JP2016053579A - 腫瘍を正確に識別し、かつPAN‐ErbB阻害剤に対する薬物応答を予測するPTENタンパク質発現におけるカットポイント - Google Patents

腫瘍を正確に識別し、かつPAN‐ErbB阻害剤に対する薬物応答を予測するPTENタンパク質発現におけるカットポイント Download PDF

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Abstract

【課題】乳癌を正確に識別し、かつPAN‐ErbB阻害剤に対する薬物応答を予測するPTENタンパク質発現におけるカットポイントを提供する。
【解決手段】乳癌患者から腫瘍細胞及び非腫瘍形成性細胞を得る工程;腫瘍細胞及び非腫瘍形成性細胞におけるPTENタンパク質発現の定量的測定を行う工程;及びこれら2つのPTENタンパク質発現の定量的測定値を比較することによって、正規化PTENタンパク質発現スコアを算出する工程を含む。
【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は、乳癌を治療する方法に関する。詳細には、本発明は、乳癌患者をpan-ErbBチ
ロシンキナーゼ阻害剤で治療する方法に関する。より詳細には、本発明は、ヒト腫瘍生検
サンプルにおけるPTEN遺伝子の2つの不活化対立遺伝子を有する腫瘍を正確に識別し、か
つpan-ErbB阻害剤に対する薬物応答を予測する、PTENタンパク質発現の定量的免疫組織化
学的アッセイにおけるカットポイントを開示する。
(背景)
腫瘍抑制因子PTENは、PI3Kシグナル伝達複合体に対するチェック(又は「ブレーキ」)
として機能する二重特異性ホスファターゼ(脂質及びタンパク質)である。PTENは、ホス
ファチジルイノシトール三リン酸(PIP3)のホスファチジルイノシトール二リン酸(PIP2
)への脱リン酸化を媒介し、これにより3-ホスホイノシチド依存性キナーゼ1(PDK1)及
びAkt/プロテインキナーゼB(PKB)の膜結合部位を排除して、PI3Kの活性をアンタゴナイ
ズする。PTEN遺伝子(遺伝子座10q23にある)は、乳癌、脳腫瘍、子宮体癌、腎癌、及び
前立腺癌を含む、多数のヒト悪性腫瘍で不活化される。PTENの不活化は、疾患の進行及び
予後不良に相関しており、腫瘍形成において重要な役割を果たすことを示唆している(Bo
se Sらの文献(2002)「PTENの発現の減少は乳癌の進行に相関する(Reduced expression o
f PTEN correlates with breast cancer progression)」(Hum. Pathol. 33:405-409)
;Rubin MAらの文献(2000)「10q23.3のヘテロ接合性の消失は、リンパ節陽性(pT2-3,N+
)前立腺癌の方がリンパ節陰性(pT2-3,N0)前立腺癌よりも高い(10q23.3 loss of hete
rozygosity is higher in lymph node-positive (pT2-3,N+) versus lymph node-negativ
e (pT2-3,N0) prostate cancer)」(Hum. Pathol. 31:504-508)、及びDepowski PL, Ro
senthal SI, Ross JSらの文献(2001)「PTEN遺伝子のタンパク質産物の発現消失は乳癌に
おける不良転帰に関連している(Loss of expression of the PTEN gene protein produc
t is associated with poor outcome in breast cancer)」(Mod. Pathol. 14:672-676
)。
実験系では、PTENの不活化は、チェックされないAkt/PKBの活性化をもたらすことが示
された。チェックされないAkt/PKBの活性化は、アポトーシス、細胞の成長、及び増殖の
促進を阻害し、結果的に癌表現型をもたらす。PTENヌル系におけるPTEN発現の回復は、癌
表現型の消失をもたらす。
乳癌では、突然変異、遺伝子欠失、及びmiRNAもしくは後成的サイレンシングによる転
写の下方制御を含む、PTENの機能喪失の複数の機構が実証された。不活化のこれらの機構
の殆どは、腫瘍細胞で産生されるPTENタンパク質の量の有意な減少をもたらす。このよう
な不活化の機構を有する腫瘍では、乳癌でのPTENタンパク質レベルの減少が、診断、免疫
組織化学(IHC)に使用される1つの標準的な方法を含む様々なタンパク質測定法で観察さ
れた。IHCの使用により、様々な研究で、患者の15%〜48%でPTENが減少したことが報告
された。不活化の機構としての様々なPTENの突然変異、遺伝子欠失、及び後成的事象は、
腫瘍生物学の興味深い研究を提示し、これらの不活化機構の変更可能な組み合わせが、観
察されたPTEN発現の減少に関する既刊文献の多様性の一因である可能性が高い。PTEN遺伝
子における突然変異は、悪性腫瘍、例えば、子宮内膜癌及びグリア芽腫ではかなり一般的
である;しかしながら、このような突然変異は、乳癌では比較的稀である。PTEN遺伝子に
おける突然変異は、患者の約5%に見られ、その殆どが、不安定なタンパク質をもたらし
得るフレームシフト突然変異である。対照的に、乳癌におけるPTEN不活化の主要な機構は
、PTEN遺伝子の欠失であると思われる。遺伝子消失や突然変異以外のPTEN消失の複数の別
の機構が同定されている。転写レベルにおいて、プロモーターメチル化による後成的サイ
レンシング、又はmiRNA発現(例えば、miR-21)が説明されている。PTEN発現を減少させ
る別の機構は、PTENをリン酸化し、従ってユビキチン介在性分解からPTENを保護する安定
化タンパク質、例えば、Rakの消失をもたらす。
PTEN IHCの複数のアプローチが、薬物応答に関連付けようとする試みとして発表されて
いる(例えば、Berns Kらの文献(2007)「機能的遺伝学的アプローチにより、乳癌におけ
るトラスツズマブ耐性の主要な決定因子としてPI3K経路を同定する(A functional genet
ic approach identifies the PI3K pathway as a major determinant of trastuzumab re
sistance in breast cancer)」(Cancer Cell 12:395-402);及びNagata Yらの文献(20
04)「PTEN活性化がトラスツズマブによる腫瘍阻止に寄与し、PTENの消失が患者のトラス
ツズマブ耐性を予測する(PTEN activation contributes to tumor inhibition by trast
uzumab, and loss of PTEN predicts trastuzumab resistance in patients)」(Cancer
Cell 6:117-127)。
PTEN発現の消失、従ってPI3K経路の活性化が、乳癌におけるトラスツズマブ耐性の主要
な決定因子であることが分かっている。pan-ErbBチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ネラ
チニブは、たとえPTEN発現が消失したとしても、ErbB2などのErbBファミリーメンバーの
細胞内部分へのPI3Kの結合を阻害するため、これらの腫瘍がネラチニブでの治療に対して
感受性を維持すると思われる。
本発明の開示では、PTENタンパク質発現におけるカットポイントは、定量的結果を用い
て決定される。このカットポイントは、pan-ErbB阻害剤治療の恩恵を受ける患者の正確な
識別を可能にする。該カットポイントは、ヒト腫瘍生検サンプルにおけるPTEN遺伝子の2
つの不活化対立遺伝子を有する腫瘍を正確に識別し、かつpan‐ErbB阻害剤に対する薬物
応答を予測する。
一実施態様では、本発明は、乳癌患者の治療を決定する方法に関する。該方法は、該患
者から腫瘍細胞及び非腫瘍形成性細胞を得る工程;該腫瘍細胞及び該非腫瘍形成性細胞に
おけるPTENタンパク質発現の定量的測定を行う工程;及びこれら2つのPTENタンパク質発
現の定量的測定値を比較することによって、正規化PTENタンパク質発現スコアを算出する
工程を含む。該正規化PTENタンパク質発現スコアがPTENヌルである場合は、pan-ErbBチロ
シンキナーゼ阻害剤で該患者を治療する。本発明の一部の実施態様では、非腫瘍形成性細
胞は、間質細胞又は内皮細胞である。本発明の一部の実施態様では、該腫瘍細胞及び該非
腫瘍形成性細胞が、同じサンプルからのものである。
本発明の一部の実施態様では、pan-ErbBチロシンキナーゼ阻害剤は、PIK3CAのErbBの細
胞内部分への不可逆的な結合を防止する。本発明の特定の実施態様では、pan-ErbBチロシ
ンキナーゼ阻害剤はネラチニブである。本発明の一部の実施態様では、PTENタンパク質発
現の該定量的測定は:逆相タンパク質アレイ、ウエスタンブロット、又は半定量的もしく
は定量的免疫組織化学(IHC)の1つ以上を含む。本発明の特定の実施態様では、PTENタン
パク質発現の該定量的測定はIHCを含む。
一部の実施態様では、本発明の方法は、該腫瘍細胞及び該非腫瘍形成性細胞を染色する
工程を含む、PTENタンパク質発現の定量的測定を行う工程を含む。本発明の一部の実施態
様では、PTENタンパク質発現の定量的測定を行う工程は、該染色細胞のデジタル画像を得
る工程をさらに含む。本発明の特定の実施態様では、PTENヌルスコアは0.15未満である。
一実施態様では、本発明は、患者の癌を治療する方法に関する。該方法は、該患者から
腫瘍細胞及び非腫瘍形成性細胞を得る工程:該腫瘍細胞及び該腫瘍形成性細胞におけるPT
ENタンパク質発現の定量的測定を行う工程;及びこれらのPTENタンパク質発現の定量的測
定値を比較することによって、正規化PTENタンパク質発現スコアを算出する工程を含む。
該正規化PTENタンパク質発現スコアがPTENヌルである場合は、pan-ErbBチロシンキナーゼ
阻害剤で該患者を治療する。
本開示は、pan-ErbBチロシンキナーゼ阻害剤治療の恩恵を受ける患者の正確な識別を可
能にする、定量的結果を使用して識別される、カットポイントを提供する。一実施態様で
は、該定量的結果は、IHCを使用して得られる。正規化PTENスコアが0.15未満の患者(「P
TENヌル」と定義される)は、pan-ErbBチロシンキナーゼ阻害剤療法で治療される。一実
施態様では、正規化PTENスコアは、腫瘍のPTEN光学濃度(OD)発現値(optical density
expression value)を良性組織のPTEN OD発現値によって除すことによって算出される。
一実施態様では、本方法は、デジタル画像を使用して、腫瘍細胞及び良性細胞の2つのP
TEN OD発現値を求める工程を含む。良性細胞(例えば、間質細胞又は内皮細胞)及び腫瘍
細胞は、同じ組織切片中に含まれているものでも良い。全正規化PTENスコアは、腫瘍細胞
で得られたPTEN OD発現値を正常な良性細胞で得られたPTEN OD発現値で除して得られる比
として算出される。本発明によって定義されるカットポイントは、各患者サンプルを、PT
ENオフ(正規化PTENスコアが0)、PTEN減少(正規化PTENスコアが0よりも大きいが0.15未
満)、及びPTENオン(正規化PTENスコアが0.15以上)として識別することができる。
正規化PTENスコアがPTENオフ(スコアが0)又はPTEN減少(正規化スコアが0よりも大き
いが0.15未満)のいずれかに分類される患者は、「PTENヌル」と定義され、該患者は、pa
n-ErbBチロシンキナーゼ阻害剤で治療される。正規化PTENスコアがPTENオンである場合は
、このような患者は、トラスツズマブで治療することができる。本発明の一部の実施態様
では、PTEN OD発現値は、正常組織OD発現値の15%未満であり、正規化PTENスコアが0.15
未満となり、PTEN減少の指定分類となる。
例えば、突然変異分析、DNAコピー数、及び遺伝子もしくはタンパク質発現パターンに
よる腫瘍の分類が利用可能である。トラスツズマブの承認以来、米国食品医薬品局によっ
て承認された腫瘍を治療する全ての新規化合物のほぼ半分が、ある種の患者選択バイオマ
ーカーに関連している。これらの例は、主に、腫瘍サンプルにおける標的生物学の測定に
重点を置いている。患者の選択における最近の進展は、特定の作用物質から臨床的恩恵を
受ける患者と臨床的恩恵を受けない患者とを区別する薬物耐性機構の同定である。例えば
、V-Ki-ras2カーステンラット肉腫[KRAS]突然変異状態は、大腸癌において、抗体ベー
スの上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤の添加の恩恵を受ける患者を同定する(Allegra
CJ、Jessup JM、Somerfield MRらの文献(2009)「米国臨床腫瘍学会の暫定的な臨床的見解
:抗上皮成長因子受容体モノクローナル抗体治療に対する応答を推定する、転移性結腸直
腸癌患者におけるKRAS遺伝子突然変異の検査(American Society of Clinical Oncology
provisional clinical opinion: testing for KRAS gene mutations in patients with m
etastatic colorectal carcinoma to predict response to anti-epidermal growth fact
or receptor monoclonal antibody therapy.)」(J. Clin. Oncol. 27:2091-2096))。
ErbB RTKファミリーのメンバー(EGFR、HER2、HER3、HER4)は、複数のヒト癌型におい
てシグナル伝達活性化をもたらす遺伝的事象を受け;乳癌で最も頻繁に言及される遺伝的
事象には、増幅、突然変異、及び転写活性化で一定の役割を有するイントロン反復が含ま
れる。PI3Kは、膜における発癌RTK複合体が関与するいくつかのシグナル伝達カスケード
の1つであり、重要な治療標的となり得る(Engelman JAの文献(2009)「癌におけるPI3Kシ
グナル伝達を標的とする:機会、課題、及び制約(Targeting PI3K signalling in cance
r: opportunities, challenges and limitations.)」(Nat. Rev. Cancer 9:550-562)に
よって近年再検討された)。癌におけるこのシグナル伝達ノード(signaling node)の極
めて重要な役割は、カスケードの構成要素をコードする遺伝子、すなわちPIK3CA、PTEN、
PDK1、及びAKTに遺伝子損傷のあるヒト悪性腫瘍の割合によって明らかである。
様々な腫瘍における構成的経路の活性化をもたらす遺伝子損傷は、両端部に存在する。
例えば、PIK3CA遺伝子のp110αサブユニットにおける機能獲得もしくは活性化突然変異、
又は該サブユニットの増幅が、一部の腫瘍で観察され、シグナル伝達カスケードの「促進
因子」として機能する一方、機能喪失事象(すなわち、欠失、プロモーターメチル化、又
は突然変異)が、PTENで一般的に見られ、系における「ブレーキ」として機能する。
この経路を標的とする乳癌における現在の治療アプローチには、ErbB経路阻害剤(例え
ば、トラスツズマブ、ラパチニブ、ネラチニブ、BIBW2992)、PI3K阻害剤(例えば、XL14
7、PX-866)、mTOR阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス)、及び二重PI3K-m
TOR阻害剤(例えば、BEZ235)が含まれる。PI3K経路の活性化は、乳癌におけるErbB2標的
治療に対する耐性、及び細胞毒に対する耐性に関連している。複数の治療選択肢が存在す
ること、及びPI3K活性が多くの設定で薬物耐性を予測することから、臨床開発用の保存さ
れたヒト腫瘍組織サンプルにおける「PI3K経路の活性化」の予測を可能にするアッセイを
開発できるか否かについての疑問が生じる。
ネラチニブ(HKI-272とも呼ばれる)は、ErbB受容体及び下流基質のリン酸化を阻害し
;前臨床モデルにおけるこの活性により、ネラチニブは、PI3K複合体のリン酸化及び活性
化を阻害することが分かっている。例えば、国際公開第09/052264号の6〜7頁;米国特許
出願公開第20070104721号の段落7及び21;及び米国特許第7,399,865号を参照されたい。
PTENタンパク質発現の減少は、Her2+乳癌のトラスツズマブによる治療に対する耐性に
関連している。半定量的免疫組織化学(IHC)アッセイを使用して、これらの変化が、乳
癌におけるトラスツズマブ耐性に関連付けられている(Berns Kら(2007) Cancer Cell (4
):395-402を参照されたい)。
PTENの消失は、典型的にはC末端タンパク質エピトープを認識する抗体を用いる標準的
なIHCアプローチを使用して、診療所で日常的に検査されている。該タンパク質のC末端に
対する抗体を使用すると、切断型の該タンパク質を生じさせる突然変異を有する腫瘍では
、シグナルが殆ど又は全く生成されなくなる。IHCによる既知の遺伝子消失事象とPTEN発
現との間の一致と不一致の様々な例が文献に存在し;これは、基本的な生物学の解釈に疑
義を生じさせ得る(Bose Sらの文献(2002)「PTENの発現の減少は乳癌の進行に相関する(
Reduced expression of PTEN correlates with breast cancer progression)」(Hum. P
athol. 33:405-409)、及びBettendorf Oらの文献(2008)「腺管内癌、上皮内新生物、及
び侵襲性の前立腺腺癌における染色体不均衡、ヘテロ接合性の消失、並びにTP53、RB1、
及びPTENの免疫組織化学的発現(Chromosomal imbalances, loss of heterozygosity, an
d immunohistochemical expression of TP53, RB1 , and PTEN in intraductal cancer,
intraepithelial neoplasia, and invasive adenocarcinoma of the prostate)」(Gene
s Chromosomes Cancer 47:565-572))。遺伝子損傷を有する患者の割合とタンパク質レベ
ルが低下した患者の割合との間の不一致について、考えられ得る説明がいくつか存在する
。理論にとらわれずに、IHC法は、定量的又は半定量的とすることができ、解釈の相違は
、異なる結果をもたらし得る。IHC法は、全種の完全長タンパク質(機能性又は機能不全
性)を検出し、「低い」タンパク質レベルは、不安定化突然変異、miRNAの発現、又は共
発現安定化タンパク質から起こり得る一方、十分な量のPTENタンパク質は、ホスファター
ゼドメインにおける点突然変異と共に観察され得る(Maehama Tの文献(2007)「PTEN:その
分解及び腫瘍形成(PTEN: its deregulation and tumorigenesis.)」(Biol. Pharm. Bul
l. 30:1624-1627)、及びYim EK, Peng G, Dai Hらの文献(2009)「Rakは、PTENタンパク質
の安定性及び機能を調節することによって腫瘍抑制因子として機能する(Rak functions
as a tumor suppressor by regulating PTEN protein stability and function)」(Canc
er Cell 15:304-314))。
一部の実施態様では、ネラチニブが、1日に100〜500mg、200〜400mg、及び約250mgの
用量で対象に投与される。
一部の実施態様では、本発明は、乳癌の別の治療と併用して、ネラチニブで乳癌を治療
する方法を提供する。さらなる1又は複数の治療には、外科手術、放射線、又は以下の1つ
以上から選択される追加の化学療法剤:レトロゾール(フェマーラ)、アナストラゾール
(アリミデックス)、及びエキセメスタン(アロマシン)を含むアロマターゼ阻害剤;ゴ
セレリン(ゾラデックス);ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン(エレ
ンス)、及びリポソームドキソルビシン(ドキシル)を含むアントラサイクリン;ドセタ
キセル(タキソテール)、パクリタキセル(タキソール)、及びタンパク質結合パクリタ
キセル(アブラキサン)、シクロホスファミド(シトキサン)を含むタキサン;カペシタ
ビン(ゼローダ)及び5フルオロウラシル(5 FU);ビノレルビン(ナベルビン);並び
にトラスツズマブ(ハーセプチン)が含まれ得る。
本明細書で使用される用語「治療する」は、特段の記載がない限り、このような用語が
適用される障害もしくは状態の進行又はこのような障害もしくは状態の1つ以上の症状を
逆転させる、緩和する、又は阻害することを意味する。本明細書で使用される用語「療法
」及び「治療」は、特段の記載がない限り、直前で定義されている「治療する」のように
治療する行為を指す。本明細書で使用される「対象」と「患者」は、互換的に使用される
「良性」及び「非腫瘍形成性」は、本明細書では互換的に使用される。
一実施態様では、標準的なIHC法は、PTENタンパク質発現について腫瘍を染色するため
に使用される。デジタル画像を得て、両方の正常組織(例えば、間質細胞又は内皮細胞)
のPTEN発現のOD数値、及び腫瘍PTEN区画を得る。サンプルの正規化PTENスコアを、腫瘍の
PTEN OD発現値を正常(又は良性)組織のPTEN OD発現値で除して算出する。腫瘍特異的PT
EN ODの正常な良性組織ODに対するこの正規化プロセスにより、各サンプルについての染
色性の違いを、良性組織の染色の内部対照を使用して補正することができる。
正規化PTENスコアの低下は、正常細胞、良性細胞、又は非腫瘍形成性細胞(例えば、間
質細胞又は内皮細胞)に見られるPTENタンパク質のレベルと比較したときのPTENタンパク
質レベルの低下を意味する。該間質細胞又は内皮細胞は、腫瘍細胞と同じ組織切片に存在
するものでも良い。
「ネラチニブ」は、経口投与可能な、潜在的な抗腫瘍活性を有するHER-2受容体チロシ
ンキナーゼの6,7-二置換-4-アニリノキノリン-3-カルボニトリル不可逆阻害剤である。ネ
ラチニブは、不可逆的にHER-2受容体に結合し、これにより、見かけ上、該受容体のATP結
合ポケット内のシステイン残基を標的にすることによって、細胞の自己リン酸化を減少さ
せる。この薬剤による細胞の処置は、下流シグナル伝達事象及び細胞周期調節経路を阻害
し;細胞分裂周期のG1-S(Gap 1/DNA合成)相転移で停止させ;最終的に細胞増殖を減少
させる。ネラチニブはまた、上皮成長因子受容体(EGFR)キナーゼ及びEGFR依存性細胞の
増殖を阻害する。
「トラスツズマブ」及び「ハーセプチン」は、HER2/Neu受容体の外部膜ドメインに結合
するモノクローナル抗体を指す。ErbB/HER受容体は、細胞膜に埋め込まれたタンパク質で
あり、細胞外から細胞内に分子シグナルを伝達し、遺伝子をオン・オフする。ErbB/HERタ
ンパク質は、癌細胞において増幅又は減弱される細胞成長、生存、接着、移動、及び分化
機能を調節する。
定量的免疫組織化学を使用して、患者の保存されたヒト腫瘍サンプルにおけるPTENタン
パク質のタンパク質発現を評価する。PTENタンパク質レベルを、タンパク質発現レベルを
定量することができるデジタル画像システムを使用して測定する(例えば、Aperioデジタ
ル病理環境(Aperio Digital Pathology Environment; Vista, California)又は自動定量
分析(AQUA; HistoRx, New Haven, Connecticut))。画像解析用のこれらのシステムは、
ピクセルを使用して、解析用に選択された細胞のODについての定量的IHC数値を決定する
「正規化PTENスコア」は、腫瘍組織サンプルにおけるPTENタンパク質発現を非腫瘍形成
性組織サンプルにおけるPTENタンパク質発現で除した比と定義される。非腫瘍形成組織サ
ンプル及び腫瘍組織サンプルは、同じ乳房組織切片で見出され得る。
「PTENスコア」は、正常組織のPTEN OD発現値に対する(で除された)正規化されたPTE
N腫瘍細胞のOD発現値の比として算出される。正常組織の発現は、間質細胞又は内皮細胞
(又は染色される任意の他の正常組織細胞)において測定されるPTEN OD発現値と定義す
ることができる。非腫瘍形成性組織細胞及び腫瘍組織細胞は、同じ組織切片において染色
しても良い。
本明細書で使用される正規化PTENスコアは、PTENヌル又はPTENオンと定義することがで
きる。PTENヌルには、PTENスコアがPTENオフ及びPTEN減少である患者群が含まれる。PTEN
オフのPTENスコアは、検出可能なPTENタンパク質発現が存在しない(PTEN OD発現値が0の
)組織サンプルに対応する。この組織サンプルは、0の正規化PTENスコアを有することに
なる。PTEN減少のPTENスコアは、PTENタンパク質発現が検出可能な範囲(すなわち、腫瘍
PTEN OD発現値が、0よりも大きいが、非腫瘍形成性組織の全スコアの15%未満である)の
組織サンプルに対応する。一実施態様では、患者サンプルが、0よりも大きいが0.15未満
である正規化PTENスコアを示す場合は、PTEN減少の指定分類となる。一実施態様では、PT
EN減少の指定分類は、正規化PTENスコアが0よりも大きいが0.10以下である患者サンプル
の場合である。0.15以上の正規化PTENスコアは、PTENオンに対応する。PTENオンの指定分
類は、少なくとも1つの機能的な正常PTEN対立遺伝子が遺伝子アッセイで検出される場合
のPTENスコアと定義される。PTENヌルスコアは、0.15未満の正規化PTENスコアである。PT
ENヌルスコアは、0〜0.15のあらゆる数、例えば、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、又はそ
れらのどの一部であっても良い。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形「ある(a)」、「ある(an)」、及
び「その(the)」)は、文脈に明確にそうでないことが示されていなければ、複数形も
包含する。例えば、用語「細胞」は、その混合物を含め、複数の細胞を含む。
PTEN腫瘍発現OD値は、一般に0〜30の範囲である(デジタル画像及びODを使用)。一実
施態様では、標準的な半定量的IHC法を使用すると、3+の強度(すなわち非常に高いスコ
ア)は、一般に、20以上の発現OD値によって表される。ミッドレンジの発現OD値は、一般
に、5〜20(一般に、半定量的IHC法を使用すると1+〜2+)であり、ローレンジの発現OD
値は、0〜5(半定量的IHC法を使用すると、おそらく0と1+の強度の混合を示すであろう
)である。次いで、これらのOD発現値の全てが、PTEN「正常組織」OD発現値に正規化され
、該OD発現値は、Aperioデジタル画像システムを使用する標準的なIHCブラウン染色であ
る本アッセイでは一般に20〜25の範囲である。Aperioデジタル画像システムは、組織の光
学濃度(OD)及び選択された染色パラメータを生成する。
腫瘍の「PTENヌル」群を識別する正規化PTENスコアにおけるカットポイントは、非機能
性PTENタンパク質を有する腫瘍を確実に選択する。このカットポイントは、PTEN対立遺伝
子の両方が調節異常である患者の腫瘍サンプルを確実に識別する正規化PTEN発現スコアと
して決定される。さらに、「PTENヌル」群に分類される腫瘍を有する患者は、pan-ErbB阻
害剤に対して優れた臨床応答を有する患者であると推定される。
従来の半定量的アプローチでは、免疫組織化学PTEN染色に基づいて患者が複数の区分に
分類する。これらの研究の殆どでは、患者の腫瘍サンプルで観察される様々なレベルのPT
ENが薬物応答に相関することが見出されなかった。様々な結果が、腎癌におけるPTEN染色
から得られた予後情報について実証された。例えば、Pantuck AJらの文献(2007)「腎細胞
癌におけるmTOR経路の予後の関連性:標的治療ついての分子による患者選択の意義(Pro
gnostic relevance of the mTOR pathway in renal cell carcinoma: implications for
molecular patient selection for targeted therapy)」(Cancer 109(11):2257-2267)
;及びHager Mらの文献(2007)「腎細胞癌及び好酸性顆粒細胞腺腫におけるPTEN発現並び
に予後(PTEN expression in renal cell carcinoma and oncocytoma and prognosis)」
(Pathology 39(5):482-485)を参照されたい。
2つのPTEN対立遺伝子が、10q23遺伝子座に存在する。多くの腫瘍では、両方の遺伝子
座は、不活化のいくつかの機構の1つ、例えば、プロモーターメチル化、遺伝子欠失、又
は突然変異の影響を受ける。PTEN遺伝子の対立遺伝子の両方がヒットし、従って機能性PT
ENタンパク質が最小限からゼロである腫瘍を確実に識別するPTENタンパク質発現における
カットポイントが決定される。
乳癌では、突然変異、遺伝子欠失、及びmiRNAもしくは後成的サイレンシングによる転
写下方制御を含め、PTENの機能喪失の複数の機構が実証された。乳癌におけるPTENタンパ
ク質のレベルの減少が、免疫組織化学(IHC)を使用して観察されている;様々な研究が
、患者の15%〜48%でPTENが減少していることを報告している(Depowski PL, Rosenthal
SI,及びRoss JSの文献(2001)「PTEN遺伝子のタンパク質産物の発現消失は、乳癌の不良
転帰に関連している(Loss of expression of the PTEN gene protein product is assoc
iated with poor outcome in breast cancer)」(Mod. Pathol. 14:672-676);Bose S
らの文献(1998)「染色体10q23の対立遺伝子の消失は、乳癌における腫瘍進行に関連して
いる(Allelic loss of chromosome 10q23 is associated with tumor progression in b
reast carcinomas)」(Oncogene 17:123-127.34);Perez-Tenorio Gらの文献(2007)「P
IK3CA突然変異及びPTEN消失は、類似の予後因子に相関し、乳癌では相互に排他的ではな
い(PIK3CA mutations and PTEN loss correlate with similar prognostic factors and
are not mutually exclusive in breast cancer)」(Clin. Cancer Res. 13:3577-3584
);Saal LHらの文献(2005)「PIK3CA突然変異は、ホルモン受容体、リンパ節転移、及びE
RBB2に相関し、ヒト乳癌におけるPTEN消失と相互に排他的である(PIK3CA mutations cor
relate with hormone receptors, node metastasis, and ERBB2, and are mutually excl
usive with PTEN loss in human breast carcinoma)」(Cancer Res. 65:2554-2559);
及びPerren Aらの文献(1999)「乳房の原発性管腺癌におけるPTEN発現消失の免疫組織化学
的証拠(Immunohistochemical evidence of loss of PTEN expression in primary ducta
l adenocarcinomas of the breast)」(Am. J. Pathol. 155:1253-1260)。
不活化の機構としての様々なPTENの突然変異、遺伝子欠失、及び後成的事象は、腫瘍生
物学の興味深い研究を提示し、これらの不活化機構の変更可能な組み合わせが、観察され
たPTEN発現の減少に関する既刊文献の多様性の一因である可能性が高い。PTEN遺伝子にお
ける突然変異は、悪性腫瘍、例えば、子宮内膜癌及びグリア芽腫ではかなり一般的である
;しかしながら、このような突然変異は、乳癌患者の約5%でしか見られない。これらの
突然変異の殆どは、PTEN遺伝子が翻訳され得る能力を維持している場合、不安定なタンパ
ク質を頻繁にもたらすフレームシフト突然変異である。対照的に、乳癌におけるPTEN不活
化の主要な機構は、PTEN遺伝子の欠失であると思われる。遺伝子消失や突然変異以外のPT
EN消失の複数の別の機構が同定されており、これらの機構は、腫瘍における第2の非欠失
対立遺伝子の調節異常の機構である場合が多い。転写レベルにおいて、プロモーターメチ
ル化による後成的サイレンシング、又はmiRNA発現(例えば、miR-21)が説明されている
。PTEN発現を減少させる別の機構は、PTENをリン酸化し、従ってユビキチン介在性分解か
らPTENを保護する安定化タンパク質、例えば、Rakを消失させる。
本発明の実施に使用される、PTENタンパク質の発現を評価する代替の方法も考えられる
。定量的方法、例えば、逆相タンパク質マイクロアレイ技術又は定量的IHC法は、標準的
なIHCでは検出されない、タンパク質レベルの僅かな変化を検出することができる。これ
らの方法は、PTENタンパク質レベルの解釈と遺伝学との間の良好な一致を示している(Yi
m Eらの文献(2009)「Rakは、PTENタンパク質の安定性及び機能を調節することによって腫
瘍抑制因子として機能する(Rak functions as a tumor suppressor by regulating PTEN
protein stability and function)」(Cancer Cell 15:304-314);Stemke-Hale Kらの
文献(2008)「乳癌におけるPIK3CA、PTEN、及びAKT突然変異の統合的なゲノム/プロテオー
ム解析(An integrative genomic and proteomic analysis of PIK3CA, PTEN, and AKT m
utations in breast cancer)」(Cancer Res. 68:6084-6091);Zhou Jらの文献(2007)
「乳癌幹様細胞におけるPTEN/mTOR/STAT3経路の活性化は生存と維持に必要である(Activ
ation of the PTEN/mTOR/STAT3 pathway in breast cancer stem-like cells is require
d for viability and maintenance)」(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 104:16158-161
63))。これらの新規な定量的タンパク質測定法は、保存されたサンプルに適用可能であ
り、このようなアッセイは、基本的な経路生物学の研究において、標準的なIHCと比較し
てより信頼性が高いであろう。代替の定量的方法、例えば、RPPAもまた、PTENタンパク質
発現スコアのカットポイントの開発を必要とする。
(実施例1)
本発明は、乳癌患者の治療を決定する方法に関する。全組織切片を患者から得て、PTEN
タンパク質のC末端ドメインを認識する抗体を使用して、PTENタンパク質の発現を調べる
ために免疫組織化学(IHC)により該組織切片を染色する。染色組織のデジタル画像を得て
、サンプルにおける腫瘍細胞と正常組織細胞を識別する。腫瘍細胞発現OD値を得、そして
正常な良性発現OD値を得る。腫瘍細胞におけるPTENタンパク質発現ODと正常組織細胞にお
けるPTENタンパク質発現ODとの比較により、正規化PTENスコア(PTEN腫瘍細胞OD/PTEN正
常組織OD)が得られる。
正規化PTENスコアは、一般に0〜1の範囲となる。正規化PTENスコアに基づいて、患者は
、PTENオフ、PTEN減少、又はPTENオンに分類される。正規化PTENスコアが0の患者は、PTE
Nオフに分類される。「PTENヌル」の臨床指定分類には、PTENタンパク質を全く発現しな
い患者、及びIHCによって検出できないほどPTENタンパク質発現OD値が低い患者(正規化P
TENスコアが0又はPTENオフ)が含まれる。正規化PTENスコアが0よりも大きいが0.15未満
である(又は正常組織発現OD値の15%未満であるPTEN腫瘍発現OD値を有する)患者は、PT
EN減少に分類される。PTENオフ群及びPTEF減少群は共に、2つのPTEN対立遺伝子のヒット
によるPTEN遺伝子機能のほぼ完全な喪失と相関する。PTEN対立遺伝子の少なくとも一方の
正常な機能は、少なくとも0.15の正規化スコアをもたらす。正規化PTENスコアが少なくと
も0.15である患者は、PTENオンに分類される。
「PTENヌル」(PTENオフもしくはPTEN減少に分類されているか、又は0.15未満の正規化
PTENスコアを有する)と識別された患者は、ネラチニブで治療し、PTENオンと識別された
患者は、異なる治療法で治療することができる。
(実施例2)
PTEN間質(良性)手動スコア及びPTEN腫瘍手動スコアを、病理学者が標準的な半定量的
方法を使用して決定した。PTEN間質ODスコア及びPTEN腫瘍ODスコアを、デジタル画像シス
テム、例えば、Aperioデジタル画像システムを用いて決定した。Aperioデジタル画像シス
テムは、組織の光学濃度(OD)及び選択される染色パラメータを生成する。良性細胞(す
なわち、間質細胞)及び腫瘍細胞は、通常は同じ組織切片に含まれている。(正規化)PT
EN比スコアを、腫瘍細胞で得られたPTEN ODスコアを間質細胞で得られたPTEN ODスコアで
除して求めた。27人の患者群のPTENスコア及び比を表Aに示す:
Figure 2016053579
本発明によって定義されるカットポイントにより、各患者サンプルをPTENオフ(PTEN比
スコアが0)、PTEN減少(PTEN比スコアが0よりも大きいが0.15未満)、及びPTENオン(PT
EN比スコアが0.15以上)として識別することができる。「PTENヌル」(PTENオフもしくは
PTEN減少に分類されているか、又は0.15未満のPTEN比スコアを有する−表Aでは「*」が
付されている)と識別された患者は、pan-ErbBチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ネラチ
ニブで治療する。(PTENオンと識別された患者は、様々な治療、例えば、トラスツズマブ
で治療することができる。)
本明細書で言及した全ての出版物及び特許出願は、本発明の属する分野の技術者のレベ
ルを示すものである。本明細書で言及した全ての出版物及び特許出願は、個々の出版物及
び特許出願が具体的かつ個別に引用によって本明細書中に組み込まれるのと同程度に、引
用によって本明細書中に組み込まれるものとする。
本発明は、理解しやすいようにするために説明及び例によってかなり詳細に説明したが
、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を加えることができる。

Claims (20)

  1. 乳癌患者に対する治療を決定する方法であって:
    該患者から腫瘍細胞及び非腫瘍形成性細胞を得る工程:
    該腫瘍細胞及び該非腫瘍形成性細胞におけるPTENタンパク質発現の定量的測定を行う工
    程;
    該腫瘍細胞におけるPTENタンパク質発現の該定量的測定値を該非腫瘍形成性細胞におけ
    るPTENタンパク質発現の該定量的測定値と比較することによって、正規化PTENタンパク質
    発現スコアを算出する工程;及び
    該正規化PTENタンパク質発現スコアがPTENヌルである場合は、pan-ErbBチロシンキナー
    ゼ阻害剤で該患者を治療すると決定する工程を含む、前記方法。
  2. 前記非腫瘍形成性細胞が、間質細胞又は内皮細胞である、請求項1記載の方法。
  3. 前記腫瘍細胞及び前記非腫瘍形成性細胞が、同じサンプルからのものである、請求項1
    記載の方法。
  4. 前記pan-ErbBチロシンキナーゼ阻害剤が、PIK3CAのErbBの細胞内部分への不可逆的な結
    合を防止する、請求項1記載の方法。
  5. 前記pan-ErbBチロシンキナーゼ阻害剤がネラチニブである、請求項1記載の方法。
  6. PTENタンパク質発現の前記定量的測定が:逆相タンパク質アレイ、ウエスタンブロット
    、又は半定量的もしくは定量的免疫組織化学(IHC)の1つ以上を含む、請求項1記載の方
    法。
  7. 前記腫瘍細胞及び前記非腫瘍形成性細胞が、同じサンプルからのものである、請求項6
    記載の方法。
  8. PTENタンパク質発現の定量的測定を行う前記工程が、前記腫瘍細胞及び前記非腫瘍形成
    性細胞を染色する工程を含み、PTENタンパク質発現の定量的測定を行う該工程が、該染色
    細胞のデジタル画像を得る工程を任意に含む、請求項1記載の方法。
  9. 前記正規化PTENヌルのスコアが0.15未満である、請求項1記載の方法。
  10. PTENタンパク質発現の前記定量的測定値が、PTENの光学濃度発現値である、請求項1記
    載の方法。
  11. 患者の癌を治療する方法であって:
    該患者から腫瘍細胞及び非腫瘍形成性細胞を得る工程:
    該腫瘍細胞におけるPTENタンパク質発現の定量的測定を行う工程;
    該腫瘍細胞におけるPTENタンパク質発現の該定量的測定値を該非腫瘍形成性細胞におけ
    るPTENタンパク質発現の定量的測定値と比較することによって、正規化PTENタンパク質発
    現スコアを算出する工程;及び
    該正規化PTENタンパク質発現スコアがPTENヌルである場合は、pan-ErbBチロシンキナー
    ゼ阻害剤で該患者を治療する工程を含む、前記方法。
  12. 前記非腫瘍形成性細胞が、間質細胞又は内皮細胞である、請求項11記載の方法。
  13. 前記腫瘍細胞及び前記非腫瘍形成性細胞が、同じサンプルからのものである、請求項11
    記載の方法。
  14. 前記pan-ErbBチロシンキナーゼ阻害剤が、PIK3CAのErbBの細胞内部分への不可逆的な結
    合を防止する、請求項11記載の方法。
  15. 前記pan-ErbBチロシンキナーゼ阻害剤がネラチニブである、請求項11記載の方法。
  16. PTENタンパク質発現の前記定量的測定が:逆相タンパク質アレイ、ウエスタンブロット
    、又は半定量的もしくは定量的免疫組織化学(IHC)の1つ以上を含む、請求項11記載の方
    法。
  17. 前記腫瘍細胞及び前記非腫瘍形成性細胞が、同じサンプルからのものである、請求項16
    記載の方法。
  18. PTENタンパク質発現の定量的測定を行う前記工程が、前記腫瘍細胞及び前記非腫瘍形成
    性細胞を染色する工程を含み、PTENタンパク質発現の定量的測定を行う該工程が、該染色
    細胞のデジタル画像を得る工程を任意に含む、請求項11記載の方法。
  19. 前記正規化PTENヌルのスコアが、0.15未満のあらゆるスコアを含む、請求項11記載の方
    法。
  20. PTENタンパク質発現の前記定量的測定値が、PTENの光学濃度発現値である、請求項11記
    載の方法。
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