JP2016049648A - 液体供給ユニット装着機構および液体供給ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】液体供給ユニットの装着安定性を向上する技術を提供する。【解決手段】ホルダー部200は、印刷装置10のキャリッジ27に第1と第2のカートリッジ100a,100bを着脱可能に装着するための装着機構である。ホルダー部200は、レバー部230を備える。レバー部230は、回動することによって第1と第2のカートリッジ100a,100bを係止する。レバー部230は、第1と第2の脚部231a,231bと、第1と第2の脚部231a,231bを架橋する架橋部232を有する。架橋部232は、各インクカートリッジ100a,100bの主係合部120に係合する。レバー部230の第1の脚部231aまたは第2の脚部231bは、回動移動の支点部から離れた位置に配置された付勢部材245によって付勢されている。【選択図】図3

Description

本発明は、液体供給ユニットが装着される装着機構に関する。
液体供給ユニットとしては、例えば、いわゆるインクジェットプリンターにインクを供給するためのインクカートリッジが知られている。インクジェットプリンター(以下、単に「プリンター」とも呼ぶ。)は、液体噴射装置の一態様であり、インク滴を印刷面に吐出して画像を形成する印刷装置である。インクカートリッジは、通常、装着機構を介してプリンターが備えるキャリッジに着脱可能に装着される。特許文献1の技術では、インクカートリッジは回動動作するレバーを備えるホルダーを介してキャリッジに装着される。
特開2013−141804号公報
プリンターにおいては、インクカートリッジの装着安定性の向上が望まれている。
本発明は、プリンターに限らず、少なくとも液体供給ユニットが装着される液体噴射装置における上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[1]本発明の第1の形態としては、液体供給ユニット装着機構が提供される。前記液体供給ユニット装着機構は、液体を供給可能な液体供給口を有する液体供給ユニットを装着可能であり、液体導入部と、回動機構と、付勢部材と、を備えて良い。前記液体導入部は、前記液体供給ユニットの前記液体供給口から前記液体を導入可能であって良い。前記回動機構は、前記液体供給ユニットと係合して良い。前記付勢部材は、前記回動機構を回動方向に付勢して良い。前記前記回動機構は、第1の脚部と、前記第1の脚部と離間されて形成される第2の脚部と、前記第1の脚部と前記第2の脚部とを架橋する架橋部と、を含んで良い。前記架橋部は、前記液体供給ユニットに当接可能であって良い。前記第1の脚部と前記第2の脚部とは、前記架橋部を前記液体導入部から離れる方向に回動移動可能にする支点部を有して良い。前記付勢部材は、前記支点部から離れた位置に配置されて良い。この形態の液体供給ユニット装着機構によれば、液体供給ユニットと係合する回動機構が付勢部材によって支点部から離れた位置において付勢されているため、装着後の液体供給ユニットの安定性が高められる。
[2]上記形態の液体供給ユニット装着機構は、さらに、前記液体供給ユニットに対して電気的接触可能なコネクターユニットと、前記コネクターユニットに電気的に接触可能な配線基体と、を備えて良い。前記コネクターユニットは、前記第1の脚部と前記第2の脚部との間に位置し、前記付勢部材は、前記第1の脚部と、前記配線基体との間に位置し、前記第1の脚部のうちの前記支点部と前記架橋部との間において前記回動機構を付勢して良い。この形態の液体供給ユニット装着機構によれば、回動機構と付勢部材と配線基体とを集約して配置することができ、液体供給ユニット装着機構の小型化が可能である。
[3]上記形態の液体供給ユニット装着機構において、前記架橋部から前記第1の脚部における前記支点部までの距離は、前記架橋部から前記コネクターユニットまでの距離より長く、前記支点部から前記付勢部材までの距離は、前記支点部から前記コネクターユニットまでの距離よりも長くて良い。この形態の液体供給ユニット装着機構によれば、回動機構における架橋部と支点部との間の距離が長くなるように構成されるため、回動機構による液体供給ユニットの固定性が高められる。また、支点部から付勢部材までの距離が長くなるように構成されるため、回動機構に対する付勢力が高められる。
[4]上記形態の液体供給ユニット装着機構において、前記配線基体は、前記コネクターユニットに電気的に接触可能な電極部と、前記液体供給ユニットに送信される電気的信号を伝送可能な配線ケーブルに接続可能なケーブル接続部と、前記付勢部材が配置されている付勢部材配置部と、を有して良い。前記電極部は、前記ケーブル接続部と、前記付勢部材配置部との間に位置して良い。この形態の液体供給ユニットによれば、付勢部材とケーブル接続部とが電極を挟んで離間して配置されるため、付勢部材が回動機構から受ける力に起因してケーブル接続部に不具合が生じることが抑制される。
[5]上記形態の液体供給ユニット装着機構において、前記付勢部材配置部は、前記配線基体に前記付勢部材を接着する基体接着層と、前記基体接着層の下に形成されている絶縁層と、を有して良い。この形態の液体供給ユニットによれば、絶縁層によって配線基体における短絡の発生が抑制される。
[6]上記形態の液体供給ユニット装着機構において、前記絶縁層は、絶縁性高分子材料によって構成されて良い。この形態の液体供給ユニット装着機構によれば、絶縁層における絶縁性を確保することができる。
[7]上記形態の液体供給ユニット装着機構は、前記付勢部材と前記第1の脚部とを接着する脚部接着層を有して良い。この形態の液体供給ユニット装着機構によれば、接着層が配線基体から離間した位置に形成されるため、接着層に起因する配線基体における短絡の発生が抑制される。
[8]上記形態の液体供給ユニット装着機構において、前記付勢部材は繊維部材または発泡性部材を含んで良い。この形態の液体供給ユニット装着機構によれば、回動機構に対して付勢部材によって付勢力を付与できる一方で、付勢部材との接触によって回動機構が損傷してしまうことを抑制できる。
[9]上記形態の液体供給ユニット装着機構において、前記付勢部材は、JIS K6401に準じた測定方法による圧縮残留歪みの測定値が7%を超えないポリウレタンフォームを含んで良い。この形態の液体供給ユニット装着機構によれば、付勢部材の経年劣化による付勢力の低下が抑制される。
[10]上記形態の液体供給ユニット装着機構において、前記付勢部材はシリコンフォームを含んで良い。この形態の液体供給ユニット装着機構によれば、回動機構に対して適切な付勢力を付与することができる。
[11]本発明の第2の形態としては、上記形態の液体供給ユニット装着機構に装着可能な液体供給ユニットが提供される。前記液体供給ユニット装着機構に装着されるときに、前記回動機構に接触することによって、前記架橋部を前記液体導入部から離れる方向に回動移動させることができる接触部を備えて良い。この形態の液体供給ユニットによれば、回動機構を回動移動させる操作を簡略化できるため、上記形態の液体供給ユニット装着機構に対する装着操作が簡易化される。
[12]本発明の第3の形態としては、液体を供給可能な液体供給口を有する第1の液体供給ユニットおよび第2の液体供給ユニットをそれぞれ装着可能な液体供給ユニット装着機構が提供される。前記液体供給ユニット装着機構は、第1の回動機構と、第2の回動機構と、第1のコネクターユニットと、第2のコネクターユニットと、配線基体と、付勢部材と、を備えて良い。前記第1の回動機構は、前記第1の液体供給ユニットに係合可能であって良い。前記第2の回動機構は、前記第2の液体供給ユニットに係合可能であって良い。前記第1のコネクターユニットは、前記第1の液体供給ユニットに電気的に接続可能であって良い。前記第2のコネクターユニットは、前記第2の液体供給ユニットに電気的に接続可能であって良い。前記配線基体は、前記第1のコネクターユニットと前記第2のコネクターユニットとに電気的に接続可能であって良い。前記付勢部材は、前記第1の回動機構と前記第2の回動機構とを回動方向に付勢可能であって良い。前記付勢部材は、前記配線基体と、前記第1の回動機構および前記第2の回動機構と、の間に位置して良い。この形態の液体ユニット装着機構によれば、第1と第2の回動機構が共通の付勢機構によって付勢されるため、装着後の第1と第2の液体供給ユニットの固定性が効率的に高められる。
本発明は、液体供給ユニット装着機構や液体供給ユニット以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、液体供給ユニット装着機構を備えるキャリッジユニットなどの装置や、その装置を備えるシステム、液体供給ユニットの装着方法等の形態で実現することができる。
印刷装置の外観構成を示す概略斜視図。 印刷装置の筐体内に収容されている本体部の外観構成を示す概略斜視図。 第1と第2のカートリッジが装着されているホルダー部を示す概略斜視図。 ホルダー部の正面側上方斜視図。 ホルダー部の背面側上方斜視図。 ホルダー部の下方斜視図。 ホルダー部の分解斜視図。 ホルダー部において一体的にまとめられて取り付けられている状態のレバー部とコネクターユニットと配線基板とを示す概略斜視図。 2つのレバー部の構成を示す概略上方斜視図。 レバー部の側面図。 コネクターユニットの後方側の面を示す概略斜視図。 コネクターユニットの前方側の面を示す概略斜視図。 コネクターユニットの概略断面図。 配線基板の上側端面とコネクターユニットと対向する側の面とを対応させて示す概略図。 配線基板における配線の接続構成を説明するための概略図。 第1のレバー部が付勢部材によって付勢されている状態を示す概略断面図。 第2のレバー部が付勢部材によって付勢されている状態を示す概略断面図。 第1のカートリッジの上方斜視図。 第1のカートリッジの下方斜視図。 第1のカートリッジの側面図。 第1のカートリッジの正面図。 第1のカートリッジの概略断面図。 回路基板における複数の端子の配列構成を示す概略図。 第2のカートリッジの上方斜視図。 第2のカートリッジの下方斜視図。 第2のカートリッジの側面図。 第2のカートリッジの正面図。 ホルダー部に対する第1のカートリッジの装着過程を時系列で示す概略図。 ホルダー部に対する第1のカートリッジの装着過程を時系列で示す概略図。 付勢部材の挙動によってホルダー部からのカートリッジの脱落が抑制されるメカニズムを説明するための模式図。 第1と第2のレバーに対して付与される付勢力の差を説明するための概略図。 レバー部の係合性とコネクターユニットの電気的接続性とを説明するための模式図。 レバー部による空間利用効率の向上を説明するための模式図。 第2実施形態のホルダー部の構成を示す概略断面図。 第3実施形態のホルダー部の構成を示す概略図。 第3実施形態のホルダー部の構成を示す概略断面図。 第3実施形態のホルダー部の構成を示す概略断面図。 第3実施形態の配線基板の構成を示す概略図。 第4実施形態のホルダー部が備える装着機構を説明するための概略斜視図。 第5実施形態のホルダー部が備えるレバー部の構成を示す概略図。 第6実施形態のレバー部の構成を示す概略図。 第6実施形態のレバー部の構成を示す概略図。 第6実施形態のレバー部が備える第1突出部と第2突出部と係止壁部の機能を説明するための概略図。 第7実施形態のホルダー部が備えるレバー部の構成を示す概略斜視図。 第8実施形態のホルダー部が備えるレバー部の構成を示す概略斜視図。 第9実施形態としてのホルダー部の構成を示す概略図。 第10実施形態としてのカートリッジの構成を示す概略図。 第11実施形態としての液体供給ユニットの構成を示す概略図。
A.第1実施形態:
[印刷装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態としてのインクカートリッジ(以下、単に「カートリッジ」と呼ぶ。)の装着機構を有する印刷装置10の外観構成を示す概略斜視図である。図1には互いに直交する三方向を示す矢印X,Y,Zが図示されている。矢印Xは、印刷装置10の横方向(幅方向)に平行な左右方向を示しており、印刷装置10に正対したときに左側から右側に向かう方向を示している。矢印Yは、印刷装置10の前後方向に平行な方向を示しており、後方(背面側)から前方(正面側)に向かう方向を示している。矢印Zは、印刷装置10の高さ方向を示しており、印刷装置10が載置される載置面に対して垂直上方を示している。なお、本明細書の説明に用いられる他の各図においても、矢印X,Y,Zが、適宜、図1と対応するように図示されている。また、本明細書において、「上」あるいは「下」と呼ぶときは、印刷装置10の矢印Zの方向を基準とする方向を意味している。同様に、「前」あるいは「後」と呼ぶときは、印刷装置10の矢印Yの方向を基準とする方向を意味しており、「左」あるいは「右」と呼ぶときは、矢印Xの方向を基準とする方向を意味している。
印刷装置10は、液体噴射装置の一態様であるインクジェットプリンターである。印刷装置10は、外部から供給される印刷データに応じて印刷用紙にインク滴を吐出することによって画像を形成する。印刷装置10は、筐体11と、給紙口12と、上面カバー13と、排紙口14と、操作部16と、を備える。筐体11は印刷装置10の印刷機構を備える本体部(後述)を収容する外装部材である。給紙口12は筐体11の後方において上方に向かって開口するように設けられた開口部である。印刷媒体である印刷用紙は、給紙口12を介して筐体11の内部の本体部に供給される。
上面カバー13は給紙口12近傍において筐体11に回動可能に取り付けられた板状部材である。上面カバー13は開いた状態(図示されている状態)のときには、給紙口12に印刷用紙を送り込むときのガイド板として機能し、閉じた状態のときには筐体11の上面中央を被覆して保護する蓋部として機能する。排紙口14は筐体11の前面に設けられた開口部である。給紙口12を介して筐体11内部に送り込まれた印刷用紙は排紙口14を介して外部に排出される。操作部16は、ユーザーの操作を受け付けるボタンや、ユーザーに対して情報を表示する表示部を備える。操作部16は、筐体11の上面に設けられており、ユーザーは上面カバー13が開いた状態のときに操作部16にアクセスすることができる。
図2は印刷装置10の筐体11内から取り出された本体部20の外観構成を示す概略斜視図である。図2にはキャリッジ27の移動軌跡が破線によって模式的に図示されている。本体部20は、制御部21と、搬送部22と、印刷部23と、を備える。制御部21は中央処理装置と主記憶装置とを備えるマイクロコンピューターによって構成されている。制御部21は、操作部16を介したユーザーの操作や外部のコンピューターからの指令に応じて印刷装置10の各構成部を制御して印刷処理を実行する。搬送部22は、給紙口12(図1)から導入された印刷用紙を、搬送ローラー25の回動駆動によって、本体部20の内部において矢印Yの方向に延びている搬送路(図示は省略)を介して排紙口14まで搬送する。
印刷部23は、印刷用紙の搬送路上に配置されており、搬送部22によって搬送されている印刷用紙に対する印刷を実行する。印刷部23は、キャリッジ27と、ガイドレール28と、を備える。本実施形態の印刷装置10は、いわゆるオンキャリッジタイプであり、キャリッジ27は、2つのカートリッジ100a,100bが着脱可能に装着されるホルダー部200を備える。ホルダー部200の下面にはインク滴を吐出する印刷ヘッド(図示は省略)が設けられている。キャリッジ27は、制御部21の制御下において、主走査方向(矢印Xに平行な方向)に架設されているガイドレール28に沿って往復移動しつつ、搬送部22によって副走査方向(矢印Yの方向)に搬送されていく印刷用紙の紙面に向かってインク滴を吐出する。
図3は、第1と第2のカートリッジ100a,100bが装着されている状態のホルダー部200を示す概略斜視図である。ホルダー部200は、液体供給ユニット装着機構に相当し、上方が開口している略直方体形状の箱体として構成されている。第1と第2のカートリッジ100a,100bはそれぞれが独立にホルダー部200に対して着脱可能に装着される。ホルダー部200に装着されている状態において第1と第2のカートリッジ100a,100bの側面および底面はホルダー部200の壁部に囲まれており、上面全体は上方に露出している。
第1と第2のカートリッジ100a,100bは本発明の一実施形態である液体供給ユニットに相当し、印刷装置10に供給するためのインクを収容している。第1のカートリッジ100aは1種類の色インクを収容し、第2のカートリッジ100bは種類が異なる複数の色インクを収容する。本実施形態では、第1のカートリッジ100aにはブラックの色インクが収容されており、第2のカートリッジ100bにはシアンとマゼンタとイエローの色インクが収容されている。
第1と第2のカートリッジ100a,100bはそれぞれ略直方体形状を有している。第1とカートリッジ100aの長さ(矢印Yの方向の長さ)と高さ(矢印Zの方向の長さ)は第2のカートリッジ100bとほぼ同じである。第1と第2のカートリッジ100a,100bは、長さと高さとがほぼ揃った状態でホルダー部200に並列に収容される。以下の説明では、第1と第2のカートリッジ100a,100bを特に区別する必要がない場合には、「カートリッジ100」と総称する。
ホルダー部200には配線ケーブル30が接続されている。印刷装置10は、配線ケーブル30を介してホルダー部200に装着されているカートリッジ100に電気的信号を伝送する。本実施形態では、配線ケーブル30はフレキシブルフラットケーブル(Flexible Flat Cable;FFC)によって構成されている。配線ケーブル30はホルダー部200に設けられている配線基板のケーブル接続部(後述)に接続されている。
以下では、ホルダー部200の構成の詳細と、第1と第2のカートリッジ100a,100bの構成の詳細と、を順に説明し、ホルダー部200に対する第1と第2のカートリッジ100a,100bの装着・固定の機構を説明する。なお、ホルダー部200の構成を示す図面に示されている矢印X,Y,Zの方向は、印刷装置10における方向と対応している。また、カートリッジ100を示す図面に示されている矢印X,Y,Zの方向は、上述の印刷装置10に装着された状態での方向を示している。
[ホルダー部の構成]
(i)ホルダー部全体の構成
図4〜図7を参照してホルダー部200の概略構成を説明する。図4はホルダー部200を正面側の上方からみたときの上方斜視図である。図5はホルダー部200を背面側からみたときの上方斜視図である。図6はホルダー部200の下方斜視図である。図7はホルダー部200の分解斜視図である。ホルダー部200は、上述したように、上方が開口している略直方体形状の箱体として構成されている。ホルダー部200は、カートリッジ100が収容されるカートリッジ収容室210と、カートリッジ収容室210を囲む5つの壁部201〜205と、を有している(図4,図5)。
底面壁部201は、カートリッジ100が載置されるカートリッジ収容室210の底面を構成している。正面壁部202および背面壁部203はそれぞれ、底面壁部201の正面側の端部および背面側の端部からほぼ垂直上方に延びており、カートリッジ収容室210の正面および背面を構成している。第1側面壁部204および第2側面壁部205はそれぞれ、底面壁部201の左側端部および右側端部からほぼ垂直上方に延びており、カートリッジ収容室210の左側面および右側面を構成している。
本実施形態では、正面壁部202と背面壁部203と第1側面壁部204と第2側面壁部205とは一体成形によって形成された略四角筒形状を有する外周壁部材206の各側壁によって構成されている(図7)。また、底面壁部201は、外周壁部材206とは別体として形成され、外周壁部材206の底面側開口部に配置されるプレート部材207によって構成されている。
外周壁部材206の正面壁部202には、2つのレバー部230a,230bと、2つのコネクターユニット250a,250bと、配線基板280が、カバー部材300によって一体的にまとめられて取り付けられる。レバー部230a,230bと、コネクターユニット250a,250bと、配線基板280の構成については後述する。なお、以下では、2つのレバー部230a,230bを特に区別する必要が無い場合には、便宜上、「レバー部230」と総称する。また、2つのコネクターユニット250a,250bについても同様に「コネクターユニット250」と総称する。
底面壁部201の下面には、上述した印刷ヘッド190が取り付けられている(図6)。印刷ヘッド190は、インク流路と、インクを吐出するノズルと、インク吐出の駆動力を発生させる機構(例えばピエゾ方式の場合にはピエゾ素子、サーマル方式の場合にはヒーターなど)と、を有している。底面壁部201の上面には、インク受入部211〜214が設けられている(図4,図5)。インク受入部211〜214は、液体導入部に相当し、各カートリッジ100a,100bのインク供給口(後述)が接続され、それぞれからインクが導入される。各インク受入部211〜214の外周には、シール部215が設けられている。シール部215は、インクの経路に対する外気の侵入を抑制するとともに、インクの外部への漏洩を抑制する。
底面壁部201には、載置されている各カートリッジ100a,100bを上方に付勢するための付勢機構217が設けられている。本実施形態では、付勢機構217は、弦巻バネによって構成されている。付勢機構217は、レバー部230に隣り合う位置に配置されている。付勢機構217による付勢によって、レバー部230とカートリッジ100の主係合部(後述)との間の係合力が高められる。また、ホルダー部200からのカートリッジ100の取り外しの際にカートリッジ100が上方に付勢されるため、その取り外し操作の操作性が高められる。
底面壁部201には、第1側面壁部204および第2側面壁部205に対して平行であり、底面壁部201からの高さが低い第1副壁部221および第2副壁部224が設けられている。第1副壁部221は、第1側面壁部204と第2側面壁部205とに隣り合う位置と、第1と第2のカートリッジ100a,100bのそれぞれが配置される領域の境界位置と、に設けられている。第2副壁部224は、第2のカートリッジ100bが配置される領域において、第2と第3のインク室(後述)の境界位置に設けられている。第1副壁部221は、カートリッジ100の位置決め部として機能する。また、第1副壁部221と第2副壁部224とは、カートリッジ100がインク受入部211〜214に衝突してしまうことを防止する衝突防止部として機能する。
第1副壁部221には、後方側の端部に後方に向かって高さが次第に低くなる傾斜部225が形成されている。また、第1副壁部221には、カートリッジ収容室210の矢印Yの方向における中程に凹部226が切れ間として形成されている。傾斜部225や凹部226はそれぞれ、第1と第2のカートリッジ100a,100bがホルダー部200に装着されるときに、第1と第2のカートリッジ100a,100bの移動をガイドするガイド部として機能する(詳細は後述)。
第2副壁部224には、後方側の端部に、第1副壁部221と同様な傾斜部225が形成されている。第2副壁部224の傾斜部225も第2のカートリッジ100bがホルダー部200に装着されるときに、第2のカートリッジ100bの移動をガイドするガイド部として機能する。第2副壁部224は、第2のカートリッジ100bの下側の壁部に設けられている溝部(後述)に係合することによって、第2のカートリッジ100bを固定する。底面壁部201の下面(図6)にはホルダー部200をキャリッジ27に固定するための固定部が設けられているが、その詳細については省略する。
底面壁部201には、背面壁部203に隣接する位置に背面壁部203に対して平行に延びる第3副壁部228が設けられている(図4,図7)。第3副壁部228の下端には、複数の嵌合穴227が矢印X方向に配列されている。第1と第2のカートリッジ100a,100bが装着される際には、嵌合穴227に各カートリッジ100a,100bの背面側壁部の下端に設けられている複数の突起部(後述)が挿通される。
(ii)レバー部/コネクターユニット/配線基板の概略構成
図8を参照して、レバー部230とコネクターユニット250と配線基板280について、ホルダー部200における配置位置と機能の概略を説明する。また、その後に、図8とともに図9〜図17を順次参照してレバー部230とコネクターユニット250と配線基板280のそれぞれの詳細な構成を説明する。図8は、ホルダー部200において一体的にまとめられて取り付けられている状態のレバー部230とコネクターユニット250と配線基板280とを示す概略斜視図である。2つのレバー部230a,230bはそれぞれ同じ構成を有しており、矢印Xの方向に一列に配設されている。各レバー部230a,230bは下方に向かって開いている矩形枠形状を有している。
レバー部230は、回動機構に相当し、回動軸RXを支点として矢印Yの方向に回動移動可能である。各レバー部230は、対応するカートリッジ100a,100bの主係合部(後述)に係合して係止する係合部としての機能を有する(詳細は後述)。第1のレバー部230aは第1のカートリッジ100aに対応し、第2のレバー部230bは第2のカートリッジ100bに対応している。なお、本明細書において「係合する」とは、対象物の移動方向が制限されるように所定の部位に係り合うことを意味する。また、「係止する」とは、対象物を係合した状態で止めることを意味する。
2つのコネクターユニット250a,250bは同じ構成を有しており、それぞれが略平板状の形状を有している。第1のコネクターユニット250aは第1のレバー部230aの矩形枠内に配設され、第2のコネクターユニット250bは第2のレバー部230bの矩形枠内に配設されている。コネクターユニット250は、矢印Zの方向に対して所定の傾斜角を有する状態で、レバー部230とカートリッジ100とが係合し合う位置よりも下方に配置されており、対応するカートリッジ100a,100bの回路基板(後述)と電気的に接触する。
配線基板280は、略長方形形状を有しており、その長辺方向が矢印Xの方向と一致するように配置されている。配線基板280は、各レバー部230および各コネクターユニット250の矢印Yの方向側に配置されており、カバー部材300と、各レバー部230および各コネクターユニット250と、に挟まれている。本実施形態では、配線基板280はコネクターユニット250とほぼ平行な角度で配置されて、コネクターユニット250と対向している。配線基板280は、コネクターユニット250と配線ケーブル30(図3)との電気的接続を仲介する。
(iii)レバー部の構成の詳細
図9は、第1と第2のレバー部230a,230bの構成を示す概略上方斜視図である。図10は、レバー部230の概略側面図である。図10にはホルダー部200におけるコネクターユニット250の配置領域が破線で図示されている。また、図10にはレバー部230の重心位置WPが図示されている。
レバー部230は、矢印Zの方向に延伸している第1と第2の脚部231a,231bと、第1と第2の脚部231a,231bの上端に架橋されている架橋部232と、を有する(図9)。第1と第2の脚部231a,231bは矢印Xの逆方向に配列されている。各脚部231a,231bの本体部は、略平板状に構成されており、矢印Y,Zの方向によって規定される平面と平行に配置されている。
各脚部231a,231bの矢印Yの方向における幅は上方に向かって拡大している。これによって、各脚部231a,231bには、架橋部232に近い上方の部位に延出部234が形成されている(図10)。延出部234は、各脚部231a,231bにおいてカートリッジ収容室210(図5)に近づくように延出するとともにカートリッジ100の装着方向である上方(矢印Zの方向)に延出している部位である。
延出部234の外周端部は、ホルダー部200にカートリッジ100が装着されていない初期状態においては、コネクターユニット250の上段端子部253(後述)よりもカートリッジ収容室210に近い位置にある(図10)。延出部234によって、ユーザーの指先や、カートリッジ100の端子以外の部位が上段端子部253に接触してしまうことが抑制され、上段端子部253が保護される。
各脚部231a,231bの下端には矢印Xの方向においてそれぞれ外側に向かって突起する凸部235が設けられている(図9)。レバー部230は、各凸部235が正面壁部202に設けられている嵌合穴(図示は省略)に嵌合することによって、各凸部235の中心軸を回動軸RXとして前後方向に回動移動可能なように取り付けられる。つまり、レバー部230の各凸部235は回動移動の支点部として機能する。
第1と第2の脚部231a,231bには、架橋部232と各凸部235の間の位置に、矢印Xの方向においてそれぞれ外側に向かって突起する第1と第2の突起部240a,240bが設けられている。第1のレバー部230aの第1の突起部240aと、第2のレバー部230bの第2の突起部240bと、はそれぞれ第1と第2のレバー部230a,230bの間に位置しており、配線基板280の付勢部材に接触して付勢力が付与される(詳細は後述)。以下では、第1のレバー部230aの第1の突起部240aと第2のレバー部230bの第2の突起部240bを「付勢用突起部241」とも呼ぶ。
一方、残りの第1のレバー部230aの第2の突起部240bと第2のレバー部230bの第1の突起部240aとはそれぞれ、第1と第2のレバー部230a,230bを初期位置において係止するための係止部として機能する(詳細は後述)。以下では、第1のレバー部230aの第2の突起部240bと第2のレバー部230bの第1の突起部240aを「係止用突起部242」とも呼ぶ。
本実施形態では、付勢用突起部241はレバー部230の重心位置WPよりも高い位置(架橋部232に近い位置)に設けられている(図10)。また、本実施形態では、第1のレバー部230aの付勢用突起部241の高さ方向における幅は、第2のレバー部230bの付勢用突起部241よりも大きい(図9)。これらの理由については後述する。
レバー部230の架橋部232は、平板部236と、操作部238と、を有する(図8,図9)。平板部236は、カートリッジ収容室210(図5)側に位置しており、矢印Yの方向に延出している平板状の部位である。カートリッジ100がホルダー部200に装着されたときには、平板部236の下面は、カートリッジ100の主係合部(後述)と当接して、カートリッジ100の上方への移動を制限する。平板部236は当接部に相当する。平板部236の後方側の端面237は、カートリッジ100の装着時に、カートリッジ100に押圧されてレバー部230の回動移動の駆動力となる外力を受ける(詳細は後述)。
操作部238は、平板部236より前方(矢印Yの方向)側に位置しており、平板部236から上方に向かって曲折している部位である。ユーザーは、操作部238に指先を掛けて引くことによってレバー部230を前方に向かって回動移動させることができる。本実施形態では、操作部238は、第1と第2の脚部231a,231bの間の全体にわたって形成されており、ユーザーのアクセスが容易化されている。
レバー部230の第1と第2の脚部231a,231bの間にはコネクターユニット250が配置されている(図8)。コネクターユニット250は板状の形状を有しており、第1と第2のカートリッジ100a,100bの回路基板(後述)と対応する傾斜角を有する状態で、レバー部230とは独立して、ホルダー部200の正面壁部202に固定されている。
(iv)コネクターユニットの構成
図11はコネクターユニット250の後方側の面を示す概略斜視図である。図12はコネクターユニット250の前方側の面を示す概略斜視図である。図13は、図11に示すA−A切断におけるコネクターユニット250の概略断面図である。コネクターユニット250は、後方側(カートリッジ収容室210側)の面251と、前方側の面252と、を有している。以下では、後方側の面251を「ユニット表面251」と呼び、前方側の面252を「ユニット裏面252」と呼ぶ。
ユニット表面251(図11)には、上段端子部253と下段端子部254が設けられている。上段端子部253は、矢印Xの方向に配列された複数の端子261〜264を有している。下段端子部254は、上段端子部253より下方に位置しており、矢印Xの方向に配列された複数の端子265〜269を有している。ユニット表面251の各端子261〜269は、カートリッジ100がホルダー部200に装着されたときに、カートリッジ100が有する回路基板(後述)の対応する各端子と直接的に接触する。
第1と第2の端子261,262はそれぞれ、上段端子部253において矢印Xの方向の両端に配置されている。第3と第4の端子263,264は第1と第2の端子261,262の間において矢印Xの方向に順に配置されている。第5と第6の端子265,266はそれぞれ下段端子部254において矢印Xの方向の両端に配置されている。第7と第8と第9の端子267,268,269は、第5と第6の端子265,266の間において、矢印Xの方向に順に配置されている。
本実施形態では各端子261〜269はユニット表面251から突出している略三角形状の金属板によって構成されている。各端子261〜269は、その厚み方向が矢印Xの方向と一致するように並列に配列されている。各端子261〜269は、その頂点においてカートリッジ100側の各端子(後述)に接触する。これによって、各端子261〜269がカートリッジ100側の各端子に付与する押圧力が高められ、電気的接続性が向上する。
第1と第2の端子261,262は印刷装置10がカートリッジ100のホルダー部200に対する装着を検出するために用いられる(詳細は後述)。第1と第2の端子261,262は隣り合う端子の数が少ない矢印Xの方向における両端に配置されているため、他の端子との短絡の発生が抑制されている。また、第1と第2の端子261,262は、レバー部230の第1と第2の脚部231a,231bが有する延出部234によって保護されており、カートリッジ100側の端子との接触不良の発生が抑制されている。加えて、第1と第2の端子261,262は矢印Xの方向に離間しているため、カートリッジ100の回路基板(後述)が矢印Xの方向に対して傾いた状態で装着されている状態が正しい装着状態として検出されてしまうことが抑制される。このように、本実施形態のホルダー部200では、カートリッジ100の装着状態の検出精度が高められている。
第3の端子263は、接地電極であり、カートリッジ100の記憶装置(後述)に低電位を供給可能な低電位端子に相当する。第4の端子264は、電源端子であり、カートリッジ100の記憶装置に高電位を供給可能な高電位端子に相当する。第5と第6の端子265,266は、第1と第2の端子261,262と同様に、印刷装置10がホルダー部200に対するカートリッジ100の装着を検出するために用いられる。なお、カートリッジ100がインク残量を検出するセンサーを備える場合には、第5と第6の端子265,266は当該センサーに電力を供給するためのセンサー駆動用端子として機能させることも可能である。
第7の端子267は、カートリッジ100の記憶装置にリセット信号を供給するためのリセット端子である。第8の端子268は、カートリッジ100の記憶装置に印刷装置10からクロック信号を供給するためのクロック端子である。第9の端子269は、カートリッジ100の記憶装置との間でデータ信号のやりとりを行うためのデータ端子である。印刷装置10は、第8の端子268を介して供給するクロック信号に基づいて、第9の端子259を介してシリアル転送によって、カートリッジ100の記憶装置との間でデータをやりとりする。
ユニット裏面252(図12)には、ユニット表面251と同様に、上段端子部255と下段端子部256が設けられている。上段端子部255は、矢印Xの方向に配列された複数の端子271〜274を有している。下段端子部256は、上段端子部255より下方に位置しており、矢印Xの方向に配列された複数の端子275〜279を有している。ユニット裏面252の各端子271〜279は、ユニット表面251の各端子261〜269と同様な三角形状の金属板によって構成されている。ユニット裏面252の各端子271〜279は印刷装置10が備える回路部(制御部21を含む)に電気的に接続される。
第1と第2の端子271,272はそれぞれ、上段端子部255において矢印Xの方向の両端に配置されており、ユニット表面251の第1と第2の端子261,262と電気的に接続されている。第3と第4の端子273,274は第1と第2の端子261,262の間において矢印Xの方向に順に配置されている。第5と第6の端子275,276はそれぞれ下段端子部256において矢印Xの方向の両端に配置されている。第7と第8と第9の端子277,278,279は、第5と第6の端子265,266の間において、矢印Xの方向に順に配置されている。
ユニット表面251の各端子261〜269(図11)とユニット裏面252の各端子271〜279(図12)とは、面上の対応する配置位置にあるもの同士が導電部258(図13)を介して接続されている。導電部258は板状の金属部材によって構成されている。導電部258は、2つの延伸部位258a,258bと、折返部位258tと、を有している。2つの延伸部位258a,258bはそれぞれ、ユニット表面251とユニット裏面252のそれぞれにおいて、各端子261〜269,271〜279から下端に向かって延伸している部位である。折返部位258tは、コネクターユニット250の下端において各延伸部位258a,258bが折り返して連結している部位である。
導電部258は、下端の折返部位258tにおいてコネクターユニット250に保持されており、ユニット表面251およびユニット裏面252のそれぞれにおける延伸部位258a,258bの下方には空間SPが形成されている。導電部258は、この構成によって、コネクターユニット250の厚み方向に弾性力を有する板バネとして機能し、各端子261〜269,271〜279は、導電部258によってそれぞれの突出方向(コネクターユニット250の厚み方向)に沿って付勢されている。この付勢によって、コネクターユニット250の各端子261〜269,271〜279は対応する端子に対する接触性が高められており、電気的接続性が高められている。
ここで、導電部258がコネクターユニット250の下端において折り返していることによって、導電部258の付勢力を確保しつつ各端子261〜269,271〜279をコネクターユニット250の比較的上側の位置に配置することが可能になっている。各端子261〜269,271〜279がコネクターユニット250の上側に位置していることによって、カートリッジ100側の各端子との接触位置をレバー部230とカートリッジ100の主係合部との係合位置に近づけることができる。従って、コネクターユニット250とカートリッジ100側の各端子との電気的接続性が高められる。また、カートリッジ100側の各端子を有する回路基板(後述)をカートリッジ100の下端から離間した位置に配置することができる。また、当該回路基板を主係合部に近い位置に配置することもできる。従って、カートリッジ100の回路基板に対する保護性が高められる。
(v)配線基板の構成
図14,図15を参照して、配線基板280の構成をする。図14は、配線基板280の上側端面とコネクターユニット250と対向する側の面とを対応させて示す概略図である。図14では、各電極291〜299における接触部CPaを破線で図示してある。図15は配線基板280における配線の接続構成を説明するための概略図である。
配線基板280は、配線基体に相当する。上述したように、本実施形態では、配線基板280は長方形に近い形状を有しており、矢印Xの方向の長さが矢印Zの方向の長さ(幅)よりも大きい(図14)。本実施形態では、配線基板280は、ポリカーボネート製の基板が積層された多層基板として構成されている。なお、配線基板280は、可撓性を有する樹脂膜を基体とするフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits;FPC)として構成されても良い。これによって、配線基板280をさらに薄型化・軽量化することが可能である。
配線基板280は、コネクターユニット250と対向する第1の面281と、その反対側の第2の面282と、を有している。第1の面281には、コネクターユニット250に電気的に接触する第1と第2の電極部283a,283bが設けられている。第1と第2の電極部283a,283bは下端288よりも上端289に近い位置において矢印Xの方向に順に配列されている。第1の電極部283aは第1のカートリッジ100aと電気的に接続され、第2の電極部283bは第2のカートリッジ100bと電気的に接続される。
第1と第2の電極部283a,283bは互いに同じ構成を有しており、それぞれ上段電極列286と、下段電極列287と、を有する。上段電極列286は、矢印Xの方向に配列された複数の電極291〜294を有している。上段電極列286では、第1と第2の電極291,292はそれぞれ、上段電極列286において矢印Xの方向の両端に配置されている。第3と第4の電極293,294は第1と第2の電極291,292の間において矢印Xの方向に順に配置されている。
下段電極列287は、上段電極列286より下方に位置しており、矢印Xの方向に配列された複数の電極295〜299を有している。下段電極列287では、第5と第6の電極295,296はそれぞれ下段電極列287において矢印Xの方向の両端に配置されている。第7と第8と第9の電極297,298,299は、第5と第6の電極295,296の間において、矢印Xの方向に順に配置されている。
配線基板280の各電極291〜299は、コネクターユニット250のユニット裏面252(図12)に設けられている各端子271〜279のうちの対応する1つと接触部CPaにおいて接触する。配線基板280の各電極291〜299と、コネクターユニット250の各端子271〜279とは、末尾の符号の数字が同じもの同士が対応して接触し合う。
配線基板280の第1の面281側には、さらに、ケーブル接続部285が設けられている。ケーブル接続部285は、第1の面281において、矢印Xの方向における第2の電極部283b側の端部に配置されている。本実施形態では、ケーブル接続部285は略直方体形状を有している実装部品であり、第1の面281において配線基板280の厚み方向に突出している。ケーブル接続部285は、矢印Xの逆方向に開口する接続口285iを有している。
配線基板280は、ケーブル接続部285の接続口285iに配線ケーブル30(図3)の端子が矢印IDで示す方向(矢印Xの逆方向)に差し込まれて嵌合することによって、配線ケーブル30と電気的に接続される。本実施形態では、配線ケーブル30はケーブル接続部285に対して着脱可能に構成されている。これによって、印刷装置10に対するキャリッジ27の組み付けが容易化されているとともに、印刷装置10からのキャリッジ27の取り外しが容易化されている。
配線基板280は、ケーブル接続部285に対して第1と第2の電極部283a,283bのそれぞれを電気的に並列に接続する配線群284をその内部に有している(図15)。配線群284には、データ信号と、クロック信号と、リセット信号と、を伝送する配線や、アース配線が含まれる。第1と第2の電極部283a,283bはワイアードオア接続されているため、その出力はオープンコレクター出力とされている。
このような配線構成によって、第1と第2の電極部283a,283bのそれぞれに電気信号を振り分けるためのASICなどの素子を配線基板280に搭載することを省略することができる。そのため、配線基板280の小型化・軽量化が可能である。なお、配線基板280には、配線群284の他に、ケーブル接続部285と第1と第2の電極部283a,283bのそれぞれを接続する配線と、第1と第2の電極部283a,283bの間を接続する配線とが設けられても良い。これらの配線は、カートリッジ100の装着の検出のための電気信号の伝送に用いられても良い。
配線基板280の第1の面281における第1の電極部283aと第2の電極部283bの間には、付勢部材配置部243が設けられている。付勢部材配置部243には、配線基板280の厚み方向に弾性変形可能な付勢部材245が配置されている。後述するように、付勢部材245は弾性変形した状態でホルダー部200に取り付けられる。そのため、付勢部材245は高いクリープ特性を有していることが望ましい。また、配線基板280の配線を保護するために、付勢部材245は配線基板280の配線よりも低い硬度を有していることが望ましい。さらに、配線基板280における短絡の発生を抑制するために付勢部材245は絶縁性を有していることが望ましい。
本実施形態では、付勢部材245は略直方体形状の多孔質部材によって構成されている。本明細書において「多孔質部材」とは、内部に複数の空間が形成されている部材を意味しており、例えば、繊維同士が隙間を有した状態で一体的に集約されている繊維部材や、内部に細孔が分散されている発泡性部材が含まれる。多孔質部材の内部空間は互いに連通していても良いし、連通していなくても良い。付勢部材245を構成する多孔質部材の好適な具体例については付勢部材245の機能を説明した後に説明する。
本実施形態の付勢部材配置部243では、付勢部材245は接着層246を介して配線基板280に接着されている。本実施形態の接着層246は基体接着層に相当する。接着層246は、例えば、不織布によって構成された両面テープや接着剤によって構成される。本実施形態の付勢部材配置部243には、接着層246の下層として絶縁層247が形成されている。接着層246と配線基板280の表層との間に絶縁層247を形成しておくことによって、例えば、接着層246が高湿度環境下において水分を吸収してしまった場合でも、配線基板280の配線層における短絡の発生などが抑制される。
絶縁層247は、例えば、絶縁性高分子材料(絶縁性ポリマー)をスピンコート法によって配線基板280の表面に塗布した後、フォトリソグラフィーによって当該材料の塗布膜を加工することによって形成することができる。この場合の絶縁性ポリマーとしては、ノボラック系樹脂や、環化ゴム系材料、ポリイミド系樹脂など、感光性を有するものを用いることができる。その他に、絶縁層247は、シルク印刷さどの印刷や、絶縁性高分子材料を含む絶縁テープを貼付することによっても形成可能である。
図16,図17を参照して、配線基板280に配置されている付勢部材245の機能を説明する。図16には図5のA−A切断に相当する位置における概略断面が図示されており、第1のレバー部230aが付勢部材245によって付勢されている状態が示されている。図17には図5のB−B切断に相当する位置における概略断面が図示されており、第2のレバー部230bが付勢部材245によって付勢されている状態が示されている。図16,図17では、便宜上、コネクターユニット250の図示は省略されている。また、図16,図17では、変形前の付勢部材245の形状が破線で図示されている。
上述したように、ホルダー部200では、レバー部230は、各脚部231a,231bの下端に設けられた各凸部235が正面壁部202の嵌合穴229に嵌合することによって、前後方向への回動移動が可能なように取り付けられている(図16,図17)。レバー部230は、前方に回動移動したときに、付勢用突起部241およびその近傍の部位が付勢部材245に接触して押圧する。レバー部230は、付勢部材245が圧縮変形した状態になる所定の回動角度において、正面壁部202に固定されている壁部(図示は省略)に係止用突起部242(図9)が係止することによって係止される。本明細書では、このときのレバー部230の位置を「初期位置」と呼ぶ。
このように、本実施形態のホルダー部200では、各レバー部230a,230bは、共通の付勢部材245からカートリッジ100に向かう方向の付勢力を付与された状態で初期位置に係止される。各レバー部230a,230bは、初期位置においてカートリッジ100から離れる方向(矢印Yの方向)の外力が付与されると、さらに付勢部材245を押圧して、当該外力の方向に回動移動する。当該外力が解除されたときには、付勢部材245の弾性力によって初期位置に戻る。本実施形態のホルダー部200では、レバー部230のこの回動機構によってカートリッジ100が係止される(詳細は後述)。
本実施形態では、付勢部材245は、レバー部230およびコネクターユニット250と配線基板280との隙間に配置されている。つまり、本実施形態のホルダー部200では、レバー部230およびコネクターユニット250と配線基板280との間の空間が有効に活用されている。また、付勢部材245がコネクターユニット250と配線基板280との間の隙間に配置されていることによって、印刷装置10の印刷実行時に生じるインクのミストが、その隙間に進入してしまうことが抑制される。従って、インクのミストに起因する汚損や、コネクターユニット250と配線基板280との間の電気的接続性の低下が抑制される。
また、本実施形態では、付勢部材245は、第2の電極部283bを挟んでケーブル接続部285から離間した位置に配置されている(図14)。そのため、付勢部材245を介してレバー部230から受ける押圧力によって配線基板280に撓み変形が生じた場合であっても、ケーブル接続部285が配線基板280から乖離して脱落してしまうことが抑制される。
その他に、本実施形態では、付勢部材245は多孔質部材によって構成されている。付勢部材245が多孔質部材によって構成されていれば、そのクッション性によって、付勢部材245との接触によってレバー部230や配線基板280が損傷してしまうことが抑制される。また、多孔質部材であれば外力に対する弾性変形の応答性が、バネなどの弾性部材よりも緩やかであるため、ホルダー部200からのカートリッジ100の予期せぬ脱落が抑制される(詳細は後述)。
ここで、付勢部材245を構成する多孔質部材としては、例えば、ポリウレタンフォームやシリコンフォームを採用することができる。ポリウレタンフォームとしては、JIS K6401に規定されている測定方法に準じた圧縮残留歪みの測定値が7%を超えないものが好ましい。具体的には、株式会社ロジャースイノアック製のPORON(登録商標)であるとしても良い。シリコンフォームとしては、株式会社ロジャースイノアック製のNanNex(登録商標)を採用することができる。これらの材料であれば、付勢部材245が圧縮変形される状態(図16,図17)が継続された場合であっても弾性力の経時的な低下が抑制される。
[第1のカートリッジの構成]
図18〜図22を参照して第1のカートリッジ100aの構成の詳細を説明する。図18は第1のカートリッジ100aの上方斜視図である。図19は第1のカートリッジ100aの下方斜視図である。図20は第1のカートリッジ100aの側面図である。図21は第1のカートリッジ100aの正面図である。図22は、図18に示すB−B切断における第1のカートリッジ100aの概略断面図である。なお、図22では、インク室108内の詳細な構成の図示は省略されている。
第1のカートリッジ100aは、インクを収容するためのインク室108(図22)を囲む外装部を構成する6個の壁部101〜106を有している。第1壁部101(図19)は、第1のカートリッジ100aの底面を構成している。底面とは、印刷装置10に装着されたときに矢印Zの逆方向に向く面であり、ホルダー部200に装着されたときに、ホルダー部200の底面壁部201と対向する面である。第1壁部101の中央には、インク室108に連通するインク供給口110が設けられている。インク供給口110は、液体供給口に相当し、第1のカートリッジ100aがホルダー部200に装着されたときに、ホルダー部200のインク受入部211に接続される。
第2壁部102(図18)は、第1壁部101と対向しており、第1のカートリッジ100aの上面を構成している。上面とは、印刷装置10に装着されたときに矢印Zの方向に向く面である。第2壁部102は、第1のカートリッジ100aの本体から分離可能な蓋体102c(図22)によって構成されている。第2壁部102は、インク室108にインクを充填するための貫通孔115と、インク室108に外気を導入するための空気流路溝116と、それらを上方から封止するフィルム状のシール部材117と、を有している。第2壁部102は、第4壁部104と隣接する端部の中央に、矢印Yの方向に延びて延在している延在部113を有している。本明細書において「延在」とは、切れ間なく連続して延びていることを意味する。延在部113は、主係合部120の一部を構成している。
第3壁部103(図20)は第1壁部101と第2壁部102とに交差している。第3壁部103は第1のカートリッジ100aの背面を構成し、第1のカートリッジ100aがホルダー部200に装着されたときには印刷装置10の後方(矢印Yの逆方向)に向くように配置される。第3壁部103の下端には、矢印Yに沿った方向に突起する複数の突起部114が設けられている。複数の突起部114はそれぞれ、矢印Xの方向における両端に配列されている。複数の突起部114は第1のカートリッジ100aがホルダー部200に装着されるときにホルダー部200の背面壁部203に設けられている嵌合穴227(図4)に挿通されて係合する。
第4壁部104は、第1壁部101と第2壁部102とに交差し、第3壁部103と対向している(図18〜図22)。第4壁部104は、第1のカートリッジ100aの正面を構成し、第1のカートリッジ100aがホルダー部200に装着されたときには印刷装置10の前方(矢印Yの方向)に向き、ユーザーと正対する。第4壁部104には、ホルダー部200のレバー部230に係合される主係合部120が設けられている。主係合部120は、第4壁部104のうち第1壁部101よりも第2壁部102に近い位置にある上端部の矢印X方向におけるほぼ中央に設けられている。
主係合部120は、第2壁部102からわずかに下降しつつ前方に延出している舌片状の庇部として形成されている。主係合部120の前方端部は、中央に局所的な凹部である切欠部122が設けられており、切欠部122の凹部空間によって隔てられて2つに分離されている。すなわち、主係合部120の前方端部は、矢印Xの方向に順に、第1部分である第1庇部121と、切欠部122と、第2部分である第2庇部123と、が配列された構成を有している。第1庇部121と第2庇部123とはそれぞれ、ホルダー部200のレバー部230と係合するときには、その上面がレバー部230の平板部236(図10)の下面と面接触する。
第1庇部121と第2庇部123の下面にはそれぞれ、下方に並列に垂下するように突出している第1側壁部125と第2側壁部126とが設けられている。第1側壁部125と第2側壁部126とはそれぞれ、第1のカートリッジ100aをホルダー部200に装着する際に、ホルダー部200のレバー部230を押して回動させる(詳細は後述)。また、第1側壁部125と第2側壁部126とは、後述するように回路基板130の保護部としても機能する。
第4壁部104における主係合部120の下方には、印刷装置10との間で電気的信号のやりとりを行うための回路基板130が配置されている(図19)。回路基板130は、その表面が下方に向くように、例えば矢印Z方向に対して10°〜45°の傾斜角を有して第4壁部104に固定されている。
回路基板130は、端子部131と、記憶装置132と、を備えている(図22)。端子部131は、ホルダー部200のコネクターユニット250の各端子261〜269(図11)と接触して電気的に導通する複数の端子を有している。回路基板130の端子部131が有する複数の端子の配列構成の詳細は後述する。記憶装置132は、例えば、フラッシュROMなどのリライト可能な不揮発性メモリによって構成される。記憶装置132には、第1のカートリッジ100aに収容されているインクの色や残量など、インクに関する情報が不揮発的に記憶されている。
本実施形態においては、回路基板130は、主係合部120の第1側壁部125と第2側壁部126とに挟まれる位置に配置されている(図19,図21)。第1側壁部125と第2側壁部126とは、回路基板130の両側において回路基板130の表面より前方に突出している。これによって、ユーザーが回路基板130の各端子に誤って触れてしまうことが抑制され、端子部131の各端子が保護される。
第5壁部105と第6壁部106とは、第1壁部101と、第2壁部102と、第3壁部103と、第4壁部104と、に交差するとともに互いに対向している(図18〜図21)。第5壁部105と第6壁部106とは、第1のカートリッジ100aの側面を構成している。第5壁部105と第6壁部106の表面には、矢印Zの方向に延びるリブ141,142,143が設けられている。
第1リブ141は後方端部に設けられており、第2リブ142は前後方向の中程の位置に設けられており、第3リブ143は前方端部に設けられている。各リブ141,142,143は、第1のカートリッジ100aの側壁面の補強部として機能する。また、第1のカートリッジ100aがホルダー部200に装着されるときに、第1のカートリッジ100aの移動方向を規定するガイド部としても機能し、第1のカートリッジ100aの位置を固定する位置決め部としても機能する(詳細は後述)。
図23は、回路基板130における複数の端子151〜159の配列構成を示す概略図である。図23では、各端子151〜159における接触部CPの位置が破線で図示されている。複数の端子151〜159はそれぞれ、接触部CPを有する。各端子151〜159における各接触部CPは、ホルダー部200のコネクターユニット250(図11)に設けられている端子261〜269のうちの対応するひとつと接触して電気的に導通する部位である。各端子151〜159の接触部CPは、ホルダー部200のコネクターユニット250における各端子261〜269に接続可能なように上段と下段の2列に分けられて、矢印Xの方向に平行な配列方向に配列されている。第1と第2の端子151,152の接触部CPはそれぞれ上段の列の両端に配置されている。第3と第4の端子153,154の接触部CPは第1と第2の端子151,152の間において矢印Xの方向に順に配置されている。第5と第6の端子155,156の接触部CPはそれぞれ下段の列の両端に配置されている。第7と第8と第9の端子157,158,159の接触部CPは、第5と第6の端子155,156の間において、矢印Xの方向に順に配置されている。
第1と第2の端子151,152は、第1のカートリッジ100aがホルダー部200に正しく装着されてコネクターユニット250の第1と第2の端子261,262に接触したときに所定の電圧変化を生じるように構成されている。具体的には、第1と第2の端子151,152は、回路基板130の内部において互いに短絡されている。印刷装置10は、コネクターユニット250の第1の端子261を介して回路基板130の第1の端子151に所定の電圧を印加し、コネクターユニット250の第2の端子262を介して、回路基板130の第2の端子152の電圧の変化を検出する。他の端子153〜159の機能は、上述した対応するコネクターユニット250の各端子263〜269と同様である。
[第2のカートリッジの構成]
図24〜図27を参照して第2のカートリッジ100bの構成の詳細を説明する。図24は第2のカートリッジ100bの上方斜視図である。図24では、便宜上、第2のカートリッジ100bの内部に形成されているインク室108a〜108cの形成領域が破線で図示されている。図25は第2のカートリッジ100bの下方斜視図である。図26は第2のカートリッジ100bの側面図である。図27は第2のカートリッジ100bの正面図である。図24〜図27では、図18〜図22において説明した第1のカートリッジ100aの構成部と共通する構成部には同じ符号を付してある。
第2のカートリッジ100bは、第1のカートリッジ100aの各壁部101〜106に対応する6つの壁部101〜106を有している。第2のカートリッジ100bの内部は3色のインクを色ごとに収容するための3つのインク室108a〜108cに仕切られている。第1のインク室108aは、第4壁部104に面する前方の領域に形成されている。第2と第3のインク室108b,108cはそれぞれ、第1のインク室108aより後方側の領域を、矢印Xの方向に二分することによって形成されている。第2のインク室108bは、第5壁部105に面する側に形成されており、第3のインク室108cは、第6壁部106に面する側に形成されている。
第1壁部101(図24)には、各インク室108a〜108cに対応する3つのインク供給口110a〜110cが設けられている。第1のインク供給口110aは、その中心が第4壁部104に設けられている主係合部120の矢印X方向における中心とほぼ一致する位置に形成されている。第2と第3のインク供給口110b,110cはそれぞれ、第2と第3のインク室108b、108cのほぼ中央に設けられている。第2と第3のインク供給口110b,110cの間の第2と第3のインク室108b,108cの境界位置に相当する位置には、矢印Yの方向に直線状に延びる溝部118が形成されている。溝部118は、第2のカートリッジ100bがホルダー部200に装着されるときにホルダー部200の第2副壁部224(図4)が係合する。
第2壁部102(図24)は、矢印Xの方向における幅が異なる点と延在部113の形成位置が異なる点以外は第1のカートリッジ100aの第2壁部102とほぼ同じ構成を有している。延在部113は第4壁部104と隣接する端部の中央より矢印Xの逆方向に寄った位置に形成されている。第3壁部103(図26)は、矢印Xの方向における幅が異なる点以外は第1のカートリッジ100aの第3壁部103とほぼ同じ構成を有している。
第4壁部104(図24〜図27)は主係合部120の形成位置が異なっている点以外は、第1のカートリッジ100aの第2壁部102とほぼ同じ構成を有している。主係合部120は第2壁部102と隣接する端部の中央より矢印Xの逆方向に寄った位置に形成されている。これによって、第1と第2のカートリッジ100a,100bがホルダー部200に装着されたときに、それぞれの主係合部120が近接した位置に隣り合って配列される(図3)。第5壁部105(図24,図25)と第6壁部106(図27)はそれぞれ、第1のカートリッジ100aの第5壁部105と第6壁部106とほぼ同じ構成を有している。
[ホルダー部に対するカートリッジの装着機構]
図28,図29は、ホルダー部200に対する第1のカートリッジ100aの装着過程を時系列で示す概略図である。図28,図29の(a)〜(e)欄には、ホルダー部200に対して第1のカートリッジ100aが装着されるときの様子が段階的に示されている。なお、図28,図29では、便宜上、ホルダー部200の第1側面壁部204の図示が省略されている。また、図28では、ホルダー部200と第1のカートリッジ100aとが接触している位置を示す矢印C1〜C5を適宜図示してある。なお、ホルダー部200に対する第2にカートリッジ100bの装着過程は、第1のカートリッジ100aとほぼ同じであるため、その図示は省略する。ただし、以下では、第1と第2のカートリッジ100a,100bを区別することなく、カートリッジ100の装着過程として説明する。
第1段階(図28の(a)欄)では、カートリッジ100は、第3壁部103側が下方になる傾斜した状態でホルダー部200に接近する。そして、第3壁部103の上端部と、ホルダー部200の背面壁部203の上端部とが接触するとともに(矢印C1)、第5壁部105および第6壁部106の後方端部の第1リブ141の下端が第1副壁部221の上端部に接触する(矢印C2)。
第2段階(図28の(b)欄)では、ホルダー部200の背面壁部203の上端部とカートリッジ100の第3壁部103の上端部との接触点(矢印C3)を支点として、カートリッジ100が下方に向かって回動移動する(矢印RD)。このとき、第1リブ141の下端は第1副壁部221の傾斜部225の上面を摺擦しつつ移動する(矢印C4)。また、第2リブ142の下端が第1副壁部221の凹部226の上端に接触する(矢印C5)。
第3段階(図29の(c)欄)では、カートリッジ100の主係合部120がホルダー部200のレバー部230と接触する。より具体的には、主係合部120の第1側壁部125と第2側壁部126の前方側の端面127がレバー部230の架橋部232における平板部236の端面237と面接触する。また、カートリッジ100の第3壁部103の下端に設けられている複数の突起部114はホルダー部200の対応する嵌合穴227へ挿通される。これ以降、カートリッジ100は突起部114と嵌合穴227との接触点を支点として回動移動する。
第4段階(図29の(d)欄)では、カートリッジ100の回動移動が継続されることによって、主係合部120は下方へと移動する。レバー部230は主係合部120の第1側壁部125と第2側壁部126とに押されて主係合部120から離れる方向である前方に回動移動する(矢印SD)。なお、本明細書において、「離れる方向へ移動する」と言うときは、対象物から実際に離間するように移動する場合だけでなく、当該対象物との距離を保持したまま当該対象物とは反対の方向へと移動する場合を含む。このレバー部230の回動移動によって配線基板280上の付勢部材245が付勢用突起部241に押圧されて、さらに圧縮変形する。
このように、本実施形態のカートリッジ100では、レバー部230が主係合部120の押圧によって回動移動されるため、ユーザーの指先によるレバー部230の回動移動操作を省略することができる。特に、本実施形態では、レバー部230は、主係合部120の第1側壁部125と第2側壁部126によって、矢印Xの方向に離間した2点によって押圧されている。そのため、レバー部230は矢印Xの方向に対する傾斜が抑制された状態で、安定的に回動移動することができる。
さらに、第4段階では、カートリッジ100の回路基板130の端子部131における各端子151〜159の接触部CP(図23)がホルダー部200のコネクターユニット250の各端子261〜269(図11)と接触する。カートリッジ100の下方への移動に伴って、カートリッジ100の回路基板130の各端子151〜159の接触部CPはホルダー部200の各端子261〜269にその表面を摺擦される。「摺擦」とは、摩擦が生じる方向に相対的に移動することを意味する。
この摺擦によって、回路基板130における各端子151〜159の接触部CPおよびコネクターユニット250における各端子261〜269の表面の汚れなどの付着物が除去されるため、端子間の接触性が高められる。特に、本実施形態では、コネクターユニット250の各端子261〜269は、その頂点において回路基板130の各端子151〜159の接触部CPと当接するため、回路基板130の各端子151〜159の接触部CPに対する摺擦力が高められている。
第5段階(図29の(e)欄)では、カートリッジ100の回動移動が完了し、第1壁部101はホルダー部200の底面壁部201に支持される。このとき、第2リブ142の下端は、第1副壁部221の凹部226の下端まで到達してその位置が固定される。カートリッジ100の第3壁部103の下端に設けられている複数の突起部114はホルダー部200の対応する嵌合穴227に挿通された状態であり、カートリッジ100をホルダー部200に係止する係合部として機能する。
加えて、第5段階では、主係合部120が最も下方の位置に移動したことによって、主係合部120の第1側壁部125および第2側壁部126とレバー部230の架橋部232との間の係止が解除される。そのため、レバー部230は付勢部材245の弾性力によって後方側の初期位置に戻り(矢印RVD)、その架橋部232が主係合部120の各庇部121,123の上方に移動する。これによって、各庇部121,123の上面がレバー部230の平板部236の下面と接触し、主係合部120とレバー部230とが係合される。以上の段階を経て、カートリッジ100は、ホルダー部200に装着される。
以上のように、本実施形態の印刷装置10では、キャリッジ27のホルダー部200に対するカートリッジ100の装着操作が容易化されている。また、本実施形態の印刷装置10では、以下に説明するように、ホルダー部200に対するカートリッジ100の装着安定性や装着操作性が高められている。
[付勢部材による装着安定性および装着操作性の向上]
図10を参照して、付勢部材245によってレバー部230に付与される付勢力について説明する。図10にはレバー部230が初期位置にあるときに付勢部材245が配置される領域が一点鎖線で図示されている。本実施形態では、レバー部230の架橋部232における平板部236の下面から各脚部231a,231bにおける下端の凸部235の中心である回動軸RXまでの距離は、平板部236の下面からコネクターユニット250の下端までの距離より長い。また、回動軸RXから付勢部材245の下端までの距離は、回動軸RXからコネクターユニット250の下端までの距離よりも長い。
このように、本実施形態のレバー部230では、レバー部230の架橋部232の回動半径が、コネクターユニット250の矢印Zの方向における長さよりも長く、十分に確保されている。また、付勢部材245の配置位置がコネクターユニット250の下端よりも高い位置にあり、付勢部材245によってレバー部230に付勢力が付与される位置が回動軸RXから十分に離れた位置にある。そのため、付勢部材245によって付与されている付勢力による架橋部232が主係合部120に向かう方向への力が高められており(テコの原理)、レバー部230による主係合部120に対する係合性が高められている。従って、ホルダー部200におけるカートリッジ100の装着安定性が高められている。
加えて、本実施形態では、付勢部材245によって付勢力が主に付与される部位である付勢用突起部241は、レバー部230の重心位置WPよりも架橋部232に近い位置に設けられている。これによって、レバー部230の重心位置WPとの関係においても、付勢部材245の付勢力によるレバー部230を回動移動させる力がさらに高められている。従って、レバー部230による主係合部120に対する係合性がさらに高められ、ホルダー部200におけるカートリッジ100の装着安定性がさらに高められている。
また、本実施形態のレバー部230および付勢部材245の組み合わせであれば、ユーザーがレバー部230に外力を付与して回動移動させるときに、付勢部材245によって当該外力に対して小さすぎることのない適切な反作用の力が発生する。加えて、上述のように架橋部232の回動半径が確保されていることによって、架橋部232が回動移動する距離(ストローク)が十分に確保されている。すなわち、ホルダー部200に対するカートリッジ100の着脱時に、レバー部230に対するユーザーの操作感が高められている。
図30は付勢部材245の挙動によってホルダー部200からのカートリッジ100の脱落が抑制されるメカニズムを説明するための模式図である。図30の(a)〜(c)欄にはカートリッジ100が装着されているホルダー部200に上方から外力が付与されたときのカートリッジ100およびレバー部230の挙動が時系列で図示されている。例えば、上方からの落下物が衝突した場合など、カートリッジ100が装着されているホルダー部200に対して上方から予期せぬ外力が付与される場合がある。本実施形態のホルダー部200におけるカートリッジ100の装着機構であれば、そうした予期せぬ外力が発生した場合であっても、以下に説明するように、カートリッジ100がホルダー部200から脱落してしまうことが抑制される。
これまで説明してきたように、ホルダー部200にカートリッジ100が正しく装着されている場合には、カートリッジ100は、主係合部120において、初期位置にあるレバー部230の架橋部232に係止されている(図30の(a)欄)。このとき、カートリッジ100はホルダー部200の底面壁部201に配置されている付勢機構217によって上方に付勢された状態である。そのため、カートリッジ100の上方から予期せぬ外力が付与された場合には、カートリッジ100を支持している付勢機構217が弾性変形し、カートリッジ100は当該外力によって一時的に下方に沈み込む((b)欄)。
カートリッジ100が下方に移動すると、カートリッジ100の主係合部120とレバー部230の架橋部232との間の係合状態が解除される。このとき、上方からカートリッジ100に付与された瞬間的な衝撃によって、カートリッジ100から離れる方向への力がレバー部230に生じる可能性がある。そのため、仮にレバー部230がそうした衝撃に即応してカートリッジ100から離れる方向に回動した場合には、付勢機構217の付勢力によってカートリッジ100が上方に戻ってきたときに、レバー部230に係止されなくなってしまう。よって、この場合には、カートリッジ100がホルダー部200から脱落してしまう可能性がある。
これに対して、上述したように、本実施形態の付勢部材245は弾性変形可能な多孔質部材によって構成されているため、外力に対する応答性が付勢機構217を構成しているような金属製のバネなどの弾性部材よりも遅く、緩やかである。そのため、上記のような瞬間的な衝撃に起因する力がレバー部230に生じたとしても、カートリッジ100が瞬間的に下方に沈み込む一方で、レバー部230が初期位置に留まる応答遅れの時間が生じる。
従って、付勢機構217の付勢力によってカートリッジ100が上方に戻ってきたときには、カートリッジ100の主係合部120は初期位置に留まっているレバー部230によって係止される((c)欄)。よって、カートリッジ100がホルダー部200から脱落してしまうことが抑制される。このように、本実施形態のホルダー部200におけるカートリッジ100の装着機構であれば、付勢部材245の外力に対する応答性の低さによってホルダー部200からのカートリッジ100の脱落が抑制される。
図31は、第1と第2のレバー部230a,230bに対して付与される付勢力の差を説明するための概略図である。図31には、配線基板280の第1の面281に重ねて、第1と第2のレバー部230a,230bの配置領域を示す一点鎖線が図示されている。図31では、付勢部材245において第1と第2のレバー部230a,230bが接触する領域にクロスハッチングを付してある。
本実施形態では、第1のレバー部230aの付勢用突起部241の高さ方向における幅は、第2のレバー部230bの付勢用突起部241よりも大きい。そのため、第1のレバー部230aが付勢部材245に接触する面積の方が、第2のレバー部230bが付勢部材245に接触する面積よりも大きくなる。従って、第1のレバー部230aが付勢部材245から付与される付勢力の方が、第2のレバー部230bが付与される付勢力よりも大きくなる。
ホルダー部200にカートリッジ100が装着されている状態では、レバー部230の架橋部232は、カートリッジ100を支持する付勢機構217やインク受入部211〜214からの反作用によって生じる上向きの力を受ける。本実施形態では、第1のカートリッジ100aの方が第2のカートリッジ100bよりもインクが充填されていない状態での重量が小さいため、その上向きの力は第1のカートリッジ100aの方が小さい。
従って、主係合部120とレバー部230の架橋部232との係止によって生じる摩擦力は、第1のカートリッジ100aの方が第2のカートリッジ100bよりも小さくなる。当該摩擦力は、レバー部230の回動異動を妨げる方向に働く力である。上述したように、本実施形態では、付勢部材245から付与される付勢力は、第1のレバー部230aの方が第2のレバー部230bよりも大きい。
そのため、カートリッジ100を取り外すときに第1と第2のレバー部230a,230bのそれぞれに付与すべき力は、第1と第2のレバー部230a,230bの間における前記の摩擦力の差と付勢力の差とによって均衡される。すなわち、本実施形態のホルダー部200であれば、第1と第2のカートリッジ100a,100bの重量の差によって、第1と第2のレバー部230a,230bの間で操作感が異なってしまうことが抑制される。
[レバー部の構成による装着安定性の向上]
図32は、レバー部230の係合性とコネクターユニット250の電気的接続性とを説明するための模式図である。図32には、ホルダー部200にカートリッジ100が装着されているときのレバー部230と主係合部120とコネクターユニット250とが模式的に図示されている。図32では、便宜上、コネクターユニット250については、ユニット表面251の各端子261〜269の配列状態を破線によって図示してある。
レバー部230では、架橋部232の両端がそれぞれ第1と第2の脚部231a,231bによって等しく支持されており、回動移動する場合にも、架橋部232が矢印Xの方向に対して傾斜してしまうことが抑制されている。そのため、架橋部232によって主係合部120が係合されているカートリッジ100の姿勢が安定する。特に、本実施形態においては、レバー部230の架橋部232は主係合部120の全体にわたって矢印Xの方向に延伸しているため、レバー部230による主係合部120の係合性が高められており、カートリッジ100の姿勢がより安定化されている。
また、ホルダー部200に対してカートリッジ100が装着された状態において、主係合部120の矢印Xの方向における中心はレバー部230の矢印Xの方向における中心とほぼ同じ位置に位置している。そのため、主係合部120に対するレバー部230の係合力の矢印Xの方向における偏りの発生が抑制されており、カートリッジ100の姿勢の安定性がさらに高められている。
本実施形態のレバー部230では、矢印Xの方向における架橋部232の両端の間の距離WEは、コネクターユニット250の両端にある第1と第2の端子261,262の矢印Xの方向における間隔WTよりも広い。第1と第2の端子261,262の矢印Xの方向における間隔WTとは、それぞれの中心線間の距離を意味する。このように、架橋部232の幅に対して、第1と第2の端子261,262の間隔が狭いため、架橋部232が傾斜してしまったとしても、コネクターユニット250の各端子261〜269の規定の位置からの位置ずれ量は低減される。よって、コネクターユニット250の各端子261〜269の回路基板130の各端子151〜159の接触部CPに対する接続性が高められている。
特に、本実施形態では、ホルダー部200に対して第1のカートリッジ100aが装着された状態において、レバー部230の矢印Xの方向における中心は、コネクターユニット250の第1と第2の端子261,262の中央位置とが一致している。これによって、架橋部232の傾斜に伴うコネクターユニット250における各端子261〜269の位置ずれがさらに抑制されている。
加えて、本実施形態では、第1のカートリッジ100aが装着されたときに、コネクターユニット250は架橋部232の下方の位置に配置されている。そのため、コネクターユニット250は、レバー部230と主係合部120とが係合しあうときには、回路基板130が上方から押しつけられることになる。従って、主係合部120に対するレバー部230の係合性が高められていることによってコネクターユニット250と回路基板130との間の接続性が高められる。
[装着機構による空間利用効率の向上]
図33は、レバー部230による空間利用効率の向上を説明するための模式図である。図33には、ホルダー部200のレバー部230とカートリッジ100の主係合部120とが互いに係合している状態が側面視によって模式的に図示されている。
本実施形態の印刷装置10では、レバー部230と主係合部120とで構成されている係合機構が占める領域EAと、コネクターユニット250と回路基板130とで構成されている電気的接続機構が占める領域TAと、が高さ方向(矢印Zの方向)においてほぼ重なっている。より具体的には、係合機構が占める領域EAに、電気的接続機構が占める領域TAが包含されている。このように、本実施形態の印刷装置10では、カートリッジ100とホルダー部200との間の係合機構および電気的接続機構が集約されて配置されており、印刷装置10内における空間の高い利用効率が確保されている。
ところで、レバー部230において上述したテコの原理に基づく効果を得るためには、レバー部230の回動半径を確保するためにも、高さ方向における係合機構が占める領域EAの範囲を低減することは容易ではない。従って、上記の2つの領域EA,TAを高さ方向に分離させて構成する場合には、係合機構と電気的接続機構とによって占められる範囲が増大してしまい、空間効率が低下してしまう可能性がある。なお、「2つの領域EA,TAを高さ方向に分離させて構成する場合」には、2つの領域EA,TAが互いに重なり合う部位を有しつつ、高さ方向に分離されている場合を含む。このように、本実施形態の印刷装置10においては、レバー部230とコネクターユニット250の配置構成によって、第1のカートリッジ100aの操作性とともに、装置内における空間の利用効率が高められている。
[第1実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態の印刷装置10では、ホルダー部200に、レバー部230に付勢力を付与する付勢部材245を有する装着機構によって、カートリッジ100の装着機構における装着安定性や装着操作性が高められている。その他に、本実施形態の印刷装置10によれば、装着機構の保護性の向上や空間利用効率の向上など、種々の効果を奏することができる。
B.第2実施形態:
図34は本発明の第2実施形態としてのカートリッジ100の装着機構を有するホルダー部200Aの構成を説明するための概略断面図である。第2実施形態のホルダー部200Aは、付勢部材245がレバー部230に接着されている点以外は、ほぼ第1実施形態の構成と同様である。第2実施形態のホルダー部200Aを備える印刷装置の構成は、第1実施形態の印刷装置10とほぼ同じである(図1,図2)。第2実施形態のホルダー部200Aに装着されるカートリッジ100の構成は第1実施形態で説明したのとほぼ同じである(図18〜図27)。以下の説明では、第1のレバー部230aとともに第2のレバー部230bについても言及するが、第2のレバー部230bの図示は便宜上省略する。また、以下では、第1実施形態と共通する構成部については第1実施形態で説明したのと同じ符号で説明する。
第2実施形態では、付勢部材245は、接着層246を介して第1と第2のレバー部230a,230bのそれぞれに接着されており、配線基板280に対しては接着されていない。つまり、第2実施形態では付勢部材245は2つのレバー部230a,230bに保持されている。第2実施形態の接着層246は、脚部接着層に相当する。第2実施形態では、接着層246はレバー部230と付勢部材245の接触領域にのみ設けられている。第2実施形態では、配線基板280の表層の絶縁層247(図14)は省略されている。なお、接着層246は、第1と第2のレバー部230a,230bのうちのいずれか一方の側のみに設けられていても良い。
第2実施形態の構成であれば、接着層246が配線基板280から離間した位置に形成されているため、絶縁層247が省略されていても、接着層246の水分の吸収に起因して配線基板280において短絡が発生してしまうことが抑制される。その他に、第2実施形態のホルダー部200Aであれば、第1実施形態で説明したのと同様な作用効果を奏することができる。
C.第3実施形態:
図35〜図38を参照して、本発明の第3実施形態としてのカートリッジの装着機構を有するホルダー部200Bの構成を説明する。図35の(a)欄には矢印Zの逆方向に見たときのホルダー部200Bが図示されており、(b)欄には矢印Xの逆方向に見たときのホルダー部200Bが図示されている。図36には図35の(a)欄に示されているI−I切断におけるホルダー部200Bの概略断面が図示されている。図37には図36に示されているJ−J切断におけるホルダー部200Bの正面壁部202の概略断面が図示されている。図38の上段には第3実施形態における配線基板280Bの上側端面が図示されており、下段には配線基板280Bの第1の面281が図示されている。
第3実施形態のホルダー部200Bを備える印刷装置の構成は、ホルダー部200B以外は第1実施形態の印刷装置10とほぼ同じである(図1,図2)。第3実施形態のホルダー部200Bは、シアンとマゼンタとイエローとブラックの4色のインクを収容している単一のカートリッジが装着される点以外は、第1実施形態のホルダー部200とほぼ同様な構成を有している。ホルダー部200Bに装着されるカートリッジは、前記の4色のインクを収容し、4つのインク供給口を有している点以外は第1実施形態で説明したカートリッジ100と同様な構成を有している(図18〜図27)。以下では、第1実施形態と共通する構成部については第1実施形態で説明したのと同じ符号で説明する。
第3実施形態のホルダー部200Bの正面壁部202には、1つのレバー部230cと1つのコネクターユニット250cとが設けられている(図36)。第3実施形態におけるレバー部230cおよびコネクターユニット250cの構成は第1実施形態のレバー部230およびコネクターユニット250の構成(図8〜図13)とほぼ同じであるため、その説明は省略する。
ホルダー部200Bのカートリッジ収容室210には、装着されるカートリッジが有する4つのインク供給口に対応する4つのインク受入部211〜214が設けられている(図35)。第1と第2のインク受入部211,212は正面壁部202に近い位置において矢印Xの方向に配列されている。第3と第4のインク受入部213,214は背面壁部203に近い位置において矢印Xの方向に配列されている。
カートリッジ収容室210には、1つの付勢機構217が設けられている。付勢機構217は、正面壁部202に隣り合う位置であって、矢印Xの方向におけるほぼ中央の位置に設けられており、レバー部230cの第1の脚部231aの近傍に位置している。付勢機構217は、矢印Yの逆方向に見たときに、第1と第2のインク受入部211,212の間に位置している。
第3実施形態の配線基板280B(図37,図38)は、単一の電極部283cのみを有している点と、ケーブル接続部285と付勢部材配置部243の形成位置が異なっている点以外は、第1実施形態の配線基板280とほぼ同じ構成を有している。第3実施形態の配線基板280Bでは、コネクターユニット250cに電気的に接触する電極部283cは、矢印Xの方向における中程の位置に形成されており、ケーブル接続部285と付勢部材配置部243との間に位置している。電極部283cが有する各端子261〜269の構成は第1実施形態と同じである。
ケーブル接続部285は、配線基板280Bの第1の面281において矢印Xの逆方向の端部に配置されている。ケーブル接続部285は矢印Xの逆方向に開口しており、配線ケーブル30は矢印IDの方向(矢印Xの方向)に差し込まれる。付勢部材配置部243は矢印Xの方向の端部に配置されている。付勢部材配置部243に配置されている付勢部材245は、レバー部230cが初期位置にあるときには、レバー部230cの第1の脚部231aが有する付勢用突起部241である第1の突起部240aに接触して押圧され、圧縮変形する(図37)。
上述したように、付勢部材245によって付勢される第1の脚部231aは、カートリッジを上方に付勢する付勢機構217の近傍に位置している。このように、カートリッジに対する係合力の発生に寄与する付勢部材245と付勢機構217とが集約して配置されていることによって、レバー部230cにおいて発生する係合力を高められている。その他に、第3実施形態のホルダー部200Bでれば、第1実施形態で説明したのと同様な作用効果を奏することができる。
D.第4実施形態:
図39は本発明の第4実施形態としてのホルダー部200Cにおける装着機構を説明するための概略斜視図である。図39には、第4実施形態のホルダー部200Cにおいて一体的にまとめられて取り付けられている状態のレバー部230とコネクターユニット250と配線基板280とが図示されている。第3実施形態のホルダー部200Cは、レバー部230の第1の脚部231aに付勢部材248が追加されている点以外は、第1実施形態のホルダー部200とほぼ同じである構成を有している(図4〜図7)。第2実施形態のホルダー部200Cを備える印刷装置の構成は、第1実施形態の印刷装置10とほぼ同じである(図1,図2)。第2実施形態のホルダー部200Aに装着されるカートリッジ100の構成は第1実施形態で説明したのとほぼ同じである(図18〜図27)。以下では、第1実施形態と共通する構成部については第1実施形態で説明したのと同じ符号で説明する。
レバー部230は、第1の脚部231aの下端に、回動移動の支点部として機能する凸部235とは反対の方向に突起する突起部239を有している。突起部239には、付勢部材248であるトーションバネが巻きまわされて取り付けられている。付勢部材248は、カートリッジ収容室210に向かう方向にレバー部230を付勢する。つまり、第4実施形態のレバー部230は、配線基板280に配置されている付勢部材245と、レバー部230の回動移動の支点部に配置されている付勢部材248と、によって、カートリッジ収容室210に向かう方向に付勢されている。
このように、第4実施形態のホルダー部200Cでは、付勢部材248が追加されていることによって、レバー部230に付与される付勢力が高められており、レバー部230によるカートリッジ100に対する係合力が高められている。従って、ホルダー部200Cにおけるカートリッジ100の装着安定性が高められている。また、第4実施形態では、2つの付勢部材245,248はいずれもレバー部230とコネクターユニット250と配線基板280とが集約されてている領域の隙間を利用して配置されている。すなわち、第4実施形態のホルダー部200Cでは、装着機構を大型化することなく、カートリッジ100に対する係合力が高められており、高い空間利用効率が実現されている。その他に、第4実施形態のホルダー部200Cであれば、第1実施形態で説明したのと同様な作用効果を奏することができる。
E.第5実施形態:
図40は、本発明の第5実施形態としてのホルダー部200Dが備えるレバー部230Dの構成を示す概略図である。図40には、矢印Xの逆方向に見たときのレバー部230Dが図示されている。図40では、付勢部材245が配置される領域が破線で図示されている。第5実施形態のホルダー部200Dは、レバー部230Dの構成が異なっている点と、付勢部材245の配置位置が異なっている点以外は、第1実施形態の構成とほぼ同じである(図4〜図7)。また、第5実施形態のホルダー部200Dを備える印刷装置の構成は、第1実施形態の印刷装置10とほぼ同じである(図1,図2)。第5実施形態のホルダー部200Dに装着されるカートリッジ100の構成は第1実施形態で説明したのとほぼ同じである(図18〜図27)。以下では、第1実施形態と共通する構成部については第1実施形態で説明したのと同じ符号で説明する。
第5実施形態のレバー部230Dは、回動移動の支点部として機能する凸部235から下方に延びる付勢用突起部241Dを備えている点以外は、第1実施形態のレバー部230とほぼ同じ構成を有している。第5実施形態のホルダー部200Dでは、付勢部材245は正面壁部202の下端部近傍における底面壁部201の隙間に配置されている(図示は省略)。付勢部材245は、レバー部230Dの付勢用突起部241Dに対して、架橋部232がカートリッジ収容室210に向かう方向、すなわち矢印Yの方向に付勢力を付与する。
第5実施形態のホルダー部200Dであっても、付勢部材245によって回動移動の支点部から離れた位置においてレバー部230Dが付勢されるため、カートリッジ100の装着安定性が高められる。その他に、第5実施形態のホルダー部200Dであれば、第1実施形態で説明したのと同様な作用効果を奏することができる。
F.第6実施形態:
図41,図42を参照して本発明の第6実施形態としてのホルダー部200Eが備えるレバー部230Eの構成を説明する。図41,図42にはそれぞれ、ホルダー部200Eの正面壁部202に取り付けられている状態のレバー部230Eが図示されている。図41には、矢印Yの方向に見たときのレバー部230Eが正面壁部202の一部とともに図示されている。図42には、図41に示されているC−C切断における概略断面が図示されている。第6実施形態のホルダー部200Eは、レバー部230Eの構成が異なっている点以外は、第1実施形態のホルダー部200とほぼ同じ構成を有している(図4〜図7)。第6実施形態のホルダー部200Eが有する2つのレバー部230Eはいずれも同じ構成を有しているため、以下では両者を区別することなく説明する。第6実施形態のホルダー部200Eには、第1実施形態で説明したのと同じ構成のカートリッジ100が装着される(図18〜図27)。以下の説明では、第1実施形態と共通する構成部には第1実施形態で説明したのと同じ符号が付されている。
第6実施形態のレバー部230Eは、第1と第2の脚部231a,231bの間に、第1突出部392aと、第2突出部392bと、係止壁部395と、を有している点以外は第1実施形態のレバー部230とほぼ同じ構成を有している。2つの突出部392a,392bは、架橋部232の平板部236の下面において下方に向かって突出している部位である。第6実施形態では、2つの突出部392a,392bはほぼ均一な高さで矢印Xの方向に延伸している壁部として構成されている。
第1突出部392aと第2突出部392bとは架橋部232の矢印Xの方向における両端に互いに離間して設けられており、矢印Xの方向の同一軸線上に配列されている。第1突出部392aは第1の脚部231aに隣接しており、第2突出部392bは第2の脚部231bに隣接している。
ホルダー部200Eにカートリッジ100が装着されたときには、第1突出部392aと第2突出部392bのそれぞれが各カートリッジ100a,100bの主係合部120の上面と当接する。第1突出部392aおよび第2突出部392bの機能の詳細については後述する。
係止壁部395は、第1突出部392aおよび第2突出部392bよりも矢印Yの方向に奥まった位置において第1突出部392aおよび第2突出部392bよりも下方に突出している壁部として構成されている。係止壁部395は、第1と第2の脚部231a,231bの間に渡って形成されている。係止壁部395は、ホルダー部200Eにカートリッジ100a,100bが装着されている状態において、レバー部230Eがカートリッジ100a,100bに近づく方向に回動移動してしまうことを制限する回動規制部として機能する(詳細は後述)。
係止壁部395は、第1と第2の端部部位396aと、中央部位397と、を有している。第1と第2の端部部位396a,396bはそれぞれ、第1と第2の脚部231a,231bに隣接する位置に形成されている略四角形状の部位である。中央部位397は、第1と第2の端部部位396a,396bの間に形成されている部位であり、均一な高さ(矢印Zの方向における幅)を有して矢印Xの方向に延びている。第1と第2の端部部位396a,396bはそれぞれ中央部位397よりも下方に突出している。レバー部230Eは、係止壁部395の中央部位397の高さが小さいことによって、回動移動するときに、架橋部232の下に配置されているコネクターユニット250と干渉してしまうことが抑制されている。
ホルダー部200Eは第1実施形態で説明したのと同じ構成を有する配線基板280を備えている(図42)。レバー部230Eは、配線基板280上に配置されている付勢部材245(図14)によって、カートリッジ収容室210に向かう方向の付勢力が付与される。ホルダー部200Eの正面壁部202には、レバー部230Eの第2の脚部231bがカートリッジ収容室210側へと回動することを規制するための規制壁391が形成されている(図41)。レバー部230Eは規制壁391の当接によって初期位置に係止される。
図43は、レバー部230Eにおける第1突出部392aと第2突出部392bと係止壁部395の機能を説明するための概略図である。図43には、ホルダー部200Eにカートリッジ100が装着されて、主係合部120がレバー部230Eによって係止されている状態が図示されている。
上述したように、カートリッジ100がホルダー部200Eに装着されたときには、主係合部120の上面にはレバー部230Eの第1突出部392aおよび第2突出部392bがそれぞれ当接する。このように、第2実施形態のホルダー部200Eでは、主係合部120が矢印Xの方向に離間した2点で上方から押さえ込まれる形となる。従って、主係合部120が矢印Xの方向において偏った係止力を受けることが抑制される。よって、カートリッジ100が矢印Xの方向において傾斜してしまうことが抑制され、カートリッジ100を所定の装着状態で固定することができる。
ホルダー部200Eにカートリッジ100が装着されると、係止壁部395は主係合部120の第1庇部121と第2庇部123の正面側の端面と、接触あるいは近接して対面し合う。また、係止壁部395のうちの端部部位396a,396bは第1側壁部125と第2側壁部126のそれぞれの正面側の端面と接触あるいは近接して対面し合う。これによって、例えば、レバー部230Eに対して矢印Yの逆方向に外力が付与された場合であっても、レバー部230Eは主係合部120によって係止されてカートリッジ100に近づく方向へ過剰に回動移動してしまうことが抑制される。よって、レバー部230Eの過剰な回動移動に起因してレバー部230Eやホルダー部200Eの正面壁部202が損傷してしまうなどの不具合の発生が抑制される。
以上のように、第6実施形態のホルダー部200Eによれば、レバー部230Eが第1突出部392aおよび第2突出部392bを有していることによって、カートリッジ100の装着固定性が高められている。また、レバー部230Eが係止壁部395を有していることによって、カートリッジ100が装着されているときのホルダー部200Eの保護性が高められている。その他に、第6実施形態のホルダー部200Eによれば、付勢部材245の付勢力によってカートリッジ100の装着安定性が高められるなど、第1実施形態と同様な作用効果を奏することができる。
G.第7実施形態:
図44は、本発明の第7実施形態としてのホルダー部200Fが備えるレバー部230Fの構成を示す概略斜視図である。図44では、便宜上、コネクターユニット250の配置領域が破線で模式的に図示されている。また、レバー部230Fの回動軸RXが一点鎖線で図示されている。第7実施形態のホルダー部200Fは、レバー部230Fの構成が異なっている点以外は、第1実施形態で説明したホルダー部200(図4〜図6)と同様な構成を有しており、配線基板280を備えている(図14)。第7実施形態のホルダー部200Fには、第1実施形態で説明したのと同じ構成のカートリッジ100が装着される(図18〜図27)。以下では、第1実施形態と共通する構成部については第1実施形態で説明したのと同じ符号で説明する。
第7実施形態のレバー部230Fの架橋部232Fは、カートリッジ収容室210側の方向(矢印Yの逆方向)に延出している平板部236Fを有している。第7実施形態のホルダー部200Fでは、レバー部230Fの架橋部232Fにおける平板部236Fがカートリッジ100の主係合部120と当接し、カートリッジ100を係止する。第7実施形態のレバー部230Fは、2つの脚部231a,231bのうちのいずれか一方が配線基板280(図14)に配置されている付勢部材245から付勢力を付与される。
このように、第7実施形態のホルダー部200Fにおいても、第1と第2の脚部231a,231bの間に架橋される架橋部232Fの回動移動によってカートリッジ100の主係合部120が係合される。従って、カートリッジ100の装着性が高められている。その他に、第6実施形態のホルダー部200Fによれば、付勢部材245の付勢力によってカートリッジ100の装着安定性が高められるなど、第1実施形態と同様な効果を奏することができる。
H.第8実施形態:
図45は、本発明の第8実施形態としてのホルダー部200Gが備えるレバー部230Gの構成を示す概略斜視図である。図45では、レバー部230Gの回動軸RXが一点鎖線によって図示されている。第8実施形態のホルダー部200Bは、異なる構成のレバー部230Gを備えている点以外は、第1実施形態で説明したホルダー部200(図4〜図6)と同様な構成を有している。第8実施形態のホルダー部200Bは、第1実施形態と同じコネクターユニット250と配線基板280とを備えている(図11〜図14)。第8実施形態のホルダー部200Gには、第1実施形態で説明したのと同じ構成のカートリッジ100が装着される(図18〜図27)。以下では、第1実施形態と共通する構成部については第1実施形態で説明したのと同じ符号で説明する。
第8実施形態のレバー部230Gの構成は、以下に説明する点以外は、第1実施形態のレバー部230とほぼ同じである。第8実施形態のレバー部230Gは、付勢用突起部241や係止用突起部242が省略されている。第8実施形態のレバー部230Gは、第1と第2の脚部231a,231bのいずれか一方の正面側の端面が、配線基板280(図14)に配置されている付勢部材245に当接して付勢力を付与される。また、第8実施形態のレバー部230Gは、第1と第2の脚部231a,231bのいずれか一方の背面側の端面が正面側壁部202の壁部と当接することによって初期位置に係止される。
第8実施形態のレバー部230Gでは、延出部234Gが第1と第2の脚部231a,231bの端面からカートリッジ収容室210に向かう方向(矢印Yの逆方向)と、カートリッジ100a,100bの装着方向(矢印Zの方向)とに沿って延出している。第8実施形態のホルダー部200Gでは、レバー部230Gが回動移動していない初期位置にあるときには、矢印Xの方向に沿って見たときに、延出部234Gと、コネクターユニット250(図11〜図13)のユニット表面251における全ての端子261〜269と、が重なり合う。従って、コネクターユニット250の各端子261〜269が延出部234Gによって挟まれた状態となり、各端子261〜269の保護性が高められている。
第8実施形態のレバー部230Gでは、架橋部232の操作部238Gは、平板部236の矢印Xの方向におけるほぼ中央の局所的な位置において前方(矢印Yの方向)に延出するように設けられている。そのため、レバー部230Gの回動操作の際には、ユーザーによって架橋部232のほぼ中央の位置に力が加えられることになる。よって、レバー部230Gの回動移動が安定化され、架橋部232の傾斜が抑制される。
以上のように、第8実施形態のホルダー部200Gでは、レバー部230Gの回動移動が安定化されてカートリッジ100の装着安定性が高められている。また、コネクターユニット250の保護性が高められている。その他に、第8実施形態のホルダー部200Gであれば、第1実施形態のホルダー部200と同様な作用効果を奏することができる。
I.第9実施形態:
図46は、本発明の第9実施形態としてのホルダー部200Hの構成を示す概略図である。第9実施形態のホルダー部200Hを備える印刷装置の構成は、第1実施形態の印刷装置10とほぼ同じである(図1,図2)。第9実施形態のホルダー部200Hには、第1実施形態において説明した第1と第2のカートリッジ100a,100bと同様な2種類のカートリッジがそれぞれ着脱可能に装着される。以下では、便宜上、2種類のカートリッジを区別することなく、カートリッジ100Hとして説明する。また、以下では、第1実施形態と共通する構成部については第1実施形態で説明したのと同じ符号で説明する。
第9実施形態のホルダー部200Hおよびカートリッジ100Hは以下に説明する点以外は、第1実施形態のホルダー部200およびカートリッジ100とほぼ同じ構成を有している(図4〜図7,図18〜図27)。第9実施形態のカートリッジ100Cのインク供給口110は、第1壁部101ではなく、第3壁部103に設けられている。そのため、第9実施形態のホルダー部200Hでは、インク受入部211は、背面壁部203に設けられている。
このように、インク供給口110およびインク受入部211の形成位置が異なっていても、ホルダー部200Hは、第1実施形態で説明したのと同じレバー部230によってカートリッジ100Hを係止している。従って、第9実施形態のホルダー部200Hであっても、第1実施形態のホルダー部200と同様に、カートリッジ100Hの装着安定性が高められている。その他に、第9実施形態のホルダー部200Hであれば、第1実施形態で説明したのと同様な作用効果を奏することができる。
J.第10実施形態:
図47は本発明の第10実施形態としての液体供給ユニットであるカートリッジ100Iの構成を示す概略図である。第10実施形態のカートリッジ100Iは、第1実施形態で説明したホルダー部200(図4〜図6)を介して印刷装置10のキャリッジ27(図1,図2)に着脱可能に装着される。第10実施形態においても、第1実施形態において説明した第1と第2のカートリッジ100a,100bと同様な2種類のカートリッジがそれぞれホルダー部200に装着される。以下では、便宜上、2種類のカートリッジを区別することなく、カートリッジ100Iとして説明する。また、以下では、第1実施形態と共通する構成部については第1実施形態で説明したのと同じ符号で説明する。
第10実施形態のカートリッジ100Iは、インク収容部305と、アダプター部310と、を有する。インク収容部305は、内部にインクを収容するための液体収容室であるインク室を有する液体容器である。インク収容部305の下面には、アダプター部310のインク供給口110に接続するインク排出口306が設けられている。
アダプター部310は、インク収容部305を上方の開口部312から収容可能に構成されている外装容器である。アダプター部310は、第1実施形態のカートリッジ100の第1壁部101と第3壁部103と第4壁部104と第5壁部105と第6壁部106のそれぞれと同様な構成を有する壁部を有している。アダプター部310の底面の第1壁部101には第1実施形態のカートリッジ100と同様なインク供給口110,110a〜110cが設けられている。正面側の第4壁部104には第1実施形態で説明したのと同様な構成を有する主係合部120と回路基板130とが配置されている。
第10実施形態のカートリッジ100Iは、インク収容部305がアダプター部310を介してホルダー部200に装着されることによって、印刷装置10にインクを供給することが可能である。第10実施形態のカートリッジ100Iであっても、ホルダー部200のレバー部230に対応する主係合部120がアダプター部310に設けられているため、ホルダー部200に対する高い装着性が実現されている。このように、第10実施形態のカートリッジ100Iであれば、第1実施形態のカートリッジ100と同様に、ホルダー部200に対する高い装着性が実現できる。
K.第11実施形態:
図48は本発明の第11実施形態としての液体供給ユニット330の構成を示す概略図である。第11実施形態の液体供給ユニット330は、第1実施形態で説明したホルダー部200(図4〜図6)を介して印刷装置10のキャリッジ27(図1,図2)に着脱可能に装着される。なお、第11実施形態の液体供給ユニット330には、第1実施形態で説明した第1と第2カートリッジ100a,100bと同様な2種類のタイプがあるが、以下では、便宜上、両者を区別することなく、液体供給ユニット330として説明する。第11実施形態の液体供給ユニット330は、上記の第10実施形態で説明したのと同様な構成を有するアダプター部310を介してホルダー部200に装着される。以下では、第1実施形態および第10実施形態と共通する構成部については第1実施形態および第10実施形態で説明したのと同じ符号で説明する。
第11実施形態の液体供給ユニット330は、アダプター部310と、インク供給管331と、インク収容部332と、を備える。アダプター部310は、第10実施形態で説明したアダプター部310と同じであり、正面の第4壁部104に主係合部120と回路基板130とが設けられ、底面の第1壁部101にインク供給口110が設けられている。
インク収容部332は、内部にインクを収容するためのインク室を有する液体容器である。インク収容部332のインク室は、インク供給管331を介してアダプター部310のインク供給口110に接続されている。
第11実施形態の液体供給ユニット330であっても、レバー部230に対応する主係合部120がアダプター部310に設けられているため、ホルダー部200に対する高い装着性が実現されている。このように、第11実施形態の液体供給ユニット330であっても、第1実施形態のカートリッジ100と同様に、ホルダー部200に対する高い装着性が実現できる。
L.変形例:
L1.変形例1:
上記第1実施形態では、付勢部材245は、第1のレバー部230aに対しては第1の脚部231aに、第2のレバー部230bに対しては第2の脚部231bに接触して付勢力を付与するように構成されている。これに対して、第1のレバー部230aに対しては、第1の脚部231aの代わりに、あるいは、第1の脚部231aに加えて、第2の脚部231bに接触して付勢力を付与するように構成されても良い。また、第2のレバー部230bに対しては、第2の脚部231bの代わりに、あるいは、第2の脚部231bに加えて、第1の脚部231aに接触して付勢力を付与するように構成されても良い。つまり、付勢部材245は少なくとも2つの脚部231a,231bのうちのいずれか一方に付勢力を付与可能であれば良い。付勢部材245は2つの脚部231a,231bの両方に付勢力を付与可能に構成されていても良い。また、付勢部材245はレバー部230の脚部231a,231b以外の部位においてレバー部230を付勢しても良い。例えば、付勢部材245は架橋部232においてレバー部230を付勢しても良い。
L2.変形例2:
上記第1実施形態では、付勢部材245は多孔質部材によって構成されている。これに対して、付勢部材245は多孔質部材以外の弾性変形可能な部材によって構成されても良い。付勢部材245は、例えば、金属製あるいは樹脂性のコイルバネやトーションバネ、板バネによって構成されても良い。
L3.変形例3:
上記第1実施形態では、付勢部材245はレバー部230と配線基板280との間に配置されている。これに対して、付勢部材245はレバー部230と配線基板280との間以外の領域に配置されても良い。例えば、付勢部材245は配線基板280やコネクターユニット250の上方においてレバー部230を付勢可能なように配置されていても良い。付勢部材245は、レバー部230の回動移動の支点部である凸部235から離れた位置に配置されていれば良い。
L4.変形例4:
上記第1実施形態では、付勢部材245は接着層246によって配線基板280やレバー部230などに接着されて保持されている。これに対して、接着層246は省略されても良く、例えば、付勢部材245は嵌合部や係合部などによって、配線基板280やレバー部230、ホルダー部の壁部に固定・保持されても良い。また、上記第1実施形態では、配線基板280の付勢部材配置部243に絶縁層247が設けられているが、絶縁層247は省略されても良い。
L5.変形例5:
上記第1実施形態の構成において、上記の第2実施形態で説明したように、レバー部230と付勢部材245との間に接着層246を追加しても良い。上記の第2実施形態において説明した付勢部材245を接着層246を介してレバー部230に接着する構成は、上記の第3実施形態から第11実施形態のうちのいずれかの実施形態や、他の変形例の構成に適用されても良い。上記の第4実施形態の付勢部材248(図39)は、上記の第2実施形態や第3実施形態、その他の実施形態、変形例に適用されても良い。
L6.変形例6:
上記第1実施形態では、ホルダー部200はコネクターユニット250や配線基板280を備えている。これに対して、ホルダー部200はコネクターユニット250や配線基板280を備えていなくても良い。この場合には、ホルダー部200には回路基板130を有していないカートリッジが装着されるものとしても良い。あるいは、回路基板130と電気的接触可能な電極部がホルダー部200とは分離して設けられても良い。
L7.変形例7:
上記第1実施形態では、ホルダー部200が備える配線基体としての配線基板280,280Bは板状の形状を有している。これに対して、ホルダー部200が備える配線基体は板状の形状を有していなくても良い。配線基体は、例えば、多角柱形状を有していても良いし、半円柱状の形状を有していても良い。
L8.変形例8:
上記第1実施形態では、レバー部230は、カートリッジ100の主係合部120と当接して係合する平板部236を架橋部232に有している。これに対して、レバー部230の架橋部232は平板部236を有していなくても良い。架橋部232は、例えば、主係合部120と当接する棒状に延伸している部位を有していても良いし、主係合部120と点接触する離間している複数の当接部を有していても良い。なお、本明細書において「当接」とは、物同士が互いの間に圧力が生じるように接触することを意味する。この「接触」には、平面同士の接触や平面と曲面との接触、点接触が含まれる。また、物同士の直接的な接触以外に、物同士の中間に何らかの媒体を介在させる間接的な接触も含まれる。
L9.変形例9:
上記第1実施形態では、レバー部230は、カートリッジ100の主係合部120に係合している。これに対して、レバー部230は、カートリッジ100の主係合部120以外の部位と係合しても良い。例えば、レバー部230は、カートリッジ100の壁面に設けられた段差部に係合しても良い。
L10.変形例10:
上記第1実施形態では、レバー部230は、架橋部232が上方に配置され、回動軸RXが下方に配置されるようにホルダー部200に取り付けられている。これに対して、レバー部230は、架橋部232が下方に配置され、回動軸RXが上方に配置されるようにホルダー部200に取り付けられていても良い。この場合には、カートリッジ100の下端に設けられた係合面を架橋部232が上方から係止することによって、カートリッジ100の上方への移動を制限しても良い。
L11.変形例11:
上記第1実施形態では、レバー部230は、ホルダー部200の正面壁部202に設けられている。これに対して、レバー部230はホルダー部200の正面壁部202以外の部位に設けられても良い。例えば、レバー部230はホルダー部200の背面壁部203に設けられても良い。
L12.変形例12:
上記第1実施形態では、ホルダー部200は2種類のカートリッジ100a,100bが装着可能に構成されている。また、第3実施形態では、ホルダー部200Bは、単一のカートリッジが装着可能に構成されている。これに対して、ホルダー部は、第1実施形態や第3実施形態の構成に限定されず、3つ以上のカートリッジを同時に装着可能に構成されていても良い。
L13.変形例13:
上記第1実施形態では、コネクターユニット250は、矢印Xの方向に見たときに、レバー部230における第1と第2の脚部231a,231bと重なる位置に配置されている(図10)。これに対して、コネクターユニット250は、他の異なる位置に配置されていても良い。例えば、コネクターユニット250は、矢印Yの方向に見たときに、レバー部230における第1の脚部231aと第2の脚部231bとの間に位置し、矢印Xの方向に見たときに、第1と第2の脚部231a,231bよりも前方や後方に位置するように配置されても良い。なお、矢印Yの方向は、第1実施形態の構成においては、レバー部230が回動移動可能な方向であると解釈することができる。この他に、コネクターユニット250は、例えば、矢印Xの方向においてレバー部230に隣り合う位置に配置されていても良い。
L14.変形例14:
上記第1実施形態では、ホルダー部200は、カートリッジ100が背面壁部203の上端部を支点とする回動移動の軌跡を描いて装着されるように構成されている(図28,図29)。これに対して、ホルダー部200は、カートリッジ100が背面壁部203の上端部を支点とする回動移動の軌跡を描いて装着されるように構成されていなくても良い。ホルダー部200は、カートリッジ100が上方から直線的な軌道によって装着されるように構成されていても良い。
L15.変形例15:
上記第1実施形態では、レバー部230は第1と第2の脚部231a,231bの両方に延出部234を有している。これに対して、第1と第2の脚部231a,231bのいずれか一方の延出部234が省略されても良いし、両方の延出部234が省略されても良い。
L16.変形例16:
上記第1実施形態において、レバー部230は、第1と第2の脚部231a,231bのそれぞれの下端に設けられている凸部235を回動移動の支点部として回動している。これに対して、レバー部230は、凸部235を回動移動の支点部とする構成以外の構成によって回動しても良い。レバー部230は、架橋部232が回動移動可能に構成されていれば良い。例えば、第1と第2の脚部231a,231bの移動を湾曲したガイドレールによって規定することによって、架橋部232が回動移動可能に構成されていても良い。すなわち、架橋部232の回動移動には、架橋部232の揺動が含まれる。
L17.変形例17:
上記第1実施形態では、コネクターユニット250のユニット表面251およびユニット裏面252には、上下に位置する2列の端子列が構成されている。これに対して、コネクターユニット250おいては、1列の端子列のみが構成されていても良く、上下に3列以上の端子列が構成されていても良い。また、コネクターユニット250の各端子261〜269,271〜279は列をなすように配列されていなくても良い。
L18.変形例18:
上記第1実施形態において、コネクターユニット250の導電部258はコネクターユニット250の下端に折返部位258tを有している。これに対して、導電部258はコネクターユニット250の上端に折返部位258tを有していて良く、コネクターユニット250の側面側に折返部位258tを有していても良い。また、コネクターユニット250の導電部258は板バネとして構成されていなくても良く、例えば、弦巻バネやトーションばねによって付勢力を有するように構成されていても良いし、付勢力を有していない単なる配線として構成されていても良い。
L19.変形例19:
上記第1実施形態では、ホルダー部200には、略直方体形状を有するインク容器として構成され、6つの壁部101〜106を有している第1と第2のカートリッジ100a,100bが装着されている。これに対して、ホルダー部200には、略直方体形状を有しておらず、6つの壁部101〜106の全てを有していないインクカートリッジが装着されても良い。ホルダー部200に装着される第1と第2のカートリッジ100a,100bは例えば、矢印Xの方向に見たときに(側面視したときに)、略台形形状を有する6面体として構成されていても良いし、側面視したときに略楕円形状を有する略円板体として構成されても良い。第1と第2のカートリッジ100a,100bの外形を構成する各壁部101〜106は平坦な表面や平滑な表面を有していなくても良く、凹凸を有していても良い。また、略平面状に延在していなくても良く、切れ目や裂け目があっても良い。各壁部101〜106は略曲面状に曲がっていても良い。加えて、各壁部101〜106は可撓性を有していても良く、フレームで構成された枠内にインクが収容された袋状部材が保持されている構成であっても良い。
L20.変形例20:
上記第1実施形態において、各カートリッジ100a,100bは、ホルダー部200への装着の際にレバー部230と接触して押圧する第1側壁部125および第2側壁部126を備えている。これに対して、第1側壁部125および第2側壁部126のいずれか一方が省略されても良いし、両方が省略されても良い。各カートリッジ100a,100bは、ホルダー部200への装着の際にレバー部230と接触する部位を有していなくても良い。この場合には、ユーザーの操作によってレバー部230をカートリッジ収容室210から離れる方向に回動移動させた状態で、各カートリッジ100a,100bが装着されても良い。
L21.変形例21:
上記第6実施形態では、第1突出部392aおよび第2突出部392bは矢印Xの方向に延伸している壁部として構成されている。これに対して、第1突出部392aおよび第2突出部392bは壁部として構成されていなくても良い。例えば、第1突出部392aおよび第2突出部392bはそれぞれ矢印Zの方向に突出する半球状や円柱状の凸部として形成されていても良い。上記第6実施形態では、第1突出部392aと第2突出部392bとは同じ形状を有しているが、第1突出部392aと第2突出部392bとは同じ形状を有してなくても良い。例えば、第1突出部392aのみが半球状の形状を有していても良い。また、第1突出部392aと第2突出部392bとは矢印X方向への長さの異なる壁部として構成されても良い。主係合部120の上面が凹凸している場合等には、第1突出部392aと第2突出部392bとは、主係合部120における当接部位の形状に応じて異なる高さや形状に調整されていても良い。
L22.変形例22:
上記第6実施形態では、第1突出部392aと第2突出部392bとはそれぞれ第1と第2の脚部231a,231bに隣接した位置に形成されている。これに対して、第1突出部392aと第2突出部392bとはそれぞれ第1と第2の脚部231a,231bから離間した位置に形成されていても良い。また、上記第2実施形態では、第1突出部392aと第2突出部392bとは矢印Xの方向の同一軸上に配列されている。これに対して、第1突出部392aと第2突出部392bとは矢印Xの方向の同一軸上に配列されていなくても良い。第1突出部392aと第2突出部392bの配列方向は、矢印Xの方向に対して斜めの方向であっても良い。第1突出部392aと第2突出部392bの配置位置は、矢印Yの方向に互いにオフセットされていても良い。
L23.変形例23:
上記第6実施形態のレバー部230Eでは、回動規制部として係止壁部395が設けられている。これに対して、回動規制部は係止壁部395のような壁部として形成されていなくても良い。レバー部230Eの回動規制部は、例えば、架橋部232や第1の脚部231aまたは第2の脚部231bから突起している柱状形状などの突起状の部位として形成されていても良い。回動規制部は、レバー部230Eの架橋部232が各カートリッジ100a,100bに近づく方向に回動移動することを、各カートリッジ100a,100bに対する当接によって制限可能に構成されていれば良い。
L24.変形例24:
上記第6実施形態では、回動規制部である係止壁部395は、架橋部232の下面から下方に延出している。これに対して、回動規制部は架橋部232の下面から下方に延出していなくても良い。回動規制部は、架橋部232に対して分離して設けられていても良い。回動規制部は、例えば、第1の脚部231aまたは第2の脚部231bの少なくとも一方から、レバー部230Eの矢印Xの方向における中央に向かって突出している壁部として形成されても良い。
L25.変形例25:
上記第1実施形態についての変形例は、上記の第2実施形態から第11実施形態のうちのいずれか、あるいは、上記の第6実施形態の変形例に対して適用されても良い。上記の第6実施形態および変形例において説明した第1突出部392aおよび第2突出部392bや回動規制部は、上記の第2実施形態から第11実施形態のうちのいずれかのレバー部に適用されても良い。
L26.変形例26:
上記各実施形態および変形例では、本発明の液体供給ユニット装着機構として、インクを吐出する液体噴射機構を備える印刷装置10にインク供給ユニットを装着するホルダー部が説明されている。これに対して、本発明の液体供給ユニット装着機構は、インクの供給ユニット以外の液体供給ユニットを装着する装着機構として構成されても良い。本発明の液体供給ユニット装着機構は、例えば、洗浄液などの液体を洗浄対象に噴射して洗浄する高圧洗浄機に洗浄液を供給する洗浄液の供給ユニットの装着機構として構成されても良い。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…印刷装置
11…筐体
12…給紙口
13…上面カバー
14…排紙口
16…操作部
20…本体部
21…制御部
22…搬送部
23…印刷部
25…搬送ローラー
27…キャリッジ
28…ガイドレール
100(100a,100b),100H,100I…インクカートリッジ
101〜106…壁部
102c…蓋体
108,108a〜108c…インク室
110,110a〜110c…インク供給口
113…延在部
114…突起部
115…貫通孔
116…空気流路溝
117…シール部材
118…溝部
120…主係合部
121…第1庇部
122…切欠部
123…第2庇部
125…第1側壁部
126…第2側壁部
127…端面
130…回路基板
131…端子部
132…記憶装置
151〜159…端子
200,200A〜200H…ホルダー部
201〜205…壁部
210…カートリッジ収容室
211〜214…インク受入部
215…シール部
217…付勢機構
221…第1副壁部
224…第2副壁部
225…傾斜部
226…凹部226
227…嵌合穴
228…第3副壁部
229…嵌合穴
230(230〜230c),230D〜230G…レバー部
231a,231b…脚部
232…架橋部
234,234G…延出部
235…凸部
236,236F…平板部
237…端面
238,238G…操作部
239…突起部
240a,240b…係止突起部
241,241D…付勢用突起部
242…係止用突起部
243…付勢部材配置部
245…付勢部材
246…接着層
247…絶縁層
248…付勢部材
250(250a〜250c)…コネクターユニット
251…ユニット表面
252…ユニット裏面
253…上段端子部
254…下段端子部
255…上段端子部
256…下段端子部
258…導電部
258a,258b…延伸部位
258t…折返部位
261〜269,271〜279…端子
280,280B…配線基板
281…第1の面
282…第2の面
283,283a〜283c…電極部
284…配線群
285…ケーブル接続部
285i…接続口
286…上段電極列
287…下段電極列
288…下端
289…上端
290…嵌合溝
291〜299…電極
305…インク収容部
306…インク排出口
310…アダプター部
312…開口部
330…インク供給ユニット
331…インク供給管
332…インク収容部
391…規制壁
392a,392b…突出部
395…係止壁部
396a,396b…端部部位
397…中央部位
CP,CPa…接触部

Claims (12)

  1. 液体を供給可能な液体供給口を有する液体供給ユニットを装着可能な液体供給ユニット装着機構であって、
    前記液体供給ユニットの前記液体供給口から前記液体を導入可能な液体導入部と、
    前記液体供給ユニットと係合する回動機構と、
    前記回動機構を回動方向に付勢する付勢部材と、
    を備え、
    前記回動機構は、第1の脚部と、前記第1の脚部と離間されて形成される第2の脚部と、前記第1の脚部と前記第2の脚部とを架橋する架橋部と、を含み、
    前記架橋部は、前記液体供給ユニットに当接可能であり、
    前記第1の脚部と前記第2の脚部とは、前記架橋部を前記液体導入部から離れる方向に回動移動可能にする支点部を有し、
    前記付勢部材は、前記支点部から離れた位置に配置されている、液体供給ユニット装着機構。
  2. 請求項1記載の液体供給ユニット装着機構であって、さらに、
    前記液体供給ユニットに対して電気的接触可能なコネクターユニットと、
    前記コネクターユニットに電気的に接触可能な配線基体と、
    を備え、
    前記コネクターユニットは、前記第1の脚部と前記第2の脚部との間に位置し、
    前記付勢部材は、前記第1の脚部と、前記配線基体との間に位置し、前記第1の脚部のうちの前記支点部と前記架橋部との間において前記回動機構を付勢する、液体供給ユニット装着機構。
  3. 請求項2に記載の液体供給ユニット装着機構であって、
    前記架橋部から前記第1の脚部における前記支点部までの距離は、前記架橋部から前記コネクターユニットまでの距離より長く、
    前記支点部から前記付勢部材までの距離は、前記支点部から前記コネクターユニットまでの距離よりも長い、液体供給ユニット装着機構。
  4. 請求項2または請求項3に記載の液体供給ユニット装着機構であって、
    前記配線基体は、前記コネクターユニットに電気的に接触可能な電極部と、前記液体供給ユニットに送信される電気的信号を伝送可能な配線ケーブルに接続可能なケーブル接続部と、前記付勢部材が配置されている付勢部材配置部と、を有し、
    前記電極部は、前記ケーブル接続部と、前記付勢部材配置部との間に位置する、液体供給ユニット。
  5. 請求項4記載の液体供給ユニット装着機構であって、
    前記付勢部材配置部は、前記配線基体に前記付勢部材を接着する基体接着層と、前記基体接着層の下に形成されている絶縁層と、を有する、液体供給ユニット装着機構。
  6. 請求項5記載の液体供給ユニット装着機構であって、
    前記絶縁層は、絶縁性高分子材料によって構成されている、液体供給ユニット装着機構。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の液体供給ユニット装着機構であって、
    前記付勢部材と前記第1の脚部とを接着する脚部接着層を有する、液体供給ユニット装着機構。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の液体供給ユニット装着機構であって、
    前記付勢部材は、繊維部材または発泡性部材を含む、液体供給ユニット装着機構。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の液体供給ユニット装着機構であって、
    前記付勢部材は、JIS K6401に準じた測定方法による圧縮残留歪みの測定値が7%を超えないポリウレタンフォームを含む、液体供給ユニット装着機構。
  10. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の液体供給ユニット装着機構であって、
    前記付勢部材はシリコンフォームを含む、液体供給ユニット装着機構。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の液体供給ユニット装着機構に装着可能な液体供給ユニットであって、
    前記液体供給ユニット装着機構に装着されるときに、前記回動機構に接触することによって、前記架橋部を前記液体導入部から離れる方向に回動移動させることができる接触部を備える、液体供給ユニット。
  12. 液体を供給可能な液体供給口を有する第1の液体供給ユニットおよび第2の液体供給ユニットをそれぞれ装着可能な液体供給ユニット装着機構であって、
    前記第1の液体供給ユニットに係合可能な第1の回動機構と、
    前記第2の液体供給ユニットに係合可能な第2の回動機構と、
    前記第1の液体供給ユニットに電気的に接続可能な第1のコネクターユニットと、
    前記第2の液体供給ユニットに電気的に接続可能な第2のコネクターユニットと、
    前記第1のコネクターユニットと前記第2のコネクターユニットとに電気的に接続可能な配線基体と、
    前記第1の回動機構と前記第2の回動機構とを回動方向に付勢可能な付勢部材と、を備え、
    前記付勢部材は、前記配線基体と、前記第1の回動機構および前記第2の回動機構と、の間に位置する、液体供給ユニット装着機構。
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