JP2016051517A - 蓄電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】整列した複数の蓄電素子に列方向の寸法誤差があっても複数列の蓄電素子群の全てが安定して保持された蓄電装置を提供する。【解決手段】第一方向に並ぶ蓄電素子群は前記第一方向と直交する第二方向に並ぶ複数列をなす。前記複数列の蓄電素子群を保持する保持部材3は、前記複数列の蓄電素子群の前記第一方向における両側に配置される一対の終端部材30と、一対の終端部材30を接続する連結部材31とを含み、一対の終端部材30の少なくとも一方は、前記複数列の蓄電素子群に対向する複数の突出部300を有する。終端部材30は隣り合う保持部30A同士を接続する接続部30Bを有し、接続部30Bは第一方向に変形可能である。【選択図】図4

Description

本発明は、複数列の蓄電素子群と、前記複数列の蓄電素子群を保持する保持部材と、を備えた蓄電装置に関する。
ハイブリッド電気自動車、電気自動車、電動バイク、航空機、船舶等の電動機器は、モータ、電灯、表示機器等の各種の出力装置に電力を供給する蓄電装置を備える。
この種の蓄電装置には、種々のものがあり、複数の蓄電素子が第一方向に並ぶ蓄電素子群であって、前記第一方向と直交する第二方向に並ぶ複数列の蓄電素子群と、前記複数列の蓄電素子群を保持する保持部材とを備えた蓄電装置が提供されている(例えば、特許文献1〜4参照)。前記保持部材は、前記複数列の蓄電素子群の前記第一方向における両側に配置される一対の終端部材と、前記一対の終端部材を接続する連結部材とを有する。前記一対の終端部材と前記連結部材とが接続されることにより、前記複数列の蓄電素子群がひとまとめに保持される。
ところで、前記終端部材の前記蓄電素子との対向面は平らな形状である。そのため、前記複数列の蓄電素子群の前記第一方向の長さが同一である場合、前記一対の終端部材と前記連結部材とが接続されることによって、前記一対の終端部材はそれぞれ、前記複数列の蓄電素子群のそれぞれの前記第一方向の両端にある蓄電素子に当接し、前記複数列の蓄電素子群のそれぞれを押圧する。
しかし、前記複数列の蓄電素子群の少なくともいずれか1つにおいて前記第一方向に寸法誤差がある場合、前記終端部材と前記連結部材とが接続されると、前記複数列の蓄電素子群のうち、前記第一方向の両端にある蓄電素子と前記終端部材とが当接する列と当接しない列ができることがある。そのため、前記一対の終端部材は、前記複数列の蓄電素子群の全てを押せない。よって、前記保持部材は、前記複数列の蓄電素子群の全てを安定して保持できない。
また、前記複数列の蓄電素子群の少なくともいずれか1つにおいて前記第一方向に寸法誤差がある場合、前記複数列の蓄電素子群のうち、前記第一方向の長さが長い列が前記第一方向に圧縮されることにより、前記一対の終端部材と前記第一方向の長さが短い列とが当接することがある。これにより、前記一対の終端部材は、前記複数列の蓄電素子群のそれぞれを押圧できる。しかし、前記第一方向の長さが短い列に対する押圧力は、前記第一方向の長さが長い列に対する押圧力よりも小さい。よって、前記保持部材は、前記複数列の蓄電素子の全てを安定して保持できない。
特開2012−164463号公報 特開2010−97923号公報 特開2011−171029号公報 特開2013−91085号公報
そこで、本発明は、複数列の蓄電素子群の全てが安定して保持された蓄電装置を提供する。
本発明に係る蓄電装置は、
複数の蓄電素子が第一方向に並ぶ蓄電素子群であって、前記第一方向と直交する第二方向に並ぶ複数列の蓄電素子群と、
前記複数列の蓄電素子群を保持する保持部材と、を含み、
前記保持部材は、前記複数列の蓄電素子群の前記第一方向における両側に配置される一対の終端部材と、前記一対の終端部材を接続する連結部材とを含み、
前記一対の終端部材の少なくとも一方は、前記複数列の蓄電素子群に対向する複数の突出部を有し、前記複数の突出部のそれぞれは、前記複数列の蓄電素子群のそれぞれに対応する位置に形成され、前記複数列の蓄電素子群のそれぞれに向かって部分的に突出する。
上記構成の蓄電装置によれば、終端部材と連結部材とが接続されると、終端部材の複数の突出部は、複数列の蓄電素子群の第一方向の両端にある蓄電素子のそれぞれと当接し、複数列の蓄電素子群のそれぞれを押圧する。これにより、上記構成の蓄電装置では、複数列の蓄電素子群の全てを安定して保持できる。
前記終端部材の前記複数の突出部のそれぞれは、前記終端部材と前記連結部材とが接続された状態で、前記複数列の蓄電素子群の各列における前記蓄電素子であって、対向する前記蓄電素子の外面の少なくとも中央部を押圧する、
ことが好ましい。
かかる構成によれば、複数の突出部のそれぞれは、対向する蓄電素子の外面の少なくとも中央部を押圧し、複数列の蓄電素子群のそれぞれを押圧できる。これにより、上記構成の蓄電装置では、複数列の蓄電素子群の全てを安定して保持できる。
通常、蓄電素子の外面の中央部は膨らみやすい。そのため、終端部材の突出部が、対向する蓄電素子の外面の中央部以外を押圧すると、蓄電素子の外面の中央部の膨らみによって、終端部材の突出部は対向する蓄電素子に安定して当接せず、偏当たりが発生することがある。しかし、上記構成の蓄電装置では、複数の突出部のそれぞれは、対向する蓄電素子の外面の少なくとも中央部を押圧するため、偏当たりの発生が抑制され、複数列の蓄電素子群のそれぞれを安定して押圧できる。
前記終端部材は、前記複数列の蓄電素子群の各列に対向して配置される複数の保持部を有し、
前記複数の保持部のそれぞれは、前記突出部を1つ有する、
ことが好ましい。
かかる構成によれば、各保持部の突出部は、終端部材と連結部材とが接続された状態で、対向する蓄電素子に当接する。ところで、各保持部が複数の突出部を有する場合、各保持部が有する複数の突出部の全てが、対向する蓄電素子に当接せず、偏当たりが発生することがある。しかし、上記構成の蓄電装置では、各保持部が有する突出部は1つであるため、偏当たりの発生が抑制され、各保持部の突出部は、複数列の蓄電素子群のそれぞれを安定して押圧できる。
前記終端部材は、隣り合う前記保持部同士を接続する接続部を有する、
ようにし得る。
かかる構成によれば、複数の保持部は接続部によって接続される。終端部材と連結部材が接続されると、各保持部の突出部は、複数列の蓄電素子群のそれぞれを押圧できる。これにより、上記構成の蓄電装置では、複数列の蓄電素子群の全てを安定して保持できる。
前記接続部は、前記第一方向に変形可能である、
ことが好ましい。
かかる構成によれば、終端部材と連結部材とが接続された状態で、接続部が複数の保持部の並ぶ方向に変形することで、複数列の蓄電素子群の第一方向の寸法誤差を吸収できる。
上記蓄電装置によれば、複数列の蓄電素子群の全てが安定して保持されるといった優れた効果を奏し得る。
図1は、本発明の一実施形態に係る蓄電装置の斜視図である。 図2は、同実施形態に係る蓄電装置に係る蓄電素子の斜視図である。 図3は、同実施形態に係る蓄電装置に係る蓄電素子の正面図である。 図4は、同実施形態に係る蓄電装置の一部を省略した分解斜視図である。 図5は、同実施形態に係る蓄電装置の内部スペーサ及び外部スペーサ及び蓄電素子の配置を説明するための図である。 図6は、同実施形態に係る蓄電装置に係る終端部材の斜視図である。 図7は、本発明の他実施形態に係る蓄電装置における接続部の部分拡大図である。 図8は、本発明の他実施形態に係る蓄電装置における接続部の部分拡大図である。
以下、本発明に係る蓄電装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
蓄電装置は、図1に示すように、蓄電素子1と、該蓄電素子1に隣り合うスペーサ2と、蓄電素子1及びスペーサ2をひとまとめに保持する保持部材3とを備える。保持部材3は、導電材料により成形される。これに伴い、本実施形態に係る蓄電装置は、蓄電素子1と保持部材3との間に配置されるインシュレータ4を備える。
蓄電素子1は、図2及び図3に示すように、正極及び負極を含む電極体と、電極体を収容するケース10と、ケース10の外面上に配置された一対の外部端子11とを備える。
ケース10は、開口を有するケース本体100と、ケース本体100の開口を閉じる蓋板101とを有する。
ケース本体100は、閉塞部100aと(図3参照)、該閉塞部100aを取り囲むように、該閉塞部100aの周縁に接続された筒状の胴部100bとを備える。
本実施形態において、閉塞部100aは、略長方形の板状に形成される。これに伴い、閉塞部100aは、長手方向の両端において該長手方向と直交する方向(以下、短手方向という)に延びる一対の第一端縁と、短手方向の両端において長手方向に延びる一対の第二端縁とを有する。
胴部100bは、閉塞部100aの形状に対応して形成される。そのため、本実施形態に係る胴部100bは、角筒状に形成される。すなわち、胴部100bは、閉塞部100aにおける一対の第一端縁のそれぞれに沿って配置される一対の第一壁100cと、閉塞部100aにおける一対の第二端縁のそれぞれに沿って配置される一対の第二壁100dとを備える。
一対の第一壁100cのそれぞれは、閉塞部100aの対応する第一端縁に接続され、一対の第二壁100dのそれぞれは、閉塞部100aの対応する第二端縁に接続される。第一壁100cと第二壁100dとは、互いに隣り合って配置される。また、隣り合う第一壁100cと第二壁100dとは、互いの端縁を突き合わせた状態になる。これに伴い、隣り合う第一壁100c及び第二壁100d(突き合わせた端縁同士)は、閉塞部100aと直交する方向で全長に亘って接続される。
ケース本体100において、一対の第一壁100c及び一対の第二壁100dは、電極体を収容するための開口を画定する。一対の第一壁100c及び一対の第二壁100dは、長方形状の閉塞部100aに接続される。そのため、ケース本体100は、閉塞部100aと略同サイズで且つ略同形態の開口を有する。
ケース本体100は、各種加工方法により作製し得る。本実施形態では、ケース本体100は、深絞り加工により形成される。
蓋板101のサイズ及び形態は、ケース本体100の開口に対応する。本実施形態に係る蓄電素子1は、閉塞部100aが略長方形に形成されるに伴い、開口も略長方形に形成される。従って、本実施形態に係る蓋板101は、ケース本体100の開口に対応して長方形状に形成される。
これに伴い、蓋板101は、長手方向の両端に短手方向に延びる一対の第一端縁を有する。また、蓋板101は、短手方向の両端に長手方向に延びる一対の第二端縁を有する。
蓋板101には、一対の外部端子11が配置される。本実施形態において、蓋板101が長方形状に形成されるに伴い、一対の外部端子11のそれぞれは、蓋板101における長手方向の両側の二箇所に配置される。通常、蓋板101における一対の端子位置には、ケース10を内外に貫通した孔が設けられ、該孔に外部端子11と電極体とを電気的に接続するための導電部材が挿通される。
蓋板101は、ケース10内に発生したガスを外部に排出するガス排出弁101aを備える。これにより、ガス排出弁101aは、ケース10内の圧力が所定以上に達したときに、ケース10内のガスをケース10外に排出する。
本実施形態に係る蓄電装置は、複数の蓄電素子1を備える。複数の蓄電素子1のそれぞれは、第一方向(以下、X軸方向という。)に整列し、蓄電素子群A,Bを構成する。具体的には、蓄電装置は、複数の蓄電素子1がX軸方向に並ぶ蓄電素子群A,Bであって、X軸方向と直交する第二方向(以下、Y軸方向という。)に並ぶ複数列の蓄電素子群A,Bを備える。これに伴い、蓄電装置は、複数列の蓄電素子群A,Bのそれぞれにおいて、隣り合う二つの蓄電素子1の外部端子11同士を電気的に接続するバスバーを備える。本実施形態の蓄電装置は、二列の蓄電素子群A,Bを備える。
スペーサ2は、絶縁性を有する。スペーサ2は、蓄電素子1のケース10(胴部100bの第一壁100c)と隣り合うベースと、該ベースに隣り合う蓄電素子1の位置ずれを防止する規制部と、を有する。
スペーサ2について、より具体的に説明する。蓄電装置は、上述のように、複数の蓄電素子1(蓄電素子群A,B)を備える。これに伴い、蓄電装置は、図4に示すように、蓄電素子群A,B毎に、2種類のスペーサ2(2A,2B)を備える。すなわち、蓄電装置は、蓄電素子群A,B毎に、スペーサ2として、二つの蓄電素子1間に配置される内部スペーサ2Aと、複数の蓄電素子1のうちの最も端にある蓄電素子1に隣り合う外部スペーサ2Bとを備える。
まず、内部スペーサ2Aについて説明する。内部スペーサ2Aは、図5に示すように、蓄電素子1(ケース本体100の第一壁100c)に隣り合うベース20Aと、該ベース20Aに隣り合う二つの蓄電素子1の位置ずれを防止する規制部21Aとを有する。また、内部スペーサ2Aは、ベース20Aに形成される弁カバー部22Aであって、蓄電素子1の蓋板101(ガス排出弁101a)上に配置される弁カバー部22Aを有する。
ベース20Aは、二つの蓄電素子1に挟み込まれる。そのため、ベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子1のうちの一方の蓄電素子1と対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有する。
本実施形態において、内部スペーサ2Aのベース20Aは、略矩形状である。また、内部スペーサ2Aのベース20Aは、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさになっている。内部スペーサ2Aの規制部21Aは、ベース20Aの角部のそれぞれに形成されている。内部スペーサ2Aの弁カバー部22Aは、ベース20Aにおける蓄電素子1の蓋板101に対応する位置に形成されている。
本実施形態に係る蓄電装置において、ベース20Aの第一面と蓄電素子1との間及びベース20Aの第二面と蓄電素子1との間の少なくとも何れか一方には、流体(冷却用の流体)を通過させるための通風路が形成される。
本実施形態に係るベース20Aは、矩形波形状に形成される。より具体的に説明する。ベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子1のうちの一方の蓄電素子1のみに当接する第一当接部200Aと、隣り合う二つの蓄電素子1のうちの他方の蓄電素子1のみに当接する第二当接部201Aとを有する。これに伴い、ベース20Aは、第一当接部200Aと第二当接部201Aとに繋がる連接部202Aを有する。
第一当接部200Aは、一方向に長手をなしている。第二当接部201Aは、一方向に長手をなしている。
ベース20Aは、複数の第一当接部200Aと、複数の第二当接部201Aとを有する。そして、各第一当接部200Aと各第二当接部201Aとは、ベース20Aの第一端と第二端とが並ぶ方向で交互に配置される。
これにより、蓄電装置では、第一当接部200Aにおける蓄電素子1と当接する面とは反対側の面と、第一当接部200Aに繋がる一対の連接部202Aとによって、通風路が形成される。また、蓄電装置では、第二当接部201Aにおける蓄電素子1と当接する面とは反対側の面と、第二当接部201Aに繋がる一対の連接部202Aとによって、通風路が形成される。従って、蓄電装置では、ベース20Aの第一面と蓄電素子1との間、及びベース20Aの第二面と蓄電素子1との間のそれぞれに通風路が形成される。
本実施形態に係る蓄電装置は、上述のように、複数の蓄電素子1(蓄電素子群A,B)を備えるため、内部スペーサ2Aは、各蓄電素子群A,Bを構成する隣り合う蓄電素子1の間のそれぞれに配置されている。すなわち、蓄電装置は、蓄電素子群A,B毎に、複数の内部スペーサ2Aを備える。
次に、外部スペーサ2Bについて説明する。外部スペーサ2Bは、蓄電素子1(ケース本体100の第一壁100c)に対向する第一面及び該第一面とは反対側の第二面を有するベース(以下、ベースという)20Bと、該ベース20Bに隣り合う蓄電素子1の位置を決定する規制部(以下、規制部という)21Bとを有する。
本実施形態に係る外部スペーサ2Bは、ベース20Bと保持部材3の後述する終端部材30の保持部30Aとが対向する。そのため、外部スペーサ2Bは、ベース20Bに対する終端部材30の位置ずれを防ぐための位置決部22Bであって、ベース20Bの第二面に形成される位置決部22Bを有する。また、外部スペーサ2Bは、ベース20Bに対する保持部30Aの位置を決定するための軸部23Bであって、ベース20Bの第二面に形成される軸部23Bを有する。
本実施形態において、外部スペーサ2Bのベース20Bは、略矩形状である。また、外部スペーサ2Bのベース20Bは、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさである。また、外部スペーサ2Bの規制部21Bは、ベース20Bの角部のそれぞれに形成されている。
ベース20Bの第一面には、該ベース20Bの第一面と蓄電素子1との間に流体を通過させるための通風路が形成される。
より具体的に説明する。ベース20Bは、当該ベース20Bの第一面から蓄電素子1のケース10(ケース本体100の第一壁100c)に向かって延びる内部接触部200Bを有する。
内部接触部200Bは、一方向に長手をなしている。本実施形態に係るベース20Bは、複数の内部接触部200Bを有する。そして、複数の内部接触部200Bのそれぞれは、長手方向と直交する方向で互いに間隔をあけて配置される。これにより、ベース20Bと蓄電素子1との間には、複数の通風路(採番しない)が形成される。
本実施形態に係る外部スペーサ2Bは、上述のように、蓄電素子1を介して該内部スペーサ2Aと隣り合うように配置される。すなわち、蓄電装置は、蓄電素子群A,B毎に、一対の外部スペーサ2Bを備える。
また、一対の外部スペーサ2Bのそれぞれは、上述のように、第一面が蓄電素子1のケース本体100と対向する。そのため、一対の外部スペーサ2Bのそれぞれは、互いのベース20Bの第一面同士が向かい合うようにして配置されている。従って、蓄電装置において、一対の外部スペーサ2Bのそれぞれは、各蓄電素子群A,Bにおいて、複数の蓄電素子1が整列するX軸方向で互いに対称となるように配置されている。
本実施形態において、保持部材3は、金属製である。保持部材3は、上述の通り、複数の蓄電素子1をひとまとめに保持する。本実施形態の保持部材3は、複数列の蓄電素子群A,Bをひとまとめに保持する。保持部材3は、図4に示すように、複数列の蓄電素子群A,Bと隣り合う一対の終端部材30であって、複数列の蓄電素子群A,Bのそれぞれの外部スペーサ2Bと隣り合う位置のそれぞれに配置される一対の終端部材30と、該一対の終端部材30のそれぞれを接続する連結部材31とを備える。
一対の終端部材30は、複数列の蓄電素子群A,BのX軸方向における両側に配置される。一対の終端部材30のそれぞれは、図6に示すように、複数列の蓄電素子群A,Bの各列に対向して配置される複数の保持部30Aを有する。本実施形態の蓄電装置は、上述したように、二列の蓄電素子群A,Bを備えている。そのため、一対の終端部材30のそれぞれは、蓄電素子群A,Bの各列に対応して2つの保持部30Aを有する。また、一対の終端部材30のそれぞれは、隣り合う保持部30A同士を接続する接続部30Bを有する。
一対の終端部材30の少なくとも一方は、複数列の蓄電素子群A,Bに対向し、複数列の蓄電素子群A,Bのそれぞれに対応する位置に複数列の蓄電素子群A,Bのそれぞれに向かって部分的に突出する複数の突出部301を有する。具体的には、複数の突出部301のそれぞれは、終端部材30を構成する各保持部30Aの少なくとも中央部を含む領域が、該突出部301の周辺部に対して直交する方向に突出するように形成されたものである。本実施形態において、一対の終端部材30のそれぞれが、複数の突出部301を有する。
複数の突出部301のそれぞれは、終端部材30と連結部材31とが接続された状態で、複数列の蓄電素子群A,Bの各列における蓄電素子1であって、対向する蓄電素子1の外面の少なくとも中央部を押圧する。具体的には、複数の突出部301のそれぞれは、外部スペーサ2Bを介して、蓄電素子1のケース本体100の胴部100bの第一壁100cの少なくとも中央部を押圧する。
より具体的に説明する。複数の保持部30Aのそれぞれは、外部スペーサ2Bと対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有する。本実施形態の終端部材30はプレス成形される。そのため、複数の保持部30Aのそれぞれは、第一面及び第二面が外部スペーサ2Bに向かって部分的に膨出している。つまり、複数の保持部30Aのそれぞれは、第一面及び第二面が外部スペーサ2Bに向かって部分的に突出する突出部301を有する。本実施形態において、複数の保持部30Aのそれぞれは、突出部301を1つ有する。突出部301は、外部スペーサ2Bのベース20Bから延びる外部接触部24Bに当接する圧接部300を有する。圧接部300は、突出部301の周辺部に対して直交する方向に変位している。圧接部300は、平板状である。そのため、圧接部300は、終端部材30と連結部材31とが接続された状態で、外部スペーサ2Bに面接触する。また、突出部301は、該突出部301の周辺部に対して起立する起立部であって、該突出部301の周辺部と圧接部300とを接続する起立部(採番しない)を有する。
保持部30Aは、蓄電素子1の蓋板101と対応する位置に配置される第一端と、該第一端とは反対側の第二端(蓄電素子1の閉塞部100aと対応する位置に配置される第二端)とを有する。また、保持部30Aは、蓄電素子1の一方の第二壁100dと対応する位置に配置される第三端と、該第三端とは反対側の第四端(蓄電素子1の他方の第二壁100dと対応する位置に配置される第四端)とを有する。
これに伴い、保持部30Aは、第一端と第三端とが接続される部分である第一角部と、第一端と第四端とが接続される部分である第二角部とを有する。また、保持部30Aは、第二端と第三端とが接続される部分である第三角部と、第二端と第四端とのそれぞれが接続される部分である第四角部とを有する。
保持部30A(圧接部300)は、外部スペーサ2Bの軸部23Bに対応する位置に形成される挿込穴300aを有する。また、保持部30Aは、圧接部300の周辺に形成される複数(本実施形態では、四つ)の貫通穴300bを有する。
接続部30Bは、上述したように、隣り合う保持部30A同士を接続する。本実施形態において、接続部30Bは、隣り合う保持部30Aのうちの一方の保持部30Aの第三端と、他方の保持部30Aの第四端とを接続する。
接続部30Bは、平板状である。そのため、部分的に突出する突出部301を有する保持部30Aに比べて曲げ強度が小さい。よって、終端部材30(保持部30A)と連結部材31とが接続された状態で、接続部30Bは、保持部30Aの変位に応じて変形する。すなわち、接続部30Bは、X軸方向に変形可能である。
本実施形態に係る連結部材31は、枠体状に形成される。
連結部材31は、終端部材30と連結される固定部313を有する。固定部313は、X軸方向における連結部材31の両端に設けられている。すなわち、本実施形態の連結部材31は、一対の終端部材30のうちの一方の終端部材30と連結される固定部313と、他方の終端部材30と連結される固定部313とを有する。固定部313は、終端部材30(保持部30A)の貫通穴300bと対向するように形成されている。固定部313は、終端部材30(保持部30A)の貫通穴300bと対応する位置に穴部が形成されている。
そのため、連結部材31は、終端部材30の貫通穴300bと、固定部313の穴部とに挿通したボルトにナットを螺合させることによって該終端部材30に連結される。
インシュレータ4は、絶縁性を有する材料で構成されている。本実施形態の蓄電装置は、二列の蓄電素子群A,BのそれぞれのY軸方向における両側にインシュレータ4を備える。
以上のように、本実施形態に係る蓄電装置は、複数の蓄電素子1が第一方向(X軸方向)に並ぶ蓄電素子群A,Bであって、前記第一方向(X軸方向)と直交する第二方向(Y軸方向)に並ぶ複数列の蓄電素子群A,Bと、前記複数列の蓄電素子群A,Bを保持する保持部材3と、を含む。前記保持部材3は、前記複数列の蓄電素子群A,Bの前記第一方向(X軸方向)における両側に配置される一対の終端部材30と、前記一対の終端部材30を接続する連結部材31とを含む。前記一対の終端部材30の少なくとも一方は、前記複数列の蓄電素子群A,Bに対向し、前記複数列の蓄電素子群A,Bのそれぞれに対応する位置に前記複数列の蓄電素子群A,Bのそれぞれに向かって部分的に突出する複数の突出部301を有する。これにより、複数の突出部301を有する終端部材30では、終端部材30と連結部材31とが接続された状態で、複数列の蓄電素子群A,Bの第一方向(X軸方向)の両端にある蓄電素子1と接触する面積が、突出部301が設けられていない平板状の終端部材に比べて少ない。そのため、取付姿勢の自由度が向上し、複数の突出部301を有する終端部材30は、複数列の蓄電素子群A,Bの寸法誤差を吸収することができる。したがって、終端部材30と連結部材31とが接続されると、終端部材30の複数の突出部301は、複数列の蓄電素子群A,Bの第一方向(X軸方向)の両端にある蓄電素子1のそれぞれと当接し、複数列の蓄電素子群A,Bのそれぞれを押圧する。これにより、上記構成の蓄電装置では、複数列の蓄電素子群A,Bの全てを安定して保持できる。
本実施形態に係る蓄電装置によれば、前記終端部材30の前記複数の突出部301のそれぞれは、前記終端部材30と前記連結部材31とが接続された状態で、前記複数列の蓄電素子群A,Bの各列における前記蓄電素子1であって、対向する前記蓄電素子1のケース10の外面の少なくとも中央部を外部スペーサ2Bを介して押圧することにより、複数列の蓄電素子群A,Bのそれぞれを押圧できる。これにより、上記構成の蓄電装置では、複数列の蓄電素子群A,Bの全てを安定して保持できる。
通常、蓄電素子1のケース10の外面の中央部は膨らみやすい。そのため、終端部材30の突出部301が、対向する蓄電素子1のケース10の外面の中央部以外を外部スペーサ2Bを介して押圧すると、蓄電素子1のケース10の外面の中央部の膨らみによって、終端部材30の突出部301は対向する外部スペーサ2Bに安定して当接せず、偏当たりが発生することがある。しかし、上記構成の蓄電装置では、複数の突出部301のそれぞれは、対向する蓄電素子1のケース10の外面の少なくとも中央部を外部スペーサ2Bを介して押圧するため、偏当たりの発生が抑制され、複数列の蓄電素子群A,Bのそれぞれを安定して押圧できる。
本実施形態の蓄電装置によれば、前記終端部材30は、前記複数列の蓄電素子群A,Bの各列に対向して配置される複数の保持部30Aを有し、前記複数の保持部30Aのそれぞれは、前記突出部301を1つ有することにより、各保持部30Aの突出部301は、終端部材30と連結部材31とが接続された状態で、対向する外部スペーサ2Bに当接する。ところで、各保持部30Aが複数の突出部301を有する場合、各保持部30Aが有する複数の突出部301の全てが、対向する外部スペーサ2Bに当接せず、偏当たりが発生することがある。しかし、上記構成の蓄電装置では、各保持部30Aが有する突出部301は1つであるため、偏当たりの発生が抑制され、各保持部30Aの突出部301は、複数列の蓄電素子群A,Bのそれぞれを安定して押圧できる。
本実施形態の蓄電装置によれば、前記終端部材30は、隣り合う前記保持部30A同士を接続する接続部30Bを有することにより、複数の保持部30Aは接続部30Bによって接続される。終端部材30と連結部材31が接続されると、各保持部30Aの突出部301は、複数列の蓄電素子群A,Bのそれぞれを押圧できる。これにより、上記構成の蓄電装置では、複数列の蓄電素子群A,Bの全てを安定して保持できる。
本実施形態の蓄電装置によれば、前記接続部30Bは、前記X軸方向に変形可能であることにより、終端部材30と連結部材31とが接続された状態で、接続部30BがX軸方向に変形し、複数列の蓄電素子群A,Bの第一方向(X軸方向)の寸法誤差を吸収できる。
なお、本発明に係る蓄電装置は、上記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
上記実施形態において、蓄電装置が二列の蓄電素子群A,Bを備えるが、これに限定されず、蓄電装置は三列以上の蓄電素子群を備えることができる。蓄電装置が三列以上の蓄電素子群を備える場合、終端部材30は、三列以上の蓄電素子群の各列に対応して複数の保持部30Aを備える。
上記実施形態において、一対の終端部材30のそれぞれに突出部301が設けられているが、これに限定されず、一対の終端部材30のうちのいずれか一方にのみ突出部301が設けられていてもよい。
上記実施形態において、複数の保持部30Aのそれぞれが突出部301を1つ有するが、これに限定されず、各保持部30Aは2つ以上の突出部301を有していてもよい。
上記実施形態において、圧接部300が平板状に形成され、圧接部300が外部スペーサ2Bと面接触するが、これに限定されない。例えば、圧接部300は平板状以外の形状に形成されていてもよいし、また、圧接部300は外部スペーサ2Bと点接触や線接触してもよい。
上記実施形態において、接続部30Bは、X軸方向に変形可能であるが、これに限定されず、接続部30Bは、X軸方向に変形可能でなくてもよい。
上記実施形態において、接続部30Bが平板状に形成されたが、これに限定されず、接続部30Bは平板状以外の形状にし得る。
例えば、接続部30Bは、保持部30Aと交差する方向において蓄電素子群A,Bとは反対側に向かって突出するように形成されていてもよい。具体的には、接続部30Bは、図7に示すように、一端が一方の保持部30Aに接続された第一接続部302であって、他端が前記一方の保持部30AよりもX軸方向外方に位置する第一接続部302と、一端が他方の保持部30Aに接続された第二接続部303であって、他端が前記他方の保持部30AよりもX軸方向外方に位置する第二接続部303と、前記第一接続部302の他端と前記第二接続部303の他端とを接続する第三接続部304とを有するように形成されていてもよい。
この場合、第一接続部302及び第二接続部303はそれぞれ、X軸方向に交差する方向に湾曲するように形成されていてもよい。また、第三接続部304は、Y軸方向に交差する方向に湾曲するように形成されていてもよい。
また、第一接続部302の一端から他端までの長さと、第二接続部303の一端から他端までの長さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、接続部30Bは、図8に示すように、Y軸方向における中央領域の厚みが、該中央領域の両側の領域の厚みよりも薄くなるように形成されていてもよい。具体的には、接続部30Bは、Y軸方向において両端から中央部に向かうにつれて厚みが薄くなるように形成されていてもよい。
この場合、接続部30Bの第一面及び第二面の両方が湾曲するように形成されていてもよいし、接続部30Bの第一面及び第二面のうちの一方の面のみが湾曲するように形成され、他方の面は平面であってもよい。
また、接続部30Bは、上述したように、Y軸方向において両端から中央部に向かうにつれて厚みが連続的に薄くなるように形成されていてもよいが、断続的に変化するように形成されていてもよい。例えば、接続部30Bの第一面及び第二面の少なくとも一方の面のY軸方向における中央部が陥没するように形成されていてもよい。
上記実施形態において、外部スペーサ2Bが軸部23Bを有するが、これに限定されず、軸部23Bは必要に応じて設けられればよい。
上記実施形態において、圧接部300の周辺に四つの貫通穴300bが設けられたが、これに限定されず、貫通穴300bは必要に応じて設けられればよい。
上記実施形態において、連結部材31の形状が枠体状であるが、これに限定されない。例えば、連結部材31は棒状であってもよい。
上記実施形態において、内部スペーサ2Aのベース20Aは、略矩形状であり、また、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさになっている。しかしながら、内部スペーサ2Aのベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子1のそれぞれの姿勢を対応させることができれば、略矩形状であるものに限定されず、また、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさであるものにも限定されない。
上記実施形態において、内部スペーサ2Aのベース20Aは、矩形波形状にすることによって、該ベース20Aと蓄電素子1との間に通風路を形成している。しかしながら、内部スペーサ2Aのベース20Aは、第一面と蓄電素子1との間(第二面と蓄電素子2との間)に流体を通過させることができれば、ベース20Aの形状が矩形波形状であるものに限定されない。また、内部スペーサ2Aのベース20Aと蓄電素子1との間に流通路を形成する必要がない場合、内部スペーサ2Aのベース20Aは、平板状に形成されていてもよい。
上記実施形態において、内部スペーサ2Aの各規制部21Aは、ベース20Aの角部のそれぞれに形成されている。しかしながら、内部スペーサ2Aの規制部21Aは、ベース20Aに対する蓄電素子1の位置を決定することができれば、ベース20Aに形成される位置が限定されるものではない。
上記実施形態において、外部スペーサ2Bのベース20Bは、略矩形状であり、且つ蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさである。しかしながら、ベース20Bは、隣り合う蓄電素子1の姿勢と終端部材30の姿勢とを対応させることができれば、ベース20Bは、略矩形状に形成されているものに限定されず、また、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさで形成されているものにも限定されない。
上記実施形態において、外部スペーサ2Bは、ベース20Bの角部のそれぞれに規制部21Bが形成されている。しかしながら、規制部21Bは、ベース20Bに対して蓄電素子1を配置する位置を決定することができれば、ベース20Bに形成される位置が限定されるものではない。
上記実施形態において、蓄電装置は外部スペーサ2Bを備えているが、外部スペーサ2Bを備えていなくてもよい。蓄電装置が外部スペーサ2Bを備えない場合、突出部301は、蓄電素子1を直接押圧することができる。
1…蓄電素子、10…ケース、100…ケース本体、100a…閉塞部、100b…胴部、100c…第一壁、100d…第二壁、101…蓋板、11…外部端子、2…スペーサ、2A…内部スペーサ、20A…ベース、200A…第一当接部、201A…第二当接部、202A…連接部、21A…規制部、22A…弁カバー部、2B…外部スペーサ、20B…ベース、200B…内部接触部、21B…規制部、22B…位置決部、23B…軸部、24B…外部接触部3…保持部材、30…終端部材、30A…保持部、30B…接続部、300…圧接部、300a…挿込穴、300b…貫通穴、301…突出部、302…第一接続部、303…第二接続部、304…第三接続部、31…連結部材、313…固定部、4…インシュレータ

Claims (5)

  1. 複数の蓄電素子が第一方向に並ぶ蓄電素子群であって、前記第一方向と直交する第二方向に並ぶ複数列の蓄電素子群と、
    前記複数列の蓄電素子群を保持する保持部材と、を含み、
    前記保持部材は、前記複数列の蓄電素子群の前記第一方向における両側に配置される一対の終端部材と、前記一対の終端部材を接続する連結部材とを含み、
    前記一対の終端部材の少なくとも一方は、前記複数列の蓄電素子群に対向する複数の突出部を有し、
    前記複数の突出部のそれぞれは、前記複数列の蓄電素子群のそれぞれに対応する位置に形成され、前記複数列の蓄電素子群のそれぞれに向かって部分的に突出する、蓄電装置。
  2. 前記終端部材の前記複数の突出部のそれぞれは、前記終端部材と前記連結部材とが接続された状態で、前記複数列の蓄電素子群の各列における前記蓄電素子であって、対向する前記蓄電素子の外面の少なくとも中央部を押圧する、請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記終端部材は、前記複数列の蓄電素子群の各列に対向して配置される複数の保持部を有し、
    前記複数の保持部のそれぞれは、前記突出部を1つ有する、請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  4. 前記終端部材は、隣り合う前記保持部同士を接続する接続部を有する、請求項3に記載の蓄電装置。
  5. 前記接続部は、前記第一方向に変形可能である、請求項4に記載の蓄電装置。
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