JP2016061080A - 地山状況予測方法 - Google Patents

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【課題】トンネルの沈下のみならず、水平内空変位も精度よく特定することができ、もって切羽前方の地山状況を精度よく予測することのできる地山状況予測方法を提供すること。【解決手段】少なくとも半円形部Taを含む断面形状のトンネルTの掘進に伴って、切羽前方の地山状況を予測する地山状況予測方法であって、トンネルアーチ部において、トンネルTの軸方向に間隔を置いて複数の傾斜計1,2,3を設置し、各傾斜計1,2,3の計測データを取得し、隣接する傾斜計のそれぞれの計測データから傾斜角の変化量を算定し、算定結果に基づいて切羽前方の地山状況を予測する方法において、水平方向のスプリングラインSLと鉛直方向のセンターラインCLの交点Oを中心として、スプリングラインSLから角度55〜65度の範囲に傾斜計1,2,3を設置する。【選択図】図2

Description

本発明は、トンネルの掘進に伴って変化する切羽の前方の地山状況を予測する地山状況予測方法に関するものである。
山岳トンネルの設計に際しては、計画段階において種々の地盤調査を実施し、事前に地山状況を予測し、地山の状況に応じて、先受け工等の補助工法や対策工法の計画をおこなっている。
しかしながら、地盤調査の技術的な限界や費用面の制約等から調査数は限定され、各調査ポイントにおける調査結果をトンネルの掘進方向で内挿等しながら地山状況を二次元的に、もしくは三次元的に模擬している。したがって、実際にトンネルの施工をおこなった際に、予測される地山状況とは異なる地山が現れることは往々にしてあることから、トンネルの掘進に伴い、切羽前方の地山状況を精度よく予測することが山岳トンネルの施工においては極めて重要になる。
ここで、特許文献1,2には、精度よく切羽前方の地山状況を予測する地山状況予測方法が開示されている。
詳細には、特許文献1に開示の地山状況予測方法は、トンネルを第一の切羽まで掘り進んだ後、第一の切羽から距離aだけ坑口側に離れた位置のトンネル天端部に傾斜計を設置する作業、第一の切羽の前方に距離bだけ掘り進んだ後、傾斜計によりトンネル天端部の第一傾斜角度を計測する作業、第一の切羽よりも前方の第二の切羽まで掘り進んだ後、第二の切羽から距離aだけ坑口側に離れた位置のトンネル天端部に傾斜計を設置する作業、第二の切羽の前方に距離bだけ掘り進んだ後、傾斜計によりトンネル天端部の第二傾斜角度を計測する作業を備え、第一傾斜角度と第二傾斜角度を比較することによって第二の切羽より前方の地山状況を予測する方法である。
一方、特許文献2に開示の地山状況予測方法は、トンネル軸方向に沿った2点間距離がLとなるようにトンネル天端部に2つの測点を設定する準備工程、2つの測点間の傾斜角度と伸縮量によって切羽前方の地山状況を予測する予測工程を備えるものであって、予測工程は、2つの測点間の傾斜角度Δθnおよび伸縮量ΔLnを傾斜計および伸縮計によって計測する計測作業、傾斜角度Δθnおよび伸縮量ΔLnを用いて沈下量ΔSnを算出するとともにΔLn/ΔSn値を算出する算出作業、ΔLn/ΔSn値を前回の算出作業で算出されたΔLn-1/ΔSn-1値と比較する比較作業を備え、ΔLn/ΔSn値が減少していく傾向が見られる場合には切羽前方に軟弱層が存在すると予測し、ΔLn/ΔSn値が増加していく傾向が見られる場合には切羽前方に堅硬層が存在すると予測する方法である。
特許文献1,2に開示の地山状況予測方法はいずれも、トンネルの天端部に傾斜計を設置し、計測結果に基づいて切羽前方の地山状況を予測するものである。
ところで、トンネル掘進時に発生するトンネルの変形モードにはいくつかのモードがあり、これを大別すると図15(a)で示す沈下が卓越するモード、図15(b)で示す水平内空変位が卓越するモード、図15(c)で示す沈下と水平内空変位が双方同程度に発生する等方的に変形するモードがある。
したがって、トンネル天端部に傾斜計を設置してトンネル軸方向の傾斜角の変化を捉える方法では、掘削に伴うトンネル横断方向の傾斜角の変化を捉えることができない。
たとえば、上記方法では、天端沈下には変化がないものの、水平方向変位が大きく発生するような前方地山の変化を見逃してしまう惧れがある。このことを図16を参照して説明する。
図16(a)で示すケースは、トンネルの掘進方向に均質な地山が続いているケースである。ここで、切羽から所定距離離れた位置に測点c、測点cから10m坑口側に測点b、測点bから10m坑口側に測点aが設けてあり、トンネル天端にある各測点に傾斜計が設置されている。
各測点において、切羽から2m離れた際の傾斜角(切羽離れ2m時の傾斜角)、3m離れた際の傾斜角、4m離れた際の傾斜角をそれぞれ測定し、各切羽離れ時の各測点における傾斜角を直線で結ぶ。
図16(a)で示すように、トンネルの掘進方向に均質な地山が続いている場合は、各傾斜角を結ぶ直線は水平線となる。したがって、このようなケースでは、トンネルの天端に傾斜計が設置されていても、天端沈下量の差異に起因する計測結果(トンネル軸方向の傾斜角)の信頼性は高い。
一方、図16(b)は切羽前方に軟弱層が存在しているケースであり、図16(c)は切羽前方から現在の切羽に亘って軟弱層が存在しているケースである。
図16(b)より、切羽前方の軟弱層の影響を受け、軟弱層に近い測点cの傾斜角は大きくなり、したがって、トンネルの天端に傾斜計が設置されていても、切羽前方の軟弱層の存在を十分に反映した計測結果が示されている。
図16(a)、(b)に対し、図16(c)では、軟弱層の影響により、各測点の天端の沈下量に変化がないものの、水平内空変位量は増大することがある。しかしながら、各測点の天端沈下量に変化がないことから、各測点の傾斜角を結ぶ直線は水平線となり、水平内空変位が反映されないことになり、軟弱層の存在を看過する可能性が生じ得る。
特開2012−7408号公報 特開2013−177757号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、トンネルの沈下のみならず、水平内空変位も精度よく特定することができ、もって切羽前方の地山状況を精度よく予測することのできる地山状況予測方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による地山状況予測方法は、少なくとも半円形部を含む断面形状のトンネルの掘進に伴って、切羽前方の地山状況を予測する地山状況予測方法であって、トンネルアーチ部において、トンネルの軸方向に間隔を置いて複数の傾斜計を設置し、各傾斜計の計測データを取得し、隣接する傾斜計のそれぞれの計測データから傾斜角の変化量を算定し、算定結果に基づいて切羽前方の地山状況を予測する方法において、水平方向のスプリングラインSLと鉛直方向のセンターラインCLの交点Oを中心として、スプリングラインSLから角度55〜65度の範囲に前記傾斜計を設置することを特徴とするものである。
本発明者等の検証によれば、スプリングラインSLから所定の傾角位置に傾斜計(二軸の傾斜計)を設置することにより、トンネルの掘進方向、すなわち、軸方向の傾斜角に加えて、トンネルの断面方向(もしくは横断方向)の傾斜角を測定することができ、しかも、この所定の傾角位置をスプリングラインSLから角度55〜65度の範囲に規定したことにより、他の部位に傾斜計を設置した場合に比して、断面方向の傾斜角の最大値もしくは最大値に近似した値が得られることが実証されている。また、軸方向の傾斜角に関しては、計測される傾斜角は低減するものの、最大値に比して70〜99%程度の大きさの傾斜角が測定できることが実証されており、トンネルの断面方向の傾斜角が精度よく特定できることと合わせても、トンネルの軸方向および断面方向の二方向の傾斜角を精度よく測定できるものである。
また、傾斜計の設置位置に関しては、スプリングラインSLから角度55〜65度の範囲の中でも特に角度60度の位置に傾斜計を設置した場合に、トンネル断面方向の傾斜角の最大値が得られることが実証されている。
傾斜計の設置に際しては、ある施工時点でのトンネルの壁面において、スプリングラインSLから角度55〜65度の範囲に複数の傾斜計をたとえば一定間隔で設置し、トンネルの掘進をおこなう。
トンネルの掘進により、測点に設置された傾斜計の切羽からの距離(切羽離れ)は長くなっていくが、各測点(測点A、測点B、測点C、・・・)における各切羽離れ(2m、3m、4m、・・・・)ごとに軸方向と断面方向の傾斜角を二軸の傾斜計で計測し、得られた傾斜角に基づいて予測グラフを作成する。
予測グラフの傾向(トレンド)の変化から、切羽前方の地山状況を予測し、必要に応じて補助工法や対策工法を実行しながらトンネルの掘削を進める。ここで、「地山状況」とは、切羽前方の地山に軟弱層が存在しているか否か、現在の地山と同程度の硬質の層が切羽前方に続いているか否か、といった切羽前方の地山の状態のことである。
作成される予測グラフとしては、トンネルの軸方向と断面方向の二種類のグラフが作成できることから、これら二種類のグラフに基づいて、切羽前方の地山状況を精度よく予測することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の地山状況予測方法によれば、スプリングラインSLから角度55〜65度の範囲に傾斜計を設置し、この傾斜計によってトンネルの軸方向の傾斜角と断面方向の傾斜角を測定し、この測定結果に基づいて切羽前方の地山状況を予測することから、精度のよい切羽前方の地山状況の予測が可能になる。
(a)、(b)の順に、本発明の地山状況予測方法をトンネルの施工方法に合わせて説明した縦断面図である。 図1のII−II矢視図である。 切羽前方の地山状況予測に当たり、傾斜計の設置位置の最適範囲を特定する解析に適用した解析モデルを説明した模式図である。 (a)は解析結果の水平方向変位分布図の一例を示した図であり、(b)は切羽後方の横断面における水平方向変位分布図の一例を示した図である。 側圧係数K=1.0の場合におけるトンネル横断方向の傾斜角に関し、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が5〜85度の全解析結果を示した図である。 (a)は側圧係数K=1.0の場合において、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が75度の解析結果を示した図であり、(b)は傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が70度の解析結果を示した図であり、(c)は傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が65度の解析結果を示した図である。 (a)は側圧係数K=1.0の場合において、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が60度の解析結果を示した図であり、(b)は傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が55度の解析結果を示した図であり、(c)は傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が50度の解析結果を示した図である。 側圧係数K=0.5の場合におけるトンネル横断方向の傾斜角に関し、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が5〜85度の全解析結果を示した図である。 側圧係数K=1.5の場合におけるトンネル横断方向の傾斜角に関し、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が5〜85度の全解析結果を示した図である。 側圧係数K=1.0の場合におけるトンネル軸方向の傾斜角に関し、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が5〜90度の全解析結果を示した図である。 (a)は側圧係数K=1.0の場合において、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が70度の解析結果を示した図であり、(b)は傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が65度の解析結果を示した図であり、(c)は傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が60度の解析結果を示した図である。 (a)は側圧係数K=1.0の場合において、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が55度の解析結果を示した図であり、(b)は傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が50度の解析結果を示した図であり、(c)は傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が90度の解析結果を示した図である。 側圧係数K=0.5の場合におけるトンネル軸方向の傾斜角に関し、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が5〜90度の全解析結果を示した図である。 側圧係数K=1.5の場合におけるトンネル軸方向の傾斜角に関し、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が5〜90度の全解析結果を示した図である。 (a)は沈下が卓越するモード図であり、(b)は水平内空変位が卓越するモード図であり、(c)は等方的に変形するモード図である。 トンネルの天端部に複数の傾斜計が設置されている場合に測定された傾斜角を模擬した図であって、(a)はトンネルの掘進方向に均質な地山が続いているケースの計測結果を示した図であり、(b)は切羽前方に軟弱層が存在しているケースの計測結果を示した図であり、(c)は切羽前方から現在の切羽に亘って軟弱層が存在しているケースの計測結果を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明の地山状況予測方法の実施の形態を説明する。
(地山状況予測方法の実施の形態)
図1は(a)、(b)の順に、本発明の地山状況予測方法をトンネルの施工方法に合わせて説明した縦断面図であり、図2は図1のII−II矢視図である。
本発明の地山状況予測方法は、図1(a)で示すように、トンネルTの掘進に応じて(掘進方向X)、切羽K1から一定の距離離れた位置のトンネルTのアーチ部に傾斜計1を設置する。なお、図示する掘進状態以前において、すなわち、傾斜計1の設置以前に、既に先行して傾斜計2が傾斜計1の坑口側に所定距離離れた位置に設置されている。このように、トンネルTの掘進に応じて所定間隔で複数の傾斜計2,1等を随時設置していく。したがって、傾斜計2からさらに坑口側に所定距離離れた位置にも不図示の傾斜計が設置されている。
これら複数の傾斜計1,2等をトンネルの掘進に応じて所定距離離れた位置に随時設置していくと、切羽から各傾斜計までの距離が長くなり、坑口側の傾斜計によって測定された傾斜角は一定値に収束していき、地山状況予測に不要になる。このように地山状況予測に不要となった坑口側の傾斜計はトンネル壁面から取り外し、切羽に近いトンネルアーチ部に移設され、傾斜計の再利用が図られる。
これら複数の傾斜計1,2等によってトンネルTの傾斜角は随時測定され、不図示の無線等通信機能を有するPCやタブレット端末で機器制御とデータ収集を行う。
図1(a)の状態からトンネルの掘削が進み、図1(b)で示すように所定距離の掘進が完了して新たな切羽K2が施工された時点で、新規の傾斜計3が切羽K2近傍のトンネルアーチ部に設置される。
ここで、図2で示すように、傾斜計1の設置位置は、トンネルTのアーチ部において、水平方向のスプリングラインSLと鉛直方向のセンターラインCLの交点Oを中心として、スプリングラインSLから角度θが55〜65度の範囲に設置される。特に、60度の角度位置に傾斜計を設置することにより、より精度の高い地山状況予測が可能になる。
図示するトンネルの横断面形状は、上方の半円形部Taと下方の略長方形部から構成されているが、トンネルの断面形状は、上方に単心円(上半単心円)〜多心円(通常は上半3心円)のアーチ部を具備する形状であれば多様な形状が選定できる。
スプリングラインSLからの角度θが55〜65度の範囲はいわゆるアーチ肩部と称されるが、このアーチ肩部に二軸の傾斜計1,2,3等を設置することにより、トンネルの掘進方向、すなわち、軸方向の傾斜角に加えて、トンネルの横断方向の傾斜角を測定することができる。
さらに、傾斜計1,2,3等をスプリングラインSLから角度55〜65度の範囲に規定したことにより、他の部位に傾斜計を設置した場合に比して、断面方向の傾斜角の最大値もしくは最大値に近似した値が得られることが本発明者等の検証によって実証されている(以下で説明)。
また、軸方向の傾斜角に関しては、計測される傾斜角は低減するものの、最大値に比して70〜99%程度の大きさの傾斜角が測定できることが実証されており、トンネルの断面方向の傾斜角が精度よく特定できることと合わせて、トンネルの軸方向および断面方向の二方向の傾斜角を精度よく測定することが可能になる。
したがって、トンネルの沈下のみならず、水平内空変位も精度よく特定することができ、図16(b)、(c)で示す変形モードの場合でも、切羽前方の地山状況を精度よく予測することが可能となる。
複数の傾斜計1,2,3等によるトンネル軸方向および横断方向の傾斜角に基づいて、切羽前方の地山状況、すなわち、切羽前方の地山に軟弱層が存在しているか否か、現在の地山と同程度の硬質の層が切羽前方に続いているか否か、といった切羽前方の地山状態の予測をおこなう。
切羽前方の地山状況の予測において、切羽前方の地山に軟弱層が存在することが予測された場合は、先進ボーリングや坑内弾性波探査といった切羽前方地山探査を随時実行し、先受け工や鏡ボルト等の補助工法や対策工の要否を検討し、必要に応じてこれらの工法を実行する。
図示する切羽前方の地山状況予測方法を併用したトンネルの掘進方法によれば、トンネルアーチ部のうち、スプリングラインSLからの角度θが55〜65度の範囲に傾斜計を設置してトンネルの軸方向および横断方向の二軸の傾斜角を測定し、各傾斜計による傾斜変化を計測することで、切羽前方の地山状況を簡易に、しかも精度よく予測することができる。また、地山状況予測に際してはトンネルの掘進作業を中断する必要がないことから、切羽前方の地山状況予測を通常の施工管理項目の一つとして実施することできる。
(切羽前方の地山状況予測に当たり、傾斜計の設置位置の最適範囲を特定する解析とその結果)
本発明者等は、切羽前方の地山状況予測に当たり、傾斜計の設置位置の最適範囲を特定する解析をおこなった。ここで、図3は解析モデルを説明した模式図であり、図4(a)は解析結果の水平方向変位分布図の一例を示した図であり、図4(b)は切羽後方の横断面における水平方向変位分布図の一例を示した図である。
<解析方法>
解析手法は汎用数値解析コードによる三次元弾性解析を適用し、図3で示す解析モデルをコンピュータ内で作成した。
入力する地山の物性値は、「トンネル数値解析マニュアル(日本道路公団、1998年)」による地山等級CIの代表値に基づいて算出した。ここで、地山等級CIの物性値は、変形係数E(N/mm2)が2000、ポアソン比νが0.30である。
解析における初期応力として、鉛直土圧は90m分の土被り高さ相当圧とし、水平土圧は鉛直土圧に側圧係数を乗じて設定した。側圧係数は、種々の初期応力状態を想定して0.5、1.0、1.5の3ケースとした。また、初期応力設定後の解析では、全断面掘削とした一掘進長1mの素掘り掘削を実施した。
解析結果の一例を図4(a),4(b)に示す。図4で示す解析結果の一例は、側圧係数が1.0のケースの途中の解析ステップを例示したものである。
詳細な解析結果を図5〜14に示す。
<解析結果>
解析は、3つの側圧係数の場合において、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)を5〜85度の範囲で変化させた際の切羽離れとトンネル横断方向の傾斜角、および切羽離れとトンネル軸方向の傾斜角をそれぞれ求めた。なお、解析結果が多数存在することから、側圧係数は1.0のケースを代表として必要な範囲を示すとともに、側圧係数0.5、1.5の各ケースに関しては全解析結果をまとめた図のみを示すものとする。ここで、図5は側圧係数K=1.0の場合におけるトンネル横断方向の傾斜角に関し、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が5〜85度の全解析結果を示した図であり、図6(a)〜図7(c)は順に、側圧係数K=1.0の場合において、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が75度、70度、65度、60度、55度、50度の各解析結果を示した図である。また、図8、9はそれぞれ、側圧係数K=0.5の場合とK=1.5の場合におけるトンネル横断方向の傾斜角に関し、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が5〜85度の全解析結果を示した図である。また、図10は側圧係数K=1.0の場合におけるトンネル軸方向の傾斜角に関し、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が5〜90度の全解析結果を示した図であり、図11(a)〜図12(c)は順に、側圧係数K=1.0の場合において、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が70度、65度、60度、55度、50度、90度の各解析結果を示した図である。さらに、図13、14はそれぞれ、側圧係数K=0.5の場合とK=1.5の場合におけるトンネル軸方向の傾斜角に関し、傾斜計の設置角度(スプリングラインSLからの角度)が5〜90度の全解析結果を示した図である。
図6(a)〜図7(c)より、横断方向の傾斜角に関しては、傾斜計の設置角度が60度の際に最大値が捉えられており、その前後の55度と65度の際の結果が角度60度の際の結果に近似し、それ以外の設置角度の際の結果に対して傾斜角が大きくなっていることが実証されている。なお、図8,9で示すその他の側圧係数の場合の解析結果も同様の結果となっている。
したがって、この解析結果より、傾斜計の設置位置の最適範囲は55度〜65度の範囲であり、好ましくは60度の位置であると言える。
ところで、上記解析結果は横断方向の傾斜角の結果であり、上記範囲で傾斜計を設置した際に軸方向の傾斜角も十分に大きな値が捉えられていることが肝要である。
このことを図11(a)〜図12(c)の解析結果を参照して確認する。これらの図より、図12(c)の角度90度(トンネルの天端部)に傾斜計を設置した場合の軸方向傾斜角の最大値に対し、角度55度、60度、65度に傾斜計を設置した際の解析結果はおよそ85%以上の大きさを示しており、したがって、軸方向の傾斜角に関しても十分に大きな値が得られることが確認できた。なお、図13,14で示すその他の側圧係数の場合には、最大値に対しておよそ70%以上および92%以上の大きさの解析結果が得られることが確認されている。
以上の解析結果より、トンネルアーチ部における傾斜計の設置位置をスプリングラインSLから角度55〜65度の範囲に規定し、この傾斜計によってトンネルの軸方向の傾斜角と断面方向の傾斜角を測定し、この測定結果に基づいて切羽前方の地山状況を予測することにより、精度の高い切羽前方の地山状況予測を実行することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1,2,3…傾斜計、T…トンネル、K1,K2…切羽

Claims (2)

  1. 少なくとも半円形部を含む断面形状のトンネルの掘進に伴って、切羽前方の地山状況を予測する地山状況予測方法であって、
    トンネルアーチ部において、トンネルの軸方向に間隔を置いて複数の傾斜計を設置し、
    各傾斜計の計測データを取得し、
    隣接する傾斜計のそれぞれの計測データから傾斜角の変化量を算定し、算定結果に基づいて切羽前方の地山状況を予測する方法において、
    水平方向のスプリングラインSLと鉛直方向のセンターラインCLの交点Oを中心として、スプリングラインSLから角度55〜65度の範囲に前記傾斜計を設置することを特徴とする地山状況予測方法。
  2. トンネルアーチ部において、スプリングラインSLから角度60度の位置に前記傾斜計を設置することを特徴とする請求項1に記載の地山状況予測方法。
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