JP2016052726A - 生タイヤの加熱方法とその装置、及び、タイヤの製造方法 - Google Patents

生タイヤの加熱方法とその装置、及び、タイヤの製造方法 Download PDF

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Itsuo Kuraki
逸生 椋木
総司 永田
Soji Nagata
総司 永田
英雄 久冨
Hideo Hisatomi
英雄 久冨
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Abstract

【課題】厚さの厚い生タイヤであっても、生タイヤを損傷することなく、内部まで均一に加熱する。【解決手段】生タイヤ20を保持部材14のリム部14aに装着するとともに、生タイヤ20の加熱予定部分を高周波発生装置13の電源電極11とアース電極12aとの間及び電源電極11とアース電極12bとの間に配置して、加熱予定部分に波長が1m〜100mの範囲にある電磁波を照射し、誘電損失体である加熱予定部分のゴム配合物を自己発熱させて生タイヤ20を加熱する。【選択図】図1

Description

本発明は、加硫前の生タイヤを予備加熱する方法とその装置に関するもので、特に、高周波誘電加熱方式を用いた生タイヤの加熱方法に関する。
従来、加硫前の生タイヤを予め加熱し生タイヤの温度を上げた後にタイヤ加硫機に導入することで、加硫時間の短縮を図る方法が提案されている。
生タイヤの加熱方法としては、生タイヤの内部にヒーターランプを配置し、ヒーターランプの熱輻射により生タイヤを加熱する方法(例えば、特許文献1参照)や、生タイヤ内のスチールコードを電磁誘導加熱により加熱し、この熱を利用して生タイヤを加熱する方法(例えば、特許文献2,3参照)などが提案されている。
また、電磁波を利用した加熱方法としては、マグネトロンで発生させた電磁波の一つであるマイクロ波を導波管により生タイヤを入れた加熱室に導入し、ゴム配合物の誘電損失による自己発熱を利用して生タイヤを加熱する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開2006−062213号公報 特開2006−289995号公報 特許第3764366号公報 特開2007−022010号公報
しかしながら、前記ヒーターランプによる加熱方法は、ゴム配合物は熱伝導率が低いためエネルギー効率が低いだけでなく、タイヤの肉厚部分の加熱には長時間を要するといった問題点があった。
また、電磁誘導による加熱方法では、スチールコードのみが加熱されるので、スチールコードを高温にする必要がある。しかし、スチールコードを高温にするとスチールコードと周囲のゴム配合物との接着性が阻害される虞があるので、スチールコードの温度を接着性が阻害されない程度の温度(例えば、100℃以下)にする必要があり、その結果、加熱時間が長くなってしまっていた。
また、マイクロ波による加熱方法では、利用している波長が短いため、誘電損失体であるゴム配合物の誘電損失率が高い場合には、マイクロ波のエネルギーがタイヤの表層部で消費されやすいことから局部発熱し易く、その結果、生タイヤ全体を均一に加熱することできなかった。また、波長が短いためタイヤ構成材料であるスチール部材近傍で過剰発熱が発生することがあった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、厚さの厚い生タイヤであっても、生タイヤを損傷することなく、内部まで均一に加熱する方法とその装置を提供することを目的とする。
本願の請求項1に記載の発明は、加硫前の生タイヤを高周波誘電加熱方式を用いて加熱する方法であって、波長が1m〜100mの範囲にある高周波(周波数が3MHz〜300MHzの範囲にある電磁波)を用い生タイヤを加熱することを特徴とする。
このように、従来使用されているマイクロ波(波長;1mm〜1m、周波数;300MHz〜300GHz)よりも波長が長い電磁波を用いて生タイヤを誘電加熱すれば、電磁波の電力半減深度が大きくなるので、トレッド部の厚さが厚いタイヤであっても、内部まで容易に加熱することができる。
また、電磁波のエネルギーもマイクロ波よりも低いので、トレッド部表層での局部発熱やスチール部材近傍での過剰発熱の発生を抑制できる。したがって、生タイヤを損傷することなく、内部まで均一に加熱することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の生タイヤの加熱方法において、高周波発生装置の2つの電極(電源電極とアース電極)をそれぞれ金属板から成る電極板とするとともに、前記生タイヤの加熱予定部分を前記電極板間に配置して、前記加熱予定部分に前記高周波を照射することを特徴とする。
なお、電源電極とアース電極とは必ずしも互いに対向して配置する必要はなく、互いに交わる2直線上に、電極面がそれぞれ直線と直交するように配置されていてもよい。電源電極とアース電極とが対向して配置されている場合には、生タイヤの加熱予定部分は電源電極とアース電極との間に配置した方が加熱効率がよい。電源電極とアース電極とが対向していない場合は、生タイヤの加熱予定部分を、2直線の交点と電源電極とを結ぶ線と2直線の交点とアース電極とを結ぶ線の内側に配置した方が効率はよい。
これにより、生タイヤの加熱予定部分に高周波を集中して照射することができるので、生タイヤの加熱を効率よく行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の生タイヤの加熱方法において、前記生タイヤの加熱予定部分に含まれるカーボンブラックの配合量と粒子径のいずれか一方もしくは両方に応じて、照射する高周波の電力を調整することを特徴とする。
ゴム配合物の誘電損失率は配合されるカーボンブラックの配合量や粒子径により異なるので、本発明のように、カーボンブラックの配合量や粒子径により、加熱時間、すなわち、高周波の照射時間を調整すれば、生タイヤの発熱温度を確実に制御することができる。
請求項4に記載の発明は、タイヤの製造方法であって、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の生タイヤの加熱方法により加熱された生タイヤの温度を測定し、前記測定された生タイヤの温度に基づいて、前記加熱された生タイヤを加硫する際の加硫温度と加硫時間のいずれか一方または両方を調整することを特徴とする。
これにより、加硫条件を適切に設定できるので、タイヤの加硫を効率よく行うことができる。
請求項5に記載の発明は、第1及び第2の電極板と、前記第1及び第2の電極板間に高周波の電圧を印加する高周波発生装置とを備え、加硫前の生タイヤを加熱する生タイヤの加熱装置であって、前記生タイヤをタイヤ軸を中心軸として回転させるタイヤ回転手段を備え、前記第1の電極板が前記生タイヤのトレッド部の表面側に配置され、前記第2の電極板が前記生タイヤのショルダー部の表面側に配置されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記生タイヤのトレッド部の表面側に配置される第1の電極板と前記生タイヤのショルダー部に配置される第2の電極板とから成る電極対を複数備え、前記複数の電極対が前記生タイヤの全周に亘って配置されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明のように、生タイヤを回転させながらトレッド部からショルダー部にかけて高周波を照射してトレッド部を誘電加熱すれば、タイヤの厚さが厚い場合でも、生タイヤ全体を均一に加熱することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、電極を生タイヤの全周に亘って配置しても、同様の効果を得ることができる。
請求項7に記載の発明は、第1及び第2の電極板と、前記第1及び第2の電極板間に高周波の電圧を印加する高周波発生装置とを備え、加硫前の生タイヤを加熱する生タイヤの加熱装置であって、前記生タイヤをタイヤ軸を中心軸として回転させるタイヤ回転手段を備え、前記第1の電極板が前記生タイヤのトレッド部の表面側に配置され、前記第2の電極板が前記生タイヤのインナーライナーのタイヤ径方向内側に配置されていることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記生タイヤのトレッド部の表面側に配置される第1の電極板と前記生タイヤのインナーライナーのタイヤ径方向内側に配置される第2の電極板とから成る電極対を複数備え、前記複数の電極対が前記生タイヤの全周に亘って配置されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明のように、生タイヤを回転させながらトレッド部とインナーライナー間に高周波を照射してトレッド部を誘電加熱すれば、タイヤの厚さが厚い場合でも、生タイヤ全体を均一に加熱することができる。
また、請求項8に記載の発明のように、電極を生タイヤの全周に亘って配置しても、同様の効果を得ることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項5〜請求項8のいずれかに記載の生タイヤの加熱装置において、高周波発生装置の発生する高周波の波長が1m〜100mの範囲にあることを特徴とするものである。
これにより、生タイヤの内部まで容易に加熱することができるとともに、生タイヤの表層での局部発熱やスチール部材近傍での過剰発熱の発生を抑制できるので、生タイヤを内部まで均一に加熱することができる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本実施の形態1に係る生タイヤの加熱装置の構成を示す図である。 本発明による生タイヤの加熱装置の他の例を示す図である。 生タイヤの加熱装置における電極配置の他の例を示す図である。 生タイヤの加熱装置における電極配置の他の例を示す図である。 本実施の形態2に係る生タイヤの加熱装置の構成を示す図である。 本発明による生タイヤの加熱装置の他の例を示す図である。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
実施の形態1.
図1(a)は、本実施の形態1に係る生タイヤの加熱装置10の構成を示す図で、図1(b)は生タイヤの加熱装置における電極配置を示す平面図である。各図において、11は第1の電極としての電源電極、12a,12bは第2の電極としてのアース電極、13は高周波発生装置、14は保持部材、15はタイヤ回転手段としてのモーター、16は連結部材、17は空気供給装置、18はエアホースである。
電源電極11は生タイヤ20の径方向外側でトレッド部21のタイヤ幅方向中心に対向して配置されて、高周波発生装置13の(+)側の出力端子に接続される。アース電極12a,12bはそれぞれ両ショルダー部22a,22bに対向して配置されて、高周波発生装置13の(−)側の出力端子に接続される。電源電極11とアース電極12a、及び、電源電極11とアース電極12bとがそれぞれ電極対を構成する。
電源電極11とアース電極12a,12bとはともに金属板から構成される。
高周波発生装置13は、電源電極11とアース電極12a,12bとの間に高周波電流を流して電磁波を発生させることで、電極11,12a間、及び、電極11,12b間に配置された生タイヤ20のトレッド部21にそれぞれ電磁波を照射する。
照射する電磁波の波長としては、1m〜100mの範囲にあることが好ましく、5m〜50mの範囲であれば更に好ましい。
保持部材14は円盤状の部材で、外周面を構成するリム部14aとディスク部14bとを備える。リム部14aはホイールリムと同様の構造で、生タイヤ20の一対のビード部23a,23bを固定する。また、ディスク部14bには空気供給装置17から送られてきた空気を保持部材14の中空部14sに供給するための空気供給孔14pが設けられ、リム部14aにはリム部14aに取付けられたときの生タイヤ20の内部と前記中空部14sとを連通させるための空気導入孔14qが設けられている。
モーター15は保持部材14を回転させることで生タイヤ20を回転させる回転駆動手段で、モーター15の出力軸15Jは保持部材14のディスク部14bの中心に取付けられた連結部材16に取付けられている。生タイヤ20は、生タイヤ20の中心軸(タイヤ軸)を中心として回転する。
空気供給装置17は生タイヤ20の内部に所定の圧力の空気を供給する。
エアホース18は、一端が空気供給装置17の空気供給口17pに連結され、他端が保持部材14の空気供給口14pに取付けられて、空気供給装置17から供給される空気を保持部材14の中空部14sに供給する。なお、空気供給口14pは図示しない開閉弁により開閉可能である。
次に、生タイヤの加熱装置10を用いて生タイヤ20のトレッド部21を加熱する方法について説明する。
まず、生タイヤ20を保持部材14のリム部14aに装着する。なお、保持部材14とモーター15の出力軸15Jとは予め連結部材16により予め連結されているものとする。
次に、空気供給装置17と保持部材14とをエアホース18で連結し、生タイヤ20の内部に空気を供給する。空気供給装置17から供給される空気はエアホース18から保持部材14の空気供給口14pを通って中空部14sに入り、リム部に設けられた空気導入孔14qからに生タイヤ20内に導入される。
これにより、生タイヤを所定の内圧で膨張させることができるので、生タイヤ20の形状を保持することができる。したがって、加熱時における電極11,12a,12bと生タイヤ20との距離を一定に保つことができる。
生タイヤ20を所定の内圧に保持した後には、開閉弁を閉じてエアホース18を保持部材14から取り外す。そして、電源電極11をトレッド部21表面のタイヤ幅方向中心から所定距離離して配置し、2枚のアース電極12a,12bをそれぞれ両ショルダー部22a,22bの表面から所定距離離して配置する。電極11,12a,12bはそれぞれ、電極面がトレッド部21表面及びショルダー部22a,22b表面に対向するように配置される。電極11,12a,12bと高周波発生装置13との接続は電極11,12a,12bの配置前に行ってもよいし、配置後に行ってもよい。
なお、電極11,12a,12bを生タイヤ20表面に接触させてもよいが、本例では、生タイヤ20を回転させる形態なので、電極11,12a,12bをトレッド部21表面から離して配置することが好ましい。
次に、モーター15を駆動して生タイヤ20を回転させるとともに、高周波発生装置13を稼働させる。これにより、電源電極11とアース電極12aとの間、及び、電源電極11とアース電極12bとの間にはそれぞれ高周波電流が流れ、生タイヤ20のトレッド部21に電磁波が照射される。
本例では、生タイヤ20に波長が1m〜100mの範囲にある電磁波を照射するため、高周波発生装置13を、例えば、13.56MHz,27.12MHzなどの3MHz〜300MHzの範囲の発信周波数で発信させている。
電源電極11は送信アンテナに相当し2つのアース電極12a,12bは受信アンテナに相当するので、電源電極11から照射された電磁波は、図1の一点鎖線に示すようにトレッド部21表層からトレッド部21の内部まで達した後、それぞれ両ショルダー部22a,22bを通ってアース電極12a,12bに達するような伝搬路を伝播する。
電磁波のエネルギーは誘電損失体であるトレッド部21のゴム配合物に吸収されて熱に変わり、その結果、ゴム配合物が自己発熱して、トレッド部21は加熱される。加熱によって発生する熱量Pは、以下の式(1)により表わされる。

式(1)から、熱量Pは誘電損失体の損失係数に比例し、吸収する電磁波の周波数の二乗に比例して大きくなることがわかる。
一方、誘電損失体に電磁波を照射されたときに、エネルギーが半減するときの深さ(電力半減深度Dは、以下の式(2)より表わせる。
つまり、誘電損失体の損失係数が同じならば、電磁波の周波数が高い(波長が短い)ほど、ゴム配合物の発熱量は多くなる。
従来のマイクロ波による加熱方法では、主に、2.45GHz,5.8GHzなどの周波数のマイクロ波が用いられている。マイクロ波は周波数が高いので発熱量は大きいものの、電力半減深度Dが浅いため、トレッド部21のような厚いゴム部材を均一に加熱することが困難であったが、本例では、波長が1m〜100m(周波数;3MHz〜300MHz)の範囲にある波長の長い(周波数の低い)電磁波を用いているので、トレッド部21のゴム配合物の誘電損失率が高い場合でも、トレッド部21表層での損失が大きくなって局所加熱を起こすようなこともない。したがって、トレッド部21を内部まで均一に加熱することができる。また、厚みが厚いトレッド部21であっても、従来のヒーターランプ等による外部加熱方式と比べてトレッド部21表層から内部までを短時間で効率的に加熱できるだけでなく、エネルギー効率も高いので、生産性を大幅に改善できる。
また、誘電損失体であるゴム配合物を直接加熱しているので、スチールコードと周囲のゴム配合物との接着状態が劣化せず、高品質を維持できる。
また、本例では、生タイヤ20を回転させながらトレッド部21に電磁波を照射しているので、生タイヤ20を周方向にも均一に加熱することができる。
また、高周波発生装置13の出力電力は、予備加熱する生タイヤ20の加熱予定部分(ここでは、トレッド部21)に含まれるカーボンブラックの配合量や粒子径により調整することが好ましい。これは、ゴム配合物の損失係数を大きくするにはカーボンブラックの寄与が大きく、カーボンブラックの粒子径が小さいか配合量が多い場合には、ゴム配合物の損失係数が大きく加熱されやすいからである。
電磁波の照射を介してから所定時間経過後には、高周波発生装置13を停止させるとともに、生タイヤ20を停止させ生タイヤ20の加熱を終了する。
加熱終了後には、生タイヤの温度20を測定し、予め求めておいた生タイヤ温度と必要加硫時間との関係式から加硫時間を設定し加硫機で生タイヤ20を加硫する。
生タイヤ温度と必要加硫時間との関係は、例えば、加硫後のタイヤの加硫遅れが発生する部分の温度を針式温度センサーで測定し、予め求めておいた加熱後の生タイヤの温度と加硫時間との関係を調べるなどして求めることができる。
生タイヤ20はタイヤ加硫において伝熱の遅いトレッド部21が均一に加熱されているので、加硫温度を上げることなく加硫時間を短縮できる。加熱時間を短縮できれば、モールドに直接接するトレッド部21表層のゴム配合物が過剰な熱履歴を受けることがないので、タイヤの熱劣化を抑制することができる。
また、加硫時間だけでなく、加硫温度についても調整すれば、タイヤの品質を更に向上させることができる。
なお、前記実施の形態1では、肉厚なゴム配合物で形成されたトレッド部21に電磁波を照射したが、本発明はこれに限るものではなく、ビード部23a,23bなど生タイヤ20の他の肉厚部位を加熱する場合にも適用可能である。
また、前記例では、保持部材14のディスク部14bに空気導入孔14pを設け、この空気導入孔14pからエアホース18にて生タイヤ20の内部に空気を供給し、生タイヤ20の回転時には、エアホース18を取り外すようにしたが、ロータリーエアジョイントを適用し、保持部材14の回転軸部に相当する連結部材16から生タイヤ20の内部に空気を供給する構成としてもよい。エアホース18に代えてロータリーエアジョイントを用いた場合には、生タイヤ20の温度上昇より内圧が上がったときにエアーを排出させてタイヤ外径を一定にできるという利点がある。
また、前記例では、保持部材14にモーター15を直接連結して生タイヤ20を回転させる構成としたが、生タイヤ20を回転テーブルに搭載するなどして回転させてもよい。
また、前記例では、生タイヤ20を回転させることで、生タイヤ20を周方向に均一に加熱するようにしたが、図2(a),(b)に示すように、保持部材14を固定部材である基台19に固定し、実施の形態1で用いた電源電極11とアース電極12a,12bから成る電極群12Gを複数準備して、これらの電極群12Gを生タイヤ20の全周に配置すれば、生タイヤ20を回転させることなく周方向に均一に加熱することができる。
なお、図2(a),(b)においては、電極11,12a,12bと高周波発生装置13との結線を一部省略したが、電源電極11が高周波発生装置の(+)側の出力端子に接続され、アース電極12a,12bが(−)側の出力端子に接続されていることはいうまでもない。
また、電源電極11とアース電極12a,12bに代えて、図3に示すように、円環状の電源電極11Pとアース電極12Pa,12Pbを用いれば、電源電極間及びアース電極間に隙間がないので、生タイヤ20を更に均一に加熱することができる。
また、図4に示すように、電源電極11とアース電極12とを生タイヤ20の径方向外側に交互に配置しても、同図の二点鎖線で示すように、電磁波は生タイヤ20のトレッド部21に照射されるので、生タイヤ20を回転させることなく、生タイヤ20を周方向に均一に加熱することができる。
実施の形態2.
図5は、本実施の形態2に係る生タイヤの加熱装置10Zの構成を示す図で、同図において、11は電源電極、12はアース電極、13は高周波発生装置、13eはアース棒、14は保持部材、15はモーター、15Gは駆動用歯車、16zは歯車付連結部材、17は空気供給装置、18はエアホース、19zは固定台である。
なお、実施の形態1と同符号のものは、実施の形態1と同じ部材もしくは装置であるので、その説明を省略する。
本例では、電源電極11を生タイヤ20の径方向外側でトレッド部21のタイヤ幅を覆うように配置し、アース電極12を、インナーライナー24の径方向内側に、電源電極11に対向するように配置することで、加熱予定部分であるトレッド部21に電磁波を照射するようにしている。
アース棒13eは固定部材である固定台19zに立設されて取付部材14の中空部14sまで延長する棒状の部材で、アース棒13eの前記中空部14sに延長した部分とアース電極12とを電気的及び構造的に接続し、アース棒13eの取付部材14の外側に出ている部分と高周波発生装置13の(−)側の出力端子とを電気的に接続することで、アース電極12と高周波発生装置13の(−)側の出力端子とが電気的に接続される。なお、アース電極12とアース棒13eとを電気的及び構造的に接続するには、例えば、金属製の棒状に部材でアース電極12のインナーライナー24とは反対側の面とアース棒13eとを連結すればよい。
駆動用歯車15Gはモーター15の出力軸15Jに連結され、モーター15の回転により回転して、歯車付連結部材16zを回転させる。
歯車付連結部材16zは、取付部材14側とは反対側の外周に歯車16kが形成された中空状の部材で、取付部材14に取付けられる。歯車16kは駆動用歯車15Gの回転により回転する。また、前記中空部16sには、アース棒13eが軸受け16jを介して取付けられている。すなわち、歯車付連結部材16zは固定側部材であるアース棒13eに回転可能に取付けられているので、生タイヤ20の回転時においてもアース電極12と高周波発生装置13とを電気的に接続される。
生タイヤの加熱装置10Zでは、生タイヤ20のトレッド部21を電源電極11とアース電極12とで挟むようにしてトレッド部21に電磁波を照射しているので、電源電極11から照射された電磁波は、図3の一点鎖線に示すように、トレッド部21の表面から、ベルト層25、カーカス層26、インナーライナー14を通ってアース電極12に達するような伝搬路を伝播する。
本例では、波長が1m〜100mの範囲にある波長の長い電磁波を用いているので、トレッド部21の厚さが厚い場合でも、電磁波はインナーライナー24の径方向内側に配置されたアース電極12まで達するので、トレッド部21を内部まで均一に加熱することができる。また、本例でも、生タイヤ20を回転させながらトレッド部21に電磁波を照射しているので、生タイヤ20を周方向にも均一に加熱することができる。
また、前記例では、生タイヤ20を回転させることで、生タイヤ20を周方向に均一に加熱するようにしたが、図4に示すように、生タイヤ20を固定し、実施の形態2で用いた電源電極11とアース電極12との対を複数準備して、これら電源電極11とアース電極12との対を生タイヤ20の全周に配置しても、生タイヤ20を周方向に均一に加熱することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
本発明によれば、生タイヤの加熱予定部分を高周波発生装置の2つの電極である電源電極とアース電極との間に配置して、加熱予定部分に波長が1m〜100mの範囲にある電磁波を照射して生タイヤを加熱するようにしたので、厚さの厚い生タイヤであっても、生タイヤを損傷することなく、内部まで均一に加熱することができる。
10 生タイヤの加熱装置、11 電源電極、12a,12b アース電極、
13 高周波発生装置、14 保持部材、14a リム部、14b ディスク部、
14p 空気供給口、14q 空気導入孔、15 モーター、16 連結部材、
17 空気供給装置、18 エアホース、
20 生タイヤ、21 トレッド部、22a,22b ショルダー部、
23a,23b ビード部。

Claims (9)

  1. 加硫前の生タイヤを高周波誘電加熱方式を用いて加熱する際に、
    波長が1m〜100mの範囲にある高周波を用いることを特徴とする生タイヤの加熱方法。
  2. 高周波発生装置の2つの電極をそれぞれ金属板から成る電極板とするとともに、前記生タイヤの加熱予定部分を前記電極板間に配置して、前記加熱予定部分に前記高周波を照射することを特徴とする請求項1に記載の生タイヤの加熱方法。
  3. 前記生タイヤの加熱予定部分に含まれるカーボンブラックの配合量と粒子径のいずれか一方もしくは両方に応じて、照射する高周波の電力を調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生タイヤの加熱方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の生タイヤの加熱方法により加熱された生タイヤの温度を測定し、前記測定された生タイヤの温度に基づいて、前記加熱された生タイヤを加硫する際の加硫温度と加硫時間のいずれか一方または両方を調整することを特徴とするタイヤの製造方法。
  5. 第1及び第2の電極板と、前記第1及び第2の電極板間に高周波の電圧を印加する高周波発生装置とを備え、加硫前の生タイヤを加熱する生タイヤの加熱装置であって、
    前記生タイヤをタイヤ軸を中心軸として回転させるタイヤ回転手段を備え、
    前記第1の電極板が前記生タイヤのトレッド部の表面側に配置され、
    前記第2の電極板が前記生タイヤのショルダー部の表面側に配置されていることを特徴とする生タイヤの加熱装置。
  6. 第1及び第2の電極板と、前記第1及び第2の電極板間に高周波の電圧を印加する高周波発生装置とを備え、加硫前の生タイヤを加熱する生タイヤの加熱装置であって、
    前記生タイヤのトレッド部の表面側に配置される第1の電極板と前記生タイヤのショルダー部に配置される第2の電極板とから成る電極対を複数備え、
    前記複数の電極対が前記生タイヤの全周に亘って配置されていることを特徴とする生タイヤの加熱装置。
  7. 第1及び第2の電極板と、前記第1及び第2の電極板間に高周波の電圧を印加する高周波発生装置とを備え、加硫前の生タイヤを加熱する生タイヤの加熱装置であって、
    前記生タイヤをタイヤ軸を中心軸として回転させるタイヤ回転手段を備え、
    前記第1の電極板が前記生タイヤのトレッド部の表面側に配置され、
    前記第2の電極板が前記生タイヤのインナーライナーのタイヤ径方向内側に配置されていることを特徴とする生タイヤの加熱装置。
  8. 第1及び第2の電極板と、前記第1及び第2の電極板間に高周波の電圧を印加する高周波発生装置とを備え、加硫前の生タイヤを加熱する生タイヤの加熱装置であって、
    前記生タイヤのトレッド部の表面側に配置される第1の電極板と前記生タイヤのインナーライナーのタイヤ径方向内側に配置される第2の電極板とから成る電極対を複数備え、
    前記複数の電極対が前記生タイヤの全周に亘って配置されていることを特徴とする生タイヤの加熱装置。
  9. 前記高周波の波長が1m〜100mの範囲にあることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の生タイヤの加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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