JP2016052077A - 平面振動板スピーカ - Google Patents

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裕子 堤
Yuko Tsutsumi
裕子 堤
中山 幸一
Koichi Nakayama
幸一 中山
哲司 小浦
Tetsuji Koura
哲司 小浦
寿弘 大鹿
Toshihiro Oshika
寿弘 大鹿
久世 光一
Koichi Kuze
光一 久世
智則 澁谷
Tomonori Shibuya
智則 澁谷
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Abstract

【課題】平面振動板スピーカによる原音の再生時における雑音の混入を抑制すること。
【解決手段】磁気回路9と、ボイスコイル10と、ボイスコイル10に連結されたカップリングコーン11と、カップリングコーン11に連結された平面振動板15とを備えている。
平面振動板15は、ハニカム構造のコア材12と、第1スキン層13と、第2スキン層14とを有している。第1スキン層13は、コア材112のカップリングコーン11側の面へ設けられるとともに、第2スキン層14はコア材12における第1スキン層13の反対側の面へ設けられ、第2スキン層14は通気性を有し、かつ、第1スキン層13よりも引っ張り強度が高くなるように形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器に使用される平面振動板スピーカに関するものである。
以下、従来のスピーカについて図面を用いて説明する。図4は従来の平面振動板スピーカの構成を示した断面図であり、図5は従来の平面振動板スピーカの振動板の構成を示した断面図である。
平面振動板スピーカ1の平面振動板2は、音源位置の単一化が図られる点で評価が高いものではあるが、平板状であることに起因する機械的強度の脆弱性を有する。
そして、この機械的な脆弱性を補うために、平面振動板2はハニカム構造のコア材3と、このコア材3の両面に設けられたスキン層4とを有する。
平面振動板スピーカ1では一般的に、コア材3の両面に薄いアルミニウム板などのスキン層4を貼り付けている。そして、コア材3の個々のセル7は、前記スキン層4によって概ね密閉された状態となっている。
ここで、平面振動板2は、ボイスコイル5の振動を、ドライブコーン6を介して受け、音声を再生する構成となっている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
特開昭59−1035号公報
従来の平面振動板スピーカ1では、コア材3とスキン層4との間に隙間などが存在する場合、図5中の左右方向であるコア材3の側面から、セル7とその外部とで空気の出入りが生じるおそれがある。
そして特に、限られた隙間で集中して空気の出入りが生じると異音が発生し、これが、平面振動板スピーカ1による原音再生時の雑音になることがあった。
そこで本発明は、平面振動板スピーカによる原音の再生時における雑音の混入を抑制することを目的とする。
そして、この目的を達成するために本発明は、磁気回路と、ボイスコイルと、前記ボイスコイルに連結されたカップリングコーンと、前記カップリングコーンに連結された平面振動板とを備え、前記平面振動板は、ハニカム構造のコア材と第1スキン層と第2スキン層とを有した平面振動板とを有し、前記第1スキン層は前記コア材の前記カップリングコーン側の面へ設けられるとともに、前記第2スキン層は前記コア材における前記第1スキン層の反対側の面へ設けられ、前記第2スキン層は通気性を有し、かつ、前記第1スキン層よりも引っ張り強度が高くなるように形成された、ことを特徴としたものであり、初期の目的を達成するものである。
本発明によれば、平面振動板における空気の出入りは第2スキン層を通じて行われるので、側面からの空気の出入りを抑制することができ、平面振動板スピーカによる原音の再生時における雑音の混入を抑制することが可能となる。
本発明の一実施の形態にかかる平面振動板スピーカの構成を示す断面図 同平面振動板スピーカの要部の拡大断面図 本発明の他の実施の形態にかかる平面振動板スピーカの要部の断面図 従来の平面振動板スピーカの断面図 従来の平面振動板スピーカの振動板の断面図
以下、本発明の実施の形態の一例について図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態における平面振動板スピーカの構成を示す断面図であり、図2は平面振動板スピーカの要部の拡大断面図である。
図1に示すように、平面振動板スピーカ8は、磁気回路9と、ボイスコイル10と、ボイスコイル10に連結されたカップリングコーン11と、カップリングコーン11に連結された平面振動板15とを備えている。
また、平面振動板15は、図2に示すように、ハニカム構造のコア材12と、第1スキン層13と、第2スキン層14とを有している。
第1スキン層13はコア材12のカップリングコーン11側の面へ設けられている。
第2スキン層14はコア材12における第1スキン層13の反対側の面へ設けられている。
第2スキン層14は通気性を有する。さらに、第2スキン層14は第1スキン層13よりも引っ張り強度が高くなるように形成されている。
以上の構成により、平面振動板15でのセル16の内外からの空気の出入りは、平面振動板15の振動時における振幅が大きくなったときであっても、主に通気性を有した第2スキン層14を通じて行われる。このため、平面振動板15の側面におけるセル16の内外からの空気の出入りは抑制されることになる。この結果、平面振動板15の側面からの空気の出入りに伴う雑音は抑制され、平面振動板スピーカ8による原音の再生時における雑音の混入を抑制することが可能となる。
以下、平面振動板15の構成について詳しく説明する。
平面振動板15は、コア材12と第1スキン層13と第2スキン層14とを有する。第1スキン層13は、平面振動板15のカップリングコーン11へ接合されるように、コア材12へ貼り付けられている。
第1スキン層13は、ここでは図示していないスピーカシステムのエンクロージャの内側に配置されている。
第2スキン層14は、平面振動板15の第1スキン層13とは反対側で、コア材12へ貼り付けられている。そして第2スキン層14は、先に述べたスピーカシステムのエンクロージャの外側、つまり音声に対する視聴者側に配置されている。
そして、コア材12にはハニカム構造体が用いられ、その両面に第1スキン層13と第2スキン層14を配置することで、平面振動板15の機械的強度の向上が図られている。
ここで、コア材12の両面に第1スキン層13と第2スキン層14とが貼り付けられていることによって、コア材12には、空間として独立した個別のセル16が複数個配置された状態となる。そして、第2スキン層14は通気性を有しているので、各セル16は通気孔17を有していることと同等となる。つまり、セル16は完全に閉じられた状態ではなく、常に第2スキン層14側(スピーカシステムのエンクロージャの外側)で開口した状態となっている。
第1スキン層13には例えばアルミニウム箔やアルミニウム板が用いられるとよい。この一方で、第2スキン層14には例えばアラミド繊維の織布やチタン箔やチタン板が用いられるとよく、第2スキン層14の引っ張り強度は第1スキン層13の引っ張り強度よりも高くしている。第2スキン層14にアラミド繊維の織布が用いられる場合は、無数の通気孔17が存在するため、特に通気孔17の位置が規定される必要はない。
これに対して第2スキン層14にチタン箔やチタン板が用いられる場合は、個々のセル16に対応した単一のあるいは複数の通気孔17が設けられてもよい。またあるいは、第2スキン層14にチタン箔やチタン板が用いられる場合についても、通気孔17は無数に設けられてもよい。
以上の構成により、仮にコア材12と第1スキン層13との間、あるいはコア材12と第2スキン層14との間に不十分な固着状態による隙間が生じていて、平面振動板15の振幅Aが大きくなったときに、第1スキン層13で撓みが生じてセル16の体積が変化しても、あるいは平面振動板15が温度上昇することなどによりセル16の内部の圧力が上昇しても、コア材12の図2中の左右方向に該当する側面方向にはセル16内の空気は出入りし難くなる。
つまり、セル16の体積や圧力が変化しようとすることがあっても、セル16内の空気は第2スキン層14に設けられた無数の通気孔17を通じて出入りすることとなる。よって、平面振動板15の側面からの空気の出入りに伴う雑音は抑制される。
その結果、平面振動板スピーカ8による原音の再生時における雑音の混入を抑制することが可能となる。
さらに、スピーカシステムのエンクロージャの外側に位置する第2スキン層14には引っ張り強度の高い材質が用いられている。
すなわち、平面振動板スピーカ8は、平面振動板15に通気性を設けたことによって雑音が抑制されるとともに、第2スキン層14として引っ張り強度の高い材質を用いることで、高い周波数域での特性が伸び易く、不要な特性上での凹凸が生じない平坦な周波数特性が得られる。
また、本実施形態では、図2のごとく、第2スキン層14はコア材12の一方の面(スピーカシステムのエンクロージャの外側)のみに設けたが、図3のように、コア材12の両側面を覆うように設けてもよい。
第2スキン層14には、先にも述べたように通気孔17が設けられ、かつ、この通気孔17は無数に設けられていることがある。このために、第2スキン層14とコア材12との接着剤(図示せず)を介しての固着力は低下してしまうことがある。
そこで、図3のごとく、第2スキン層14をコア材12の一方の面のみならず、コア材12の両側面を覆うように設けることにより、第2スキン層側面部14Aとコア材側面部12Aとが固着されるようにする。
つまり、コア材12の図3中の上面と第2スキン層14との固着力を、コア材12の両側面での固着力が補うこととなる。これにより、通気孔17を有する第2スキン層14とコア材12との固着力が向上され、平面振動板15の振動に関する特性が安定した状態に維持される。
第2スキン層14の側面部14Aとコア材12の側面部12Aとが固着される領域は、コア材12の厚み方向に相当する部分となり、図3に示すような断面図では見かけの上で大きくはならない。しかしながら、個別のセル16は筒状でコア材12の厚み方向に延伸したうえで、セル16が集合体として円盤状のコア材12を形成している。このため、第2スキン層14の側面部14Aとコア材12の側面部12Aとが固着される領域は、概ねコア材12を取り囲む筒状に形成されることとなる。したがって、第2スキン層14の側面部14Aとコア材12の側面部12Aとが固着される領域は、大きくなると共に、機械的に強固な形状を有することとなる。
よって、先にも述べたように通気孔17を有する第2スキン層14とコア材12との固着力が向上され、平面振動板15の振動に関する特性が安定した状態に維持される。そして、平面振動板スピーカ8は原音の再生時における雑音の混入を抑制することのみならず、忠実な原音の再生が可能となる。
図3では、第2スキン層14は、コア材12の側面および第1スキン層13の側面を覆い、さらに平面振動板15を第1スキン層13と接触することで保持するエッジ部18にまで達している。しかしながら、第2スキン層14はコア材12の側面の途中まで覆うものであっても、あるいは、コア材12の側面を完全に覆いつつエッジ部18にまで達していなくても構わない。
ここでは、エッジ部18は固着層(図示せず)を介して第1スキン層13と接触することで平面振動板15を保持している。そして、第1スキン層13には例えば全面で概ね平坦なアルミニウム箔やアルミニウム板が用いられる。したがって、エッジ部18と第1スキン層13との固着は常に安定状態を維持されることが可能となる。
本発明の平面振動板スピーカは、平面振動板の側面からの空気の出入りを抑制することができ、平面振動板スピーカによる原音の再生時における雑音の混入を抑制することが可能となるという効果を有し、各種電子機器において有用である。
8 平面振動板スピーカ
9 磁気回路
10 ボイスコイル
11 カップリングコーン
12 コア材
12A 側面部
13 第1スキン層
14 第2スキン層
14A 側面部
15 平面振動板
16 セル
17 通気孔
18 エッジ部

Claims (2)

  1. 磁気回路と、
    ボイスコイルと、
    前記ボイスコイルに連結されたカップリングコーンと、
    前記カップリングコーンに連結された、平面振動板とを備え、
    前記平面振動板は、ハニカム構造のコア材と、第1スキン層と、第2スキン層とを有し、
    前記第1スキン層は前記コア材の前記カップリングコーン側の面へ設けられるとともに、
    前記第2スキン層は前記コア材における前記第1スキン層の反対側の面へ設けられ、
    前記第2スキン層は通気性を有し、かつ、前記第1スキン層よりも引っ張り強度が高くなるように形成された、
    平面振動板スピーカ。
  2. 前記第2スキン層は、
    前記コア材における前記第1スキン層の反対側の面設けられ、かつ、前記コア材における側面を覆う、請求項1に記載の平面振動板スピーカ。
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