以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
なお、以下の説明において、図1に示すパチンコ遊技機100の紙面上側と紙面下側との方向を上下方向と称し、紙面左側と紙面右側との方向を左右方向と呼ぶ。さらに、図1に示すパチンコ遊技機100に対して遊技者が遊技をする側を前側と呼び、その逆側を後側と呼ぶ。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
そして、本実施の形態の可動役物115は、図1に示すように、造形可動体4、車型ロボット部5およびタイトルロゴ部7を有している。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。なお、図1において、ゲート124は、遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、一枚の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。なお、電動チューリップ123は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉するように構成しても良い。
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、所定の条件において低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。そして、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125および第2大入賞口127と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図2(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
なお、状態表示器224が表示するパチンコ遊技機100の状態は上記の例に限らず、他の状態を表示することができる。例えばパチンコ遊技機100の状態として低確率状態よりも当選確率が高く高確率状態よりは当選確率が低い中確率状態が設定される場合、状態表示器224は、中確率状態となっているか否かを点灯により報知しても良い。
また、表示器130は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて行われる大当たり遊技において大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備えている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口125の作動ラウンド数が表示される。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、遊技者は、例えば、十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像の何れかを指示することが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部330各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば15回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機100は、図1に示すように、第2大入賞口127を備えている。この第2大入賞口127の制御は、大入賞口125と基本的に同じである。例えば、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、第2大入賞口127が開状態となる開放パターンを制御する。そして、本実施の形態では、第2大入賞口127に球技球が入球した場合には、大当たり遊技の終了後に所定の遊技状態に移行するように構成している。具体的には、第2大入賞口127に遊技球が入球した場合、本実施の形態では、高確率状態に移行するように設定している。なお、第2大入賞口127に入賞した場合に、大当たり遊技の終了後に移行させる所定の遊技状態としては、高確率状態に限らず、例えば時短状態に設定しても構わない。また、第2大入賞口127の内側に、さらに特別な入賞口を設けて、特別な入賞口に遊技球が入球した場合に、大当たり遊技の終了後に所定の遊技状態に移行するように構成しても良い。
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理として、各種装置の初期化や初期設定を行う。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
図5−1は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)101)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S102)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S102でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S103)。
バックアップフラグがONである場合(S103でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S104)。
チェックサムが正常である場合(S104でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S105)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の内部状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
一方、RAMクリアスイッチがON(S102でYes)、バックアップフラグがOFF(S103でNo)、チェックサムが異常(S104でNo)のいずれかに該当する場合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(S106)、RAM203の作業領域を設定する(S107)。そして、遊技制御部200は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S108)。サブ基板の設定には、各サブ基板に搭載されているRAM303、313、323をクリアすること等が含まれる。
復帰処理(S105参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S108参照)が終了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを設定する(S109)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S110)、割り込み禁止(S111)、図柄乱数制御処理(S112)、初期値乱数更新処理(S113)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S114)をループ処理として繰り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S110)および割り込み禁止(S111)は、このループ処理(S110〜S114)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S112)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S113)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S114でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S110〜S114)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S114でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
図5−2は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S115)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S116)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S117)、RAM203へのアクセスを禁止して(S118)、無限ループに移行する。
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
図5−3は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図5−1に示すループ処理の中で割り込みが許可(S110参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図7に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S501〜S506)。
乱数更新処理(S501)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(S502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(S503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(S504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(S505)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルーチン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(S506)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S502からS504までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S505の処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S502〜S505の処理で制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制御部300または払出制御部330へ出力する。
本実施の形態では、図5−3に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS502〜S505の各処理において生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サイクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマンド生成が行われた後に、出力される。
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図5−1乃至図5−3に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、電源投入時に行われる初期動作等の特別処理であり、電源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力するためである。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、まとめて出力する処理手順を採っても良い。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5−3のS502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S602でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S603)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(S605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちS605において)行うものである。なお、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、S603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。S605の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(S607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(S608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(S608でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S608でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S609)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(S611)。この事前判定処理の内容は、上記のS605と同様である。この事前判定処理も、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、S609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。S611の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S702でYes)、次に遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S703)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
S704で乱数値が取得された後、遊技制御部200は、S703による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(S705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(S801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(S802)。特別図柄変動中でない場合(S802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(S803〜S806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(S803)。保留数U2が1以上である場合(S803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S804)。一方、保留数U2=0である場合は(S803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S805)。保留数U1が1以上である場合(S805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(S806)。一方、保留数U1=0である場合は(S805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S816)。
S804またはS806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(S807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S816、図12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(S808、S809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(S811)。S811でセットされた変動開始コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
S802で特別図柄変動中と判断された場合(S802でYes)、またはS811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(S812)。すなわち、S810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がS809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をS808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(S815)。停止中処理の内容については後述する。S814でセットされた変動停止コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のS808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S902、S905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のS604またはS610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
S901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S902でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のS604またはS610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S904)。
S901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S902でNo、S905でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S906)。
S901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S902、S905でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のS809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のS902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1001)。そして、大当たりだった場合(S1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1002)。
一方、大当たりしなかった場合(S1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(S1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のS604またはS610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(S1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1005)。また、リーチ演出を行わない場合(S1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のS604またはS610で取得した変動パターン乱数値およびS1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、S1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(S1008)。S1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のS811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のS815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1101)。時短フラグがONである場合(S1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1103)。そして、抽選回数J=0であれば(S1103でYes)、時短フラグをOFFにする(S1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(S1101でNo)またはS1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(S1103でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(S1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(S1107)。そして、抽選回数X=0であれば(S1107でYes)、確変フラグをOFFにする(S1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(S1105でNo)またはS1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(S1107でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1109)。そして、大当たりだった場合(S1109でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(S1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、S1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(S1110でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(S1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(S1110でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(S1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
S1111またはS1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1113)。また、遊技制御部200は、S1101において時短フラグがONであって、S1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(S1114)。同様に、S1105において確変フラグがONであって、S1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(S1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1109でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(S1115)。小当たりでなかった場合は(S1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(S1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
S1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(S1117)。ここで、オープニング動作の内容は、S1111、S1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のS816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(S1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1202)、客待ちフラグをONにする(S1203)。S1202でセットされた客待ちコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1301でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(S1302)。普通図柄変動中でない場合(S1302でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(S1303)。保留数G=0である場合は(S1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1303でYes)、普通図柄変動制御部236は、保留数Gの値を1減算し(S1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1305)。当選したか否かは、図7のS704で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(S1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1307)。この変動時間は、図11におけるS1104、S1114、後述の図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、S1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S1308)。
S1308で普通図柄の変動を開始した後、またはS1302で普通図柄変動中と判断された場合(S1302でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1309)。すなわち、S1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がS1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(S1309でYes)、普通図柄変動制御部236は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1310)。そして、普通図柄変動制御部236は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1311)。当選したならば(S1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(S1312)。一方、抽選にはずれたならば(S1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(S1401でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1402でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1403でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1405)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1407)。
S1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部237は、S1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1408でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1409でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(S1410)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1411でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1413)。このエンディングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1417でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
S1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1402でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1415)。そして、エンディング中であるならば(S1415でYes)、上記S1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1415でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1416)。そして、作動中でないならば(S1416でNo)、上記S1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1416でYes)、上記S1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のS1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(S1501、S1502、S1503、S1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のS902、S903、S905と概ね同様であるので、S902、S903、S905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(S1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、S1502、S1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、1502でYes、S1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502でNo、S1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502、S1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1602でNo)、電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるS1104、S1114、図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
S1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1602でYes)、またはS1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(S1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(S1605でYes)、電動チューリップ動作制御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図17(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、図17(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
なお、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、画像表示部114において行われる演出の態様を示すものである。すなわち、特別図柄の変動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるスーパーリーチ演出が含まれている。一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5−3に示す乱数更新処理(S501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば図17(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔変動パターンの設定例〕
次に、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例について説明する。
図18は、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例を示す図である。
図18に示す例では、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合(図10のS1001でYesの場合)の変動パターンとして、3種類の変動パターンA〜Cが設定されている。また、特別図柄抽選の判定結果がはずれ(図10のS1001でNoの場合)であった場合の変動パターンとして、6種類の変動パターンD〜Iが設定されている。変動時間は、変動パターンAが90秒、変動パターンBが60秒、変動パターンCが30秒、変動パターンDが60秒、変動パターンEが30秒、変動パターンFが15秒、変動パターンGが13秒、変動パターンHが7秒、変動パターンIが3秒にそれぞれ設定されている。すなわち、特別図柄の変動パターンは、特別図柄抽選における判定結果および特別図柄の変動時間を定める。
また、変動パターンD〜Fは、リーチ演出が行われる場合(図10のS1004でYesの場合)に選択される変動パターンであり、変動パターンG〜Iは、リーチ演出が行われない場合(図10のS1004でNoの場合)に選択される変動パターンとして設定されている。なお、特別図柄抽選の判定結果が大当たりのときには必ずリーチ演出を行うように構成しているため、変動パターンA〜Cが選択される場合においてリーチ演出の有無は参照されない。
さらに、変動パターンG〜Iのうち、変動パターンGは保留数が0個であるとき、変動パターンHは保留数が1個または2個であるとき、変動パターンIは保留数が3個または4個であるときにそれぞれ選択される変動パターンとして設定されている。すなわち、特別図柄抽選における判定の保留数が多いほど、特別図柄変動の平均時間が短くなるように設定されている。
遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パターン乱数値(図6のS604、S610参照)と、図18の設定例に示す判定結果、リーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づいて特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行される。
なお、図示はしていないが、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合に選択される変動パターンA〜Cのうち、最も高い割合で変動パターンAが選択され、次に高い割合で変動パターンBが選択され、最も低い割合で変動パターンCが選択されるように設定することができる。
また、図18に示した例では、遊技球が第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合とを区別していないが、第1始動口121と第2始動口122の何れに入賞したかに応じて変動パターンの設定を異ならせることもできる。
〔コマンドの構成および伝送方式〕
ここで、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンド(演出制御用コマンドおよび設定用コマンド)の構成および伝送方式について説明する。
図19−1は、コマンドの構成を示す図である。図19−1(a)はコマンドのデータ構造を示し、図19−1(b)はコマンドのビット列としての構造を示す。
図19−1(a)に示すように、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドは、1コマンドが2バイトで構成される。このコマンドは、第1データ部としての1バイトの「コード」と、第2データ部としての1バイトの「データ」で構成されている。「コード」は、コマンドの種類を示し、「データ」は、コマンドの値を示す。このコマンドは、1本のシリアル信号により調歩同期を用いて、遊技制御部200から演出制御部300へ送信される。なお、より一般的には、第1データ部である「コード」は、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定され、第2データ部である「データ」は、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている。
調歩同期を用いるため、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々の先頭には1ビットのスタートビット(図中、「S」と記載されたビット)が設けられ、最後尾には1ビットのエンドビット(図中、「E」と記載されたビット)が設けられる。また、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々には1ビットのパリティビット(図中、「P」と記載されたビット)が設けられる。
図19−1(a)に示したように、コマンドを構成する「コード」と「データ」とは、どちらも1バイト(8ビット)のデータサイズを有する。そして、伝送される際、「コード」および「データ」には、それぞれ、スタートビット、エンドビットおよびパリティビットが設けられる。そのため、コマンドを受信する演出制御部300において、受信したデータ列がコマンドの「コード」であるのか「データ」であるのかを、データ列の外形から識別することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグを設定する。具体的には、「コード」を構成する8ビット値の特定箇所の値と、「データ」を構成する8ビット値のうち「コード」の特定箇所に対応する箇所の値とが異なるようにする。
図19−1(b)に示す例では、「コード」および「データ」のそれぞれの先頭の1ビットをフラグとして用いている。すなわち、「コード」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「1」とし、「データ」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「0」とする。これにより、演出制御部300は、受信したデータ列のスタートビットに続く先頭の1ビットの値を調べることにより、そのデータ列が「コード」か「データ」かを識別することができる。なお、フラグの具体的な値は例示に過ぎず、「コード」と「データ」とを識別可能であれば、上記に示す値とは異なる値を用いても良い。
ここで、「コード」は先頭の1ビットの値が「1」に特定されているので、「コード」が取り得る値の範囲は、10000000B(=80H)から11111111B(=FFH)までの128個である。なお、各値に付された文字「B」は2進数表記であることを示し、文字「H」は16進数表記であることを示す。また、「データ」は先頭の1ビットの値が「0」に特定されているので、「データ」が取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から01111111B(=7FH)までの128個である。すなわち、図19−1(a)、(b)に示す構成によれば、各々128種類の値を取り得る、128種類のコマンドを設定することができる。
ところで、パチンコ遊技機100では、遊技状態や特別図柄抽選の判定結果等に応じて多くの種類の演出が実行される。そのため、演出制御用のコマンドも多くのコマンド数が用意される。特に、コマンドの具体的な内容を示す値である「データ」は、上記の128個では不足することもあり得る。一方、コマンドの種類を示す「コード」は、通常、上記の128個よりも小さい数で足りる。そこで、「コード」のビット列の一部を、「データ」の値を記述するために用いることが考えられる。
例えば、「コード」の最後尾の1ビットを「データ」の値の記述に用いる場合を考える。以下、「コード」および「データ」を構成する8ビットのビット列における各ビットを、第1ビット〜第8ビットと呼ぶ。また、「コード」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの種類を示す「コード」の値を「コード値」と呼び、「データ」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの値を示す「データ」の値を「データ値」と呼ぶ。すると、コード値は、「コード」のビット列のうち、第1ビットから第7ビットまでを用いて記述され、データ値は、「データ」のビット列の全て(第1ビットから第8ビットまで)と、「コード」の第8ビットとを用いて記述される。
このように構成すれば、コード値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「1」に特定されており、全体で7ビットのサイズであるので、1000000B(=40H)から1111111B(=7FH)までの64個である。また、データ値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「0」に特定された「データ」の8ビットで表現される128個と「コード」の第8ビットの値「0」、「1」とを合わせて、256個である。したがって、データ値として256種類の値を持つコマンドを設定することが可能となる。
なお、「コード」の一部を用いてデータ値を記述する場合における上記の構成は例示に過ぎず、具体的なビット数や値は上記の構成例には限定されない。例えば、「コード」の第7ビットおよび第8ビットを用いてデータ値を記述するように構成しても良い。より一般的には、第1データ部である「コード」を構成する所定のビットと、第2データ部である「データ」を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータ(データ値)が記録される。そして、第1データ部である「コード」における上記の所定のビットを除く残りのビットを用いて、所定の種類のデータ(データ値)とは異なる他の種類のデータ(コード値)が記録される。言い換えると、第2データ部である「データ」を構成するaビットと、第1データ部である「コード」を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)とを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ値が記録される。
また、扱うことができるデータ値の数を増やす手段としては、データ値を記述する「データ」のビット列を増やすことも考えられる。例えば、データ値を記述するビット列として、「第1データ」と「第2データ」とを用意することが考えられる。この場合、各ビット列を8ビットとすれば、合計で16ビットのビット列によりデータ値を記述することが可能となる。「第1データ」と「第2データ」とを識別するために、8ビットのビット列のうち第2ビットをフラグとして用いることにすると、例えば、「第1データ」の第1ビットおよび第2ビットを「00B」とし、「第2データ」の第1ビットおよび第2ビットは「01B」とすることができる。なお、第1ビットは、「コード」と識別するためのフラグとして値「0」となっている。すなわち、第2データ部である「データ」は、個々のデータ値を表すビット列(「第1データ」、「第2データ」、……)のサイズである8ビットごとに(より一般的には、上記aビットごとに)、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このように構成すると、「第1データ」の取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から00111111B(=3FH)までの64個であり、「第2データ」の取り得る値の範囲は、01000000B(=40H)から01111111B(=7FH)までの64個であるので、合計で4096(=64×64)個となる。なお、ここでは、「コード」と「データ」(「第1データ」および「第2データ」)を識別するためのフラグとして第1ビットを用い、「第1データ」と「第2データ」とを識別するためのフラグとして第2ビットを用いることとしたが、第1、第2ビットを用いて4種類のビット列を識別するためのフラグを設定しても良い。例えば、「コード」は第1、第2ビットの値を「11B」とし、「データ」は第1、第2ビットの値を「00B」、「01B」、「10B」の何れかとすることが考えられる。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図19−2は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図19−2(a)に示すメイン処理と、図19−2(b)に示す割り込み処理とからなる。図19−2(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S1901)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S1902)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S1903)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、S1902で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図19−2(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S1911)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S1912)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S1913)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図20は、コマンド受信処理(図19−2(b)のS1911)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(S2001)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S606、S612)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(S2001でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている保留数の値を1加算し(S2002)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(S2003)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(S2001でNo)、またはS2003の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(S2004)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S811)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2004でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2005)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(S2001およびS2004でNo)、またはS2005の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2006)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S814)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2006でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2007)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(S2001、S2004およびS2006でNo)、またはS2007の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2008)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(S1118)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2008でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(S2009)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2001、S2004、S2006およびS2008でNo)、またはS2009の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(S2010)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(S1413)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2010でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2011)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2001、S2004、S2006、S2008およびS2010でNo)、またはS2011のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(S2012)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図21は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図21に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図22は、図20の演出選択処理(S2005)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(S2201)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(S2202)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2203)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(S2204)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(S2205)。
詳述しないが、S2204における図柄変動の演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図19−2のS1903において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得している)とに基づいて演出パターンが決定される。ここで決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図23は、図20の変動演出終了中処理(S2007)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(S2301)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(S2302)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(S2303)。何らかの当たりである場合は(S2303でYes)、その当たりの種類に応じて、図21に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(S2304)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(S2303でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(S2305)。モードフラグが0でない場合(S2305でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(S2306)、Mの値が0になったか否かを調べる(S2307)。Mの値が0になったならば(S2307でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(S2308)。
S2305でモードフラグが0であった場合(S2305でYes)、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合(S2307でNo)、またはS2308でモードフラグを0に設定した後、あるいはS2304でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(S2309)。ここで、図21を参照すると、S2304でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、S2305でモードフラグが0であった場合およびS2308でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図24は、図20の当たり演出選択処理(S2009)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(S2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(S2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(S2403)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図25は、図20のエンディング演出選択処理(S2011)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(S2501)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S2502)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S2503)。
図26は、図20の客待ちコマンド受信処理(S2012)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(S2601)。客待ちコマンドを受信した場合(S2601でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(S2602)、RAM303において計測フラグをONにする(S2603)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(S2601でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(S2604)。計測フラグがOFFであれば(S2604でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(S2604でYesまたはS2603でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(S2605)。タイムアップしていない場合(S2605でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(S2605でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(S2606)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(S2607)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図27は、演出ボタン処理(図19−2(b)のS1912)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が操作されたか否かを判断する(S2701)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S2701でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(S2702)。
この後、演出制御部300は、図19−2(b)のコマンド送信処理(S1913)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔事前判定に基づく予告演出〕
次に、本実施の形態による事前判定に基づく予告演出について説明する。
本実施の形態では、図6を参照して説明したように、第1始動口121(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211(図3参照)がONとなった場合、および第2始動口122(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212(図3参照)がONとなった場合に、図柄変動時の抽選による判定(図8のS808、S809参照)に先立って、特別図柄抽選の抽選結果の事前判定(先読み)を行う(図6のS605、S611参照)。
また、本実施の形態では、上記の事前判定の結果に基づいて、判定結果を遊技者に示唆する予告演出(示唆演出)を行う。この予告演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動の際に実行される。本実施の形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口121または第2始動口122)につき4個を上限としている(図6参照)。また、第2始動口122の保留球の消化を優先するものとする。この場合、例えば、第2始動口122のある保留球について事前判定を行った場合、その保留球についての図柄変動が行われる前に、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。事前判定が行われた保留球に係る予告演出において、その保留球についての図柄変動が行われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる予告演出を行っても良い。
〔予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
このような事前判定に基づく予告演出を実行するために、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303は、以下のような構成を有する。
図28は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図28(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、図28(b)は、図28(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図28(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
また、図28(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、大当たりに当選した際の変動回数Nが記憶される領域と、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、を有する。また、記憶部204a〜204hの各々は、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数およびリーチ乱数が記憶される。また、記憶部204a〜204hの各々は、事前判定情報が記憶される領域を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図6のS605、S611参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図8参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、当たりの種類(大当たり、小当たり、はずれ)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのかといったことを示すための情報である。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hのいずれにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図29は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図29(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示すブロック図であり、図29(b)は、(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図29(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
また、図29(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して後述する先読み結果の報知コマンドの有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば上記3つの保留球に対して事前判定処理(図6のS605、S611および後述の図30参照)が行われ、3番目の保留球に対して報知コマンドがセットされた場合、第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
すなわち、RAM203およびRAM303は、遊技制御部200および演出制御部300において保留球に関して、事前判定の結果を含む情報(保留球情報)を記憶する保留球情報記憶手段として機能する。また、遊技制御部200は、大当たり抽選を行う抽選手段であり、事前判定処理を行う事前判定手段である。演出制御部300は、事前判定結果を予告(示唆)するための予告演出を行う演出制御手段である。
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(図6のS605、S611参照)について詳細に説明する。
まず、事前判定処理での乱数による判定の手法について説明する。
図30は、本実施の形態における事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図である。図30(a)には事前判定処理での大当たり乱数の構成例、図30(b)には事前判定処理での大当たり図柄乱数の構成例、図30(c)には事前判定処理でのリーチ乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図30(a)を参照すると、事前判定処理での大当たり乱数は、図17(a)に示した大当たり判定処理における大当たり乱数と同様の構成となっている。すなわち、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類が設定されている。乱数の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。事前判定における当選確率は、低確率状態では1/300であり、高確率状態では10/300(=1/30)である。
また、特別図柄抽選ではずれのときに行われる小当たりか否かの判定についても、図17(a)に示した乱数と同様の構成となっている。すなわち、小当たりの当選確率は、低確率状態か高確率状態かに関わらず、3/300(=1/100)である。
図30(b)を参照すると、事前判定処理での大当たり図柄乱数は、図17(b)に示した大当たり判定処理における大当たり図柄乱数と同様の構成となっている。すなわち、第1始動口121に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、低確率図柄Aの大当たり、低確率図柄Bの大当たり、高確率図柄Aの大当たり、高確率図柄Bの大当たり、潜確図柄の大当たりの5種類が用意されている。また、第2始動口122に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、低確率図柄Aの大当たり、低確率図柄Bの大当たり、高確率図柄Aの大当たり、高確率図柄Bの大当たりの4種類が用意されている。
乱数値の範囲は、第1始動口121と第2始動口122の何れに入賞した場合も0〜249の250個である。また、高確率図柄Aおよび高確率図柄Bについては、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合とで異なる当選値が設定されており、当選確率が異なっている。
図30(c)を参照すると、事前判定処理でのリーチ乱数は、図17(c)に示した変動パターン選択処理におけるリーチ乱数と同様の構成となっている。すなわち、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。したがって、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、事前判定により、8.8/100(=22/250)の確率でリーチ演出が行われると判定される。
〔遊技制御部による事前判定処理〕
図31は、本実施の形態に係る事前判定処理(図6のS605、S611)の内容を示すフローチャートである。
図31に示すフローチャートでは、遊技制御部200は、内部状態が高確率状態か否かを判断し(S3101)、高確率状態であると判断すると(S3101でYes)、始動口スイッチ処理(図6参照)において獲得した大当たりの抽選の権利が、現在の高確率状態に移行してから、何回目の大当たりの抽選の権利に相当するものであるのかを判断する。
すなわち、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態となる大当たり(図30(b)に示す例では、高確率図柄Aの大当たりおよび高確率図柄Bの大当たり)の当選が確定すると、大当たりに当選した際の変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(特別図柄の変動表示)によって、高確率図柄Aの大当たりに当選した場合には、RAM203に「200」というデータが記憶され、それに伴って、内部状態が高確率時短遊技状態となる。したがって、電源をONしてから、201回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、1回目の大当たりの抽選に相当し、同様に、210回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、10回目の大当たりの抽選に相当することとなる。このように、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たりの抽選の権利が、高確率時短遊技状態に移行してから何回目の大当たりの抽選に相当するのかを演算する。具体的には、遊技制御部200が変動回数Nから基準回数Mを減算することによって演算値Zを取得する(S3102)。
そして、遊技制御部200は、演算値Zが所定回数X以下であるか否かを判断する(S3103)。ここでいう所定回数Xというのは、高確率状態用の当たり判定用テーブル(図30(a)参照)に基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。
ここで、例えば、大当たり遊技後の遊技状態が高確率時短遊技状態となる大当たりに当選すると、以後、100回を上限として、大当たり乱数の判定が高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて行われる場合を考える。この場合、所定回数Xは100と設定されることとなり、演算値Zが100以下であるか否かを判断することとなる。
すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たり乱数が、高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて判定されるのか、それとも、高確率時短遊技状態が終了して低確率状態用の当たり判定用テーブル(図30(a)参照)に基づいて判定されるのかを、ここで判断することとなる。
例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(変動回数N=200)によって高確率図柄Aの大当たり(高確率時短遊技状態となる長当たり)に当選したとする。その後、高確率時短率遊技状態になってから98回の大当たりの抽選が行われ、いまだ大当たりに当選していない状況で、変動回数N=299の保留A、変動回数N=300の保留B、変動回数N=301の保留Cが、RAM203に記憶されたとする。このとき、基準回数M=200と設定されているため、保留Aは演算値Z=99となり、保留Bは演算値Z=100となり、保留Cは演算値Z=101となる。したがって、保留Aおよび保留BはS3103で「YES」と判断され、保留CはS3103で「NO」と判断される。
このように、S3102およびS3103の処理によって、現在の内部状態ではなく、あくまでも特別図柄処理時の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと遊技状態が変化する場合にも、正確な判定結果を導き出すことができる。
遊技制御部200は、演算値Zが所定回数X以下であると判断すると(S3103でYes)、次に、大当たり遊技後の内部状態を低確率状態に変更する「大当たり」に係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(S3104)。なぜなら、このような保留球が先に保留されているとなれば、始動口スイッチ処理(図6参照)において保留された保留球を消化するときに、遊技状態が低確率状態になってしまうからである。
したがって、S3104でNoと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3106)、S3104でYesと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3107)。
一方、現在の遊技状態が低確率状態である場合(S3101でNo)や、現在の遊技状態が高確率状態であっても演算値Zが所定回数Xを超えていると判断した場合(S3103でNo)には、次のような処理を行う。すなわち、遊技制御部200は、RAM203の記憶領域204(図28参照)に、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に変更する大当たりに係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(S3105)。例えば、始動口スイッチ処理(図6参照)のS605において、記憶領域204の第6記憶部204f(図28参照)に乱数を記憶した場合には、第1記憶部204a〜第5記憶部204e(図28参照)に高確率状態となる大当たりのいずれかに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判断する。すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)において今回生じた保留球よりも先に消化される保留球に、内部状態を高確率状態に変更するものがあるかを判断する。なぜなら、このような保留球が先に存在するとなれば、始動口スイッチ処理において今回生じた保留球を消化するときに、内部状態が高確率状態になってしまうからである。
したがって、S3105でNoと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3107)、Yesと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3106)。
なお、詳しくは図示しないが、S3104およびS3105において、仮に、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に変更する大当たりと、大当たり遊技後の遊技状態を低確率状態に変更する大当たりとが記憶領域204(図28参照)に記憶されている場合には、遊技制御部200は、これら2つの大当たりのうち、後に消化される保留球に係る事前判定情報に基づいて上記の判断(S3104、S3105)を行う。
このように、S3104およびS3105の処理によって、特別図柄処理の際の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと内部状態が変化する場合や、低確率状態から高確率状態へと内部状態が変化する場合にも、正確な事前判定の結果を導き出すことができる。
この後、遊技制御部200は、選択した判定用テーブルに基づいて各乱数の判定を行い(S3108)、その判定結果を事前判定情報として記憶領域204(図28参照)に記憶する(S3109)。そして、その判定結果が大当たりまたは小当たりであったか否かを判断し(S3110)、大当たりまたは小当たりであった場合には(S3110でYes)、先読み結果の報知コマンド(図では単に報知コマンドと記載)をセットし(S3111)、また、ハズレであった場合(S3110でNo)には、通常コマンドをセットして(S3112)、事前判定処理が終了する。通常コマンドとは、後述の保留表示演出において事前判定(先読み)の結果を報知せず保留数の表示のみを行わせるためのコマンドである。セットされたこれらのコマンドは、保留数増加コマンド(図6のS606、S612参照)に含まれ、出力処理(図5−3のS506参照)において演出制御部300に送信される。
なお、事前判定処理において、図31に図示されていない制御を採用することも考えられる。例えば、ハズレであった場合(S3110でNo)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定し、リーチ演出が行われると判定したときはリーチコマンドをセットする。また、大当たりであると事前判定された場合には(S3110でYes)、大当たりの種類が事前判定される。
〔演出制御部による予告演出〕
パチンコ遊技機100では、特別図柄の変動中にさらに始動口へ遊技球が入賞して保留球が発生した場合に、表示器130(図1、2(a)参照)の第1特別図柄保留表示器218および第2特別図柄保留表示器219により保留数に応じた表示が行われる。また、この表示器130による表示に加えて、演出表示の一部として、画像表示部114に保留球に関する情報(有無、保留数等)を表示する演出(保留表示演出)を行うパチンコ遊技機100がある。さらに、上記のように保留球に関して事前判定を行った場合、判定結果を報知または示唆する予告演出を行うことができる。この予告演出を行うために、演出制御部300により上記の報知コマンドの受け付け処理が行われる。
上述したように、報知コマンドおよび通常コマンドは、保留数増加コマンドに含まれて遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。したがって、コマンド受信処理(図19−2(b)のS1911および図20参照)において、保留数増加コマンドを受信した場合に、演出制御部300は、保留数の加算および保留数コマンドをセット(S2001〜S2003参照)するだけでなく、保留数増加コマンドから報知コマンドまたは通常コマンドを抽出し、RAM303に格納する。
〔報知コマンドの受け付け処理〕
図32は、演出制御部300による報知コマンドの受け付け処理の内容を示すフローチャートである。
上記の保留数増加コマンドの受信時の処理の後、演出制御部300は、保留数増加コマンドから抽出された報知コマンドがRAM303に記憶されているか否かを判断する(S3201)。報知コマンドが記憶されていると判断すると(S3201でYes)、演出制御部300は、RAM303における今回の保留球に対応する記憶領域(第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれか)において、保留フラグおよび報知フラグをONにする。保留数増加コマンドから報知コマンドではなく通常コマンドが抽出された場合は、保留フラグのみをONにする(S3202)。なお、報知コマンドが記憶されていない場合(S3201でNo)には、報知コマンド受け付け処理を終了する。
次に、演出制御部300は、RAM303の第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれかにおいて、報知フラグがONとなっているか否かを判断する(S3203)。記憶部305a〜305d、306a〜306dのいずれかにおいて報知フラグがONとなっていると判断した場合(S3203でYes)、次に演出制御部300は、変動時間Tが所定値Kよりも大きいか否かを判断する(S3204)。そして、変動時間Tが所定値Kよりも大きいと判断した場合には(S3204でYes)には、予告演出(報知演出)を行うための報知演出コマンドをセットし(S3205)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
一方、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいても報知フラグがONとなっていないと判断した場合(S3203でNo)および変動時間Tが所定値K以下であると判断した場合(S3204でNo)、演出制御部300は、先読み結果を報知しない通常演出を行うための通常演出コマンドをセットし(S3206)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
なお、これらのコマンドは、演出制御処理において、保留数を遊技者に報知するためのものであり、保留球ごとの個別情報(第1始動口121および第2始動口122のいずれ係る保留球か、各始動口における何番目の保留球か等)を有している。また、報知演出コマンドには、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっているのかという情報も含まれている。
より詳しくは、ここにいう変動時間Tとは、大当たり判定処理(図9参照)による特別図柄が変動する時間であり、当該変動に係る変動時間ということもできる。また、所定値Kは、予告演出を行うのに必要な時間(尺)よりも大きな値である。例えば、実行しようとする予告演出の尺が3秒である場合、所定値Kとして4秒の値を採用することが考えられる。これは、変動時間Tが実行しようとする予告演出の尺よりも長くなければ、図柄変動中に予告演出を行うことができないためである。したがって、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっている場合であっても、変動時間Tが所定値K以下である場合には、報知演出コマンドではなく通常演出コマンドがセットされる(S3203、S3204、S3206参照)。
なお、変動時間Tは、必ずしも、1回の特別図柄の変動時間(1個の入賞球(保留球)に係る特別図柄の変動が行われる時間)に限定しない。すなわち、変動時間Tとして、複数回(保留数の上限が4個である場合は2回または3回)の図柄変動が行われる時間を設定することができる。言い換えれば、複数回の変動時間を加算した時間がHの値となる。この場合、演出は、複数回の図柄変動にまたがって行われる予告演出(いわゆる連続予告)として行われる。
予告演出が複数回の図柄変動にまたがる場合は、図31のS3104に示したように全体の変動時間Tの下限値を保証するだけでなく、予告演出(連続予告)の尺に対して全体の変動時間Tの長さが余り過ぎないように、予告演出の対象となる図柄変動における変動時間を制限する必要がある。
〔可動役物115〕
次に、上述した可動役物115(図1参照)について説明する。
この可動役物115は、パチンコ遊技機100(図1参照)が行う演出のうち、動きの演出(動き演出)および光による演出(光演出)を担うように構成されており、パチンコ遊技機100の平面視で画像表示部114よりも前側に位置する。
なお、遊技盤110の一部を構成する遊技盤本体は、ベニヤ(合板、木)製ではなく、光を透過する樹脂製の板状部材であり、いわゆる透明遊技板である。このため、遊技盤110の後側にある可動役物115の部分も、遊技者が視認可能である。
付言すると、遊技盤本体は、凹凸形状や切欠き形状を成形により一体形成されるポリカーボネート(PC)製である。また、遊技盤本体を、素材としてのアクリル製の板材を切削加工により凹凸形状や切欠き形状を形成する場合に適用することも考えられる。
以下、可動役物115の一部を構成する造形可動体4(図1参照)、車型ロボット部5(同図参照)およびタイトルロゴ部7(同図参照)の各々について順に説明する。
〔可動役物115の造形可動体4〕
まず、可動役物115の造形可動体4について説明する。すなわち、造形可動体4の構成を図33−1および図33−2を用いて説明し、さらに各種の機構および動き演出について説明する。
〔造形可動体4の構成〕
図33−1は、可動役物115の造形可動体4を説明する図である。同図では、造形可動体4を構成する要素相互の位置関係を説明するものであり、収納状態を示す。同図の(a)は、収納状態にある造形可動体4の平面図、(b)はその正面図である。
造形可動体4は、同図の(a)または(b)に示すように、左右方向に延在する本体部4aと、正面視右寄りに位置する右位置部4bと、正面視左寄りに位置する左位置部4cと、を含んで構成されている。また、造形可動体4は、本体部4a等を保持するための不図示のベース部を含んで構成されている。本体部4a、右位置部4bおよび左位置部4cは、遊技盤110(図1参照)に対して移動可能なように構成されている一方で、不図示のベース部は、遊技盤110に固定されている。
ここで、図33−1の(b)に示すように、造形可動体4を、正面視で中央領域と、中央領域よりも右側にある右領域と、中央領域よりも左側にある左領域と、に区分けする場合、本体部4aは、中央領域、右領域および左領域のすべてに位置するものである。
これに対し、右位置部4bは、中央領域および右領域に位置するものであり、左領域には位置しない。さらに説明すると、収納状態の右位置部4bは、中央領域および右領域に位置する本体部4aの部分を覆うように位置する。
また、左位置部4cは、中央領域および左領域に位置するものであり、右領域には位置しない。さらに説明すると、収納状態の左位置部4cは、左領域に位置する本体部4aの部分を覆うように位置する。また、収納状態の左位置部4cは、右位置部4bに覆われている部分を有する。
補足説明すると、同図によれば、左位置部4cは、左領域にだけ現れているが、右位置部4bに隠された中央領域に位置する部分を有しており、かかる部分は、同図には現れていない。
ところで、造形可動体4の右位置部4bは、図33−1の(a)に示すように、本体部4aに対して前後方向における前寄りに位置する。より具体的には、右位置部4bは、本体部4aの前面よりも前に位置する。すなわち、右位置部4bは、本体部4aの前方に位置するものであり、本体部4aの背後には位置しない。
また、左位置部4cは、その一部が本体部4aに対して前後方向における前寄りに位置する。また、左位置部4cは、本体部4a内に位置する部分を持つ。左位置部4cは、本体部4aの背後には位置しない。
また、造形可動体4が収納状態にある場合、図33−1の(b)に示すように、上下方向に関し、右位置部4bは、本体部4aとほぼ同じ位置である。
左位置部4cは、右位置部4bに比べて上下方向下側に位置する。
なお、造形可動体4は、収納状態から外形が大きく変化する他の状態に移行可能であり、そのような他の状態に移行すると、上述した左右方向の位置関係や上下方向の位置関係が変わるように構成されている。
図33−2は、造形可動体4の分解斜視図である。
同図に示すように、造形可動体4の一部を構成する本体部4aは、左右方向に延びる板状の形状である。本体部4aは、前面が装飾された装飾部材411と、装飾部材411の後ろに位置して装飾部材411と連結され、細長く形成された横長部材412と、を含んで構成されている。また、本体部4aは、横長部材412に取り付けられ、横長部材412の左端寄りの位置で横長部材412に固定して取り付けられる上腕部材413と、を含んで構成されている。
装飾部材411および横長部材412は、正面視で右端および左端の各々で、不図示のベース部に保持される。装飾部材411および横長部材412は、不図示のベース部に対して上下移動が可能である。装飾部材411は、光演出のための光源(不図示)を備えている。
付言すると、本実施の形態では、本体部4aは、複数の部材すなわち装飾部材411と横長部材412が互いに連結されることで一体に構成されているが、単一の部材で構成することも考えられる。
なお、上腕部材413の上部には、突出片413aが形成されている。この突出片413aは、立体的な円筒形状をモチーフにした平面的なものであり、斜めから見たときに円筒形状に認識されるように形成されている。
かかる突出片413aは、一方向に延びる中心線413axが存在するように形成されている(図33−9参照)。
造形可動体4において、本体部4aの前側に位置する右位置部4bは、本体となる板状部材421を備え、かかる板状部材421の表面に各種の飾り用部材が取り付けられて構成されている。
右位置部4bの板状部材421は、正面視右端で不図示のベース部により保持されると共に、板状部材421の裏面側において正面視左端寄りの位置で本体部4aに対してスライド可能に保持されており、いわゆる片持ちである。板状部材421は、不図示のベース部に対して上下移動が可能である。
また、右位置部4bは、板状部材421に対して相対移動可能な可動角部材422を備えている。より具体的には、可動角部材422は、不図示のベース部に取り付けられており、板状部材421が本体部4aに対して相対移動することに伴って板状部材421の上側に突出する。言い換えると、可動角部材422には、板状部材421に隠れる収納状態と、板状部材421の上側に突出する突出状態と、がある。そして、可動角部材422の板状部材421に対する移動は、板状部材421の移動に伴って行われるものであり、駆動源の駆動力が可動角部材422に対して直接入力されるものではない。
付言すると、可動角部材422が突出状態の場合、上から下に押さえ付ける外力が入力されると、それに従って下にスライド移動することが可能なように、不図示のベース部に取り付けられている。
また、造形可動体4の左位置部4cは、本体部4aの横長部材412に回転可能に保持される前腕部材431および拳部材432を含んで構成されている。左位置部4cの前腕部材431は板状の部材であり、光演出のための光源(不図示)を備えている。なお、左位置部4cの前腕部材431は、本体部4aの上腕部材413と共に腕部分を構成する。
また、拳部材432は、前腕部材431よりも立体的な形状の部材である。より具体的には、拳部材432は、前腕部材431に比べて厚さを持ち、全体的に前後方向の前側に突出している。
前腕部材431および拳部材432は、光演出のための光源(不図示)を備えている。そのため、前腕部材431および拳部材432に対して電力および信号を送るための各種の配線が配設されている。
ここで、上述したように、造形可動体4の本体部4a、右位置部4bおよび左位置部4cは、前面側が立体的に造形されている。より具体的に説明すると、右位置部4bは、特定キャラクタの頭部と右肩および左肩の部分を担い(図33−7の(a)または(b)参照)、本体部4aは、特定キャラクタの胴体の部分を担い(同図の(b)参照)、左位置部4cは、特定キャラクタの右腕の上腕と前腕および拳の部分を担う(図33−11の(a)または(b)参照)。そして、造形可動体4の右位置部4b等を見ると、それが特定キャラクタのものであることを視認できるようになっている。
なお、後述するように、造形可動体4において、右位置部4bに隠れている本体部4aの部分が現れると共に、左位置部4cが右方向に移動することが可能であり(例えば図33−11参照)、外形が大きく変化した状態を見ると、特定キャラクタをより明確に視認することができるようになる。
〔造形可動体4の機構〕
次に、造形可動体4が備える各種の機構について説明する。より詳細には、造形可動体4は、本体部4aを昇降させるための昇降機構4dと、右位置部4bを昇降させるための昇降機構4eと、左位置部4cを回転させるための回転機構4fと、を備えている。以下、これら昇降機構4d、昇降機構4eおよび回転機構4fの各々について説明する。
なお、造形可動体4は、右位置部4bの可動角部材422(図33−2参照)を本体部4aに対して上下移動を可能にする不図示の機構を備えている。
〔造形可動体4の昇降機構4d〕
造形可動体4が備える本体部4a用の昇降機構4dについて、図33−3、図33−4および図33−5を用いて説明する。
図33−3〜図33−5は、本体部4aを昇降させるための昇降機構4dを説明する図である。すなわち、図33−3は、昇降機構4dを示す正面図であり、本体部4aを二点鎖線で示したものである。図33−3の(a)は本体部4aが上端に位置する状態を示し、(b)は下端付近に位置する状態を示す。また、図33−4は、昇降機構4dに含まれる右昇降機構4d1の一部を示す分解斜視図であり、図33−5は、昇降機構4dに含まれる左昇降機構4d2の一部を示す分解斜視図である。
図33−3の(a)および(b)に示すように、昇降機構4dは、本体部4aの右端に位置する右シャフト441と、本体部4aの左端に位置する左シャフト442と、を備えている。右シャフト441と左シャフト442はいずれも、上下方向に延びて互いに略平行になるように不図示のベース部に保持されている。
右シャフト441は、右昇降機構4d1の一部を構成し、左シャフト442は、左昇降機構4d2の一部を構成する。
図33−3の(a)に示すように、右昇降機構4d1は、右シャフト441に軸方向に沿って案内される右案内部443を備え、また、左昇降機構4d2は、左シャフト442に軸方向に沿って案内される左案内部444を備えている。右案内部443は、本体部4aと一体に構成され、また、左案内部444は、本体部4aと一体に構成されている。
昇降機構4dの右昇降機構4d1は、モータ4d11の駆動力により動作するものであり、かかる構成を実現するための構成を備えている。また、左昇降機構4d2は、モータ4d21の駆動力により動作するものであり、かかる構成を実現するための構成を備えている。
図33−4に示す右昇降機構4d1の構成は、モータ4d11の出力軸に取り付けられる平歯車4d12と、平歯車4d12と噛合する歯車4d13と、歯車4d13と噛合する大歯車4d14と、大歯車4d14の端面に形成された貫通穴4d141を利用してピンで回転自在に取り付ける長手部材4d15と、を含む。なお、大歯車4d14の貫通穴4d141は、回転中心位置とは異なる位置にあり、偏心穴ということもできる(図33−4も参照)。
右昇降機構4d1の長手部材4d15は、大歯車4d14と連結するのに用いられる貫通穴4d151と、棒状部材4d16と連結するのに用いられる貫通穴4d152と、を有する。すなわち、長手部材4d15は、上端部の貫通穴4d151でピンを介して大歯車4d14と連結され、かつ、下端部の貫通穴4d152でピンを介して棒状部材4d16と連結される。
この棒状部材4d16は、一端部に回転中心となる軸部(回転中心点)を持ち、他端部にはピンを取り付けるための穴を持つ。また、棒状部材4d16は、一端部と他端部との間の中間部に位置し、長手部材4d15の貫通穴4d152に挿入されるピン用の貫通穴4d161を持つ。
棒状部材4d16の他端部に取り付けられるピンは、規制部材4d17に形成されている案内穴4d171に貫通する。付言すると、かかるピンは、ホルダ4d18を介して規制部材4d17の案内穴4d171と係合し、移動方向が規制される。
このように構成された本体部4a用の右昇降機構4d1において、モータ4d11の駆動力が平歯車4d12、歯車4d13および大歯車4d14へと伝達され、大歯車4d14が回転する。これに伴い、大歯車4d14と連結されている長手部材4d15の例えばモータ4d11に対する位置が変わる。そして、長手部材4d15と連結する棒状部材4d16は、規制部材4d17により許容される範囲で姿勢が変わる。
なお、棒状部材4d16は、位置検出のための検出片4d162を有する。この検出片4d162は、フォトセンサPS1(図33−3参照)による検出に用いられるものである。このフォトセンサPS1の検出結果により、本体部4aの右側部分の状態検出(原点位置検出ないし移動端位置検出)が可能になる。
図33−5に示す左昇降機構4d2の構成は、上述した図33−4の右昇降機構4d1の構成と共通する。すなわち、左昇降機構4d2の構成は、モータ4d21の出力軸に取り付けられる平歯車4d22(平歯車4d12に対応)と、平歯車4d22と噛合する大歯車4d23(大歯車4d14に対応)と、を含む。
また、左昇降機構4d2の構成は、大歯車4d23の端面に形成された貫通穴4d231に挿入されるピン用の貫通穴4d241が形成された長手部材4d24(長手部材4d15に対応)と、長手部材4d24に形成された貫通穴4d242に挿入されるピン用の貫通穴4d251が形成された棒状部材4d25(棒状部材4d16に対応)と、を含む。
そして、左昇降機構4d2の構成は、棒状部材4d25に取り付けられるピンを案内する案内穴4d26(案内穴4d171に対応)と、案内穴4d26に案内されるピンと係合するホルダ4d27(ホルダ4d18に対応)と、を含む。
このように構成された本体部4a用の左昇降機構4d2において、モータ4d21の駆動力が平歯車4d22および大歯車4d23へと伝達され、大歯車4d23が回転し、大歯車4d23と連結されている長手部材4d24の例えばモータ4d21に対する位置が変わる。そして、長手部材4d24と連結する棒状部材4d25は、案内穴4d26により許容される範囲で姿勢が変わる。
なお、棒状部材4d25が有する検出片4d252は、フォトセンサPS2(図33−3参照)に検出されることで、本体部4aの左側部分の状態検出(原点位置検出ないし移動端位置検出)が可能になる。
さらに説明すると、本体部4a用の昇降機構4dは、右昇降機構4d1および左昇降機構4d2が連動することで本体部4aの昇降動作を実現させる。すなわち、モータ4d11,4d21が同期するようにランプ制御部320(図3参照)により制御されることで、本体部4aの姿勢を維持しながら、本体部4aを昇降させる。
より具体的には、図33−3に示すように、右昇降機構4d1の棒状部材4d16が反時計方向に回転すると共に、左昇降機構4d2の棒状部材4d25が時計方向に回転すると、同図の(a)から(b)の状態に移行し、本体部4aは下降する。その一方で、棒状部材4d16が時計方向に回転すると共に、左昇降機構4d2の棒状部材4d25が反時計方向に回転すると、同図の(b)から(a)の状態に移行し、本体部4aは上昇する。
〔造形可動体4の昇降機構4e〕
次に、造形可動体4が備える右位置部4b用の昇降機構4eについて、図33−6を用いて説明する。
図33−6は、右位置部4bを昇降させるための昇降機構4eを説明する背面図であり、(a)は上端に位置する状態を示し、(b)は下端付近に位置する状態を示す。なお、同図では、本体部4a全体および右位置部4b全体の図示を省略する。
同図の(a)および(b)に示すように、昇降機構4eは、右昇降機構4d1の右シャフト441(図33−3参照)に取り付けられている。なお、上述のとおり、図33−3は、造形可動体4を前側から見た正面図であるのに対し、図33−6は、その反対側すなわち造形可動体4を後ろ側から見た背面図である。
図33−6(a)および(b)に示すように、右位置部4b用の昇降機構4eは、不図示のベース部に形成されている固定ラック部451と、本体部4aと一体の右案内部443に形成されている移動ラック部452と、を備えている。なお、上述のとおり、右案内部443は、右昇降機構4d1の一部を構成し、右シャフト441に軸方向に沿って案内されるものである。
また、昇降機構4eは、右位置部4bの一部を構成する2段ギア453を備えている。この2段ギア453は、同軸に形成された大歯車453aおよび小歯車453bを持つ。
より詳細に説明すると、右位置部4b側の大歯車453aは、本体部4a側の移動ラック部452と噛合し、また、右位置部4b側の小歯車453bは、不図示のベース部側の固定ラック部451と噛合する。
例えば、図33−6(a)に示す上端位置にある本体部4aが、上述の昇降機構4d(例えば図33−3参照)により下降する場合を考える。この場合には、昇降機構4dのモータ4d11,4d21(同図参照)の駆動力により、図33−6(b)に示すように、本体部4aの移動ラック部452が下方に移動すると、右位置部4bの2段ギア453は、時計方向に回転しながら下方に移動する。
こうして、右位置部4bは、本体部4aの下降動作に伴い、下降動作を行う。すなわち、右位置部4bの下降動作は、昇降機構4dのモータ4d11,4d21(同図参照)の駆動力により行われる。
右位置部4bの上昇動作は、右位置部4bが下降動作を行う場合とほぼ同じ作用により実現される。すなわち、昇降機構4dのモータ4d11,4d21(図33−3参照)の駆動力により本体部4aの上昇動作が行われる場合、かかる駆動力によって右位置部4bの上昇動作が行われる。
右位置部4bの上昇動作は、モータ4d11,4d21の駆動力のほか、不図示の引っ張りコイルバネの付勢力により実現される。ここにいう引っ張りコイルバネ(不図示)は、上下方向に沿うように配設され、上端が不図示のベース部に取り付けられ、下端が右位置部4bに取り付けられている。このため、右位置部4bがモータ4d11,4d21の駆動力により下降動作を行うと、引っ張りコイルバネ(不図示)は、ばね長が長くなってばね力を蓄積する。このばね力は、右位置部4bの上昇動作を補助するのに用いられる。これにより、右位置部4bの上昇動作をより確実に行うことが可能になる。
さらに説明すると、下降動作および上昇動作の際の移動量は、本体部4aと右位置部4bとで同じではなく、異なる。すなわち、図33−6に示すように、右位置部4bの移動量Lbは、本体部4aの移動量Laよりも少ない(Lb<La)。かかる移動量の差は、上述した2段ギア453における大歯車453aおよび小歯車453bに起因するものである。
〔本体部4aおよび右位置部4bの動きについて〕
ここで、図33−7は、本体部4aと右位置部4bとの相対的な位置関係を説明する概略正面図であり、本体部4aおよび右位置部4bの動きを説明するものである。同図の(a)は、本体部4aが上端位置にある状態を示し、(b)は、本体部4aが下端位置にある状態を示す。同図では、本体部4aの左端部分の図示を省略し、また、左位置部4cの図示も省略している。なお、上述したように、本体部4aは、右位置部4bの背後に位置する。
上述のとおり、右位置部4bの移動量Lbが本体部4aの移動量Laよりも少ないことから、図33−7の(a)および(b)に示すように、本体部4aが上端位置にある場合(同図の(a)参照)に右位置部4bにより隠される本体部4aの部分と、下端に位置にある場合(同図の(b)参照)に右位置部4bにより隠される本体部4aの部分とが変わる。
より具体的には、図33−7の(a)に示す状態では、後ろ側にある本体部4aが右位置部4bの下端から少しはみ出し、それがわずかに見える程度である。すなわち、ほぼ右位置部4bのみで、特定キャラクタの形態を構成する。
その一方で、同図の(b)に示す状態では、本体部4aの下側部分が大きく露出している。これにより、本体部4aは、右位置部4bと共に特定キャラクタの形態を構成する。
なお、同図の(b)では、同図の(a)の状態で見える領域を斜線破線で示している。
付言すると、特定キャラクタを立体的に見せるように、本体部4aおよび右位置部4bにおける右側の部分をより大きく、逆に、本体部4aおよび右位置部4bにおける左側の部分をより小さくなるように、本体部4aおよび右位置部4bの形態が設定されている。
〔造形可動体4の回転機構4f〕
次に、造形可動体4が備える左位置部4c用の回転機構4fについて、図33−8、図33−9および図33−10を用いて説明する。なお、この回転機構4fは、専ら左位置部4cを本体部4aに対して回転させるためのものであり、360度以下の回転、より具体的には、90度以内の双方向の回転を行うためのものである。
図33−8〜図33−10は、左位置部4cを回転させるための回転機構4fを説明する図である。すなわち、図33−8および図33−9は、回転機構4fを示す正面図であり、各図の(a)は、左位置部4cが原点位置にある状態を示し、(b)は移動端付近にある状態を示す。図33−10は、回転機構4fの分解斜視図である。
より詳細には、図33−8は、左位置部4cの一部を構成する拳部材432が回転機構4fにより回転する状態を示し、図33−9は、左位置部4cの一部を構成する前腕部材431が回転機構4fにより回転する状態を示している。このため、図33−8では、左位置部4cの拳部材432を二点鎖線で示し、左位置部4cの前腕部材431については図示を省略している。また、図33−9では、左位置部4cの前腕部材431を二点鎖線で示し、左位置部4cの拳部材432については図示を省略している。図33−8および図33−9では、本体部4aを二点鎖線で示し、また、右位置部4b(図33−1または図33−2参照)の図示を省略している。
付言すると、図33−8および図33−9は、昇降機構4dを説明する図33−3に対応するものであり、図33−10は、昇降機構4dを説明する図33−4および図33−5に対応するものである。
以下、回転機構4fのうち左位置部4cの拳部材432を回転させるための機構である拳用回転機構4fbを、図33−8および図33−10を用いて説明し、その後、左位置部4cの前腕部材431を回転させるための機構である前腕用回転機構4faを、図33−9および図33−10を用いて説明する。
すなわち、回転機構4fは、拳用回転機構4fbと前腕用回転機構4faとを含んで構成されるものである。なお、回転機構4fは、拳用回転機構4fbと前腕用回転機構4faとに明確に分けられるものではなく、両者に含まれる構成もあるが、そのような構成をあえていずれかに含ませて説明することがある。
〔回転機構4fにおける拳用回転機構4fb〕
回転機構4fの一部を構成する拳用回転機構4fbを説明する。
図33−8および図33−10に示すように、回転機構4fの拳用回転機構4fbは、モータ4f1の駆動力により動作するものであり、かかる構成を実現するための構成を備えている。すなわち、拳用回転機構4fbの構成は、モータ4f1の出力軸に取り付けられる平歯車4f2と、平歯車4f2と噛合する大歯車4f3と、を含む。また、回転機構4fの構成は、大歯車4f3の端面に形成された貫通穴4f31を利用してピンで回転自在に取り付けられるアーチ状部材4f4を含む。なお、大歯車4f3の貫通穴4f31は、回転中心位置とは異なる位置にあり、偏心穴ということもできる(図33―10も参照)。
また、拳用回転機構4fbの構成は、アーチ状部材4f4に形成された貫通穴4f42を利用してピンで本体部4aに回転自在に取り付けられる駆動側長手部材4f5と、本体部4aにピンで回転自在に取り付けられる従動側長手部材4f6と、を含む。
拳用回転機構4fbのアーチ状部材4f4は、くの字形状に形成されているということができる。そして、アーチ状部材4f4は、大歯車4f3と連結するのに用いられる貫通穴4f41と、駆動側長手部材4f5と連結するのに用いられる貫通穴4f42と、を有する。すなわち、アーチ状部材4f4は、一端部の貫通穴4f41でピンを介して大歯車4f3と連結され、かつ、他端部の貫通穴4f42でピンを介して駆動側長手部材4f5と連結される。
拳用回転機構4fbの駆動側長手部材4f5は、上端側の端部(一端部)に位置し、本体部4aの横長部材412に形成された取り付け穴412aを利用して本体部4aに回転可能に保持される回転部4f51と、下端側の端部(他端部)に位置し、左位置部4cの拳部材432と回転可能に連結される連結部4f52と、を有する。また、駆動側長手部材4f5は、回転部4f51の近傍で連結部4f52とは反対の側に位置し、アーチ状部材4f4と連結するのに用いられる貫通穴4f53を有する。
したがって、駆動側長手部材4f5は、モータ4f1の駆動力が、平歯車4f2、大歯車4f3およびアーチ状部材4f4を介して伝達されることで、回転部4f51を中心にした回転を行う。このような駆動側長手部材4f5の回転は、モータ4f1の回転方向に応じて、双方向すなわち時計方向および反時計方向のいずれにも実行されるものである。
さらに説明すると、駆動側長手部材4f5において、回転部4f51から拳部材432用の連結部4f52までの距離は、回転部4f51から貫通穴4f53までの距離よりもかなり長い。このため、駆動側長手部材4f5がモータ4f1の駆動力により貫通穴4f53がわずかに移動しても、連結部4f52の移動量は、はるかに大きなものとなることから、回転機構4fをコンパクトなものとしつつ、拳部材432のより大きな動きを実現することが可能になる。
回転機構4fの従動側長手部材4f6は、上端側の端部に位置し、本体部4aに回転可能に保持される回転部4f61と、下端側の端部に位置し、左位置部4cの拳部材432と回転可能に連結される連結部4f62と、を有する。
ここで、本体部4aにおける回転部4f61は、上述した駆動側長手部材4f5の回転部4f51とは異なる位置にあり、また、拳部材432における連結部4f62は、上述した駆動側長手部材4f5の連結部4f52とは異なる位置にある。
より詳細には、駆動側長手部材4f5における回転部4f51と連結部4f52との間の離間距離(直線距離)は、従動側長手部材4f6における回転部4f61と連結部4f62との間の離間距離と略同じである。また、駆動側長手部材4f5の回転部4f51と従動側長手部材4f6の回転部4f61との間の離間距離は、駆動側長手部材4f5の連結部4f52と従動側長手部材4f6の連結部4f62との間の離間距離と略同じである。すなわち、回転部4f51の位置、回転部4f61の位置、連結部4f52の位置および連結部4f62の位置を順に結んで形成される図形は、略平行四辺形である。
なお、拳部材432と連結される従動側長手部材4f6は、位置検出のための検出片4f63を有する。この検出片4f63は、フォトセンサPS3(図33−8参照)による検出に用いられるものである。フォトセンサPS3の検出結果により、左位置部4cの拳部材432の状態検出(原点位置検出ないし移動端位置検出)が可能になる。
〔回転機構4fにおける前腕用回転機構4fa〕
回転機構4fのうち、左位置部4cの前腕部材431を回転させるための機構である前腕用回転機構4faを説明する。
図33−9および図33−10に示すように、回転機構4fの前腕用回転機構4faは、上述した駆動側長手部材4f5と、本体部4aの横長部材412を挟んで位置する接続部材4f7および取り付け部材4f8と、を含んで構成される。接続部材4f7は、横長部材412の前側に位置し、また、取り付け部材4f8は、横長部材412の後ろ側に位置する。
前腕用回転機構4faの接続部材4f7は、一端部に位置し、本体部4aの横長部材412に形成された取り付け穴412cを利用して取り付けられる回転部4f71と、他端部に位置する連結部4f72と、を有する。
また、回転機構4fの取り付け部材4f8は、一端部に位置するボス部4f81を有する。このボス部4f81は、本体部4aの横長部材412に形成された円弧溝412dに進入して接続部材4f7の連結部4f72と接続する。なお、円弧溝412dは、取り付け穴412cを中心とする円弧形状である。
さらに説明すると、前腕用回転機構4faの駆動側長手部材4f5は、連結部4f52にて左位置部4cの前腕部材431と連結すると共に、拳部材432とも連結する。すなわち、前腕部材431と拳部材432とは、連結部4f52を介して保持される。より詳細には、前腕部材431は、駆動側長手部材4f5の連結部4f52の位置で拳部材432に対する相対的な回転が可能である。
なお、このような回転機構4fにより回転される拳部材432の原点位置および移動端位置は、図33−10に示すように、円弧溝412dに沿って移動する取り付け部材4f8のボス部4f81が、円弧溝412dの各端部と係合することにより決定される。言い換えると、拳部材432は、円弧溝412dの円弧長の分だけの回転が可能である。
付言すると、拳部材432の移動端位置では、駆動側長手部材4f5と従動側長手部材4f6とが最も接近する。
付言すると、図33−9の(a)に示すように、左位置部4cが原点位置にある状態では、左位置部4cの前腕部材431における線分431xは、平面的な突出片413aの中心線413axと略平行である。これに対し、同図の(b)に示すように、左位置部4cが回転した状態では、線分431xは、中心線413axに略平行ではなく、中心線413axと交差するようになる。同図の(b)に示す線分431xと中心線413axとの交差角度αは、拳部材432が移動端まで移動したときに最大の値となるように変わる(図33−11の(b)参照)。
なお、ここにいう前腕部材431の線分431xは、駆動側長手部材4f5の連結部4f52の位置を含み、前腕部材431の長手方向に延びるものである。
〔左位置部4cの動きについて〕
ここで、図33−11は、本体部4aと左位置部4cとの相対的な位置関係を説明する概略正面図である。同図の(a)は、左位置部4cが原点位置にある状態を示し、(b)は、左位置部4cが移動端付近の位置にある状態を示す。同図では、本体部4aの上腕部材413のみを図示し、本体部4aの他の部分の図示を省略している。
付言すると、上述したように、本体部4aの上腕部材413は、左位置部4cの背後に位置する。かかる左位置部4cは、本体部4aの装飾部材411の背後に部分的に隠れている(図33−2参照)。より具体的には、左位置部4cの前腕部材431は板状部材であり、収容時には、本体部4aの背後に位置する空間内に、本体部4aの上腕部材413と部分的に重ね合わされる。
なお、図33−11は、左位置部4cの動きを説明するものであり、本体部4aおよび右位置部4bの動きを説明する図33−7に対応する。これら両図の各々で説明する動きについて付言すると、上述のとおり、本体部4aおよび右位置部4bの動きを実現する昇降機構4d、4eは、モータ4d11,4d21(図33−3参照)の駆動力により作動する。また、左位置部4cの動きを実現する回転機構4fは、モータ4f1(図33−8参照)の駆動力により作動する。
このため、かかるモータ4d11,4d21,4f1を駆動制御することで、本体部4aおよび右位置部4bを動かすと共に左位置部4cを動かすという動きの態様が可能であり、また、本体部4aおよび右位置部4bを動かさずに左位置部4cだけを動かすという別の動きの態様も可能である。
図33−11を用いて左位置部4cの動きについて説明する。
同図の(a)に示すように、左位置部4cが原点位置にある場合は、本体部4aの上腕部材413は、左位置部4cの前腕部材431に隠れ、かつ、前腕部材431の一部は、左位置部4cの拳部材432に隠れている。
同図の(a)に示す状態から(b)に示す状態に移行する場合、左位置部4cの拳部材432は、矢印A1の方向すなわち下方向に移動すると共に右方向に移動する。
そして、左位置部4cが移動端付近の位置にある場合は、図33−11の(b)に示すように、上腕部材413、前腕部材431および拳部材432が連なり、何らかの意味付けがされた一つの集合物すなわち、有意の集合体となる。
より具体的には、特定キャラクタの右腕が同図の(a)では体の後ろに引かれた状態に見え、同図の(b)では体の前側に伸びた状態に見える。さらに説明すると、上腕部材413および前腕部材431は、上述したようにいずれも板状部材であるが、例えば同図の(b)に示すように、立体的な形状に形成されているように見える。
〔左位置部4cの動きに伴う右腕の見え方〕
左位置部4cの動きに伴う右腕の見え方(視覚的効果)について説明する。
図33−11の(b)に示すように、特定キャラクタの右腕を構成する本体部4aの上腕部材413、左位置部4cの前腕部材431および拳部材432は、幅寸法が異なっている。すなわち、特定キャラクタの腕部分の太さが部位に応じて変わって見えるように、上腕部材413、前腕部材431および拳部材432の各々の幅寸法を設定している。
言い換えると、上腕部材413、前腕部材431および拳部材432は、図33−11の(b)の状態で右腕の遠くにある部位を小さく、近くにある部位を大きく形成することで(遠近法の利用)、特定キャラクタの右腕に遠近感を持たせている。このため、特定キャラクタに対峙することになる遊技者は、腕部分が同図の(a)から(b)に移行することで、同図の(a)の状態ではさほど感じない奥行き感を、同図の(b)では強く感じることになる。すなわち、上腕部分が同図の(a)から(b)に移行すると、拳部材432が遊技者自身に向かってくるような錯覚(臨場感)を感じるようになる。
このように、右腕を平面的な板状の部材で構成しているにもかかわらず、右腕に立体感を持たせることができる。このため、遊技者は、拳部材432が飛び出してくるような錯覚(飛び出し感)を覚えることで、遊技に伴う演出をより楽しむことが可能になる。
より具体的に説明すると、図33−11の(b)に示すように、左位置部4cの前腕部材431は、本体部4aの上腕部材413よりも幅広に形成されている。すなわち、拳部材432に近い前腕部材431は、拳部材432から遠い位置にある上腕部材413と比べると、前腕部材431の移動方向に対して交差する方向における長さ(幅寸法)が長い。
さらには、前腕部材431において、拳部材432に近い側(同図の(b)の下側)の端部の幅w3は、拳部材432から遠い側(同図の(b)の上側)の端部の幅w2に比し、広い。言い換えると、奥側に位置するように見える部分の幅寸法を小さく、手前側に位置するように見える部分の幅寸法を大きく形成している。すなわち、上腕部材413の上側部分(胴体に近い部位)の幅w1は、前腕部材431の上側部分の幅w2よりも小さく、前腕部材431の下側部分の幅w3は、幅w2よりも大きい(w1<w2<w3)。
なお、本実施の形態では、特定キャラクタの右腕を、固定の上腕部材413と可動の前腕部材431とを含んで構成するが、他の構成例を採用することも考えられる。例えば、前腕部材431のみならず上腕部材413をも可動とする例である。この場合も、遠近法により右腕に立体感を持たせるため、上述した幅w1,w2,w3の関係が適用される。
さらに説明すると、拳部材432が図33−11の(a)に示す収容状態から同図の(b)に示す演出状態に移行する際、前腕部材431が回転しながら拳部材432は方向A1に移動する。より詳しくは、前腕部材431は、前腕部材431の線分431xと上腕部材413が持つ突出片413aの中心線413axとが互いに交差する角度である交差角度が大きくなる方向に回転する。すなわち、図33−11の(a)に示す収容状態では、線分431xと中心線413axとは互いに略平行であり(図33−9の(a)参照)、交差角度は小さいのに対し、図33−11の(b)に示す演出状態では、線分431xと中心線413axとが略直交する程度になり、交差角度が大きい。
このような交差角度の変化は、上述した幅w1、幅w2および幅w3の大小関係と共に、特定キャラクタの右腕の動き演出を通常のものとは異なるように感じさせ、迫力感を出すことが可能になる。
なお、本実施の形態では、幅w1、幅w2および幅w3の順で大きい値とする構成を採用するが、逆に、幅w1、幅w2および幅w3の順で小さくなるような変形例も考えられる。すなわち、先端部が最も幅狭で、根元部が最も幅広である(w1>w2>w3)。このような変形例の場合には、先端部が奥行き方向に進むように見え、奥行き感を持たせることができるようになる。
〔特定キャラクタの右腕の形状に関する意義〕
ここで、特定キャラクタをモチーフにする演出体をパチンコ遊技機に搭載する場合、遊技機内の空間が狭いことから、立体的な造形体をすることが困難であり、平面的なものとなると、特定キャラクタの魅力が低下してしまうおそれがある。
そこで、演出体に立体感を持たせることを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、本実施の形態に係る遊技機は、動き演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、装飾部(例えば本体部4aの上腕部材413)と、収容状態から前記装飾部(例えば本体部4aの上腕部材413)に対する所定位置に移動する移動部(例えば左位置部4cの拳部材432)と、前記移動部(例えば左位置部4cの拳部材432)による前記所定位置への移動が行われるときに前記装飾部(例えば本体部4aの上腕部材413)と当該移動部(例えば左位置部4cの拳部材432)との間に配置される接続部(例えば左位置部4cの前腕部材431)と、を備え、前記移動部(例えば左位置部4cの拳部材432)が前記所定位置にある場合の前記接続部(例えば左位置部4cの前腕部材431)は、当該所定位置へ移動する方向(矢印A1)に対して交差する方向(例えば幅方向)における長さ(例えば幅w3)が前記装飾部(例えば本体部4aの上腕部材413)または当該接続部(例えば左位置部4cの前腕部材431)よりも当該装飾部(例えば本体部4aの上腕部材413)側に位置する他の接続部とは異なるように構成されることを特徴とするものである。
このような右腕における遠近法に関して付言する。
右腕の遠近法による奥行き感ないし立体感は、特定キャラクタの上体(図33−7の(a)または(b)参照)の全体に持たせている。すなわち、相手に対して左肩を前にして斜めに構える半身の姿勢の特定キャラクタにおいて、遊技者にとって近くにある左肩を遠くにある右肩よりも大きく形成し、かつ、頭部の位置を右肩寄りにすることで、左肩を右肩よりも強調している。さらに、特定キャラクタの胴体(図33−7の(b)参照)は、左側の部位が右側の部位よりも大きく形成してあることで、両肩の構図とあいまって、特定キャラクタの上体に奥行き感を醸し出すことが可能になる。
〔造形可動体4による動き演出について〕
次に、上述した構成を備える造形可動体4の動き演出について説明する。
図33−12、図33−13、図33−14は、造形可動体4が行う動き演出を説明する図である。すなわち、図33−12および図33−13は、造形可動体4の本体部4a、右位置部4bおよび左位置部4cのすべてが動いて行う動き演出(全体的な動き演出)を説明する図であり、図33−12の(a)、(b)および図33−13の順に時系列で動きを示している。また、図33−14は、造形可動体4の左位置部4cだけが動いて行う動き演出(部分的な動き演出)を説明する図であり、同図の(a)および(b)の順に時系列で動きを示している。なお、図33−12の(a)と図33−14の(a)とは互いに同じものである。
すでに説明した内容であるが、まず造形可動体4における本体部4a、右位置部4bおよび左位置部4cの各動きについてその概要を説明する。
造形可動体4の本体部4aおよび右位置部4bの各々は、上下方向への移動(昇降)が可能である。右位置部4bは、本体部4aの移動に連動するように構成されている。
より詳細には、本体部4aが昇降動作を行うと、これに伴って右位置部4bが、本体部4aに対して相対的に上下方向に移動する。すなわち、本体部4aが、上下方向のいずれか一の方向に移動すると、右位置部4bは、本体部4aに対して同じ方向に移動する。例えば、本体部4aが下方向への移動(下降)を行うと、右位置部4bは、本体部4aに対して下方向への移動(下降)を行う。また、本体部4aが上方向への移動(上昇)を行うと、右位置部4bは、本体部4aに対して上方向への移動(上昇)を行う。
また、上述したように、本体部4aと右位置部4bとが連動して移動する量は、互いに異なり、右位置部4bの移動量は、本体部4aの移動量よりも少ない。言い換えると、本体部4aの移動量は、右位置部4bの移動量よりも多い。このため、互いに重なり合う本体部4aおよび右位置部4bは、下降するに伴って、両者の重なり合う領域が少なくなり、後ろ側の本体部4aがより多く露出する。
また、造形可動体4の左位置部4cは、本体部4aの移動方向である上下方向とは異なる方向への移動が可能である。さらに説明すると、左位置部4cは、本体部4aおよび右位置部4bの移動とは別個独立し、移動可能である。すなわち、左位置部4cは、本体部4aおよび右位置部4bが上下方向に移動するかしないかにかかわらず、移動可能である。このため、造形可動体4において、左位置部4cを、本体部4aおよび右位置部4bの移動に関連付けて移動させることで、本体部4a、右位置部4bおよび左位置部4cが互いに協働する動きの演出が可能である。また、本体部4aおよび右位置部4bが移動していないときに左位置部4cを単独で移動させる動きの演出が可能である。
そして、左位置部4cは、本体部4aに回転自在に取り付けられており、本体部4aに対して回転可能である。
より具体的に、造形可動体4が行う動き演出を説明する。まず、造形可動体4の全体的な動き演出を図33−12および図33−13を用いて説明し、次に、造形可動体4の部分的な動き演出を図33−14で説明する。
図33−12の(a)に示す原点位置の状態では、本体部4aが右位置部4bに隠れるように位置している。そして、モータ4d11,4d21が作動すると、本体部4aが下降し、これに伴い、右位置部4bも本体部4aよりも移動量が少ないながらも下降する。これにより、同図の(b)に示すように、本体部4aは、右位置部4bの下側にて露出し、本体部4aの装飾部材411が右位置部4bと連続するように右位置部4bの下側に現れる。
また、本体部4a用のモータ4d11,4d21の作動の際に、モータ4f1(図33−8の(a)または(b)参照)が作動することで、左位置部4cが本体部4aに対して回転し始める。
付言すると、造形可動体4において、本体部4aと右位置部4bと左位置部4cのいずれか一つまたは複数が、あたかも移動を開始するようにわずかにその場で小刻みにガタガタと動くように、モータ4d11,4d21,4f1を制御することが考えられる。すなわち、大きな位置変更をすることなく往復動を行う動き演出である。
また、かかる動き演出の際に、小刻みに動いている部分を光らせる発光演出を合わせて行うことが考えられる。さらに説明すると、例えば、左位置部4cの拳部材432が小刻みに動く場合、発光する色(LEDの発光色)によって信頼度を示唆する演出例が考えられる。
ここで、左位置部4c用のモータ4f1(図33−8参照)が作動するタイミングは、本体部4a用のモータ4d11,4d21の作動と同じ時期(同時)に行う場合のほか、本体部4a用のモータ4d11,4d21の作動とは異なる時期に行う場合も考えられる。すなわち、左位置部4c用のモータ4f1を、本体部4a用のモータ4d11,4d21が作動する前に作動する例や、モータ4d11,4d21の作動後に作動する例である。前者の場合には、左位置部4cが回転し始めた後に本体部4aが下降し始めるという動きになり、後者の場合には、本体部4aが下降し始めた後に左位置部4cが回転し始めることになる。
このような作動タイミングの違いにより、造形可動体4の動き演出の見え方ないし感じ方が異なる。例えば、前者の場合には、厚みのある大きな拳部材432が最初に動き始めることから、遊技者は、造形可動体4が動き演出を行うことを早めに把握できる可能性が高い。その一方で、後者の場合には、遊技者が動き演出が始まることを把握できるのは前者よりも遅い傾向があるものの、本体部4aが落し始めてその途中で厚みのある大きな拳部材432が動き始めることから、遊技者の驚き度合いがより高くなる可能性が高い。
そして、本体部4a用のモータ4d11,4d21と左位置部4c用のモータ4f1(図33−8参照)との協働により、図33−13に示すように、左位置部4cの拳部材432が移動端に達する。これにより、本体部4aの上腕部材413と左位置部4cの前腕部材431および拳部材432とが互いに連なって配設され、特定キャラクタの右腕が長く伸びるようになる。
また、本体部4aの装飾部材411が右位置部4bの下側に大きく迫り出す形になり、伸びた右腕と共に特定キャラクタの完成形が形成される(全体的な動き演出)。
なお、図33−12の(b)および図33−13に示すように、右位置部4bの可動角部材422(図33−2も参照)は、原点位置の状態では右位置部4b内に埋没しているものの、本体部4aの下降動作に伴い、次第に右位置部4bから上方に飛び出すようになる。上述のとおり、可動角部材422を動かすための専用のモータはなく、可動角部材422は、本体部4aの下降動作により右位置部4bに対して相対的に移動する。
また、上述したように、図33−13に示すように、全体的な動き演出では、半身状態の特定キャラクタの近くにある部分はより大きく、遠くにある部分はより小さく設計されていることから、立体感のある特定キャラクタを、造形可動体4の動き演出として表現している。
また、造形可動体4による部分的な動き演出は、モータ4d11,4d21が作動せず、モータ4f1(図33−8参照)のみが作動する。すなわち、部分的な動き演出では、本体部4aおよび右位置部4bは下降せず、モータ4f1による左位置部4cの回転が行われる。
より具体的には、図33−14の(a)に示す原点位置の状態から、本体部4aおよび右位置部4bは移動しないまま、左位置部4cの前腕部材431および拳部材432が回転し、本体部4aの側方から本体部4aの下方に移動する。
なお、部分的な動き演出として、本体部4aおよび右位置部4bが移動しない場合を説明したが、本体部4aおよび右位置部4bが移動する部分的な動き演出も考えられる。すなわち、本体部4aおよび右位置部4bが移動端(下端)までは移動せず、その途中で下降動作を停止する例である。
〔左位置部4cの動きに伴う拳部材432について〕
次に、図33−15を用い、左位置部4cの動きに伴う拳部材432について説明する。図33−15は、左位置部4cが動く場合の本体部4aに対する拳部材432の相対的な位置関係を説明する図であり、(a)は、本実施の形態の場合を示し、(b)は、その変形例の場合を示す。なお、以下の説明で参照する図33−8の(a)は、回転機構4fによって左位置部4cが原点位置にある状態を示し、(b)は移動端付近にある状態を示すものである。
ここで、本実施の形態に係る回転機構4fの拳用回転機構4fb(図33−8参照)において、上述したように、駆動側長手部材4f5の回転部4f51および従動側長手部材4f6の回転部4f61は、いずれも本体部4aの横長部材412に取り付けられており、固定である。また、駆動側長手部材4f5の連結部4f52および従動側長手部材4f6の連結部4f62は、いずれも左位置部4cの拳部材432に取り付けられており、可動である。
そして、回転機構4fにおける拳用回転機構4fbは、駆動側長手部材4f5および従動側長手部材4f6、本体部4aの横長部材412および拳部材432との係合によって、平行四辺形をなす四節機構を構成する。
すなわち、回転部4f51と回転部4f61とを含む横長部材412の部分を第1のリンクとし、連結部4f52と連結部4f62とを含む拳部材432の部分を第2のリンクとする。また、回転部4f51と連結部4f52とを含む駆動側長手部材4f5の部分を第3のリンクとし、回転部4f61と連結部4f62とを含む従動側長手部材4f6の部分を第4のリンクとする。拳用回転機構4fbを、このような4つのリンクを持つモデルに置き換えると、第1のリンクおよび第2のリンクは相対するリンクであり、第3のリンクおよび第4のリンクは相対するリンクである。そして、かかるモデルは、相対するリンクの長さはそれぞれ相等しいものであり、相対するリンクが常に平行であり、他のリンクに対して回転角速度が同一である(平行クランク)。
このような回転機構4fの拳用回転機構4fb(図33−8参照)の作用により、本実施の形態では、図33−15の(a)に示すように、拳部材432は、左位置部4cの回転前後にわたって同じ姿勢がほぼ保持される。言い換えると、拳部材432は、矢印A2の方向に移動する際、原点位置での姿勢のまま、移動端位置まで回転する。
かかる拳部材432の姿勢保持は、移動端位置から原点位置に戻る復帰動作の場合にも同じである。
なお、左位置部4cの前腕部材431は、回転機構4fの前腕用回転機構4fa(図33−9参照)により回転する場合、拳部材432とは異なり、姿勢が保持されない(図33−11参照)。
また、図33−15の(a)に示すように、本実施の形態に係る左位置部4cの拳部材432は、本体部4aの一部を構成する装飾部材411の下縁部411aに沿うように矢印A2の方向に移動する。
さらに説明すると、本体部4aが下降する場合には、左位置部4cの拳部材432は、装飾部材411の移動方向先頭側の縁部に沿うように移動する。また、本体部4aが上昇する場合(復帰動作)では、装飾部材411の移動方向後尾側の縁部に沿うように移動する。
ここにいう「縁部に沿うように移動」とは、ある面積を持つ面に沿う方向に移動することをいい、より具体的には、装飾部材411の形を基に規定される経路に沿って移動することをいう。その形態としては、種々のものが考えられる。
例えば、装飾部材411の外形ないし輪郭に対応して規定される経路に沿って移動する形態や、装飾部材411の表面に描かれている模様としての線に対応して規定される経路に沿って移動する形態等が考えられる。さらに説明すると、「規定される経路」は、図33−15に示すように外形等の形状を簡略化して設定される経路の場合のほか、外形等の形状を忠実に再現するように設定される経路の場合も考えられる。
また、「縁部に沿うように移動」としては、図33−15に示すように拳部材432が正面視で装飾部材411と重ならない位置で移動する形態のほか、逆に拳部材432が装飾部材411と重なる位置で移動する形態が考えられる。
また、「縁部に沿うように移動」としては、図33−15に示すように拳部材432に接触せず縁部と離間した状態で移動する形態のほか、拳部材432に接触して移動する形態も考えられる。例えば、周縁に沿って配設したレール上をスライド移動する構成である。
本実施の形態では、図33−15に示すように、略長手形状の装飾部材411の下縁部に沿って拳部材432が移動する構成を採用するが、装飾部材411を他の形状とする各種の変形例が考えられる。
すなわち、装飾部材411の代わりに、所定幅を持ち中央部に空間が形成されている環状(ドーナツ形状)の部材を備える構成例等である。ここにいう環状の部材としては、例えば円環状の場合には半径方向に所定幅を持つ部材を挙げることができる。
また、装飾部材411の代わりに、円形状の部材を備える構成例等である。
かかる変形例について、より具体的に説明する。
円環状の部材を備える構成例では、円環状の部材の中央部に拳部材432に対応する部材が位置し、拳部材432に対応する部材は、中央部側の縁部の形に沿って移動する動きの演出例が考えられる。その場合、拳部材432に対応する部材は、円環状の部材における中央部の空間にて自身が回転するように構成することが考えられる。より詳細には、円環状の部材に縁方向に延びるレールを配設する構成を採用し、拳部材432に対応する部材は、レールに沿って回転移動する動きを行うものである。
なお、円環状の部材を分割構造とすることも考えられる。すなわち、複数の構成要素が集合して円環状の部材を形成する構成例であり、動き演出を行うときに円環状の部材を形成し、動き演出が終了すると円環状の部材が分割され、各々の構成要素が収容されるものである。
また、他の変形例としての円形状の部材を備える構成例としては、拳部材432に対応する部材が円形状の部材の周囲を移動する動きの演出例が考えられる。その場合、拳部材432に対応する部材は、円形状の部材の周囲を1周以上回るように構成することが考えられる。例えば、拳部材432に対応する部材は、一方向(例えば時計方向)に回った後に他方向(例えば反時計方向)に回るように双方向に回転する場合、一方向(例えば時計方向または反時計方向)のみに回って回転する場合等のバリエーションを持たせることが可能である。
なお、拳部材432に対応する部材を複数備える構成例も考えられる。その場合には、例えば、複数の部材の各々が互いに離間して円形状の部材の周りを回る演出例が考えられる。より具体的には、複数の部材の各々が略等間隔離れて位置する状態を維持しながら同じ方向に回るものである。拳部材432に対応する部材を2つ備える場合、複数の部材の各々が互いに対向する位置にある構成例である。例えば一方の部材が正面視で時計の文字盤における3時の位置にあるときに、他方の部材が9時の位置にあるものである。
このように、回転動作する左位置部4cの拳部材432は、昇降動作する本体部4aの装飾部材411の周縁に沿って移動する。そして、その移動の際には、拳部材432は、装飾部材411に対する姿勢が保持される。
かかる拳部材432が姿勢を保持する動きは、上述した遠近法を利用する右腕の見え方と共に、拳部材432が遊技者に向かってくるような錯覚をもたらす。また、このような拳部材432の動きは、一見すると不思議なものに感じたり違和感を持ったりする特別なものである。したがって、遊技者にとって印象に残るような演出を実行することが可能になる。
また、図33−15の(b)に示す変形例は、拳用回転機構4fbに採用されている平行クランクではなく、他の回転機構(例えば前腕用回転機構4faのような回転中心が一つである機構)によって、拳部材432が回転するように構成されている。このため、変形例に係る拳部材432は、図33−15の(b)に示すように、本体部4aの装飾部材411に対する回転に伴う位置に応じてその姿勢が異なる。
このような変形例による拳部材432の動きは、遊技者にとっては本実施の形態の場合に比し印象に残り難いというおそれがあるものの、より簡易な構造を採用することで、機種開発の工数を削減したり製造コストを抑制したりすることが可能になる。
変形例の場合でも、拳部材432は、装飾部材411の下縁部411aに沿うように移動するものである。より詳細には、拳部材432は、装飾部材411に対して回り込むような挙動を行う。このような拳部材432の挙動により、遊技者が特定キャラクタのパンチをかわしたような見え方をする。
なお、拳部材432の挙動として、図33−15の(a)に示す場合と同図の(b)に示す場合とのいずれかを、遊技制御部200から取得した情報(例えば大当たり抽選の結果)に応じて選択して動き演出を実行可能な機構を採用することも考えられる。
〔特定キャラクタの拳の動きに関する意義〕
ここで、可動体で遊技者に遊技の楽しみを感じさせるような動きを行わせるためには、より広い空間が必要になるものの、近年の各種役物の大型化や部品の増加等によって許容される空間は狭いものであり、十分な空間を確保することが困難である。
そこで、より少ない空間でも可動体のインパクトのある動きを実現させることを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、本実施の形態に係る遊技機は、動き演出を実行する遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、移動して前記動き演出を行う第1の演出体(例えば本体部4a)および第2の演出体(例えば左位置部4c)を備え、前記第2の演出体(例えば左位置部4c)が前記第1の演出体(例えば本体部4a)に対して移動する場合、当該第2の演出体(例えば左位置部4c)が当該第1の演出体(例えば本体部4a)の形を基に規定される経路(例えば矢印A2)に沿って移動することを特徴とするものである。
〔造形可動体4の配線構造〕
次に、造形可動体4が備える配線について説明する。
図33−16は、造形可動体4が備える配線構造を説明する概略斜視図である。
同図に示すように、造形可動体4は、本体部4aに取り付けられた基板4101,4102と、右位置部4bに取り付けられた基板4201,4202,4203と、を備えている。また、造形可動体4は、不図示のベース部材に取り付けられた基板4001を備えている。
そして、これらの基板4101,4102,4201,4202,4203,4001は、給電系および/または信号系を構成する各種のフラットケーブルで接続されている。すなわち、ベース部材(不図示)の基板4001と右位置部4bの基板4201とがフラットケーブル4301で電気的に互いに接続されている。また、右位置部4bの基板4201と本体部4aの基板4101とがフラットケーブル4302で電気的に互いに接続されている。
また、右位置部4bにおいて、基板4201と基板4202とがフラットケーブル4303で接続され、また、基板4201と基板4203とがフラットケーブル4304で接続されている。
また、本体部4aにおいて、基板4101と基板4102とがフラットケーブル4305で接続されている。
このように、右位置部4bの基板4201は、ベース部材(不図示)からフラットケーブル4301を通じて電力および信号が供給され、また、本体部4aの基板4101は、フラットケーブル4302を通じて電力および信号が供給されている。すなわち、ベース部材(不図示)の基板4001から直接的に電力および信号が本体部4aに供給される構成を採用せず、右位置部4bを介して本体部4aに供給される構成を採用する。
なお、造形可動体4の左位置部4cに対しては、フラットケーブルではなく、不図示の線材を用いて給電系および/または信号系を構成している。より具体的には、回転機構4fの一部を構成する駆動側長手部材4f5(図33−8ないし図33−10参照)の背面に形成されている溝に沿って不図示の線材が配設されている。
このため、造形可動体4の左位置部4cに接続される不図示の線材の図示を、図33−16では省略している。
〔造形可動体4の配線構造の意義〕
本実施の形態において上述した配線構造を採用する意義を説明する。
かかる意義は、造形可動体4の動き演出による相対的な移動量が少ないユニット同士を接続することで、フラットケーブルのマージンを長く確保することに伴って繰り返しの動き演出に起因する故障の発生を抑制するものである。
より詳細に説明する。上述したように、ベース部材(不図示)に対する右位置部4bの移動量Lbは、ベース部材(不図示)に対する本体部4aの移動量Laよりも少ない(図33−6参照)。このため、ベース部材(不図示)は、本体部4aではなく、右位置部4bとフラットケーブル4301で接続される構成を採用する。
そして、本体部4aについては、右位置部4bに対して移動する量(La−Lb)がベース部材(不図示)に対して移動する量(La)よりも少ない。このため、本体部4aは、右位置部4bとフラットケーブル4302で接続される構成を採用する。
かかる構成の採用により、フラットケーブルの長さを短くして遊びの量を少なくすることにより、昇降動作に伴うフラットケーブルの挙動が小さくなり、繰り返し動作に伴う他の部材との摩擦等によるフラットケーブルの破損を防止することが可能になる。
◆すなわち、本実施の形態に係る遊技機は、動き演出を実行する遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、前記遊技機に対し移動して前記動き演出を行う第1の演出体(例えば本体部4a)と、前記遊技機に対し前記第1の演出体の移動量よりも少ない量を移動して前記動き演出を行う第2の演出体(例えば右位置部4b)と、遊技機本体から前記第1の演出体および前記第2の演出体への給電および/または送信のためのルートを形成する形成手段(フラットケーブル4301,4302)と、を備え、前記形成手段(フラットケーブル4301,4302)は、前記遊技機本体と前記第2の演出体とを互いに接続する第1の形成部(フラットケーブル4301)と、当該第2の演出体と前記第1の演出体とを互いに接続する第2の形成部(フラットケーブル4302)と、を含むことを特徴とするものである。
〔造形可動体4の回転機構4fの変形例としての回転機構4g〕
ここで、造形可動体4が備える回転機構4fについて種々の変形例が考えられる。例えば、回転機構4fによる左位置部4cとは異なる動き演出を実現する回転機構4gである。
より具体的には、変形例に係る回転機構4gは、回転機構4fと同じく遊技盤110の盤面に立設する回転軸周りを回転する動き演出のほか、回転機構4fにはない追加の動き演出を実現する。すなわち、ここにいう追加の動き演出は、遊技盤110(図1参照)の盤面に立設する方向に延びる回転軸に対して交差する方向(例えば盤面と平行な方向)に延びる別の回転軸を中心する回転ないし屈曲(手首を掌の方向に曲げる動作)を行うものであり、左位置部4cの移動端付近にて行われる。このような移動端付近での拳が屈曲する動き演出を実現するための機構である屈曲機構4g1を、回転機構4gが備えている。
以下、屈曲機構4g1を含む回転機構4gについて、図33−17、図33−18、図33−19、図33−20および図33−21を用いて説明する。
図33−17〜図33−21は、左位置部4cを回転させるための変形例に係る回転機構4gを説明する図である。すなわち、図33−17は、変形例に係る回転機構4gの分解斜視図であり、回転機構4fの場合の図33−10に対応するものである。また、図33−18は、変形例に係る回転機構4gを示す正面図であり、(a)は左位置部4cが原点位置にある状態を示し、(b)は移動端にある状態を示す。同図は、回転機構4fの場合の図33−8および図33−9に対応するものである。
また、図33−19〜図33−21は、回転機構4gが備える屈曲機構4g1による作用を説明する図である。より詳細には、図33−19は、屈曲機構4g1を示す図であり、裏側から見た斜視図である。また、図33−20は、屈曲機構4g1の作用を説明する正面図であり、(a)は左位置部4cが例えば原点位置にある状態を示し、(b)は移動端にある状態を示す。また、図33−21は、屈曲機構4g1の作用を説明する右側面図であり、(a)は屈曲前の状態を示し、(b)は屈曲した状態を示す。
なお、ここにいう回転機構4gにより動作する左位置部4cの基本的な構造は、上述した回転機構4fにより動作する本実施の形態の場合と共通するものの、異なる箇所も備えている。以下、説明する。
図33−17に示すように、回転機構4gが適用される左位置部4cは、本実施の形態の場合の拳部材432(同図参照)に対応する拳部材462を含んで構成されている。
また、左位置部4cは、図33−18に示すように、前腕部材431(例えば、図33−2や図33−10参照)に対応する前腕部材461を含んで構成されている。この前腕部材461は、後述の揺動部材4geに一体に取り付けられる。
図33−17に示すように、回転機構4gは、駆動力を発生させるモータ4gaと、モータ4gaの出力軸に取り付けられる平歯車4gbと、平歯車4gbと噛合する大歯車4gcと、本体部4aに回転可能に保持され、大歯車4gcと係合する駆動側長手部材4gdと、を含む。また、回転機構4gは、前腕部材461(図33−18参照)に一体に取り付けられ、駆動側長手部材4gdと連結し、駆動側長手部材4gdの回転により揺動する揺動部材4geを含む。
また、回転機構4gは、本体部4aに回転可能に保持される従動側長手部材4gfと、従動側長手部材4gfと連結し、揺動部材4geとの間で相対的な移動が可能な台部材4ggと、を含む。また、回転機構4gは、台部材4ggと左位置部4cの拳部材462との間に位置し、拳部材462の裏面側にて拳部材462と一体に組み立てられる拳裏部材4ghを含む。
また、回転機構4gは、台部材4ggに取り付けられ、台部材4ggと拳裏部材4ghとを相対回転可能なように互いに連結するための連結部材4giと、台部材4ggに対して拳裏部材4ghを所定方向に付勢する引っ張りコイルバネであるばね部材4gjと、を含む。
また、回転機構4gは、揺動部材4geに取り付けられ、台部材4ggおよび拳裏部材4ghと係合し、揺動部材4geと台部材4ggとの相互の位置関係を規制する規制部材4gkを含む。
また、回転機構4gは、本体部4aに回転可能に保持され、揺動部材4geと連結される従動側長手部材4gmを含む。
回転機構4gを構成する要素の各々について、より詳細な説明をする。
図33−17に示すように、大歯車4gcは、大歯車4gcの端面に形成されたピン部4gc1を有し、また、駆動側長手部材4gdは、一方向に延びる長孔形状の長孔溝4gd3を有する。そして、駆動側長手部材4gdは、自身の長孔溝4gd3内に大歯車4gcのピン部4gc1が位置することで、大歯車4gcと係合する。すなわち、大歯車4gcがモータ4gaの駆動力により回転すると、これに伴い、駆動側長手部材4gdが回転する。
また、駆動側長手部材4gdは、上述した長孔溝4gd3を有するほか、一端部に位置し本体部4aに回転可能に保持される回転部4gd1と、他端部に位置し揺動部材4geと回転可能に連結される連結部4gd2と、を有する。付言すると、長孔溝4gd3は、回転部4gd1に向かう方向に延びている(図33−18参照)。
図33−17に示すように、揺動部材4geは、駆動側長手部材4gdの連結部4gd2が取り付けられる取り付け部4ge1と、従動側長手部材4gmが持つ連結部4gm2が取り付けられる取り付け部4ge2と、を有する。
また、揺動部材4geは、取り付け部4ge1と取り付け部4ge2との間に位置し、駆動側長手部材4gdが持つ突部4gd4と係合する円弧状の溝4ge3を有する。
従動側長手部材4gfは、一端部に位置し本体部4aに回転可能に保持される回転部4gf1と、他端部に位置し台部材4ggと回転可能に連結される連結部4gf2と、を有する。
すなわち、従動側長手部材4gfは、駆動側長手部材4gdが連結される揺動部材4geには取り付けられず、揺動部材4geに対する相対的な揺動が可能な台部材4ggに連結される。
図33−17に示すように、台部材4ggは、揺動部材4geの取り付け部4ge1と同軸であると共に台部材4ggの回転中心をなす回転部4gg1と、回転部4gg1を中心とする円弧形状の切欠き部4gg2と、を有する。さらに説明すると、台部材4ggの切欠き部4gg2は、規制部材4gkが持つ突出部4gk1を受け入れる。規制部材4gkは、揺動部材4geに取り付けられるものであり、規制部材4gkの突出部4gk1が台部材4ggの切欠き部4gg2と係合することで、揺動部材4geに対する台部材4ggの揺動域を規制している。なお、規制部材4gkの突出部4gk1は、その先端が、後述する拳裏部材4ghの傾斜面4gh3と当接する(図33−19ないし図33−21参照)。
また、上述したように、台部材4ggは、従動側長手部材4gfと連結するが、かかる連結は、台部材4ggが持つ連結部4gg3が従動側長手部材4gfの連結部4gf2と接続することで実現される。
図33−17に示すように、拳裏部材4ghは、ピンの一端を保持するピン保持部4gh1と、ピンの他端を保持するピン保持部4gh2と、を有する。より詳細には、ピンの両端が、拳裏部材4ghのピン保持部4gh1,4gh2に両端が保持され、また、ピンの中央部は、台部材4ggに取り付けられた連結部材4giに保持される。これにより、拳部材462および拳裏部材4ghが、台部材4ggに対してピンの軸方向回りに相対的に回転することを可能にしている。
そして、拳裏部材4ghには、ばね部材4gjの一端が取り付けられ、他端が台部材4ggに取り付けられる。これにより、拳部材462および拳裏部材4ghは、ばね部材4gjの付勢力によって、拳裏部材4ghが台部材4ggに近接する方向に付勢される。より具体的には、拳部材462における指先側が台部材4ggに近接する方向に付勢される。
また、拳裏部材4ghは、台部材4ggの切欠き部4gg2と半径および中心位置が略同一の円弧状の傾斜面4gh3を有する。すなわち、組み立て状態では、拳裏部材4ghの傾斜面4gh3が台部材4ggの切欠き部4gg2と相対する位置関係になる。さらに説明すると、傾斜面4gh3は、拳部材462側から台部材4gg側へと一様に傾斜するように形成されており、傾斜面4gh3には、規制部材4gkの突出部4gk1が当接する(例えば図33−19の(a)参照)。
なお、上述したように、ばね部材4gjは、引っ張りコイルバネであり、一端が拳裏部材4ghに取り付けられ、他端が台部材4ggに取り付けられる。
また、上述したように、規制部材4gkは、揺動部材4geに取り付けられるものであり、台部材4ggの切欠き部4gg2を通って拳裏部材4ghの傾斜面4gh3に当接する突出部4gk1を有する。
図33−17に示すように、従動側長手部材4gmは、一端部に位置し本体部4aに回転可能に保持される回転部4gm1と、他端部に位置し揺動部材4geと回転可能に連結される連結部4gm2と、を有する。
付言すると、従動側長手部材4gmは、従動側長手部材4gfが連結される台部材4ggには取り付けられず、台部材4ggにより相対移動される揺動部材4geに連結される。
付言すると、上述したように、揺動部材4geには、駆動側長手部材4gdが連結されると共に従動側長手部材4gmが連結され、また、揺動部材4geに対して揺動可能な台部材4ggに従動側長手部材4gfが連結される。
そして、駆動側長手部材4gd、従動側長手部材4gfおよび従動側長手部材4gmはいずれも、本体部4aに回転可能に取り付けられている。すなわち、駆動側長手部材4gdの回転部4gd1、従動側長手部材4gfの回転部4gf1および従動側長手部材4gmの回転部4gm1の位置関係は、図33−18の(a)に示す原点位置でも同図の(b)に示す移動端位置でも変わらない。
ここで、回転機構4gの各構成要素同士の組み立てについて簡単に説明する。
連結部材4giは、台部材4ggに取り付けられるものであり、ピンの中央部を保持する構造を備えている。すなわち、拳部材462と一体になった状態の拳裏部材4ghが、連結部材4giおよびピンを介して台部材4ggに対して回転できるように組み立て可能である。このような組み立てにより、拳部材462および拳裏部材4ghが台部材4ggに対してピンの回りに回転可能な「一軸機構体」が構成される。ここにいう一軸機構体は、従動側長手部材4gfと連結される前の状態をいうものとする。
かかる一軸機構体は、台部材4gg、拳裏部材4gh、拳部材462、連結部材4giおよびピンを含んで構成されている。さらには、一軸機構体は、台部材4ggと拳裏部材4ghとに巻き掛けられるばね部材4gjを含んで構成されている。
そして、一軸機構体をさらに、規制部材4gkを取り付けた揺動部材4geと組み立てることで、一軸機構体が揺動部材4geに対して取り付け部4ge1ないし回転部4gg1回りにも回転できるようになり、互いに交差する方向に延びる2つの回転軸を持つ「二軸機構体」が構成される。
かかる二軸機構体において、駆動側長手部材4gdおよび従動側長手部材4gmを揺動部材4geに取り付け、かつ、従動側長手部材4gfを台部材4ggに取り付けることができる。
次に、このように構成された回転機構4gの作用について説明する。
図33−18の(a)に示す左位置部4cが原点位置にある状態において、モータ4gaの駆動力が平歯車4gbに伝達され、大歯車4gcが回転すると、大歯車4gcのピン部4gc1と駆動側長手部材4gdの長孔溝4gd3との係合により、駆動側長手部材4gdが回転部4gd1を中心として反時計方向に回転する。そして、駆動側長手部材4gdは、図33−18の(b)に示すような移動端付近まで移動する。
このとき、従動側長手部材4gfは、駆動側長手部材4gdの回転に伴い、回転部4gf1を中心としてその回転の方向と同じ方向(反時計方向)に回転する。これにより、駆動側長手部材4gdの連結部4gd2および従動側長手部材4gfの連結部4gf2と連結されている左位置部4cの拳部材462は下方に位置し、モータ4gaに対する位置が変わる。
ここで、回転機構4gにおける駆動側長手部材4gdの回転部4gd1および連結部4gd2と従動側長手部材4gfの回転部4gf1および連結部4gf2に着目すると、回転機構4fの拳用回転機構4fb(図33−8参照)と同じく、相対するリンクの長さが相等しい平行クランクである。
このため、図33−18の(a)および(b)に示すように、左位置部4cの拳部材462の姿勢は、回転機構4gにより回転しても、維持される。
また、従動側長手部材4gmは、駆動側長手部材4gdの反時計方向の回転に伴い、連結部4gm2が駆動側長手部材4gdの連結部4gd2の回りを反時計方向に回転する。さらに説明すると、従動側長手部材4gmの連結部4gm2は、図33−18の(a)に示す原点位置では、駆動側長手部材4gdの連結部4gd2に対して正面視右側に位置するが、同図の(b)に示す移動端付近の位置では、正面視左側に位置する。
これにより、従動側長手部材4gmの連結部4gm2と連結する揺動部材4geは、姿勢が変わり、前腕部材461の拳部材462に対する姿勢が変わる。
ここで、回転機構4gの屈曲機構4g1の作用について、図33−19〜図33−21を用いて説明する。なお、屈曲機構4g1は、揺動部材4ge、台部材4gg、拳裏部材4gh、連結部材4gi、ピン、ばね部材4gjおよび規制部材4gkを含む。
図33−19に示すように、左位置部4cの拳部材462および拳裏部材4ghは、連結部材4giを介して台部材4ggと相対的に移動可能である。すなわち、拳部材462および拳裏部材4ghは、ピンを回転軸とする動きが可能である。
そして、拳部材462および拳裏部材4ghは、ばね部材4gjの付勢力によって、前後方向における後ろ側(同図における右側)に引っ張られている。このため、拳裏部材4ghの傾斜面4gh3は、規制部材4gkの突出部4gk1に押し付けられる。
その一方で、揺動部材4geが、駆動側長手部材4gdと従動側長手部材4gfとの平行クランクの作用により揺動すると、揺動部材4geと拳裏部材4ghとの相対的な位置関係が変わる。これにより、規制部材4gkの突出部4gk1が拳裏部材4ghの傾斜面4gh3に沿って移動する。
このような傾斜面4gh3に沿う突出部4gk1の移動がなされる場合の作用について、図33−20および図33−21を用いて説明する。
両図の各(a)に示す状態は、図33−21の(a)に示すように、拳部材462が屈曲していない状態である(同図参照)。すなわち、図33−20の(a)に示すように、規制部材4gkの突出部4gk1は傾斜面4gh3の一端部(下側の端部)に位置する。そして、揺動部材4geと拳裏部材4ghとの相対的な位置関係が変わると、突出部4gk1は傾斜面4gh3に沿ってすべって移動する。これにより、拳部材462および拳裏部材4ghがピン(図33−19参照)を中心として台部材4gg(同図参照)に対して前後方向の後ろ側に移動し、屈曲の動きが始まる。
左位置部4cが移動端に達する場合(図33−18の(b)参照)、図33−20の(b)に示すように、突出部4gk1が傾斜面4gh3の他端部(上側の端部)に位置する。そして、突出部4gk1が他端部に位置すると、図33−21の(b)に示すように、拳が十分に屈曲し、屈曲機構4g1による屈曲の動き演出が行われる。
変形例に係る回転機構4gを左位置部4cに適用することで、より簡易な構成で、拳を屈曲させる演出という外見からでは予想し難い動き演出を実現することが可能になる。すなわち、かかる一連の動きは、一つのモータ4ga(図33−17参照)の駆動力だけで回転機構4gを駆動して実現するものであり、容易に駆動制御を行うことが可能である。
〔造形可動体4と画像表示部114とが連携する演出について〕
次に、上述した造形可動体4と画像表示部114とが互いに連携して行う演出について、図33−22および図33−23を用いて説明する。より詳細には、図33−22を用いて変動演出を説明し、図33−23を用いて他の変動演出を説明する。
かかる変動演出は、演出制御部300(図3参照)の制御により実行されるものであり、大当たり判定の結果を報知する装飾図柄が変動し始めてから停止するまでの一連の演出である。変動演出に対して、予め変動時間が設定されており、その変動時間を使って変動表示および停止表示が行われる。
さらに説明すると、かかる変動演出では、いわゆるリーチ演出や疑似連演出等が行われ、変動演出の終わりには、装飾図柄のすべてが停止表示され、大当たり判定の結果が確定する。
より具体的に説明する。装飾図柄を変動表示させた後に停止表示する場合、1つの装飾図柄(例えば、3つのうちの中央に位置する装飾図柄画像)を変動表示したままにして、他の装飾図柄(例えば3つのうちの両端に位置する装飾図柄画像)が先に停止表示される。そして、抽選結果が大当たりであることが報知されるためには、先に停止表示される装飾図柄画像が同じになることが条件となるため、同じ装飾図柄画像が先に停止表示されて最後の1つの装飾図柄画像が変動表示している状態となると、当該最後の1つの装飾図柄画像も他と同じ画像で停止表示されることを遊技者が期待する。このような装飾図柄画像の変動表示状態を用いた演出がリーチ演出であり、当該変動表示状態を長い時間続けて演出を発展させることによって当該時間中に大当たりとなるか否かを煽るような様々な演出が行われる。
また、装飾図柄画像を変動表示させて完全に停止する前に、遊技者に変動が擬似的に停止したように見せかけて(以下、仮停止と記載する)変動表示を繰り返す演出である疑似連演出が行われる。例えば、装飾図柄画像が仮停止した際の抽選結果が大当たりを示していない場合、遊技者は抽選結果にはずれたと感じて失望することになるが、実際は完全に停止しておらず再変動が開始されて演出を発展させることによって当該変動中に大当たりを獲得する期待度が高くなる。このような再変動を一変動の中で繰り返された場合にリーチ演出に移行して大当たりに当選する信頼度を高く設定しておくことによって、一変動中に再変動が繰り返されることで大当たりとなるか否かを遊技者がさらに煽られることになる。
変動演出に用いられる造形可動体4は、上述したように、画像表示部114の上方に位置して待機し(図33−1、図33−12の(a)または図33−14の(a)参照)、動き演出を行う場合、左位置部4cが回転すると共に本体部4aおよび右位置部4bが下降し(図33−13参照)、または、左位置部4cが回転する(図33−14の(b)参照)。
このような造形可動体4が動作すると、画像表示部114の前に位置するようになる。かかる動作に着目すると、造形可動体4は、異なる種類の動きで画像表示部114を隠すものである。すなわち、左位置部4cは、本体部4aおよび右位置部4bが画像表示部114の表示領域を隠す下降動作とは異なる回転動作でも、画像表示部114の他の表示領域を隠す。
まず、図33−22に示す変動演出について説明する。
図33−22は、変動演出を示す図であり、その場面を時系列で(a)〜(h)の順で示す。
図33−22の(a)に示す変動演出では、画像表示部114が変動中の右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cを表示し、また、造形可動体4は非作動の状態である。なお、右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cは、画像表示部114における上下方向略中央に位置し、左右方向についても互いに離れるように間隔を広くとって位置する。
また、画像表示部114は、下部中央付近に、保留球が消化されて変動が実行されていることを示す台座画像40dおよび消化オブジェクト40eを表示する。すなわち、当該変動に係る表示が画像表示部114にて行われている。なお、同図に示す状態では、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)がないことから、大当たり抽選が保留される保留球の表示が行われていない。
付言すると、変動中の例えばリーチ演出が開始される前の段階で、造形可動体4の一部または全部が、わずかに変位しながらの往復動(ガタガタの動き)を行うことが考えられる。かかる往復動により、遊技者は、変動演出が遊技者に有利なものになる可能性があることを意識し、例えばリーチ演出の開始を期待するようになる。
このような往復動は、リーチ演出開始前の段階以外の図柄変動中に行うことが考えられる。
また、このような往復動は、造形可動体4のほかに、車型ロボット部5(図1参照)やタイトルロゴ部7(同図参照)についても行う演出例が考えられる。その場合に、造形可動体4、車型ロボット部5およびタイトルロゴ部7が往復動を行う条件を異ならしめることが考えられる。変動演出の各種の演出に移行する前であり、例えば発展演出に移行する前や、疑似連続演出に移行する前等が考えられる。
そして、図33−22の(b)に示すように、画像表示部114の装飾図柄において、右図柄40aおよび左図柄40cの各々は「1」を停止表示し、また、中図柄40bは変動表示のままである。すなわち、リーチ演出である。さらに、画像表示部114には、ボタン押しの要求を示唆するボタン画像40fが表示されている。
これに対応して、遊技者により演出ボタン161(図1または図2参照)が押されると、これを契機として、図33−22の(c)に示すように、造形可動体4が作動すると共に、画像表示部114の装飾図柄の位置および大きさが変わる。すなわち、造形可動体4の本体部4aおよび右位置部4bが下降し、かつ、左位置部4cが反時計方向に回転する。
なお、ボタン画像40fが表示されてからの経過時間が所定値までに演出ボタン161の操作がなされなかったときには、演出ボタン161が押された場合の上述の演出が進行するような演出制御が考えられる。
このような造形可動体4の作動により、画像表示部114の多くの部分が隠され、それまで装飾図柄が表示されていた画像表示部114の領域もまた隠される。より具体的には、図33−22の(d)に示すように、画像表示部114には、造形可動体4の本体部4aにより隠される領域114aがあり、また、右位置部4bのみにより隠される領域114bがあり、さらには、左位置部4cのみにより隠される領域114cがある。このため、右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cは、リーチ状態で、造形可動体4に隠されていない画像表示部114の領域114dに表示され、かつ、その大きさは縮小されて表示される。
なお、図33−22の(c)では、画像表示部114における台座画像40dおよび消化オブジェクト40e(例えば同図の(a)参照)が表示されていない。すなわち、造形可動体4が作動すると、画像表示部114に保留表示が表示されなくなる。
より具体的には、図33−22の(c)に示すように、造形可動体4の左位置部4cの端部すなわち振り下ろされた特定キャラクタの拳の近傍に、右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cが互いの間隔を詰めて小さく表示される。かかる連携演出は、可動体としての特定キャラクタの拳が、あたかも画像表示としての右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cに当たって、これらの図柄40a,40b,40cが隅に追いやられているような見せ方をする。
なお、このような場合に、右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cの表示の代わりに、第4図柄の変動表示とする演出制御が考えられるが、右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cを、特定キャラクタの動きと関連性を持たせることで、見ていて楽しい演出を実現することが可能になる。
図33−22の(c)に示す演出に続き、同図の(d)に示すように、造形可動体4が元の位置に戻る。すなわち、本体部4aおよび右位置部4bが上昇し、かつ、左位置部4cが時計方向に回転し、非作動の状態になる。その一方で、画像表示部114では、右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cは、画像表示部114の隅に小さく表示され、同図の(c)の状態のままである。このように、造形可動体4の状態が変わっても、画像表示部114での装飾図柄は変わっていない。
なお、同図の(d)では、画像表示部114において省略されていた台座画像40dおよび消化オブジェクト40eの表示(例えば同図の(c)参照)が再開されている。
そして、図33−22の(e)に示すように、画像表示部114の上下方向略中央の位置に、右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cが大きく表示され、また、中図柄40bは「1」を停止表示する。しかしながら、かかる停止表示は見せかけであり、仮停止の表示である。
このため、同図の(f)に示すように、疑似連演出が開始される。すなわち、画像表示部114に表示される右図柄40aとしての「1」、中図柄40bとしての「1」および左図柄40cとしての「1」がそれぞれ形を変え始める。
やがて、図33−22の(g)に示すように、造形可動体4が作動すると共に、画像表示部114の装飾図柄が非表示になる。このような装飾図柄の非表示は、装飾図柄が画像表示部114に表示されているものの、作動した造形可動体4により装飾図柄の全部または一部が隠される場合のほか、画像表示部114に装飾図柄を表示しないという演出制御を行う場合も考えられる。
かかる連携演出は、可動体としての特定キャラクタの拳が、画像表示としての右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cを殴り飛ばして画像表示部114の外に押しやっているような見せ方をする。
なお、同図の(g)では、同図の(c)と同じく、台座画像40dおよび消化オブジェクト40eが表示されなくなる。
最後に、図33−22の(h)に示すように、造形可動体4が元に戻って非作動の状態になると、画像表示部114は、右図柄40aとしての「7」、中図柄40bとしての「7」および左図柄40cとしての「7」を表示し、大当たり判定の結果が「777」の大当たりであることを報知し、変動演出が終了し、大当たり遊技に移行する。
なお、同図の(h)に示す画像表示部114には、台座画像40dおよび消化オブジェクト40eが表示されている。
図33−23は、他の変動演出を示す図であり、(a)および(b)はその一場面を表している。(a)の次に(b)になるような変動演出の一部を示すものである。
上述したように、造形可動体4の作動は、特定キャラクタの胴体が登場すると共に右腕が伸びる大きな動きないし全体的な動き(図33−12および図33−13参照)と、特定キャラクタの右腕だけが伸びる小さな動きないし部分的な動き(図33−14参照)と、がある。
そして、大きな動きを伴う変動演出の場合、右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cが、画像表示部114における領域114a,114b,114c以外の領域である領域114dに表示される(図33−22の例えば(c)および(d)参照)。なお、ここにいう領域114aは、造形可動体4の本体部4aにより隠される表示領域をいい、領域114bは、右位置部4bのみにより隠される表示領域をいい、領域114cは、左位置部4cのみにより隠される表示領域をいう。
その一方で、小さな動きを伴う変動演出の場合には、図33−23の(a)および(b)に示すように、右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cが、領域114c以外の領域である領域114dに表示される。
付言すると、造形可動体4が作動すると、画像表示部114では、右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40cの表示内容を領域114dに小さく表示される。なお、図33−23に示す演出例では、右図柄40aおよび左図柄40cがいずれも「4」を表示すると共に中図柄40bがバナナの画像を表示するものであり、リーチ演出である。
変動演出において、造形可動体4の2種類の動き演出を使い分ける演出制御が考えられる。特定キャラクタの右腕だけが伸びる場合(図33−14参照)を第1の位置とし、特定キャラクタの胴体が登場すると共に右腕が伸びる場合(図33−12および図33−13参照)を第2の位置とすると、例えば、SPSP発展時に第1の位置まで下降し、大当たり確定時は第2の位置まで下降する演出例である。
かかる演出例の場合にはさらに種々の変形例が考えられる。例えば、第2の位置のときの画像表示部114では、例えば虹色を使った画像演出である。また、第2の位置でとどまる時間が、第1の位置でとどまる時間よりも長いように可動役物115を制御することも考えられる。また、第1の位置の場合と第2の位置の場合とで、音響演出が同じように制御したり互いに異なるように制御したりすることも考えられる。
また、画像表示部114における装飾図柄の配置例として、可動役物115の造形可動体4と後述の車型ロボット部5(図1参照)との位置関係を考慮する制御例が考えられる。例えば、通常時は造形可動体4と車型ロボット部5との間に装飾図柄を配置し、造形可動体4および車型ロボット部5に被らないようにする。そして、SPリーチ演出時は、造形可動体4と車型ロボット部5との中間位置に装飾図柄を小さく表示し、かつ、その装飾図柄を揺動させる。
なお、図33−23の(a)では、台座画像40dおよび消化オブジェクト40eが画像表示部114に表示されているが、同図の(b)では、これらはいずれも画像表示部114に表示されていない。
付言すると、図33−23に示す消化オブジェクト40eは、上述の図33−22に示す消化オブジェクト40eとその種類が異なる。すなわち、図33−22の場合の消化オブジェクト40eは、白丸で示されており、通常のものである。その一方で、図33−23の場合の消化オブジェクト40eは、斜線付きの丸で示されており、先読み(事前判定)により大当たりの可能性が高いことを示唆する特別なものである。
〔造形可動体4との連携による画像表示部114の画像演出に関する意義〕
ここで、可動体4が移動することで動き演出を行う場合には、画像表示部114の前でそのような動き演出を行う場合がある。そのような動き演出では、画像表示部114の表示領域を隠してしまうことになり、画像表示部114の画像演出の効果を妨げてしまうおそれがある。
そこで、可動体4の動き演出と画像表示部114の画像演出との相乗効果を持たせて演出の完成度を高めることを可能にするために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、本実施の形態に係る遊技機は、所定の演出を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機100)であって、第1の移動体(例えば本体部4a)および第2の移動体(例えば左位置部4c)を持つ可動体(例えば造形可動体4)と、前記可動体(例えば造形可動体4)の前記第1の移動体(例えば本体部4a)により隠される第1の領域(例えば領域114a)および前記第2の移動体(例えば左位置部4c)により隠される第2の領域(例えば領域114c)を持ち、画像を表示する画像表示部(例えば画像表示部114)と、を備え、前記画像表示部(例えば画像表示部114)は、前記可動体(例えば造形可動体4)が作動する場合、前記第1の領域(例えば領域114a)および/または前記第2の領域(例えば領域114c)に表示される装飾図柄(例えば右図柄40a、中図柄40bおよび左図柄40c)を、当該第1の領域(例えば領域114a)および当該第2の領域(例えば領域114c)以外の第3の領域(例えば領域114d)に表示することを特徴とするものである。
次に、可動役物115が備える車型ロボット部5について説明する。
<可動役物115の車型ロボット部5の構成>
図34−1は、車型ロボット部5の移動部51の待機状態を示す図である。
図34−2は、車型ロボット部5の移動部51の登場状態を示す図である。
まず、本実施の形態のパチンコ遊技機100において、図34−1に示すように、遊技盤110は、中央部に開口部110Hが形成されている。そして、開口部110Hには、主に画像表示部114の表示画面114Sが対向するように設けられる。
また、表示画面114Sには、遊技の進行に応じて装飾図柄30Aが表示される。装飾図柄30Aは、例えば複数の数字を用いて表示される。特に、本実施の形態では、装飾図柄30Aにおいて、各数字に対して、可動役物115を構成する造形可動体4や車型ロボット部5がそれぞれ関連付けられている。例えば、数字の「3」には、車型ロボット部5が関連付けられている。また、関連付けの具体例としては、車型ロボット部5の画に数字の「3」を重ねたり、数字の「3」の配色を車型ロボット部5と同じ色にしたり、数字の「3」自体を車型ロボット部5の特徴的な形状によって構成したりすることができる。
さらに、本実施の形態では、図34−1に示すように、表示画面114Sの下側にて、保留表示演出を行うための保留表示アイコン30Bを表示する。ここで、本実施の形態では、表示画面114Sの上側に造形可動体4が位置し、表示画面114Sの下側であって左端部には車型ロボット部5の移動部51が位置している。従って、保留表示アイコン30Bは、表示画面114Sの下側であって右端部に表示する。さらに、保留球のうち消化が行われて変動する当該変動を表示する当該変動アイコン30Cは、表示画面114Sの下側であって中央部に表示する。
さらに、遊技盤110は、本実施の形態では第1始動口121の上方に配置されて遊技球を一旦受けた後に遊技球を第1始動口121側へと落下させるステージ110Sを備えている。また、遊技盤110は、ステージ110Sの上側に、画像表示部114や可動役物115などの演出体への遊技球の進入を防止する進入防止部110Gを有している。
車型ロボット部5は、図34−1に示すように、移動部51と、移動部51が移動する経路を形成するベース部材52とを有する。さらに、本実施の形態では、移動部51は、変形部53と、変形部53に隣り合って設けられる装飾部54とを有している。
(移動部51の概要)
そして、移動部51は、図34−1に示す初期の状態である「待機状態」から、図34−2に示すように待機状態から移動して目立つ位置に登場した「登場状態」に移行したり、逆に、登場状態から待機状態に移行したりする動作を行う。
具体的には、移動部51の変形部53は、ベース部材52が形成する移動経路上において、図34−1に示すように待機状態の位置(以下、「待機位置」と呼ぶ。)である左端部と、図34−2に示すように登場状態の位置(以下、「登場位置」と呼ぶ。)となる中央部とに、それぞれ停止する位置が設定されている。
また、移動部51の装飾部54は、ベース部材52が形成する移動経路上において、図34−1に示すように待機状態の位置である中央部左側と、図34−2に示すように登場位置となる中央部右側と、同様に登場位置となる右端部とに、停止する位置が設定される。このように、本実施の形態の装飾部54は、登場状態において2つの停止する位置が設けられている。なお、以下の説明では、登場状態に移行している装飾部54の位置について、装飾部54が位置する中央部右側を「第1登場位置」と呼び、装飾部54が位置する右端部を「第2登場位置」と呼ぶ。
また、変形部53は、図34−1に示す変形前の状態である「初期形態」と、図34−2に示す変形後の状態である「変形形態」との2つの形態をとれるように構成されている。本実施の形態では、変形部53は、初期形態では、フロントガラス部530を有し、自動車を前側からみた形を描く車の形態になっている。さらに、変形部53は、変形形態では、人型の機械生命体の形を描くロボットの形態になる。具体的には、移動部51は、図34−2に示すように、ロボットを形作るパーツとして、移動可能および変形可能に構成された、顔部531と、胸部532と、肩部533と、腕部534と、脚部535と備えている。また、肩部533は、肩部533に対して進退移動する角部536を更に備えている。
なお、顔部531は、顔部531の下側において左右一対の突起531Pを有している(後述する図34−8参照)。さらに、腕部534は、突起534Pを有している(後述する図34−6参照)。これら、突起531Pや突起534Pについては後に詳しく説明する。
そして、本実施の形態において、図34−2に示すように、肩部533、腕部534、脚部535および角部536は、左右一対に設けられる。そして、左右一対の各部の構造は、形状に若干の差異はあるものの、基本構成は同じである。なお、以下の説明において、左右一対の各部の構造を特に区別する必要が無い場合には、左右のうち一方の部材を代表して説明し、もう一方の部材についての詳細な説明を省略する場合がある。
一方、装飾部54は、本実施の形態では模様や「GO!!」といった文字の装飾が施された装飾板541を有している。そして、装飾部54は、図34−1に示すように変形部53に隣接して一体的になる「一体状態」と、図34−2に示すように変形部53に対して分離する「分離状態」との2つの状態をとれるように構成されている。
なお、本実施の形態では、「一体状態」とは、変形部53と装飾部54とが機械的に結合して接触するように合体した状態や、変形部53と装飾部54とが接触しているように見える程度に集合した状態を意味している。
(ベース部材52の概要)
ベース部材52は、図34−1に示すように、下向きに凸となる円弧状の移動部51の移動経路を形成している。なお、本実施の形態では、移動部51の移動経路は、遊技盤110の開口部110Hにおける下側の縁に沿って形成される。すなわち、移動部51の移動経路は、ステージ110Sおよび進入防止部110Gに沿って形成される。さらに、他の観点から捉えると、移動部51の移動経路は、開口部110Hの下側の縁と対向する画像表示部114の表示画面114Sの下側の端部に沿って形成される。
ここで、移動部51は、画像表示部114における画面表示にて装飾図柄30Aの変動開始から変動停止までの変動演出が行われる際に、遊技制御部200からの各種コマンドに基づいて演出制御部300が制御することによって動作する。本実施の形態では、例えば大当たりに当選する場合の変動演出を行う際とリーチ演出を行う際とで、移動部51を用いた演出動作を実行するようにしている。そして、大当たりの期待度に応じて、移動部51を動作させて登場状態に移行するようにしている。例えば、大当たり当選の際には、移動部51の変形部53を動作させて登場位置に移動させ、変形形態に移行させる。また、リーチ演出を行う際には、所定の確率で変形部53を登場状態に移行させ、変形形態に移行させる。
以上のように設定することで、移動部51の変形部53が動作する際には一定の確率で大当たりに当選するということが、遊技者にとって共通の認識となる。そのため、遊技者は、移動部51の変形部53が登場位置に移動し、変形形態に移行するという動作はもちろん、移動部51の変形部53や装飾部54の振動や揺動などの比較的小さい動きであっても、その挙動に注目しながら、大当たりの期待をもって遊技を楽しむことができる。
さらに、移動部51を実際に動作させるタイミングに関しては、例えば装飾図柄30Aの変動開始から変動停止までの間などの予め定めた時間帯において、演出ボタン161が遊技者によって押されたときに、移動部51を動作させるといった設定を行っている。このように、本実施の形態では、移動部51の動作のタイミングに関して、遊技者の操作に基づいて実行することによって、遊技者の遊技に対する参加をより促すようにしている。
<移動部51の基本的な演出動作>
図34−3は、本実施の形態の移動部51の一連の動きを説明するための図である。
本実施の形態の移動部51の基本的な演出動作を説明する。基本的な演出動作とは、例えば大当たりに当選する場合などにおいて、待機状態から、最終的な登場位置への移動および最終的な状態(変形形態、分離状態)への移行まで一気に行う動作のことである。また、本実施の形態では、移動部51の変形部53が待機位置から登場位置に移動して変形形態に移行し、また、装飾部54が待機位置から登場位置(第2登場位置)に移動するのに要する時間は、数秒に設定している。このように、基本的な演出動作を行う移動部51は、瞬く間に移動して、瞬く間に変形するという動きによって、スピード感のある演出を実現している。
なお、移動部51は、基本的な動作とは別に、待機状態から最終的な登場状態までの途中の状態において、途中で移動を停止したり振動したりする動作を行うが、この点については後に詳しく説明する。
まず、図34−3(a)に示すように、待機状態では、移動部51の変形部53が左端部に位置し、装飾部54が中央部左側に位置している。このとき、変形部53は初期形態であり、装飾部54は一体状態を形成している。
その後、図34−3(b)に示すように、移動部51が移動を開始すると、変形部53および装飾部54は、一体状態を維持しながら、右方向に向けて移動する。本実施の形態では、ベース部材52が形成する移動経路は、曲線である円弧状に形成されている。そのため、移動する際には、変形部53および装飾部54は、左右方向においては左端部から中央部に向けて、上下方向においては下方向に向けて移動する。すなわち、変形部53および装飾部54は、左斜め上から右斜め下に移動する。
ここで、初期形態の変形部53は、フロントガラス部530が遊技盤110の開口部110Hの下側の縁(進入防止部110Gの上側)から上方向に向けて突出した状態になっている。ここで、本実施の形態では、開口部110Hにて遊技者に対して画像表示部114の表示画面114S(図34−1参照)がのぞくように構成している。そして、本実施の形態では、初期形態の変形部53は、フロントガラス部530が画像表示部114の表示画面114Sに重なる。
ここで、フロントガラス部530は、透明部材によって構成されている。そのため、遊技者は、フロントガラス部530を通して、後側の表示画面114Sを見ることができる。このように、本実施の形態では、変形部53が変形形態に移行するまでにおいては、表示画面114Sに重なる一部であるフロントガラス部530を透明な部材によって構成することで、フロントガラス部530を通して表示画面114Sを遊技者が見ることができるようにしている。
そして、図34−3(c)に示すように、移動部51は、登場状態に移行する。登場状態において、変形部53は、登場位置である中央部に停止する。また、装飾部54は、第1登場位置である中央部右側に位置している。すなわち、このタイミングまでは、装飾部54は、一体状態を維持しており、変形部53と一体的になっている。
ただし、図34−3(d)に示すように、装飾部54は、移動を継続しており、第2登場位置に向けてさらに移動する。つまり、基本的な動作の場合、装飾部54は、変形部53と一体的となる一体状態を維持しながら移動し、変形部53の移動の停止した後も、そのまま移動を継続することで、分離状態を形成する。
なお、本実施の形態では、一体状態における変形部53および装飾部54の移動の速度と、分離状態における装飾部54の移動速度は、略等しく設定している。そのため、移動部51の動きとしては、変形部53および装飾部54が待機位置から勢いよく登場してきて、変形部53が登場位置にてぴたりと停止し、装飾部54はさらに滑るように移動していくように見える。
このように、装飾部54は、一体状態にて変形部53と共に移動し、その移動の途中で変形部53に対して分離状態を形成することで、例えば単に一つの部材が移動する場合と比較して、遊技者に対してスピード感のある複雑な動作を見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
さらにその後、図34−3(e)に示すように、登場位置に位置する変形部53は、初期形態から変形形態に向けて変形を開始する。なお、この状態において、装飾部54は、最終的な第2登場位置にて停止している。
そして、図34−3(f)に示すように、変形部53は、初期形態から最終的な変形形態に移行する。本実施の形態では、変形部53は、初期形態では車の形を描く状態から、上下方向および左右方向に拡がるように変形し、変形形態となるロボットの形態に移行する。特に、変形形態の変形部53は、遊技盤110の開口部110Hの下側の縁から立ち上がるようにして、画像表示部114の表示画面114Sの中央部に顔部531が位置し、表示画面114S(図34−2参照)の下側半分の一部と重なるように位置する。
以上説明したように、変形部53および装飾部54は、上述した基本的な演出動作を行って、待機状態から登場状態に移行することで、遊技者に対してインパクトのある動きをみせることができる。
特に、変形部53は、待機位置から登場位置に移動した後に、初期形態から変形形態に移行する。従って、例えば単に予め中央部に位置が固定された部材が中央部にて変形する場合と比較して、遊技者が感じるインパクトが大きくなる。本実施の形態では、サイズが比較的小さい形態である初期形態を維持しながら待機位置(第1の位置)から登場位置(第2の位置)まで移動してきて、登場位置にて比較的大きい形態である変形形態に移行する。従って、端部側から移動してきた変形部53が、中央部に位置すると、大きく変形するという動作によって、遊技者をさらに驚かせることができる。
また、変形部53は、表示画面114Sの下端部になる、開口部110Hの下側の縁に沿って移動するため、待機位置から登場位置までは比較的に目立ち難い。その一方で、変形部53は、まさに変形するときには、表示画面114Sの左右方向における中央部にて大きく変形する。そのため、変形部53は、遊技者に対して、非常に大きなインパクトを与えることができる。
なお、上述した例では、変形部53は、登場位置に位置した状態で、初期形態から変形形態に変形しているが、例えば待機位置に位置した状態で変形形態に変形するように動作しても構わない。さらに、待機位置から登場位置まで移動する間に、初期形態から変形形態に移行するようにしても構わない。
引き続いて、移動部51の登場状態から待機状態への移行について説明する。
移動部51の登場状態から待機状態への移行は、基本的には、上述した図34−3(a)から図34−3(f)を用いて説明した登場状態への移行における逆の動作を行う。以下、具体的に説明する。
まず、図34−3(f)に示す変形形態の変形部53が、図34−3(e)に示すように上下方向および左右方向において縮むように変形する。具体的には、下方に移動しながら、外側から内側に縮むように各種部材が折りたたまれる。なお、このとき、装飾部54は、第2登場位置に位置した状態になっている。
その後、図34−3(d)に示すように、変形部53は、登場位置において、元の初期形態に変形する。また、装飾部54は、変形部53が初期形態に移行したタイミングで、装飾部54が円弧状の経路に沿って右端部から中央部に向けて左側に移動する。
そして、図34−3(c)に示すように、装飾部54は、変形部53と一体的になる一体状態に移行する。
さらに、図34−3(b)に示すように、変形部53は、装飾部54と一体的になったタイミングで、円弧状の経路に沿って装飾部54と共に移動する。本実施の形態では、変形部53および装飾部54は、中央部から左斜め上に向けて移動する。
そして、図34−3(a)に示すように、変形部53は待機位置である左端部にて停止し、装飾部54は待機位置である中央部左側にて停止する。
ところで、上述した基本的な演出動作とは別に、例えば変形部53が登場位置にて変形形態に移行しなかったり、装飾部54が分離状態に移行せず第2登場位置に位置しなかったり、変形部53や装飾部54が最終的な登場状態に移行する前の途中の段階で、所定の動作をさせる場合がある。そして、変形部53が変形形態に移行するかのように揺動したり、装飾部54が分離状態に移行するかのように揺動したりするという期待演出を行う。本実施の形態では、上述のとおり、変形部53が変形形態に移行することによって、大当たりに当選する期待度が高くなるように設定している。そのため、遊技者にとって、変形部53が変形形態に移行するかのような挙動は、遊技者にとって大当たりを期待させる演出となる。以下、期待演出に関する具体的な例として、第1の期待演出と第2の期待演出とを説明する。
<第1の期待演出>
図34−4は、第1の期待演出を説明するための図である。
第1の期待演出は、変形部53および装飾部54が各登場位置に位置している際に行う演出である。
第1の期待演出では、図34−3(a)〜図34−3(c)を参照しながら説明したように、まず、待機位置から登場位置に移動部51を移動させる。具体的には、変形部53を登場位置に停止させ、装飾部54を第1登場位置に停止させる。
そして、図34−4(a)に示すように、変形部53を所定の箇所を中心として上下方向において所定の距離間隔で往復移動するように揺動させる。一方、図34−4(a)に示すように、装飾部54を所定の箇所を中心として左右方向において所定の距離間隔で往復移動するように揺動させる。また、第1の期待演出においては、変形部53を揺動させながら装飾部54を揺動させることで、変形部53の上下方向における揺動と、装飾部54の左右方向における揺動とを同時に実行する。なお、この際に、変形部53は、変形前の形態である初期形態を維持したままで、上下方向において揺動する。
上述したとおり、本実施の形態では、変形部53が変形形態に移行する前に、変形部53が所定方向(例えば上下方向)において揺動しながら、装飾部54がその所定方向とは異なる方向(例えば左右方向)において揺動する。このように、移動部51として一組の変形部53と装飾部54とが、それぞれ異なる方向において揺動することによって、遊技者の目をひくこととなり、移動部51によってインパクトのある動きを実現している。
なお、上記の例では、変形部53の揺動と装飾部54の揺動とを同時に行うと説明したが、それぞれ別のタイミングで行っても構わない。
また、図34−4(a)に示す第1の期待演出では、例えば変形部53が変形形態に移行する際の方向である上下方向(図34−4(b)参照)において変形部53が揺動する。すなわち、変形部53が変形形態に移行する際の移動方向と、第1の期待演出にて変形部53が揺動する方向とが一致している。また、図34−4(a)に示す第1の期待演出では、例えば装飾部54が分離状態に移行する際の方向である左右方向(図34−4(b)参照)において装飾部54が揺動する。すなわち、装飾部54が変形形態に移行する際の移動方向と、第1の期待演出にて装飾部54が揺動する方向とが一致している。
そのため、第1の期待演出の際、遊技者は、変形部53が変形形態に移行し、また、装飾部54が分離状態に移行することの期待をもってドキドキしながら、これらの挙動をみることとなる。その結果、遊技者は、移動部51の動きを楽しみながら、遊技を行うことができる。
なお、上記の移動部51の異なる方向における揺動後の動作としては、例えば大当たり当選の期待度の異なる複数のパターンを準備することができる。例えば、大当たり当選の期待度が高い演出としては、図34−4(b)に示すように、変形部53を変形形態に変形させ、かつ、装飾部54を第2登場位置に移動させて分離状態に移行させることができる。一方で、例えば大当たり当選の期待度が低い演出として、図34−4(a)に示す状態から、移動部51を図34−1に示す待機状態に戻す動作を行うことができる。
また、変形部53が変形形態に移行する前に、初期形態を維持したままの状態で、変形部53が上下方向において揺動する。上述したとおり、変形部53は、上方向に移動しながら、変形形態に移行する。そのため、変形部53が初期形態を維持したままで、上下方向に移動することによって、遊技者の変形部53の変形形態への移行に対する期待が膨らむ。
例えば、変形部53を動作させて変形形態への移行と思わせる演出を行う場合に、例えば変形部53を半分程度までに変形させた状態と、初期形態とを反復させる動作の演出も考えられる。これに対して、本実施の形態では、変形部53に対して、変形形態に移行する前の初期形態を敢えて維持した状態で、上下方向において揺動するようにした。これによって、揺動している変形部53がその後に大きく変形するのか否かと遊技者の注目度が高まる。従って、変形部53が変形形態に移行することを望む遊技者の期待感をより高めることができる。
また、第1の期待演出では、変形部53は、表示画面114Sに表示される装飾図柄30Aの表示に併せて、以下のように動作させることができる。
図34−4(a)に示すように、変動演出において表示画面114Sには、例えば変動中の装飾図柄30Aが表示されている。図34−4(a)の例では、左側の装飾図柄30Aと、右側の装飾図柄30Aとが揃って停止している状態で、残りの中央の装飾図柄30Aが変動している状態(所謂リーチ状態)である。この状態で、変形部53は、初期形態を維持しながら待機位置に登場する。このとき、変形部53は、装飾図柄30Aに全く重ならないか、装飾図柄30Aに対してごく一部だけが重なった状態になっている。すなわち、装飾図柄30Aが変動表示されている状態では、変形部53は、装飾図柄30Aの全て、または、装飾図柄30Aの大部分を隠さないようになっている。
一方で、図34−4(b)に示すように、例えば、変動演出において表示画面114Sに表示される装飾図柄30Aの変動が停止する直前に、変形部53が変形形態に移行する。そして、変形部53が変形形態に移行した後に、装飾図柄30Aが変動停止する。このとき、変形部53は、装飾図柄30Aの大部分に重なった状態になっている。その後、変形部53が初期形態に戻ることで、遊技者は、3つ揃った装飾図柄30Aの全貌を確認することができる。つまり、変形部53が退くと、背後に、揃った装飾図柄30Aが現れるため、最初から中央の装飾図柄30Aの全てが見える状態で装飾図柄30Aが揃うような場合と比較して、遊技者のドキドキ感を高めることができる。
なお、図34−4(b)の例では、変形形態の変形部53は、装飾図柄30Aの一部が見えるように装飾図柄30Aと重なるように位置している。しかしながら、例えば変形形態の変形部53は装飾図柄30Aの全てを隠しても良いし、例えば左右の装飾図柄30Aが既に停止している場合には、残りの中央の装飾図柄30Aだけを全て隠す、または残りの中央の装飾図柄30Aの大部分を隠すように位置していても構わない。
<第2の期待演出>
図34−5は、第2の期待演出を説明するための図である。
第2の期待演出は、移動部51が待機位置に位置している際に行う演出である。
移動部51は、待機位置で登場位置に向けて移動する方向と、待機位置に戻る方向とに、所定箇所を中心として所定の距離間隔で往復移動する揺動を行う。本実施の形態では、ベース部材52が形成する移動部51の移動経路が下向きに凸となるように形成しているため、待機位置での揺動は、斜め左上から斜め右下の方向になる。すなわち、移動部51を構成する変形部53および装飾部54は、待機位置にて、斜め方向において揺動する。
そして、待機位置で移動部51が揺動すると、遊技者は、移動部51を用いた基本の演出動作の開始を期待する。すなわち、移動部51を用いた演出において、最も初期の段階である待機位置にて揺動することで、上述した図34−3(a)を参照しながら説明したとおり、遊技者は移動部51の動作が開始されると感じる。
これによって、移動部51に対する遊技者の注目度が高まるとともに、変形形態に移行することを願う遊技者の期待感を高めることが可能になる。
特に、第2の期待演出では、図34−5(a)に示すように、変形部53は、待機位置(第1の位置)にて斜め方向において揺動する。一方で、図34−5(b)に示すように、変形部53は、登場位置(第2の位置)にて上下方向において揺動する。このように、本実施の形態では、同一の演出体である変形部53が、待機位置で所定方向となる斜め方向において揺動し、登場位置にでその所定方向とは異なる方向となる上下方向において揺動する。すなわち、同一の演出体である変形部53が、異なる位置にて、それぞれ異なる方向に揺動する。そのため、遊技者に対して、例えば変形部53が揺動する方向に関して多彩な動きをみせることができるため、遊技者にインパクトのある演出動作を見せることが可能になる。
また、図34−5(a)に示すように、待機位置(第1の位置)で登場位置(第2の位置)に向けた方向において変形部53を揺動させ、その後に、図34−5(b)に示すように、登場位置(第2の位置)で変形形態(第2形態)に変形する方向において変形部53を揺動させるという2段階の演出動作を行っても良い。
本実施の形態では、例えば大当たりに当選する際、変形部53は、最終的に、登場位置に位置し変形形態に移行する。そのため、遊技者は、まず、変形部53が登場位置に位置することを期待する。従って、変形部53が待機位置にて登場位置に向けた方向に揺動することによって、遊技者の期待感を高めることができる。さらに、本実施の形態では、登場位置にて変形部53が変形する際に移動する方向に変形部53を揺動させることによって、遊技者の期待感がさらに高まる。このように、大当たりを期待させる演出として、変形部53の揺動による2段階の演出動作を行うことによって、遊技者の期待感を大いに高めることが可能になる。
なお、本実施の形態では、待機位置に位置した状態の変形部53は、車の形になっている。一方、登場位置において変形形態に移行した変形部53は、ロボットの形になっている。そのため、待機位置で変形部53を揺動させる際には、車のエンジンをふかすような音をスピーカ156から流す。一方、登場位置で変形部53を揺動させる際には、ロボットが動作するような音をスピーカ156から流すようにしても良い。すなわち、同一の演出体である変形部53が、異なる位置にて、それぞれ異なる方向に揺動し、それぞれ異なる音を出すようにしても良い。
また、第2の期待演出において、変形部53は、表示画面114Sに表示される装飾図柄30Aの表示に併せて、以下のように動作させることができる。
例えば、図34−5(a)に示すように、変動演出において表示画面114Sに、例えば変動中の装飾図柄30Aが表示されている。図34−5(a)の例では、左側の装飾図柄30Aと、右側の装飾図柄30Aとが揃って停止するか否か(所謂リーチになるか否か)の状態である。この状態で、変形部53は、待機位置にて、登場位置に向けて移動する方向に揺動することによって、遊技者の大当たりの期待が膨らむ。
さらに、図34−5(b)に示すように、左側の装飾図柄30Aと、右側の装飾図柄30Aとが揃って停止している状態で、残りの中央の装飾図柄30Aが変動している状態(所謂リーチ状態)である。この状態で、変形部53は、登場位置にて変形部53が変形形態に移行する際の移動方向において揺動することによって、遊技者の大当たりの当選に対する期待をさらに膨らませることができる。
なお、第2の期待演出においては、例えば図34−5(b)を参照しながら、登場位置における揺動として変形部53を上下方向に揺動させる例を用いているが、これに限定するものではない。例えば、装飾部54が分離状態に移行することによっても、変形部53がその後に変形形態に移行するなど最終的な形態に移行することを示唆することができる。従って、装飾部54を第1登場位置にて左右方向において揺動させることで、大当たりを期待させても構わない。
また、第1の期待演出と第2の期待演出とを適宜、組み合わせても構わない。すなわち、移動部51の動作と表示画面114Sに表示させる変動演出の動作との組み合わせに関して、例えば図34−5(a)、図34−5(b)(図34−4(a))、図34−4(b)の順に、段階的に行っても構わない。
さらに、変動演出を行う際に、移動部51の動作を契機として、例えば疑似連続予告(疑似連)を進行させるようにしても良い。なお、本実施の形態では、疑似連演出が実行される際には、例えば大当たりに当選する確率が高くなるように設定することができる。
そして、本実施の形態では、疑似連演出が開始される際、または疑似連演出が開始されると遊技者が感じるタイミングで、変形部53を登場位置に移動させ、図34−4(a)を参照しながら説明したように変形部53を上下方向に揺動させる。さらに、その後には、所定の割合で、図34−4(b)を参照しながら説明したように変形部53が変形形態に移行した後に疑似連演出を行ったり、変形部53が初期形態のまま変形形態に移行せずに疑似連演出を行ったりするように設定しておく。
これによって、遊技者は、まず、変形部53が登場位置に移動したことで、疑似連演出が開始されることを期待することができる。さらに、本実施の形態では、変形部53が変形形態に移行したときには、確実に疑似連演出が実行される。そのため、遊技者は、変形部53が変形形態に移行するか否かについて遊技者は期待しながら遊技を行うことができる。
また、本実施の形態では、装飾図柄30Aを構成する数字の「3」が、車型ロボット部5に関連付けられている。そこで、例えば装飾図柄30Aの数字の「3」の変動状態に対応させて、移動部51(変形部53,装飾部54)を動作させても良い。具体的には、装飾図柄30Aの数字の「3」の変動が停止したり、変動が仮停止したりした際に、変形部53を登場位置に移動させ、図34−5(b)を参照しながら説明したように変形部53を上下方向に揺動させても良い。この場合に、例えば左、中央、右と3つ並べられる装飾図柄30Aのうち、1つの数字「3」の状態に応じて移動部51を動作させても良いし、複数の数字「3」が揃うなどの状態に応じて移動部51を動作させても良い。また、この際の移動部51の動作としては、変形部53の移動または変形や、装飾部54の移動など、本実施の形態で説明する移動部51の動作を適宜実行することができる。
なお、これは、造形可動体4と装飾図柄30Aの数字の「7」においても同様である。すなわち、装飾図柄30Aの数字の「7」の変動状態に対応させて、造形可動体4を動作させても良い。さらには、タイトルロゴ部7と、装飾図柄30Aの数字とを組み併せて、同様に動作させても良い。
さらに、上述したとおり、変形部53は、遊技者に表示画面114Sを透過させて見せるフロントガラス部530を有している。そこで、表示画面114Sにおいてフロントガラス部530に対応する位置に、所定の情報を表示させても良い。つまり、遊技者からみて、フロントガラス部530の奥に、所定の情報が映るようにする。所定の情報としては、例えば現在の遊技状態を示唆する情報や、変動演出に関わる情報や、特定の演出についての説明情報や、遊技者にとって有益となる特典情報などを用いることができる。
本実施の形態では、変形部53が中央部に移動すると、フロントガラス部530が表示画面114Sの下側であって中央部に位置する(例えば図34−4参照)。このとき、上述したとおり、表示画面114Sの下側であって中央部には、当該変動アイコン30Cが表示される(例えば34−1参照)。ただし、本実施の形態では、フロントガラス部530が表示画面114Sを透過させて遊技者に見せることができる。そのため、遊技者は、フロントガラス部530を通して、当該変動アイコン30Cを確認することができる。
一方、変形部53が変形形態に移行すると、図34−2に示すように、変形部53が表示画面114Sの中央部を隠してしまう。ただし、本実施の形態では、変形部53によって当該変動アイコン30Cを見せたり、隠したりするという動きによって、当該変動中に、当該変動アイコン30Cを利用した事前判定に関わる演出を行うことができる。
具体的には、事前判定の結果に基づいて、例えば当該変動アイコン30Cの表示態様を、変動中に変更することが可能である。そこで、まず初期形態の変形部53を登場位置に位置させる。当該変動アイコン30Cは、フロントガラス部530を通して確認できる。その後、変形部53を変形形態に移行させる。このとき、当該変動アイコン30Cの色や模様等を変更して当該変動アイコン30Cの表示態様を異ならせる。さらに、その後、変形部53を初期形態に再び戻す。そうすると、遊技者は、変形部53の動作の前後で、当該変動アイコン30Cの変化に気づくことになる。そして、本実施の形態では、当該変動アイコン30Cの表示態様を単に変化させるのではなく、変形部53による表示画面114Sを隠すという動作に伴って表示態様を変化させることで、遊技者がより遊技を楽しませることができる。
次に、上述したとおりの演出動作を行う車型ロボット部5の機構について詳細に説明する。
図34−6は、車型ロボット部5の全体構成を示す図である。
図34−7は、本実施の形態の変形部ベース61および左右方向移動部64を示す図である。
なお、図34−6および図34−7は、車型ロボット部5を後側からみた図である。
変形部53は、図34−6に示すように、顔部531、胸部532、肩部533、腕部534、脚部535および角部536の変形動作および移動動作を実現する機構として、変形部53を構成する各部品の取り付けの基礎となる変形部ベース61と、主に変形部53の上下方向における移動機構を構成する上下方向移動部62と、変形部53における上下左右方向における変形機構を構成する変形機構部63と、主に変形部53および装飾部54の左右方向(円弧方向)の移動機構を構成する左右方向移動部64とを有している。
まず、変形部ベース61、上下方向移動部62および変形機構部63について説明する。
(変形部ベース61の構成)
変形部ベース61は、ベース本体部611と、第1ギア列612と、駆動モータ613とを有する。
ベース本体部611は、板状の部材であって、変形部53全体の左右方向における位置の移動と、上下方向における変形のための移動との基礎となる。そして、ベース本体部611は、上下方向移動部62の後述する第1移動部材621を上下方向において移動可能に支持する。また、ベース本体部611は、第1固定ラック611Rを有する。第1固定ラック611Rは、ラックギアが形成され上下方向に延びて形成される。
さらに、ベース本体部611は、図34−7に示すように、被ガイド突起611Pと、第1ガイド溝611G1と、第2ガイド溝611G2とを有している。
被ガイド突起611Pは、後述するベース部材52の縦溝522Tに上下方向に移動可能に嵌め込まれる。
第1ガイド溝611G1は、上下方向に延びて形成される溝である。本実施の形態では、第1ガイド溝611G1は、ベース本体部611の右側と左側とにおいて一対に設けられる。また、第1ガイド溝611G1には、後述する第1被ガイド部641に設けられる凸部641Pが嵌め込まれる。そして、第1ガイド溝611G1は、凸部641Pの移動を案内しながら、第1被ガイド部641とベース本体部611とを上下方向において相対的に移動可能にしている。
第2ガイド溝611G2は、主に略斜め方向に延びて形成される溝である。本実施の形態では、第2ガイド溝611G2、ベース本体部611の右側と左側とにおいて一対に設けられる。また、第2ガイド溝611G2には、後述する第2被ガイド部642に設けられる凸部642Pが嵌め込まれる。そして、第2ガイド溝611G2は、第2被ガイド部642が円弧状の経路を移動する際に、第2被ガイド部642とベース本体部611とを相対的に移動可能にしている。
第1ギア列612は、図34−6に示すように、第1移動部材621の後述するラックギア部6211に接続する。また、第1ギア列612は、駆動モータ613から駆動を受けて回転する。
駆動モータ613は、第1ギア列612に接続し、第1ギア列612を駆動する。なお、駆動モータ613は、ランプ制御部320によって制御され、所定のタイミングおよび所定方向での回転によって、第1ギア列612を動作させる。
(上下方向移動部62の構成)
上下方向移動部62は、図34−6に示すように、第1移動部材621と、第2ギア列622と、第2移動部材623と、第3ギア列624と、第3移動部材625とを有している。
第1移動部材621は、板状の部材であって、ベース本体部611により上下方向に移動可能に支持される。また、第1移動部材621は、ラックギア部6211が形成される。そして、ラックギア部6211は、第1ギア列612に接続している。
さらに、第1移動部材621は、第2移動部材623を上下方向において移動可能に支持する。また、第1移動部材621は、第2ギア列622の各ギアを回転可能に保持する。
さらに、第1移動部材621は、第2ラックギア部6212を有する。第2ラックギア部6212は、ラックギアが形成され上下方向に延びて形成される。また、第2ラックギア部6212は、上下方向において第1移動部材621に対して予め定めた距離だけ移動可能に第1移動部材621に支持されている。
そして、第1移動部材621は、前側にて脚部535を支持する。なお、脚部535は、上側の端部が第1移動部材621に回転可能に取り付けられ、下側の端部がベース本体部611に移動可能に接続している。
第2ギア列622は、下側にて第1固定ラック611Rに接続し、上側にて第2移動部材623の後述する第3ラックギア部623Rに接続する。
第2移動部材623は、第3移動部材625を上下方向において移動可能に支持する。また、第2移動部材623は、第3ギア列624の各ギアを回転可能に保持する。さらに、第2移動部材623は、第3ラックギア部623Rを有している。第3ラックギア部623Rは、ラックギアが形成され上下方向に延びて形成される。そして、本実施の形態では、第2移動部材623の前側には、胸部532、肩部533および腕部534が取り付けられる。
第3ギア列624は、下側にて第1移動部材621の第2ラックギア部6212に接続し、上側にて第3移動部材625の後述する第4ラックギア部625Rに接続する。
第3移動部材625は、第4ラックギア部625Rを有する。第4ラックギア部625Rは、上下方向に延びるとともにラックギアが形成される。そして、第4ラックギア部625Rは、第3ギア列624に接続している。また、本実施の形態では、第3移動部材625の前側には、顔部531が取り付けられる。
また、以上のように構成される変形部ベース61および上下方向移動部62の主要な部材の前後関係について説明する。本実施の形態では、後側から前側に、ベース本体部611、第1移動部材621、第2移動部材623、第3移動部材625の順に層状に配置される。そして、これらの板状の部材が互いの面が略平行になるように維持した状態で、相対的にスライド移動することによって、上下方向における変形部53の伸縮が行われる。以下、具体的な動作を説明する。
(上下方向移動部62の動作)
以上のように構成される変形部53は、上下方向移動部62によって、顔部531、胸部532、肩部533、腕部534および脚部535の上下方向における位置を移動させる。以下で、具体的に説明する。
まず、駆動モータ613によって第1ギア列612を駆動する。第1ギア列612は、ラックギア部6211を介して第1移動部材621を上下方向に移動させる。ここで、第1移動部材621には、脚部535が接続している。従って、第1移動部材621が上下方向に移動した際、脚部535は、第1移動部材621とともに上下方向に移動する。
また、第1移動部材621には第2ギア列622が回転可能に保持されているため、第1移動部材621の移動に伴って第2ギア列622も移動する。このとき、第2ギア列622に接続する第1固定ラック611Rは、第1移動部材621とともに移動しない。従って、第2ギア列622は、第1固定ラック611Rに引っ掛かって回転する。そして、第2ギア列622が回転することによって、第2ギア列622に接続する第3ラックギア部623Rを介して、第2移動部材623が移動する。
そして、第2移動部材623には、胸部532、肩部533および腕部534が取り付けられている。従って、第2移動部材623が上下方向に移動した際、胸部532、肩部533および腕部534は、第2移動部材623とともに上下方向に移動する。
その後、第2移動部材623の移動に伴って、第2移動部材623に保持される第3ギア列624が第2移動部材623とともに移動する。このとき、第3ギア列624に接続する第2ラックギア部6212は、第3ギア列624と共に上方向に予め定めた距離だけ移動する。そして、第2ラックギア部6212が予め定めた距離だけ移動すると、第2ラックギア部6212は第1移動部材621に対して相対的に移動しなくなる。そうすると、第1移動部材621に対して相対的に移動する第3ギア列624は、第1移動部材621に対して移動しなくなった第2ラックギア部6212に引っ掛かって回転する。
そして、回転する第3ギア列624は、第4ラックギア部625Rを介して第3移動部材625を上下方向に移動させる。第3移動部材625には、顔部531が取り付けられている。従って、第3移動部材625が上下方向に移動した際、顔部531は、第3移動部材625とともに上下方向に移動する。このようにして、顔部531が上側に突出した状態になる。
(変形機構部63の構成)
図34−8は、本実施の形態の変形機構部63を示す図である。なお、図34−8は、変形部53を後側からみた図である。
変形機構部63は、図34−8(a)に示すように、支持体631と、支持体631よりも後側に配置される接触移動部632と、接触移動部632の後側であって腕部534の前側に配置されるリンク部633とを有する。さらに、図34−6に示すように、変形機構部63は、第2リンク部634を有する。
なお、本実施の形態において、肩部533、腕部534、脚部535および角部536は、左右一対に設けられる。そのため、これら一対の部位を変形移動させるための機構として、接触移動部632、リンク部633および第2リンク部634も、左右一対に設けられる。ただし、左右一対の各部の構造は、形状に若干の差異はあるものの、基本構成は同じである。従って、以下の説明では、左右一対の各部の構造を特に区別する必要が無い場合には、左右のうち一方の部材を代表して説明し、もう一方の部材についての詳細な説明を省略する。
支持体631には、後側から第2移動部材623(図34−6参照)が取り付けられる。また、支持体631には、前側から胸部532(図34−6参照)が取り付けられる。そして、支持体631は、腕回転軸631Sと、ガイド溝631Gとを有する。
腕回転軸631Sは、腕部534の回転の軸を形成するとともに、腕部534を支持する。従って、腕回転軸631Sは、腕部534の回転中心となる。
ガイド溝631Gは、略上下方向に沿って形成される溝である。そして、ガイド溝631Gは、接触移動部632の上下方向における移動を案内する。なお、本実施の形態では、後述するとおり、接触移動部632には、肩部533が取り付けられる。従って、ガイド溝631Gは、肩部533の移動を案内している。
接触移動部632は、Y字状の概形を有している。そして、接触移動部632は、リンク回転軸632Sと、肩保持部632Hと、リンク回転軸632Sから一方向に延びる第1腕部6321と、リンク回転軸632Sから第1腕部6321とは異なる他方向に延びる第2腕部6322とを有する。
リンク回転軸632Sは、リンク部633が回転するための軸を形成する。
肩保持部632Hは、肩部533を支持するとともに、ガイド溝631Gによって移動が案内される。
第1腕部6321は、端部に後側に向けて突出する第1突起部6321Pを有する。また、第2腕部6322は、端部に後側に向けて突出する第2突起部6322Pを有する。そして、第1突起部6321Pおよび第2突起部6322Pは、それぞれ顔部531の位置に応じて顔部531に形成される突起531Pに接触するように構成されている。
リンク部633は、一端側がリンク回転軸632Sに回転可能に保持され、他端側にて腕部534に対して回転可能に接続している。従って、リンク部633は、接触移動部632とともに移動し、また、リンク回転軸632Sを回転軸として回転する。そして、リンク部633は、腕部534を上下方向に移動させる。
第2リンク部634は、図34−6に示すように、腕部534に形成される突起534Pに接触可能に構成されている。そして、第2リンク部634は、腕部534の動作に応じて、突起534Pに接触し、肩部533に対して角部536を進退させる。
(変形機構部63の動作)
以上のように構成される変形機構部63では、上述した上下方向移動部62によって顔部531が上下することによって、肩部533、腕部534および角部536が変形するように作用する。
まず、変形部53が初期形態から変形形態に変形する際の動作を説明する。
図34−8(a)に示す状態から、顔部531が上方向に移動すると、図34−8(b)に示すように、顔部531の突起531Pが接触移動部632の第1突起部6321Pに接触する。これによって、接触移動部632は、支持体631のガイド溝631Gに案内されながら上方向に移動する。そうすると、接触移動部632に取り付けられる肩部533が上方向に持ち上がるように移動する。また、接触移動部632に接続するリンク部633が移動することによって、腕部534が、腕回転軸631Sを支点として上方向に持ち上がるように移動する。
また、図34−6に示すように、腕部534が上方向に移動することで、突起534Pが第2リンク部634を押し上げる。その結果、第2リンク部634に接触する角部536が上方向に移動する。
そして、さらに、顔部531をさらに上方向に移動させると、図34−8(c)に示すように、接触移動部632がガイド溝631Gの上側の端部にて引っ掛かり、接触移動部632がそれ以上は移動しなくなる。このとき、肩部533が最も上方向に位置し、腕部534も最も上方向に位置し、角部536も最も上方向に移動した状態である変形形態になる。
以上のように、本実施の形態では、顔部531が上方向に移動することで、肩部533、腕部534および角部536が上方向に移動するようになっている。つまり、顔部531を上方向に移動させるだけで、他の肩部533、腕部534および角部536を上方向に移動させることができる。
なお、本実施の形態では、第2ラックギア部6212が第1移動部材621に対して一定距離だけ移動可能にすることで、顔部531の上方向の移動のタイミングを、例えば胸部532等の上方向の移動のタイミングに対して遅らせるようにしている。これによって、第2移動部材623がある程度上方向にせり上がった状態から、第3移動部材625が上方向に移動する。そして、第3移動部材625の移動によって、上述したように、肩部533、腕部534および角部536が上方向に移動する。そのため、全体的に上方向に移動した後に、肩部533、腕部534および角部536が変形するという動きをみせることができる。
次に、変形部53が変形形態から初期形態に変形する際の動作を説明する。
図34−8(c)に示す状態から、顔部531を下方向に移動させる。顔部531の突起531Pは、下方向に移動する。そうすると、肩部533および腕部534は、接触移動部632による上方向に向けた支持がなくなり、自重で、下方向に移動する。そして、接触移動部632に取り付けられる肩部533が下方向に下がるように移動する。また、接触移動部632に接続するリンク部633が下向きに移動することによって、腕部534も腕回転軸631Sを支点として下方向に下りるように移動する。
なお、図34−6に示すように、本実施の形態では、腕部534が下方向に移動することで、突起534Pが下方に移動して、第2リンク部634も下方に下がる。その結果、第2リンク部634に接触する角部536が下方向に移動する。
以上のようにして、最終的には、図34−8(a)に示す初期形態に移行する。
このように、本実施の形態の変形部53では、持ち上げる際には、駆動される顔部531の動力を利用して、肩部533および腕部534を上方向に移動させている。一方で、下ろす際には、肩部533および腕部534が自重で下がるように構成し、機構を簡略化している。
なお、肩部533および腕部534が自重により下方向に下がらない場合も想定される。このような場合には、図34−8(a)に示すように、顔部531が下方向に移動することで、突起531Pが接触移動部632の第2突起部6322Pに接触する。そうすると、接触移動部632は、顔部531によって強制的に押し下げられる。その結果、接触移動部632に接続する肩部533および腕部534が下方向に移動する。このように、本実施の形態では、肩部533および腕部534を下方向に自重で移動させる構成を採用しつつ、肩部533および腕部534が自重で移動しない場合には、肩部533および腕部534を強制的に押し下げるようにしている。
(左右方向移動部64の構成)
左右方向移動部64は、図34−7に示すように、第1被ガイド部641および第2被ガイド部642を有している。
第1被ガイド部641は、円弧状の形状を有する円弧部6411と、ベース本体部611に連結されるベース連結部6412とを有する。また、円弧部6411とベース連結部6412とは、後述するベース本体部521の第1ベースガイド522が形成される箇所にてベース本体部521を間に挟むように取り付けられる。本実施の形態では、円弧部6411はベース本体部521の後側に配置され、ベース連結部6412はベース本体部521の前側に配置される(後述する図34−10参照)。
円弧部6411は、円弧状に形成された部材であって、ベース連結部6412に固定される。また、円弧部6411は、後述する第1ベースガイド522に嵌め込まれ、第1ベースガイド522に沿って第1ベースガイド522の一端部522Sから他端部522E(後述する図34−9参照)まで移動する。
ベース連結部6412は、略円弧状に形成された部材であって、ベース部材52(図34−1等参照)側に向けて突出する複数(本実施の形態では2つ)の凸部641Pを有している。そして、凸部641Pは、ベース本体部611の第1ガイド溝611G1に嵌め込まれる。
第2被ガイド部642は、円弧部6421と、円弧部6421に固定されるラックギア部6422とを有している。そして、円弧部6421とラックギア部6422とは、後述するベース本体部521の第2ベースガイド523が形成される箇所にてベース本体部521を間に挟むように取り付けられる。本実施の形態では、円弧部6421はベース本体部521の後側に配置され、ラックギア部6422はベース本体部521の前側に配置される(後述する図34−10参照)。
円弧部6421は、円弧状に形成された部材であって、ラックギア部6422に固定される。また、円弧部6421は、後述する第2ベースガイド523に嵌め込まれ、第2ベースガイド523に沿って第2ベースガイド523の一端部523Sから他端部523E(後述する図34−9参照)まで移動する。
ラックギア部6422は、略円弧状に形成された部材であって、ラックギア部642Gと、ベース部材52(図34−1等参照)側に向けて突出する複数の(本実施の形態では2つ)の凸部642Pとを有している。ラックギア部6422は、後述するピニオンギア525に対向する側に形成されたラックギアを有する。また、凸部642Pは、ベース本体部611の第2ガイド溝611G2に嵌め込まれる。
図34−9は、本実施の形態のベース部材52を示す図である。なお、図34−9は、ベース部材52を前側から見た図である。
(ベース部材52の構成)
ベース部材52は、ベース本体部521と、ベース本体部521に形成される第1ベースガイド522と、ベース本体部521に形成される第2ベースガイド523と、ベース本体部521の後側に設けられる第2駆動モータ524と、第2駆動モータ524のモータ軸に接続するピニオンギア525とを有している。
ベース本体部521は、各種部材を取り付ける基礎となる板状の部材である。本実施の形態では、ベース本体部521は、遊技盤110の後側の面に取り付けられる。そして、ベース本体部521は、パチンコ遊技機100の内部において所定の部材に固定される。
第1ベースガイド522は、下方向に凸となるように形成された円弧状の溝である。第1ベースガイド522は、左右方向における左側に一端部522Sを有し、右側に他端部522Eを有する。そして、一端部522Sは、移動部51の変形部53が待機位置に位置するように、左右方向移動部64の円弧部6411(図34−7参照)の位置を定める。また、他端部522Eは、変形部53が登場位置に位置するよう、左右方向移動部64の円弧部6411(図34−7参照)の位置を定める。
また、本実施の形態では、第1ベースガイド522は、左右方向における略中央部に、上下方向に沿って延びる縦溝522Tを有している。縦溝522Tは、ベース本体部611の被ガイド突起611P(図34−7参照)の移動を案内する。
第2ベースガイド523は、上方向に凸となるように形成された円弧状の溝である。第2ベースガイド523は、左右方向における左側に一端部523Sを有し、右側に他端部523Eを有する。また、一端部523Sは、左右方向において第1ベースガイド522の一端部522Sと略同じ位置に形成される。一方、他端部523Eは、左右方向において第1ベースガイド522の他端部522Eよりも右側の位置に形成される。そして、一端部523Sは、移動部51の装飾部54が待機位置に位置するように定める。また、他端部523Eは、装飾部54が第2登場位置に位置するように定める。
第2駆動モータ524は、ピニオンギア525に接続し、ピニオンギア525を駆動する。なお、第2駆動モータ524は、ランプ制御部320によって制御され、所定のタイミングおよび所定方向での回転によって、ピニオンギア525を動作させる。
ピニオンギア525は、移動部51のラックギア部642Gに接続する。そして、ピニオンギア525は、第2駆動モータ524の回転運動を、第2被ガイド部642の円弧に沿った移動に変換する。
(左右方向移動部64の動作)
図34−10は、移動部51の位置の移動を説明するための図である。
なお、図34−10は、ベース部材52を後側からみた図である。また、図34−10ではベース部材52および移動部51のうち位置の移動に関わる部材を図示し、他の部材の記載を省略している。
図34−10(a)に示すように、移動部51が待機位置に位置している状態では、第1被ガイド部641の円弧部6411が、第1ベースガイド522の一端部522Sに接触している。また、第2被ガイド部642の円弧部6421が第2ベースガイド523の一端部523Sに接触している。
その後、ピニオンギア525を駆動して、ラックギア部6422を介して第2被ガイド部642を左右方向における右側に移動させる。この第2被ガイド部642の移動に伴って、装飾部54および変形部53の全体が左右方向における右側に移動する。そして、図34−10(b)に示すように、第1被ガイド部641の円弧部6411が、他端部522Eに突き当たる。そうすると、左右方向において第1被ガイド部641とベース本体部611とは相対的に移動できない。従って、ベース本体部611によって支持されている変形部53の左右方向(円弧方向)の移動が登場位置にて停止する。
さらに、ピニオンギア525を駆動して、第2被ガイド部642を右側に移動させる。そうすると、第1被ガイド部641は上述とおり移動しないものの、第2被ガイド部642は右側に向けてさらに移動する。第2被ガイド部642には、装飾部54が固定されている。従って、変形部53の移動が停止した状態で、装飾部54はさらに移動する。
そして、図34−10(c)に示すように、第2被ガイド部642の円弧部6421が、第2ベースガイド523の他端部523Eに突き当たる。このとき、第2被ガイド部642に取り付けられる装飾部54の左右方向(円弧方向)の移動が第2登場位置にて停止する。
以上のようにして、本実施の形態では、左右方向移動部64およびベース部材52によって、移動部51を構成する変形部53と装飾部54の左右方向(円弧方向)に沿った移動と所定位置における停止とが実現される。
図34−11は、変形部53の上下方向における振動動作を説明するための図である。
続いて、図34−11を参照しながら、変形部53の移動が停止した状態で、装飾部54が移動する際に生じる、変形部53の上下方向の動きについて説明する。
図34−11(a)に示す状態は、図34−10(c)を参照しながら説明したとおり、変形部53が登場位置に位置した状態である。そして、この状態から、第2被ガイド部642を右側に向けて移動させる。このとき、第1被ガイド部641の円弧部6411が第1ベースガイド522の他端部522E(図34−11(b)参照)に突き当たった状態で、第2被ガイド部642を右側に向けて移動させることになる。
第2被ガイド部642の凸部642Pがベース本体部611の第2ガイド溝611G2に嵌っている。そのため、図34−11(b)に示すように、第2被ガイド部642が右側に移動すると、ベース本体部611に対して上向きの力が作用する。ここで、第2被ガイド部642および第1被ガイド部641は、それぞれ第2ベースガイド523および第1ベースガイド522に嵌っている。そのため、第2被ガイド部642および第1被ガイド部641は、上下方向には移動しない。
従って、図34−11(c)に示すように、ベース本体部611が、上方向に向けて移動することになる。すなわち、変形部53が上方向に向けて持ち上がるように移動する。
なお、ベース本体部611は、上下方向に延びる第1ガイド溝611G1を有しているため、第1被ガイド部641によっては上下方向の移動は妨げられない。また、ベース本体部611は、上下方向に移動する際には、被ガイド突起611Pが縦溝522Tによって案内される。
なお、図34−11(c)に示す状態から、第2被ガイド部642を左右方向における左側に移動させると、第2ガイド溝611G2と嵌る凸部642Pとによって、ベース本体部611に対して下向きの力が作用する。その結果、ベース本体部611が、下方向に向けて移動することになる。すなわち、変形部53が下方向に下がるように移動する。
以上のように構成される移動部51およびベース部材52において、登場位置にて、例えば変形部53から装飾部54を分離する方向に移動させる動作と、合体させる方向に移動させる動作を周期的に繰り返すことで、変形部53を上下方向に揺動させ、装飾部54を左右方向に揺動させることができる。例えば、上述した第1の期待演出や第2の期待演出における変形部53の上下方向における揺動および装飾部54の左右方向における揺動は、この動作によって実現することができる。
なお、本実施の形態での移動部51の移動方向は、本実施の形態に限られない。また、車型ロボット部5を配置する位置については、本実施の形態の遊技盤110の下側に限定されない。例えば遊技盤110における左右方向の右側または左側、上下方向の上側に車型ロボット部5を配置しても良い。
また、移動部51を動作させるタイミングは、上述したように、画像表示部114における装飾図柄30Aの変動開始から変動停止までの変動演出が行われる際に限定されるものではない。
例えば、大当たりに当選するか否かのタイミングとは別に、高確率状態や、時短状態など、パチンコ遊技機100の遊技状態を報知するために移動部51を動作させるようにしても良い。この際に、移動部51を動作させて遊技状態を報知するタイミングは、特定の遊技状態に移行する前や、特定の遊技状態に移行した後の所定のタイミングで構わない。
さらに、図1に示すように、第2大入賞口127に遊技球が入賞し、例えば高確率状態に移行する際や時短状態に移行する際に、移動部51を動作させるようにしても良い。
そして、移動部51が登場状態に移行することによって、遊技者に対して、遊技状態に何らかの変化が生じたときや、遊技状態の変化の前後のタイミングで、そのことを示唆または報知するようにしても構わない。
〔本実施の形態の車型ロボット部5の技術的特徴〕
◆上記のように、本実施の形態では、演出体を用いて遊技機の興趣性を高めるために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、第1形態と当該第1形態から変形する第2形態とを有する第1演出体(例えば、変形部53)と、前記第1演出体(例えば、変形部53)と一体的な状態と当該第1演出体(例えば、変形部53)に対して分離する分離状態とを形成する第2演出体(例えば、装飾部54)と、を備え、前記第1演出体(例えば、変形部53)が前記第2形態に移行する前に、当該第1演出体(例えば、変形部53)が所定方向において揺動しながら、前記第2演出体(例えば、装飾部54)が当該所定方向とは異なる方向において揺動することを特徴とする。
また、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、第1形態と当該第1形態から変形する第2形態とを有する第1演出体(例えば、変形部53)と、前記第1演出体(例えば、変形部53)と一体的な状態と当該第1演出体(例えば、変形部53)に対して分離する分離状態とを形成する第2演出体(例えば、装飾部54)と、を備え、前記第2演出体(例えば装飾部54)は、前記一体的な状態にて前記第1演出体(例えば、変形部53)と共に移動し、当該移動の途中で当該第1演出体(例えば、変形部53)に対して分離状態を形成することを特徴とする。
◆さらに、本実施の形態では、演出体を用いて遊技機の興趣性を高めるために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、第1形態から当該第1形態とは異なる第2形態に変形する演出動作を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、前記演出体(例えば、変形部53)を第1の位置から第2の位置に移動させる移動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)と、前記演出体(例えば、変形部53)を前記第1形態および前記第2形態に変形させる変形手段(例えば、上下方向移動部62,変形機構部63)とを備えることを特徴とする。
◆また、本実施の形態では、演出体を用いて遊技機の興趣性を高めるために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、第1形態と、当該第1形態とは異なる第2形態とを有する演出体(例えば、変形部53)と、前記演出体(例えば、変形部53)の位置を移動させる移動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)と、を備え、前記移動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)は、前記演出体(例えば、変形部53)が前記第2形態に移行する前に、当該演出体(例えば、変形部53)を揺動させることを特徴とする。
◆そして、本実施の形態では、演出体を用いて遊技機の興趣性を高めるために、以下の構成を採用した。
すなわち、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、演出動作を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、第1の位置から当該第1の位置とは異なる位置である第2の位置まで前記演出体(例えば、変形部53)を移動させる移動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)と、前記第1の位置で前記演出体(例えば、変形部53)を所定方向に揺動させる第1揺動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)と、前記第2の位置で前記演出体を前記所定方向とは異なる方向に揺動させる第2揺動手段(例えば、変形部ベース61,左右方向移動部64,ベース部材52)と、を備えることを特徴とする。
また、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、演出動作を行う演出体(例えば、変形部53)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、第1の位置から当該第1の位置とは異なる位置である第2の位置まで前記演出体(例えば、変形部53)を移動させる移動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)と、前記第2の位置にて前記演出体(例えば、変形部53)を第1形態から当該第1形態とは異なる第2形態に変形させる変形手段(例えば、上下方向移動部62,変形機構部63)と、前記第1の位置で前記第2の位置に向けた方向において前記演出体(例えば、変形部53)を揺動させる第1位置揺動手段(例えば、左右方向移動部64,ベース部材52)と、前記第2の位置で前記第2形態に変形する方向において前記演出体(例えば、変形部53)を揺動させる第2位置揺動手段(例えば、変形部ベース61,左右方向移動部64,ベース部材52)と、を備えることを特徴とする。
次に、可動役物115が備えるタイトルロゴ部7について説明する。
<タイトルロゴ部7>
図35−1は、タイトルロゴ部7を説明するための図である。
図35−1に示すように、タイトルロゴ部7は、所定の演出を実行する演出体70と、演出体70を支持する支持体80とを備える。
以下、演出体70および支持体80について、各々詳細に説明する。
<演出体70>
図35−2は、演出体70を説明するための図である。
図35−2に示すように、演出体70は、所定の演出において反転動作を行う反転動作部71と、反転動作部71を支持するとともに反転動作部71に駆動力を供給する反転駆動部73とを備える。
反転動作部71は、第1反転動作部71Aと、第2反転動作部71Bと、第3反転動作部71Cと、第4反転動作部71Dとを備える。これらの第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、集合して略直方体状の形状(所定形状)を形成する(図35−1参照)。ここで、所定形状とは、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが全体としてまとまりのある形状(集合体)をいう。さらに説明をすると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが互いに関連する1つの集合体であることを想起させる形状をいう。
なお、以下の説明においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのいずれかを区別しない場合には、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々を、単に反転動作部71ということがある。
反転駆動部73は、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dに囲まれる位置に設けられる略円盤状の本体部73Aと、本体部73Aから左右方向の右側に延びる略直方体状の支持部73Bとを備える。
<第1反転動作部71A>
図35−3は、第1反転動作部71Aを説明するための図である。
図35−3に示すように、第1反転動作部71Aは、装飾片711と、回転軸713と、スライド部715と、伸縮腕717とを備える。なお、ここでは第1反転動作部71Aを図示して説明をするが、第2反転動作部71B、第3反転動作部71C、および第4反転動作部71Dも、装飾片711の形状(模様)が異なる点を除き、第1反転動作部71Aと同様に構成される。
装飾片711は、反転動作を行う小片である。また、装飾片711は、回転軸713が内部を貫通する貫通孔(不図示)を備える。また、図示の例における装飾片711は、互いに略平行に設けられた第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cを備え、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cそれぞれの外周側の面には、互いに異なる模様、具体的には、互いに異なる文字(文字列)が形成されている。
回転軸713は、装飾片711の内部を貫通して設けられる軸状部材である。なお、図示の例における回転軸713は、外周面に形成された平坦面(Dカット)713Aを備え、装飾片711内で回転軸713が回転することを抑制する。
スライド部715は、回転軸713が内部を貫通する略円筒状の部材である。
伸縮腕717は、スライド部715に一端が接続される長尺状の部材である。
さて、装飾片711およびスライド部715は、互いに連結して設けられ、かつ回転軸713に沿ってスライド可能に設けられる。
また、装飾片711は、回転軸713に対する周方向の位置が固定される。一方、スライド部715は、回転軸713に対する周方向の位置は固定されない。このことにより、回転軸713は、装飾片711とともに回転しつつ、スライド部715の内部で回転することが可能となる。
この装飾片711は反転動作を行う。より具体的には、装飾片711は、回転軸713周りに回転する回転運動(矢印A2参照)と、回転軸713に沿って移動する伸縮(矢印A4参照)を行うことにより、反転動作を行う。
ここで、装飾片711は、回転軸713が正方向および逆方向に回転する(矢印A1参照)ことにともない、正方向および逆方向に回転運動(矢印A2参照)を行う。また、ス伸縮腕717が移動する(矢印A3参照)ことにともない、装飾片711が、回転軸713に沿って伸縮運動(スライド移動、矢印A4参照)を行う。
なお、スライド部715は、回転軸713が回転しても(矢印A1参照)、回転軸713とともに回転する動作を行わない。ここで、スライド部715は、回転軸713を回転可能に支持する支持部として捉えることができる。
<磁石775>
図35−4は、磁石775の構成を説明するための図である。
ここで、上記では説明を省略したが、図35−4に示すように、反転動作部71は、磁石775を備える。以下、この磁石775について説明をする。
まず、図示の例においては、磁石775は、第1磁石775A乃至第6磁石775Fを備える。そして、第1磁石775A乃至第6磁石775Fの各々は、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dに設けられる。
さらに説明をすると、第1反転動作部71Aは、第3反転動作部71Cと対峙する領域に設けられた第1磁石775Aと、第2反転動作部71Bと対峙する領域に設けられた第2磁石775Bとを備える。第2反転動作部71Bは、第1反転動作部71Aと対峙する領域で第2磁石775Bと引き合うように設けられた第3磁石775Cを備える。第3反転動作部71Cは、第1反転動作部71Aと対峙する領域で第1磁石775Aと引き合うように設けられた第4磁石775Dと、第4反転動作部71Dと対峙する領域に設けられた第5磁石775Eとを備える。第4反転動作部71Dは、第3反転動作部71Cと対峙する領域で第5磁石775Eと引き合うように設けられた第6磁石775Fを備える。
また、第1磁石775A乃至第6磁石775Fの各々は、対峙するものどうしが反対の極となるように配置されている。したがって、これらの第1磁石775A乃至第6磁石775Fは、対峙するものどうしが磁力により引き合うことにより、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうち互いに隣り合うものどうしの近接状態を維持する。さらに説明をすると、磁石775は、磁力により、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが集合した際の位置を、安定して再現する。
なお、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの全ての位置が定まればよく、図示の例においては、反転動作部71は第2反転動作部71Bと第4反転動作部71Dとが対峙する領域には磁石775を備えない。しかしながら、第1反転動作部71Aと第2反転動作部71Bとの位置関係、第1反転動作部71Aと第3反転動作部71Cとの位置関係、第3反転動作部71Cと第4反転動作部71Dとの位置関係が、各々磁石775により定まることで、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの全ての位置が定まる。
ここで、図示の例とは異なり、第2反転動作部71Bと第4反転動作部71Dとが対峙する領域にも互いに引き合う磁石775を設ける構成であってもよい。また、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの少なくとも1つが、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの隣接する他の1つと、磁力により引き合う構成であればよく、例えば、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちのいずれか1つが磁石775を備える構成であってもよい。
また、図35−4に示す状態から第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが反転動作を行い、第2装飾板711Cが前後方向における前側に配置される状態においても、磁石775の各々が互いに引き合う位置に設けられるとよい。さらに説明をすると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々に設けられる磁石775は、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dにおいて、回転軸713の根元から回転軸713に沿って予め定めた距離であって、回転軸713から回転軸713の径方向に予め定めた距離離れた位置に各々設けられるとよい。
このことにより、反転動作を行う前後において、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dどうしの近接状態が維持される。
<反転駆動部73>
図35−5は、反転駆動部73を説明するための図である。
図35−5に示すように、反転駆動部73は、駆動力を供給する駆動機構731と、駆動機構731からの駆動を受けて回転軸713を回転させ装飾片711の回転動作を実行する回転機構733と、駆動機構731からの駆動を受けて伸縮腕717を移動させ装飾片711の伸縮動作を実行する伸縮機構735と、駆動機構731、回転機構733、伸縮機構735の前側を覆うカバー736とを備える。
駆動機構731は、第1モータ737と、第1駆動軸739と、駆動歯車体741とを備える。
第1モータ737は、駆動機構731の駆動モータにより構成され、正方向および逆方向に回転する。
第1駆動軸739は、第1モータ737により回転する軸状部材であり、左右方向に沿って延伸する。また、第1駆動軸739は、第1モータ737とは反対側の一端に第1傘歯車739Aを備える。なお、第1駆動軸739は、反転動作部71の回転軸713および伸縮腕717と同一面内に配置される。
駆動歯車体741は、第1駆動軸739の第1傘歯車739Aから駆動を受けて回転するギア群である。具体的には、駆動歯車体741は、第1駆動軸739の第1傘歯車739Aと噛み合う第2傘歯車741Aと、第2傘歯車741Aの回転軸である第2駆動軸741Bと、第2駆動軸741Bの前側の一端に設けられ、回転機構733に駆動力を伝達する第1駆動ギア741Cと、第2駆動軸741Bの後側の一端に設けられ、伸縮機構735に駆動力を伝達する第2駆動ギア741Dとを備える。
ここで、反転駆動部73の動作を説明する。
駆動機構731の第1モータ737の駆動を受け、第1駆動軸739が回転(矢印B1参照)することにともない、第1駆動ギア741Cおよび第2駆動ギア741Dが回転する(矢印B2、矢印B3参照)。このことにより、回転機構733および伸縮機構735に駆動力が伝達される。そして、駆動力を受けた回転機構733は反転動作部71に回転運動を実行させ、駆動力を受けた伸縮機構735は反転動作部71に伸縮運動を実行させる。
<伸縮機構735>
図35−6は、伸縮機構735を説明するための図である。
次に、図35−6を参照しながら、伸縮機構735について説明をする。
図35−6に示すように、伸縮機構735は、伸縮用回転円盤765と、伸縮用回転円盤765の後側の面における径方向外側の位置に設けられる第1固定ピン765Bとを備える。また、伸縮用回転円盤765の第1固定ピン765Bに伸縮腕717の一端717Aが回転可能に固定される。また、伸縮腕717の他端717Bは、スライド部715の第2固定ピン715Aに固定される。さらに、このスライド部715は、回転軸713に沿って移動可能に設けられている。
このように構成された伸縮用回転円盤765が回転する(矢印D1参照)と、第1固定ピン765Bに接続された伸縮腕717の一端717Aが、伸縮用回転円盤765の周方向に沿って移動する。このとき、伸縮腕717の他端717Bは、回転軸713に沿って移動する。その結果、伸縮用回転円盤765が回転する(矢印D1参照)ことにともない、スライド部715が回転軸713に沿って移動する(矢印A4参照)。
<反転動作部71の動作>
図35−7乃至図35−10は、反転動作部71の動作を説明するための図である。
次に、図35−7乃至図35−10を参照しながら、反転動作部71の動作を説明する。
まず、図35−7(a)に示すように、反転動作部71が反転動作を開始する前は、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは各々が集合した位置(集合位置)に配置される。
また、この集合位置においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dがそれぞれ備える第1装飾板711Aは前側を向き、第1装飾板711Aが遊技者から見える状態である。また、これらの4つの第1装飾板711Aは互いの辺どうしが突き当てられ、互いに接触して配置される。また、これらの4つの第1装飾板711Aは、1つの面である表示部71Eを形成し、この面には「BIG CHANGE」の文字列が形成される。なお、この文字列は、パチンコ遊技機100の機種を示す文字列、所謂タイトルロゴである。
さらに、この集合位置においては、4つの第1装飾板711Aが、反転駆動部73における回転機構733および伸縮機構735が収容される本体部73A(図35−7(b)参照)を遊技者からみて覆う状態となる。さらに説明をすると、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cが、前後方向において本体部73Aを挟む状態となる。
そして、図35−7(b)に示すように、反転動作部71が反転駆動部73からの駆動を受けて反転動作を開始すると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、互いに離間する。すなわち、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、集合位置を起点として、各々放射状に拡がる(矢印A41参照)。なお、放射状とは、中央の1点から外側に向けて放出した形のものをいう。また、図示の例においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、放射方向に一斉(同時)に拡がる。また、図35−7(b)に示す状態においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71D各々の回転軸713を中心とした回転は、開始されていないか、あるいは開始されていたとしても第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが放射状に拡がる動き(矢印A41参照)よりも、移動量が小さい。
そして、図35−8(c)に示すように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、拡がりながら各々回転軸713を中心として回転する。言い替えると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々は、放射方向に沿って拡がる向きに、すなわち移動方向に対してらせん動作(スパイラル動作)を行う(矢印A42参照)。さらに言い替えると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々は、回転軸713周りで捩じられながら移動する。このとき、第1反転動作部71Aおよび第4反転動作部71D、第2反転動作部71Bおよび第3反転動作部71Cは、それぞれ反対向きにらせん動作を行う。すなわち、第1反転動作部71Aおよび第4反転動作部71D、第2反転動作部71Bおよび第3反転動作部71Cは、互いに離間する向きに伸縮運動を行い、かつ互いに反対向きに回転運動を行う。
そして、図35−8(d)に示すように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々の装飾片711が、回転軸713の最も先端側に配置された状態となる。
次に、図35−9(e)に示すように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、互いに接近(集合)しながら各々回転軸713を中心として回転する。言い替えると、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々は、放射方向に沿って互いが集まる向きにらせん動作を行う(矢印A43参照)。なお、このとき、第1反転動作部71Aおよび第4反転動作部71D、第2反転動作部71Bおよび第3反転動作部71Cは、それぞれ反対向きにらせん動作を行う。すなわち、第1反転動作部71Aおよび第4反転動作部71D、第2反転動作部71Bおよび第3反転動作部71Cは、互いに接近する向きに伸縮運動を行い、かつ互いに反対向きに回転運動を行う。
そして、図35−9(f)に示すように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dがそれぞれ備える第2装飾板711Cが前側に配置され、第2装飾板711Cが遊技者から見える状態で、さらに接近する(矢印A44参照)。
そして、図35−10(g)に示すように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、再び集合位置に配置される。このとき、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが備える4つの第2装飾板711Cは、互いの辺どうしが突き当てられ、互いに接触して配置される。また、これらの4つの第2装飾板711Cは、1つの面である表示部71Eを形成し、第2の面として「GREAT」の文字列を形成する。このとき、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dは、図35−7(a)に示すときとは反対側の面(裏面)が遊技者にみえる状態となる。また、4つの第2装飾板711Cは、遊技者からみて、反転駆動部73における本体部73A(図35−7(b)参照)を覆う位置となる。
その後、反転動作部71は、反転駆動部73からの駆動を受けて、図35−7(a)に示す状態へと戻る。すなわち、反転動作部71は、反転駆動部73から上記とは反対向きの駆動力を受けながら、図35−10(g)、図35−9(f)、図35−9(e)、図35−8(d)、図35−8(c)、図35−7(b)の状態を順に経て、再び図35−7(a)に示す状態へと戻る。
ここで、図35−10(h)は、図35−10(g)に示す反転動作部71の裏面側、すなわち後側から反転動作部71をみた図である。図35−10(h)に示すように、反転動作を行い後側に向けて配置された第1装飾板711Aは、図35−7(a)に示すような「BIG CHANGE」の文字列を構成しておらず、各々がずれた向きに配置される。付言すると、図示は省略するが、上述の図35−7(a)に示す状態において後側に向けて配置された第2装飾板711Cも、図35−10(g)に示すような「GREAT」の文字列を構成しておらず、各々がずれた向きに配置される。
さて、上記のように反転動作部71が回転動作および伸縮動作をともに行い、らせん動作を実行することで、例えば伸縮動作をした後に回転動作を行う構成と比較して、素早い変形が可能となる。
また、上記のように反転動作部71が分離および集合する変形を行い遊技者の注意を引いた後に、第1面および第2面の間で形成面が切り替わることにより、例えば反転動作部71が集合した状態を維持したまま第1面および第2面の形成面が変わる構成と比較して、より大きなインパクトを遊技者に与えることができる。
<演出体70の変形例>
さて、上記の演出体70の変形例について説明をする。
まず、上記の説明においては、反転動作部71の第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが共通の駆動源(第1モータ737)により駆動を受けることを説明したが、これに限定されない。例えば、演出体70が、回転動作の駆動力を供給する回転モータ(不図示)と、伸縮動作の駆動力を供給する伸縮モータ(不図示)とを備える構成であってもよい。この構成により、回転動作と伸縮動作を実行するタイミングをずらすことが可能となる。
具体的に説明をすると、例えば、回転モータ(不図示)を駆動させつつ伸縮モータ(不図示)を停止させることで、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dに回転動作のみを実行させる状態とすることができる。あるいは、回転モータを停止させつつ伸縮モータを駆動させることで、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dに伸縮動作のみを実行させる状態とすることができる。
また、回転モータ(不図示)および伸縮モータ(不図示)を駆動させるタイミングを切り替えることにより、伸縮動作のみを行った後にらせん動作を行うことも可能となる。また、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが互いに離間した位置において、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが回転動作あるいは伸縮動作のいずれかを繰り返すことで、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dを揺動させることが可能となる。
さらに、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが拡がる動作および集まる動作を行う際に、いずれか一方でらせん動作を行い、他方で回転動作を行わず伸縮動作のみを行うことが可能となる。すなわち、拡がる過程と集まる過程とで、回転動作をともなうか否かを切り替えることができる。
また、例えば、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの各々が、回転モータ(不図示)および伸縮モータ(不図示)を備える構成であってもよい。このように、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが各々別個の駆動源を備えることで、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71D各々が反転動作を実行するタイミングをずらすことが可能となる。
さらに説明をすると、例えば、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dの順で反転動作を開始させることができる。あるいは、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの一部が反転動作を行い、それ以外は反転動作を行わない構成であってもよい。なお、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの一部のみが反転動作を行う構成により、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが形成する形成面を切り替えてもよい。
また、上記の説明においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが反転動作を行うことにより、第1の面「BIG CHANGE」から第2の面「GREAT」に変化することを説明した。しかしながら、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが一方向に回転した後に、再び同じ面を見せて停止してもよい。具体的には、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71D各々を、第1の面「BIG CHANGE」を形成した状態から、離間および再集合するまでの間に、回転軸713周りに360度回転させることにより、再集合した状態において再び同一の面である第1の面「BIG CHANGE」を形成してもよい。
また、上記の説明においては、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが反転動作を行う際に、一方向に回転しながら、第1の面「BIG CHANGE」から第2の面「GREAT」に変化し、その後に反対方向に回転しながら、第2の面「GREAT」から第1の面「BIG CHANGE」に戻ることを説明した。しかしながら、第2の面「GREAT」から第1の面「BIG CHANGE」に変化する際に、第1の面「BIG CHANGE」から第2の面「GREAT」に変化する反転動作と同じ向き、すなわち一方向に回転してもよい。
また、上記説明では、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが放射方向に移動することを説明したが、これに限定されない。第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのいずれかが、他から離間するように移動する構成であればよい。したがって、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが、それぞれ上下方向や左右方向に移動することで互いに離間する構成であってもよい。あるいは、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの1つは移動せずに、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの他の3つが移動するなど、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dのうちの一部のみが移動することにより、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが互いに放射方向で離間した状態とする構成であってもよい。
さらに、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dが4つ設けられることを説明したが、複数設けられる構成であれば、2つ、3つ、あるいは5つ以上であってももちろんよい。
また、上記では、第1の面「BIG CHANGE」と第2の面「GREAT」との間で文字列が変化することを説明したが、これに限定されない。第1の面と第2の面とで遊技者に与える印象が異なる構成であればよく、例えば第1の面と第2の面とで色が異なる構成や、材質が異なる構成、あるいは模様が異なる構成であってもよい。さらに説明をすると、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711CにLEDや液晶ディスプレイなどの表示手段を備え、この表示手段により互いに異なる色や模様を表示する構成であってもよい。なお、第1の面と第2の面とで遊技者に与える印象が一致する構成を排除するものではない。具体的には、第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cの面に形成される模様(文字列)が、互いに一致する構成であってもよい。
また、第1の面と第2の面を形成する第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cとは、各々平面状の部材である必要はなく、それぞれが例えば球面など凹凸を備える面であってももちろんよい。また、第1反転動作部71A乃至第4反転動作部71Dがそれぞれ第1装飾板711Aおよび第2装飾板711Cに替えて、球状の装飾部材(不図示)を備え、この球状の装飾部材を回転軸713周りで回転させかつ回転軸713に沿って移動させてもよい。
また、反転動作にともない回転軸713周りに回転させる角度は特に限定されずに、上述のように180度回転させることや、360度回転させること以外にも、例えば90度回転させる、720度回転させるなどの構成であってもよい。
<支持体80>
図35−11および図35−12は、支持体80を説明するための図である。さらに説明をすると、図35−11は左側から右側の向きで支持体80をみた図であり、図35−12は右側から左側の向きで支持体80をみた図である。
図35−11および図35−12に示すように、支持体80は、基部81と、基部81に沿って移動可能に設けられた移動支持部83とを備える。
<基部81>
基部81は、長手方向が上下方向に沿って設けられた長尺状の部材である。この基部81は、第2モータ811と、それぞれ移動支持部83を案内する第1案内溝813、第2案内溝815、および第3案内溝817と、移動支持部83に付勢力を加える付勢部818と、第2モータ811からの駆動を受けて回転する駆動歯車群819と、移動支持部83に対して固定されるとともに駆動歯車群819から駆動を受けて移動するラックギア821とを備える。
第2モータ811は、移動支持部83を駆動する駆動力を供給する。この第2モータ811は、第2モータ歯車811A(図35−12参照)を備える。
第1案内溝813および第3案内溝817は、図35−11に示すように、基部81の第1面81Aに形成されるとともに、上下方向に延びる略直線状の溝である。
第2案内溝815は、上下方向に延びる略直線状の直線部815Aと、直線部815Aの下側の端部と連続し、下側に進むに従い後側に進む向きに傾斜する傾斜部815Bとを備える。なお、直線部815Aと傾斜部815Bとは、屈曲部815Cを介して接続されている。この第2案内溝815は、前後方向において、第1案内溝813および第3案内溝817によって挟まれる位置に設けられる。さらに説明をすると、図示の例においては、前後方向の後側から前側に向かう向きにおいて、第1案内溝813、第2案内溝815、第3案内溝817の順に形成されている。
駆動歯車群819は、第1連結ギア819A乃至第8連結ギア819Hを備える。第1連結ギア819Aは第2モータ歯車811Aと噛み合う。また、第1連結ギア819A乃至第8連結ギア819Hは隣り合うものどうしが噛み合う。
ラックギア821は、長手方向が上下方向に沿って設けられた長尺状の部材である本体821Aと、本体821Aの後側の側面に設けられ第8連結ギア819Hと噛み合うラックギア部821Bと、本体821Aに複数設けられるボルト孔821Cとを備える。なお、このラックギア821は、ボルト孔821Cに挿入されるボルト(不図示)を介して、移動支持部83に固定される。
このように構成される基部81においては、第2モータ歯車811Aが正方向および逆方向に回転(矢印H1参照)することにより、駆動歯車群819が回転する。この駆動歯車群819の回転にともない、ラックギア821が上下方向に沿って移動する(矢印H2参照)。その結果、ラックギア821に固定された移動支持部83が上下方向に沿って移動する(矢印H2参照)。
<付勢部818>
図35−13は、付勢部818を説明するための図である。
次に、図35−13を参照しながら、付勢部818について説明をする。
図35−13に示すように、付勢部818は、上下方向に沿って設けられるスプリング818Aと、スプリング818Aにおける下側の一端に接続され第3案内溝817に沿って移動する移動片818Bと、移動片818Bから突出する部分であり移動支持部83に設けられた押圧片848の移動経路内に配置される突起818Cと、スプリング818Aにおける上側の一端を固定する固定ピン818Dとを備える。
ここで、図35−13(a)に示すように、上下方向に移動する移動支持部83が上側に配置されている状態においては、移動支持部83の押圧片848は、移動片818Bから離間しており、スプリング818Aに対して移動支持部83からの力が加わっていない状態である。このとき、移動片818Bの突起818Cは、第2案内溝815の屈曲部815Cよりも上側に配置される。
次に、図35−13(a)の状態から、移動支持部83が下側に移動する。そして、下側に移動する移動支持部83の押圧片848は、移動片818Bの突起818Cに接触する(図35−13(b)参照)。
さらに、図35−13(b)に示す状態から、移動支持部83が下側に移動する。このことにともない、移動片818Bが下側に移動し、スプリング818Aが伸びる(伸長状態となる)。このことにともない、スプリング818Aの弾性力により、移動支持部83の押圧片848を上側に移動させる付勢力(矢印K1参照)が加えられる。その結果、付勢部818は、第2案内溝815に沿って移動する移動支持部83が、屈曲部815Cを通過して後側に移動する際に、移動支持部83の上下方向における速度を減速させる。
なお、図35−13(c)、図35−13(b)および図35−13(a)の順で、移動支持部83が上側に移動する際には、付勢部818は、スプリング818Aの弾性力により、移動支持部83の上側への移動を補助する。
<移動支持部83>
図35−14は、移動支持部83を説明するための図である。
図35−15および図35−16は、移動支持部83の分解斜視図である。さらに説明をすると、図35−15は、移動支持部83を左側から右側にみた分解斜視図であり、図35−16は、移動支持部83を右側から左側にみた分解斜視図である。
図35−14に示すように、移動支持部83は、演出体70の反転駆動部73を支持し、所謂台座として機能する。また、移動支持部83は、基部81からの駆動力を受けて、反転駆動部73を上下方向および前後方向へ移動させる。
図35−15および図35−16に示すように、移動支持部83は、第1案内溝813に沿って移動する第1案内部831と、第2案内溝815に沿って移動する第2案内部833と、第1案内部831およびラックギア821に対して固定されるベース835と、第2案内部833に対して固定されるとともに反転駆動部73を支持するスライド部837と、第1案内部831、ベース835およびスライド部837によって支持されながら基部81と反転駆動部73とを電気的に接続する第3ケーブル841とを備える。
第1案内部831は、板状の部材であり、ボルト孔831Aと、上側に突出する突出する突出部831Bと、第3ケーブル841が内部を通る第1ケーブル開口831Cとを備える。この第1案内部831は、第1案内溝813内に配置され、長手方向が第1案内溝813に沿った状態で、第1案内溝813内を移動する。
第2案内部833は、板状の部材であり、基部81側の面から突出する第1案内ピン833Aと、反転駆動部73側の面から突出する固定脚833Bとを備える。この第2案内部833は、第1案内ピン833Aが第2案内溝815に配置された状態で、第2案内溝815に沿って移動する。
ベース835は、板状の部材であり、ボルト孔835Aと、長手方向が前後方向に沿う梁状の部分であるディスク支持部835Bと、長手方向が前後方向に沿う第1長孔835Cと、反転駆動部73側の面で第1長孔835Cよりも上側に形成され長手方向が前後方向に沿う第1凹部835Dと、第1凹部835Dよりも上側に形成され長手方向が前後方向に沿う第2長孔835Eおよび第3長孔835Fと、反転駆動部73側の面で上下方向において第2長孔835Eおよび第3長孔835Fの間に形成され長手方向が前後方向に沿う第2凹部835Gと、第2凹部835Gの後側の一端に設けられ第3ケーブル841が内部を通る第2ケーブル開口835Hと、基部81側の面から突出する固定脚835Jとを備える。
このベース835は、第1案内部831のボルト孔831Aに挿入されるボルト(不図示)が、ボルト孔835Aを貫通して固定されることにより、第1案内部831に対して固定される。また、ベース835の固定脚835Jは、第3案内溝817内に配置される。このことにより、第1案内部831が第1案内溝813内を移動し、かつ固定脚835Jが第3案内溝817内を移動することにより、ベース835が上下方向に沿って移動する。
また、ベース835の第2長孔835Eおよび第3長孔835F内には、第2案内部833の固定脚833Bが配置される。このことにより、ベース835に対する第2案内部833の移動は、上下方向では制限され、前後方向では許容される状態となる。
スライド部837は、板状の部材であり、反転駆動部73側の面に形成され反転駆動部73の端部を受ける第3凹部837Aと、第3ケーブル841が内部を通る第3ケーブル開口837Bと、回転軸が上下方向に沿うディスク837Cと、基部81側の面から突出する第2案内ピン837D〜第8案内ピン837Kと、基部81側の面に形成され長手方向が前後方向に沿う第4凹部837Lとを備える。
このスライド部837においては、第2案内ピン837Dおよび第3案内ピン837Eがベース835の第3長孔835F内に配置され、第4案内ピン837Fおよび第5案内ピン837Gがベース835の第2長孔835E内に配置される。また、第6案内ピン837Hが第1凹部835D内に配置され、第7案内ピン837Jおよび第8案内ピン837Kが第1長孔835C内に配置される。また、ディスク837Cは前後方向に延伸するディスク支持部835Bによって支持される。
このことにより、ベース835に対するスライド部837の移動は、上下方向では制限され、かつ前後方向では許容される状態となる。
さらに、スライド部837においては、第2案内ピン837D乃至第5案内ピン837Gが、第2長孔835Eおよび第3長孔835F内に配置された第2案内部833の固定脚833Bに対して固定される。例えば、図示の例においては、固定脚833Bの内部に第2案内ピン837D乃至第5案内ピン837Gが挿入されることにより固定される。このことにより、スライド部837は第2案内部833に対して固定され、第2案内部833とともに移動する。さらに説明をすると、スライド部837は、第2案内部833とともに、第2案内溝815に沿って移動する。
<移動支持部83の動作>
図35−17は、移動支持部83の動作を説明するための図である。
次に、図35−17を参照しながら、本実施の形態の移動支持部83の動作を説明する。なお、ここでは、移動支持部83が上側から下側に移動する場合を説明する。
まず、図35−17(a)に示すように、スライド部837は、ベース835に対して前後方向においてスライド移動可能である(矢印J2参照)。また、スライド部837に対して、第2案内部833が固定される。そして、この第2案内部833が備える第1案内ピン833Aは、第2案内溝815に配置された状態である。また、ベース835に対して固定される第1案内部831は、第1案内溝813に配置され、ベース835の固定脚835Jは、第3案内溝817内に配置される。
この状態において、移動支持部83は、駆動を受けると、第1案内部831、第1案内ピン833Aおよび固定脚835Jが、それぞれ第1案内溝813乃至第3案内溝817内を移動しながら、下側へと移動する(矢印L1参照)。
そして、さらに移動支持部83が下側に移動すると、図35−17(b)に示すように、第2案内部833の第1案内ピン833Aが、第2案内溝815に案内されることにより後側に移動する。このことにより、ベース835に対して、スライド部837が後側に移動する(矢印L2参照)。その結果、スライド部837に固定された反転駆動部73(演出体70)が後側に移動する(矢印L2参照)。
<タイトルロゴ部7の動作>
図35−18乃至図35−20は、タイトルロゴ部7の動作を説明する図である。さらに説明をすると、図35−18は非演出位置に配置されたタイトルロゴ部7を示し、図35−19は演出位置に配置されたタイトルロゴ部7を示し、図35−20は演出位置に配置されかつ反転動作を行うタイトルロゴ部7を示す。
次に、図35−18乃至図35−20を参照しながら、タイトルロゴ部7の動作を説明する。
図35−18(a)および(b)に示すように、非演出時には、タイトルロゴ部7の演出体70は、遊技盤110の外周部に配置された非演出位置に配置される。さらに説明をすると、タイトルロゴ部7の演出体70は、非演出時には、上下方向においては遊技盤110の上側に配置され、かつ前後方向においては透明板90と造形可動体4の右位置部4bとの間に配置され、左右方向においては造形可動体4の頭部と装飾部89(後述)との間に配置される。
ここで、図35−18(b)に示すように、非演出時の演出体70は、遊技者側からみて造形可動体4の右位置部4bにおける左肩と重なる位置に配置される。
また、非演出位置の演出体70は、遊技盤110に対して固定して設けられる装飾部89と左右方向に並ぶ。ここで、図示の例においては、装飾部89には、「R!!」の文字列が形成されている。そして、この装飾部89と、「BIG CHANGE」の文字列が形成された演出体70とが左右方向に並ぶことにより、文字列「BIG CHANGER!!」が形成される。なお、このとき、上下2段になって形成される「BIG CHANGE」の文字列のうち下側の段に位置する「CHANGE」の文字列と、装飾部89には、「R!!」の文字列とが左右方向に並ぶ。
また、演出体70においては、反転動作部71が、遊技盤110の側方(右側)において上下方向に配置された支持体80から、左右方向(左側)に沿って遊技盤110の中央側に延びる反転駆動部73によって支持される。また、非演出位置の演出体70の反転駆動部73は、反転動作部71および装飾部89に覆われた状態である。
次に、図35−19(a)および(b)に示すように、非演出位置から演出体70が下側に移動する(矢印L1参照)。このとき、演出体70は、上下方向において装飾部89から離間する。その結果、装飾部89とともに形成される文字列「BIG CHANGER!!」から、演出体70に形成された文字列「BIG CHANGE」へと、文字列が変化する。
また、演出体70は、上述のように下側に移動する(矢印L1参照)ことにともない、後側にも移動する(矢印L2参照)。さらに、演出体70は、上述のように下側に移動する(矢印L1参照)ことにともない、付勢部818が付勢力を加えることにより、演出体70が下側に移動する速度が低下する。
そして、下側に移動する(矢印L1参照)演出体70が、遊技盤110の中央側(画像表示部114の前側)の位置に配置された演出位置に配置される。さらに説明をすると、演出体70は、上下方向においては遊技盤110の中央部に配置され、かつ前後方向においては透明板90と画像表示部114との間に配置される。なお、この演出位置は、演出体70が、画像表示部114を覆う位置として捉えることができる。
次に、図35−20(a)および(b)に示すように、演出体70は、演出位置にて反転動作を行う(矢印A2参照)。このとき、前後方向において透明板90と画像表示部114に挟まれる演出体70は、透明板90あるいは画像表示部114と接触せずに反転動作を行う。
さて、この演出体70は、非演出時および演出時の間で、前後方向における位置を変更可能、言い替えると、透明板90からの距離(図35−19(a)の矢印N1参照)、あるいは画像表示部114からの距離(図35−19(a)の矢印N2参照)を変更可能である。このように、演出体70の前後方向における位置を変更することにより、例えば、透明板90および画像表示部114との間において、演出体70が反転動作を行うための空間が確保される。なお、演出体70の演出位置は、反転動作を実行中の演出体70が、透明板90および画像表示部114と接触せずに離間する位置に定められる。また、この演出体70は、透明板90の面に沿う方向(上下方向)に移動しながら、同時に、透明板90に対して進退する方向(前後方向)に移動を行う。このことにより、図示の例とは異なる構成、すなわち透明板90の面に沿う方向に移動が完了した後に、透明板90に対して進退する方向に移動する構成と比較して、スムーズな移動あるいは迅速な移動が可能となる。
また、タイトルロゴ部7の演出は、例えばパチンコ遊技機100の遊技状態を報知するために実行される。このことにより、遊技者は、タイトルロゴ部7の演出をみることにより、パチンコ遊技機100の遊技状態を把握あるいは推測することができる。具体的には、例えば、抽選の結果、遊技状態が、高確率状態となった際、あるいは時短状態となった際などに、タイトルロゴ部7が演出を実行する、すなわち演出体70が反転動作をする。このことにより、遊技者は遊技状態を知ることができる。さらに説明をすると、例えば、画像表示部114において遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄91が表示された後に、演出体70が非演出位置から演出位置へ移動し、反転動作を実行する。また、タイトルロゴ部7が反転動作を行い、遊技者に「GREAT」の文字を見せることにより、ユーザは高確率状態となったことを推測することができる。
なお、タイトルロゴ部7を動作させるタイミングは、抽選結果を報知するための装飾図柄91が表示された後に限定されない。例えば、装飾図柄91の変動開始から変動停止までの変動演出が行われる際であってもよい。また、特定の遊技状態に移行する前や、特定の遊技状態に移行した後の所定のタイミングでもよい。さらに、図1に示すように、第2大入賞口127に遊技球が入賞し、例えば高確率状態に移行する際や時短状態に移行する際に、タイトルロゴ部7を動作させるようにしても良い。
ここで、タイトルロゴ部7の演出は、必ずしも演出体70が反転動作を伴わなくともよい。例えば、演出体70が非演出位置から所定の距離だけ移動(下降)し、再び非演出位置へと戻る(上昇する)動作を繰り返す(揺動する)ことで、タイトルロゴ部7による演出を実行してもよい。また、演出体70が非演出位置から演出位置まで移動した後に、反転動作を行うことなく非演出位置へと戻ってもよい。あるいは、演出体70が非演出位置から演出位置まで移動した上で、回転動作を行わず伸縮動作のみを行う、すなわち反転動作部71が回転動作を行わずに分離および集合する動作のみを行った後に、再び非演出位置へと戻ってもよい。これらの演出を行うことにより、タイトルロゴ部7の反転動作に対する遊技者の期待感を煽ることが可能となる。
<演出位置/非演出位置の変形例>
さて、演出位置および非演出位置の間の移動は、演出体70が透明板90に対して進退する動作を実行するものであれば、上記の説明に限定されるものではない。
例えば、支持体80が、演出体70を上下方向に移動させる上下移動モータ(不図示)と、左右方向に移動させる左右移動モータ(不図示)とを備え、上下方向と左右方向とで異なる駆動源を備えてもよい。そして、この構成において、演出体70が、透明板90に沿って移動した後に前後方向に沿う移動を開始してもよい。また、遊技盤110の外周部の位置で、前後方向に沿って移動した後に、透明板90に沿う移動を開始してもよい。
また、上記の説明においては、演出体70が透明板90に沿って移動することの例として上下方向の移動を説明した。しかしながら、左右方向の移動、あるいは上下方向と交差する方向の移動など、他の方向に移動してももちろんよい。
さらに説明をすると、透明板90が上下方向に対して傾斜して設けられ、演出体70が傾斜した透明板90に沿って移動し、かつ透明板90に対して進退する構成であってもよい。また、上記の説明においては、透明板90を基準として遊技者とは反対側(透明板90よりもパチンコ遊技機100の内側)に演出体70を設けることを説明したが、透明板90を基準として遊技者とは同じ側(透明板90よりもパチンコ遊技機100の外側)に演出体70を設ける構成であってもよい。また、演出体70は、透明板90の内周面(あるいは外周面)に沿って移動し、かつ透明板90に対して進退する構成であってもよい。なお、透明板90は、内周面と外周面が略平行、言い替えると厚みが略均一である部材(板状部材)に限らず、内周面および外周面の一方または両方に凹凸や湾曲面を備える構成であってもよい。
また、上記では、演出体70が非演出位置から演出位置まで移動した後に、反転動作を行うことを説明したが、これに限定されない。演出体70が、遊技盤に対する位置を変化させず(移動せず)に、反転動作を行う構成であってももちろんよい。あるいは、演出体70が、非演出位置から他の位置に移動しながら反転動作を実行してもよい。あるいは、演出位置が複数あり、そのいずれでも反転動作を可能としてもよい。
図35−21は、タイトルロゴ部7の他の適用例を説明するための図である。さらに説明をすると、図35−21は、タイトルロゴ部7が設けられたスロットマシン900の概略側面図である。
さて、上記の説明においては、タイトルロゴ部7がパチンコ遊技機100に設けられることを詳細に説明したが、パチンコ遊技機100以外の遊技機に設けられてもよい。
例えば、図35−21に示すように、スロットマシン900にタイトルロゴ部7が設けられてもよい。
さらに説明をすると、図35−21に示すスロットマシン900は、回転しながら複数種類の図柄を例えば上から下へと循環させるように表示するリール901と、メダルが投入されるメダル投入口903と、リール901の回転を開始させるために操作される操作レバー905と、リール901の回転を停止させるために操作されるストップボタン907と、メダルが払い出されるメダル払出口909と、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行う液晶ディスプレイ911と、液晶ディスプレイ911の前面を覆う透明板913とを備える。
また、このスロットマシン900は、液晶ディスプレイ911と透明板913との間の前後方向における空間にタイトルロゴ部7を備える。そして、このタイトルロゴ部7は、上記のように、上下方向に移動するとともに、透明板913に対して進退する動作を行いながら、演出位置と非演出位置との間で移動する。また、タイトルロゴ部7は、演出位置にて、上記のような反転動作を実行する。
なお、ここでは、タイトルロゴ部7がスロットマシン900に設けられ得ることを説明したが、上述の造形可動体4(図1参照)および車型ロボット部5(同図参照)も、スロットマシン900に設けられ得る。
さて、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、集合して所定形状をなす複数の装飾部(例えば、反転動作部71)と、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々を互いに離間する位置で回転させる回転手段(例えば、反転駆動部73)と、を備えることを特徴とする遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
ここで、前記回転手段(例えば、反転駆動部73)は、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)を回転させる際、当該複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々が互いに離間する方向に当該複数の装飾部(例えば、反転動作部71)を移動させ、当該回転の後に当該複数の装飾部(例えば、反転動作部71)を集合させることを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、複数の装飾部(例えば、反転動作部71)と、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々を回転させる回転手段(例えば、回転機構733)と、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々が集合する位置と互いに離間する位置との間を移動する際に当該移動する方向に対してらせん状に移動させる移動手段(例えば、伸縮機構735)と、を備えることを特徴とする遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
ここで、前記移動手段(例えば、伸縮機構735)は、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々を前記集合する位置から放射状に移動させることを特徴とすることができる。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、互いに集合する位置にて所定の表示を行う表示部(例えば、表示部71E)を形成する面(例えば、第1装飾板711A)を各々が持つ複数の装飾部(例えば、反転動作部71)と、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々が前記集合する位置と互いに離間する位置との間で当該複数の装飾部(例えば、反転動作部71)を移動させる移動手段(例えば、反転駆動部73)と、を備え、前記複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々が前記移動手段(例えば、反転駆動部73)により前記集合する位置から前記離間する位置を経て当該集合する位置に戻ると、当該複数の装飾部(例えば、反転動作部71)の各々による前記表示部(例えば、表示部71E)による表示が当該移動手段(例えば、反転駆動部73)による移動の前とは異なるものとなることを特徴とする遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を高めることが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用した。
すなわち、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、移動体(例えば、反転動作部71)と、前記遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)の外面を構成する透明板(例えば、透明板90)に沿って前記移動体(例えば、反転動作部71)を移動させる第1移動手段(例えば、ベース835)と、前記透明板(例えば、透明板90)に対して進退する方向に前記移動体(例えば、反転動作部71)を移動させる第2移動手段(例えば、スライド部837)と、を備えることを特徴とする遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
以上、本書にて可動役物115における種々の構造や制御等について説明したが、説明した内容の全部または一部を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。また、種々の変形例についても言及したが、かかる変形例の内容を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。
なお、本実施の形態では、遊技制御部200の主制御処理において、主制御処理の各処理で生成されたコマンドを最後にまとめて演出制御部300へ出力する動作について説明した(図5−3参照)。
また、本実施の形態では、電源復帰時に、遊技制御部200により初期的に実行される基本処理において、設定の初期化を指示するコマンド等を演出制御部300へ出力するために、主制御処理で用いられる出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出して実行することについて説明した(図5−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドを「コード部」と「データ部」とで構成し、各々の先頭ビットに識別用のフラグを設けることについて説明した(図19−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドの「コード部」の一部を、データ値を記述するために用いる構成について説明した。
〔本実施の形態の技術的特徴〕
◆上記のように、本実施の形態では、遊技制御手段の動作を制御する制御命令の増加を削減するため、遊技制御部200により所定の時間間隔で繰り返し実行される主制御処理において、1サイクルの主制御処理の最後に、その1サイクルの実行で生成されたコマンドをまとめて、演出制御部300へ出力することとした。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、一連の前記主制御処理を1サイクル実行する度に、当該1サイクルの実行により生成された前記データを、当該1サイクルの実行における最後のデータの生成が行われた後に出力する出力手段(例えば、出力制御部240)と、前記出力手段(例えば、出力制御部240)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備える。
このようにすれば、生成されたデータごとに出力処理を行う必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。また、データが生成される度に出力処理を行う必要がないため、出力処理全体に要する時間を短縮することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)は、前記主制御処理において生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶させ、前記出力手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力する。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、上記の目的を達成する他の遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理とは異なる条件にしたがって当該主制御処理とは異なる特別処理を実行する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、前記データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記主制御処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、遊技の進行に基づく処理を行うと共に、当該処理を実行して得られた情報を含むデータを生成する1または複数の第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)を呼び出して実行する部分と、前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)の実行により生成されたデータを前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して実行する部分と、を含み、前記特別処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)の設定を行う設定処理を実行する部分と、前記設定処理において生成されたデータを、前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して、前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する部分と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、特別処理で生成されたデータの出力処理を行うために個別の制御命令を用意する必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、前記主制御処理で生成されたデータを、データごとに設定された記憶領域に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに備え、前記主制御処理における前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)は、処理の実行により生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に順次記憶させ、前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力し、前記特別処理における前記設定処理では、前記設定処理において生成されたデータを、前記記憶手段(例えば、RAM203)における所定の前記記憶領域に記憶させる。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデータを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、本実施の形態では、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させるため、第1データ部である「コード」の所定のビットと、第2データ部である「データ」の所定のビットを、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグとして用いた。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、先頭の1ビットの値を認識することにより、第1データ部と第2データ部とを明確に区別することができるため、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上させることができることができる。
また、より好ましくは、上記の遊技機において、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データの前記第2データ部(例えば、「データ」)は、先頭からaビットごとに、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このようにすれば、第2データ部のサイズが大きい場合でも、特定のサイズごとに切り分けて、各々が第2データ部であることを識別することが容易となる。
◆また、本実施の形態では、実行対象の変動パターンを特定するコマンドを送信する場合のように、大きなサイズのデータを送る必要がある場合にも、遊技制御手段から演出制御手段へ送られるデータ全体のサイズの増大を抑制するため、第1データ部である「コード」の所定のビットをデータ値を記述するために用い、「コード」の一部と第2データ部である「データ」とでデータ値を記述する手法を提案した。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成する所定のビットと、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータが記録され、当該第1データ部(例えば、「コード」)における当該所定のビットを除く残りのビットを用いて、当該所定の種類のデータとは異なる他の種類のデータが記録される構成とすることができる。
また、上記の目的を達成する他の本発明による遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、aビットのサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含み、前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)と、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するaビットとを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータが記録される構成とすることができる。
上記のような構成とすれば、第1データ部および第2データ部の合計サイズを変えることなく、第2データ部に記録されるべきデータのサイズを、より大きくすることが可能となるため、遊技制御手段から演出制御手段へ大きなサイズのデータを送る場合に、伝送されるデータ全体のサイズの増大を抑制することができる。
なお、パチンコ遊技機100(図1参照)は遊技機の一例である。遊技制御部200(図3参照)は遊技制御手段の一例である。演出制御部300(図3参照)は演出制御手段の一例である。出力制御部240(図4参照)は出力手段の一例である。RAM203(図3参照)は記憶手段の一例である。コマンド格納領域は記憶領域の一例である。