:No)、次いで、表示演出カウンタ233oが0〜30であるか否かを判別する(S2610)。S2610の処理において、表示演出カウンタ233oが0〜30であると判別された場合は、現在表示している扉内背景と異なる扉内背景に該当する背面画像判別フラグをオンに設定し(S2611)、S2612の処理へ移行する。一方、S2610の処理において、表示演出カウンタ233oの値が0〜30でない(即ち、31〜198である)と判別された場合は(S2611:No)、扉内背景以外の背景に該当する背面画像判別フラグをオンに設定し(S2613)、S2614の処理へ移行する。
S2608,S2609またはS2611の後に実行されるS2612の処理では、扉内変動回数カウンタ223yを20に設定し、S2614の処理へ移行する。
S2612またはS2613の後に実行されるS2614の処理では、背面画像変更フラグ233qをオンに設定し(S2614)、本処理を終了する。
図113に戻り、説明を続ける。S2304の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2304:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2306)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2306:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2307)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図114(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2307)の詳細について説明する。図114(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2501)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図42(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2502)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2502の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S2503)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2502の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2204)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2503によって設定された停止図柄判別フラグからS2502の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2502の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本制御例のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図113に戻り、説明を続ける。S2306の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2306:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、リーチ関連コマンド処理を実行して(S2309)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図116を参照して、リーチ関連コマンド処理(S2309)の詳細について説明する。図116は、リーチ関連コマンド処理(S2309)を示すフローチャートである。このリーチ関連コマンド処理(S2309)は、音声ランプ制御装置114より受信したリーチ関連のコマンドに対応する処理を実行するものである。
リーチ関連コマンド処理(S2309)では、まず、変動中の演出がスーパーリーチAであるか否かを判別し(S2701)、スーパーリーチAであると判別された場合は(S2701:Yes)、有効押下コマンドがあるかを判別する(S2702)。
S2702の処理において、有効押下コマンドがあると判別された場合は、停止表示テーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S2703)、本処理を終了する。ここで、スーパーリーチAの演出中に枠ボタン22の押下に基づいて、S2703の処理が実行される。停止表示テーブルが表示データテーブルバッファ233dへ設定されることにより、スーパーリーチAの演出において停止表示(図70(b)参照)が表示される。
一方、S2701の処理において、変動中の演出がスーパーリーチAでない(即ち、スーパーリーチBである)と判別された場合は(S2701:No)、表示用スーパーリーチB処理を実行して(S2704)、本処理を終了する。
ここで、図117を参照して表示用スーパーリーチB処理(S2704)の詳細について説明する。図117は、表示用スーパーリーチB処理(S2704)を示すフローチャートである。この表示用スーパーリーチB処理(S2704)は、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド判定処理(図43参照)の中で実行され、スーパーリーチBの演出中における、選択スイッチ270等のスイッチ操作に基づく処理を行うための処理である。
表示用スーパーリーチB処理では、まず、有効押下コマンドがあるか否かを判別する(S2801)。S2801の処理において、有効押下コマンドがあると判別されると(S2801:Yes)、図柄が大当たりであるか否か(即ち、次の有効演出で大当たりとなるか否か)を判別する(S2802)。
S2802の処理において、図柄が大当たりである(即ち、次の有効演出で大当たりとなる)と判別された場合は(S2802:No)、停止表示テーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S2803)、本処理を終了する。一方、S2802の処理において、図柄が大当たりでない(即ち、次の有効演出で大当たりとならない)と判別された場合は(S2802:No)、投げ表示テーブルを表示テーブルバッファへ設定し(S2804)、本処理を終了する。
一方、S2801の処理において、有効コマンドがないと判別された場合は(S2801:No)、偽押下コマンドがあると判別する(S2805)。S2805の処理において、偽押下コマンドがあると判別された場合は(S2805:Yes)、偽投げ表示テーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定し、本処理を終了する。
S2805の処理において、偽押下コマンドがないと判別された場合は(S2805:No)、次いで、差替コマンドがあるか否かを判別する(S2807)。S2807の処理において、差替コマンドがあると判別された場合は(S2807:Yes)、差替テーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S2808)、本処理を終了する。
一方、S2807の処理において、差替コマンドがないと判別された場合は(S2807)、スーパーリーチBの演出中におけるスイッチ操作に基づく処理はないため、そのまま本処理を終了する。
図113に戻り、説明を続ける。S2308の処理において、リーチ関連コマンドがないと判別された場合は(S2308:No)、大当たり関連コマンドがあるか否かを判別する(S2810)。S2810の処理において、大当たり関連コマンドがあると判別された場合は(S2810:Yes)、大当たり関連コマンド処理を実行し(S2811)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図118を参照して、大当たり関連コマンド処理(S2811)の詳細について説明する。図118は、大当たり関連コマンド処理(S2811)を示すフローチャートである。この大当たり関連コマンド処理(S2811)は、音声ランプ制御装置114より受信した大当たり演出に関わる表示用コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり関連コマンド処理では、まず、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別する(S2901)。S2901の処理において、表示用オープニングコマンドがあると判別された場合は、オープニングコマンド処理を実行して(S2902)、S2903の処理へ移行する。一方、表示用オープニングコマンドが無いと判別された場合は、S2902の処理をスキップして、S2903の処理へ移行する。
ここで、図118(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2902)の詳細について説明する。図118(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、大当たり演出で表示されるマップを設定するためのマップ設定処理を実行する(S3001)。このマップ設定処理(S3001)の詳細は、図120を参照して後述する。S3001の処理を終えると、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのオープニング演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3002)。次いで、S3002の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S3003)。
そして、S3002の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3004)、ポインタ233fを0に初期化する(S3005)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3006)、オープニングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3005の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S3002の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3003の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(16ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本制御例では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(16ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
なお、上述したように、本制御例では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこからオープニング演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、オープニング演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
ここで、図120を参照して、マップ設定処理(S3001)の詳細について説明する。図120は、マップ設定処理(S3001)を示すフローチャートである。このマップ設定処理(S3001)は、表示制御装置114のMPU231により実行される大当たり関連コマンド処理(図118参照)の中で実行され、大当たり演出で表示されるマップを設定するための処理である。
マップ設定処理では、まず、遊技状態保存領域233mのデータを取得し(S3301)、その取得した遊技状態が確変中または時短中であるか否かを判別する(S3302)。S3302の処理において、遊技状態が確変中または時短中であると判別された場合は(S3302:Yes)、継続カウンタ223pを1加算し(S3303)、前回のマップのデータをマップ記憶エリア233sから読み込み(S3304)、継続カウンタ233pの値と、表示演出カウンタの値とに基づいて、マスイベントを継続マス設定テーブル233t2より選択して設定し(S3305)、本処理を終了する。
一方、S3302の処理において、遊技状態が確変中または時短中でないと判別された場合は(S3302:No)、ルート履歴記憶エリア233wを参照し、コンティニュマス通過履歴が無いか否かを判別する(S3306)。
S3306の処理において、コンティニュマス通過履歴が無いと判別された場合は(S3306:Yes)、継続するマップがないため初回マップを読み込み(S3307)、大当たり変動パターンと表示演出カウンタ233oの値とに基づき、マスイベントを通常マス設定テーブル233t1より選択して設定し(S3308)、本処理を終了する。
一方、S3306の処理において、コンティニュマス通過履歴が有ると判別された場合は(S3306:No)、未通過マスが有るか否かを判別する(S3309)。S3309の処理において、未通過マスが有ると判別された場合は(S3309:Yes)、前回のマップから継続して演出を行うため、前回のマップとイベントマスとをマップ記憶エリア233sから読み込み(S3310)、スタートから一番近い未通過マスのあるルートのコンティニュマスにリスタート地点を設定して(S3311)、本処理を終了する。
S3309の処理において、未通過マスが無いと判別された場合は(S3309:No)、新たなマップへ移動させるため、前回と異なるマップをマップ記憶エリア233sから読み込み(S3312)、大当たり変動パターンと表示演出カウンタ233oの値とに基づいて、マスイベントを通常マス設定テーブル233t1より選択して設定し(S3313)、本処理を終了する。
図118に戻り、説明を続ける。S2901の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2901:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2903)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2903:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2904)、本処理を終了する。
ここで、図119(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2904)の詳細について説明する。図119(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数とマスイベント記憶エリア233uのデータとに基づいてラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのラウンド演出用テーブル格納エリア(図86参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3102)。
そして、S3101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3103)、ポインタ233fを0に初期化する(S3104)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3105)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図118の説明に戻る。S2903の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2903:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2905)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2905:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2906)、本処理を終了する。一方、S2905の処理において、表示用エンディングコマンドがなければ(S2905:No)、S2906の処理をスキップして、本処理を終了する。
ここで、図121を参照して、エンディングコマンド処理(S2906)の詳細について説明する。図121は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、入賞情報格納エリア233kのデータにおいて保留内に大当たりが有るか否かを判別する(S3401)。S3401の処理において、保留内に大当たりが有ると判別された場合は(S3401:Yes)、大当たりの保留の情報と、表示演出カウンタ233oとに基づいてマスイベントを更新し(S3402)、S3403の処理へ移行する。S3402の処理では、例えば、保留内に大当たりがある場合に、現在地点のマスから2マス先のマス(即ち、大当たりが2回発生することで到達できるマス)をスペシャルマスに設定(図74(b)参照)する。遊技者は2つ先のマスがスペシャルマスに設定されることにより、少なくとも、後2回の大当たりを期待して遊技を継続することとなる。
次いで、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し(S3403)、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのエンディング演出用テーブル格納エリア(図86参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3404)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3405)。そして、S3401の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3406)、ポインタ233fを0に初期化する(S3407)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3408)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このエンディングコマンド処理を実行することにより、特別図柄の大当たりが終了する際にエンディング演出を第3図柄表示装置81に対して表示させることができるので、大当たりが終了したことを遊技者に対して認識させることができる。
図113の説明に戻り、説明を続ける。S2310の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2310:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2312)、背面画像変更コマンドがあれば(S2312:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2313)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図122を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2313)の詳細について説明する。図122は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(図131参照)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S3501)。そして、現在の背景画像と、背景追加フラグ223xとに基づいて背面画像種別(背面A〜C、超背面予告、扉内背景など)を選択し、選択した背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S3503)、処理をS3504へと移行する。
S3504の処理では、選択された背面画像種別が超背景予告であるか否かを判別する(S3504)。S3504の処理において、超背景予告であると判別された場合は、超背景フラグ233rをオンに設定し(S3505)、本処理を終了する。一方、S3504の処理において、超背景予告でないと判別された場合は、S3505の処理をスキップして、本処理を終了する。このS3505の処理によって超背景フラグ233rがオンにされることによって、後述するSW関連コマンド処理(図123参照)において、超背景中のスイッチ操作に基づく処理を行う超背景中SW処理(S3602)が実行することができる。
通常画像転送設定処理では、S3501の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S3502の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B、または背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S2204)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜C、超背面予告、扉内背景などのうちいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3502の処理によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3502の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別を選択してもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別を選択してもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別を選択してもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値へ直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図113の説明に戻る。S2312の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2312:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、SW関連コマンドがあるか否かを判別する(S2314)。S2314の処理において、SW関連コマンドがあると判別された場合は(S2314:Yes)、SW関連コマンド処理を実行して(S2315)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図123を参照して、SW関連コマンド処理(S2315)の詳細について説明する。図123は、SW関連コマンド処理(S2315)を示すフローチャートである。このSW関連コマンド処理(S2315)は、音声ランプ制御装置114より受信したスイッチ操作に基づくコマンドに対応する処理を実行するものである。
SW関連コマンド処理では、まず、超背景フラグ233rがオンであるか否かを判別する(S3601)。S3601の処理において、超背景フラグ233rがオンであると判別された場合は(S3601:Yes)、超背景予告の表示中であるので、超背景中のスイッチ操作に基づく処理を行う超背景中SW処理を実行し(S3602)、本処理を終了する。
ここで、図124を参照して、超背景中SW処理(S3602)の詳細について説明する。図124は、超背景中SW処理(S3602)を示すフローチャートである。この超背景中SW処理(S3602)は、超背景予告の表示中における選択スイッチ270等の操作に基づく演出を実行するための処理である。
超背景中SW処理では、まず、決定スイッチ270eが押下されたか否かを判別する(S3701)。S3701の処理において、決定スイッチ270eが押下されたと判別されると(S3701:Yes)、現在表示中の背景画像の表示データを取得し(S3702)、移行可能表示中であるか否かを判別する(S3703)。ここで、移行可能表示中とは、背面画像において特定画像が表示されている場合、本制御例においては扉の画像が点滅表示されている場合(図67参照)のことを指す。
S3703の処理において、移行可能表示中でないと判別された場合は(S3703:No)、そのまま本処理を終了する。一方、そうでない場合(S3703:Yes)は、扉内変動回数カウンタ223yの値を20に設定し(S3704)、入賞情報格納エリア233kのデータを取得して(S3705)、表示演出カウンタ233oの値を取得し(S3706)、S3707の処理へ移行する。
S3707の処理では、S3705の処理により取得した入賞情報格納エリア233kのデータにおいて、保留内に大当たりが有るか否かを判別し(S3707)、保留内に大当たりが有ると判別された場合は(S3707:Yes)、次いで、S3706の処理により取得した表示演出カウンタ233oの値が0〜100であるか否かを判別する(S3708)。
S3708の処理において、表示演出カウンタ233oが0〜100であると判別された場合は(S3708:Yes)、高期待度の扉内背景に対応する背面画像判別フラグをオンに設定し(S3709)、S3714の処理へ移行する。一方、表示演出カウンタ233oが0〜100でない(即ち、101〜198である)と判別された場合は(S3708:No)、低期待度の扉内背景に対応する背面画像判別フラグをオンに設定し、S3714の処理へ移行する。
一方、S3707の処理において、保留内に大当たりが無いと判別された場合は(S3707:No)、次いで、表示演出カウンタ233oの値が0〜30であるか否かを判別する(S3711)。
S3711の処理において、表示演出カウンタ233oが0〜30であると判別された場合は(S3711:Yes)、高期待度の扉内背景に対応する背面画像判別フラグをオンに設定し(S3712)、S3714の処理へ移行する。一方、表示演出カウンタ233oが0〜30でない(即ち、31〜198である)と判別された場合は(S3711:No)、低期待度の扉内背景に対応する背面画像判別フラグをオンに設定し、S3714の処理へ移行する。
S3709,S3710,S3712またはS3713の後に実行されるS3714の処理では、背面画像変更フラグ233qをオンに設定し(S3714)、本処理を終了する。このS3714の処理で背面画像変更フラグ233qがオンに設定されることにより、S3709,S3710,S3712またはS3713のいずれかで設定された扉内背景の背面画像を表示することができる。
なお、S3714の処理においてオンに設定された背面画像変更フラグ233qによって、通常画像転送設定処理(図131参照)において背面画像のデータが設定され、背面画像が変更される。この背面画像のデータが設定されるタイミングは、次の変動表示が開始されるタイミングと同期するようにしても良いし、現在実行されている変動表示が終了されるタイミングと同期するようにしても良い。上述した各タイミングと同期させる方法としては、S3714の処理において背面画像変更フラグ233qをオンに設定するタイミングを調整する方法や、通常画像転送設定処理(図131参照)において背面画像のデータが設定されるタイミングを調整する方法などが例示される。具体的には、S3714の処理において、同期するタイミングとの時間差を算出し、その算出した時間の経過後に背面画像変更フラグ233qをオンに設定することで、背面画像が変更されるタイミングを調整することができる。
ここで、S3707,S3708およびS3709の処理によって、保留内に大当たりがある場合とない場合とで、高期待度の扉内背景が設定される比率が異なるようになっている。即ち、遊技者にとって扉内背景の表示内容は、保留に大当たりがある可能性を予想するための情報の一つとなる。これにより、この情報を知りたい遊技者は、扉内背景を表示させることができるタイミングである、特定画像の表示に注目しつつ遊技をすることとなる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S3701の処理において、決定スイッチ270eが押下されていないと判別された場合は(S3701:No)、次いで、選択スイッチ(上スイッチ270a〜左スイッチ270d)のいずれかが押下されたか否かを判別する(S3715)。
S3715の処理において、選択スイッチ(上スイッチ270a〜左スイッチ270d)のいずれかが押下されたと判別された場合は(S3715:Yes)、押下された選択スイッチ(上スイッチ270a〜左スイッチ270d)に基づいて、表示座標を再設定し(S3716)、本処理を終了する。一方、そうでない場合は(S3715:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、背面画像のスクロール表示は設定されている表示座標に基づいて実行されている。具体的には、背面画像を表示させる表示座標が時系列順に格納されており、その表示座標に応じた背面画像を格納されている順に表示される。例えば、この表示座標が水平方向にのみ増加していくように格納されていれば、水平方向(第3図柄表示装置81の右方向)に背面画像がスクロール表示されることとなる。
S3716の処理では、例えば、水平方向にのみ増加するように設定されている表示座標を、上スイッチ270aの押下に基づいて、水平方向は現在の値のまま固定し、垂直方向を増加していくように表示座標を再設定する。これにより、水平方向(第3図柄表示装置81の右方向)にスクロール表示されていた背面画像が、垂直方向(第3図柄表示装置81の上方向)にスクロール表示されるように変更できる。
その結果、遊技者に対し、第3図柄表示装置81に表示される超背景予告の背面画像内を自らの操作によって、探索しているかのような感覚を与えることができ、遊技者の興趣を向上できる。また、超背景予告の背景画像には、上述したように扉内背景を表示するために必要な、特定画像(本制御例では扉の画像)が含まれている。これにより、扉内背景を表示したい遊技者は、特定画像を見つけるために、さらに興味をもって超背景予告の背面画像内の探索を行うため、遊技者の興趣を向上できる。
図123に戻り、説明を続ける。S3601の処理において、超背景フラグ233rがオンでないと判別された場合は(S3601:No)、次いで、大当たりの演出中であるか否かを判別する(S3603)。S3603の処理において、大当たりの演出中であると判別された場合は(S3603:Yes)、大当たり中SW処理を実行し(S3604)、本処理を終了する。一方、そうでない場合は(S3603:No)、S3604の処理をスキップし、本処理を終了する。
ここで、図125を参照して、大当たり中SW処理(S3604)の詳細について説明する。図125は、大当たり中SW処理を示すフローチャートである。この大当たり中SW処理は、大当たり演出中において、音声ランプ制御装置114より受信した選択スイッチ270等の操作に基づく表示用コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり中SW処理では、まず、ラウンド内SW有効期間であるか否かを判別する(S3801)。S3801の処理において、ラウンド内SW有効期間でないと判別された場合は(S3801:No)、スイッチ操作に基づく演出を行うタイミングではないので、そのまま処理を終了する。
一方、S3801の処理において、ラウンド内SW有効期間であると判別された場合は(S3801:Yes)、次いで、選択スイッチ(上スイッチ270a〜左スイッチ270d)のいずれかが押下されたか否かを判別する(S3802)。
S3802の処理において、選択スイッチ(上スイッチ270a〜左スイッチ270d)のいずれかが押下されたと判別された場合は(S3802:Yes)、正常な選択であるか否かを判別する(S3803)。具体的には、大当たり演出のマップにおける移動可能方向が下または右である場合(図72(a)参照)において、下スイッチ270cまたは左スイッチ270dが押下された場合が、正常な選択であると判別される。
S3803の処理において、正常な選択であると判別された場合は(S3803:Yes)、選択方向へ1マス移動する表示となるようポインタ233fを設定し(S3804)、S3805の処理へ移行する。
一方、S3803の処理において、正常な選択でないと判別された場合は(S3803:No)、S3804の処理をスキップして、S3805の処理へ移行する。
S3805の処理では、決定スイッチ270eが押下されたか否かを判別する(S3805)。S3805の処理において、決定スイッチ270eが押下されたと判別された場合は(S3805:Yes)、次いで、決定可能なマスが選択されているか否かを判別する(S3806)。具体的には、前回と同一のマスが選択されている場合は、決定可能なマスが選択されていないと判別される。
S3806の処理において、決定可能なマスが選択されていないと判別された場合は(S3806:No)、そのまま処理を終了する。一方、そうでない場合は(S3806:Yes)、決定したマスのイベントをマスイベント記憶エリア233uへ格納し(S3807)、決定したマスをルート履歴記憶エリアへ追加して(S3808)、S3809の処理へ移行する。
S3807の処理によって、マスイベント記憶エリア233uに記憶されたマスイベントに基づいて、上述したラウンド数コマンド処理(図119(b)参照)によるラウンド演出が実行できる。また、S3808の処理によって、ルート履歴記憶エリア233wに記憶されたルート履歴に基づいて、上述したマップ設定処理(図120参照)による未通過マスの有無の判別(新しいマップを表示するか否かの判別)が可能となる。
S3808の処理の後に実行されるS3809の処理では、決定されたマスイベントが背景追加であるか否かを判別する(S3809)。S3809の処理において、マスイベントが背景追加であると判別された場合は(S3809:Yes)、表示演出カウンタ233oに基づいて背景追加フラグ233xをオンに設定する(S3810)。具体的には、表示演出カウンタ233oが0〜100である場合に背景追加フラグ233xをオンに設定する。これに限られず、追加する背景を複数(例えば、追加背景A、追加背景B)用意しておき、表示演出カウンタ233oが0〜50の場合は、追加背景Aを追加する背景追加フラグ233xをオンに設定し、表示演出カウンタ233oが51〜100の場合は、追加背景Bを追加する背景追加フラグ233xをオンに設定するようにしてもよい。
一方、S3809の処理において、ますイベントが背景追加でないと判別された場合は(S3809:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、図113の説明に戻る。S2314の処理において、SW関連コマンドがないと判別されると(S2314:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用入賞コマンドがあるか否かを判別する(S2216)。S2216の処理において、表示用入賞コマンドがあれば(S2216:Yes)、受信したコマンドに基づいた入賞情報を入賞情報格納エリア233kへ格納し(S2317)、S2301の処理へ戻る。
S2317の処理によって入賞情報格納エリア233kへ格納された入賞情報は、上述した超背景演出処理(図115参照)において表示演出を選択するためなどに利用される。
一方、S2316の処理において、表示用入賞コマンドがないと判別されると(S2316:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2318)、エラーコマンドがあれば(S2318:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2319)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図126を参照して、エラーコマンド処理(S2319)の詳細について説明する。図126は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図113の説明に戻る。S2318の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2318:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2320)、S2301の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2301の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2301:Yes)、再びS2302〜S2320の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2301〜S2320の処理が繰り返し実行され、S2301の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図112(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2209)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図114(a)参照)、および停止種別コマンド処理(図114(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図114(a)参照)では、S2402の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図127〜図129を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2203)の詳細について説明する。図127は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図127に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S4001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S4001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S4002〜S4004の処理をスキップし、S4005の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S4001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S4002)、S4003〜S4004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S4003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S4003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S4003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S4004)。
ここで、図128を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図128は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S4101)。
タスク処理(S2204)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S4101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S4102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図127の説明に戻る。警告画像設定処理(S4004)の後、またはS4003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S4003:No)、次いで、S4005の処理へ移行する。
S4005では、ポインタ更新処理を実行する(S4005)。ここで、図129を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図129は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S4201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S4201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S4202)。その結果、End情報であれば(S4202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルであるか否かを判別して(S4203)、デモ表示データテーブルであれば(S4203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S4205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S4203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S4203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S4206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S4202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S4202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図127に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S4006)。タスク処理(S2204)では、先に展開された警告画像などと共に、S4006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S4007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S4008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S4008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S4008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S4009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S4009:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S4013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S4014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S4015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S4015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2204)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S4015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S4009の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S4009:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S4016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S4016:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S4019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S4021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S4016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S4016:No)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図112(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2209)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた簡単な電源投入時変動画像の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図130、および図131を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2205)の詳細について説明する。まず、図130(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S4301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば(S4301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S4302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図130(b)を参照して後述する。
一方、S4301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S4301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S4303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図131を参照して後述する。
次いで、図130(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2205)の一処理である常駐画像転送設定処理(S4302)について説明する。図130(b)は、この常駐画像転送設定処理(S4302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S4401)、転送指示を送信していれば(S4401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S4402)。このS4402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4402:Yes)、S4403の処理へ移行する。また、S4401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S4401:No)、S4403の処理へ移行する。
S4403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S4403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S4403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S4404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S4403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S4405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図112(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図112(b)のS2208参照)および簡易表示設定処理(図112(b)のS2209参照)ではなく、コマンド判定処理(図113〜図126参照)、および表示設定処理(図127〜図129参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図131参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図130(a)のS4301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図131を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2205)の一処理である通常画像転送設定処理(S4303)について説明する。図131は、この通常画像転送設定処理(S4303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2203)のポインタ更新処理(S4005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S4501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S4502)、転送データ情報であれば(S4502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S4503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S4504)、S4505の処理へ移行する。
また、S4502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S4502:No)、S4503、およびS4504の処理をスキップして、S4505の処理へ移行する。S4505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S4505)、転送指示を設定していれば(S4505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S4506)。
このS4506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4506:Yes)、S4507の処理へ移行する。また、S4505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S4505:No)、S4507の処理へ移行する。
S4507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S4507)、転送開始フラグがオンであれば(S4507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S4508)、S4503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S4513の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S4507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S4509)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S4509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S4509:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S4510)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S4511)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S4512)、S4513の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S4511の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S4513の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S4513)。このS4513の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S4513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S4513:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S4513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S4513:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S4514)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4514の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S4515)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図132(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2206)の詳細について説明する。図132(a)は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2204)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、および転送設定処理(S2205)により設定された転送指示から、図91に示す描画リストを生成する(S4601)。即ち、S4601の処理では、タスク処理(S2204)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2205)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、または通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S4602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S4602の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S4603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図112(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
次に、図132(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のカウンタ更新処理(S2207)の詳細について説明する。図132(b)は、このカウンタ更新処理を示すフローチャートである。
カウンタ更新処理では、まず、表示演出カウンタ233oを更新する(S4701)。次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行し(S4702)、本処理を終了する。
<第1実施例の変形例>
次に、図133〜図137を参照して、第1実施例の変形例について説明する。第1実施例の変形例では、スーパーリーチBの演出期間に救済タイミングが設けられている。スーパーリーチBの演出中に枠ボタン22の押下がなく、この救済タイミングを経過すると、救済演出が実行される。ここで、スーパーリーチBは上述したように、枠ボタン22を複数回押下することにより、大当たりが報知される演出である。よって、枠ボタン22の入力可能な期間が少なくなると、枠ボタン22の押下が間に合わないケースが有り得る。しかし、本変形例においては、枠ボタン22の入力可能な期間が少なくなる(救済タイミングを経過する)と、救済演出が実行されることにより、大当たりを報知させるのに必要な枠ボタン22の押下回数が減少する。その結果、上述した問題を回避することができる。
図133を参照して、本変形例におけるスーパーリーチBの演出が実行されるタイミングについて説明する。図133はスーパーリーチBの演出の実行タイミングを模式的に示した模式図である。
まず、図133(a)を参照して、スーパーリーチBの演出中における、第1救済タイミングおよび第2救済タイミングを経過するまで、枠ボタン22が押下されず、その後、停止可能期間において枠ボタン22が押下されて停止表示演出が実行される場合について説明する。
スーパーリーチBのリーチ演出(7の図柄でリーチ)が開始されると、上述した第1実施例と同様に、画面中央部の女の子のキャラクタが4の図柄を手に持った画面が表示される(図77(a)参照)。この状態で枠ボタン22が押下されず、第1救済タイミングを経過すると、救済演出が実行され、図134(a)のように、当該キャラクタが4の図柄と共に5の図柄を手に持った画面に変更される。同様にして、枠ボタン22が押下されず、第2救済タイミングを経過すると、再度救済演出が実行され、図134(b)のように、当該キャラクタが4の図柄、5の図柄および6の図柄を手に持った画面に変更される。
この状態において、停止可能期間に枠ボタン22が押下されると、4の図柄、5の図柄および6の図柄を投げる演出が実行され、大当たりを報知する演出が実行される。このように、本変形例では、救済タイミングを経過する度に、大当たりの報知に必要な有効演出の残数が減るよう構成されている。これにより、当該リーチ演出において、遊技者が枠ボタン22の押下に気づくのが遅れたとしても、必要な枠ボタン22の押下回数が減っているので、大当たりの報知に間に合うように枠ボタン22の押下を実行することができる。
また、枠ボタン22の押下は実行されたものの、有効演出とならずに救済タイミングを経過する場合も上記同様に救済演出が実行される。これにより、枠ボタン22を押下しているにも関わらず、有効演出である投げ演出が表示されないといった場合にも、救済タイミングにおいて、演出が進行する。その結果、枠ボタン22を押下しているにも関わらず、演出が進行しないことを防止し、遊技者の不満を低減することができる。
図133(b)は、上述した各救済タイミングの経過前に枠ボタン22が押下された場合のタイミングを示した図である。第1救済タイミングの経過前に枠ボタン22が押下され、有効演出が実行された場合は、第1救済タイミングを経過しても救済演出は実行されず、第2救済タイミングについても同様である。
次に、図135を参照して、第1制御例の変形例におけるデータテーブル格納エリア233bの内容の詳細について説明する。図135は、本変形例におけるデータテーブル格納エリア233bの内容を模式的に示した模式図である。このデータテーブル格納エリア233bの第1制御例との相違点は、変動演出用テーブル格納エリアに、救済表示用表示データテーブル各種が設けられた点のみであり、その他は上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
救済表示用表示データテーブル各種には、上述した図134(a)および図134(b)などの、救済演出用の表示データが格納される。この救済演出用の表示データは、他の表示データテーブル各種と同様に、表示制御装置114のブート処理(図111参照)のS2003の処理によってデータテーブル格納エリア223bに格納される。そして、後述する表示用スーパーリーチB処理(図137参照)において、救済コマンドを受信した場合に、救済表示用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定される。
次に、図136を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される、スーパーリーチB時操作処理(S1510)について説明する。図136は、スーパーリーチB時操作処理(S1510)を示したフローチャートである。本変形例におけるスーパーリーチB時操作処理(S1510)は、上述した第1制御例と、救済タイミングを経過したか否かの判別(S1830)と、救済タイミングを経過した場合に表示用救済コマンドが設定される(S1831)部分において相違し、その他の処理は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
具体的には、S1803の処理において、枠ボタン22が押下されていないと判別されると(S1803:No)、残有効押下回数に対応する救済タイミングが経過したか否かが判別される(S1830)。例えば、図133(a)のように、有効演出が一度も実行されていない場合(残有効押下回数が3回)においては、第1救済タイミングを経過した場合が該当する。また、第1救済タイミングを経過し、救済演出が1度実行された場合(残有効押下回数が2回)においては、第2救済タイミングを経過した場合が該当する。
S1830の処理において、救済タイミングを経過していないと判別されると、そのまま本処理を終了する。一方、そうでない場合は、経過したタイミングに基づいて、表示用救済コマンドを設定する(S1831)。例えば、第1救済タイミングを経過した場合は、図134(a)のように図柄が2つとなる演出が実行されるコマンドが設定され、そのまま第2救済タイミングを経過した場合は、図134(b)のように図柄が3つとなる演出が実行されるコマンドが設定される。ここで設定された救済コマンドは、表示制御装置114へ送信され、当該コマンドを受信した表示制御装置114の表示用スーパーリーチB処理(図137参照)によって、救済演出の表示が実行されることとなる。
次に、図137を参照して、表示制御装置114のMPU231によって実行される表示用スーパーリーチB処理について説明する。図137は、表示用スーパーリーチB処理(S2704)を示したフローチャートである。本変形例における表示用スーパーリーチB処理(S2704)は、上述した第1制御例と、救済コマンドがあるか否かの判別(S2830)と、救済コマンドがある場合救済表示用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定する処理(S2831)部分において相違し、その他の処理は同一であるため、その詳細な説明は省略する。
具体的には、S2807の処理において差替コマンドがないと判別された場合は(S2807:No)、救済コマンドがあるか否かの判別を行う(S2830)。S2830の処理において、救済コマンドがないと判別された場合は、そのまま本処理を終了する。
一方、S2830の処理において、救済コマンドがあると判別された場合は、救済表示用データテーブルを表示データテーブルバッファ233dへ設定し、本処理を終了する。
これにより、救済タイミングの経過に基づいて、救済演出が実行される。その結果、枠ボタン22の入力可能な期間が少なくなったとしても、救済演出が実行されることで、枠ボタン22の押下が間に合わないケースを救済することができる。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
始動条件の成立に基づいて、所定の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記所定の演出の演出態様が表示される表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されることで出力される信号を識別する識別手段と、その識別手段により特定の識別結果が識別された場合に、特定条件が成立しているかを判別する判別手段と、その判別手段により特定条件が成立していると判別された場合に、次に成立する始動条件に基づいて前記演出実行手段により実行される演出態様を所定条件が成立するまで特定の演出態様に可変させるように設定する演出可変設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、始動条件の成立に基づいて、所定の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記所定の演出の演出態様が表示される表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されることで出力される信号を識別する識別手段と、その識別手段により特定の識別結果が識別された場合に、特定条件が成立しているかを判別する判別手段と、その判別手段により特定条件が成立していると判別された場合に、次に成立する始動条件に基づいて前記演出実行手段により実行される演出態様を所定条件が成立するまで特定の演出態様に可変させるように設定する演出可変設定手段とを有している。よって、特定条件が成立している場合において、遊技者の操作に基づいて、演出実行手段により実行される演出態様を、特定の演出態様に可変させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機A1において、前記表示手段に表示される前記所定の演出の背面側に表示される背面表示態様を表示させる背面表示手段と、前記識別手段による識別結果に基づいて、前記背面表示態様を所定の方向にスクロール表示させるスクロール表示手段と、を有し、前記特定条件は、前記背面表示態様に特定背面図柄が表示されている場合に成立するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、前記表示手段に表示される前記所定の演出の背面側に表示される背面表示態様を表示させる背面表示手段と、前記識別手段による識別結果に基づいて、前記背面表示態様を所定の方向にスクロール表示させるスクロール表示手段と、を有し、前記特定条件は、前記背面表示態様に特定背面図柄が表示されている場合に成立するものである。よって、遊技者の操作に基づいて、背面表示態様をスクロール表示させることができる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機A2において、前記背面表示手段は、通常時は、予め定められた方向に前記背面表示態様をスクロール表示させて表示するものであり、前記識別手段により所定の識別結果が判別された場合に前記予め定められた方向のスクロール表示を前記識別結果に基づく方向のスクロール表示に可変させるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、前記背面表示手段は、通常時は、予め定められた方向に前記背面表示態様をスクロール表示させて表示するものであり、前記識別手段により所定の識別結果が判別された場合に前記予め定められた方向のスクロール表示を前記識別結果に基づく方向のスクロール表示に可変させるものである。よって、遊技者の操作に基づいて、予め定められた方向へスクロール表示が実行され、スクロール表示の方向を変更する場合に、再度操作を行えばよい。その結果、スクロール表示を実行するための遊技者の負担を軽減することができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記操作手段は、複数の操作部で構成され、前記複数の操作は、前記背面表示態様のスクロール方向を指示する方向操作部と、前記特定の識別結果と識別される特定操作部とで少なくとも構成されているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA1のいずれかが奏する効果に加え、前記操作手段は、複数の操作部で構成され、前記複数の操作は、前記背面表示態様のスクロール方向を指示する方向操作部と、前記特定の識別結果と識別される特定操作部とで少なくとも構成されているものである。よって、方向操作部を操作することでスクロール方向を可変させることができ、特定操作部を操作することで演出を可変させることができる。その結果、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供することができる。
遊技の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出態様が表示される表示手段と、前記演出実行手段により実行される演出態様を複数の演出態様から選択する演出態様選択手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記演出態様選択手段により選択される演出態様として、所定条件が成立する毎に前記操作手段を操作することで複数のルートから遊技者が1のルートを選択することで演出態様が可変されるルート演出態様が設定されており、そのルート演出態様が実行される場合に、以前実行された前記ルート演出態様で選択したルート以外のルートを選択することを補助する補助手段を有しているものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出態様が表示される表示手段と、前記演出実行手段により実行される演出態様を複数の演出態様から選択する演出態様選択手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記演出態様選択手段により選択される演出態様として、所定条件が成立する毎に前記操作手段を操作することで複数のルートから遊技者が1のルートを選択することで演出態様が可変されるルート演出態様が設定されており、そのルート演出態様が実行される場合に、以前実行された前記ルート演出態様で選択したルート以外のルートを選択することを補助する補助手段を有している。これにより、遊技者がルート演出態様のルートを選択する場合に、以前に選択したルート以外のルートを選択するように補助される。その結果、以前に選択したルート以外のルートを選択する際の、遊技者の操作負荷を軽減することができる。
遊技機B1において、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定情報を示す識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示手段と、前記表示手段に特定の判定情報を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段とを有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、前記特典遊技実行手段により特典遊技が実行されることに基づいて、前記ルート演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定情報を示す識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示手段と、前記表示手段に特定の判定情報を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段とを有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、前記特典遊技実行手段により特典遊技が実行されることに基づいて、前記ルート演出態様を選択するものである。よって、遊技者は、ルート演出態様の選択を、特典遊技の実行中において行うことができる。その結果、特典遊技の実行中における、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機B2において、前記演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に、前記演出態様選択手段により選択されたルート演出態様を前記表示手段に表示させるものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、前記演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に、前記演出態様選択手段により選択されたルート演出態様を前記表示手段に表示させるものである。よって、特典遊技の実行中において、遊技者の操作に基づくルート演出態様が表示される。その結果、特典遊技の実行中における、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記ルート演出態様は、複数の設定マスが前記ルート上に設定されており、その設定マスを通過または前記設定マスに停止することで、前記設定マスに設定されている特典を付与するルート特典付与手段を有するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3の奏する効果に加え、前記ルート演出態様は、複数の設定マスが前記ルート上に設定されており、その設定マスを通過または前記設定マスに停止することで、前記設定マスに設定されている特典を付与するルート特典付与手段を有するものである。よって、ルート演出態様が表示されると、特典が付与されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機B4において、前記ルート特典付与手段は、前記特典として通過または停止した前記設定マスより次の前記特典遊技の開始時から開始することができるように前記補助手段により補助させる特典を設定するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、前記ルート特典付与手段は、前記特典として通過または停止した前記設定マスより次の前記特典遊技の開始時から開始することができるように前記補助手段により補助させる特典を設定するものである。よって、遊技者は次の特典遊技の開始時に、前の特典遊技において通過または停止した設定マスより開始することができる。その結果、前の特典遊技から継続した演出かのような印象を遊技者へ与えることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様を表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を複数設定して表示するものであり、前記リーチ表示態様で動的表示される図柄列の前記特定図柄を特定の表示態様に可変させる図柄可変手段と、所定の条件の成立に基づいて、前記図柄可変手段により可変された特定図柄を元の表示態様に可変させる再可変手段とを有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様を表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を複数設定して表示するものであり、前記リーチ表示態様で動的表示される図柄列の前記特定図柄を特定の表示態様に可変させる図柄可変手段と、所定の条件の成立に基づいて、前記図柄可変手段により可変された特定図柄を元の表示態様に可変させる再可変手段とを有するものである。よって、リーチ表示態様の表示中において、特定の抽選結果となる特定図柄が複数ある場合でも、図柄可変手段により当該特定図柄が特定の表示態様に可変される。ここで、特定の表示態様に可変された特定図柄は、再可変手段によって、元の表示態様に可変される。その結果、特定の抽選結果となる特定図柄が複数あるリーチ表示態様の表示中において、遊技者は特定の表示態様にのみ注目すればよい。従って、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供することができる。
遊技機C1において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記動的表示手段は、前記リーチ表示態様において前記図柄可変手段により可変された前記特定図柄とその特定図柄以外の図柄を動的表示するものであり、前記操作手段が操作されたことに基づいて、前記リーチ表示態様で動的表示されている図柄列の動的表示を停止表示させる停止表示手段を有するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記動的表示手段は、前記リーチ表示態様において前記図柄可変手段により可変された前記特定図柄とその特定図柄以外の図柄を動的表示するものであり、前記操作手段が操作されたことに基づいて、前記リーチ表示態様で動的表示されている図柄列の動的表示を停止表示させる停止表示手段を有するものである。よって、リーチ表示態様の表示中において、特定の抽選結果となる特定図柄が複数ある場合でも、図柄可変手段により当該特定図柄が特定の表示態様に可変される。その結果、遊技者は可変された特定の表示態様に注目して、操作を行えばよい。従って、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供することができる。
遊技機C2において、前記停止表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果である場合には、前記操作手段が操作されたタイミングで、前記特定図柄のうちの一つが前記リーチ表示態様で停止表示されている図柄と組み合わせて表示することが可能な位置に表示されるように停止表示させるものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、前記停止表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果である場合には、前記操作手段が操作されたタイミングで、前記特定図柄のうちの一つが前記リーチ表示態様で停止表示されている図柄と組み合わせて表示することが可能な位置に表示されるように停止表示させるものである。よって、遊技者の操作に基づいて停止表示され、再可変手段によって元の表示態様に再可変された図柄が、リーチ表示態様で停止されている図柄と組み合わせて表示される。その結果、遊技者は、停止表示された図柄が、特定の抽選結果であるか否かを容易に認識することができる。従って、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供することができる。
遊技機C1からC3において、前記リーチ表示態様は、同じ図柄で2以上の図柄列を停止表示させて、1の図柄列を動的表示させた表示態様で構成されるものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、前記リーチ表示態様は、同じ図柄で2以上の図柄列を停止表示させて、1の図柄列を動的表示させた表示態様で構成されるものである。よって、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、前記図柄可変手段は、前記複数の特定図柄を同一の表示態様となる前記特定の表示態様に可変させて表示させるものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4のいずれかが奏する効果に加え、前記図柄可変手段は、前記複数の特定図柄を同一の表示態様となる前記特定の表示態様に可変させて表示させるものである。よって、リーチ表示態様の表示中において、特定の抽選結果となる特定図柄が複数ある場合でも、図柄可変手段により当該特定図柄が同一の特定の表示態様に可変される。その結果、特定の抽選結果となる特定図柄が複数あるリーチ表示態様の表示中において、遊技者は一の特定の表示態様にのみ注目すればよい。従って、遊技者にとってわかりやすい遊技機を提供することができる。
抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様で表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を設定して表示するものであり、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示手段により前記リーチ表示態様で前記識別情報が表示されている場合に前記操作手段が操作されることに基づいて、前記動的表示されている図柄列の図柄を可変させる図柄可変手段と、リーチ表示態様で表示される期間の残り期間を判別する判別手段と、その判別手段により判別される期間内に、前記図柄可変手段により図柄を前記特定図柄に可変させられるかを判別する図柄可変判別手段と、その図柄可変判別手段により前記特定図柄に可変不可能と判別された場合に、前記リーチ表示態様の残り期間において、前記特定図柄を表示させる特定演出を設定する特定演出設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様で表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を設定して表示するものであり、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示手段により前記リーチ表示態様で前記識別情報が表示されている場合に前記操作手段が操作されることに基づいて、前記動的表示されている図柄列の図柄を可変させる図柄可変手段と、リーチ表示態様で表示される期間の残り期間を判別する判別手段と、その判別手段により判別される期間内に、前記図柄可変手段により図柄を前記特定図柄に可変させられるかを判別する図柄可変判別手段と、その図柄可変判別手段により前記特定図柄に可変不可能と判別された場合に、前記リーチ表示態様の残り期間において、前記特定図柄を表示させる特定演出を設定する特定演出設定手段とを有するものである。よって、リーチ表示の実行中において、遊技者の操作に基づいて図柄を特定図柄に可変させることができる。ここで、実行中のリーチ表示の残時間において、遊技者の操作に基づく図柄の可変が実行できない場合は、特定図柄を表示させるための特定演出が設定される。これにより、遊技者の操作が無いまたは少ない場合においても、特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を設定し表示することができる。その結果、リーチ表示の実行において、遊技者の操作が無いまたは少ない場合においても、特定図柄を表示させ、特定の抽選結果となったことを示すことができる。
遊技機D1において、前記特定演出は、前記リーチ表示態様で動的表示されている図柄列を前記特定図柄とは異なる図柄で停止表示させた後に、その停止表示された図柄を特定図柄に差し替えて表示する演出で構成されているものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、前記特定演出は、前記リーチ表示態様で動的表示されている図柄列を前記特定図柄とは異なる図柄で停止表示させた後に、その停止表示された図柄を特定図柄に差し替えて表示する演出で構成されているものである。よって、遊技者の操作が無いまたは少ないことで、遊技者の操作に基づいて図柄の可変が実行できない場合は、まず、特定図柄とは異なる図柄で停止表示される。その後、停止表示された図柄が特定図柄に差し替えられる。これにより、遊技者の操作が無いまたは少ない場合においても、違和感の少ない演出を実行することができる。
遊技機D1またはD2において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果と異なる場合に、前記リーチ表示態様で動的表示された図柄列の図柄を前記操作手段の操作に関わらず、前記特定図柄に可変させることを禁止する禁止手段を有するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果と異なる場合に、前記リーチ表示態様で動的表示された図柄列の図柄を前記操作手段の操作に関わらず、前記特定図柄に可変させることを禁止する禁止手段を有するものである。よって、抽選結果が特定の抽選結果でないにも関わらず、特定の抽選結果を示す特定図柄が表示されることを防止できる。
抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様で表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を設定して表示するものであり、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示手段により前記リーチ表示態様で前記識別情報が表示されている場合に前記操作手段が操作されることに基づいて、前記動的表示されている図柄列の図柄を所定の順序で異なる図柄に可変させる図柄可変手段と、リーチ表示態様で表示される期間の残り期間を判別する判別手段と、その判別手段により判別される期間内に、前記図柄可変手段により図柄を前記特定図柄に可変させられるかを判別する図柄可変判別手段と、その図柄可変判別手段により前記特定図柄に可変不可能と判別された場合に、前記残り期間で前記特定図柄に可変させることが可能な順序で前記図柄を可変させる特別図柄可変手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される表示手段と、前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報で表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は複数の図柄列で構成され、特定の図柄の組み合わせで表示されることで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果であることを示すように設定され、前記動的表示手段は、前記複数の図柄列のうち、1の図柄列を動的表示させた状態で表示するリーチ表示態様で表示して、前記特定の抽選結果を示す組み合わせとなる特定図柄を設定して表示するものであり、遊技者が操作可能な操作手段と、前記動的表示手段により前記リーチ表示態様で前記識別情報が表示されている場合に前記操作手段が操作されることに基づいて、前記動的表示されている図柄列の図柄を所定の順序で異なる図柄に可変させる図柄可変手段と、リーチ表示態様で表示される期間の残り期間を判別する判別手段と、その判別手段により判別される期間内に、前記図柄可変手段により図柄を前記特定図柄に可変させられるかを判別する図柄可変判別手段と、その図柄可変判別手段により前記特定図柄に可変不可能と判別された場合に、前記残り期間で前記特定図柄に可変させることが可能な順序で前記図柄を可変させる特別図柄可変手段とを有するものである。よって、リーチ表示の実行中において、遊技者の操作に基づいて図柄を特定図柄に可変させることができる。ここで、実行中のリーチ表示の残時間において、遊技者の操作に基づく図柄の可変が実行できない場合は、残り期間で前記特定図柄に可変させることが可能な順序で図柄が可変される。これにより、遊技者による操作の開始が遅れたとしても、遊技者の操作に基づいて図柄を特定図柄に可変させることができる。
遊技機D4において、前記特別図柄可変手段は、前記図柄可変手段により可変される前記所定の順序のうち、複数の順番で可変させる図柄を一にまとめた順序で前記図柄を可変して表示させるものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、前記特別図柄可変手段は、前記図柄可変手段により可変される前記所定の順序のうち、複数の順番で可変させる図柄を一にまとめた順序で前記図柄を可変して表示させるものである。よって、遊技者による操作の開始が遅れたとしても、遊技者の操作に基づいて図柄を特定図柄に可変させることができることを、遊技者に容易に認識させることができる。
なお、盤面から突設される部材としては、釘や、風車や、スルーゲート等が例示される。
遊技機A1からA5,B1からB6,C1からC6,D1からD8,E1からE15のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機F1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA5,B1からB6,C1からC6,D1からD8,E1からE15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機F2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA5,B1からB6,C1からC6,D1からD8,E1からE15のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機F3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、大当たりのラウンド演出において、演出パターンを多様化することで、大当たり中の演出表示が単調化することを防止する遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2007−117660号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、大当たり中の演出表示の単調化を防止する方法に関して改良の余地があるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、大当たり中の演出表示の単調化を防止する方法を改良できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、遊技の演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出態様が表示される表示手段と、前記演出実行手段により実行される演出態様を複数の演出態様から選択する演出態様選択手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記演出態様選択手段により選択される演出態様として、所定条件が成立する毎に前記操作手段を操作することで複数のルートから遊技者が1のルートを選択することで演出態様が可変されるルート演出態様が設定されており、そのルート演出態様が実行される場合に、以前実行された前記ルート演出態様で選択したルート以外のルートを選択することを補助する補助手段を有している。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、大当たり中の演出表示の単調化を防止する方法を改良することができる。
22 枠ボタン(操作手段の一部)
270 選択スイッチ(操作手段の一部)
270a 上スイッチ(操作手段の一部)
270b 右スイッチ(操作手段の一部)
270c 下スイッチ(操作手段の一部)
270d 左スイッチ(操作手段の一部)
270e 決定スイッチ(操作手段の一部)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
S105 判別手段
S208 動的表示手段
S904 特典遊技実行手段
S3001 可変演出実行手段
S3311 補助手段