JP2016057914A - 省電力回路とその回路を用いた被検索物検索装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】IDで識別されるようにした物品を、その保管されている場所から効率良く取出す装置と、それに使用する省電力回路を提供する。【解決手段】コンデンサをコンパレータ回路の一方の入力端子と電源の+端子間に直列接続すると共に、接地側とコンデンサとの間に感知手段を直列接続し、常時は微弱電力により待機し、所定の赤外線受光により起動してIDの一致・不一致をチェックする検出回路であって、受信波長の強度を、実質的にその認識期間のみ増幅させる。【選択図】図3
Description
本発明は、IDで識別されるようにした物品を、その保管されている場所から効率良く取出す装置と、それに使用する省電力回路に関する。
現在、例えば宅配時に不在で、集配拠点に一時保管される物品について考えると、多数の物品は全く関連性がなく、大きさや形状もまちまちであることや、拠点での一時保管も所定の場所に無造作に並べて保管されることが多く、依頼者からの再配達の要請や、直接受け取りに来た際に、特定の物品を特定して取出す必要がある。そしてこれはその他、カルテや図書、他のドキュメント、部品や産品の整列保管、不規則的な物流現場でも似た状況にあると言える。
ところで、現場では、物品に赤外線によるIDタグを物品に付して、端末に特定のデータを入力して発光させ、これを受光したIDタグの発光により物品を特定することは古くから知られている。
IDタグは、常時通電させておいて、いつでも端末からの発光を受光できるように電源を入れておくと、応動性は優れるので、IDタグに常時給電することにより、応動性を確保できるが、電力消費が高くなるため、IDタグに常時給電が困難な状況での検索への対応が困難であった。
本発明は、待機時は低電力消費状態とし、検索端末器からの赤外線発光等の信号を受信してIDタグが本稼働することにより、消費電力を抑えることにより、IDタグに常時給電が困難な状況においても、長期の使用に耐え得るようにしようとするものである。更には、所定の(赤外線)IDの認識は、赤外線受光等の信号の強度を、その認識期間のみ、増幅させるようにしたので、ID認識動作に要する使用電力も低減されるために、2重に省電力化を図ろうとするものである。
IDタグへの給電が、AC電源と関連付けられる状況にある場合は、それ程省電力化を図る必要もないが、IDタグにAC電源からの給電が関連付けられない状況の場合は、電池により、本動作も待機時も給電を行うため、現状では2、3か月程度の短期間しか待機できないものであった。そして、IDタグを小型化することが多いが、それに応じて電池も小型となり、容量が制限され、頻繁な電池交換を余儀なくされるために、状況によっては赤外線送受信による検索は行えない欠点があった。
そこで待機時の使用電力を更に抑制し、計算上、10年程度は電池の交換をしなくても済む実用的な省電力回路が求められている。
例えば、赤外線受光アンプを常時待ち受け状態に駆動させておくと、その待機電流が400uAの場合、電池CR2025(160mAh)を2個とすると、320mAhの容量となり、
式: 320×1000/400=800(使用可能時間)となり、
1日24時間で割ると、
800/24=33.33333 (日)
33.33333/365 =0.091324 (年)となり、1か月程度で電池を消耗してしまうことになる。
式: 320×1000/400=800(使用可能時間)となり、
1日24時間で割ると、
800/24=33.33333 (日)
33.33333/365 =0.091324 (年)となり、1か月程度で電池を消耗してしまうことになる。
他方、赤外線受光アンプを常時は切断状態とし、待ち受け待機状態(例えば3.5uA)とした場合は、
式:320×1000/3.5=91428.57(使用可能時間)
これは1日24時間で割ると、91428.57/24=3809.524 (日)、更に1年365日で割ると、3809.524/365=10.43705(年)となる。
式:320×1000/3.5=91428.57(使用可能時間)
これは1日24時間で割ると、91428.57/24=3809.524 (日)、更に1年365日で割ると、3809.524/365=10.43705(年)となる。
従って、赤外線受光アンプを実質的に最小限度必要なときのみ瞬間的に駆動させるようにし、大半は駆動しない状態にして待機させることにより、限りなく最小限の待ち受け状態に近い消費電力とすることにより、IDタグに電池以外の給電手段がない場合も、長期の使用に耐えることができる回路と検索方法を提供しようとするものである。
また省力化に関しては、コンパレータにフォトトランジスタを作用させることにより、例えば液晶のバックライトの照度を日中は夜間よりも暗く落とすことが知られている(特許文献1参照)。
しかし、これは、コンパレータにフォトトラジスタを作用させているのは、明るい場合に供給電圧を落として液晶の照度を落とすためのもので、直流成分を除去して交流成分のみを通過させることは意識されていない。本発明はまた、コンパレータの作動により受光赤外線を識別して被検索物に装着されたIDタグのIDと一致するかどうかの判別を極小電力により行えるようにしようとするものである。
本発明は、例えば、多数の保管された物品の中から特定の物品を効率良く取出そうとするものであって、赤外線の送受信を用い、また受信赤外線を増幅して検出するものであるが、検索端末器に特定データを入力して、そのデータに基づき、特定の物品を探し出すものであるが、待機時の物品に装着されたIDタグの消費電力を赤外線受光アンプは被検索時に待機し、必要時のみに駆動させ、またコンパレータによるIDの識別も低電力により行えるようにして、特にIDタグの使用電力を極限まで低減させようとするものである。尚、以下の記載は、赤外線を例にとっているが、可視光線であっても良いし、光線以外の電磁波(例えばRFID)も同様に適用できる。
本発明は、図1のように、多数の大きさや形もまちまちの被検索物1、1・・・が保管場所2に不整列に保管されていて、被検索物1に取り付けられた検索子機3と、前記被検索物1を特定するための認識情報が必要時に適宜管理手段4より書き込む検索端末器5を備えるもので、被検索時は、検索子機3は待機状態であるが、検索時に検索端末機5より検索のための赤外線を送信すると、それを受信することにより検索子機3が起動して、受信した検索情報が合致した場合に、検索子機3が発光してその所在場所を操作者に知らせるものである。尚、被検索物1は、サイズが揃い、整然と保管されている場合でも構わない。
ここで検索子機3は、図2のように、赤外線受光素子11と赤外線発光素子12がメモリー管理手段10により制御され、赤外線受光アンプ13は赤外線受光素子11の受光データによりメモリー管理手段10で制御している。メモリー管理手段10には電圧検出手段14と制御データ記憶手段(E2PROM)15が接続される。
赤外線受光アンプ13はTVなどに使用されている安定したものであって、下記実施例でも38kHzの搬送波が設定され、通信距離が例えば多用される3〜5mと離れていても安定している。
赤外線受光素子11は、検索端末器5からの赤外線を受信して、所定のIDに合致するものであるかどうか、ノイズであるかどうか等を判断し、所定のIDと合致した赤外線受光の場合に、赤外線発光素子12を点滅又は発光させる。
赤外線受光素子11は、コンパレータの前段にフォトトランジスタを配置した回路で制御されるもので、所定強度以上の赤外線の受光によりコンパレータを作動させるものであるが、更にフォトトランジスタ(又はフォトダイオード)とコンパレータとの間にコンデンサを直列に挿むことにより、所定の時間の赤外線受光である場合(リーダーパルス)のみに赤外線受光アンプ13を作動させるようにしている。
また通信データは“0”と“1”のデジタルデータであるが、光通信の距離が離れると、フォトトランジスタの信号レベルの変化が極小になり、デジタルデータとしてマイコンが認識できなくなる。そこで本発明では、コンデンサC5でカップリングし、デジタルデータ中のアナログ成分だけ抜き出し、後段のコンパレータはアナログデータを増幅しデジタルデータとして扱っている。
図7の(1)はフォトトランジスタの受光電圧の変化の一例を示すもので、縦軸は電圧であって、一目盛は500mV、縦軸は時間であって、一目盛は2msである。そして検索端末器5を操作してからのフォトセンサの電圧が、図示例では、通常の雰囲気での状態で検索端末器5のスイッチを入れてから、A−B点間で電圧の変化(リーダーパルス)があるので、受光と判断してC点で赤外線受光アンプ13が駆動することになる。そして赤外線受光アンプ13の駆動開始以降にID信号波形が現れる。C−D点間が赤外線受光アンプ13の駆動期間であり、E点は検索子機3のIDの識別応答コマンド終了地点である。
ここで(2)はフォトセンサ直後に配置されたコンデンサC5により直流成分を分離(カップリング)し、交流成分のみが通過してコンパレータに送られる状態を示すもので、図示例では(1)の2500mvレベルより少し落ちて2300mv程度に落ちているが、これは、コンデンサC5で200mv程度吸収されていて、デジタルデータが除去されたことを意味する。
(2)の波形の10ms辺りまでの電圧変化によりコンパレータが作動した状態が(3)のコンパレート後の波形として現れるもので、ここで赤外線受光アンプ13の駆動時間は図示例では10ms程度の極短時間である。
(3)では0mvが続く10ms以降のデジタル信号の降下部分の幅が狭まっていたのが、この増幅により、上昇部分の幅と略均等に拡大修正され、この波形がIDタグに内蔵のデータと一致するかどうかを、メモリー管理手段10が判断することになる。
即ち、赤外線発光素子12がメモリー管理手段10により制御されるが、赤外線受光素子11が検索端末器5から発光発信された微弱な受光・電流の変化を検出してそれを赤外線受光アンプ13により、(4)のようにメモリー管理手段10が動作できる程度に増幅して、検索子機3のIDと一致するかどうかを比較する。
尚、ここまでは検索端末器5を操作して、検索子機3が反応するまでの概略を示したが、検索端末器5を操作していない状態で、ノイズ混信を含んだものでは赤外線受光アンプ13は駆動しない。
図17から図19は、これらの動作概略フローを示すもので、検索子機3は被検索物1に装着されて保管場所2に置かれた時、検索子機3は待機状態モードであり、検索端末器5による赤外線発光を受光するまでスリープモードで待機する。ここで本発明は図3の省電力部Aにより、超低消費電力モードで待機するもので、コンパレータ回路は超低消費電流(1〜3uA)で待機している。
ここで、赤外線受光素子11の受信強度が低い場合はスリープモードに戻って待機を繰り返すが、所定の強度以上の赤外線を受光すると、赤外線受発光ルーチン(図17)に移行する。
赤外線受発光ルーチンでは、所定の強度以下のノイズを拾った場合は、外乱ノイズと判断(図8の波形図参照)し、図16のスタートに戻る。ノイズではなく、赤外線受光信号と判断(図7〜図11の波形参照)されると、赤外線受光アンプ13が起動して、検索子機3のIDを識別し、一致した時は、赤外線発光素子12のLEDを点灯・点灯させる。
IDが不一致の場合や信号レベルが規定値に達しない場合は、いずれも図16のスタートに戻って待機状態に戻る。
図18のLED点灯処理ルーチンに入ると、赤外線Ack(肯定応答)出力によりLED点滅回路が起動し、所定時間、検索子機3のLEDが点滅して所在を検索者に報知する。それを見付ければ、被検索物1を取り出すことができ、管理装置4で回収後の処理を行い、被検索物1より検索子機3を取り外し、再使用に備えるもので、スタートルーチンに戻る。検索子機3の表示は上記LED以外の表示灯であっても良いし、音声或いはそれらの併用であっても構わない。
一方、所定の時間内に被検索物1を、その検索子機3のLEDが点滅しているのに、所定の時間内に見つからない場合は、LEDの点灯・点灯が繰り返されるが、タイマー回路により、一定の時間経過後、点滅・点灯を停止するようにしても良い。
ここで、本発明においては、赤外線受光素子11からの受信光を受けた時のみ、赤外線受光アンプ13で増幅することにより、待機時の使用電力を抑制することができるようにしてあるに特徴があり、更に、赤外線受光素子11の回路が、コンパレータの前段にフォトトランジスタ及びコンデンサを用いた省電力部を配置した点に特徴がある。
即ち、赤外線受光アンプ13は、例えば、38kHzの搬送波が乗ったASK(Amplitude shift keying)変調することができ、外乱ノイズに強くなり、データの信頼性維持に欠かせないものであるが、赤外線受光素子11からの受信光を受けた時のみ、駆動するようにしたため、IDタグに内蔵の検索子機3の使用電力を低減させることができるものである。
また、コンパレータの前段にフォトトランジスタ及びコンデンサを用いた省電力部を配置したことにより、通信データ中の直流成分をカットすることで必要な通信データのみ取り出しができ、後段のコンパレータループ回路で電池電圧が変化してもマイコンに認識可能なデータに変更することができるものである。即ち、コンパレータにより比較するための電流を低くても比較させることができて、その際、待機消費電力を超低電力とすることができたので、待機時の使用電力の超省力化を図ることができる。
従って本発明は、被検索物1に取り付けられた検索子機3と、前記被検索物1を特定するための認識情報が必要時に適宜管理手段4より書き込む検索端末機5を備えるもので、被検索時は、検索子機3は待機状態であるが、検索時に検索端末機5より検索のための赤外線を送信すると、それを受信することにより検索子機3が起動して、受信した検索情報が合致した場合に、検索子機3が発光してその所在場所を操作者に知らせるものであるが、その際、赤外線受光アンプ13を常時使用する(通電する)場合は、赤外線受光アンプ13の常時通電に大きな消費電力を要し、殊に、AC電源を使えない状況では、使用電池の寿命が2,3ヶ月程度と短く、被検索物1に装着する検索子機3としては、電池交換が頻繁過ぎて非実用的であるが、本発明では、赤外線受光アンプ13が必要時のみ駆動するので、使用電力が低く抑えられる。被検索物1としては、多数の大きさや形もまちまちで、保管場所2に不整列に保管されている場合は勿論、整然と保管された場合にも適用できる。
これらの動作時及び待機時の超低電力化を実現できたことにより、小型、軽量、小容量のボタン電池で実用上少なくとも10年以上となり、検索子機3の頻繁な電池交換を不要とすることができる利点がある。
尚、電磁波タイプの場合、一般にパッシブタイプ(リーダからの電磁誘導やマイクロ波を用いてタグに電源を供給し,同時にIDなどを読み書きする。タグの読取可能範囲(リーダのアンテナからの距離)は,数cm〜最大数m程度)と、アクティブタイプ(電池を内蔵しており,タグ自身が微弱無線などで一定時間(1秒〜数分程度)おきにIDを発信する。IDの読取可能範囲は数m〜最大数十m程度。)があるが本発明は、電池を内蔵するアクティブタイプの場合には適用が可能である。この電磁波の場合は、波長感知手段を、フォトランジスタに代えて電磁波検出素子とし、赤外線受光アンプ13に代えて電磁波対応アンプで対応することになる。また、赤外線受光素子11、赤外線発光素子12等も電磁波に対応した受信、発信素子に変更することになる。
以下本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の1実施例の概略を示すもので、多数の大きさや形がまちまちで不揃いの被検索物1、1・・・(例えば宅配時不在で、再配達に備え待機保管された物品)が無造作に所定の保管場所2に保管されている。これらの被検索物1には、それぞれIDを特定した検索子機3が取付けられている。その検索子機3のIDは、管理手段4により管理される。
検索子機3は、それぞれに独自のデータが付与されたIDタグのようなものであって、赤外線受光素子11が特定のIDと一致した信号の受信により、赤外線発光素子12が発光することにより、検索者に被検索物1の所在を報知するものである。尚、報知は、(音、振動等に変えても良いし、音、振動等との併用でもか舞わない。)
ここで検索子機3は、図16のように、常時はスリープ状態になっていて、赤外線受光素子11が、検索端末機5からの赤外線発光を受光することにより、ウェークアップする。ウェークアップすると、受光が赤外線発光素子12からの発光かどうか、その発光であれば、そのデータ解析を行い、自身のIDと一致するかどうかを判断し、一致すれば、赤外線発光素子12を点滅乃至発光させ、不一致の場合はスリープに戻って待機する。また、上記で赤外線受光素子11がノイズを受光した場合も、ウェークアップするが、所定の赤外線受光でないのでスリープに戻る。
赤外線受光素子11による受光が所定のレベルに達しているかどうかの判断は、信号レベル判断回路で行うことになるが、その要部は、低電力で判断ができるものである。更にその前段に図3の省電力部を配置する。
この信号レベル判断回路は、マイクロアンペアの微弱電流の変化でノイズか、所定の赤外線受光による電流かを判断するので、その使用電力を低減さえるものであるが、その前段の省電力部は、フォトトランジスタを介在させて信号レベル判断回路に接続したものであり、微弱な赤外線受光に基づく微細な電流変化を拡大させて信号レベル判断回路に伝えるもので、特に、スリープ時の待機使用電力を低減させるものである。
次に、赤外線受光素子11が所定のリーダパルス(例えば5ms)を持つ赤外線受光を行うと、赤外線受光アンプ13が起動し、受光信号を増幅させて、メモリー管理装置10に接続した電圧検出手段14が制御データ記録手段15に書き込まれた自身の固有のIDデータと比較し、一致するかどうかを判断し、一致すれば図5のLED点灯回路により、赤外線発光素子12を発光させたり点滅させたりし、不一致の場合は、スリープに戻って待機することになる(図17参照)。
ここで、現行のテレビ等の汎用リモコンを検索子機3のLID本体の赤外線受光素子11に向けて発光した場合の電圧の変化を示す波形図であり、パナソニック株式会社製のリモコン図14は、リモコンから発せられるリーダーパルスが3.4msであり、ソニー株式会社製のリモコン図15はリモコンから発せられるリーダーパルスが2.44msでありあるために、リーダーパルスが5mSに設定されている赤外線受光素子11はそれを認識できず、従って赤外線受光アンプ13は起動せず、スリープ状態のままである。因みにここで比較のために使用したパナソニック株式会社製のリモコンの型番はN2QAYB000216であり、ソニー株式会社製のリモコンの型番はRM−JD024である。
他方、本発明の検索端末器5のリーダーパルスは図13のように5msであって、受光が認識されると、その直後、赤外線受光アンプ13が起動し、受光波形を該当のIDと一致するかどうかをチェックする。
図示例では、図12、図13のように、A点で検索端末器5がオン(0ms)され、B点はリーダーパルスの5msであり、その直後のC点(6.2ms)で赤外線受光アンプ13が起動し、D点(18.27ms)赤外線受光アンプ13の電源がオフする。E点(32.4ms)は応答コマンド終了地点である。同上の実際に検索端末器を操作していない待機状態から、検索端末器5をオンにし、それの赤外線受光であることを認識し、赤外線受光アンプ13が駆動し、検索子機3によるID比較を終えるまでの一連の流れの中での各波形の変化を示すもので、A−Bのリーダーパルスの認識後、赤外線受光アンプ13が、検索子機3のID比較の間だけ起動し、それが済むと、赤外線受光アンプ13は電源が切れる。上記のID比較のコマンドは、その後に終了することになる。
尚、図12で、(3)コンパレータ出力と、(4)赤外線受光アンプ13による増幅後の波形は、最初電源が切れている(0V)ためで、キャリア部分は増幅されて0V−3Vのデジタル波形(4)が確認でき、その後電源が切れて0Vになっている事が確認できる波形である(論理反転波形ではない)。
ここで、赤外線受光素子11による受光微弱電流変化は、それ自体、微弱であるため、IDデータの比較動作に不十分であるが、赤外線受光アンプ13により増幅させることにより、IDデータ比較動作で一時的にメモリー管理手段10(図4の回路参照)が作動する時は、判断が正確に行われるように担保し、時間的に大半の比較検討動作を行わない時は、赤外線受光アンプ13は作動せず、省電力状態を維持できる。尚、電池電圧検出手段14はボタン電池16の自己電圧をマイコンで測定していて(図6参照)、規定電圧以下になると警報を発するようにしても良い。
また、図7は図3のポイント(1)、(2)、(3)及び図4のポイント(4)での電圧の変化を示すものであり、更に図8〜図11は、それぞれこれらのポイント(1)〜(8)の波形を拡大したものである。また図中、(1)〜(4)は図3、4の回路での(1)から(4)のポイントでの電圧の変化の一例の波形を示すもので、各ポイントの検索子機3のスイッチオン時点をゼロとした相対的時間経過は次の通りとした。
A:IDタグに内蔵の検索子機(マイコン)オン・・・0ms
B:(A−B:リーダーパルス)・・・・・・・・・・・5ms
C:赤外線受光アンプ・オン・・・・・・・・・・・6.2ms
D:データ受信完了・・・・・・・・・・・・・・18.2ms
E:応答コマンド終了・・・・・・・・・・・・・32.4ms
即ち、A以前は検索端末器5を操作していない待機状態であり、Bで検索端末機5のスイッチをオンすると、検索子機3のスイッチがオンすることになる。これらは図7〜図12において共通である。
A:IDタグに内蔵の検索子機(マイコン)オン・・・0ms
B:(A−B:リーダーパルス)・・・・・・・・・・・5ms
C:赤外線受光アンプ・オン・・・・・・・・・・・6.2ms
D:データ受信完了・・・・・・・・・・・・・・18.2ms
E:応答コマンド終了・・・・・・・・・・・・・32.4ms
即ち、A以前は検索端末器5を操作していない待機状態であり、Bで検索端末機5のスイッチをオンすると、検索子機3のスイッチがオンすることになる。これらは図7〜図12において共通である。
図8は図7の波形(1)をy軸方向に拡大したもので、フォトトランジスタは、この検索端末器5からの赤外線を受光して2800mV付近を上下の中心とした上下幅のある波形となるが、図8のように2.815Vラインを挟んで電圧差Δy=300mVの幅を持つのは、受光素子−発光素子間に距離が有るためである。そして、電圧差Δy=300mVは、図中左下 2.815V−2.515Vと表示されているように、A−B間とB−C間の電圧である。
ここで、このコンデンサC5を入れなければ、(1)の250mVがV1となるが、これと、コンデンサC5を入れた時の得失を説明する。コンデンサC5があるため直流除去した信号をプルアップにて+VCCからの信号変化になるようシフトしている。
図9は図7の波形(2)をy軸方向に拡大したもので、コンパレータとの間の0.1uFのコンデンサC5により直流電流を蓄積して除去し、(1)の信号の交流だけを取り出したものであって、電圧差Δy=405mV程度である。図3の回路でフォトトランジスタからコンデンサC5を通過し、直流成分が吸収されて交流成分のみが通過すること(カップリング)により、(2)ポイントの波形は図9のようになる。即ち、ここでは、2.815Vラインを挟んで電圧差Δy=405mVの幅を持つのは、カップリングで直流が交流になったためである。
また、従来の技術ではカップリングは必要ないが、本発明でカップリングが必要な理由は、デジタル→アナログに変換することで太陽光などの強力な赤外線でフォトトランジスタの信号変化の電圧が変わっても高周波成分の信号が残り、コンパレータの信号変化に効率よく変化を取ることができるため、カップリングを行っている。
図10は図7の波形(3)をy軸方向に拡大したもので、コンパレータを使用し基準電圧(V2)に対し、信号(V1)が一例として、17mV以上で“Hi”となり、信号(V1)が12mV以下で”Lo”とする。このコンパレータ回路も超低消費電流(1〜3uA)で構成する。尚、上記基準は、用途に応じて適宜変更することができる。
図3のコンパレータ出力(3)で、本発明で使用している検索端末器5のリーダーパルス(A−Bの波形)を認識することにより、Bより僅かに遅れ、C点で赤外線受光アンプ13がオンとなり、コンパレータが作用する。
検索端末器5からの波形が検索子機3のIDと一致すれば、赤外線発光素子12を点灯させる。不一致の場合は赤外線発光素子12は点灯しない。この検索子機3のIDの比較のコマンドが終わる地点がE点であって、待機状態に戻る。
尚、リーダーパルス、及び赤外線アンプ13による増幅波形、コマンド終了を示す波形の振幅はΔy=3Vレベルと大きいので、検索端末器5からの赤外線の発光レベル(つまりはその消費電力)が極小であっても、IDの一致・不一致を確実に識別できることになる。
図11は図7の波形(4)をy軸方向に拡大したもので、C−Dの間だけ、赤外線受光アンプ13が3Vレベルで通電して駆動していることを現している。即ち、赤外線受光アンプ13の出力波形(4)は、38kHzのキャリアが入っている赤外線だけ増幅する。赤外線受光アンプ13の消費電流が350uAと比較的大きくなるが、実質的にその認識期間である短時間(図7で表示すれば(4)の10ms以降の10ms程度)だけ起動し、動作時以外は電源を切っている。ここで、赤外線受光アンプ13の駆動時間を、実質的にその認識期間のみとしたが、少なくともIDの一致・不一致の認識期間を含めば、多少のオーバーは許容される。
形や大きさが不揃いな被検索物1を脈絡なく保管場所2に保管して、必要時に迅速に取出すような現場、例えば、宅配などで配達時に不在だった場合に、再配達や受け取りに迅速に対応できるものであり、殊に、保管場所で特別な設備等を設けなくても、被検索物1に設置する検索子機3の待機使用電力並びに動作時の使用電力を低減させ、小型のボタン電池であっても、10年程度、少なくとも2,3年以上は電池を交換することなく、連続使用に耐える実用的はシステムを構築することができる。
また赤外線送受信によるものであるので、省スペースでの被検索物1の検索を簡単かつ安価に行えるものである。
尚、上記実施例は赤外線送受信方式のものを示したが、可視光線であっても良いし、それ以外の電磁波送受信方式の場合でも、電磁波に対応した送受信検出素子又は回路で電磁波を受信する場合も、同様に常時は極低電力での待機可能とし、また、必要時のみ電磁波対応アンプを短時間だけ駆動させて、同様に低電力での使用を可能とし、ボタン電池等での長時間使用を可能とすることにも対応できるものである。
1は被検索物、2は保管場所、3は検索子機、4は管理装置、5は検索端末器、11は感知手段(赤外線の場合は赤外線受光素子)、13はアンプ(赤外線の場合は赤外線受光アンプ)である。
Claims (5)
- コンデンサをコンパレータ回路の一方の入力端子と電源の+端子間に直列接続すると共に、接地側と上記コンデンサとの間に感知手段を直列接続したことを特徴とするコンパレータの省電力供給回路。
- 常時は微弱電力により待機し、所定の波長の受信により起動してIDの一致・不一致をチェックする検出回路であって、上記受信波長の強度を、実質的にその認識期間のみ増幅させるようにしたことを特徴とする省電力検出回路。
- 所定の波長の受信によるID認識により被検索物1に付された検索子機3を特定させるに当たり、コンデンサをコンパレータ回路の一方の入力端子と電源の+端子間に直列接続すると共に、接地側と上記コンデンサとの間に感知手段を直列接続したコンパレータの省電力供給回路を具備したことを特徴とする被検索物検索装置。
- 所定の波長の受信によるID認識により被検索物1に付された検索子機3を特定させるに当たり、常時は微弱電力により待機し、赤外線受光により起動してIDの一致・不一致をチェックする検出回路であって上記受信波長の強度を、実質的にその認識期間のみ増幅させるようにした省電力検出回路を具備したことを特徴とする被検索物検索装置。
- 所定の波長の受信によるID認識により被検索物1に付された検索子機3を特定させるに当たり、コンデンサをコンパレータ回路の一方の入力端子と電源の+端子間に直列接続すると共に、接地側と上記コンデンサとの間に感知手段を直列接続したコンパレータの省電力供給回路を具備すると共に、常時は微弱電力により待機し、赤外線受光により起動してIDの一致・不一致をチェックする検出回路であって、上記受信波長の強度を、実質的にその認識期間のみ増幅させるようにした省電力検出回路を具備したことを特徴とする被検索物検索装置。
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2014
- 2014-09-10 JP JP2014184531A patent/JP2016057914A/ja active Pending
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