JP2016053245A - 水中設置物の設置装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の沈設誘導装置や水中設置装置の構造を大幅に改良する装置を提供しようとするものである。【解決手段】 水中設置物の設置装置であって、以下の構成を有する。(1)天面と底面にそれぞれ3個以上のクレーン用ワイヤ係止リングとワイヤ係止リングを備える、水中設置物を吊り下げるための支持フレーム(2)先端部に吊下げ用ワイヤロープの切離し用フックと後端部に吊下げ用ワイヤロープのワイヤ係止部を備えるとともに、切離し信号を受信し位置データを送受信する中継器とトランスジューサーを装着した1個の切離し装置(3)前記切離し装置との交信・制御を行う船上装置【選択図】 図1
Description
本発明は、水中設置物の設置装置に関し、詳細には、海底トンネル敷設部材や人工漁礁などの水中設置物、または水圧・水温・位置測定などの測定装置を沈設するための技術に関する。
上記水中設置物の沈設作業は、船上、水中設置物、または船のクレーンと水中設置物の中間に介在する支持フレームなどに相互交信を行うためのトランスジューサーや中継器を設けて、船上で水中設置物の位置測定や制御をすることで、水中設置物の位置決めや沈設を行っていた。さらにその精度を高めるために衛星測位システムとも組み合わせて水中設置物の沈設を行うことが一般的に実施されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
また、本発明を構成する一部の装置は、本出願人が営業用として、1997年9月30日に作成して頒布した海洋電子株式会社のパンフレットに基本形が開示されている。各装置の紹介図面も記載されている。(非特許文献1)
・マルチ音響制御装置(型式MST−10シリーズ)
船上で海中に設置されたトランスポンダや観測機器との音響交信を行なう。トランスポンダとの距離測定、切離し装置の駆動とそのモニター、自船および水中移動物体の航行支援ナビゲーション、各種センサーからのデータテレメトリー等の機能を有しており、音響交信範囲は最大10Kmまで可能である。また、外部インターフェースとしてプリンターおよびRS−232Cの2つのポートを有している。
・簡易音響トラスポンダ(型式STD−20シリーズ)
小型・軽量・低価格を目標に開発したもので、あらゆる海中観測機器に搭載が可能で、特に海底地震計等の設置・回収に威力を発揮するし、推進6,000mまでの使用が可能である。
・位置検知装置(型式ALS−20シリーズ)
制御ユニットと送受波器および水中トランスポンダにより構成し、トランスポンダは最大8台まで個別に呼び出し、位置表示を行なうことが可能である。得られた位置データはRS−232Cラインにて外部にも出力できる。
・モータ式リリーストランスポンダ(型式TMR−6000シリーズ)
音響式トランスポンダで、各種の海中観測器の設置・回収に使用する。リリース機構にモータドライブ方式を採用し、取扱いが簡単で保守・信頼性に優れており水深6,000mまでの使用が可能である。
上記の各装置はその後改良が加えられているが、基本的な構造は実質同一である。
また、本発明を構成する一部の装置は、本出願人が営業用として、1997年9月30日に作成して頒布した海洋電子株式会社のパンフレットに基本形が開示されている。各装置の紹介図面も記載されている。(非特許文献1)
・マルチ音響制御装置(型式MST−10シリーズ)
船上で海中に設置されたトランスポンダや観測機器との音響交信を行なう。トランスポンダとの距離測定、切離し装置の駆動とそのモニター、自船および水中移動物体の航行支援ナビゲーション、各種センサーからのデータテレメトリー等の機能を有しており、音響交信範囲は最大10Kmまで可能である。また、外部インターフェースとしてプリンターおよびRS−232Cの2つのポートを有している。
・簡易音響トラスポンダ(型式STD−20シリーズ)
小型・軽量・低価格を目標に開発したもので、あらゆる海中観測機器に搭載が可能で、特に海底地震計等の設置・回収に威力を発揮するし、推進6,000mまでの使用が可能である。
・位置検知装置(型式ALS−20シリーズ)
制御ユニットと送受波器および水中トランスポンダにより構成し、トランスポンダは最大8台まで個別に呼び出し、位置表示を行なうことが可能である。得られた位置データはRS−232Cラインにて外部にも出力できる。
・モータ式リリーストランスポンダ(型式TMR−6000シリーズ)
音響式トランスポンダで、各種の海中観測器の設置・回収に使用する。リリース機構にモータドライブ方式を採用し、取扱いが簡単で保守・信頼性に優れており水深6,000mまでの使用が可能である。
上記の各装置はその後改良が加えられているが、基本的な構造は実質同一である。
しかし、従来の水中設置物の沈設方法や装置は、潮流・水圧などに影響されないように、関連する装置の重量や構造を複雑にしたものが多く、その取扱いは難しく、かつ、コストがかかるシステム・装置が多かった。
さらに、水中での作業であり沈設作業の誘導確認も潜水士などによる目視確認などの人的補助も必要になっていた。
例えば、上記特許文献1にもあるような水中設置物の沈設作業においては、水中設置物を少なくとも四組のワイヤロープを重量構造物に玉掛けすることにより、ワイヤロープ一本あたりの長さを短くして、重量構造物を安定して吊り込むと共に、ワイヤロープの開放時にワイヤロープのワイヤ係止フックへの引掛かりの発生を防止するものである。従って、ワイヤロープの分離のために少なくとも四組のワイヤロープを吊下げて開放するための切離し装置は少なくとも四組必要となっていた。この切離し装置は超音波作動式切離装置であり、分離指示信号や位置を確認するための交信を行う中継器やトランスジューサーを具備するものである。
超音波測定装置や設置装置が複数存在する環境においては、各超音波測定装置が送信する超音波信号が混信するので誤計測が生じる。このために、超音波測定装置の超音波信号を送信するタイミングを超音波測定装置ごとにずらすことにより、超音波信号の混信を防ぐ時分割送信と呼ばれている方法がある。これは簡易な方法として用いられている。しかし、各超音波測定装置が独立している場合、他の超音波測定装置が超音波信号を送信するタイミングを知ることが出来ないため、混信が生じないように超音波信号を送信するタイミングを調節することが必要であり、非常に困難を伴うものであった。
従って、それが四組もの切離し装置が必要となれば非常に制御しにくく、吊下げ用ワイヤロープが複数のワイヤ係止リングをすり抜けることを確認しつつ作業を行なう必要がありコストパフォーマンスも悪いものになっていた。このような切離し装置は、相当な重量(1個30〜50Kg)になり、それが4個使用するとなると120Kg〜200Kgの重量になり、切離し装置の運搬や船上での支持フレームへの取り付けは大変な作業になっていた。かつ、切離し装置は高価なものであり、切離し装置の減数は喫緊の課題であった。 特許文献2は、新規水中設置物と既設水中設置物を接合する沈設誘導装置に関するもので、予め既設水中設置物にテレビカメラを装着して新規水中設置物と既設水中設置物の接合を目視確認するためのものである。しかし、設備費と設置費が増大する。さらに、既設沈埋函と新規沈埋函とに高さ方向段差もしくは横方向ずれがある場合、カメラのレンズが広角でないかぎり光源を捉える事ができず、計測できないこととなり、また広角であるとしても計測精度は極端に悪くなり、新設の水中設置物の誘導を行う事が困難となる。その改良のため、特許文献2においてはあらかじめ水中設置物のイメージパターンを記憶しておき、そのパターンとのズレを検出することで正確な位置決めをしようとするものであるが、水中での精度の高いパターン認識は難しいものであった。、既設水中設置物にテレビカメラを装着する方法では、既設水中設置物へ新設水中設置物を誘導設置した結果の目視確認はできるものの、既設水中設置物へ新設水中設置物を誘導することは、水中での精度の高いパターン認識や混信の多い送受波器などでの交信による制御は難しいものになり結局は潜水士による目視確認での誘導に頼らざるを得ず、最終的には潜水士などの目視確認による設置のための誘導を必要としていた。
特許文献3は、2個の受信器と深度のデータで水中設置物上の送信器の位置を測定する方式であり、これは従来から知られている測定方式である。本発明においても、このような公知のシステムで位置測定を使用するものの、その沈設誘導装置や水中設置装置の構造を大幅に改良する装置を提供しようとするものである。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、その目的とするところは、水中設置物の軽量化を図るための構造改良ととともに人的補助を排除するための自動化を図ることで、水中設置物を正確かつ効率的に沈設させる装置を提供することにある。
あった。 既設水中設置物にテレビカメラを装着する方法では、既設水中設置物へ新設水中設置物を誘導設置した結果の目視確認はできるものの、既設水中設置物へ新設水中設置物を誘導することは、水中での精度の高いパターン認識や混信の多い送受波器などでの交信による制御は難しいものになり結局は潜水士による目視確認での誘導に頼らざるを得なかった。
さらに、水中での作業であり沈設作業の誘導確認も潜水士などによる目視確認などの人的補助も必要になっていた。
例えば、上記特許文献1にもあるような水中設置物の沈設作業においては、水中設置物を少なくとも四組のワイヤロープを重量構造物に玉掛けすることにより、ワイヤロープ一本あたりの長さを短くして、重量構造物を安定して吊り込むと共に、ワイヤロープの開放時にワイヤロープのワイヤ係止フックへの引掛かりの発生を防止するものである。従って、ワイヤロープの分離のために少なくとも四組のワイヤロープを吊下げて開放するための切離し装置は少なくとも四組必要となっていた。この切離し装置は超音波作動式切離装置であり、分離指示信号や位置を確認するための交信を行う中継器やトランスジューサーを具備するものである。
超音波測定装置や設置装置が複数存在する環境においては、各超音波測定装置が送信する超音波信号が混信するので誤計測が生じる。このために、超音波測定装置の超音波信号を送信するタイミングを超音波測定装置ごとにずらすことにより、超音波信号の混信を防ぐ時分割送信と呼ばれている方法がある。これは簡易な方法として用いられている。しかし、各超音波測定装置が独立している場合、他の超音波測定装置が超音波信号を送信するタイミングを知ることが出来ないため、混信が生じないように超音波信号を送信するタイミングを調節することが必要であり、非常に困難を伴うものであった。
従って、それが四組もの切離し装置が必要となれば非常に制御しにくく、吊下げ用ワイヤロープが複数のワイヤ係止リングをすり抜けることを確認しつつ作業を行なう必要がありコストパフォーマンスも悪いものになっていた。このような切離し装置は、相当な重量(1個30〜50Kg)になり、それが4個使用するとなると120Kg〜200Kgの重量になり、切離し装置の運搬や船上での支持フレームへの取り付けは大変な作業になっていた。かつ、切離し装置は高価なものであり、切離し装置の減数は喫緊の課題であった。 特許文献2は、新規水中設置物と既設水中設置物を接合する沈設誘導装置に関するもので、予め既設水中設置物にテレビカメラを装着して新規水中設置物と既設水中設置物の接合を目視確認するためのものである。しかし、設備費と設置費が増大する。さらに、既設沈埋函と新規沈埋函とに高さ方向段差もしくは横方向ずれがある場合、カメラのレンズが広角でないかぎり光源を捉える事ができず、計測できないこととなり、また広角であるとしても計測精度は極端に悪くなり、新設の水中設置物の誘導を行う事が困難となる。その改良のため、特許文献2においてはあらかじめ水中設置物のイメージパターンを記憶しておき、そのパターンとのズレを検出することで正確な位置決めをしようとするものであるが、水中での精度の高いパターン認識は難しいものであった。、既設水中設置物にテレビカメラを装着する方法では、既設水中設置物へ新設水中設置物を誘導設置した結果の目視確認はできるものの、既設水中設置物へ新設水中設置物を誘導することは、水中での精度の高いパターン認識や混信の多い送受波器などでの交信による制御は難しいものになり結局は潜水士による目視確認での誘導に頼らざるを得ず、最終的には潜水士などの目視確認による設置のための誘導を必要としていた。
特許文献3は、2個の受信器と深度のデータで水中設置物上の送信器の位置を測定する方式であり、これは従来から知られている測定方式である。本発明においても、このような公知のシステムで位置測定を使用するものの、その沈設誘導装置や水中設置装置の構造を大幅に改良する装置を提供しようとするものである。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、その目的とするところは、水中設置物の軽量化を図るための構造改良ととともに人的補助を排除するための自動化を図ることで、水中設置物を正確かつ効率的に沈設させる装置を提供することにある。
あった。 既設水中設置物にテレビカメラを装着する方法では、既設水中設置物へ新設水中設置物を誘導設置した結果の目視確認はできるものの、既設水中設置物へ新設水中設置物を誘導することは、水中での精度の高いパターン認識や混信の多い送受波器などでの交信による制御は難しいものになり結局は潜水士による目視確認での誘導に頼らざるを得なかった。
請求項1においては、
水中設置物の設置装置 であって、以下の構成を有することを特徴とする。
(1)複数の支柱で枠組みされ、かつ、天面に3個以上のクレーン用ワイヤ係止リングと底面に3個以上のワイヤ係止リングを備える、水中設置物を吊り下げるための支持フレーム
(2)先端部に吊下げ用ワイヤロープの切離し用フックと後端部に吊下げ用ワイヤロープのワイヤ係止部を備えるとともに、切離し信号を受信し位置データを送受信する中継器とトランスジューサーを装着した1個の切離し装置
(3)前記切離し装置との交信・制御 を行う船上装置
水中設置物の設置装置 であって、以下の構成を有することを特徴とする。
(1)複数の支柱で枠組みされ、かつ、天面に3個以上のクレーン用ワイヤ係止リングと底面に3個以上のワイヤ係止リングを備える、水中設置物を吊り下げるための支持フレーム
(2)先端部に吊下げ用ワイヤロープの切離し用フックと後端部に吊下げ用ワイヤロープのワイヤ係止部を備えるとともに、切離し信号を受信し位置データを送受信する中継器とトランスジューサーを装着した1個の切離し装置
(3)前記切離し装置との交信・制御 を行う船上装置
請求項2においては、
水中設置物の位置測定装置および設置装置であって、以下の構成を有することを特徴とする。
(1)複数の支柱で枠組みされ、かつ、天面に3個以上のクレーン用ワイヤ係止リングと底面にそれぞれ3個以上のワイヤ係止リングを備える、水中設置物を吊り下げるための支持フレーム
(2)先端部に吊下げ用ワイヤロープの切離し用フックと後端部に吊下げ用ワイヤロープのワイヤ係止部を備えるとともに、切離し信号を受信し位置データを送受信する中継器とトランスジューサーを装着した一対の切離し装置
(3)前記切離し装置との交信・制御 を行う船上装置
水中設置物の位置測定装置および設置装置であって、以下の構成を有することを特徴とする。
(1)複数の支柱で枠組みされ、かつ、天面に3個以上のクレーン用ワイヤ係止リングと底面にそれぞれ3個以上のワイヤ係止リングを備える、水中設置物を吊り下げるための支持フレーム
(2)先端部に吊下げ用ワイヤロープの切離し用フックと後端部に吊下げ用ワイヤロープのワイヤ係止部を備えるとともに、切離し信号を受信し位置データを送受信する中継器とトランスジューサーを装着した一対の切離し装置
(3)前記切離し装置との交信・制御 を行う船上装置
請求項3においては、
水中設置物を吊り下げるために用いられる支持フレームであって、
前記支持フレームの底面に設けられる3個以上のワイヤ係止リングに滑車を設けた滑車付きワイヤ係止リングとしたことを特徴とする。
水中設置物を吊り下げるために用いられる支持フレームであって、
前記支持フレームの底面に設けられる3個以上のワイヤ係止リングに滑車を設けた滑車付きワイヤ係止リングとしたことを特徴とする。
請求項4においては、
前記支持フレームの底面に全方位カメラを設けるとともに、全方位カメラに照明灯を備えたことを特徴とする。
前記支持フレームの底面に全方位カメラを設けるとともに、全方位カメラに照明灯を備えたことを特徴とする。
超音波測定装置や設置装置が複数存在する環境においては、各超音波測定装置が送信する超音波信号が混信するので誤計測が生じる。これを防止するために、超音波測定装置や設置装置が極力少なくなる構成としたので、超音波信号の混信する確率が低くなり、かつ、装置全体の総重量が軽くなることで、水中設置物の設置や位置決め作業が確実で効率の良いものになる。また、一対の切離し装置を支持フレーム上の対向する位置に設けた場合は、吊下げ用ワイヤロープが水中設置物用ワイヤ係止リングと支持フレームのワイヤ係止リングをすり抜ける必要が無いので、水中設置物の設置がより確実に行なうことができる。
さらに、支持フレームの底面側のワイヤ係止リングに滑車を設けて吊下げ用ワイヤロープを滑動させることで、吊下げ用ワイヤロープがワイヤ係止リングに引掛かるのを防止できる。
加えて、全方位カメラを、水中設置物全体を俯瞰できる位置、つまり支持フレームの底面側に設けることによって、誘導作業や設置確認作業が人的な目視確認と同等の確実性を有するようになる。また、前記支全方位カメラに、照明灯を備えることで暗い海底での目視確認をすることができる。
さらに、支持フレームの底面側のワイヤ係止リングに滑車を設けて吊下げ用ワイヤロープを滑動させることで、吊下げ用ワイヤロープがワイヤ係止リングに引掛かるのを防止できる。
加えて、全方位カメラを、水中設置物全体を俯瞰できる位置、つまり支持フレームの底面側に設けることによって、誘導作業や設置確認作業が人的な目視確認と同等の確実性を有するようになる。また、前記支全方位カメラに、照明灯を備えることで暗い海底での目視確認をすることができる。
(1)設置装置について
以下、本発明の実施の形態について、以下に詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る水中設置物の設置装置は、図7に示されるように、作業船のクレーンから吊下げられる吊下げ用ワイヤロープ3aによって懸架される支持フレーム2と、前記支持フレーム2を介して懸架される水中設置物1を水底に沈設するためのものである。
水中設置物
本発明の実施の形態においては、海底トンネル用の部材や魚礁ブロックなどの水中設置物に適用した場合の実施例を中心にして説明する。
重量の重い海底トンネル用の部材や魚礁ブロックなどは、作業船のクレーンに吊下げられて水底または海底に敷設されるが、その制御は作業船の船上装置15にて行う。
水中設置物1は、数十トンの重さがあり、水深数百mの水底に設置される。設置装置は、作業船のクレーンに吊り下げられる支持フレーム2を含むものである。この支持フレーム2は、図1に示すように、天面に設けられた複数のクレーン用ワイヤ係止リング5aと底面に設けられた複数のワイヤ係止リング5を備え、そのうちの底面に設けられた複数のワイヤ係止リング5の一つのワイヤ係止リング5に切離し装置9を係止する。前記切離し装置9は、一端にワイヤ係止リング5に結合するためのリングまたはワイヤを有し、その他端には切離し用フック10を備える。また、前記切離し装置9は船上装置15の制御・調整装置16と交信を行うための中継器7とトランスジューサー8を装着している。。この装着の形態は、それぞれが別の個体であっても、切離し装置9と一体化されたものであっても良い。通常は、使用用途に応じて適宜取捨選択できる別の個体であることが望ましい。
以下、本発明の実施の形態について、以下に詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る水中設置物の設置装置は、図7に示されるように、作業船のクレーンから吊下げられる吊下げ用ワイヤロープ3aによって懸架される支持フレーム2と、前記支持フレーム2を介して懸架される水中設置物1を水底に沈設するためのものである。
水中設置物
本発明の実施の形態においては、海底トンネル用の部材や魚礁ブロックなどの水中設置物に適用した場合の実施例を中心にして説明する。
重量の重い海底トンネル用の部材や魚礁ブロックなどは、作業船のクレーンに吊下げられて水底または海底に敷設されるが、その制御は作業船の船上装置15にて行う。
水中設置物1は、数十トンの重さがあり、水深数百mの水底に設置される。設置装置は、作業船のクレーンに吊り下げられる支持フレーム2を含むものである。この支持フレーム2は、図1に示すように、天面に設けられた複数のクレーン用ワイヤ係止リング5aと底面に設けられた複数のワイヤ係止リング5を備え、そのうちの底面に設けられた複数のワイヤ係止リング5の一つのワイヤ係止リング5に切離し装置9を係止する。前記切離し装置9は、一端にワイヤ係止リング5に結合するためのリングまたはワイヤを有し、その他端には切離し用フック10を備える。また、前記切離し装置9は船上装置15の制御・調整装置16と交信を行うための中継器7とトランスジューサー8を装着している。。この装着の形態は、それぞれが別の個体であっても、切離し装置9と一体化されたものであっても良い。通常は、使用用途に応じて適宜取捨選択できる別の個体であることが望ましい。
本発明の設置装置の構成は、図1のように複数のクレーン用ワイヤ係止リング5aと係止リング5を有する支持フレーム2と、前記支持フレーム2の底面に吊下げられる中継器7、トランスジューサー8が装着された切離し装置9で構成され、さらに、位置決めや切離し作業を行なうための制御・調整を船上装置15の調整・制御装置16と連動する。
本発明の設置装置の動作は、図2と図3に示されるように、船上のクレーンからの吊下げ用ワイヤロープ3aで係止される支持フレーム2が、吊下げ用ワイヤロープ3に吊下げられる単一の切離し装置9で構成される。切離し装置9には中継器7、トランスジューサー8が装着されており、これらによって水中設置物1の位置確認や設置作業の制御・交信を行なう。水中設置物1の切離し動作は、図2のように、係止リング5に懸架された切離し装置9の切離し用フック10が閉成されている状態では、切離し用フック10を始端としワイヤ固定部4を終端とした吊下げ用ワイヤロープ3が、支持フレーム2と水中設置物1とを緊張した状態で懸架している。例えば水底に水中設置物1が着底したときに、着底後に支持フレーム2をさらに沈下させて、吊下げ用ワイヤロープ3をたるませることで水中設置物1の水中設置物用ワイヤ係止リング5bとの緊張した状態を解除する。その後に、図3に示すように、切離し用フック10を開成して吊下げ用ワイヤロープ3を切離し装置9から分離する。分離後は、支持フレームを上方に引上げることで、吊下げ用ワイヤロープ3は水中設置物用ワイヤ係止リング5bと係止リング5をすり抜ける状態になる。この時、吊下げ用ワイヤロープ3の終端は支持フレーム2の固定部4に固定されているので、吊下げ用ワイヤロープ3は支持フレーム2を上方に引上げる動作と連動して引上げられる。吊下げ用ワイヤロープ3が完全に水中設置物用ワイヤ係止リング5bとワイヤ係止リング5をすり抜けるのを全方位カメラ14で確認する。
また、図7に示すように、一対の切離し装置9が吊下げ用ワイヤロープ3の始端と終端に設けられているときは、吊下げ用ワイヤロープ3が水中設置物1の水中設置物用ワイヤ係止リング5bに残存することになる。一対の切離し装置9のそれぞれの切離し用フック10が同時または順次開成することで、吊下げ用ワイヤロープ3が一対の切離し装置9から分離される。つまり、支持フレーム2から吊下げ用ワイヤロープ3が分離されることであり、支持フレーム2を引上げることで吊下げ用ワイヤロープ3が水中設置物用ワイヤ係止リング5bに残存することになる。
この順次開成する動作も厳密な時間管理は不要であり、支持フレーム2を引上げる作業をする前に一対の切離し装置9を開成すれば良いので、吊下げ用ワイヤロープ3の分離制御は簡単なものになる。
特許文献1のように、4個の分離装置を使用してそれぞれ順次分離動作を行ない、最終端にある切離し装置に吊下げ用ワイヤロープが保持されたままにする形態では、吊下げ用ワイヤロープが各ワイヤ係止フックをすり抜けたことを確認した上で吊り下げ枠を引上げる必要があり、その作業性は悪いものになっていた。
しかし、本発明においては、吊下げ用ワイヤロープ3の再使用はできないものの、吊下げ用ワイヤロープ3が切離し用フック10をすり抜ける必要が無いので、切離し作業が簡単・確実に行なえる。
また、図7に示すように、一対の切離し装置9が吊下げ用ワイヤロープ3の始端と終端に設けられているときは、吊下げ用ワイヤロープ3が水中設置物1の水中設置物用ワイヤ係止リング5bに残存することになる。一対の切離し装置9のそれぞれの切離し用フック10が同時または順次開成することで、吊下げ用ワイヤロープ3が一対の切離し装置9から分離される。つまり、支持フレーム2から吊下げ用ワイヤロープ3が分離されることであり、支持フレーム2を引上げることで吊下げ用ワイヤロープ3が水中設置物用ワイヤ係止リング5bに残存することになる。
この順次開成する動作も厳密な時間管理は不要であり、支持フレーム2を引上げる作業をする前に一対の切離し装置9を開成すれば良いので、吊下げ用ワイヤロープ3の分離制御は簡単なものになる。
特許文献1のように、4個の分離装置を使用してそれぞれ順次分離動作を行ない、最終端にある切離し装置に吊下げ用ワイヤロープが保持されたままにする形態では、吊下げ用ワイヤロープが各ワイヤ係止フックをすり抜けたことを確認した上で吊り下げ枠を引上げる必要があり、その作業性は悪いものになっていた。
しかし、本発明においては、吊下げ用ワイヤロープ3の再使用はできないものの、吊下げ用ワイヤロープ3が切離し用フック10をすり抜ける必要が無いので、切離し作業が簡単・確実に行なえる。
(2)支持フレームについて
支持フレーム2は、水中設置物1の重さに耐えるだけの強度と、水中設置物1を安定して吊下げるための形状および大きさを具備しており、本実施例においては、図1や図4に示すように、円柱形の支柱を複数本使用して四角形や日の字状に組合せることで形成している。さらに、船上のクレーンと支持フレーム2をつなぐクレーン用ワイヤロープ3aのためのクレーン用ワイヤ係止リング5a、支持フレーム2と水中設置物1をつなぐ吊下げ用ワイヤロープ3のためのワイヤ係止リング5、切離し装置9を備えている。
支持フレーム2の底面に設けられたワイヤ係止リング5は、切離し装置9および吊下げ用ワイヤロープ3を係止または固定するためのものであり、図1の実施例では、11個の切離し装置9と吊下げ用ワイヤロープ3を吊り下げるために支持フレーム2の四隅近傍に3個設けられている。ワイヤ係止リング5は、水中設置物1を安定して懸架するために支持フレーム2の四隅近傍にバランスよく配置するのが望ましい。水中設置物1が非常に重いものであるときは、その荷重に耐えるために3個以上のワイヤ係止リング5を設けても良い。この場合は、ワイヤ係止リング5を支持フレーム2の四隅近傍に限定する必要は無く、水中設置物1を安定して懸架できる位置であれば例えば4個以上のワイヤ係止リング5を適宜設けても良い。ワイヤ係止リング5のうちの1個は切離し装置9の係止用に使用する。一対の切離し装置9を採用する場合は、ワイヤ係止リング5のうちの2個は切離し装置9の係止用に使用することになる。
そして、支持フレーム2の四隅近傍に四個設けられているワイヤ係止リング5のうちの1個をワイヤ固定部4として吊下げ用ワイヤロープを支持フレームに固定している。ワイヤ固定部4をワイヤ係止リング5とは別の場所に追加して設けることも可能である。
また、支持フレーム2の天面に設けられたクレーン用ワイヤ係止リング5aは、クレーン用ワイヤロープ3aを懸架するためのものであり、支持フレーム2の天面の四隅近傍に四個設けられている。クレーン用ワイヤ係止リング5aに係止されるクレーン用ワイヤロープ3aは、船上のクレーンと直結しており、クレーンと支持フレーム2を懸架している。支持フレーム2の底面に設けられたワイヤ係止リング5は、吊下げ用ワイヤロープ3を懸架するためのものであり、支持フレーム2の底面の四隅近傍に四個設けられている。吊下げ用ワイヤロープ3は、支持フレーム2と水中設置物1を懸架している。
また、1個の切離し装置9が用いられる場合は、例えば切離し装置9の一端側に係止される吊下げ用ワイヤロープ3の終端は、ワイヤ固定部4で固定される構成にしても良い。一対の2個の切離し装置9が用いられる場合は、例えば切離し装置9の一端側に係止される吊下げ用ワイヤロープ3の終端は、他方の切離し装置9に懸架される構成にしても良い。
支持フレーム2の他の形状については図示はしないが、リング状、円錐形または格子状に形成するなど各種の形状とすることが可能である。
支持フレーム2は、水中設置物1の重さに耐えるだけの強度と、水中設置物1を安定して吊下げるための形状および大きさを具備しており、本実施例においては、図1や図4に示すように、円柱形の支柱を複数本使用して四角形や日の字状に組合せることで形成している。さらに、船上のクレーンと支持フレーム2をつなぐクレーン用ワイヤロープ3aのためのクレーン用ワイヤ係止リング5a、支持フレーム2と水中設置物1をつなぐ吊下げ用ワイヤロープ3のためのワイヤ係止リング5、切離し装置9を備えている。
支持フレーム2の底面に設けられたワイヤ係止リング5は、切離し装置9および吊下げ用ワイヤロープ3を係止または固定するためのものであり、図1の実施例では、11個の切離し装置9と吊下げ用ワイヤロープ3を吊り下げるために支持フレーム2の四隅近傍に3個設けられている。ワイヤ係止リング5は、水中設置物1を安定して懸架するために支持フレーム2の四隅近傍にバランスよく配置するのが望ましい。水中設置物1が非常に重いものであるときは、その荷重に耐えるために3個以上のワイヤ係止リング5を設けても良い。この場合は、ワイヤ係止リング5を支持フレーム2の四隅近傍に限定する必要は無く、水中設置物1を安定して懸架できる位置であれば例えば4個以上のワイヤ係止リング5を適宜設けても良い。ワイヤ係止リング5のうちの1個は切離し装置9の係止用に使用する。一対の切離し装置9を採用する場合は、ワイヤ係止リング5のうちの2個は切離し装置9の係止用に使用することになる。
そして、支持フレーム2の四隅近傍に四個設けられているワイヤ係止リング5のうちの1個をワイヤ固定部4として吊下げ用ワイヤロープを支持フレームに固定している。ワイヤ固定部4をワイヤ係止リング5とは別の場所に追加して設けることも可能である。
また、支持フレーム2の天面に設けられたクレーン用ワイヤ係止リング5aは、クレーン用ワイヤロープ3aを懸架するためのものであり、支持フレーム2の天面の四隅近傍に四個設けられている。クレーン用ワイヤ係止リング5aに係止されるクレーン用ワイヤロープ3aは、船上のクレーンと直結しており、クレーンと支持フレーム2を懸架している。支持フレーム2の底面に設けられたワイヤ係止リング5は、吊下げ用ワイヤロープ3を懸架するためのものであり、支持フレーム2の底面の四隅近傍に四個設けられている。吊下げ用ワイヤロープ3は、支持フレーム2と水中設置物1を懸架している。
また、1個の切離し装置9が用いられる場合は、例えば切離し装置9の一端側に係止される吊下げ用ワイヤロープ3の終端は、ワイヤ固定部4で固定される構成にしても良い。一対の2個の切離し装置9が用いられる場合は、例えば切離し装置9の一端側に係止される吊下げ用ワイヤロープ3の終端は、他方の切離し装置9に懸架される構成にしても良い。
支持フレーム2の他の形状については図示はしないが、リング状、円錐形または格子状に形成するなど各種の形状とすることが可能である。
本発明の他の実施例においては、図4に示すように以下の二つの改良が加えられている。
a)滑車付きワイヤ係止リングについて
支持フレーム2の底面に設けられたワイヤ係止リング5は、支持フレーム2の四隅近傍に四個設けられている。水中設置物1が水底に接地した時に、水中設置物1と支持フレームとの間で懸架している吊下げ用ワイヤロープ3にたるみが生じる。
この時に、切離し装置9の一端側に係止される吊下げ用ワイヤロープ3が、切離し装置9の切離し用フック10が開成することによって吊下げ用ワイヤロープ3を複数のワイヤ係止リング5から離脱する準備ができる。この際、吊下げ用ワイヤロープ3がワイヤ係止リング5から離脱して、水中設置物1を水底に敷設する方法として、以下の二つの方法がある。
i)一つは、吊下げ用ワイヤロープ3を水中設置物1の水中設置物用ワイヤ係止リング5bに係止したまま敷設する方法である。
この方法では、吊下げ用ワイヤロープ3を放棄することになるのでコスト的な問題は生じるが、作業効率としては良くなる。
ii)他は、吊下げ用ワイヤロープ3を水中設置物1から完全に離脱させて、支持フレーム2のワイヤ固定部4あるいは切離し装置9の切離し用フック10に係止させたまま、支持フレーム2とともに引き上げて吊下げ用ワイヤロープ3を再利用する方法である。この場合は、吊下げ用ワイヤロープ3をワイヤ係止リング5と水中設置物用ワイヤ係止リング5bをすり抜けさせる必要がある。
滑車付きワイヤ係止リング6は、上記ii)の場合に使用するものである。
吊下げ用ワイヤロープ3を複数のワイヤ係止リング5と水中設置物用ワイヤ係止リング5bとからスムーズに離脱させることは難しいことであり、スムーズに離脱しない場合もある。
これを防ぐために本発明においては、ワイヤ係止リング5に滑車を設けて、吊下げ用ワイヤロープ3がワイヤ係止リング5と水中設置物用ワイヤ係止リング5bとからスムーズに離脱することを意図したものである。
このii)の方法は、本発明のように単一の切離し装置9を使う場合に特に有効である。
a)滑車付きワイヤ係止リングについて
支持フレーム2の底面に設けられたワイヤ係止リング5は、支持フレーム2の四隅近傍に四個設けられている。水中設置物1が水底に接地した時に、水中設置物1と支持フレームとの間で懸架している吊下げ用ワイヤロープ3にたるみが生じる。
この時に、切離し装置9の一端側に係止される吊下げ用ワイヤロープ3が、切離し装置9の切離し用フック10が開成することによって吊下げ用ワイヤロープ3を複数のワイヤ係止リング5から離脱する準備ができる。この際、吊下げ用ワイヤロープ3がワイヤ係止リング5から離脱して、水中設置物1を水底に敷設する方法として、以下の二つの方法がある。
i)一つは、吊下げ用ワイヤロープ3を水中設置物1の水中設置物用ワイヤ係止リング5bに係止したまま敷設する方法である。
この方法では、吊下げ用ワイヤロープ3を放棄することになるのでコスト的な問題は生じるが、作業効率としては良くなる。
ii)他は、吊下げ用ワイヤロープ3を水中設置物1から完全に離脱させて、支持フレーム2のワイヤ固定部4あるいは切離し装置9の切離し用フック10に係止させたまま、支持フレーム2とともに引き上げて吊下げ用ワイヤロープ3を再利用する方法である。この場合は、吊下げ用ワイヤロープ3をワイヤ係止リング5と水中設置物用ワイヤ係止リング5bをすり抜けさせる必要がある。
滑車付きワイヤ係止リング6は、上記ii)の場合に使用するものである。
吊下げ用ワイヤロープ3を複数のワイヤ係止リング5と水中設置物用ワイヤ係止リング5bとからスムーズに離脱させることは難しいことであり、スムーズに離脱しない場合もある。
これを防ぐために本発明においては、ワイヤ係止リング5に滑車を設けて、吊下げ用ワイヤロープ3がワイヤ係止リング5と水中設置物用ワイヤ係止リング5bとからスムーズに離脱することを意図したものである。
このii)の方法は、本発明のように単一の切離し装置9を使う場合に特に有効である。
従来例としては、水中設置物1を、例えば4個の切離し装置を用いて、吊下げ用ワイヤロープ3の解放時には、各切離し装置9の切離し用フック10を順番に開成して、水中設置物1に係止された吊下げ用ワイヤロープを一本ずつ解いて支持フレーム2から順次開成し、吊下げ用ワイヤロープがワイヤ係止リングへ引掛かることを防止するものがある。
この方法では、吊下げ用ワイヤロープのワイヤ係止リングへの引掛かかりを防止する確率は高くなるものの、以下の欠点が生じる。
・4個の切離し装置を順次制御しないといけないこと、
(このことは、船上と切離し装置との交信が複雑になるし、交信の安定性も問題になる。)
・切離し装置の総重量が大きくなることや取り付け作業が多くなること、その取扱い作業が煩雑になること、
・切離し装置は高価なものであり、コストが非常に高くなること等。
この方法では、吊下げ用ワイヤロープのワイヤ係止リングへの引掛かかりを防止する確率は高くなるものの、以下の欠点が生じる。
・4個の切離し装置を順次制御しないといけないこと、
(このことは、船上と切離し装置との交信が複雑になるし、交信の安定性も問題になる。)
・切離し装置の総重量が大きくなることや取り付け作業が多くなること、その取扱い作業が煩雑になること、
・切離し装置は高価なものであり、コストが非常に高くなること等。
b)全方位カメラについて
本発明の他の実施例においては、図4に示すように、支持フレーム2の底面の一部に全方位カメラ14を設置して、吊下げ用ワイヤロープのワイヤ係止リングへの引掛かかりの有無を目視確認するものである。
本発明のように、単一の切離し装置9を使う場合には特に有効な手段である。水中での作業確認は、超音波等による信号の交信での確認では一抹の不安があり、敷設後に水中設置物1を設置しなおすのは非常に困難であるし、非効率的である。そこで、作業時に確実に目視確認ができることが必要である。
本発明で使用する全方位カメラ14は、一般に販売されている全方位カメラを用いるもので、防水仕様でないカメラについては防水加工をして採用すれば良い。例えば、ソニー製のドーム型ネットワークカメラ「SNC−HM662」は、撮影した360度全方位映像から複数個所を切り出し、映像を補正してあたかも複数台のカメラ映像のように表示できるものであるが、これに防水加工を施せば採用可能となる。
また、コングスベルグ・メゾテック製のM3ソナーは、リアルタイムに水面下の状況を、角度120度から140度の視野で、距離150mにわたり検出できる。その高分解能マルチビームソナーでは、深度500mの映像を確認できるということである。
さらに、特開2004−138824に「水中ケーブルを介して操作船上あるいは陸上から電力および制御信号が供給される。また、テレビカメラの画像が水中ケーブルを介して操作船上あるいは陸上に電送される。この水中ケーブルは、電送ケーブル、コントロールケーブルおよびテレビ画像送信用のケーブル等を合体することにより構成されている。」と開示されているように、撮像画像の伝送等については公知であるから、
その動作等についての詳述は省略する。
しかし、本発明のように単一または一対の切離し装置9を使う場合にその手段を採用することは格別に有効なことである。特にこの部分についてのさらなる利用用途は、図7に示すように、既に水中に敷設してある既設水中設置物に新設の水中設置物を併設するのに有効である。
前記支持フレームの底面に設けられた全方位カメラには、暗い海底での目視確認のための照明灯を備える。通常は電池消耗の関係でフラッシュライトを用いるが、大容量のバッテリ電源や交流電源から給電できる場合は、通常の照明灯を使用してもよい。フラッシュライトを用いる場合は、前記フラッシュライトの点灯を切離し装置の開成と連動する。消費電力を最小限にするために、切離し装置の開成と連動させて切離しの目視確認のためにのみ使用するものである。
本発明の他の実施例においては、図4に示すように、支持フレーム2の底面の一部に全方位カメラ14を設置して、吊下げ用ワイヤロープのワイヤ係止リングへの引掛かかりの有無を目視確認するものである。
本発明のように、単一の切離し装置9を使う場合には特に有効な手段である。水中での作業確認は、超音波等による信号の交信での確認では一抹の不安があり、敷設後に水中設置物1を設置しなおすのは非常に困難であるし、非効率的である。そこで、作業時に確実に目視確認ができることが必要である。
本発明で使用する全方位カメラ14は、一般に販売されている全方位カメラを用いるもので、防水仕様でないカメラについては防水加工をして採用すれば良い。例えば、ソニー製のドーム型ネットワークカメラ「SNC−HM662」は、撮影した360度全方位映像から複数個所を切り出し、映像を補正してあたかも複数台のカメラ映像のように表示できるものであるが、これに防水加工を施せば採用可能となる。
また、コングスベルグ・メゾテック製のM3ソナーは、リアルタイムに水面下の状況を、角度120度から140度の視野で、距離150mにわたり検出できる。その高分解能マルチビームソナーでは、深度500mの映像を確認できるということである。
さらに、特開2004−138824に「水中ケーブルを介して操作船上あるいは陸上から電力および制御信号が供給される。また、テレビカメラの画像が水中ケーブルを介して操作船上あるいは陸上に電送される。この水中ケーブルは、電送ケーブル、コントロールケーブルおよびテレビ画像送信用のケーブル等を合体することにより構成されている。」と開示されているように、撮像画像の伝送等については公知であるから、
その動作等についての詳述は省略する。
しかし、本発明のように単一または一対の切離し装置9を使う場合にその手段を採用することは格別に有効なことである。特にこの部分についてのさらなる利用用途は、図7に示すように、既に水中に敷設してある既設水中設置物に新設の水中設置物を併設するのに有効である。
前記支持フレームの底面に設けられた全方位カメラには、暗い海底での目視確認のための照明灯を備える。通常は電池消耗の関係でフラッシュライトを用いるが、大容量のバッテリ電源や交流電源から給電できる場合は、通常の照明灯を使用してもよい。フラッシュライトを用いる場合は、前記フラッシュライトの点灯を切離し装置の開成と連動する。消費電力を最小限にするために、切離し装置の開成と連動させて切離しの目視確認のためにのみ使用するものである。
以下に、その設置時の動作を概略説明する。
Aは送受波器、BとCは受波器、aからdは中継器またはトランスジューサーであり、船上装置は前記送受波器や中継器、切離し装置9との制御・交信を行うための制御装置やパソコンを備えている。データ伝送は、温度センサーや圧力センサー等を装備した中継器またはトランスジューサーと船上装置間で行われるもので、各中継器またはトランスジューサーの水深とa−c、a−d、b−c、b−d間の距離データを伝送する。その交信プロセスは以下のようになる。
ア)Aが送波するとa、bが応答して、それをA、B、Cで受信する。
イ)Aがコマンドを送信すると、a−c、a−d、b−c、b−d間の距離を測定してその結果をaからAに返す。
上記ア)、イ)の手法で種々の組合せを行なって最終的にa−c間、b−d間の位置を求める。
その際に、全方位カメラ14を使用して水中設置物1を映像による目視確認すると既設水中設置物に新設水中設置物を併設する作業が確実に行われる。
この場合に本発明の支持フレーム2を使うのであれば、併設の際の吊下げ用ワイヤロープ3の切離しは切離し装置9の切離し用フック10を開成してやれば良い。
また、全方位カメラ14の映像伝送は、クレーン用ワイヤロープ3aと吊下げ用ワイヤロープ3にテレビ画像送信用のケーブル等を合体し、船上装置の一部であるパソコン等でモニターすることで可能になる。(図示しない。)
全方位カメラ14には、暗い海底での目視確認のための照明灯を備える。(図示しない。)通常は電池消耗の関係でフラッシュライトを用いるが、大容量のバッテリ電源や交流電源から給電できる場合は、通常の照明灯を使用してもよい。フラッシュライトを用いる場合は、前記フラッシュライトの点灯を切離し装置の開成と連動する。消費電力を最小限にするために、切離し装置の開成と連動させて切離しの目視確認のためにのみ使用するものである。
Aは送受波器、BとCは受波器、aからdは中継器またはトランスジューサーであり、船上装置は前記送受波器や中継器、切離し装置9との制御・交信を行うための制御装置やパソコンを備えている。データ伝送は、温度センサーや圧力センサー等を装備した中継器またはトランスジューサーと船上装置間で行われるもので、各中継器またはトランスジューサーの水深とa−c、a−d、b−c、b−d間の距離データを伝送する。その交信プロセスは以下のようになる。
ア)Aが送波するとa、bが応答して、それをA、B、Cで受信する。
イ)Aがコマンドを送信すると、a−c、a−d、b−c、b−d間の距離を測定してその結果をaからAに返す。
上記ア)、イ)の手法で種々の組合せを行なって最終的にa−c間、b−d間の位置を求める。
その際に、全方位カメラ14を使用して水中設置物1を映像による目視確認すると既設水中設置物に新設水中設置物を併設する作業が確実に行われる。
この場合に本発明の支持フレーム2を使うのであれば、併設の際の吊下げ用ワイヤロープ3の切離しは切離し装置9の切離し用フック10を開成してやれば良い。
また、全方位カメラ14の映像伝送は、クレーン用ワイヤロープ3aと吊下げ用ワイヤロープ3にテレビ画像送信用のケーブル等を合体し、船上装置の一部であるパソコン等でモニターすることで可能になる。(図示しない。)
全方位カメラ14には、暗い海底での目視確認のための照明灯を備える。(図示しない。)通常は電池消耗の関係でフラッシュライトを用いるが、大容量のバッテリ電源や交流電源から給電できる場合は、通常の照明灯を使用してもよい。フラッシュライトを用いる場合は、前記フラッシュライトの点灯を切離し装置の開成と連動する。消費電力を最小限にするために、切離し装置の開成と連動させて切離しの目視確認のためにのみ使用するものである。
従来のように、超音波測定装置と切離し装置が複数存在する環境においては、各超音波測定装置や切離し装置が送信する超音波信号が混信するので誤計測が生じる。このために、超音波測定装置の超音波信号を送信するタイミングを超音波測定装置ごとにずらすことにより、超音波信号の混信を防ぐ時分割送信と呼ばれている方法があり、これは簡易な方法として用いられている。しかし、各超音波測定装置や切離し装置が独立している場合、他の超音波測定装置や切離し装置が超音波信号を送信するタイミングを知ることが出来ないため、混信が生じないように超音波信号を送信するタイミングを調節することが必要であり、非常に困難を伴うものであった。
従って、本発明は、最小限の切離し装置を使用する設置装置にするとともに、その最小限にした時の不完全な切離しのリスクを回避するために、全方位カメラと組合せた装置とすることで確実性を担保しているものである。
従って、本発明は、最小限の切離し装置を使用する設置装置にするとともに、その最小限にした時の不完全な切離しのリスクを回避するために、全方位カメラと組合せた装置とすることで確実性を担保しているものである。
(3)切離し装置について
図4に示すように、切離し装置9は、先端部には切離し用フック10を、基端部には支持フレーム2のワイヤ係止リング5に吊下げ用ワイヤロープ3が吊り下げられるための係止部を有し、かつ、超音波で動作する中継器7およびトランスジューサー8を装着している構成になっている。つまり、この切離し装置9には、船上装置15の調整・制御装置16と交信を行うための中継器7とトランスジューサー8が装着されている。この装着の形態は、それぞれが別の個体であっても、切離し装置9と一体化されたものであっても良い。通常は、使用用途に応じて適宜取捨選択できる別の個体であることが望ましい。
そして、中継器7またはトランスジューサー8のいずれかに温度センサーや圧力センサー(図示しない)を設けて、水深や距離を確認するのに使用する。
切離し装置9の先端部に設けられる切離し用フック10は、船上装置15の指令を中継器7またはトランスジューサー8のいずれかで受信して、切離し用フック10の係止ピン12を開閉成する。
この開閉成は、図5および図6に示すように、切離し装置9に内装される電磁プランジャ11により係止ピン12が上下動して、係止ピン12の可動部に設けられた係止孔13に係止ピン12が挿脱されることで切離し用フック10の開閉成を行なう。
切離し用フック10は、U字状で下側が開放される開放部と、前記開放部に回転自在となるように軸を具備した可動部で構成され、電磁プランジャ11による係止ピン12の挿脱によって前記可動部が開放部と噛合う、または、開放されることで開閉成が行なわれる。
可動部が反時計回りに回転することでU字状の開放部が開放される。よって、ワイヤ係止リング5に係止されていた吊下げ用ワイヤロープ3はU字状の開放部からその下方へとすり抜けるようにして落下する。
さらに、図4に示すように、ワイヤ係止リング5に滑車を設けて滑車付きワイヤ係止リング6とし、吊下げ用ワイヤロープ3がワイヤ係止リング5からスムーズに離脱することを意図したものである。
この滑車を設ける方法は、本発明のように、単一または一対の切離し装置9を使う場合に特に有効である。
図4に示すように、切離し装置9は、先端部には切離し用フック10を、基端部には支持フレーム2のワイヤ係止リング5に吊下げ用ワイヤロープ3が吊り下げられるための係止部を有し、かつ、超音波で動作する中継器7およびトランスジューサー8を装着している構成になっている。つまり、この切離し装置9には、船上装置15の調整・制御装置16と交信を行うための中継器7とトランスジューサー8が装着されている。この装着の形態は、それぞれが別の個体であっても、切離し装置9と一体化されたものであっても良い。通常は、使用用途に応じて適宜取捨選択できる別の個体であることが望ましい。
そして、中継器7またはトランスジューサー8のいずれかに温度センサーや圧力センサー(図示しない)を設けて、水深や距離を確認するのに使用する。
切離し装置9の先端部に設けられる切離し用フック10は、船上装置15の指令を中継器7またはトランスジューサー8のいずれかで受信して、切離し用フック10の係止ピン12を開閉成する。
この開閉成は、図5および図6に示すように、切離し装置9に内装される電磁プランジャ11により係止ピン12が上下動して、係止ピン12の可動部に設けられた係止孔13に係止ピン12が挿脱されることで切離し用フック10の開閉成を行なう。
切離し用フック10は、U字状で下側が開放される開放部と、前記開放部に回転自在となるように軸を具備した可動部で構成され、電磁プランジャ11による係止ピン12の挿脱によって前記可動部が開放部と噛合う、または、開放されることで開閉成が行なわれる。
可動部が反時計回りに回転することでU字状の開放部が開放される。よって、ワイヤ係止リング5に係止されていた吊下げ用ワイヤロープ3はU字状の開放部からその下方へとすり抜けるようにして落下する。
さらに、図4に示すように、ワイヤ係止リング5に滑車を設けて滑車付きワイヤ係止リング6とし、吊下げ用ワイヤロープ3がワイヤ係止リング5からスムーズに離脱することを意図したものである。
この滑車を設ける方法は、本発明のように、単一または一対の切離し装置9を使う場合に特に有効である。
本発明は以上の構成であるので、水中設置物1の位置決めや設置が確実、簡単に行なえるという利点を有する。
なお、船上の船上装置15の調整・制御装置16には、衛星測位システム等を備えて位置決めや設置の精度を高くすることも可能であると同時に、制御・調整を実施するためのパソコンやモニターを有することも当然である。
なお、船上の船上装置15の調整・制御装置16には、衛星測位システム等を備えて位置決めや設置の精度を高くすることも可能であると同時に、制御・調整を実施するためのパソコンやモニターを有することも当然である。
1 水中設置物
2 支持フレーム
3 吊下げ用ワイヤロープ
3a クレーン用ワイヤロープ5 ワイヤ係止リング
5a クレーン用ワイヤ係止リング
5b 水中設置物用ワイヤ係止リング
6 滑車付きワイヤ係止リング
7 中継器
8 トランスジューサー
9 切離し装置
10 切離し用フック
11 電磁プランジャ
12 係止ピン
13 係止孔
14 全方位カメラ
15 船上装置
16 調整・制御装置
2 支持フレーム
3 吊下げ用ワイヤロープ
3a クレーン用ワイヤロープ5 ワイヤ係止リング
5a クレーン用ワイヤ係止リング
5b 水中設置物用ワイヤ係止リング
6 滑車付きワイヤ係止リング
7 中継器
8 トランスジューサー
9 切離し装置
10 切離し用フック
11 電磁プランジャ
12 係止ピン
13 係止孔
14 全方位カメラ
15 船上装置
16 調整・制御装置
Claims (5)
- 水中設置物の設置装置であって、以下の構成を有することを特徴とする。
(1)複数の支柱で枠組みされ、かつ、天面に3個以上のクレーン用ワイヤ係止リングと底面に3個以上のワイヤ係止リングを備える、水中設置物を吊り下げるための支持フレーム
(2)先端部に吊下げ用ワイヤロープの切離し用フックと後端部に吊下げ用ワイヤロープのワイヤ係止部を備えるとともに、切離し信号を受信し位置データを送受信する中継器とトランスジューサーを装着した1個の切離し装置
(3)前記切離し装置との交信・制御を行う船上装置 - 水中設置物の位置測定装置および設置装置であって、以下の構成を有することを特徴とする。
(1)複数の支柱で枠組みされ、かつ、天面に3個以上のクレーン用ワイヤ係止リングと底面にそれぞれ3個以上のワイヤ係止リングを備える、水中設置物を吊り下げるための支持フレーム
(2)先端部に吊下げ用ワイヤロープの切離し用フックと後端部に吊下げ用ワイヤロープのワイヤ係止部を備えるとともに、切離し信号を受信し位置データを送受信する中継器とトランスジューサーを装着した一対の切離し装置
(3)前記切離し装置との交信・制御 を行う船上装置 - 水中設置物を吊り下げるために用いられる支持フレームであって、
前記支持フレームの底面に設けられる3個以上のワイヤ係止リングに滑車を設けた滑車付きワイヤ係止リングとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の水中設置物の設置装置。 - 前記支持フレームの底面に全方位カメラを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中設置物の設置装置。
- 前記全方位カメラに照明灯を設けたことを特徴とする請求項4項に記載の水中設置物の設置装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108966567A (zh) * | 2018-09-06 | 2018-12-07 | 苏州胜璟电磁科技有限公司 | 一种方便安装的电磁铁控制器 |
-
2014
- 2014-09-02 JP JP2014178595A patent/JP2016053245A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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