JP2016061935A - ホログラム - Google Patents

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【課題】観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを観察者が認識する。【手段】ホログラム(1)には、観察者の視点位置の移動に応じて表示態様が変化する第1画像が観察されるように第1画像(101)が記録されており、第1画像を観察可能な視点位置の範囲を示す視域の中心を含む中心領域に位置する視点位置から観察される第1画像と共に観察される第2画像(102)が更に記録されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ホログラムの技術分野に関する。
ホログラムは、観察者の視点位置(つまり、ホログラムを観察している観察者の視点の位置)に応じて異なる画像を表示することが可能な表示手法として知られている。例えば、特許文献1には、付加情報のついたリップマンホログラムが開示されている。
特許第5041187号
このような従来のホログラムは、視点位置の移動に伴って観察者が観察する画像が変化するホログラムであることが多い。このようなホログラムを観察する観察者は、視点位置を自由に移動させることで、画像の変化を楽しむ傾向が強い。
一方で、ホログラムに記録された画像を観察可能な視点位置には制約がある。以下では、このようなホログラムに記録された画像を観察可能な視点位置の範囲を、視域と称する。ここで、視域の端に視点位置が位置する場合には、視点位置が少し移動しただけで視点位置が視域の外に移動してしまう可能性がある。視点位置が視域の外に移動すると、観察者は、ホログラムに記録された画像を観察することができなくなる。このため、観察者は、視点位置を移動させながら、画像の変化を楽しむことができる視点位置を観察者自身で探す必要がある。このような状況が発生する理由の一つは、観察者の現在の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを観察者が適切に認識することができないことにあると想定される。
本発明は、観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを観察者が認識することが可能なホログラムを提供することを課題とする。
上記課題を解決する第1のホログラムは、観察者の視点位置の移動に応じて表示態様が変化する第1画像が観察されるように前記第1画像が記録されており、前記第1画像を観察可能な前記視点位置の範囲を示す視域の中心を含む中心領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察される第2画像が更に記録されているホログラムである。
上記課題を解決する第2のホログラムは、観察者の視点位置の移動に応じて表示態様が変化する第1画像が観察されるように前記第1画像が記録されており、前記第1画像を観察可能な前記視点位置の範囲を示す視域の中心を含む中心領域とは異なる非中心領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察される第3画像が更に記録されているホログラムである。
上記課題を解決する第3のホログラムは、観察者の視点位置の移動に応じて表示態様が変化する第1画像が観察されるように前記第1画像が記録されており、前記第1画像を観察可能な前記視点位置の範囲を示す視域のうち所定領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察される第4画像であって且つ当該第4画像と共に観察される前記第1画像が前記所定領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像であることを示す第4画像が更に記録されているホログラムである。
第1実施例のホログラムの外観を示す平面図である。 第1実施例のホログラムを観察する観察者の始点位置が移動している場合に、当該観察者によって観察される画像を示す模式図である。 ホログラムの視域並びに中心領域及び非中心領域の夫々の一例を示す説明図である。 ホログラムに第1画像及び第2を記録する光学系の構成を示す斜視図である。 ホログラムに対する第1画像及び第2画像の記録の態様を示す模式図である。 ホログラムによって表示される第1画像及び第2画像の観察者による観察の態様を示す模式図である。 第2画像が記録される第1要素ホログラム及び第2画像が記録されない第2要素ホログラムを示す平面図である。 空間変調器の表示面を示す平面図、及び、第1要素ホログラムに対する第1画像及び第2画像の記録の態様を示す模式図である。 空間変調器の表示面を示す平面図、及び、第2要素ホログラムに対する第1画像及び第2画像の記録の態様を示す模式図である。 ホログラムによって表示される第1画像及び第2画像の観察者による観察の態様を示す模式図である。 第2実施例のホログラムを観察する観察者の始点位置が移動している場合に、当該観察者によって観察される画像を示す模式図である。 光学記録装置の構成を示すブロック図である。 光学記録装置によるホログラムに対する第1画像、第2画像及び第3画像のうちの少なくとも一つの記録動作の流れを示すフローチャートである。
以下、ホログラムの実施形態について順に説明する。
(第1実施形態のホログラム)
<1>
第1実施形態のホログラムは、観察者の視点位置の移動に応じて表示態様が変化する第1画像が観察されるように前記第1画像が記録されており、前記第1画像を観察可能な前記視点位置の範囲を示す視域の中心を含む中心領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察される第2画像が更に記録されている。
第1実施形態のホログラムは、少なくとも第1画像を表示するホログラムである。従って、ホログラムには、第1画像が、例えば物体光と参照光とが干渉することで生成される干渉パターンとして記録されている。
第1実施形態のホログラムには、ホログラムを観察する観察者の視点位置の移動に応じて表示態様が変化する第1画像が記録されている。尚、ここで言う「表示態様の変化」とは、観察者が観察する第1画像の一部又は全部に生ずる任意の変化を包含する広い趣旨である。つまり、第1実施形態のホログラムには、観察者の視点位置の移動に応じて観察者が観察する第1画像が変化するように第1画像が記録されている。従って、観察者は、視点位置を移動させることで、観察者が観察する第1画像の変化を楽しむことができる。
第1実施形態のホログラムには、第1画像に加えて、第2画像が更に記録されている。第2画像は、視域の中心を含む中心領域に位置する視点位置から観察される第1画像と共に観察される画像である。
第1実施形態の「視域」は、ホログラムに記録された第1画像を観察可能な範囲(言い換えれば、領域)を意味する。一般的には、ホログラムのホログラム面上の所定位置を起点に所定角度の広がり角で広がる範囲内に観察者の視点位置が位置する場合に、当該観察者は、ホログラムに記録された第1画像を観察することができる。この場合、ホログラム面上の所定位置を起点に所定角度の広がり角で広がる範囲が、いわゆる視域となる。
第1実施形態の「視域の中心」は、ホログラム面に沿った(或いは、平行な)面における視域の中心を意味する。例えば、ホログラム面上の所定位置を起点に所定角度の広がり角で広がる範囲が視域である場合には、ホログラム面に沿った(或いは、平行な)当該範囲の断面の中心(或いは、このような中心の集合)が、視域の中心となる。
このような第2画像が記録されているため、視点位置が中心領域に位置する観察者は、第1画像と共に第2画像を観察することができる。このため、観察者は、第2画像を観察することで、観察者の現在の視点位置が中心領域に位置することを好適に認識することができる。その結果、観察者が第1画像と共に第2画像を観察している場合には、観察者は、観察者が観察している第1画像が、中心領域から観察される第1画像であることを認識することができる。
このように、第1実施形態のホログラムは、観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを観察者に適切に認識させることができる。つまり、第1実施形態のホログラムを観察する観察者は、観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを適切に認識することができる。
<2>
第1実施形態のホログラムの他の態様では、前記第2画像は、当該第2画像と共に観察される前記第1画像が、前記中心領域から観察される前記第1画像であることを示す。
この態様によれば、観察者が第1画像と共に第2画像を観察している場合には、観察者は、観察者が観察している第1画像が、中心領域から観察される第1画像であることを認識することができる。つまり、観察者が第1画像と共に第2画像を観察している場合に、観察者は、観察者の現在の視点位置が視域の中心を含む中心領域に位置することを好適に認識することができる。
<3>
第1実施形態のホログラムの他の態様では、前記第2画像は、前記視域のうち前記中心領域とは異なる非中心領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察されない。
この態様によれば、視点位置が非中心領域(つまり、視域の中心を含まない領域)に位置する観察者は、第1画像を観察する一方で第2画像を観察することができない。つまり、視点位置が非中心領域に位置する観察者は、観察者が観察している第1画像と共に第2画像を観察することができない。このため、観察者は、第2画像を観察できない場合には、観察者の現在の視点位置が非中心領域に位置していることを好適に認識することができる。つまり、観察者は、第2画像を観察できない場合には、観察者の現在の視点位置が中心領域に位置していないことを好適に認識することができる。その結果、観察者が第1画像と共に第2画像を観察することができない場合には、観察者は、観察者が観察している第1画像が、非中心領域から観察される第1画像であることを認識することができる。つまり、観察者が第1画像と共に第2画像を観察することができない場合には、観察者は、観察者が観察している第1画像が、中心領域から観察される第1画像ではないことを認識することができる。
このように、観察者は、観察者の視点位置が中心領域及び非中心領域のいずれに位置するかを適切に認識することができる。つまり、観察者は、観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを適切に認識することができる。
<4>
第1実施形態のホログラムの他の態様では、前記視域のうち前記中心領域とは異なる非中心領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察され且つ前記第2画像とは異なる第3画像が更に記録されている。
この態様によれば、視点位置が非中心領域に位置する観察者は、第1画像と共に第3画像を観察することができる。このため、観察者は、第3画像を観察することで、観察者の現在の視点位置が非中心領域に位置していることを好適に認識することができる。つまり、観察者は、第3画像を観察することで、観察者の現在の視点位置が中心領域に位置していないことを好適に認識することができる。その結果、観察者が第1画像と共に第3画像を観察している場合には、観察者は、観察者が観察している第1画像が、非中心領域から観察される第1画像であることを認識することができる。つまり、観察者が第1画像と共に第3画像を観察している場合には、観察者は、観察者が観察している第1画像が、中心領域から観察される第1画像ではないことを認識することができる。
逆に言えば、視点位置が中心領域に位置する観察者は、第1画像と共に第3画像を観察することはない。このため、観察者は、第3画像を観察できない場合には、観察者の現在の視点位置が非中心領域に位置していないことを好適に認識することができる。つまり、観察者は、第3画像を観察することができない場合には、観察者の現在の視点位置が中心領域に位置していることを好適に認識することができる。その結果、観察者が第1画像と共に第3画像を観察できない場合には、観察者は、観察者が観察している第1画像が、非中心領域から観察される第1画像ではないことを認識することができる。つまり、観察者が第1画像と共に第3画像を観察できない場合には、観察者は、観察者が観察している第1画像が、中心領域から観察される第1画像であることを認識することができる。
このように、観察者は、観察者の視点位置が中心領域及び非中心領域のいずれに位置するかを適切に認識することができる。つまり、観察者は、観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを適切に認識することができる。
尚、第3画像は、(i)当該第3画像と共に観察される第1画像が、中心領域から観察される第1画像でないこと、及び、(ii)当該第3画像と共に観察される第1画像が、非中心領域から観察される前記第1画像であることの少なくとも一方を示していてもよい。また、第3画像は、中心領域に位置する視点位置から観察される第1画像と共に観察されなくてもよい。
<5>
上述の如く第3画像が記録されるホログラムの他の態様では、前記第3画像は、当該第3画像が観察される前記視点位置と前記中心領域との間の位置関係に応じて変化する画像部分を含む。
この態様によれば、観察者の視点位置と中心領域との間の位置関係が第1関係にある場合に観察者が観察する第3画像は、観察者の視点位置と中心領域との間の位置関係が第2関係にある場合に観察者が観察する第3画像とは異なる画像部分を含んでいる。従って、観察者は、第3画像を観察することで、観察者の視点位置が中心領域に対してどのような位置関係にあるかを適切に認識することができる。
<6>
上述の如く第3画像が記録されるホログラムの他の態様では、前記第3画像は、当該第3画像が観察される前記視点位置から前記中心領域に向かう方向及び当該第3画像が観察される前記視点位置から前記中心領域までの距離のうちの少なくとも一方を直接的に又は間接的に示す画像部分を含む。
この態様によれば、観察者は、第3画像を観察することで、視点位置をいずれの方向に移動させれば視点位置が中心領域に位置することになるかを適切に認識することができる。或いは、観察者は、第3画像を観察することで、視点位置をどの程度の距離だけ移動させれば視点位置が中心領域に位置することになるかを適切に認識することができる。つまり、観察者は、第3画像を観察することで、観察者の視点位置が中心領域に対してどのような位置関係にあるかを適切に認識することができる。
<7>
第1実施形態のホログラムの他の態様では、前記ホログラムのホログラム面には、少なくとも前記第1画像を構成する第1画像パターンが表示される空間変調器によって空間変調された物体光が照射されることで少なくとも前記第1画像パターンが記録される要素ホログラムが複数配列されており、前記複数の要素ホログラムは、前記第2画像を構成する第2画像パターンが記録される第1要素ホログラムと、前記第2画像パターンが記録されない第2要素ホログラムとを含む。
この態様によれば、ホログラムのホログラム面には、夫々が画素として機能し得る複数の要素ホログラムが配列されている。このため、ホログラム面に表示される画像は、複数の要素ホログラムに夫々対応する複数の画像部分(つまり、画像の断片)に分割された上で、各画像部分が各要素ホログラムに記録される。
複数の要素ホログラムは、第1要素ホログラム及び第2要素ホログラムを含んでいる。第1要素ホログラムには、第2画像(より具体的には、第2画像のうち各第1要素ホログラムに対応する画像部分である断片)を構成する第2画像パターンが記録される。一方で、第2要素ホログラムには、第2画像(より具体的には、第2画像のうち各第2要素ホログラムに対応する画像部分である断片)を構成する第2画像パターンが記録されない。
このため、視点位置が中心領域に位置する観察者は、ホログラムのホログラム面のうち第1要素ホログラムが分布する表示領域を観察することで、当該第1要素ホログラムが分布する表示領域に表示される第2画像を観察することができる。一方で、視点位置が非中心領域に位置する(つまり、中心領域に位置していない)観察者は、ホログラムのホログラム面のうち第1要素ホログラムが分布する表示領域を観察したとしても、第2画像を観察することができない。
このように、複数の要素ホログラムが第1要素ホログラム及び第2要素ホログラムを備えることで、ホログラムのホログラム面のうち第1要素ホログラムが分布する表示領域には、中心領域に位置する視点位置から観察される第1画像と共に観察される第2画像(好ましくは、非中心領域に位置する視点位置から観察される第1画像と共に観察されない第2画像)が適切に記録される。
尚、第3画像がホログラムに記録される場合には、複数の要素ホログラムは、第3画像を構成する第3画像パターンが記録される第3要素ホログラムと、第3画像を構成する第3画像パターンが記録されない第4要素ホログラムとを含んでいてもよい。第3画像パターンが記録される第3要素ホログラムの少なくとも一部は、第2画像パターンが記録されない第2要素ホログラムの少なくとも一部と同一であってもよい。第3画像パターンが記録されない第4要素ホログラムの少なくとも一部は、第2画像パターンが記録される第1要素ホログラムの少なくとも一部と同一であってもよい。
(第2実施形態のホログラム)
<8>
第2実施形態のホログラムは、観察者の視点位置の移動に応じて表示態様が変化する第1画像が観察されるように前記第1画像が記録されており、前記第1画像を観察可能な前記視点位置の範囲を示す視域の中心を含む中心領域とは異なる非中心領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察される第3画像が更に記録されている。
第2実施形態のホログラムには、第1実施形態のホログラムと同様に、第1画像が記録されている。第2実施形態のホログラムには、第1実施形態のホログラムに記録されていた第2画像に加えて又は代えて、第3画像が記録されている。尚、第3画像については、第1実施形態のホログラムの他の態様を説明する際に既に説明されている。従って、冗長な説明を避ける趣旨で、ここでは、第3画像についての詳細な説明は省略する。
このような第3画像が記録されているため、第2実施形態のホログラムは、第3画像が記録されている第1実施形態のホログラムが享受することができる各種効果を好適に享受することができる。
尚、上述した第1実施形態のホログラムが採用し得る各種態様に対応して、第2実施形態のホログラムもまた各種態様を採用することができる。
(第3実施形態のホログラム)
<9>
第3実施形態のホログラムは、観察者の視点位置の移動に応じて表示態様が変化する第1画像が観察されるように前記第1画像が記録されており、前記第1画像を観察可能な前記視点位置の範囲を示す視域のうち所定領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察される第4画像であって且つ当該第4画像と共に観察される前記第1画像が前記所定領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像であることを示す第4画像が更に記録されている。
第3実施形態のホログラムには、第1実施形態のホログラムと同様に、第1画像が記録されている。第3実施形態のホログラムには、第1実施形態のホログラムに記録されていた第2画像に加えて又は代えて、第4画像が記録されている。第4画像は、視域のうちの少なくとも一部である所定領域に位置する視点位置から観察される第1画像と共に観察される画像である。
このような第4画像が記録されているため、視点位置が所定領域に位置する観察者は、第1画像と共に第4画像を観察することができる。このため、観察者は、第4画像を観察することで、観察者の現在の視点位置が所定領域に位置することを好適に認識することができる。その結果、観察者が第1画像と共に第4画像を観察している場合には、観察者は、観察者が観察している第1画像が、所定領域から観察される第1画像であることを認識することができる。
逆に言えば、視点位置が所定領域に位置していない観察者は、第1画像と共に第4画像を観察することができない。このため、観察者は、第4画像を観察できない場合には、観察者の現在の視点位置が所定領域に位置していないことを好適に認識することができる。その結果、観察者が第1画像と共に第4画像を観察できない場合には、観察者は、観察者が観察している第1画像が、所定領域から観察される第1画像ではないことを認識することができる。
このように、第3実施形態のホログラムは、観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを観察者に適切に認識させることができる。つまり、第3実施形態のホログラムを観察する観察者は、観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを適切に認識することができる。
尚、所定領域の一例として、上述した中心領域が例示される。この場合、第4画像は、実質的には上述した第2画像と同一であってもよい。所定領域の他の一例として、上述した非中心領域が例示される。この場合、第4画像は、実質的には上述した第3画像と同一であってもよい。
また、上述した第1実施形態のホログラムが採用し得る各種態様に対応して、第3実施形態のホログラムもまた各種態様を採用することができる。
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
以上説明したように、第1実施形態のホログラムには、第1画像と第2画像とが記録されている。第2実施形態のホログラムには、第1画像と第3画像とが記録されている。第3実施形態のホログラムには、第1画像と第4画像とが記録されている。従って、ホログラムを観察する観察者は、観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを適切に認識することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明のホログラムの実施例について説明する。
(1)第1実施例のホログラム1
はじめに、図1から図10を参照しながら、第1実施例のホログラム1について説明する。
(1−1)ホログラム1の構成
初めに、図1を参照して、第1実施例のホログラム1について説明する。図1は、第1実施例のホログラム1の外観を示す平面図である。
図1に示すように、第1実施例のホログラム1は、板状のホログラムである。但し、第1実施例のホログラム1は、板状のホログラムに限らず、任意の形状のホログラムであってもよい。
ホログラム1のホログラム面は、ドット状の又はセル状の複数の要素ホログラム11を備えている。複数の要素ホログラム11は、ホログラム面上において、マトリクス状に分布している。但し、複数の要素ホログラム11は、ホログラム面上において、任意の分布態様で分布していてもよい。
(1−2)ホログラム1を観察する観察者によって観察される画像
続いて、図2(a)から図2(c)を参照して、第1実施例のホログラム1を観察する観察者によって観察される画像について説明する。図2(a)から図2(c)は、夫々、第1実施例のホログラム1を観察する観察者の視点位置が移動している場合に、当該観察者によって観察される画像を示す模式図である。
図2(a)から図2(c)に示すように、第1実施例のホログラム1を観察する観察者は、観察者の視点位置の移動に伴って表示態様が変化する第1画像101を観察する。従って、ホログラム1には、観察者の視点位置の移動に伴って表示態様が変化する第1画像101が記録されている。
図2(a)から図2(c)は、観察者の視点位置の移動に伴って傾きが変化する第1画像101が観察者によって観察される例を示している。具体的には、例えば、図2(a)は、ホログラム1に向かって相対的に右側に視点位置が位置している観察者が、観察者から見て左側に傾いた人物に相当する第1画像101を観察する例を示している。例えば、図2(b)は、ホログラム1の概ね中心に正対している位置に視点位置が位置している観察者が、観察者から見て左側及び右側のいずれにも傾いていない人物に相当する第1画像101を観察する例を示している。例えば、図2(c)は、ホログラム1に向かって相対的に左側に視点位置が位置している観察者が、観察者から見て右側に傾いた人物に相当する第1画像101を観察する例を示している。
図2(a)から図2(c)は、観察者の視点位置の移動に伴って傾きが変化する第1画像101が観察者によって観察される例を示している。しかしながら、観察者の視点位置の移動に伴って任意の表示態様が変化する第1画像101が観察者によって観察されてもよい。例えば、観察者の視点位置の移動に伴って位置や向きや大きさや色や形状や姿勢等が変化する第1画像101が観察者によって観察されてもよい。
また、図2(a)から図2(c)は、ホログラム1に向かって横方向(言い換えれば、水平方向)に沿って観察者の視点位置が移動する例を示している。しかしながら、観察者の視点位置は、横方向に沿った移動態様に加えて又は代えて、どのような移動態様で移動してもよい。観察者の視線位置がどのような移動態様で移動する場合であっても、観察者は、観察者の視点位置の移動に伴って表示態様が変化する第1画像101を観察する。
第1実施例では特に、ホログラム1の視域のうち当該視域の中心を含む中心領域に視点位置が位置する観察者は、第1画像101に加えて、第2画像102を観察する。一方で、ホログラム1の視域のうち中心領域を除く非中心領域に視点位置が位置する観察者は、第1画像101を観察する一方で、第2画像102を観察することはない。従って、ホログラム1には、中心領域に視点位置が位置する観察者から観察可能である一方で非中心領域に視点位置が位置する観察者から観察不可能な第2画像102が記録されている。
尚、第2画像102は、中心領域に視点位置が位置する全ての観察者から観察可能でなくてもよい。つまり、第2画像102は、中心領域の一部に視点位置が位置する観察者から観察可能である一方で、中心領域の他の一部に視点位置が位置する観察者から観察不可能であってもよい。言い換えれば、つまり、第2画像102は、中心領域の少なくとも一部に視点位置が位置する観察者から観察可能であれば十分である。
第2画像102は、当該第2画像102を観察している観察者の視点位置が中心領域に位置していることを示す画像である。第2画像102は、当該第2画像102と共に観察される第1画像101が、中心領域に位置している視点位置から観察可能な第1画像101であることを示す画像である。
第2画像102は、第2画像102の周辺の画像や第2画像102の背景と容易に区別可能な画像であることが好ましい。例えば、第2画像102の周辺の画像や第2画像102の背景が主として黒色の画像部分から構成される場合には、第2画像102は、主として白色の画像部分から構成されることが好ましい。同様に、例えば、第2画像102の周辺の画像や第2画像102の背景が主として白色の画像部分から構成される場合には、第2画像102は、主として黒色の画像部分から構成されることが好ましい。
ここで、図3(a)から図3(c)を参照しながら、ホログラム1の視域並びに中心領域及び非中心領域の夫々の一例について説明する。図3(a)から図3(c)は、夫々、ホログラム1の視域並びに中心領域及び非中心領域の夫々の一例を示す説明図である。尚、図3では、X軸、Y軸及びZ軸という3つの軸で定義される共通の三次元空間上で、ホログラム1の視域並びに中心領域及び非中心領域について説明する。この場合、X軸の方向が、図2における横方向(或いは、水平方向)に対応するものとする。また、Y軸の方向が、図2における縦方向(或いは、垂直方向)に対応するものとする。
ホログラム1の視域は、ホログラム1に記録された第1画像101を観察することが可能な視点位置の範囲を示す。つまり、視域の内部に視点位置が位置する観察者は、ホログラム1に記録された第1画像101を観察することができる。一方で、視域の外部に視点位置が位置する観察者は、ホログラム1に記録された第1画像101を観察することができない。
図3(a)から図3(c)に示すように、視域は、ホログラム1のホログラム面(つまり、XY平面に平行な面であって、観察者が観察する面)上の所定位置を起点に第1角度θ1(但し、θ1>0度)の広がり角で広がる範囲として定義される。但し、視域は、その他の方法を用いて特定可能な範囲として定義されてもよい。
尚、厳密に言えば、ホログラム1のホログラム面上に配列する複数の要素ホログラム11の夫々の視域の全てが一致するとは限らない。例えば、複数の要素ホログラム11のうちの一の要素ホログラム11に記録された画像を観察可能な範囲を示す一の要素ホログラム11の視域と、複数の要素ホログラム11のうちの他の要素ホログラム11に記録された画像を観察可能な範囲を示す他の要素ホログラム11の視域とは、必ずしも一致するとは限らない。特に、観察者の視点位置がホログラム1のホログラム面に過度に近接している場合には、この傾向が顕著になる。しかしながら、通常、ホログラム1は、ホログラム1のホログラム面から所定距離以上隔てた位置に視点位置が位置する観察者によって観察される。このように観察者の視点位置とホログラム1のホログラム面が所定距離以上隔てている場合には、観察者から見れば複数の要素ホログラム11の夫々の視域の全てが実質的に一致しているものとみなすことができる。従って、以下では、説明の簡略化のために、観察者から見れば複数の要素ホログラム11の夫々の視域の全てが実質的に一致しているものとみなす。具体的には、観察者から見れば複数の要素ホログラム11の夫々の視域の全てが、ホログラム面上の所定位置に位置する要素ホログラム11(例えば、ホログラム面の中心に位置する要素ホログラム11)の視域と実質的に一致しているものとみなす。つまり、ホログラム1の視域は、ホログラム面上の所定位置に位置する要素ホログラム11の視域であるものとみなす。
このような視域の中心は、ホログラム1のホログラム面に沿った(或いは、平行な)面内における視域の中心を意味する。例えば、図3(c)に示すように、ホログラム1のホログラム面に沿った(或いは、平行な)面内における視域は、概ね矩形状の形状(より具体的には、後述する空間変調器64の表示面の形状に相似な形状)を有する。従って、視域の中心は、このような矩形の中心に相当する。但し、ホログラム1の視域がホログラム面上の所定位置を起点に第1角度θ1の広がり角で広がる範囲である場合には、ゼロ度を目標値として当該広がり角を徐々に小さくしていった場合に当該小さくなっていく広がり角で広がる範囲として最後まで残る部分が、視域の中心として取り扱われてもよい。
尚、ホログラム1へ画像の記録方法によっては、図3(c)は、ホログラム1のホログラム面に沿った面内における視域は、矩形状の形状とは異なる形状であってもよい。例えば、後述する空間変調器64の表示面の一部(例えば、表示面の中央に位置する円形の表示領域)のみを用いてホログラム1に画像を記録する場合には、ホログラム1のホログラム面に沿った面内における視域は、矩形状の形状とは異なる形状であってもよい。例えば、後述する空間変調器64の表示面よりも小さい径を有する物体光LB1(つまり、空間変調器64の表示面の一部にしか照射されない物体光LB1)を用いてホログラム1に画像を記録する場合には、ホログラム1のホログラム面に沿った面内における視域は、矩形状の形状とは異なる形状(典型的には、空間変調器64の表示面上における物体光LB1のスポット形状と相似の形状)であってもよい。
中心領域は、視域のうち当該視域の中心を含む領域部分(つまり、範囲)である。例えば、中心領域は、ホログラム1のホログラム面上の所定位置を起点に第1角度θ1よりも小さい第2角度θ2(但し、θ2>0度)の広がり角で広がる範囲であって且つ視域の中心を含む範囲として定義される。一方で、非中心領域は、視域のうち中心領域以外の領域部分(つまり、範囲)である。但し、中心領域及び非中心領域の少なくとも一方は、その他の方法を用いて特定可能な範囲として定義されてもよい。
再び図2において、図2(b)は、観察者の視点位置が中心領域に位置している例を示している。従って、この場合には、観察者は、第2画像102を観察することができる。一方で、図2(a)及び図2(c)の夫々は、観察者の視点位置が非中心領域に位置している例を示している。従って、この場合には、観察者は、第2画像102を観察することができない。
図2(b)に示す例では、ホログラム面の4隅に位置する4つの+マークの画像パターンが第2画像102として用いられている。しかしながら、第2画像102として、任意の画像パターンが用いられてもよい。
このように、第1実施例によれば、観察者は、第2画像102を観察することができる場合には、観察者の現在の視点位置が中心領域に位置していると認識することができる。一方で、観察者は、第2画像102を観察することができない場合には、観察者の現在の視点位置が非中心領域に位置している(つまり、中心領域に位置していない)と認識することができる。つまり、観察者は、観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを適切に認識することができる。このため、観察者は、第2画像102を観察するように視点位置を移動させることで、視点位置を中心領域に移動させることができる。その後、観察者は、視点位置を自由に移動させることで、第1画像101の変化を楽しむことができる。
(1−3)ホログラム1に対する第1画像101及び第2画像102の記録動作
続いて、図4から図10を参照しながら、ホログラム1に対する第1画像101及び第2画像102の記録動作について説明する。図4は、ホログラム1に第1画像101及び第2画像102を記録する光学系の構成を示す斜視図である。図5は、ホログラム1に対する第1画像101及び第2画像102の記録の態様を示す模式図である。図6は、ホログラム1によって表示される第1画像101及び第2画像102の観察者による観察の態様を示す模式図である。図7は、第2画像102が記録される第1要素ホログラム11a及び第2画像102が記録されない第2要素ホログラム11bを示す平面図である。図8(a)は、空間変調器64の表示面を示す平面図である。図8(b)は、第1要素ホログラム11aに対する第1画像101及び第2画像102の記録の態様を示す模式図である。図9(a)は、空間変調器64の表示面を示す平面図である。図9(b)は、第2要素ホログラム11bに対する第1画像101の記録の態様を示す模式図である。図10は、ホログラム1に記録された第1画像101及び第2画像102の観察者による観察の態様を示す模式図である。
尚、図4から図10に示す図面では、図3と同様に、X軸、Y軸及びZ軸という3つの軸で定義される共通の三次元空間上で、ホログラム1に対する第1画像101及び第2画像102の記録動作について説明する。尚、図4から図10中のX軸、Y軸及びZ軸は、夫々、図3中のX軸、Y軸及びZ軸と同一である。
図4に示すように、ホログラム1に対する第1画像101及び第2画像102の記録は、例えば、マルチドット方式のホログラフィックステレオグラムの記録と同様の手順を用いて行われてもよい。具体的には、まず、物体光LB1が空間変調器64に入射する。空間変調器64には、ホログラム1に記録されるべき第1画像101及び第2画像102に対応する画像パターン(特に、これから記録を行おうとしている要素ホログラム11に対応する画像パターン)が表示されている。従って、物体光LB1は、空間変調器64を透過することで、空間変調器64に表示された画像パターンに応じて変調される。空間変調器64を透過した物体光LB1は、対物レンズ68によって、ホログラム1のホログラム面上の所望の要素ホログラム11に集光される。一方で、要素ホログラム11には、物体光LB1が入射してくる側とは反対側から、参照光LB2が集光されている。その結果、要素ホログラム11には、空間変調器64によって変調された物体光LB1と参照光LB2とが干渉することで生成される干渉パターンが記録される。このような干渉パターンの記録が、ホログラム1並びに空間変調器64及び対物レンズ68を含む光学系のうちの少なくとも一方を図4中のX軸及びY軸の夫々に沿って段階的に移動させることで、ホログラム面上の全ての要素ホログラム11に対して行われる。
ここで、図5に示すように、空間変調器64の表示面上の表示領域A(具体的には、物体光LB1の光路の中心に相当する光軸に対して相対的に上方に位置する表示領域A)に表示された画像パターンを透過した物体光LB1が要素ホログラム11に入射する際の入射角(つまり、ホログラム面の法線と物体光LB1とがなす角度)が、30度となるものとする。つまり、空間変調器64の表示面上の表示領域Aに表示された画像パターンを透過した物体光LB1は、要素ホログラム11に対して、図5中の左斜め上方から入射する(具体的には、対物レンズ68の光軸に対して相対的に上方から下方に向かうように入射する)ことになる。
同様に、図5に示すように、空間変調器64の表示面上の表示領域B(具体的には、物体光LB1の光軸付近に位置する表示領域B)に表示された画像パターンを透過した物体光LB1が要素ホログラム11に入射する際の入射角が、0度となるものとする。つまり、空間変調器64の表示面上の表示領域Bに表示された画像パターンを透過した物体光LB1は、要素ホログラム11に対して、図5中の左水平方向から入射する(具体的には、対物レンズ68の光軸に沿うように入射する)ことになる。
同様に、図5に示すように、空間変調器64の表示面上の表示領域C(具体的には、物体光LB1の光軸に対して相対的に下方に位置する表示領域C)に表示された画像パターンを透過した物体光LB1が要素ホログラム11に入射する際の入射角が、−25度となる。つまり、空間変調器64の表示面上の表示領域Cに表示された画像パターンを透過した物体光LB1は、要素ホログラム11に対して、図5中の左斜め下方から入射する(具体的には、対物レンズ68の光軸に対して相対的に下方から上方に向かうように入射する)ことになる。
図6に示すように、図5に示すように画像パターンが干渉パターンとして記録された要素ホログラム11を観察者が観察する際には、要素ホログラム11に対して、例えば照明光LB3が照射される。尚、図6に示す例では、照明光LB3は、図5の参照光LB2が照射される側から、参照光LB2と同じ角度で照射されるものとする。
その結果、図6に示すように、要素ホログラム11(具体的には、要素ホログラム11の法線)に対して視線が−30度という角度で交わる観察位置から要素ホログラム11を観察する観察者XAは、空間変調器64の表示領域Aに表示された画像パターンを観察することになる。同様に、要素ホログラム11に対して視線が0度という角度で交わる観察位置から要素ホログラム11を観察する観察者XBは、空間変調器64の表示領域Bに表示された画像パターンを観察することになる。同様に、要素ホログラム11に対して視線が25度という角度で交わる観察位置から要素ホログラム11を観察する観察者XCは、空間変調器64の表示領域Cに表示された画像パターンを観察することになる。
つまり、空間変調器64の表示面を構成する複数の表示領域の夫々が表示する画像パターンは、各表示領域に対応する観察位置に位置する観察者によって観察される画像パターンである。このため、要素ホログラム11への記録時に、空間変調器64は、観察者の視点位置(実質的には、図6に示す要素ホログラム11に対して視線が交わる角度ないしは観察位置と同義)と当該視点位置から観察されるべき画像との関係に基づいて、所望の画像パターンを各表示領域に表示する。その結果、観察者の移動に応じて表示態様が変化する第1画像101及び中心領域に視点位置が位置する観察者が観察可能である一方で非中心領域に視点位置が位置する観察者が観察不可能な第2画像102がホログラム1に記録される。
尚、各要素ホログラム11には、所望の第1画像101の一部分(つまり、断片)に対応する画像パターンが干渉パターンとして記録されるに過ぎない。従って、ホログラム面上の複数の要素ホログラム11の夫々に対して、所望の第1画像101の各部分に対応する画像パターンが干渉パターンとして記録されれば、ホログラム1を観察する観察者は、所望の第1画像101全体を観察することができる。第2画像102についても同様である。
このような画像パターンの記録態様と画像パターンの観察態様との関係を踏まえて、第1実施例では、図7から図9に示す態様で第1画像101及び第2画像102がホログラム1に記録される。
まず、図7に示すように、第1実施例では、複数の要素ホログラム11は、第2画像102が記録される第1要素ホログラム11aと、第2画像102が記録されない第2要素ホログラム11bとに分類される。尚、図7は、ホログラム面の4隅に位置する4つの+マーク(図2(b)参照)が第2画像102として用いられる場合の第1要素ホログラム11a及び第2要素ホログラム11bの例を示している。第2画像102が+マークの画像パターンであるがゆえに、第1要素ホログラム11aもまた、ホログラム面の4隅に+マークの如き分布態様で分布している。
続いて、まずは、図8(a)から図8(b)を参照しながら、第1要素ホログラム11aに対する記録動作について説明する。
図8(a)に示すように、空間変調器64の表示面が複数の表示領域に分割されていることは上述したとおりである。図8(a)に示す例では、空間変調器64の表示面は、9行×9列のマトリクス状に配列されている81個の表示領域Cijに分割されているものとして説明を進める。尚、iは、X軸方向の表示領域の位置を示す変数であって且つ1≦i≦9を満たす整数である。jは、Y軸方向の表示領域の位置を示す変数であって且つ1≦j≦9を満たす整数である。
図8(b)に示すように、複数の表示領域Cijの夫々が表示する画像パターンは、各表示領域Cijに対応する観察位置Pijに位置する観察者によって観察される画像パターンである。例えば、表示領域Cijを透過した物体光LB1が要素ホログラム11に入射する第1入射角が、θijであるものとする。この場合、要素ホログラム11(具体的には、要素ホログラム11の法線)に対して視線が−θijという角度で交わる観察位置Pijから要素ホログラム11を観察する観察者Xijは、空間変調器64の表示領域Cijに表示された画像パターンを観察することになる。つまり、要素ホログラム11に対して視線が−θijという角度で交わる観察位置Pijから要素ホログラム11を観察する観察者Xijは、空間変調器64の表示領域Cijを透過した物体光LB1が入射する要素領域111aijに表示された画像パターンを観察することになる。従って、空間変調器64は、観察者Xijに観察されるべき第1画像101のうち記録動作の対象となっている第1要素ホログラム11aに記録されるべき一部分に対応する画像パターンを表示領域Cijに表示する。
尚、図8(b)に示す例では、第1要素ホログラム11aは、人物を示す第1画像101が表示されない要素ホログラムとなっている。従って、図8(a)に示すように、全ての表示領域Cijは、第1画像101の一部分の画像パターンを表示しない。しかしながら、第1要素ホログラム11aが第1画像101の画像情報を有する箇所の要素ホログラムである場合には、各表示領域Cijは、第1画像101の一部分の画像パターンを表示することは言うまでもない。
加えて、複数の表示領域Cijのうちの少なくとも一つは、中心領域に視点位置が位置する観察者が観察する画像パターンを表示する表示領域である。図8(b)に示す例では、表示領域C55が、中心領域に視点位置が位置する観察者が観察する画像パターンを表示する表示領域であるものとする。つまり、空間変調器64の表示面の概ね中心に位置する表示領域C55が、中心領域に視点位置が位置する観察者が観察する画像パターンを表示する表示領域であるものとする。尚、表示領域C55は、要素ホログラム11(具体的には、要素ホログラム11の法線)に対して視線が−θ55(例えば、0度)という角度で交わる観察位置P55から要素ホログラム11を観察する観察者X55が観察する画像パターンを表示する。
この場合、空間変調器64は、観察者X55に観察されるべき第2画像102のうち記録動作の対象となっている第1要素ホログラム11aに記録されるべき一部分に対応する画像パターンを表示領域C55に表示する。図8(b)に示す例では、第2画像102が+マークの画像パターンであるため、空間変調器64は、黒色の画像パターンを表示領域C55に表示している。
尚、空間変調器64は、観察者X55に観察されるべき第1画像101のうち記録動作の対象となっている第1要素ホログラム11aに記録されるべき一部分に対応する画像パターンと、観察者X55に観察されるべき第2画像102のうち記録動作の対象となっている第1要素ホログラム11aに記録されるべき一部分に対応する画像パターンとを合成することで得られる画像パターンを表示面に表示してもよい。
各表示領域Cijに画像パターンが表示された後に、物体光LB1は、空間変調器64を透過する。その結果、物体光LB1は、空間変調器64に表示された画像パターンに応じて変調される。空間変調器64を透過した物体光LB1は、第1要素ホログラム11aに集光される。その結果、第1要素ホログラム11aには、全ての表示領域Cijを透過してきた物体光LB1と参照光LB2とが干渉することで生成される干渉パターンが記録される。ここで、第2画像102の画像パターンが表示領域C55に表示されるがゆえに、第1要素ホログラム11aには第2画像102の画像情報を含んだパターンが記録される。
続いて、図9(a)から図9(b)を参照しながら、第2要素ホログラム11bに対する記録動作について説明する。
図9(a)に示すように、空間変調器64の表示面が複数の(図9(a)に示す例では、81個の)表示領域Cijに分割されていることは上述したとおりである。
図9(b)に示すように、複数の表示領域Cijの夫々が表示する画像パターンは、各表示領域Cijに対応する観察位置Pijに位置する観察者によって観察される画像パターンであることは上述したとおりである。従って、空間変調器64は、観察者Xijに観察されるべき第1画像101のうち記録動作の対象となっている第2要素ホログラム11bに記録されるべき一部分に対応する画像パターンを表示領域Cijに表示する。
一方で、第2要素ホログラム11bには、第2画像102が記録されない。従って、空間変調器64は、複数の表示領域Cijのうちの中心領域に視点位置が位置する観察者が観察する画像パターンを表示する表示領域(例えば、表示領域C55)に、第2画像102の画像パターンを表示しなくてもよい。
各表示領域Cijに画像パターンが表示された後に、物体光LB1は、空間変調器64を透過する。その結果、物体光LB1は、空間変調器64に表示された画像パターンに応じて変調される。空間変調器64を透過した物体光LB1は、第2要素ホログラム11bに集光される。その結果、第2要素ホログラム11bには、全ての表示領域Cijを透過してきた物体光LB1と参照光LB2とが干渉することで生成される干渉パターンが記録される。ここで、第2画像102の画像パターンが全ての表示領域Cijに表示されることがないがゆえに、第2要素ホログラム11bには、第1画像101の画像情報を含み、第2画像102の画像情報を含まないパターンが記録される。
このように複数の要素ホログラム11(つまり、第1要素ホログラム11a及び第2要素ホログラム11b)対する記録動作が行われると、観察者は、例えば図10に示す観察態様で第1画像101及び第2画像102を観察することができる。例えば、空間変調器64の表示領域C51に対応する観察位置P51からホログラム1を観察する観察者X51は、表示領域C51に表示された画像パターンが構成する第1画像101を観察する。空間変調器64の表示領域C53に対応する観察位置P53からホログラム1を観察する観察者X53は、表示領域C53に表示された画像パターンが構成する第1画像101を観察する。空間変調器64の表示領域C55に対応する観察位置P55からホログラム1を観察する観察者X55は、表示領域C55に表示された画像パターンが構成する第1画像101及び第2画像102の双方を観察する。空間変調器64の表示領域C57に対応する観察位置P57からホログラム1を観察する観察者X57は、表示領域C57に表示された画像パターンが構成する第1画像101を観察する。空間変調器64の表示領域C59に対応する観察位置P59からホログラム1を観察する観察者X59は、表示領域C59に表示された画像パターンが構成する第1画像101を観察する。
尚、第2画像102は、ホログラム1の視域のうち所定領域に視点位置が位置する観察者によって観察される画像であってもよい。この場合、第2画像102は、当該第2画像102を観察している観察者の視点位置が所定領域に位置していることを示す画像であってもよい。所定領域は、中心領域の少なくとも一部であってもよい。所定領域は、非中心領域の少なくとも一部であってもよい。所定領域は、視域の少なくとも一部の範囲であってもよい。
(2)第2実施例のホログラム2
続いて、図11から図13を参照しながら、第2実施例のホログラム2について説明する。尚、第2実施例のホログラム2は、第1実施例のホログラム1と比較して、後述する第3画像103が更に記録されているという点において異なっている。第2実施例のホログラム2のその他の構成要件については、第1実施例のホログラム1のその他の構成要件と同一であってもよい。従って、以下では、第2実施例のホログラム2に特有の構成要件に着目して説明を進める。
(2−2)ホログラム2を観察する観察者によって観察される画像
初めに、図11(a)から図11(c)を参照して、第2実施例のホログラム2を観察する観察者によって観察される画像について説明する。図11(a)から図11(c)は、夫々、第2実施例のホログラム2を観察する観察者の始点位置が移動している場合に、当該観察者によって観察される画像を示す模式図である。
図11(a)から図11(c)に示すように、第2実施例では、非中心領域に視点位置が位置する観察者は、第1画像101に加えて、第3画像103を観察する。一方で、中心領域に視点位置が位置する観察者は、第1画像101を観察する一方で、第3画像103を観察することはない。従って、ホログラム1には、中心領域に視点位置が位置する観察者から観察不可能である一方で非中心領域に視点位置が位置する観察者から観察可能な第3画像103が記録されている。
尚、第3画像103は、非中心領域に視点位置が位置する全ての観察者から観察可能でなくてもよい。つまり、第3画像103は、非中心領域の一部に視点位置が位置する観察者から観察可能である一方で、非中心領域の他の一部に視点位置が位置する観察者から観察不可能であってもよい。言い換えれば、つまり、第3画像103は、非中心領域の少なくとも一部に視点位置が位置する観察者から観察可能であれば十分である。
第3画像103は、当該第3画像103を観察している観察者の視点位置が中心領域に位置していない(つまり、非中心領域に位置している)ことを示す画像である。第3画像103は、当該第3画像103と共に観察される第1画像101が、中心領域に位置している視点位置から観察可能な第1画像101でないことを示す画像である。
第3画像103は、第3画像103の周辺の画像や第3画像103の背景と容易に区別可能な画像であることが好ましい。例えば、第3画像103の周辺の画像や第3画像103の背景が主として黒色の画像部分から構成される場合には、第3画像103は、主として白色の画像部分から構成されることが好ましい。同様に、例えば、第3画像103の周辺の画像や第3画像103の背景が主として白色の画像部分から構成される場合には、第3画像103は、主として黒色の画像部分から構成されることが好ましい。
第3画像103は、当該第3画像103を観察している観察者の視点位置と中心領域との位置関係に応じて表示態様が変化する画像であってもよい。例えば、第3画像103を観察している観察者の視点位置が中心領域から相対的に遠い位置に位置している場合には、観察者は、第1表示態様で表示される第3画像103を表示してもよい。例えば、第3画像103を観察している観察者の視点位置が中心領域に相対的に近い位置に位置している場合には、観察者は、第1表示態様とは異なる第2表示態様で表示される第3画像103を表示してもよい。
第3画像103の表示態様が視点位置と中心領域との位置関係に応じて変化する場合には、第3画像103は、当該第3画像103を観察している観察者の視点位置から中心領域に向かう方向を示す画像であってもよい。例えば、図11(a)及び図11(c)に示す例では、観察者の視点位置から中心領域に向かう方向を示す矢印の画像パターンが、第3画像103として用いられている。具体的には、図11(a)は、ホログラム1に向かって左側に向かう矢印の画像パターンである第3画像103を観察者が観察する例を示している。この場合、観察者は、観察者の視点位置から中心領域に向かう方向が、第3画像103の矢印が示す方向(つまり、ホログラム1に向かって左側に向かう方向)であることを認識することができる。また、図11(c)は、ホログラム1に向かって右側に向かう矢印の画像パターンである第3画像103を観察者が観察する例を示している。この場合、観察者は、観察者の視点位置から中心領域に向かう方向が、第3画像103の矢印が示す方向(つまり、ホログラム1に向かって右側に向かう方向)であることを認識することができる。
第3画像103の表示態様が視点位置と中心領域との位置関係に応じて変化する場合には、第3画像103は、当該第3画像103を観察している観察者の視点位置から中心領域までの距離を示す画像であってもよい。例えば、図11(a)及び図11(c)に示す例では、観察者の視点位置から中心領域までの距離の大きさ(長さ)が矢印の大きさ(長さ)と比例する関係にある矢印の画像パターンが、第3画像103として用いられている。具体的には、図11(a)は、相対的に大きい(長い)矢印の画像パターンである第3画像103を観察者が観察する例を示している。この場合、観察者は、観察者の視点位置から中心領域までの距離が相対的に大きい(長い)ことを認識することができる。また、図11(c)は、相対的に小さい(短い)矢印の画像パターンである第3画像103を観察者が観察する例を示している。この場合、観察者は、観察者の視点位置から中心領域までの距離が相対的に小さい(短い)ことを認識することができる。
このように、第2実施例によれば、観察者は、第3画像103を観察することができる場合には、観察者の現在の視点位置が中心領域に位置していないと認識することができる。つまり、観察者は、観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかを適切に認識することができる。このため、観察者は、第3画像103を観察することができなくなるように視点位置を移動させることで、視点位置を中心領域に移動させることができる。その後、観察者は、視点位置を自由に移動させることで、第1画像101の変化を楽しむことができる。
加えて、第2実施例によれば、第3画像103は、当該第3画像103を観察している観察者の視点位置と中心領域との位置関係に応じて表示態様が変化する画像であってもよい。この場合、観察者は、観察者の視点位置が視域のどのあたりに位置するかをより一層適切に認識することができる。
加えて、第2実施例によれば、第3画像103は、当該第3画像103を観察している観察者の視点位置から中心領域に向かう方向を示す画像であってもよい。この場合、観察者は、視点位置がどの方向に移動すれば視点位置が中心領域に位置することになるかを適切に認識することができる。従って、観察者は、第3画像103を観察しながら視点位置を移動させることで、比較的容易に、視点位置を中心領域に移動させることができる。
加えて、第2実施例によれば、第3画像103は、当該第3画像103を観察している観察者の視点位置から中心領域までの距離を示す画像であってもよい。この場合、観察者は、視点位置がどの程度の距離だけ移動すれば視点位置が中心領域に位置することになるかを適切に認識することができる。従って、観察者は、第3画像103を観察しながら視点位置を移動させることで、比較的容易に、視点位置を中心領域に移動させることができる。
尚、第3画像103は、第2画像102と同様の態様で記録されてもよい。具体的には、複数の要素ホログラム11は、第2画像102が記録される第1要素ホログラム11aと、第2画像102及び第3画像103が記録されない第2要素ホログラム11bと、第3画像103が記録される第3要素ホログラム11cに分類されてもよい。第3要素ホログラム11cに対する記録動作が行われる場合には、空間変調器64は、観察者Xijに観察されるべき第1画像101のうち記録動作の対象となっている第3要素ホログラム11cに記録されるべき一部分に対応する画像パターンを表示領域Cijに表示する。また、空間変調器64は、非中心領域に位置する観察者Xijに観察されるべき第3画像103のうち記録動作の対象となっている第3要素ホログラム11cに記録されるべき一部分に対応する画像パターンを、非中心領域に視点位置が位置する観察者が観察する画像パターンを表示する表示領域Cijに表示する。この場合、空間変調器64は、非中心領域に位置する観察者Xijに観察されるべき第1画像101のうち記録動作の対象となっている第3要素ホログラム11cに記録されるべき一部分に対応する画像パターンと、非中心領域に位置する観察者Xijに観察されるべき第3像103のうち記録動作の対象となっている第3要素ホログラム11cに記録されるべき一部分に対応する画像パターンとを合成することで得られる画像パターンを表示面に表示してもよい。
また、ホログラム2には、第3画像103が記録されている一方で、第2画像102が記録されていなくてもよい。この場合であっても、上述した各種効果が相応に享受される。
(3)ホログラムの光学記録装置
続いて、図12及び図13を参照して、ホログラム1に対して第1画像101、第2画像102及び第3画像103のうちの少なくとも一つを記録する光学記録装置50について説明を進める。図12は、光学記録装置50の構成を示すブロック図である。図13は、光学記録装置50によるホログラム1に対する第1画像101、第2画像102及び第3画像103のうちの少なくとも一つの記録動作の流れを示すフローチャートである。
図12に示すように、光学記録装置50は、レーザ光源21と、コリメータレンズ22と、シャッター23と、1/2波長板24と、偏光ビームスプリッタ25と、アパーチャ26と、縮小光学系27と、ミラー28と、ミラー29と、ホログラム(但し、第1画像101、第2画像102及び第3画像103が記録されていないブランクホログラム)10と、ホログラム移動機構35と、ホログラム位置制御部36と、メインコントローラ51と、露光制御部52と、シャッター隠閉機構53と、画像生成部ISと、表示器ドライバDDと、ミラー61と、ビーム拡散板62と、透過型の空間変調器64と、リレーレンズ65及び66と、ナイキストフィルタ67と、対物レンズ68とを備える。
メインコントローラ51は、シャッター23を駆動する露光制御部52、ホログラム移動機構35を駆動するホログラム位置制御部36、及び空間変調器64を駆動する画像生成部IS等を駆動する。
光源21が出射するコヒーレント光LBから参照光LB2を生成する参照光光学系は、偏光ビームスプリッタ25と、アパーチャ26と、縮小光学系27と、ミラー28と、ミラー29とを備える。光源21が出射するコヒーレント光LBから物体光LB1を生成する物体光光学系は、偏光ビームスプリッタ25と、ミラー61と、ビーム拡散板62と、空間変調器64と、リレーレンズ65及び66と、ナイキストフィルタ67と、対物レンズ68とを備える。
ホログラム移動機構35は、参照光LB2及び物体光LB1の光路の交差する記録位置にホログラム1の所定位置(例えば、所望の要素ホログラム11に相当する位置)を一致させるように、ホログラム1を移動する。
光源21が出射するコヒーレント光LBは、コリメータレンズ22によって平行光に変換される。その後、平行光は、シャッター23及び1/2波長板24を透過する。偏光ピームスプリッタ25は、透過した平行光を、物体光LB1と参照光LB2とに分離する。
参照光LB2は、適切な大きさを持つ矩形のアパーチャ26を介して、縮小光学系27に供給される。縮小光学系27は、参照光LB2を、細い矩形ビーム断面の参照光LB2に変換する。その後、参照光LB2は、ミラー28及びミラー29を介して、ホログラム1の物体光LB1の集光点(記録位置)へ、物体光LB1の入射面とは反対側の面より照射される。アパーチャ26により、参照光LB2のスポットは、ホログラム1のホログラム面上での物体光LB1のスポットと同じ大きさになる。
一方で、物体光LB1は、ミラー61及びビーム拡散板62を介して、空間変調器64に入射する。
ここで、通常、要素ホログラム11は、一辺の長さが数百ミクロンメートル程度の正方形の形状となる。二次元画像の記録時には、この要素ホログラム11の内部を均一に露光することが好ましい。ところが、対物レンズ68により集光される物体光LB1のスポットの大きさは、要素ホログラム11の大きさよりも小さくなる。例えば、物体光LB1の波長を0.532ミクロンメートルとし且つ対物レンズ68のNAを0.5とすると、集光点での物体光LB1のスポットの直径は、1.3ミクロンメートル程度となる。微小な集光点のみにパワーが集中するのを避けるために、空間変調器64の表示面上に、ビーム拡散板62が配置される。
空間変調器64は、メインコントローラ51により制御される。メインコントローラ51の制御に応じて、画像生成部IS及び表示器ドライバDDは、図4から図11等を参照して説明した画像パターンを、空間変調器64に表示させる。空間変調器64は、例えば、アクティブマトリクス駆動回路が形成された透過裂液晶デバイスである。
空間変調器64は、表示された画像パターンに応じて物体光LB1を変調する。変調された物体光LB1は、リレーレンズ65、ナイキストフィルタ67及びリレーレンズ66の結像光学系を介して、対物レンズ68へと入射する。対物レンズ68は、物体光LB1をホログラム1の所定位置に、球面波として集光する。
結像光学系は、2つのリレーレンズ65及び66を用いた4f光学系等である。また、2つのリレーレンズ65及び66の間に配置された矩形の関口部を持つナイキストフィルタ67は、空間変調器64による不要な回折光を除去すると共に、記録される要素ホログラム11の大きさも制限する。即ち、集光点における物体光LB1のスポットの形状を横方向に拡がりのあるものとすると共に、スポットが横方向に拡がり過ぎることを制限するために、ホログラム1のホログラム面と共役の関係にある位置に、ナイキストフィルタ67が配置される。空間変調器64の表示面の近傍の物体光LB1によるホログラム1上でのスポットの大きさ(面積)は、リレーレンズ66と対物レンズ68の焦点距離比で決まる光学倍率にナイキストフィルタ67のサイズを乗じた大きさとなる。このため、要素ホログラム11のサイズが適切なサイズとなるように、ナイキストフィルタ67の大きさが決定される。このビーム拡散板63とナイキストフィルタ67の働きにより、物体光LB1のスポットは、ホログラム面上で正確に要素ホログラム11と同一の大きさを有することになるがゆえに、均一な強度分布を持つスポットとなる。尚、ビーム拡散板62は、空間変調器64の表示面上又はその結像面上に配置されることが好ましい。但し、ビーム拡散板62は、物体光LB1の光路中の他の位置に配置されていてもよい。
空間変調器64に表示された画像パターンは、結像光学系により、対物レンズ68の直前の結像面PLに一旦結像される。結像面PLの位置が対物レンズ68の焦点距離f0に等しくなるように、対物レンズ68は配置されている。また、ホログラム11の位置が対物レンズ68の焦点距離f0に等しくなるように、ホログラム11が配置されている。
ホログラム1は、例えば、図示しない感光材からなる感光シートがガラス基板とPETフィルムとに挟まれた構造を有している。物体光LB1は、ガラス基板側から入射し、感光シートの界面近傍に集光する。参照光LB2は、PETフィルム側より入射する。ここで、物体光LB1は、空間変調器64に入射する前にビーム拡散板62を通過している。このため、感光シートの界面上で物体光LB1のピーク強度が落ち、物体光LB1は、横方向に拡がりを持つ形状となる。ピーク強度が落ちることにより、1つの要素ホログラム11内で均一な記録を行うことができると共に、感光シートの感度を有効に利用することができる。
ホログラム1の集光点での横方向の拡がりについてはナイキストフィルタ67により制限され、所定の大きさを持つ矩形領域のみに物体光LB1が照射されることになる。参熊光LB2及び物体光LB1の光路の交差する領域に、要素ホログラム11が記録される。
ホログラム11には、複数の要素ホログラム11が、ホログラム面に沿って繰り返しラスタスキャンされることで、記録される。複数の要素ホログラム11を隙間無く整列させるために、ホログラム1における参照光LB2及び物体光LB1の光路の交差する記録位震を、X軸及びY軸の夫々の方向に沿って、要素ホログラム11の一辺の長さと同じだけ相対的に移動させる。ホログラム1の移動が完了してホログラム1の振動が収まると、次の要素ホログラム11が記録される。そして、この動作を繰り返すことにより、ホログラム1にマトリクス状に配置される複数の要素ホログラム11が記録される。
続いて、光学記録装置50の記録動作について説明する。
図13に示すように、まず、ホログラム1が、最初の要素ホログラム11を記録するための位置に移動される。その後、メインコントローラ51の指令に応じて、最初の要素ホログラム11に記録するべき画像パターンが、画像生成部ISによって生成される(ステップS1)。その後、画像生成部ISが生成した画像パターンが、表示器ドライバDDに転送されることが、空間変調器64に画像パターンが表示される(ステップS2)。
続いて、メインコントローラ51から指令に応じて、露光制御部52により、要素ホログラム11に対して画像パターンが記録される。具体的には、メインコンローラ51からの指令に応じて、空間変調器64の表示とシャッター23の開閉とが、両者のタイミングが適切に同期するように実行される。ここでは、画像パターンの記録(露光記録)に必要な露光エネルギー量、露光時間及び露光パターンが実現されるように、メインコントローラ51が、適切なシャッター23の開閉タイミングをシャッター開閉機構53に指示する。ここで、シャッター23を開ける(ステップS3)ことにより、参照光LB2が照射された位置への物体光LB1の照射(つまり、露光)が実行される。このような物体光LB1の照射(露光)は、規定の露光時間だけ継続して行われる(ステップS4)。既定の露光時間だけ物体光LB1の照射が行われた後、シャッター23が閉じられる。
以上説明したステップS2からステップS5までの動作が、各要素ホログラム11への物体光LB1の照射(露光)が規定の露光回数行われるまで、繰り返し行われる(ステップS6)。各要素ホログラム11への物体光LB1の照射(露光)が規定の露光回数行われた場合には、空間変調器64による画像パターンの表示が停止される(ステップS7)。
以上説明したステップS1からステップS7までの動作が、ホログラム1上の全ての記録位置に対して行われるまで、繰り返し行われる。つまり、以上説明したステップS1からステップS7までの動作が、全ての要素ホログラム11が記録されるまで、繰り返し行われる。尚、ステップS1からステップS7までの動作が全ての記録位置に対して未だ行われていない場合には、ホログラム1が、次の要素ホログラム11を記録するための位置に移動された後に、ステップS1以降の動作が行われる。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うホログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
10 ホログラム
11 要素ホログラム
64 空間変調器
68 対物レンズ
101 第1画像
102 第2画像
103 第3画像
LB1 物体光
LB2 参照光
LB3 照明光

Claims (9)

  1. 観察者の視点位置の移動に応じて表示態様が変化する第1画像が観察されるように前記第1画像が記録されており、
    前記第1画像を観察可能な前記視点位置の範囲を示す視域の中心を含む中心領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察される第2画像が更に記録されている
    ことを特徴とするホログラム。
  2. 前記第2画像は、当該第2画像と共に観察される前記第1画像が、前記中心領域から観察される前記第1画像であることを示す
    ことを特徴とする請求項1に記載のホログラム。
  3. 前記第2画像は、前記視域のうち前記中心領域とは異なる非中心領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察されない
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のホログラム。
  4. 前記視域のうち前記中心領域とは異なる非中心領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察され且つ前記第2画像とは異なる第3画像が更に記録されている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のホログラム。
  5. 前記第3画像は、当該第3画像が観察される前記視点位置と前記中心領域との間の位置関係に応じて変化する画像部分を含む
    ことを特徴とする請求項4に記載のホログラム。
  6. 前記第3画像は、当該第3画像が観察される前記視点位置から前記中心領域に向かう方向及び当該第3画像が観察される前記視点位置から前記中心領域までの距離のうちの少なくとも一方を直接的に又は間接的に示す画像部分を含む
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のホログラム。
  7. 前記ホログラムのホログラム面には、少なくとも前記第1画像を構成する第1画像パターンが表示される空間変調器によって空間変調された物体光が照射されることで少なくとも前記第1画像パターンが記録される要素ホログラムが複数配列されており、
    前記複数の要素ホログラムは、前記第2画像を構成する第2画像パターンが記録される第1要素ホログラムと、前記第2画像パターンが記録されない第2要素ホログラムとを含む
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のホログラム。
  8. 観察者の視点位置の移動に応じて表示態様が変化する第1画像が観察されるように前記第1画像が記録されており、
    前記第1画像を観察可能な前記視点位置の範囲を示す視域の中心を含む中心領域とは異なる非中心領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察される第3画像が更に記録されている
    ことを特徴とするホログラム。
  9. 観察者の視点位置の移動に応じて表示態様が変化する第1画像が観察されるように前記第1画像が記録されており、
    前記第1画像を観察可能な前記視点位置の範囲を示す視域のうち所定領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像と共に観察される第4画像であって且つ当該第4画像と共に観察される前記第1画像が前記所定領域に位置する前記視点位置から観察される前記第1画像であることを示す第4画像が更に記録されている
    ことを特徴とするホログラム。
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