JP2016057983A - 自己位置推定システムおよび自己位置推定方法 - Google Patents

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Masayuki Obata
昌之 小畑
猛 宮薗
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猛 宮薗
一郎 衣笠
Ichiro Kinugasa
一郎 衣笠
秀弥 山村
Hideya Yamamura
秀弥 山村
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Abstract

【課題】移動体の自己位置の推定の精度を高めることが可能な自己位置推定システムを提供する。
【解決手段】この自己位置推定システム100は、カート10の車輪11の回転角を検出するエンコーダ12と、カート10の角速度を検出するジャイロセンサ13と、所定区画200内に配置され、固有のシリアル番号を有するRFIDタグ20と、カート10に設けられ、RFIDタグ20のシリアル番号を読み出すRFIDリーダ14と、エンコーダ12により検出された回転角と、ジャイロセンサ13により検出されたカート10の角速度とに基づいて、カート10の所定区画200内における第1の位置情報を推定するとともに、RFIDリーダ14により読み出されたシリアル番号に基づいて、推定された第1の位置情報をRFIDタグ20の実際の位置に対応した第2の位置情報に補正する制御部15とを備える。
【選択図】図3

Description

この発明は、自己位置推定システムおよび自己位置推定方法に関し、特に、エンコーダとジャイロセンサとを備える自己位置推定システムおよび自己位置推定方法に関する。
従来、エンコーダとジャイロセンサとを備える移動体の位置計測装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1では、エンコーダは、操舵輪の移動速度を計測するように構成されている。また、ジャイロセンサは、移動体の向きと旋回角速度とを計測するように構成されている。そして、エンコーダによる計測結果と、ジャイロセンサによる計測結果と、移動体の車体寸法とに基づいて、演算手段により、移動体の位置が演算される。
特許第3334074号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の移動体の位置計測装置では、エンコーダおよびジャイロセンサによる計測結果と移動体の車体寸法とに基づいて移動体の位置が演算される一方、エンコーダおよびジャイロセンサの測定誤差に起因して、演算された移動体の位置に誤差が生じるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、移動体の自己位置の推定の精度を高めることが可能な自己位置推定システムおよび自己位置推定方法を提供することである。
上記目的を達成するために、第1の局面による自己位置推定システムは、所定区画内を走行する移動体の自己位置を推定する自己位置推定システムであって、移動体の車輪の回転角を検出する回転角検出器と、移動体の角速度を検出するジャイロセンサと、移動体の所定区画内に配置され、固有の識別情報を有するICタグと、移動体に設けられ、ICタグの識別情報を読み出す読出部と、回転角検出器により検出された回転角と、ジャイロセンサにより検出された移動体の角速度とに基づいて、移動体の所定区画内における第1の位置情報を推定するとともに、読出部により読み出された識別情報に基づいて、推定された第1の位置情報をICタグの実際の位置に対応した第2の位置情報に補正する制御部とを備える。
この第1の局面による自己位置推定システムでは、上記のように、読出部により読み出された識別情報に基づいて、回転角検出器により検出された回転角とジャイロセンサにより検出された移動体の角速度とに基づいて推定された第1の位置情報をICタグの実際の位置に対応した第2の位置情報に補正する制御部とを備える。これにより、エンコーダ等の回転角検出器の検出誤差およびジャイロセンサの誤差に起因して移動体の推定された第1の位置情報に誤差が生じた場合でも、読出部により読み出されたICタグの固有の識別情報に基づいて第2の位置情報に補正されるので、移動体の自己位置の推定の精度を高めることができる。
第2の局面による自己位置推定方法は、所定区画内を走行する移動体の自己位置を推定する自己位置推定方法であって、回転角検出器により検出された車輪の回転角と、ジャイロセンサにより検出された移動体の角速度とに基づいて、移動体の所定区画内における第1の位置情報を推定することと、読出部により読み出された移動体の移動経路近傍に配置されるICタグの固有の識別情報に基づいて、推定された第1の位置情報をICタグの実際の位置に対応した第2の位置情報に補正することとを備える。
この第2の局面による自己位置推定方法では、上記のように、読出部により読み出された移動体の移動経路近傍に配置されるICタグの固有の識別情報に基づいて、回転角検出器により検出された車輪の回転角と、ジャイロセンサにより検出された移動体の角速度とに基づいて推定された第1の位置情報を第2の位置情報に補正することを備える。これにより、エンコーダ等の回転角検出器の検出誤差に起因して移動体の推定された第1の位置情報に誤差が生じた場合でも、読出部により読み出されたICタグの固有の識別情報に基づいて第2の位置情報に補正されるので、移動体の自己位置の推定の精度を高めることが可能な自己位置推定方法を提供することができる。
上記のように構成することによって、移動体の自己位置の推定の精度を高めることができる。
本実施形態による自己位置推定システムのカートとカートが移動する所定区画とを示す図である。 本実施形態による自己位置推定システムのカートを示す図である。 本実施形態による自己位置推定システムのブロック図である。 本実施形態による自己位置推定システムのグリッドマップを説明するための図である。 本実施形態による自己位置推定システムのグリッドマップ(テキストデータ)を説明するための図である。 本実施形態による自己位置推定システムのマップマッチングを説明するための図である。 本実施形態によるマップマッチングにおいて通行可能なブロックの探索を説明するための図である。 本実施形態によるマップマッチングにおいて通行可能なブロックの探索(1階層目)を説明するための図である。 本実施形態によるマップマッチングにおいて通行可能なブロックの探索(2階層目)を説明するための図である。 本実施形態によるマップマッチングの結果を説明するための図である。 本実施形態によるカートの軌跡に基づく角度情報の補正(Y軸方向)を説明するための図である。 本実施形態によるカートの軌跡に基づく角度情報の補正(X軸方向)を説明するための図である。 本実施形態によるカートの軌跡に基づく角度情報の補正(カーブ部分)を説明するための図である。 本実施形態による自己位置推定システムの自己位置推定方法を説明するためのフロー図である。 本実施形態による自己位置推定システムの自己位置推定の実験結果(デッドデコニングのみ)を説明するためのフロー図である。 本実施形態による自己位置推定システムの自己位置推定の実験結果(RFIDタグに基づく補正後)を説明するためのフロー図である。 本実施形態による自己位置推定システムの自己位置推定の実験結果(マップマッチングによる補正後)を説明するためのフロー図である。 本実施形態による自己位置推定システムの自己位置推定の実験の誤差の累積分布を示す図である。
以下、本実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図13を参照して、本実施形態の自己位置推定システム100の構成について説明する。自己位置推定システム100は、所定区画200(物品倉庫、建物の廊下など)において走行するカート10の自己位置を推定するように構成されている。なお、カート10は、「移動体」の一例である。
図1に示すように、所定区画200(建物、屋内)には、複数の棚201が配置されている。そして、カート10は、所定区画200の出入口202の近傍を初期位置として、複数の棚201の間の移動経路203を走行するように構成されている。なお、移動経路203は、所定区画200において、棚201が配置されていないカート10の通行が可能な領域を意味する。移動経路203は、略直線状の直線部分203aと、直線部分203a同士を接続する略直角に屈折するカーブ部分203bとにより構成されている。
ここで、本実施形態では、カート10の移動経路203近傍には、固有のシリアル番号をそれぞれ有する複数のRFIDタグ20が配置されている。また、RFIDタグ20は、移動経路203のうちのカーブ部分203bの曲がり角の前後(近傍)に設けられている。なお、「近傍」とは、移動経路203を走行するカート10が、RFIDタグ20の固有のシリアル番号を読み出すことが可能な程度の位置を意味する。また、RFIDタグ20は、「ICタグ」の一例である。また、シリアル番号は、「識別情報」の一例である。
また、カート10は、図2に示すように、ユーザ300により、移動経路203を移動されるように構成されている。
また、図3に示すように、カート10には、車輪11が設けられている。また、カート10には、エンコーダ12が設けられている。エンコーダ12は、車輪11の回転角を検出するように構成されている。なお、エンコーダ12は、「回転角検出器」の一例である。また、カート10には、ジャイロセンサ13が設けられている。ジャイロセンサ13は、カート10の角速度を検出するように構成されている。
また、カート10には、RFIDリーダ14が設けられている。RFIDリーダ14は、RFIDタグ20からの信号を受信するアンテナを有する。また、RFIDリーダ14は、複数(本実施形態では2つ)設けられている。2つのRFIDリーダ14は、カート10の進行方向に直交する方向(カート10の両側部)にそれぞれ設けられている。そして、RFIDリーダ14は、カート10の移動経路203近傍に配置されたRFIDタグ20のシリアル番号を読み出す(受信する)とともに、読み込んだシリアル信号を出力するように構成されている。なお、本実施形態では、RFIDリーダ14は、カート10がRFIDタグ20の近傍に位置した場合に、RFIDリーダ14のシリアル番号を読み出すように構成されている。たとえば、RFIDリーダ14は、RFIDタグ20からの受信信号の強度が予め設定された所定のしきい値以上になった場合に、RFIDタグ20を認識したと判断して、RFIDタグ20からRFIDリーダ14のシリアル番号を読み出すように構成されている。すなわち、RFIDリーダ14は、RFIDタグ20が近傍に存在するか、または、存在しないかの2値(0または1)を判断するように構成されている。なお、RFIDリーダ14は、「読出部」の一例である。
また、カート10には、制御部15が設けられている。制御部15は、エンコーダ12により検出された回転角についての信号、ジャイロセンサ13により検出された角速度についての信号、および、RFIDリーダ14に読み出されたRFIDタグ20のシリアル番号についての信号が、入力されるように構成されている。
また、カート10には、記憶部16が設けられている。図4に示すように、記憶部16には、カート10が走行する所定区画200に対応して座標を設定したグリッドマップ30が記憶されている。グリッドマップ30は、所定の大きさを有するブロック31により分割した平面により構成されている。グリッドマップ30は、所定区画200の走行面204(棚201が配置されている面および移動経路203、図1参照)に対応するXY座標と、所定区画200の各階に対応するZ座標とを含むように構成されている。また、グリッドマップ30では、グリッドマップ30の左上の角のブロック31(ブロック31a)の中心をXY座標(XY平面)の原点としている。また、所定区画200の1階部分を、Z座標の原点としている。すなわち、座標(0,0,0)は、所定区画200の1階部分の左上の角のブロック31aの座標を意味する。また、記憶部16には、後述するデッドデコニングにより推定されたカート10の第1の位置情報、マップマッチングにより推定された第3の位置情報、その他、以前に位置していたブロック31において取得されたカート10の角度情報が記憶されている。
また、図5に示すように、グリッドマップ30は、具体的には、テキストデータ32として記憶部16に記憶されている。テキストデータ32には、グリッドの間隔(m)、X軸の最大値、Y軸の最大値、および、Z軸の最大値が含まれている。
また、テキストデータ32(記憶部16)には、各ブロック31の座標(X,Y,Z)に対応させて、スタート位置フラグ、通行可否フラグおよびRFIDタグのシリアル番号が含まれている。スタート位置フラグは、ブロック31が、スタート位置(出入口202の近傍、図4参照)に対応する場合には「1」にされ、スタート位置に対応しない場合には「0」にされる。ここで、本実施形態では、通行可否フラグは、グリッドマップ30の各々のブロック31上をカート10が通行可能か否かを表すよう構成されている。具体的には、通行可否フラグは、ブロック31に棚201などの障害物が配置されることにより、カート10の通行ができない場合には、「1」にされる。また、ブロック31に棚201などの障害物が配置されておらず、カート10が通行できる場合には、「0」にされる。図4では、カート10が通行できないブロック31がハッチングされている。なお、通行可否フラグは、「通行可否情報」の一例である。
また、本実施形態では、図5に示すように、記憶部16(テキストデータ32)には、RFIDタグ20のシリアル番号が、グリッドマップ30上の座標に対応させて記憶されている。具体的には、ブロック31内にRFIDタグ20が設けられている場合に、グリッドマップ30上の座標(X,Y,Z)に対応させて、RFIDタグ20のシリアル番号が記憶されている。また、ブロック31内にRFIDタグ20が設けられていない場合には、RFIDタグ20が設けられていない旨のフラグが記憶されている。
また、図3に示すように、カート10には、表示部17が設けられている。表示部17には、グリッドマップ30、および、グリッドマップ30上のカート10の位置情報などが表示されるように構成されている。
ここで、本実施形態では、制御部15は、エンコーダ12により検出された回転角(回転角についての信号)と、ジャイロセンサ13により検出されたカート10の角速度(角速度についての信号)とに基づいて、カート10の所定区画200における第1の位置情報を推定するように構成されている。さらに、RFIDリーダ14により読み出されたRFIDタグ20のシリアル番号に基づいて、推定された第1の位置情報をRFIDタグ20の実際の位置に対応した第2の位置情報に補正するように構成されている。具体的には、制御部15は、RFIDタグ20のシリアル番号が対応付けられたグリッドマップ30上の座標に基づいて、第1の位置情報を第2の位置情報に補正するように構成されている。
また、本実施形態では、移動経路203のうちのカーブ部分203bの曲がり角の前後にRFIDタグ20を設けて、制御部15により、移動経路203のうちのカーブ部分203bの曲がり角の前後における推定された第1の位置情報を第2の位置情報に補正するように構成されている。また、制御部15は、RFIDリーダ14がシリアル番号を読み出した時点で、第1の位置情報を第2の位置情報に補正することを開始するように構成されている。
以下、RFIDタグ20のシリアル番号に基づいた補正について、具体的に説明する。なお、この補正は、制御部15により行われる。
(RFIDタグのシリアル番号に基づいた補正)
まず、ジャイロセンサ13により検出されたカート10の角速度(deg/s)が積分されることにより、カート10の進行方向に対する角度情報θが算出される。また、エンコーダ12により検出されたカート10の車輪11の回転角に基づいて、カート10の走行面204上の移動距離が算出される。具体的には、前回算出された地点からの移動距離(差分距離ΔD(mm))が算出される。そして、算出された角度情報θおよび差分距離ΔDを用いて、下記の式(1)および(2)により、カート10の第1の位置情報(XY座標)が推定(デッドデコニング)される。たとえば、カート10の第1の位置情報が、(x1,y1,z1)と推定される。なお、z1は、所定区画200(建物)の各階に対応する座標である。
X座標=前回のX座標+ΔD×cosθ ・・・(1)
Y座標=前回のY座標+ΔD×sinθ ・・・(2)
なお、前回算出された地点の位置情報は、記憶部16に記憶されている。また、位置情報は、後述するように100ms毎に算出されており、前回の位置情報は、100ms前の位置情報である。
ここで、RFIDリーダ14により、RFIDタグ20のシリアル番号が読み出された場合(すなわち、カート10がRFIDタグ20の近傍に位置している場合)、テキストデータ32(図5参照)を用いて、読み出されたRFIDタグ20のシリアル番号が検索される。そして、読み出されたRFIDタグ20のシリアル番号に対応する座標(たとえば、(x2,y2,z1))が取得される。そして、カート10の自己位置(座標)が、上記の第1の位置情報(x1,y1,z1)から、カート10の近傍に配置されるRFIDタグ20が配置されているブロック31の座標(x2,y2,z1)(第2の位置情報)に補正される。すなわち、エンコーダ12により検出された回転角とジャイロセンサ13により検出された角速度とに基づいて推定された第1の位置情報が、実際のカート10の座標とずれていた場合でも、RFIDタグ20のシリアル番号に基づいて、カート10の自己位置(座標)が補正される。
また、制御部15は、記憶部16に記憶されたグリッドマップ30に基づいて、第2の位置情報をマップマッチングにより推定(補正)するように構成されている。以下、図6〜図10を参照して、マップマッチングについて、具体的に説明する。
図6は、グリッドマップ30において、通行可能なブロック31(ハッチングなし)と、通行可能でないブロック31(ハッチングあり)を表している。また、図7は、現在カート10が位置するブロック31の外側に位置する24個のブロック31(図6において太い点線で囲まれた領域のブロック31)を表している。また、図8は、現在カート10が位置するブロック31の外側に隣接する1階層目のブロック31を表している。また、図9は、1階層目のブロック31の外側に隣接する2階層目のブロック31を表している。また、図10は、現在カート10が位置するブロック31に近接する通行可能なブロック31を表している。
(マップマッチングによる補正)
まず、第2の位置情報に対応するブロック31が、記憶部16(グリッドマップ30)に記憶された通行可否フラグに基づいて、通行可能か否かが判断される。本実施形態では、通行可否フラグに基づいて第2の位置情報に対応するブロック31が通行可能であると判断される場合、第2の位置情報をカート10の第3の位置情報として推定する。たとえば、図6に示すように、カート10が位置A1またはA2に位置する場合には、位置A1またはA2に対応するブロック31が通行可能であるので、第2の位置情報がカート10の第3の位置情報として推定される。
ここで、本実施形態では、記憶部16に記憶された通行可否フラグに基づいて、第2の位置情報に対応するブロック31が通行可能でないと判断される場合、第2の位置情報から最も近接する通行可能なブロック31に対応する座標を、カート10の第3の位置情報として推定される。たとえば、図6に示すように、カート10の位置情報が位置A3であると推定されている場合には、位置A3に対応するブロック31は、通行可能でない。このとき、図7に示すように、グリッドマップ30に基づいて、現在の位置A3を中心として、1階層目、2階層目・・・と探索する階層を広げてゆき、通行可能なブロック31が存在する階層が探索される。なお、1階層目とは、位置A3のブロック31の外側に隣接する8個のブロック31(ブロック番号1〜8)である。また、2階層目とは、1階層目のブロック番号1〜8の外側に隣接する16個のブロック番号9〜24である。
図8に示すように、1階層目のブロック番号1〜8に通行可能なブロック31が存在しない場合には、図9に示すように、2階層目のブロック番号9〜24に通行可能なブロック31が存在するか否かが探索される。2階層目では、ブロック番号9〜16および24が、通行可能である。そこで、第2の位置情報(位置A3)から最も近接する通行可能なブロック31に対応する座標が、カート10の第3の位置情報として推定される。ここで、第2の位置情報(位置A3)から最も近接する通行可能なブロック31は、ブロック番号10および14の2個である。このとき、本実施形態では、図10に示すように、第2の位置情報(位置A3)から最も近接する通行可能なブロック31が複数ある場合、通行可能な複数のブロック31のうち、前回の推定されたカート10の位置に最も近接するブロック31に対応する座標を、カート10の第3の位置情報として推定する。具体的には、前回の位置A2に最も近接するブロック番号14に対応する座標を、カート10の第3の位置情報(位置A4)として推定する。
また、上記のマップマッチングでは、RFIDタグのシリアル番号に基づいて補正された第1の位置情報(すなわち第2の位置情報)が、マップマッチングにより第3の位置情報に推定される説明をしたが、RFIDタグのシリアル番号を読み出されない場合には、第1の位置情報が、マップマッチングによりそのまま第3の位置情報とされる。
ここで、本実施形態では、制御部15は、推定されたカート10の位置が、隣接する2つのブロック31の一方から他方に移動する前後において、ジャイロセンサ13により検出された角速度より求められたカート10の角度情報の変化量が2度以下の場合で、かつ、第3の位置情報(位置A4)に基づいて、カート10が複数のブロック31に渡って略直進していると判断される場合、ジャイロセンサ13により検出された角速度より求められたカート10の角度情報を、直進に対応する角度情報に補正するように構成されている。以下、具体的に説明する。
(カートの軌跡に基づく角度情報の補正)
図11に示すように、5つのブロック31(ブロックB1〜B5)がY方向に沿って配置されている場合について説明する。ここで、隣接するブロックB4およびB5のうち、ブロックB4において最初に推定された求められたカート10の角度情報θ1と、ブロックB5において最初に推定されたカート10の角度情報θ2との変化量(差分値θ1−θ2の絶対値)が、2度以下(条件1)であったとする。なお、角度情報θ1は、ブロックB4において最初に角度情報が推定された際に記憶部16に記憶されたものである。また、上記マップマッチングによる補正後のカート10の位置(軌跡)が、4つのブロックB1〜B4に渡ってY方向に沿って略直進している(Y座標が略変化しない)(条件2)とする。そして、条件1および条件2の両方が満たされている場合、ジャイロセンサ13により検出された角速度より求められたカート10の角度情報(角速度の積分値)が、直進に対応する角度情報(たとえば、ゼロ)に補正される。
また、図12に示すように、5つのブロック31(ブロックC1〜C5)がX方向に沿って配置されている場合も、5つのブロック31(ブロックB1〜B5、図11参照)がY方向に沿って配置されている場合と同様に、ジャイロセンサ13により検出された角速度より求められたカート10の角度情報(角速度の積分値)が補正される。
また、図13に示すように、1つのブロック31内でカート10が曲がる場合(たとえば、Y軸に沿った方向から侵入してX軸に沿った方向に退出する場合)は、カート10の角度情報の変化量が、比較的大きくなる(2度より大きくなる)か、または、4つのブロック31に渡って直進していると判断されないので、上記の「カートの軌跡に基づく角度情報の補正」は行われない。
次に、図14を参照して、自己位置推定システム100の制御部15の動作(自己位置推定方法)について説明する。
まず、ステップS1に示すように、記憶部16に記憶されているグリッドマップ30が読み出される(オープンされる)。そして、カート10の初期位置が設定される。ここで、予め記憶部16に記憶されたスタート位置(図4参照)の座標が、第1の位置情報として設定される。また、グリッドマップ30(図4参照)の座標が第3の位置として設定される。また、角度情報は、所定区画200のスタート位置(図4参照)にカート10が配置された方向(進行方向)に設定される。なお、実際のカート10は、ユーザにより、所定区画200のスタート位置(図4参照)に配置される。
次に、ステップS2において、ジャイロセンサ13のオフセット補正(ドリフト補正)が行われる。次に、ステップS3において、カート10の走行が開始される。
次に、ステップS4において、ジャイロセンサ13により検出された角速度(deg/s)が取得される。具体的には、カート10のヨー角(yaw angle、進行方向に対する角度)が取得される。次に、ステップS5において、取得された角速度が積分され、カート10の進行方向に対する角度情報(deg)が算出される。なお、このとき、ジャイロセンサ13に固有の既知の誤差に基づいて、算出された角度情報が補正される。なお、この補正は、制御部15が行ってもよいし、ジャイロセンサ13自身によって、取得した角速度が補正されてもよい。
次に、ステップS6において、エンコーダ12により検出された車輪11の回転角が取得される。そして、前回算出された地点からの移動距離(差分距離ΔD(mm))が算出される。なお、前回算出された地点(位置情報)は、100ms前の位置情報であり、記憶部16に記憶されている。また、新たな位置情報が算出されることにより、前回の位置情報が新たな位置情報に更新される。
次に、ステップS7において、上記の式(1)および(2)により、カート10の第1の位置情報(XY座標)が推定(デッドデコニング)される。
次に、ステップS8において、RFIDリーダ14により、RFIDタグ20のシリアル番号が読み出されたか否かが判断される。RFIDタグ20のシリアル番号が読み出されたと判断された場合、ステップS9に進んで、上記の「RFIDタグのシリアル番号に基づいた補正」が行われる。すなわち、デッドデコニングにより推定されたカート10の座標(第1の位置情報)が、RFIDタグ20のシリアル番号に対応する座標(第2の位置情報)に補正される。そして、ステップS10に進む。ステップS8において、RFIDタグ20のシリアル番号が読み出されていないと判断された場合、ステップS10に進む。
次に、ステップS10において、上記の「マップマッチングによる補正」が行われる。すなわち、カート10の位置(座標)が、通行可能でないブロック31に位置すると判断された場合、カート10の位置(座標)が、通行可能であるブロック31の座標に推定される。
次に、ステップS11において、上記の「カートの軌跡に基づく角度情報の補正」が行われる。すなわち、カート10が略直進しているとともに、角度情報の変化量が2度以下の場合、ジャイロセンサ13により検出された角速度より求められたカート10の角度情報(角速度の積分値)が、直進に対応する角度情報に補正される。なお、ここでは、カート10の実際の角度が補正されるのではなく、制御部15により算出された角度情報が補正される。
また、ステップS12において、エンコーダ12により検出された車輪11の回転角に基づいて、カート10が一定の時間(たとえば、10秒間)静止していると判断される場合、ステップS2に戻る。また、ステップS12において、カート10が一定の時間静止していないと判断される場合、ステップS4に戻る。
なお、ステップS4〜S12は、所定の時間毎(たとえば、100ms毎)に行われる。
次に、図15〜図18を参照して、本実施形態の自己位置推定システム100を用いて行ったカート10の自己位置の推定の実験について説明する。なお、図15〜図18において、推定されたカート10の位置(カート10の移動の軌跡)が細い実線で表され、棚201が太い実線で表されている。
まず、この実験では、3つの棚201(棚201a、棚201b、棚201c)が配置される部屋205の中において、カート10を、3つの棚201の周囲を回るように走行させた場合におけるカート10の自己位置を推定した。なお、この実験は、実際のカート10を、3つの棚201の周囲の同一の経路上(図15の太い点線参照)を、複数回(6回)走行させたものである。
図15に示すように、デッドデコニングのみによるカート10の位置の推定では、カート10を走行させるにしたがって、推定されたカート10の位置(軌跡)が、実際のカート10の走行経路(太い点線)から徐々にずれていくことが判明した。この原因として、車輪11のスリップなどに起因してエンコーダ12の検出した回転角に誤差が生じることによるものと考えられる。また、推定されたカート10の位置(軌跡)と棚201とが交差する場合が多く見られることが判明した。実際には、カート10と棚201とが交差することはありえない。すなわち、デッドデコニングのみによるカート10の位置の推定では、自己位置の推定の精度が悪いことが判明した。
次に、図16に示すように、カート10の移動経路206(カーブ部分の曲がり角の前後)にRFIDタグ20を配置して、上記の「RFIDタグのシリアル番号に基づいた補正」を行った。これにより、実際のカート10の走行経路(太い点線、図15参照)からのずれが抑制されることが判明した。また、推定されたカート10の位置と棚201とが交差する場合も抑制されることが判明した。
次に、図17に示すように、「RFIDタグのシリアル番号に基づいた補正」に加えて、上記の「マップマッチングによる補正」および「カートの軌跡に基づく角度情報の補正」をさらに行った場合には、推定されたカート10の位置と棚201とが交差する場合も無くなり、実際のカート10の走行経路(太い点線、図15参照)に略近似するように、カート10の位置が推定されることが判明した。
図18は、「RFIDタグのシリアル番号に基づいた補正」、「マップマッチングによる補正」および「カートの軌跡に基づく角度情報の補正」を行った場合における、推定されたカート10の位置の実際の位置からのずれ(誤差の累積分布)を表している。横軸は、カート10の実際の位置からのずれ(誤差)である。また、縦軸は、各誤差の頻度(推定された回数)を表している。図18に示すように、カート10の位置は、誤差が1.0(m)以下の範囲で略推定されている。これにより、「RFIDタグのシリアル番号に基づいた補正」、「マップマッチングによる補正」および「カートの軌跡に基づく角度情報の補正」による補正が、カート10の位置の推定の精度を高めることに対して、大変有効であることが確認された。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、RFIDリーダ14により読み出されたシリアル番号に基づいて、エンコーダ12により検出された回転角とジャイロセンサ13により検出されたカート10の角速度とに基づいて推定された第1の位置情報を第2の位置情報に補正する制御部15を備える。これにより、エンコーダ12等の検出誤差およびジャイロセンサ13の誤差に起因してカート10の推定された第1の位置情報に誤差が生じた場合でも、RFIDリーダ14により読み出されたRFIDタグ20の固有のシリアル番号に基づいて第2の位置情報に補正されるので、カート10の自己位置の推定の精度を高めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、カート10が走行する所定区画200内に対応して座標を設定したグリッドマップ30が記憶される記憶部16を設けて、シリアル番号を、グリッドマップ30上の座標に対応させて記憶部16に記憶して、制御部15を、シリアル番号が対応付けられたグリッドマップ30上の座標に基づいて、第1の位置情報を第2の位置情報に補正するように構成する。これにより、第1の位置情報が、実際にRFIDタグ20が配置されるグリッドマップ30上の座標に基づいた第2の位置情報に補正されるので、容易に、カート10の自己位置の推定の精度を高めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、RFIDタグ20を、移動経路203のうちのカーブ部分203bの曲がり角の前後に設けて、制御部15を、RFIDリーダ14により読み出されたシリアル番号に基づいて、移動経路203のうちのカーブ部分203bの曲がり角の前後における推定された第1の位置情報を第2の位置情報に補正するように構成する。ここで、移動経路203のうちのカーブ部分203bの曲がり角の前後では、車輪11がスリップすることに起因して、エンコーダ12の検出誤差が生じやすい。そこで、RFIDタグ20を、移動経路203のうちのカーブ部分203bの曲がり角の前後に設けて第1の位置情報を第2の位置情報に補正するように構成することにより、カート10の自己位置の推定の精度を効果的に高めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部15を、RFIDリーダ14がシリアル番号を読み出したことに基づいて、第1の位置情報を第2の位置情報に補正することを開始するように構成する。これにより、カート10がRFIDタグ20の近傍に位置する状態で、第1の位置情報の第2の位置情報への補正が開始されるので、より正確に、RFIDタグ20の配置されるグリッドマップ30上の座標に対応させて第1の位置情報を第2の位置情報に補正することができる。
また、本実施形態では、上記のように、記憶部16に、グリッドマップ30の各々のブロック31上をカート10が通行可能か否かを表す通行可否フラグを記憶して、制御部15を、通行可否フラグに基づいて第2の位置情報に対応するブロック31が通行可能でないと判断される場合、第2の位置情報から最も近接する通行可能なブロック31に対応する座標を、カート10の第3の位置情報として推定するように構成する。これにより、第2の位置情報が実際には通行可能でないブロック31に位置する場合(つまり、実際には通行できない位置にあるRFIDタグ20を読み込んでしまった場合)、カート10の位置が第3の位置情報に推定されるので、カート10の自己位置の推定の精度をより高めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部15を、第2の位置情報から最も近接する通行可能なブロック31が複数ある場合に、通行可能な複数のブロック31のうち、前回の推定されたカート10の位置に最も近接するブロック31に対応する座標を、カート10の第3の位置情報として推定するように構成する。これにより、第2の位置情報から最も近接する通行可能なブロック31が複数ある場合でも、容易に、カート10の位置を第3の位置情報に推定することができる。また、一般的に、前回の推定されたカート10の位置に最も近接するブロック31が、実際にカート10が位置するブロック31である場合が多い。そこで、前回の推定されたカート10の位置に最も近接するブロック31に対応する座標を、カート10の第3の位置情報として推定するように構成することによって、カート10の自己位置の推定の精度をさらに高めることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部15を、通行可否フラグに基づいて第2の位置情報に対応するブロック31が通行可能であると判断される場合、第2の位置情報を第3の位置情報として推定するように構成する。これにより、第2の位置情報に対応するブロック31が通行可能である場合に、誤って、カート10が実際に位置しないブロック31に推定されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、グリッドマップ30は隣接するブロック31を含み、制御部15を、推定された第1の位置情報が、1つのブロック31から1つのブロック31に隣接するブロック31に移動する前後において、ジャイロセンサ13により検出された角速度より求められたカート10の角度情報の変化量が2度以下の場合で、かつ、第3の位置情報に基づいて、カート10が複数のブロック31に渡って略直進していると判断される場合、ジャイロセンサ13により検出された角速度より求められたカート10の角度情報を、直進に対応する角度情報に補正するように構成する。ここで、カート10が略直進している場合でも、ジャイロセンサ13の検出誤差に起因して(誤差が積算されて)、カート10の角度が直進以外の角度であると判断される場合がある。そこで、上記のように構成することにより、カート10の角度が誤って判断されるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、グリッドマップ30を、所定区画200内の走行面204に対応するXY座標と、所定区画200内の各階に対応するZ座標とを含むように構成する。これにより、所定区画200がZ方向(上下方向)に複数の階層分存在する場合でも、容易に、カート10の自己位置の推定を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、RFIDリーダ14を、カート10がRFIDタグ20の近傍に位置した場合に、シリアル番号を読み出すように構成する。ここで、カート10がRFIDタグ20から比較的離れた遠方においてもシリアル番号を読み出し可能にRFIDリーダ14を構成した場合、RFIDリーダ14が読み出した位置(カート10の位置)と、RFIDタグ20が配置されている位置とが比較的離れている場合がある。この場合、RFIDタグ20の固有のシリアル番号に基づいて第1の位置情報を第2の位置情報に補正した場合、実際のカート10の位置から比較的離れたRFIDタグ20の位置にカート10の位置が補正されてしまう。そこで、上記のように構成することによって、実際のカート10の位置に適合するように、RFIDタグ20の固有のシリアル番号に基づいて第1の位置情報を第2の位置情報に補正することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、カートの自己位置を推定するシステムを示したが、たとえば、カート以外の移動体の自己位置を推定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、カートの移動経路近傍にRFIDタグを配置する例を示したが、たとえば、RFIDタグ以外のICタグ(電波を受けて働く電子装置)を配置してもよい。
また、上記実施形態では、車輪の回転角を検出するためにエンコーダを用いる例を示したが、たとえば、エンコーダ以外の機器によって車輪の回転角を検出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、RFIDタグのシリアル番号が対応付けられたグリッドマップ上の座標に基づいて、第1の位置情報を第2の位置情報に補正する例を示したが、たとえば、シリアル番号以外の識別情報を用いて、第1の位置情報を第2の位置情報に補正してもよい。
また、上記実施形態では、RFIDタグが移動経路のカーブ部分の曲がり角の前後に設けられる例を示したが、たとえば、移動経路の直線部分に設けてもよい。具体的には、移動経路の直線部分が長い場合には、移動経路の直線部分に沿ってRFIDタグを複数配置してもよい。
また、上記実施形態では、RFIDリーダがシリアル番号を読み出した時点で、第1の位置情報を第2の位置情報に補正することを開始する例を示したが、たとえば、RFIDリーダがシリアル番号を読み出してから所定時間経過後、第1の位置情報を第2の位置情報に補正してもよい。
また、上記実施形態では、通行可否フラグに基づいて第2の位置情報に対応するブロックが通行可能でないと判断される場合、第2の位置情報から最も近接する通行可能なブロックに対応する座標を、カートの第3の位置情報として推定する例を示したが、たとえば、第2の位置情報から最も近接する通行可能なブロック以外の通行可能なブロックに対応する座標をカートの第3の位置情報として推定してもよい。
また、上記実施形態では、カートが4つのブロックに渡って略直進していると判断される場合(でかつ、カートの角度情報の変化量が所定の値以下の場合)、カートの角度情報を直進に対応する角度情報に補正する例を示したが、たとえば、4つのブロック以外の複数のブロックに渡って略直進していると判断される場合、カートの角度情報を直進に対応する角度情報に補正してもよい。
また、上記実施形態では、カートの角度情報の変化量が2度以下の場合(でかつ、カートが4つのブロックに渡って略直進していると判断される場合)、カートの角度情報を直進に対応する角度情報に補正する例を示したが、たとえば、カートの角度情報の変化量が、2度以外の所定の値以下の場合に、カートの角度情報を直進に対応する角度情報に補正してもよい。
また、上記実施形態では、「RFIDタグのシリアル番号に基づいた補正」、「マップマッチングによる補正」および「カートの軌跡に基づく角度情報の補正」の全てを行う例を示したが、たとえば、これらの補正のうちのいずれか1つまたは2つを行ってもよい。たとえば、図16に示すように、「RFIDタグのシリアル番号に基づいた補正」のみを行った場合でも、カートの位置の推定の精度をある程度高めることが可能である。
また、上記実施形態では、制御部、記憶部および表示部がカートに設けられる例を示したが、たとえば、制御部、記憶部および表示部をカートとは別個に(たとえば、PC(パーソナル コンピュータ)などに)設けてもよい。
10 カート(移動体)
12 エンコーダ(回転角検出器)
13 ジャイロセンサ
14 RFIDリーダ(読出部)
15 制御部
16 記憶部
20 RFIDタグ(ICタグ)
30 グリッドマップ
31 ブロック
100 自己位置推定システム
200 所定区画
203 移動経路
203b カーブ部分
204 走行面

Claims (11)

  1. 所定区画内を走行する移動体の自己位置を推定する自己位置推定システムであって、
    前記移動体の車輪の回転角を検出する回転角検出器と、
    前記移動体の角速度を検出するジャイロセンサと、
    前記所定区画内に配置され、固有の識別情報を有するICタグと、
    前記移動体に設けられ、前記ICタグの前記識別情報を読み出す読出部と、
    前記回転角検出器により検出された回転角と、前記ジャイロセンサにより検出された前記移動体の角速度とに基づいて、前記移動体の前記所定区画内における第1の位置情報を推定するとともに、前記読出部により読み出された前記識別情報に基づいて、推定された前記第1の位置情報を前記ICタグの実際の位置に対応した第2の位置情報に補正する制御部とを備える、自己位置推定システム。
  2. 前記移動体が走行する前記所定区画内に対応して座標を設定したグリッドマップが記憶される記憶部をさらに備え、
    前記識別情報は、前記グリッドマップ上の座標に対応させて前記記憶部に記憶されており、
    前記制御部は、前記識別情報が対応付けられた前記グリッドマップ上の座標に基づいて、前記第1の位置情報を前記第2の位置情報に補正するように構成されている、請求項1に記載の自己位置推定システム。
  3. 前記ICタグは、前記移動体の移動経路のうちのカーブ部分の曲がり角の前後に設けられており、
    前記制御部は、前記読出部により読み出された前記識別情報に基づいて、前記移動経路のうちのカーブ部分の曲がり角の前後における推定された前記第1の位置情報を前記第2の位置情報に補正するように構成されている、請求項1または2に記載の自己位置推定システム。
  4. 前記制御部は、前記読出部が前記識別情報を読み出したことに基づいて、前記第1の位置情報を前記第2の位置情報に補正することを開始するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の自己位置推定システム。
  5. 前記移動体が走行する前記所定区画内に対応して座標を設定したグリッドマップが記憶される記憶部をさらに備え、
    前記記憶部は、前記グリッドマップの各々のブロック上を前記移動体が通行可能か否かを表す通行可否情報を記憶しており、
    前記制御部は、前記通行可否情報に基づいて前記第2の位置情報に対応する前記ブロックが通行可能でないと判断される場合、前記第2の位置情報から最も近接する通行可能な前記ブロックに対応する座標を、前記移動体の第3の位置情報として推定するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自己位置推定システム。
  6. 前記制御部は、前記第2の位置情報から最も近接する通行可能な前記ブロックが複数ある場合に、前記通行可能な複数のブロックのうち、前回の推定された前記移動体の位置に最も近接する前記ブロックに対応する座標を前記第3の位置情報として推定するように構成されている、請求項5に記載の自己位置推定システム。
  7. 前記制御部は、前記通行可否情報に基づいて前記第2の位置情報に対応する前記ブロックが通行可能であると判断される場合、前記第2の位置情報を前記第3の位置情報として推定するように構成されている、請求項5または6に記載の自己位置推定システム。
  8. 前記グリッドマップは、第1のブロックと、前記第1のブロックに隣接する第2のブロックとを含み、
    前記制御部は、推定された前記第1の位置情報が、前記第1のブロックから前記第2のブロックに移動する前後において、前記ジャイロセンサにより検出された角速度より求められた前記移動体の角度情報の変化量が所定の値以下の場合で、かつ、前記第3の位置情報に基づいて、前記移動体が複数の前記ブロックに渡って略直進していると判断される場合、前記ジャイロセンサにより検出された角速度より求められた前記移動体の角度情報を、直進に対応する角度情報に補正するように構成されている、請求項5〜7のいずれか1項に記載の自己位置推定システム。
  9. 前記グリッドマップは、前記所定区画内の走行面に対応するXY座標と、前記所定区画内の各階に対応するZ座標とを含む、請求項2および5〜8のいずれか1項に記載の自己位置推定システム。
  10. 前記読出部は、前記移動体が前記ICタグの近傍に位置した場合に、前記識別情報を読み出すように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の自己位置推定システム。
  11. 所定区画内を走行する移動体の自己位置を推定する自己位置推定方法であって、
    回転角検出器により検出された車輪の回転角と、ジャイロセンサにより検出された前記移動体の角速度とに基づいて、前記移動体の前記所定区画内における第1の位置情報を推定することと、
    読出部により読み出された前記所定区画内に配置されるICタグの固有の識別情報に基づいて、前記推定された前記第1の位置情報を前記ICタグの実際の位置に対応した第2の位置情報に補正することとを備える、自己位置推定方法。
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