JP2016049809A - Vehicle parking lock device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、車両用パーキングロック装置に関し、特に、運転者による駐車ブレーキ操作から駐車ブレーキ完了までの時間差の発生を抑制するための改良に関する。 The present invention relates to a vehicle parking lock device, and more particularly to an improvement for suppressing the occurrence of a time difference from a parking brake operation by a driver to the completion of the parking brake.
外周部に複数の外周歯が形成されたパーキングギヤと、前記パーキングギヤにおける前記外周歯間の歯溝に嵌合させられる係止歯が形成された複数のパーキングポールとを、備え、前記複数のパーキングポールが回動軸の軸方向に並んで設置された車両用パーキングロック装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載された自動車両のエンジンの出力軸の回転を阻止する装置がその一例である。この技術によれば、回動軸の軸方向に並んで設置された複数のパーキングポール(第1フィンガ及び第2フィンガ)を備え、運転者による駐車ブレーキ操作に連動して前記第2フィンガが位置合わせ手段としてパーキングギヤに係合させられた後、前記第1フィンガがパーキングギヤに係合させられることで、出力軸を確実にロックすることを保証できるとされている。 A parking gear having a plurality of outer peripheral teeth formed on an outer peripheral portion; and a plurality of parking poles having locking teeth that are fitted in tooth spaces between the outer peripheral teeth of the parking gear. There has been proposed a vehicle parking lock device in which parking poles are installed side by side in the axial direction of a rotating shaft. For example, an apparatus that prevents rotation of an output shaft of an engine of a motor vehicle described in Patent Document 1 is an example. According to this technique, a plurality of parking poles (first finger and second finger) installed side by side in the axial direction of the rotation shaft are provided, and the second finger is positioned in conjunction with a parking brake operation by the driver. After being engaged with the parking gear as the aligning means, the first finger is engaged with the parking gear, thereby ensuring that the output shaft is reliably locked.
しかし、前記従来の技術では、運転者による駐車ブレーキ操作時、前記パーキングギヤの外周部に形成された歯部(凸面)と、各パーキングポールにおける係止歯(凸面)とが接触する間は、前記パーキングギヤの回転によって前記係止歯が前記歯溝に係合される相対位置となるまで、前記パーキングギヤと前記パーキングポールとの係合が実現されない状態となる。このため、運転者による駐車ブレーキ操作から駐車ブレーキ完了までに時間差が発生するおそれがあった。 However, in the prior art, during the parking brake operation by the driver, while the tooth portion (convex surface) formed on the outer peripheral portion of the parking gear and the locking tooth (convex surface) of each parking pole are in contact, The parking gear and the parking pole are not engaged until the locking gear is in a relative position where the locking tooth is engaged with the tooth groove by the rotation of the parking gear. For this reason, there is a possibility that a time difference may occur between the parking brake operation by the driver and the completion of the parking brake.
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、運転者による駐車ブレーキ操作から駐車ブレーキ完了までの時間差の発生を抑制する車両用パーキングロック装置を提供することにある。 The present invention has been made against the background of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a parking lock device for a vehicle that suppresses the occurrence of a time difference from the parking brake operation by the driver to the completion of the parking brake. There is.
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、外周部に複数の外周歯が形成されたパーキングギヤと、前記パーキングギヤにおける前記外周歯間の歯溝に嵌合させられる係止歯が形成された複数のパーキングポールとを、備え、前記複数のパーキングポールが回動軸の軸方向に並んで設置された車両用パーキングロック装置であって、前記複数のパーキングポールそれぞれに形成された前記係止歯は、前記パーキングポールの長手方向位置に関して、前記係止歯の幅寸法分だけ互いにずれた位置に形成されたことを特徴とするものである。 In order to achieve such an object, the gist of the present invention is that a parking gear having a plurality of outer peripheral teeth formed on the outer peripheral portion, and a gear fitted to a tooth gap between the outer peripheral teeth in the parking gear. A parking lock device for a vehicle provided with a plurality of parking poles formed with stop teeth, wherein the plurality of parking poles are arranged side by side in the axial direction of the rotation shaft, each formed on each of the plurality of parking poles The locking teeth thus formed are formed at positions shifted from each other by the width dimension of the locking teeth with respect to the longitudinal position of the parking pole.
このようにすれば、前記複数のパーキングポールそれぞれに形成された前記係止歯は、前記パーキングポールの長手方向位置に関して、前記係止歯の幅寸法分だけ互いにずれた位置に形成されたものであることから、運転者による駐車ブレーキ操作に連動して前記パーキングポールが持ち上がって前記パーキングギヤと接触した際に、前記パーキングポールの係止歯が前記パーキングギヤの歯溝に係合させられる機会が増えるため、前記パーキングギヤと前記パーキングポールとの係合を速やかに実現できる。すなわち、運転者による駐車ブレーキ操作から駐車ブレーキ完了までの時間差の発生を抑制する車両用パーキングロック装置を提供することができる。 In this way, the locking teeth formed on each of the plurality of parking poles are formed at positions shifted from each other by the width dimension of the locking teeth with respect to the longitudinal position of the parking pole. Therefore, when the parking pole is lifted in contact with the parking brake operation by the driver and comes into contact with the parking gear, there is an opportunity for the locking teeth of the parking pole to be engaged with the tooth gap of the parking gear. Therefore, the engagement between the parking gear and the parking pole can be realized quickly. That is, it is possible to provide a vehicle parking lock device that suppresses the occurrence of a time difference from the parking brake operation by the driver to the completion of the parking brake.
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
図1は、本発明の一実施例である車両用パーキングロック装置10(以下、単にパーキングロック装置10という)の構成を説明する図である。この図1に示すように、本実施例のパーキングロック装置10は、例えば、非回転部材であるトランスアクスルケース12(以下、単にケース12という)内に設けられたものであり、パーキングギヤ14、複数(図1では2つ)のパーキングポール16a、16b(以下、特に区別しない場合には単にパーキングポール16という)、及びシフト切替装置18を備えている。このシフト切替装置18は、運転者による図示しないシフト操作装置の操作に応じて、モータ等のアクチュエータにより後述するディテント部材32を所定の軸まわりに回動させることにより、図示しない変速機のシフトレンジを電気制御により切り替える所謂シフト・バイ・ワイヤ機構の一例である。すなわち、本実施例のパーキングロック装置10は、好適には、運転者による駐車ブレーキ操作に応じて電気制御により出力軸20の回転を阻止するシフト・バイ・ワイヤ式のパーキング装置である。
FIG. 1 is a diagram illustrating a configuration of a vehicle parking lock device 10 (hereinafter simply referred to as a parking lock device 10) according to an embodiment of the present invention. As shown in FIG. 1, a
前記パーキングギヤ14は、例えば、車両における駆動力源から駆動輪までの動力伝達経路の一部を構成する出力軸20と同軸且つその出力軸20に対して相対回転不能に固定されている。この出力軸20は、例えば、車両に備えられた図示しない変速機の出力軸と差動歯車装置との間の動力伝達経路の一部を構成するカウンタ軸に相当する。図1に示すように、前記パーキングギヤ14の外周部には、外周方向に突出して複数の外周歯22が周方向に略等間隔で形成されている。すなわち、前記パーキングギヤ14の外周部には、前記複数の外周歯22相互間に複数の歯溝24が周方向に略等間隔で形成されている。前記外周歯22及び前記歯溝24における前記パーキングギヤ14の周方向幅寸法は、前記外周歯22と前記歯溝24とで略等しいものであってもよいが、好適には、後述する図2等に示すように、前記外周歯22の幅寸法よりも前記歯溝24の幅寸法の方が大きいものである。
The
前記複数のパーキングポール16a、16bは、前記ケース12に固設された回動軸28に支持されており、その回動軸28の軸心まわりに回動可能に設けられている。すなわち、本実施例のパーキングロック装置10においては、前記複数のパーキングポール16a、16bが共通の前記回動軸28の軸方向に並んで設置されている。前記パーキングポール16a、16bには、前記パーキングギヤ14における前記歯溝24に嵌合させられる係止歯26a、26b(以下、特に区別しない場合には単に係止歯26という)がそれぞれ形成されている。すなわち、前記パーキングポール16aにおける長手方向略中央部は、前記パーキングギヤ14側に突出して設けられた凸状部(突起部)である係止歯26aが形成されている。前記パーキングポール16bにおける長手方向略中央部は、前記パーキングギヤ14側に突出して設けられた凸状部(突起部)である係止歯26bが形成されている。前記パーキングポール16は、後述するパーキングロックカム36に摺接させられる摺接部40(図2を参照)を先端部に備え、リターンスプリング42(図1においては、パーキングポール16aに対応するものを示し、パーキングポール16bに対応するものを省略している)によって非パーキングロック位置すなわち前記係止歯26が前記パーキングギヤ14における前記歯溝24に係合しない位置に向かって常時付勢されている。
The plurality of
前記シフト切替装置18は、図示しないアクチュエータにより回転駆動される軸部材30と、パーキングロック位置及び非パーキングロック位置に位置決めされるためのカム面を外周縁部に備えて前記軸部材30の所定位置に相対回転不能に固定されると共に、その軸部材30の回転に伴い回動可能に設けられるディテント部材32と、そのディテント部材32のカム面に向かって付勢されてそのカム面に圧接させられると共に、そのカム面におけるパーキングロック位置及び非パーキングロック位置に選択的に係合される係合部材34と、前記複数のパーキングポール16a、16bそれぞれに対応して設けられたパーキングロックカム36a、36b(以下、特に区別しない場合には単にパーキングロックカム36という)と、前記ディテント部材32と前記複数のパーキングロックカム36との間をそれぞれ連結するパーキングロッド38a、38b(以下、特に区別しない場合には単にパーキングロッド38という)とを、備えている。
The
前記複数のパーキングロッド38は、例えば、平面視(図1を上方から下方に向かって視た場合)において略L字状に構成されたものであり、基端部が前記ディテント部材32に回動可能に連結されている。前記パーキングロッド38a、38bの先端部すなわち前記基端部とは反対側の端部には、前記パーキングロックカム36a、36bが長手方向の移動可能にそれぞれ嵌め付けられている。前記パーキングロックカム36は、前記パーキングポール16に形成された摺接部40(図2を参照)に対して摺動可能に移動させられるようになっている。前記ケース12には、図示しないスリーブが固定されており、前記パーキングロックカム36は、前記パーキングポール16と前記スリーブとの間に挿入される挿入位置と、前記パーキングポール16と前記スリーブとの間に挿入されない離脱位置との間を移動可能とされている。
The plurality of
前記パーキングロックカム36は、その側周部(側周面)にカム面を備えている。このカム面は、好適には、前記パーキングロックカム36が前記パーキングポール16と前記スリーブとの間に挿入される際の進行方向に径寸法が漸減させられるテーパ状に形成されたものである。前記パーキングロッド38の先端部には、前記パーキングロックカム36を図示しない先端ストッパへ向かって予め設定された予荷重で付勢する図示しない与圧ばねが、前記パーキングロッド38の所定位置に固定された図示しないばね受けと前記パーキングロックカム36との間に介挿されている。以上のように構成された前記パーキングロックカム36は、前記パーキングロッド38の長手方向(パーキングロックカム36近傍における軸心方向)の移動可能に支持され、前記パーキングロックカム36が前記パーキングポール16及び前記スリーブに対して摺動可能に移動させられるようになっている。
The
前記係合部材34は、好適には、長手平板状の板ばねであり、前記係合部材34における、前記ディテント部材32のカム面とは反対側の一端部は、前記ケース12に固定されている。前記係合部材34の一端部には係合部44が設けられている。その係合部44は、前記ディテント部材32のカム面に向かって所定の押圧力で常時付勢されてカム面に圧接させられている。前記係合部44は、前記係合部材34の先端部においてディテント部材32の回動軸心と平行な軸心まわりの回転が可能に支持されるローラであり、これにより、基本的には、前記係合部44が前記ディテント部材32のカム面における第1位置に落ち込むことにより前記ディテント部材32がパーキングロック位置に位置決めされ、第2位置に落ち込むことにより前記ディテント部材32が非パーキングロック位置に位置決めされるように構成されている。
The
図2は、前記パーキングロック装置10に備えられた前記複数のパーキングポール16の構成を説明するため、一部を拡大して示す図である。この図2においては、前記シフト切替装置18に係る構成等を省略して示している。前述のように、前記パーキングポール16a、16bは、共通の回動軸(回動中心)である前記回動軸28上に並んで設置されている。すなわち、それぞれ独立に前記回動軸28まわりに回動可能とされている。前記パーキングポール16a、16bは、前記パーキングロックカム36a、36bによりそれぞれ独立に駆動される。すなわち、前記パーキングロックカム36aが前記パーキングポール16aと前記スリーブとの間に挿入される挿入位置とされると、前記パーキングロックカム36aが前記回動軸28を回動中心として前記パーキングギヤ14に接近する方向、すなわち前記係止歯26aが前記歯溝24に嵌合させられる方向へ回動させられる。前記パーキングロックカム36bが前記パーキングポール16bと前記スリーブとの間に挿入される挿入位置とされると、前記パーキングロックカム36bが前記回動軸28を回動中心として前記パーキングギヤ14に接近する方向、すなわち前記係止歯26bが前記歯溝24に嵌合させられる方向へ回動させられる。前記パーキングギヤ14の厚み寸法(回動軸28の軸方向寸法)は、少なくとも前記係止歯26a、26bが何れも前記外周歯22間の歯溝24に嵌合させられる厚みとされている。すなわち、パーキングギヤ14の厚み寸法は、並んで設置された前記パーキングポール16a及び16bの厚み寸法(2つのパーキングポール16の合計厚み寸法)以上とされている。
FIG. 2 is an enlarged view showing a part of the plurality of
図2に示すように、前記複数のパーキングポール16それぞれに形成された前記係止歯26は、前記パーキングポール16の長手方向位置に関して、前記係止歯26の幅寸法分だけ互いにずれた(オフセットした)位置に形成されたものである。換言すれば、本実施例のパーキングロック装置10は、前記パーキングギヤ14に対して、前記係止歯26をその歯幅分ずらした位置関係で設置された2つのパーキングポール16を備えている。すなわち、図2に示すように、前記係止歯26a、26bが前記パーキングポール16の長手方向に並ぶ位置関係とされた場合に、前記係止歯26a、26bが前記パーキングポール16の長手方向の幅寸法分だけ互いにずれた位置となるように構成されている。前記係止歯26a、26bは、少なくとも、それら係止歯26における歯先すなわち前記係止部26において最も前記パーキングギヤ14に近い部分における幅寸法d分だけ互いにずれた位置に形成されたものである。換言すれば、前記係止歯26a、26bは、前記パーキングポール16の長手方向に関して、少なくともそれぞれの歯先が重なり合わない相対位置に形成されたものである。ここで、図2においては、前記係止歯26a、26bにおける歯先の幅寸法が共に等しくdである態様を図示しているが、前記係止歯26a、26bが共に前記歯溝24に嵌合させられ、前記パーキングギヤ14の回転を阻止する上で十分な耐久性を保証できるのであれば、必ずしも等しい幅寸法とされたものでなくともよい。
As shown in FIG. 2, the locking
前述のように、本実施例のパーキングロック装置10は、運転者による駐車ブレーキ操作に応じて電気制御により出力軸20の回転を阻止するシフト・バイ・ワイヤ式のパーキング装置である。斯かるシフト・バイ・ワイヤ式のパーキング装置においては、運転者による駐車ブレーキ操作に応じて図示しない電子制御装置からレンジ切替指令が出力され、そのレンジ切替指令に応じて前記アクチュエータが作動させられる。すなわち、パーキングレンジへの切替指令が出された場合には、前記ディテント部材32が前記パーキングロック位置に位置決めされるように前記アクチュエータが駆動される。非パーキングレンジ(パーキングレンジ以外のレンジ)への切替指令が出された場合には、前記ディテント部材32が前記非パーキングロック位置に位置決めされるように前記アクチュエータが駆動される。
As described above, the
すなわち、前記係止歯26a、26bが何れも前記歯溝24に嵌合しない退避位置とされた状態から、前記アクチュエータにより前記軸部材30が所定の方向に回転させられると、その軸部材30と一体的に設けられた前記ディテント部材32が同方向に回動させられ、前記パーキングロッド38が前記パーキングロックカム36を前記パーキングポール16側へ押し出す方向に繰り出される。これにより、前記パーキングロックカム36が前記予圧ばねの付勢力により前記パーキングポール16側へ押し出され、前記パーキングロックポール16と前記スリーブとの間に挿入されてそれらに接触させられる前記挿入位置とされる。前記パーキングロックカム36a、36bの何れか一方が前記挿入位置とされることで、斯かる挿入位置とされた方のパーキングロックカム36に対応する前記パーキングポール16が前記スリーブに対して離隔する方向へ移動させられ、そのパーキングポール16が前記パーキングギヤ14側へ回動させられる。これにより、回動させられた方のパーキングポール16における前記係止歯26が前記パーキングギヤ14における前記歯溝24に嵌合(係合)させられ、前記パーキングギヤ14と連結された前記出力軸20の回転、延いては図示しない駆動輪の回転が抑制される状態となる。
That is, when the
前記係止歯26a、26bの何れか一方が前記歯溝24に嵌合する係合位置とされた状態から、前記アクチュエータにより前記軸部材30が前記所定の方向の逆方向に回転させられると、その軸部材30と一体的に設けられた前記ディテント部材32が同方向に回動させられ、前記パーキングロッド38が前記パーキングロックカム36を前記パーキングポール16側へ押し出す方向の逆方向に抜き出される。これにより、前記パーキングロックカム36が前記パーキングポール16と前記スリーブとの間から引き抜かれた前記離脱位置とされる。前記パーキングロックカム36a、36bが何れも前記離脱位置とされることで、前記リターンスプリング42の付勢力により、前記係止歯26が前記歯溝24に嵌合しない位置に向かって前記パーキングポール16が回動させられる。前記パーキングポール16a、16bが何れも前記退避位置とされた状態すなわちパーキングロック解除状態においては、前記パーキングギヤ14と連結された前記出力軸20の回転が許容(フリー回転)され、延いては図示しない駆動輪の回転が許容される状態となる。
When the
図5及び図6は、本実施例のパーキングロック装置10との比較のために、従来技術である車両用パーキングロック装置50(以下、単にパーキングロック装置50という)の構成を説明する図である。これら図5及び図6において、前述した本実施例のパーキングロック装置10と共通する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。図5及び図6においては、従来一般的であった車両用パーキングロック装置として、前記パーキングギヤ14における前記外周歯22間の歯溝24に嵌合させられる係止歯26が形成された単一のパーキングポール16を備えたパーキングロック装置50を例示している。このような従来のパーキングロック装置50においては、運転者により駐車ブレーキ操作が行われた際、前記パーキングポール16に対する前記パーキングギヤ14の位相により、前記パーキングポール16における前記係止歯26が前記パーキングギヤ14における前記外周歯22間の歯溝24に嵌合させられない非噛合い状態又は嵌合させられる噛合い状態となる。すなわち、図5に示すような状態(位相)においては、運転者による駐車ブレーキ操作に連動して前記パーキングポール16が持ち上がって前記パーキングギヤ14と接触した際、前記パーキングポール16における前記係止歯26が前記パーキングギヤ14における前記外周歯22と当接させられ、前記係止歯26は前記外周歯22間の歯溝24には噛合わない。図6に示すような状態(位相)においては、運転者による駐車ブレーキ操作に連動して前記パーキングポール16が持ち上がると、前記パーキングポール16における前記係止歯26が前記パーキングギヤ14における前記外周歯22間の歯溝24に噛合う。すなわち、前記パーキングロック装置50においては、運転者による駐車ブレーキ操作時に図5に示すような状態であった場合、前記パーキングギヤ14が回転して前記パーキングポール16に対する前記パーキングギヤ14の位相が変化し、例えば図6に示すような状態になるまで、前記パーキングポール16における前記係止歯26が前記パーキングギヤ14における前記外周歯22間の歯溝24に嵌合させられず、駐車ブレーキが完了しない。
5 and 6 are diagrams for explaining the configuration of a conventional
例えば、前記パーキングロック装置50が適用された車両の坂路停車時に、前記パーキングポール16に対する前記パーキングギヤ14の位相が図5に示すような状態であった場合、前述のように、例えば図6に示すような位相になるまで前記パーキングギヤ14が回転させられる。この際、前記パーキングギヤ14と連結された前記出力軸20が回転させられるため、車両が落下(前進又は後進)して車速が発生する。図5に示すような状態から前記パーキングギヤ14が回転させられて図6に示すような状態となると、前記パーキングポール16における前記係止歯26が前記パーキングギヤ14における前記外周歯22間の歯溝24に嵌合させられることで前記パーキングギヤ14の回転が阻止されるが、車速が発生していることから、前記係止歯26が前記歯溝24に噛合った際に衝撃(荷重)が発生し、その衝撃が前記パーキングポール16延いては前記ケース12へと入力される。更に、前記パーキングロック装置50がシフト・バイ・ワイヤ式の装置である場合、前記パーキングギヤ14の回転(位相の変化)に要する時間に加え、運転者による駐車ブレーキ操作に応じた制御時間(応答時間)、及び前記アクチュエータの作動に要する時間等も必要となってくる。このため、車速が比較的大きくなってから前記係止歯26が前記歯溝24に噛合うこととなり、前記パーキングポール16延いては前記ケース12へと入力される衝撃が大きなものとなるおそれがある。
For example, when the phase of the
以上のような事情から、前記パーキングロック装置50においては、ロールアウェイ量及びラチェット性能が問題となる。ロールアウェイ量とは、例えばパーキングレンジにおいて前記係止歯26が前記歯溝24に噛合わない状態から噛合う状態となるまでに、車両が移動可能である量(移動してしまう量)をいう。このロールアウェイ量が大きいと、運転者の意図しない発進が行われたという誤解や不満感を与えるおそれがある。特に、ハイブリッド車両においては、所謂Pチャージ(停車中にエンジンを始動し電動機で発電するモード)時にも車両が動くため、運転者の意図しない発進が行われたという誤解や不満感を与え易い。ラチェット性能とは、運転者の誤操作(ミスシフト等)により、車速が比較的大きい状態でパーキングレンジに切り替わってしまった場合に、前記パーキングポール16が前記パーキングギヤ14と噛み合わずにそのパーキングギヤ14外周に衝突と反発とを繰り返すことで車速をいなし、一定車速以下になったときにはじめて噛合うように作動する車両用パーキングロック装置の性能をいう。前記従来のパーキングロック装置50のように、単一の前記パーキングポール16を備えた構成においてラチェット性能を向上させるには、前記パーキングギヤ14に対する前記係止歯26の衝突時の着地点を増加させ、前記パーキングギヤ14内周に前記係止歯26が突入するのを抑制するため、前記パーキングギヤ14における前記外周歯22の歯数を少なくし、且つ1歯あたりの歯幅(周方向の幅寸法)を大きくする等の対処が必要となる。高速燃費向上のためにはハイギヤ化が必要だが、ハイギヤ化の背反としてロールアウェイ量が増加する。ロールアウェイ量を減らすには前記パーキングギヤ14における前記外周歯22の歯数を増やせばいいが、背反としてラチェット性能が悪化する。すなわち、前記パーキングロック装置50が適用された車両においては、高速燃費の向上、ロールアウェイ量の軽減、及びラチェット性能の向上の何れかを犠牲とせねばならず、その全てを実現することが困難である。これに加え、前記ケース12に関して十分な強度を保証する必要があり、前記ケース12の薄肉化には限界がある。
From the above situation, in the
一方、前述のように、本実施例のパーキングロック装置10においては、前記パーキングギヤ14における前記外周歯22間の歯溝24に嵌合させられる係止歯26が形成された複数のパーキングポール16a、16bを備え、それら複数のパーキングポール16a、16bそれぞれに形成された前記係止歯26が、前記パーキングポール16の長手方向位置に関して、前記係止歯26の幅寸法d分だけ互いにずれた位置に形成されている。前記パーキングポール16a、16bは、それぞれ独立に前記回動軸28まわりに回動可能とされており、運転者による駐車ブレーキ操作に連動した前記パーキングロッド38a、38b及びパーキングロックカム36a、36bの動作により駆動させられる。前記パーキングポール16a及び16bの何れに形成された前記係止歯26が前記外周歯22間の歯溝24に嵌合させられた場合であっても、前記パーキングギヤ14の回転を阻止できる。斯かる構成により、図3に示すように、前記パーキングポール16bにおける前記係止歯26bの歯先が前記外周歯22の歯先に当接させられ、前記歯溝24に嵌合させられない位相において、前記パーキングポール16aにおける前記係止歯26aが前記外周歯22間の歯溝24に嵌合させられる。逆に、図4に示すように、前記パーキングポール16aにおける前記係止歯26aの歯先が前記外周歯22の歯先に当接させられ、前記歯溝24に嵌合させられない位相において、前記パーキングポール16bにおける前記係止歯26bが前記外周歯22間の歯溝24に嵌合させられる。すなわち、運転者による駐車ブレーキ操作に連動して前記パーキングポール16が持ち上がって前記パーキングギヤ14と接触した際、図5及び図6を用いて前述した従来のパーキングロック装置50よりも、前記係止歯26が前記外周歯22間の歯溝24に嵌合させられる機会を増加させることができる。
On the other hand, as described above, in the
すなわち、本実施例のパーキングロック装置10が適用された車両においては、例えばその車両の坂路停車時に、運転者による駐車ブレーキ操作が行われてから前記パーキングギヤ14の回転が阻止されるまでに車両が進む量すなわちロールアウェイ量を従来技術よりも小さなものとすることができる。具体的には、図5及び図6を用いて前述したように前記パーキングロック装置10と等価なパーキングギヤ14を備えた従来のパーキングロック装置50と比較して、ロールアウェイ量を約半分に低減できる。これにより、運転者による駐車ブレーキ操作が行われた後、車速が十分に小さい間(車速が大きくなる前)に前記パーキングギヤ14の回転を阻止して前記出力軸20の回転延いては車両の落下を停止させることができる。従って、前記係止歯26が前記歯溝24に噛合う際の衝撃(荷重)を軽減できることに加え、運転者の意図しない発進が行われたという誤解や不満感を低減できる。更に、ハイギヤ化し且つ前記パーキングギヤ14における前記外周歯22の歯数を少なくしても、ロールアウェイ量を従来技術の半分に抑制できるため、高速燃費及びラチェット性能の向上を図ることができる。前記係止歯26が前記歯溝24に噛合う際の衝撃を低減できるため、保証すべき強度条件が下がり、前記ケース12の薄肉化を実現できる。すなわち、本実施例のパーキングロック装置10が適用された車両においては、高速燃費の向上、ロールアウェイ量の軽減、及びラチェット性能の向上の何れも犠牲とすることなく、その全てを実現することが可能となる。
That is, in the vehicle to which the
このように、本実施例によれば、外周部に複数の外周歯22が形成されたパーキングギヤ14と、前記パーキングギヤ14における前記外周歯22間の歯溝24に嵌合させられる係止歯26が形成された複数のパーキングポール16a、16bとを、備え、前記複数のパーキングポール16a、16bが回動軸28の軸方向に並んで設置されたパーキングロック装置10において、前記複数のパーキングポール16a、16bそれぞれに形成された前記係止歯26a、26bは、前記パーキングポール16a、16bの長手方向位置に関して、前記係止歯26の幅寸法d分だけ互いにずれた位置に形成されたものであることから、運転者による駐車ブレーキ操作に連動して前記パーキングポール16が持ち上がって前記パーキングギヤ14と接触した際に、前記パーキングポール16の係止歯26が前記パーキングギヤ14の歯溝24に係合させられる機会が増えるため、前記パーキングギヤ14と前記パーキングポール16との係合を速やかに実現できる。すなわち、運転者による駐車ブレーキ操作から駐車ブレーキ完了までの時間差の発生を抑制するパーキングロック装置10を提供することができる。
Thus, according to the present embodiment, the
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。 The preferred embodiments of the present invention have been described in detail with reference to the drawings. However, the present invention is not limited to these embodiments, and various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention. To be implemented.
10:車両用パーキングロック装置、14:パーキングギヤ、16:パーキングポール、22:外周歯、24:歯溝、26:係止歯、28:回動軸 DESCRIPTION OF SYMBOLS 10: Parking lock apparatus for vehicles, 14: Parking gear, 16: Parking pole, 22: Peripheral tooth, 24: Tooth groove, 26: Locking tooth, 28: Turning axis
Claims (1)
前記複数のパーキングポールそれぞれに形成された前記係止歯は、前記パーキングポールの長手方向位置に関して、前記係止歯の幅寸法分だけ互いにずれた位置に形成されたものである
ことを特徴とする車両用パーキングロック装置。 A parking gear having a plurality of outer peripheral teeth formed on an outer peripheral portion; and a plurality of parking poles having locking teeth that are fitted in tooth spaces between the outer peripheral teeth of the parking gear. A parking lock device for a vehicle in which parking poles are installed side by side in the axial direction of the rotating shaft,
The locking teeth formed on each of the plurality of parking poles are formed at positions shifted from each other by a width dimension of the locking teeth with respect to the longitudinal position of the parking pole. Parking lock device for vehicles.
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107618486A (en) * | 2017-08-21 | 2018-01-23 | 浙江工贸职业技术学院 | A kind of parking device of electric automobile |
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CN109703535A (en) * | 2018-12-04 | 2019-05-03 | 李泽朋 | A kind of last vehicle of train complemental brake system |
JP7484945B2 (en) | 2022-01-24 | 2024-05-16 | いすゞ自動車株式会社 | Parking brake device and vehicle |
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2014
- 2014-08-28 JP JP2014174631A patent/JP2016049809A/en active Pending
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