JP2016056393A - 希土類含有合金のリサイクル装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃液や添加試薬量の少ない電解を利用して、希土類含有合金から希土類元素を簡単な電圧制御で高精度に回収できること。【解決手段】ハロゲン化物を含む溶融塩15を貯溜する電解槽11と、この電解槽内に配置された陽極12及び陰極13と、希土類含有合金16を電解槽内で保持し且つ気体を通過可能な容器14とを有し、陽極及び陰極間に電源18から電圧を印加したときに陽極で発生するハロゲンガス17により、希土類含有合金16の希土類元素を希土類ハロゲン化物とし、希土類元素イオンとして溶融塩15中に溶出させるよう構成されたものである。【選択図】 図1
Description
本発明は、希土類含有合金から希土類元素を回収する希土類含有合金のリサイクル装置及び方法に関する。
近年、永久磁石の原料として、ネオジム(Nd)、ディスプロシウム(Dy)、サマリウム(Sm)等の希土類元素の需要が高まっている。これら希土類元素は、一般的にバストネサイトやイオン吸着鉱などの鉱石に含まれており、採掘、選鉱、湿式・乾式処理等を用いて回収される。ところが、希土類含有鉱石は地理的に偏在しているため、供給リスクが近年問題となっている。また、鉱石からの希土類元素回収時には、ウランやトリウムといった放射性物質が廃棄物として発生するといった課題もある。
これら課題を解決するため、希土類含有製品から希土類元素やレアメタルなどの有価物を回収し、資源の安定供給や廃棄物量削減を目指す動きがある。有望な回収対象としては、ネオジム磁石作製時に発生する工程屑や、製品に内蔵されたネオジム磁石からのNd、Dyなどである。ネオジム磁石は、エアコンのコンプレッサや洗濯機のモータ、電気自動車のモータ等に使用されており、今後磁石の使用量が増加するに従って、工程屑や製品内蔵磁石からの回収が盛んに行われると考えられる。
ネオジム磁石を回収対象とした場合、ネオジム磁石を粉砕、焼成、酸溶解した後、沈殿剤を添加して希土類化合物を得る湿式法と、希土類化合物を出発物質として溶融塩電解により金属に還元する乾式法とを組み合わせた手法が一般的である。その他、特許文献1〜4に記載の技術が提案されている。
特許文献1には、希土類磁石合金を含む原料を酸化性雰囲気中で800℃以上に加熱して合金成分を酸化物にした後、水、塩酸、アルカリなどを添加して希土類溶液を回収し、溶媒抽出法を用いて分離精製する方法が記載されている。この方法は技術的に確立されており、高純度の希土類元素が得られるが、プロセス数が多く、添加試薬量が多いなどの課題がある。上記課題を克服するために、近年、酸やアルカリを用いない前述の乾式法による希土類元素回収プロセスが提案されている。
特許文献2には、希土類含有合金をハライド塩の溶融塩に浸漬し、溶融塩中に希土類元素のハロゲン化物を抽出した後、ハロゲン化物を含む溶融塩を気化させて、希土類ハロゲン化物を回収する方法が記載されている。この方法は廃液を発生させることなく、希土類含有合金を希土類ハロゲン化物として回収可能であるが、磁石合金材料として利用するためには、溶融塩電解や金属熱還元などを用いて希土類ハロゲン化物を金属に転換する工程が必要である。
特許文献3には、希土類含有合金と溶融金属Mgとを混合し、希土類含有合金中の希土類金属(希土類元素)を溶融金属Mg中に抽出した後、650℃以上930℃以下に加熱し減圧することでMgを気化させ、希土類金属を回収する方法が記載されている。しかし、この方法では、磁石含有合金に含まれるCo、Al、Cuという希土類元素以外の成分を除去できないという課題がある。
特許文献4には、希土類含有合金を陽極に、亜鉛や錫などを陰極に用い、電位制御を行いながら溶融塩電解を行うことで、希土類含有合金中に含まれる希土類元素を選択的に溶解し、陰極で金属として回収する方法が記載されている。しかし、この方法では、選択的に希土類元素を溶解させるために精密な電位制御が必要になり、その結果、流れる電流が一定な値にならず、処理時間の予測が困難になるという課題がある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、廃液や添加試薬量の少ない電解を利用して、希土類含有合金から希土類元素を、簡単な電圧制御で高精度に回収できる希土類含有合金のリサイクル装置及び方法を提供することにある。
本発明に係る希土類含有合金のリサイクル装置は、ハロゲン化物を含む溶融塩を貯溜する電解槽と、この電解槽内に配置された陽極及び陰極と、希土類含有合金を前記電解槽内で保持し且つ気体を通過可能な保持部材とを有し、前記陽極及び前記陰極間に電圧を印加したときに前記陽極で発生するハロゲンガスにより、前記希土類含有合金中の希土類元素を希土類ハロゲン化物とし、希土類元素イオンとして前記溶融塩中に溶出させるよう構成されたことを特徴とするものである。
また、本発明に係る希土類含有合金のリサイクル方法は、ハロゲン化物を含む溶融塩を貯溜する電解槽内に配置された陽極及び陰極間に電圧を印加させ、このとき前記陽極で発生するハロゲンガスにより、前記電解槽内に保持された希土類含有合金中の希土類元素を希土類ハロゲン化物とし、希土類元素イオンとして前記溶融塩中に溶出させることを特徴とするものである。
本発明によれば、溶融塩電解により陽極で発生するハロゲンガスを用いて、希土類含有合金から希土類元素を希土類元素イオンとして溶融塩中に溶出させるので、廃液や添加試薬量の少ない電解を利用して、希土類含有合金から希土類元素を不純物なく高精度に回収することができる。このとき、この電解においては、陽極電位をハロゲンガス発生電位よりも十分大きな値に設定すれば足りるので、精密な電圧制御を行う必要がない。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1〜図3)
図1は、本発明に係る希土類含有合金のリサイクル装置における第1実施形態を示す側面構成図であり、図2は、図1の希土類含有合金のリサイクル装置を示す平面構成図である。この図1及び図2に示す希土類含有合金のリサイクル装置10は、ハロゲン化物を含む溶融塩15を貯溜する電解槽11と、この電解槽11内に装荷された陽極12及び陰極13と、希土類含有合金16を電解槽11内で保持する保持部材としての容器14と、電源18とを有して構成される。
[A]第1実施形態(図1〜図3)
図1は、本発明に係る希土類含有合金のリサイクル装置における第1実施形態を示す側面構成図であり、図2は、図1の希土類含有合金のリサイクル装置を示す平面構成図である。この図1及び図2に示す希土類含有合金のリサイクル装置10は、ハロゲン化物を含む溶融塩15を貯溜する電解槽11と、この電解槽11内に装荷された陽極12及び陰極13と、希土類含有合金16を電解槽11内で保持する保持部材としての容器14と、電源18とを有して構成される。
ここで、リサイクルの対象となる希土類含有合金16は、ネオジウム磁石やサマリウムコバルト磁石、希土類系水素吸蔵合金などである。
電解槽11内に装荷される陽極12は、黒鉛、パイログラファイト、グラッシーカーボンなどの不溶性材質にて構成される。更に、陰極13は、Fe、Mo、W、Taなどの金属や、黒鉛、パイログラファイト、クラッシーカーボンなどにて構成される。これらの陽極12と陰極13に電源18が電気的に接続されている。
電解槽11内に貯溜される溶融塩15は、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、またはアルカリ金属ハロゲン化物とアルカリ土類金属ハロゲン化物との混合物であり、これに少なくとも1種類の希土類ハロゲン化物が含まれて構成される。このうちの希土類ハロゲン化物は、希土類含有合金16に含まれる希土類元素と同一種類の希土類元素を構成要素とする。この希土類ハロゲン化物を溶融塩15に含有させることで、後述のごとく、希土類含有合金16中の希土類元素を陰極13に効率良く析出させ回収することが可能になる。
アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、またはアルカリ金属ハロゲン化物とアルカリ土類金属ハロゲン化物の混合物は、金属元素としてLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Baなどを、ハロゲン元素としてF、Cl、Br、Iなどをそれぞれ含む、例えば、LiCl、LiCl−KCl、NaCl−CaCl2、LiFなどが代表例である。また、溶融塩15中の希土類ハロゲン化物は、希土類含有合金16がネオジウム磁石の場合には、Nd、Dy、Pr、Tbなどの希土類元素と、F、Cl、Br、Iのハロゲン元素とからなる希土類ハロゲン化合物である。
希土類含有合金16を保持する容器14は、後述の溶融塩電解において陽極12から発生するハロゲンガス17を通過可能に設けられると共に、このハロゲンガス17(例えば塩素ガス)と反応しにくいセラミックス、炭素系材料または耐ハロゲン性合金にて構成される。容器14がハロゲンガス17と反応しにくい材料により構成されることで、希土類含有合金16から回収される希土類元素に、容器14由来の不純物が混入することが防止される。
電解槽11内に配置された陽極12及び陰極13は、その大部分が電解槽11内の溶融塩15に浸漬されており、この状態で電源18から電圧が印加されることで溶融塩電解が行われる。この溶融塩電解では、陽極12にハロゲンガス17が発生する。このハロゲンガス17は、容器14内に保持された希土類含有合金16と反応し、この希土類含有合金16中の希土類元素を希土類ハロゲン化物とする。この希土類ハロゲン化物は、希土類元素イオンとして溶融塩15中に直ちに溶出される。この溶融塩15中に溶出された希土類元素イオンは、陰極13において希土類元素(金属)として析出されて回収される。
この溶融塩電解において、陽極12での反応はハロゲンガス17を発生させることのみであるため、陽極12に印加される陽極電位は、ハロゲンガス発生電位よりも十分大きな値に設定されていればよく、精密に電圧制御される必要がない。
次に、上述の溶融塩電解を具体的に述べる。ここでは、溶融塩含有合金16がFe−Nd合金(ネオジウム磁石)、希土類元素がNd、溶融塩15がLiCl、ハロゲンガス17が塩素(Cl2)の場合について述べるが、他の希土類元素などの場合においても同様である。
溶融塩電解での陽極12、陰極13における電極反応は次式(1)及び(2)であり、陽極12で塩素(Cl2)が発生し、陰極13でネオジウム(Nd)が金属として析出される。
陽極:2Cl−=Cl2+2e− ……(1)
陰極:Nd3++3e−=Nd ……(2)
このように、陽極12での反応が塩素(Cl2)ガスの発生のみであるため、電源18から陽極12に印加される陽極電位は、塩素発生電位よりも大きな値に設定されていればよい。
陽極:2Cl−=Cl2+2e− ……(1)
陰極:Nd3++3e−=Nd ……(2)
このように、陽極12での反応が塩素(Cl2)ガスの発生のみであるため、電源18から陽極12に印加される陽極電位は、塩素発生電位よりも大きな値に設定されていればよい。
陽極12で発生した塩素(Cl2)ガスは、容器14に保持された希土類含有合金(Nd−Fe合金)16と反応する。一般に、図3に示すように、塩化物標準生成自由エネルギーΔGfがマイナスであるほど、金属元素は塩化物になり易い。このことから、上述の塩素(Cl2)ガスと希土類含有合金(Nd−Fe合金)16との反応では、Fe(図3の曲線B及びC)よりもNd(図3の曲線A)の方が塩化物標準生成自由エネルギーΔGfがマイナスであるため、次式(3)に示すように、ネオジウム(Nd)が塩素化されて、希土類ハロゲン化物としてのNdCl3に変化する。
(2/3)Nd+Cl2=(2/3)NdCl3(ΔGf=−527kJ/mol
at 1000K) ……(3)
(2/3)Nd+Cl2=(2/3)NdCl3(ΔGf=−527kJ/mol
at 1000K) ……(3)
なお、局所的には、希土類含有合金(Nd−Fe合金)16中のFeが例えば次式(4)に示すように塩素化されて、FeCl2、FeCl3になる可能性がある。ところが、この生成されたFeCl2及びFeCl3は、NdがFeよりも塩化物標準生成自由エネルギーΔGfがマイナスになっているので、次式(5)に示すように、周囲の希土類含有合金(Nd−Fe合金)16中のNdと直ちに反応し、Ndが塩素化されてNdCl3となり、Feは金属になる。
Fe+Cl2=FeCl2(ΔGf=−220kJ/mol at 1000K)
……(4)
1.5FeCl2+Nd=1.5Fe+NdCl3(ΔGr=−462kJ/mol
at 1000K) ……(5)
Fe+Cl2=FeCl2(ΔGf=−220kJ/mol at 1000K)
……(4)
1.5FeCl2+Nd=1.5Fe+NdCl3(ΔGr=−462kJ/mol
at 1000K) ……(5)
上述のようにして生成された希土類ハロゲン化物としてのNdCl3は、溶融塩15(LiCl)中で直ちに溶解する。従って、希土類元素であるNdは、希土類元素イオンNd3+となって溶融塩15中に溶出されることになる。この溶出された希土類元素イオンNd3+は、前述のごとく陰極13において希土類元素Ndとして析出され、金属として回収される。この希土類元素Ndの回収に際しては、前述のごとく溶融塩15中にFeイオンが存在しないことから、希土類元素Ndのみを高精度に回収することが可能になる。
上述の電解槽11、陽極12、陰極13、溶融塩15及び電源18を用いた溶融塩電解においては、ハロゲンガス17が陽極12の表面から発生するため、希土類含有合金16を保持する容器14は、陽極12の近傍に設置されると共に、少なくとも陽極12と陰極13との間に配置される。容器14が陽極12近傍に設置されることで、陽極12の表面で発生したハロゲンガス17と容器14内の希土類含有合金16との反応が促進されることになる。
また、容器14を陽極12の近傍で且つ陽極12と陰極13との間に配置することで、容器14内の希土類含有合金16とハロゲンガス17との反応を促進すると共に、陽極12にて発生したハロゲンガス17が陰極13側へ移動することを遮って、この陰極13に析出された希土類元素がハロゲンガス17と反応することを防止する。
また、容器14の設置高さは、この容器14内に保持された希土類含有合金16の全部または一部が溶融塩15中に浸漬されるよう設定される。このように設定することで、希土類含有合金16とハロゲンガス17との反応により生成された希土類ハロゲン化物(例えばNdCl3)を溶融塩15に溶解させ易くして、この溶融塩15に希土類元素イオン(例えばNd3+)を連続的に供給することが可能になる。と同時に、希土類含有合金16とハロゲンガス17との反応により生成された希土類ハロゲン化物が、溶融塩15に溶解されて希土類含有合金16の表面から除去されることで、希土類含有合金16とハロゲンガス17との反応を促進させることも可能になる。
尚、陽極12の表面から発生し溶融塩15中を上昇するハロゲンガス17を確実に捕捉するために、陰極13との間を含む陽極12近傍に配置される容器14を、図1の2点鎖線に示すように、陽極12の高さ方向に複数設けでもよい。
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)〜(4)を奏する。
(1)電解槽11、陽極12、陰極13、溶融塩15及び電源18を用いた溶融塩電解により陽極12で発生するハロゲンガス17を用いて、容器14に保持された希土類含有合金16から希土類元素を希土類元素イオンとして溶融塩15中に溶出させるので、廃液や添加試薬量の少ない電解を利用して、希土類含有合金16から希土類元素を不純物なく高精度に回収できる。このとき、この溶融塩電解においては、陽極電位をハロゲンガス発生電位よりも十分大きな値に設定すれば足りるので、精密な電圧制御を行う必要がない。
(1)電解槽11、陽極12、陰極13、溶融塩15及び電源18を用いた溶融塩電解により陽極12で発生するハロゲンガス17を用いて、容器14に保持された希土類含有合金16から希土類元素を希土類元素イオンとして溶融塩15中に溶出させるので、廃液や添加試薬量の少ない電解を利用して、希土類含有合金16から希土類元素を不純物なく高精度に回収できる。このとき、この溶融塩電解においては、陽極電位をハロゲンガス発生電位よりも十分大きな値に設定すれば足りるので、精密な電圧制御を行う必要がない。
(2)希土類含有合金16を保持する容器14が、溶融塩電解において陽極12から発生するハロゲンガス17と反応しにくいセラミックス、炭素系材料または耐ハロゲン性合金にて構成されたので、希土類含有合金16から回収される希土類元素に、容器14由来の不純物の混入を防止することができる。
(3)希土類含有合金16を保持する容器14が陽極12の近傍で且つ陽極12と陰極13との間に配置されたので、陽極12から発生するハロゲンガス17と容器14内の希土類含有合金16との反応を促進させることができると共に、陽極12にて発生したハロゲンガス17が陰極13側へ移動することを遮って、この陰極13に析出された希土類元素がハロゲンガス17と反応することを確実に防止できる。
(4)容器14内に保持された希土類含有合金16の全部または一部が溶融塩15中に浸漬されている。この結果、希土類含有合金16とハロゲンガス17との反応により生成された希土類ハロゲン化物(例えばNdCl3)を溶融塩15に溶解させ易くして、この溶融塩15に希土類元素イオン(例えばNd3+)を連続的に供給でき、更に、希土類含有合金16とハロゲンガス17との反応により生成された希土類ハロゲン化物が、溶融塩15に溶解されて希土類含有合金16の表面から除去されることで、希土類含有合金16とハロゲンガス17との反応を促進させることもできる。
[B]第2実施形態(図4)
図4は、本発明に係る希土類含有合金のリサイクル装置における第2実施形態を示す平面構成図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
図4は、本発明に係る希土類含有合金のリサイクル装置における第2実施形態を示す平面構成図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第2実施形態における希土類含有合金のリサイクル装置20が第1実施形態と異なる点は、陽極12が陰極13の両側に1個ずつ複数設けられた点である。
このように陽極12が電解槽11内に複数装荷された場合でも、希土類含有合金16を保持する容器14が陽極12の近傍に設置され、更に陽極12と陰極13との間に配置されることなどから、第1実施形態の効果(1)〜(4)と同様な効果を奏する。
更に、この希土類含有合金のリサイクル装置20では、陽極12を複数設置してリサイクル装置20を大型化させることで、希土類元素の回収効率を向上させることができる効果も奏する。
[C]第3実施形態(図5)
図5は、本発明に係る希土類含有合金のリサイクル装置における第3実施形態を示す平面構成図である。この第3実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
図5は、本発明に係る希土類含有合金のリサイクル装置における第3実施形態を示す平面構成図である。この第3実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第3実施形態における希土類含有合金のリサイクル装置30が第1実施形態と異なる点は、陽極32及び陰極33が丸棒形状に形成され、しかも、陽極32が陰極33の周囲に複数設置された点である。
このように陽極32が陰極33の周囲に複数装荷された場合にも、希土類含有合金16を保持する容器14が、陽極12を取り囲むようにして陽極12の近傍に設置され、更に陽極32と陰極33との間に配置されることなどから、第1実施形態の効果(1)〜(4)と同様な効果を奏する。
更に、本第3実施形態においても、第2実施形態の場合と同様に、陽極12が複数設置されて希土類含有合金のリサイクル装置30が大型化されているので、希土類元素の回収効率を向上させることができる効果も奏する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、希土類含有合金のリサイクル装置10には、希土類元素イオンが溶出された溶融塩15中にカリウム(K)やカルシウム(Ca)などの還元剤を投入する還元剤投入手段19が、図1の2点鎖線に示すように設けられてもよい。
この場合には、希土類元素イオンが溶出された溶融塩15中に還元剤投入手段中9から還元剤が投入されることで、この還元剤により希土類元素イオンが還元されて希土類元素となる。つまり、還元剤としてのKやCaは、図3の曲線D及びEに示すように、塩化物標準生成自由エネルギーΔGfがNdよりも小さく、ハロゲン化物(例えば塩化物)になり易いので、溶融塩15中の希土類元素イオン(例えばNd3+)が還元されて希土類元素(Nd)になるのである。この結果、溶出された希土類元素イオンが陰極13にて希土類元素として析出されることと相俟って、希土類含有合金16からの希土類元素の回収をより迅速に効果的に実現できる。
10 希土類含有合金のリサイクル装置
11 電解槽
12 陽極
13 陰極
14 容器(保持部材)
15 溶融塩
16 希土類含有合金
17 ハロゲンガス
19 還元剤投入手段
20 希土類含有合金のリサイクル装置
30 希土類含有合金のリサイクル装置
32 陽極
33 陰極
11 電解槽
12 陽極
13 陰極
14 容器(保持部材)
15 溶融塩
16 希土類含有合金
17 ハロゲンガス
19 還元剤投入手段
20 希土類含有合金のリサイクル装置
30 希土類含有合金のリサイクル装置
32 陽極
33 陰極
Claims (11)
- ハロゲン化物を含む溶融塩を貯溜する電解槽と、
この電解槽内に配置された陽極及び陰極と、
希土類含有合金を前記電解槽内で保持し且つ気体を通過可能な保持部材とを有し、
前記陽極及び前記陰極間に電圧を印加したときに前記陽極で発生するハロゲンガスにより、前記希土類含有合金中の希土類元素を希土類ハロゲン化物とし、希土類元素イオンとして前記溶融塩中に溶出させるよう構成されたことを特徴とする希土類含有合金のリサイクル装置。 - 前記陰極には、溶融塩中に溶出された希土類元素イオンが希土類元素として析出され、金属として回収されることを特徴とする請求項1に記載の希土類含有合金のリサイクル装置。
- 前記希土類元素イオンが溶出された溶融塩中に還元剤を投入する還元剤投入手段が設けられ、この投入された還元剤により前記希土類元素イオンが還元されて希土類元素となり、金属として回収されることを特徴とする請求項1に記載の希土類含有合金のリサイクル装置。
- 前記溶融塩は、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、または前記アルカリ金属ハロゲン化物と前記アルカリ土類金属ハロゲン化物との混合体であり、これに少なくとも1種類の希土類ハロゲン化物が含まれて構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の希土類含有合金のリサイクル装置。
- 前記希土類ハロゲン化物を構成する希土類元素は、希土類含有合金に含まれる希土類元素と同一種類の希土類元素であることを特徴とする請求項4に記載の希土類含有合金のリサイクル装置。
- 前記希土類含有合金を保持する保持部材は、陽極の近傍に設置されると共に、少なくとも前記陽極と陰極との間に配置されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の希土類含有合金のリサイクル装置。
- 前記希土類含有合金を保持する保持部材は、陽極の高さ方向に複数に設置されたことを特徴とする請求項6に記載の希土類含有合金のリサイクル装置。
- 前記保持部材に保持された前記希土類含有合金は、その全部または一部が溶融塩中に浸漬されて設けられたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の希土類含有合金のリサイクル装置。
- 前記保持部材は、セラミックス、炭素または耐ハロゲン性金属にて構成されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の希土類含有合金のリサイクル装置。
- ハロゲン化物を含む溶融塩を貯溜する電解槽内に配置された陽極及び陰極間に電圧を印加させ、
このとき前記陽極で発生するハロゲンガスにより、前記電解槽内に保持された希土類含有合金中の希土類元素を希土類ハロゲン化物とし、希土類元素イオンとして前記溶融塩中に溶出させることを特徴とする希土類含有合金のリサイクル方法。 - 前記陰極に、溶融塩中に溶出された希土類元素イオンを金属として析出させ回収することを特徴とする請求項10に記載の希土類含有合金のリサイクル方法。
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JP2014181501A Pending JP2016056393A (ja) | 2014-09-05 | 2014-09-05 | 希土類含有合金のリサイクル装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016056393A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110079834A (zh) * | 2019-06-10 | 2019-08-02 | 永嘉县纳海川科技有限公司 | 一种用于稀土金属制备用的熔盐电解装置及其使用方法 |
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2014
- 2014-09-05 JP JP2014181501A patent/JP2016056393A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110079834A (zh) * | 2019-06-10 | 2019-08-02 | 永嘉县纳海川科技有限公司 | 一种用于稀土金属制备用的熔盐电解装置及其使用方法 |
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