JP2016066715A - 反射型マスクの位相欠陥補正方法、ペリクル付きマスク - Google Patents

反射型マスクの位相欠陥補正方法、ペリクル付きマスク Download PDF

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Abstract

【課題】EUV露光用反射型マスクの位相欠陥補正方法として、反射型マスク内の加工を行なわず位相欠陥が修正できる新規な方法を提供する。【解決手段】EUV露光用反射型マスク1にペリクル2を取りつけて、ペリクル2を介して反射型マスク1にウエハ露光時と同じ角度で光を入射し、反射型マスク1の位相欠陥18の位置で反射した反射光Lreおよび位相欠陥18の位置へ向かった入射光Linの少なくともいずれかの光がペリクル2を透過する位置21,28を特定する。特定された透過位置でペリクル2の膜厚を増加または減少させるペリクル加工を行うことにより、位相欠陥18の位置からの反射光の空間投影像を修正する。【選択図】図1

Description

本発明は、極端紫外線(Extreme Ultra Violet;以下「EUV」と表記する)を光源とするEUVリソグラフィの露光工程で使用される反射型マスク(EUV露光用反射型マスク)の位相欠陥を補正する技術に関する。
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、波長が13.5nm近傍のEUVを光源に用いたEUVリソグラフィが提案されている。EUVリソグラフィは、光源であるEUV光の波長が短くて物質に吸収され易いため、真空中で行われる必要がある。また、EUVの波長領域では、ほとんどの物質の屈折率が1よりもわずかに小さい値である。そのため、EUVリソグラフィでは、従来のリソグラフィのように透過型の屈折光学系を使用することができず、反射光学系を使用する必要がある。従って、原版となるフォトマスク(以下、単に「マスク」とも呼ぶ)も、反射型のマスクとする必要がある。
EUV露光用反射型マスクのマスクブランクは、低熱膨張材料からなる基板と、基板上に形成された反射層と、反射層上に形成された吸収層と、基板の裏面に形成された導電層を有する。反射層としては、例えば、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に積層した多層膜が形成されている。この反射層は、多層膜を構成する各物質を透過するEUV光が繰り返し反射する干渉効果により、EUV光の反射率が高いものとなっている。
吸収層は、EUV光に対して吸収率の高い材料、例えば、タンタル(Ta)の窒素化合物(TaN)で形成されている。導電層は、マスクを露光機に静電チャックで固定するために形成されている。反射層と吸収層の間に緩衝層や保護層が形成されているマスクブランクもある。
このマスクブランクに対して電子線リソグラフィとエッチングを行ない、吸収層を(緩衝層を有する場合は緩衝層も)部分的に除去することにより、吸収層(と緩衝層)からなる回路パターンが形成されて、EUV露光用マスクが得られる。このマスクを使用して、反射光学系でウエハに対するEUVリソグラフィが行なわれる。すなわち、反射型マスクで反射された光の像が、反射光学系を経て半導体基板(ウエハ)上に転写される。
このようなEUVリソグラフィでは、露光光の波長が短いため、マスク基板上に成膜時のパーティクルなどに起因して生じる微小な凹状または凸状の欠陥が、ウエハ上に転写されるパターンの品質に大きな影響を及ぼす。この微小な欠陥は、EUV反射光に位相変化を生じさせることから「位相欠陥」と呼ばれている。微細なLSIパターンでは位相欠陥による影響が大きく、位相欠陥による高さの差がたとえ数nmであっても寸法精度が低下し、解像不良が生じる恐れがある。
この問題を解決するために、EUV露光用反射型マスクの位相欠陥を修正する方法が提案されている。
特許文献1には、位相欠陥の形状に関係なく加工後の平坦性を確保できる反射型マスクの修正技術が記載されている。この修正技術では、多層膜(反射層)の欠陥部(微小凹凸がある部分)を一定の平面形状で除去し、除去した部分に、平坦な多層膜を同一形状に切り取ったもの(正常部)を配置する(欠陥部を正常部に置き換える)。
特許文献2には、振幅誤差と位相誤差の焦点特性が異なることを利用したEUVマスクの欠陥分析方法と、この方法で得られた3次元誤差構造に基づいて、多層構造を少なくとも部分的に除去することで欠陥を修正する方法が記載されている。
特許文献3には、マスク欠陥近傍の吸収パターンを変成又は変更することにより、欠陥に起因する光学領域の局部乱れ(振幅又は位相)を補正する方法が記載されている。また、この方法の具体例として、パターン付けされている吸収層の材料を部分的に取り除いて反射層表面を露出することが記載されている。
一方、半導体デバイスやLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)の製造工程では、フォトマスク上の異物や汚れに起因する露光トラブルを防ぐ目的で、フォトマスクにペリクルを取り付けて露光することが行なわれている。従来のペリクルは有機材料からなる膜であり、EUVを透過せず、EUVに対する化学的安定性が低いため、EUVリソグラフィ用のペリクルとして使用できない。よって、EUV露光用の反射型マスクに対しては、現状では、異物や汚れが付着しない状態で搬送するなどの対策が採られているだけである。
EUVリソグラフィで使用可能なペリクルに関しては、例えば、特許文献4に、13.5nmの波長の光に対する吸収係数が0.005/nm以下であるシリコン結晶膜が記載されている。このシリコン結晶膜からなるペリクルには、シリコン結晶からなるペリクルフレームが接着されている。特許文献4には、また、SOI(Silicon On Insulator)基板のシリコン結晶膜にシリコン結晶からなるペリクルフレームを接着した後、支持基板であるシリコン基板を裏面側から研磨とエッチングにより除去することで、ペリクルフレームに保持されたシリコン結晶膜を得ることが記載されている。
特開2010−034129号公報 特表2013−531375号公報 特表2002−532738号公報 特開2009−116284号公報 特開2013−110173号公報
特許文献1〜3に記載された方法では、反射型マスクの反射層や吸収層を部分的に除去する作業を精度良く行なうことが困難である。
そのため、反射型マスク内の加工で位相欠陥を修正する方法ではなく、ウエハ露光時の空間投影像の光強度分布を調整する方法で、回路パターンの寸法精度や解像度を高くすることも検討されている。この方法としては、マスクブランクの段階で位相欠陥の位置を特定し、位相欠陥が吸収層のパターンの直下になるようにパターンを形成する方法(特許文献5参照)や、反射型マスクの段階で位相欠陥の近傍にある吸収層パターンの輪郭を光学的に補正する方法などが挙げられる。
しかし、位相欠陥の数が多い場合、全ての位相欠陥をパターン形成の工夫で修正することが難しいため、微小な位相欠陥はマスク自体の加工で修正することになったり、微小な位相欠陥がマスクブランクの段階で把握できずに、回路パターン形成後に検出されたりする可能性もある。また、吸収層パターンの輪郭を補正する方法では、吸収パターンが邪魔になって位相欠陥が特定しにくく、補正に多数の工程が必要となるため、補正効率が悪いという問題がある。
本発明の目的は、EUV露光用反射型マスクの位相欠陥補正方法として、反射型マスク内の加工を行なわず位相欠陥が補正できる新規な方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、EUV露光用反射型マスクにペリクルを取りつけて、前記ペリクルを介して前記反射型マスクにウエハ露光時と同じ角度で光を入射し、前記反射型マスクの位相欠陥位置で反射した反射光および前記位相欠陥位置へ向かった前記入射光の少なくともいずれかの光が前記ペリクルを透過する位置を特定し、前記特定された透過位置で前記ペリクルの膜厚を増加または減少させるペリクル加工を行うことにより、前記位相欠陥位置からの反射光の空間投影像を修正する反射型マスクの位相欠陥補正方法を提供する。
本発明の別の態様は、前記態様の方法が実施されて得られるものであって、EUV露光用反射型マスクと、前記反射型マスクの表面にフレームを介して取り付けられたペリクルと、を有し、前記ペリクルは、前記ペリクルを介して前記反射型マスクにウエハ露光時と同じ角度で光を入射し、前記反射型マスクの位相欠陥位置で反射した反射光および前記位相欠陥位置へ向かった前記入射光の少なくともいずれかの光が前記ペリクルを透過する位置が特定され、前記特定された透過位置で前記ペリクルの膜厚を増加または減少させるペリクル加工がなされているペリクル付きマスクを提供する。
本発明のEUV露光用反射型マスクの位相欠陥補正方法によれば、反射型マスク内の加工を行なわず位相欠陥を補正することができる。
第一実施形態の方法(凹状の位相欠陥の場合)を説明する図であって、ペリクル付きマスクの概略断面図である。 第一実施形態の方法(凸状の位相欠陥の場合)を説明する図であって、ペリクル付きマスクの概略断面図である。 第二実施形態の方法を説明する模式図である。 第二実施形態の方法で多段階の修正を行なう例を説明する模式図である。
以下、本発明の実施形態である反射型マスクの位相欠陥補正方法について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[第一実施形態]
図1および2に示すように、実施形態の方法で使用するEUV露光用反射型マスク1は、基板11上に、多層膜からなる反射層12、保護層13、吸収層14がこの順に形成され、基板11の裏面に導電膜15が形成されたものであり、吸収層14に回路パターン14aが形成されている。
図1に示すように、反射型マスク1に、ペリクル2を介して、ウエハ露光時と同じ角度で光Linを入射すると、反射型マスク1の凹状位相欠陥(凹状の位相欠陥)18が存在する位置で反射した反射光Lr1は、凹状位相欠陥18の影響で反射層12が下向きに湾曲しているため、設計値よりも光量が増加してペリクル2に向かうと考えられる。
この実施形態の方法では、反射型マスク1に、ペリクル2を介して、ウエハ露光時と同じ角度で光Linを入射し、反射型マスク1の凹状位相欠陥18が存在する位置で反射した反射光Lr1が、ペリクル2を透過する位置21を特定し、この透過位置21でペリクル2の膜厚を増加させる(膜厚増加部25を形成する)。
この方法によれば、反射光Lr1の透過位置21でペリクル2の膜厚を増加させる(膜厚増加部25を形成する)ことにより、反射光Lr1の光量がペリクル2を透過する際に減少するため、ペリクル2の外に放出される光量が設計値に近くなる。このようにして、凹状位相欠陥18からの反射光Lreの空間投影像が修正される。
図2に示すように、反射型マスク1の凸状位相欠陥19が存在する位置で反射した反射光Lr1は、凸状位相欠陥(凸状の位相欠陥)19の影響で反射層12が上向きに湾曲しているため、設計値よりも光量が減少してペリクル2に向かうと考えられる。
この実施形態の方法では、反射型マスク1に、ペリクル2を介して、ウエハ露光時と同じ角度で光Linを入射し、反射型マスク1の凸状位相欠陥19が存在する位置で反射した反射光Lr1が、ペリクル2を透過する位置21を特定し、この透過位置21でペリクル2の膜厚を減少させる(膜厚減少部26を形成する)。
この方法によれば、反射光Lr1の透過位置21でペリクル2の膜厚を減少させる(膜厚減少部26を形成する)ことにより、反射光Lr1の光量がペリクル2を透過する際に増加するため、ペリクル2の外に放出される光量が設計値に近くなる。このようにして、凸状位相欠陥19からの反射光Lreの空間投影像が修正される。
反射型マスク1に凹状位相欠陥18と凸状位相欠陥19の両方が存在する場合は、上述の両方の修正を行なう。
<手順の例示>
この実施形態の方法の手順を以下に述べる。
この実施形態の方法では、先ず、ペリクル2を取り付ける前に、光源の波長が193nmである外観検査装置(Teron600シリーズ:KLA−Tencor)を用いて、反射型マスク1の位相欠陥18,19の位置を特定する。この装置では、検査光の波長が193nmであるため、反射型マスク1に入射された光は反射層12の内部までは届かない。よって、反射層12の表面まで多層膜構造の崩壊が生じている位相欠陥のみが検出される。外観検査で検出した位相欠陥の座標は、反射型マスク1の外周部に配置したマーカパターンから正確に導出する。
次に、反射型マスク1の吸収層14に、ペリクル2にフレーム22が付いたペリクル部品20を取り付ける。ペリクル部品20は、SOI基板のシリコン結晶膜にシリコン結晶製のフレーム22を接着した後、シリコン基板を裏面側から研磨とエッチングで除去する方法(前述の特許文献4に記載された方法)で得られたものが使用できる。つまり、ペリクル2はSOI基板のシリコン結晶膜であり、EUV光(波長13.5nmの光)に対する吸収係数が0.005/nm以下である。
フレーム22には取り付け用の溝が形成され、この溝にシリコーン粘着剤が注入されている。この粘着剤によりフレーム22が吸収層14の上に固定されることで、ペリクル2が吸収層14の上方の所定間隔を開けた位置に配置される。また、ペリクル2の裏面に、ハニカム構造などからなる支持枠23が形成されている。
次に、ペリクル2が取り付けられた反射型マスク1を、再度、同じ外観検査装置に設置して、反射型マスク1の位相欠陥18,19からの反射光Lr1がペリクル2を透過する位置(透過位置)21を特定する。
次に、反射型マスク1からペリクル部品20を外して、図1(凹状位相欠陥18)の場合は、特定されたペリクル透過位置21に、テトラエトキシシラン(Si(OC25)4 )をデポジションする。具体的には、ペリクル透過位置21のみに、デポジションガスを噴きつけながら、集束イオンビームまたは電子ビームを照射して、ペリクル透過位置21の膜厚を増加させる。
図2(凸状位相欠陥19)の場合は、特定されたペリクル透過位置21のみを、フッ化キセノン(XeF2 )などを用いてエッチングすることで、ペリクル透過位置21の膜厚を減少させる。
このようにしてペリクル2に膜厚増加部25または膜厚減少部26を形成した後、ペリクル部品20のフレーム22を反射型マスク1の吸収層14上に固定することで、ペリクル付きマスク4が得られる。つまり、ペリクル付きマスク4は、反射型マスク1と、反射型マスク1の表面にフレーム22を介して取り付けられたペリクル2を有する。
[第二実施形態]
反射型マスク1を用いたウエハ露光時には、ペリクル2の膜厚を増加または減少させた部分(透過位置21)からも露光光が入射するため、この部分を介して反射型マスク1に入射された光についても、反射型マスク1で反射した光がペリクル2を透過する透過位置の特定を行い、この透過位置でもペリクル2の膜厚を増加または減少させるペリクル加工を行なうことが好ましい。これにより、位相欠陥位置からの反射光に対する修正に伴って生じる、反射型マスク1からの反射光の空間投影像の光強度分布を小さくすることができる。
図1の例の場合、透過位置21でペリクル2の膜厚が増加している。この例について図3を用いて説明する。ここでは、反射型マスク1の通常部(位相欠陥が存在しない部分)での反射率を60%、凹状位相欠陥18での反射率を70%、ペリクル2の透過率を90%、膜厚増加部25での透過率を90%と仮定する。
図3(a)に示すように、凹状位相欠陥18からの反射光Lreは、光路がペリクル2→マスク1→ペリクル2→膜厚増加部25であるため、反射光Lreの光量は入射光Linの51%(=0.9×0.7×0.9×0.9)である。また、膜厚増加部25が形成された透過位置21からの入射光L11が、反射型マスク1の通常部で反射して、ペリクル2を透過した光(反射光)L12の光量は、入射光L11の44%(=0.9×0.9×0.6×0.9)となる。これらの反射光Lre,L12の光量の差(7%)は、反射光Lreの光量の13.7%、反射光L12の光量の15.9%となり、ウエハ露光における光量差の許容範囲である10%を超える。
これに対して、図3(b)に示すように、反射光L12がペリクル2を透過する位置21aの膜厚を減少し、この膜厚減少部26により透過位置21aでの透過率を例えば98%とすれば、反射光L12の光量が入射光L11の48%(=0.9×0.9×0.6×0.98)となる。これらの反射光Lre,L12の光量の差(3%)は、反射光Lreの光量の5.88%、反射光L12の光量の6.25%となり、ウエハ露光における光量差の許容範囲である10%以下を満たす。
このように、ペリクル2の膜厚変更部(透過位置21)から反射型マスク1に入射された光L11の反射光L12に対しても、ペリクル透過位置21aを特定してペリクル加工を行なうことにより、反射光L12の光量を、ペリクル2の通常膜厚部から入射されて膜厚変更部21から透過した反射光Lreの光量に近づけることができる。
また、図3(b)において、透過位置21aが反射型マスク1の外縁部でない場合、露光光は透過位置21aからも反射型マスク1に入射される。つまり、露光時に、反射型マスク1の面内における反射光の光量を均一にするためには、反射型マスク1の外縁部を除いた各所で、ペリクル2の膜厚変更による反射光の光量修正を行なうことが好ましい。
図4に示す例では、図3(b)に示す入射光Lin,L11についてだけでなく、反射光L12がペリクル2を透過する位置21aからの入射光L21についても、反射型マスク1の通常部で反射した光(反射光)L22がペリクル2を透過する位置21bを特定し、この透過位置21bに膜厚増加部25aを設けている。また、反射光L22がペリクル2を透過する位置21bからの入射光L31についても、反射型マスク1の通常部で反射した光(反射光)L32がペリクル2を透過する位置21cを特定し、この透過位置21cに膜厚減少部26aを設けている。そして、反射光L32がペリクル2を透過する位置21cからの入射光L41は、反射型マスク1の通常部で反射して(反射光L42)、ペリクル2の位置21dを透過する。
このように、位相欠陥位置からの反射光に対する修正(位相欠陥修正)に伴って生じる反射型マスクからの反射光の空間投影像の光強度分布を小さくするための修正(付随修正)は、1回だけでなく複数回(例えば2回以上10回以下)行なうことが好ましい。また、図4の例では、すべての反射光Lre,L12〜L42を対象とした光量の差が、ウエハ露光における光量差の許容範囲である10%以下を満たすように、膜厚増加部25,25aの厚さおよび膜厚減少部26,26aの厚さを設定することが好ましい。
[ペリクル透過率について]
ペリクルのEUV光透過率は高い方が好ましいため、ペリクルの厚さは薄い方が好ましいが、膜強度を考慮すると、上述の方法で得られるペリクルの場合、厚さ100nmのものを使用することが想定される。そのEUV光透過率は80%である。
また、現段階で想定されるペリクルのEUV光透過率は80〜90%であるため、ペリクル加工が膜厚増加の場合は、ペリクルの透過率を、下限値が0で上限値が80〜90%である広い範囲で変化させることができる。しかし、膜厚減少の場合は、ペリクルの透過率の上限値が100であるため、透過率を変化できる範囲が10〜20%と小さい。
つまり、ペリクルの膜厚増加または減少により、位相欠陥位置からの反射光の空間投影像を修正できる範囲(変化させることができる反射光の光量)はペリクルの透過率に依存する。
そして、位相欠陥位置からの反射光に対する修正(位相欠陥修正)に伴って生じる反射型マスクからの反射光の空間投影像の光強度分布を小さくするための修正(付随修正)を行なう場合、ペリクルの膜厚変更部を透過する反射光と入射光の両方を考慮する必要があるため、この発明の方法で実施できる反射光量の変化率A(%)は、ペリクルの透過率をT(%)として下記の(1) 式で算出できる。
A<{1−(T/100)2 }×100…(1)
[その他]
上述の実施形態の方法では、反射型マスクの位相欠陥位置で反射した反射光がペリクルを透過する位置を特定し、この特定された反射光透過位置でペリクルの膜厚を増加または減少させるペリクル加工を行なっている。しかし、本発明の方法では、位相欠陥位置へ向かった入射光がペリクルを透過する位置を特定し、この特定された入射光透過位置でペリクルの膜厚を増加または減少させるペリクル加工を行なってもよい。また、特定された反射光透過位置および入射光透過位置の両方で、ペリクルの膜厚を増加または減少させるペリクル加工を行なってもよい。
つまり、図1の例では、反射光Lreのペリクル透過位置21の膜厚を増加させる代わりに、凹状位相欠陥18が存在する位置へ向かった入射光Linがペリクル2を透過する位置28を特定し、この透過位置28の膜厚を増加させてもよい。また、反射光Lreのペリクル透過位置21の膜厚と入射光Linのペリクル透過位置28の膜厚の両方を増加させてもよい。同様に、図2〜図4に示す例でも、位相欠陥18,19が存在する位置へ向かった入射光Linのペリクル透過位置28で、膜厚の増加または減少を行なってもよい。
また、この場合も、位相欠陥位置からの反射光に対する修正(位相欠陥修正)に伴って生じる空間投影像の光強度分布を小さくするための修正(付随修正)を行なうことが好ましい。
なお、本発明の位相欠陥補正方法(ペリクル加工による空間投影像の修正)は、反射型マスクの外観検査で位相欠陥の位置や形状を把握して、欠陥部を部分的に除去するなどの反射型マスク自体に対する加工で位相欠陥の修正を行なった後に、その反射型マスクにペリクルを取り付けて行なうこともできる。つまり、反射型マスク自体の加工で位相欠陥を完全に修正することは難しいため、本発明の方法を併用することで位相欠陥の補正度合いを高くすることができる。
また、上述の実施形態では、反射型マスク1の位相欠陥18,19を調べる検査と、位相欠陥18,19からの反射光がペリクル2を透過する位置21の特定を、光源の波長が193nmである外観検査装置を用いて行なっている。そのため、反射層12の内部の状態を完全に把握することはできず、ペリクル2の透過位置21の特定についても改善の余地がある。つまり、位相欠陥18,19の位置およびペリクル透過位置21の特定は、反射型マスク1の露光光である波長13.5nmのEUV光を、ウエハ露光時と同じ角度で入射して行なうことが好ましい。
この好ましい方法では、検査光としてEUV光を用いるEUV光検査装置、またはEUV光で露光する際に空間投影像を調査するEUV光AIMS(Aerial Image Measurement System )を用いて、ペリクル2を取り付けた反射型マスク1の位相欠陥部分からの反射光の空間投影像を把握し、ペリクル2の膜厚を増加させるか減少させるかを把握する。また、ペリクル加工を行なった後に、ペリクル2を取り付けた反射型マスク1をEUV光AIMSに取り付けて、反射光の空間投影像を把握することにより、ペリクル加工による修正状態を確認することが好ましい。
ペリクル透過位置21の膜厚を増加または減少させる方法としては、(1) エッチングアシストガスまたはデポジションガスを吹き付けながら、集束イオンビームまたは電子ビームを照射して、エッチングまたはデポジションを行う方法、(2) AFM(Atomic Force Microscope)を用いた物理的な加工法、(3) FIB(Focused Ion Beam)法、(4) 蒸着法、(5) レーザを用いた方法などが採用できる。
1 EUV露光用反射型マスク
11 基板
12 反射層
13 保護層
14 吸収層
14a 回路パターン
15 導電膜
18 凹状位相欠陥
19 凸状位相欠陥
2 ペリクル
20 ペリクル部品
21 位相欠陥位置で反射した反射光のペリクル透過位置
21a〜21d 反射光L12〜L42のペリクル透過位置
22 フレーム
23 支持枠
25 ペリクルの膜厚増加部
25a ペリクルの膜厚増加部
26 ペリクルの膜厚減少部
26a ペリクルの膜厚減少部
28 位相欠陥位置へ向かった入射光の透過位置
4 ペリクル付きマスク
Lin 位相欠陥位置へ向かった入射光
Lr1 位相欠陥位置で反射した反射光
Lre 位相欠陥位置で反射してペリクルを透過した反射光
L11〜L41 膜厚変更部からの入射光
L12〜L42 入射光L11〜L41の反射光

Claims (5)

  1. EUV露光用反射型マスクにペリクルを取りつけて、前記ペリクルを介して前記反射型マスクにウエハ露光時と同じ角度で光を入射し、前記反射型マスクの位相欠陥位置で反射した反射光および前記位相欠陥位置へ向かった前記入射光の少なくともいずれかの光が前記ペリクルを透過する位置を特定し、前記特定された透過位置で前記ペリクルの膜厚を増加または減少させるペリクル加工を行うことにより、前記位相欠陥位置からの反射光の空間投影像を修正する反射型マスクの位相欠陥補正方法。
  2. 前記位相欠陥が凹状である場合は、前記特定された透過位置で前記ペリクルの膜厚を増加させるペリクル加工を行い、前記位相欠陥が凸状である場合は、前記特定された透過位置で前記ペリクルの膜厚を減少させるペリクル加工を行う請求項1記載の反射型マスクの位相欠陥補正方法。
  3. 前記ペリクルの膜厚が増加または減少した部分から前記反射型マスクに入射された光についても、前記反射型マスクで反射した光が前記ペリクルを透過する透過位置の特定を行い、この特定された位置でも前記ペリクルの膜厚を増加または減少させるペリクル加工を行うことにより、前記位相欠陥位置からの反射光に対する修正に伴って生じる前記反射型マスクからの反射光の空間投影像の光強度分布を小さくする請求項1または2記載の反射型マスクの位相欠陥補正方法。
  4. EUV露光用反射型マスクの面内における位相欠陥の位置を特定して前記反射型マスク内で前記位相欠陥を修正した後に、前記反射型マスクにペリクルを取り付けて請求項1〜3のいずれか一項に記載された方法を実施する反射型マスクの位相欠陥補正方法。
  5. EUV露光用反射型マスクと、前記反射型マスクの表面にフレームを介して取り付けられたペリクルと、を有し、
    前記ペリクルは、
    前記ペリクルを介して前記反射型マスクにウエハ露光時と同じ角度で光を入射し、前記反射型マスクの位相欠陥位置で反射した反射光および前記位相欠陥位置へ向かった前記入射光の少なくともいずれかの光が前記ペリクルを透過する位置が特定され、前記特定された透過位置で前記ペリクルの膜厚を増加または減少させるペリクル加工がなされているペリクル付きマスク。
JP2014194945A 2014-09-25 2014-09-25 反射型マスクの位相欠陥補正方法、ペリクル付きマスク Pending JP2016066715A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018205458A (ja) * 2017-06-01 2018-12-27 凸版印刷株式会社 Euvブランク及びeuvマスクの欠陥検査装置、欠陥検査方法、euvマスクの製造方法

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