まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)等が植設される盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成される。盤面板の板厚は約1cm程度であり、全体が無色透明に形成されている。尚、本実施例では、遊技盤2は透光性部材にて構成されているが、ベニヤ板等の非透光性部材にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側下部位置)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
尚、以下の説明において、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uを保留表示エリアと称することがあり、保留記憶数は、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
保留記憶表示エリア5D,5Uにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせても良い。尚、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。本実施例におけるパチンコ遊技機1での遊技球は、遊技領域よりも下方に配置されている前記打球発射装置によって発射されることにより遊技機用枠3の下方から遊技領域の左方を上昇していき、遊技領域の左上方から遊技領域内に進入するようになっている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
尚、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。尚、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。尚、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とする一方で、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしても良い。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出球(賞球)の期待値が少ない大当り状態であれば良い。尚、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口の開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出球(賞球)が得られない大当り遊技状態としても良い。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出球(賞球)が少ないものであればよい。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施例では、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。尚、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていてもよい。先読み予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」以外の奇数「1」、「3」、「5」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「1」、「3」、「5」である演出図柄は、上記した「7」である演出図柄と同様に確変図柄と称される。尚、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、モータ制御基板16といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。モータ制御基板16は、演出制御基板12とは別個に設けられたモータ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出可動体昇降用モータ306、保持用モータ320、演出用モータ389、サブ演出表示装置昇降用モータ401,402などにおける駆動を行うモータドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト球スイッチ24からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト球スイッチ24は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図14(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図14(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図14(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図14(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図14(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。尚、小当りを発生させる場合には、小当りに対応する変動表示結果指定コマンド(例えば、コマンド8CX4H(Xは1〜3の任意の値))を設定して、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知すれば良い。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB5XXHは、時短回数の残り回数(変動回数)を通知するための演出制御コマンドであり、時短回数の残り回数(変動回数)に応じたEXTデータが設定されることにより、時短回数の残り回数(変動回数)が通知される。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図15は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図15に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図21に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図16は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図16に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図16に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図17は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小当りを発生させる場合において、小当りの当選確率を第1特図と第2特図とで異なるようにする場合には、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。すなわち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図18は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別決定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図18(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図18に示す大当り種別決定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、図18に示す大当り種別決定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、上記したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、図19及び図20に示すように、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
図19(A)及び図19(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブルとしては、大当り種別が「確変大当りA」及び「確変大当りB」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と、大当り種別が「非確変大当り」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)が予め用意されており、これら大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)には、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、本実施例では、大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)が使用される場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)が使用される場合にはスーパーリーチαが決定され易いようにこれら大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)とに判定値が割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」または「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図20に示すように、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチハズレの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図21に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図21に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図22(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図22(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図22(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)が設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)が主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、始動口入賞指定コマンドを対応付けて第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1−0」またはバッファ番号「2−0」の記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される演出図柄変動停止処理においてクリアされるようになっている。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第1特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していき、第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第2特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。したがって、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンドが格納されていくことになる。
図22(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、開始した変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−1」または「2−1」のエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、次に開始する変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−2」または「2−2」に対応したエントリ)に格納されているものと、該次に開始する変動表示の保留記憶以降のエントリの記憶内容がシフトされる。例えば図22(B)に示す格納状態において第1特図保留記憶の演出図柄の変動表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされるとともに、バッファ番号「3」に対応した領域にて格納されているコマンドがバッファ番号「2」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「4」に対応した領域にて格納されているコマンドが、バッファ番号「3」に対応した領域にシフトされる。
また、本実施例では、図22(C)に示すように、演出可動体302の動作状態を示すためのフラグである演出可動体動作プロセスフラグを構成するデータが、演出制御フラグ設定部191の所定領域に記憶される。演出可動体動作プロセスフラグは、演出可動体302の上下方向の動作状態を示す変数Xと、演出可動体302の開閉の動作状態を示す変数Yと、から構成されている。これら変数のうち、Xには「0」、「1」、「2」のいずれかが設定され、Yには「0」または「1」が設定されるようになっている。尚、X、Yの双方に設定される値はいずれも16進数である。
Xにおける「0」は演出可動体302が上方位置にて保持されている状態を示し(図10参照)、「1」は演出可動体302が下方位置に向けて移動(落下)する途上の状態(図11参照)及び下方位置に配置された状態(図12参照)を示し、「2」は演出可動体302が上方位置に向けて移動(上昇)する途上の状態を示す(図13参照)。また、Yにおける「0」は開閉部371,372が閉鎖位置に配置されている状態(演出可動体302が閉鎖している状態)及び開放位置から閉鎖位置に向けて移動する途上の状態を示し(図10〜図12参照)、「1」は開閉部371,372が開放位置に配置されている状態(演出可動体302が開放している状態)及び閉鎖位置から開放位置に向けて移動する途上の状態を示す(図13参照)。
次に、図3〜図13に基づいて、第1演出ユニット300及び第2演出ユニット400の詳細について説明する。図3は第1演出ユニットを示す斜視図である。図4は、第1演出ユニット及び第2演出ユニットを示す正面図である。図5は、(A)は第1演出ユニットの右側辺部を示す正面図、(B)は第1演出ユニットの右側辺部を示す背面図である。図6は、(A)は第1演出ユニットの左側辺部を示す正面図、(B)は第1演出ユニットの左側辺部を示す背面図である。図7は、(A)は演出可動体の開閉部が閉鎖位置にあるときの正面図、(B)は右側面図、(C)は演出可動体の開閉部が開放位置にあるときの正面図、(D)は(A)のC−C断面図である。図8は、(A)は第2演出ユニットの右側辺部を示す正面図、(B)は第2演出ユニットの右側辺部を示す背面図である。図9は、(A)は第2演出ユニットの左側辺部を示す正面図、(B)は第2演出ユニットの左側辺部を示す背面図である。
図3〜図5に示すように、第1演出ユニット300は、合成樹脂材等により形成された板状のベース部材301と、該ベース部材301に対し上下方向に移動可能に設けられた移動体としての演出可動体302と、該演出可動体302を上下方向に移動させる移動手段303と、図4に示す上方位置まで移動させた演出可動体302を該上方位置にて保持するための第1保持手段304及び第2保持手段305と、から主に構成されている。
ベース部材301は、左右方向に延設される上辺部301Hと、該上辺部301Hの左右端部から下方に延設される側辺部301L,301Rと、により正面視略下向きコ字形に形成されており、上辺部301Hは、上方位置に保持された演出可動体302の上面及び背面を被覆するように背面側に膨出して形成されている。
演出可動体302は、ベース部材301に対し、この上辺部301Hに沿うように配置される上方位置(図4中実線位置参照)と、該上方位置よりも下方で側辺部301L,301Rの上下方向略中央位置に配置される下方位置(図4中2点鎖線位置参照)と、の間で上下方向に移動可能に設けられている。尚、本実施例における上方位置は、演出表示装置5の上方でもあり、下方位置は、演出表示装置5の正面位置でもある。
右側の側辺部301Rの背面には、演出可動体302を駆動させるための演出可動体昇降用モータ306(図2参照)が、駆動軸306aを前面側に突出させるように固定されている。図5(A)及び図5(B)に示すように、側辺部301Rの前面側には、該側辺部301Rの前面側に突出された演出可動体昇降用モータ306の駆動軸306aに固着された第1ギヤ307と、該第1ギヤ307に噛合され側辺部301Rの前面に突設された前後方向を向く回動軸308aを中心として回動可能に設けられた第2ギヤ308と、該第2ギヤ308に噛合され側辺部301Rの前面に突設された前後方向を向く回動軸309aを中心として回動可能に設けられた第3ギヤ309と、が配設されている。また、第3ギヤ309の上方位置には、後述する第1保持手段304が配設されている。
左右の側辺部301L,301Rの前面内側辺には、演出可動体302を上下方向に移動案内するガイドレール310L,310Rが上下方向に向けて取り付けられている。ガイドレール310L,310Rは、平面視前向きコ字形に形成され、後述するラック341及びガイド部材342を前方に逸脱不能、かつ、上下方向に摺動可能に支持するもので、側辺部301L,301Rの上端よりやや下方の位置から中央よりやや下方の位置に向けて延設されている。
尚、ガイドレール310L,310Rの上端から側辺部301L,301Rの上端までの間と、ガイドレール310L,310Rの下端から側辺部301L,301Rの下端までの間とにはガイドレールは存在しないが、演出可動体302の上方位置と下方位置との移動範囲内においてラック341及びガイド部材342は常に一部がガイドレール310L,310Rにより支持されるようになっている。このようにガイドレール310L,310Rは、演出可動体302の上方位置と下方位置との移動範囲内において常にラック341及びガイド部材342を全長にわたり支持しないように形成されていることで、成型誤差等によりラック341及びガイド部材342とガイドレール310L,310Rとの摩擦抵抗が大きくなり自重による落下がスムーズに行われなくなることが防止されている。
また、側辺部301L,301Rの背面におけるガイドレール310L,310Rの下端に対応する位置には落下規制部312が形成されている。落下規制部312は、上向きに開口する箱状に形成されており、該落下規制部312内には、後述するように演出可動体302の自重による落下を、下方位置において、演出可動体302の後述する本体部340の両側端面の下端位置に形成された停止突起347(図5及び図6参照)と当接することにより規制するとともに、当接したときの衝撃を緩衝する立方体状とされた緩衝部材313が収納されている。
また、側辺部301L,301Rの前面下部におけるガイドレール310L,310Rの鉛直下方位置には落下規制部314L,314Rが形成されている。落下規制部314L,314Rは、側辺部301L,301Rの下辺から前向きに突出される突出片にて形成されており、該落下規制部314L,314Rの上面には、ラック341の下端面341’及びガイド部材342の下端面342’と当接することで、演出可動体302の自重による落下を規制するとともに、当接したときの衝撃を緩衝する緩衝部材315L,315Rが設けられている。
これら緩衝部材315L,315Rは、通常の動作において演出可動体302が自重で落下する場合においては、ラック341の下端面341’やガイド部材342の下端面342’とは、間隙を有して当接しないように設けられている。つまり、演出可動体302が自重で落下して下方位置に移動するときには、停止突起347L,347Rが、落下規制部312の緩衝部材313と当接することにより、ラック341の下端面341’やガイド部材342の下端面342’との間に間隙Sが形成されるように停止されるようになっている。
但し、何らかの不具合、例えば、緩衝部材313L,313Rの摩耗や、緩衝部材313L,313Rの脱落等により、演出可動体302が落下規制部312L,312Rにより停止されなかった場合には、ラック341の下端面341’やガイド部材342の下端面342’が、落下規制部314L,314Rの緩衝部材315L,315Rと当接して落下が規制されることにより、通常の停止位置よりも間隙Sだけ低い位置において停止されるようになっている。
緩衝部材313、315L,315Rは、弾性変形可能なゴム材等により構成され、衝撃を緩衝するとともに衝撃音の発生を抑制する。尚、緩衝部材313、315L,315Rはゴム材に限定されるものでなく、衝撃を緩衝できるものであれば圧縮バネ等他の部材を代用してもよい。
側辺部301Lの背面には、演出可動体302を上方位置にて保持するための保持用モータ320(図2参照)が、駆動軸320aを前面側に突出させるように固定されている。図6(A)及び図6(B)に示すように、側辺部301Lの前面側には、該側辺部301Lの前面側に突出された保持用モータ320の駆動軸320aに固着された第1ギヤ321と、該第1ギヤ321に噛合され側辺部301Lの前面に突設された前後方向を向く回動軸322aを中心として回動可能に設けられた第2ギヤ322と、該第2ギヤ322に噛合され側辺部301Lの前面に突設された前後方向を向く回動軸323aを中心として回動可能に設けられた第3ギヤ323と、が配設されている。
また、第3ギヤ323の前面側には、左右方向に延設される第2保持片324の左端部が側辺部301Lの前面に突設された前後方向を向く揺動軸324aに揺動可能に軸支されている。第2保持片324の右端部には、正面視略L字形をなす保持部325が形成されており、演出可動体302が上方位置にあるときに後述するガイド部材342の下端を下方から受支できるようになっている。また、第2保持片324には長孔326が形成されており、長孔326には第3ギヤ323の前面周縁に突設された連結軸323bが摺動可能に挿入されている。
このように第2保持片324は、連結軸323bが回動軸323aの直上に位置することにより略水平に保持され、演出可動体302が上方位置に位置するときにガイド部材342の下端の第2被保持部342aに当接可能となる第2保持位置(図7(A)参照)と、連結軸323bが回動軸323aの直下に位置することにより右下がりに傾斜する傾倒姿勢に保持され、ガイド部材342の下端の第2被保持部342aに接触しない位置に退避した第2退避位置(図11参照)と、の間で揺動可能に軸支されており、保持用モータ320により第1ギヤ321、第2ギヤ322、第3ギヤ323が回動されることにより、第2保持位置と第2退避位置との間で移動する。また、第2保持片324の上方位置には位置検出センサ328が設けられており、第2保持片324が第2保持位置に位置したときに該第2保持片324に形成された検出片327を検出するようになっている。
このように、これら保持用モータ320、第1ギヤ321、第2ギヤ322、第3ギヤ323、連結軸323b、長孔326により第2保持手段305が構成されている。この第2保持手段305は、第2保持位置において連結軸323bが回動軸323aの直上に位置することにより、演出可動体302の荷重が保持部325に加わっても第3ギヤ323が回動しにくいため、保持用モータ320の負荷だけでなく、第3ギヤ323の連結軸323bによっても演出可動体302の荷重の一部が支えられる。
図5示すように、右側の側辺部301Rの上部には、演出可動体302を上方位置にて保持するための保持用ソレノイド330が、プランジャを下方に突出させるように固定されている。プランジャの先端には作動片331が取り付けられている。作動片331は、プランジャの先端から前側に延設された後上方に向けて屈曲するように略L字形に形成され、保持用ソレノイド330の本体の前方位置においてガイド片332により上下移動可能に支持されており、上端には連結軸333が背面側に向けて突設されている。
また、保持用ソレノイド330の前面には第1保持片334が左右方向に移動可能に設けられている。第1保持片334は、正面視横長長方形状をなす板状部材にて構成され、ラック341側となる左側辺には、下方に向けて右側に傾斜する摺接辺334bが形成されている。また、中央位置には、第1保持片334の下辺から上方に向けて左側に傾斜する長溝335が形成されており、連結軸333が前側から長溝335内を摺動可能に挿入されている。
第1保持片334は、左端部がラック341側に突出して該ラック341に設けられた第1被保持部346に当接可能となる第1保持位置(図5(A)、図10参照)と、左端部がラック341に設けられた第1被保持部346に接触しない位置に退避した第1退避位置(図11参照)と、の間で左右方向にスライド移動可能となっている。
通常は、保持用ソレノイド330の励磁が解除され、プランジャ330aが該プランジャ330aに環装された圧縮バネ330bにより下方に突出するように付勢されていることで、作動片331の連結軸333が長溝335の下端に位置するため、第1保持片334は第1保持位置に保持される。そして、保持用ソレノイド330が励磁され、プランジャ330aが圧縮バネ330bの付勢力に抗して上方に移動することで、作動片331の連結軸333が長溝335内を上方に移動するため、第1保持片334が右側に押されて第1退避位置まで移動して保持される。このように、これら保持用ソレノイド330、作動片331、第1保持片334により第1保持手段304が構成されている。
尚、本実施例では、第1保持片334を水平に移動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1保持片334を水平に対して所定角度を有する斜め方向に、第1保持位置から第1退避位置に移動するようにしても良い。
また、第1保持片334の移動における摩擦を軽減するために、例えば、第1保持片334の下方に回転自在とされた複数のローラを設けたり、或いは低摩擦の樹脂板を設けるようにして、第1保持片334が迅速に移動することで、保持がより迅速に解除されるようにしても良い。
図4〜図6に示すように、演出可動体302は、本体部340からなり、その右側部には移動手段303の一部を構成するラック341が取り付けられるとともに、本体部340の左側部にはガイド部材342が取り付けられている。ラック341とガイド部材342とは、本体部340の左右側部から下方に延設される四角柱状の部材にてほぼ同形に形成されてなり、ラック341の右側面における上端よりやや下方の下方位置から複数の歯部341Aが下端に向けて形成されており、ガイド部材342には歯部は形成されていない。
ラック341の上端部からは庇片345が右側方に向けて延設されている。尚、庇片345の上部は、演出可動体302が上方位置にあるときに、第1保持手段304の上方位置に設けられた位置検出センサ348により検出される被検出片として機能している。また、ラック341の上端部における上下方向の略中央位置には、縦長直方体形状をなす第1被保持部346が前方に向けて突設されている。第1被保持部346は、第1保持片334に接触可能な位置に設けられている。
図5(A)及び図5(B)に示すように、第3ギヤ309は、前円盤部と、該前円盤部の後方において前円盤部よりも小径に形成された後円盤部を有している。前円盤部の外周面上にはラック341の歯部341Aに噛合する歯部350が形成されるとともに、後円盤部の外周面上には第2ギヤ308の歯部に噛合する歯部352が形成されている。つまり、第3ギヤ309は、ラック341に噛合するギヤと第2ギヤ308に噛合するギヤとが前後に一体化されてなる。
第3ギヤ309における前円盤部の外周面上には、歯部350を回転方向に一部欠落させた欠落部351が、本実施例では、約120度の角度範囲にわたり形成されている。
図6(A)及び図6(B)に示すように、ガイド部材342の前面下部には、ガイド部材342の長手方向を上下に区画するように正面視半円状の段部が形成され、保持部325に上方から当接可能な第2被保持部342aとされている。尚、本実施例では、保持部325は第2被保持部342aを下方から受支可能とされているが、ガイド部材342の下端を受支可能とされていてもよい。
図7に示すように、演出可動体302の本体部340は、正面視略長方形状をなす箱状に形成され左右方向に配設されるベース部370と、正面視略長方形状をなす箱状に形成されベース部370の前面上下位置にそれぞれ開閉可能に配置される開閉部371,372と、開閉部371,372を開閉駆動させる駆動ユニット373と、から主に構成されている。本体部340の前面は透明な合成樹脂材にて構成され、内部には演出用LED(発光ダイオード)380aが前方に向けて光を出射可能に設けられている。
上側の開閉部371は、ベース部370の前上辺の左右端部に設けられた左右方向を向く軸部材374aを中心として、ベース部370の前面上部に前後に重畳して配置される閉鎖位置(図7(A)参照)と、閉鎖位置から上方に反転してベース部370の上方に配置される開放位置(図7(B)参照)と、の間で回動可能に設けられている。下側の開閉部372は、ベース部370の前下辺の左右端部に設けられた左右方向を向く軸部材374bを中心として、ベース部370の前面下部に前後に重畳して配置される閉鎖位置(図7(A)参照)と、閉鎖位置から下方に反転してベース部370の下方に配置される開放位置(図7(B)参照)と、の間で回動可能に設けられている。
開閉部371,372の前後面は透明な合成樹脂材にて構成され、内部には演出用LED(発光ダイオード)382a,382bが開放位置において前方に向けて光を出射可能に設けられているとともに、演出用LED(発光ダイオード)383a,383bが閉鎖位置において前方に向けて光を出射可能に設けられている。
本体部340の前面には「激熱!!」なる文字の上下方向の中央部を構成する突部381aが形成され、所定の色にて着色されている。また、開閉部371,372の背面には、「激熱!!」なる文字の上部または下部をそれぞれ構成する突部381b,381cが形成され、所定の色にて着色されている。これにより、開閉部371,372が開放位置に移動したときに、本体部340の前面と開閉部371,372の背面とが連続して面一をなすことで、本体部340の前面よりも広い演出面が構成されるとともに、該演出面にこれら突部381a,381b,381cが隣接することで「激熱!!」なる大きな文字が形成されるようになっている。また、開閉部371,372の前面には所定の装飾(図示略)が施されている。
尚、本実施例では突部381a,381b,381cにより「激熱!!」なる文字が形成されるようになっているが、他の文字や文字以外の図柄、絵柄、装飾等が形成されるようにしてもよい。
駆動ユニット373は、本体部340の右側方に配設され、駆動軸を本体部340側に向けて配置される演出用モータ389(図2参照)と、該演出用モータ389の駆動軸に固着される駆動ギヤ384と、駆動ギヤ384に噛合される第1従動ギヤ385と、第1従動ギヤ385に噛合される第2従動ギヤ386と、開閉部372の右側の軸部材374bに固着され第1従動ギヤ385に噛合される第3従動ギヤ387と、開閉部371の右側の軸部材374aに固着され第2従動ギヤ386に噛合される第4従動ギヤ388と、から構成されており、演出用モータ389の駆動力が駆動ギヤ384、第1従動ギヤ385、第2従動ギヤ386、第3従動ギヤ387、第4従動ギヤ388を介して上下の開閉部371,372双方に伝達される、つまり、開閉部371,372は、一の演出用モータ389により連動されるようになっている。尚、開閉部371,372をそれぞれ別個のモータにより駆動するようにしてもよい。
このように構成された演出可動体302は、本体部340及び開閉部371,372の内部に演出用LED382a,382b,383a,383bが設けられ、かつ、開閉部371,372を駆動するための演出用モータ389を含む駆動ユニット373を備えていることにより、所定の重量を有している。
図3、図4、図8及び図9に示すように、第2演出ユニット400は、第1演出ユニット300の下端部における側辺部301L,301R間に配置されており、合成樹脂材等により形成された板状のベース部材410と、該ベース部材410に対し上下方向に移動可能に設けられたサブ演出表示装置403と、から主に構成されている。
サブ演出表示装置403は、有機EL(エレクトロルミネセンス)で構成された表示領域を有している。尚、本実施例では、サブ演出表示装置403の表示領域を有機ELにて構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、サブ演出表示装置403の表示領域としては、例えば、演出表示装置5と同様にLCD(液晶表示装置)や電子ペーパーによって構成された表示装置を用いるようにしても良い。
また、サブ演出表示装置403は、ベース部材410に対し、後述するカウントダウン予告演出の表示を実行するために配置されるカウントダウン表示位置(図4中2点鎖線位置参照)と、カウントダウン予告演出の表示を実行しないように配置されるカウントダウン非表示位置(図4中実線位置参照)と、の間で上下方向に移動可能に設けられている。尚、カウントダウン非表示位置とは、図1に示すように、演出表示装置5の下方であるとともにサブ演出表示装置403の大部分が遊技盤2の背面に隠蔽されることで遊技者から視認困難となる位置であり、カウントダウン表示位置とは、サブ演出表示装置403がカウントダウン非表示位置から上方に移動することにより、演出表示装置5の正面に配置され遊技者から視認可能となる位置である。
ベース部材410の右部の背面には、サブ演出表示装置403を駆動させるためのサブ演出表示装置昇降用モータ401(図2参照)が、駆動軸401aを前面側に突出させるように固定されている。図8(A)及び図8(B)に示すように、ベース部材410の右部の前面側には、該ベース部材410の右部の前面側に突出されたサブ演出表示装置昇降用モータ401の駆動軸401aに固着された第1ギヤ411と、該第1ギヤ411に噛合されベース部材410の右部の前面に突設された前後方向を向く回転軸412aを中心として回動可能に設けられた第2ギヤ412と、が配設されている。また、ベース部材410の前面内側には、サブ演出表示装置403を上下方向に移動案内するガイドレール430L,430Rが上下方向に向けて形成されている。
ベース部材410の左部の背面には、サブ演出表示装置403を駆動させるためのサブ演出表示装置昇降用モータ402(図2参照)が、駆動軸402aを前面側に突出させるように固定されている。図9(A)及び図9(B)に示すように、ベース部材410の左部の前面側には、該ベース部材410の右部の前面側に突出されたサブ演出表示装置昇降用モータ402の駆動軸402aに固着された第1ギヤ421と、該第1ギヤ421に噛合されベース部材410の左部の前面に突設された前後方向を向く回転軸422aを中心として回動可能に設けられた第2ギヤ422と、該第2ギヤ422に噛合されベース部材410の左部の前面に突設された前後方向を向く回転軸423aを中心として回動可能に設けられた第3ギヤ423と、該第3ギヤ423に噛合されベース部材410の左部の前面に突設された前後方向を向く回転軸424aを中心として回動可能に設けられた第4ギヤ424と、が配設されている。
図8及び図9に示すように、サブ演出表示装置403の右側部にはラック413が取り付けられているとともに、サブ演出表示装置403の左側部にはラック425が取り付けられている。これらラック413,425のうち、ラック413の右側面には上端部から下端部にかけて歯部413aが形成されており、該歯部413aは、第2ギヤ412と噛合している。また、ラック425の左側面には、上端部から下端部にかけて歯部425aが形成されており、該歯部425aは、第4ギヤ424と噛合している。尚、ラック413の後部はガイドレール430R内に配置されているとともに、ラック425の後部はガイドレール430L内に配置されている。このため、サブ演出表示装置403は、サブ演出表示装置昇降用モータ401,402の駆動によりラック413,425がガイドレール430R,430L内を上下動することによりカウントダウン表示位置とカウントダウン非表示位置との間を移動可能となっている。
ラック425の下部からは庇片428が左側方に向けて延設されている。尚、庇片428は、サブ演出表示装置403がカウントダウン非表示位置にあるとき、位置検出センサ440により検出される被検出片として機能している。
次に、このように構成された第1演出ユニット300及び第2演出ユニット400の動作態様の一例について、図10〜図13に基づいて説明する。図10は、演出可動体が上方位置に保持されている状態と、サブ演出表示装置がカウントダウン非表示位置に配置されている状態を示す概略図である。図11は、演出可動体が自重により落下する状態と、サブ演出表示装置がカウントダウン非表示位置からカウントダウン表示位置に向けて移動する状態を示す概略図である。図12は、演出可動体が落下して下方位置に到達した状態と、サブ演出表示装置がカウントダウン表示位置に配置された状態を示す概略図である。図13は、演出可動体が開放された状態と、サブ演出表示装置が退避位置に移動した状態を示す概略図である。
第1演出ユニット300は、ベース部材301の上辺部301H及び左右の側辺部が演出表示装置5の上辺及び左右側辺の外側に沿うように、遊技盤2の背面側に配設されている(図1参照)。よって、演出可動体302は、上方位置において演出表示装置5の上方に位置し、下方位置において演出表示装置5の表示画面の上下方向の略中央に位置する。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、下方位置は演出表示装置5の表示画面の下部や上部であってもよいし、上方位置や下方位置において演出表示装置5の表示画面に前後に重畳しない位置に配設されていてもよい。
図10に示すように、本実施例の演出可動体302は、通常は上方位置に位置するため、該上方位置が駆動初期位置とされている。この状態において、ラック341の歯部341Aにおける最下端の歯部と第3ギヤ309の歯部350とが噛合されているため、演出可動体302の自重がラック341を介して第3ギヤ309に作用する。よって、第3ギヤ309に正面視反時計回りの回転力が作用し、該回転力が第2ギヤ308、第1ギヤ307を介して演出可動体昇降用モータ306に伝達され、演出可動体昇降用モータ306の負荷によって第1ギヤ307、第2ギヤ308、第3ギヤ309の回動が抑止されることで、ラック341の歯部341aと第3ギヤ309の歯部350aとの噛合状態が維持される。
つまり、本実施例では、演出可動体302の自重によりかかる下向きの力よりも演出可動体昇降用モータ306の負荷の方が大きく設定されていることで、演出可動体昇降用モータ306の負荷により演出可動体302を上方位置に保持することができるため、演出可動体昇降用モータ306をoffとすることができる。また、演出可動体302が上方位置にあるとき、ラック341は第1保持手段304及び第2保持手段305により該上方位置に保持される。
具体的には、第1保持手段304は、保持用ソレノイド330の励磁が解除されていることで、第1保持片334は第1保持位置に位置している。このとき、第1被保持部346が第1保持片334よりも上方、詳しくは、第1被保持部346の下端が第1保持片334の上辺334aに当接または近接する位置にあり、ラック341の下方への移動(落下)が規制されている。
また、第2保持手段305は、第2保持片324は第2保持位置に位置している。このとき、第2被保持部342aが保持部325よりも上方、詳しくは、第2被保持部342aの下端が保持部325の上辺に当接または近接する位置にあり、ガイド部材342の下方への移動(落下)が規制されている。
尚、本実施例では、第2保持手段305においては、保持部325の上面と第2被保持部342aとが当接して演出可動体302を保持しているので、保持の解除時においては、保持部325の上面と第2被保持部342aとが摺動するので、摩擦によって保持の解除が遅れてしまうと、演出可動体302の自重による落下が遅れてしまう可能性があるので、例えば、これら保持部325の上面と第2被保持部342aとの摩擦を低減するために、保持部325に回転自在とされた複数のローラを設けたり、或いは低摩擦の樹脂板を設けるようにしても良い。
このように、演出可動体302が上方位置にあるとき、演出可動体302は演出可動体昇降用モータ306の負荷により上方位置に保持されるだけでなく、第1保持手段304によりラック341の下方への移動(落下)が規制され、かつ、第2保持手段305によりガイド部材342の下方への移動(落下)が規制されることによっても上方位置に保持される。
すなわち、本実施例では、演出可動体302の荷重よりも演出可動体昇降用モータ306による負荷の方が大きいため、ラック341と第3ギヤ309とが噛合状態であれば、演出可動体昇降用モータ306によって演出可動体302を上方位置にて保持することができるが、演出可動体302を上下方向に移動させる移動手段303を構成する演出可動体昇降用モータ306、第1ギヤ307、第2ギヤ308、第3ギヤ309、ラック341とは別個に設けられた第1保持手段304や第2保持手段305によっても演出可動体302を上方位置に保持することができる。よって、例えば、パチンコ遊技機1に生じる振動等の要因により演出可動体302に演出可動体昇降用モータ306の負荷を上回る下向きの力が加わったり、演出可動体302の自重が演出可動体昇降用モータ306の負荷より上回るように設定されたり、あるいは、後述するようにパチンコ遊技機1に生じる振動等の要因により演出可動体302が上方位置にて浮き上がることによりラック341と第3ギヤ309との噛合状態が解除されて自重により落下可能な状態となってしまう場合でも、第1保持手段304や第2保持手段305によって演出可動体302を上方位置に保持することができる。
また、本実施例では、演出可動体302は、通常、図10に示す上方位置、つまり、第1被保持部346の下端が第1保持片334の上辺334aに当接または近接するとともに、第2被保持部342aの下端が保持部325の上辺に当接または近接する位置に保持されるが、この位置からさらに上方に移動可能に設けられている。すなわち、上方位置は、第1被保持部346の下端が第1保持片334の上辺334aに当接または近接するとともに、第2被保持部342aの下端が保持部325の上辺に当接または近接する上方位置である。尚、演出可動体302は、ラック341と第3ギヤ309との噛合状態により該上方位置より所定距離(例えば、約1cm)上方に移動可能であり、該位置がラック341と第3ギヤ309との噛合状態が解除される位置とされている。
尚、本実施例においては、後述するように演出可動体302における上方位置と、演出可動体302が該上方位置から所定距離移動(上昇)した位置を区別せず演出可動体302の動作を制御しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出可動体302の上方位置を第1上方位置、該第1上方位置から所定距離移動(上昇)した位置を第2上方位置とし、これら第1上方位置と第2上方位置とを区別するように演出可動体302の動作を制御するようにしても良い。第1上方位置と第2上方位置とを区別するように演出可動体302の動作を制御する例としては、例えば、演出可動体動作プロセスフラグのXの値を、演出可動体302が第1上方位置にて保持されている場合は「0」にセットし、演出可動体302が第2上方位置にて保持されている場合は「4」にセットする等すれば良い。
このように本実施例では、演出可動体302は、ベース部材301に対し、図12に示す下方位置と図10に示す上方位置よりも所定距離上方との間の移動範囲内で移動可能に設けられているが、駆動初期位置は、上方位置とされ、該上方位置にて第1保持手段304や第2保持手段305によって保持される。
次に、演出可動体302を上方位置から下方位置まで移動(落下)させる場合について説明する。演出可動体302を上方位置から下方位置まで移動(落下)させる場合、演出可動体昇降用モータ306を駆動して演出可動体302を僅かに上昇させラック341と第3ギヤ309との噛合状態を解除することで、自重により落下させる。つまり、演出可動体302が落下する際には演出可動体昇降用モータ306の負荷は一切かからない。
具体的には、図10に示すように、演出可動体昇降用モータ306により第1ギヤ307を正面視時計回りに所定角度回動させることで、第2ギヤ308が正面視反時計回りに回動し、第3ギヤ309が正面視時計回りに回動する。このとき、ラック341と第3ギヤ309とは噛合状態であるため演出可動体302は上方位置から所定距離上方に移動(上昇)する。
また、演出可動体昇降用モータ306を駆動した後、ラック341を上方位置から所定距離上方に移動(上昇)させるのとほぼ同時に、保持用ソレノイド330を励磁して第1保持片334を第1保持位置から第1退避位置まで移動させるとともに、保持用モータ320を駆動して第2保持片324を第2保持位置から第2退避位置まで移動させる。このように、演出可動体昇降用モータ306を駆動した後に第1保持片334を第1保持位置から第1退避位置まで移動させるとともに、第2保持片324を第2保持位置から第2退避位置まで移動させる。よって、演出可動体302の自重が第1保持片334や第2保持片324に作用している状態で第1保持片334や第2保持片324を退避させることにより保持用ソレノイド330や保持用モータ320に負荷がかかることがない。
また、本実施例では、上記のように演出可動体302を落下させる前にラック341と第3ギヤ309の噛合状態を解除する際に、演出可動体302を上方位置から所定距離上昇させるが、上方位置において、演出可動体302の前方には該演出可動体302を遊技者から視認不可または困難とするカバー部材が設けられているため、演出可動体302が落下する前の予備動作となる上方位置から所定距離の上方への移動が遊技者から視認できないまたは視認困難であるため、遊技者が落下する前の予備動作により演出可動体302が落下するか否かを予測しにくくなっている。
次いで、演出可動体302の上方位置からの所定距離の上昇が完了すると、ラック341と第3ギヤ309との噛合状態が解除され、第3ギヤ309の欠落部351がラック341の歯部341Aと対向することになるため、これにより演出可動体302の自重による落下が開始される。尚、落下する際に演出用LED383a,383bを発光させ、落下時の態様を装飾してもよい。そして、第1保持片334や第2保持片324も第1保持位置、第2保持位置から退避されているので、図11に示すように、演出可動体302は、上方位置から下方位置に向けて自重により落下していく。
図12に示すように、演出可動体302が下方位置に到達するとき、該演出可動体302の本体部340の左右側の下端所定箇所が落下規制部312L,312Rの緩衝部材313L,313Rにて受支されるとともに、ラック341及びガイド部材342の下端が落下規制部314L,314Rの緩衝部材315L,315Rにて受支されることで、落下による衝撃は緩衝されるとともに、下方への移動が緩衝部材313L,313R、315L,315Rにより規制されて下方位置に維持される。
また、図13に示すように、演出可動体302が下方位置まで移動したときに、演出可動体302の開閉部371,372が閉鎖位置からそれぞれ逆方向に反転して開放位置まで移動する。これにより「激熱!!」なる文字が形成されるとともに、演出用LED380a,382a,382bが発光することにより装飾される。
次に、演出可動体302を下方位置から上方位置に戻す場合について説明する。図13に示すように演出可動体302が下方位置にあるときに、開閉部371,372を開放位置から閉鎖位置に戻した後、あるいは閉鎖位置に戻しながら、演出可動体昇降用モータ306により第1ギヤ307を正面視時計回りに回動させることで、第2ギヤ308が正面視反時計回りに回動し、第3ギヤ309が正面視時計回りに回動する。このとき、ラック341の欠落部343と第3ギヤ309の欠落部351とが対向してラック341と第3ギヤ309とは噛合状態が解除されているため、第3ギヤ309が回動してもラック341の上昇は開始されない。
そして、第3ギヤ309の周縁下部に位置していた係合突起355が時計回りに移動し、係合突起355が下端部の歯部341Aに近づくと、ラック341の歯部341Aと第3ギヤ309の歯部350とが噛合状態になる前に、係合突起355が下端部の歯部341Aに係合(当接)する。このように係合突起355が下端部の歯部341Aに係合した状態のまま第3ギヤ309の回動により係合突起355が移動することで、ラック341が上方に持ち上げられていく。
このとき、係合突起355と下端部の歯部341Aとの当接位置がラック341の上昇に伴いそれぞれの歯先と歯底との間で変位していくが、係合突起355はインボリュート歯車の歯型とほぼ同形に形成されていることで、演出可動体302の上昇開始時にがたつきが生じにくいため、係合突起355と下端部の歯部341Aとの当接がスムーズに行われる。
次いで、係合突起355が下端部の歯部341Aに当接してラック341が上昇を開始した後、第3ギヤ309の回動に応じてラック341が上昇を開始してから、ラック341の歯部341Aと第3ギヤ309の歯部350とが噛合状態になる。つまり、係合突起355と歯部350との相対位置は不変であることで、係合突起355と下端部の歯部341Aとを当接(係合)させることで、ラック341の歯部341Aと第3ギヤ309の歯部350とが噛合する際の位置決めがなされるため、常に所望の位置においてラック341の歯部341Aと第3ギヤ309の歯部350とを噛合させることが可能となる。よって、例えば、演出可動体302は、下方位置にあるときに弾性変形可能な緩衝部材313L,313R、315L,315R上に載置されていることで、下方位置にて維持される位置に微小な誤差が生じたり、上方位置から下降させるときの第3ギヤ309の回動角度に誤差が生じたりすることにより、上昇させるときにラック341の歯部341Aと第3ギヤ309の歯部350との噛合位置がずれたとしても、常に所望の位置においてラック341の歯部341Aと第3ギヤ309の歯部350とを噛合させることができる。
その後、図10に示すように、演出可動体昇降用モータ306により第3ギヤ309が回動してラック341が上昇することにより、第1被保持部346が第1保持位置にある第1保持片334に到達すると、第1被保持部346の上端が摺接辺334bに当接される。そして、ラック341が上昇を続けていくと、第1被保持部346により第1保持片334が圧縮バネ330bの付勢力に抗して右側の第1退避位置側に向けて押圧されていき、第1被保持部346が第1保持片334の側方を通過して上方に移動すると、第1退避位置側に押圧されていた第1保持片334が圧縮バネ330bの付勢力により再び第1保持位置まで移動される。
そして、演出可動体302が上方位置まで移動したときに、演出可動体昇降用モータ306の駆動が停止(off)され、演出可動体昇降用モータ306の負荷によって第1ギヤ307、第2ギヤ308、第3ギヤ309の回動が抑止されることで、ラック341の歯部341Aと第3ギヤ309の歯部350aの噛合状態が維持されるとともに、第1保持手段304及び第2保持手段305により、演出可動体302の上方位置からの落下が規制されることで、演出可動体302は上方位置に保持される。
また、図10に示すように、本実施例のサブ演出表示装置403は、通常はカウントダウン非表示位置に位置するため、該カウントダウン非表示位置が工藤初期位置とされている。この状態において、ラック413の歯部413aと第2ギヤ412とが噛合されているため、サブ演出表示装置403の自重がラック413を介して第2ギヤ412に作用する。また、ラック425の歯部425aと第4ギヤ424とが噛合されているため、サブ演出表示装置403の自重がラック425を介して第4ギヤ424に作用する。
よって、第2ギヤ412に正面視反時計回りの回転力が作用し、該回転力が第2ギヤ412、第1ギヤ411を介してサブ演出表示装置昇降用モータ401に伝達され、サブ演出表示装置昇降用モータ401の負荷によって第1ギヤ411、第2ギヤ412の回動が抑止されることで、ラック413の歯部413aと第2ギヤ412との噛合状態が維持される。また、第4ギヤ424に正面視時計回りの回転力が作用し、該回転力が第4ギヤ424、第3ギヤ423、第2ギヤ422、第1ギヤ421を介してサブ演出表示装置昇降用モータ402に伝達され、サブ演出表示装置昇降用モータ402の負荷によって第1ギヤ421、第2ギヤ422、第3ギヤ423、第4ギヤ424の回動が抑止されることで、ラック425の歯部425aと第4ギヤ424との噛合状態が維持される。
つまり、本実施例では、サブ演出表示装置403の自重によりかかる下向きのちからよりもサブ演出表示装置昇降用モータ401,402の負荷の方が大きく設定されていることで、サブ演出表示装置昇降用モータ401,402の負荷によりサブ演出表示装置403をカウントダウン非表示位置に保持することができるため、サブ演出表示装置昇降用モータ401,402をoffとすることができる。
次に、サブ演出表示装置403をカウントダウン非表示位置からカウントダウン表示位置まで移動させる場合について説明する。サブ演出表示装置403をカウントダウン非表示位置からカウントダウン表示位置まで移動させる場合、図10及び図11に示すように、サブ演出表示装置昇降用モータ401,402を駆動する。
具体的には、図11に示すように、サブ演出表示装置昇降用モータ401により第1ギヤ411を正面視反時計回りに回動させることで、第2ギヤ412が正面視時計回りに回動する。また、サブ演出表示装置昇降用モータ402により第1ギヤ421を正面視時計回りに回動させることで、第2ギヤ422が正面視反時計回りに回動し、第3ギヤ423が正面視時計回りに回動し、第4ギヤ424が正面視反時計回りに回動する。このとき、ラック413と第2ギヤ412とは噛合状態であるとともに、ラック425と第4ギヤ424とは噛合状態であるため、サブ演出表示装置403はカウントダウン非表示位置からカウントダウン表示位置まで移動(上昇)する。
尚、図12に示すように、サブ演出表示装置403がカウントダウン表示位置に配置されている状態で前述したように演出可動体302が開放位置にまで移動(落下)してきた場合は、サブ演出表示装置403の上端部と演出可動体302の本体部340の下端部とが近接する。
更に、図12に示すサブ演出表示装置403の上端部と演出可動体302の本体部340の下端部とが近接した状態において開閉部371,372が閉鎖位置から開放位置に向けて移動を開始すると、図13に示すように、サブ演出表示装置403は、開閉部371,372が閉鎖位置から開放位置に向けて移動することに連動して、カウントダウン表示位置から該カウントダウン表示位置とカウントダウン非表示位置の間である退避位置に向けて移動する。具体的には、図13に示すように、サブ演出表示装置昇降用モータ401により第1ギヤ411を正面視時計回りに回動させることで、第2ギヤ412が正面反視時計回りに回動する。また、サブ演出表示装置昇降用モータ402により第1ギヤ421を正面反視時計回りに回動させることで、第2ギヤ422が正面視時計回りに回動し、第3ギヤ423が正面視反時計回りに回動し、第4ギヤ424が正面視時計回りに回動する。このとき、ラック413と第2ギヤ412とは噛合状態であるとともに、ラック425と第4ギヤ424とは噛合状態であるため、サブ演出表示装置403はカウントダウン非表示位置から退避位置まで移動(下降)する。
このように、サブ演出表示装置403がカウントダウン表示位置から退避位置に移動することによって、開放位置に配置された開閉部372とサブ演出表示装置403とが互いに干渉することが防止されている。尚、本実施例における退避位置とは、サブ演出表示装置403と開放位置に配置された開閉部372とが互いに干渉しないよう、サブ演出表示装置403がカウントダウン表示位置から移動する該カウントダウン表示位置とカウントダウン非表示位置との間の位置であるが、該退避位置においては、サブ演出表示装置403の上部側は遊技者から視認可能なように演出表示装置5の下部前方に配置される。このため、本実施例では、サブ演出表示装置403が退避位置に移動したとしても、遊技者からはサブ演出表示装置403における表示(カウントダウン演出におけるカウントダウン表示)が視認可能となっている。
尚、開閉部371,372が開放位置から閉鎖位置に向けて移動を開始した後は、再びサブ演出表示装置昇降用モータ401,402を駆動(サブ演出表示装置昇降用モータ401を正面視反時計回り、サブ演出表示装置昇降用モータ402を正面視時計回りに駆動)することによりサブ演出表示装置403を退避位置からカウントダウン表示位置まで移動(上昇)すれば良い。また、サブ演出表示装置403をカウントダウン表示位置からカウントダウン非表示位置に向けて移動(下降)させる場合は、サブ演出表示装置昇降用モータ401,402を駆動(サブ演出表示装置昇降用モータ401を正面視時計回り、サブ演出表示装置昇降用モータ402を正面視反時計回りに駆動)すれば良い。
尚、本実施例では、サブ演出表示装置403と演出可動体302とを、同一の駆動手段であるモータ(サブ演出表示装置昇降用モータ401,402と可動演出体昇降用モータ306)により駆動する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、サブ演出表示装置403と演出可動体302は、本実施例と同様に同一の駆動手段にて駆動するようにしても良い他、異なる駆動手段により駆動するようにしても良い。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図23のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図23に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図24は、特別図柄プロセス処理として、図23に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞判定処理では、図25に示すように、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。
S101にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S101;N)、S102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
S110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S111の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図26は、特別図柄通常処理として、図24のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図17に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(S150)。尚、このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図18(A)に示す大当り種別決定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別決定テーブルにおいて「非確変」、「確変A」、「確変B」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が非確変大当りに対応する「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、S156に進む。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図27は、変動パターン設定処理として、図24のS23にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S161)。そして、大当りフラグがオンであれば(S161;Y)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S162)。
S161にて大当りフラグがオフであるときには(S161;N)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否か(セットされているか)を判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(S163)。そして、時短フラグがオンであれば(S163;Y)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S164)。
一方、時短制御中ではないとき、つまり、時短フラグがオフであるとき(セットされていないとき)には(S163;N)、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定し、該特定した合計保留記憶数が2以上であるか否かを判定する(S165)。
特定した合計保留記憶数が2以上でない場合(S165;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットする(S166)。
また、特定した合計保留記憶数が2以上である場合(S165;Y)には、S167に進んで、合計保留記憶数が5以上であるか否かをさらに判定する(S167)。
合計保留記憶数が5以上でない場合(S167;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルBを選択してセットする(S168)。
また、合計保留記憶数が5以上である場合(S167;Y)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルCを選択してセットする(S169)。
S162,S164,S166,S168,S169の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、選択された大当り用変動パターン判定テーブルまたはハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Dのいずれかを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(S170)。
尚、大当りフラグがオフであるときには、S170の処理にて変動パターンを決定することにより、演出図柄の変動表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、S170の処理には、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
S170にて変動パターンを決定した後には、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(S171)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S171の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(S172)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
S172の処理を実行した後、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(S173)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S174)、変動パターン設定処理を終了する。
S172でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図23に示すS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。尚、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図28は、特別図柄停止処理として、図24のS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S190に移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU103は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグおよび時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて大当り開始1指定コマンド(確変A)、大当り開始2指定コマンド(確変B)、大当り開始3指定コマンド(非確変)を送信するための設定を行う(S185)。
さらにCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、非確変大当りや確変大当りAの場合には16回。確変大当りBの場合には5回。)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新する(S189)。
一方、S190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S196に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS196に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、確変フラグまたは時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低確低ベース)に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S195)、S196に進む。
S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図29は、大当り終了処理として、図24のS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S201)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S201;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S204)、処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S201;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(S205)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S206)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S206;Y)、CPU103は、記憶されている大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBであるかを判定する(S207)。
大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合(S207;Y)には、確変フラグをセットし(S208)、時短フラグをセットし(S209)、時短回数カウンタに「0」をセットした後(S210)、S213に進む。
一方、大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBでない場合(S207;N)には、S211とS212を実行することで、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタに「100」をセットした後、S213に進む。
S213では、大当りフラグをリセットし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S214)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S215)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S216)。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図30は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)。その後、S52に移行する。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14参照)であるのかを解析する。
図31は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図32は、図31に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、バッファ番号「1−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、バッファ番号「2−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、図33に示す予告演出決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否かを決定する(S277)。尚、本実施例では、予告演出決定処理において、後述するようにキャラクタが登場するキャラクタ予告演出及びカウントダウン演出のみを決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの予告演出として、キャラクタ予告演出及びカウントダウン演出以外のその他の態様の予告演出、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定するようにしても良く、これら異なる態様の予告演出を決定する場合には、予告演出を開始するタイミングが予告演出の態様に応じて異なるので、後述する予告演出開始待ちタイマに、予告演出の態様に応じた異なる期間を設定すれば良い。
本実施例の予告演出決定処理において演出制御用CPU120は、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S291)。変動表示結果は、変動開始時において主基板11から送信される変動表示結果(はずれ、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。尚、本実施例では、予告演出の対象が、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)、スーパーリーチ、ノーマルリーチであるので、具体的には、変動表示結果が大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)であるのか否かを変動表示結果指定コマンドにより特定し、変動パターンがスーパーリーチであるのか否か、ノーマルリーチであるのか否か、非リーチであるのか否かを変動パターン指定コマンドにて特定すれば良い。
そして、予告演出決定用乱数を抽出するとともに、図34に示す予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無と、実行する場合の予告演出の種別とを決定する(S292)。
尚、本実施例では、予告演出決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告演出決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら予告演出決定用乱数を生成するための予告演出決定用乱数カウンタがRAM122に設定されており、該予告演出決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
本実施例の予告演出種別決定用テーブルは、図34に示すように、予告演出に対応する予告演出種別決定用テーブルから構成されている。尚、本実施例では、予告演出として、キャラクタAが登場する予告演出と、キャラクタBが登場する予告演出Bと、サブ演出表示装置403において演出図柄が導出表示されるまでの残り時間を表示するカウントダウン演出とが実行可能とされている。
予告演出種別決定用テーブルにおいては、図28に示すように、「予告演出A」、「予告演出B」、「カウントダウン演出」、「予告演出なし」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合、変動パターンが非リーチはずれである場合のそれぞれに異なる判定値が、図34に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「予告演出なし」に対して0個の判定値が割り当てられ、「予告演出A」に対して10個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に20個の判定値が割り当てられ、「カウントダウン演出」に70個の判定値が割り当てられている。また、変動表示結果がスーパーリーチはずれとなる場合については、「予告演出なし」に対して30個の判定値が割り当てられ、「予告演出A」に対して20個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に40個の判定値が割り当てられ、「カウントダウン演出」に10個の判定値が割り当てられている。また、変動表示結果がノーマルリーチはずれとなる場合については、「予告演出なし」に対して60個の判定値が割り当てられ、「予告演出A」に対して30個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に10個の判定値が割り当てられ、「カウントダウン演出」に0個の判定値が割り当てられている。また、変動表示結果が非リーチはずれとなる場合については、「予告演出なし」に対して90個の判定値が割り当てられ、「予告演出A」に対して10個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に0個の判定値が割り当てられ、「カウントダウン演出」に0個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれとなる場合よりも予告演出が実行され易くなるとともに、「カウントダウン演出」が実行され易くなっている。また、スーパーリーチはずれである場合については、「予告演出B」が実行され易くなっている。ノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出なし」が、大当りとなる場合やスーパーリーチはずれの場合よりも決定されやすくなっており、予告演出が実行される場合は、「予告演出A」が実行されやすくなっている。また、非リーチはずれである場合については、「予告演出なし」が、大当りとなる場合やスーパーリーチはずれの場合、ノーマルリーチの場合と比較して最も決定され易くなっている。
図34に示すように予告演出種別決定用テーブルが設定されていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれ及びノーマルリーチはずれとなる場合に比較して、「カウントダウン演出」が決定され易くなるように設定されているとともに、スーパーリーチはずれである場合については、その他のノーマルリーチはずれである場合よりも、「予告演出B」が決定され易くなるように設定されている。一方、当該変動表示においてノーマルリーチはずれとなる場合には、当該変動表示において大当りとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合よりも「予告演出A」が決定され易くなるように設定されており、当該変動表示において非リーチはずれとなる場合には、当該変動表示において大当りとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合、ノーマルリーチとなる場合よりも「予告演出なし」が決定され易くなるように設定されている。
このように設定されていることにより、予告演出が実行されないときよりも、予告演出が実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。更に、予告演出においては、予告演出Aが実行されるときよりも、予告演出Bが実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっており、カウントダウン演出が実行されるときが最も大当り期待度が高くなっている。
尚、各予告演出の大当り期待度(信頼度)とは、各予告演出が実行されて大当りとなる確率を、各予告演出が実行されて大当りとなる確率と各予告演出が実行されてハズレとなる確率の和で除算した数値である。
図33に戻り、S293においては、S292において、いずれかの予告演出の実行を決定したか否か、つまり「予告演出A」、「予告演出B」、「カウントダウン演出」のいずれかを決定したか否かを判定する。ここで、「予告演出A」、「予告演出B」、「カウントダウン演出」のいずれの予告演出も決定していない場合、つまり、「予告演出なし」を決定した場合には、当該予告演出決定処理を終了する。一方、「予告演出A」、「予告演出B」、「カウントダウン演出」のいずれかを決定した場合には、S294に進んで、決定した予告演出の種別をRAM122の所定領域に記憶する。そして、S295に進んで、予告演出実行決定フラグをセットした後、当該予告演出決定処理を終了する。
図32に戻り、S277の予告演出決定処理の後に、S278において演出制御用CPU120は、予告演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、S277の予告演出決定処理において「予告演出A」、「予告演出B」、「カウントダウン演出」のいずれかの予告演出が決定されたか否かを判定する。
予告演出実行決定フラグがセットされている場合には、S279に進んで、予告演出開始待ちタイマに、予告演出開始までの期間として本実施例の予告演出であるキャラクタ予告演出に対応する期間を設定し(S279)、予告演出実行決定フラグをクリアして(S280)、S281に進み。一方、予告演出実行決定フラグがセットされていない場合には、S279経由することなくS281に進む。
これら予告演出開始までの期間としては、本実施例では、キャラクタが登場するタイミングの前やカウントダウンが開始されるタイミングの前に、キャラクタが登場することやカウントダウンが開始されることの前兆を示す演出(図示略)が実施され、該前兆を開始するタイミングが予告演出の開始タイミングとされているので、予告演出を開始するまでの期間よりも短い期間が設定され、これら予告演出の開始タイミングは、予告演出の開始から実行される予告演出のプロセステーブルに基づいて特定されて予告演出が開始されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら前兆の演出を予告演出において実施しない場合にあっては、予告演出の開始タイミングが予告演出の開始タイミングとなるので、予告演出の開始タイミングまでの期間を予告演出開始待ちタイマに設定すれば良い。
S281において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S282)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S286)。
図35は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301,S302,S303)。次いで、演出制御用CPU120は、演出可動体302を上方位置から下方位置に向けて落下させるための、図36及び図37に示す演出可動体落下演出処理(S303a)と、演出可動体302の動作に応じてサブ演出表示装置403を上下方向に移動させるための、図38に示すサブ演出表示装置移動処理(S303b)を実行する。また、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマがセットされている(予告演出を行うことに決定されている)か、または予告演出実行中フラグがセットされている(予告演出の実行中である)場合には(S304;Y)、図39に示す予告演出処理を実行する(S305)。予告演出開始待ちタイマも予告演出実行中フラグもセットされていない場合には、S305の予告演出処理を実施することなく、S306に進む。
S306において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S307)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S309)。
また、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合と、S309の実行後は、演出制御用CPU120は、実行中のプロセスデータを参照し、演出図柄を大当りまたははずれの組合せで表示(導出表示)する期間中であるか否か、つまり、S276において決定した停止図柄の表示期間中であるか否かを判定する(S309a)。演出図柄を大当りまたははずれの組合せで導出表示する期間中であれば、演出表示装置5において、S276において決定した停止図柄の表示を実行して(S309b)、S310に移行し、演出図柄を大当りまたははずれの組合せで導出表示する期間中でなければS309bを実行せずにS310に移行する。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S310)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S310;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S311)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
また、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S306;N)、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S310;N)、S312の実行後、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S314;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
図36及び図37は、演出可動体落下演出処理の一例を示すフローチャートである。演出可動体落下演出処理において、演出制御用CPU120は、先ず、演出図柄変動開始処理のS275において読み出した変動パターン指定コマンドにもとづいて、実行中の変動パターンが大当りの変動パターンであるか否かを判定する(S361)。実行中の変動パターンが大当りの変動パターンでない場合は(S361;N)、演出可動体落下演出処理を終了し、実行中の変動パターンが大当りの変動パターンである場合は(S361;Y)、演出可動体落下演出の実行中であることを示す演出可動体落下演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S362)。尚、本実施例における演出可動体落下演出とは、変動表示結果が大当りとなる場合に演出可動体302を上方位置から下方位置に移動(落下)させることにより大当りを報知する大当り確定演出である。
演出可動体落下演出実行中フラグがセットされていない場合は(S362;N)、演出制御用CPU120は、実行中のプロセスデータを参照し、演出可動体落下演出の開始タイミングであるか否かを判定する(S363)。演出可動体落下演出の開始タイミングで無い場合は(S363;N)、演出可動体落下演出処理を終了し、演出可動体落下演出の開始タイミングである場合は(S363;Y)、演出可動体落下演出実行中フラグをセットするとともに(S364)演出可動体動作プロセスフラグの値を演出可動体302が上方位置に保持されており且つ開閉部371,372が閉鎖位置に配置されていることを示す「00」にセットし(S365)、演出可動体落下演出処理を終了する。
また、演出可動体落下演出実行中フラグがセットされている場合(S362;Y)、演出制御用CPU120は、実行中のプロセスデータを参照し、演出可動体302の上方位置から所定距離の上昇タイミングであるか否かを判定する(S366)。演出可動体302の上方位置から所定距離の上昇タイミングである場合(S366;Y)、演出制御用CPU120は、モータ制御基板16に対して演出可動体昇降用モータ306の駆動により演出可動体302を上方位置から所定距離移動(上昇)させる設定を行い(S367)、演出可動体落下演出処理を終了する。尚、モータ制御基板16は、演出制御用CPU120の設定にもとづき演出可動体昇降用モータ306を駆動し、演出可動体302を上方位置から所定距離移動(上昇)させる制御を実行する。
また、上方位置から所定距離の上昇タイミングでない場合(S366;N)、演出制御用CPU120は、実行中のプロセスデータを参照し、演出可動体302の落下タイミングであるか否かを判定する(S368)。演出可動体302の落下タイミングである場合(S368;Y)、演出制御用CPU120は、保持用ソレノイド330を駆動するとともに、モータ制御基板16に対して保持用モータ320、演出可動体昇降用モータ306の駆動により演出可動体302を下方位置へ移動(落下)させるための保持解除設定を行い(S369)、演出可動体動作プロセスフラグの値を演出可動体302が下方位置に向けて移動(落下)する状態であり、且つ開閉部371,372が閉鎖位置に配置されていることを示す「10」にセットし(S370)、演出可動体落下演出処理を終了する。尚、モータ制御基板16は、演出制御用CPU120の設定にもとづき演出可動体昇降用モータ306を駆動することでラック341と第3ギヤ309との噛合状態を解除するとともに、保持用モータ320を駆動することで第1保持片334を第1保持位置から第1退避位置まで移動させる制御を実行する。
また、演出可動体302の落下タイミングでない場合(S368;N)、演出制御用CPU120は、実行中のプロセスデータを参照し、演出可動体302の開放開始タイミングであるか否か、つまり、開閉部371,372を閉鎖位置から開放位置に向けて移動開始させるタイミングであるか否かを判定する(S371)。演出可動体302の開放開始タイミングである場合(S371;Y)、演出制御用CPU120は、モータ制御基板16に対して演出用モータ389の駆動により演出可動体302の開放設定、つまり、開閉部371,372を閉鎖位置から開放位置に移動させる設定を行うとともに(S372)、演出可動体動作プロセスフラグの値を演出可動体302が下方位置に配置された状態であり、且つ開閉部371,372が閉鎖位置から開放位置に向けて移動することを示す「11」にセットし(S373)、演出可動体落下演出処理を終了する。尚、モータ制御基板16は、演出制御用CPU120の設定にもとづき演出用モータ389を駆動することで、開閉部371,372を閉鎖位置から開放位置に向けて移動させる制御を実行する。
また、演出可動体302の開放開始タイミングでない場合(S371;N)、演出制御用CPU120は、実行中のプロセスデータを参照し、演出可動体302の閉鎖タイミングであるか否か、つまり、開閉部371,372を開放位置から閉鎖位置に向けて移動開始させるタイミングであるか否かを判定する(S381)。演出可動体302の閉鎖タイミングである場合(S381;Y)、演出制御用CPU120は、モータ制御基板16に対して演出用モータ389の駆動により演出可動体302の閉鎖設定、つまり、開閉部371,372を開放位置から閉鎖位置に移動させる設定を行うとともに(S382)、演出可動体動作プロセスフラグの値を演出可動体302が下方位置に配置された状態であり、且つ開閉部371,372が開放位置から閉鎖位置に向けて移動することを示す「10」にセットし(S383)、演出可動体落下演出処理を終了する。尚、モータ制御基板16は、演出制御用CPU120の設定にもとづき演出用モータ389を駆動することで、開閉部371,372を開放位置から閉鎖位置に向けて移動させる制御を実行する。
また、演出可動体302の閉鎖開始タイミングでない場合(S381;N)、演出制御用CPU120は、実行中のプロセスデータを参照し、演出可動体302の下方位置から上方位置への上昇タイミングであるか否かを判定する(S384)。演出可動体302の下方位置から上方位置への上昇タイミングである場合(S384;Y)、演出制御用CPU120は、モータ制御基板16に対して演出可動体昇降用モータ306の駆動により演出可動体の下方位置から上方位置への上昇設定、つまり、演出可動体302を下方位置から上方位置に移動させる設定を行うとともに(S385)、演出可動体動作プロセスフラグの値を演出可動体302が上方位置に向けて移動(上昇)する状態であり、且つ開閉部371,372が閉鎖位置に配置されていることを示す「20」にセットし(S386)、演出可動体落下演出処理を終了する。尚、モータ制御基板16は、演出制御用CPU120の設定にもとづき演出可動体昇降用モータ306を駆動することで、演出可動体302を下方位置から上方位置に向けて移動させる制御を実行する。
また、演出可動体302の上昇タイミングでない場合(S384;N)、演出制御用CPU120は、実行中のプロセスデータを参照し、演出可動体302の上昇完了タイミングであるか否かを判定する(S387)。演出可動体302の上昇完了タイミングである場合(S387;Y)、演出制御用CPU120は、モータ制御基板16に対して保持用モータ320の駆動による演出可動体302の保持設定、つまり、第2保持片324を第2退避位置から第2保持位置まで移動させる設定を行う(S388)。そして、演出可動体落下演出実行中フラグをクリアするとともに(S389)、演出可動体動作プロセスフラグの値を演出可動体302が上方位置に保持された状態であり、且つ開閉部371,372が閉鎖位置に配置されていることを示す「00」にセットし(S390)、演出可動体落下演出処理を終了する。尚、モータ制御基板16は、演出制御用CPU120の設定にもとづき保持用モータ320を駆動することで、第2保持片324を第2退避位置から第2保持位置に向けて移動させる制御を実行する。尚、演出可動体302の上昇完了タイミングでない場合(S387)、演出制御用CPU120は、S388〜S390を実行せずに演出可動体落下演出処理を終了する。
尚、本実施例では、演出可動体落下演出処理において、演出可動体落下演出の開始タイミングとなったことに応じて、演出可動体動作プロセスフラグのXの値に上方位置に配置されていることを示す「0」をセットし、演出可動体302の落下タイミングとなったことに応じて、演出可動体動作プロセスフラグのXの値に下方位置に向けて落下することを示す「1」をセットし、演出可動体302の上昇タイミングとなったことに応じて、演出可動体動作プロセスフラグのXの値に上方位置に向けて上昇中であることを示す「2」をセットする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出可動体302の上方位置から所定距離の上昇タイミングとなったことに応じて、演出可動体動作プロセスフラグの値に上方位置から所定距離の上昇中であることを示す値(例えば、「3」)をセットするようにしても良い。
図38は、サブ演出表示装置移動処理の一例を示すフローチャートである。サブ演出表示装置移動処理において、演出制御用CPU120は、先ず、予告演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、予告演出が開始されている場合であるか否かを判定する(S341a)。予告演出実行中フラグがセットされていない場合は(S341a;N)、サブ演出表示装置移動処理を終了し、予告演出実行中フラグがセットされている場合は(341a;Y)、記憶されている予告演出種別がカウントダウン演出であるか否かを判定する(S341b)。記憶されている予告演出種別がカウントダウン演出でない場合は(S341b;N)、サブ演出表示装置移動処理を終了し、記憶されている予告演出種別がカウントダウン演出である場合は(S341b;Y)、カウントダウン演出終了後にサブ演出表示装置403をカウントダウン非表示位置に向けて移動させることを示す終了後移動フラグがセットされているか否かを判定する(S341c)。
終了後移動フラグがセットされていない場合(S341c;N)、演出制御用CPU120は、カウントダウン演出開始時にサブ演出表示装置403をカウントダウン表示位置に向けて移動させることを示す初期移動フラグがセットされているか否かを判定する(S342)。初期移動フラグがセットされていない場合(S342;N)、演出制御用CPU120は、モータ制御基板16に対してサブ演出表示装置昇降用モータ401,402の駆動によるサブ演出表示装置403のカウントダウン非表示位置からカウントダウン表示位置への移動設定を行い(S343)、初期移動フラグをセットする(S344a)。また、サブ演出表示装置403がカウントダウン表示位置に配置されたことを示す表示位置フラグをセットし(S344b)、S350に移行する。尚、モータ制御基板16は、演出制御用CPU120の設定にもとづきサブ演出表示装置昇降用モータ401,402を駆動することで、サブ演出表示装置403をカウントダウン非表示位置からカウントダウン表示位置に向けて移動させる制御を実行する。
また、初期移動フラグがセットされている場合(S342;Y)、演出制御用CPU120は、演出可動体動作プロセスフラグの値が「11」、つまり、演出可動体302が下方位置に配置された状態であり、且つ開閉部371,372が閉鎖位置から開放位置に向けて移動する途上の状態であるか否かを判定する(S345)。演出可動体動作プロセスフラグの値が「11」でない場合は(S345;N)、演出制御用CPU120は、表示位置フラグがセットされているか否かを判定する(S346)。
表示位置フラグがセットされていない場合(S346;N)、演出制御用CPU120は、モータ制御基板16に対してサブ演出表示装置昇降用モータ401,402の駆動によるサブ演出表示装置403の退避位置からカウントダウン表示位置への移動設定を行い(S347a)、後述する退避位置フラグをクリアするとともに表示位置フラグをセットし(S347b)、S350に移行する。尚、モータ制御基板16は、演出制御用CPU120の設定にもとづきサブ演出表示装置昇降用モータ401,402を駆動することで、サブ演出表示装置403を退避位置からカウントダウン表示位置に向けて移動させる制御を実行する。尚、表示位置フラグがセットされている場合は(S346;Y)、演出制御用CPU120は、S347a及びS347bを実行せずにS350に移行する。
また、演出可動体動作プロセスフラグの値が「11」である場合は(S345;Y)、演出制御用CPU120は、サブ演出表示装置403がカウントダウン退避位置に配置されたことを示す退避位置フラグがセットされているか否かを判定する(S348)。退避位置フラグがセットされていない場合は(S348;N)、演出制御用CPU120は、モータ制御基板16に対してサブ演出表示装置昇降用モータ401,402の駆動によるサブ演出表示装置403のカウントダウン表示位置から退避位置への移動設定を行い(S349a)、表示位置フラグをクリアするとともに退避位置フラグをセットし(S349b)、S350に移行する。尚、モータ制御基板16は、演出制御用CPU120の設定にもとづきサブ演出表示装置昇降用モータ401,402を駆動することで、サブ演出表示装置403をカウントダウン表示位置から退避位置に向けて移動させる制御を実行する。尚、退避位置フラグがセットされている場合は(S348;Y)、演出制御用CPU120は、S349a及びS349bを実行せずにS350に移行する。
そして、演出制御用CPU120は、実行中の後述する予告演出プロセスデータを参照し、カウントダウン演出の終了タイミングであるか否かを判定する(S350)。カウントダウン演出の終了タイミングである場合は(S350;Y)、演出制御用CPU120は、初期移動フラグをクリアするとともに(S351)、表示位置フラグと退避位置フラグのセットされている方のフラグをクリアし(S352)、更に終了後移動フラグをセットして(S353)サブ演出表示装置移動処理を終了する。尚、カウントダウン演出終了タイミングでない場合は(S350;N)、演出制御用CPU120は、S351〜S353を実行することなくサブ演出表示装置移動処理を終了する。
また、S341cにおいて終了後移動フラグがセットされている場合は(S341c;Y)演出制御用CPU120は、モータ制御基板16に対してサブ演出表示装置昇降用モータ401,402の駆動によるサブ演出表示装置403のカウントダウン非表示位置への移動設定を行い(S353)、終了後移動フラグをクリアして(S354)サブ演出表示装置移動処理を終了する。尚、モータ制御基板16は、演出制御用CPU120の設定にもとづきサブ演出表示装置昇降用モータ401,402を駆動することで、サブ演出表示装置403をカウントダウン非表示位置に向けて移動させる制御を実行する。
図39は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU120は、予告演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、予告演出が開始されている場合であるか否かを判定する(S321)。
予告演出実行中フラグがセットされていない場合には(S321;N)、S322において、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマの値を−1する。尚、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出を行うことに決定されたときに、プロセステーブルの選択においてセットされる。予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしていなければ(S323;N)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしている場合、つまり、予告演出の開始タイミングである場合には(S323;Y)、S324に移行する。
S324では、演出制御用CPU120は、予告演出の実行中であることを示す予告演出実行中フラグをセットする。また、予告演出に該当する予告演出期間に相当する値を予告演出期間タイマにセットする(S325)。
次いで、演出制御用CPU120は、実行する予告演出(予告演出A、予告演出B、カウントダウン演出)に対応した予告演出プロセステーブルを読み出してセットした後(S326)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における予告演出プロセスタイマをスタートさせる(S327)。尚、本実施例では、各予告演出(予告演出A、予告演出B、カウントダウン演出)の全ての組み合わせに対応する予告演出プロセステーブルが、予めROM121に記憶されている。
そして演出制御用CPU120は、セットした予告演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、サブ演出表示装置403、演出用部品としての遊技効果ランプ9および演出用部品としてのスピーカ8L,8R、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B)の制御を開始する(S328)。
次いで、演出制御用CPU120は、記憶されている予告演出種別がカウントダウン演出であるか否かを判定する(S328a)。記憶されている予告演出種別がカウントダウン演出である場合は(S328a;Y)演出制御用CPU120は、変動表示を実行中の変動パターンの変動時間にもとづいて、演出図柄が導出表示されるまでの時間を特定する(S328b)、そして、該特定した時間にもとづいて、サブ演出表示装置403においてカウントダウン表示を開始し(S328c)、予告演出処理を終了する。つまり、本実施例では、サブ演出表示装置403がカウントダウン表示位置に移動が完了する以前からサブ演出表示装置403においてカウントダウン表示が開始される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、該カウントダウン表示は、サブ演出表示装置403がカウントダウン表示位置に移動が完了してから開始されるようにしても良い。尚、記憶されている予告演出種別がカウントダウン演出でない場合は(S328a;N)演出制御用CPU120はS328b及びS328cを実行せずに予告演出処理を終了する。
また、S321において予告演出実行中フラグがセットされている場合には、S329に進んで、演出制御用CPU120は、予告演出のプロセスを変更するための予告演出プロセスタイマの値を−1する。そして、予告演出期間の終了を計時するための予告演出期間タイマの値を−1する(S330)。予告演出期間タイマがタイマアウト(値が0になる)した場合には(S331;Y)、予告演出実行中フラグをクリアして予告演出処理を終了する(S336)。
予告演出期間タイマがタイマアウトしていない場合(S331;N)に演出制御用CPU120は、予告演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S332)。予告演出プロセスタイマがタイマアウトしていたら、予告演出の予告演出プロセスデータの切り替えを行う(S333)。すなわち、予告演出プロセステーブルにおける次に設定されている予告演出プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S334)。また、その次に設定されている予告演出プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、入力制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更し(S335)、記憶されている予告演出種別がカウントダウン演出であるか否かを判定する(335a)。
記憶されている予告演出種別がカウントダウン演出でない場合は(S335a;N)予告演出処理を終了し、記憶されている予告演出種別がカウントダウン演出である場合は(S335a;Y)、実行中の予告演出プロセスデータを参照し、サブ演出表示装置403にて実行しているカウントダウン表示の更新タイミングであるか否かを判定する(S335b)。カウントダウン表示の更新タイミングでない場合は(S335b;N)予告演出処理を終了し、カウントダウン表示の更新タイミングである場合は(SS35b;Y)、サブ演出表示装置403にて実行しているカウントダウン表示を更新(減算更新)し(S335c)、予告演出処理を終了する。
このように、予告演出プロセステーブルと予告演出プロセスタイマとに基づいて予告演出の制御が実行されることにより、予告演出プロセステーブルにおける開始タイミングにおいて予告演出が開始されて、順次、予告演出プロセステーブルに記述されている予告演出の制御内容が実行されていくことで予告演出が、予告演出の期間が終了するまで実行される。
次に、カウントダウン演出の実行時における演出可動体302とサブ演出表示装置403の動作態様について説明する。先ず、図40(A)及び図40(B)に示すように、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、サブ演出表示装置昇降用モータ401,402の駆動によりサブ演出表示装置403がカウントダウン非表示位置からカウントダウン表示位置に移動し、カウントダウン演出として演出図柄が大当りまたははずれの組合せで導出表示されるまでの残り時間の表示を開始する。
図40(C)に示すようにカウントダウン演出が開始されてから更に所定時間が経過すると、「左」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5Rに演出図柄が停止し、リーチ状態となる。そして、該リーチ状態となると、図40(D)及び図40(E)に示すように、演出表示装置5において、例えば味方キャラクタと敵キャラクタが対峙して戦闘を行うリーチ演出が開始される。また、このリーチ演出の実行中、演出可動体302の上方位置から所定距離の上昇タイミングとなると、図40(F)に示すように、演出可動体昇降用モータ306の駆動により演出可動体302の上方位置から所定距離の上昇が実行される。
そして、変動表示結果が大当りである場合は、図41(A)に示すように、リーチ演出中に演出可動体302が上方位置から所定距離上昇した位置より下方位置に向けて落下し、遊技者に対して変動表示結果が大当りとなることが報知される。このとき、演出可動体302の下端部は、カウントダウン表示位置に配置されているサブ演出表示装置403の上端部と近接する。
演出可動体302の落下後は、図41(B)に示すように、演出用モータ389の駆動により開閉部371,372が閉鎖位置から開放位置に移動することで、遊技者に対して本体部340の前面に「激熱!!」なる文字が表示される。尚、開閉部372は演出用モータ389の駆動により閉鎖位置から本体部340の下方である開放位置に向けて移動するが、このとき、演出可動体動作プロセスフラグの値が「11」にセットされることによりサブ演出表示装置403がカウントダウン表示位置とカウントダウン非表示位置の間である退避位置に移動する。このサブ演出表示装置403の退避位置への移動により、開閉部372とサブ演出表示装置403とが互いに干渉することが回避される。尚、サブ演出表示装置403は、退避位置への移動後もカウントダウン表示を継続する。
尚、演出可動体302の開放期間が終了した後は、演出用モータ389の駆動により開閉部371,372が開放位置から開閉位置に向けて移動するとともに、演出可動体動作プロセスフラグの値が「11」から「10」に再セットされることで、サブ演出表示装置403が退避位置から再びカウントダウン表示位置に配置される。
そして、演出可動体302の閉鎖(開閉部371,372の閉鎖位置への移動)が完了した後は、図41(D)に示すように、演出可動体昇降用モータ306の駆動により演出可動体302が上方位置に向けて上昇していき、演出表示装置5には、リーチ演出結果として、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利した旨の表示が行われる。最後に、図41(E)に示すように、演出図柄が大当りを示す組合せが導出表示されると同時にサブ演出表示装置403に表示されているカウントダウン表示が0秒(実施例中では00:00)に更新され、カウントダウン表示が終了する。尚、サブ演出表示装置403でのカウントダウン表示の終了後、サブ演出表示装置403は、サブ演出表示装置昇降用モータ401,402の駆動によりカウントダウン表示位置からカウントダウン非表示位置に向けて移動する。そして、サブ演出表示装置403の移動完了後、大当り遊技が開始される。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、演出可動体302及びサブ演出表示装置403の動作による演出効果の低下を防ぎつつ、演出可動体302とサブ演出表示装置403との干渉を回避することができる。
また、演出可動体動作プロセスフラグを用いることで、簡易な構成によって演出可動体302の動作状態を監視することができる。
また、演出可動体302とサブ演出表示装置403とが共に動作されるときに、サブ演出表示装置403にてカウントダウン演出が実行されていることで、演出可動体302とサブ演出表示装置403との動作と、カウントダウン演出とを組合せることが可能となるので、演出効果を高めることができる。
また、演出図柄が大当りの組合せで導出表示されるタイミングをカウントダウン演出によって示唆することができるので、カウントダウン演出が実行されることにより演出図柄が大当りの組合せで導出表示されることへの期待感を高めることができるので、遊技興趣を向上できる。
また、演出可動体302とサブ演出表示装置403との干渉を回避しつつも、演出可動体302とサブ演出表示装置403とが近接するようになるので、演出可動体302とサブ演出表示装置403とによる演出効果を高めることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、演出可動体動作プロセスフラグの値に応じてサブ演出表示装置403を上下方向に移動させることで、演出可動体302とサブ演出表示装置403が互いに干渉することを回避する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変形例1として、開放された演出可動体302の下端部の位置座標を特定可能とし、該演出可動体302の位置座標に応じてサブ演出表示装置403を上下方向に移動させることで演出可動体302とサブ演出表示装置403が互いに干渉することを回避するようにしても良い。
具体的には、図42(A)及び図42(B)に示すように、ベース部材301の側辺部301Lの前面に突設された前後方向を向く回動軸を中心として回動可能に演出可動体位置検出用ギヤ391を設けるとともに、該演出可動体位置検出用ギヤ391に対して、該演出可動体位置検出用ギヤ391の回動量を測定可能な図示しないロータリーエンコーダを取り付ける。また、ガイド部材342の左端部の前後方向の略全長に亘って演出可動体位置検出用ギヤ391に噛合する歯部342Aを形成する。このように、本変形例1においては、演出可動体302が上下方向に移動することにより演出可動体位置検出用ギヤ391が回動するようになっており、該演出可動体位置検出用ギヤ391の回動量を前記ロータリーエンコーダによって測定することで演出可動体302の位置座標を特定可能となっている。
例えば、本変形例1では、先ず、図42(A)及び図42(B)に示す水平方向における右方向をX−Y座標におけるXの正(プラス)方向、左方向をX−Y座標におけるXの負(マイナス)方向と規定し、図42(A)及び図42(B)に示す鉛直方向における上方向をX−Y座標におけるYの正(プラス)方向、下方をX−Y座標におけるYの負(マイナス)方向と規定する。そして、図42(A)に示すように、上方位置から所定距離上昇した演出可動体302の本体部340の下端部のいずれか一点(例えば、本体部340の左右幅方向の略中央の下端部)の位置座標を(X,Y)とした場合、演出可動体302が上方位置から所定距離上昇した位置から下方位置に移動(落下)することより、演出可動体302の本体部340の下端部の前記いずれか一点の位置座標を(X,Y−a)(aは演出可動体302の落下距離)に特定可能となっている。また、予め開閉部372の上下幅寸法をRAM122等の所定領域に記憶しておくことにより、下方位置において開放された演出可動体302の下端部の前記いずれか一点の位置座標を(X,Y−a−b)(bは開閉部372の上下幅寸法)に特定可能となっている。
このように本変形例1においてパチンコ遊技機1を構成する場合は、図43に示すように、前記実施例の図42に示すサブ演出表示装置移動処理において初期移動フラグがセットされていると判定した後(S342;Y)、演出制御用CPU120は、演出可動体位置検出用ギヤ391に設けられた前記ロータリーエンコーダの出力信号にもとづいて、開放された演出可動体302の下端部の位置座標を特定する(S401)。具体的には、図42(A)及び図42(B)の例では、演出可動体302が下方位置に配置されている場合は、該開放された演出可動体302の下端部の座標を(X,Y−a−b)に特定し、演出可動体302が上方位置から所定距離上昇した位置に配置されている場合は、該開放された演出可動体302の下端部の座標を(X−b)に特定すれば良い。
そして、該特定した開放された演出可動体302の下端部の位置座標と、予めRAM122等に記憶されているサブ演出表示装置403のカウントダウン表示位置における上端部の位置座標とを比較し(S402)、開放された演出可動体302の下端部の位置座標がサブ演出表示装置403のカウントダウン表示位置における上端部の位置座標よりも下方であるか否かを判定する(S403)。
開放された演出可動体302の下端部の位置座標がサブ演出表示装置403のカウントダウン表示位置における上端部の位置座標よりも下方でない場合は(S403;N)S350に移行し、開放された演出可動体302の下端部の位置座標がサブ演出表示装置403のカウントダウン表示位置における上端部の位置座標よりも下方である場合は(S403;Y)、演出制御用CPU120は、演出用モータ389に設けられたロータリーエンコーダの出力信号から演出用モータ389の駆動方向をチェックし(S404)、演出用モータ389が演出可動体302を閉鎖する方向に駆動したか否か、つまり、開閉部371,372を開放位置から閉鎖位置に向けて移動させたか否かを判定する(S405)。
演出用モータ389が演出可動体302を閉鎖する方向に駆動した場合は(S405;Y)、演出制御用CPU120は、表示位置フラグがセットされているか否かを判定する(S406)。表示位置フラグがセットされていない場合は(S406;N)、モータ制御基板16に対してサブ演出表示装置昇降用モータ401,402の駆動によるサブ演出表示装置403の退避位置からカウントダウン表示位置への移動設定を行い(S407a)、退避位置フラグをクリアするとともに表示位置フラグをセットし(S407b)、S350に移行する。尚、表示位置フラグがセットされていない場合は(S406;Y)、S407a及びS407bを実行せずにS350に移行する。
一方、演出用モータ389が演出可動体302を閉鎖する方向に駆動していない場合(S405;N)、演出制御用CPU120は、演出用モータ389が演出可動体302を開放する方向に駆動したか否か、つまり、開閉部371,372を閉鎖位置から開放位置に向けて移動させたか否かを判定する(S408)。演出用モータ389が演出可動体302を開放する方向に駆動していない場合は(S408;N)、S350に移行し、演出用モータ389が演出可動体302を開放する方向に駆動した場合は(S408;Y)、演出制御用CPU120は、退避位置フラグがセットされているか否かを判定する(S409)。退避位置フラグがセットされていない場合は(S409:N)演出制御用CPU120は、モータ制御基板16に対してサブ演出表示装置昇降用モータ401,402の駆動によるサブ演出表示装置403のカウントダウン表示位置から退避位置への移動設定を行い(S410a)、表示位置フラグをクリアするとともに退避位置フラグをセットし(S410b)、S350に移行する。尚、退避位置フラグがセットされている場合は(S409:Y)、S410a及びS410bを実行せずにS350に移行する。
このように、本変形例1では、演出可動体位置検出用ギヤ391に設けられたロータリーエンコーダや、演出用モータ389に設けられたロータリーエンコーダからの出力信号により演出可動体302の動作状態を監視することで、不具合等によって演出可動体302やサブ演出表示装置403が意図しない動作状態となっても、干渉を回避することができる。
尚、本変形例1では、演出可動体位置検出用ギヤ391に設けられた前記ロータリーエンコーダの出力信号にもとづいて、開放された演出可動体302の下端部の位置座標を特定し、該特定した位置座標にもとづいてサブ演出表示装置403をカウントダウン表示位置から退避位置に移動させる形態を例示しているが、例えば、サブ演出表示装置昇降用モータ401,402のいずれか一方に演出可動体位置検出用ギヤ391に設けられたロータリーエンコーダと同様のロータリーエンコーダを設けることで常にサブ演出表示装置403の上端部の位置座標を特定可能とすることで、演出可動体位置検出用ギヤ391に設けられた前記ロータリーエンコーダの出力信号にもとづいて特定した開放された演出可動体302の下端部の位置座標と、サブ演出表示装置昇降用モータに設けられたロータリーエンコーダの出力信号にもとづいて特定したサブ演出表示装置403の上端部の位置座標とを常時監視するようにし、開放された演出可動体302の下端部の位置座標とサブ演出表示装置403の上端部の位置座標との位置関係を維持(常に開放された演出可動体302の下端部の位置座標がサブ演出表示装置403の上端部の位置座標よりも上方)となるように演出可動体302とサブ演出表示装置403の双方を上下方向に移動させるようにしても良い。
また、変形例1では、演出可動体位置検出用ギヤ391に設けられたロータリーエンコーダの出力信号によって開放された演出可動体302の下端部の位置座標を特定可能とし、該演出可動体302の位置座標に応じてサブ演出表示装置403を上下方向に移動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変形例2として図44に示すように、ベース部材301の側辺部301Rの前面に位置検出センサ390を設けるとともに、演出可動体302が下方位置に配置されたときに位置検出センサ390にて検出可能なようにラック341に庇片341Bを設けることで、位置検出センサ390にて庇片341Bが検出されることによって演出可動体302が下方位置に配置されたことを特定可能とし、該演出可動体302が下方位置に配置されたことに応じてサブ演出表示装置403を上下方向に移動させることで演出可動体302とサブ演出表示装置403が互いに干渉することを回避するようにしても良い。
このように本変形例2においてパチンコ遊技機1を構成する場合は、図45に示すように、前記実施例の図42に示すサブ演出表示装置移動処理において初期移動フラグがセットされていると判定した後(S342;Y)、演出制御用CPU120は、位置検出センサ390において演出可動体302が検出されたか否か、つまり、位置検出センサ390において庇片341Bが検出されたか否かを判定する(S421)。位置検出センサ390において演出可動体302が検出されていない場合は(S421;N)、S350に移行し、位置検出センサ390において演出可動体302が検出された場合は(S421;Y)、演出制御用CPU120は、演出用モータ389に設けられたロータリーエンコーダの出力信号から演出用モータ389の駆動方向をチェックし(S422)、演出用モータ389が演出可動体302を閉鎖する方向に駆動したか否か、つまり、開閉部371,372を開放位置から閉鎖位置に向けて移動させたか否かを判定する(S423)。
演出用モータ389が演出可動体302を閉鎖する方向に駆動した場合は(S423;Y)、演出制御用CPU120は、表示位置フラグがセットされているか否かを判定する(S424)。表示位置フラグがセットされていない場合は(S424;N)、モータ制御基板16に対してサブ演出表示装置昇降用モータ401,402の駆動によるサブ演出表示装置403の退避位置からカウントダウン表示位置への移動設定を行い(S425a)、退避位置フラグをクリアするとともに表示位置フラグをセットし(S425b)、S350に移行する。尚、表示位置フラグがセットされていない場合は(S424;Y)、S425a及びS425bを実行せずにS350に移行する。
一方、演出用モータ389が演出可動体302を閉鎖する方向に駆動していない場合(S423;N)、演出制御用CPU120は、演出用モータ389が演出可動体302を開放する方向に駆動したか否か、つまり、開閉部371,372を閉鎖位置から開放位置に向けて移動させたか否かを判定する(S426)。演出用モータ389が演出可動体302を開放する方向に駆動していない場合は(S426;N)、S350に移行し、演出用モータ389が演出可動体302を開放する方向に駆動した場合は(S426;Y)、演出制御用CPU120は、退避位置フラグがセットされているか否かを判定する(S427)。退避位置フラグがセットされていない場合は(S427:N)、演出制御用CPU120は、モータ制御基板16に対してサブ演出表示装置昇降用モータ401,402の駆動によるサブ演出表示装置403のカウントダウン表示位置から退避位置への移動設定を行い(S428a)、表示位置フラグをクリアするとともに退避位置フラグをセットし(S428b)、S350に移行する。尚、退避位置フラグがセットされている場合は(S427:Y)、S428a及びS428bを実行せずにS350に移行する。
また、前記実施例では、下方位置に配置された演出可動体302において開閉部371,372が閉鎖位置から開放位置に向けて移動する場合、つまり、演出可動体動作プロセスフラグの値が「11」にセットされた場合、カウントダウン表示位置に配置されているサブ演出表示装置403をカウントダウン表示位置とカウントダウン非表示位置の間であり、遊技者からサブ演出表示装置403にて表示されているカウントダウン表示を視認可能な退避位置に移動させることで、演出可動体302とサブ演出表示装置403が互いに干渉することを回避する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、下方位置に配置された演出可動体302において開閉部371,372が閉鎖位置から開放位置に向けて移動する場合は、サブ演出表示装置403をカウントダウン表示位置からカウントダウン非表示位置まで移動させることにより、遊技者からサブ演出表示装置403にて表示されているカウントダウン表示を視認不能とするようにしても良い。
また、前記実施例では、サブ演出表示装置403にて表示する演出として、演出図柄が導出表示されるまでの残り時間を表示するカウントダウン演出を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、サブ演出表示装置403においては、カウント演出以外にも前記実施例における予告演出A、予告演出Bの他、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の予告演出を表示するようにしても良い。
また、前記実施例では、変動表示結果が大当りとなる場合のみ演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果がはずれとなる場合であっても演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)する場合を設けるようにしても良い。尚、このように変動表示結果が大当りとなる場合とはずれとなる場合の双方で演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)する場合は、例えば、大当りの変動パターン、スーパーリーチはずれの変動パターン、ノーマルリーチはずれの変動パターン、非リーチはずれの変動パターンにおいて、それぞれ異なる割合で演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)するか否かを決定するようにすれば良い。更に、このように変動表示結果が大当りとなる場合とはずれとなる場合の双方で演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)する場合は、例えば、変動表示結果が大当たりとなる場合は、変動パターンがスーパーリーチ、ノーマルリーチのいずれであっても演出可動体302の上方位置から下方位置への移動(落下)を実行するようにし、変動表示結果がはずれとなる場合は、特定の変動パターン(例えば、スーパーリーチβ)でのみ演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)するか否かを決定するようにしても良い。
また、前記実施例では、変動表示結果が大当りであれば変動パターンがノーマルリーチ、スーパーリーチのいずれであっても演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)するようになっている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果が大当りとなる場合は、特定の変動パターン(例えば、スーパーリーチβ)でのみ演出可動体302が上方位置から下方位置へ移動(落下)するようにしても良い。
尚、これら変動表示結果がはずれである場合に演出可動体302を上方位置から下方位置に移動(落下)させる場合は、前記実施例に例示したように演出可動体302の落下(演出可動体落下演出)が大当り確定演出とはならないので、演出可動体302の上方位置から下方位置への移動(落下)は、リーチ演出の開始時等の前記実施例で示したタイミングよりも前のタイミングで実行すれば良い。
また、前記実施例では、下方位置に配置された演出可動体302において開閉部371,372が閉鎖位置から開放位置に向けて移動する場合、つまり、演出可動体動作プロセスフラグの値が「11」にセットされた場合、カウントダウン表示位置に配置されているサブ演出表示装置403をカウントダウン表示位置とカウントダウン非表示位置の間である退避位置に移動させることで、演出可動体302とサブ演出表示装置403が互いに干渉することを回避する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、下方位置に配置された演出可動体302において開閉部371,372が閉鎖位置から開放位置に向けて移動する場合、演出可動体302を下方位置と上方位置との間に移動させることによって演出可動体302とサブ演出表示装置403が互いに干渉することを回避するようにしても良い。
また、前記実施例では、サブ演出表示装置403においてカウントダウン演出を実行することにより、演出図柄が導出表示されるまでの残り時間を表示(カウントダウン表示)する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、サブ演出表示装置403において実行するカウントダウン演出としては、例えば、演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)するまでの残り時間等の特定の演出が実行されるまでの残り時間を表示するようにしても良い。尚、このように、カウントダウン演出で演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)するまでの残り時間を表示する場合は、演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)すると同時にサブ演出表示装置403に表示されているカウントダウン表示が0秒(実施例中では00:00)に更新されるので、演出可動体動作プロセスフラグの値が「11」にセットされることに応じて、サブ演出表示装置403を退避位置ではなくカウントダウン非表示位置に移動させ、そのままカウントダウン演出を終了するようにしても良い。更に、演出可動体302が下方位置に移動(落下)した後にリーチ演出や疑似連演出等の演出可動体落下演出以外の演出や契機が存在する場合は、演出可動体302が閉鎖した後に再びサブ演出表示装置403をカウントダウン非表示位置からサウントダウン表示位置に移動させ、これら演出や契機を対象にカウントダウン演出を実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、サブ演出表示装置403においてカウントダウン演出を実行することにより、演出図柄が導出表示されるまでの残り時間を表示(カウントダウン表示)する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、サブ演出表示装置403において実行するカウントダウン演出としては、例えば、図40(D)及び図40(E)に示す味方キャラクタと敵キャラクタが対峙して戦闘を行うリーチ演出において、図41(D)に示す戦闘結果(リーチ演出結果)が表示されるタイミングまでの残り時間を表示するようにしても良い。
また、前記実施例では、図22(C)に示すように、演出可動体動作プロセスフラグを演出可動体302の上下方向の動作を示すXと、演出可動体302の開閉動作を示すYとの2つの変数により構成することで、演出可動体動作プロセスフラグの値が「11」にセットされること、つまり、演出可動体302が下方位置に配置されており開閉部371,372が閉鎖位置から開放位置に向けて移動することに応じてサブ演出表示装置403をカウントダウン表示位置から退避位置に移動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出可動体動作プロセスフラグを演出可動体302の上下方向の動作を示すXのみで構成するようにし、演出可動体302が上方位置に保持されているか、下方位置に落下しているかのみ、つまり、演出可動体動作プロセスフラグの値が「0」であるか「1」であるかのみに応じてサブ演出表示装置403をカウントダウン表示位置から退避位置に移動させるようにしても良い。
また、前記実施例では、演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)した場合は、必ず開閉部371,372が閉鎖位置から開放位置に移動することで演出可動体302が開放される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出可動体302が上方位置から下方位置に移動(落下)したとしても演出可動体302の開放が実行されない場合を設けるようにしても良い。
また、前記実施例では、可動領域の一部が重複する演出用可動体として演出可動体302とサブ演出表示装置403との2つを設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動領域の一部が重複する演出用可動体としては、これら演出可動体302とサブ演出表示装置403の他にも異なる演出用可動体を設けるようにしても良い。特に、該演出用可動体を演出可動体302の落下やサブ演出表示装置403のカウントダウン表示位置への移動、カウントダウン演出の実行等に応じて連動させるようにすることで、各演出における遊技効果を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、前記実施例では、サブ演出表示装置403にてカウントダウン演出を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、カウントダウン演出は演出表示装置5において実行するようにしても良い。尚、このようにカウントダウン演出を演出表示装置5において実行する場合は、例えば、サブ演出表示装置403ではカウントダウン表示位置においてカウントダウン演出に関連した表示を実行するようにすれば良い。
また、前記実施例では、複数の演出用可動体(演出可動体302とサブ演出表示装置403)を、演出の非実行時は待機位置(例えば、演出可動体302であれば上方位置、サブ演出表示装置403であればカウントダウン非表示位置)に配置しておき、演出の実行時はそれぞれを演出実行位置(例えば、演出可動体302であれば下方位置、サブ演出表示装置403であればカウントダウン表示位置)に移動させ、それぞれが演出実行位置に配置されたことに応じて一方の演出用可動体を互いに干渉しないように退避位置に退避させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め一方の演出用可動体を演出の実行・非実行に拘らず演出実行位置に配置しておき、他方の演出可動体が演出位置に配置されたことに応じて、前記一方の演出用可動体を退避位置に移動させるようにしても良い。具体的には、カウントダウン演出の実行・非実行に拘わりなくサブ演出表示装置403をカウントダウン表示位置に配置し、下方位置に移動(落下)した演出可動体302が開放するときのみ、サブ演出表示装置403と演出可動体302の干渉を回避するためにサブ演出表示装置403を退避位置に移動させるようにすれば良い。
また、前記実施例では、サブ演出表示装置403にて実行するカウントダウン演出として、演出図柄が導出表示されるまでの残り時間を表示するカウントダウン表示を数字にて表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カウントダウン表示としては、演出図柄が導出表示されるまでの残り時間に応じた長さのゲージ等を表示することにより演出図柄が導出表示されるまでの残り時間を明確に示唆しないようにしても良い。
また、前記実施例では、サブ演出表示装置403にて実行するカウントダウン演出として、演出図柄が導出表示されるまでの残り時間を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カウントダウン演出としては、演出図柄が導出表示されるまでの残り時間と異なる時間を表示する場合を設けるようにしても良い。
また、前記実施例では、演出可動体302の動作状態を監視し、該演出可動体302の動作状態に応じてサブ演出表示装置403をカウントダウン表示位置から退避位置に移動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆にサブ演出表示装置403の動作状態を監視し、該サブ演出表示装置403の動作状態に応じて演出可動体302を上下方向に移動させるようにしてもよい。
具体的には、例えば、サブ演出表示装置403がカウントダウン表示位置に配置されている場合は、演出可動体302の上方位置から下方位置への移動(落下)を途上で停止させたり、該停止した位置から演出可動体302を上方位置に移動(上昇)させるようにすれば良い他、下方位置における演出可動体302の開放を実行しないようにしても良い。
また、前記実施例では、演出可動体302を演出表示装置5の上方に配置するとともに、サブ演出表示装置を演出表示装置5の下方に配置し、演出可動体302とサブ演出表示装置403の双方を上下方向に移動可能とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出可動体302を演出表示装置5の左方に配置するとともにサブ演出表示装置403を演出表示装置5の右方に配置し、演出可動体302とサブ演出表示装置403の双方を左右方向に移動可能としても良い。このように、演出表示装置5の左右にサブ演出表示装置403と演出可動体302とを左右方向に移動可能に配置した場合は、例えば、カウントダウン演出の開始時にサブ演出表示装置403を演出表示装置5の右方から演出表示装置5の正面右側に配置させるとともに、演出可動体302を演出表示装置5の左方から演出表示装置5の正面左側に配置させるようにし、演出可動体302の開放タイミングとなることでサブ演出表示装置403を演出表示装置5の正面右側から演出表示装置5の右方に退避させるようにすれば良い。同様に、演出可動体302を演出表示装置5の左上方に配置するとともにサブ演出表示装置403を演出表示装置5の右下方に配置し、演出可動体302とサブ演出表示装置403の双方を演出表示装置5の左上方と右下方との間の斜め方向に移動可能としても良い。このように、演出表示装置5の斜め方向にサブ演出表示装置403と演出可動体302とを移動可能に配置した場合は、例えば、カウントダウン演出の開始時にサブ演出表示装置403を演出表示装置5の右下方から演出表示装置5の正面に配置させるとともに、演出可動体302を演出表示装置5の左上方から演出表示装置5の正面におけるサブ演出表示装置403と衝突しない位置に配置させるようにし、演出可動体302の開放タイミングとなることでサブ演出表示装置403を演出表示装置5の正面から演出表示装置5の右下方に退避させるようにすれば良い。
また、前記実施例では、演出可動体302の動作状態を演出可動体動作プロセスフラグの値にて監視し、該演出可動体動作プロセスフラグの値に応じて演出可動体302とサブ演出表示装置403とが互いに干渉しないようにサブ演出表示装置403を退避させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、サブ演出表示装置403の動作状態をサブ演出表示装置403の動作を示すサブ演出表示装置動作プロセスフラグの値によって監視するようにし、該サブ演出表示装置動作プロセスフラグの値に応じて演出可動体302とサブ演出表示装置403とが互いに干渉しないように演出可動体302を退避させるようにしても良い。
また、前記実施例では、演出可動体302の動作状態を演出可動体動作プロセスフラグの値にて監視し、該演出可動体動作プロセスフラグの値に応じて演出可動体302とサブ演出表示装置403とが互いに干渉しないようにサブ演出表示装置403を退避させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出可動体302とサブ演出表示装置403の双方の動作状態を監視することで、演出可動体302とサブ演出表示装置403とが互いに干渉しないように演出可動体302とサブ演出表示装置403を移動(退避)させるようにしても良い。
具体的にはサブ演出表示装置403の動作状態をサブ演出表示装置403の動作を示すサブ演出表示装置動作プロセスフラグの値によって監視するようにし、変形例1のように、演出可動体302の下端部の座標を演出可動体動作プロセスフラグの値毎に予め記憶しておくとともに、サブ演出表示装置403の上端部の座標をサブ演出表示装置動作プロセスフラグの値毎に予め記憶しておく。そして、演出可動体落下演出処理やサブ演出表示装置移動処理を実行する毎に演出可動体動作プロセスフラグに応じた演出可動体302の下端部の座標とサブ演出表示装置動作プロセスフラグに応じたサブ演出表示装置403の上端部との座標を比較し、これら演出可動体302の下端部の座標とサブ演出表示装置403の上端部との座標とが重ならないように演出可動体302とサブ演出表示装置403とを上下方向に移動させるようにする。
また、前記実施例では、演出可動体302を上方位置から下方位置に移動(落下)させる際に、演出可動体302を一旦上方位置よりも所定距離上昇させた後開放位置に移動(落下)させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出可動体302を上方位置から下方位置に移動(落下)させる際は、演出可動体302を上方位置から上昇させることなく下方位置に移動(落下)させるようにしても良い。この場合は図36の破線にて示すように、S366とS367の処理を実行しないようにすれば良い。
また、前記実施例では、サブ演出表示装置403のみを退避させることにより、演出可動体302とサブ演出表示装置403とが干渉しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、サブ演出表示装置403を退避させずに演出可動体302だけを退避させるようにしても良いし、サブ演出表示装置403と演出可動体302の双方を退避させるようにしても良い。つまり、演出可動体302とサブ演出表示装置403の少なくとも一方を退避させるようにすれば良い。尚、演出可動体302とサブ演出表示装置403の双方を退避させるようにすることは、いずれか一方を退避させる場合に比較して演出可動体302とサブ演出表示装置403の移動量を短くできるため、サブ演出表示装置403と可動演出体302との干渉を迅速に回避することができるとともに、退避することによって遊技盤2により隠蔽されるサブ演出表示装置403の面積も小さくすることができるので、サブ演出表示装置403の視認性が大きく損なわれてしまうことを防ぐことができる。
(変形例3)
次に、上記実施例に対する変形例3について説明する。
この変形例3では、第1演出ユニット300における演出可動体302の本体部340の演出用LED380aと、開閉部371,372の演出用LED382a,382bとに電力を供給するための構成について説明する。
図46は、変形例3における演出可動体を示す概略図である。図46において、ベース部材301には、第1ランプ中継基板500が設けられている。第1ランプ中継基板500には、コネクタ501,502が設けられている。コネクタ501,502の各ピンは、配線部材や基板上の配線パターン等(図示せず)を介してランプ制御基板14のランプドライバに電気的に接続されている。ガイド部材342の本体部340には、第2ランプ中継基板510が設けられている。
第2ランプ中継基板510には、コネクタ511,512が設けられている。コネクタ511,512の各ピンは、配線部材や配線パターン等(図示せず)を介して、演出用LED380a,382a,382bと電気的に接続されている。ここで、コネクタ501,502,511,512の構造(ピン数及び形状)はいずれも同じ構造となっている。
第1ランプ中継基板500のコネクタ501の各ピンと第2ランプ中継基板510のコネクタ511の各ピンとは、可撓性を有する第1フレキシブルケーブル521を介して電気的に接続されている。つまり、第1ランプ中継基板500のコネクタ501には、第1フレキシブルケーブル521の一端が挿入され、第2ランプ中継基板510のコネクタ511には、第1フレキシブルケーブル521の他端が挿入されている。
また、第1ランプ中継基板500のコネクタ502の各ピンと第2ランプ中継基板510のコネクタ512の各ピンとは、可撓性を有する第2フレキシブルケーブル522を介して電気的に接続されている。つまり、第1ランプ中継基板500のコネクタ502には、第2フレキシブルケーブル522の一端が挿入されており、第2ランプ中継基板510のコネクタ512には、第2フレキシブルケーブル522の他端が挿入されている。
第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522は、可撓性を有する(平板状)配線部材としてのフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)である。また、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522は、互いに同色(例えば白色)でかつ互いに同じ配線数となっている。また、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522は、互いに上下方向に沿って並べて配置されている。さらに、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522は、互いに厚さ方向で重なり合って配置されている。また、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522における中間部分には、演出可動体302の上下方向の変位に対応して屈曲変形可能となっている(予め屈曲変形用の折り目が設けられている)。つまり、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522は、演出可動体302の上下方向の変位に追従して、第1ランプ中継基板500と第2ランプ中継基板510との電気的接続関係を維持する。
従って、演出用LED380a,382a,382bは、少なくとも第2ランプ中継基板510と、コネクタ511,512と、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522と、コネクタ501,502と、第1ランプ中継基板500とを介して、ランプ制御基板14のランプドライバに電気的に接続され、ランプ制御基板14のランプドライバによって演出用LED380a,382a,382bの発光が駆動される。
次に、図47に示すように、第2フレキシブルケーブル522の一端部には、識別手段としてのマーク522Aが設けられ、第2フレキシブルケーブル522の他端部には、識別手段としてのマーク522Bが設けられている。なお、第1フレキシブルケーブル521の一端部及び他端部には、マークが設けられていない。マーク522A,522Bは、例えば赤色のインク等の有色材料によって形成されている。
また、図47に示すように、第1ランプ中継基板500におけるコネクタ501の近傍箇所と、第2ランプ中継基板510におけるコネクタ511の近傍箇所とには、それぞれ接続関係識別用の「A」のマークが例えば有色材料のシルクスクリーン印刷によって形成されている。また、第1ランプ中継基板500におけるコネクタ502の近傍箇所と、第2ランプ中継基板510におけるコネクタ512の近傍箇所とには、それぞれ接続関係識別用の「B」のマークが、例えば有色材料のシルクスクリーン印刷によって形成されている。なお、他の構成は前記実施例、変形例1又は変形例2と同様である。
上記変形例3によれば、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522のうち第2フレキシブルケーブル522の両端部には、それぞれ当該フレキシブルケーブルを識別するためのマーク522A及びマーク522Bが設けられている。特に、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522の端部形状が同一形状かつ同一配線数であり、コネクタ501,502及びコネクタ511,512が同一形状かつ同一ピン数であるため、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522の挿入ミスによる誤配線が生じやすいところ、マーク522A及びマーク522Bによって第2フレキシブルケーブル522を識別可能となるため、パチンコ遊技機1の製造段階における第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522の誤配線の発生を抑えることができ、パチンコ遊技機1の製造効率を向上できる。
なお、上記変形例3では、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522が互いに平行かつ隣り合って配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のフレキシブルケーブルがそれぞれ離れて配置されたものや、複数のフレキシブルケーブルにおける一部分のみが隣り合って配置されたものであっても、本発明を適用可能である。
また、上記変形例3では、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522が可撓性を有する配線部材としてのフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、可撓性を有する配線部材としてのフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible printed circuits)にも本発明を適用できる。
また、上記変形例3では、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522の全体が第1演出ユニット300の外部から視認可能に配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複数のフレキシブルケーブルの長手方向中間部が例えば演出用可動体の内部を通して配置されているような構造(演出用可動体を構成する部品に囲まれた構造)であって、互いに重なり合う複数のフレキシブルケーブルにおける両端部を除く部分が演出用可動体の外部から視認困難に配置された構造に本発明を適用してもよい。つまり、このような複数のフレキシブルケーブルにおける両端部を除く部分が演出用可動体の外部から視認困難に配置された構造においては、特に誤配線が生じやすく、複数のフレキシブルケーブルのうちの少なくとも一部のフレキシブルケーブルの両端部に当該フレキシブルケーブルを識別するための識別手段を設けることが誤配線の抑制に特に有効である。
また、上記変形例3では、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522のうち第2フレキシブルケーブル522のみに、識別手段としてのマーク522A及びマーク522Bを設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522の両方に識別手段を設けてもよい。この場合、識別手段の態様は、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522を互いに識別可能となる態様であればよく、色、大きさ、及び形態等について適宜決定可能である。
また、上記変形例3では、第1フレキシブルケーブル521及び第2フレキシブルケーブル522は、互いに同一の端部形状でかつ同一の配線数であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のフレキシブルケーブルの端部形状がそれぞれ異なっていたり、複数のフレキシブルケーブルの配線数がそれぞれ異なっていてもよい。これに伴って、複数のコネクタの形状がそれぞれ異なる形状であってもよい。
また、前記実施例及び変形例1〜3では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例及び変形例1〜3では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも本発明を適用可能である。
また、前記実施例及び変形例1〜3では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、本実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。