以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
(実施の形態)
まず、蓄電装置1の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途等に使用される電池モジュールである。
これらの図に示すように、蓄電装置1は、第一外装体11及び第二外装体12からなる外装体10と、外装体10内方に収容される蓄電ユニット30及び電気機器40とを備えている。
外装体10は、蓄電ユニット30及び電気機器40の外方に配置される、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、蓄電ユニット30及び電気機器40を所定の位置に配置し、蓄電ユニット30及び電気機器40を衝撃等から保護する。また、外装体10は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂等により構成されており、蓄電ユニット30及び電気機器40が外部の金属部材等に接触することを回避する。
ここで、外装体10は、外装体10の蓋体を構成する第一外装体11と、外装体10の本体を構成する第二外装体12とを有している。第一外装体11は、第二外装体12の開口を閉塞する扁平な矩形状のカバー部材であり、正極外部端子21と負極外部端子22とが設けられている。蓄電装置1は、この正極外部端子21と負極外部端子22とを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。また、第二外装体12は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジングであり、蓄電ユニット30及び電気機器40を収容する。
なお、第一外装体11と第二外装体12とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子を有しており、第一外装体11に設けられた正極外部端子21と負極外部端子22とに接続される。本実施の形態では、図2に示すように、蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子が横置きになった状態でZ軸方向に積み重ねられて、第二外装体12内に配置される。そして、蓄電ユニット30は、上方から第一外装体11が被せられて、外装体10の内方に収容される。なお、蓄電ユニット30の詳細な構成の説明については、後述する。
電気機器40は、内方に回路基板やリレー等が配置された矩形状の機器であり、蓄電ユニット30の側方(X軸方向プラス側)に配置されている。本実施の形態では、図2に示すように、電気機器40は、回路基板が縦置きになった状態でZ軸方向に立てられて、第二外装体12内に配置される。そして、電気機器40は、上方から第一外装体11が被せられて、外装体10の内方に収容される。
なお、電気機器40に備えられる回路基板は、配線(リード線)によって蓄電ユニット30内のそれぞれの蓄電素子の正極端子または負極端子に接続され、例えば、当該蓄電素子の充電状態や放電状態(電圧、温度等の電池状態)等を取得し、監視し、制御する。
次に、蓄電ユニット30の構成について、詳細に説明する。
図3及び図4は、本発明の実施の形態に係る蓄電ユニット30の構成を示す斜視図である。具体的には、図3は、蓄電ユニット30からバスバーフレーム500とバスバー600とを分離した場合の構成を示す分解斜視図である。また、図4は、蓄電ユニット30からバスバーフレーム500とバスバー600とを分離した構成要素をさらに分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
なお、これらの図及び以降の図では、説明の便宜のため、Y軸方向を上下方向として示しており、Y軸方向を上下方向として説明している箇所があるが、実際の使用態様において、Y軸方向が上下方向になるとは限らない。
これらの図に示すように、蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子100(本実施の形態では、8つの蓄電素子100)と、複数のスペーサ200(本実施の形態では、7つのスペーサ200)と、一対の挟持部材300と、複数の拘束部材400(本実施の形態では、4つの拘束部材410〜440)と、バスバーフレーム500と、複数のバスバー600とを備えている。
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子100は、扁平な矩形状を有しており、スペーサ200に隣接して配置されている。つまり、複数の蓄電素子100のそれぞれが、複数のスペーサ200のそれぞれと交互に配置され、Z軸方向に並べられている。要するに、スペーサ200は、蓄電素子100の側方に設けられる。
本実施の形態では、蓄電素子100は、外装体10内方に横向きにして配置されている(図2参照)が、同図では、説明の便宜のため、蓄電素子100は、電極端子を上方に向けて配置された状態で図示している。なお、蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子100の詳細な構成の説明については、後述する。
スペーサ200は、隣り合う2つの蓄電素子100の間に配置され、当該2つの蓄電素子100間を絶縁する樹脂等で形成された絶縁性の板状部材を有する。本実施の形態では、8つの蓄電素子100の間に、7枚のスペーサ200が配置されている。なお、スペーサ200は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
また、スペーサ200は、蓄電素子100の正面側または背面側の略半分(Z軸方向に2つに分けた場合の略半分)を覆うように、形成されている。つまり、スペーサ200の正面側または背面側の両面(Z軸方向の両面)には凹部が形成されており、当該凹部に上記の蓄電素子100の略半分が挿入される。このような構成により、蓄電素子100を挟む2つのスペーサ200が、蓄電素子100のほとんどの部分を覆うこととなるので、スペーサ200によって、蓄電素子100と他の導電性部材との間の絶縁性を向上させることができている。スペーサ200の詳細な構成については、後述する。
挟持部材300は、一対の平板状部材である挟持部材310及び320からなり、複数の蓄電素子100を、当該複数の蓄電素子100の並び方向(Z軸方向)の両側から挟み込んで保持する。
つまり、挟持部材310は、複数の蓄電素子100のうちの最もZ軸方向プラス側に配置された蓄電素子100よりも、Z軸方向プラス側に配置された平板状部材である。また、挟持部材320は、複数の蓄電素子100のうちの最もZ軸方向マイナス側に配置された蓄電素子100よりも、Z軸方向マイナス側に配置された平板状部材である。そして、挟持部材310と挟持部材320とで、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200を、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200の並び方向(Z軸方向)の両側から挟み込んで保持する。
また、挟持部材300(挟持部材310、320)は、強度の観点等から、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、隣り合う蓄電素子100との間に、絶縁性の部材が配置されることで、蓄電素子100との絶縁性を確保している。なお、挟持部材300は、金属製(導電性)の部材に限定されず、例えば強度の高い絶縁性の部材で形成されていてもよい。また、挟持部材310と挟持部材320とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
拘束部材400は、両端が挟持部材300に取り付けられて、複数の蓄電素子100を拘束する部材である。つまり、拘束部材400は、当該複数の蓄電素子100を跨ぐように配置され、当該複数の蓄電素子100に対して複数の蓄電素子の並び方向(Z軸方向)における拘束力を付与する。なお、拘束部材400は、挟持部材300と同様に、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製の部材で形成されているのが好ましいが、金属以外の部材で形成されていてもかまわない。
具体的には、拘束部材400は、一端が挟持部材310に取り付けられるとともに、他端が挟持部材320に取り付けられる。そして、拘束部材400は、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200に対して、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200の並び方向における拘束力を付与する。
ここで、拘束部材400は、拘束部材410〜440からなる。拘束部材410及び420は、複数の蓄電素子100の上下方向両側(Y軸方向の両側)に配置され、当該複数の蓄電素子100を当該両側から挟み込んで拘束する。また、拘束部材430及び440は、複数の蓄電素子100の両側方(X軸方向の両側)に配置され、当該複数の蓄電素子100を当該両側方から挟み込んで拘束する。
具体的には、拘束部材410及び拘束部材420は、当該複数の蓄電素子100のY軸方向プラス側及びマイナス側に配置された一対の長尺状かつ平板状の部材である。また、拘束部材430及び拘束部材440は、当該複数の蓄電素子100のX軸方向プラス側及びマイナス側に配置された一対の長尺状かつ平板状の部材である。
バスバーフレーム500は、バスバー600と他の部材との絶縁、蓄電装置1内に配置される各種の配線等の保護、及び、バスバー600の位置規制を行うことができる部材である。特に、バスバーフレーム500は、バスバー600を、複数の蓄電素子100に対して位置決めする。
具体的には、バスバーフレーム500は、複数の蓄電素子100の上方(Y軸方向プラス側)に載置され、複数の蓄電素子100に対して位置決めされる。また、バスバーフレーム500上には、バスバー600が載置される。この際、バスバーフレーム500の有する突起部が、バスバー600に形成された開口部に挿入されることで、バスバーフレーム500に対してバスバー600が位置決めされる。これにより、バスバー600は、複数の蓄電素子100に対して位置決めされ、そして、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子に接合される。
なお、バスバーフレーム500は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。また、バスバーフレーム500の詳細な構成、及びバスバーフレーム500がバスバー600を位置決めする詳細な構成の説明については、後述する。
バスバー600は、複数の蓄電素子100のそれぞれと電気的に接続されるバスバーである。つまり、バスバー600は、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子と電気的に接続される導電性の部材であり、当該複数の蓄電素子100が有するいずれかの電極端子同士を電気的に接続する。
なお、バスバー600は、導電性の部材として、例えばアルミニウムで形成されているが、バスバー600の材質は特に限定されない。また、バスバー600は、全てが同じ材質の部材で形成されていてもよいし、いずれかのバスバーが異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
次に、蓄電素子100の構成について、詳細に説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、蓄電素子100の容器110を透視して蓄電素子100の内部を示す斜視図である。
同図に示すように、蓄電素子100は、容器110、正極端子120及び負極端子130を備えている。また、容器110内方には、電極体140、正極集電体150及び負極集電体160が配置されている。なお、容器110の内部には電解液等の液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。
容器110は、金属からなる矩形筒状で底を備える本体と、当該本体の開口を閉塞する金属製の蓋部とで構成されている。容器110は、電極体140等を内部に収容後、蓋部と本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。
電極体140は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体140は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものを巻回されて形成された巻回型の電極体である。なお、電極体140は、平板状極板を積層した積層型の電極体であってもかまわない。
ここで、正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等からなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に正極活物質層が形成された電極板であり、負極は、銅または銅合金等からなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に負極活物質層が形成された電極板であり、セパレータは、微多孔性のシートである。なお、蓄電素子100に用いられる正極、負極及びセパレータは、特に従来用いられてきたものと異なるところはなく、蓄電素子100の性能を損なうものでなければ適宜公知の材料を使用できる。また、容器110に封入される電解液(非水電解質)としても、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
正極端子120は、正極集電体150を介して、電極体140の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子130は、負極集電体160を介して、電極体140の負極に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子120及び負極端子130は、電極体140に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体140に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
正極集電体150は、電極体140の正極と容器110の側壁との間に配置され、正極端子120と正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体150は、正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金等で形成されている。また、負極集電体160は、電極体140の負極と容器110の側壁との間に配置され、負極端子130と電極体140の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体160は、負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金等で形成されている。
次に、スペーサ200の構成について、詳細に説明する。
図6A及び図6Bは、本発明の実施の形態に係るスペーサ200の構成を示す斜視図である。図7は、本発明の実施の形態に係るスペーサ200の構成を示す平面図及び当該平面図におけるC−C断面の拡大図である。
これらの図に示すように、スペーサ200は、蓄電素子100のZ軸方向側に配置される板状部材210と、蓄電素子100のX軸方向の両側及びY軸方向の両側に配置される壁部220とを有する。
スペーサ200は、板状部材210からZ軸方向の両側に向かって突出している、圧迫突出部211、環状突出部212及び中空突出部213、214を有する。板状部材210は、X−Y平面に沿って形成されるX軸方向に長い矩形状の板状部材である。圧迫突出部211、環状突出部212及び複数の中空突出部213、214は、蓄電素子100及びスペーサ200の間に対して拘束部材400により拘束力が付与された状態で、蓄電素子100に当接する突出部である。
圧迫突出部211は、蓄電素子100に当接することで蓄電素子100を圧迫する。圧迫突出部211は、板状部材210の中央付近に形成されており、Z軸方向から見たときにX軸方向に長い矩形状で突出している。つまり、圧迫突出部211は、蓄電素子100の側面の中央に対向する位置に設けられている。
環状突出部212は、蓄電素子100に向かって環状に突出し、かつ、環状の内方空間を密閉するように蓄電素子100に当接する。環状突出部212は、板状部材210の外周部からZ軸方向の両側に向かって突出している。つまり、スペーサ200は、板状部材210の両側方に設けられる2つの蓄電素子100のそれぞれに向かって突出した2つの環状突出部212を有する。環状突出部212は、壁部220の内側に沿って、圧迫突出部211を囲うように形成されている。つまり、圧迫突出部211は、環状突出部212の内方空間に形成されている。また、環状突出部212は、複数の中空突出部213、214を囲うように形成されている。また、環状突出部212は、蓄電素子100の側面の外周部に沿って形成されている。
複数の中空突出部213、214は、内方に空間が形成されるように蓄電素子100に向かって突出している。複数の中空突出部213、214は、突出している部分の反対側が、突出している形状に沿うように窪んでいる形状を有する。つまり、複数の中空突出部213、214には、突出している部分の反対側が窪むことにより形成される空間が、内方に形成されている。また、複数の中空突出部213、214は、先端に向かうにつれて突出方向に垂直な方向での間隔が小さくなるように傾斜する形状を有する。つまり、複数の中空突出部213、214は、略円錐台形状で突出している。
複数の中空突出部213、214は、板状部材210からZ軸方向プラス側に突出している複数の第一中空突出部213と、板状部材210からZ軸方向マイナス側に突出している複数の第二中空突出部214とを含む。つまり、第一中空突出部213は、スペーサ200の両側方に設けられる2つの蓄電素子100の一方に向かって突出している。第二中空突出部214は、当該2つの蓄電素子100の他方に向かって突出している。なお、第一中空突出部213及び第二中空突出部214は、互いに反対側に向かって突出していることが異なるだけであり、突出及び陥没している形状は互いに同じである。複数の中空突出部213、214は、環状突出部212の内方空間に、圧迫突出部211を囲うように環状に並んで配置されている。また、複数の第一中空突出部213のそれぞれと、複数の第二中空突出部214のそれぞれとは、交互に配置されている。
壁部220は、板状部材210の外縁からZ軸方向の両側に向かって延び、かつ、蓄電素子100の四方を囲むように形成される。つまり、スペーサ200の、蓄電素子100の正面側または背面側の略半分を覆うような凹部は、板状部材210及び壁部220により、形成されている。壁部220は、蓄電素子100のY軸方向プラス側に設けられる第一壁部221と、蓄電素子100のY軸方向マイナス側に設けられる第二壁部222と、蓄電素子100のX軸方向プラス側に設けられる第三壁部223と、蓄電素子100のX軸方向マイナス側に設けられる第四壁部224とを有する。
壁部220には、壁部220から壁部220の外方に向かって十字状に突出している十字突出部230が形成されている。具体的には、第一壁部221には、Y軸方向プラス側に突出する十字突出部231が形成されており、第二壁部222には、Y軸方向マイナス側に突出する十字突出部232が形成されており、第三壁部223には、X軸方向プラス側に突出する十字突出部233が形成されており、第四壁部224には、X軸方向マイナス側に突出する十字突出部234が形成されている。このように、壁部220には、十字突出部230が形成されているため、拘束部材400により拘束された状態で、拘束部材400との間の間隔を十字突出部230で埋めることができる。
スペーサ200は、環状突出部212が当接する蓄電素子100の面と交差する面に当接する位置に配置される第二突起部としての複数の突起部241、242を有する。本実施の形態では、スペーサ200は、板状部材210のX軸方向マイナス側の端部と第四壁部224とに跨がるように形成される4つの突起部241と、板状部材210のY軸方向プラス側の端部と第一壁部221とに跨がるように形成される4つの突起部242とを有する。
複数の突起部241は、スペーサ200の側方の所定の位置に蓄電素子100が配置された場合、蓄電素子100のX軸方向マイナス側の面と当接することにより、蓄電素子100をX軸方向プラス側に向けて付勢する。蓄電素子100は、複数の突起部241によりX軸方向プラス側に向けて付勢されているため、蓄電素子100のX軸方向プラス側の側面が第三壁部223に当接する。つまり、蓄電素子100は、複数の突起部241及び第三壁部223により、スペーサ200に対するX軸方向の位置決めがなされる。
複数の突起部242は、スペーサ200の側方の所定の位置に蓄電素子100が配置された場合、蓄電素子100のY軸方向プラス側の面と当接することにより、蓄電素子100をY軸方向マイナス側に向けて付勢する。蓄電素子100は、複数の突起部242によりY軸方向マイナス側に向けて付勢されているため、蓄電素子100のY軸方向マイナス側の側面が第二壁部222に当接する。つまり、蓄電素子100は、複数の突起部242及び第二壁部222により、スペーサ200に対するY軸方向の位置決めがなされる。
このように、スペーサ200は、複数の突起部241、242、第二壁部222及び第三壁部223が形成されている構成であるため、蓄電素子100とスペーサ200との間のX軸方向及びY軸方向の位置決めを容易にできる。
なお、スペーサ200は、一体に形成されている。つまり、スペーサ200が有する、板状部材210、壁部220、各突出部211、212、213、214、230及び複数の突起部241、242は、上述した材料(樹脂)により、一体成形されることにより形成されている。
次に、圧迫突出部211、環状突出部212及び第一中空突出部213の、板状部材210の中心軸からの突出する高さについて説明する。
図8は、圧迫突出部211、環状突出部212及び第一中空突出部213の、板状部材210の中心軸からの突出する高さについて説明するための図である。具体的には、図8の(a)は、図6Aに示すスペーサ200のB−B断面を示す図である。図8の(b)は、B−B断面のうちの環状突出部212の部分を拡大した拡大図である。図8の(c)は、B−B断面のうちの中空突出部213の部分を拡大した拡大図である。図8の(d)は、B−B断面のうちの圧迫突出部211の一部分を拡大した拡大図である。なお、図8の(a)〜(d)の一点鎖線は、板状部材210の厚みの中心軸を示す線である。また、図8の(b)〜(d)は、互いの中心軸が揃っており、かつ、拡大の倍率がそれぞれ同一の図である。
図8に示すように、板状部材210の中心軸から突出する第一中空突出部213の高さd3は、当該中心軸からの突出する圧迫突出部211の高さd1以上になるように形成されている。なお、第一中空部213の高さd3は、圧迫突出部211の高さd1より高いことが好ましい。また、当該中心軸から突出する圧迫突出部211の高さd1は、当該中心軸から突出する環状突出部212の高さd2以上になるように形成されている。なお、圧迫突出部211の高さd1は、環状突出部212の高さd2より高いことが好ましい。
したがって、スペーサ200がZ軸方向プラス側に配置された蓄電素子100と組み合わせられるためにZ軸方向に互いに近づく場合、まず、スペーサ200のうちで最も板状部材210から突出している中空突出部213が蓄電素子100のZ軸方向マイナス側の側面に当接する。次に、中空突出部213の次に板状部材210から突出している圧迫突出部211が蓄電素子100のZ軸方向マイナス側の側面の当接し、最後に、環状突出部212が蓄電素子100のZ軸方向マイナス側の側面に当接する。
なお、図8で示す各突出部211、212、213の高さd1、d2、d3は、中心軸からZ軸方向プラス側へ向かって突出する高さを示しているが、Z軸方向マイナス側についても同様のことが言える。このため、スペーサ200がZ軸方向マイナス側に配置された蓄電素子100と組み合わせられるときも同様のことが言える。
次に、複数の蓄電素子100、複数のスペーサ200及び挟持部材300が、拘束部材400により拘束力を付与された状態で組み合わせられたときのスペーサ200について説明する。
図9は、図3の、蓄電ユニット30からバスバーフレーム500とバスバー600とを分離した構成要素のA−A断面を示す図である。図10は、図9における領域A1を拡大した拡大図である。
これらの図に示すように、スペーサ200の板状部材210に形成された、圧迫突出部211、環状突出部212及び複数の中空突出部213、214は、スペーサ200のZ軸方向の両側に配置された2つの蓄電素子100に当接している。このとき、中空突出部213、214は、弾性変形した状態で蓄電素子100に当接する。このように、中空突出部213、214の内方の空間は、拘束部材400により蓄電素子100及びスペーサ200の間に付勢力を付与された状態で拘束されることにより、拘束されていない状態よりも小さくなる。つまり、中空突出部213、214は、蓄電素子100に当接している状態で、スペーサ200が有する他の突出部(圧迫突出部211及び環状突出部212)よりも大きく変形する変形突出部である。このように、中空突出部213、214は、蓄電素子100の側面と当接して、付勢力を付与された状態で拘束された場合に、弾性変形するため、中空突出部213、214の次に板状部材210から突出している圧迫突出部211が蓄電素子100の側面に当接することができる。
このように、中空突出部213、214は、内方に空間が設けられるように形成されているため、蓄電素子100と当接したときに弾性変形しやすい。つまり、中空突出部213、214は、弾性変形しながら蓄電素子100と当接できるため、蓄電素子100とスペーサ200との間に働く荷重を任意の大きさの荷重に調整しやすい。これについて、図11を用いて説明する。
図11は、蓄電素子100及びスペーサ200を組み合わせたときに、蓄電素子100及びスペーサ200を近づける量(ストローク)と、蓄電素子100及びスペーサ200にかかる荷重との関係を示すグラフである。図11の実線は、中空突出部のようなZ軸方向に対する力に対して弾性変形する構造(変形突出部)を有するスペーサ(つまりスペーサ200)の場合を示すグラフであり、図11の破線は、中空突出部(変形突出部)が形成されていないスペーサの場合を示すグラフである。
同図に示すように、スペーサ200では、中空突出部が形成されていないスペーサと比較して、最適荷重域におけるストロークの量が大きい。ここで、最適荷重域とは、蓄電素子100の電極体140の極板の積層方向に加えられる荷重であって、蓄電素子100の性能が向上する荷重域である。つまり、最適荷重域の範囲内の荷重が蓄電素子100に加えられている場合には、最適荷重域の範囲内の荷重が蓄電素子100に加えられていない場合と比較して、蓄電素子100の性能は向上する。これは、最適荷重域の範囲内の荷重が蓄電素子100に加えられている場合には、電極体140の極板間の距離が最適な範囲に維持されるからである。蓄電素子100及びスペーサ200の間の距離を大きなストロークの範囲で近づけたとしても、蓄電素子100及びスペーサ200の間にかかる荷重を最適荷重域の範囲内にすることが容易にできる。つまり、スペーサ200では、中空突出部が形成されていないスペーサと比較して、ストロークに誤差が生じた場合、または、蓄電素子100やスペーサ200等の構造部品の寸法公差が大きい場合であっても、蓄電素子100及びスペーサ200の間にかかる荷重を最適荷重域の荷重となるように容易に調整できるため、蓄電素子100の性能を向上させることができる。
ここで、図9及び図10の説明に戻る。
圧迫突出部211は、拘束部材400から付与された拘束力を受けることにより、蓄電素子100のZ軸方向の側面を圧迫した場合、蓄電素子100の側面の中央付近を圧迫することになる。つまり、圧迫突出部211は、蓄電素子100のZ軸方向に面している側面のうちで、比較的Z軸方向に変位しやすい中央付近の領域を圧迫する。また、圧迫突出部211は、中空突出部213とは異なり中実の構造であるため、圧迫突出部211の厚みに応じた所定の変位量で蓄電素子100の側面をZ軸方向に変形させる。このように、圧迫突出部211は、蓄電素子100の側面と当接して、付勢力を付与された状態で拘束された場合に、蓄電素子100の側面をZ軸方向に変形させるため、圧迫突出部211の次に板状部材210から突出している環状突出部212が蓄電素子100の側面に当接することができる。
環状突出部212は、スペーサ200の部分のうちで、最後に蓄電素子100と当接する。蓄電素子100とスペーサ200とを組み合わせるときには、所定の湿度よりも低くなるように周囲の環境を乾燥させたドライ環境で行うことが好ましい。環状突出部212の内方空間は、蓄電素子100と当接した状態で閉空間となる。つまり、ドライ環境下で蓄電素子100とスペーサ200とを組み合わせることにより、環状突出部212の内方空間をドライ状態とすることができる。これにより、例えば蓄電素子100の温度が低下したとしても、温度の低下によって環状突出部212の内方空間に結露水等の液体が生じることを防ぐことができる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1によれば、スペーサ200は、蓄電素子100に向かって環状に突出し、かつ、環状の内方空間を密閉するように蓄電素子100に当接する環状突出部212を有する。つまり、スペーサ200が環状突出部212を有するため、蓄電素子100の表面に例えば結露水等の液体が生じたとしても、スペーサ200を環状突出部212で蓄電素子100に密着させることができる。このため、スペーサ200と蓄電素子100との間の摩擦力が低下して、スペーサ200が蓄電素子100に対してずれることを低減することができる。これにより、蓄電素子100とスペーサ200とを、蓄電素子100にとって適切な状態で組み合わせることが容易にできる。
このように、蓄電素子100の側方に配置されるスペーサ200の、蓄電素子100に対する位置ずれを低減できるため、以下の課題を解決できる。複数の蓄電素子100の電極端子120、130とバスバー600との接続に悪影響を与えることを低減できる。つまり、電極端子120、130とバスバー600との固定前における位置ずれを防止でき、接合作業を容易にできる。また。電極端子120、130とバスバー600との固定後における溶接箇所にストレスを与えることを防止できる。また、当該蓄電素子100の側方の絶縁を維持することができる。
また、スペーサ200は、蓄電素子100に向かって突出し、蓄電素子100に当接することで蓄電素子100を圧迫する圧迫突出部211を有している。つまり、圧迫突出部211により蓄電素子100を圧迫することができるため、蓄電素子100に備えられる電極体140を圧迫することができる。このため、電極体140の極板間の距離が大きくなることを防ぐことができ、蓄電素子100の充放電特性が低下することを防ぐことができる。また、スペーサ200は、蓄電素子100との位置ずれを防止できるため、圧迫突出部211により蓄電素子100の側面の中央付近を圧迫できる。このように、蓄電素子100のうちで最もたわみやすい中央付近を確実に圧迫できるため、電極体140の極板間の距離が大きくなることを効果的に防ぐことができる。
また、圧迫突出部211は、環状突出部212の内方空間に形成されている。このため、圧迫突出部211が設けられる部分において、結露水等の液体が生じることを防ぐことができる。このため、圧迫突出部211において、スペーサ200と蓄電素子100との間の摩擦力が低下して、スペーサ200が蓄電素子100に対してずれることを防ぐことができる。
また、圧迫突出部211は、環状突出部212よりも突出する高さが高くなるように形成されている。このため、圧迫突出部211が蓄電素子100を確実に圧迫した状態で、環状突出部212を蓄電素子100に密着させることができる。
また、環状突出部212は、蓄電素子100の側面の外周部に沿って形成されている。このため、環状突出部212を蓄電素子100のうちのたわみにくい部分である、側面の外周部に当接させることができる。これにより、環状突出部212が環状に連続して蓄電素子100に対して当接することを維持できる。このため、環状突出部212は、環状の内方空間を密閉した状態を容易に維持できる。なお、蓄電素子100のZ軸方向の少なくとも一方の側面の外周部は、具体的には、蓄電素子100の内部の電極体140の平坦に積層されている一対の平坦部及び一対の平坦部つなぐ湾曲部とのうちの平坦部が対向していない領域を含む部分である。また、外周部は、蓄電素子100のZ軸方向の少なくとも一方の側面の外周縁から、当該側面のX軸方向の幅及びY軸方向の幅のそれぞれ5〜10%の領域を含む部分であってもよい。また、外周部は、電極体140が配置される箇所のX軸方向及びY軸方向の外側の領域に対応する部分であってもよい。また、環状突出部212は、蓄電素子100の側面の外周部であっても、当該側面に交差する側面との接続部分であって、曲面を形成している部分のみと対向しない。つまり、環状突出部212は、蓄電素子100の側面の外周部のうちZ軸方向に面する平面部分と対向する部分を有する。
また、スペーサ200は、隣接する2つの蓄電素子100の間に設けられ、かつ、2つの蓄電素子のそれぞれに向かって突出した2つの環状突出部212を有する。つまり、スペーサ200は、隣接する2つの蓄電素子100の間に設けられる場合であっても、当該2つの蓄電素子100のそれぞれに対応して設けられる2つの環状突出部212を有する。このため、スペーサ200を2つの蓄電素子100のそれぞれに対して環状突出部212で密着させることができる。
また、スペーサ200は、環状突出部212及び圧迫突出部211が一体形成されることにより形成されている。このため、スペーサ200に対する環状突出部212及び圧迫突出部211の配置する位置を設計のとおりになるように、スペーサ200を形成することが容易にできる。また、環状突出部212及び圧迫突出部211が一体化されているため、強度を大きくすることができる。
また、スペーサ200は、蓄電素子100に当接している状態で、スペーサ200が有する他の突出部(圧迫突出部211及び環状突出部212)よりも大きく変形している変形突出部としての中空突出部213、214を有する。このため、スペーサ200と蓄電素子100とを互いに近づける量(ストローク)に対する、スペーサ200と蓄電素子100との間にかかる荷重の増加量の割合を、中空突出部213、214が弾性変形している場合、中空突出部213、214における当該荷重の増加量の割合を他の突出部における当該荷重の増加量の割合よりも緩やかにすることができる。このように、スペーサ200と蓄電素子100とを互いに近づけて、スペーサ200と蓄電素子100との間に所望の荷重をかける場合、ストロークの増加に対する当該荷重の増加量の割合を緩やかにできるため、スペーサ200と蓄電素子100との間にかかる荷重を所望の荷重の範囲に調整することが容易にできる。
また、スペーサ200は、環状突出部212が当接する蓄電素子100の面と交差する面に当接する位置に配置される突起部241、242を有する。このため、スペーサ200と蓄電素子100との間の位置決めを容易にできる。
また、スペーサ200は、隣接する2つの蓄電素子100の間に設けられ、当該2つの蓄電素子100の一方に向かって突出する第一中空突出部213と、当該2つの蓄電素子100の他方に向かって突出する第二中空突出部214とを有する。つまり、スペーサ200は、隣接する2つの蓄電素子100の間に設けられる場合であっても、当該2つの蓄電素子100のそれぞれに向かって突出する第一中空突出部213及び第二中空突出部214を有する。このため、当該2つの蓄電素子100のそれぞれに対してスペーサ200との間に働く荷重を任意の大きさの荷重に調整することが容易にできる。
また、複数の第一中空突出部213及び複数の第二中空突出部214は、交互かつ環状に並んで配置されている。このため、スペーサ200は、隣接する2つの蓄電素子100のそれぞれについて、当該蓄電素子100と接する側面に対して加わる荷重を均等にすることができる。
また、複数の第一中空突出部213及び複数の第二中空突出部214は、蓄電素子100の側面の中央付近を圧迫する圧迫突出部211の周囲を環状に囲うように配置される。このため、複数の中空突出部213、214は、Z軸方向にたわみやすい蓄電素子100の側面の中央付近を除く部分に当接することになる。このように、スペーサ200では、Z軸方向にたわみやすい蓄電素子100の側面の中央付近を圧迫突出部211で圧迫した状態とした上で、中央付近よりもたわみにくい当該中央付近の周囲を複数の中空突出部213、214で押圧することができるため、中空突出部213、214による荷重を蓄電素子100の側面に伝えやすい。加えて、中空突出部213、214は、蓄電素子100の側面に与える荷重を調整しやすい構成であるため、スペーサ200と蓄電素子100との間の荷重の調整を容易にできる。また、中空突出部213、214は、蓄電素子100の側面のうち、電極体140に対向する領域で当接していれば、効果的に電極体140を押圧できるためより好ましい。また、中空突出部213、214は、蓄電素子100の側面のうち、電極体140に対向しない領域(つまり、電極体140に対向する領域を除く領域、または、蓄電素子100のZ軸方向に面する側面のうち、電極体140が対向する領域よりもX軸方向またはY軸方向に外側の領域)で当接していれば、蓄電素子100の容器110の変形しにくい比較的平坦な部分を押圧できるため、スペーサ200による蓄電素子100の保持が容易になる。
また、環状突出部212は、複数の中空突出部213、214を囲うように形成されている。つまり、複数の中空突出部213、214は、環状突出部212の内方空間に形成されている。このため、複数の中空突出部213、214が設けられる部分において、結露水等の液体が生じることを防ぐことができる。
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態では、スペーサ200は、環状突出部212が蓄電素子100の側面に面接触することで当接しているが、これに限らずに、図12に示すように、蓄電素子100の側面に線状に接触するような環状突出部212aを有するスペーサ200aが採用されてもよい。図12は、本発明の実施の形態の変形例に係る蓄電装置の図9における領域A1に対応する領域を拡大した拡大図である。具体的には、図12の(a)は、本発明の実施の形態の変形例に係る蓄電装置の図9における領域A1に対応する領域を拡大した拡大図であり、図12の(b)は、図12の(a)における領域A2をさらに拡大した拡大図を示している。図12の(b)に示すように、環状突出部212aは、蓄電素子100に向かって突起した第一突起部212bを有する。第一突起部212bは、環状突出部212aの形状に沿って形成された環状の突起部である。つまり、環状突出部212aは、環状の第一突起部212bで蓄電素子100に当接するため、蓄電素子100に対して、より大きな圧力で当接することになる。このため、環状突出部212aは、環状の内方空間をより確実に密閉することができる。
また、上記実施の形態では、環状突出部212は、蓄電素子100の側面の外周部に沿って形成されているが、蓄電素子100の側面の外周部に沿って形成されていなくてもよい。つまり、スペーサは、蓄電素子100に向かって環状に突出し、かつ、環状の内方空間を密閉するように蓄電素子100に当接する環状突出部を有していればよいため、例えば、蓄電素子100の側面の中央付近で環状に当接する環状突出部を有してもよいし、一部が外周部と中央付近とに跨がって当接する環状突出部を有してもよい。また、スペーサ200は1つの蓄電素子100に向かって1つの環状突出部212が突出している構成であるが、1つの蓄電素子100に向かって2以上の環状突出部が突出する構成のスペーサが採用されてもよい。また、2以上の環状突出部が形成されるスペーサの場合には、2以上の環状突出部のそれぞれの内方空間に圧迫突出部が形成される構成のスペーサであってもよい。
また、上記実施の形態では、スペーサ200は、圧迫突出部211、環状突出部212及び複数の中空突出部213、214(変形突出部)が形成される構成であるが、これに限らずに、環状突出部のみが形成される構成であってもよい。つまり、環状突出部のみが形成されているスペーサであっても、当該スペーサは、蓄電素子の側面に環状に当接した状態を維持することができる。このため、蓄電素子の表面に結露水等の液体が生じても、結露水は環状突出部の外側で生じることになり、環状突出部と蓄電素子の側面との間に入り込みにくい。これにより、スペーサと蓄電素子との間の摩擦力が低下することを防止できる。
また、上記実施の形態では、スペーサ200は、複数の中空突出部213、214が形成される構成であるが、1つの中空突出部が形成される構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、弾性変形する構造の変形突出部として複数の中空突出部が形成されたスペーサが採用されているが、これに限らずに、例えば、変形しやすいように、切れ目が形成された構造であってもよいし、断面積が場所によって異なる構造であってもよい。具体的には、スペーサの板状部材の一部が渦巻き状に切り抜かれて、らせん状に突出するように形成された構造であってもよいし、中実の突出部の周囲が蛇腹状の薄肉部を介してスペーサの板状部材に連続している構造などスペーサに一体的に形成された構造であってもよい。また、ゴム、スポンジ、バネなどの弾性部材が固定されることにより形成された構造(つまり、別部材である弾性部材を別途固定した構造)であってもよい。つまり、変形突出部とは、蓄電素子に当接することにより、弾性変形し、当該弾性変形による押圧力を蓄電素子100に付与できる構造である。
また、上記実施の形態では、スペーサ200は、圧迫突出部211は、環状突出部212の内方空間に設けられているが、これに限らずに、圧迫突出部が環状突出部の内方空間の外側に設けられている構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、スペーサ200は、隣接する2つの蓄電素子100の間に挟まれる構成であり、当該2つの蓄電素子100のそれぞれに対して、圧迫突出部211、環状突出部212及び複数の中空突出部213、214が突出する構成であるが、一方の蓄電素子に対して突出する構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、蓄電装置1は、複数の蓄電素子100を備える構成であるが、1つの蓄電素子を備える構成の蓄電装置にも適用できる。
また、本発明は、このような蓄電装置1として実現することができるだけでなく、蓄電装置1が備えるスペーサ200としても実現することができる。
また、上記実施の形態及びその変形例では、スペーサ200は、圧迫突出部211、環状突出部212及び複数の中空突出部213、214(変形突出部)が形成される構成であるが、これに限らずに、例えば、図13に示すように、圧迫突出部211及び複数の中空突出部213、214(変形突出部)が形成されているスペーサ200aが採用されてもよい。つまり、スペーサ200aは、実施の形態のスペーサ200から環状突出部212が除かれた構成である。つまり、スペーサ200aは、蓄電素子100に向かって突出し、蓄電素子100に当接することで蓄電素子100を圧迫する圧迫突出部211と、蓄電素子100に当接している状態で、スペーサ200aが有する他の突出部(つまり、圧迫突出部211)よりも大きく変形して当接する変形突出部(中空突出部213、214)とを有する構成である。また、上記の変形例において、環状突出部212の構成を除いた構造のスペーサとして実現してもよい。
これにより、圧迫突出部211で蓄電素子100の変形を押さえつつ、複数の中空突出部213、214で蓄電素子100に対する押圧の荷重を調整することができる。これにより、蓄電素子100とスペーサ200とを、蓄電素子100にとって適切な状態で組み合わせることが容易になる。なお、図13は、本変形例に係るスペーサの構成を示す平面図及び当該平面図におけるD−D断面の拡大図である。
また、上記実施の形態及びその変形例が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。