JP2016058708A - 半導体装置、及び半導体装置の評価方法 - Google Patents

半導体装置、及び半導体装置の評価方法 Download PDF

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大介 松林
将志 津吹
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将志 津吹
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Toshihiko Takeuchi
敏彦 竹内
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Abstract

【課題】サブスレッショルドリーク値の小さいトランジスタを提供する。または、半導体とゲート絶縁体との界面における浅い界面準位の密度の低いトランジスタを提供する。または、電気特性の良好なトランジスタを提供する。
【解決手段】ゲート電極、ゲート絶縁体、及び半導体を有するトランジスタにおいて、トランジスタのId−Vg特性を測定し、Id−Vg測定の結果より、ゲート絶縁体、及び半導体の界面における界面順位の密度を見積もる。見積もった界面順位の密度を用いて、トランジスタの測定限界以下のId−Vg特性を評価する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、酸化物、トランジスタおよび半導体装置、ならびにそれらの製造方法に関する。または、本発明は、例えば、酸化物、表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、プロセッサ、電子機器に関する。または、酸化物、表示装置、液晶表示装置、発光装置、記憶装置、電子機器の製造方法に関する。または、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、記憶装置、電子機器の駆動方法に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。表示装置、発光装置、照明装置、電気光学装置、半導体回路および電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
絶縁表面を有する基板上の半導体を用いて、トランジスタを構成する技術が注目されている。当該トランジスタは集積回路や表示装置のような半導体装置に広く応用されている。トランジスタに適用可能な半導体としてシリコンが知られている。
トランジスタの半導体に用いられるシリコンは、用途によって非晶質シリコンと多結晶シリコンとが使い分けられている。例えば、大型の表示装置を構成するトランジスタに適用する場合、大面積基板への成膜技術が確立されている非晶質シリコンを用いると好適である。一方、駆動回路を一体形成した高機能の表示装置を構成するトランジスタに適用する場合、高い電界効果移動度を有するトランジスタを作製可能な多結晶シリコンを用いると好適である。多結晶シリコンは、非晶質シリコンに対し高温での熱処理、またはレーザ光処理を行うことで形成する方法が知られる。
近年は、非晶質酸化物半導体、および微結晶を有する非晶質酸化物半導体を用いたトランジスタが開示されている(特許文献1参照。)。酸化物半導体は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、大型の表示装置を構成するトランジスタの半導体に用いることができる。また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、高い電界効果移動度を有するため、駆動回路を一体形成した高機能の表示装置を実現できる。また、非晶質シリコンを用いたトランジスタの生産設備の一部を改良して利用することが可能であるため、設備投資を抑えられるメリットもある。
また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さいことが知られている。例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタのリーク電流が低いという特性を応用した低消費電力のCPUなどが開示されている(特許文献2参照。)。また、酸化物半導体からなる活性層で井戸型ポテンシャルを構成することにより、高い電界効果移動度を有するトランジスタが得られることが開示されている(特許文献3参照。)。
特開2006−165528号公報 特開2012−257187号公報 特開2012−59860号公報
トランジスタにおいて、界面準位等の影響によりサブスレッショルド領域でもサブスレッショルドスイング値(S値ともいう。)自体がゲート電圧(Vgと表記する。)に対して依存性をもってしまい理想的なS値からずれる傾向がある。したがって、ゲート電圧を掃引したときに得られるドレイン電流(Idと表記する。また、ゲート電圧Vgとドレイン電流Idの相関をId−Vg特性ともいう。)の測定で検出可能な電流範囲で算出したS値を用いて、測定器の検出下限以下のサブスレッショルドリーク電流を外挿すると誤差が大きくなる。そこで、検出可能な範囲のドレイン電流のゲート電圧依存性から、測定器の検出下限以下のサブスレッショルドリーク電流を外挿することを課題の一とする。
または、トランジスタにおいて、半導体とゲート絶縁体との間の界面準位の密度の評価方法を提供することを課題の一とする。
または、S値の小さいトランジスタを提供することを課題の一とする。または、半導体とゲート絶縁体との界面における浅い界面準位の密度の低いトランジスタを提供することを課題の一とする。または、電気特性の良好なトランジスタを提供することを課題の一とする。または、電気特性の安定したトランジスタを提供することを課題の一とする。または、高い周波数特性を有するトランジスタを提供することを課題の一とする。または、オフ時の電流の小さいトランジスタを提供することを課題の一とする。または、該トランジスタを有する半導体装置を提供することを課題の一とする。または、該半導体装置を有するモジュールを提供することを課題の一とする。または、該半導体装置、または該モジュールを有する電子機器を提供することを課題の一とする。または、新規な半導体装置を提供することを課題の一とする。または、新規なモジュールを提供することを課題の一とする。または、新規な電子機器を提供することを課題の一とする。または、新規な測定方法を提供することを課題の一とする。または、新規な評価方法を提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、ゲート電極、ゲート絶縁体、及び半導体を有するトランジスタにおいて、トランジスタのゲート電圧を掃引したときに得られるドレイン電流を測定し、トランジスタのトラップ準位を仮定しないゲート電圧を掃引した時に得られるドレイン電流値の計算値を算出し、測定の結果及び計算値より、ゲート絶縁体及び半導体の界面における浅い界面準位の密度を見積もり、浅い界面準位の密度を用いて、トランジスタの測定下限未満のゲート電圧を掃引したときに得られるドレイン電流を評価することを特徴とする半導体装置の評価方法である。
本発明の一態様は、ゲート電極、ゲート絶縁体、及び半導体を有するトランジスタにおいて、トランジスタのゲート電圧を掃引したときに得られる1×10−13A以上のドレイン電流を測定し、トランジスタのトラップ準位を仮定しないゲート電圧を掃引した時に得られるドレイン電流値の計算値を算出し、測定の結果及び計算値より、ゲート絶縁体及び半導体の界面における浅い界面準位の密度を見積もり、浅い界面準位の密度を用いて、トランジスタのゲート電圧を掃引したときに得られるドレイン電流が1×10−13A未満の値を評価することを特徴とする半導体装置の評価方法である。
本発明の一態様は、ゲート電極、ゲート絶縁体、及び半導体を有するトランジスタにおいて、トランジスタのゲート電圧を掃引したときに得られる1×10−13A以上のドレイン電流を測定し、トランジスタのトラップ準位を仮定しないゲート電圧を掃引した時に得られるドレイン電流値の計算値を算出し、測定の結果及び計算値を、下式に代入して、前記ゲート絶縁体及び前記半導体の界面における浅い界面準位の密度を導出し、浅い界面準位の密度を仮定したデバイス計算を行い、ゲート電圧を掃引した時に得られるドレイン電流値を導出し、トランジスタのゲート電圧を掃引したときに得られるドレイン電流が1×10−13A未満の値を評価することを特徴とする半導体装置の評価方法である。

(浅い界面準位の密度Nit、界面における電位の変化量Δφit、比例係数Ceff、実測の電圧Vgの変化ΔVex、計算の電圧Vgの変化ΔVidである。)
上記発明において、半導体は、インジウム、亜鉛および元素M(元素Mはアルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズ)から選ばれた一種以上を有する酸化物を有することを特徴とする半導体装置の評価方法である。
トランジスタにおいて、半導体とゲート絶縁体との間の界面準位の密度の評価方法を提供することができる。さらに、得られた界面準位からドレイン電流−ゲート電圧特性を逆算し、測定器の検出下限以下のサブスレッショルドリーク電流を含むトランジスタ特性を評価することができる。
または、S値の小さいトランジスタを提供することができる。または、半導体とゲート絶縁体との界面における浅い界面準位の密度の低いトランジスタを提供することができる。または、電気特性の良好なトランジスタを提供することができる。または、電気特性の安定したトランジスタを提供することができる。または、高い周波数特性を有するトランジスタを提供することができる。または、オフ時の電流の小さいトランジスタを提供することができる。または、該トランジスタを有する半導体装置を提供することができる。または、該半導体装置を有するモジュールを提供することができる。または、該半導体装置、または該モジュールを有する電子機器を提供することができる。または、新規な半導体装置を提供することができる。または、新規なモジュールを提供することができる。または、新規な電子機器を提供することができる。または、新規な測定方法を提供することができる。または、新規な評価方法を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。 トランジスタ断面の模式図。 Id−Vg特性を示す図。 バンド構造を説明する図。 Id−Vg特性を示す図。 Id−Vg特性を示す図、及び界面準位の密度を示す図。 界面準位の密度を示す図。 Id−Vg特性を示す図。 本実施例のトランジスタを示す断面図及びトランジスタ断面の模式図。 Id−Vg特性を示す図。 界面準位の密度を示す図。 Id−Vg特性を示す図。 本発明の一態様に係るトランジスタを示す断面図。 本発明の一態様に係るトランジスタを示す上面図および断面図。 CAAC−OSの断面におけるCs補正高分解能TEM像、およびCAAC−OSの断面模式図。 CAAC−OSの平面におけるCs補正高分解能TEM像。 CAAC−OSおよび単結晶酸化物半導体のXRDによる構造解析を説明する図。 CAAC−OSの電子回折パターンを示す図。 In−Ga−Zn酸化物の電子照射による結晶部の変化を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の回路図。 本発明の一態様に係る記憶装置の回路図。 本発明の一態様に係るCPUを示すブロック図。 本発明の一態様に係る記憶素子の回路図。 本発明の一態様に係る表示装置の上面図および回路図。 本発明の一態様に係る電子機器を示す図。 Id−Vg特性を示す図。 本実施例のリーク電流測定のための回路図。 本実施例の電圧VRMの時間変化とリーク電流について説明する図。
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。なお、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、図において、大きさ、膜(層)の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。
なお、本明細書において、「膜」という表記と、「層」という表記と、を互いに入れ替えることが可能である。
また、電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND)またはソース電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能である。
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜的に用いるものであり、工程順または積層順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書などに記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
なお、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分低い場合は「絶縁体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「絶縁体」は境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書に記載の「半導体」は、「絶縁体」と言い換えることができる場合がある。同様に、本明細書に記載の「絶縁体」は、「半導体」と言い換えることができる場合がある。
また、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分高い場合は「導電体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「導電体」は境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書に記載の「半導体」は、「導電体」と言い換えることができる場合がある。同様に、本明細書に記載の「導電体」は、「半導体」と言い換えることができる場合がある。
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体層を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導体にDOS(Density of State)が形成されることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコン層である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
なお、本明細書において、Aが濃度Bの領域を有する、と記載する場合、例えば、Aのある領域における深さ方向全体が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の平均値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の中央値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の最大値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の最小値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の収束値が濃度Bである場合、測定上Aそのものの確からしい値の得られる領域が濃度Bである場合などを含む。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の上面に形成されるチャネル領域の割合に対して、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
なお、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが互いに重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
なお、本明細書において、AがBより迫り出した形状を有すると記載する場合、上面図または断面図において、Aの少なくとも一端が、Bの少なくとも一端よりも外側にある形状を有することを示す場合がある。したがって、AがBより迫り出した形状を有すると記載されている場合、例えば上面図において、Aの一端が、Bの一端よりも外側にある形状を有すると読み替えることができる。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
<トランジスタ>
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタについて説明する。
<トランジスタ構造1>
図1(A)および図1(B)は、本発明の一態様に係るトランジスタの上面図および断面図である。図1(A)は上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す一点鎖線A1−A2、および一点鎖線A3−A4に対応する断面図である。なお、図1(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
図1(A)および図1(B)に示すトランジスタは、基板110上の絶縁体120と、絶縁体120上の半導体130a、半導体130b、及び半導体130cを含む半導体130と、半導体130b上の導電体140および導電体150と、半導体130c上の絶縁体160と、絶縁体160を介して半導体130と重なる領域を有する導電体171、及び導電体172を含む導電体170と、を有する。
なお、半導体130は、トランジスタのチャネル形成領域としての機能を有する。また、絶縁体160は、トランジスタのゲート絶縁体としての機能を有する。また、導電体170は、トランジスタのゲート電極としての機能を有する。また、導電体140および導電体150は、トランジスタのソース電極およびドレイン電極としての機能を有する。
このとき、図1に示すトランジスタ100は、半導体130と導電体170とが絶縁体160を介して重なる領域において、半導体130と絶縁体160との界面における浅い界面準位の密度が1×1013cm−2・eV−1V以下、好ましくは6×1012cm−2・eV−1以下、さらに好ましくは3×1012cm−2・eV−1以下、より好ましくは1×1012cm−2・eV−1以下とする。界面準位の密度が前述の値よりも低いことで、トランジスタのS値を小さくすることができる。したがって、小さいゲート電圧の変更によってトランジスタの導通状態と非導通状態を切り替えることが可能となる。そのため、トランジスタの消費電力は小さくなる。また、ノーマリーオフの電気特性を有するトランジスタにおいては、ゲート電圧が0Vにおけるドレイン電流(リーク電流ともいう。)を小さくすることができる。また、トランジスタの電気特性の変動を小さくすることができる。
<Id−Vg測定(1)>
以下ではトランジスタの界面準位の密度を評価し、その界面準位の密度からサブスレッショルドリーク電流を予測する方法について説明する。
界面準位の密度は、例えば、トランジスタのドレイン電流−ゲート電圧(Id−Vg)の実測と、ドレイン電流−ゲート電圧(Id−Vg)特性の計算値とを比較することによって、評価することができる。
実測には図1(A)及び図1(B)で説明したトランジスタ100を用いた。なお、トランジスタ100では、半導体130としてIn−Ga−Zn酸化物を用いた。また、Id−Vg特性の測定は、導電体140および導電体150と、導電体170と、の間の電圧(ゲート電圧Vg)を、−3Vから3Vまで0.1Vステップで掃引させた。
図2は、計算値を得るために仮定したトランジスタ500の断面図の模式図である。なお、実測で用いたトランジスタ100と、同等の断面構造を有する。計算は、Silvaco社デバイスシミュレータATLASを用いた。また、下表には、計算に用いたパラメータを示す。なお、Egはエネルギーギャップ、Ncは伝導帯の実効状態密度、Nvは価電子帯の実効状態密度を示す。計算条件を表1に示す。
また、表には示していないが、導電体540および導電体550が、絶縁体560を介して導電体570と重なる領域の長さをそれぞれ0.2μmとした。さらに、導電体540および導電体550と、半導体530bと、が重なる領域における半導体530bのドナー密度は5×1018cm−3とした。
図3に、ソース電圧Vs=0V、ドレイン電圧Vd=0.1Vにおける、計算によって得られた理想的なId−Vg特性と、トランジスタ100における実測のId−Vg特性と、を示す。なお、トランジスタ100の測定結果のうち、ドレイン電流Idの測定が容易な1×10−13A以上の値のみプロットした。
図3に示すように、計算で求めた理想的なId−Vg特性と比べて、実測のId−Vg特性はゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idの変化が緩やかであることがわかる。これは、伝導帯下端のエネルギー(Ecと表記する。)の近くに位置する浅い界面準位に電子がトラップされたためと考えられる。
例えば、図4(A)に示すVg=0Vのバンド構造において、半導体130cのエネルギーギャップ内にある浅い界面準位190は、フェルミ準位(Efと表記する。)よりも高いエネルギー位置にあるため、電子がトラップされていない。それに対して、深い界面準位191はEfよりも低いエネルギー位置にあるため、電子がトラップされている。一方、図4(B)に示すバンド構造において、ゲート電圧Vgとして正の電圧を印加したとき、半導体130cのバンドが曲がり、Efが浅い界面準位190の分布に入り込むことにより、浅い界面準位190にも電子がトラップされ始める(以降、このときに電子がトラップされる浅い界面準位のことをトラップ準位と呼ぶ。)。このときId−Vg特性のS値が理想的な値よりも大きくなり、浅い界面準位の分布に対応してVg依存性を持つ。
次に、図5に示す模式的なId−Vg特性を用いた界面準位の評価方法について説明する。破線は計算によって得られるトラップ準位のない理想的なId−Vg特性を示す。また、破線において、ドレイン電流がId1からId2に変化するときのゲート電圧Vgの変化をΔVidとする。また、実線は、実測のId−Vg特性を示す。実線において、ドレイン電流がId1からId2に変化するときのゲート電圧Vgの変化をΔVexとする。また、トラップ準位の有無に依らずドレイン電流と半導体130と絶縁体160との界面における電位は一対一対応しており、ドレイン電流がId1、Id2のときの半導体130と絶縁体160との界面における電位はそれぞれφit1、φit2とし、その変化量をΔφitとする。
図5において、実測は計算よりも傾きが小さいため、ΔVexは常にΔVidよりも大きいことがわかる。このとき、ΔVexとΔVidの差が、浅い界面準位に電子をトラップすることに要した電位差を表す。したがって、半導体130と絶縁体160との界面にトラップされた電子による電荷の変化量をΔQitとした場合、ΔQitは以下の式(1)で表すことができる。
なお、Ceffは着目する界面に依存する比例係数とする。ここでは、絶縁体160と半導体130cとの界面に着目しているため、Ceffは面積当たりの絶縁体160の容量となる。
また、半導体130cと絶縁体160との界面における浅い界面準位の密度をNitとすると、ΔQitは式(2)で表すこともできる。なお、qは電気素量である。
式(1)と式(2)とを連立させることで式(3)を得ることができる。
次に、式(3)のΔφitについてゼロの極限を取ることで、式(4)を得ることができる。
即ち、Id−Vg特性および式(4)から、半導体130cと絶縁体160との界面における浅い界面準位の密度Nitを導出できることがわかる。なお、ドレイン電流と半導体130と絶縁体160との界面における電位の関係については、上述のデバイスシミュレータを用いた計算によって求めることができる。
以上のような方法によって、実測のId−Vg特性における半導体130と絶縁体160との界面における浅い界面準位の密度Nitを見積もることができる。
次に、Id−Vg特性のグラフに上記方法を適用し、その妥当性を検証した。図6(A)に、半導体530cと絶縁体560との界面においてトラップ準位のない理想的なId−Vg特性(破線)と、半導体530cと絶縁体560との界面においてトラップ準位を仮定したId−Vg特性(実線)と、を重ねて示す。なお、トラップ準位を仮定したId−Vg特性において、半導体530cと絶縁体560との界面において、浅い界面準位の密度Nitは式(5)で表されるガウス分布を持つと仮定した。また、ピーク密度Ngaは1.0×1012cm−2・eV−1、分布幅Wgaは0.3eV、ピーク位置Egaは0.5eVとした。
理想的なId−Vg特性と比べて、トラップ準位を仮定したId−Vg特性は、実測のデータと同様に、ゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idの変化が緩やかな結果となった。
また、図6(B)に、上記方法によりId−Vg特性から導出された浅い界面準位の密度分布(実線)と、図6(A)の半導体530cと絶縁体560との界面においてトラップ準位を仮定したガウス分布(破線)と、を示す。図6(B)より、実線と破線はほぼ一致した。特にId−Vg特性のサブスレッショルド領域に対応する低エネルギー側では、高い再現性を有している。したがって、界面準位密度を見積もる上記方法の妥当性が示された。
次に、実測したトランジスタ100において、半導体130と絶縁体160の界面にトラップ準位が存在すると仮定して、図3のId−Vg特性に上記方法を適用した。図7(A)に、その結果得られた界面準位の密度分布を実線で示す。
また、図7(B)に、図7(A)の分布のノイズを低減するために縦軸に関して移動平均を行った分布を実線で示す。また、得られた分布を最小自乗法によりガウス分布でフィッティングした曲線を破線で重ねて示す。トランジスタ100における半導体130と絶縁体160との界面準位の密度分布は、ピーク密度Ngaは4.7×1012cm−2・eV−1、分布幅Wgaは0.17eV、ピーク位置Egaは0.37eVのガウス分布により、フィッティングできた。
次に、得られた界面準位のフィッティング曲線をデバイスシミュレータを用いた計算にフィードバッグすることにより、Id−Vg特性を逆算した結果を図8に示す。図8(A)に、ドレイン電圧Vdが0.1Vおよび1.8Vの場合の計算によって得られたId−Vg特性と、ドレイン電圧Vdが0.1Vの場合及び1.8Vの場合のトランジスタ100における実測のId−Vg特性とを示す。また、図8(B)は、図8(A)のドレイン電流Idを対数としたグラフである。
計算により得られた曲線と、実測値のプロットはほぼ一致しており、さらには、測定が困難なドレイン電流Idが1×10−13A以下の値を求めることができた。例えば、ゲート電圧Vgが0Vにおけるドレイン電流Idの値であるサブスレッショルドリーク電流は、ドレイン電圧Vdが1.8Vの場合は9.7×10−19Aと、ドレイン電圧Vdが0.1Vの場合は4.9×10−20Aと、評価できた。
また、良好な電気特性を有するトランジスタを得るためには、例えば、半導体130と絶縁体160との界面における浅い界面準位の密度を5×1012cm−2・eV−1以下、好ましくは3×1012cm−2・eV−1以下、さらに好ましくは1×1012cm−2・eV−1以下、より好ましくは5×1011cm−2・eV−1以下とすればよい。
<Id−Vg測定(2)>
以下ではトランジスタの界面準位の密度を評価し、その界面準位の密度に加え、界面準位にトラップされる電子数Ntrapを考慮した場合において、サブスレッショルドリーク電流を予測する方法について説明する。
界面準位にトラップされる電子数Ntrapは、例えば、トランジスタのドレイン電流−ゲート電圧(Id−Vg)の実測と、ドレイン電流−ゲート電圧(Id−Vg)特性の計算値とを比較することによって、評価することができる。
実測には図9に示すトランジスタ300を用いた。また、計算値を得るための仮定として、トランジスタ600の断面図の模式図を用いる。計算は、Silvaco社デバイスシミュレータATLASを用いた。また、下表には、計算に用いたパラメータを示す。なお、Egはエネルギーギャップ、Ncは伝導帯の実効状態密度、Nvは価電子帯の実効状態密度を示す。
また、表には示していないが、導電体640および導電体650が、絶縁体660を介して導電体670と重なる領域の長さをそれぞれ0.2μmとした。さらに、導電体540および導電体550と、半導体530bと、が重なる領域における半導体530bのドナー密度は5×1018cm−3とした。
図10に、ソース電圧Vs=0V、ドレイン電圧Vd=0.1Vにおける、計算によって得られた理想的なId−Vg特性と、トランジスタ300における実測のId−Vg特性と、を示す。なお、トランジスタ100の測定結果のうち、ドレイン電流Idの測定が容易な1×10−13A以上の値のみプロットした。
計算で求めた理想的なId−Vg特性と比べて、実測のId−Vg特性はゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idの変化が緩やかとなる。これは、伝導帯下端のエネルギー(Ecと表記する。)の近くに位置する浅い界面準位に電子がトラップされたためと考えられる。なお、<Id−Vg測定(1)>では、全ての浅い界面準位に電子がトラップされると仮定したが、本項目では、フェルミ分布関数を用いて、浅い界面準位へトラップされる(単位面積、単位エネルギーあたりの)電子数Ntrapを考慮することで、より厳密に界面準位の密度Nitを見積もることができる。
まず、図5に示す模式的なId−Vg特性を用いて界面トラップ準位にトラップされる電子数Ntrapの評価方法について説明する。破線は計算によって得られるトラップ準位のない理想的なId−Vg特性を示す。また、破線において、ドレイン電流がId1からId2に変化するときのゲート電圧Vgの変化をΔVidとする。また、実線は、実測のId−Vg特性を示す。実線において、ドレイン電流がId1からId2に変化するときのゲート電圧Vgの変化をΔVexとする。ドレイン電流がId1、Id2のときの着目する界面(例えば、半導体330cと半導体330bとの界面)における電位はそれぞれφit1、φit2とし、その変化量をΔφitとする。
図5において、実測は計算よりも傾きが小さいため、ΔVexは常にΔVidよりも大きいことがわかる。このとき、ΔVexとΔVidの差が、浅い界面準位に電子をトラップすることに要した電位差を表す。したがって、トラップされた電子による電荷の変化量ΔQtrapは以下の式(9)で表すことができる。
ここでは、半導体330cと半導体330bとの界面に着目しているため、Ctgは面積当たりの絶縁体360と半導体330cの合成容量となる。また、ΔQtrapは、トラップされた(単位面積、単位エネルギーあたりの)電子数Ntrapを用いて、式(10)で表すこともできる。なお、qは電気素量である。
式(9)と式(10)とを連立させることで式(11)を得ることができる。
次に、式(11)のΔφitについてゼロの極限を取ることで、式(12)を得ることができる。
即ち、理想的なId−Vg特性、実測のId−Vg特性および式(12)を用いて、例えば半導体330cと半導体330bとの界面においてトラップされた電子数Ntrapを見積もることができる。なお、ドレイン電流と半導体330cと半導体330bとの界面における電位の関係については、上述のデバイスシミュレータを用いた計算によって求めることができる。
また、単位面積、単位エネルギーあたりの電子数Ntrapと界面準位の密度Nitは式(13)のような関係にある。

ここで、f(E)はフェルミ分布関数である。式(12)から得られたNtrapを式(13)でフィッティングすることで、Nitは決定される。このNitを設定したデバイスシミュレータを用いた計算により、Id<0.1pAを含む伝達特性を得ることができる。
次に、図10に示す実測のId−Vg特性に式(12)を適用し、Ntrapを抽出した結果を図11に○印で示す。ここで、図11の縦軸は半導体630bの伝導帯下端EcからのフェルミエネルギーEfである。破線を見るとEcのすぐ下の位置に極大値となっている。式(13)のNitとして、式(14)のテール分布を仮定すると図11の破線のように非常に良くNtrapをフィッティングでき、フィッティングパラメータとして、ピーク値Nta=1.67×1013cm−2/eV、特性幅Wta=0.105eVが得られた。
次に、得られた界面準位のフィッティング曲線をデバイスシミュレータを用いた計算にフィードバッグすることにより、Id−Vg特性を逆算した結果を図12に示す。図12(A)に、ドレイン電圧Vdが0.1Vおよび1.8Vの場合の計算によって得られたId−Vg特性と、ドレイン電圧Vdが0.1Vの場合及び1.8Vの場合のトランジスタ100における実測のId−Vg特性とを示す。また、図12(B)は、図12(A)のドレイン電流Idを対数としたグラフである。
計算により得られた曲線と、実測値のプロットはほぼ一致しており、さらには、測定が困難なドレイン電流Idが1×10−13A以下の値を求めることができた。例えば、ドレイン電流Idが1×10−12Aにおけるサブスレッショルドスロープを見積もると、126mV・dec−1となる。また、Idが1×10−13Aよりも小さくなると、82mV・dec−1に収束した。この値は、式(15)により求められる酸化物半導体膜を用いたトランジスタにおける理想値である82mV・dec−1と一致した。

ここで、Ctgは面積当たりの絶縁体660と半導体630cの合成容量、Cbgは面積当たりの半導体630a、絶縁体620の合成容量、Cactは面積当たりの半導体630bの容量、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
<トランジスタ構造1の構成要素>
以下では、トランジスタの構成要素の一例について説明する。
基板110としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板または導電体基板を用いればよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムを材料とした化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などがある。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
また、基板110として、可とう性基板を用いてもよい。なお、可とう性基板上にトランジスタを設ける方法としては、非可とう性の基板上にトランジスタを作製した後、トランジスタを剥離し、可とう性基板である基板110に転置する方法もある。その場合には、非可とう性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。なお、基板110として、繊維を編みこんだシート、フィルムまたは箔などを用いてもよい。また、基板110が伸縮性を有してもよい。また、基板110は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。または、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板110の厚さは、例えば、5μm以上700μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは15μm以上300μm以下とする。基板110を薄くすると、半導体装置を軽量化することができる。また、基板110を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などによって基板110上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。即ち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
可とう性基板である基板110としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、またはそれらの繊維などを用いることができる。可とう性基板である基板110は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可とう性基板である基板110としては、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、または1×10−5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可とう性基板である基板110として好適である。
絶縁体120としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体402としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルを用いればよい。
絶縁体120は、基板110からの不純物の拡散を防止する役割を有してもよい。また、半導体130が酸化物半導体である場合、絶縁体120は、半導体130に酸素を供給する役割を担うことができる。
絶縁体120は過剰酸素を含む絶縁体であると好ましい。
例えば、過剰酸素を含む絶縁体は、加熱処理によって酸素を放出する機能を有する絶縁体である。例えば、過剰酸素を含む酸化シリコン層は、加熱処理などによって酸素を放出することができる酸化シリコン層である。したがって、絶縁体120は膜中を酸素が移動可能な絶縁体である。即ち、絶縁体120は酸素透過性を有する絶縁体とすればよい。例えば、絶縁体120は、半導体130よりも酸素透過性の高い絶縁体とすればよい。
過剰酸素を含む絶縁体は、半導体130中の酸素欠損を低減させる機能を有する場合がある。半導体130中で酸素欠損は、深い準位を形成し、正孔捕獲中心などとなる。また、酸素欠損のサイトに水素が入ることによって、キャリアである電子を生成することがある。したがって、半導体130中の酸素欠損を低減することで、トランジスタに安定した電気特性を付与することができる。
ここで、加熱処理によって酸素を放出する絶縁体は、TDS分析にて、100℃以上700℃以下または100℃以上500℃以下の表面温度の範囲で1×1018atoms/cm以上、1×1019atoms/cm以上または1×1020atoms/cm以上の酸素(酸素原子数換算)を放出することもある。
ここで、TDS分析を用いた酸素の放出量の測定方法について、以下に説明する。
測定試料をTDS分析したときの気体の全放出量は、放出ガスのイオン強度の積分値に比例する。そして標準試料との比較により、気体の全放出量を計算することができる。
例えば、標準試料である所定の密度の水素を含むシリコン基板のTDS分析結果、および測定試料のTDS分析結果から、測定試料の酸素分子の放出量(NO2)は、下に示す式で求めることができる。ここで、TDS分析で得られる質量電荷比32で検出されるガスの全てが酸素分子由来と仮定する。CHOHの質量電荷比は32であるが、存在する可能性が低いものとしてここでは考慮しない。また、酸素原子の同位体である質量数17の酸素原子および質量数18の酸素原子を含む酸素分子についても、自然界における存在比率が極微量であるため考慮しない。
H2は、標準試料から脱離した水素分子を密度で換算した値である。SH2は、標準試料をTDS分析したときのイオン強度の積分値である。ここで、標準試料の基準値を、NH2/SH2とする。SO2は、測定試料をTDS分析したときのイオン強度の積分値である。αは、TDS分析におけるイオン強度に影響する係数である。上式の詳細に関しては、特開平6−275697公報を参照する。なお、上記酸素の放出量は、電子科学株式会社製の昇温脱離分析装置EMD−WA1000S/Wを用い、標準試料として1×1016atoms/cmの水素原子を含むシリコン基板を用いて測定した。
また、TDS分析において、酸素の一部は酸素原子として検出される。酸素分子と酸素原子の比率は、酸素分子のイオン化率から算出することができる。なお、上述のαは酸素分子のイオン化率を含むため、酸素分子の放出量を評価することで、酸素原子の放出量についても見積もることができる。
なお、NO2は酸素分子の放出量である。酸素原子に換算したときの放出量は、酸素分子の放出量の2倍となる。
または、加熱処理によって酸素を放出する絶縁体は、過酸化ラジカルを含むこともある。具体的には、過酸化ラジカルに起因するスピン密度が、5×1017spins/cm以上であることをいう。なお、過酸化ラジカルを含む絶縁体は、ESRにて、g値が2.01近傍に非対称の信号を有することもある。
または、過剰酸素を含む絶縁体は、酸素が過剰な酸化シリコン(SiO(X>2))であってもよい。酸素が過剰な酸化シリコン(SiO(X>2))は、シリコン原子数の2倍より多い酸素原子を単位体積当たりに含むものである。単位体積当たりのシリコン原子数および酸素原子数は、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)により測定した値である。
半導体130としては、酸化物半導体を用いることが好ましい。ただし、シリコン(歪シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウムまたは有機半導体などを用いても構わない場合がある。
以下では、半導体130が、第1の半導体層、第2の半導体層および第3の半導体層が、この順に積層した積層膜である場合を示す。
半導体130は、第1の半導体層、第2の半導体層および第3の半導体層がこの順に積層した積層構造を有しても構わない。第1の半導体層、第2の半導体層、第3の半導体層に適用可能な半導体について説明する。
第2の半導体層は、例えば、インジウムを含む酸化物半導体である。第2の半導体層は、例えば、インジウムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、第2の半導体層は、元素Mを含むと好ましい。元素Mは、好ましくは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステンなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。例えば、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも高い元素である。または、元素Mは、例えば、酸化物半導体のエネルギーギャップを大きくする機能を有する元素である。また、第2の半導体層は、亜鉛を含むと好ましい。酸化物半導体は、亜鉛を含むと結晶化しやすくなる場合がある。
ただし、第2の半導体層は、インジウムを含む酸化物半導体に限定されない。第2の半導体層は、例えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物、酸化ガリウムなどの、インジウムを含まず、亜鉛を含む酸化物半導体、ガリウムを含む酸化物半導体、スズを含む酸化物半導体などであっても構わない。
第2の半導体層は、例えば、エネルギーギャップが大きい酸化物を用いる。第2の半導体層のエネルギーギャップは、例えば、2.5eV以上4.2eV以下、好ましくは2.8eV以上3.8eV以下、さらに好ましくは3eV以上3.5eV以下とする。
例えば、第1の半導体層および第3の半導体層は、第2の半導体層を構成する酸素以外の元素一種以上、または二種以上から構成される酸化物半導体である。第2の半導体層を構成する酸素以外の元素一種以上、または二種以上から第1の半導体層および第3の半導体層が構成されるため、第1の半導体層と第2の半導体層との界面、および第2の半導体層と第3の半導体層との界面において、界面準位が形成されにくい。
第1の半導体層、第2の半導体層および第3の半導体層が、インジウムを含む場合について説明する。なお、第1の半導体層がIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高くする。また、第2の半導体層がIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが25atomic%より高く、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%より高く、Mが66atomic%未満とする。また、第3の半導体層がIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高くする。なお、第3の半導体層は、第1の半導体層と同種の酸化物を用いても構わない。
第2の半導体層は、第1の半導体層および第3の半導体層よりも電子親和力の大きい酸化物を用いる。例えば、第2の半導体層として、第1の半導体層および第3の半導体層よりも電子親和力の0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、さらに好ましくは0.15eV以上0.4eV以下大きい酸化物を用いる。なお、電子親和力は、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差である。
なお、インジウムガリウム酸化物は、小さい電子親和力と、高い酸素ブロック性を有する。そのため、第3の半導体層がインジウムガリウム酸化物を含むと好ましい。ガリウム原子割合[Ga/(In+Ga)]は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とする。
ただし、第1の半導体層または/および第3の半導体層が、酸化ガリウムであっても構わない。例えば、第3の半導体層として、酸化ガリウムを用いると導電体140または導電体150と導電体170との間に生じるリーク電流を低減することができる。即ち、トランジスタのオフ電流を小さくすることができる。
このとき、ゲート電圧を印加すると、第1の半導体層、第2の半導体層、第3の半導体層のうち、電子親和力の大きい第2の半導体層にチャネルが形成される。第1の半導体層、第2の半導体層および第3の半導体層から選ばれた2層または3層にチャネルが形成されても構わない。
ここで、第1の半導体層と第2の半導体層との間には、第1の半導体層と第2の半導体層との混合領域を有する場合がある。また、第2の半導体層と第3の半導体層との間には、第2の半導体層と第3の半導体層との混合領域を有する場合がある。混合領域は、浅い界面準位の密度が低くなる。そのため、第1の半導体層、第2の半導体層および第3の半導体層の積層体は、それぞれの界面近傍において、エネルギーが連続的に変化する(連続接合ともいう。)バンド構造となる。
このとき、電子は、第1の半導体層中および第3の半導体層中ではなく、第2の半導体層中を主として移動する。したがって、第1の半導体層および第2の半導体層の界面における浅い界面準位の密度、第2の半導体層と第3の半導体層との界面における浅い界面準位の密度を低くすることによって、第2の半導体層中で電子の移動が阻害されることが少なく、トランジスタのオン電流を高くすることができる。
なお、トランジスタのオン電流を高くするためには、第3の半導体層の厚さは小さいほど好ましい。例えば、10nm未満、好ましくは5nm以下、さらに好ましくは3nm以下の領域を有する第3の半導体層とすればよい。一方、第3の半導体層は、チャネルの形成される第2の半導体層へ、隣接する絶縁体を構成する酸素以外の元素(水素、シリコンなど)が入り込まないようブロックする機能を有する。そのため、第3の半導体層は、ある程度の厚さを有することが好ましい。例えば、0.3nm以上、好ましくは1nm以上、さらに好ましくは2nm以上の厚さの領域を有する第3の半導体層とすればよい。また、第3の半導体層は、絶縁体120などから放出される酸素の外方拡散を抑制するために、酸素をブロックする性質を有すると好ましい。
また、信頼性を高くするためには、第1の半導体層は厚く、第3の半導体層は薄いことが好ましい。例えば、10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上の厚さの領域を有する第1の半導体層とすればよい。第1の半導体層の厚さを、厚くすることで、隣接する絶縁体と第1の半導体層との界面からチャネルの形成される第2の半導体層までの距離を離すことができる。ただし、トランジスタを有する半導体装置の生産性が低下する場合があるため、例えば、200nm以下、好ましくは120nm以下、さらに好ましくは80nm以下の厚さの領域を有する第1の半導体層とすればよい。
例えば、酸化物半導体中のシリコンは、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。したがって、第2の半導体層のシリコン濃度は低いほど好ましい。例えば、第2の半導体層と第1の半導体層との間に、例えば、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)において、1×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは2×1018atoms/cm未満のシリコン濃度となる領域を有する。また、第2の半導体層と第3の半導体層との間に、SIMSにおいて、1×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは2×1018atoms/cm未満のシリコン濃度となる領域を有する。
また、第2の半導体層の水素濃度を低減するために、第1の半導体層および第3の半導体層の水素濃度を低減すると好ましい。第1の半導体層および第3の半導体層は、SIMSにおいて、2×1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm以下の水素濃度となる領域を有する。また、第2の半導体層の窒素濃度を低減するために、第1の半導体層および第3の半導体層の窒素濃度を低減すると好ましい。第1の半導体層および第3の半導体層は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm以下、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下の窒素濃度となる領域を有する。
なお、酸化物半導体に銅が混入すると、電子トラップを生成する場合がある。電子トラップは、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向へ変動させる場合がある。したがって、第2の半導体層の表面または内部における銅濃度は低いほど好ましい。例えば、第2の半導体層、銅濃度が1×1019atoms/cm以下、5×1018atoms/cm以下、または1×1018atoms/cm以下となる領域を有すると好ましい。
また、例えば、上述した評価方法によって、積層した第3の半導体層と第2の半導体層の界面準位を求めることもできる。その場合、比例定数Ceffは第3の半導体層と、第3の半導体層が接する絶縁体層との直列容量となる。また、その他の界面においても、比例定数Ceffは適宜求めることができる。
なお、上述の3層構造は一例である。例えば、図13(A)に示すように、積層構造ではなく単層で用いてもよい。または、第1の半導体層または第3の半導体層のない2層構造としても構わない。または、第1の半導体層の上もしくは下、または第3の半導体層上もしくは下に、第1の半導体層、第2の半導体層および第3の半導体層として例示した半導体のいずれか一を有する4層構造としても構わない。または、第1の半導体層の上、第1の半導体層の下、第3の半導体層の上、第3の半導体層の下のいずれか二箇所以上に、第1の半導体層、第2の半導体層および第3の半導体層として例示した半導体のいずれか一を有するn層構造(nは5以上の整数)としても構わない。
導電体140および導電体150としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、合金膜や化合物膜であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導電体、インジウム、スズおよび酸素を含む導電体、チタンおよび窒素を含む導電体などを用いてもよい。
絶縁体160としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、絶縁体160としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルを用いればよい。
導電体170としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、合金膜や化合物膜であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導電体、インジウム、スズおよび酸素を含む導電体、チタンおよび窒素を含む導電体などを用いてもよい。
<トランジスタ構造1の変形例>
または、本発明の一態様に係るトランジスタは、図13(B)に示すように、基板110と絶縁体120との間に導電体175を有しても構わない。導電体175は、トランジスタの第2のゲート電極(バックゲート電極ともいう。)としての機能を有する。
導電体175には、例えば、導電体170と同じ電圧を印加することができる。こうすることで、半導体130の上下から電界を印加することが可能となるため、トランジスタのオン電流を大きくすることができる。また、トランジスタのオフ電流を小さくすることができる。または、導電体175には、例えば、ソース電極よりも低い電圧または高い電圧を印加し、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向またはマイナス方向へ変動させてもよい。例えば、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向に変動させることで、ゲート電圧が0Vであってもトランジスタが非導通状態(オフ状態)となる、ノーマリーオフが実現できる場合がある。なお、導電体175に印加する電圧は、可変であってもよいし、固定であってもよい。導電体175に印加する電圧を可変にする場合、電圧を制御する回路を導電体175と電気的に接続してもよい。
また、上述した評価方法によって、導電体175を用いて絶縁体120と半導体130との界面における浅い界面準位の密度を評価することもできる。
また、絶縁体120と半導体130との界面における浅い界面準位の密度が1×1013cm−2・eV−1以下、好ましくは6×1012cm−2・eV−1以下、さらに好ましくは3×1012cm−2・eV−1以下、より好ましくは1×1012cm−2・eV−1以下とする。界面準位の密度が前述の値よりも低いことで、トランジスタのS値を小さくすることができる。したがって、小さいゲート電圧の変更によってトランジスタの導通状態と非導通状態を切り替えることが可能となる。そのため、トランジスタの消費電力は小さくなる。また、ノーマリーオフの電気特性を有するトランジスタにおいては、ゲート電圧が0Vにおけるドレイン電流(リーク電流ともいう。)を小さくすることができる。また、トランジスタの電気特性の変動を小さくすることができる。
導電体175としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、合金膜や化合物膜であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導電体、インジウム、スズおよび酸素を含む導電体、チタンおよび窒素を含む導電体などを用いてもよい。
<トランジスタ構造2>
図14(A)および図14(B)は、本発明の一態様に係るトランジスタ200の上面図および断面図である。図14(A)は上面図であり、図14(B)は、図14(A)に示す一点鎖線B1−B2、および一点鎖線B3−B4に対応する断面図である。なお、図14(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
図14(A)および図14(B)に示すトランジスタ200は、基板210上の絶縁体220と、絶縁体220上の導電体275と、導電体275上の絶縁体260と、絶縁体260上の半導体230と、半導体230の上面と接し、間隔を開けて配置された導電体240および導電体250と、を有する。なお、導電体275は、絶縁体260を介して半導体230と重なる領域を有する。なお、基板210と導電体275の間の絶縁体220は必須の構成ではない。
また、半導体230は、トランジスタ200のチャネル形成領域としての機能を有する。また、導電体275は、トランジスタ200の第1のゲート電極(フロントゲート電極ともいう。)としての機能を有する。また、絶縁体260は、トランジスタ200のゲート絶縁体としての機能を有する。また、導電体240および導電体250は、トランジスタのソース電極およびドレイン電極としての機能を有する。
このとき、図14に示すトランジスタ200は、半導体230と導電体275が絶縁体260を介して重なる領域において、半導体230と絶縁体260との界面における浅い界面準位の密度が1×1013cm−2・eV−1以下、好ましくは6×1012cm−2・eV−1以下、さらに好ましくは3×1012cm−2・eV−1以下、より好ましくは1×1012cm−2・eV−1以下とする。界面準位の密度が前述の値よりも低いことで、トランジスタのS値を小さくすることができる。したがって、小さいゲート電圧の変更によってトランジスタの導通状態と非導通状態を切り替えることが可能となる。そのため、トランジスタの消費電力は小さくなる。また、ノーマリーオフの電気特性を有するトランジスタにおいては、ゲート電圧が0Vにおけるドレイン電流(リーク電流ともいう。)を小さくすることができる。また、トランジスタの電気特性の変動を小さくすることができる。
なお、絶縁体260は過剰酸素を含む絶縁体であると好ましい。
なお、基板210は、基板110についての記載を参照する。また、導電体275は、導電体170についての記載を参照する。また、絶縁体260は、絶縁体160についての記載を参照する。また、また、半導体230は、半導体130についての記載を参照する。また、導電体240および導電体250は、導電体140および導電体150ついての記載を参照する。また、絶縁体220は、絶縁体120についての記載を参照する。
また、本実施の形態において、様々なタイプのトランジスタに適用することができる。場合によっては、または、状況に応じて、例えば、プレーナ型、FIN(フィン)型、TRI−GATE(トライゲート)型などのトランジスタなどとすることができる。また、ゲート電極が、ゲート絶縁膜を介して、半導体層のチャネル幅方向を電気的に取り囲む構造(surrounded channel(s−channel)構造)有するトランジスタにも適用することができる。s−channel構造を有することで、オン電流が高いトランジスタを得ることができる。
<酸化物半導体の構造について>
以下では、酸化物半導体の構造について説明する。
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体とに分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶酸化物半導体、微結晶酸化物半導体、非晶質酸化物半導体などがある。
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半導体とに分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体、微結晶酸化物半導体などがある。
<CAAC−OS>
まずは、CAAC−OSについて説明する。なお、CAAC−OSを、CANC(C−Axis Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(ナノ結晶(nc:nanocrystal)ともいう。)を有する酸化物半導体の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のナノ結晶を確認することができる。一方、高分解能TEM像ではナノ結晶同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に確認することができない。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
以下では、TEMによって観察したCAAC−OSについて説明する。図15(A)に、試料面と略平行な方向から観察したCAAC−OSの断面の高分解能TEM像を示す。高分解能TEM像の観察には、球面収差補正(Spherical Aberration Corrector)機能を用いた。球面収差補正機能を用いた高分解能TEM像を、特にCs補正高分解能TEM像と呼ぶ。Cs補正高分解能TEM像の取得は、例えば、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fなどによって行うことができる。
図15(A)の領域(1)を拡大したCs補正高分解能TEM像を図15(B)に示す。図15(B)より、ナノ結晶において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層の配列は、CAAC−OSの膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映しており、CAAC−OSの被形成面または上面と平行となる。
図15(B)に示すように、CAAC−OSは特徴的な原子配列を有する。図15(C)は、特徴的な原子配列を、補助線で示したものである。図15(B)および図15(C)より、ナノ結晶一つの大きさは1nm以上3nm以下程度であり、ナノ結晶とナノ結晶との傾きにより生じる隙間の大きさは0.8nm程度であることがわかる。
ここで、Cs補正高分解能TEM像をもとに、基板5120上のCAAC−OSのナノ結晶5100の配置を模式的に示すと、レンガまたはブロックが積み重なったような構造となる(図15(D)参照。)。図15(C)で観察されたナノ結晶とナノ結晶との間で傾きが生じている箇所は、図15(D)に示す領域5161に相当する。
また、図16(A)に、試料面と略垂直な方向から観察したCAAC−OSの平面のCs補正高分解能TEM像を示す。図16(A)の領域(1)、領域(2)および領域(3)を拡大したCs補正高分解能TEM像を、それぞれ図16(B)、図16(C)および図16(D)に示す。図16(B)、図16(C)および図16(D)より、ナノ結晶は、金属原子が三角形状、四角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なるナノ結晶間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
次に、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、図17(A)に示すように回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSの結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
なお、CAAC−OSのout−of−plane法による構造解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。より好ましいCAAC−OSは、out−of−plane法による構造解析では、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さない。
一方、CAAC−OSに対し、c軸に略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。CAAC−OSの場合は、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行っても、図17(B)に示すように明瞭なピークは現れない。これに対し、InGaZnOの単結晶酸化物半導体であれば、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、図17(C)に示すように(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC−OSは、a軸およびb軸の配向が不規則であることが確認できる。
次に、電子回折によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OSに対し、試料面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、図18(A)に示すような回折パターン(制限視野透過電子回折パターンともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、InGaZnOの結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるナノ結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させたときの回折パターンを図18(B)に示す。図18(B)より、リング状の回折パターンが確認される。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるナノ結晶のa軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。なお、図18(B)における第1リングは、InGaZnOの結晶の(010)面および(100)面などに起因すると考えられる。また、図18(B)における第2リングは(110)面などに起因すると考えられる。
また、CAAC−OSは、欠陥準位密度の低い酸化物半導体である。酸化物半導体の欠陥としては、例えば、不純物に起因する欠陥や、酸素欠損などがある。したがって、CAAC−OSは、不純物濃度の低い酸化物半導体ということもできる。また、CAAC−OSは、酸素欠損の少ない酸化物半導体ということもできる。
酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャリア発生源となる場合がある。また、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとなる場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
また、欠陥準位密度の低い(酸素欠損が少ない)酸化物半導体は、キャリア密度を低くすることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。CAAC−OSは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い。即ち、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体となりやすい。したがって、CAAC−OSを用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体は、キャリアトラップが少ない。酸化物半導体のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。一方、CAAC−OSを用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。
また、CAAC−OSは欠陥準位密度が低いため、光の照射などによって生成されたキャリアが、欠陥準位に捕獲されることが少ない。したがって、CAAC−OSを用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
<微結晶酸化物半導体>
次に、微結晶酸化物半導体について説明する。
微結晶酸化物半導体は、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。微結晶酸化物半導体に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下、または1nm以上10nm以下の大きさであることが多い。特に、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の微結晶であるナノ結晶を有する酸化物半導体を、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)と呼ぶ。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC−OSにおけるナノ結晶と起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をナノ結晶と呼ぶ場合がある。
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OSに対し、ナノ結晶よりも大きい径のX線を用いるXRD装置を用いて構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、nc−OSに対し、ナノ結晶よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折(制限視野電子回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OSに対し、ナノ結晶の大きさと近いかナノ結晶より小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測される。また、nc−OSに対しナノビーム電子回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。さらに、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
このように、ナノ結晶間では結晶方位が規則性を有さないことから、nc−OSを、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体、またはNANC(Non−Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
<非晶質酸化物半導体>
次に、非晶質酸化物半導体について説明する。
非晶質酸化物半導体は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶部を有さない酸化物半導体である。石英のような無定形状態を有する酸化物半導体が一例である。
非晶質酸化物半導体は、高分解能TEM像において結晶部を確認することができない。
非晶質酸化物半導体に対し、XRD装置を用いた構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、非晶質酸化物半導体に対し、電子回折を行うと、ハローパターンが観測される。また、非晶質酸化物半導体に対し、ナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測されず、ハローパターンのみが観測される。
非晶質構造については、様々な見解が示されている。例えば、原子配列に全く秩序性を有さない構造を完全な非晶質構造(completely amorphous structure)と呼ぶ場合がある。また、最近接原子間距離または第2近接原子間距離まで秩序性を有し、かつ長距離秩序性を有さない構造を非晶質構造と呼ぶ場合もある。したがって、最も厳格な定義によれば、僅かでも原子配列に秩序性を有する酸化物半導体を非晶質酸化物半導体と呼ぶことはできない。また、少なくとも、長距離秩序性を有する酸化物半導体を非晶質酸化物半導体と呼ぶことはできない。よって、結晶部を有することから、例えば、CAAC−OSおよびnc−OSを、非晶質酸化物半導体または完全な非晶質酸化物半導体と呼ぶことはできない。
<非晶質ライク酸化物半導体>
なお、酸化物半導体は、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する場合がある。そのような構造を有する酸化物半導体を、特に非晶質ライク酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like Oxide Semiconductor)と呼ぶ。
a−like OSは、高分解能TEM像において鬆(ボイドともいう。)が観察される場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる領域と、結晶部を確認することのできない領域と、を有する。
鬆を有するため、a−like OSは、不安定な構造である。以下では、a−like OSが、CAAC−OSおよびnc−OSと比べて不安定な構造であることを示すため、電子照射による構造の変化を示す。
電子照射を行う試料として、a−like OS(試料Aと表記する。)、nc−OS(試料Bと表記する。)およびCAAC−OS(試料Cと表記する。)を準備する。
まず、各試料の高分解能断面TEM像を取得する。高分解能断面TEM像により、各試料は、いずれも結晶部を有することがわかる。
なお、どの部分を一つの結晶部と見なすかの判定は、以下のように行えばよい。例えば、InGaZnOの結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有することが知られている。これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。したがって、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所を、InGaZnOの結晶部と見なすことができる。なお、格子縞は、InGaZnOの結晶のa−b面に対応する。
図19は、各試料の結晶部(22箇所から45箇所)の平均の大きさを調査した例である。ただし、上述した格子縞の長さを結晶部の大きさとしている。図19より、a−like OSは、電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなっていくことがわかる。具体的には、図19中に(1)で示すように、TEMによる観察初期においては1.2nm程度の大きさだった結晶部(初期核ともいう。)が、累積照射量が4.2×10/nmにおいては2.6nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×10/nmまでの範囲で、結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。具体的には、図19中の(2)および(3)で示すように、電子の累積照射量によらず、nc−OSおよびCAAC−OSの結晶部の大きさは、それぞれ1.4nm程度および2.1nm程度であることがわかる。
このように、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合がある。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られないことがわかる。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
また、鬆を有するため、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて密度の低い構造である。具体的には、a−like OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の78.6%以上92.3%未満となる。また、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満となる。単結晶の密度の78%未満となる酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnOの密度は6.357g/cmとなる。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、a−like OSの密度は5.0g/cm以上5.9g/cm未満となる。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は5.9g/cm以上6.3g/cm未満となる。
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合がある。その場合、所望の割合で組成の異なる単結晶を組み合わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もることができる。所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a−like OS、微結晶酸化物半導体、CAAC−OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
<半導体装置>
以下では、本発明の一態様に係る半導体装置を例示する。
<回路>
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタを利用した回路の一例について説明する。
〔CMOSインバータ〕
図20(A)に示す回路図は、pチャネル型のトランジスタ2200とnチャネル型のトランジスタ2100を直列に接続し、かつそれぞれのゲートを接続した、いわゆるCMOSインバータ回路の構成を示している。
〔CMOSアナログスイッチ〕
また図20(B)に示す回路図は、トランジスタ2100とトランジスタ2200のそれぞれのソースとドレインを接続した構成を示している。このような構成とすることで、いわゆるCMOSアナログスイッチとして機能させることができる。
〔記憶装置の例〕
本発明の一態様に係るトランジスタを用いた、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置(記憶装置)の一例を図21に示す。
図21(A)に示す半導体装置は、第1の半導体を用いたトランジスタ3200と第2の半導体を用いたトランジスタ3300、および容量素子3400を有している。なお、トランジスタ3300としては、上述したトランジスタを用いることができる。
トランジスタ3300は、酸化物半導体を用いたトランジスタである。トランジスタ3300のオフ電流が小さいことにより、半導体装置の特定のノードに長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、またはリフレッシュ動作の頻度が極めて少なくすることが可能となるため、消費電力の低い半導体装置となる。
図21(A)において、第1の配線3001はトランジスタ3200のソースと電気的に接続され、第2の配線3002はトランジスタ3200のドレインと電気的に接続される。また、第3の配線3003はトランジスタ3300のソース、ドレインの一方と電気的に接続され、第4の配線3004はトランジスタ3300のゲートと電気的に接続されている。そして、トランジスタ3200のゲート、およびトランジスタ3300のソース、ドレインの他方は、容量素子3400の電極の一方と電気的に接続され、第5の配線3005は容量素子3400の電極の他方と電気的に接続されている。
図21(A)に示す半導体装置は、トランジスタ3200のゲートの電位が保持可能という特性を有することで、以下に示すように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線3004の電位を、トランジスタ3300が導通状態となる電位にして、トランジスタ3300を導通状態とする。これにより、第3の配線3003の電位が、トランジスタ3200のゲート、および容量素子3400の電極の一方と電気的に接続するノードFGに与えられる。即ち、トランジスタ3200のゲートには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という。)のどちらかが与えられるものとする。その後、第4の配線3004の電位を、トランジスタ3300が非導通状態となる電位とすることで、ノードFGに電荷が保持される(保持)。
トランジスタ3300のオフ電流は極めて小さいため、ノードFGの電荷は長期間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線3001に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、第2の配線3002は、ノードFGに保持された電荷量に応じた電位をとる。これは、トランジスタ3200をnチャネル型とすると、トランジスタ3200のゲートにHighレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Hは、トランジスタ3200のゲートにLowレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけ上のしきい値電圧とは、トランジスタ3200を「導通状態」とするために必要な第5の配線3005の電位をいうものとする。したがって、第5の配線3005の電位をVth_HとVth_Lの間の電位Vとすることにより、ノードFGに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、ノードFGにHighレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV(>Vth_H)となれば、トランジスタ3200は「導通状態」となる。一方、ノードFGにLowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV(<Vth_L)となっても、トランジスタ3200は「非導通状態」のままである。このため、第2の配線3002の電位を判別することで、ノードFGに保持されている情報を読み出すことができる。
なお、メモリセルをアレイ状に配置する場合、読み出し時には、所望のメモリセルの情報を読み出さなくてはならない。ほかのメモリセルの情報を読み出さないためには、ノードFGに与えられた電荷によらずトランジスタ3200が「非導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより低い電位を第5の配線3005に与えればよい。または、ノードFGに与えられた電荷によらずトランジスタ3200が「導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより高い電位を第5の配線3005に与えればよい。
図21(B)に示す半導体装置は、トランジスタ3200を有さない点で図21(A)に示した半導体装置と異なる。この場合も図21(A)に示した半導体装置と同様の動作により情報の書き込みおよび保持動作が可能である。
図21(B)に示す半導体装置における、情報の読み出しについて説明する。トランジスタ3300が導通状態になると、浮遊状態である第3の配線3003と容量素子3400とが導通し、第3の配線3003と容量素子3400の間で電荷が再分配される。その結果、第3の配線3003の電位が変化する。第3の配線3003の電位の変化量は、容量素子3400の電極の一方の電位(または容量素子3400に蓄積された電荷)によって、異なる値をとる。
例えば、容量素子3400の電極の一方の電位をV、容量素子3400の容量をC、第3の配線3003が有する容量成分をCB、電荷が再分配される前の第3の配線3003の電位をVB0とすると、電荷が再分配された後の第3の配線3003の電位は、(CB×VB0+CV)/(CB+C)となる。したがって、メモリセルの状態として、容量素子3400の電極の一方の電位がV1とV0(V1>V0)の2つの状態をとるとすると、電位V1を保持している場合の第3の配線3003の電位(=(CB×VB0+CV1)/(CB+C))は、電位V0を保持している場合の第3の配線3003の電位(=(CB×VB0+CV0)/(CB+C))よりも高くなることがわかる。
そして、第3の配線3003の電位を所定の電位と比較することで、情報を読み出すことができる。
この場合、メモリセルを駆動させるための駆動回路に上記第1の半導体が適用されたトランジスタを用い、トランジスタ3300として第2の半導体が適用されたトランジスタを駆動回路上に積層して配置する構成とすればよい。
以上に示した半導体装置は、酸化物半導体を用いたオフ電流の極めて小さいトランジスタを適用することで、長期にわたって記憶内容を保持することが可能となる。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、またはリフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力の低い半導体装置を実現することができる。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが好ましい)であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、該半導体装置は、情報の書き込みに高い電圧が不要であるため、素子の劣化が起こりにくい。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲートへの電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行わないため、絶縁体の劣化といった問題が生じない。即ち、本発明の一態様に係る半導体装置は、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上した半導体装置である。さらに、トランジスタの導通状態、非導通状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作が可能となる。
<CPU>
以下では、上述したトランジスタや上述した記憶装置などの半導体装置を含むCPUについて説明する。
図22は、上述したトランジスタを一部に用いたCPUの一例の構成を示すブロック図である。
図22に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース1189を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図22に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図22に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、およびレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。
図22に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196のメモリセルとして、上述したトランジスタや記憶装置などを用いることができる。
図22に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。即ち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
図23は、レジスタ1196として用いることのできる記憶素子の回路図の一例である。記憶素子1200は、電源遮断で記憶データが揮発する回路1201と、電源遮断で記憶データが揮発しない回路1202と、スイッチ1203と、スイッチ1204と、論理素子1206と、容量素子1207と、選択機能を有する回路1220と、を有する。回路1202は、容量素子1208と、トランジスタ1209と、トランジスタ1210と、を有する。なお、記憶素子1200は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダクタなどのその他の素子をさらに有していてもよい。
ここで、回路1202には、上述した記憶装置を用いることができる。記憶素子1200への電源電圧の供給が停止した際、回路1202のトランジスタ1209のゲートにはGND(0V)、またはトランジスタ1209がオフする電位が入力され続ける構成とする。例えば、トランジスタ1209のゲートが抵抗等の負荷を介して接地される構成とする。
スイッチ1203は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ1213を用いて構成され、スイッチ1204は、一導電型とは逆の導電型(例えば、pチャネル型)のトランジスタ1214を用いて構成した例を示す。ここで、スイッチ1203の第1の端子はトランジスタ1213のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ1203の第2の端子はトランジスタ1213のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ1203はトランジスタ1213のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ1213の導通状態または非導通状態)が選択される。スイッチ1204の第1の端子はトランジスタ1214のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ1204の第2の端子はトランジスタ1214のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ1204はトランジスタ1214のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ1214の導通状態または非導通状態)が選択される。
トランジスタ1209のソースとドレインの一方は、容量素子1208の一対の電極のうちの一方、およびトランジスタ1210のゲートと電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM2とする。トランジスタ1210のソースとドレインの一方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)に電気的に接続され、他方は、スイッチ1203の第1の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)はスイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ1204の第2の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの他方)は電源電位VDDを供給することのできる配線と電気的に接続される。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)と、スイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの一方)と、論理素子1206の入力端子と、容量素子1207の一対の電極のうちの一方と、は電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM1とする。容量素子1207の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子1207の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。容量素子1208の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子1208の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。
なお、容量素子1207および容量素子1208は、トランジスタや配線の寄生容量等を積極的に利用することによって省略することも可能である。
トランジスタ1209のゲートには、制御信号WEが入力される。スイッチ1203およびスイッチ1204は、制御信号WEとは異なる制御信号RDによって第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態を選択され、一方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間が導通状態のとき他方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間は非導通状態となる。
トランジスタ1209のソースとドレインの他方には、回路1201に保持されたデータに対応する信号が入力される。図23では、回路1201から出力された信号が、トランジスタ1209のソースとドレインの他方に入力される例を示した。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子1206によってその論理値が反転された反転信号となり、回路1220を介して回路1201に入力される。
なお、図23では、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子1206および回路1220を介して回路1201に入力する例を示したがこれに限定されない。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号が、論理値を反転させられることなく、回路1201に入力されてもよい。例えば、回路1201内に、入力端子から入力された信号の論理値が反転した信号が保持されるノードが存在する場合に、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号を当該ノードに入力することができる。
また、図23において、記憶素子1200に用いられるトランジスタのうち、トランジスタ1209以外のトランジスタは、酸化物半導体以外の半導体でなる膜または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。例えば、シリコン膜またはシリコン基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。また、記憶素子1200に用いられるトランジスタ全てを、チャネルが酸化物半導体で形成されるトランジスタとすることもできる。または、記憶素子1200は、トランジスタ1209以外にも、チャネルが酸化物半導体で形成されるトランジスタを含んでいてもよく、残りのトランジスタは酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとすることもできる。
図23における回路1201には、例えばフリップフロップ回路を用いることができる。また、論理素子1206としては、例えばインバータやクロックドインバータ等を用いることができる。
本発明の一態様に係る半導体装置では、記憶素子1200に電源電圧が供給されない間は、回路1201に記憶されていたデータを、回路1202に設けられた容量素子1208によって保持することができる。
また、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタはオフ電流が極めて小さい。例えば、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流は、結晶性を有するシリコンにチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流に比べて著しく低い。そのため、当該トランジスタをトランジスタ1209として用いることによって、記憶素子1200に電源電圧が供給されない間も容量素子1208に保持された信号は長期間にわたり保たれる。こうして、記憶素子1200は電源電圧の供給が停止した間も記憶内容(データ)を保持することが可能である。
また、スイッチ1203およびスイッチ1204を設けることによって、プリチャージ動作を行うことを特徴とする記憶素子であるため、電源電圧供給再開後に、回路1201が元のデータを保持しなおすまでの時間を短くすることができる。
また、回路1202において、容量素子1208によって保持された信号はトランジスタ1210のゲートに入力される。そのため、記憶素子1200への電源電圧の供給が再開された後、容量素子1208によって保持された信号を、トランジスタ1210の状態(導通状態、または非導通状態)に変換して、回路1202から読み出すことができる。それ故、容量素子1208に保持された信号に対応する電位が多少変動していても、元の信号を正確に読み出すことが可能である。
このような記憶素子1200を、プロセッサが有するレジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。また、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、プロセッサ全体、もしくはプロセッサを構成する一つ、または複数の論理回路において、短い時間でも電源停止を行うことができるため、消費電力を抑えることができる。
記憶素子1200をCPUに用いる例として説明したが、記憶素子1200は、DSP(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、PLD(Programmable Logic Device)等のLSI、RF−ID(Radio Frequency Identification)にも応用可能である。
<表示装置>
以下では、本発明の一態様に係る表示装置の構成例について説明する。
[構成例]
図24(A)には、本発明の一態様に係る表示装置の上面図を示す。また、図24(B)には、本発明の一態様に係る表示装置の画素に液晶素子を用いた場合における画素回路を示す。また、図24(C)には、本発明の一態様に係る表示装置の画素に有機EL素子を用いた場合における画素回路を示す。
画素に用いるトランジスタは、上述したトランジスタを用いることができる。ここでは、nチャネル型のトランジスタを用いる例を示す。なお、画素に用いたトランジスタと、同一工程を経て作製したトランジスタを駆動回路として用いても構わない。このように、画素や駆動回路に上述したトランジスタを用いることにより、表示品位が高い、または/および信頼性の高い表示装置となる。
アクティブマトリクス型表示装置の一例を図24(A)に示す。表示装置の基板5000上には、画素部5001、第1の走査線駆動回路5002、第2の走査線駆動回路5003、信号線駆動回路5004が配置される。画素部5001は、複数の信号線によって信号線駆動回路5004と電気的に接続され、複数の走査線によって第1の走査線駆動回路5002、および第2の走査線駆動回路5003と電気的に接続される。なお、走査線と信号線とによって区切られる領域には、それぞれ表示素子を有する画素が配置されている。また、表示装置の基板5000は、FPC(Flexible Printed Circuit)等の接続部を介して、タイミング制御回路(コントローラ、制御ICともいう)に電気的に接続されている。
第1の走査線駆動回路5002、第2の走査線駆動回路5003および信号線駆動回路5004は、画素部5001と同じ基板5000上に形成される。そのため、駆動回路を別途作製する場合と比べて、表示装置を作製するコストを低減することができる。また、駆動回路を別途作製した場合、配線間の接続数が増える。したがって、同じ基板5000上に駆動回路を設けることで、配線間の接続数を減らすことができ、信頼性の向上、または/および歩留まりの向上を図ることができる。
〔液晶表示装置〕
また、画素の回路構成の一例を図24(B)に示す。ここでは、VA型液晶表示装置の画素などに適用することができる画素回路を示す。
この画素回路は、一つの画素に複数の画素電極を有する構成に適用できる。それぞれの画素電極は異なるトランジスタに接続され、各トランジスタは異なるゲート信号で駆動できるように構成されている。これにより、マルチドメイン設計された画素の個々の画素電極に印加する信号を、独立して制御できる。
トランジスタ5016のゲート配線5012と、トランジスタ5017のゲート配線5013には、異なるゲート信号を与えることができるように分離されている。一方、データ線として機能するソース電極またはドレイン電極5014は、トランジスタ5016とトランジスタ5017で共通に用いられている。トランジスタ5016とトランジスタ5017は上述したトランジスタを適宜用いることができる。これにより、表示品位が高い、または/および信頼性の高い液晶表示装置を提供することができる。
また、トランジスタ5016には、第1の画素電極が電気的に接続され、トランジスタ5017には、第2の画素電極が電気的に接続される。第1の画素電極と第2の画素電極とは、分離されている。なお、第1の画素電極及び第2の画素電極の形状としては、特に限定は無い。例えば、第1の画素電極は、V字状とすればよい。
トランジスタ5016のゲート電極はゲート配線5012と電気的に接続され、トランジスタ5017のゲート電極はゲート配線5013と電気的に接続されている。ゲート配線5012とゲート配線5013に異なるゲート信号を与えてトランジスタ5016とトランジスタ5017の動作タイミングを異ならせ、液晶の配向を制御することができる。
また、容量配線5010と、誘電体として機能するゲート絶縁体と、第1の画素電極または第2の画素電極と電気的に接続する容量電極とで容量素子を形成してもよい。
マルチドメイン構造は、一画素に第1の液晶素子5018と第2の液晶素子5019を備える。第1の液晶素子5018は第1の画素電極と対向電極とその間の液晶層とで構成され、第2の液晶素子5019は第2の画素電極と対向電極とその間の液晶層とで構成される。
なお、本発明の一態様に係る表示装置は、図24(B)に示す画素回路に限定されない。例えば、図24(B)に示す画素回路に新たにスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ、センサー、または論理回路などを追加してもよい。
〔有機EL表示装置〕
画素の回路構成の他の一例を図24(C)に示す。ここでは、有機EL素子を用いた表示装置の画素構造を示す。
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、有機EL素子が有する一対の電極の一方から電子が、他方から正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、電子および正孔が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
図24(C)は、画素回路の一例を示す図である。ここでは1つの画素にnチャネル型のトランジスタを2つ用いる例を示す。なお、nチャネル型のトランジスタには、上述したトランジスタを用いることができる。また、当該画素回路は、デジタル時間階調駆動を適用することができる。
適用可能な画素回路の構成およびデジタル時間階調駆動を適用した場合の画素の動作について説明する。
画素5020は、スイッチング用トランジスタ5021、駆動用トランジスタ5022、発光素子5024および容量素子5023を有する。スイッチング用トランジスタ5021は、ゲート電極が走査線5026に接続され、第1電極(ソース電極、ドレイン電極の一方)が信号線5025に接続され、第2電極(ソース電極、ドレイン電極の他方)が駆動用トランジスタ5022のゲート電極に接続されている。駆動用トランジスタ5022は、ゲート電極が容量素子5023を介して電源線5027に接続され、第1電極が電源線5027に接続され、第2電極が発光素子5024の第1電極(画素電極)に接続されている。発光素子5024の第2電極は共通電極5028に相当する。共通電極5028は、同一基板上に形成される共通電位線と電気的に接続される。
スイッチング用トランジスタ5021および駆動用トランジスタ5022は上述したトランジスタを用いることができる。これにより、表示品位の高い、または/および信頼性の高い有機EL表示装置となる。
発光素子5024の第2電極(共通電極5028)の電位は低電源電位に設定する。なお、低電源電位とは、電源線5027に供給される高電源電位より低い電位であり、例えばGND、0Vなどを低電源電位として設定することができる。発光素子5024の順方向のしきい値電圧以上となるように高電源電位と低電源電位を設定し、その電位差を発光素子5024に印加することにより、発光素子5024に電流を流して発光させる。なお、発光素子5024の順方向電圧とは、所望の輝度とする場合の電圧を指しており、少なくとも順方向しきい値電圧を含む。
なお、容量素子5023は駆動用トランジスタ5022のゲート容量を代用することにより省略できる場合がある。駆動用トランジスタ5022のゲート容量については、チャネル形成領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
次に、駆動用トランジスタ5022に入力する信号について説明する。電圧入力電圧駆動方式の場合、駆動用トランジスタ5022がオンまたはオフの二つの状態となるようなビデオ信号を、駆動用トランジスタ5022に入力する。なお、駆動用トランジスタ5022を線形領域で動作させるために、電源線5027の電圧よりも高い電圧を駆動用トランジスタ5022のゲート電極に与える。また、信号線5025には、電源線電圧に駆動用トランジスタ5022のしきい値電圧Vthを加えた値以上の電圧をかける。
アナログ階調駆動を行う場合、駆動用トランジスタ5022のゲート電極に発光素子5024の順方向電圧に駆動用トランジスタ5022のしきい値電圧Vthを加えた値以上の電圧をかける。なお、駆動用トランジスタ5022が飽和領域で動作するようにビデオ信号を入力し、発光素子5024に電流を流す。また、駆動用トランジスタ5022を飽和領域で動作させるために、電源線5027の電位を、駆動用トランジスタ5022のゲート電位より高くする。ビデオ信号をアナログとすることで、発光素子5024にビデオ信号に応じた電流を流し、アナログ階調駆動を行うことができる。
なお、本発明の一態様に係る表示装置は、図24(C)に示す画素構成に限定されない。例えば、図24(C)に示す画素回路にスイッチ、抵抗素子、容量素子、センサー、トランジスタまたは論理回路などを追加してもよい。
図24で例示した回路に上述したトランジスタを適用する場合、低電位側にソース電極(第1の電極)、高電位側にドレイン電極(第2の電極)がそれぞれ電気的に接続される構成とする。さらに、制御回路等により第1のゲート電極の電位を制御し、第2のゲート電極にはソース電極に与える電位よりも低い電位など、上記で例示した電位を入力可能な構成とすればよい。
例えば、本明細書等において、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、発光素子および発光素子を有する装置である発光装置は、様々な形態を用いること、または様々な素子を有することができる。表示素子、表示装置、発光素子、又は発光装置は、例えば、EL素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイ(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、IMOD(インターフェアレンス・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子、エレクトロウェッティング素子、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチューブを用いた表示素子などの少なくとも一つを有している。これらの他にも、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有していても良い。EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)または表面伝導型電子放出素子ディスプレイ方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク、または電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。なお、LEDを用いる場合、LEDの電極や窒化物半導体の下に、グラフェンやグラファイトを配置してもよい。グラフェンやグラファイトは、複数の層を重ねて、多層膜としてもよい。このように、グラフェンやグラファイトを設けることにより、その上に、窒化物半導体、例えば、結晶を有するn型GaN半導体などを容易に成膜することができる。さらに、その上に、結晶を有するp型GaN半導体などを設けて、LEDを構成することができる。なお、グラフェンやグラファイトと、結晶を有するn型GaN半導体との間に、AlNを設けてもよい。なお、LEDが有するGaN半導体は、MOCVDで成膜してもよい。ただし、グラフェンを設けることにより、LEDが有するGaN半導体は、スパッタリング法で成膜することも可能である。
<電子機器>
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図25に示す。
図25(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体901、筐体902、表示部903、表示部904、マイクロフォン905、スピーカー906、操作キー907、スタイラス908等を有する。なお、図25(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部903と表示部904とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。また、表示部903は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部903に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライトまたは近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
図25(B)は携帯データ端末であり、第1筐体911、第2筐体912、第1表示部913、第2表示部914、接続部915、操作キー916等を有する。第1表示部913は第1筐体911に設けられており、第2表示部914は第2筐体912に設けられている。そして、第1筐体911と第2筐体912とは、接続部915により接続されており、第1筐体911と第2筐体912の間の角度は、接続部915により変更が可能である。第1表示部913における映像を、接続部915における第1筐体911と第2筐体912との間の角度にしたがって、切り替える構成としてもよい。また、第1表示部913および第2表示部914の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしてもよい。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。または、位置入力装置としての機能は、フォトセンサーとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。
図25(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体921、表示部922、キーボード923、ポインティングデバイス924等を有する。
図25(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体931、冷蔵室用扉932、冷凍室用扉933等を有する。
図25(E)はビデオカメラであり、第1筐体941、第2筐体942、表示部943、操作キー944、レンズ945、接続部946等を有する。操作キー944およびレンズ945は第1筐体941に設けられており、表示部943は第2筐体942に設けられている。そして、第1筐体941と第2筐体942とは、接続部946により接続されており、第1筐体941と第2筐体942の間の角度は、接続部946により変更が可能である。表示部943における映像を、接続部946における第1筐体941と第2筐体942との間の角度にしたがって切り替える構成としてもよい。
図25(F)は乗用車であり、車体951、車輪952、ダッシュボード953、ライト954等を有する。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。例えば、本発明の一態様として、MOS型トランジスタに適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、別の素子、例えば、バイポーラ型トランジスタ、ダイオード、容量素子、MOS型容量素子、または、サイリスタ、など適用してもよい。例えば、本発明の一態様として、界面準位の密度や、前記トランジスタの測定下限未満のゲート電圧を掃引したときに得られるドレイン電流などを評価項目として適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、別の評価項目などに適用してもよい。
本実施例では、図9(A)に示すトランジスタ300において、トランジスタの界面準位の密度を評価し、その界面準位の密度からリーク電流を予測した。また、トランジスタ300において、実際にリーク電流評価を行い、計算値と比較した。
トランジスタ300を同一基板上に13個作製し、リーク電流の評価はそれぞれのトランジスタに対して個々に行った。
はじめに、トランジスタ300の断面構造について図9(A)に示す。トランジスタ300は、絶縁体310上の導電体375と、絶縁体310上、及び導電体375上の絶縁体320、絶縁体320上の半導体330と、半導体330b上の導電体340および導電体350と、半導体330c上の絶縁体360と、絶縁体360を介して半導体330と重なる領域を有する導電体370と、を有する。なお、半導体330は、半導体330a、半導体330b、及び半導体330cが順に積層されている。また、導電体370は、導電体371、及び導電体372が順に積層されている。
なお、トランジスタ300では、絶縁体310として膜厚50nmの酸化アルミニウム、導電体375として膜厚50nmのタングステン、絶縁体320として膜厚60nmの酸化窒化シリコンを用いた。また、半導体330としてIn−Ga−Zn酸化物を用い、半導体330aの膜厚を40nm、半導体330bの膜厚を20nm、半導体330cの膜厚を5nmとした。また、導電体340及び導電体350として膜厚150nmのタングステン、絶縁体360として膜厚20nmの酸化窒化シリコン、導電体371として膜厚30nmの窒化チタン、導電体372として膜厚135nmのタングステンを用いた。
図9(B)は、計算値を得るために仮定したトランジスタ600の断面の模式図である。なお、実測で用いたトランジスタ300と、同等の断面構造を有する。計算は、Silvaco社デバイスシミュレータATLASを用いた。また、計算に用いたパラメータは、表2に示す値を用いた。なお、Egはエネルギーギャップ、Ncは伝導帯の実効状態密度、Nvは価電子帯の実効状態密度を示す。
また、表には示していないが、導電体640および導電体650が、絶縁体660を介して導電体670と重なる領域の長さをそれぞれ0.2μmとした。さらに、導電体640および導電体650と、半導体630bと、が重なる領域における半導体630bのドナー密度は5×1018cm−3とした。
次に、実施例試料1のトランジスタ300において、Id−Vg特性の測定を行った。なお、導電体340および導電体350と、導電体370と、の間の電圧(ゲート電圧Vg)を、−3Vから3Vまで0.1Vステップで掃引させた。
図10に、ソース電圧Vs=0V、ドレイン電圧Vd=0.1V、バックゲート電圧Vbg=0Vにおける、計算によって得られたトラップ準位がない理想的なId−Vg特性と、トランジスタ300における実測のId−Vg特性と、を示す。なお、トランジスタ300の測定結果のうち、ドレイン電流Idの測定が容易な1×10−13A以上の値のみプロットした。
次に、Id−Vg特性の実測値と計算値とから、半導体630cと絶縁体660との界面における浅い界面準位の密度Nitを導出し、最小自乗法を用いてガウス分布でフィッティングした。その結果、ピーク密度Ngaは1.1×1013cm−2・eV−1、分布幅Wgaは0.33eV、ピーク位置Egaは0.11eVのフィッティング曲線が得られた。
次に、得られた界面準位のフィッティング曲線を、デバイスシミュレータを用いた計算にフィードバッグすることにより、Id−Vg特性を逆算した結果を図26に示す。図26において、なお、ドレイン電圧Vdは1.8Vの場合とする。
計算により得られたフィッティング曲線と、実測値のプロットはほぼ一致しており、さらには、測定が困難なドレイン電流Idが1×10−13A以下の値を求めることができた。なお、ゲート電圧Vgが0Vのときのドレイン電流の値をIcut電流と呼ぶ。トランジスタ600において、ドレイン電圧Vdが1.8Vの場合、Icut電流は4.1×10−18Aと評価できた。
同様の手順を用いて、実施例試料2乃至13について、それぞれ計算値により、Icut電流を求めた。その結果、実施例試料1乃至13において、計算値により見積もったIcut電流の平均値として、6.2×10−19が得られた。
一方、トランジスタ300において、リーク電流を測定した。なお、リーク電流の測定は、520個の回路400が形成されたモジュールを用いて、所望のモジュール3個に対して行った。図27に示すトランジスタ420のゲートの電位が保持可能という特性を有することで、トランジスタ300のリーク電流が測定された。また、リーク電流の測定は室温で行った。
回路400は、トランジスタ300と、トランジスタ410と、トランジスタ420と、容量素子430と、第1の配線450と、第2の配線460と、第3の配線470と、第4の配線480と、を有する。第1の配線450はトランジスタ300のゲートと電気的に接続され、第2の配線460はトランジスタ410のゲートと電気的に接続される。また、第3の配線470はトランジスタ420のソース、またはドレインの一方と電気的に接続され、第4の配線480はトランジスタ300のソース、またはドレインの一方、及びトランジスタ410のソース、またはドレインの一方に電気的に接続されている。そして、トランジスタ300のソース、またはドレインの他方、およびトランジスタ420のゲートは、容量素子430の電極の一方と電気的に接続されている。
次に、リーク電流の測定について説明する。まず、第1の配線450の電位を、トランジスタ300が導通状態となる電位にして、トランジスタ300を導通状態とする。これにより、第4の配線480の電位が、トランジスタ420のゲート、および容量素子430の電極の一方と電気的に接続するノードFNに与えられる。即ち、トランジスタ420のゲートには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(Lowレベル電荷、Highレベル電荷という。)のどちらかが与えられるものとする。その後、第1の配線450の電位を、トランジスタ300が非導通状態となる電位とすることで、ノードFNに電荷が保持される。なお、本測定においては、保持電圧として、ゲート電圧Vgを0V、バックゲート電圧Vbgを0Vとした。
ノードFNに電荷の保持を開始してから一定時間後に、第3の配線470に与えた読み出し回路電圧値(VRMともいう)に対し、トランジスタ420が導通するかどうかの確認を行った。
トランジスタ420が導通する場合、読み出し可能電圧値はノードFNの電位と、ほぼ等電位となる。また、ノードFNに保持されている電荷は、リーク電流により、時間経過とともに、減少する。そこで、読み出し回路電圧値(VRM)として第3の配線470に電位を与え、導通した場合の読み出し可能電圧値の時間に対する変動を、図28に示す。こうして得られた読み出し可能電圧値の時間依存性を測定することで、ノードFNの電位の時間変化を間接的に見積もった。得られたグラフに対し、式(7)をフィッティングすることにより、時定数を約100hrと求めることができた。
なお、式(7)において、AはノードFNの初期電位、τは時定数、tは経過時間とする。また、時定数τを用いてリーク電流は式(8)により求めることができる。
なお、式(8)において、Ileakはリーク電流、Vdはドレイン電圧、Cは容量素子の容量とする。また、今回測定したサンプルでは、容量Cは20fFのものを用いた。
上記手法を用いることにより、トランジスタ300において、ドレイン電圧を1.8Vのとした場合、リーク電流が1.0×10−19Aと算出できた。
したがって、実施例試料1乃至13において、計算値により見積もったIcut電流の平均値6.2×10−19Aに対し、ゲート電圧Vgを0Vとした場合の測定による実測値のリーク電流は1.0×10−19Aとなり、桁が一致し、本評価が有効に用いることができることが示唆された。
100 トランジスタ
110 基板
120 絶縁体
130 半導体
130a 半導体
130b 半導体
130c 半導体
140 導電体
150 導電体
160 絶縁体
170 導電体
171 導電体
172 導電体
175 導電体
190 界面準位
191 界面準位
200 トランジスタ
210 基板
220 絶縁体
230 半導体
240 導電体
250 導電体
260 絶縁体
275 導電体
300 トランジスタ
310 絶縁体
320 絶縁体
330 半導体
330a 半導体
330b 半導体
330c 半導体
340 導電体
350 導電体
360 絶縁体
370 導電体
371 導電体
372 導電体
375 導電体
400 回路
402 絶縁体
410 トランジスタ
420 トランジスタ
430 容量素子
450 配線
460 配線
470 配線
480 配線
500 トランジスタ
530b 半導体
530c 半導体
540 導電体
550 導電体
560 絶縁体
570 導電体
600 トランジスタ
630b 半導体
630c 半導体
640 導電体
650 導電体
660 絶縁体
670 導電体
901 筐体
902 筐体
903 表示部
904 表示部
905 マイクロフォン
906 スピーカー
907 操作キー
908 スタイラス
911 筐体
912 筐体
913 表示部
914 表示部
915 接続部
916 操作キー
921 筐体
922 表示部
923 キーボード
924 ポインティングデバイス
931 筐体
932 冷蔵室用扉
933 冷凍室用扉
941 筐体
942 筐体
943 表示部
944 操作キー
945 レンズ
946 接続部
951 車体
952 車輪
953 ダッシュボード
954 ライト
1189 ROMインターフェース
1190 基板
1191 ALU
1192 ALUコントローラ
1193 インストラクションデコーダ
1194 インタラプトコントローラ
1195 タイミングコントローラ
1196 レジスタ
1197 レジスタコントローラ
1198 バスインターフェース
1199 ROM
1200 記憶素子
1201 回路
1202 回路
1203 スイッチ
1204 スイッチ
1206 論理素子
1207 容量素子
1208 容量素子
1209 トランジスタ
1210 トランジスタ
1213 トランジスタ
1214 トランジスタ
1220 回路
2100 トランジスタ
2200 トランジスタ
3001 配線
3002 配線
3003 配線
3004 配線
3005 配線
3200 トランジスタ
3300 トランジスタ
3400 容量素子
5000 基板
5001 画素部
5002 走査線駆動回路
5003 走査線駆動回路
5004 信号線駆動回路
5010 容量配線
5012 ゲート配線
5013 ゲート配線
5014 ドレイン電極
5016 トランジスタ
5017 トランジスタ
5018 液晶素子
5019 液晶素子
5020 画素
5021 スイッチング用トランジスタ
5022 駆動用トランジスタ
5023 容量素子
5024 発光素子
5025 信号線
5026 走査線
5027 電源線
5028 共通電極
5100 ナノ結晶
5120 基板
5161 領域

Claims (4)

  1. ゲート電極、ゲート絶縁体、及び半導体を有するトランジスタにおいて、
    前記トランジスタのゲート電圧を掃引したときに得られるドレイン電流を測定し、
    前記トランジスタのトラップ準位を仮定しないゲート電圧を掃引した時に得られるドレイン電流値の計算値を算出し、
    前記測定の結果及び前記計算値より、前記ゲート絶縁体及び前記半導体の界面における浅い界面準位の密度を見積もり、
    前記浅い界面準位の密度を用いて、前記トランジスタの測定下限未満のゲート電圧を掃引したときに得られるドレイン電流を評価することを特徴とする半導体装置の評価方法。
  2. ゲート電極、ゲート絶縁体、及び半導体を有するトランジスタにおいて、
    前記トランジスタのゲート電圧を掃引したときに得られる1×10−13A以上のドレイン電流を測定し、
    前記トランジスタのトラップ準位を仮定しないゲート電圧を掃引した時に得られるドレイン電流値の計算値を算出し、
    前記測定の結果及び前記計算値より、前記ゲート絶縁体及び前記半導体の界面における浅い界面準位の密度を見積もり、
    前記浅い界面準位の密度を用いて、前記トランジスタのゲート電圧を掃引したときに得られるドレイン電流が1×10−13A未満の値を評価することを特徴とする半導体装置の評価方法。
  3. ゲート電極、ゲート絶縁体、及び半導体を有するトランジスタにおいて、
    前記トランジスタのゲート電圧を掃引したときに得られる1×10−13A以上のドレイン電流を測定し、
    前記トランジスタのトラップ準位を仮定しないゲート電圧を掃引した時に得られるドレイン電流値の計算値を算出し、
    前記測定の結果及び前記計算値を、下式に代入して、前記ゲート絶縁体及び前記半導体の界面における浅い界面準位の密度を導出し、
    前記浅い界面準位の密度を仮定したデバイス計算を行い、ゲート電圧を掃引した時に得られるドレイン電流値を導出し、
    前記トランジスタのゲート電圧を掃引したときに得られるドレイン電流が1×10−13A未満の値を評価することを特徴とする半導体装置の評価方法。

    (浅い界面準位の密度Nit、界面における電位の変化量Δφit、比例係数Ceff、実測の電圧Vgの変化ΔVex、計算の電圧Vgの変化ΔVidである。)
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記半導体は、インジウム、亜鉛および元素M(元素Mはアルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズ)から選ばれた一種以上を有する酸化物を有することを特徴とする半導体装置の評価方法。
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