実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の中央には、下方向(演出表示装置9の画面上、つまり遊技者から見て演出表示装置9の画面の手前)に移動可能に構成された星形の役物200が設けられている。この役物200は、例えば役物落下演出(図示せず)が実行されているときに下方向に移動に移動することによって、役物落下演出が実効されていることを報知する役割を果たす。なお、役物200内部にはLED等が内蔵されており、役物200が移動(動作)しているときに点灯するように構成されている。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。
この実施の形態では、特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態である時短状態(時間短縮状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。なお、この実施の形態では、所定の移行条件が成立した場合には、確変状態(つまり、通常状態および時短状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い遊技状態)かつ時短状態(つまり、通常状態および確変状態に比べて特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)である確変時短状態にも移行される。確変時短状態においても、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなるように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。
上記のように、確変時短状態や時短状態において、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加されるが、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行制御することによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度がより一層高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数がより一層高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
なお、確変時短状態や時短状態において、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、確変時短状態や時短状態において、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。
演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、大当り(15ラウンド通常大当り、15ラウンド確変大当り、2ラウンド突然確変大当り)や小当り(小当りA〜C)が終了した後の遊技状態や、大当りや小当りが終了した後に実行される演出について説明する。
図4は、大当り種別および小当り種別と、時短の有無と、潜伏演出の内容および長変動タイミングとの関係を示す説明図である。また、図5は、潜伏モード中の大当り種別および小当り種別に応じた継続演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
図4に示すように、この実施の形態では、大当り種別として、「15ラウンドの通常大当り」と、「15ラウンドの確変大当り」と、「2ラウンドの突然確変大当り(以下、単に「突確」という場合がある。)」とが設けられている。
「15ラウンドの通常大当り」とは、大当り遊技状態において大入賞口を15回、所定期間(例えば29秒)開放し、大当り遊技が終了した後に遊技状態を低確率状態(大当り判定において大当りと決定する確率が低い遊技状態)に移行させるような大当りのことをいう。また、「15ラウンドの確変大当り」とは、大当り遊技状態において大入賞口を15回(つまり15ラウンド)、所定期間(例えば29秒)開放し、大当り遊技が終了した後に遊技状態を高確率状態(大当り判定において大当りと決定する確率が高い遊技状態。確変状態ともいう。)に移行させるような大当りのことをいう。また、「2ラウンド突然確変大当り」とは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技が終了した後の遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。
また、図4および図5に示すように、この実施の形態では、小当り種別として、「小当りA」と、「小当りB」と、「小当りC」とが設けられている。
「小当り」とは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、例えば確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。例えば、小当りが発生したときの遊技状態が通常状態であれば小当り遊技が終了した後の遊技状態は通常状態であり、小当りが発生したときの遊技状態が確変時短状態であれば小当り遊技が終了した後の遊技状態は次回の大当りまで確変時短状態であり、小当りが発生したときの遊技状態が確変状態であれば小当り遊技が終了した後の遊技状態は次回の大当りまで確変状態であり、小当りが発生したときの遊技状態が時短状態であれば小当り遊技の終了後から残り時短回数の変動が行われるまで遊技状態は時短状態である。
図4の「時短」の欄に示すように、15ラウンド確変大当り(図4中「15R確変」と示す)では、大当り遊技の終了後、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで、確変状態でありかつ時短状態である確変時短状態(高確高ベース状態)に制御される。また、15ラウンド通常大当り(図4中「15R通常」と示す)では、大当り遊技の終了後からの図柄の変動回数が100回に達するまで時短状態(低確高ベース状態)に制御される。なお、大当り遊技の終了後からの時短状態が継続可能な変動回数(100回)を時短回数という。また、突然確変大当り(図4中「突確」と示す)では、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変時短状態)であるときは、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで確変時短状態(高確高ベース状態)に制御され、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が低ベース状態(通常状態または確変状態)であるときは、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで確変状態(高確率状態であるが時短状態ではない遊技状態)に制御される。
この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。このように、遊技者は、突然確変大当りの発生によって高確率状態(確変状態や確変時短状態)に制御されたか、小当りの発生によって低確率状態(通常状態や時短状態)に制御されたか、について認識することができない。突然確変大当りの遊技や小当りの遊技が終了した後の遊技状態を、確変状態が潜伏しているかもしれないとの期待を持たせる遊技状態である潜伏状態(潜伏モード)という。また、潜伏状態において実際は確変状態に制御されている場合(遊技機内部では遊技状態が確変状態に制御されている場合)は潜伏確変状態ともいう。
また、この実施の形態では、図4および図5に示すように、潜伏状態において演出図柄の変動中に実行する演出を「潜伏演出」という。「潜伏演出」は、現在の遊技状態を示唆する演出上のステージ1〜3に分けられている。「ステージ1〜3」の各々は、演出表示装置9の背景画像の種類・色、演出図柄の種類・形・色、変動音(変動中の効果音)、LED25,28a〜28cの点灯パターン、役物200の動き、あるいはそれらの組み合わせというような潜伏演出の演出態様を変化させることによって区分けされる。
「ステージ1」が最も高確率状態に移行している可能性が低いステージであり、「ステージ2」が「ステージ1」よりも高確率状態に移行している可能性が高いステージであり、「ステージ3」が最も高確率状態に移行している可能性が高いステージである。なお、「高確ステージ」は現在の遊技状態が高確率状態に移行していることを報知するステージであり、「通常ステージ」は現在の遊技状態が低確率状態に移行していることを報知するステージである。また、「低確高ベースステージ」は現在の遊技状態が低確率状態でかつ高ベース状態に移行していること(つまり時短状態に移行していること)を報知するステージである。なお、各ステージの具体的な表示例については後述する(図31参照)。
図4に示すように、15ラウンドの確変大当りの遊技が終了した後は、潜伏演出は実行されず(ステージ1に移行されず)、高確ステージに移行される。また、15ラウンドの通常大当りの遊技が終了した後も、潜伏演出は実行されず(ステージ1に移行されず)、低確高ベースステージに移行される。一方、図4および図5に示すように、突然確変大当りや小当りA〜Cの遊技が終了した後は、潜伏演出のステージ1に移行される。そして、突然確変大当りや小当りA〜Cの遊技の終了後の変動回数が10回毎に、潜伏状態(潜伏モード)が継続されるか否かを報知する継続演出を実行する。そして、継続演出において「成功(または継続)」が報知されたときは高確率状態に移行されている可能性の高いステージ(ステージ2,3など)に移行され、継続演出において「失敗(または終了)」が報知されたときは低確率状態に移行されていることを報知する通常ステージに移行される。また、継続演出において連続して3回「成功(または継続)」が報知されると、高確率状態に移行されていることを報知する高確ステージに移行される。
図4に示す「長変動タイミング」の欄には、継続演出が実行されるタイミング(突然確変大当り遊技や小当り遊技の終了後からの変動回数)を示している。なお、「長変動タイミング」とは、継続演出が実行可能な変動時間(例えば30秒以上)の変動パターンが選択されるタイミングのことを意味している。図4および図5に示すように、「突確」の場合は、突然確変大当り遊技の終了後から10変動目、20変動目および30変動目に継続演出が実行され、全ての継続演出において成功(継続)が報知されることによって高確ステージに移行される。「小当りA」の場合は、小当りAの遊技の終了後から10変動目、20変動目および30変動目に継続演出が実行され、最後の継続演出(30変動目の継続演出)において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。「小当りB」の場合は、小当りBの遊技の終了後から10変動目および20変動目に継続演出が実行され、最後の継続演出(20変動目の継続演出)において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。「小当りC」の場合は、小当りCの遊技の終了後から10変動目に継続演出が実行され、その継続演出において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。
図4に示すように、この実施の形態では、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、突確や小当りが発生した場合は滞在ステージ(現在実行中のステージ)を継続させるように制御する。例えば、小当りBの遊技の終了後におけるステージ2の実行中(例えば小当りBの遊技の終了後からの変動回数が15回目)に小当りAが発生した場合は、小当りAの遊技の終了後にステージ1から開始させるのではなく、滞在ステージであるステージ2を継続させる。この場合、小当りAが発生したタイミングはステージ2の途中(ステージ2に移行してから5変動目)であるが、小当りAの遊技の終了後にステージ2を最初から実行する(すなわち、ステージ2における1変動目からやり直す)。この場合、ステージ2の潜伏演出が15回実行されることになる。そして、小当りAの遊技の終了後からの変動回数が10回目に実行する継続演出において成功(継続)を報知してステージ3に移行させ、小当りAの遊技の終了後からの変動回数が20回目に実行する継続演出において失敗(終了)を報知して通常ステージに移行させる。
この実施の形態では、通常ステージに移行後10回目(小当りAの発生から30回目)の変動(可変表示)では、継続演出が実行可能な変動時間の変動パターン(長変動パターン)が選択されるが、その変動において、リーチ演出を行ったり、当該変動(通常ステージでの長変動パターンによる変動)においてのみ実行され得る演出を行ったり、当該変動においてのみ表示されうる特別な画像を表示してもよい。
他の例として、小当りAの遊技の終了後におけるステージ3の実行中(例えば小当りAの遊技の終了後からの変動回数が23回目)に突然確変大当りが発生した場合は、突然確変大当りの遊技の終了後にステージ1から開始させるのではなく、滞在ステージであるステージ3を継続させる。この場合も、突然確変大当りが発生したタイミングはステージ3の途中(ステージ3に移行してから3変動目)であるが、突然確変大当りの遊技の終了後にステージ3を最初から実行する(すなわち、ステージ3における1変動目からやり直す)。この場合、ステージ3の潜伏演出が13回実行されることになる。そして、突然確変大当りの遊技の終了後からの変動回数が10回目に実行する継続演出において成功(継続)を報知して高確ステージに移行させる。
さらに、他の例として、高確ステージの実行中に突然確変大当りまたは小当りが発生した場合は、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後にステージ1から開始させるのではなく、滞在ステージである高確ステージを継続させる。この場合は、高確ステージ中は変動回数に関係なく継続されるので、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの変動回数を調整する必要はない。
このように、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、突確や小当りが発生した場合は滞在ステージを継続させるとともに、継続演出を最大3回までしか実行しないように構成することによって、既に実行している潜伏演出を途切れさせることがなく、またステージを段階的に変化させることができるので、演出が不自然となって遊技者に違和感を与えてしまうのを防止することができる。
なお、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、突確や小当りが発生した場合は滞在ステージを継続させる構成ではなく、突確や小当りの遊技の終了後は常にステージ1から開始させるように構成してもよい。この場合、最初に潜伏モード突入の契機となる突確や小当りの遊技の終了後の継続演出と、潜伏モード移行後の突確や小当りの発生にもとづく継続演出とを足し合わせると、継続演出が4回以上実行され得ることになる。
なお、低確率低ベース状態(通常状態)、低確率高ベース状態(時短状態)、高確率低ベース状態(確変状態)および高確率高ベース状態(確変時短状態)のいずれの状態も、潜伏状態(潜伏モード)となり得る。例えば、低確率低ベース状態や低確率高ベース状態において小当りが発生したときは、小当り遊技の終了後に潜伏状態(低確率低ベース状態や低確率高ベース状態)となる。また、低確率低ベース状態や低確率高ベース状態において突然確変大当りが発生したときは、突然確変大当り遊技の終了後に潜伏状態(高確率低ベース状態や高確率高ベース状態)となり、高確率低ベース状態や高確率高ベース状態において小当りや突然確変大当りが発生したときは、小当り遊技や突然確変大当り遊技の終了後に潜伏状態(高確率低ベース状態や高確率高ベース状態)となる。特別図柄や飾り図柄の平均的な変動時間(平均可変表示時間)が通常の長さである通常状態や確変状態は、通常可変表示状態ともいう。一方、通常可変表示状態よりも平均可変表示時間が短縮される時短状態や確変時短状態は、短縮可変表示状態ともいう。
次に、遊技機の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。なお、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施の形態では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。続いて、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図7に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)(2)ランダム2(MR2):小当りの種類(小当りA〜C)を決定する(小当り種別判定用)(3)ランダム3(MR3):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)(4)ランダム3(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)(5)ランダム5(MR5):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(6)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
ステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、(2)の小当り種別判定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。普通図柄プロセス処理には、例えば普通図柄通常処理、普通図柄変動パターン設定処理、普通図柄変動処理、普通電動役物開放中処理などが含まれている。普通図柄通常処理において、CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態であり、かつ、ゲート32を通過した遊技球の記憶数であるゲート通過記憶数が0でなければ、普図ゲームとなる普通図柄の可変表示を開始するための普図変動開始条件を成立させ、普通図柄当り判定用乱数の値や普図表示結果決定テーブルなどを用いて、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。普通図柄変動パターン設定処理において、CPU56は、遊技状態が時短制御(高開放制御)を実行する高確高ベース状態または低確高ベース状態であるか否かに応じて、普通図柄の可変表示時間に相当するタイマ初期値を普通図柄プロセスタイマに設定する。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄の可変表示(変動)を実行して、普通図柄プロセスタイマの値を1ずつ減算し、普通図柄プロセスタイマの値が0になると、普通図柄の停止図柄を導出表示させる。このとき、停止図柄が当り図柄であれば普通電動役物開放中処理を実行可能に設定する一方、はずれ図柄であれば普通図柄通常処理に移行するための設定を行う。普通電動役物開放中処理において、CPU56は、可変入賞球装置(普通電動役物)15を所定時間に亘って開放状態にしてから、閉鎖状態に戻す。このような開閉動作は、時短制御(高開放制御)の有無に応じて、開放回数と開放時間の一方または双方が異なるように設定されてもよい。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態(最終停止図柄が導出表示される前の状態であって、既に停止表示されている演出図柄により大当り図柄の組み合わせが最終停止される可能性が継続している状態)にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない非確変状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図9(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図9(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図9(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図9(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図9(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図9(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図9(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図9(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、図9(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図9(F)は、ROM54に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、小当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、小当りの種別を「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図10は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図10に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−3,非リーチPA2−1〜非リーチPA2−4の変動パターンが用意されている。非リーチPA2−4の長変動の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において実行される継続演出を実行可能な変動時間30秒が設定されている。後述するように、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において継続演出の実行時間を確保できるように、10変動目、20変動目または30変動目においてはずれが決定されたときは当該長変動の変動パターンが選択される(図24のステップS95C参照)。
また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA3−1〜ノーマルPA3−2、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−8の変動パターンが用意されている。スーパーPA3−7〜スーパーPA3−8の変動パターンは、後述する特別リーチ演出を含むリーチ変動パターンである。
また、図10に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄(突然確変大当り図柄を除く)になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPB1−1〜ノーマルPB1−2、スーパーPB1−3〜スーパーPB1−8の変動パターンが用意されている。スーパーPB1−3〜スーパーPB1−6の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において実行される継続演出を実行可能な変動時間30秒以上が設定されている。後述するように、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において継続演出の実行時間を確保できるように、10変動目、20変動目または30変動目において大当り(突然確変大当りを除く)が決定されたときはスーパーPB1−3〜スーパーPB1−6の変動パターンのいずれかが選択される(図24のステップS92C参照)。スーパーPB1−7〜スーパーPB1−8の変動パターンは、後述する特別リーチ演出を含むリーチ変動パターンである。
また、図10に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が突然確変大当り図柄(突確図柄)または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、特殊PC1−1〜特殊PC1−3の変動パターンが用意されている。特殊PC1−3の長変動の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において実行される継続演出を実行可能な変動時間30秒が設定されている。後述するように、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において継続演出の実行時間を確保できるように、10変動目、20変動目または30変動目において突然確変大当りまたは小当りが決定されたときは当該長変動の変動パターンが選択される(図24のステップS92C,S94C参照)。
図10に示す特殊PC1−1〜特殊PC1−3の変動パターンにもとづいて変動が実行される場合は、突然確変大当りであるか小当りであるかについて遊技者が認識できず(または認識困難であり)、また、突然確変大当り遊技または小当り遊技の終了後に潜伏モードに移行させることによって、遊技状態がいずれの状態に移行されたかについて遊技者が認識できない(または認識困難である)。
図11は、演出図柄の変動パターン種別を示す説明図である。図11に示すように、CA1−1は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって短縮なし(低ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−2は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって保留記憶数2〜4個短縮(低ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−3は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって保留記憶数5〜8個短縮(低ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−4は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって短縮なし(高ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−5は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって保留記憶数2〜8個短縮(高ベース中)のときに選択される変動パターン種別である。CA1−6は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)またはリーチ(はずれ)であって継続演出の実行時に選択される変動パターン種別である。
CA2−1は、可変表示態様(表示結果)がリーチ(はずれ)であってノーマルリーチのときに選択される変動パターン種別であり、CA2−2は、可変表示態様(表示結果)がリーチ(はずれ)であってスーパーリーチのときに選択される変動パターン種別である。
CB1−1は、可変表示態様(表示結果)が非確変大当り(通常大当り)または確変大当りであってノーマルリーチのときに選択される変動パターン種別であり、CB1−2は、可変表示態様(表示結果)が非確変大当り(通常大当り)または確変大当りであってスーパーリーチのときに選択される変動パターン種別である。CB1−3は、可変表示態様(表示結果)が非確変大当り(通常大当り)または確変大当りであって継続演出の実行時に選択される変動パターン種別である。
CC1−1は、可変表示態様(表示結果)が突然確変大当りまたは小当りであって2回開放チャンス目停止(例えば「135」などのチャンス目の停止)のときに選択される変動パターン種別である。CC1−2は、可変表示態様(表示結果)が突然確変大当りまたは小当りであって継続演出の実行時に選択される変動パターン種別である。
図12(A)〜(D)は、大当り変動パターン種別決定テーブル132A〜132Dを示す説明図である。大当り変動パターン種別決定テーブル132A〜132Dは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたとき、および小当り図柄とする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果や小当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り変動パターン種別決定テーブル132A〜132Dには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、CB1−1〜CB1−3、CC1−1〜CC1−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、図12(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aとして、大当り種別が「通常大当り(非確変大当り)」である場合に用いられる上段のテーブルと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる中段のテーブルと、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる下段のテーブルとが設けられ、各々のテーブルには大当り種別に対応した変動パターン種別CB1−1、CB1−2が設定されている。また、図12(B)に示す継続演出用大当り変動パターン種別決定テーブル132Bとして、大当り種別が「通常大当り(非確変大当り)または確変大当り」である場合に用いられる上段のテーブルと、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる下段のテーブルとが設けられ、各々のテーブルには大当り種別に対応した継続演出用の変動パターン種別CB1−3,CC1−2が設定されている。
また、図12(C)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Cとして、「小当り」である場合に用いられるテーブルが設けられ、そのテーブルには小当りに対応した変動パターン種別CC1−1が設定されている。また、図12(D)に示す継続演出用小当り変動パターン種別判定テーブル132Dとして、「小当り」である場合に用いられるテーブルが設けられ、そのテーブルには小当りに対応した継続演出用の変動パターン種別CC1−2が設定されている。
図13(A)〜(C)は、はずれ変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cを示す説明図である。このうち、図13(A)は、遊技状態が低ベース状態であるとともに合算保留記憶数が0〜1である場合に用いられる変動パターン種別CA1−1,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルと、遊技状態が低ベース状態であるとともに合算保留記憶数が2〜4である場合に用いられる変動パターン種別CA1−2,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルと、遊技状態が低ベース状態であるとともに合算保留記憶数が5〜8である場合に用いられる変動パターン種別CA1−3,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルとを示している。また、図13(B)は、遊技状態が高ベース状態であるとともに合算保留記憶数が0〜1である場合に用いられる変動パターン種別CA1−4,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルと、遊技状態が高ベース状態であるとともに合算保留記憶数が2〜8である場合に用いられる変動パターン種別CA1−5,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルとを示している。図13(C)は、継続演出用の変動パターン種別CA1−6が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルを示している。
図14は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン決定テーブル134Aと大当り変動パターン決定テーブル134Bを示す説明図である。図14(A)に示すはずれ変動パターン決定テーブル134Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図14(B)に示す大当り変動パターン判定テーブル134Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、継続演出用の変動パターン種別CA1−6には、変動パターンPA2−4,PA3−3,PA3−4,PA3−5,PA3−6が設定されている。これらの変動パターンは全て30秒以上の変動時間を有する変動パターンである。ただし、継続演出用の変動パターン種別CA1−6には、継続演出の演出時間を確保するために特別に用意した長変動の変動パターンPA2−4のみ設定するようにしてもよい。継続演出用の変動パターン種別CB1−3には、変動パターンPB1−3〜PB1−6が設定されている。これらの変動パターンは全て30秒以上の変動時間を有する変動パターンである。ただし、継続演出用の変動パターン種別CB1−3には、継続演出の演出時間を確保するための長変動の変動パターン(例えば変動時間30秒の変動パターン)を特別に用意し(図10では用意していない)、当該長変動の変動パターンのみ設定するようにしてもよい。継続演出用の変動パターン種別CC1−2には、変動パターンPC1−3が設定されている。この変動パターンは30秒の変動時間を有する変動パターンである。なお、変動パターン種別を継続演出専用にせずに、継続演出専用の変動パターンを定めてもよい。
図12(A)に示すように、変動パターン種別CB1−2は、確変大当りの場合には、非確変大当り(通常大当り)の場合に比べて高い割合で選択される。また、変動パターン種別CB1−1は、非確変大当りの場合には、確変大当りの場合に比べて高い割合で選択される。そして、図14(B)に示すように、変動パターン種別CB1−2が選択された場合に、変動パターンPB1−7およびPB1−8が選択されうるが、変動パターン種別CB1−1が選択された場合に、変動パターンPB1−7およびPB1−8のうち変動パターンPB1−7のみが選択されうる。図10に示すように、変動パターンPB1−7およびPB1−8は特別リーチ演出を含むリーチ変動パターンであるが、変動パターンPB1−7は所定演出を含まない。よって、確変大当りの場合には、非確変大当りの場合に比べて高い割合で、特別リーチ演出および所定演出を含むリーチ変動パターン(変動パターンPB1−8)が選択される。また、非確変大当りの場合には、確変大当りの場合に比べて高い割合で、特別リーチ演出を含むが所定演出を含まないリーチ変動パターン(変動パターンPB1−7)が選択される。換言すれば、所定演出が実行されてから大当り遊技状態に制御されるときと、特別リーチ演出が実行された後所定演出が実行されずに大当り遊技状態に制御されるときとで、異なる価値(この例では、確変状態になる割合)が付与される。
図15および図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15および図16に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図8に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、大当り種別および小当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C07(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C07(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図21参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時にいずれの変動パターン種別となるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターン種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。なお、コマンドB000(H)〜B002(H)を背景指定コマンドという。
コマンドB1XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短状態の残り回数を示す。なお、この実施の形態では、時短状態に制御されるときは大当り遊技の終了後から所定の時短回数(例えば100回)だけ時短状態が継続する。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図15および図16に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図15および図16に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図17および図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短モードフラグ)を設定する処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図19は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図19(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図19(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図19(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214A)。なお、ステップS214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図20は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図20に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、遊技状態が時短状態(確変状態を含む)であることを示す時短モードフラグの値が1であるか否かを確認する(ステップS215A)。その値が1であれば、そのままステップS218Aに移行する。時短モードフラグの値が1以外であれば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU56は、そのままステップS218Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS217A)。そして、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS218A)。
ステップS215AまたはステップS216AでYと判定したことによりステップS217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU56は、ステップS218Aにおいて、第1保留記憶数指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御は行わない。なお、ステップS217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、遊技状態が通常状態である場合(確変状態でも時短状態でもない場合)にのみステップS217Aの入賞時演出処理が実行される。また、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみステップS217Aの入賞時演出処理が実行される。なお、大当り遊技状態である場合にのみステップS217Aに移行しないようにし、小当り遊技状態である場合にはステップS217Aに移行して入賞時演出処理が実行されるようにしてもよい。
次に、図19(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214B)。なお、ステップS214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS217B)。そして、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS218B)。
図21は、ステップS217A,S217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS214A,S214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、小当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターン種別となるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する連続予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS214A,S214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS214A,S214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図19(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217A参照)を実行する場合)には、図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図19(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217B参照)を実行する場合)には、図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS224)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS224において、遊技状態が高ベース状態であるか否か(具体的には、時短モードフラグの値が1であるか否か)を判定する。また、CPU56は、合算保留記憶数が0〜1であるか2〜4であるか5〜8であるかを判定する。そして、CPU56は、ステップS224の判定結果に応じて、図13に示すはずれ変動パターン種別決定テーブルを設定する(ステップS225)。なお、ステップS225では、潜伏モード中であるか否かを判定し、潜伏モード中であれば突然確変大当り遊技や小当り遊技の終了後の変動回数を確認し、変動回数が10回、20回または30回であるか否かを判定して、継続演出用はずれ変動パターン種別決定テーブルを設定するようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、図12(C)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cを設定する(ステップS226)。なお、ステップS226では、潜伏モード中であるか否かを判定し、潜伏モード中であれば突然確変大当り遊技や小当り遊技の終了後の変動回数を確認し、変動回数が10回、20回または30回であるか否かを判定して、継続演出用小当り変動パターン種別決定テーブルを設定するようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS214A,S214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS227)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図19(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217A参照)を実行する場合)には、図9(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図19(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217B参照)を実行する場合)には、図9(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
そして、CPU56は、ステップS227で判定した大当り種別に応じて、図12(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブルを設定する(ステップS228)。なお、ステップS228では、潜伏モード中であるか否かを判定し、潜伏モード中であれば突然確変大当り遊技や小当り遊技の終了後の変動回数を確認し、変動回数が10回、20回または30回であるか否かを判定して、継続演出用大当り変動パターン種別決定テーブルを設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS225,S226,S228で設定した変動パターン種別判定テーブルと、ステップS214A,S214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)とを用いて、変動パターン種別を判定する(ステップS229)。
なお、はずれ変動パターン種別の場合は、合算保留記憶数の数に応じた判定可能な変動パターン種別が異なるため、入賞時演出処理のステップS229で判定した変動パターン種別と、後述する変動パターン設定処理のステップS102で判定した変動パターン種別とがずれてしまうおそれがある。従って、ステップS229におけるはずれ変動パターン種別の判定では、合算保留記憶数がいずれの数であっても常にスーパーリーチの変動パターン種別が判定される変動パターン種別判定用乱数の値の範囲(図13に示す例では246〜251の範囲)に属するか否かを判定するように構成するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定した変動パターン種別を入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。例えば、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図19(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217A参照)を実行する場合)には、ステップS229で「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」、「スーパーリーチ大当り」のいずれと判定されたかに応じて異なるEXTデータを、入賞時判定結果指定コマンド(MODEデータ「95(H)」で構成される)に設定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図19(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217B参照)を実行する場合)には、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合とは異なるEXTデータであって、ステップS229で「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」、「スーパーリーチ大当り」のいずれと判定されたかに応じて異なるEXTデータを、入賞時判定結果指定コマンドに設定する。その他、CPU56は、判定した変動パターン種別に応じた値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
図22および図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図9(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、そして、CPU56は、小当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された小当り種別判定用の乱数(ランダム2)の値と一致する値に対応した種別(「小当りA」、「小当りB」または「小当りC」)を小当りの種別に決定する(ステップS64)。また、CPU56は、決定した小当りの種別を示すデータをRAM55における小当り種別バッファに設定する(ステップS65)。そして、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図9(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り(時短あり)」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り(時短なし)」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」(通常大当り図柄)を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」(確変大当り図柄)を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図24は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、突然確変大当り遊技または小当り遊技の後の変動回数が10回、20回、30回のいずれかであるか否かを、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかであるか否かによって判定する(ステップS92A)。変動回数カウンタは、突然確変大当り遊技または小当り遊技の後の変動回数をカウントするカウンタであり、突然確変大当りや小当りの遊技の終了時に所定回数の値がセットされ(図29のステップS172B、図30のステップS191参照)、図柄の変動の停止時に1ずつ減算される(図27のステップS130B参照)。変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかでない場合は、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを用いることに決定し(ステップS92B)、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかである場合は、継続演出用大当り変動パターン種別決定テーブル132Bを用いることに決定する(ステップS92C)。なお、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを用いることに決定した場合は、大当り種別を確認して大当り種別(確変大当り、通常大当り、突然確変大当り)に応じたテーブルを選択する(図12参照)。同様に、継続演出用大当り変動パターン種別決定テーブル132Bを用いることに決定した場合は、大当り種別を確認して大当り種別(確変大当り/通常大当り、突然確変大当り)に応じたテーブルを選択する(図12参照)。その後、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていないときは(ステップS91のN)、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、突然確変大当り遊技または小当り遊技の後の変動回数が10回、20回、30回のいずれかであるか否かを、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかであるか否かによって判定する(ステップS94A)。変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかでない場合は、小当り変動パターン種別決定テーブル132Cを用いることに決定し(ステップS94B)、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかである場合は、継続演出用小当り変動パターン種別決定テーブル132Dを用いることに決定する(ステップS94C)。その後、ステップS102に移行する。
小当りフラグがセットされていないときは(ステップS93のN)、CPU56は、突然確変大当り遊技または小当り遊技の後の変動回数が10回、20回、30回のいずれかであるか否かを、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかであるか否かによって判定する(ステップS95A)。変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかでない場合は、はずれ変動パターン種別決定テーブル133Aまたは133Bを用いることに決定し(ステップS95B)、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかである場合は、継続演出用はずれ変動パターン種別決定テーブル133Cを用いることに決定する(ステップS95C)。なお、はずれ変動パターン種別決定テーブル133Aまたは133Bを用いることに決定した場合は、現在の遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかをを確認するとともに現在の合算保留記憶数を確認して、遊技状態および合算保留記憶数に応じたテーブルを選択する(図13参照)。なお、遊技状態は時短モードフラグの値によって確認し、合算保留記憶数は保留記憶数カウンタの値によって確認する。その後、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数に応じたテーブルを選択するものに限定されず、現在の遊技状態に応じて、第1保留記憶数または第2保留記憶数のうちのいずれかにもとづいてテーブルを選択してもよい。例えば低ベース状態であるときには、第2始動入賞口14を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞が発生しにくいことから、第2保留記憶数にかかわらず第1保留記憶数に応じたテーブルを選択してもよい。これに対して高ベース状態であるときには、第2始動入賞口14を遊技球が通過(進入)しやすい。そして、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示が優先して実行される場合には、第1保留記憶数にかかわらず第2保留記憶数に応じたテーブルを選択してもよい。このような高ベース状態であるときに第1特別図柄の変動表示が開始されるときには、第2保留記憶数が0になっていることから、第2保留記憶数が0であることに応じたテーブルが選択されればよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92B,92C、S94B,94C、S95B,95Cの処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り変動パターン決定テーブル134B(図14(B)参照)、はずれ変動パターン決定テーブル134A(図14(A)参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム4(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン決定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図25は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(図15参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS112に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を確認し、大当りの種別に応じた表示結果2〜4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。なお、大当りの種別は、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータにもとづいて確認する。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS112)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、小当りの種別(小当りA〜C)を確認し、小当りの種別に応じた表示結果5〜7指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113)。なお、小当りの種別は、具体的には、小当り種別バッファに設定されたデータにもとづいて確認する。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS112のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS115)。
図26は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図27および図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特図確定表示タイマが作動中であるか否かを判定し(ステップS131A)、特図確定表示タイマが作動中である場合には、ステップS133に移行する。特図確定表示タイマが作動していない場合には、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特別図柄の停止図柄となる確定特別図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131B)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS131C)。
そして、時短モードフラグの値が1であるか否かを判定する(ステップS132A)。時短モードフラグの値が1である場合には(ステップS132AのY)、遊技状態が時短制御(高開放制御)を実行する高確高ベース状態または低確高ベース状態であることに応じて、例えばRAM55の所定領域(遊技制御タイマ設定部など)に設けられた特図確定表示タイマに、0.5秒に対応するタイマ初期値を設定する(ステップS132B)。時短モードフラグの値が1ではない場合には(ステップS132AのN)、その値が2であるか否かを判定する(ステップS132C)。時短モードフラグの値が2である場合には(ステップS132CのY)、遊技状態が高確低ベース状態であることに応じて、0.6秒に対応するタイマ初期値を特図確定表示タイマに設定する(ステップS132D)。時短モードフラグの値が2ではない場合には(ステップS132CのN)、遊技状態が低確低ベース状態であることに応じて、時短モードフラグの値が1または2であるときよりも長い、0.8秒に対応するタイマ初期値を特図確定表示タイマに設定する(ステップS132E)。こうして、ステップS131Bの処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS132B、S132D、S132Eのいずれかにて設定された特図確定表示タイマがタイムアウトするまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS131Aにて特図確定表示タイマが作動中であると判定されることになる。すなわち、ステップS132B、S132D、S132Eの各処理で設定されたタイマ初期値に対応する特図確定表示時間が経過するまで、次の可変表示は開始されずに特別図柄が停止表示される。
このように、遊技状態が高確高ベース状態または低確高ベース状態であることに応じて時短制御(高開放制御)が行われるときには、特図確定表示時間として0.5秒が設定され(ステップS132B)、遊技状態が高確低ベース状態であるときには、特図確定表示時間として0.6秒が設定される(ステップS132D)。一方、遊技状態が低確低ベース状態であるときには、特図確定表示時間として0.8秒が設定される(ステップS132E)。したがって、時短制御(高開放制御)が行われる高確高ベース状態や低確高ベース状態であるときには、時短制御(高開放制御)が行われない高確低ベース状態や低確低ベース状態であるときよりも、特図確定表示時間が短くなり、変動効率を高めることができる。その一方で、時短制御(高開放制御)が行われない低確低ベース状態では、変動効率が低くなるため、特図ゲームが行われていない時間の発生や、このような時間の長期化を防止できる。なお、低ベース状態(高確低ベース状態と低確低ベース状態)である場合には、一律で特図確定表示時間として0.8秒が設定されるようにしてもよい。
なお、時短制御(高開放制御)が行われているか否かに応じて特図確定表示時間を異ならせるものに限定されず、第1特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるか、第2特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるかに応じて、特図確定表示時間を異ならせることで、変動効率を高めるようにしてもよい。一例として、ステップS131Cの処理を実行した後には、特別図柄ポインタに設定されているデータが「第1」と「第2」のいずれを示しているかを確認する。そして、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には、ステップS132Bの処理に移行して、特図確定表示時間として0.5秒を設定する。一方、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には、ステップS132Eの処理に移行して、特図確定表示時間として0.8秒を設定する。
ここで、時短制御(高開放制御)が実行される高ベース状態であるときには、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄を用いた特図ゲームが実行される頻度が高くなっている。したがって、第2特別図柄を用いた特図ゲームが実行された場合の特図確定表示時間を、第1特別図柄を用いた特図ゲームが実行された場合の特図確定表示時間と比べて短くなるように設定することで、時短制御(高開放制御)が行われる高ベース状態における変動効率を高めることができる。一方、時短制御(高開放制御)が行われない低ベース状態では、変動効率が低くなるため、特図ゲームが行われていない時間の発生や、このような時間の長期化を防止できる。加えて、第2特別図柄を用いた特図ゲームが、第1特別図柄を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることで、時短制御(高開放制御)が行われる高ベース状態であるときの変動効率をさらに高めることができる。
あるいは、特別図柄ポインタの設定データや遊技状態以外でも、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるかはずれ図柄であるかに応じて、異なる特図確定表示時間を設定してもよいし、大当り種別に応じて、異なる特図確定表示時間を設定してもよい。
また、特定の大当り種別に対応した大当り遊技状態が終了した後には、一般的な時短制御よりさらに特別図柄の変動時間が短縮される超時短制御が行われるようにしてもよい。なお、特定の大当り種別は、他の大当り種別(例えば確変大当り)よりも遊技者にとって有利度の低い大当り種別(例えば突然確変大当り)であってもよい。これにより、遊技者にとって有利度の低い突然確変大当りに対応する大当り遊技状態(短期開放大当り状態)が終了した後には、遊技者にとって有利度の高い確変大当りに対応する大当り遊技状態(通常開放大当り状態)が終了した後よりも、特図変動時間がさらに短縮される超時短制御が行われて変動効率が高められて、遊技意欲の低下を抑制することができる。このような超時短制御が行われるときには、時短制御が行われるときと比べて、特図確定表示時間が短くなるように設定してもよい。これにより、変動効率をさらに高めることができる。
ステップS131Aで特図確定表示タイマが作動中である場合には、特図確定表示タイマの値を1減算(−1)する(ステップS133)。そして、CPU56は、例えば減算後の特図確定表示タイマの値が0になったか否かに対応して、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS134A)。経過していなければ処理を終了する。特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS134AのY)、変動回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS134B)。変動回数カウンタの値が0でないときは、変動回数カウンタの値を1減算(−1)する(ステップS134C)。
次に、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS134D)。大当りフラグがセットされている場合に、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であるか否かに応じた値となる時短モードフラグをリセットし(ステップS135A)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始時の演出制御コマンドを送信する制御を行う(ステップS135B)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS135C)。また、開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回、突然確変大当りの場合には2回)をセットする(ステップS135D)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS135E)。
ステップS134Dで大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短モードフラグの値が1であるか否か確認する(ステップS136)。時短モードフラグの値が1である場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS137)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値にもとづいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS138)。
なお、CPU56は、時短回数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。その場合、例えば、時短状態に移行した後、演出制御用マイクロコンピュータ100側で時短回数を管理するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態指定コマンドを受信すると、時短回数カウンタに所定値(例えば100)をセットし、演出図柄の変動表示を実行するごとに時短回数カウンタの値を1減算して、時短回数の残り回数を管理するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短モードフラグをリセットする(ステップS140)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、時短制御が終了して低ベース状態となったことに対応する遊技状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS141)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS142)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り開始時の演出制御コマンドを送信する(ステップS143)。具体的には、小当り/突然確変大当り開始指定を送信する。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS144)。また、開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS145)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS146)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS142のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS147)。こうして、遊技状態が低確低ベース状態であることに対応して、図27に示されたステップS132Eの処理を実行した場合には、第1時間となる0.8秒に亘って特別図柄の可変表示結果を停止表示させた後に、次の可変表示を開始させることができる。一方、遊技状態が高確高ベース状態または低確高ベース状態であることに対応して、図27に示されたステップS132Bの処理を実行した場合には、第1時間よりも短い第2時間となる0.5秒に亘って特別図柄の可変表示結果を停止表示させた後に、次の可変表示を開始させることができる。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短モードフラグの値を1に設定(更新)して遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに100回をセットする(ステップS168)。また、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS169)。そして、ステップS173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、大当り種別が15ラウンドの確変大当りであるか否かを確認する(ステップS170)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定できる。確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットするとともに(ステップS171A)、時短モードフラグの値1を1に設定(更新)して遊技状態を確変時短状態に移行させ(ステップS171B)、時短回数カウンタに100回をセットする(ステップS171C)。また、CPU56は、確変時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS171D)。そして、ステップS173に移行する。一方、確変大当りでなければ(つまり突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させ(ステップS172A)、時短モードフラグの値を2に設定(更新)する(ステップS172B)。また、CPU56は、変動回数をカウントするための変動回数カウンタに30回をセットする(ステップS172C)。また、CPU56は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS172D)。そして、ステップS174に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS167,S171B、S172Bで設定した時短モードフラグの値は、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短モードフラグの値が1であるか否かを確認し、1であれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167,S171B、S172Bで設定した時短モードフラグの値は、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS173では、CPU56は、変動回数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS173)。この処理によって、15ラウンドの通常大当りや確変大当りの遊技が終了したときは、変動回数カウンタの値が0となり、変動回数カウンタの値を減算する処理が実行されなくなって(ステップS130A,S130B参照)、継続演出用の変動パターンが選択されないようにすることができる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS174)。
図30は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS180)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS184に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし(ステップS181)、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS182)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS183)、処理を終了する。
ステップS184では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS185)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過していれば(ステップS185のY)、CPU56は、小当り種別に応じた変動回数(具体的には30回、20回または10回)を変動回数カウンタにセットする(ステップS191)。具体的には、小当りAのときは30をセットし、小当りBのときは20をセットし、小当りCのときは10をセットする。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS192)。
次に、潜伏モードへの移行の演出について説明する。通常ステージに制御されているときに突然確変大当りや小当りが発生した場合は、突然確変大当りや小当りの変動中および突然確変大当り遊技や小当り遊技の実行中において、潜伏モードのステージ1へ制御されることを示す演出、または潜伏モードのステージ1へ制御されるかもしれないと期待を抱かせる煽り演出を実行する。この実施の形態では、大当り種別として突然確変大当りまたは小当りが決定された場合は、変動パターンとしてPC1−1〜1−2が決定され、突然確変大当り遊技または小当り遊技の終了後に潜伏状態に移行するように構成されている。
なお、この実施の形態では、突然確変大当り遊技や小当り遊技の終了後に常にステージ1に移行するように構成していたが、突然確変大当り遊技の終了後に一定の割合で高確ステージに移行するように構成してもよい。
また、潜伏モードに制御されているときに突然確変大当りや小当りが発生した場合は、成功・失敗を報知する継続演出を実行せずに、現在のステージが継続する旨の報知を行う。
次に、潜伏モード中の演出等について説明する。図31は、潜伏モード中の各ステージの表示態様を示す説明図である。図31に示すように、潜伏モード(潜伏状態)中のステージ1では、演出表示装置9の背景画像が山の背景となっている。ステージ2では、演出表示装置9の背景画像が森の背景となっている。ステージ3では、演出表示装置9の背景画像が街の背景となっている。高確ステージでは、演出表示装置9の背景画像が海の背景となっている。通常ステージでは、演出表示装置9の背景画像が浜(浜辺)の背景となっている。このように、潜伏モード中において所定の変動タイミング(10変動毎)に継続演出を実行し、継続演出において成功(継続)が報知されたときはステージが順に昇格し、3回連続して成功(継続)が報知されたときに高確ステージに移行する。一方、継続演出において失敗(終了)が報知されたときは通常ステージに移行する。
図32は、継続演出の演出態様を示す説明図である。上述したように、突然確変大当りや小当りの遊技の終了後の変動回数が10回、20回、30回のときに継続演出が実行される。図32に示す例では、継続演出は、「継続」と「終了」が領域に区分けされて表示されているルーレットを回転させ、そこに矢を射る。そして、矢が当った領域の表示が「継続」であるときは継続演出が成功となり、矢が当った領域の表示が「終了」であるときは継続演出が失敗となる。このような演出態様は一例であって、「継続(成功)」と「終了(失敗)」とが明確に認識できるような態様であれば、他の演出態様であってもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図33は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、第1保留記憶表示部18cや第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図34は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図15および図16参照)であるのか解析する。
図35〜図38は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618A)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数指定コマンドで示される第1保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数保存領域に格納する(ステップS655)。また、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数指定コマンドで示される第2保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS658)。また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS660)。また、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(ステップS661A)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS661B)。また、受信した演出制御コマンドが確変時短状態指定コマンドであれば(ステップS662A)、演出制御用CPU101は、確変時短状態フラグをセットする(ステップS662B)。
受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドであれば(ステップS663A)、演出制御用CPU101は、その時短回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を時短回数保存領域に格納する(ステップS663B)。すなわち、演出制御用CPU101は、時短回数指定コマンドで示される時短状態の残り回数を保存する。
次いで、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じたフラグをセットする。
例えば、受信した演出制御コマンドが第1始動入賞口13への始動入賞時に「非リーチはずれ」となると判定したことを示す入賞時判定結果1指定コマンドであれば(ステップS665)、入賞判定結果1フラグをセットする(ステップS666)。受信した演出制御コマンドが第1始動入賞口13への始動入賞時に「スーパーリーチはずれ」となると判定したことを示す入賞時判定結果2指定コマンドであれば(ステップS667)、入賞判定結果2フラグをセットする(ステップS668)。受信した演出制御コマンドが第1始動入賞口13への始動入賞時に「スーパーリーチ大当り」となると判定したことを示す入賞時判定結果3指定コマンドであれば(ステップS669)、入賞判定結果3フラグをセットする(ステップS670)。また、受信した演出制御コマンドが第2始動入賞口14への始動入賞時に「非リーチはずれ」となると判定したことを示す入賞時判定結果4指定コマンドであれば(ステップS671)、入賞判定結果4フラグをセットする(ステップS672)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞口14への始動入賞時に「スーパーリーチはずれ」となると判定したことを示す入賞時判定結果5指定コマンドであれば(ステップS673)、入賞判定結果5フラグをセットする(ステップS674)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞口14への始動入賞時に「スーパーリーチ大当り」となると判定したことを示す入賞時判定結果6指定コマンドであれば(ステップS675)、入賞判定結果6フラグをセットする(ステップS676)。
その他、演出制御用CPU56は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞判定結果フラグをセットする。なお、この実施の形態では、入賞時の判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」、「スーパーリーチ大当り」である場合に、連続予告演出を実行するように構成しているので、上記に示した入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果6指定コマンドについてのみ受信したか否かを確認し、フラグをセットするようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS677)。そして、ステップS611に移行する。
図39は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図39に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、および特別リーチ演出決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
特別リーチ演出決定用乱数SR2は、特別演出の種類(具体的には、リーチ状態になった後に表示される演出図柄の候補の画像と所定演出を示唆する所定演出示唆画像との数および種類)を決定するために用いられる乱数である。
図40は、特別リーチ演出の一例を示す説明図である。図40(A)に示すように、演出表示装置9の表示画面における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて演出図柄の変動(可変表示)が行われ、図40(B)に示すように、リーチ状態になった後、図40(C)に示すように、特別リーチ演出が実行される。図40に示す例では、特別リーチ演出は、左右の停止図柄と同じ図柄、左右の停止図柄よりも数字が1つ多い図柄、キャラクタ図柄99b,99cが表示画面の中央部において回転するような演出である。
なお、左右の停止図柄と同じ図柄と、左右の停止図柄よりも数字が1つ大きい図柄は、最終停止する演出図柄の候補の画像の一例であり、キャラクタ図柄99b,99cは、所定演出示唆画像の一例である。また、図40(C)には、2つの演出図柄の候補の画像と2つの所定演出示唆画像とを用いて特別リーチ演出が実行される例が示されているが、2つよりも多い所定演出示唆画像が用いられることがある。
特別リーチ演出が実行された後、図41および図42に示す所定演出が実行されることなく、最終停止図柄が導出表示されることがある(図40(D),(E)参照)。所定演出が実行される場合には、図40(F),(G)に示すように、所定演出で使用される種類のキャラクタに対応する画像が中の図柄表示エリアに表示された後、図41(H),(I)に示すようにキャラクタa,bを用いた所定演出が実行され、演出図柄の最終停止図柄が導出表示される(図41(J),(K)参照)。また、所定演出の種類は複数あり、図42に示す例では、キャラクタa,cを用いた所定演出が実行された後(図42(L),(M)参照)、演出図柄の最終停止図柄が導出表示される(図42(N),(O)参照)。
特別リーチ演出は、図10に示す変動パターンPA3−7,PA3−8,PB1−7,PB1−8のいずれかが選択されたときに実行される。このうち、変動パターンPA3−7,PB1−7のいずれかが選択されたときには、所定演出が実行されない。一方、変動パターンPA3−8,PB1−8のいずれかが選択されたときには、所定演出が実行される。可変表示態様(表示結果)が非確変大当り(通常大当り)または確変大当りのときに所定割合で選択される変動パターンPB1−7,PB1−8のうち、変動パターンPB1−7は変動パターン種別CB1−1,CB1−2の双方に含まれるのに対し、変動パターンPB1−8は変動パターン種別CB1−2のみに含まれるように設定されている(図14(B)参照)。そして、変動パターン種別CB1−1と変動パターン種別CB1−2の決定割合は、非確変大当りの場合と確変大当りの場合とで異なっている(図12(A)参照)。したがって、所定演出が実行されてから大当り遊技状態に制御されるときと、特別リーチ演出が実行された後所定演出が実行されずに大当り遊技状態に制御されるときとで、異なる価値(この例では、確変状態になる割合)が付与される。
図43は、特別図柄の表示結果がはずれ図柄になる場合に使用される演出パターン決定テーブルを示す説明図である。演出パターン決定テーブルは、ROMに格納されている。演出パターン決定テーブルには、特定演出を示すデータと、それに対応する判定値が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別リーチ演出決定用乱数の値に一致する判定値に対応する演出パターンを用いることに決定する。なお、図43には、判定値そのものではなく、判定値数が記載されている。「リーチ後の回転図柄=4」は、2つの演出図柄の候補の画像と2つの所定演出示唆画像とを用いて特別リーチ演出が実行されることを意味し、「リーチ後の回転図柄=5」は、2つの演出図柄の候補の画像と3つの所定演出示唆画像とを用いて特別リーチ演出が実行されることを意味する。図43(A)に示す演出パターン決定テーブルは、所定演出ありの場合(変動パターンPB1−8(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用され、図43(B)に示す演出パターン決定テーブルは、所定演出なしの場合(変動パターンPB1−7(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用される。
図44は、特別図柄の表示結果が通常大当り図柄になる場合に使用される演出パターン決定テーブルを示す説明図である。演出パターン決定テーブルは、ROMに格納されている。演出パターン決定テーブルには、特定演出を示すデータと、それに対応する判定値が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別リーチ演出決定用乱数の値に一致する判定値に対応する演出パターンを用いることに決定する。なお、図44には、判定値そのものではなく、判定値数が記載されている。図44(A)に示す演出パターン決定テーブルは、所定演出ありの場合(変動パターンPB1−8(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用され、図44(B)に示す演出パターン決定テーブルは、所定演出なしの場合(変動パターンPB1−7(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用される。
図45は、特別図柄の表示結果が確変大当り図柄になる場合に使用される演出パターン決定テーブルを示す説明図である。演出パターン決定テーブルは、ROMに格納されている。演出パターン決定テーブルには、特定演出を示すデータと、それに対応する判定値が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別リーチ演出決定用乱数の値に一致する判定値に対応する演出パターンを用いることに決定する。なお、図45には、判定値そのものではなく、判定値数が記載されている。図45(A)に示す演出パターン決定テーブルは、所定演出ありの場合(変動パターンPB1−8(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用され、図45(B)に示す演出パターン決定テーブルは、所定演出なしの場合(変動パターンPB1−7(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用される。
図44および図45に示すように、「リーチ後の回転図柄=5」の場合(所定演出示唆画像の数が3の場合)には、「リーチ後の回転図柄=4」の場合(所定演出示唆画像の数が2の場合)に比べて、所定演出が実行されやすい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別リーチ演出で表示される所定演出示唆画像の数が多いほど高い割合で所定演出を実行する。
また、リーチ後の回転画像が4種類(すなわち、特別リーチ演出において2つの所定演出示唆画像が使用される。)であって所定演出において2種類のキャラクタ画像が使用される場合には、それらに対応する画像が特別リーチ演出において所定演出示唆画像として使用される。リーチ後の回転画像が5種類(すなわち、特別リーチ演出において3つの所定演出示唆画像が使用される。)であって所定演出において2種類のキャラクタ画像が使用される場合には、3つの所定演出示唆画像には、所定演出で使用される2種類のキャラクタ画像が含まれる。
演出パターンA−1,B−1,C−1,D−1において所定演出で使用される画像の組み合わせが異なり、また、特別リーチ演出で使用される所定演出示唆画像の組み合わせが異なるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別リーチ演出で表示される所定演出示唆画像の組み合わせに応じて、異なる割合で所定演出を実行することになる。
なお、この実施の形態では、所定演出は、特別リーチ演出が実行された後に実行されるが、特別リーチ演出が実行されずに所定演出が実行されるようにしてもよい。その場合には、一例として、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβの変動パターンコマンドを受信した場合に、抽選によって、所定演出を実行するか否かと、所定演出の種類を決定すればよい。
さらに、特別リーチ演出が実行された後、特別リーチ演出で使用された回転画像(具体的には、所定演出示唆画像:図40(C)に示す例では、キャラクタ図柄99b,99c)を図柄表示エリアに停止表示する状態(図40(F),(G)参照)を経ることなく、直ちに所定演出における具体的な演出(図41(H)〜(K)に例示する演出、または図42(L)〜(O)に例示する演出に移行してもよい。すなわち、回転表示される所定演出示唆画像を停止させることなく、所定演出に移行してもよい。
図46は、図33に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を潜伏モード中演出設定処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
潜伏モード中演出設定処理演出(ステップS801):潜伏モード中(および通常モード中)に実行する煽り演出(各移行抽選演出、役物落下演出)を設定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動開始処理(ステップS802):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図47は、図33に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を潜伏モード中演出設定処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図48は、図46に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、いずれかの入賞時判定結果フラグ(入賞時判定結果1フラグ〜入賞時判定結果6フラグのいずれか)がセットされているか否かを確認する(ステップS820A)。いずれかの入賞時判定結果フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、セットされている入賞時判定結果フラグにもとづいて、連続予告演出の実行の有無および連続予告演出の演出態様を決定する連続予告決定処理を実行する(ステップS820B)。連続予告の演出態様は、例えば、複数の演出図柄の変動に亘って、演出図柄の変動開始時に演出図柄を光らせる演出態様である。
次いで、演出制御用CPU101は、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。また、RAMの表示結果指定コマンド格納領域から、受信した表示結果指定コマンドを読み出す(ステップS822)。
次に、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示特定指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS823)。演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図51は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。図51に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄(飾り図柄)の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS823の処理で、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った演出図柄の組合せ)を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
次いで、演出制御用CPU101は、継続演出(成否演出)の演出態様を設定する継続演出設定処理を実行する(ステップS824)。
図49は、ステップS824の継続演出設定処理を示すフローチャートである。継続演出設定処理において、演出制御用CPU101は、演出側変動回数カウンタの値が10,20,30のいずれかであるか否かを確認する(ステップS501)。演出側変動回数カウンタの値が10,20,30のいずれかであれば、現在のステージが通常ステージであるか否かを判定する(ステップS502)。現在のステージが通常ステージであるときは、処理を終了する。通常ステージでないときは、演出制御用CPU101は、突確又は小当り種別(潜伏状態の突入の契機となった当りが突確であるか小当りであるか、または小当りであるときはその種類)と、演出側変動回数カウンタの値に応じた継続演出の内容(成功または失敗)をRAMに継続演出設定領域にセットする(ステップS503)。
例えば、図4および図5に示すように、潜伏状態の突入の契機となった当りが突確であり、かつ、演出側変動回数カウンタの値が10,20または30であれば、「成功(継続)」をセットする。また、図4および図5に示すように、潜伏状態の突入の契機となった当りが小当りBであり、かつ、演出側変動回数カウンタの値が20であれば、「失敗(終了)」をセットする。
次に、演出制御用CPU101は、今回の変動の表示結果が突然確変大当りであるか否かを判定し(ステップS504)、突然確変大当りであれば、継続演出の内容を成功にセットする(ステップS505)。このような処理を行うことによって、突然確変大当りや小当りの遊技の終了後からの変動回数が10回目、20回目または30回目に突然確変大当りが発生した場合でも、継続演出を実行し、その継続演出において成功(継続)を報知することになる。
さらに、演出制御用CPU101は、今回の変動の表示結果が小当りであるか否かを判定し(ステップS506)、小当りであれば、低確率状態であり、かつ演出側変動回数カウンタの値が30であるか否かを判定する(ステップS507)。低確率状態であり、かつ演出側変動回数カウンタの値が30であるときは、継続演出の内容を失敗にセットし(ステップS508)、高確率状態であるか、または演出側変動回数カウンタの値が30でないときは、継続演出の内容を成功にセットする(ステップS509)。このような処理を行うことによって、突然確変大当りや小当りの遊技の終了後からの変動回数が30回目に小当りが発生した場合でも、継続演出を実行し、その継続演出において小当り後の遊技状態に応じた内容(成功(継続)または失敗(終了))を報知することになる。
また、演出制御用CPU101は、今回の変動の表示結果が15ラウンド大当りであるか否かを判定し(ステップS510)、15ラウンド大当りであれば、継続演出の内容を失敗にセットするとともに、継続演出の実行後に大当り報知する大当り報知演出をセットする(ステップS511)。このような処理を行うことによって、継続演出の実行タイミングにおいて大当りが発生した場合でも、継続演出を実行するので、継続演出が実行されないときに大当りとなることにより大当りが悟られてしまうことを防止することができる。なお、ステップS511では、継続演出の内容を失敗としているが、成功としてもよい。
ステップS501において、演出制御用CPU101が、演出側変動回数カウンタの値が10,20,30のいずれでもないと判定した場合は(ステップS501のN)、演出側変動回数カウンタの値が30未満であるか否かを判定し(ステップS512)、30未満であれば、今回の変動の表示結果が突確または小当りであるか否かを確認する(ステップS513)。今回の変動の表示結果が突確または小当りであれば、演出側変動回数カウンタの1桁目に0をセットする(ステップS514)。例えば、演出側変動回数カウンタの値が15であれば5を0にセットして10にする。このように、演出側変動回数カウンタの1桁目だけクリアし、2桁目をそのままの値とすることにより、潜伏状態中に突然確変大当りや小当りが発生しても、ステージ1から開始されずにそのままのステージから継続されることになる。
図50は、ステップS825の特別リーチ決定処理を示すフローチャートである。特別リーチ決定処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンが特別リーチ演出を伴うリーチ変動パターン(図10参照)であるか否か確認する(ステップS521)。
特別リーチ演出を伴うリーチ変動パターンである場合には、大当り/はずれ、大当りの種類(確変大当り/通常大当り)に応じた特別リーチ演出決定テーブル(図43〜図45参照)を選択する(ステップS522)。なお、ステップS522の処理で、演出制御用CPU101は、所定演出の有無に応じて異なるテーブルを選択する(図43〜図45参照)。
そして、演出制御用CPU101は、特別リーチ演出決定用乱数を抽出し(ステップS523)、乱数と選択した特別リーチ演出決定テーブルとによって特別リーチ演出の種類を決定する(ステップS524)。なお、所定演出が実行される場合には、ステップS524の処理で、所定演出の種類も決定される。
また、演出制御用CPU101は、特別リーチ演出を実行する旨と特別リーチ演出の種類(所定演出が実行される場合には所定演出の種類も)とをRAMに記憶する(ステップS525)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、継続演出の種類(継続演出を実行する場合)および特別リーチ演出(特別リーチ演出を実行する場合)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS831)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。
図52は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図52に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(ステップS833)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS834)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS835)。
図53は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS840A)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS840B)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS841)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS842)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS843)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出側変動回数カウンタの値が10,20,30であるか否かを確認し(ステップS845)、10,20,30であれば、継続演出設定領域にセットされている継続演出の態様に従って継続演出を実行する(ステップS846)。そして、継続演出の内容(成功・失敗)に応じて継続演出実行後のステージを更新し、現在のステージの内容を示すデータをステージ設定領域にセットする(ステップS847)。
次いで、演出制御用CPU101は、連続予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS848)。連続予告実行中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、決定されている演出態様の連続予告演出を実行する(ステップS849)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS853)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS852)、ステップS853に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図54は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、演出側変動回数カウンタの値が0であるか否かを確認し(ステップS860)、0でなければ演出側変動回数カウンタの値を1加算する(+1する)(ステップS861)。後述するように、15ラウンドの大当りが終了した後は演出側変動回数カウンタの値に0がセットされ(ステップS888A、S891参照)、演出側変動回数カウンタの値に0がセットされているときは、潜伏状態に制御されていないことを示す。ステップS850A,S850Bの処理が実行されることによって、潜伏状態に制御されている可能性があるときには演出側変動回数カウンタの値を1加算する処理が実行されるが、潜伏状態に制御されていないときには演出側変動回数カウンタの値を1加算する処理は実行されない。
そして、演出制御用CPU101は、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行い(ステップS862)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS863)。次いで、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS865)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS866)。
大当りにも小当りにもしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS867)。
図55は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンドを受信したことを示す大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンドを受信したことを示す大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS871)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS874)。
なお、大当り表示用のプロセス処理とは別に小当り表示用のプロセス処理を設けるようにし、小当りである場合には、例えば、所定期間(大入賞口が0.1秒間2回開放するのに十分な時間。例えば0.5秒間)、突然確変大当り時と同様の態様の演出を行うようにしてもよい。
また、小当りや突然確変大当りである場合に、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドの受信にもとづいて演出を実行するのではなく、演出制御用CPU101は、例えば、小当り/突然確変大当り用の変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を所定期間実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を行うためのプロセスデータをプロセス時間ごとに切り替え、切り替えたプロセスデータに従って演出を行う。
なお、ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。
図56は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)をリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了演出時間が経過している場合には(ステップS886のY)、演出制御用CPU101は、セットされていれば、連続予告実行中フラグをリセットする(ステップS887)。また、突確または小当りの終了であるか否かを確認し(ステップS888A)、突確または小当りの終了であれば、演出制御用CPU101は、演出側変動回数カウンタの値が0であるか否か、または、演出側変動回数カウンタの値が31より大きい値であるか否かを判定する(ステップS888B)。演出側変動回数カウンタの値が0であるということは、現在、潜伏状態に制御されていないことを意味し、また、演出側変動回数カウンタの値が31より大きい値であるということは、現在、通常状態(通常ステージ)に制御されていることを意味している。逆に、演出側変動回数カウンタの値が1以上30以下である場合は、現在、潜伏状態に制御されている可能性があることを意味している。ステップS888Bにおいて、演出側変動回数カウンタの値が0である、または、演出側変動回数カウンタの値が31より大きい値であると判定した場合は、演出制御用CPU101は、演出側変動回数カウンタに1をセットする(ステップS889)。また、ステージ1に変更する(ステップS890)。すなわち、現在のステージの内容を示すデータとしてステージ1を示すデータをステージ設定領域にセットする。これにより、突確・小当り遊技の終了後に潜伏状態に制御されることになる。ステップS888Bにおいて、演出側変動回数カウンタの値が1以上30以下であると判定した場合は、演出制御用CPU101は、ステップS889,S890の処理を実行せずに、ステップS892の処理に移行する。よって、潜伏状態中に突確・小当りが発生したときは、現在のステージが継続される。
突確または小当りでなければ、演出側変動回数カウンタに0をセットする(ステップS890)。これにより、15ラウンド大当り遊技の終了後は潜伏状態に制御されない(ステップS860,S861参照)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、継続演出を実行するタイミングで変動時間として継続演出を実行可能な変動時間を選択するので、継続演出の実行時間を確保することができる。さらに、突確や小当りの種類に応じて異なる継続演出の実行回数を設定するので、突確・小当りの終了後の演出が単調とならず遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、継続演出の実行タイミングの変動において所定の条件(突確・小当り)が成立したことにもとづいて確変状態(または確変時短状態)に制御されるときは、継続演出と同態様の演出において潜伏演出が継続される旨の報知を行うように構成されているので、既に実行している潜伏演出が途切れることがなく、不自然な演出が実行されてしまうことを回避することができる。
また、この実施の形態では、継続演出の実行タイミングの変動において大当りにすると決定されたときは、継続演出を実行した後に大当り図柄を導出表示するように構成されているので、継続演出の実行タイミングの変動において大当りにすると決定されたときでも、大当り図柄が導出表示されることを遊技者に悟られて演出効果を低下させてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、潜伏演出を実行する変動において所定の条件(突確・小当り)が成立したときは、潜伏演出の現在の態様(ステージ)を継続して実行するように構成しているので、潜伏演出を実行する変動において所定の条件が成立したときでも、既に実行している潜伏演出の態様(ステージ)が引き継がれるので、不自然な演出が実行されてしまうことを回避することができる。
実施の形態2.
図57は、大当り種別および小当り種別と、時短の有無と、潜伏演出の内容および長変動タイミングとの関係を示す説明図である。また、図58は、潜伏モード中の大当り種別および小当り種別に応じた継続演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
第1の実施の形態では、15ラウンドの通常大当りや15ラウンドの確変大当りの遊技の終了後に、潜伏状態(潜伏演出を実行する状態)に移行しないように制御されたが、第2の実施の形態では、15ラウンドの通常大当りや15ラウンドの確変大当りの遊技の終了後も、突然確変大当りや小当りの遊技の終了後と同様に、潜伏状態(潜伏演出を実行する状態)に移行するように制御される。
図51に示された例では、通常大当り図柄(非確変図柄)は左中右の演出図柄が偶数の同一図柄で揃った図柄の組み合わせであり、確変大当り図柄(確変図柄)は左中右の演出図柄が奇数の同一図柄で揃った図柄の組み合わせであるが、この実施の形態では、通常大当り図柄(非確変図柄)と確変大当り図柄(確変図柄)とを分けずに、左中右の演出図柄が同一図柄で揃った図柄の組み合わせを単に大当り図柄と定義する。そして、15ラウンドの大当り(通常大当り、確変大当り)の遊技後も常に潜伏状態(潜伏モード)に移行する。
図57に示すように、この実施の形態でも、大当り種別として、「15ラウンドの通常大当り」と、「15ラウンドの確変大当り」と、「2ラウンドの突然確変大当り(以下、単に「突確」という場合がある。)」とが設けられている。
しかし、図57および図58に示すように、この実施の形態では、小当り種別として、「小当りA」と「小当りB」とが設けられている。
図57の「時短」の欄に示すように、15ラウンド確変大当り(図57中「15R確変」と示す)では、大当り遊技の終了後、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで、確変状態でありかつ時短状態である確変時短状態(高確高ベース状態)に制御される。ただし、遊技者には、確変状態に制御されることを報知せずに、確変時短状態であるか単なる時短状態であるかはわからない潜伏状態に制御されていることを報知する。また、15ラウンド通常大当り(図57中「15R通常」と示す)では、大当り遊技の終了後からの図柄の変動回数が100回に達するまで時短状態(低確高ベース状態)に制御される。ただし、遊技者には、時短状態に制御されることを報知せずに、確変時短状態であるか時短状態であるかはわからない潜伏状態に制御されていることを報知する。また、突然確変大当り(図4中「突確」と示す)では、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変時短状態)であるときは、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで確変時短状態(高確高ベース状態)に制御され、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が低ベース状態(通常状態または確変状態)であるときは、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで確変状態(高確率状態であるが時短状態ではない遊技状態)に制御される。なお、上記の実施の形態1の場合と同様に、突然確変大当り遊技の終了後も潜伏状態(潜伏モード)に制御される。
また、小当りA,Bでは、いずれも、小当りが発生したときの遊技状態を引き継ぐ(すなわち、小当りが発生したときの遊技状態が変化しない)。なお、上記の実施の形態1の場合と同様に、小当り遊技の終了後も潜伏状態(潜伏モード)に制御される。
また、この実施の形態でも、図57および図58に示すように、潜伏状態において演出図柄の変動中に実行する演出を「潜伏演出」という。「潜伏演出」は、現在の遊技状態を示唆する演出上のステージ1〜3に分けられている。「ステージ1〜3」の各々は、演出表示装置9の背景画像の種類・色、演出図柄の種類・形・色、変動音(変動中の効果音)、LED25,28a〜28cの点灯パターン、役物200の動き、あるいはそれらの組み合わせというような潜伏演出の演出態様を変化させることによって区分けされる。
「ステージ1」が最も高確率状態に移行している可能性が低いステージであり、「ステージ2」が「ステージ1」よりも高確率状態に移行している可能性が高いステージであり、「ステージ3」が最も高確率状態に移行している可能性が高いステージである。なお、「高確ステージ」は現在の遊技状態が高確率状態に移行していることを報知するステージであり、「通常ステージ」は現在の遊技状態が低確率状態に移行していることを報知するステージである。また、「低確高ベースステージ」は現在の遊技状態が低確率状態でかつ高ベース状態に移行していること(つまり時短状態に移行していること)を報知するステージである。
図57および図58に示すように、15ラウンドの確変大当りの遊技が終了した後は、ステージ1に移行される。また、15ラウンドの通常大当りの遊技が終了した後も、ステージ1に移行される。そして、確変大当りや通常大当りの遊技の終了後の変動回数が10回毎に、潜伏状態(潜伏モード)が継続されるか否かを報知する継続演出を実行する。そして、継続演出において「成功(または継続)」が報知されたときは高確率状態に移行されている可能性の高いステージ(ステージ2,3など)に移行され、継続演出において「失敗(または終了)」が報知されたときは低確率状態に移行されていることを報知する通常ステージに移行される。また、継続演出において連続して3回「成功(または継続)」が報知されると、高確率状態に移行されていることを報知する高確ステージに移行される。このように、この実施の形態では、15ラウンドの大当りの遊技の後も潜伏状態に移行し、10変動毎に継続演出が実行される。
また、図57および図58に示すように、突然確変大当りや小当りA,Bの遊技が終了した後は、潜伏演出のステージ2に移行される。そして、突然確変大当りや小当りA,Bの遊技の終了後の変動回数が10回毎に、潜伏状態(潜伏モード)が継続されるか否かを報知する継続演出を実行する。そして、継続演出において「成功(または継続)」が報知されたときは高確率状態に移行されている可能性の高いステージ(ステージ3や高確ステージ)に移行され、継続演出において「失敗(または終了)」が報知されたときは低確率状態に移行されていることを報知する通常ステージに移行される。また、継続演出において連続して2回「成功(または継続)」が報知されると、高確率状態に移行されていることを報知する高確ステージに移行される。このように、この実施の形態では、第1の実施の形態の場合と異なり、潜伏状態に移行した後は継続演出はステージ2から開始され、継続演出は最大2回しか実行されず、2回連続して継続演出で成功(継続)が報知されたときに高確ステージに移行する。
図57に示す「長変動タイミング」の欄には、継続演出が実行されるタイミング(大当り遊技や小当り遊技の終了後からの変動回数)を示している。なお、「長変動タイミング」とは、継続演出が実行可能な変動時間(例えば30秒以上)の変動パターンが選択されるタイミングのことを意味している。図57および図58に示すように、「15R確変」の場合は、確変大当り遊技の終了後から10変動目、20変動目および30変動目に継続演出が実行され、全ての継続演出において成功(継続)が報知されることによって高確ステージに移行される。「15R通常」の場合は、通常大当りの遊技の終了後から10変動目、20変動目および30変動目に継続演出が実行され、最後の継続演出(30変動目の継続演出)において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。「突確」の場合は、突然確変大当り遊技の終了後から10変動目および20変動目に継続演出が実行され、全ての継続演出において成功(継続)が報知されることによって高確ステージに移行される。「小当りA」の場合は、小当りAの遊技の終了後から10変動目および20変動目に継続演出が実行され、最後の継続演出(20変動目の継続演出)において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。「小当りB」の場合は、小当りBの遊技の終了後から10変動目に継続演出が実行され、その継続演出(10変動目の継続演出)において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。
図57に示すように、上記の第1の実施の形態の場合と同様に、この実施の形態2でも、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、突確や小当りが発生した場合は滞在ステージ(現在実行中のステージ)を継続させるように制御する。なお、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、15ラウンドの確変大当りや通常大当りが発生した場合は滞在ステージ(現在実行中のステージ)を継続させずに、大当り遊技の終了後に新たにステージ1から制御する。15ラウンド大当りの場合は、大当り遊技が15ラウンド実行され、長い時間がかかってしまうため、大当り遊技後に滞在ステージを継続させて潜伏演出が途切れていないように見せることが困難であるからである。ただし、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、15ラウンドの確変大当りや通常大当りが発生した場合は滞在ステージ(現在実行中のステージ)を継続させるようにしてもよい。
図57および図58に示すような制御を実現する場合、図29に示された大当り終了処理において、通常大当りの場合(ステップS166のN)に変動回数カウンタに30をセットし、確変大当りの場合(ステップS170のY)も変動回数カウンタに30をセットし、突然確変大当りの場合(ステップS170のN)は変動回数カウンタに20をセットする。また、図30に示された小当り終了処理のステップS191において、小当り種別A,Bに応じた値、すなわち、小当りAのときは20をセットし、小当りBのときは10をセットする。
以上のように、第2の実施の形態は、大当りや小当りの遊技の終了後に低ベース状態に制御されるときは高ベース状態に制御されるときよりも継続演出の実行回数を少ない回数とし、また少ない回数の継続演出において成功が報知されることによって高確ステージに移行するように構成されているので、低ベース状態にて実行される潜伏演出では確変状態(高確率状態)に制御されている旨を報知するタイミングが早まるため、大当りや小当りになったにもかかわらず低ベース状態になってしまったことによる遊技者の落胆を緩和することができる。
また、第2の実施の形態では、2ラウンドの突確や小当りに制御されるよりも15ラウンド大当りに制御される方が継続演出の実行回数を少ない回数とし、また少ない回数の継続演出において成功が報知されることによって高確ステージに移行するように構成しているので、遊技者に付与する遊技価値の低い突確や小当りが終了した後はに高確率状態に制御されている旨を報知するタイミングが早まるため、遊技価値の低い突確や小当りになってしまったことによる遊技者の落胆を緩和することができる。
また、上記の各実施の形態では、継続演出の実行タイミングの変動は、突確や小当りの遊技の終了後から10回目、20回目、30回目の変動であるが、そのような構成に限られず、8回目、16回目、24回目というように10回とは異なる特定回数毎の変動であってもよいし、5回目、12回目、20回目というように特定回数毎の変動でなくてもよい。
また、上記の各実施の形態では、継続演出の実行タイミングの変動において継続演出が実行されないときに、大当りの期待度が高い(または大当り確定)になるようにしてもよい。また、潜伏演出の実行中に突確や小当りが発生したときに、ステージが継続されない場合は高確率状態が確定するようにしてもよい。例えば、ステージ2において突確等が発生した場合は、ステージ2が継続するはずであるが、ステージ2を継続せずにステージ1またはステージ3に移行したときなどは、高確率状態が確定するように制御する。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側(メイン側)と演出制御用マイクロコンピュータ100側(サブ側)の両方で変動回数をカウントするカウンタ(変動回数カウンタ、演出側変動回数カウンタ)を用いていたが、そのような構成に限られるわけではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560側だけカウンタ(変動回数カウンタ)を備え、そのカウンタで変動回数をカウントするようにしてもよい。このとき、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では、継続演出を行う変動時には、継続演出専用の変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、継続演出専用の変動パターンを受信したときに、記憶している突然確変大当り・小当りの種類の情報と、現在のステージの情報にもとづいて継続演出を実行する。このような構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100側の制御処理が簡略化され、制御負担を軽減することができる。
また、上記の実施の形態において、潜伏状態におけるステージの途中で突確・小当りが発生したときは、そのときのステージを継続するが、同じステージにおけるゲーム数(演出側変動回数カウンタの1桁目)をリセットして再びカウントするように構成していた(図49のステップS513,S514参照)。しかし、そのような構成に限らず、ステージにおけるゲーム数をリセットせずに、突確・小当りがステージの途中で発生したか否かにかかわらず、各ステージにおいて10ゲームを消化したときに(各ステージにおける10回の変動が終了したときに)必ず継続演出を実行するように構成してもよい。
図59は、変形例における演出制御用マイクロコンピュータが用いる乱数を示す説明図である。変形例では、擬似連・特別リーチ演出決定用乱数SR2が使用される。擬似連・特別リーチ演出決定用乱数SR2は、特別演出の種類(具体的には、リーチ状態になった後に表示される演出図柄の候補の画像と所定演出を示唆する所定演出示唆画像との数および種類)または擬似連演出(1回の変動中に1回以上演出図柄が仮停止表示および再変動される。)の態様を決定するために用いられる。
図60は、変形例における演出図柄の変動態様の一例を示す説明図である。図60には、チャンス目(例えば、左中右図柄が「1」「1」「2」)で仮停止した後に演出図柄が再変動するリーチなし(再変動あり)の変動態様、リーチ演出が実行された後に擬似連図柄で仮停止した後に演出図柄が再変動し、その後再びリーチ演出が実行されるリーチあり(再変動あり)の変動態様、特別リーチ演出が実行される特別リーチの変動態様、特別リーチ演出と再変動とリーチ演出とが実行される特別リーチ(再変動あり)の変動態様、特別リーチ演出と所定演出とが実行される特別リーチ(所定演出)の変動態様が例示されている。
なお、擬似連図柄は、通常の変動では使用されない図柄であって擬似連演出が実行されるときにのみ使用される図柄であるが、本変形例では、所定演出示唆画像の1つまたは複数と同じである。
また、特別リーチ(再変動あり)の変動態様では、特別リーチ演出において、演出表示装置9の表示画面の中央部で擬似連図柄を含む所定演出示唆画像が回転表示され(回転表示については図40(C)参照)、その後、中図柄として擬似連図柄が仮停止表示された後に再変動が行われる。
図61および図62は、変形例における演出パターン決定テーブルを示す説明図である。図61および図62は、リーチ演出を伴わないはずれの場合に使用されるテーブルと、リーチ演出を伴うはずれの場合に使用されるテーブルとが例示されている。
変形例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、はずれにすることが決定されている場合であって例えばPA3−1(図10参照)の変動パターンを示すコマンドを受信した場合に、100%の割合でリーチなし(再変動あり)の変動態様の変動を実行する。また、PA3−8の(図10参照)の変動パターンを示すコマンドを受信した場合に、上記の実施の形態の場合と同様に特別リーチ演出および所定演出を伴う変動態様の変動を実行するが所定の割合で(図62参照)、リーチあり(再変動あり)の変動態様または特別リーチ(再変動あり)の変動態様の変動を実行する。
図60に示すように、リーチ演出を含む変動パターンに従って可変表示を行うときには、リーチ態様になる前またはリーチ態様になった後に演出図柄を仮停止させることがあるが、リーチ演出を含まない変動パターンに従って可変表示を行うときには、リーチ態様になった後に演出図柄を仮停止させることはない。そのような制御を行うことによって、リーチ態様が表示されて大当りに対する遊技者の期待感が向上した後にリーチ演出が実行されないことによって落胆させられるような状況が発生することは防止される。
なお、図60には仮停止が1回行われる例が示されているが、2回以上の仮停止が行われる変動態様があってもよい。
以上のように、上記の各実施の形態および変形例では、所定演出が実行されてから大当り遊技状態に制御されたときと、特別リーチ演出が実行された後所定演出が実行されずに大当り遊技状態に制御されたときとで、異なる価値(具体的には、確変状態になる割合)が付与されるが、付与される価値は遊技者にとって有利な度合等であれば、確変状態に限られない。
確変状態になる割合以外の付与される価値として、一例として、大当り後の時短回数(時短状態における許容変動回数)や、大当り遊技におけるラウンド数、大当り遊技中や大当り遊技終了後に表示される特殊な画像(遊技者に意外感や期待感を与えるような画像、あるいは遊技者が所持する端末装置(携帯端末)で撮影することにより所定のデジタルコンテンツを取得するための2次元コードを示す画像)がある。
また、上記の各実施の形態および変形例では、特別リーチ演出における所定演出示唆画像の数に応じて期待度を異ならせたが、識別情報の候補の画像や所定演出示唆画像のサイズまたは表示順等に応じて期待度を異ならせるようにしてもよい。例えば、大きく表示された識別情報の候補の画像を最終停止表示される可能性が高い画像(図柄)にしたり、遅くに表示される識別情報の候補の画像を最終停止表示される可能性が高い画像(図柄)にしたりしてもよく、特定の所定演出示唆画像が大きく表示されると期待度が高くなったり、特定の所定演出示唆画像が遅くに表示されると期待度が高くなったりするようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態および変形例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、変動パターンを決定するときに、所定演出を含む変動パターンや所定演出を含まない変動パターンを選択するようにしたが(図10参照)、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560が所定演出を実行するか否か決定するとともに決定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、所定演出の有無を演出制御用マイクロコンピュータ100が決定するようにしてもよい。
そのように構成する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定演出の有無の情報を含む変動パターンを選択しない。換言すれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって選択され得る変動パターンには、所定演出の有無に関する情報は含まれない。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンにもとづく可変表示が終了した後大当りになるか否かや、確変状態に移行するか否かや、受信した変動パターンコマンドに応じた変動時間等に応じて、所定演出を実行するか否かと、実行する場合の演出態様(所定演出示唆画像の数および種類)、所定演出で使用するキャラクタの態様(キャラクタの数や種類)を決定する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りになるか否かや確変状態に移行するか否かを、例えば、受信した表示結果指定コマンド(図15参照)で判定する。
次に、図63〜図68を参照して、特別図柄、第4図柄、普通図柄の表示装置(または表示領域)を複数の表示部(または表示領域)で構成した場合の変形例について説明する。なお、第4図柄とは、飾り図柄と特別図柄と普通図柄とに次ぐ第4の図柄である。この変形例は、各図柄の表示装置(または表示領域)を複数で構成することによって、可変表示が行われているのか、あるいは、停止図柄の導出表示が行われているのかを、遊技者が把握しやすくしたものである。
この変形例において、打球発射装置が操作された状態(所定角度回転された状態)では、遊技球が0.6秒間隔で遊技領域に発射される。そして、可変入賞球装置15は、所定の発射強度で発射(例えば左打ちや右打ちなど)された遊技球が、可変入賞球装置15が拡大開放状態となっているときに高い割合で第2始動入賞口14に入賞する位置に設けられているものとする。
例えば、遊技領域には可変入賞球装置15へと遊技球が誘導されるようにくぎや構造物が設けられていればよい。より具体的には、通過ゲート32が遊技領域の右側(例えば、演出表示装置9の右側)にも設けられており、遊技領域の右側に発射された(右打ちされた)遊技球は、右側の通過ゲート32を通過した後に、高い割合で可変入賞球装置15に誘導されるように、構造物が設けられていれていてもよい。この場合、右打ちされた遊技球は、第1始動入賞口13には入賞しにくい、または入賞しないようにしてもよい。このようにすることで、可変入賞球装置15にて第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい高ベース状態においては、遊技者は右打ちにより遊技を行うようになる。
この場合、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bを複数の表示部(例えば第1表示部及び第2表示部)で構成してもよい。図63は、第2特別図柄表示器8bを第1表示部(LED405)と第2表示部(7セグメントLED406)とで構成した場合に、第2特別図柄の変動中(可変表示中)および変動停止時(停止図柄の導出表示時)における第2特別図柄表示器8bの表示態様を示している。図63(a)に示すように、第2特別図柄の可変表示中は、LED405が所定のパターンで点滅し、このとき7セグメントLED406は全セグメントが消灯状態となっている。そして変動時間が経過すると、LED405が消灯状態となり、7セグメントLED406のセグメントのうちの所定のセグメントが点灯状態となることにより表示結果が導出表示される。例えば、図63(b)に示すように、大当りの場合には「9」を形成する各セグメントが点灯状態となり、はずれの場合には「−」を形成するセグメントが点灯状態となる。なお、この図63の例では、第2特別図柄の変動中及び変動停止時における第2特別図柄表示器8bの表示態様を例示しているが、第1特別図柄の変動中(可変表示中)及び変動停止時(停止図柄の導出表示時)における第1特別図柄表示器8aの表示態様も、これと同様である。なお、第1特別図柄表示器8aは、第1表示部(LED403)と第2表示部(7セグメントLED404)とで構成される。
この変形例において、特別図柄の変動時間は、変動パターン毎に異なるが、特別図柄の確定表示時間(表示結果が7セグメントLED406などに導出表示されている期間)は、一律0.5秒であるものとする。但し、特別図柄の確定表示時間が経過した後に次の可変表示が直ちに開始されない状態(大当り遊技状態や合算保留記憶数が0となった状態)においては、最後に実行された可変表示の表示結果が7セグメントLED406などに継続して表示されるものとする。
ここで、高ベース状態においては、変動パターンのうち変動時間が極めて短い変動パターン(超短縮変動パターン)が選択され、特別図柄の変動時間が200ミリ秒(0.2秒)となる場合がある。そして、仮に、この変形例のような第1表示部(LED405)と第2表示部(7セグメントLED406)の複数の表示部を有さず、単一の表示部のみで超短縮変動パターンの可変表示と停止図柄の導出表示を行うものとした場合、変動時間が極めて短いため、特別図柄の変動中であるか停止図柄が表示されているのかを遊技者が把握することができない。例えば、単一の7セグメントLEDを用いて、各セグメントをリレー式に点灯させて可変表示を行い、変動時間の経過時に停止図柄を導出表示するようにしても、7セグメントLEDが可変表示中であるか停止図柄の導出表示中であるかを遊技者が判別するのは困難または不可能になる。この変形例では、第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bがそれぞれ、第1表示部と第2表示部となるLEDを分離して備えているので、特別図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
画像表示装置9の表示領域における右上方部には、第4図柄表示領域9a〜9dが設けられてもよい(図64参照)。この変形例では、第1特別図柄の可変表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の可変表示が行われる第1表示部としての第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aと、第1特別図柄の停止表示(停止図柄の導出表示)が行われているときに第1特別図柄用の第4図柄の停止表示(赤色表示又は青色表示)が行われる第2表示部としての第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bとが設けられている。また、第2特別図柄の可変表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の可変表示が行われる第1表示部としての第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の停止表示(停止図柄の導出表示)が行われているときに第2特別図柄用の第4図柄の停止表示(赤色表示又は青色表示)が行われる第2表示部としての第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
第1特別図柄の可変表示中には、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aが所定の表示色(例えば黒色)での表示(点灯)と非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)とを、所定の時間間隔で繰り返し継続することで、第1特別図柄用の第4図柄を更新表示する。このときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bが非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)となることで一定の表示状態となる。第1特別図柄の可変表示結果が導出表示(停止表示)されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aを所定の表示色で表示(例えば黒色表示)することで第4図柄の更新表示を停止して一定の表示状態となる。このときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bを第1特別図柄の可変表示結果に応じた所定の表示色で表示(点灯)することで第4図柄の可変表示結果を導出表示(停止表示)する。例えば第1特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」の場合には第4図柄表示領域9bを赤色表示とする一方、第1特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」の場合には第4図柄表示領域9bを青色表示とすればよい。
第2特別図柄の可変表示中には、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cが所定の表示色(例えば白色)での表示(点灯)と非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)とを、所定の時間間隔で繰り返し継続することで、第2特別図柄用の第4図柄を更新表示する。このときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dが非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)となることで一定の表示状態となる。第2特別図柄の可変表示結果が導出表示(停止表示)されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cを所定の表示色で表示(例えば白色表示)することで第4図柄の更新表示を停止して一定の表示状態となる。このときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを第2特別図柄の可変表示結果に応じた所定の表示色で表示(点灯)することで第4図柄の可変表示結果を導出表示(停止表示)する。例えば第2特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」の場合には第4図柄表示領域9dを赤色表示とする一方、第2特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」の場合には第4図柄表示領域9dを青色表示とすればよい。
このように、第1特別図柄表示装置8a(より具体的にはLED403)における第1特図の可変表示と同期して、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおける第1特別図柄用の第4図柄が可変表示される。また、第2特別図柄表示装置8b(より具体的にはLED405)における第2特図の可変表示と同期して、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第2特別図柄用の第4図柄が可変表示される。ここで、同期とは、可変表示の開始時点と終了時点が同じであって、可変表示の期間が一致することをいう。
図64は、第2特別図柄用の第4図柄が可変表示(変動表示)および導出表示(変動停止)されるときの表示態様を示している。第2特別図柄の可変表示中には、図64(a)に示すように、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cが所定のパターンで白色表示と非表示を繰り返すことで点滅する。このとき、第4図柄表示領域9dは非表示の状態となっている。また、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aは、点灯状態(黒色表示の状態)にあり、第4図柄表示領域9bは非表示の状態となっている。そして特図変動時間が経過して第2特別図柄の可変表示結果が導出表示されるときには、図64(b)に示すように、第4図柄表示領域9cが点灯状態(白色表示)となり、第4図柄表示領域9dが表示結果に応じた点灯状態となる。例えば第2特別図柄の可変表示結果が「大当り」であれば赤色表示となる一方、第2特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」であれば青色表示となる。第1特図(第1特別図柄)の可変表示中(変動表示中)と導出表示時(変動停止時)における第4図柄表示領域9a、9bの表示態様も、これと同様であればよい。
このように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域は、第4図柄表示領域9aと第4図柄表示領域9bとからなり、別表示部として分離している。第2特別図柄用の第4図柄表示領域は、第4図柄表示領域9cと第4図柄表示領域9dとからなり、別表示部として分離している。仮に、複数の表示部を設けずに、単一の表示部のみで超短縮変動パターンに対応した第4図柄の可変表示と停止図柄の導出表示を行うものとした場合、変動時間が極めて短いために、第4図柄の可変表示中であるか停止図柄の導出表示中であるかを遊技者が把握することが困難または不可能になるという問題が生じる。この変形例では、第4図柄の可変表示が行われる第1表示部(第1特別図柄用の第4図柄表示領域9a、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9c)と、第4図柄の導出表示が行われる第2表示部(第1特別図柄用の第4図柄表示領域9b、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9d)とを分離して備えているので、第4図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
普通図柄表示器10は、LED401、402を備えて構成されてもよい。図65は、普通図柄の可変表示中(変動表示中)と導出表示時(変動停止時)における普通図柄表示器10の表示態様を示している。普通図柄の可変表示中には、図65(a)に示すように、LED401が所定のパターンで点滅する点滅状態になることで普通図柄を更新表示する一方、LED402を消灯状態とすることで一定の表示状態とする。普通図柄の可変表示結果を導出表示(停止表示)するときには、LED401を消灯状態とすることで普通図柄の更新表示を停止して一定の表示状態とする一方、普図表示結果が「普図当り」の場合にはLED402を点灯状態とし、普図表示結果が「普図ハズレ」の場合にはLED402を消灯状態とすることで、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を表示する。
この変形例において、高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われるときに、普通図柄の変動時間が短縮されることになる(例えば0.2秒など)。なお、普通図柄の図柄確定停止時間(表示結果が7セグメントLED402に導出表示されている期間)は、一律に0.5秒であるものとする。普通図柄表示器10には、LED401、402が別表示部として分離して設けられている。仮に、複数の表示部を設けずに、単一の表示部のみで普通図柄の可変表示と停止図柄の導出表示を行うものとした場合、普通図柄の変動時間が極めて短いために、普通図柄の可変表示中であるか停止図柄の導出表示中であるかを遊技者が把握することが困難または不可能になるという問題が生じる。例えば、単一のLEDを用いて、点滅により可変表示を行い、変動時間の経過後に停止図柄を導出表示(当りなら点灯、はずれなら消灯)するようにしても、そのLEDが可変表示中であるか又は停止図柄が導出表示されたのかを遊技者が判別するのは極めて困難である。この変形例では、普通図柄の可変表示が行われる第1表示部としてのLED401と、普通図柄の導出表示が行われる第2表示部としてのLED402とを分離して備えているので、普通図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
この変形例では、例えば図66に示すように、遊技球が通過ゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間((1)ゲート通過〜(2)可変入賞球装置到達までの期間)T1は、遊技球が通過ゲート32を通過したことに基づいて普図ゲームが開始されてから普図表示結果が「普図当り」となって可変入賞球装置15において第2始動入賞口14が開放状態となるまでの期間((1)ゲート通過〜(4)開までの期間)t1よりも長くなる。また、上記の期間T1は、遊技球が通過ゲート32を通過したことに基づいて普図ゲームが開始されてから普図表示結果が「普図当り」となったことに基づく第2始動入賞口14の開放状態が終了するまでの期間((1)ゲート通過〜(5)閉までの期間)t2よりも短くなるように、高ベース状態における普通図柄の変動時間と可変入賞球装置15の開放時間を制御するようにしている。
すなわち、t1<T1<t2となるように、高ベース状態における普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)と可変入賞球装置15における第2始動入賞口14の開閉制御時間とを制御(設定)する。これにより、通過ゲート32を通過した遊技球は、そのまま第2始動入賞口14を通過(進入)することができる。こうして、高ベース状態において通過ゲート32を通過した遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)せずにアウト口26へと導かれて無駄になることを抑制し、遊技者が不利益になることを防止して遊技意欲を低下させないようにしている。
なお、通過ゲート32から可変入賞球装置15までの間に障害釘が多数配置される場合がある。この場合、遊技球の発射間隔が一定(例えば0.6秒間隔)であっても、各遊技球が通過ゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間T1には、遊技球が障害釘に衝突することによるばらつきが生じる。その結果、遊技球が通過ゲート32を通過して、これに伴う可変入賞球装置15の開放制御期間中に第2始動入賞口14を通過(進入)する場合(t1<T1<t2となる場合)もあれば、開放制御期間より前または開放制御期間より後に可変入賞球装置15へと到達する場合(t1>T1またはT1>t2となる場合)もある。後者の場合を極力抑制するために、期間T1の平均値または中央値が、可変入賞球装置15における第2始動入賞口14の開放開始から開放終了までの中間時点(図66に示す(4)開と(5)閉との中間時点)となるように、可変入賞球装置15を制御することが望ましい。具体的には、T1の平均値または中央値に、(t2−t1)/2が合致するように、可変入賞球装置15の開放開始(t1)のタイミングと、開放終了(t2)のタイミングを制御すればよい。このようなタイミング制御を行うことで、T1の平均値または中央値から離れた場合でも、通過ゲート32を通過したより多くの遊技球を第2始動入賞口14に入賞させることができる。
第2始動入賞口14を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ15aによって検出されたことに基づいて、1個の遊技球が賞球として払い出されるようにしてもよい。このように、第2始動入賞口14の入賞による賞球数を「1」とした場合、高ベース状態において、仮に発射された遊技球の全部が第2始動入賞口14を通過(進入)しても、発射された遊技球の数を超えた賞球が払い出されることはなく、高ベース状態において遊技者が過度に有利になることはない。したがって、所定の遊技領域(例えば右遊技領域)に向けて発射(右打ち)された遊技球が極めて高い確率で第2始動入賞口14を通過(進入)するように、遊技領域を構成することができる。
パチンコ遊技機1における遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒といった、一定の間隔に設定されている。一方、高ベース状態における普通図柄の変動時間を0.2秒に設定して、普通図柄の可変表示結果となる停止図柄の表示期間(図柄確定表示時間)を0.5秒に設定する。すなわち、高ベース状態では、およそ0.7秒の周期で普通図柄の可変表示が実行され、その周期は遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね一致している。このように、遊技球が通過ゲート32を通過したことに基づいて普通図柄の可変表示が開始されてから、普図表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口14が開放状態(または拡大開放状態)となるまでの期間や、普図表示結果が「普図ハズレ」となって次回の可変表示が開始されるまでの期間は、遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね同一になる。これにより、高ベース状態であるときに通過ゲート32を通過したが第2始動入賞口14を通過(進入)せずにアウト口26へと導かれて無駄になる遊技球の発生を抑制して、遊技意欲の低下を防止することができる。なお、これらの期間は、遊技球の発射間隔以下となるように制御(設定)されてもよい。このようにしても、遊技球の発射間隔と概ね同一になる場合と同様の効果を得ることができる。
上記の変形例では、可変入賞球装置15が通過ゲート32の下流にあり、通過ゲート32を通過した遊技球が開放状態となった可変入賞球装置15において第2始動入賞口14に入賞可能であるものとして説明した。これに対して、通過ゲート32の上流に可変入賞球装置が設けられるようにしてもよい。図67(a)および(b)に示す構成例では、可変入賞球装置15’が通過ゲート32’の上流に設けられている。可変入賞球装置15’では、ソレノイド16cによる可動翼片の傾動制御に応じて第2始動入賞口14cが閉鎖状態と開放状態とに変化する。このような構成例において、左遊技領域7A(遊技領域の左側)に向けて発射(左打ち)された遊技球は、可変入賞球装置15’において第2始動入賞口14cが開放状態であるときに、第2始動入賞口14cを通過(進入)しやすい。第2始動入賞口14cを通過(進入)した遊技球は、第2始動口スイッチ14a’によって検出される。第2始動入賞口14cを通過(進入)しなかった遊技球は、所定の釘の配列や画像表示装置9の外枠等によって誘導され、可変入賞球装置15’の左下方に設けられた通過ゲート32’を高い確率で通過する。通過ゲート32’を通過した遊技球はゲートスイッチ32cにより検出される。
図68は、図67(a)および(b)に示すような構成例において、普通図柄の可変表示期間と可変入賞球装置15’における第2始動入賞口14cの状態(閉鎖状態または開放状態)との関係を示している。図68に示す関係において、期間t1は、第1の遊技球が通過ゲート32’を通過したことに基づいて普図ゲームが開始されてから普図表示結果が「普図当り」となって可変入賞球装置15’において第2始動入賞口14cが開放状態となるまでの期間である。期間t2は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示が開始されてから普図表示結果が「普図当り」となったことに基づく第2始動入賞口14cの開放状態が終了するまでの期間である。期間T2は、第1の遊技球が通過ゲート32’を通過してから直後(例えば第1の遊技球が発射されてから0.6秒後)に発射された第2の遊技球が可変入賞球装置15’に到達するまでの期間である。そして、期間T2は、期間t1よりも長くなるとともに期間t2よりも短くなるように、設定されている。
すなわち、t1<T2<t2となるように、高ベース状態における普通図柄の変動時間と可変入賞球装置15’における第2始動入賞口14cの開閉制御時間とを制御(設定)する。これにより、第2の遊技球が可変入賞球装置15’に到達したときに、未だ第2始動入賞口14cが開放状態となっていないことや(t1>T2となること)、既に開放状態が終了していること(T2>t2となること)を防止して、可変入賞球装置15’における第2始動入賞口14cへの入賞率を高めることができる。
この場合、第1の遊技球が第2始動入賞口14cを通過(進入)せずに可変入賞球装置15’から通過ゲート32’へと到達するまでの時間と、期間t1に対応する時間との加算値は、遊技球の発射間隔である0.6秒と同一または発射間隔よりも短くなるように設定してもよい。このような設定では、第2始動入賞口14cが閉鎖状態であるときに、第1の遊技球が通過ゲート32’を通過したことに基づく普図ゲームが開始され、その普図表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口14cが開放状態となることで、第2の遊技球が第2始動入賞口14cを通過(進入)することができる。例えば、第1の遊技球が第2始動入賞口14cを通過(進入)せずに可変入賞球装置15’から通過ゲート32’まで到達するまでの時間が0.2秒である場合に、期間t1を0.4秒程度またはこれより短い時間となるように設定すればよい。
高ベース状態において普図表示結果が「普図当り」となったときに第2始動入賞口14cの開放回数が通常状態よりも増加する場合には、普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示が開始されてから第2始動入賞口14cが最初に開放状態となるまでの期間をt1とし、普通図柄の可変表示が開始されてから第2始動入賞口14cを最後に開放状態とする制御が終了するまでの期間をt2としてもよい。この場合にも、通過ゲート32を通過した遊技球が第2始動入賞口14cを通過(進入)しやすくなり、また、第2の遊技球が第2始動入賞口14cを通過(進入)しやすくなって、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
この変形例では、高ベース状態における特別図柄の変動時間を最短で200ミリ秒(0.2秒)としており、この超短縮変動パターンで可変表示結果が「ハズレ」または「大当り」となる変動パターンは、特に可変表示結果が「ハズレ」の場合に比較的高い確率で選択される。こうした特別図柄の変動時間が最短時間である0.2秒を、停止図柄の表示期間(特図確定表示時間)である0.5秒と加算すると0.7秒になる。すなわち、高ベース状態では、およそ0.7秒の周期で特別図柄の可変表示が実行され、その周期は遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね一致している。
このように、高ベース状態における特別図柄の可変表示が実行される周期は、遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね同一になる。これにより、高ベース状態において右遊技領域(遊技領域の右側)に向けて発射(右打ち)された遊技球が高い確率(例えば90%)で第2始動入賞口14cを通過(進入)したとしても、第2特図保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達する可能性が低下して、第2始動入賞口14cを通過(進入)したことによる始動条件(第2始動条件)の成立が無効(特図ゲームが実行されない無効入賞)になる頻度を抑制することができる。
この変形例では、期間t2を、普通図柄の可変表示が開始されてから可変入賞球装置15または可変入賞球装置15’が開放状態に制御され、その開放状態が終了するまでの期間としたが、高ベース状態において普通図柄の表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置15や可変入賞球装置15’の開放回数が高められるようにした場合には、普通図柄の可変表示が開始されてから可変入賞球装置15や可変入賞球装置15’が最初の開放状態となる開始タイミングまでを期間t1とし、普通図柄の可変表示が開始されて可変入賞球装置15や可変入賞球装置15’が最後の開放状態となった後の終了タイミングまでを期間t2としてもよい。この場合にも、通過ゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15の第2始動入賞口14を通過(進入)する確率や、通過ゲート32’を第1の遊技球が通過した後に第2の遊技球が可変入賞球装置15’の第2始動入賞口14cを通過(進入)する確率を、高めることができる。
超短縮変動パターンは、高ベース状態においてのみ選択される。高ベース状態で超短縮変動パターンに決定されたときには、例えば「射撃」の演出態様といった、主に遊技状態が高ベース状態で超短縮変動パターンによる変動(超短縮変動)のときにのみ実行される先読み予告演出が実行されてもよい。演出制御用CPU101は、高ベース状態で先読み射撃演出パターンが未だ決定されていなければ、可変表示結果が「大当り」を示す図柄指定コマンドを受信したか否かなどに応じた所定割合で、先読み射撃演出を行うか否かを決定すればよい。そして、先読み射撃演出を実行すると決定したときには、複数の先読み射撃演出パターンのうちいずれかを選択して、使用パターンに設定すればよい。
先読み射撃演出パターンには、例えば、弾痕を保留記憶に応じて当り位置へと近づける演出パターン(図72、図79参照)や、複数の保留記憶に対応した弾痕の位置まとめ表示する演出パターンなどが含まれている。先読み射撃演出パターンの設定は、今回の変動表示から先読み予告の対象となった保留記憶の変動表示(たとえば4回の変動表示)までの複数回の演出表示パターン(例えば「1発目」、「2発目」、「3発目」、「4発目」の弾痕が順にターゲット1500の中心に近づける演出パターン)を事前に決めて設定しておくものである。そして、一旦設定されれば、その複数回分の変動表示での演出が順次実行される。
こうして、高ベース状態では超短縮変動となり変動時の演出として「射撃」の演出態様が実行される。一方、遊技状態が高ベース状態でなければ、変動時の演出として「射撃」の演出態様が実行されることはない。
通常の変動時の演出では、変動期間内で演出音を出力、または動画像を表示している。例えば、通常の変動時の演出では、変動が開始すると同時に演出音が出力され、動画像が表示され、変動が終了すると同時に演出音の出力、および動画像の表示が停止される。しかし、超短縮変動は変動期間が極めて短いため、変動期間で演出を終了すると遊技者が超短縮変動を十分に把握することができないおそれがあり、変動期間が終了後も演出が継続するような演出態様の先読み予告演出を採用する必要がある。変動期間が終了後も演出が継続するような演出態様(変動の開始時点から当該可変表示の終了時点までの期間よりも長い期間の演出音を出力、または動画像を表示する演出態様)の場合、複数の超短縮変動が連続して実行されると、超短縮変動に対応した演出音がスピーカ27から出力中に、別の超短縮変動に対応した演出音の出力がスピーカ27から開始されることになる。また、超短縮変動に対応した動画像が演出表示装置9に表示中に、別の超短縮変動に対応した動画像の表示が演出表示装置9で開始されることになる。
別の超短縮変動に対応した演出音を同じチャンネルを用いてスピーカ27から出力が開始されると、既に開始されている超短縮変動に対応した演出音の出力が途切れることになり、また別の超短縮変動に対応した動画像を同じ表示領域に表示を開始すると、既に開始されている超短縮変動に対応した動画像の表示に重なることになり、遊技者にとって超短縮変動に対応した演出を正しく把握することが困難になる。具体的に、図75に示すように「射撃」の演出態様において、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)と、2回目の超短縮変動に対応して開始された2発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)とが重なり、それぞれの超短縮変動に対応した演出を遊技者が正しく把握することができない。なお、発射音(演出音)は、理解を容易にするために、吹き出しとして図示してある。
そこで、超短縮変動に対応した演出音を出力するチャンネルを切替え、超短縮変動に対応した動画像を表示する表示領域を切替えるようにしてもよい。例えば演出音を出力するチャンネルを切替えるために、音声出力基板70に搭載された音声合成用IC703は、図71に示すような構成を有していればよい。この音声合成用IC703は、SSG音源と高性能圧縮音声再生機能を併せ持つ自動演奏LSIであればよい。
図71に示す構成において、CPUインタフェース711は、演出制御用CPU101と接続するためのインタフェースであって、演出制御用CPU101からの情報や信号を入力する。音声合成用IC703は、音声データROM(外部ROM)704に格納されているAMMデータ形式のフレーズデータをPCMデータにデコードして出力するAMMデコーダ714と、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を独自に発生して出力するSSG音源715とを備えている。
AMMデコーダ714は、演出制御用CPU101からの命令(コマンド)により、AMMデータ形式に圧縮されたフレーズデータを音声データROM704(図71では外部ROM)から読み出し、読み出したフレーズデータをPCMデータ(Pulse Code Modulation)にデコード(復号化、伸張)する。また、AMMデコーダ714は、演出制御用CPU101からの命令に従って、ボリューム、パン(ステレオ再生したときの、音が聞こえる定位(方向)を設定する機能)およびバスブースト(低音強調)を制御する機能を備えている。図71に示す構成例では、AMMデコーダ714には、音声の再生チャンネルとして8チャンネル(ch0〜ch7)が設けられ、独立した8フレーズの同時再生が可能である。偶数再生チャンネルはモノラル、ステレオフレーズのデコードが可能であり、奇数再生チャンネルはモノラルフレーズのみデコードが可能である。再生チャンネル0がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル1はデコード不可能になる。同様に、再生チャンネル2,4,6がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル3,5,7はデコード不可能になる。なお、モノラルおよびステレオフレーズの識別は、音声合成用IC703内でフレーズデータから自動的に検出される。超短縮変動に対応した演出音は、ステレオフレーズであり、再生チャンネル0と再生チャンネル1との組をチャンネルA、再生チャンネル2と再生チャンネル3との組をチャンネルB、再生チャンネル4と再生チャンネル5との組をチャンネルCとして、以下説明する。
SSG音源715は、3系列のパルスジェネレータと1系列のノイズジェネレータとエンベローブジェネレータで構成されており、効果音、警報など、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生することが可能である。図71に示す構成例において、SSG音源715には、各種の音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生する音源が2系統設けられている。
デジタル出力インタフェース716(図71では出力I/F)は、AMMデコーダ714によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをデジタル出力するためのインタフェースである。また、図71に示された出力I/Fには、AMMデコーダ714によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してアナログ出力するDAコンバータオペアンプ717が含まれている。
音声合成用IC703は、8系統のシーケンサーを内蔵しており、フレーズ再生停止検出機能やタイマ機能を利用して、フレーズの出力順序の指定や、フェードイン/フェードアウト、オートパン(音像を左右、前後に周期的に移動させるエフェクト)などを実現する。音声合成用IC703では、演出制御用CPU101からのコマンドにもとづいて、音声データROM704に登録された制御データ(コードデータ)を実行し、フレーズ再生制御レジスタ、SSG 音源制御レジスタ、およびシーケンサーレジスタにデータを設定して、フレーズデータの再生やシーケンサーの起動などを実行する。
AMMデコーダ714では、再生するフレーズナンバーを示すデータが制御レジスタに設定された一または複数の再生チャンネルにおいて、音声データROM704から読み出されたAMMデータ形式のフレーズデータがPCMデータにデコードされる。制御レジスタには、演出制御用CPU101が設定した演出音を出力するチャンネルの情報も含まれている。AMMデコーダ714では、制御レジスタに基づき演出制御用CPU101が設定したチャンネルから演出音を出力する。なお、演出音を出力するチャンネルの設定は、演出制御用CPU101に限定されるものではなく、音声合成用IC703が演出音を出力するチャンネルを設定して、制御レジスタに書込んでもよい。つまり、音声合成用IC703が、演出音を出力するチャンネルを設定し、チャンネルを切替えてもよい。そして、ボリューム(VOL)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってデコードされた音声データの音量が調整される。また、パン(pan)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってパンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各再生チャンネルからの音声データが合成され、バスブーストにおいて、制御レジスタに設定されたデータに従って低音を強調する音声データ処理が行われる。そして、音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース716および(または)DAコンバータオペアンプ717)に出力される。
SSG音源715では、制御レジスタに設定されたデータに従って、パルスジェネレータおよびノイズジェネレータが所定周波数の楽音およびノイズ音の音源データを出力する。パルスジェネレータおよびノイズジェネレータから出力された楽音およびノイズ音は、ミキサーでミックス(混合)される。そして、制御レジスタに設定されたデータに従って、エンベローブジェネレータによって音の立ち上がりの鋭さや減衰などが調節され、また、パンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各チャンネルからの音声データが合成され、合成された音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース716および(または)DAコンバータオペアンプ717)に出力される。
一方、動画像を表示する表示領域を切替える構成は、図3に示したVDP109により、動画像を記憶してあるROM(図示せず)から動画像のデータを読出し、超短縮変動ごとに異なる表示領域に動画像が表示されるように、読出したデータを演出表示装置9の表示領域にマッピングする。なお、演出表示装置9において、超短縮変動に対応した動画像を表示する表示領域を、あらかじめ表示領域A、表示領域Bなどと決めておいてもよい。ここで、動画像を表示する表示領域の設定は、演出制御用CPU101に限定されるものではなく、VDP109が動画像を表示する表示領域を設定してもよい。つまり、VDP109が、動画像を表示する表示領域を設定し、表示領域を切替えてもよい。 このような構成により、超短縮変動に対応した演出音を出力するチャンネルを切替え、超短縮変動に対応した動画像を表示する表示領域を切替えるための制御について説明する。この場合、演出制御用CPU101は、図28に示されたステップS801の飾り図柄変動開始処理において、図69に示すように、ステップS606Bで擬似連中予告演出を決定してから、出力設定処理を実行する(ステップS606C)。
図70は、図69のステップS606Cにて実行される出力設定処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、まず、遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認する(ステップS901)。遊技状態が高ベース状態でなければ、出力設定処理を終了する。遊技状態が高ベース状態であれば、超短縮変動に対応した変動期間より長い演出音(変動に対応した演出より出力される音であり、例えば、変動音、予告音(リーチ中の音)やBGMなど)をチャンネルAから出力することが可能か否かを確認するために、チャンネルAの状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS902)。チャンネルAの状態フラグは、別の変動に対応した演出音等を出力するために使用されているとセットされた状態になる。なお、演出制御用CPU101は、チャンネルの状態フラグを判定することなく、超短縮変動に対応した演出音が出力されるチャンネルを切替える構成でもよい。
チャンネルAの状態フラグがセットされておらず、チャンネルAからの出力に設定されていなければ、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルAから出力するように設定する(ステップS903)。具体的には、演出制御用CPU101は、音声合成用IC703のAMMデコーダ714に対してチャンネルAからの出力に設定して超短縮変動に対応した演出音を出力するように設定する。なお、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルAから出力するように設定した場合、別の変動に対応した演出音等を出力することができないようにチャンネルAの状態フラグをセットする。
チャンネルAの状態フラグがセットされており、チャンネルAからの出力に設定されていれば、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルBから出力するように設定する(ステップS904)。具体的には、演出制御用CPU101は、音声合成用IC703のAMMデコーダ714に対してチャンネルBからの出力に設定して超短縮変動に対応した演出音を出力するように設定し、出力するチャンネルを切替える。なお、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルBから出力するように設定した場合、チャンネルAから出力している演出音等が終了した後に、別の変動に対応した演出音等を出力することができるようにチャンネルAの状態フラグをリセットする。ここで、チャンネルAおよびチャンネルBは、変動期間よりも長い期間の演出音を出力する専用チャンネルではなく、変動期間と同じ期間の演出音や変動期間よりも短い期間の演出音を出力するチャンネルとして使用してもよい。また、演出制御用CPU101は、チャンネルAまたはチャンネルBから出力する演出音が変動期間と同じ期間または変動期間よりも短い期間の場合、チャンネルBまたはチャンネルAに切替えなくてもよい。
次に、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Aに表示することが可能か否かを確認するために、表示領域Aの状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS905)。表示領域Aの状態フラグは、別の変動に対応した動画像等を表示するために設定されているとセットされた状態になる。
表示領域Aの状態フラグがセットされておらず、表示領域Aに表示するように設定されていなければ、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Aに表示するように設定する(ステップS906)。具体的には、演出制御用CPU101は、VDP109に対して表示領域Aに表示するように設定して超短縮変動に対応した動画像を表示するように設定する。なお、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Aに表示するように設定した場合、別の変動に対応した動画像等を表示することができないように表示領域Aの状態フラグをセットする。
表示領域Aの状態フラグがセットされており、表示領域Aに表示するように設定されていれば、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Bに表示するように設定する(ステップS907)。具体的には、演出制御用CPU101は、VDP109に対して表示領域Bに表示するように設定して超短縮変動に対応した動画像を表示するように設定し、表示する表示領域を切替える。なお、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Bに表示するように設定した場合、表示領域Aで表示している動画像等が終了した後に、別の変動に対応した動画像等を表示することができるように表示領域Aの状態フラグをリセットする。ここで、表示領域Aおよび表示領域Bは、変動期間よりも長い期間の動画像を表示する専用表示領域ではなく、変動期間と同じ期間の動画像や変動期間よりも短い期間の動画像を表示する表示領域として使用してもよい。また、演出制御用CPU101は、表示領域Aまたは表示領域Bに表示する動画像が変動期間と同じ期間または変動期間よりも短い期間の場合、表示領域Bまたは表示領域Aに切り替えなくてもよい。
次に、「射撃」の演出態様となる先読み予告演出について、図72を参照して説明する。図72(a)は、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)を示している。この演出は、1発目の弾痕がターゲットに着弾する前の、1発目の弾丸(1回目の変動に対応)と2発目の弾丸(2回目の変動に対応)とが発射されたタイミングにて行われる。
演出制御用CPU101は、超短縮変動ごとに演出音を出力するチャンネルを切替えるので、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の発射音(演出音)と、2回目の超短縮変動に対応して開始された2発目の弾丸の発射音(演出音)とが、同じチャンネルから出力されることはない。また、演出制御用CPU101は、超短縮変動ごとに動画像を表示する表示領域を切替えるので、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の軌跡(動画像)と、2回目の超短縮変動に対応して開始された2発目の弾丸の軌跡(動画像)とが、同じ表示領域に表示されることはない。そのため、1発目の弾丸の発射音(演出音)が、2発目の弾丸の発射音(演出音)に跨っても途切れることが無く、好適に出力することができ、遊技者が正しく演出音を把握することができる。また、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の軌跡(動画像)が、2発目の弾丸の軌跡(動画像)と被ることが無く、好適に表示することができ、遊技者が正しく演出の動画像を把握することができる。こうして、1回目の超短縮変動に対応した1発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)が変動期間の終了後も継続することで、遊技者にとって演出が把握しやすい遊技機を提供することができる。
図73および図74は、超短縮変動の変動期間に対する演出音出力および動画像表示のタイミングチャートである。図73に示すように、1回目の超短縮変動の変動期間67aに対応してチャンネルAから演出音67bが出力され、変動期間67aが終了後もチャンネルAから演出音67bが継続して出力されている。また、2回目の超短縮変動の変動期間67cに対応してチャンネルBから演出音67dが出力され、変動期間67cが終了後もチャンネルBから演出音67bが継続して出力されている。演出音67bの出力と演出音67dの出力とは、2回目の超短縮変動の変動期間67cで一部重複している。なお、図中の演出音の縦軸は音量を表わし、演出音67bおよび演出音67dは、開始時に音量が徐々に大きくなり、終了時に音量が徐々に小さくなるように制御されている。これにより、演出音67bの出力と演出音67dの出力とが重複する部分において、音量が徐々に小さくなる演出音67bと徐々に大きくなる演出音67dとが重なることになり、急に音量が大きくなることを防止することができ、遊技者が演出に対して不快な感じを受けること回避することができる。
また、図74に示すように、1回目の超短縮変動の変動期間68aに対応して表示領域Aに動画像68bが表示され、変動期間68aが終了後も表示領域Aに動画像68bが継続して表示されている。2回目の超短縮変動の変動期間67cに対応して表示領域Bに動画像68dが表示され、変動期間67cが終了後も表示領域Bに動画像68dが継続して表示されている。動画像68bの表示と動画像68dの表示とは、2回目の超短縮変動の変動期間68cで一部重複している。なお、図中の動画像の縦軸はコントラスト量を表わし、動画像68bおよび動画像68dは、開始時にコントラスト量が徐々に大きくなり、終了時にコントラスト量が徐々に小さくなるように制御されている様子が図示されている。これにより、動画像68bの表示と動画像68dの表示とが重複する部分において、コントラスト量が徐々に小さくなる動画像68bと徐々に大きくなる動画像68dとが重なることで、限られた表示領域において動画像の一部分が重複したとしても遊技者が演出を正しく把握することができる。
変動期間が開始されるタイミングと、演出音の出力や動画像の表示が開始されるタイミングとが異なり、変動期間が終了するタイミングよりも演出音の出力や動画像の表示が終了するタイミングが遅くなるタイミングであってもよい。図76および図77は、超短縮変動の変動期間の途中から演出音出力および動画像表示が開始される場合のタイミングチャートである。図76に示すように、1回目の超短縮変動の変動期間69aの途中おいてチャンネルAから演出音69bが出力され、変動期間69aが終了後もチャンネルAから演出音69bが継続して出力されている。また、2回目の超短縮変動の変動期間69cの途中おいてチャンネルBから演出音69dが出力され、変動期間69cが終了後もチャンネルBから演出音69bが継続して出力されている。演出音69bの出力と演出音69dの出力とは、2回目の超短縮変動の変動期間69cにおいて一部重複しているが、演出音69bを出力するチャンネルと演出音69dを出力するチャンネルとが異なるため、演出音69bが演出音69dにより途切れることはない。
また、図77に示すように、1回目の超短縮変動の変動期間70aの途中おいて表示領域Aに動画像70bが表示されるが、変動期間70aが終了後も表示領域Aに動画像70bが継続して表示されている。2回目の超短縮変動の変動期間70cの途中おいて表示領域Bに動画像70dが表示されるが、変動期間70cが終了後も表示領域Bに動画像70dが継続して表示されている。動画像70bの表示と動画像70dの表示とは、2回目の超短縮変動の変動期間70cにおいて一部重複しているが、動画像70bを表示する表示領域と動画像70dを表示する表示領域とが異なるため、動画像70bに動画像70dが被ることはない。
超短縮変動ごとに演出音を出力するチャンネルを切替え、動画像を表示する表示領域を切替える制御を行うものに限定されず、変動期間後も継続して演出音を出力する、または動画像を表示する場合にのみチャンネルまたは表示領域を切替える制御であってもよい。この場合、演出制御用CPU101は、図78に示すような出力設定処理を実行する。
図78に示す出力設定処理では、ステップS902でチャンネルAの状態フラグがセットされており、チャンネルAから出力する設定にされていれば、前回の変動において実行した演出の演出実行タイマが0(ゼロ)になっているか否かを確認する(ステップS911)。ここで、演出実行タイマは、変動期間に対応し実行される演出の期間がカウントダウンするタイマであり、実行される演出が終了するとタイマが0(ゼロ)となる。なお、演出制御用CPU101は、演出実行タイマを設けて変動期間を判定しているが、変動期間中継続して演出音を出力する演出や変動期間中継続して動画像を表示する演出であれば、演出音や動画像に基づいて変動期間を判定してもよい。また、演出実行タイマは、演出音に対応するものと、動画像に対応するものとに分けて設けてもよい。
演出実行タイマが0(ゼロ)で、前回の変動において実行した演出が終了していれば、演出制御用CPU101は、チャンネルAから出力する設定にすることが可能であると判断して、チャンネルAの状態フラグをリセットして(ステップS912)、チャンネルAから出力する設定にして超短縮変動に対応した演出音を出力するように設定することが可能な状態にする。演出実行タイマが0(ゼロ)でなく、前回の変動において実行した演出が終了していなければ、ステップS904に進み、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルBから出力するように設定する。
また、図78に示す出力設定処理では、ステップS905で表示領域Aの状態フラグがセットされており、表示領域Aに表示するように設定されていれば、前回の変動において実行した演出の演出実行タイマが0(ゼロ)になっているか否かを確認する(ステップS913)。演出実行タイマが0(ゼロ)で、前回の変動において実行した演出が終了していれば、演出制御用CPU101は、表示領域Aに表示するように設定することが可能であると判断して、表示領域Aの状態フラグをリセットし(ステップS914)、表示領域Aに表示するように設定して超短縮変動に対応した動画像を表示するように設定することが可能な状態にする。演出実行タイマが0(ゼロ)でなく、前回の変動において実行した演出が終了していなければ、ステップS907に進み、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Bに表示するように設定する。
このように、変動期間後も継続して演出音を出力する、または動画像を表示する場合にのみチャンネルまたは表示領域を切替える制御を行うことで、チャンネルまたは表示領域を切替える処理を減らすことができ、負荷を軽減することができる。
次に、「射撃」の演出態様となる先読み予告演出の具体的な実行例について、図79および図80を参照して説明する。この実行例では、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を実行しているときに、第2始動入賞口13bにて始動入賞が発生する。これにより、保留記憶数が「4」となり、「射撃」の予告演出を実行することに決定される。その後、次の飾り図柄の変動表示が開始されることに対応して、図79(1)に示すように、保留記憶数の表示を4つから1つ減らす。そして、1回目の変動に対応して図72(a)に示された1発目の弾丸が発射され、演出表示装置9の表示画面において射撃のターゲット1500に対して弾丸が軌跡を描く動画が表示される。ターゲット1500の中心部には「当」と表示され、この中心部に当たれば(弾痕が残れば)大当りが発生することを示している。このターゲット1500が表示されている期間(射撃演出が実行されている期間)は、飾り図柄の変動表示は全て超短縮変動となっているため、通常状態と同様に飾り図柄の変動表示を行っても遊技者は飾り図柄が変動していることを把握することが困難である。そのため、変動表示毎(保留記憶の消化毎)にターゲット1500に弾痕を残して遊技者に対して変動表示の実行(保留記憶の消化)を把握しやすいようにしている。
続いて、1発目の弾丸がターゲット1500に着弾して弾痕が表示され演出が終了する前に、2回目の変動に対応して図72(b)に示すように2発目の弾丸が発射され、ターゲット1500に対して弾丸が軌跡を描く動画が表示される。図79(2)に示すように、飾り図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から最も遠い位置(最外周)に「1発目」の弾痕を表示した後、最終停止図柄となるはずれ図柄を停止表示する。ここで表示される「1発目」の弾痕は、ターゲット1500の中心から離れていることから、遊技者は大当りが発生しないことを把握できる。
ターゲット1500に表示する弾痕の位置に関しては、ターゲット1500の中心と弾痕との距離が「1発目」、「2発目」、「3発目」の順序で近くなるように、演出制御用マイクロコンピュータ100が、弾痕の座標を決定する。そして、「4発目」に対応する表示結果が大当りである場合には、ターゲット1500の中心に弾痕を表示することを決定し、はずれである場合には、ターゲット1500の中心から外れた位置(例えば所定の乱数や予め定めたパターンに基づいて決定される)に弾痕を表示することを決定する。また、一旦、「射撃」演出が実行されると「1発目」、「2発目」、および「3発目」の弾痕は「4発目」の弾痕が表示されるまで継続して表示される。
2回目と3回目の変動に対応して、図79(3)および(4)に示すように、ターゲット1500の中心から2番目と最も近い位置に「2発目」と「3発目」の弾痕を表示した後、それぞれ最終停止図柄となるはずれ図柄を停止表示する。その後、4回目の変動に対応して、図79(5)に示すように、ターゲット1500の中心に「4発目」の弾痕を表示すると共に、ターゲット1500の中心を打ち抜いたことを遊技者に報知する(即ち大当りを報知する)「命中!」のメッセージを表示する。そして、最終停止図柄となる大当り図柄を停止表示する。なお、それぞれの飾り図柄の可変表示中には、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行され、最終停止図柄の停止表示に対応して、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が表示される。
このように可変表示の実行毎(保留記憶の消化毎)に、画面に表示したターゲット1500の異なる位置に弾痕を表示するようにしているため、遊技者はこのターゲット1500に注目していれば、弾痕の増加によって可変表示の実行を把握することができる。また、遊技者は、1発目、2発目、3発目と、弾痕が徐々に中心に近づくにつれて大当りの期待感が高められ、先読み予告の対象となった変動(4発明)において、ターゲット1500の中心が打ち抜かれるか否かに注目すればよくなる。こうして大当りとなる条件を視覚的に提示することで、遊技者の混乱を防止している。
なお、「射撃」の演出態様による先読み予告演出において、例えば水平方向に平行な大当りラインを表示するようにして、変動毎に大当りラインに近づくように弾痕が表示され、最終的に大当りラインを超えた位置に弾痕が表示されれば大当り、大当りラインを超えなければはずれとなるような演出を実行するようにしてもよい。また、例えば弾痕によって絵を描くようにして、最終的に絵が完成する(例えば星印になる)と大当りとなり、完成しなければはずれとなるような演出を実行してもよい。
高ベース状態における超短縮変動に対応して「射撃」の演出態様による先読み予告演出が実行され、演出音を出力するチャンネルや動画像を表示する表示領域を切替えるものに限定されず、一例として、低ベース状態において「射撃」の演出態様による先読み予告演出を実行するようにしてもよいし、演出音を出力するチャンネルや動画像を表示する表示領域を切替えるようにしてもよい。他の一例として、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される場合のように、大入賞口の開放時間が短い時間となる大当り遊技状態や、小当り遊技状態であるときに、大入賞口の開閉動作に対応して演出音を出力するチャンネルや動画像を表示する表示領域を切替えるようにしてもよい。
先読み予告演出の演出態様を決定するときに、予告対象となる可変表示における表示結果(変動カテゴリ)に応じて、先読み予告演出において出力する演出音や表示する動画像を選択するようにしてもよい。例えば、予告対象の可変表示結果(変動カテゴリ)が大当りである場合には、大当り以外である場合よりも、特別な演出音や特別な動画像が選択されやすくしてもよい。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
上記実施の形態においては、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータ560では、1つ目のコマンドとして、擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入して入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記録装置にプリインストールしておくことで配布される形態をとっても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態をとっても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、図70に示されたステップS902にてチャネルAの状態フラグがセットされていなければ、ステップS903にて演出音をチャンネルAから出力するように設定する一方、チャンネルAの状態フラグがセットされていれば、ステップS904にて演出音をチャンネルBから出力するように設定する。これにより、複数回の可変表示に対応した演出音が途切れることなく、好適に出力することができ、遊技者が正しく演出音を把握することができる。特に、超短縮変動のような可変表示時間が極めて短い可変表示に対応した演出音を可変表示の終了後も継続して出力することで、遊技者が演出を把握しやすくすることができる。
あるいは、図78に示されたステップS911にて演出実行タイマが0で前回の演出が終了していれば、ステップS912、S903にて演出音をチャンネルAから出力するように設定する一方、演出実行タイマが0でなく前回の演出が終了していなければ、ステップS904にて演出音をチャンネルBから出力するように設定する。このようにしても、複数回の可変表示に対応した演出音が途切れることなく、好適に出力することができ、遊技者が正しく演出音を把握することができる。特に、超短縮変動のような可変表示時間が極めて短い可変表示に対応した演出音を可変表示の終了後も継続して出力するときに、次の可変表示が開始された場合にチャンネルの設定を切替えるので、遊技者が演出を把握しやすくすることができる。
図70に示されたステップS905にて表示領域Aの状態フラグがセットされていなければ、ステップS906にて動画像を表示領域Aに表示するように設定する一方、表示領域Aの状態フラグがセットされていれば、ステップS907にて動画像を表示領域Bに表示するように設定する。これにより、複数回の可変表示に対応した動画像が被ることなく、好適に表示することができ、遊技者が正しく動画像を把握することができる。特に、超短縮変動のような可変表示時間が極めて短い可変表示に対応した動画像を可変表示の終了後も継続して表示することで、遊技者が演出を把握しやすくすることができる。
あるいは、図78に示されたステップS913にて演出実行タイマが0で前回の演出が終了していれば、ステップS914、S906にて動画像を表示領域Aに表示するように設定する一方、演出実行タイマが0でなく前回の演出が終了していなければ、ステップS907にて動画像を表示領域Bに表示するように設定する。このようにしても、複数回の可変表示に対応した動画像が被ることなく、好適に表示することができ、遊技者が正しく動画像を把握することができる。特に、超短縮変動のような可変表示時間が極めて短い可変表示に対応した動画像を可変表示の終了後も継続して表示するときに、次の可変表示が開始された場合に表示領域の設定を切替えるので、遊技者が演出を把握しやすくすることができる。
例えば遊技球が右打ちされた場合のように、所定の発射強度で発射された遊技球が開放状態となった可変入賞球装置15における第2始動入賞口14を高い割合で通過するように、可変入賞球装置15などが設けられた構成において、超短縮変動パターンなどにより特別図柄の変動時間や特図確定表示時間が遊技球の発射間隔と概ね同一または発射間隔よりも短くなるように設定されてもよい。この場合、一例として、第1特別図柄表示器8aや第2特別図図柄表示器8bは、複数の表示部を分離して備えるように構成し、特別図柄の可変表示中には、図63(a)に示すように、LED405といった第1表示部において特別図柄を更新表示する一方、7セグメントLED406といった第2表示部を一定の表示状態とする。また、特別図柄の表示結果を導出表示させるときには、図63(b)に示すように、第1表示部において特別図柄の更新表示を停止して一定の表示状態とする一方、第2表示部において特別図柄の表示結果を表示する。これにより、特別図柄の平均変動時間や表示結果の停止表示時間が短くなったとしても、特別図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
他の一例として、普通図柄表示器10は、複数の表示部を分離して備えるように構成し、普通図柄の可変表示中には、図65(a)に示すように、LED401といった第1表示部において普通図柄を更新表示する一方、LED402といった第2表示部を一定の表示状態とする。また、普通図柄の表示結果を導出表示させるときには、図65(b)に示すように、第1表示部において普通図柄の更新表示を停止して一定の表示状態とする一方、第2表示部において普通図柄の表示結果を表示する。これにより、普通図柄の平均変動時間や表示結果の停止表示時間が短くなったとしても、普通図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
さらに他の一例として、第4図柄表示領域9a〜9dが設けられ、第4図柄の可変表示中には、図64(a)に示すように、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cといった第1表示部において第4図柄を更新表示する一方、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dといった第2表示部を一定の表示状態とする。また、第4図柄の表示結果を導出表示させるときには、図64(b)に示すように、第1表示部において第4図柄の更新表示を停止して一定の表示状態とする一方、第2表示部において第4図柄の表示結果を表示する。これにより、第4図柄の平均変動時間や表示結果の停止表示時間が短くなったとしても、第4図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。また、第4図柄の表示状態を見れば、大当り遊技状態になるか否かを把握できるので、遊技者にとって便利である。
図27に示されたステップS132A〜S132Eの処理では、時短モードフラグの値が0の通常可変表示状態(低確低ベース状態など)であるときには、例えば0.8秒といった第1時間に亘って特別図柄などの可変表示結果を停止表示させた後に次の可変表示が開始されるように、特図確定表示時間が設定される。一方、時短モードフラグの値が1の短縮可変表示状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態など)であるときには、例えば0.5秒といった第1時間よりも短い第2時間に亘って特別図柄などの可変表示結果を停止表示させた後に次の可変表示が開始されるように、特図確定表示時間が設定される。このように、短縮可変表示状態における表示結果の停止表示時間を短くすることで、変動効率を十分に高めることができる。
特別図柄ポインタに設定されているデータが「第1」を示す場合には、第1特別図柄を用いた特図ゲームに対応して、図27に示されたステップS132Eの処理により、0.8秒といった第1時間に亘って特別図柄などの可変表示結果を停止表示させた後に次の可変表示が開始されるように、特図確定表示時間が設定されてもよい。また、特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示す場合には、第2特別図柄を用いた特図ゲームに対応して、図27に示されたステップS132Bの処理により、0.5秒といった第1時間よりも短い第2時間に亘って特別図柄などの可変表示結果を停止表示させた後に次の可変表示が開始されるように、特図確定表示時間が設定されてもよい。このように、時短制御(高開放制御)が行われるときに高い頻度で実行される第2特別図柄を用いた特図ゲームに対応した特図確定表示時間を短くすることで、短縮可変表示状態における変動効率を高めることができる。一方、時短制御(高開放制御)が行われない通常可変表示状態では、変動効率を低くすることで、可変表示が行われていない時間が発生してしまうことなどを防止できる。
例えば図22に示すステップS52の処理を実行することで、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄を用いた特図ゲームは、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄を用いた特図ゲームに優先させて実行してもよい。これにより、短縮可変表示状態における変動効率をさらに高めることができる。
例えば確変大当りに対応した通常開放大当り状態のような第1特定遊技状態となる大当り遊技状態の終了後には、時短制御が行われることにより第1短縮可変表示状態に制御する一方で、突然確変大当りなどに対応して有利度合いが低い短期開放大当り状態のような第2特定遊技状態となる大当り遊技状態の終了後には、超時短制御が行われることにより第1短縮可変表示状態よりも平均可変表示時間がさらに短い第2短縮可変表示状態に制御してもよい。これにより、有利度合いが低い大当り遊技状態の終了後に平均可変表示時間が短くなって変動効率が高くなることで、遊技意欲の低下を抑制することができる。
このような超時短制御が行われる第2短縮可変表示状態であるときには、時短制御が行われる第1短縮可変表示状態であるときと比べて、特図確定表示時間が短くなるように設定してもよい。これにより、有利度合いが低い大当り遊技状態の終了後に変動効率をさらに高くすることで、遊技意欲が低下してしまうことを防止できる。
図40(C)に示すような特別リーチ演出では、左右の停止図柄と同じ図柄、左右の停止図柄よりも数字が1つ多い図柄、キャラクタ図柄99b,99cなどが表示される。そして、例えば図44および図45に示すような演出パターン決定テーブルを用いて演出パターンを決定することで、特別リーチ演出が実行された後に所定演出が実行されてから大当り遊技状態に制御されるときと、特別リーチ演出が実行された後に所定演出が実行されずに大当り遊技状態に制御されるときとで、確変状態になる割合のような異なる価値が付与される。これにより、所定演出に対して遊技者を注目させて、遊技の興趣を向上させることができる。
例えば図43〜図45に示すような設定により、リーチ後の回転図柄数に対応した所定演出示唆画像の数が多いほど高い割合で所定演出が実行される。こうして、所定演出が実行される前の特別リーチ演出に対する遊技者の興味を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
例えば図43〜図45に示すような設定により、特別リーチ演出で表示される所定演出示唆画像の組合せに応じて、異なる割合で所定演出が実行される。こうして、所定演出が実行される前の特別リーチ演出に対する遊技者の興味を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
例えば図60に示すように、リーチ演出を含む変動パターンに従って可変表示を行うときには、リーチ態様になる前またはリーチ態様となった後に演出図柄を仮停止させることがある。これに対して、例えば「リーチなし(再変動あり)」のようにリーチ演出を含まない変動パターンに従って可変表示を行うときには、リーチ態様になった後に演出図柄を仮停止させることはない。これにより、大当り遊技状態に対する遊技者の期待感を向上させるリーチ態様の後にリーチ演出が実行されないために遊技者を落胆させるような状況の発生を防止して、遊技興趣の低下を抑制することができる。
例えば図4に示すように、突然確変大当りや小当りA〜Cの遊技の終了後の変動回数が10回毎に、潜伏状態(潜伏モード)が継続されるか否かを報知する継続演出を実行する。そして、継続演出において連続して3回「成功(または継続)」が報知されると、高確率状態に移行されていることを報知する高確ステージに移行される。そして、図4および図5に示すように、継続演出が実行される長変動タイミングは、突然確変大当りや小当りA〜Cのいずれであるかに応じて異なる発生回数を設定する。これにより、継続演出の実行時間を確保することができる。また、潜伏状態における演出が単調とならず遊技の興趣を向上させることができる。